JP2005047786A - 二酸化チタン微粒子およびその製造方法ならびに可視光活性型光触媒の製造方法 - Google Patents

二酸化チタン微粒子およびその製造方法ならびに可視光活性型光触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 可視光照射に対して従来品よりも高い光触媒活性を示すとともに、その光触媒活性が、安定性、持続性に優れている二酸化チタン微粒子およびその製造方法ならびに可視光活性型光触媒の製造方法を提供する。
【解決手段】 二酸化チタン原料微粒子を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより、二酸化チタンに、C、H、Sから選ばれた少なくとも1種類およびNがドープされている二酸化チタン微粒子であって、該二酸化チタン微粒子0.2gを10cm四方に均一層とした試料を容積1lのガスバッグ内に入れ、当初イソプロパノールガス濃度を1500ppm±150ppmとし、前記試料に、紫外線が遮光された蛍光灯光を、波長420nmにおける強度0.5mW/cm2で1時間照射後、生成したアセトンガス濃度が500ppm以上となるものを得る。
【選択図】 なし

Description

本発明は、可視光活性型光触媒、半導体や光通信の反射膜として好適に用いることができる二酸化チタン微粒子およびその製造方法ならびに可視光活性型光触媒の製造方法に関する。特に、可視光の照射に対して活性を示し、このような光触媒活性を利用して、分解、除去、消臭、抗菌、防汚、防曇等の作用を奏することにより、塗料、繊維製品、シックハウス解消剤、工業排水・排ガス等の無害化処理剤、医用材料等に好適に用いることができる二酸化チタン微粒子およびその製造方法ならびに可視光活性型光触媒の製造方法に関する。
二酸化チタン等の半導体粒子に、そのバンドギャップ以上のエネルギーを有する光を照射すると、光励起により生成した電子および正孔が、該半導体粒子表面に移動し、周囲に存在するイオン種や分子種に作用して、光触媒反応と呼ばれる様々な反応を引き起こす。
特に、二酸化チタン微粒子は、その表面に生じた正孔が、強力な酸化力を有していることから、塗料、繊維製品、シックハウスの解消、工業排水・排ガスの無害化処理剤等への応用が種々提案されており、一部は既に実用化されている。
従来、光触媒技術分野において使用されている二酸化チタン微粒子は、アナターゼ型またはルチル型の結晶質である。
アナターゼ型またはルチル型の二酸化チタンのバンドギャップは、それぞれ3.2eV(波長387.5nmに相当)または3.0eV(波長413.3nmに相当)であるため、励起光としては、それぞれ波長387.5nm以下または波長413.3nm以下の短波長光である紫外線が利用されているに過ぎず、可視光等の光は利用されていなかった。
このため、前記結晶質の二酸化チタンは、光の中に紫外線がほとんど存在しない屋内等で使用される内装塗料、繊維製品、シックハウス解消剤等の用途においては、機能を果たすことは困難であり、実際上、用途範囲は制限されていた。
これに対して、最近では、太陽光および人工光を効率よく利用する目的で、可視光の照射により触媒活性を示す二酸化チタンの開発が種々検討されるようになってきた。
例えば、特許文献1には、高減圧下で、水素プラズマ処理、希ガス類元素プラズマ処理を行ったり、希ガス類元素のイオン注入、または、真空下での高温加熱等の方法を用いて、アナターゼ型の二酸化チタンの結晶格子構造を酸素欠乏型とし、これにより、可視領域の光照射での触媒活性を発現させた二酸化チタンおよびその製法が開示されている。
また、二酸化チタンに窒素ドープすることによる可視光応答型の二酸化チタン光触媒もある(非特許文献1参照)。例えば、特許文献2には、結晶内に窒素が存在する特定の二酸化チタン結晶が可視光の照射に対して触媒活性を示すことが開示されている。
窒素ドープされた二酸化チタンは、ドープされた窒素が、格子間の隙間に入った状態、または、格子酸素のサイトに窒素が置換された形で入っている状態の構造となっている。
このような窒素ドープされた二酸化チタンは、塩化チタン溶液をアンモニア水中で加水分解することにより、または、二酸化チタンをアンモニアガス中で加熱することにより合成することができる。
上記した酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンにおいては、酸素欠乏欠陥またはTi−Nの結合により、二酸化チタン光触媒に可視光活性がもたらされると考えられる。
特許第3252136号公報 特開2001−190953号公報 "Nikkei Mechanical 2001.10",no.565,p.36−45
しかしながら、上記した酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンは、可視光による光触媒活性が必ずしも十分に高いとは言えず、また、光触媒活性の安定性に劣る等の課題を有していた。
例えば、窒素ドープされた二酸化チタンのTi−N結合に基づくXPS(X線光電子分光法)分析によるピークは、空気中での熱処理により消失するという報告もあることから、上記のような技術的課題が生じる原因としては、空気と接触している粒子表面においては、酸素欠乏欠陥またはTi−N結合が不安定であることによるものと推測される。
本発明は、上記技術的課題を解決するためになされたものであり、可視光照射に対して高い光触媒活性を示すとともに、その光触媒活性が、安定性、持続性に優れている二酸化チタンならびに二酸化チタンからなる可視光活性型光触媒およびその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明に係る二酸化チタン微粒子は、二酸化チタンに、C、H、N、Sから選ばれた少なくとも2種類がドープされていることを特徴とする。
このように構成された二酸化チタン微粒子は、従来の酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンによる二酸化チタンに比べて、より優れた光触媒活性を示し、しかも、その光触媒活性は、安定性、持続性に優れたものである。
また、本発明に係る二酸化チタン微粒子の他の態様としては、二酸化チタンに、C、H、Sから選ばれた少なくとも1種類およびNがドープされていることを特徴とする。
このように、Nを必須のドーパントとして、それ以外に、C、H、Sから選ばれた少なくとも1種類をドープすることにより、より優れた可視光活性を示すことができる。
上記のような二酸化チタン微粒子の中でも、特に、C、HおよびNがドープされているものが好適である。
本発明に係る二酸化チタン微粒子においては、ドープされたNの濃度は、700wtppm以上10000wtppm以下であることが好ましい。
より多くのNがドープされ、二酸化チタンと強固に結合していることにより、優れた可視光活性を示すことができる。
また、前記ドープされたNは、Ti−N−OまたはTi−N−Tiの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることが好ましく、これらの結合状態のうち、Ti−N−Tiの結合状態の方が多いことがより好ましい。
ここで、Ti−N−Oは、NがTiO2結晶の格子間に入っている状態であり、また、Ti−N−Tiは、TiO2結晶中の酸素が窒素に置換され、NがTiO2結晶中の酸素の位置に入っている状態であることを意味する。
このような結合状態を有していることにより、二酸化チタンのTiとドープされたNの結合がより強力であり、安定した触媒作用を発揮することができる。
さらに、前記ドープされたNは、二酸化チタン微粒子の昇温によりN2として脱離され、該N2脱離ピーク温度が700℃以上であることが好ましい。
このような高温域における脱離ピークの存在は、ドープされたNが、二酸化チタンと強固な結合状態を有していることを意味するものであり、優れた可視光活性を示す一因となっていると考えられる。
同様の理由から、前記ドープされたHは、二酸化チタン微粒子の昇温によりH2として脱離され、該H2脱離ピーク温度が700℃以上であることが好ましい。
また、前記ドープされたCは、二酸化チタン微粒子の昇温によりCO2として脱離され、該CO2脱離ピーク温度が700℃以上であることが好ましい。
さらに、二酸化チタン微粒子の昇温により質量数mとイオンの電荷数eの比m/eが68である成分が脱離され、該成分の脱離ピーク温度が700℃以上であることが好ましい。
また、前記二酸化チタン微粒子は、長径10nm以上60nm以下の長球状の粒子であることが好ましい。
本発明においては、上記のような優れた可視光活性を示す二酸化チタン微粒子は、一次粒子が上記のような形状として好適に得ることができる。
前記二酸化チタン微粒子は、該二酸化チタン微粒子0.2gを10cm四方に均一層とした試料を容積1lのガスバッグ内に入れ、当初イソプロパノールガス濃度を1500ppm±150ppmとし、前記試料に、紫外線が遮光された蛍光灯光を、波長420nmにおける強度0.5mW/cm2で1時間照射後、生成したアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることが好ましい。
上記のようなイソプロパノール(IPA)酸化反応による光触媒活性評価法によって、本発明に係る二酸化チタン微粒子が、可視光照射に対して優れた光触媒活性を示すものであることの明確化を図ることができる。
したがって、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、上記のようなIPA酸化活性を示すことにより、可視光照射下において、シックハウスの原因と言われているホルムアルデヒド等のアルデヒド類ガス、車の排ガスNOX等の環境汚染物質、ダイオキシン等の環境ホルモン等の人体を害する物質を分解・除去する等の優れた機能を発揮することができる。
したがって、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、そのまま可視光活性型光触媒として好適に用いることができる。
また、本発明に係る二酸化チタン微粒子の製造方法は、二酸化チタン原料微粒子を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする。
このような製造方法によれば、Nがドープされた二酸化チタン微粒子を容易かつ均質に製造することができる。
あるいはまた、二酸化チタン原料微粒子を、N、CおよびHを含むガス雰囲気下、または、NH3ガスおよびCを含むガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理してもよい。
上記のようなガス雰囲気下で熱処理することにより、二酸化チタンに、N、C、Hを均質にドープさせた二酸化チタン微粒子を容易に得ることができる。
上記製造方法においては、前記二酸化チタン原料微粒子は、平均粒径10nm以下、比表面積が300m2/g以上であることが好ましい。
原料として、このような二酸化チタン原料微粒子を用いることにより、単位体積当たりにNを多量にドープすることができ、かつ、得られる二酸化チタン微粒子の光触媒反応に寄与する表面積も大きくすることができる。
また、本発明に係る可視光活性型光触媒の製造方法は、二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする。
このように、微粒子(粉末)を所定の形状に加工した成形体、焼結体または膜等を、上記二酸化チタン原料微粒子の場合と同様に熱処理することにより、用途に応じて、各成形体、焼結体または膜自体を可視光活性型光触媒として使用することができる。
あるいはまた、上記二酸化チタン原料微粒子の場合と同様に、二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、N、CおよびHを含むガス雰囲気下、または、NH3ガスおよびCを含むガス雰囲気下500℃以上620℃以下で熱処理してもよい。
上述のとおり、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、従来の可視光活性型光触媒に比べて、可視光照射に対して高い光触媒活性を示すとともに、その光触媒活性は、安定性、持続性に優れたものである。
このため、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、その光触媒活性を利用して、分解、除去、消臭、抗菌、防汚、防曇等の作用を奏することにより、塗料、繊維製品、シックハウス解消剤、建材、自動車等への内装材、家具、家電製品、住宅設備、食器等の防汚、消臭、除菌のため、あるいは、工業排水・排ガス等の無害化処理剤、医用材料等の様々な用途に好適に用いることができる。
また、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、安定しており、半導体としても好適に使用することができ、さらに、窒素ドープにより、従来の二酸化チタン粒子とは屈折率が異なるものであることから、光通信用の反射膜等としても好適に使用することができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、上記のような二酸化チタン微粒子および可視光活性型光触媒を容易かつ均質に得ることができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に係る二酸化チタン微粒子は、二酸化チタンに、C、H、N、Sから選ばれた少なくとも2種類がドープされているものである。
このような2種類以上の元素がドープされた二酸化チタン微粒子は、従来の酸素欠乏型または窒素ドープされた二酸化チタンとは異なる構成を有しており、このような従来の二酸化チタンに比べて、より優れた光触媒活性を示すものである。しかも、その光触媒活性の安定性、持続性に優れており、空気と接触した場合であっても容易に失活することはない。
なお、紫外線照射に対する光触媒活性も、従来の二酸化チタン光触媒と同程度以上の性能を示す。
また、前記二酸化チタン微粒子においては、Nを必須のドーパントとして、それ以外に、C、H、Sから選ばれた少なくとも1種類をドープすることにより、より優れた可視光活性を示すことができる。
特に、C、HおよびNがドープされたものが好ましい。
前記二酸化チタン微粒子における二酸化チタン成分の含有量は、80wt%以上であることが好ましく、より好ましくは、95wt%以上である。
二酸化チタン成分の含有量が80wt%未満である場合は、十分な光触媒活性が得られない。
したがって、20wt%未満の範囲であれば、二酸化チタンの可視光照射による光触媒活性を損なわない限り、他の無機化合物等を混合した複合粒子を用いることができる。
二酸化チタンに混合される無機化合物としては、例えば、シリカ、アルミナ、ジルコニア、マグネシア、酸化亜鉛等を挙げることができる。
一般に、二酸化チタンには、ルチル型(正方晶系)、アナターゼ型(正方晶系)、ブルッカイト型(斜方晶系)の3種の変態があり、いずれもチタン原子に酸素原子が6配位した、ゆがんだ八面体の稜が共有された構造を有している。本発明においては、このうち、光触媒活性を発現させる観点から、ルチル型またはアナターゼ型のものを原料微粒子として用いることが好ましく、特に、アナターゼ型が好ましい。
また、二酸化チタンに、C、H、N、Sから選ばれた少なくとも2種類がドープされた二酸化チタン微粒子も、同様に、アナターゼ型であることが特に好ましい。
本発明においては、この二酸化チタンを主成分とする原料微粒子に、C、H、N、Sから選ばれた少なくとも2種類の元素をドープすることにより、二酸化チタンを得る。前記ドーパントのうち、Nは必須ドーパントとすることが、より好ましい。
ドーパント濃度は、Nについては、50wtppm以上27000wtppm以下であることが好ましく、より好ましくは、700wtppm以上10000wtppm以下である。特に、1500wtppm以上5000wtppm以下であることが好ましい。
前記Nの濃度が50wtppm未満である場合は、可視光照射に対する十分な光触媒活性が得られず、特に、初期活性の立ち上がりが遅く、しかも、立ち上がり勾配が小さく、可視光の強度や用途等によっては、その目的を十分に達成することが困難な場合がある。
一方、前記窒素の濃度が10000wtppmを超える場合は、製造に時間と手間を要するため、実用的であるとは言い難い。
また、N以外の各ドーパント濃度は、C、Sは50〜1500wtppm程度、Hは1〜50wtppm程度であることが好ましい。C、Sは100wtppm以上であることが特に好ましい。
上記各ドーパントのドーピング方法は、特に限定されるものではなく、通常、この種のドープにおいて用いられる、熱拡散法、レーザドーピング法、プラズマドーピング法、イオン注入法等の方法を採用して差し支えない。
具体的には、イオン注入装置を用いて、窒素アニオンや炭素アニオン源等からの加速イオンを二酸化チタンターゲットに打ち込む方法により行うことができる。
また、窒素および炭素ドープの場合には、シアン(HCN)、シアン酸もしくはイソシアン酸(HOCN)、低級アミン(RNH2、R2NH、R3N)、アゾ、ジアゾ化合物等を含有する溶液、または、これらとアンモニア(NH3)とを含有する溶液中で、塩化チタン(TiCl4)等の溶液状ハロゲン化チタンを加水分解する方法を用いることもできる。あるいはまた、シアン、シアン酸またはイソシアン酸、低級アミン等またはこれらとアンモニアとを含有する窒素またはアルゴン等の不活性ガス気流中で、または、各種炭化水素とアンモニアとの混合ガス気流中で、二酸化チタン原料微粒子を熱処理(アニール)する方法等によっても行うことができる。
なお、前記ドーパントは、それぞれ別の化合物の分解によってドープしてもよい。このとき、各ドーパントのドーピングは、同時でも、逐次でもよく、また、ドープ時期についても、その態様に応じて、粒子形成時または形成後のいずれであってもよい。
従来の酸素欠乏型二酸化チタンは、化学式で表すとTiO2-xである。
これに対して、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、化学式で表すと、TiO2-xxyAである。ここで、Nxは二酸化チタンの結晶の酸素サイトに入っている窒素、Nyは二酸化チタンの結晶の格子間に入っている窒素、Aは二酸化チタンの結晶にドープされた炭素、硫黄、水素等を意味する。
二酸化チタンがこのような構造をとることにより、可視光照射に対する高い光触媒活性を発揮することができるものと考えられる。
このように、Nがドープされた場合、このNは、TiO2結晶の格子間に入っている状態、すなわち、Ti−N−Oの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることが好ましい。あるいはまた、TiO2結晶中の酸素が窒素に置換され、前記ドープされたNは、TiO2結晶中の酸素の位置に入っている状態、すなわち、Ti−N−Tiの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることが好ましい。
これらの結合状態のうち、Ti−N−Tiの方が多いことがより好ましい。
図1および図2に、二酸化チタン微粒子においてドープされたNの結合状態の解析結果を示す。これらは、Arイオンを用いたスパッタエッチング後の微粒子についてXPS分析を行ったものであり、図1は本発明品、図2は従来品(Nドープ型)について示したものである。
なお、XPS分析の測定条件は、以下のとおりである。
装置 :Kratos社 AXIS‐Ultra
励起X線源 :モノクロAl‐Kα線(1486.6eV)
光電子検出角度:90°(試料表面から)
検出深さ :<10nm
帯電中和銃 :使用(低速電子を照射)
図1および図2において、1番右側のピークは、Ti−N−Tiの結合状態にあるNの濃度を表している。また、中央部分のピークは、Ti−N−Oの結合状態にあるNの濃度を表している。
なお、1番左側のピークは、NHxの形で二酸化チタン微粒子の表面に吸着されているNの濃度を表しており、Tiとの強固な結合を有しているものではない。
図1と図2との比較から明らかなように、本発明品については、二酸化チタンのOがNに置き換わったTi−N−Tiの結合状態が多く検出され、また、Ti−Oの隙間に入り込んだ状態であるTi−N−Oの結合状態も従来品よりも多く検出されている。
本発明に係る二酸化チタン微粒子は、このような結合状態を有していることから、二酸化チタンのTiとドープされたNの結合は強力であり、可視光活性型光触媒として用いた場合、安定した触媒作用を発揮することができると言える。
また、図3〜図6に、本発明に係る二酸化チタン微粒子の昇温脱離法(TPD;Temperature Programed Desorption)による各種脱離ガスのスペクトルを示す。脱離ガスは、それぞれ、図3がN2、図4がH2、図5がCO2、図6がm/e=68である成分について示したものである。
なお、TPDの測定条件は、以下のとおりである。
装置 :昇温脱離ガス分析装置(TPD,Model
:Thermo Plus TPD type V)
試料形態 :粉末試料をPtセル(直径6mm、高さ2.5mm)に充填
測定温度範囲 :40〜900℃
昇温速度 :10℃/min.
測定モードTIC(スキャン):m/e=1〜100
測定開始真空度:≦2.0×10-6Pa
図3〜図6に示したとおり、N2、H2、CO2、m/e=68である成分はいずれも、700℃以上において脱離ピークが認められる。
このように、700℃以上の高温域に観測される脱離ピークは、本発明に係る二酸化チタン微粒子の構造の一部を形成しているN、H、Cが放出されたことによるものと推測される。
すなわち、本発明に係る二酸化チタン微粒子においては、ドープされたN、H、Cは、二酸化チタンと、より強固な結合状態を有している。
なお、700℃未満の低温域においても、ピークは観測されるが、これらは、二酸化チタン微粒子の表面に吸着されたNH3、H2O等に起因するガスが放出されたものであり、実質的な粒子構造に寄与するN、H、Cによるものではない。
また、図6は、上記のようにm/e=68である成分についてのスペクトルを示したものであるが、具体的な物質名は未だ不明である。
しかしながら、図6からも明らかなように、この物質については、脱離ピーク温度が、従来品(Nドープ型)の可視光活性型光触媒粒子においては約370℃であるのに対して、本発明品においては700℃以上である。
したがって、本発明品においては、このm/e=68である成分が二酸化チタンと強固に結合しており、このことが、優れた可視光活性を示す要因となっていると考えられる。
本発明に係る二酸化チタン微粒子の粒径は、十分な光触媒活性および溶媒への分散性等の観点から、1μm以下であることが好ましく、特に、一次粒子が、長径10nm以上100nm以下の長球状であることが好ましい。前記粒子の長径は30〜40nm程度であることがより好ましい。
このような粒径範囲にある二酸化チタン微粒子は、塗料用途等にも、好適に用いることができる。
また、前記一次粒子は、短径と長径の比が1:2〜4程度であることが好ましい。
本発明に係る二酸化チタン微粒子は、可視光の照射下において、ホルムアルデヒド、イソプロパノール(IPA)等の酸化活性を示すものである。
特に、該に酸化チタン微粒子0.2gを10cm四方に均一層とした試料を容積1lのガスバッグ内に入れ、当初イソプロパノールガス濃度を1500ppm±150ppmとし、前記試料に、紫外線が遮光された蛍光灯光を、波長420nmにおける強度0.5mW/cm2で1時間照射後、生成したアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることが好ましい。
IPAは酸化されると、アセトンを生成する。さらに、酸化反応が進行すると、最終的には、二酸化炭素と水を生成する。このようなIPAの酸化反応は、光触媒活性を評価するための標準的な方法の一つとして用いられている。
一般に、二酸化チタン等の光触媒活性の評価方法としては、光触媒製品技術協議会の光触媒性能評価試験法IIb(ガスバッグB法)が用いられるが、このガスバッグB法は、紫外線照射による光触媒活性を評価するものである。
これに対して、本発明においては、可視光照射に対する光触媒活性を評価するために、上記のような独自の評価試験法を採用する。これにより、本発明に係る二酸化チタン微粒子が、可視光照射に対して優れた光触媒活性を示すものであることの明確化を図ることができる。
以下、本発明に係る二酸化チタン微粒子の上記光触媒活性の評価試験法の具体例を説明する。
まず、二酸化チタン微粒子0.2gを水に分散させて、これを10cm×10cmの石英ガラス板に塗布し、50℃で一晩乾燥させ、これを試験試料とする。
次に、この試験試料を、容積1lのテドラーバッグに入れた後、イソプロパノール(IPA)蒸気を含んだ空気を該テドラーバッグ内に1時間循環させ、二酸化チタン微粒子のガス吸着を飽和させる。
このテドラーバッグ内のIPAガス濃度およびアセトンガス濃度をガスクロマトグラフィにより測定し、IPAガス濃度が1500ppm±150ppm、アセトンガス濃度が0ppmとなるように試験ガスを調製し、この状態を可視光照射前(当初)の状態とする。
そして、前記テドラーバッグを、波長410nm以下の紫外線をカットするフィルムを装着させた蛍光灯を用いて、波長420nmにおける光強度0.5mW/cm2の光を1時間照射後、IPAガス濃度およびIPAの酸化により生成したアセトンガス濃度を測定する。
本発明に係る二酸化チタン微粒子は、このときのアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることが好ましく、これにより、優れた可視光活性を示す光触媒であることを明示することができる。
上記のような可視光の照射下におけるIPAの酸化反応の促進作用、すなわち、IPA酸化活性を示すことは、シックハウスの原因と言われているホルムアルデヒド等のアルデヒド類ガス、車の排ガスNOX等の環境汚染物質、ダイオキシン等の環境ホルモン等の人体を害する物質を分解・除去する能力を持つことを意味し、二酸化チタンとしての優れた機能が発揮されると言える。
したがって、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、可視光活性型光触媒として好適に用いることができる。
上記のような本発明に係る二酸化チタン微粒子は、二酸化チタン原料微粒子を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることができる。
このような製造方法によれば、可視光照射に対して優れた光触媒活性を示す、Nがドープされた二酸化チタン微粒子を容易かつ均質に製造することができる。
このとき、二酸化チタン原料微粒子の一次粒子は、平均粒径が10nm以下の微粒子であることが好ましい。また、この一次粒子の比表面積は、300m2/g以上であることが好ましい。
このような比表面積が大きい二酸化チタン原料微粒子を原料とすることにより、単位体積当りにNを多量にドープすることができ、しかも、得られる二酸化チタン微粒子の光触媒反応に寄与する表面積も大きくすることができる。
また、本発明に係る可視光活性型光触媒の製造方法は、二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理するものである。
このように、微粒子(粉末)を所定の形状に成形して得られた成形体や、さらに成形体を焼結させた焼結体、または、CVD等により形成した膜等を、上記二酸化チタン原料微粒子の場合と同様に熱処理することにより、種々の用途に応じて、前記成形体、焼結体または膜自体を光触媒として使用することができる。
例えば、置物、蛍光灯のかさ、タイル、パイプ、パネル等の建築・内装材等の形状に予め成形しておくことにより、屋内の有害物質の浄化やエアコンの脱臭等に容易に利用することが可能となる。
上記のような各種形状の成形体、焼結体または膜は、多孔体であることがより好ましい。多孔体であれば、光触媒の比表面積が大きくなり、より内部にまで光が侵入しやすくなるため好ましい。
上記のような多孔体として形成する方法は、種々の方法があり、通常用いられている方法を用いて差し支えないが、例えば、特開平7−187852号公報に記載されているような撹拌起泡により製造することが好ましい。このような撹拌起泡による製造方法は、気孔を制御しやすく、また、比較的製造が容易であるため、より好適な製造方法である。
上記のような二酸化チタン微粒子または可視光活性型光触媒の製造方法における熱処理温度は、500℃以上620℃以下であることが好ましい。
500℃未満または620℃を超える温度で熱処理を行った場合は、光触媒の十分な可視光活性が得られない。
上記熱処理温度は、より好ましくは、530℃以上590℃以下である。
また、上記熱処理は、二酸化チタンにNをドープさせるために、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。
前記N含有ガスとしては、N2、NH3、NO、NO2等を用いることができる。
また、還元性ガス雰囲気とするために、上記N含有ガスとH2等との混合ガスを用いてもよい。
また、二酸化チタンにC、Hもドープさせるために、N、CおよびHを含むガス雰囲気下、または、NH3ガスおよびCを含むガス雰囲気下で、熱処理を行ってよい。
前記Cを含むガスとしては、Hを含むメタン、エタン、プロパン、ブタン等の炭化水素ガスの他、一酸化炭素、二酸化炭素等が挙げられるが、特に、炭化水素ガスが好適に用いられる。
上記のようなガス雰囲気は、1種類のガスを用いてもよく、また、複数種類のガスを混合して形成してもよい。また、不活性ガスを混合しても差し支えない。
例えば、NH3ガスおよび炭化水素ガスの混合ガスを用いる場合には、炭化水素ガスは、NH3ガスよりも少ないことが好ましく、NH3ガスに対して2〜70%であることが好ましい。より好ましくは、5〜50%である。
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されるものではない。
[実施例1]
窒素3000wtppmおよび炭素150wtppmをドープしたアナターゼ型二酸化チタン微粒子(短径約10nm、長径約30nmの長球状の一次粒子)を合成した。
この二酸化チタン微粒子について、可視光に対する光触媒活性を評価した。
この可視光活性評価試験は、下記の方法により行った。
まず、上記により合成した二酸化チタン微粒子0.2gを水に分散させて、これを10cm×10cmの石英ガラス板に塗布し、50℃で一晩乾燥させ、これを試験試料とした。
次に、この試験試料を、容積1lのテドラーバッグに入れた後、イソプロパノール(IPA)蒸気を含んだ空気をテドラーバッグ内に1時間循環させ、二酸化チタン微粒子のガス吸着を飽和させて、試験ガスを調製した。
この試験ガスのIPAおよびアセトンのガス濃度をガスクロマトグラフィ(Shimadzu GC−8A、カラム:島津パックドカラムSBS−100)により測定したところ、IPAは1600ppm、アセトンは未検出(ND)であった。この状態を可視光照射前(当初)の状態とした。
そして、前記テドラーバッグを、波長410nm以下の紫外線を遮光するフィルム(富士写真フィルム株式会社製 UV Guard UGP20WL10)を装着させた蛍光灯(Toshiba FLR20S,W/M)を用いて、波長420nmにおける光強度0.5mW/cm2の光を1時間照射後、IPAガス濃度およびIPAの酸化により生成したアセトンガス濃度を測定した。
この結果を表1に示す。
なお、この二酸化チタン微粒子は、図1、図3〜6に示したような本発明品としての特性を示すものであった。
[比較例1]
市販の酸素欠乏型二酸化チタン微粒子(A社製)について、実施例1と同様にして、可視光に対する光触媒活性を評価した。
この結果を表1に示す。
[比較例2]
従来のNドープ型二酸化チタン微粒子(B社製)について、実施例1と同様にして、可視光に対する光触媒活性を評価した。
この結果を表1に示す。
Figure 2005047786
表1に示した評価結果から、窒素および炭素の2種類をドープした二酸化チタン微粒子(実施例1)は、可視光の照射によって、IPAの酸化反応により生成したアセトンガスが検出され、可視光に対する光触媒活性を示すことが認められた。
また、この本発明に係る二酸化チタン微粒子は、可視光照射1時間後に検出された生成アセトンガスの量から、酸素欠乏欠陥型の市販品(比較例1)の3倍以上、また、Nドープ型の従来品(比較例2)の約2倍もの優れた光触媒活性を示すことが認められた。
なお、上記実施例および比較例1、2の二酸化チタン微粒子を、それぞれ、180℃で1時間石英ガラス板上に焼き付けた試料について、上記と同様の可視光活性評価試験を行ったところ、実施例1については、IPA分解効果が約25%低下したが、比較例1、2については、IPA分解効果は約50%低下した。
このことから、実施例1に係る二酸化チタン粒子は、比較例1、2に比べて、高温処理した場合においても、可視光に対する光触媒活性が優れていることが認められた。
なお、光を照射しない暗条件においては、いずれの二酸化チタン微粒子についても、変化は観察されなかった。
[実施例2]
平均粒径6nmのほぼ球状の二酸化チタン原料微粒子50gを耐火性トレーに載置し、NH3ガスおよびプロパンガスの混合ガス雰囲気下、570℃で2時間熱処理して、二酸化チタン微粒子を作製した。
このとき、プロパンガスのNH3ガスに対する濃度を変化させて、プロパンガスの各濃度における光触媒活性を評価した。これらの結果を、図7にグラフとして示す。
なお、上記光触媒活性の評価は、実施例1と同様の可視光活性評価試験により行った。
図7のグラフに示したように、プロパンガスがNH3ガスに対して、0%の場合は、可視光照射に対する光触媒活性はやや劣り、2%以上においては、十分な効果が認められた。さらに、5%以上の場合には、ほぼ一定して、優れた光触媒活性が認められた。
なお、得られた二酸化チタン微粒子は、いずれも、長径が約40nmの長球状に成長しており、黄色みを帯びた粒子であった。
[実施例3]
平均粒径6nmのほぼ球状の二酸化チタン原料微粒子50gを耐火性トレーに載置し、NH3ガスおよびプロパンガス(NH3ガスに対して5%)の混合ガス雰囲気下、500〜630℃の範囲における各温度で2時間熱処理して、二酸化チタン微粒子を作製した。
そして、各熱処理温度における光触媒活性を評価した。これらの結果を、図8にグラフとして示す。
なお、上記光触媒活性の評価は、実施例1と同様の可視光活性評価試験により行った。
図8のグラフに示したように、熱処理温度が500℃以上620℃以下の場合、優れた可視光照射に対する光触媒活性が認められ、特に、530℃以上590℃以下の場合に、その効果の向上が顕著であった。
なお、540℃で熱処理して得られた二酸化チタン微粒子について分析したところ、Nが3500wtppm、Cが160wtppm含まれていた。
また、得られた二酸化チタン微粒子は、いずれも、長径が約30〜40nmの長球状に成長しており、黄色みを帯びた粒子であった。
図9〜11に、500℃、570℃、620℃の各温度で熱処理して得られた二酸化チタン微粒子のFE‐SEM写真を示す。
[実施例4]
平均粒径6μmのほぼ球状の二酸化チタン原料微粒子50gを造粒し、数μmとした。この粒子のスラリーを形成し、撹拌起泡させた後、架橋重合させて、板状の多孔体からなる成形体を作製した。
前記成形体を、NH3ガスとH2ガス(NH3ガスに対して3%)とCO2ガス(NH3ガスに対して3%)の混合ガス雰囲気下、590℃で8時間熱処理し、気孔率70%で全体に連通性(通気性)を有する多孔体からなる光触媒の板状体が得られた。
得られた光触媒の板状体について、実施例1と同様の可視光活性評価試験により、光触媒活性を評価した。
その結果、可視光照射に対する優れた光触媒活性が認められ、特に、表面からの深さ1mmまでの部分において、その効果が顕著であった。
なお、得られた光触媒の板状体について分析したところ、Nが3000wtppm、Cが10wtppm含まれていた。
[実施例5]
実施例1の二酸化チタン微粒子を水に分散させて(固形分5%)、これを27cm×90cmの障子紙に塗布し、室温乾燥させ、これを試験試料として、下記に示すようなホルムアルデヒド分解能評価を行った。
前記試験試料を容積1m3のSUS製ボックスに入れた後、ホルムアルデヒドを1.5ppm導入し、蛍光灯(Toshiba FLR20w,W/M)から10cmの位置にセットした。
蛍光灯照射時のホルムアルデヒド濃度をマルチガスモニタ(Innova 1312型)で測定した。
この測定結果を図12に示す。
[比較例3]
比較例1の二酸化チタン微粒子について、実施例5と同様にして、ホルムアルデヒド分解能評価を行った。
この測定結果を図12に示す。
図12に示したように、実施例5は、比較例3に比べて、蛍光灯照射による優れたアルデヒド分解能を有することが認められた。
このことからも、本発明に係る二酸化チタン微粒子は、屋内の蛍光灯照射による消臭作用等の応用用途が期待される。
本発明に係る二酸化チタン微粒子について、ドープされたNの結合状態についてのXPS分析結果を示したものである。 従来品の二酸化チタン微粒子について、ドープされたNの結合状態についてのXPS分析結果を示したものである。 本発明に係る二酸化チタン微粒子の昇温脱離法(TPD)によるN2のスペクトルを示したものである。 本発明に係る二酸化チタン微粒子の昇温脱離法(TPD)によるH2のスペクトルを示したものである。 本発明に係る二酸化チタン微粒子の昇温脱離法(TPD)によるCO2のスペクトルを示したものである。 本発明に係る二酸化チタン微粒子の昇温脱離法(TPD)による質量数mとイオンの電荷数eの比m/e=68である成分のスペクトルを示したものである。 実施例2におけるプロパンガスのNH3ガスに対する濃度と光触媒活性との関係を示したグラフである。 実施例3における熱処理温度と光触媒活性との関係を示したグラフである。 500℃で熱処理して得られた二酸化チタン微粒子のFE‐SEM写真である。 570℃で熱処理して得られた二酸化チタン微粒子のFE‐SEM写真である。 620℃で熱処理して得られた二酸化チタン微粒子のFE‐SEM写真である。 実施例5(実施例1)および比較例3(比較例1)における二酸化チタン微粒子のホルムアルデヒド分解能を示したものである。

Claims (20)

  1. 二酸化チタンに、C、H、N、Sから選ばれた少なくとも2種類がドープされていることを特徴とする二酸化チタン微粒子。
  2. 二酸化チタンに、C、H、Sから選ばれた少なくとも1種類およびNがドープされていることを特徴とする二酸化チタン微粒子。
  3. 二酸化チタンに、C、HおよびNがドープされていることを特徴とする二酸化チタン微粒子。
  4. 前記ドープされたNの濃度は、700wtppm以上10000wtppm以下であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  5. 前記ドープされたNは、Ti−N−OまたはTi−N−Tiの結合状態で、二酸化チタンのTiと結合していることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  6. 前記結合状態のうち、Ti−N−Tiの結合状態の方が多いことを特徴とする請求項5記載の二酸化チタン微粒子。
  7. 前記ドープされたNは、前記微粒子の昇温によりN2として脱離され、該N2脱離ピーク温度が700℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  8. 前記ドープされたHは、前記微粒子の昇温によりH2として脱離され、該H2脱離ピーク温度が700℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  9. 前記ドープされたCは、前記微粒子の昇温によりCO2として脱離され、該CO2脱離ピーク温度が700℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  10. 前記微粒子の昇温により質量数mとイオンの電荷数eの比m/eが68である成分が脱離され、該成分の脱離ピーク温度が700℃以上であることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  11. 長径10nm以上60nm以下の長球状の粒子であることを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子であって、
    該二酸化チタン粒子0.2gを10cm四方に均一層とした試料を容積1lのガスバッグ内に入れ、当イソプロパノールガス濃度を1500ppm±150ppmとし、前記試料に、紫外線が遮光された蛍光灯光を、波長420nmにおける強度0.5mW/cm2で1時間照射後、生成したアセトンガス濃度が500ppm以上となるものであることを特徴とする二酸化チタン微粒子。
  13. 可視光活性型光触媒として用いられることを特徴とする請求項1から請求項12までのいずれかに記載の二酸化チタン微粒子。
  14. 二酸化チタン原料微粒子を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする二酸化チタン微粒子の製造方法。
  15. 二酸化チタン原料微粒子を、N、CおよびHを含むガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする二酸化チタン微粒子の製造方法。
  16. 二酸化チタン原料微粒子を、NH3ガスおよびCを含むガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする二酸化チタン微粒子の製造方法。
  17. 前記二酸化チタン原料微粒子は、平均粒径10nm以下、比表面積が300m2/g以上であることを特徴とする請求項14から請求項16までのいずれかに記載の二酸化チタン粒子の製造方法。
  18. 二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、N含有ガスを含む還元性ガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする可視光活性型光触媒の製造方法。
  19. 二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、N、CおよびHを含むガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする可視光活性型光触媒の製造方法。
  20. 二酸化チタンの成形体、焼結体または膜を、NH3ガスおよびCを含むガス雰囲気下、500℃以上620℃以下で熱処理することにより得ることを特徴とする可視光活性型光触媒の製造方法。
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