JP2002036033A - 金属構造体内面の被覆方法 - Google Patents

金属構造体内面の被覆方法

Info

Publication number
JP2002036033A
JP2002036033A JP2000230974A JP2000230974A JP2002036033A JP 2002036033 A JP2002036033 A JP 2002036033A JP 2000230974 A JP2000230974 A JP 2000230974A JP 2000230974 A JP2000230974 A JP 2000230974A JP 2002036033 A JP2002036033 A JP 2002036033A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating
layer
cylinder
diameter
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000230974A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Kanehara
茂 金原
Naoki Nishimura
直毅 西村
Toshinao Kojima
利尚 小嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP2000230974A priority Critical patent/JP2002036033A/ja
Publication of JP2002036033A publication Critical patent/JP2002036033A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 とくに小径、長尺の貫通孔に耐摩耗性に優れ
た被覆層を簡単な工程で、低コストに形成する。 【解決手段】 貫通孔に対応する表面形状を有する芯金
1の表面に被覆材よりなる層を形成し、この芯金1を貫
通孔に焼きばめしたのち、芯金1を除去する工程を含む
被覆方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属構造体内面の被
覆方法に関し、さらに詳しくは、特に小径のプラスチッ
ク射出成形機用シリンダなどの内面の耐磨耗性を向上す
るための被覆方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチック材料の開発はめざま
しいものがあり、様々な形状に成形されて広範囲な用途
に供されている。かかるプラスチックの成形法の1つに
射出成形法があり、射出成形機用シリンダから溶融プラ
スチックが高圧で様々な形状の金型へ注入される。
【0003】ところで、一般に工業用プラスチック材料
はその強度を高めるために、ガラス繊維、グラファイト
繊維、炭素繊維などの強化材が多量に添加されているた
め、上記のシリンダ内面には耐食性はもちろんのこと、
高い耐摩耗性が要求される。そのため、シリンダの内面
に耐食性と耐摩耗性を併せ持つ合金よりなる被覆層を形
成することが一般に行われている。その場合の被覆層の
形成方法としては、内周面への肉盛溶接法、プラズマ粉
末溶接(Plasma powder welding、PPWと略記す
る)法、熱間静水圧加圧(Hot isostatic pressing、
HIPと略記する)処理法などが従来から適用される。
なかでも、PPW法は合金の凝固組織が緻密であり、耐
摩耗性に優れた高品質な被覆層を形成することができる
ため重用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、射出成形機
用シリンダにはφ100〜150mm程度の大径のもの
から、φ40mm以下の小径のものまで、成形するもの
の大きさにより様々な種類があり、例えばPPW法で被
覆層を形成する場合、大径のものはPPW法の適用に支
障はないが、小径のものはプラズマトーチが挿入できな
いため、PPW法が適用できないという問題がある。
【0005】そこで、PPW法に代えてHIP法を使用
することも考えられるが、HIP法は装置が不可避的に
大型化し、コストが増大するため、とくに小ロットの製
造には適当ではないという問題がある。したがって、本
発明は上記の従来の問題を解決し、貫通孔を有する金属
構造体、とりわけ、小径、長尺のシリンダの内面に高品
質な被覆層を低コストで形成する方法を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明によれば、貫通孔を有する金属構造体の前
記貫通孔内面を被覆材で被覆する方法であって、前記貫
通孔に対応する表面形状を有する芯金表面に前記被覆材
よりなる層を形成し、この芯金を前記貫通孔に焼きばめ
したのち、前記芯金を除去する工程を含むものが提供さ
れる。
【0007】本発明は、貫通孔を有する金属構造体が管
状構造体、とくに、プラスチック射出成形機用シリンダ
である場合に有用である。また、本発明において、芯金
表面に被覆材よりなる層を形成する工程は、プラズマ粉
末溶接法が好適である。さらに、本発明において、金属
構造体は非調質鋼よりなるものであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1を参照しつつ本発明の
金属構造体の内面被覆方法について説明する。ここで
は、一例としてプラスチック射出成形機用シリンダの内
面に耐摩耗性を有する合金よりなる被覆層を形成する場
合について述べる。まず、図1(a)のように後述する
シリンダの貫通孔に焼きばめするための芯金1を用意す
る。芯金1は図1(a)のように管状でもよいが、中実
の棒状体であってもよい。
【0009】芯金の構成材料としてはとくに限定される
ものではないが、例えば、炭素鋼,合金鋼,ステンレス
鋼などを使用することができる。ついで、芯金1の外周
面に被覆材よりなる層2を形成する。この層2は最終的
にシリンダの内面の被覆層となるものであり、その構成
材料としては耐食性と耐磨耗性を併せ持つものであれば
よく、具体的には、UCF625、NMCrなどのNi
基合金、ステライトNo6相当、ステライトNo12相
当などのCo基合金ならびにこれらの合金に炭化物、窒
化物、酸化物の粉末を添加したものなどをあげることが
できる。
【0010】この被覆材よりなる層2を形成する方法と
しては、通常の溶接法、PPW法などを適用することが
できるが、とくにPPW法は肉盛層の凝固組織が非常に
緻密で耐摩耗性に優れるという点で好ましい。以下にP
PW法について説明する。PPW法は、特開平7−24
1683号公報、特開平7―256459号公報、特開
平10−30869号公報、特開平10−156582
号公報などに開示されている溶接法であって、母材の表
面にプラズマトーチを対向配置し、対象とする溶接箇所
にシールドガスを流しながらプラズマアーク柱を発生さ
せ、そのプラズマアーク柱の中に、形成すべき溶着層の
材料組成を構成する各成分の粉末を溶加材として送給し
ながらアーク焦点位置で溶融し、その溶滴を母材の表面
に順次溶着させることにより所定の厚みの溶着層を形成
する方法である。
【0011】このPPW法の利点は以下のような利点を
備えている。すなわち、 (1)まず、ピンポイントに絞られた高温のアーク焦点
位置で溶加材と母材との溶接が進むのでその箇所では送
給された溶加材は完全に溶融し、その溶滴で順次溶着層
が形成されていくことになる。そのため、形成可能な溶
着層の厚みは0.1〜5mm程度にまで制御可能であ
り、しかも形成された溶着層に気孔は発生せず、また組
成も均一なソリッド状になっている。その結果、非常に
緻密な凝固組織が得られるのである。 (2)さらに、送給する溶加材における各成分粉末の量
を精密に制御することができるので、形成される溶着層
の組成を精密にコントロールすることが可能である。
【0012】ついで、被覆材よりなる層2の外周面を研
削したのち、図1(b)に示すようにシリンダとなる外
管3に焼きばめする。このとき、上記の被覆材よりなる
層2が形成された芯金1の外径がシリンダ外管3の内径
よりもわずかに、具体的には0.1〜0.3mm程度大
きくなるように設定しておく。具体的には、外管3を加
熱し、熱膨張によりその内径を拡径した状態で芯金を内
嵌し、その後外管3を自然冷却させる。外管3はその内
径がもとの寸法まで縮径するが、芯金の外径はその内径
より若干大径になっているので、外管3の内壁は芯金の
外層2と強固に密着する。このときの外管3の加熱温度
はその構成材料の種類に応じて適宜設定することが好ま
しく、通常は、500〜650℃程度である。
【0013】このようなシリンダ外管3の構成材料とし
てはとくに限定されるものではなく、溶融プラスチック
材料に対して十分な耐熱性を有するものであればよい。
とくに、S45C,S40Cに微量のバナジウムを含む
非調質鋼は好ましいものである。非調質鋼は空気焼き入
れ性、すなわち、空冷過程で焼きが入るという性質に優
れているため、芯金1を焼きばめした後の空冷時に焼入
れされて強度も向上するからである。このような非調質
鋼を使用する場合の焼きばめの温度は800〜950℃
程度に設定することが好ましい。
【0014】つづいて、芯金1を研削など機械的手段に
より除去したのち、被覆材層2の内径加工を行って、図
1(c)に示すように内面に被覆層2’を有するシリン
ダ3’を得る。このように芯金の外周に被覆層を形成し
た状態で外管に焼きばめすることにより、小径、長尺の
シリンダ内面にも、例えばPPW法により耐摩耗性に優
れた緻密な被覆層を簡単な工程で形成することが可能と
なる。
【0015】
【実施例】実施例1 図1〜3に示した工程により、S45VC(組成C0.
45重量%、Si0.25重量%、Mn0.75重量
%、V0.1重量%、残部Fe)よりなり、内径φ2
3.0mm、外径φ60.0mmの外管3の内面に被覆
を行った。すなわち、まずSUS304よりなり、外径
φ14mm、厚み4mm、長さ650mmの管状の芯金
1の外周面にPPW法によりKV10(炭化バナジウム
10%含有ステライト)の肉盛層2を形成し、外周面を
研削加工して外管の内径より0.12mm大きい径(2
3.12mm)にした。
【0016】ついで、外管3の内面が酸化しないように
Arガスを通しながら850℃に加熱した後、肉盛層2
を有する芯金1を挿入し、空冷した。しかるのち、管状
芯金1を機械加工により除去して、内面に被覆層2’を
有するシリンダ3’を得た。上記のようにして得られた
シリンダを、ガラス繊維を40%含むPPS(ポリフェ
ニレンサルファイド)樹脂製品の射出成形に使用したと
ころ、従来のKV10 HIP製のシリンダ対比で1.
3倍の寿命を得た。
【0017】実施例2 被覆層の材質をKV15(炭化バナジウム15%含有ス
テライト)としたことを除いては上記実施例1と同様に
して内面に被覆層を有するシリンダを作製し、同様に寿
命を調べたところHIP製シリンダ対比で1.2〜1.
5倍の寿命であった。
【0018】比較例1 なお、HIPの場合、製造コストは上記実施例1,2に
比べて約1.3倍であった。以上の結果からも明らかな
ように、本発明の被覆方法によれば、小径でかつ長尺の
シリンダ内面への被覆を簡便に行うことが可能で、しか
も耐摩耗性に優れた被覆層を形成することができる。そ
れに加えて、従来のHIP法と比較して低コストで被覆
を行うことができ経済的にも極めて有用である。
【0019】なお、上記の実施例においては金属構造物
としてプラスチック射出成形機用シリンダを対象とした
が、金属構造物の形状はこのような管状のものに限定さ
れるものではなく、貫通孔を有するものであれば、例え
ば、直方体、球体など、どのようなものであっても本発
明を適用することが可能である。
【0020】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の金属構造体内面の被覆方法によれば、簡便な工程で
内面に高性能な被覆層を形成することができ、とくに、
通常の肉盛溶接が適用できないような小径、長尺の貫通
孔を有する構造体に適用することが可能であるため、そ
の工業的価値は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の被覆方法をプラスチック射出成形機用
シリンダの内面被覆に適用した場合の各工程を示す概念
図である。
【符号の説明】
1 芯金 2 被覆材よりなる層(PPW肉盛層) 2’ 被覆層 3 外管 3’ シリンダ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貫通孔を有する金属構造体の前記貫通孔
    内面を被覆材で被覆する方法であって、前記貫通孔に対
    応する表面形状を有する芯金表面に前記被覆材よりなる
    層を形成し、この芯金を前記貫通孔に焼きばめしたの
    ち、前記芯金を除去する工程を含むことを特徴とする金
    属構造体内面の被覆方法。
  2. 【請求項2】 前記管状構造体がプラスチック射出成形
    機用シリンダである請求項1に記載の被覆方法。
  3. 【請求項3】 前記芯金表面に被覆材よりなる層を形成
    する工程がプラズマ粉末溶接法によるものである請求項
    1または2に記載の被覆方法。
  4. 【請求項4】 前記金属構造体が非調質鋼よりなる請求
    項1〜3のいずれかに記載の被覆方法。
JP2000230974A 2000-07-31 2000-07-31 金属構造体内面の被覆方法 Pending JP2002036033A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000230974A JP2002036033A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 金属構造体内面の被覆方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000230974A JP2002036033A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 金属構造体内面の被覆方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002036033A true JP2002036033A (ja) 2002-02-05

Family

ID=18723866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000230974A Pending JP2002036033A (ja) 2000-07-31 2000-07-31 金属構造体内面の被覆方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002036033A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10206169B4 (de) * 2002-02-14 2004-01-29 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Plastifizierzylinders mit Innenbeschichtung
CN103433702A (zh) * 2013-08-15 2013-12-11 中国兵器工业第五二研究所 液力挤压试验设备中超高压缸体制作方法
CN110102976A (zh) * 2019-04-30 2019-08-09 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种gkk005套筒加工工艺
CN110153648A (zh) * 2019-04-30 2019-08-23 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种配重铁件加工工艺
CN110153647A (zh) * 2019-04-30 2019-08-23 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种gkk010套筒加工工艺

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10206169B4 (de) * 2002-02-14 2004-01-29 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Verfahren zum Herstellen eines Plastifizierzylinders mit Innenbeschichtung
US6997235B2 (en) 2002-02-14 2006-02-14 Krauss-Maffei Kunststofftechnik Gmbh Plasticizing barrel lined on the inside with a coating, and method of making such a plasticizing barrel
CN103433702A (zh) * 2013-08-15 2013-12-11 中国兵器工业第五二研究所 液力挤压试验设备中超高压缸体制作方法
CN110102976A (zh) * 2019-04-30 2019-08-09 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种gkk005套筒加工工艺
CN110153648A (zh) * 2019-04-30 2019-08-23 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种配重铁件加工工艺
CN110153647A (zh) * 2019-04-30 2019-08-23 海盐猛凌汽车配件有限公司 一种gkk010套筒加工工艺

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6596963B2 (en) Production and use of welding filler metal
JP5445712B1 (ja) ダイカストスリーブの再生方法及び再生されたダイカストスリーブ
EP0511318B1 (en) Plasma spraying of rapidly solidified aluminum base alloys
JP5143344B2 (ja) 粉末の射出成形により溶加材溶接棒を製造する方法
JP2006342430A (ja) 複合的焼結物品を製造する方法及び構造体
EP2595791B1 (en) Mold half with metal-matrix composite at feature areas, and its method of production
JP2002036033A (ja) 金属構造体内面の被覆方法
GB2353295A (en) Making spray-formed articles using a polymeric mandrel
US5160690A (en) Process for using a high pressure injection molding cylinder
JP2001047235A (ja) プラスチック成形機用の中空部材及びその製造方法
JP2002210358A (ja) プラスチック、金属粉末、セラミック粉末又は食品の処理装置用ハウジング
EP1230180B1 (en) A coated mould and process for producing the mould
JP6560549B2 (ja) 積層管及びその製造方法
JP3017794B2 (ja) 耐食耐摩耗性焼結合金からなるライニング層を有する複合シリンダ
JP2001200931A (ja) 複合合金スリーブを含むプラスチック成型用加熱シリンダ
JP2002283030A (ja) 軽合金射出成形機用部材
JPH0438829B2 (ja)
EP0588128A1 (en) Process of hot forging at ultrahigh temperature
EP0513238B1 (en) Arc spraying of rapidly solidified aluminum base alloys
CN107312977B (zh) 水冷滑轨的送粉式激光3d打印制作方法及水冷滑轨
JP2001342530A (ja) Ni基耐食耐摩耗合金及びその原料粉末並びにこの合金を用いた射出、押出成形機用又はダイカストマシン用の構成部材
JPH03264607A (ja) 射出、押出成形機用複合シリンダ、スクリュウの製造方法
JP2004066240A (ja) 軽合金射出成形機用シリンダ
JP3888686B2 (ja) ガラスビン製造用金型
Sikka et al. Structural applications for general use