JP2005050482A - ヘッドスライダおよびこれを用いた磁気ディスクドライブ装置 - Google Patents

ヘッドスライダおよびこれを用いた磁気ディスクドライブ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ディスクリートトラックメディアにおいてデータゾーン・サーボゾーンの区別なくどこでヘッドスライダの浮上変動が発生したとしても、記録再生特性に影響を与えない程度の浮上変動となるようにする。
【解決手段】 ディスクリートトラックメディア上を浮上走行するヘッドスライダのリヤパッド302bの面積をSaとし、その直下にあるディスクリートトラックメディアの表面に設けられた凹凸面のうち凸部の合計面積Sbとするとき、リヤパッドの面積Saを、0.5≦Sb/Sa<1を満足する値に設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、ヘッドスライダおよび磁気ディスクドライブ装置に関し、より詳細には、ディスクリートトラックメディアに対応したヘッドスライダおよびこれを用いた磁気ディスクドライブ装置に関する。
近年、磁気ディスクにおける記録密度の向上を目的として、磁気ディスク表面に物理的な凹凸を形成してトラック間を磁気的に分離したディスクリートトラックメディアの開発が進んでいる。
図8は、ディスクリートトラックメディアの概略構成を示す模式図である。
図8に示されるように、ディスクリートトラックメディア10は、記録再生時に所定の周期で現れるようにディスクの中心から略放射状に設けられたサーボゾーン11と、サーボゾーンを除いたディスクの略全面に設けられたデータゾーン12を有している。サーボゾーン11には、記録トラックを特定するためのグレイコードや、サーボクロックを生成する際の基準となるクロックマークや、磁気ヘッドのトラッキング制御に使用されるバーストパターンなどの制御信号が予め形成されている。データゾーン12には略同心円状のグルーブ(凹部)13aが所定のトラックピッチで形成されており、グルーブとグルーブの間の凸部13bが記録用トラックとして使用される。グルーブ13aはドラックどうしを区分するためのガードバンドとして機能するので、隣接トラックからのクロストークの影響が低減される。データゾーン12には実際のデータが記録される。
図9(a)および(b)は、ヘッドスライダの浮上原理の概要を示す模式図である。
図9(a)に示されるように、ヘッドスライダは、回転する磁気ディスクの表面に近づいたとき、磁気ディスクの回転に伴ってヘッドスライダと磁気ディスクとの間に流入する空気流により浮揚力を受ける。この浮揚力は、ヘッドスライダを押し上げる正圧15と、逆にヘッドスライダを引きつける負圧16との差からなる。そして、ヘッドスライダが一定の浮上量dをもって磁気ディスク上を浮上走行しているとき、この浮揚力はヘッドスライダのサスペンション荷重17とつりあっている。
ところで、表面が平坦な従来の磁気ディスクに対して一定の浮上量をもって浮上するように構成されたヘッドスライダをディスクリートトラックメディアに適用した場合、図9(b)に示されるように、ディスクリートトラックメディアの表面には凹凸が形成されており、ヘッドスライダが浮揚力を得ることができるメディア上の面積が従来のメディアと比較して小さくなるため、発生する正圧15と負圧16はともに小さくなる。サスペンション荷重は、平坦な磁気ディスク表面を浮上させた場合と変わらないため、メディア上でつりあっていた正圧15、負圧16およびサスペンション荷重17のバランスが崩れ、ヘッドスライダの浮上量そのものが低下するのみならず、浮上変動も増加する。そのため、ヘッドスライダの浮上姿勢の安定性が悪くなり、ヘッドスライダがメディアに衝突する可能性が非常に高くなる。また、ヘッドスライダの浮上が安定しないため、記録再生信号も安定せず、記録再生特性が悪化するという問題がある。
図10(a)および(b)は、従来のヘッドスライダを従来のメディアとディスクリートトラックメディアにそれぞれ適用した場合におけるヘッドスライダの浮上量およびヘッドスライダに発生する浮揚力をそれぞれ示すグラフである。なお、細実線がディスクリートトラックメディアに適用した場合、太実線が従来のメディアに適用した場合を示しており、ディスクリートトラックメディアの場合には、サーボゾーンを一箇所通過した場合の結果である。
図10(a)に示されるように、ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダは、サーボゾーンを通過する際に浮上量が大きく変動するとともに、全体の浮上量も平坦なメディア上を浮上する場合に比べて低くなっている。また図10(b)に示されるように、ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダに発生する浮揚力は、サーボゾーンを通過する際に大きく変化している。このように、従来のヘッドスライダを用いてディスクリートトラックメディア上を安定的に浮上させることは困難である。
そこで、メディア上に均等に配置されたサーボゾーンの間隔とヘッドスライダの長さについて規定することで、ディスクリートトラックメディア上のヘッドスライダの浮上量の変動を抑制して再生出力電圧の安定化を図る方法が知られている(特許文献1参照)。この方法では、ディスクリートトラックメディアの情報パターンのもっとも長い波長をLmaxとし、ヘッドスライダのメディアとの相対的走行方向の長さをLs1とするとき、Ls1/Lmax>1となるように、それぞれの値が選定される。
また、サーボゾーンを通過する際、その部分での浮上量が高くなるようにディスクリートトラックメディアのデータゾーンとサーボゾーンの面積比率を決定する方法も知られている(特許文献2参照)。この方法では、データゾーンにおける凸部と凹部の面積比をサーボゾーンにおける凸部と凹部との面積比により除算した値が、0.83〜2.7の範囲内となるように設定される。
特開平5−81808号公報 特開平11−161943号公報
しかしながら、上述した先行例1の方法におけるヘッドスライダの長さとデータゾーンおよびサーボゾーンを一組とした情報パターンの長さとの関係よりも、ヘッドスライダの浮揚力を得るパッド形状および寸法のほうが浮上変動に影響すると考えられ、先行例1の規定のみでは安定した浮上が得られない可能性がある。
また、上述した先行例2の方法においては、サーボゾーンの浮上量をデータゾーンより高くすることで、ヘッドスライダやメディアの損傷を受けることなく安定した記録再生が行えるとしているが、ヘッドスライダがデータゾーンとサーボゾーンを通過する際に発生する浮上変動によって、記録再生が十分に行えないことが考えられる。
また、ヘッドスライダの浮上量や浮上変動の問題を解決するため、ディスクリートトラックメディア表面の凹凸を埋めてメディア表面を平坦化する方法も考えられるが、これによって得られる表面の平坦度は数nm程度であるが、凹凸のない従来のメディアと同等レベルな浮上安定性を得ることが難しいため、結局は凹凸上であっても安定した浮上が可能なヘッドスライダが望まれている。
したがって、本発明の目的は、ディスクリートトラックメディアにおいてデータゾーン・サーボゾーンの区別なく、記録再生特性に影響を与えない程度の浮上変動となるヘッドスライダおよびこれを用いた磁気ディスクドライブ装置を提供することにある。
本発明のかかる目的を達成するため、ディスクリートトラックメディアに対応するヘッドスライダについて研究を重ねた結果、本発明者は、ヘッドスライダの底面の後部に形成されたパッドの面積をSaとし、パッドの直下にあるディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbとするとき、パッドの面積Saが、0.5≦Sb/Sa<1を満足する値に設定されていることにより、本発明の前記目的を達成することが可能になることを見出した。
したがって、本発明の前記目的は、 データゾーンおよびサーボゾーンを有し、かつ表面に凹凸を有するディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダであって、ヘッドスライダ本体と、前記ヘッドスライダ本体の底面の後部に形成された少なくとも1つのパッドを備え、前記パッドの合計面積をSaとし、前記パッドの直下にある前記ディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbとするとき、前記パッドの合計面積Saが、0.5≦Sb/Sa<1を満足する値に設定されていることを特徴とするヘッドスライダによって達成される。
本発明によれば、表面に磁気的に分離されたデータゾーンおよびサーボゾーンを有しかつ表面に凹凸があるディスクリートトラックメディア上をヘッドスライダが浮上する場合に、前記パッドの面積Saが上記のように設定されることにより、ヘッドスライダおよびこれに取り付けられた磁気ヘッドの浮上変動を抑制することが可能となり、サーボゾーンに記録された制御信号を正確に読み取ることができる。
また本発明によれば、面記録密度が非常に高い場合、例えば100GB/in2の場合であっても、磁気ヘッドの浮上変動を抑えることができ、サーボゾーンに記録された制御信号をより正確に読み取ることができる。
本発明の前記目的はまた、データゾーンおよびサーボゾーンを有し、かつ表面に凹凸を有するディスクリートトラックメディアと、前記ディスクリートトラックメディアを回転させる回転制御機構と、前記ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダと、前記ヘッドスライダに設けられた磁気ヘッドを少なくとも備え、前記ヘッドスライダは、その底面の後部に形成された少なくとも1つのパッドを備え、前記パッドの合計面積をSaとし、前記パッドの直下にある前記ディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbとするとき、前記パッドの合計面積Saが、0.5≦Sb/Sa<1を満足する値に設定されていることを特徴とする磁気ディスクドライブ装置によっても達成される。
以上説明したように、本発明によれば、表面に磁気的に分離されたデータゾーンおよびサーボゾーンを有しかつ表面に凹凸があるディスクリートトラックメディア上をヘッドスライダが浮上する場合に、ヘッドスライダの後部に形成されたパッドの面積Saと、前記パッドの直下にある前記ディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbが、0.5≦Sb/Sa<1を満足することにより、ヘッドスライダおよびこれに取り付けられた磁気ヘッドの浮上変動を記録再生特性に影響を与えない程度に抑えることができ、サーボゾーンに記録された制御信号を正確に読み取ることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態にかかる磁気ディスクドライブ装置の構成を示す略斜視図である。
図1に示されるように、この磁気ディスクドライブ装置は、アルミニウム合金等により形成された基体101と、スピンドルモータ103の回転軸に固定された磁気ディスク(ディスクリートトラックメディア)102と、磁気ディスク102を角速度一定で回転させるスピンドルモータ103と、垂直軸104aに軸支されておりその周りを揺動可能なアーム104と、アーム104の先端部に取り付けられたサスペンション105と、サスペンション105の先端部に取り付けられたヘッドスライダ106と、アーム104の後端部に設けられたボイスコイルモータ107を備えている。ボイスコイルモータ107は、ボイスコイル108、マグネット109、カバーヨーク110aおよびボトムヨーク110bから構成されており、ボイスコイル108とマグネット109は、ボトムヨーク110bとカバーヨーク110aの間に形成された実質的に閉じた空間内に収容されている。
図1に示されるように、磁気ディスクドライブ装置においてスピンドルモータ103が回転すると、磁気ディスク102が図中M方向に一定の角速度で回転駆動される。一方、ボイスコイル108に外部から電流が供給されると、マグネット109の磁界とボイスコイル108に流れる電流によって生ずる力に基づいて、アーム104は垂直軸104aの周りを回動する。これにより、サスペンション105の先端部に取り付けられているヘッドスライダ106は、磁気ディスク102の回転に伴ってその表面上を走行しながら図中X方向、すなわち実質的に半径方向に移動する。したがって、このヘッドスライダ106に搭載された磁気ヘッドも径方向に移動して、磁気ディスク102に対するシーク動作が行われる。そして、磁気ディスク102の所定のトラックにおいてデータの記録再生が行われる。
図2は、本発明の好ましい実施形態にかかるヘッドスライダの形状を示す図であって、(a)は底面図、(b)は図2(a)のY−Y線に沿った側面断面図である。なお、図3では、説明を容易にするため、ヘッドスライダの高さ(H)方向の形状が誇張されてある。
図2に示されるように、このヘッドスライダは、1〜2mm角程度の大きさのチップである。例えば現在主流のピコスライダの寸法は、長さL=1.24mm×幅D=1.0mm×高さH=0.3mmであり、またフェムトスライダの寸法は、L=0.85mm×D=0.7mm×H=0.23mmである。ヘッドスライダの底面には所定の浮上量をもつように凹凸が形成された空気潤滑面(ABS:Air Bearing Surface)を有している。ABSの凹凸面はイオンミリング法などによって高精度に加工される。
ABSの凹凸のうち凸面は正圧力を発生させる面として作用する。本実施形態においては、ABSの基準面301から見て最も高い第1の凸面302aおよび302bと、その次に高い第2の凸面303が設けられており、実質的に正圧力を発生させる第1の凸面302aおよび302bはパッドと呼ばれる。パッド302aおよび302bの高さh1は、例えばヘッドスライダ本体の基準面301から1.0μmに設定され、第2の凸面303と第1の凸面302aおよび302bの段差h2は、例えば0.1μmに設定される。
ヘッドスライダに設けられたパッド302aおよび302bのうち、ヘッドスライダの前部に形成されたパッド302aはフロントパッドと呼ばれ、後部に形成されたパッド302bはリヤパッドと呼ばれる。なお、ヘッドスライダの前部とは、ヘッドスライダ106の長さ方向中央(図示のX−X線)を境界として、それよりも前方の領域をいい、ヘッドスライダの後部とは、その境界よりも後方の領域をいう。また前方とは、ヘッドスライダがディスク上を浮上走行するときの進行方向をいい、後方とはそれとは反対方向をいう。リヤパッド302bの後端部にはデータを記録再生するための磁気ヘッド305が設けられている。ヘッドスライダ106の後方よりも前方のほうが高く持ち上がるように、フロントパッド302aの面積はリヤパッド302bの面積よりも大きく設定されている。
以上のような構成のヘッドスライダ106において、ヘッドスライダの後端部に設けられた磁気ヘッド305がディスク面から10数nm浮上しているとき、ヘッドスライダの前方はフロントパッド302が発生させる正圧力によりディスク面から数100nmで浮上しているため、ヘッドスライダ前方の浮上量がディスクリートトラックメディアの凹凸の影響を受けることはほとんどないと考えられる。そこで、最も重要である磁気ヘッド部の浮上量に対するディスクリートトラックメディアの凹凸の影響を低減させるためには、ヘッドスライダのリヤパッド302bとディスクリートトラックメディアの凹凸との関係について考える必要がある。
図3は、ヘッドスライダのリヤパッドとディスクリートトラックメディア上の凹凸面との関係を示す略平面図である。
図3に示されるように、ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダのリヤパッド302bがサーボゾーン401を通過するとき、リヤパッドに圧力を与える要素となるメディア上の凸部の面積が急に変化することに起因して、リヤパッド302bに発生する圧力も変化すると考えられる。これにより浮上変動が大きくなり、記録再生信号特性にも悪影響を及ぼすことは上述したとおりである。
一般に、再生出力信号はある程度変動するものの、一周にわたってほぼ一定であることが求められる。この出力レベルが1周にわたって大きく変動したりサーボエリアで再生信号が途切れたりすると、記録再生特性や磁気ヘッドの位置決め精度に悪影響を及ぼす。例えば出力レベルの変動がもととなる信号レベルから±1dBの範囲内であれば、制御信号の品質として問題はなく、磁気ヘッドの位置決め精度が低下することもない。
磁気記録におけるスペーシング損失Ld[dB]は、
Ld=54.6×d/λ
で表される。ここでd[nm]は磁気的スペーシングであり、λ[nm]は記録波長である。磁気的スペーシングは、ヘッドスライダの浮上量に潤滑剤の膜圧と保護膜の厚みを加えたものである。
いま、ディスクの回転数を4200rpm、ディスクの半径r=21mm、記録周波数f=65MHzとすると、記録波長λ=71.05nmとなる。また、磁気的スペーシングをd=20nmとすると、±1dBのスペーシング損失が起きるには、約±1.5nm(3nmpp)の浮上変動が発生していることになる。したがって、ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダが3nmppの浮上変動幅で浮上していれば、記録再生特性を悪化させることはないと言える。
そこで本実施形態においては、ディスクリートトラックメディア上の凹凸面の影響によるヘッドスライダの浮上変動を抑制ため、図3に示したように、ディスクリートトラックメディア上を浮上走行するヘッドスライダのリヤパッド302bの面積をSaとし、その直下にあるディスクリートトラックメディアの表面に設けられた凹凸面のうち凸部の合計面積Sbとするとき、リヤパッドの面積Saを、0.5≦Sb/Sa<1を満足する値に設定する。
一般には、ヘッドの記録素子の幅や記録密度によってディスクリートトラックメディアのトラックピッチやトラック幅が決定されるので、それに合わせてリヤパッドの面積Saを設定すればよい。なお、ディスクリートトラックメディア表面の凹凸はその所々で変化しており、凸部の合計面積Sbも変化するため、凸部の合計面積Sbとは、ディスクリートトラックメディア上において凸部の合計面積が最小となるところでの値とされる。この値は、前もって得られているデータゾーンやサーボゾーンの情報から算出することができる。
以上説明したように、本実施態様によれば、リヤパッドの面積をSaとし、リヤパッドの直下にあるディスクリートトラックメディア上の凸部の面積をSbとしたとき、0.5≦Sb/Sa<1を満足するように設定されることにより、記録再生特性やヘッドの位置決め性能に悪影響を及ぼすことなく、ヘッドスライダの安定した浮上走行を実現することができる。
なお、以上の関係はスライダの大きさに依存せず、ヘッドスライダの後部のパッドの面積の合計で決まるため、現在主流のピコスライダに好適なことはもちろんのこと、フェムトスライダにも適用することができる。
本発明は、以上の実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更を加えることが可能であり、これらも本発明に包含されるものであることは言うまでもない。
例えば、前記実施形態においては、リヤパッドが1つのパッドからなる場合を説明したが、2つ以上のパッドより構成されていてもよく、この場合にリヤパッドの面積Saはヘッドスライダの後部に設けられた各々のパッドの合計面積として定義される。例えば、ヘッドスライダの後部のパッドが3つに分かれていてもよく、この場合にリヤパッドの面積Saは、3つのパッドそれぞれの面積の合計として定義される。そして、複数のパッドからなるリヤパッドの面積をSaとし、リヤパッドの直下にあるディスクリートトラックメディア上の凸部の面積をSbとしたとき、0.5≦Sb/Sa<1を満足するように設定されることにより、記録再生特性やヘッドの位置決め性能に悪影響を及ぼすことなく、ヘッドスライダの安定した浮上走行を実現することができる。
本発明は、表面の凹部を埋めて平坦化したディスクリートトラックメディアにおいて、数nmの凹凸が残存する場合にも適用でき、浮上変動は前記実施形態よりも小さく抑えることができる。
本発明の効果をより明確なものとするため、以下に実施例を掲げる。
ヘッドスライダのリヤパッドの合計面積Saと磁気ディスク表面においてリヤパッドの面積Saと等しい領域内に存在する凸部の面積の合計Sbの割合(比率)Sb/Saと、ヘッドスライダの浮上変動との関係を、有限要素法を用いたシミュレーションによって求めた。シミュレーションの条件は次のとおりである。
まず、シミュレーションで用いたヘッドスライダのモデルは図2に示したもので、リヤパッドの長さは0.38mmで、幅は0.35mmである。そして有限要素法のメッシュ数を194×194とした。ディスクリートトラックメディアについては、ヘッドスライダが浮上するディスクの半径を21mmとし、データゾーンのトラックピッチを300nm、トラック幅を150nm、サーボゾーンの凹凸のピッチを360nm、凹凸の幅の比率を1:1とした。また、データゾーンの凹凸比率とサーボゾーンの凹凸比率の比は1:1である。凹部の深さ(凸部の高さ)を20nmとし、ディスク回転数を4200rpmとした。また、サスペンションについては、サスペンション荷重を3.0gfとし、サスペンションの長さを34.73mmとし、サスペンションのピッチ方向への慣性モーメントを2.105E−13[kg*m^2]、サスペンションのロール方向への慣性モーメントを1.42E−13[kg*m^2]とした。その結果を図4に示す。
図4はシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は面積比Sa/Sb、縦軸はヘッドスライダのピーク間の浮上変動幅[nmpp]を示している。なおグラフ上の点はシミュレーション結果であり、実線はシミュレーション結果より得られた近似曲線である。
図4に示されるように、Sb/Saが0.5以上であれば、浮上変動幅は3.0nmpp以内に確実に抑えられるが、それよりも小さい場合には、浮上変動幅を3nmpp以内に抑えることが困難であることが分かる。
すなわち、このグラフによれば、ヘッドスライダ後部のパッドの面積Saと、ディスクリートトラックメディアにおける凸部の合計面積Sbとの関係が、0.5≦Sb/Sa<1であれば、記録再生やヘッドの位置決めに悪影響を及ぼさない浮上変動幅±1.5nm(3.0nmpp)以内に抑えることができることが分かる。
次に、Sb/Saとヘッドスライダの浮上量との関係を、有限要素法を用いたシミュレーションによって求めた。シミュレーション条件は実施例1の場合と同様である。その結果を図5に示す。
図5はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は面積比Sb/Sa、縦軸はヘッドスライダの浮上量を示している。なおグラフ上の点はシミュレーション結果であり、実線はシミュレーション結果より得られた近似曲線である。
図5に示されるように、Sb/Saが0.5以上であれば、ディスクリートトラックメディア上でもヘッドスライダの浮上量の低下が起こることはなく、また実施例1から明らかなように浮上変動も抑制されるので、最終的にはクラッシュ等の危険を回避することができる。
所定時間内におけるヘッドスライダの浮上変動を、有限要素法を用いたシミュレーションによって求めた。シミュレーション条件は実施例1の場合と同様である。その結果を図6(a)に示す。
図6(a)は、そのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は時間(T)、縦軸はヘッドスライダの浮上量を示している。また、太実線のグラフは本発明の実施例(Sb/Sa=0.75のスライダ:凹凸のない従来のメディア上で約20nm浮上するように設計されたもの)を示しており、細実線のグラフは比較例(Sb/Sa=0.26のスライダ:凹凸のない従来のメディア上で約13nm浮上するように設計されたもの)を示している。両スライダは、ディスクリートトラックメディア上での浮上量がそれぞれ約11.5nmおよび約5nmとなっている。
図6(a)に示されるように、比較例にかかるヘッドスライダの浮上変動幅が4.7nmppであるのに対し、本実施例にかかるヘッドスライダの浮上変動幅は1.69nmppであり、比較例のヘッドスライダに比べて十分に小さかった。
この実施例から、凹凸のない従来の記録メディア上で約20nm浮上するように設計されたスライダは、0.5≦Sb/Sa<1であれば、スライダに発生する浮揚力がそれほど変動することはないが、それよりも比率が小さくなると浮揚力が大幅に変動し、浮上変動も大きくなるため、メディアとのクラッシュの可能性が高くなることが分かる。
また、実施例3のデータゾーンの凹凸比をサーボゾーンの凹凸比で除算した値は1.0となっており、サーボゾーンを通過した際の浮上変動は安定に記録再生を行うことための浮上変動によりも大きくなっている。上述した先行例2の規定によれば、この範囲であれば安定した記録再生を行うことができるとされているが、その規定は必ずしも当てはまらないことが分かる。
また所定時間内にスライダに発生する浮揚力を、有限要素法を用いたシミュレーションによって求めた。シミュレーション条件は実施例1の場合と同様である。その結果を図6(b)に示す。
図6(b)はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は時間(T)、縦軸はスライダに発生する浮揚力を示している。また、太実線のグラフは本発明の実施例(Sb/Sa=0.75のスライダ:凹凸のない従来のメディア上で約20nm浮上するように設計されたもの)を示しており、細実線のグラフは比較例(Sb/Sa=0.26のスライダ:従来のメディア上で約13nm浮上するように設計されたもの)を示している。
図6(b)に示されるように、比較例にかかるヘッドスライダの浮揚力の変動幅が約0.6[g]に対して、本実施例にかかるヘッドスライダの浮揚力の変動幅は約0.3[g]であり、比較例のヘッドスライダに比べて十分に小さかった。
この実施例から、従来の記録メディア上で約20nm浮上するように設計されたスライダは、0.5≦Sb/Sa<1であれば、スライダに発生する浮揚力がそれほど変動することはないが、それよりも比率が小さくなると浮揚力が大幅に変動し、浮上変動も大きくなるため、メディアとのクラッシュの可能性が高くなることが分かる。
次に、面記録密度とスライダの浮上変動との関係を、論理計算によって求めた。シミュレーション条件は実施例1の場合と同様である。
図7は、論理計算結果を示すグラフであり、横軸は面記録密度、縦軸はスライダの許容される浮上変動量を示している。
図7に示されるように、出力変動に対する浮上変動の許容量は、面記録密度とスライダの浮上量によって変化することが分かる。
例えば、面記録密度が60GB/in2の場合には、許容される浮上変動は3nmppである。これが100GB/in2においては、許容される浮上変動は25nmppと小さくなる。これを出力変動に換算すると、60GB/in2での出力変動は±1.0dB、100GB/in2での出力変動は±0.96dBとなる。浮上変動が2.5nmppのときのSaとSbとの関係は、図4に示したようにSb/Sa≧0.6となり、この条件を満たすヘッドスライダであればより高密度記録に対応することが可能である。すなわち、0.5≦Sb/Sa<1の条件を満たすヘッドスライダでも本発明の効果を得ることができるが、0.6≦Sb/Sa<1のほうがより望ましい条件であるといえる。
図1は、本発明の好ましい実施形態にかかる磁気ディスクドライブ装置の構成を示す略斜視図である。 図2は、本発明の好ましい実施形態にかかるヘッドスライダの形状を示す図であって、(a)は底面図、(b)は図2(a)のY−Y線に沿った側面断面図である。 図3は、ヘッドスライダのリヤパッドとディスクリートトラックメディア上の凹凸面との関係を示す略平面図である。 図4は、Sb/Saとヘッドスライダの浮上変動との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図5は、Sb/Saとヘッドスライダの浮上量との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図6(a)および(b)は、所定時間内におけるヘッドスライダの浮上変動およびヘッドスライダに発生する浮揚力のシミュレーション結果を示すグラフであり、(a)は浮上変動を示すグラフ、(b)はヘッドスライダに発生する浮揚力を示すグラフである。 図7は、面記録密度とスライダの浮上変動との関係のシミュレーション結果を示すグラフである。 図8は、ディスクリートトラックメディアの概略構成を示す模式図である 図9(a)および(b)は、ヘッドスライダの浮上原理の概要を示す模式図である。 図10(a)および(b)は、従来のヘッドスライダを従来のメディアとディスクリートトラックメディアにそれぞれ適用した場合におけるヘッドスライダの浮上量およびヘッドスライダに発生する浮揚力をそれぞれ示すグラフである。
符号の説明
10 ディスクリートトラックメディア
11 サーボゾーン
12 データゾーン
13a グルーブ
13b 凸部
15 正圧
16 負圧
17 サスペンション荷重
100 磁気ディスクドライブ装置
101 基体
102 磁気ディスク
103 スピンドルモータ
104 アーム
104a 垂直軸
105 サスペンション
106 ヘッドスライダ
106b ヘッドスライダの後端
107 ボイスコイルモータ
108 ボイスコイル
109 マグネット
110a カバーヨーク
110b ボトムヨーク
301 基準面
302a パッド(フロントパッド)
302b パッド(リヤパッド)
303 凸面
305 磁気ヘッド
401 サーボゾーン
501 ヘッドスライダ
502a フロントパッド
502c センターパッド
502d サイドパッド
502e サイドパッド

Claims (2)

  1. データゾーンおよびサーボゾーンを有し、かつ表面に凹凸を有するディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダであって、
    ヘッドスライダ本体と、前記ヘッドスライダ本体の底面の後部に形成された少なくとも1つのパッドを備え、
    前記パッドの合計面積をSaとし、前記パッドの直下にある前記ディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbとするとき、
    前記パッドの合計面積Saが、
    0.5≦Sb/Sa<1
    を満足する値に設定されていることを特徴とするヘッドスライダ。
  2. データゾーンおよびサーボゾーンを有し、かつ表面に凹凸を有するディスクリートトラックメディアと、
    前記ディスクリートトラックメディアを回転させる回転制御機構と、
    前記ディスクリートトラックメディア上を浮上するヘッドスライダと
    前記ヘッドスライダに設けられた磁気ヘッドを少なくとも備え、
    前記ヘッドスライダは、
    その底面の後部に形成された少なくとも1つのパッドを備え、
    前記パッドの合計面積をSaとし、前記パッドの直下にある前記ディスクリートトラックメディア上の凸部の合計面積をSbとするとき、
    前記パッドの合計面積Saが、
    0.5≦Sb/Sa<1
    を満足する値に設定されていることを特徴とする磁気ディスクドライブ装置。
JP2003284169A 2003-07-31 2003-07-31 ヘッドスライダおよびこれを用いた磁気ディスクドライブ装置 Withdrawn JP2005050482A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8111475B2 (en) 2007-07-27 2012-02-07 Toshiba Storage Device Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
US8184401B2 (en) 2007-12-27 2012-05-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Disk drive head and suspension assembly having a slider with a groove and a connecting step

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US8111475B2 (en) 2007-07-27 2012-02-07 Toshiba Storage Device Corporation Magnetic recording medium and magnetic recording apparatus
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