JP2005047810A - 液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体 - Google Patents

液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体 Download PDF

Info

Publication number
JP2005047810A
JP2005047810A JP2003202921A JP2003202921A JP2005047810A JP 2005047810 A JP2005047810 A JP 2005047810A JP 2003202921 A JP2003202921 A JP 2003202921A JP 2003202921 A JP2003202921 A JP 2003202921A JP 2005047810 A JP2005047810 A JP 2005047810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
compound
substituent
molecule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003202921A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Nishio
徹也 西尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003202921A priority Critical patent/JP2005047810A/ja
Publication of JP2005047810A publication Critical patent/JP2005047810A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/04Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit
    • C09K2019/0488Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a special bonding
    • C09K2019/0496Liquid crystal materials characterised by the chemical structure of the liquid crystal components, e.g. by a specific unit characterized by a special bonding the special bonding being a specific pi-conjugated group

Landscapes

  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

【課題】低抵抗で導電性が長期に安定する液晶性化合物およびその液晶性化合物を用いた低電圧駆動で高信頼性の液晶性有機半導体を提供する。
【解決手段】少なくとも2つ以上の電極を有する液晶性有機半導体において、液晶層のうち少なくとも一成分として、一般式(化1)及至一般式(化3)のいずれか1で示される芳香族3級アミン化合物を主として形成された構成を有している。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶性有機半導体およびそれに用いられる液晶性化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本発明の液晶性有機半導体、すなわち液晶性有機半導体の代表例としては、ゲート電極の上に絶縁層を積層しその上にソース電極とドレイン電極を構成しそのソース電極とドレイン電極の間に液晶性化合物を有する構造を有するものがある。液晶層は、塗布法、滴下封入法や真空封入法などによって形成されており、各成膜方法に適し且つ電流電圧効率や寿命の優れた液晶性有機半導体材料が研究されている。
【0003】
このように有機物を使用した低コストな有機半導体には大きく分類して、低分子型、高分子型および液晶型の三種類がある。
【0004】
第一に高分子型としてはポリチオフェン、ポリピロールを使用した有機半導体(例えば、非特許文献1を参照)が記載されている。これら高分子型は塗布により形成できるため量産性に優れている。しかし、高分子型の有機半導体はソース電極とドレイン電極の間を高分子で形成されているが、高分子は一般にいわれているように寿命が短く、さらに量産性が低下する。
また、高分子型では電解重合法などを使用することが多い(例えば、非特許文献2を参照)が、この際に塩酸などの強酸性溶液を使用しつつ、さらに高温度で加熱することから電極への腐食やデバイス性能の劣化が起きやすく、量産性およびデバイス信頼性に劣っていた。(但し、電子吸引性の炭素間二重結合をチオフェンに隣接して配置したことは材料設計的に筋が良い。なぜなら、チオフェンなどの複素環や芳香族環では導電性が悪く、電子吸引性の二重結合により電子を引き出すための材料設計が必要となるためと思われる。)
【0005】
第二に低分子型としてはペンタセンを使用した有機半導体が検討されている。しかし、ペンタセンなど単なる平面構造のみしか有さない低分子の薄膜ではホッピング伝導に必要な分子間で共役結合の重なり合い、すなわち分子間におけるπ共役電子の波動関数の重なり合い(以後「パッキング」と呼ぶ)が起きにくく、起きたとしても平面構造だけでは分子が均一に重ならず(極性のみでは分子間力が弱いためと思われる)、結晶構造が取り難く、導電性が悪いと思われる。また、熱や電圧の影響で分子振動によりパッキングのずれ生じやすく、信頼性に欠けている。その結果をソース電極とドレイン電極との間での電流値が小さくしかとれずゲート電極に過大な電圧をかける必要があり、その結果、消費電力を大幅に消費するとともに、有機膜の絶縁破壊を誘発しやすい状況になる問題点が一般的に指摘されている。そのため外部IC回路に大きな負荷がかかる上に、設計も困難となりIC回路の価格が上昇するなどして量産性が低下した。また性能面においてもデバイスが不安定となり信頼性が低下した。さらに電流も過大に流れるため電流制御をしなければならず、外部IC設計に高度かつ複雑な回路設計が要求されるなどの弊害が生じると予想される。
さらに、ペンタセンは低分子であり、蒸着により作製しなければならないことから量産性に劣り、結晶化するとその部分が絶縁破壊の核となるおそれがある。また、一般に平面構造を有する化合物はパッキングにずれが生じ、ペンタセンのπ共役が分子間でパッキングによりつながらないために、抵抗値が極めて高く、電子の移動が起きないと思われる。これは位相差板などの電子部品においてディスコティック液晶など単なる円形の低分子液晶では電気伝導性が低いことからも既に証明されている。
これら低分子分子間でのパッキングが解けた結果、伝導性が低下すると思われ、このことから低分子型の有機半導体は耐電圧性に劣る課題があり、そのため実用化できない可能性が高い。
【0006】
第三に液晶型では配向膜を利用してスメクチック液晶を配列させることで有機半導体を作製する方法がある(例えば、非特許文献3を参照)が、配向性が悪く、ドメインなどの配向不良を生じやすいと思われる。このため電圧値に対して電流値が安定せずデバイスとしての信頼性を維持できないと推測される。
【0007】
さらに、スメクチック液晶では主鎖側にアルキル鎖を有するために電気伝導性を阻害すると思われる。このことから電圧値に対する電流値が低く、スイッチング性能が悪化するとともに、外部IC回路への負荷が増大するとともに高抵抗な材料であるため多量の熱を発生する。この結果、量産性や信頼性が悪化することが予想される。
【0008】
すなわち、一般に液晶性有機半導体に使用されるチオフェンやピロールでは主鎖中の電子伝導性が低く、かつ結合軸に対して立体回転する場合、回転軸に対する対称性が低いためにパッキングしにくい化学構造と思われる。すなわち熱振動などにより回転するたびに結晶構造を乱すおそれが高いため耐久性に欠けると思われる。また、短軸の液晶で主鎖方向の伝導を利用するとアルキル鎖が電気伝導を妨害する不純物となるために電気伝導性が低下することが明らかである。従って、デバイス性能としても劣る。
【0009】
また、通常のディスコティック液晶は円状であるため分子のパッキングにおいて隙間が生じやすく、さらに垂直方向に対しても平面的であるためずれが生じやすいため、共役がつながりにくく、そのため電気導電性能、応答性能や安定性能を落とす結果となった。
【0010】
また、これらの液晶を使用した液晶性有機半導体は駆動時の温度上昇などでネマチック液晶となりやすくパッキングの効果を有効に利用できなかった。またスメクチック液晶においてでも主鎖方向の伝導しか利用できず、液晶は低分子であるため主鎖中の伝導機構を利用することは不可能であるため液晶性有機半導体の導電性能および電界効果による導電性能が低下した。
【0011】
従って、現在、存在する液晶化合物のほとんどがイオン伝導性であり、イオンはデバイス性能の低下につながる。そのため低分子としてのパッキングの効果を利用した液晶性化合物が望まれる。
【0012】
【非特許文献1】
Appl. Phys. Lett. 62,1798(1993)
【非特許文献2】
Appl. Phys. Lett. 63,1372(1993)
【非特許文献3】
Appl. Phys. Lett. 73,1595(1998)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであって、その第1の目的は、分子内に液晶性の分子を少なくとも2つ以上有することで分子配向が制御でき、その結果、パッキングが効率的に起きることで全体的な電気伝導性を向上させることおよびその液晶性化合物を含有する液晶層を備えた液晶性有機半導体を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加え、2つの液晶分子間に存在する回転する対称性の高い芳香族の共役系分子により電界効果による導電性や電圧応答性を向上させた液晶性化合物、およびその液晶性化合物を含有する液晶層を備えた液晶性有機半導体を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は一般式(1)で表され、π共役電子を有し分子間でπ共役電子の重なり合いが生じやすい平面に近い構造を有する末端基(LC)とそれに接続する液晶性を発現するための側鎖としての置換基(R)を有する2つの分子の間にπ共役電子の重なり合いを安定化させるための結合単位(L)を有することを特徴とする液晶性化合物。
【0015】
【化4】
Figure 2005047810
(式中、Lは分子の中央部にあり、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基、および/もしくは、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有した2価基の複素環化合物からなる結合軸に対して立体回転可能な結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。LCは分子の両末端部にある末端基であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を含む芳香族アミン誘導体(アリールアミン誘導体)および/もしくは複素環(ヘテロ環)化合物からなる置換基であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLCが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。また、中央部の2価基であるLと末端基であるLC中に含まれる窒素原子とが直接、単結合により接続しており、さらに、LCは少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖として置換基Rを有する末端基であり、置換基Rはそれぞれ独立に選択できる。すなわち、各々の置換基Rが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。n、mおよびpは1以上の整数である。Nは窒素原子を表している。)
【0016】
さらに、本発明は一般式(2)で表される環状3級アミン化合物からなる液晶性化合物に係るものである。
【0017】
【化5】
Figure 2005047810
(式中、Lは分子の中央部にあり、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基、および/もしくは、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有した2価基の複素環化合物からなる結合軸に対して立体回転可能な結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。LCは分子の両末端部にある末端基であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を含む芳香族アミン誘導体(アリールアミン誘導体)および/もしくは複素環(ヘテロ環)化合物からなる置換基であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLCが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。また、中央部の2価基であるLと末端基であるLC中に含まれる窒素原子とが直接、単結合により接続しており、さらに、LCは少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖として置換基Rを有する末端基であり、置換基Rはそれぞれ独立に選択できる。すなわち、各々の置換基Rが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。Arは接続結合を示し、少なくとも1つ以上の単結合、二重結合、アリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物を意味する。n、m、p、n’、m’およびp’は1以上の整数である。Nは窒素原子を表している。)
【0018】
また、本発明は一般式(3)で表される環状3級アミン化合物からなる液晶性化合物に係るものである。
【0019】
【化6】
Figure 2005047810
(式中、Aはアルキル基、アリール基、アラルキル基、および/もしくは、複素環化合物からなる置換基において少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖としての置換基Rを有する末端基を示す。1つのAに複数の置換基Rを有している場合は、それらは各々が同一であってもよいし、異なる基であってもよい。また、4個のAは全て同一であっても、その一部が異なっていてもよい。Lは無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物からなる結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。Bは1つ以上の液晶性を発現するための置換基Rを含んだアリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物からなる結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のBが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。
Nは窒素原子を表している。nは1以上の整数である。)
【0020】
次いで、本発明は基板上に電極を少なくとも二つ以上有する液晶半導体において、請求項1及至請求項3に記載の液晶性化合物を含有していることを特徴とする液晶性有機半導体に係るものである。
【0021】
また、本発明は基板上に電極を少なくとも二つ以上有する液晶半導体において、請求項1及至請求項3に記載の液晶性化合物に金属を含有することを特徴とする液晶性有機半導体に係るものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶性化合物およびそれを用いた液晶性有機半導体について詳細に説明する。
本発明の液晶性化合物は、分子内に平面構造に近い液晶性分子(液晶性の置換基Rを有する末端基(LC)(例えばディスコティック液晶および/もしくはディスコティック液晶の一部)を2つ以上有することで分子の配向方向が制御され、さらに2つの液晶性分子間に存在する対称軸を中心に立体回転可能な2価基の芳香族系の共役系分子および/もしくは2価基の複素環分子からなる結合単位(L)を有することを特徴とする液晶性化合物であるため、熱や電界に対する分子振動が抑制されるとともに分子間のπ電子共役における波動関数の重なり合い(パッキング)が大きくなる効果が生じ、電界効果による電気伝導性を向上させた液晶性化合物およびその液晶性化合物を含有する液晶層を備えた液晶性有機半導体を提供できる。
【0023】
上記目的を達成するための本発明の液晶性化合物は、例えば一般式(1)に示すように2価基の結合単位(L)の両末端部に、2分子の液晶分子および/もしくは液晶分子の一部(末端基で平面構造に近い分子(LC)および液晶性を発現させるための置換基(R)を含むことを特徴とする液晶性分子が挙げられる。
【0024】
本発明の液晶性化合物は、さらに金属錯体および/もしくは金属化合物を含有した場合に、
一般式(1)において結合単位(L)分子の両末端部にある平面分子(LC)(ディスコティック液晶分子および/もしくはディスコティック液晶分子の一部など)と層状化合物を形成する。その結果、導電性の向上させた液晶性化合物およびその液晶性化合物を含有する液晶層を備えた液晶性有機半導体を提供できる。
【0025】
本発明の液晶性化合物の一例として挙げられる一般式(1)〜(3)で表された化合物について以下詳細に説明する。
【0026】
式中、結合単位(L)は分子の中央部にあり、アリーレン基もしくは2価基の複素環化合物であり、無置換または1つ以上の置換基を有していても良い。nは1以上の整数である。例えば、式中の結合単位(L)の具体例としてはフェニレン基の誘導体{例えば、下記式の(4)}、ピリジン−ジイル基の誘導体{例えば、下記式の(5)〜(6)}、ジアザフェニレン基の誘導体{例えば、下記式の(7)〜(10)}、2価基の窒素を含む複素環化合物{下記式の(11)〜(13)}、フェナントロリンジイル基の誘導体{例えば、下記式の(19)}、フルオレンジイル基の誘導体{例えば、下記式の(20)}、その他のπ共役電子を有する分子{例えば、下記式の(21)〜(25)}や酸素や硫黄を含む分子{例えば、下記式の(26)〜(29)}が挙げられるが本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】
【化7】
Figure 2005047810
【0028】
本発明の液晶性化合物において置換基Yは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアミノ基、複素環化合物基、シアノ基、共有結合に関する炭素原子数が1〜60及び酸素原子が0〜60からなるアリールアルキル基、酸素、硫黄、珪素、リン、臭素、フッ素又はこれらのハロゲン置換誘導体、からなる群から選ばれる基を示す。上記の例において、1つの構造式中に複数のYを有しているが、それらは各々が同一であってもよいし、異なる基であってもよく、それぞれ独立に選択される。
【0029】
アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0030】
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0031】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0032】
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。
【0033】
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0034】
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団であり、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
【0035】
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0036】
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0037】
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0038】
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0039】
1価の複素環化合物基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0040】
Yの例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐枝付きまたは環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。
【0041】
Yの例のうち、アルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐枝付きまたは環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖である場合はメチル基、エチル基、メトキシ基などが例示される。直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。
以下での置換基Yも上記の説明と同様である。
【0042】
式中、末端基(LC)は分子の両末端部にある末端基であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を含む芳香族アミン誘導体(アリールアミン誘導体)および/もしくは複素環(ヘテロ環)化合物からなる置換基であり、それぞれ独立に選択される。すなわち、それらは各々が同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。例えば、末端基(LC)の具体例を下記の一般式(29)〜(102)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0043】
【化8】
Figure 2005047810
【0044】
たとえば本発明の液晶性分子において上記の式(94)〜(97)のようにクマリン分子の一部を分子構造内{特に末端基(LC)内}に含む本発明の液晶性化合物である場合はクマリン二色性色素であるため、クマリン色素の配列を制御することができさらにドープによる不均一性の問題による信頼性低下も解消できる。このためゲスト・ホスト型より高性能な表示装置を作製することも可能である。
【0045】
式中、Rは末端基(LC)に液晶性を発現させるために末端基(LC)の側鎖として少なくとも1つ有する置換基であり、置換基Rはそれぞれ独立に選択できる。すなわち、各々の置換基Rが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。例えば、置換基Rの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。また、一つの分子内に少なくとも1つ以上有すればよいので1つの分子に複数の置換基Rが存在する場合は1つの置換基R以外が置換基Yと同じものであっても良い。また、以下での置換基Rも同様である。
【0046】
【化9】
Figure 2005047810
【0047】
次に本発明の液晶性分子の一例を以下の一般式(146)〜(148)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化10】
Figure 2005047810
【0049】
さらに、本発明の一般式(1)で表される化合物の一例となる一般式を以下に示すが、以下の一般式は本発明の一例であり、これらに限定されるものではない。
【0050】
本発明の液晶性化合物の一例としては一般式(149)〜(154)の化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0051】
【化11】
Figure 2005047810
(式中、(A)、(B)および(C)は(A)、(B)、(C)のいずれかに液晶性を発現するための置換基Rを有し、置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又はエチレン基を表す。[D]は少なくとも1つの芳香族基を含む化合物から誘導される基を表す。nは1以上の整数を表す。(A)(B)(C)は同じ、もしくは異なった置換基でもよい。また、置換基Rは同じでも異なっていてもよい。)
【0052】
【化12】
Figure 2005047810
(式中、(B’)は置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又は、エチレン基を表し、Rは液晶性を発現するための置換基を表し、それぞれ同一の置換基でも異なった置換基であってもよい。また、Rは少なくとも分子内に1つ以上あればよく、その他の基はYと同じものであってもよい。[D]は少なくとも1つの芳香族基を含む化合物から誘導される基を表す。Pは1以上の整数を表す。(B’)、Rは同じでも異なっていてもよい。)
【0053】
【化13】
Figure 2005047810
(式中、(B”)は(B’)と同様に置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又は、エチレン基を表し、Rは液晶性を発現するための置換基を表し、それぞれ同一の置換基でも異なった置換基であってもよい。また、Rは少なくとも分子内に1つ以上あればよく、その他の基はYと同じものであってもよい。)
【0054】
【化14】
Figure 2005047810
(式中、(B)は置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又はエチレン基を表す。[D]は少なくとも1つの芳香族基を含む化合物から誘導される基を表す。式中、(E)、(F)は3価基の芳香族化合物および/もしくは3価基の複素環化合物からなる置換基を表す。
また、(E)、(B)、(F)のいずれかに液晶性を発現させるための置換基Rを有する。さらにnは1以上の整数を表す。分子内に複数の(E)、(B)、(F)有する場合は(E)、(B)、(F)は同じ、もしくは異なった置換基でもよい。また、置換基Rは同じでも異なっていてもよい。)
【0055】
【化15】
Figure 2005047810
(式中、(B’)は置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又は、エチレン基を表し、Rは液晶性を発現するための置換基を表し、それぞれ同一の置換基でも異なった置換基であってもよい。また、Rは少なくとも分子内に1つ以上あればよく、その他の基はYと同じものであってもよい。[D]は少なくとも1つの芳香族基を含む化合物から誘導される基を表す。Pは1以上の整数を表す。(B’)、Rは同じでも異なっていてもよい。)
【0056】
【化16】
Figure 2005047810
(式中、(B”)は(B’)と同様に置換もしくは無置換のо−アリーレン、ビニレン、又は、エチレン基を表し、Rは液晶性を発現するための置換基を表し、それぞれ同一の置換基でも異なった置換基であってもよい。また、Rは少なくとも分子内に1つ以上あればよく、その他の基はYと同じものであってもよい。)
【0057】
ここで、一般式(149)〜(154)における(A)、(B)、(C)、(B′)および(B″)は置換もしくは無置換のo−アリ−レン、ビニレン又はエチレン基であり、少なくとも一つ分子に液晶性を発現させるための置換基Rを有することを特徴とする。無置換の基により具体例を示せば、例えば下記の式(155)〜(162)に示した基が挙げられる。
【0058】
【化17】
Figure 2005047810
【0059】
好ましくは(A)および(C)は置換もしくは無置換のo−アリ−レン基が挙げられ、(B),(B′)および(B″)は置換もしくは無置換のo−アリ−レン,ビニレン又はエチレン基が挙げられる。より好ましくは(A)および(C)は置換もしくは無置換のo−フェニレン基が挙げられ、(B),(B′)および(B″)は置換もしくは無置換のo−アリ−レン又はビニレン基が挙げられる。特に好ましくは、(A)および(C)は無置換のo−フェニレン基で、(B)、(B′)および(B″)は置換もしくは無置換のo−アリ−レン基が挙げられる。
【0060】
一般式(149)、(150)、(152)および(153)における[D]は少なくとも1つの芳香族基を含む化合物から誘導される基であるが「少なくとも1つの芳香族基を含む化合物」について詳しく述べれば、例えば置換もしくは無置換のベンゼン、縮合多環炭化水素(ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオランテン、トリフェニレン、ピレンクリセン、ナフタセン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、フルオレンなど)、芳香族炭化水素環集合(ビフェニル、テルフェニル、クァテルフェニル、キンクフェニル、セキシフェニル、セプチフェニル、2,2′−ビナフチル、1,3,5−トリフェニルベンゼン、9,10−ジフェニルアントラセンなど)芳香族基置換不飽和炭化素(1、2−ジフェニルエチン、ジフェニンアセチレンなど)、芳香族複素環(ピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、2,2′−ビフラン、2,2′ビチオフェン、2,2′−ビピロール、2,2′−ビピリジルなど)芳香族エーテルおよびアミン(トリフェニルアミン、ジフェニルエーテルなど)等が挙げられる。[D]はこれから誘導された基であり、価数はn又はpの基である。
【0061】
好ましい[D]は置換もしくは無置換のベンゼン、又は芳香族炭化水素環集合、芳香族エーテル、及び芳香族アミンから誘導される基であり、特に好ましくは無置換の芳香族炭化水素環集合から誘導される2価の基である。
【0062】
上記(A),(B),(C),(E),(F),(B′),(B″)及び[D]と本発明の液晶性化合物において少なくとも1つ以上有する液晶性を発現させるための置換基Rとしては具体的には前記の置換基Rと同様である。但し、一つの分子内に少なくとも1つ以上有すればよいので1つの分子に複数の置換基Rが存在する場合は1つの置換基R以外が置換基Yと同じものであっても良い。
【0063】
【化18】
Figure 2005047810
【0064】
上記(A),(B),(C),(E),(F),(B′),(B″)及び[D]と本発明の液晶性化合物が有してもよい置換基で液晶性を発現しなくてもよい置換基である場合は置換基Yと同じ置換基で良い。
置換基Yを具体的に示せば、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、ジアルキルアミノ、N−アルキル−N−アリールアミノ、又はジアリールアミノ基を表すが、詳しくは、フッ素、塩素、臭素もしくはヨウ素のハロゲン原子、無置換の基について言えば炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜36のアリール基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜36のアリールオキシ基、炭素数2〜20のジアルキルアミノ基、炭素数7〜42のN−アルキル−N−アリールアミノ基又は炭素数12〜48のジアリールアミノ基である。
【0065】
ハロゲン原子以外をより具体的に示せば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ドデシル、もしくはシクロヘキシル、などのアルキル基、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、ピレニル、ナフタセニル、ペンタセニルもしくはペンタフェニルなどのアリール基、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、n−ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、オクチルオキシ、もしくはドデシルオキシなどのアルコキシル基、フェノキシ、ナフトキシ、アントラセノキシ、もしくはペンタセノキシなどのアリールオキシ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプチルアミノ、ジオクチルアミノもしくはN−エチル−N−ブチルアミノなどのジアルキルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−エチル−N−フェニルアミノ、N−イソプロピル−N−(3−メチルフェニル)アミノ、N−メチル−N−(1−ナフチル)アミノ、もしくはN−ブチル−N−(1−ナフタセニル)アミノなどのN−アルキル−N−アリールアミノ基、又は、ジフェニルアミノ、N−フェニル−N−(1−ナフチル)アミノ、N−(1−ナフチル)−N−(1−ナフチル)アミノ、N−フェニル−N−(1−アントラセニル)アミノ、もしくはN−(1−アントラセニル)−N−(1−フェナントレニル)アミノなどのジアリールアミノ基である。
【0066】
これらの基が置換基を有する場合、その置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ基、スルホ基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ基、アルキルアミノ基、アニリノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニルアミノ基、スルホンアミド基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、複素環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、イミド基、複素環チオ基、スルフィニル基、ホスホニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、シリル基又はアゾリル基があげられる。
【0067】
n,n’は1乃至6の整数を表すが、好ましくは2乃至4の整数であり、特に好ましくは2である。n、n’、pおよびp’は1以上の整数を表すが、(B)及び(B′)がビニレン又はエチレン基の場合は2以上の整数を表す。n、n’、pおよびp’は好ましくは2以上の整数であり、特に好ましくは2である。
【0068】
次に本発明の液晶化合物の一例として一般式(149)〜(151)で表される化合物の具体例を以下の一般式(167)〜(174)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0069】
【化19】
Figure 2005047810
【0070】
次に本発明の液晶化合物の一例として一般式(152)〜(154)で表される化合物の具体例を以下の一般式(175)〜(182)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0071】
【化20】
Figure 2005047810
【0072】
さらに、本発明の液晶化合物の一例として一般式(1)で表される化合物の具体例を以下の一般式(183)〜(189)示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0073】
【化21】
Figure 2005047810
【0074】
これら液晶性化合物の一例として挙げられる一般式(1)〜(3)で示される化合物について以下詳細に説明する。
【0075】
一般式(3)における末端基(A)は、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、アラルキル基、複素環基であり、少なくとも一つの上記の置換基Rを有することを特徴とする。これらの基の具体例として、フェニル誘導体、トリル誘導体、キシリル誘導体、ビフェニル誘導体、ナフチル誘導体、アントリル誘導体、フェナントリル誘導体、ベンジル誘導体、フェニルエチル誘導体、メチルベンジル誘導体、ナフチルメチル誘導体、フリル誘導体、チエニル誘導体、ベンゾフラニル誘導体、ベンゾチオフェニル誘導体、インドリル誘導体、イソインドリル誘導体、クロメニル誘導体、イソクロメニル誘導体、キノリル誘導体、イソキノリル誘導体およびナフトチオフェニル誘導体などが挙げられ、これらの基のうちフェニル誘導体、トリル誘導体、ビフェニル誘導体、ナフチル誘導体、アントリル誘導体、フリル誘導体、チエニル誘導体、ベンゾフラニル誘導体、ベンゾチオフェニル誘導体、インドリル誘導体およびイソインドリル誘導体が好ましい。また、それぞれ(4個)の末端基(LC)は同一であっても、一部が異なっていてもよい。なお、ここに挙げた基は、特に限定しない限り、遊離原子価を有する原子の位置について複数の位置を選択できるものであり、以下に挙げる基についても同様とする。
【0076】
一般式(1)〜(3)における結合単位(L)は、置換もしくは無置換のアリーレン、置換もしくは無置換の縮合環式アリーレン、または置換もしくは無置換の複素環式2価基であり、具体例としてはナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、トルイレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、アニシレン基、ターフェニレン基、フェナントリレン基、キシリレン基、ヒドロフリレン基、ヒドロフリレン基、ヒドロピレニレン基、ジオキサニレン基、フリレン基、オキサゾリレン基、オキサジアゾリレン基、チアゾリレン基、チアジアゾリレン基、アクリジニレン基、キノリレン基、キノキサロイレン基、フェナンスロリレン基、ベンゾチエニレン基、ベンゾチアゾリレンル基、インドリレン基、シラシクロペンタジエニレン基、ピリジレン基などを例示でき、さらに具体的にはフェニレン、ビフェニレン、トリレン、ビフェニルジイル、ナフチレン、フルオレンジイル、ビナフタレンジイル、アントラセンジイル、フェナントレンジイル、チオフェンジイル、フランジイル、カルバゾールジイルおよびジベンゾフランジイル、ビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’,5,5’−テトラメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル、スチルベン−4,4’−ジイル、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイル、ベンゾフェノン−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイル、1,4−ナフチレン、フルオレン−1,4−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、イソベンゾフラン−1,3−ジイルおよびチエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイルなどが挙げられる。そして、これらの中で、ビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイル、1,4−ナフチレン、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイル、1,3−フェニレン、5−メチル−1,3−フェニレン、1,8−ビフェニレン、2,7−ナフチレン、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイルが好ましい。
【0077】
一般式(3)における2価基の結合単位(B)は、液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有するアリーレン、液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有する縮合環式アリーレン、液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有する複素環式2価基であり、具体例としてはナフチレン基、アントリレン基、ビフェニレン基、トルイレン基、ピレニレン基、ペリレニレン基、アニシレン基、ターフェニレン基、フェナントリレン基、キシリレン基、ヒドロフリレン基、ヒドロフリレン基、ヒドロピレニレン基、ジオキサニレン基、フリレン基、オキサゾリレン基、オキサジアゾリレン基、チアゾリレン基、チアジアゾリレン基、アクリジニレン基、キノリレン基、キノキサロイレン基、フェナンスロリレン基、ベンゾチエニレン基、ベンゾチアゾリレンル基、インドリレン基、シラシクロペンタジエニレン基、ピリジレン基などで液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有するものが例示でき、
さらに具体的にはフェニレン、ビフェニレン、トリレン、ビフェニルジイル、ナフチレン、フルオレンジイル、ビナフタレンジイル、アントラセンジイル、フェナントレンジイル、チオフェンジイル、フランジイル、カルバゾールジイルおよびジベンゾフランジイル、ビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、3,5−ジメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’,5,5’−テトラメトキシビフェニル−4,4’−ジイル、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル、スチルベン−4,4’−ジイル、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイル、ベンゾフェノン−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイル、1,4−ナフチレン、フルオレン−1,4−ジイル、アントラセン−1,4−ジイル、フラン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、イソベンゾフラン−1,3−ジイルおよびチエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイルなどで液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有するものが挙げられる。そして、これらの中で、ビフェニル−4,4’−ジイル、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイル、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル、ジフェニルアセチレン−4,4’−ジイル、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフィド−4,4’−ジイル、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイル、1,4−ナフチレン、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイル、1,3−フェニレン、5−メチル−1,3−フェニレン、1,8−ビフェニレン、2,7−ナフチレン、フラン−2,5−ジイルおよびチオフェン−2,5−ジイルで液晶性の置換基(R)を少なくとも1つ以上有するものが好ましい。
【0078】
そして、一般式(2)で表わされる本発明の環状3級アミン化合物の具体例を以下の一般式(190)〜(192)に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0079】
【化22】
Figure 2005047810
【0080】
さらに、一般式(3)で表わされる本発明の環状3級アミン化合物の具体例として、下記の一般式(193)〜(196)で表わされる化合物を挙げることができる。
【0081】
【化23】
Figure 2005047810
【0082】
こうした液晶性化合物の物性や構造解析は、各種の分析機器、例えば元素分析装置、ガスクロマトグラフ質量分析計(以後GC−MSと呼ぶ)、赤外分光測定装置(以後IRと呼ぶ)、核磁気共鳴測定装置(以後NMRと呼ぶ)により、高分子化合物の分子情報を確認することができる。
【0083】
[金属化合物の添加]
また、本発明の液晶性有機半導体では、前記液晶性化合物中の金属の含有量が、0.1重量%以上であってもよい。
【0084】
本発明の液晶性化合物を用いた液晶性有機半導体における液晶層は、本発明の液晶性化合物を主成分とし、本発明の液晶性化合物(場合によっては有機金属錯体および/もしくは金属化合物を含有していても良い)とを溶剤に溶解させて塗布溶液を調製し、その溶液を塗布することにより形成されるか、もしくは本発明の液晶性化合物(場合によっては有機金属錯体および/もしくは金属化合物を含有していても良い)を加熱により溶融状態にして流動させるなどの方法で形成する。例えば、液晶性化合物の溶融状態において有機金属錯体を分散および/もしくは含有していることを特徴とする液晶性有機半導体であってもよい。
【0085】
この発明によれば、液晶性化合物層中の金属を含有する場合、ディスコティック液晶やその他、平面分子に液晶性分子を側鎖に有するようなものであっても、金属とのインターカレーションにより金属と有機平面分子との層状化合物を形成することにより伝導性が向上するものである。
【0086】
金属化合物を構成する金属(以下の金属における表示においてはYとRは元素記号のアルファベットを示す。)としては、Li、Be等の2周期元素、Na、Mg、Al等の3周期元素、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se等の4周期元素、Ag、Au、Pb、Rb、Sr、Y(但し、ここでのYはイットリウムを示す)、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、Cd、In、Sn、Sb、Te等の5周期元素、Ba、Hf、Cs、Ir、W、Os、Hg、Tl、Bi等の6周期元素、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu等のランタノイド系元素、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es等のアクチノイド系元素などが挙げられる。特に好ましくは、Li、Be、Na、Mg、Sr、Cs、Rb、K、Baなどが挙げられる。
【0087】
こうした液晶性化合物中の金属の同定および定量は、各種の分析機器、例えばICP−AES(Inductively Coupled Plasma−Atomic Emission Spectroscopy。以後ICPと呼ぶ。)により確認することができる。
【0088】
金属化合物のカウンターイオンとしては、負電荷を帯びた物質であって、例えば、F、Cl、Br、I、O、CO、OH、OH、NH、NH−CH−COO、PF、BF、AsF、PF、SbF、BCl、SbCl、B、BBr、PO、SO、NO、NO、SCN、CN、ClO、ClO、ClO、ClO、CO、C、OH、CFSO、B(C、(Y)SO、NH(Y)、NH(Y)、B(Y)、N(Y)、P(Y)[ここで、(Y)は各々同一でも異なるものであってもよく、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数1〜20のアルキルチオ基、炭素数1〜60のアルキルシリル基、炭素数1〜40のアルキルアミノ基、炭素数6〜60のアリール基、炭素数7〜60のアリールアルキル、炭素数7〜60のアリールアルコキシ基、炭素数8〜60のアリールアルケニル基、炭素数6〜60のアリールアミノ基、炭素数4〜60の複素環化合物基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子からなる群から選ばれる基を示す。]、P(C、P(C、P(C、P(OCH)(C、P(OCH(C)、P(OCH)(CH、P(OC、P(OCH、η−CCH=CHCH、CFCOO、テトラ3,5−トリフルオロメチルフェニルボロン誘導体、CHSOの負イオンおよび各種スルホン酸などの負イオンおよびそれら組み合わせが挙げられるが、本発明で使用される金属化合物に限らない。
【0089】
[溶剤]
本発明で使用される溶剤としては、ピリジン、アセトニトリル、乳酸エチル、n−ブチルアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート(PGMEA)、3−メチルメトキシプロピネート、エトキシエチルプロピネート、n−ヘキサン、シクロヘキサン、γ−ブチロラクトン、o−ジオキサン、m−ジオキサン、p−ジオキサン(1,4−ジオキサン)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N’−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスホキシド、ジグライム、クロロホルム、四塩化炭素、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、エタノール、メタノール、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、水、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1,1−トクロロロエタン、1,1,2−トクロロロエタン、1,2−ジクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、1,3−ジクロロプロペン、ペンタクロロフェノール、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、1−メトキシ−2−プロパノール、2−プロパノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシプロピオン酸エチル、アクリロニトリル、プロピレングリコール、1−モノメチルエーテル−2−アセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、オレイン酸、ジフェニルエーテル、ジエチルエーテル、石油エーテル、2−ブトキシエタノール、過塩素酸、1−ブロモオクタン、1−ブロモドデカン、酢酸−3−メトキシブチル、1,4−ジメチルベンゼン、ジメチルスルホキシド、ベンゼン、モノクロクロロベンゼン、ピリジン、ヒドロクロライド、テトラリン、o−ジクロロベンゼン、酢酸、酢酸エチル、ジフェニルエーテル、ビフェニルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、モノクロロベンゼン、ベンゾニトリル、キノリン、1,3−ジメチルベンゼン、ニトロベンゼン、アンモニア水、1−ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコール、2−プロパノール、2−ブタノン、4−メチル−2−ペンタノン、ジメチルジグリコール、1,1,2,2−テトラクロロエタン、エチルベンゼン、1,2−ジメチルベンゼン、アニソール、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、n−ドデシルメルカプタン、二硫化炭素、1−プロパノール、1−ドデカノ−ル、n−ペンチルアルコール、2−ジメチルアミノエタノール、2−アミノエタノール、トリフルオロ酢酸、3−オキソブタン酸エチル、アセト酢酸エチル、n−ペンチルアルコール、酢酸−3−メトキシブチル、アセトン、2,2’,2’’−ニトリロエタノール、酢酸ブチル、トリ−n−プロピルアミンn−へキシルアミン、ドデシルアミン、ジブチルアミン、ジメチルアミン水溶液、ジエチルトリアミン、アニリン、トリエチルアミン、へプタン、コール酸、o−トリジン、1,2,4−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン、塩化メチレン、ジクロンエタン、ジメチルアジペートなどの炭化水素系、エーテル系、アミド系、ハロゲン化炭化水素系等の溶剤などを挙げることができるが、本発明で使用される溶剤は、これら溶剤には限られない。
【0090】
[塗布方法]
上記の配向膜や液晶層は、上述した配向膜高分子および/または液晶性有機化合物を溶剤に溶かして塗布溶液を作製し、その塗布溶液を以下の方法で塗布する。本発明で使用される塗布方法としては、例えばスピンコート法、キャストコート法、ディップコート法、ダイコート法、ビードコート法、バーコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グラビアコート法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、カーテンコーティング法、押出コーティング法、ロールコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、蒸着法、インクジェット法、及び、スライドコーティング法などを挙げることができる。好ましくはスピンコーティング法、蒸着法、スプレーコーティング法、インクジェット法、さらに最も好ましくはインクジェット法、スプレーコーティング法が好ましい。液晶層は液晶性化合物の溶液を上記の方法により塗布し、乾燥し、次いで転移温度以上に加熱し、冷却することにより形成される。なお、塗布溶液とは、溶融液、溶液、分散液、または混合液等を含んでいる。
【0091】
[液晶性有機半導体]
本発明の液晶性有機半導体は、少なくとも一対の電極間に液晶層を有するものであり、その液晶層に、上述した結合単位(L)の両端に液晶性分子および/または液晶性分子の一部(LC)を結合した液晶性分子を示し、結合単位(L)は自由回転によりパッキングを起こしやすい対称性のよい結合単位を示し、代表的なものとしては配位子もしくは配位子と同様な立体構造を有する結合単位を意味し、当該置換基は1又は2以上の置換基を有していてもよい。末端基(LC)は平面構造に近い分子であり、例えば分子構造の一部にネマチック液晶、スメクチック液晶、ディスコティック液晶、コレステリック液晶、の一部を有するものか、もしくはヘリックス構造を形成可能な液晶性置換基であってもよい。本発明の液晶性化合物と、その液晶性化合物とは独立して金属化合物とを含有していてもよい。また、その液晶性分子の末端に電子吸引性の機能を有する分子の結合単位を含んでいてもよい。
【0092】
本発明の液晶性化合物の一例としては、前記液晶性化合物は、液晶性化合物を構成する分子に液晶性の分子、すなわち液晶の一部の構造を持つ末端の分子{液晶性を発現するための側鎖(R)と末端基(LC)}を2分子とその液晶性分子間に対称性のよい分子である結合単位(L){結合単位(L)好ましい代表例としては点群C群(nは2以上)}の分子を有する液晶性化合物であることが好ましい。
【0093】
本発明の液晶性有機半導体は、例えば、基板上に少なくとも2つ以上の電極と導電性の液晶層を有する有機液晶性半導体において、前記、液晶層を形成する主成分として本発明の液晶性化合物のいずれか1以上を主として形成されていることを特徴とする。
【0094】
また、本発明の液晶性有機半導体は、としては、縦型有機半導体と横型有機半導体とがある。
【0095】
まず、横型有機半導体としてはトップコンタクト型(基板/ゲート電極/絶縁層/液晶層/ソース電極およびドレイン電極、または、基板/ゲート電極/絶縁層/配向膜/液晶層/ソース電極およびドレイン電極)とボトムコンタクト型(基板/ゲート電極/絶縁層/ソース電極およびドレイン電極/液晶層、または、基板/ゲート電極/絶縁層/ソース電極およびドレイン電極/配向膜/液晶層)が挙げられる(上記で/は積層していることを意味する)。有機半導体においては様々な構成が例えばNature.Vol393.619(1998)、Appl.Phys.Lett.62.1792やAppl.Phys.Lett.63.1372に記載されている構造などが挙げられる。また高分子51巻2月号p79(2002年)で『有機・高分子トランジスタ』において図2(a)、図2(b)、図2(c)として記載されている。
【0096】
また、縦型有機半導体としてはパーミアブルベーストランジスタ(Permeable−Base Transistor)や静電誘導トランジスタ(SIT:Static Induction Tansistor)と呼ばれる素子に類似した構造を持つ。上記の構造は高分子51巻2月号p79(2002年)で『有機・高分子トランジスタ』において図2(d)に代表的な例が記載されている。
また、少なくとも2つ以上のゲート電極を有するマルチゲート型、たとえばダブルゲート型の有機半導体も可能である。例えば、1つの有機半導体の回路に少なくとも1つ以上のゲート電極を有していても良い。ダブルゲート型の構造としてはプレーナ型、フィン型、縦型などの構造様式が挙げられる。
但し、本発明の液晶性半導体では配向膜などの高分子では高抵抗であり、高分子系の配向膜では実用に適しない。すなわちマスクを介してSiOを斜方蒸着するか、電圧や磁界で液晶性化合物の配向を制御することが望ましい。
【0097】
上記液晶層が本発明の液晶性化合物を含む層の場合、液晶性化合物の抵抗率は、液晶層の膜厚が50nmに調整したとき印加電界2×10V/cmにおいて10Ω・cm以上10Ω・cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がより好ましく、10Ω・cm以上10Ω・cm以下がさらに好ましい。また、液晶層の膜厚を50nmに調整したとき、印加電界2.6×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜10Ω・cmであることが好ましく、印加電界2×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜10Ω・cmであることが好ましい。
一般的な方法として本発明の液晶性化合物の電気伝導度を上記の範囲とするために、本発明の液晶性化合物に適量のイオンをドープしてもよい。
【0098】
本発明の液晶性化合物を液晶層50nmに調整するには、例えば液晶性半導体をトルエンなど配向膜が溶解せず、液晶層のみを溶解させる溶剤で溶解させ、その溶液を減圧蒸留などで濃縮することで適度な濃度に調整した溶液を塗布乾燥させて形成するなどの方法が挙げられる。
【0099】
また、本発明の液晶性有機半導体において、前記液晶性化合物の液晶相から等方相への転移温度が、100℃〜300℃であることが好ましく、前記高分子化合物の分解温度が、160℃〜300℃であることが好ましい。前記液晶性化合物の液晶相から等方相への転移温度が300℃を超えると、分子主鎖が剛直すぎるため溶剤への溶解性が低下したり、封入する際に有機半導体のシール部を溶解させてしまうことがある。なお、前記液晶性化合物の液晶相から等方相への転移温度が160℃以上であることがより好ましく、180℃以上であることがさらに好ましい。液晶相から等方相への転移温度が上昇すると液晶性半導体の信頼性が向上する(寿命が長くなる)という利点がある。液晶性化合物の液晶相から等方相への転移温度が130℃未満では、長時間のスイッチング駆動において時間の経過とともにスイッチング(on)時の電流値(Ion)が低下することがある。
【0100】
液晶性化合物の転移温度は、示差走査熱測定装置(以後「DSC」と呼ぶ)で測定することができ、10℃/分の加温速度での転移開始温度で規定した。例えば、(146)に示された液晶性化合物の転移温度は、昇温速度は10K/分で160℃であった。測定装置としては、例えばセイコーインスツルメント株式会社製のEXTRA6000シリーズのDSC6200を使用することができる。
【0101】
液晶性化合物の分解温度は、示差熱/熱重量同時測定装置(以後TG−DTAと呼ぶ)で測定することができる。例えば、(146)に示された液晶性化合物の分解温度は、300℃であった。測定装置としては、例えばセイコーインスツルメント株式会社製のTG/DTA6200を使用することができる。
【0102】
また、DSCやTGを測定する際においては、有機半導体をトルエン等の配向膜を溶解させない溶剤で溶解させた後に真空乾燥および/もしくは加熱乾燥させた試料および/もしくは等方層まで加熱して溶融して回収した試料を使用する。また、不純物等が混入する場合には分離、精製しても良い。分離、精製方法としては、例えばクロマトグラフィーによる分離、精製方法などが挙げられる。
【0103】
[液晶層の膜厚]
上記の液晶層の膜厚としては、1nm〜10μm、好ましくは2nm〜500nm、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0104】
[基板]
基板としては、必ずしも透明なものでなくても良く、シリコン基板(p型やn型のシリコンウェハ)、ガラス基板(無アルカリガラス基板など)、プラスチック基板(ポリエステル、ポリアクリル、ポリエポキシ、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリサルホン、テフロン(登録商標)等)、金属(アルミニウムなど)、ガラス基板にナイロンやポリエチレンなどの高分子をコートした基板、乾燥した溶融石英基板、などの基板が挙げられるが、本発明ではこれらの基板に限られない。
【0105】
[電極]
電極としては、導電性の合金、金属酸化物膜や金属薄膜などが用いられる。電極として使用する金属(以下の金属における表示においてはYとRは元素記号のアルファベットを示す。)としては、Li、Be等の2周期元素、Na、Mg、Al等の3周期元素、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se等の4周期元素、Ag、Au、Pb、Rb、Sr、Y(但し、ここでのYはイットリウムを示す)、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、Cd、In、Sn、Sb、Te等の5周期元素、Ba、Hf、Cs、Ir、W、Os、Hg、Tl、Bi等の6周期元素、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Lu等のランタノイド系元素、Ac、Th、Pa、U、Np、Pu、Am、Cm、Bk、Cf、Es等のアクチノイド系元素などが挙げられる。特に好ましくは、Cr、W、Al、Mo、Ni、Au、Ag、Pt、Cuなどが挙げられる。また、金属化合物としては、例えば、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)などの導電性金属酸化物、金、銀、クロム、ニッケルなどの金属これらの合金、混合物または積層物などが挙げられる。特に、高導電性と透明性などの点からITOを好ましく用いることができる。また、電極表面に自己修飾膜および/もしくは金属および/もしくは金属化合物の膜をコートしてもよい。
【0106】
液晶層中には、金属化合物が0.5〜20重量%含有されていることが望ましく、1〜10重量%含有されていることがより好ましい。特に、金属化合物が0.5〜20重量%含有されていることが好ましく、1〜10重量%含有されていることがより好ましい。こうした範囲の金属化合物が含有されていることにより、電気伝導度を高めることができるという利点がある。
【0107】
形成された液晶層の抵抗率は、印加電界2.6×10V/cmにおいて、10Ω・cm〜1010Ω・cmであることが好ましく、10Ω・cm〜10Ω・cmであることがより好ましい。また、印加電界2×10V/cmにおいては、10Ω・cm〜10Ω・cmであることが好ましく、10Ω・cm〜10Ω・cmであることがより好ましい。液晶層がこうした範囲の抵抗率を持つことにより、有機半導体のスイッチング時と非スイッチング時との電流差が大きくなり、有機半導体の性能を向上させるという効果がある。
【0108】
電極を作製した後においては、液晶性半導体を保護するための保護層または保護カバーを電極上に形成することが望ましく、液晶性半導体を長期間安定的に用いることができる。保護層は、液晶性半導体を外部から保護するように作用する。保護層としては、保護層用の高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、珪素酸化物、珪素窒化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板(シート、フィルムを含む)などを用いることができ、このカバーを熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂で素子と張り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。
【0109】
本発明の有機半導体(「OFET」とも呼ぶ)にはボトムゲート型(図1)とトップゲート型(図2)の2種類が存在する。すなわち、トップゲート型(基板/ソース電極およびドレイン電極/絶縁層/ゲート電極)とボトムゲート型(基板/ゲート電極/絶縁層/ソース電極およびドレイン電極)がある。
【0110】
[下処理]
下塗層を、透明支持体上に、透明支持体と配向膜および/または液晶層との接着強度を増大させるためいに設けることが好ましい。下塗層の形成は、一般に表面処理した透明支持体の表面に塗布により形成する。表面処理としては、化学処理(疎水処理、親水処理や自己組織化膜形成など)、機械処理、コロナ放電処理、火焔処理、UV処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プラズマ処理、及びオゾン酸化処理、酸素プラズマ処理、ドーピング処理(ヒ素、ホウ素、水素)、欠陥処理(アルゴン正イオンによるスパッタ法など)、自己組織化膜(2‐メルカプト 5‐ニトロベンズイミダゾレンなど)を形成することによる表面処理、1.1.1.3.3.3−ヘキサメチルヂシラザンなど金属酸化膜等、ウェハ表面の改質に使用される密着助剤による処理、グロー放電処理が好ましい。下塗層の構成としても種々の工夫が行われており、第1層として高分子フィルムによく密着する層(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層として配向膜とよく密着する親水性の樹脂層(以下、下塗第2層と略す)を塗布する所謂重層法と、疎水性基と親水性基との両方を含有する樹脂層を一層のみ塗布する単層法とがある。疎水処理としては、例えば、シリコン酸化膜表面をオクタデシルトリクロロシラン(OTS)で処理するなどの方法もある。
【0111】
[配向方法]
本発明の液晶性半導体において配向膜を使って液晶層を作成する場合は、その製造工程において均一な斜め配向を得るための工程があってもよい。
【0112】
本発明において用いうる液晶性化合物の配向処理には、様々な方法がある。単純に基板表面をラビング処理し、その上に塗設するだけで有効な配向が得られる液晶性化合物・基板の組み合わせもあるが、最も汎用性が高い方法は配向膜を使う方法である。配向膜としては、無機物斜方蒸着膜、或いは特定の有機高分子膜をラビングした配向膜がこれにあたる。また、アゾベンゼン誘導体からなるLB膜のように光により異性化を起こし、分子が方向性を持って均一に配列する薄膜などもこれにあてはまる。
【0113】
[配向形態]
本発明の液晶性化合物の形成する配向形態としては、ホモジニアス配向、ホメオトロピック配向、ツイスト配向、ハイブリッド配向、ベンド配向、フォーカルコニック配向などが挙げられる。また、これらの液晶が2次構造および/もしくは3次構造および/もしくは4次構造としてヘリックス構造(αヘリックス構造など)、シート構造(β‐シート構造など)、ターン構造、折れ曲がり構造、らせん構造(1重らせん構造、2重らせん構造など)、層状構造、および/もしくは上記の構造と類似した構造を取っていてもよい。また、電圧印加前後および/もしくは電圧値によって上記における複数の構造を取っても良い。
【0114】
[特に好ましい配向膜]
有機配向膜としては代表的なものとしてポリイミド膜がある。これはポリアミック酸(例えば、日産化学(株)製SE−7210)を基板面に塗布し100℃から300℃で焼成後ラビングすることにより、液晶性化合物を配向させることができる。また、アルキル鎖変性系ポバール(例えば、クラレ(株)製MP203、同R1130など)の塗膜ならば焼成は必要なく、ラビングするだけで該配向能が付与できる。その他、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、など疎水性表面を形成する有機高分子膜ならば大抵のものがその表面をラビングすることにより液晶性化合物配向能を付与できる。また、無機物斜方蒸着膜としては代表的なものにSiO斜方蒸着膜がある。これは、真空槽内においてベースフィルム面に斜め方向からSiO蒸発粒子を当て、約20〜200nm厚の斜め蒸着膜を形成させて配向膜とするものである。この蒸着膜によって液晶性化合物が配向をすると該液晶層の光軸は、SiO蒸着粒子が飛んできた軌跡を含み該ベースフィルム面に垂直な平面上の特定の方向を向く。
【0115】
また、ガラス基板上もしくは上記配向膜上に液晶性化合物を塗布して塗布層を形成する工程、該塗布層を液晶層の温度まで昇温させる工程、液晶性化合物を形成した塗布層に対して最適な角度で電場、または/および磁場をかける工程、次いで該塗布層を冷却する工程を含んでも良い。具体的には、基盤表面に液晶性配向膜を塗布した後、液晶相形成温度まで昇温することである。これにより該液晶は均一な斜め配向をし、その後の急冷・徐冷にかかわらず配向を崩さずに常温で固体になる。本発明に用いる液晶性化合物の液晶相をとる温度としては、好ましくは90℃以上300℃以下、特に好ましくは150℃以上300℃以下である。
【0116】
基板上に塗設された液晶性化合物を斜めに配向させる方法として、配向膜以外の方法としては磁場配向や電場配向がある。この方法においては液晶性化合物を基盤に塗設後、所望の角度に磁場、或いは電場をかけるゾーンが必要であるがそのゾーン自体を液晶相が形成される温度に調整しておく必要がある。また、電場の印加方法としては例えばコロナ放電を行いならが加熱するなどの方法が挙げられる。
【0117】
上記配向膜は、その上に塗設された液晶性化合物における分子の配向方向を決定する作用がある。但し、液晶性化合物における分子の配向は配向膜に依存するため、その組み合わせを最適化する必要がある。次に、一旦配向をした液晶性化合物の分子は基板面とある角度θをもって配向するが、1成分系では斜め配向の角度は配向膜の種類によってあまり変化せず、液晶性化合物の分子固有の値をとることが多い。また、液晶性化合物の分子2種以上を混合するとその混合比によりある範囲内の傾斜角調整ができる。従って、斜め配向の傾斜角制御には液晶性化合物種の選択、更には2種以上の液晶性化合物の分子を混合するなどの方法が有効である。
【0118】
中でもアルキル基を含むポリアミック酸を焼成した配向膜は特に好ましく、液晶性化合物を均一に配向させる能力に優れている。これは配向膜表面のアルキル鎖と液晶性化合物のアルキル側鎖との強い相互作用のためと推察される。また、アルキル基は液晶性化合物が通常の液晶性化合物より分極していることから通常の液晶性化合物を配向させるより短くても良い。すなわち、炭素原子数1〜30が好ましく、さらには1〜14が好ましく、特に好ましくは1〜7が最も好ましい。このようにアルキル鎖を短くできることは電気導電性の面からも好ましい。
【0119】
また、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)の配向膜として広く用いられているポリイミド膜(好ましくはフッ素原子含有ポリイミド)も有機配向膜として好ましい。これはポリアミック酸(例えば、日立化成(株)製のLQ/LXシリーズ、日産化学(株)製のSEシリーズ等)を支持体面に塗布し、100〜300℃で0.5〜1時間焼成した後、ラビングすることにより得られる。更に、本発明の配向膜は、上記ポリマーに反応性基を導入することにより、あるいは上記ポリマーをイソシアネート化合物及びエポキシ化合物などの架橋剤と共に使用して、これらのポリマーを硬化させることにより得られる硬化膜であることが好ましい。
【0120】
また、前記ラビング処理は、LCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを用いて一定方向に擦ることにより配向を得る方法を用いることができる。一般的には、長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビングを行うことにより実施される。
【0121】
また、無機斜方蒸着膜の蒸着物質としては、SiOを代表とし、TiO 、ZnO 等の金属酸化物、あるいやMgF 等のフッ化物、さらにAu、Al、等の金属が挙げられる。尚、金属酸化物は、高誘電率のものであれば斜方蒸着物質として用いることができ、上記に限定されるものではない。無機斜方蒸着膜は、蒸着装置を用いて形成することができる。フィルム(支持体)を固定して蒸着するか、あるいは長尺フィルムを移動させて連続的に蒸着することにより無機斜方蒸着膜を形成することができる。
【0122】
[配向膜]
配向膜用の有機化合物の例としては、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ四フッ化エチレン誘導体、ぺルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)誘導体、四フッ化エチレン誘導体/六フッ化プロピレン誘導体の共重合体、エチレン誘導体/四フッ化エチレン誘導体の共重合体、フッ化ビニリデン誘導体、ポリクロロ三フッ化エチレン誘導体、フッ化ビニル誘導体、ポリジメチルシラン(PDMS)誘導体、ポリビニルカルバゾール誘導体、ポリメチルメタクリレート誘導体、アクリル酸/メタクリル酸共重合体の誘導体、スチレン/マレインイミド共重合体の誘導体、ポリビニルアルコール誘導体、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)誘導体、スチレン/ビニルトルエン共重合体の誘導体、クロロスルホン化ポリエチレン誘導体、ニトロセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル誘導体、塩素化ポリオレフィン誘導体、ポリエステル誘導体、ポリイミド誘導体(ポリアミック酸もしくは可溶性ポリイミドもしくはこれら混合物を焼成したものなど)、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体の誘導体、エチレン/酢酸ビニル共重合体の誘導体、カルボキシメチルセルロース誘導体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体及びポリカーボネート誘導体等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物、ポリアミド系樹脂(ナイロンなど)、アクリレート/スチレン/アクリロニトリル共重合体、アクリルニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、オレフィンビニルアルコール共重合体、アルキド系樹脂、アミノ系樹脂(ユリア系樹脂、メラミン系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂など)、ビスマレイミドトリアジン系樹脂、セルロースプラスチック(酢酸セルロース誘導体、酪酢酸セルロース誘導体、エチルセルロース誘導体、塩素化ポリエーテル誘導体、クマロン系樹脂、クマロン/インデン/スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン誘導体、アリル系樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン/酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/塩化ビニル共重合体、エポキシ系樹脂、ポリエチレン/ビニルアクリレート共重合体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体、ポリ塩化ビニル誘導体、酢酸ビニル誘導体、フラン系樹脂、フッ素系樹脂(ポリフッ化エチレン誘導体、ペルフルオロアルコキシフッ素系樹脂、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン誘導体、ポリクロロ三フッ化エチレン誘導体、フッ化ビニル誘導体、メチルアクリレート共重合体、ブタジエン共重合体、スチレン共重合体、ポリアクリロニトリル、アイオノマー、ケトン樹脂、オキシベンゾイルポリエステル、石油樹脂(テルピン樹脂など)、フェノール系樹脂、ポリアセタール、ポリアミドイミド、ポリアリレート、ポリアリルスルホン、ポリブタジエン、熱硬化性ポリブタジエン、ポリエーテルイミド、ポリブチレン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、水架橋ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、メタクリル系樹脂、ポリメチルペンテン、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンスルホン、ポリスルホン、ポリスチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、スチレンアクリロニトリル共重合体、スチレン共重合体、ブタジエン/スチレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリウレタン、酢酸ビニル系樹脂、ポリビニルアセタール、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、アクリル変性ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、熱可塑性エラストマー(スチレン/ブタジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、ビニルエステル系エポキシ樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール系樹脂、アクリロニトリル系樹脂、など)、アクリロニトリルグラフト共重合体、変性ポリオレフィン、ノバロイ(ダイセル化学工業株式会社製)、スーパーレックス−W(三菱モンサント化成株式会社製)、フタル酸アルキド樹脂、アルキド樹脂、変性アルキド樹脂(フェノール変性樹脂、スチレン化樹脂、アミノアルキド樹脂など)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、メラミンン系樹脂、等などが挙げられ、上記化合物の複数を使用してよい。
特に好ましいポリマーの例としては、ポリイミド(ポリアミック酸もしくは可溶性ポリイミドもしくはこれら混合物を焼成したもの)、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ゼラチン、ポリビルアルコール及びアルキル基(炭素原子数6以上が好ましい)を有するアルキル変性ポリビルアルコールを挙げることができるがこれらの材料の誘導体や混合物、および共重合体であってもよい。これらのポリマーの層を配向処理することにより得られる配向膜は、液晶性化合物を所望の方向へ配向させることができる。
【0123】
【実施例】
以下、実施例と比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下において、wt%または重量%は、mass%または質量%と同じである。
【0124】
実施例1
ボトムゲート型の有機半導体ではn型のシリコンウェハ上にCVD法によりSiO2膜を300nmの厚さで形成する。ゲート電極をクロムによりスパッタ法により形成し(Crの膜厚400Å)、ゲート電極の上層に層間絶縁膜としてSiO2を形成する。さらに上層に一対のクロム電極をソース電極とドレイン電極として形成し、その上層に金を表面コートした(電極形状2mm×4mmの長方形、Auの膜厚300Å、Crの膜厚400Å)。ソース電極とドレイン電極間の幅は6μmとした。
こうして作製した基板上のソース電極とドレイン電極との間に配向膜としてSiOをCVDで斜方蒸着して形成した。蒸発源温度1800K、最小蒸着角度は85°であった。さらに一般式(146)で示された液晶性化合物において末端基であるカルバゾール部分の3位、3’位、6位および6’位の側鎖として一般式(106)で示される置換基(m=6)を有する液晶性化合物をメチルエチルケトン液中に溶かして10wt%とした液をインクジェット法により塗布し、0.1μm厚の液晶性化合物で構成される液晶層を形成させた。
【0125】
実施例2
ボトムゲート型の有機半導体ではn型のシリコンウェハ上にCVD法によりSiO2膜を300nmの厚さで形成する。ゲート電極をクロムによりスパッタ法により形成し(Crの膜厚400Å)、ゲート電極の上層に層間絶縁膜としてSiO2を形成する。さらに上層に一対のクロム電極をソース電極とドレイン電極として形成し、その上層に金を表面コートした(電極形状2mm×4mmの長方形、Auの膜厚300Å、Crの膜厚400Å)。ソース電極とドレイン電極間の幅は6μmとした。
こうして作製した基板上のソース電極とドレイン電極との間に配向膜としてSiOをCVDで斜方蒸着して形成した。蒸発源温度1800K、最小蒸着角度は85°であった。さらに一般式(190)で示された液晶性化合物において側鎖に一般式(106)で示される置換基(m=6)を有する液晶性化合物をメチルエチルケトン液中に溶かして10wt%とした液をインクジェット法により塗布し、0.1μm厚の液晶性化合物で構成される液晶層を形成させた。
【0126】
実施例3
ボトムゲート型の有機半導体ではn型のシリコンウェハ上にCVD法によりSiO2膜を300nmの厚さで形成する。ゲート電極をクロムによりスパッタ法により形成し(Crの膜厚400Å)、ゲート電極の上層に層間絶縁膜としてSiO2を形成する。さらに上層に一対のクロム電極をソース電極とドレイン電極として形成し、その上層に金を表面コートした(電極形状2mm×4mmの長方形、Auの膜厚300Å、Crの膜厚400Å)。ソース電極とドレイン電極間の幅は6μmとした。
こうして作製した基板上のソース電極とドレイン電極との間に配向膜としてSiOをCVDで斜方蒸着して形成した。蒸発源温度1800K、最小蒸着角度は85°であった。さらに一般式(193)で示された液晶性化合物において側鎖に一般式(106)で示される置換基(m=6)を有する液晶性化合物をメチルエチルケトン液中に溶かして10wt%とした液をインクジェット法により塗布し、0.1μm厚の液晶性化合物で構成される液晶層を形成させた。
【0127】
比較例1
ボトムゲート型の有機半導体ではn型のシリコンウェハ上にCVD法によりSiO2膜を300nmの厚さで形成する。ゲート電極をクロムによりスパッタ法により形成し(Crの膜厚400Å)、ゲート電極の上層に層間絶縁膜としてSiO2を形成する。さらに上層に一対のクロム電極をソース電極とドレイン電極として形成し、その上層に金を表面コートした(電極形状2mm×4mmの長方形、Auの膜厚300Å、Crの膜厚400Å)。ソース電極とドレイン電極間の幅は6μmとした。
こうして作製した基板上のソース電極とドレイン電極との間にペンタセンを蒸着により形成し、0.1μm厚のペンタセンで構成される液晶層を形成させた。
【0128】
また、本発明の一般式(146)で示される液晶性化合物において側鎖に一般式(106)で示される置換基(m=6)を有する液晶性化合物においては赤外分光スペクトル(IR)データとしては1604cm−1、1507cm−1、1448cm−1、1360cm−1、1335cm−1、1305cm−1、1227cm−1、1173cm−1、1149cm−1、1120cm−1などの結合単位(L)および末端基(LC)由来の吸収ピークに加えて、液晶性を発現するための側鎖に起因するC=O伸縮振動に対応する1770cm−1やOCCの逆対称伸縮振動に対応する1183cm−1、CCOOの伸縮振動に対応する1205cm−1などの特徴的な吸収ピークが観測された。
【0129】
さらに本発明の一般式(146)で示される液晶性化合物において側鎖に一般式(106)で示される置換基(m=6)を有する液晶性化合物においてはH−NMRスペクトル(CDCl)では芳香族環の水素基に由来するδ=6.9〜8.3までのピークのほかに芳香族環に接続した置換基Rのアルキル起因のピーク(CO直下のCH)δ=4.18,その他アルキル基起因のピークδ=1.15〜1.94および置換基Rの末端アルキル起因のピークδ=0.91が観測された。
【0130】
本発明の液晶性化合物の同定方法としては液晶性半導体をトルエンなどの溶剤で溶解させ、その後、再結晶法および/もしくはソックスレイ抽出法などで結晶を得た後で元素分析してもよい。また、液晶性半導体をトルエンなどの溶剤で溶解させ、乾燥させた後、昇華精製法により精製しても良い。
【0131】
[評価結果]
実施例1〜3および比較例1の液晶性半導体について、立ち上がり電圧(Vth)、ゲート電圧印加時とゲート電圧無印加時との電流値の比すなわち電流比(Ion/Ioff)について評価した。
【0132】
液晶性化合物において抵抗値の評価は一般的な2端子法を用いた。本発明の液晶化合物の抵抗値は低電圧側(2.6×10V/cmにおいて)では高電圧側(2×10V/cm)より比較的抵抗が高く、あるしきい電圧を境に極端に抵抗が低下することがわかっている。本発明の液晶性化合物の抵抗値はランク1〜3で評価した。評価ランクは、ランク1(1010Ω・cm以上、1013Ω・cm未満)、ランク2(10Ω・cm以上、1010Ω・cm未満)、ランク3(10Ω・cm以上、10Ω・cm未満)とした。実施例1〜3で本発明における液晶性化合物(膜厚、約50nm)の高電圧側(2×10V/cm)での抵抗率は、順に、ランク3、ランク3、ランク2であり、比較例1の液晶層の抵抗率はランク1であった。
【0133】
本発明の液晶性化合物における電流比(印加電界が2×10V/cm時の電流値(Ion)と電圧無印加時Ioffでの電流値との電流比Ion/Ioff)はランク1〜3で評価した。評価ランクは、ランク1(0以上、10未満)、ランク2(10以上、10未満)、ランク3(10以上、10未満)とした。実施例1〜3で本発明における液晶性化合物(膜厚、約50nm)の高電圧側(2×10V/cm)での電流比は、順に、ランク3、ランク3、ランク2であり、比較例1の液晶層の抵抗率はランク1であった。
【0134】
本発明の液晶性化合物における立ち上がり電圧(Vth)は最高到達電流値の1/eとなる電流値として定義し、ランク1〜3で評価した。評価ランクは、ランク1(0以上、10未満)、ランク2(10以上、10未満)、ランク3(10以上、10未満)とした。実施例1〜3で本発明における液晶性化合物(膜厚、約50nm)の高電圧側(2×10V/cm)での抵抗率は、順に、ランク3、ランク3、ランク2であり、比較例1の液晶層の抵抗率はランク1であった。
【0135】
時間分解赤外分光装置により式1の化合物について電圧印加時の配向状態変化を観測した。測定は時間分解赤外分光装置により行い、その結果電圧印加時と電圧無印加時で電場による液晶の電場応答が観測された。試料はZnSe基板上にITO櫛歯電極さらに液晶層を形成しさらに上層にアルミ電極を形成した素子を作製し、櫛歯の隙間から赤外光を入社して反射により測定した。
たとえば時間分解赤外分光装置では、電圧印加前と比較して電圧±20Vで20ms幅の電圧パルス矩形派(+20V一定で10ms、−20V一定で10ms)を1パルス印加後直後に分子の長軸方向に遷移モーメントを持つ中心部のビフェニル部分のベンゼン環に由来する炭素間2重結合に対応する1448cm−1、において偏光吸収強度が急激に減少し(電圧印加前の約1/2倍)し、約50ms後においてもとの吸収強度に戻る過程が観測された。さらに、 ±20Vで20ms幅の電圧パルス矩形派(+20V一定で10ms、−20V一定で10ms)を1パルス印加後にC=O伸縮吸収帯1770cm−1における吸収強度を観測した。その結果、パルス印加開始時直後に吸収強度が無印加時の1/3に減少し、パルス印加後200ms経過してからとの吸収強度に戻る過程が観測された。
これらの結果は電圧印加の結果、ヘリックス構造を形成した分子末端にある2つの液晶性分子よりも中心部にあるビフェニルのベンゼン環が先に回転して配向方向が平面となった結果でπ共役結合の重なり合いが生じたことを意味している。これは比較的大きな末端液晶部分より中心部のベンゼンの方が電場の方向への立体回転が早いためと考えられる。このため高速応答で低価格な有機半導体の作製が可能となった。
この結果、末端部である液晶性分子(LC)のベンゼン環に対応する炭素環二重結合に対応するピークが変化していることから中心(ブリッジ)部である接続基Lの配向方向が変化していることが判明した。これは中心部が柔軟部で、外部のへリックス構造をとる部分が剛直部であるために電場に対する応答が異なることを意味している。このことが本発明の液晶性化合物が液晶性半導体に適した材料である根拠となっている。
測定装置にはFTS−6000(デジラボ・ジャパン社製)を使用し、電圧発生器としては6143型ファンクションジェネレータ(Advantest社製)を使用した。時間に対する同期をとるインターフェースとしてはK−001型インターフェース(デジラボ・ジャパン社製)を使用した。
【0136】
以下に、本発明の有機半導体を構成する液晶層が、上記効果を奏することとなる理由等について説明する。
【0137】
ペンタセン誘導体による低分子で形成した膜の凝集力が弱く、結晶化などによる欠陥が多いこと、および、経時変化により白濁を生じることが有機半導体の信頼性(寿命)や性能を低下させている原因である。これは水分へのペンタセンの溶解度が極めて低く湿度による影響が無視できると考えている。
【0138】
本発明は、こうした点に着目してなされたものであり、パッキングしやすい液晶性化合物とすることで、電界に対して自己修復機能を持たせ、さらにはアルキル鎖を含む側鎖の絡み合いにより経時変化しにくい材料となり膜として安定化する。その結果として有機半導体を長寿命化することができる。
【0139】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の液晶性化合物は、これまでディスコティック液晶は相互に完全な柱状化合物となりにくく、導電性が低い問題から敬遠される傾向があったが、二つのディスコティック液晶分子および/もしくはディスコティック液晶分子の一部{液晶性を発現するための側鎖(R)を有する末端基(LC)}を分子間でのπ電子の重なり合い(パッキング)が起きやすい対称軸に対して立体回転可能な結合単位(L)の両末端に配置することでパッキングの安定性を向上させることが可能となり、その結果、導電性および信頼性が向上した。
【0140】
[導電性と信頼性の向上]
液晶層を構成する液晶性化合物が、分子間でのπ電子の重なり合い(パッキング)のしやすい対称性を有する結合単位(L)とその両末端に液晶性分子{側鎖(R)を有する末端基(LC)}を2つ有する骨格を持つ液晶性化合物であるので、電界がかかったときに2つの液晶性分子により中心部の結合単位(L)の錯体等への配位性および/もしくは分子自体の配向を制御するため、パッキング性能が向上した結果、分子間でのホッピング伝導性が向上し、その結果、高い電気伝導性能が得られ、さらには電流電圧負荷が減った結果、発生する熱が減少することにより熱による液晶ダメージが減少し、素子の信頼性能が向上した。また、外部駆動ICに対する電圧負荷や電流負荷が減少することにより外部駆動ICの設計が容易となり製品を安価に生産できることとなり、量産性が向上した。
【0141】
[ディスコティック液晶の熱放出効果および安定性]
また本発明の液晶性化合物の末端基がディスコティック液晶であれば通常のスメクチック液晶より比熱が小さいことから熱を外部に放出しやすく、液晶相から等方相への転移温度も高いため、過度な電圧や電流による破壊が起きにくいのでデバイス性能と寿命(信頼性)が両立できる。
【0142】
[ブリッジ効果(電圧、熱に対する分子振動を抑制する効果)]
また、液晶が2分子であるために熱などによる分子振動が少なく(ブリッジ効果)により中心の結合単位(L)の配向が安定するため、分子間のパッキングが良好となり、電圧に対する電気伝導性の変動が少なく有機半導体としての電圧および電流の安定性に優れている。さらに、液晶が2分子間でブリッジされているために液晶配列が乱れにくく、高い温度まで液晶配列が維持される。その結果、幅広い温度領域での使用が可能となった。
また、中心置換基が回転するため、電界により分子振動が起きたとしても分子の自由回転により瞬間的に分子配向が揃うため分子間のパッキングの安定性が良好となり、電圧に対する電気伝導性の変動が少なく有機半導体としての電圧および電流の安定性に優れている。
すなわち、架橋(ブリッジ)の効果により液晶性化合物で分子自体のTgが向上し、液晶自体の熱や電圧や電流に対する耐久性が向上し、有機半導体自体の信頼性が向上した。
【0143】
[パッキングによる電気伝導の向上]
また、末端基(LC)がディスコティック液晶を両端に有する液晶性化合物の場合、ディスコティック液晶が平面構造を有するためカラム状に液晶が積み重なるためカラム方向への導電性が向上し、高い電気伝導性が得られ、電流電圧負荷が減った結果、発生する熱が減少することにより熱による液晶ダメージが減少し、素子の信頼性能が向上した。また、外部駆動ICに対する電圧負荷や電流負荷が減少することによりICが安価に生産できることとなり、量産性が向上した。
【0144】
[凝集力向上(耐久性向上)]
末端基(LC)は基本的に平面分子であり、末端基として液晶分子の一部を含んでいるものが多い。また、液晶として対称性の悪い分子構造を有する場合は分極の分子内分極の作用が生じ、その結果、分子同士のファンデルワールス力を生じる。特にナフタレンの基とベンゼンの基とのちがいで非対称性が形成されている場合、ナフタレンの基はベンゼンの基よりも電子吸引性が大きく、ナフタレンが負電荷を、ベンゼンが正電荷を帯びるために、分子内分極によるファンデルワールス力により交互に積層されやすく、結晶構造において電気伝導性が生じやすい。
【0145】
[立体効果による反転防止]
また、例えば、本発明の一般式(148)に示された液晶性化合物を分子模型で組立てた場合に見られるように窒素原子の周囲で立体構造が複雑に絡み合い、特にナフタレン骨格の8位の炭素に接続する水素基と窒素原子に接続したベンゼン部分の水素が衝突する。このことがsp窒素に見られる立体構造の反転を防止している。その証拠に一般式(148)に示された液晶性化合物の方が一般式(146)に示された液晶性化合物より安定性に優れている。さらに結晶構造を崩さない六角形の構造を形成できる。このことから一般式(148)に示された液晶性化合物と同様な擬似平面構造を形成でき、さらに平面的な構造を持つ分子を中心結合単位(L)の両端に結合させた分子を設けることでsp窒素に見られる立体構造の反転に対する障壁エネルギーを高くできるため反転を防止でき、耐電圧性能や白濁に対する信頼性を向上させた。
【0146】
[トリアミンに接続する電子吸引性基の効果による分子間凝集力の向上]
窒素原子に結合する基として電子吸引性基と電子供与性基を両方含む場合、もしくはそれぞれ独立の液晶を混合した場合などは分子同士のHOMO(Highest Occupied Molecular Orbital)とLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)の違い、すなわち電子吸引性基と電子供与性基との違いにより分子平面同士の重なり合いを生じやすく、さらにパッキングした際に分子内分極により高い導電性が得られる。
【0147】
[金属錯体および金属化合物による層状化合物を形成による伝導性向上]
また、本発明の液晶性化合物に金属イオンおよび/もしくは金属錯体を同時に含有していてもよい。例えば、金属錯体を混合させると金属配位子が液晶性化合物における中心結合単位(L)とパッキングすることにより電子が金属を界して電子伝導する結果、導電性を向上させることが可能である。特に金属に対して配位子が球状に周囲を取り囲んでいる構造の場合は分子の端部にある平面構造を持つ芳香族環(液晶性を示す置換基における芳香族環)を含む構造と層状化合物を形成するため膜としての安定性が高まるために信頼性が向上する。
また、ディスコティック液晶の側鎖にあるカルボニル基が金属錯体と相互作用を生じる場合、この場合もイオン伝導により導電性を向上させることが可能である。
さらに末端基(LC)と金属との間で層状化合物を形成可能である構造であるため伝導性を向上させることができる。
【0148】
また、本発明の液晶性分子は極性の高い液晶分子(LC)と非極性の中心部分の分子(L)との間の相互作用によりパッキングが良くなるために電気伝導性や凝集力が向上すると考えられる。このため低分子に見られるような経時変化による分子間距離の長距離化や立体構造の反転などを避けることができる。
【0149】
[液晶の利点1(自己修復機能)]
また、通常の蒸着膜のように電圧による結晶構造の破壊の問題が少なく、多少の液晶分子が揺らいでも液晶はバルクとしての電圧電流特性が変動しにくく、液晶なので自己修復機能があるため安定な有機半導体を作製することができる。
【0150】
[液晶の利点2(分子の短軸と長軸との誘電率の相違)]
液晶により作製した有機半導体は液晶の長軸と短軸での誘電率の違いにより電気伝導の違いが大きくなる傾向があるため電界効果が大きくなり、通常の無機物により作製した有機半導体より性能が良好である。
【0151】
[液晶の欠点克服(平面方向でのパッキングによる不純物トラップの回避)]
さらに、1分子に少なくとも2つ以上のディスコティック液晶分子を含み、さらに棒状であることから分極が起きやすい分子構造となっているため配向性能に優れており、さらにディスコティック液晶にあるアルキル鎖を減らすことが可能となり、そのためアルキル鎖が電気伝導性を妨げるトラップとなるのを防止することができる効果がある。従って、本発明の液晶性化合物の場合は分子の末端基(LC)にディスコティック液晶および/もしくはディスコティック液晶の一部を有する液晶性化合物が最も好ましい。
【0152】
[アルキル鎖の不純物欠点克服+信頼性向上]
また、通常、液晶に含まれるこれらアルキル鎖は、主鎖の導電性を低下させる不純物となるが、本発明での共役系の基をπ電子による分子間共役(パッキング)を有する利用する液晶の場合は平面分子に対して垂直方向に導電性が生じるので導電性を低下させる不純物を含んでいてもπ電子による分子間共役を妨害しない程度、もしくは水素結合により五員環もしくは六員環を形成できる能力がある基(ディスコティック液晶に見られるような側鎖)であれば分子間共役を妨害することはなく、すなわち導電性を低下させることはなく、かつ分子に液晶性を付与することができる。またこれらアルキル鎖などは絡み合いにより膜の耐侯性を向上させ、経時変化を抑制する。
【0153】
[本材料の設計指針1]
また、平面分子と平面状の分子よりなど球状に近い金属錯体のような分子とを共蒸着により膜することにより平面状の分子単独では不安定な膜を安定にすることができることを本発明の発明者は発見した。このことが本発明の液晶性化合物を開発した材料設計指針となっている。
【0154】
[本材料の設計指針2]
また、本発明の液晶分子は棒状分子の両末端に平面構造を持つ液晶分子(例えばディスコティック液晶)および/もしくは液晶分子の一部{液晶性を発現するための側鎖(R)と末端基(LC)}を2分子有する分子であり、中心置換基(L)が相互にパッキングしやすい構造であるために通常のディスコティック液晶よりも平面方向のずれが生じにくく、隙間も生じにくいため、電気伝導性に優れている。
さらに、棒状の液晶性分子であることからパッキングに有利であり分子間のパッキングが良好である。
【0155】
[液晶の利点(高応答速度)]
さらに電界方向がずれたとしても中心部の結合単位(L)が電界方向に回転することにより分子方向が瞬間的にそろうため安定性能に優れた有機半導体を作製できる。従って、分子の回転により導電性が向上することから通常のネマチック液晶と比較して長軸、短軸との分子方向の違いで導電性を変化させるような応答速度の遅れが生じないため有機半導体の応答速度が向上させた。
【0156】
[電荷輸送機能]
また、液晶層を構成する液晶性化合物にクマリンのような電子吸引性の機能を有する構造を含むものは分子内で分極を生じるため電荷輸送機能が向上した結果、電気導電性が向上した。
【0157】
[分子内分極の効果による凝集力アップ]
芳香族環でも異なる化学構造を持つと共役結合が移動する速度が変化することにより分子内で電気吸引性が異なる結果の分子内分極が生じる。一般に共役が長くつながっている方が電子吸引性の強い部分となる。従って、トリアミンの三つの接続基が異なる方が分子内分極によりパッキングが良好になるため分子間での凝集力が高まり膜の耐久性が向上する。本発明において上記の効果を利用してもよい。
【0158】
[立体構造としての安定性向上1]
本発明の液晶性化合物はトリアミン系の低分子であるため蛍光を発生し、spの窒素が再結合中心となっていることが一般に知られている。さらに窒素と芳香族環とがポーラロンを生成する際にspとなるが、spからspに戻る際に立体構造が反転する可能性がある。一箇所でも立体構造が反転すると膜の結晶状態が崩壊し、スポット状の白濁を生じる原因となると推測される。液晶性の側鎖がこれらの反転を防止するため耐久性に優れた有機半導体を作製可能となった。
また本発明の液晶性化合物は平面構造によるパッキングにより750nm付近に蛍光が生じることを特徴とする。これはパッキング伝導が良好に起き、電気伝導性が向上した効果で安定化したエネルギー準位である分子間軌道に落ち込んだ電荷により再結合が起きた結果、長波長側での蛍光が発生したことを示している。
【0159】
[立体構造としての安定性向上2]
文献等よりわかるように平面性の高い低分子で構成された素子が通常の立体構造の複雑な低分子で構成された発光素子と比べて高輝度であるが低寿命であるのは、立体構造の複雑な分子は平面性の高い分子と比較して高抵抗であるが、極めて安定性に優れることを意味する。すなわち、立体構造の複雑な低分子はほとんど大部分の結晶構造が安定に維持され膜として安定である。これはトリアミンの窒素に接続した芳香族環がそれぞれ独立に立体回転することで複雑に分子間でパッキングすることからトリアミンの窒素においてspの構造に特有な立体反転が抑制されるとともに、熱振動に対して複雑な立体構造が分子間に伝播する分子振動を抑制し、分子内分極の効果も加わって、結晶構造が安定することで膜として安定化するものである。本発明ではその性質を利用した液晶性化合物も利用している。従って、化学構造とそれが結晶構造の安定性に与える影響は極めて大きい。
【0160】
[立体構造としての安定性向上3]
また、分子の中心部にある結合単位(L)は対称性にすぐれた分子が好ましい。なぜなら熱振動等で結合単位(L)が立体回転した際に低分子間の距離が広がらず、安定性に優れているからである。
【0161】
[分子内分極による導電性向上]
本発明の液晶性化合物でトリアミンの窒素にそれぞれ異なる基が接続している場合、例えば、トリアミンの窒素に電子供与性基(ベンゼン基)と電子吸引性基(ナフタレン基)が接続している場合、これらが分子内の電子伝導を促進するとともに電流の流れを作り、その結果、水の流れで流量の多い方に空気が引き出される効果と同じように電子の安定状態を形成し得るアクセプターへ内部の結合単位(L)から電子が供給される、すなわち、窒素に接続した中心部分の分子(L=ビフェニル基など)の電子が引き出されることで正孔が生成されると考えられる。
【0162】
[平面構造による導電性向上]
平面性の高い低分子で構成された素子は立体構造の複雑な低分子で構成された素子より極めて低抵抗である。平面的なパッキングを行う平面的なの方がパッキング性能に優れ、導電性が良いのは容易に想像できる。本発明でもディスコティック液晶を使用していることから電気伝導性が向上する。
【0163】
[導電性向上]
また、一般式(146)に示された液晶性化合物は一般式(148)に示された液晶性化合物とは異なり立体回転により中心部のベンゼンと周囲のカルバゾール部との共役がつがらないことから、荷電が中心のベンゼン側から来る荷電で再結合する場合とカルバゾール部分から来る場合で再結合が起きる場合とがあり、安定性の面から400nmが中心部のフェニル基と窒素で起きた再結合であり、375nmはカルバゾール部分と窒素で起きた再結合によるものと考えられる。
また、一般式(148)に示された液晶性化合物は分子模型を組立てることでわかるように立体回転により中心部の結合単位(L)および末端基(LC)内にある2つのベンゼン部と末端基(LC)内にある周囲のナフタレン部との距離が接近する。特にナフタレン基の8位の炭素と窒素に直接接続した中心部の結合単位(L)にあるベンゼンの3位もしくは5位の炭素とが立体回転などで再接近した構造をとった際には電子がナフタレン部からベンゼン部へホッピング伝導しているものと考えられる。なぜなら、一般式(146)に示された液晶性化合物において蛍光が2つ生じるのに対して、一般式(148)に示された液晶性化合物ではホッピング伝導が起きるために再結合による蛍光ピークが1つしか生じない。そのため一般式(148)に示された液晶性化合物では荷電が化学構造内を循環するために再結合確率が減少する。その証拠として一般式(148)における液晶性化合物はナフタレン部分がベンゼンとなった一般式(147)に示された液晶性化合物よりも圧倒的に蛍光強度が減少(1/10〜1/20)し、その結果、電気伝導性も向上した。すなわち、再結合に使用されるエネルギーが減少した結果、荷電の運動エネルギーが増大して電気伝導性が向上したためである。さらに、再結合の可能性が低下するために運動エネルギーの減衰や再結合による電荷の消滅を防止するために電気伝導性に優れている。すなわち、分子が吸収したエネルギーが再結合のエネルギーに変換しにくい分子であるため、光や電界により分子が吸収したエネルギーを効率よく電荷への運動エネルギーに変えることができる。
本発明の液晶性化合物は以上のような一般式(148)に示された液晶性化合物と一般式(146)に示された液晶性化合物の両方の性能を最大限に利用したものである。
【0164】
[金属錯体添加による効果]
また、液晶性化合物に金属錯体を添加すると配位子がピリルピリジンで液晶性化合物の中心部の結合単位(L)がビフェニルである場合には相互に同様な立体構造を持つので分子間でパッキングしやく、その結果、分子間で効率的に電荷の移動が起きる。このため電気伝導性が向上する。
【0165】
[結晶相から液晶相への転移温度が低下、液晶相から等方相への転移温度上昇]中心部にある2価基の結合単位において末端に液晶性分子を有するために結晶構造が崩れて結晶相から液晶相への転移温度が低下し、さらに側鎖の絡み合いの影響から液晶相から等方相への転移温度が上昇する傾向が多かった。このため幅広い温度領域で液晶相が発現し、半導体の性能が長時間安定した。また、電圧印加に伴う温度上昇に対する耐性も向上した。
【0166】
[ヒステリシスの問題解決]
末端部にある置換基が平面構造であり大きな基であることから熱や電圧に対する分子振動が小さく、デバイスの電圧印加の履歴に対する影響(ヒステリシス)が小さい。このためデバイスの繰り返し動作に対する信頼性が向上した。
【0167】
[共役結合部分の拡大による導電性向上効果]
本発明の液晶性化合物は少ない側鎖により配向させることができ、スメクチック液晶と比較して分子中での非共役炭素の分子量に対する共役結合部分の炭素の分子量が大きくすることも可能であり、その場合、導電性に寄与しない非共役部としての側鎖に対する導電性に寄与する共役結合部分が多くすることができるためバルクとしての導電性がスメクチック液晶よりも向上した。
【0168】
[環状3級アミンのパッキング性向上]
本発明の液晶性化合物で環状3級アミン、特にビフェニレンを結合単位(B)とする液晶性化合物は分子が折れ曲がってパッキングを形成するため、分子振動によるパッキングのずれが生じにくく、熱や電界に対する耐久性向上したため、その結果、導電性や信頼性を向上させることができる。
【0169】
[用途]
さらに、上述した液晶性化合物は、液晶性有機半導体の液晶層に好ましく用いられる他、位相差偏光板、太陽電池、電磁シールド材、帯電防止材、電池(電極材、電解質、導電性高分子ゲル)、光スイッチ(変色スイッチ)、センサー、電子写真感光体、フォトリフラクティブ素子、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、メモリー、非線形光学材料、光論理素子、発電素子、液晶導体、液晶磁性体、液晶ディスプレイ、IC回路などに応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶性有機半導体の一例を示す断面図である。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表され、π共役電子を有し分子間でπ共役電子の重なり合いが生じやすい平面に近い構造を有する末端基(LC)とそれに接続する液晶性を発現するための側鎖としての置換基(R)を有する2つの分子の間にπ共役電子の重なり合いを安定化させるための結合単位(L)を有することを特徴とする液晶性化合物。
    Figure 2005047810
    (式中、Lは分子の中央部にあり、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基、および/もしくは、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有した2価基の複素環化合物からなる結合軸に対して立体回転可能な結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。LCは分子の両末端部にある末端基であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を含む芳香族アミン誘導体(アリールアミン誘導体)および/もしくは複素環(ヘテロ環)化合物からなる置換基であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLCが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。また、中央部の2価基であるLと末端基であるLC中に含まれる窒素原子とが直接、単結合により接続しており、さらに、LCは少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖として置換基Rを有する末端基であり、置換基Rはそれぞれ独立に選択できる。すなわち、各々の置換基Rが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。n、mおよびpは1以上の整数である。Nは窒素原子を表している。)
  2. 一般式(2)で表される環状3級アミン化合物からなる液晶性化合物。
    Figure 2005047810
    (式中、Lは分子の中央部にあり、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基、および/もしくは、無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有した2価基の複素環化合物からなる結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。LCは分子の両末端部にある末端基であり、分子内に少なくとも1つ窒素原子を含む芳香族アミン誘導体(アリールアミン誘導体)および/もしくは複素環(ヘテロ環)化合物からなる置換基であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLCが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。また、中央部の2価基であるLと末端基であるLC中に含まれる窒素原子とが直接、単結合により接続しており、さらに、LCは少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖として置換基Rを有する末端基であり、置換基Rはそれぞれ独立に選択できる。すなわち、各々の置換基Rが同一の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。Arは接続結合を示し、少なくとも1つ以上の単結合、二重結合、アリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物を意味する。n、m、p、n’、m’およびp’は1以上の整数である。Nは窒素原子を表している。)
  3. 一般式(3)で表される環状3級アミン化合物からなる液晶性化合物。
    Figure 2005047810
    (式中、Aはアルキル基、アリール基、アラルキル基、および/もしくは、複素環化合物からなる置換基において少なくとも1つ分子に液晶性を発現させるための側鎖としての置換基Rを有する末端基を示す。1つのAに複数の置換基Rを有している場合は、それらは各々が同一であってもよいし、異なる基であってもよい。また、4個のAは全て同一であっても、その一部が異なっていてもよい。Lは無置換および/もしくは1つ以上の置換基を有したアリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物からなる結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のLが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。Bは1つ以上の液晶性を発現するための置換基Rを含んだアリーレン基および/もしくは2価基の複素環化合物からなる結合単位であり、それぞれ独立に選択できる。すなわち、各々のBが同一の結合単位であってもよいし、異なる結合単位であってもよい。
    Nは窒素原子を表している。nは1以上の整数である。)
  4. 基板上に電極を少なくとも二つ以上有する液晶半導体において、請求項1及至請求項3に記載の液晶性化合物を含有していることを特徴とする液晶性有機半導体。
  5. 基板上に電極を少なくとも二つ以上有する液晶半導体において、請求項1及至請求項3に記載の液晶性化合物に金属を含有することを特徴とする液晶性有機半導体。
JP2003202921A 2003-07-29 2003-07-29 液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体 Pending JP2005047810A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003202921A JP2005047810A (ja) 2003-07-29 2003-07-29 液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003202921A JP2005047810A (ja) 2003-07-29 2003-07-29 液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005047810A true JP2005047810A (ja) 2005-02-24

Family

ID=34262455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003202921A Pending JP2005047810A (ja) 2003-07-29 2003-07-29 液晶性化合物およびそれを使用した液晶性有機半導体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005047810A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166859B2 (en) * 2003-11-17 2007-01-23 Fuji Xerox Co., Ltd. Organic semiconductor transistor element, semiconductor device using the same, and process for producing the semiconductor device
WO2008057350A3 (en) * 2006-11-01 2008-11-06 Massachusetts Inst Technology Compositions including polymers aligned via interchain interactions
WO2008057346A3 (en) * 2006-11-01 2008-11-27 Massachusetts Inst Technology Devices and methods involving polymers aligned via interchain interactions

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7166859B2 (en) * 2003-11-17 2007-01-23 Fuji Xerox Co., Ltd. Organic semiconductor transistor element, semiconductor device using the same, and process for producing the semiconductor device
WO2008057350A3 (en) * 2006-11-01 2008-11-06 Massachusetts Inst Technology Compositions including polymers aligned via interchain interactions
WO2008057346A3 (en) * 2006-11-01 2008-11-27 Massachusetts Inst Technology Devices and methods involving polymers aligned via interchain interactions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7388100B2 (en) Tertiary amine compounds
KR100592862B1 (ko) 고분자 구조체 및 그것을 구비한 기능 소자, 및트랜지스터 및 그것을 사용한 표시 장치
KR100861434B1 (ko) 신규 화합물 및 그 화합물을 사용한 유기 엘렉트로닉스소자
CA2427222C (en) Field effect transistors and materials and methods for their manufacture
Liu et al. Volatile electrical switching and static random access memory effect in a functional polyimide containing oxadiazole moieties
Chuang et al. Bright-white light-emitting devices based on a single polymer exhibiting simultaneous blue, green, and red emissions
Greiner Design and synthesis of polymers for light‐emitting diodes
JP5096378B2 (ja) 有機電子素子、その製造方法及びその使用
Yang et al. Multifunctional conjugated oligomers containing novel triarylamine and fluorene units with electrochromic, electrofluorochromic, photoelectron conversion, explosive detection and memory properties
WO2008038047A2 (en) Organic compound, photovoltaic layer and organic photovoltaic device
KR20010040928A (ko) 관능성 물질을 포함하는 폴리이미드층, 이를 사용한 장치및 이러한 장치의 제조 방법
KR20110065485A (ko) 유기 반도체용의, 유도체화 풀러렌을 주성분으로 하는 도펀트
AU2002220818A1 (en) Field effect transistors and materials and methods for their manufacture
EP1935919B1 (en) Polymer containing sulfo group and organic electroluminescent element containing the polymer
KR101532458B1 (ko) 공액 공중합체
KR20150016507A (ko) 도전성 박막 적층체의 제조 방법
JP4144271B2 (ja) 高分子薄膜およびそれを用いた高分子薄膜素子
KR20120078666A (ko) 저분자 화합물, 중합체, 전자 디바이스 재료, 전자 디바이스용 조성물, 유기 전계 발광 소자, 유기 태양 전지 소자, 표시 장치 및 조명 장치
GB2484054A (en) Polymer light-emitting element
WO2010027129A1 (en) Pyrrole compounds and organic photoelectric device including the same
Bejan et al. n-Type Polyimides with 1, 3, 4-Oxadiazole-Substituted Triphenylamine Units—An Innovative Structural Approach
JP2004346082A (ja) 第3級アミン化合物およびそれを使用した有機半導体装置
WO2013013753A2 (en) Polymers and oligomers with functionalized side groups
Behera et al. Ambipolar Columnar Self‐assembled Organic Semiconductors based on Heteroatom bay‐Annulated Perylene Bisimides
JP2003257669A (ja) 有機電界発光素子