JP2005046887A - 高窒素鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶湯に印加される窒素分圧を保持したまま精錬から鋳造までを容易に行う高窒素鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】鋳型が封入された鋳造用雰囲気形成容器と、ルツボが封入された溶解用雰囲気形成容器と、鋳型とルツボの内部空間同士を繋ぐとともに、ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯に対し抜き差し可能に設けられた溶湯通路用管部材と、を有した雰囲気溶解鋳造装置を用い、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯の液面から退避した状態で、溶解用雰囲気形成容器内に窒素ガスを導入して目標窒素分圧を印加する工程と、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端を該ルツボ内の溶湯に浸漬させる工程と、溶解用雰囲気形成容器内において、目標窒素分圧を維持しつつ、加圧用の不活性ガスを導入して雰囲気圧を高めることにより、ルツボ内の溶湯を、溶湯通路用管部材を経て鋳型内へ流出させることにより溶湯鋳造する工程と、をこの順で行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、高窒素鋼の製造方法に関する。
高窒素鋼は、例えばオーステナイト系やマルテンサイト系のステンレス鋼において、鋼中の窒素濃度を高めて硬度と耐食性を向上させたものである。その用途はエアシャフト、ボールベアリング、軸受鋼、工具鋼のほか生体材料など多岐にわたっている。とくに、生体材料においては、人体にとって好ましくない元素であるNiに代わる元素として窒素を含有させることで硬度と耐食性を維持できるという利点がある。このような高窒素鋼は、精錬段階で雰囲気中に窒素ガスを導入し、高い窒素分圧を溶湯に印加することによって窒素を溶解させるが、その平衡状態を保持したまま鋳造まで行わなければならず、製造が困難である(下記特許文献1、2)。
特開2000−202611号公報 特開2000−212631号公報 特公昭45−19585号公報
本発明の課題は、溶湯に印加される窒素分圧を保持したまま精錬から鋳造までを容易に行うことが可能な高窒素鋼の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の高窒素鋼の製造方法は、
鋳型が封入された鋳造用雰囲気形成容器と、ルツボが封入された溶解用雰囲気形成容器と、鋳型とルツボの内部空間同士を繋ぐとともに、ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯に対し抜き差し可能に設けられた溶湯通路用管部材と、を有した雰囲気溶解鋳造装置を用い、
溶湯通路用管部材のルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯の液面から退避した状態で、溶湯中の窒素濃度が目標とする窒素濃度となるように、溶解用雰囲気形成容器内に窒素ガスを導入して予め定められた目標窒素分圧を印加する工程と、
該目標窒素分圧を維持しつつ、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端を該ルツボ内の溶湯に浸漬させる工程と、
溶解用雰囲気形成容器内において、目標窒素分圧を維持しつつ、加圧用の不活性ガスを導入して雰囲気圧を高めることにより、ルツボ内の溶湯を、溶湯通路用管部材を経て鋳型内へ流出させることにより溶湯鋳造する工程と、
をこの順で行うことを特徴とする。
上記本発明では、高窒素鋼の製造に逆重力鋳造プロセスを用いている。逆重力鋳造プロセスとは、例えば特許文献3に示すよう、ルツボが密閉された溶解用雰囲気形成容器内と、鋳型が密閉された鋳造用雰囲気形成容器内との間に圧力差を生じさせ、溶湯通路用管部材を通じて、溶湯をルツボから鋳型へ押し上げて鋳造を行う手法である。通常、鋳型内の雰囲気を抜く、すなわち鋳型内を減圧することにより圧力差を生じさせて鋳造を行う。しかし、高窒素鋼を製造するには、鋼中の窒素濃度を制御するために精錬から鋳造までの間、溶湯に印加される窒素分圧を保持しておかなければならない。
そこで、本発明ではまず、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯の液面から退避した状態で、溶湯中の窒素濃度が目標とする窒素濃度となるように、溶解用雰囲気形成容器内に窒素ガスを導入して予め定められた目標窒素分圧を印加する。この際、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端が溶湯から退避した状態であるため、溶湯通路用管部材を介して連通した鋳造用雰囲気形成容器内も、溶解用雰囲気形成容器内と同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)とされる。
次に、目標窒素分圧を維持しつつ、溶湯通路用管部材のルツボ側の先端を該ルツボ内の溶湯に浸漬させる。これにより、溶解用雰囲気形成容器内と鋳造用雰囲気形成容器内とが空間的に分離される。この際、これらの容器内はそれぞれ、同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)のままである。
そして、溶解用雰囲気形成容器内において、目標窒素分圧を維持しつつ、加圧用の不活性ガスを導入して雰囲気圧(全圧)を高めることにより、ルツボ内の溶湯を、溶湯通路用管部材を経て鋳型内へ流出させることにより溶湯鋳造する。これにより、同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)に保たれていたそれぞれの容器内において、雰囲気圧(全圧)に差が生じ、溶湯が溶湯通路用管部材を経て鋳型内へ流出する。以上のようにして鋳造が行われるわけであるが、溶解用雰囲気形成容器内においては、溶湯と反応しない不活性ガスを導入して雰囲気圧(全圧)のみを高めているので、窒素分圧は変化せず、また一方の鋳造用雰囲気形成容器内においても、上述のとおり溶解用雰囲気形成容器内と同じ窒素分圧に保たれている。したがって、精錬から鋳造までの間、溶湯に印加される窒素分圧が保持されているため、高窒素鋼の製造を容易に行うことが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
まず、高窒素鋼を製造可能な雰囲気溶解鋳造装置について説明する。図1は、雰囲気溶解鋳造装置1の内部構造を表す概略図である。雰囲気溶解鋳造装置1は、鋳型35が封入された鋳造用雰囲気形成容器3と、ルツボ25が封入された溶解用雰囲気形成容器2と、鋳型35とルツボ25の内部空間同士を繋ぐとともに、ルツボ25側の先端41が該ルツボ25内の溶湯に対し抜き差し可能に設けられた溶湯通路用管部材4と、を有する。
溶解用雰囲気形成容器2内のルツボ25は、原料を溶解させて溶湯を製造するためのものであり、誘導コイル26が形成された誘導溶解炉として構成されている。また、溶解用雰囲気形成容器2の壁部には、容器内に雰囲気ガスを導入するための雰囲気形成手段5が設けられている。これにより、溶解用雰囲気形成容器2内(及び、それに連通された鋳造雰囲気形成容器3内)、ひいては溶湯に印加される雰囲気の成分及び分圧を制御することが可能となっている。
溶湯通路用管部材4は、鋳造用雰囲気形成容器3側に固定されるとともに、溶解用雰囲気形成容器2の壁部の貫通孔21に挿入され、かつ該貫通孔21の内面と摺動可能に構成され、当該挿入方向に溶解用雰囲気形成容器2と鋳造用雰囲気形成容器3との相対的位置が変化することにより、ルツボ25側の先端41が該ルツボ25内の溶湯に対し抜き差し可能とされている。
また、溶湯通路用管部材4は、少なくとも溶湯と接する表面(全ての内面、及び外面のうち溶湯に浸漬される部分)が耐火物にて構成されている。また、表面が耐火物で構成されていても、溶湯に浸漬され続ければ溶けてしまうことがあるので、溶湯の精錬の間、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41は、該ルツボ25内の溶湯の液面から退避した状態とされる。また、鋳造のために溶湯通路用管部材4を溶湯に浸漬する際には、両者の間に顕著な温度差が生じないように溶湯通路用管部材4も加熱する必要があるが、溶湯通路用管部材4は、溶湯の直上に位置するよう構成されているので、溶湯の精錬とともに加熱される。
なお、上記の雰囲気形成手段5は、溶解用雰囲気形成容器2のみに形成することができる。精錬の際には、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41は溶湯から退避した状態であるため、溶湯通路用管部材4を介して連通した鋳造用雰囲気形成容器3内も、溶解用雰囲気形成容器2内と同じ雰囲気とすることができる。また、鋳造の際には、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41を溶湯に浸漬させ、後述するように溶解用雰囲気形成容器2内にのみ不活性ガスを導入する。したがって、溶解用雰囲気形成容器2のみに雰囲気形成手段5を形成しておけば十分である。なお、これに限定されず、溶解用雰囲気形成容器2及び鋳造用雰囲気形成容器3のそれぞれに雰囲気形成手段5を設けても構わない。
鋳造用雰囲気形成容器3の鋳型35は、溶湯通路用管部材4の鋳型35側の先端42が固定され、溶湯通路用管部材4を通じて溶解用雰囲気形成容器2内と連通されている。また、鋳型35は、例えば、鋳造後に鋳造用雰囲気形成容器3とともに上下に分割されて、鋳塊を取り出すことができるように構成することができる。
雰囲気溶解鋳造装置1は、溶湯通路用管部材4を中心軸としたとき、該中心軸に直交する断面装置形状の大きさが、鋳造用雰囲気形成容器3と溶解用雰囲気形成容器2の間の位置にて他の領域よりも減じられてなる。すなわち、鋳造用雰囲気形成容器3と溶解用雰囲気形成容器2との間の位置でくびれを有する(例えば、溶湯通路管部材4に沿った形状で)装置形状とされている。これは例えば、砂時計形状ということができる。このように無駄な内容積を削減した形状となっているため、処理ガス(主に窒素ガス)の量を少なくでき、また装置の軽量化を図ることが可能である。
具体的には、鋳造用雰囲気形成容器3と溶解用雰囲気形成容器2は、空間を隔てて位置するとともに、当該空間には溶湯通路用管部材4の一部が露出してなる。このように空間を隔てて両容器2、3が位置するため、溶湯通路用管部材4の挿入方向に溶解用雰囲気形成容器2と鋳造用雰囲気形成容器3との相対的位置が変化することにより、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41が該ルツボ25内の溶湯に対し抜き差し可能とされている。また、溶解用雰囲気形成容器2と鋳造用雰囲気形成容器3との間の空間には、溶湯通路用管部材4の一部、例えば溶解用雰囲気形成容器2と鋳造用雰囲気形成容器3内にそれぞれ挿入されている部分以外の部分が露出している。
以上のように、溶解用雰囲気形成容器2と鋳造用雰囲気形成容器3とを別個に設けることで、それぞれの容器2、3を、その内部に封入されるもの(ルツボ25または鋳型35)を包含可能な必要最小限の形状とすることができる。すなわち、それぞれの容器2、3内において、不必要な空間を抑制することができるため、処理ガス(主に窒素ガス)の量を少なくでき、また装置の軽量化を図ることが可能となる。
次に、以上の雰囲気溶解鋳造装置1を用いた高窒素鋼の製造方法について説明する。図2は、高窒素鋼の製造工程を表す図である。
第一に、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41が該ルツボ25内の溶湯の液面から退避した状態で、溶湯中の窒素濃度が目標とする窒素濃度となるように、溶解用雰囲気形成容器2内に窒素ガスを導入して予め定められた目標窒素分圧を印加する(工程1)。この際、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41が溶湯から退避した状態であるため、溶湯通路用管部材4を介して連通した鋳造用雰囲気形成容器3内も、溶解用雰囲気形成容器2内と同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)とされる。
第二に、目標窒素分圧を維持しつつ、溶湯通路用管部材4のルツボ25側の先端41を該ルツボ25内の溶湯に浸漬させる(工程2)。これにより、溶解用雰囲気形成容器2内と鋳造用雰囲気形成容器3内とが空間的に分離される。この際、これらの容器2、3内はそれぞれ、同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)のままである。
第三に、溶解用雰囲気形成容器2内において、目標窒素分圧を維持しつつ、加圧用の不活性ガス(例えば、アルゴンガス)を導入して雰囲気圧(全圧)を高めることにより、ルツボ25内の溶湯を、溶湯通路用管部材4を経て鋳型35内へ流出させることにより溶湯鋳造する(工程3)。これにより、同じ窒素分圧及び雰囲気圧(全圧)に保たれていたそれぞれの容器2、3内において、雰囲気圧(全圧)に差が生じ、溶湯が溶湯通路用管部材4を経て鋳型35内へ流出する。以上のようにして鋳造が行われるわけであるが、溶解用雰囲気形成容器2内においては、溶湯と反応しない不活性ガスを導入して雰囲気圧(全圧)のみを高めているので、窒素分圧は変化せず、また一方の鋳造用雰囲気形成容器3内においても、上述のとおり溶解用雰囲気形成容器2内と同じ窒素分圧に保たれている。したがって、精錬から鋳造までの間、溶湯に印加される窒素分圧が保持されているため、高窒素鋼の製造を容易に行うことが可能となる。
また、溶湯への窒素の添加は、溶解用雰囲気形成容器2内における窒素ガスの導入とともに、窒素を含有した合金の装入によっても行うことができる。それにより、溶湯への雰囲気からの窒素の添加とともに、従来の高窒素鋼の製造で行なわれていた窒素を含有した合金の装入による窒素の添加を併用することで、溶湯の窒素含有量を所望のレベルに速やかに到達させることができる。
また、溶湯の目標窒素濃度は、凝固後の鋼中に溶存し得る窒素濃度以下に設定することが好ましい。溶湯時の飽和窒素濃度と比べて、凝固後の鋼の飽和窒素濃度が小さいため、溶湯に対しそれを超えた目標窒素濃度を設定した場合、凝固時に飽和窒素濃度の差に当たる量の窒素が放出されて、鋼中にブロー欠陥を生じる惧れがあるためである。
なお、1気圧の雰囲気窒素分圧と平衡する、合金鋼の溶湯中の窒素濃度は、溶鋼の温度および合金の化学成分と相関があるとされており、日本学術振興会および製鋼第19委員会より編集発行された製鋼反応の推奨平衡値を用いると、例えば、以下の(1)式;
log[N]eq=−518/T−1.063+0.046[Cr]−0.00028[Cr]2+0.02[Mn]−0.007[Ni]−0.048[Si]+0.12[O]−0.13[C]+0.011[Mo]−0.059[P]−0.007[S]…(1)
ここで、[N]eq:1気圧における平衡窒素濃度(重量%)、[ ]:溶鋼中の各元素の溶解濃度(重量%)、T:溶鋼の温度(K)
によって求めることができるとされている。
一方、大気圧下の窒素溶解濃度と圧力Pの下における窒素溶解濃度との間の関係については、いわゆる「Sievertsの法則」の法則に従い、以下の(2)式;
[N]Patm=KP1/2=[N]1atm×P1/2…(2)
ここで、[N]Patm:雰囲気窒素分圧P気圧での窒素溶解濃度(重量%)、[N]1atm:雰囲気窒素分圧1気圧での窒素溶解濃度(重量%)、P:雰囲気の窒素分圧(気圧)、K:係数
によって求めることができるとされている。
以上の関係を考慮して、溶湯に印加する窒素分圧及び溶湯の組成を決定することで高窒素鋼が製造されることになる。なお、このような高窒素鋼は様々な合金鋼に適用できる。特に効果的なのは、オーステナイト系もしくはマルテンサイト系のステンレス鋼、及びオーステナイト系もしくはマルテンサイト系の耐熱鋼、及び工具鋼(プラスチック成形用金型、高速度鋼、熱間工具鋼、冷間工具鋼)である。これは、上記(1)式によると、クロム(Cr)の溶解量の増加に伴い溶湯の平衡窒素濃度も増加するためであり、特にCrの含有量が3重量%以上の合金鋼についてその効果が顕著となる。以上により、鋼中の窒素濃度を高めて硬度と耐食性を向上させた高窒素鋼が得られる。
以下、特許文献3との対比を行う。
特許文献3の第4図では、鋳型が封入された鋳造用雰囲気形成容器と、ルツボが封入された溶解用雰囲気形成容器と、鋳型とルツボの内部空間同士を繋ぐとともに、ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯に対し抜き差し可能に設けられた溶湯通路用管部材と、を有する雰囲気溶解鋳造装置が開示されている。しかし、そもそも高窒素鋼の製造を目的としていないため、両容器が同じ雰囲気圧に保たれた状態から、鋳造用雰囲気形成容器内の雰囲気圧を減ずることによって溶湯を鋳型に流出させる構成であり、本発明のように、両容器が同じ雰囲気圧に保たれた状態から、溶解用雰囲気形成容器内に不活性ガス分圧を導入し、雰囲気圧(全圧)を高めて、溶湯を鋳型に流出させることによって、溶湯に印加される窒素分圧を保持した状態で精錬から鋳造までを行う思想については何ら開示されていない。
また、溶湯通路管部材の大半が溶解用雰囲気形成容器内に存在しているため、溶解用雰囲気形成容器内において、ルツボ上かつ溶湯通路管部材周囲が無駄な空間となっており、本発明のように、鋳造用雰囲気形成容器と溶解用雰囲気形成容器との間の装置形状を減ずることによって不必要な空間を削減していない。したがって、容器の内容積が大きくなってしまい、必要とされる処理ガス(主に窒素ガス)量や充填時間が粗大なものとなり、製造の能率及びコストに無駄が多いものと推測される。
雰囲気溶解鋳造装置1の内部構造を表す概略図 高窒素鋼の製造工程を表す図
符号の説明
1 雰囲気溶解鋳造装置
2 溶解用雰囲気形成容器
21 管通孔
25 ルツボ
26 誘導コイル
3 鋳造用雰囲気形成容器
35 鋳型
4 溶湯通路用管部材
5 雰囲気形成手段

Claims (4)

  1. 鋳型が封入された鋳造用雰囲気形成容器と、ルツボが封入された溶解用雰囲気形成容器と、前記鋳型と前記ルツボの内部空間同士を繋ぐとともに、前記ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯に対し抜き差し可能に設けられた溶湯通路用管部材と、を有した雰囲気溶解鋳造装置を用い、
    前記溶湯通路用管部材の前記ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯の液面から退避した状態で、溶湯中の窒素濃度が目標とする窒素濃度となるように、前記溶解用雰囲気形成容器内に窒素ガスを導入して予め定められた目標窒素分圧を印加する工程と、
    該目標窒素分圧を維持しつつ、前記溶湯通路用管部材の前記ルツボ側の先端を該ルツボ内の溶湯に浸漬させる工程と、
    前記溶解用雰囲気形成容器内において、前記目標窒素分圧を維持しつつ、加圧用の不活性ガスを導入して雰囲気圧を高めることにより、前記ルツボ内の溶湯を、前記溶湯通路用管部材を経て前記鋳型内へ流出させることにより溶湯鋳造する工程と、
    をこの順で行うことを特徴とする高窒素鋼の製造方法。
  2. 前記溶湯通路用管部材は、前記鋳造用雰囲気形成容器側に固定されるとともに、前記溶解用雰囲気形成容器の壁部の貫通孔に挿入され、かつ該貫通孔の内面と摺動可能に構成され、
    当該挿入方向に前記溶解用雰囲気形成容器と前記鋳造用雰囲気形成容器との相対的位置が変化することにより、前記ルツボ側の先端が該ルツボ内の溶湯に対し抜き差し可能とされることを特徴とする請求項1に記載の高窒素鋼の製造方法。
  3. 前記溶湯への窒素の添加は、前記溶解用雰囲気形成容器内における窒素ガスの導入とともに、窒素を含有した合金の装入によっても行われることを特徴とする請求項1または2に記載の高窒素鋼の製造方法。
  4. 溶湯の前記目標窒素濃度は、凝固後の鋼中に溶存し得る窒素濃度以下に設定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の高窒素鋼の製造方法。
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