JP2005048889A - 自動二輪車等の倒立型フロントフォーク - Google Patents

自動二輪車等の倒立型フロントフォーク Download PDF

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Abstract

【課題】 アウタチューブ内にインナチューブを挿入した自動二輪車等の倒立型フロントフォークにおいて、ピストンロッドに設けたピストンをインナチューブの内周に直接摺動させることにより、格別のシリンダパイプを削減し、コスト低減すること。
【解決手段】 自動二輪車等の倒立型フロントフォーク20において、アウタチューブ201側に取付けた中空のピストンロッド206の先端部にインナチューブ202の内周に摺接するとともに伸側減衰力発生装置220を設けたピストン221を取付け、ピストンロッド206の上部の大径部内に圧側減衰力発生装置230を設けたバルブシート233を固設し、バルブシート230の上部に内側油溜室234Aを区画し、該内側油溜室234Aをバルブシート233に設けた流路235、236及びピストンロッド206内の油路222Cを介して、インナチューブ202内のピストン側油室222Bに連通したもの。
【選択図】 図2

Description

本発明は自動二輪車等の倒立型フロントフォークに関する。
自動二輪車等のフロントフォークとして、特許文献1に記載の如く、車体側のインナチューブを車輪側のアウタチューブに挿入した正立型フロントフォークにおいて、アウタチューブ内にシリンダパイプを立設し、インナチューブの側に取付けた中空のピストンロッドをシリンダパイプ内に挿入し、中空ピストンロッドの上部の拡径部に内側油溜室を設け、シリンダパイプ内に進入/退出するピストンロッドの容積分の作動油を内側油溜室によって補償するものがある。
特許2682620
特許文献1のフロントフォークは、正立型であるとともに、アウタチューブ内にシリンダパイプを設けることを必須としている。シリンダパイプを設ける分、部品点数が増加し、コスト高になる。
本発明の課題は、アウタチューブ内にインナチューブを挿入した自動二輪車等の倒立型フロントフォークにおいて、ピストンロッドに設けたピストンをインナチューブの内周に直接摺動させることにより、格別のシリンダパイプを削減し、コスト低減することにある。
請求項1の発明は、アウタチューブ内に、インナチューブを摺動自在に挿入した自動二輪車等の倒立型フロントフォークにおいて、前記アウタチューブを車体側に、前記インナチューブを車輪側に取付け、前記インナチューブ内周に、前記アウタチューブ側に取付けた中空のピストンロッドを案内するロッドガイドを固定し、該中空のピストンロッドの先端部に、前記インナチューブ内周に摺接するとともに、伸側減衰力発生装置を設けたピストンを取付け、該ピストンにより、前記インナチューブ内に、該ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、前記中空のピストンロッドの上部に大径部を形成し、該大径部内に、圧側減衰力発生装置を設けたバルブシートを固設し、該バルブシートの上部に、上部気体室とした内側油溜室を区画するとともに、該内側油溜室を該バルブシートに設けた流路及び前記中空のピストンロッド内の油路を介して、前記ピストン側油室に連通し、前記ロッドガイドの上部に、上部を気体室とした外側油溜室を設け、前記ピストンロッド側油室、ピストン側油室を、シール手段にて、前記外側油溜室に対して密封するとともに、前記内側油溜室を、可動隔壁部材にて、前記気体室に対して密封したものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記シール手段が、前記ロッドガイドの内周で、前記ピストンロッドの外周に設けた、該ピストンロッド側油室の作動油を密封する一方向性のオイルシールと、前記ロッドガイドの外周で、前記インナチューブの内周に設けたOリングからなり、該可動隔壁部材は、前記内側油溜室が一定の圧力になったときに、該内側油溜室内の作動油を前記気体室に排出して、前記ピストンロッド側油室、ピストン側油室及び前記内側油溜室の内圧を一定に保つようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記中空のピストンロッドが最伸張時に、前記ピストンロッド側油室の最上部に臨む位置に、該ピストンロッド側油室と前記中空ピストンロッド内の油路を連通する油孔を設けたものである。
請求項4の発明は、前輪の左右に一対のフロントフォークを配置した自動二輪車等のフロントフォーク装置において、一方のフロントフォークとして、前記伸側と圧側の減衰力発生装置を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の前記フロントフォークを配設し、他方のフロントフォークにのみ、懸架スプリングを設けたものである。
(請求項1)
(1)ピストンロッドの上部にバルブシートを介して設けた内側油溜室に、ピストンロッド内の油路を介して、インナチューブ内のピストン側油室を連通した。従って、ピストンロッドに設けたピストンをインナチューブの内周に直接摺動させ、かつインナチューブ内に進入/退出するピストンロッドの容積分の作動油を内側油溜室によって補償できる。インナチューブとは格別のシリンダパイプを削減し、コスト低減できる。
(請求項2)
(2)ロッドガイドの内周に設けた一方向性のオイルシールにより、ピストンロッド側油室の作動油を密封するとともに、内側油溜室が一定の圧力に上昇したときに該内側油溜室の作動油を気体室に排出する可動隔壁部材を備えた。従って、ピストンロッド側油室とピストン側油室と内側油溜室の作動油の圧力を保ち、伸側減衰力発生装置による伸側減衰力と圧側減衰力発生装置による圧側減衰力の安定を図ることができる。
(請求項3)
(3)中空のピストンロッドにおいて、最伸張時に、ピストンロッド側油室の最上部に臨む位置に、ピストンロッド側油室とピストンロッド内の油路を連通する油孔を設けた。従って、キャビテーション等により発生してピストンロッド側油室にたまった気泡を油溜室に逃すことができ、減衰力の応答性を改善できる。
(請求項4)
(4)伸側と圧側の減衰力発生装置を設けたフロントフォークでは、ピストンロッドの上部に大径部を形成したから、懸架スプリングを設けるスペースがない。左右のうちの一方のフロントフォークにのみ伸側と圧側の減衰力発生装置を設け、減衰力発生装置を設けない他方のフロントフォークにのみ懸架スプリングを設けることにより、各フロントフォークのコンパクトを図ることができる。
図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図、図2はフロントフォークを示す断面図、図3は図2の下部拡大図、図4は図2の上部拡大図、図5は伸側減衰力発生装置を示す拡大断面図、図6は圧側減衰力発生装置を示す拡大断面図である。
車両のフロントフォーク装置1は、図1に示す如く、自動二輪車、自転車等の車両の左右両側に設けられる左右のフロントフォーク(車両用油圧緩衝器)10、20からなる。フロントフォーク装置1は、そのフロントフォーク10、20の車軸ブラケット108、207に、前輪の共通の車軸の両端部が取付けられる。
フロントフォーク装置1は、一方のフロントフォーク10に車両が路面から受ける衝撃力を緩衝する懸架スプリング11を内蔵し、他方のフロントフォーク20に懸架スプリング11の伸縮振動を制振するダンパユニット21を内蔵する。フロントフォーク装置1は、懸架スプリング11の設置とダンパユニット21の設置をフロントフォーク10とフロントフォーク20のそれぞれに分担させ、コスト低減を図るものである。
(フロントフォーク10)(図1)
フロントフォーク10は、図1に示す如く、車体側に支持されるアウタチューブ101(車体側チューブ)に、車軸に結合されるインナチューブ102(車輪側チューブ)に摺動自在に嵌合した倒立型であり、両チューブ101、102の間に懸架スプリング11を介装している。懸架スプリング11は、アウタチューブ101に固定したスプリングカラー103Aと、インナチューブ102に取付けたシリンダ104の外周に固定のスプリングシート103Bとの間に介装される。
フロントフォーク10は、インナチューブ102に取付けたシリンダ104と、アウタチューブ101に取付けたピストンロッド105を有する。ピストンロッド105はシリンダ104内にピストン111を介して摺動自在に挿入され、シリンダ104内に、ピストン111にて区画した上下の油室112A、112Bを形成する。また、フロントフォーク10は、シリンダ104とピストンロッド105の間で、最伸長時の伸び切りストロークを規制する伸び切り規制装置を備える。伸び切り規制装置は、シリンダ104の上端開口部に螺着したロッドガイド113と、ピストンロッド105のシリンダ104への挿入端に設けた上述のピストン111とからなり、本実施形態では、ピストン111とロッドガイド113の間に伸び切り端規制スプリング114を介装している。
フロントフォーク10は、シリンダ104の外周に外側油室115を設けるとともに、外側油室115の上部に気体室116を設けている。
(フロントフォーク20)(図1〜図6)
フロントフォーク20は、図1、図2に示す如く、車体側に支持されるアウタチューブ201(車体側チューブ)に、車軸に支持されるインナチューブ202(車輪側チューブ)を摺動自在に嵌合した倒立型であり、両チューブ201、202の内部にダンパユニット21を正立にして内装している。即ち、ダンパユニット21は、後に詳述する如く、インナチューブ202とピストンロッド206にて構成される。インナチューブ202の下端外周には車軸ブラケット207の螺着孔が螺着される。また、アウタチューブ201の上端開口にはキャップ209が螺着され、キャップ209にピストンロッド206が吊下げ支持される。
尚、アウタチューブ201の下端内周にはインナチューブ202の外周に摺接するブッシュ201Aが、アウタチューブ201の上端内周にはインナチューブ202の外周に摺接するブッシュ201Bが設けられる。アウタチューブ201の下端内周には、インナチューブ202の外周に摺接する、オイルシール(シール部材)203Aも設けられる。
フロントフォーク20は、インナチューブ202の内周に、アウタチューブ201の側に前述の如くに取付けた中空のピストンロッド206を案内するロッドガイド210を固定する。
フロントフォーク20は、アウタチューブ201とインナチューブ202の内部で、ダンパユニット21の外周となるロッドガイド210の上部に、上部を気体室212とした外側油溜室211を設け、外側油溜室211と気体室212とは自由界面を介して接触し、気体室212に閉じ込めたエアが気体ばねを構成する。フロントフォーク装置1は、前述したフロントフォーク10における懸架スプリング11及び気体室116の気体ばねと、フロントフォーク20における気体室212の気体ばねが、車両が路面から受ける衝撃力を吸収する。
ダンパユニット21は、フロントフォーク20の減衰力発生装置を構成する、ピストンバルブ装置220(伸側減衰力発生装置)と、ベースバルブ装置230(圧側減衰力発生装置)とを有する。フロントフォーク装置1は、フロントフォーク20のピストンバルブ装置220とベースバルブ装置230が発生する減衰力により、フロントフォーク10の懸架スプリング11と、フロントフォーク10、20の気体ばねによる衝撃力の吸収に伴なう、フロントフォーク10のアウタチューブ101、インナチューブ102、フロントフォーク20のアウタチューブ201、インナチューブ202の伸縮振動を抑制する。
(ピストンバルブ装置220)(図2、図3、図5)
ピストンバルブ装置220は、キャップ209に吊下げ支持される複数の中空筒状体の連結体であるピストンロッド206の先端部にピストン221を設けている。ピストン221は、インナチューブ202の内周に摺接するとともに、インナチューブ202の内部をピストンロッド206が収容されるピストンロッド側油室222Aと、ピストンロッド206が収容されないピストン側油室222Bに区画する。
ピストン221は、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bをつなぐ伸側流路223に伸側板バルブ223Aを設け、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bをつなぐ圧側流路224に圧側板バルブ224Aを設けてある。伸側板バルブ223Aは伸長時にロッド側油室222Aからピストン側油室222Bに流れる油に抵抗を付与し、伸長時の減衰力を発生し、圧側板バルブ224Bは圧縮時にピストン側油室222Bからロッド側油室222Aに流れる油に抵抗を付与し、圧縮時の減衰力を発生する。
(ベースバルブ装置230)(図2、図4、図6)
ベースバルブ装置230は、アウタチューブ201の上端開口に螺着されているキャップ209に回転可能に支持されている支持ロッド231の下端側にガイドパイプ232を固定し、ガイドパイプ232の先端側にバルブシート233を設けている。このとき、ピストンロッド206を構成する1つの中空筒状体206Aがピストンロッド206の上部の大径部を構成し、この中空筒状体206Aの内周部に固定化されている中空支持部材233Aにガイドパイプ232の先端部を挿着し、バルブシート233を中空支持部材233Aに支持し、バルブシート233を中空筒状体206Aの内周部に液密に固定配置する。バルブシート233はピストンロッド206内に、前述のピストン側油室222Bに連通する油路222Cと、内側油溜室234Aを区画形成する。油溜室234Aは、インナチューブ202内に進入/退出するピストンロッド206の体積分の作動油を補償する。
内側油溜室234Aは、後述する可動隔壁部材241を介する上部を気体室234Bとし、バルブシート233に設けた圧側流路235、伸側流路236及びピストンロッド206内の油路222Cを介して、ピストン側油室222Bに連通する。
バルブシート233は、ピストン側油室222Bに連通する油路222Cと内側油溜室234Aをつなぐ圧側流路235に圧側板バルブ235Aを設け、ピストン側油室222Bに連通する油路222Cと内側油溜室234Aをつなぐ伸側流路236に伸側板バルブ236Aを設けている。圧側板バルブ235Aは圧縮時にピストン側油室222Bから油路222Cを介して内側油溜室234Aに流れる油に抵抗を付与し、圧縮時の減衰力を発生し、伸側板バルブ236Aは伸長時に内側油溜室234Aから油路222Cを介してピストン側油室222Bに流れる油に抵抗を付与し、伸長時の減衰力を発生する。
ベースバルブ装置230は、中空筒状体206Aとガイドパイプ232に沿って液密に摺動する可動隔壁部材241を備える。可動隔壁部材241は、内側油溜室234Aを、キャップ209の側の気体室234Bに対して密封する。尚、スプリング242が、フロントフォーク20の最大伸長時にもばね荷重を有するように、可動隔壁部材241と、支持ロッド231に螺着されてキャップ209の内周に設けた直線動ガイドにガイドされて上下動するばね受け243との間に介装される。スプリング242は、可動隔壁部材241により内側油溜室234A、油路222Cを介して、インナチューブ202内のピストン側油室222Bを加圧し、ピストン側油室222Bにおけるキャビテーションの発生を防止し、減衰力発生の遅れを回避する。
しかるに、インナチューブ202の内部のピストンロッド側油室222A、ピストン側油室222Bは、ロッドガイド210に設けたシール手段である、オイルシール225とOリング226にて、外側油溜室211に対して密封される。オイルシール225は、ロッドガイド210の内周の環状溝に設けられ、ピストンロッド206の外周に液密に摺接し、外側油溜室211からピストンロッド側油室222Aへの油の僅かな侵入を許容するとしても、ピストンロッド側油室222Aから外側油溜室211への油の漏出を阻止する一方向性をなし、ピストンロッド側油室222Aの作動油を密封する。Oリング226は、ロッドガイド210の外周の環状溝に設けられ、インナチューブ202の内周に液密に封着する。
外側油溜室211の油が一方向性のオイルシール225を経て僅かずつピストンロッド側油室222Aに侵入し、ピストンロッド側油室222A、ピストン側油室222B及び内側油溜室234Aの油が次第に増量し、内側油溜室234Aの油圧が上昇するに従い、可動隔壁部材241は中空筒状体206Aとガイドパイプ232に沿ってより上方へ移動する。ガイドパイプ232は外径を軸方向で変化し、上部を下部よりも小径部232Aとしている。内側油溜室234Aの油圧が上述の如くに上昇して一定の圧力になったときには、可動隔壁部材241がガイドパイプ232の小径部232Aに到達し、内側油溜室234Aの作動油を気体室234Bに排出し、ピストンロッド側油室222A、ピストン側油室222B及び内側油溜室234Aの内圧を一定に保つ。気体室234Bに排出された油は、中空筒状体206A又はキャップ209に設けてある、気体室234Bと気体室212の連通孔227を介して、外側油溜室211に戻される。
また、ピストンロッド206は、最伸張時に、ピストンロッド側油室222Aの最上部に臨む位置に、ピストンロッド側油室222Aと、中空ピストンロッド206内の油路222Cを連通する、例えば直径0.3mmの油孔228を備える(図3、図5)。油孔228は、ピストンロッド側油室222Aにたまった気泡を油路222Cから、バルブシート233の流路235、236を介して内側油溜室234Aに逃す。
尚、ダンパユニット21では、ベースバルブ装置230に圧側減衰力調整装置250を備えるとともに、ピストンバルブ装置220に伸側減衰力調整装置260を備える。
(圧側減衰力調整装置250)(図4、図6)
圧側減衰力調整装置250は、バルブシート233の両側の、内側油溜室234Aと、ピストンロッド206の油路222Cを連通する第1のバイパス流路251をバルブシート233の内部、具体的にはバルブシート233の中空支持部材233Aの内部に設ける。
圧側減衰力調整装置250は、キャップ209に中空状の低速圧側アジャスタ252を枢着し、圧側アジャスタ252と回転方向に一体結合した中空押動子253を前述の支持ロッド231の内周に螺合し、中空押動子253の螺動に伴なって該押動子253により軸方向に押動されて移動する第1の調整ロッド254を、支持ロッド231〜中空支持部材233Aに渡って設けてあるガイドパイプ232の内部に延在する。
圧側減衰力調整装置250は、中空支持部材233Aの内部で圧縮ばね255により上向きに弾発されている第1の調整部材256を有し、中空支持部材233Aの内部に侵入する第1の調整ロッド254の先端部を第1の調整部材256の上端面に衝合する。第1の調整部材256は中空支持部材233Aの内部に設けてある環状の前述した第1のバイパス流路251の中間部に挿入され、第1の調整ロッド254の軸方向の移動に連動して軸方向に移動し、第1のバイパス流路251の流路面積を調整し、結果として、低速圧縮時にピストン側油室222Bの油が油路222Cから第1のバイパス流路251を経由して内側油溜室234Aに流れるときに、第1のバイパス流路251がこの油の流れに付与する絞り抵抗を調整し、圧側減衰力を調整する。
尚、第1の調整ロッド254は中空パイプからなり、第1の調整部材256は中空パイプの先端部に設けた環状のニードル弁からなる。
また、第1のバイパス流路251は、中空支持部材233Aの中空部に挿入される第1の調整部材256の外周側に設けられ、第1のバイパス流路251の内側油溜室234Aへの開口部に圧側サブ板バルブ257を設けてある。
(伸側減衰力調整装置260)(図3、図5)
伸側減衰力調整装置260は、ピストン221の両側の、ロッド側油室222Aとピストン側油室222Bを連通する第2のバイパス流路261をピストン221の内部、具体的にはピストンロッド206の先端部を構成する1つの中空筒状体206Bの内部に設ける。
伸側減衰力調整装置260は、キャップ209の圧側アジャスタ252の中空部に低速伸側アジャスタ262を枢着し、伸側アジャスタ262と回転方向に一体結合した中空押動子263を圧側アジャスタ252の内周に螺合し、中空押動子263の螺動に伴なって該中空押動子263により軸方向に押動されて移動する第2の調整ロッド264(2本の直列をなすロッド264、264からなる)を、第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256の中空部に挿通する。第2の調整ロッド264は、第1の調整ロッド254の中空パイプ、及び第1の調整部材256の環状のニードル弁の中空部に挿通される。第2の調整ロッド264は第1の調整ロッド254及び第1の調整部材256を貫通し、中空筒状体206Aと中空筒状体206Bの間の中空筒状体206Cの内部で、中空筒状体206Aと中空筒状体206Bに挟まれる中空ロッド265の内部に延在する。
伸側減衰力調整装置260は、中空筒状体206Bの内部で圧縮ばね266により上向きに弾発されている第2の調整部材267を有し、中空筒状体206Bの内部に侵入する第2の調整ロッド264の先端部を第2の調整部材267の上端面に衝合する。第2の調整部材267は中空筒状体206Bの内部に設けてある環状の前述した第2のバイパス流路261の中間部に挿入され、第2の調整ロッド264の軸方向の移動に連動して軸方向に移動し、第2のバイパス流路261の流路面積を調整し、結果として、低速伸長時にロッド側油室222Aの油が第2のバイパス流路261を経由してピストン側油室222Bに流れるときに、第2のバイパス流路261がこの油の流れに付与する絞り抵抗を調整し、伸側減衰力を調整する。
ここで、伸側減衰力調整装置260は、第2の調整部材267に、ピストン側油室222Bに連通する前述の油路222Cの一部を構成する流路267Aを形成する。具体的には、第2の調整部材267は、先端部に向かって縮径する環状のニードル弁からなり、環状のニードル弁の中空部に、上記流路267Aを形成する。
また、伸側減衰力調整装置260は、第2の調整部材267の先端部を中空筒状体206Bの先端側内周に液密にスライド可能となるように嵌合している。そして、第2のバイパス流路261は、中空筒状体206Bの中空部に挿入される第2の調整部材267の外周側に、前記油路222Cに開口することのないように設けられ、第2のバイパス流路261のピストン側油室222Bへの開口部に伸側サブ板バルブ268を設けてある。
以上により、フロントフォーク20の伸長時には、ピストンバルブ装置220の第2の調整部材267、伸側板バルブ223Aにおいて伸側減衰力を生じ、ベースバルブ装置230では殆ど減衰力を生じない。
フロントフォーク20の圧縮時には、ベースバルブ装置230の第1の調整部材256、圧側板バルブ235Aにおいて圧側減衰力を生じ、ピストンバルブ装置220では殆ど減衰力を生じない。
これらの圧側と伸側の減衰力により、フロントフォーク10とフロントフォーク20の伸縮振動が抑制される。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(1)ピストンロッド206の上部にバルブシート233を介して設けた内側油溜室234Aに、ピストンロッド206内の油路222Cを介して、インナチューブ202内のピストン側油室222Bを連通した。従って、ピストンロッド206に設けたピストン221をインナチューブ202の内周に直接摺動させ、かつインナチューブ202内に進入/退出するピストンロッド206の容積分の作動油を内側油溜室234Aによって補償できる。インナチューブ202とは格別のシリンダパイプを削減し、コスト低減できる。
(2)ロッドガイド210の内周に設けた一方向性のオイルシール225により、ピストンロッド側油室222Aの作動油を密封するとともに、内側油溜室234Aが一定の圧力に上昇したときに該内側油溜室234Aの作動油を気体室234Bに排出する可動隔壁部材241を備えた。従って、ピストンロッド側油室222Aとピストン側油室222Bと内側油溜室234Aの作動油の圧力を保ち、ピストンバルブ装置220による伸側減衰力とベースバルブ装置230による圧側減衰力の安定を図ることができる。
(3)中空のピストンロッド206において、最伸張時に、ピストンロッド側油室222Aの最上部に臨む位置に、ピストンロッド側油室222Aとピストンロッド206内の油路222Cを連通する油孔228を設けた。従って、キャビテーション等により発生してピストンロッド側油室222Aにたまった気泡を油溜室234Aに逃すことができ、減衰力の応答性を改善できる。
(4)伸側と圧側の減衰力発生装置(ピストンバルブ装置220、ベースバルブ装置230)を設けたフロントフォーク20では、懸架スプリングを配設するスペースがない。一方のフロントフォーク20にのみ伸側と圧側の減衰力発生装置220、230を設け、減衰力発生装置を設けない他方のフロントフォーク10にのみ懸架スプリング11を設けることにより、各フロントフォーク10、20のコンパクトを図ることができる。
以上、本発明の実施例を図面により記述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。
図1はフロントフォーク装置を示す全体断面図である。 図2はフロントフォークを示す断面図である。 図3は図2の下部拡大図である。 図4は図2の上部拡大図である。 図5は伸側減衰力発生装置を示す拡大断面図である。 図6は圧側減衰力発生装置を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 フロントフォーク装置
10 フロントフォーク
11 懸架スプリング
20 フロントフォーク
21 ダンパユニット
201 アウタチューブ
202 インナチューブ
206 ピストンロッド
210 ロッドガイド
211 外側油溜室
212 気体室
220 ピストンバルブ装置(伸側減衰力発生装置)
221 ピストン
222A ピストンロッド側油室
222B ピストン側油室
222C 油路
225 オイルシール(シール手段)
226 Oリング(シール手段)
228 油孔
230 ベースバルブ装置(圧側減衰力発生装置)
233 バルブシート
234A 内側油溜室
234B 気体室
235、236 流路
241 可動隔壁部材

Claims (4)

  1. アウタチューブ内に、インナチューブを摺動自在に挿入した自動二輪車等の倒立型フロントフォークにおいて、
    前記アウタチューブを車体側に、前記インナチューブを車輪側に取付け、
    前記インナチューブ内周に、前記アウタチューブ側に取付けた中空のピストンロッドを案内するロッドガイドを固定し、
    該中空のピストンロッドの先端部に、前記インナチューブ内周に摺接するとともに、伸側減衰力発生装置を設けたピストンを取付け、
    該ピストンにより、前記インナチューブ内に、該ピストンロッドを収容するピストンロッド側油室とピストンロッドを収容しないピストン側油室を区画し、
    前記中空のピストンロッドの上部に大径部を形成し、該大径部内に、圧側減衰力発生装置を設けたバルブシートを固設し、
    該バルブシートの上部に、上部気体室とした内側油溜室を区画するとともに、該内側油溜室を該バルブシートに設けた流路及び前記中空のピストンロッド内の油路を介して、前記ピストン側油室に連通し、
    前記ロッドガイドの上部に、上部を気体室とした外側油溜室を設け、
    前記ピストンロッド側油室、ピストン側油室を、シール手段にて、前記外側油溜室に対して密封するとともに、前記内側油溜室を、可動隔壁部材にて、前記気体室に対して密封したことを特徴とする自動二輪車等の倒立型フロントフォーク。
  2. 前記シール手段が、前記ロッドガイドの内周で、前記ピストンロッドの外周に設けた、該ピストンロッド側油室の作動油を密封する一方向性のオイルシールと、前記ロッドガイドの外周で、前記インナチューブの内周に設けたOリングからなり、
    該可動隔壁部材は、前記内側油溜室が一定の圧力になったときに、該内側油溜室内の作動油を前記気体室に排出して、前記ピストンロッド側油室、ピストン側油室及び前記内側油溜室の内圧を一定に保つ請求項1に記載の自動二輪車等の倒立型フロントフォーク。
  3. 前記中空のピストンロッドが最伸張時に、前記ピストンロッド側油室の最上部に臨む位置に、該ピストンロッド側油室と前記中空ピストンロッド内の油路を連通する油孔を設けた請求項1又は2に記載の自動二輪車等の倒立型フロントフォーク。
  4. 前輪の左右に一対のフロントフォークを配置した自動二輪車等のフロントフォーク装置において、
    一方のフロントフォークとして、前記伸側と圧側の減衰力発生装置を設けた請求項1〜3のいずれかに記載の前記フロントフォークを配設し、他方のフロントフォークにのみ、懸架スプリングを設けた自動二輪車等の倒立型フロントフォーク。
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