JP2005048729A - 内燃機関の気筒間位相差可変装置及び可変気筒装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる新たな気筒間位相差可変装置及び運転気筒数の連続的変更において各運転気筒数にて出力バランスをとることを可能とする可変気筒装置の提案。
【解決手段】 ワンウェイクラッチにより、出力軸を一方向に回転させる運動のみがピストンから出力軸に伝達され、これ以外ではピストンは出力軸の回転位相には拘束されない。このためいずれの気筒も相互に行程位相が拘束されることはないので、ステップS110での点火時期や燃料噴射量の調節により気筒間の行程位相差をわずかに変更させることができ、これを繰り返すことにより気筒間を任意の行程位相差に変更させることができる。このようにして従来技術のごとく出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができ、運転気筒数を連続変更しても各運転気筒数にて出力バランスをとることができる。
【選択図】 図13
【解決手段】 ワンウェイクラッチにより、出力軸を一方向に回転させる運動のみがピストンから出力軸に伝達され、これ以外ではピストンは出力軸の回転位相には拘束されない。このためいずれの気筒も相互に行程位相が拘束されることはないので、ステップS110での点火時期や燃料噴射量の調節により気筒間の行程位相差をわずかに変更させることができ、これを繰り返すことにより気筒間を任意の行程位相差に変更させることができる。このようにして従来技術のごとく出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができ、運転気筒数を連続変更しても各運転気筒数にて出力バランスをとることができる。
【選択図】 図13
Description
本発明は内燃機関の気筒間位相差可変装置及び可変気筒装置に関する。
内燃機関の燃費向上のために、高負荷時には全気筒にて運転し、低負荷時においては運転気筒数を少なく(減筒)することで燃費低減を図る気筒数可変内燃機関が知られている(例えば特許文献1参照)。この気筒数可変内燃機関は減筒時には半数の気筒を停止している。すなわち、4気筒内燃機関であれば4気筒から2気筒に減筒し、6気筒内燃機関であれば6気筒から3気筒に減筒している。
一方、内燃機関のピーク出力を高めるために、出力軸としてのクランク軸を気筒毎に分割して、クランク軸間の位相をずらす内燃機関が提案されている(例えば特許文献2参照)。
特開平3−222832号公報(第3頁、第1図)
特開2000−97060号公報(第3−4頁、図2)
前記特許文献1では、4気筒内燃機関であれば出力バランス上、4気筒から3気筒には連続的に減筒できない。もし1気筒のみ停止して3気筒運転にすると、3気筒の行程位相差が180°と360°との2種類となり、クランク軸の720°回転中に均一な間隔で分布しなくなるとともに、停止した1つの気筒は他の気筒に対して偏った回転負荷となる。このため3気筒運転状態のままでは機関振動を大きくするおそれがあるからである。
したがって4気筒運転状態からいきなり2気筒運転状態に不連続に減筒せざるを得ず、運転状態によっては燃費上3気筒が適切であるにもかかわらず、4気筒や2気筒にて運転を実行しなくてはならず、燃費低減が十分とは言えない。
上述した特許文献2では気筒間の行程位相差、具体的にはクランク角位相差が変更できるが、特許文献2の技術は機関振動防止とは全く逆の技術であり、ピーク出力を一層強くするものであるため逆に機関振動を高める原因となる。したがって特許文献2のような技術を、前記特許文献1の技術に組み合わせることは従来は全く考慮されていない。
本発明は、出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる新たな気筒間位相差可変装置を提案することを目的とし、更に、運転気筒数の連続的変更において各運転気筒数にて出力バランスをとることを可能とする可変気筒装置を提案することを目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置は、内燃機関の気筒内で往復運動するピストンに連動し該ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向のみの回転運動として伝達するリンク機構と、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを調節することにより、他の気筒との間の行程位相差を変更する位相差可変手段とを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置は、内燃機関の気筒内で往復運動するピストンに連動し該ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向のみの回転運動として伝達するリンク機構と、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを調節することにより、他の気筒との間の行程位相差を変更する位相差可変手段とを備えることを特徴とする。
上記リンク機構により、ピストンが往復運動しても、この運動の内、出力軸を一方向に回転させる運動のみが、出力軸に対して伝達される。このため一方向に回転させる運動以外の運動状態におけるピストン及びリンク機構は、出力軸の回転位相には拘束されないことになるので、他の気筒における行程位相にも拘束されないことになる。
したがって位相差可変手段は、一方向のみの回転運動の伝達タイミングを調節することにより、出力軸側から受ける当該気筒に対する負荷発生のタイミングを変化させることができる。このことにより当該気筒の回転数が他の気筒の回転数に対してわずかに変化し、当該気筒と他の気筒との行程位相差が変化する。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、当該気筒と他の気筒との位相差関係を移動させることができる。
このようにして出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる。
請求項2に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項1において、前記リンク機構は、内燃機関の出力軸に対して連結するワンウェイクラッチを備え、前記位相差可変手段は、前記気筒の燃焼タイミングを調節することにより、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを変更することを特徴とする。
請求項2に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項1において、前記リンク機構は、内燃機関の出力軸に対して連結するワンウェイクラッチを備え、前記位相差可変手段は、前記気筒の燃焼タイミングを調節することにより、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを変更することを特徴とする。
前述したリンク機構の機能を実現するものとして、ワンウェイクラッチが挙げられる。このワンウェイクラッチの機構により、内燃機関の出力軸を一方向に回転させる運動がピストン側から与えられた場合のみに、ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向の回転運動として伝達することが可能となる。
そして位相差可変手段が燃焼タイミングを調節することにより、ワンウェイクラッチが出力軸に係合するタイミングである伝達タイミングを調節することができる。このことにより出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる。
請求項3に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項1において、前記リンク機構は、内燃機関の出力軸との間に備えられたクラッチと、内燃機関の出力軸を一方向に回転させる運動がピストン側から与えられた場合に前記クラッチを係合し、他の場合には前記クラッチを解放するクラッチ制御手段とを備え、前記位相差可変手段は、前記クラッチ制御手段における係合状態を調節することにより、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを変更することを特徴とする。
前述したリンク機構の機能を実現するものとして、クラッチ制御手段により係合・解放ができるクラッチが挙げられる。このことによりクラッチ制御手段が、内燃機関の出力軸を一方向に回転させる運動がピストン側から与えられた場合のみにクラッチを係合し、その他の場合には解放することにより、ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向の回転運動として伝達することが可能となる。
そして位相差可変手段がクラッチ制御手段における係合状態を調節することにより、ピストン側から出力軸への伝達タイミングを調節することができる。このことにより出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる。
請求項4に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置は、内燃機関の気筒内で往復運動するピストンに連動し該ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向のみの回転運動として伝達するリンク機構と、前記一方向のみの回転運動によるトルク伝達量を調節することにより、他の気筒との間の行程位相差を変更する位相差可変手段とを備えることを特徴とする。
上記リンク機構により、ピストンが往復運動しても、この運動の内、出力軸を一方向に回転させる運動のみが、出力軸に対して伝達される。このため一方向に回転させる運動以外の運動状態におけるピストン及びリンク機構は、出力軸の回転位相には拘束されないことになるので、他の気筒における行程位相にも拘束されないことになる。
したがって位相差可変手段は、一方向のみの回転運動によるトルク伝達量を調節することにより、当該気筒の出力と出力軸から受ける当該気筒に対する負荷との相対的関係を変化させることができる。このことにより当該気筒の回転数が他の気筒の回転数に対してわずかに変化し、当該気筒と他の気筒との行程位相差が変化する。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、当該気筒と他の気筒との位相差関係を移動させることができる。
このようにして出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる。
請求項5に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの出力を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする。
請求項5に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの出力を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする。
一方向のみの回転運動によるトルク伝達量の調節としては、ピストンの出力を調節することによって実現しても良い。例えば各気筒にて燃焼する混合気の量、燃料量あるいは吸入空気量といった制御量の調節によりピストンの出力を調節することができる。
このピストンの出力調節により当該気筒の回転数が他の気筒の回転数に対してわずかに変化し、当該気筒と他の気筒との行程位相差が変化する。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、当該気筒と他の気筒との位相差関係を移動させることができる。
請求項6に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの運動に対する負荷を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする。
一方向のみの回転運動によるトルク伝達量の調節としては、ピストン運動に対する負荷を調節することによって実現しても良い。例えばピストンの運動に対する制動力やピストン運動による発電量といった制御量の調節により負荷を調節することができる。
このピストン運動に対する負荷調節により当該気筒の回転数が他の気筒の回転数に対してわずかに変化し、当該気筒と他の気筒との行程位相差が変化する。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、当該気筒と他の気筒との位相差関係を移動させることができる。
請求項7に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの運動に対するアシスト力を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする。
一方向のみの回転運動によるトルク伝達量の調節としては、ピストン運動に対するアシスト力を調節することによって実現しても良い。例えば、モータの出力によりアシスト力を付与する。
このピストン運動に対するアシスト力調節により当該気筒の回転数が他の気筒の回転数に対してわずかに変化し、当該気筒と他の気筒との行程位相差が変化する。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、当該気筒と他の気筒との位相差関係を移動させることができる。
請求項8に記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置では、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記ピストンは、内燃機関の出力軸とは別個に設けられたクランク機構により、気筒内で往復運動するように誘導されることを特徴とする。
ピストンを往復運動させるためには、上述のごとく出力軸とは別個に設けられたクランク機構を備えることとしてもよい。このことによりピストンはクランク機構により拘束されて往復運動可能となる。このクランク機構は、従来のような出力軸と同一ではなく別個のものである。このため出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とすることができる。
請求項9に記載の内燃機関の可変気筒装置は、運転状況に応じて内燃機関の運転気筒数を可変とする可変気筒装置であって、運転状況に応じて運転気筒数を決定する気筒数決定手段と、前記気筒数決定手段にて決定された運転気筒数が変更された場合には、新たな運転気筒数に対応する各運転気筒間の行程位相差を決定する位相差決定手段と、前記位相差決定手段にて決定された行程位相差となるように気筒間の行程位相差を調節する位相差調節手段と、前記位相差調節手段による行程位相差の調節前、調節後又は調節中に実際の運転気筒数を変更する運転気筒数変更手段とを備えたことを特徴とする。
気筒数決定手段が運転気筒数を変更した場合に、位相差決定手段は、新たな運転気筒数に対応する各運転気筒間の行程位相差を決定する。そして位相差調節手段は、気筒間の行程位相差を変更して、気筒間の行程位相差を、位相差決定手段が決定した行程位相差とする。
そして、この行程位相差の調節前、調節後又は調節中に、運転気筒数変更手段は運転気筒数を実際に変更する。
このようにして気筒数に応じて行程位相差を適切な位相差に変更できるので、運転気筒数を連続的に変更させる際に各運転気筒数にて出力バランスをとることが可能となる。このことにより各運転気筒数において機関振動を抑制することも可能となる。
このようにして気筒数に応じて行程位相差を適切な位相差に変更できるので、運転気筒数を連続的に変更させる際に各運転気筒数にて出力バランスをとることが可能となる。このことにより各運転気筒数において機関振動を抑制することも可能となる。
請求項10に記載の内燃機関の可変気筒装置では、請求項9において、前記位相差調節手段は、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置を用いて、前記位相差決定手段にて決定された行程位相差となるように気筒間の行程位相差を調節することを特徴とする。
ここで位相差調節手段としては、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置を用いて行程位相差を調節しても良い。このことにより運転気筒数を連続的に変更させる場合において、出力軸を分割しなくても気筒間の行程位相差を可変とでき、各運転気筒数にて出力バランスをとることが可能となる。
[実施の形態1]
図1の斜視図に上述した発明が適用された4サイクル内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と称する)2の出力軸駆動部分の構成を表す。本エンジン2は車両の走行駆動用に用いられるもので、直列4気筒エンジンであり、4つのピストン4,6,8,10が各気筒内に配置されている。又は、図1とは反対側から見た斜視図を図2に示す。尚、図1,2ではシリンダブロックの内部の構成を示している。
図1の斜視図に上述した発明が適用された4サイクル内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と称する)2の出力軸駆動部分の構成を表す。本エンジン2は車両の走行駆動用に用いられるもので、直列4気筒エンジンであり、4つのピストン4,6,8,10が各気筒内に配置されている。又は、図1とは反対側から見た斜視図を図2に示す。尚、図1,2ではシリンダブロックの内部の構成を示している。
ピストン4〜10には、ピストンピン4a,6a,8a,10aによりコンロッド4b,6b,8b,10bの一端が揺動可能に取り付けられている。各コンロッド4b〜10bの他端は各クランク機構14,16,18,20のクランクピン14a,16a,18a,20aに回転可能に取り付けられている。
クランク機構14〜20は、上記クランクピン14a〜20a、回転アーム14b,16b,18b,20b及びシャフト14c,16c,18c,20cから構成されている。尚、シャフト14c〜20cはシリンダブロック側の軸受24,26,28,30にて回転可能に支持されている。又、シャフト14c〜20cにはギヤ14d,16d,18d,20dが設けられている。このギヤ14d〜20dにはピニオンギヤが噛み合うことにより、各気筒の始動時にスタータモータの回転力が伝達されて各気筒毎に運転が開始できる。更にシャフト14c〜20cには位相センサ用ロータ14e,16e,18e,20eが設けられて、これに近接して設けられたピックアップからなる各位相センサ32により各気筒の回転位相が検出されている。尚、位相センサ用ロータ14e〜20eには一定角度毎に歯が形成されていると共に、全周で1箇所に欠け歯部分が存在する。このことにより各気筒の基準位置、ここでは吸気行程及び燃焼行程の上死点が検出可能となっている。
尚、クランク機構14〜20はエンジン2の出力を外部に伝達するものではなく、各気筒毎に独立して設けられ、各ピストン4〜10が各気筒内で往復運動するように誘導させるためである。したがって後述するごとく各気筒間の行程位相差を相互に拘束されることなく変更することが可能である。
クランクピン14a〜20aには、それぞれリンク34,36,38,40の一端が揺動可能に取り付けられている。そしてリンク34〜40の他端側にはスライド孔34a,36a,38a,40aが形成されている。この全スライド孔34a〜40aを貫通して1本の出力軸42が設けられている。尚、出力軸42は、スライド孔34a〜40aの内面には、スライダー34b,36b,38b,40bとワンウェイクラッチ34c,36c,38c,40cとを介して当接している。スライダー34b〜40bはリンク34〜40に対して相対回転しないように、スライド孔34a〜40aの平面状側面に当接する平面状摺動面34d,36d,38d,40dを有している。そしてスライダー34b〜40bと出力軸42との間に存在するワンウェイクラッチ34c〜40cは、図示矢印のごとく出力軸42が進角方向に相対回転する場合は非係合となって出力軸42の自由回転を許すが、逆方向(遅角方向)に相対回転する場合は係合することにより自由回転は許さないクラッチである。
出力軸42の一端にはエンジン回転数センサ用ロータ44が設けられ、ピックアップとして近接して設けられている回転数センサ46により出力軸42の回転数NEが検出されている。
上述した構成のエンジン2を制御するための電子制御ユニット(以下、「ECU」と称す)50が図3に示すごとく設けられている。尚、図3では、エンジン2は第1気筒#1のみ示している。又、図3では気筒には吸気バルブ2aと排気バルブ2bとはそれぞれ1つ示されているが、4バルブエンジンでも5バルブエンジンでも良い。
エンジン2の出力軸42の回転トルクは変速機を介して最終的に車輪に走行駆動力として伝達される。エンジン2には、燃焼室52内の混合気に点火する点火プラグ54が設けられている。この燃焼室52には吸気バルブ2aにより開閉される吸気ポート56が接続され、この吸気ポート56に接続された各吸気通路58の途中には吸気ポート56に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁60が気筒毎に設けられている。そして吸気通路58はサージタンク62に接続され、サージタンク62の上流側にはモータ64によって開度が調節されるスロットルバルブ66が設けられている。このスロットルバルブ66の開度(スロットル開度TA)により吸入空気量GAが調節される。スロットル開度TAはスロットル開度センサ68により検出されてECU50に読み込まれている。吸入空気量GAはスロットルバルブ66の上流側に設けられた吸入空気量センサ70により検出されてECU50に読み込まれている。尚、燃料噴射弁60が直接、燃焼室52内に燃料を噴射する筒内噴射タイプのガソリンエンジンであっても良い。
更に、燃焼室52には排気バルブ2bにより開閉される排気ポート72が接続され、排気ポート72に接続された排気通路74の途中には触媒コンバータ76が配置されている。触媒コンバータ76内には排気浄化触媒としての三元触媒が配置されている。触媒コンバータ76の上流側の排気通路74には、空燃比センサ78が配置されて排気成分から空燃比AFを検出している。
ECU50はデジタルコンピュータを中心として構成されているエンジン制御回路である。このECU50は、上述した各位相センサ32、回転数センサ46、スロットル開度センサ68、吸入空気量センサ70、空燃比センサ78以外にもエンジン2の運転状態を検出するセンサ類から信号を入力している。すなわちアクセルペダル80の踏み込み量を検出するアクセル開度センサ82からのアクセル開度ACCP信号、冷却水温センサ84からのエンジン冷却水温THW信号、エンジン油温センサ86からのエンジン油温THO信号を入力している。更に、変速機88からの変速段信号、車速センサ90からの車速SPD信号を入力している。尚、このようなセンサ以外にも各種のセンサが必要に応じて設けられる。
ECU50は上述した各センサからの検出内容に基づいて、スロットルバルブ用モータ64、燃料噴射弁60あるいは点火プラグ54に対する制御信号によりエンジン2のスロットル開度TA、燃料噴射時期、基本燃料噴射量及び基本点火時期等を適宜制御する。
更に、吸気バルブ2a及び排気バルブ2bは電磁駆動バルブとして構成され、ECU50の制御により各電磁駆動部92,94が駆動されて、各位相センサ32にて検出される位相に対応したバルブタイミングで各バルブ2a,2bを駆動している。例えば、始動時の最初に位相センサ32から基準位置が検出された場合に、この基準位置を吸気行程上死点として、各バルブ2a,2bを駆動制御する。尚、スロットルバルブ66で吸入空気量GAを調節するのではなく、吸気バルブ2aの開弁期間を調節することにより吸入空気量GAを調節しても良い。
このような構成による各気筒での燃焼による出力軸42の回転について説明する。図4〜9に第1気筒#1による出力軸42へのトルク伝達を示す。
図4(A)及び図6はピストン4が吸気行程下死点にあり、燃焼室52が最大容積に拡大している。この状態からフライホイールとしての役目も果たすギヤ14d(図1〜3)により、図4(B)及び図7に示すごとくピストン4が上昇して燃焼室52内の混合気を圧縮する。
図4(A)及び図6はピストン4が吸気行程下死点にあり、燃焼室52が最大容積に拡大している。この状態からフライホイールとしての役目も果たすギヤ14d(図1〜3)により、図4(B)及び図7に示すごとくピストン4が上昇して燃焼室52内の混合気を圧縮する。
そして図4(C)及び図8に示すごとくピストン4が圧縮行程上死点となる。この前後にて点火プラグ54にて点火が実行されて燃焼室52内が燃焼圧力により高圧となる。この燃焼圧力により図4(D)及び図9に示すごとくピストン4が押し下げられ、リンク34を急速に下向きに揺動させる。この時、出力軸42の回転角速度よりもリンク34の揺動角速度が高速となり、ワンウェイクラッチ34c(図1)が係合状態となりスライダー34b及びワンウェイクラッチ34cを介して、第1気筒#1から出力軸42へ回転トルクが伝達される。
そして図5(A)及び図6に示すごとくピストン4が下死点に到達し、この直前に排気バルブ2bが開弁を開始する。この時には、出力軸42の回転角速度よりもリンク34の揺動角速度が低速〜「0」となり、ワンウェイクラッチ34c(図1)が非係合状態となり第1気筒#1から出力軸42への回転トルクの伝達はなされなくなる。
以後、図5(B)及び図7に示すごとくピストン4が上昇することで燃焼室52内の既燃ガスを排気ポート72から排出する。そして図5(C)及び図8に示すごとくピストン4が排気行程上死点となる直前に吸気バルブ2aの開弁が開始され、その後、排気バルブ2bは閉じられる。そして図5(D)及び図9に示すごとくピストン4が下降することにより、吸気ポート56から燃焼室52内へ混合気が吸入され、図4(A)及び図6の状態に戻る。
このような4行程のサイクルを繰り返すことにより、図4(D)及び図9に示すごとく燃焼行程時に高速にリンク34が下向きに揺動する毎にワンウェイクラッチ34cを介して出力軸42に一方向のトルクが伝達される。そしてエンジン2は4気筒であるので、ECU50は、点火プラグ54による点火時期を各位相センサ32からの信号に基づいて、180°間隔で順次実行することにより、出力軸42へ各気筒から一方向のトルクを伝達させて、出力軸42の回転を継続させることができる。すなわち、図1→図10→図11→図12→図1→図10→図11→図12→ …を繰り返すことにより、継続的にかつクランク角180°間隔で4気筒からトルクが順次出力軸42に伝達される。尚、図10〜12は図1と同方向から見た斜視図であるが、図10,12はギヤ14d〜20dと位相センサ用ロータ14e〜20eとを取り外して示している。
この4気筒での運転では、クランク角180°間隔とは、第1気筒#1の位相センサ32の検出信号から得られている第1気筒#1のクランク角θ1を基準としてのクランク角間隔である。すなわち、θ1=0°で第1気筒#1の点火がなされ、θ1=180°で第3気筒#3の点火がなされ、θ1=360°で第4気筒#4の点火がなされ、θ1=540°で第2気筒#2の点火がなされることになる。この状況では、気筒間の行程位相差は、第1気筒#1の行程位相を基準にして、第2気筒#2は第1気筒#1との行程位相差が「540°」、第3気筒#3は第1気筒#1との行程位相差が「180°」、第4気筒#4は第1気筒#1との行程位相差が「360°」となる。
次にECU50により実行される制御の内、可変気筒運転処理について説明する。本処理のフローチャートを図13に示す。本処理は一定時間周期で繰り返し実行される処理である。尚、個々の処理内容に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で表す。
本処理が開始されると、まずエンジン2の運転状態に応じて、必要作動気筒数が算出される(S102)。例えば、図15に示すごとくエンジン負荷と出力軸42の回転数(以下、「エンジン回転数NE」と称する)とをパラメータとするマップから求められる。尚、図15は始動時及び始動直後の運転状態では適用されない。始動時及び始動直後においては、4気筒全ての運転が実行される。そして始動後にエンジン2の出力が安定したところで図15に基づく運転に移行する。
次に必要作動気筒数に応じた目標位相差が設定される(S104)。必要作動気筒数が4気筒である場合には、図16(A)に示すごとく、「第1気筒#1→第3気筒#3→第4気筒#4→第2気筒#2→第1気筒#1→…」の順序で等間隔で点火タイミングが生じるように、第1気筒#1を基準気筒として、位相差が180°間隔で3気筒#2,#3,#4の目標位相差が設定される。すなわち第2気筒#2の目標位相差dθt[2]=540°、第3気筒#3の目標位相差dθt[3]=180°、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=360°に設定される。
必要作動気筒数が3気筒である場合には、図16(B)に示すごとく、第1気筒#1を基準気筒(ただしこの場合は基準気筒は固定されておらず他の気筒が基準気筒となる場合がある。)として、240°の等間隔で第3気筒#3及び第4気筒#4の点火タイミングが生じるように目標位相差が設定される。すなわち第3気筒#3の目標位相差dθt[3]=240°、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=480°に設定される。尚、第2気筒#2は最初に作動停止気筒となるので目標位相差dθt[2]の値は設定されない。しかし、その後、他の気筒と交代して作動するので、第3気筒#3の代わりに目標位相差dθt[2]=240°に設定される場合もあれば、第4気筒#4の代わりに目標位相差dθt[2]=480°に設定される場合もある。
必要作動気筒数が2気筒である場合には、図16(C)に示すごとく、第1気筒#1を基準気筒(この場合も基準気筒は固定されておらず他の気筒が基準気筒となる場合がある。)として、360°の等間隔で第4気筒#4の点火タイミングが生じるように目標位相が設定される。すなわち第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=360°に設定される。尚、第2気筒#2及び第3気筒#3は最初に作動停止気筒となるので目標位相差dθt[2],θt[3]の値は設定されない。しかし、その後、他の気筒と交代して作動するので、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]が第4気筒#4の代わりに目標位相差dθt[2]=360°に設定される場合もあれば、第3気筒#3の目標位相差dθt[3]が第4気筒#4の代わりに目標位相差dθt[3]=360°に設定される場合もある。
次に作動数の切り替えが完了したか否かが判定される(S106)。すなわちステップS102にて算出された必要作動気筒数での運転状態に、実際に切り替わっているか否かが判定される。ここで必要作動数が4気筒であって、既に4気筒による運転がなされていれば(S106で「YES」)、次に全気筒が作動中であるか否かが判定される(S108)。すなわち4気筒運転がなされているか否かが判定される。ここでは4気筒運転であることから(S108で「YES」)、次に作動対象気筒#iの実位相差が目標位相差へ近づく方向へ作動対象気筒#iの運転制御パラメータを調節する(S110)。
ここで運転制御パラメータとしては点火時期(燃焼タイミングに相当)や燃料噴射量(トルク伝達量に相当)が挙げられる。例えば実位相差が目標位相差よりも小さい場合(進角状態)には、作動対象気筒#iの点火時期の遅角や燃料噴射量の減量などにより、わずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を低下させる。このことにより実位相差を大きく(遅角)させて目標位相差に一致させる。又、実位相差が目標位相差よりも大きい場合(遅角状態)には、作動対象気筒#iの点火時期の進角や燃料噴射量の増量などにより、わずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を上昇させる。このことにより実位相差を小さく(進角)させて目標位相差に一致させる。このような位相差フィードバック制御により基準気筒(例えば第1気筒#1)に対して作動対象気筒#iは目標位相差に維持された状態で運転されることになる。
必要作動気筒数が「4」から「3」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ4気筒が作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。最初は、第2気筒#2が停止されて、第1気筒#1、第3気筒#3及び第4気筒#4の3気筒の作動による運転に移行する。
そして次の位相差フィードバック制御(S110)にて、第1気筒#1の位相を基準にして、第3気筒#3及び第4気筒#4の実位相差が、それぞれ目標位相差dθt[3],θt[4]となるように、すなわち図16(B)の位相関係となるように運転制御パラメータが調節される。
次の制御周期では作動数切り替えが完了したので(S106で「YES」)、次に全気筒が作動中であるか否かが判定される(S108)。今回は3気筒のみの作動状態であることから(S108で「NO」)、次に作動気筒交代処理が実行される(S120)。作動気筒交代処理を図14のフローチャートに示す。
作動気筒交代処理では、まず作動気筒交代条件が成立しているか否かが判定される(S122)。作動気筒交代条件としては、(1)作動気筒交代前の運転状態にて、目標位相差dθt[i]が一旦すべて達成されたこと、(2)作動停止された気筒の停止期間が基準停止期間を越えたことを条件としている。この(1)及び(2)の両条件が共に満足された時に作動気筒交代条件が成立する。
4気筒運転から3気筒運転に切り替わったばかりで、第3気筒#3及び第4気筒#4の実位相差がそれぞれ目標位相差dθt[3],θt[4]に到達していなければ(S122で「NO」)、直ちに作動気筒交代処理(図14)を終了して、位相差フィードバック制御(図13:S110)に移行する。
上述した処理を繰り返すことで、第3気筒#3及び第4気筒#4の実位相差が目標位相差dθt[3],θt[4]に到達し、図16(B)の運転状態が実現される。
上述した必要作動気筒数が「4」から「3」に変更された場合のタイミングチャートを図19(A)に示す。必要作動気筒数が「4」から「3」に切り替わると(t0)、第2気筒#2が停止する。そして位相差フィードバック制御により第3気筒#3の位相差が目標位相差dθt[3]に収束し(t1)、第4気筒#4の位相差が目標位相差dθt[4]に収束する(t2)。
上述した必要作動気筒数が「4」から「3」に変更された場合のタイミングチャートを図19(A)に示す。必要作動気筒数が「4」から「3」に切り替わると(t0)、第2気筒#2が停止する。そして位相差フィードバック制御により第3気筒#3の位相差が目標位相差dθt[3]に収束し(t1)、第4気筒#4の位相差が目標位相差dθt[4]に収束する(t2)。
以後、3気筒での運転状態が継続することで、作動停止された気筒(この時は第2気筒#2)の停止期間が基準停止期間を越えると、作動気筒交代処理(図14)では、作動気筒交代条件が成立する(S122で「YES」)。
次に停止気筒作動開始処理が完了したか否かが判定される(S124)。最初は停止気筒の作動はまだ開始されていないので(S124で「NO」)、次に作動開始対象気筒#iが決定される(S126)。作動開始対象気筒#iは現在作動が停止していて停止期間が基準停止期間を越えた気筒から選択されるが、ここでは第2気筒#2のみが該当するので作動開始対象気筒#i=#2とされる。
次にこの作動開始対象気筒#iの目標位相差dθt[i]、すなわち第2気筒#2の目標位相差dθt[2]に現在、最長作動継続気筒#jの目標位相差dθt[j]が設定される(S128)。最長作動継続気筒とは、現在作動している気筒の内で、継続して作動している時間が最も長い気筒である。ここでは例えば第3気筒#3が最長作動継続気筒#jであるとすると、第3気筒#3の目標位相差dθt[3]が第2気筒#2の目標位相差dθt[2]に設定される。ここでは目標位相差dθt[3]=240°であるので、目標位相差dθt[2]は「240°」に設定される。
そして作動開始対象気筒#iの作動が開始される(S130)。すなわちスタータにより第2気筒#2が始動される。そして、以後、第2気筒#2の実位相差が目標位相差dθt[2]=240°となるように第2気筒#2の運転制御パラメータが調節されることになる(図13:S110)。
次の制御周期では、作動気筒交代条件は成立したままであるが(S122で「YES」)、停止気筒作動開始処理は完了したので(S124で「YES」)、次に作動開始完了か否かが判定される(S132)。まだ第2気筒#2の始動中であれば(S132で「NO」)、作動気筒交代処理(図14)を終了して、位相差フィードバック制御(図13:S110)に移行する。
第2気筒#2の作動が完了すると(S132で「YES」)、交代対象気筒#jの停止処理が実行される(S134)。ここでは第3気筒#3が停止される。
このことにより第3気筒#3が停止したばかりとなり、第2気筒#2も目標位相差dθt[2]への到達の途中であるので、次の制御周期では作動気筒交代条件が成立しなくなり(S122で「NO」)、作動気筒交代処理(図14)での実質的な処理はなされなくなる。
このことにより第3気筒#3が停止したばかりとなり、第2気筒#2も目標位相差dθt[2]への到達の途中であるので、次の制御周期では作動気筒交代条件が成立しなくなり(S122で「NO」)、作動気筒交代処理(図14)での実質的な処理はなされなくなる。
以後、ステップS102、S104、S106で「YES」、S108で「NO」、S120(S122で「NO」)、S110が実行されることで、第2気筒#2が目標位相差dθt[2]=240°に到達し図17(A)に示す運転状態となり、3気筒#1,#2,#4での運転を継続する。
そして3気筒運転の継続により、作動気筒交代条件が成立すると(図14:S122で「YES」)、前述した作動気筒交代処理(図14)にて第3気筒#3(θt[3]=480°)が作動されて最長作動継続気筒#jと交代する。ここでは最長作動継続気筒#jとして第4気筒#4が停止する。したがって図17(B)に示す運転状態となり、3気筒#1,#2,#3での運転を継続する。
更に、3気筒運転の継続により、作動気筒交代条件が成立すると(図14:S122で「YES」)、作動気筒交代処理(図14)にて第4気筒#4(θt[4]=0°)が作動されて最長作動継続気筒#jである第1気筒#1が停止する。この場合は、第4気筒#4が基準気筒となる。したがって図17(C)に示す運転状態となり、3気筒#2,#3,#4での運転を継続する。
更に、3気筒運転の継続により、作動気筒交代条件が成立すると(図14:S122で「YES」)、作動気筒交代処理(図14)にて第1気筒#1(θt[1]=240°)が作動されて最長作動継続気筒#jである第2気筒#2が停止する。したがって図16(B)と同等の運転状態となり、3気筒#1,#3,#4での運転を継続する。尚、この場合は、第1気筒#1の作動が復帰したので、第1気筒#1の目標位相差dθt[1]=240°が達成されると、直ちに目標位相差dθt[1]=0°、θt[3]=240°、θt[4]=480°に変更されることで、第1気筒#1を基準気筒とする図16(B)の状態に完全に戻ることになる。
以後、更に3気筒運転が継続すれば、上述した作動気筒交代を繰り返すことになる。このことによりいずれの気筒も長期間停止している状態が防止される。
必要作動気筒数が「3」から「2」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ3気筒が作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。3気筒から2気筒への切り替えは、第1グループ(第1気筒#1及び第4気筒#4)と第2グループ(第2気筒#2及び第3気筒#3)とに分けて、3気筒運転にて停止している気筒が属する残りの気筒が停止対象とされる。ここでは直前の3気筒運転が図17(B)の状態であったものとする。したがって既に第4気筒#4が停止しているので、同一グループの第1気筒#1が停止されて、第2気筒#2及び第3気筒#3の作動による運転に移行する。第4気筒#4の停止直後の位相関係を図18(A)に示す。
必要作動気筒数が「3」から「2」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ3気筒が作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。3気筒から2気筒への切り替えは、第1グループ(第1気筒#1及び第4気筒#4)と第2グループ(第2気筒#2及び第3気筒#3)とに分けて、3気筒運転にて停止している気筒が属する残りの気筒が停止対象とされる。ここでは直前の3気筒運転が図17(B)の状態であったものとする。したがって既に第4気筒#4が停止しているので、同一グループの第1気筒#1が停止されて、第2気筒#2及び第3気筒#3の作動による運転に移行する。第4気筒#4の停止直後の位相関係を図18(A)に示す。
そして次の位相差フィードバック制御(S110)では、第2気筒#2の位相を基準(0°)として、第3気筒#3の実位相差が、「360°」離れるように目標位相差dθt[3]=360°を設定する。すなわち図18(B)の位相関係となるように運転制御パラメータが調節される。
次の制御周期では作動数切り替えが完了したので(S106で「YES」)、次に全気筒が作動中であるか否かが判定される(S108)。今回は2気筒のみの作動状態であることから(S108で「NO」)、次に作動気筒交代処理(図14)が実行される(S120)。
作動気筒交代処理では、まず前述した作動気筒交代条件が成立しているか否かが判定される(S122)。3気筒運転から2気筒運転に切り替わったばかりで、第3気筒#3の実位相差が目標位相差dθt[3]に到達していなければ(S122で「NO」)、直ちに作動気筒交代処理(図14)を終了して、位相差フィードバック制御(図13:S110)に移行する。
上述した処理を繰り返すことで、第3気筒#3の実位相差が目標位相差dθt[3]に到達し、図18(B)に示した運転状態が実現される。
上述した必要作動気筒数が「3」から「2」に変更された場合のタイミングチャートを図19(B)に示す。尚、図19(B)では、図19(A)の状態から第3気筒#3が停止して2気筒運転になる例を示している。必要作動気筒数が「3」から「2」に切り替わると(t10)、第3気筒#3が停止する。そして位相差フィードバック制御により第4気筒#4の位相差が目標位相差dθt[4]=360°に収束する(t11)。
上述した必要作動気筒数が「3」から「2」に変更された場合のタイミングチャートを図19(B)に示す。尚、図19(B)では、図19(A)の状態から第3気筒#3が停止して2気筒運転になる例を示している。必要作動気筒数が「3」から「2」に切り替わると(t10)、第3気筒#3が停止する。そして位相差フィードバック制御により第4気筒#4の位相差が目標位相差dθt[4]=360°に収束する(t11)。
図13,14の説明に戻り、以後、2気筒での運転状態が継続することで、作動停止された気筒(この時は第1グループの第1気筒#1及び第4気筒#4のいずれか)の停止期間が基準停止期間を越えると、作動気筒交代処理(図14)では、作動気筒交代条件が成立する(S122で「YES」)。
次に停止気筒作動開始処理が完了したか否かが判定される(S124)。最初は作動が開始されていないので(S124で「NO」)、次に作動開始対象気筒#iが決定される(S126)。2気筒運転では2気筒同時に交代させるので、ここでは第1気筒#1及び第4気筒#4が該当し、作動開始対象気筒#i=#1,#4とされる。
次にこの作動開始対象気筒#iの目標位相差dθt[i]に、現在、最長作動継続気筒#jの目標位相差dθt[j]が設定される(S128)。最長作動継続気筒としては、第2グループしかないので第2気筒#2及び第3気筒#3が該当する。そして、第1気筒#1を基準気筒にするので、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]に「360°」が設定されることになる。
そして作動開始対象気筒#iの作動が開始される(S130)。すなわちスタータにより第1気筒#1及び第4気筒#4が始動される。そして、第4気筒#4の実位相差が目標位相差dθt[4]=360°となるように第4気筒#4の運転制御パラメータが調節される(図13:S110)。
次の制御周期では、作動気筒交代条件は成立したままであるが(S122で「YES」)、停止気筒作動開始処理は完了したので(S124で「YES」)、次に作動開始完了か否かが判定される(S132)。第1気筒#1及び第4気筒#4の始動中であれば(S132で「NO」)、作動気筒交代処理(図14)を終了して、位相差フィードバック制御(図13:S110)に移行する。
第1気筒#1及び第4気筒#4の作動が完了すると(S132で「YES」)、交代対象気筒#jの停止処理が実行される(S134)。ここでは第2グループである第2気筒#2及び第3気筒#3が運転を停止される。
このことにより第2気筒#2及び第3気筒#3が停止したばかりとなり、第1グループの第4気筒#4も目標位相差dθt[4]への到達の途中であるので、次の制御周期では作動気筒交代条件が成立しなくなり(S122で「NO」)、作動気筒交代処理(図14)での実質的な処理はなされなくなる。
以後、ステップS102、S104、S106で「YES」、S108で「NO」、S120(S122で「NO」)、S110が実行されることで、第4気筒#4が目標位相差dθt[4]=360°に到達し図16(C)の状態となり、2気筒#1,#4での運転を継続する。
そして2気筒運転継続により作動気筒交代条件が成立すると(図14:S122で「YES」)、前述した作動気筒交代処理(図14)にて第2グループの第2気筒#2及び第3気筒#3(θt[3]=360°)が作動されて最長作動継続気筒#jである第1グループの第1気筒#1及び第4気筒#4と交代する。したがって図18(B)の状態に戻ることになる。
以後、2気筒運転が継続すれば、上述した作動気筒交代を繰り返すことになる。このことによりいずれの気筒も長期間停止している状態が防止される。
必要作動気筒数が「2」から「3」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ2気筒のみが作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。2気筒から3気筒への切り替えは、第1グループ(第1気筒#1及び第4気筒#4)と第2グループ(第2気筒#2及び第3気筒#3)との内で、作動していない方のグループから1つの気筒を選択して新たな作動対象気筒とする。ここでは直前の2気筒での運転が図16(C)のごとく第1グループによる運転であったものとする。したがって作動停止している第2グループの内の第2気筒#2を新たな作動対象として、3気筒#1,#2,#4による運転に移行する。そして第1気筒#1を基準にして、図17(A)に示した位相関係となるように、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]=240°とし、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=480°とする。
必要作動気筒数が「2」から「3」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ2気筒のみが作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。2気筒から3気筒への切り替えは、第1グループ(第1気筒#1及び第4気筒#4)と第2グループ(第2気筒#2及び第3気筒#3)との内で、作動していない方のグループから1つの気筒を選択して新たな作動対象気筒とする。ここでは直前の2気筒での運転が図16(C)のごとく第1グループによる運転であったものとする。したがって作動停止している第2グループの内の第2気筒#2を新たな作動対象として、3気筒#1,#2,#4による運転に移行する。そして第1気筒#1を基準にして、図17(A)に示した位相関係となるように、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]=240°とし、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=480°とする。
そして次の位相差フィードバック制御(S110)により、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]及び第4気筒#4の目標位相差dθt[4]が達成されて図17(A)の位相関係となるように運転制御パラメータが調節される。
次の制御周期では作動数切り替えが完了したので(S106で「YES」)、次に全気筒が作動中であるか否かが判定される(S108)。今回は3気筒のみの作動状態であることから(S108で「NO」)、次に作動気筒交代処理(図14)が実行される(S120)。この作動気筒交代処理については前述したごとく、作動気筒交代条件が成立することにより1つの気筒について作動状態が順次交代される処理が行われる。このようにして3気筒運転状態に戻る。
必要作動気筒数が「3」から「4」に変更された場合を説明する。この場合におけるステップ106の当初の処理は、まだ3気筒のみが作動しているので(S106で「NO」)、作動数切り替え処理が実行される(S112)。3気筒から4気筒への切り替えは、停止している1つの気筒を新たな作動対象気筒とする。ここでは直前の3気筒での運転が図17(C)のごとく第2気筒#2、第3気筒#3及び第4気筒#4による運転であったものとする。したがって作動停止している第1気筒#1を新たな作動対象として、全気筒#1,#2,#3,#4による運転に移行し、最終的に第1気筒#1を基準にして、図16(A)に示した位相関係となるようにする。すなわち、まず、第1気筒#1の目標位相差dθt[1]=360°とし、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]=180°とし、第3気筒#3の目標位相差dθt[3]=540°とする。
そして次の位相差フィードバック制御(S110)により、これらの目標位相差dθt[1],θt[2],θt[3]が達成されて図16(A)と同じ位相関係となるように運転制御パラメータが調節される。
次の制御周期では作動数切り替えが完了したので(S106で「YES」)、次に全気筒が作動中であるか否かが判定される(S108)。今回は全気筒が作動状態であることから(S108で「YES」)、作動気筒交代処理(S120:図14)は実行されることなく、直ちに位相差フィードバック制御(S110)に移行する。このようにして4気筒運転に戻る。尚、図16(A)と同じ位相配置となれば、第1気筒#1を基準気筒として、第2気筒#2の目標位相差dθt[2]=540°とし、第3気筒#3の目標位相差dθt[3]=180°とし、第4気筒#4の目標位相差dθt[4]=360°とすることにより、完全に図16(A)の状態に戻ることになる。
上述した構成において、スライダー34b〜40b、ワンウェイクラッチ34c〜40c及びリンク34〜40が気筒間位相差可変装置のリンク機構に、ECU50が実行する可変気筒運転処理(図13)のステップS110が位相差可変手段としての処理に相当する。そしてこれらリンク機構と位相差可変手段とが可変気筒装置の位相差調節手段に相当するとともに、ステップS102が気筒数決定手段としての処理に、ステップS104が位相差決定手段としての処理に、ステップS112が運転気筒数変更手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).リンク34〜40に連動して揺動するスライダー34b〜40bと出力軸42との間にはワンウェイクラッチ34c〜40cが設けられている。このためピストン4〜10がクランク機構14〜20に誘導されて各気筒#1〜#4内で往復運動してリンク34〜40を揺動させても、出力軸42を一方向に回転させる運動のみが、出力軸42に対して伝達される。そしてこれ以外の運動ではピストン4〜10及びリンク34〜40は、出力軸42の回転位相には拘束されない。このため、いずれの気筒#1〜#4も相互に、行程位相、ここではクランク機構14〜20におけるクランク角位相が拘束されることはない。
(イ).リンク34〜40に連動して揺動するスライダー34b〜40bと出力軸42との間にはワンウェイクラッチ34c〜40cが設けられている。このためピストン4〜10がクランク機構14〜20に誘導されて各気筒#1〜#4内で往復運動してリンク34〜40を揺動させても、出力軸42を一方向に回転させる運動のみが、出力軸42に対して伝達される。そしてこれ以外の運動ではピストン4〜10及びリンク34〜40は、出力軸42の回転位相には拘束されない。このため、いずれの気筒#1〜#4も相互に、行程位相、ここではクランク機構14〜20におけるクランク角位相が拘束されることはない。
このためステップS110での点火時期や燃料噴射量の調節により、各気筒#1〜#4の出力タイミングや出力を個別に変化させることで、気筒#1〜#4間での相対的な回転数をわずかに変化させ、気筒#1〜#4間での行程位相差をわずかに変更させることができる。これを繰り返すことにより任意の行程位相差に、気筒#1〜#4間の位相関係を変更させることができる。
このようにして従来技術のごとく出力軸42を分割しなくても気筒#1〜#4間の行程位相差を可変とすることができる。
(ロ).運転気筒数を変更した場合に(S102)、新たな運転気筒数に対応する各運転気筒間の行程位相差を決定する(S104)。この行程位相差に基づいて、実際に気筒#1〜#4間の行程位相差を変更する(S110)。そして、この行程位相差の調節前に運転気筒数を実際に変更する(S112)。
(ロ).運転気筒数を変更した場合に(S102)、新たな運転気筒数に対応する各運転気筒間の行程位相差を決定する(S104)。この行程位相差に基づいて、実際に気筒#1〜#4間の行程位相差を変更する(S110)。そして、この行程位相差の調節前に運転気筒数を実際に変更する(S112)。
このようにして気筒数に応じて行程位相差を適切な位相差に変更できるので、運転気筒数を「4←→3←→2」のように連続的に変更させる際に各運転気筒数にて、図16に示したごとく各運転気筒の行程位相差を同等にして出力バランスをとることが可能となる。このことにより各運転気筒数での運転において機関振動を抑制することが可能となる。
(ハ).停止気筒が存在する運転気筒数であっても、作動気筒交代処理(図14)にて定期的に作動交代することにより気筒の過剰な冷却を防止しているため、エミッションを良好に維持することができる。しかも、一部の気筒のみでの交代でなく、全気筒を交代対象としているので、エンジンの耐久性も向上する。
[実施の形態2]
本実施の形態では、モータジェネレータにより負荷及びアシスト力を付与することにより行程位相差を調節するものである。尚、クランク機構及びリンクについても異なる構成を用いるが、前記実施の形態1のクランク機構及びリンクを用いても良い。
本実施の形態では、モータジェネレータにより負荷及びアシスト力を付与することにより行程位相差を調節するものである。尚、クランク機構及びリンクについても異なる構成を用いるが、前記実施の形態1のクランク機構及びリンクを用いても良い。
図20,21,22,23に1つの気筒ついて示している。図20と図21とはシリンダブロックを除いて角度を変えて見た斜視図であり、図22は平面図、図23は右側面図である。他の3気筒についても同じである。又、エンジンの他の構成は、前記実施の形態1にて説明したごとくである。
ここでリンク134は一端にてコンロッド104bの下端にピン104cにて揺動可能に連結され、他端はワンウェイクラッチ134cを介して出力軸142に連結されている。尚、出力軸142はシリンダブロック側の軸受124に回転可能に支持されている。ワンウェイクラッチ134cは燃焼行程にてピストン104が下降(往動)する場合に出力軸142に係合してピストン104の運動をリンク134から出力軸142へ回転運動として伝達する。これ以外においては、ワンウェイクラッチ134cは出力軸142に対して非係合状態となる。
更に、リンク134の中央付近に設けられたスライド孔134aにはクランク機構114の回転円盤114d上に偏心して形成されたクランクピン114aが挿入されることにより、クランク機構114にてリンク134を介してピストン4が往復運動するように誘導されている。更に、回転円盤114dの中心に設けられたシャフト114cは、シリンダブロック側の軸受125にて回転可能に支持されるとともに、軸受125に固定されているモータジェネレータ117の回転軸に連結している。このことによりモータジェネレータ117はクランク機構114を回転駆動したり、あるいは逆にクランク機構114側から回転されることにより発電してクランク機構114側から受ける回転エネルギーをバッテリ側に電気エネルギーとして蓄電可能としている。
更にシャフト114cには位相センサ用ロータ114eが設けられて、近接して設けられる各位相センサ132により気筒毎の回転位相が検出されている。
尚、前記実施の形態1と同様にクランク機構114は、各気筒毎に独立して設けられて、各ピストン104は独立して往復運動できるので、後述するごとく各気筒間の行程位相差を相互に拘束されることなく変更することが可能である。
尚、前記実施の形態1と同様にクランク機構114は、各気筒毎に独立して設けられて、各ピストン104は独立して往復運動できるので、後述するごとく各気筒間の行程位相差を相互に拘束されることなく変更することが可能である。
このような構成による各気筒の燃焼による出力軸142の回転について説明する。図24,25に1つの気筒による出力軸142に対するトルク伝達を示す。図24(A)はピストン4が吸気行程下死点にあり、燃焼室152が最大容積に拡大している。この状態から図24(B)に示すごとくフライホイールとしての役目も果たす回転円盤114dによりピストン104が上昇して燃焼室152内の混合気を圧縮する。
そして図24(C)に示すごとくピストン104が圧縮行程上死点となる。この前後にて点火プラグ154にて点火が実行されて燃焼室152内が燃焼圧力により高圧となる。この燃焼圧力により図24(D)に示すごとくピストン104が押し下げられ、リンク134を急速に下向きに揺動させる。この時、出力軸142の回転角速度よりもリンク134の揺動角速度が高速となり、ワンウェイクラッチ134c(図21)が係合状態となりワンウェイクラッチ134cを介して、ピストン104側から出力軸142へ回転トルクが伝達される。
そして図25(A)に示すごとくピストン104が下死点に到達し、この直前に排気バルブ102bが開弁を開始する。この時には、出力軸142の回転角速度よりもリンク134の揺動角速度が低速〜「0」となり、ワンウェイクラッチ134c(図21)が非係合状態となりピストン104側から出力軸142への回転トルクの伝達はなされなくなる。以後、図25(B)に示すごとくピストン104が上昇することで燃焼室152内の既燃ガスを排気ポート172から排出する。そして図25(C)に示すごとくピストン104が排気行程上死点となる直前に吸気バルブ102aの開弁が開始され、その後、排気バルブ102bは閉じられる。そして図25(D)に示すごとくピストン104が下降することにより、吸気ポート156から燃焼室152内へ混合気が吸入され、図24(A)の状態に戻る。
このような4行程のサイクルを繰り返すことにより、図24(D)に示すごとく燃焼行程時に高速にリンク134が下向きに揺動する毎にワンウェイクラッチ134cを介して出力軸142に一方向のトルクが伝達される。そしてエンジンは4気筒であるので、ECUは、点火プラグ154による点火時期を各位相センサ132からの信号に基づいて、180°間隔で順次実行することにより、出力軸142へ各気筒から一方向のトルクを伝達させて、出力軸142の回転を継続させることができる。
次にECUにより実行される制御の内、可変気筒運転処理について説明する。本処理のフローチャートを図26に示す。本処理は前記実施の形態1の可変気筒運転処理(図13)の制御周期と同じ周期で実行される。図26の処理において前記実施の形態1の可変気筒運転処理(図13)と異なる処理は、ステップS210の処理であり、他の処理(S202〜S208,S212,S220)は前記図13のステップS102〜S108,S112,S120(図14)と同じである。
ステップS210の処理は、作動対象気筒#iの実位相差が目標位相差へ近づく方向へモータジェネレータ117によりクランク機構114に対する負荷(ここでは発電負荷)あるいはアシスト力(ここではアシストトルク)を調節する処理である。
例えば実位相差が目標位相差よりも小さい場合(進角状態)では、作動対象気筒#iにおけるモータジェネレータ117を回生モード(発電モード)として、クランク機構114に発電負荷をかけてわずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を低下させる。このことにより実位相を遅角させて実位相差を目標位相差に一致させる。尚、この時は、回転エネルギーが電気エネルギーとして回収できる。又、実位相差が目標位相差よりも大きい場合(遅角状態)では、作動対象気筒#iのモータジェネレータ117を出力モードとしてわずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を上昇させる。このことにより実位相を進角させて実位相差を目標位相差に一致させる。このような位相差フィードバック制御により基準気筒(例えば第1気筒#1)に対して作動対象気筒#iは目標位相差に維持された状態で運転されることになる。尚、より迅速にフィードバックするために同時に作動対象気筒#iの運転制御パラメータを調節しても良い。
上述した構成において、ワンウェイクラッチ134c及びリンク134がリンク機構に、ECUが実行する可変気筒運転処理(図26)のステップS210が位相差可変手段としての処理に相当する。そしてこれらリンク機構と位相差可変手段とが位相差調節手段に相当するとともに、ステップS202が気筒数決定手段としての処理に、ステップS204が位相差決定手段としての処理に、ステップS212が運転気筒数変更手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).モータジェネレータ117と、更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
(イ).モータジェネレータ117と、更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
(ロ).モータジェネレータ117の回生モードと出力モードとにより、各気筒の行程位相差を調節しているので、より高応答な位相差フィードバック制御ができる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図27,28(斜視図)、図29(正面図)、図30(背面図)、図31(平面図)、図32(右側面図)に示すごとく、ワンウェイクラッチを用いずに電磁クラッチ235により、ピストン204の往復動を出力軸242の一方向の回転運動に変換している。更に、モータジェネレータの代わりにスタータモータ217が設けられている。ピストン204、コンロッド204b、リンク234及びクランク機構214の関係、及びその他の構成は前記実施の形態2にて説明した構成と基本的には同一である。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図27,28(斜視図)、図29(正面図)、図30(背面図)、図31(平面図)、図32(右側面図)に示すごとく、ワンウェイクラッチを用いずに電磁クラッチ235により、ピストン204の往復動を出力軸242の一方向の回転運動に変換している。更に、モータジェネレータの代わりにスタータモータ217が設けられている。ピストン204、コンロッド204b、リンク234及びクランク機構214の関係、及びその他の構成は前記実施の形態2にて説明した構成と基本的には同一である。
尚、スタータモータ217の代わりにモータジェネレータを用いることにより発電負荷及びアシスト力を付与して、位相差フィードバック制御をより高応答に実行しても良い。又、クランク機構214及びリンク234については、前記実施の形態1のクランク機構及びリンクを用いても良い。
シリンダブロック側の軸受224に回転可能に支持されている出力軸242とリンク234とは、リンク234の一端にてベアリング234cを介して連結されている。したがってリンク234から出力軸242には直接ピストン204の運動は伝達されることはない。
リンク234と出力軸242との間には、電磁クラッチ235が設けられている。電磁クラッチ235は、図33の水平断面図に示すごとく、リンク234側に出力軸242を囲んで取り付けられた電磁アクチュエータ236、リンク側クラッチ板237、出力軸側クラッチ板238、及びリンク側クラッチ板237を出力軸側クラッチ板238へ付勢するためのスプリング239を備えている。
電磁アクチュエータ236は、4つの電磁コイル236a、各電磁コイル236a内に配置されたコア236b、及び基端側でコア236bに連結し先端側でリンク側クラッチ板237に連結するロッド236cを備えている。これらの電磁コイル236aに対する駆動電流をECU250が調節することにより、電磁クラッチ235を係合したり解放したりする。
すなわちECU250が電磁コイル236aに通電することでコア236bを電磁コイル236a内に引き入れて、図33に示したごとくスプリング239の付勢力に抗してリンク側クラッチ板237と出力軸側クラッチ板238とを離間させて電磁クラッチ235は解放状態となる。ECU250が電磁コイル236aに通電しないと、スプリング239の付勢力によりリンク側クラッチ板237は出力軸側クラッチ板238に接触し電磁クラッチ235は係合状態となる。出力軸側クラッチ板238は出力軸242に取り付けられているため、電磁クラッチ235が係合されると、リンク234と電磁クラッチ235とを介してピストン204の往復運動が出力軸242の回転運動として伝達される。電磁クラッチ235が解放されると、ピストン204の往復運動は出力軸242には全く伝達されなくなる。したがってECU250は位相センサ232からクランク角位相を検出して、燃焼行程でピストン204が急速に下降している場合(前記実施の形態2の図24(D)に相当)にのみ、電磁クラッチ235を係合状態とする。そして、他の場合には電磁クラッチ235を解放状態とする。このような処理を各気筒毎に実行することで、クランク角180°間隔で各気筒からトルクが順次出力軸242に伝達されるようにしている。尚、停止気筒では電磁クラッチ235を解放状態に維持する。
次にECU250により実行される制御の内、可変気筒運転処理について説明する。本処理のフローチャートを図34に示す。本処理は前記実施の形態1の可変気筒運転処理(図13)の制御周期と同じ周期で実行される。図34の処理において前記実施の形態1の可変気筒運転処理と異なる処理は、ステップS310の処理であり、他の処理(S302〜S308,S312,S320)は前記図13のステップS102〜S108,S112,S120(図14)と同じである。
ステップS310の処理は、作動対象気筒#iの実位相差が目標位相差へ近づく方向へ電磁クラッチ235によりピストン204側から出力軸242側へ出力を伝達するタイミングを調節する処理である。
例えば実位相差が目標位相差よりも小さい場合(進角状態)では、作動対象気筒#iの電磁クラッチ235の係合タイミングを進角させ、あるいは係合期間を長くして、わずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を低下させる。このことにより実位相を遅角させて実位相差を目標位相差に一致させる。又、実位相差が目標位相差よりも大きい場合(遅角状態)では、作動対象気筒#iの電磁クラッチ235の係合タイミングを遅角させ、あるいは係合期間を短くして、わずかに作動対象気筒#iの回転数Nca[i]を上昇させる。このことにより実位相を進角させて実位相差を目標位相差に一致させる。このような位相差フィードバック制御により、基準気筒(例えば第1気筒#1)に対して作動対象気筒#iは目標位相差に維持された状態で運転されることになる。尚、同時に作動対象気筒#iの運転制御パラメータを調節しても良い。
上述した構成において、リンク234、電磁クラッチ235及び上述したECU250による電磁クラッチ235の係合制御(クラッチ制御手段に相当)がリンク機構に、ECUが実行する可変気筒運転処理(図34)のステップS310が位相差可変手段としての処理に相当する。そしてこれらリンク機構と位相差可変手段とが位相差調節手段に相当するとともに、ステップS302が気筒数決定手段としての処理に、ステップS304が位相差決定手段としての処理に、ステップS312が運転気筒数変更手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).スタータモータ217と更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
(イ).スタータモータ217と更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
(ロ).電磁クラッチ235により各気筒間の行程位相差を調節しているので、より高応答な位相差フィードバック制御ができる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、図35,36,37に示すごとく、電動ブレーキ317を、リンク334に直接、制動負荷が作用するように設けても良い。尚、図35は斜視図、図36は平面図、図37は正面図である。リンク334は、ワンウェイクラッチ334cを介してピストン304の往復運動の一方を出力軸342の一方向の回転運動に変換している。更にピストン304に対して往復運動を誘導するためのクランク機構314にはスタータモータ318が設けられている。
[実施の形態4]
本実施の形態では、図35,36,37に示すごとく、電動ブレーキ317を、リンク334に直接、制動負荷が作用するように設けても良い。尚、図35は斜視図、図36は平面図、図37は正面図である。リンク334は、ワンウェイクラッチ334cを介してピストン304の往復運動の一方を出力軸342の一方向の回転運動に変換している。更にピストン304に対して往復運動を誘導するためのクランク機構314にはスタータモータ318が設けられている。
リンク334は、出力軸342周りにギヤ335を形成している。このギヤ335に対して小径ギヤ337が噛み合っている。この小径ギヤ337はシリンダブロック側の軸受325に回転可能に支持されたブレーキ軸339を介して、軸受325に固定された電動ブレーキ317に連結している。
電動ブレーキ317は小径ギヤ337の回転に対して電気的に制動力を付与する制動装置であり、例えば発電機や電磁駆動のディスクブレーキ等により構成されている。したがってECU350によりクランク機構314に設けられたロータ314eの回転位相を位相センサ332から検出してピストン304の行程位相を判断し、この行程位相に基づき、進角している場合には任意のタイミングでリンク334の揺動運動に制動を作用させて遅角させ、行程位相差調節を実現できる。尚、進角側の調節は、運転制御パラメータ(点火時期や燃料噴射量)の調節にて行う。
他の構成は実施の形態2と同じである。尚、電動ブレーキ317の代わりにモータジェネレータを用いることにより発電負荷及びアシスト力を付与して更に、行程位相差調節を高応答に実行しても良い。又、クランク機構314及びリンク334については、前記実施の形態1のクランク機構及びリンクを用いても良い。
次にECU350により実行される制御の内、可変気筒運転処理について説明する。本処理のフローチャートを図38に示す。本処理は前記実施の形態1の可変気筒運転処理(図13)の制御周期と同じ周期で実行される。図38の処理において前記実施の形態1の可変気筒運転処理(図13)と異なる処理は、ステップS410の処理であり、他の処理(S402〜S408,S412,S420)は前記図13のステップS102〜S108,S112,S120(図14)と同じである。
ステップS410の処理は、作動対象気筒#iの実位相差が目標位相差へ近づく方向へ電動ブレーキ317と運転制御パラメータとによりピストン304及びリンク334の移動速度を調節する処理である。
例えば実位相差が目標位相差よりも小さい場合(進角状態)では、作動対象気筒#iの電動ブレーキ317にてクランク機構314の回転を制動して作動対象気筒#iの回転数Nca[i]をわずかに低下させる。このことにより実位相を遅角させて実位相差を目標位相差に一致させる。又、実位相差が目標位相差よりも大きい場合(遅角状態)では、作動対象気筒#iにおいて運転制御パラメータ(点火時期や燃料噴射量)の調節により作動対象気筒#iの回転数Nca[i]をわずかに上昇させる。このことにより実位相を進角させて実位相差を目標位相差に一致させる。このような位相差フィードバック制御により基準気筒(例えば第1気筒#1)に対して作動対象気筒#iは目標位相差に維持された状態で運転されることになる。
上述した構成において、リンク334及びワンウェイクラッチ334cがリンク機構に、電動ブレーキ317を利用してECUが実行する可変気筒運転処理(図38)のステップS410が位相差可変手段としての処理に相当する。そしてこれらリンク機構と位相差可変手段とが位相差調節手段に相当するとともに、ステップS402が気筒数決定手段としての処理に、ステップS404が位相差決定手段としての処理に、ステップS412が運転気筒数変更手段としての処理に相当する。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).電動ブレーキ317と更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
(イ).電動ブレーキ317と更に前記実施の形態1とは異なるリンク機構を用いているが、前記実施の形態1の(イ)〜(ハ)の効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記各実施の形態では、全ての気筒が出力軸の回転位相には拘束されずに、任意に行程位相差を変更できる構成であったが、一部の気筒は出力軸にクランクにて直結する構成でも良い。例えば第1気筒#1を出力軸にクランクにて直結し、この第1気筒#1は停止対象とせずに、常に基準気筒として他の気筒#2〜#4との行程位相差を位相差フィードバック制御にて調節しても良い。
(a).前記各実施の形態では、全ての気筒が出力軸の回転位相には拘束されずに、任意に行程位相差を変更できる構成であったが、一部の気筒は出力軸にクランクにて直結する構成でも良い。例えば第1気筒#1を出力軸にクランクにて直結し、この第1気筒#1は停止対象とせずに、常に基準気筒として他の気筒#2〜#4との行程位相差を位相差フィードバック制御にて調節しても良い。
(b).前記各実施の形態では、吸排気バルブとして電磁駆動バルブを用いていたが各クランク機構に1/2回転で連動するバルブカムにより駆動される吸排気バルブとして構成しても良い。この場合には、更にカムシャフトに基準クランク角を検出する基準クランク角センサを設けて、位相センサにて検出されるTDC信号の内、一方を圧縮上死点と判断する。
(c).前記各実施の形態では、必要作動気筒数の値が変化したときには、行程位相差の変更開始直前に実際の作動気筒数を変更したが、行程位相差の変更を完了してから実際の作動気筒数を変更しても良く、又、行程位相差を変更する途中で実際の作動気筒数を変更しても良い。
又、実際の作動気筒数の変更時には、出力の段差が生じることを考慮して、燃料噴射量を増減補正することでショックを防止しても良い。
(d).前記各実施の形態の出力軸に、別途、電動モータやモータジェネレータを設けて、電気エネルギーにて出力軸を回転させたり走行エネルギーを回収するハイブリッドタイプのエンジンとしても、本発明を適用できる。
(d).前記各実施の形態の出力軸に、別途、電動モータやモータジェネレータを設けて、電気エネルギーにて出力軸を回転させたり走行エネルギーを回収するハイブリッドタイプのエンジンとしても、本発明を適用できる。
2…エンジン、2a…吸気バルブ、2b…排気バルブ、4,6,8,10…ピストン、4a,6a,8a,10a…ピストンピン、4b,6b,8b,10b…コンロッド、14,16,18,20…クランク機構、14a,16a,18a,20a…クランクピン、14b,16b,18b,20b…回転アーム、14c,16c,18c,20c…シャフト、14d,16d,18d,20d…ギヤ、14e,16e,18e,20e…位相センサのロータ、24,26,28,30…軸受、32…位相センサ、34,36,38,40…リンク、34a,36a,38a,40a…スライド孔、34b,36b,38b,40b…スライダー、34c,36c,38c,40c…ワンウェイクラッチ、34d,36d,38d,40d…摺動面、42…出力軸、44…ロータ、46…回転数センサ、50…ECU、52…燃焼室、54…点火プラグ、56…吸気ポート、58…吸気通路、60…燃料噴射弁、62…サージタンク、64…スロットルバルブ用モータ、66…スロットルバルブ、68…スロットル開度センサ、70…吸入空気量センサ、72…排気ポート、74…排気通路、76…触媒コンバータ、78…空燃比センサ、80…アクセルペダル、82…アクセル開度センサ、84…冷却水温センサ、86…エンジン油温センサ、88…変速機、90…車速センサ、92,94…電磁駆動部、102a…吸気バルブ、102b…排気バルブ、104…ピストン、104b…コンロッド、104c…ピン、114…クランク機構、114a…クランクピン、114c…シャフト、114d…回転円盤、114e…ロータ、117…モータジェネレータ、124,125…軸受、132…位相センサ、134…リンク、134a…スライド孔、134c…ワンウェイクラッチ、142…出力軸、152…燃焼室、154…点火プラグ、156…吸気ポート、172…排気ポート、204…ピストン、204b…コンロッド、214…クランク機構、217…スタータモータ、224…軸受、232…位相センサ、234…リンク、234c…ベアリング、235…電磁クラッチ、236…電磁アクチュエータ、236a…電磁コイル、236b…コア、236c…ロッド、237…リンク側クラッチ板、238…出力軸側クラッチ板、239…スプリング、242…出力軸、250…ECU、304…ピストン、314…クランク機構、314e…ロータ、317…電動ブレーキ、318…スタータモータ、325…軸受、332…位相センサ、334…リンク、334c…ワンウェイクラッチ、335…ギヤ、337…小径ギヤ、339…ブレーキ軸、342…出力軸、350…ECU。
Claims (10)
- 内燃機関の気筒内で往復運動するピストンに連動し該ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向のみの回転運動として伝達するリンク機構と、
前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを調節することにより、他の気筒との間の行程位相差を変更する位相差可変手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。 - 請求項1において、前記リンク機構は、内燃機関の出力軸に対して連結するワンウェイクラッチを備え、
前記位相差可変手段は、前記気筒の燃焼タイミングを調節することにより、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを変更することを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。 - 請求項1において、前記リンク機構は、
内燃機関の出力軸との間に備えられたクラッチと、
内燃機関の出力軸を一方向に回転させる運動がピストン側から与えられた場合に前記クラッチを係合し、他の場合には前記クラッチを解放するクラッチ制御手段とを備え、
前記位相差可変手段は、前記クラッチ制御手段における係合状態を調節することにより、前記一方向のみの回転運動の伝達タイミングを変更することを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。 - 内燃機関の気筒内で往復運動するピストンに連動し該ピストンの運動を内燃機関の出力軸に一方向のみの回転運動として伝達するリンク機構と、
前記一方向のみの回転運動によるトルク伝達量を調節することにより、他の気筒との間の行程位相差を変更する位相差可変手段と、
を備えることを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。 - 請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの出力を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。
- 請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの運動に対する負荷を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。
- 請求項4において、前記位相差可変手段は、ピストンの運動に対するアシスト力を調節することにより他の気筒との間の行程位相差を変更することを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。
- 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記ピストンは、内燃機関の出力軸とは別個に設けられたクランク機構により、気筒内で往復運動するように誘導されることを特徴とする内燃機関の気筒間位相差可変装置。
- 運転状況に応じて内燃機関の運転気筒数を可変とする可変気筒装置であって、
運転状況に応じて運転気筒数を決定する気筒数決定手段と、
前記気筒数決定手段にて決定された運転気筒数が変更された場合には、新たな運転気筒数に対応する各運転気筒間の行程位相差を決定する位相差決定手段と、
前記位相差決定手段にて決定された行程位相差となるように気筒間の行程位相差を調節する位相差調節手段と、
前記位相差調節手段による行程位相差の調節前、調節後又は調節中に実際の運転気筒数を変更する運転気筒数変更手段と、
を備えたことを特徴とする内燃機関の可変気筒装置。 - 請求項9において、前記位相差調節手段は、請求項1〜8のいずれかに記載の内燃機関の気筒間位相差可変装置を用いて、前記位相差決定手段にて決定された行程位相差となるように気筒間の行程位相差を調節することを特徴とする内燃機関の可変気筒装置。
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2003
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