JP2005046885A - 狭フランジ幅h形鋼のユニバーサル圧延方法 - Google Patents

狭フランジ幅h形鋼のユニバーサル圧延方法 Download PDF

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【課題】 狭フランジ幅H形鋼を安定して製造することを可能にした狭フランジ幅H形鋼の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】素材鋼片を略H形状に圧延して粗形鋼片とした後に、ユニバーサル圧延機によりウェブ厚とフランジ厚を圧下し、エッジャ圧延機によりフランジ幅を圧下して狭フランジ幅H形鋼を圧延するに際し、ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長及びウェブとフランジの総圧下ひずみを以下の範囲とすることを特徴とするユニバーサル圧延方法。
0.4≦HEini/HEp≦1.0
1.0≦ln(twini/twp) /ln(tfini/tfp)≦1.1
ここで、HEini,tfini,twiniはそれぞれユニバーサル圧延の開始時における粗形鋼片の断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚、また、HEp,tfp,twpは、それぞれ狭フランジ幅H形鋼の製品断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フランジ幅がウェブ高さに対して1/4より小さい寸法である狭フランジ幅H形鋼のユニバーサル圧延方法に関し、特に、そのユニバーサル圧延の圧下設定方法に関する。
H形鋼等のフランジを有する形鋼は、一般にブレークダウン圧延機、ユニバーサル圧延機、エッジャ圧延機を有する圧延ラインで製造される。加熱炉から出た素材鋼片は、まず2重式の圧延機であるブレークダウン圧延機BDによって、目的とする製品寸法に適する形状に圧延される。続いて粗ユニバーサル圧延機Uとエッジャ圧延機Eからなる粗ユニバーサル圧延機群において厚みを減じられるとともにフランジ端部の成形が行われる。さらに、仕上ユニバーサル圧延機Fによってフランジが直角に成形され、H形の製品となる。
従来のH形鋼はフランジ幅がウェブ高さの1/3以上という寸法比率が一般的であり、特にウェブ高さが500mm以上の大断面H形鋼では、ウェブ高さの1/4よりも小さいフランジ幅を有するH形鋼は製品例が極めて少ない。近年、2枚の条材を溶接してT形鋼とし、大型船の船体の補強材として使用する例が増えている。このような造船用途のT形鋼は、補強材として必要な断面性能を得るため、フランジ幅に対してウェブ高さが2倍〜5倍程度の細長い断面形状が適している。2枚の条材を溶接する方法では、それぞれの条材の板幅を任意に選ぶことにより、ウェブ高さとフランジ幅の比率は幅広く変更することが可能である。
ところが、溶接により製造したT形鋼では、溶接部分に接合不良が生じる場合があり、補強材として使用する場合の信頼性が劣っていた。また、溶接部の表面に凹凸があり、滑らかな表面となっていないため、応力集中の恐れがあった。さらに、溶接で鋼材に加わる熱が材質に悪影響を及ぼすことから、材質の劣化が懸念される場合があった。
一方、圧延で製造されるH形鋼をウェブ中央で切断してT形鋼を製造する場合には、H形鋼のフランジ幅に対するウェブ高さが通常は3倍以下であることから、一般的なH形鋼では船体補強材として望ましいT形鋼を得ることができなかった。これに対して、例えば特開2002−301501号公報(特許文献1)には、(ウェブ高さ/フランジ幅)≧4.0(T形鋼のウェブ高さ/フランジ幅が2.0〜3.5)のI形鋼を製造し、このI形鋼を長手方向に2分割してT形鋼を得る技術が開示されている。
特開2002−301501号公報
上記の特開2002−301501号公報(特許文献1)においては、ユニバーサル圧延機を用いて(ウェブ高さ/フランジ幅)≧4.0のI形鋼を製造するものであるが、ユニバーサル圧延の条件としては、上下左右のガイドにより、反りと曲がりを防止することが記載されているものの、このようなウェブ高さがフランジ幅に対して大きな形鋼をユニバーサル圧延するためのウェブとフランジの圧下条件については何ら開示されていない。圧延においてパスごとの圧下条件を適切に選定することは極めて重要であるにもかかわらず、上記の従来技術(特許文献1)ではそのような方法が開示されていなかった。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、狭フランジ幅H形鋼を安定して製造することを可能にした狭フランジ幅H形鋼の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、フランジとウェブが一体で製造されたフランジ幅がウェブ高さの1/2よりも小さいT形鋼の素材となる、フランジ幅がウェブ高さの1/4より小さい狭フランジ幅H形鋼をユニバーサル圧延で効率よく製造する方法を開発するため、数値計算やモデル圧延機を用いた多数の圧延実験、さらには実機による圧延試験を行い種々の検討を重ねた結果、以下のような特徴を有する本発明の圧延方法を発明するに至った。
本発明に係るユニバーサル圧延方法は、素材鋼片を略H形状に圧延して粗形鋼片とした後に、ユニバーサル圧延機によりウェブ厚及びフランジ厚を圧下し、エッジャ圧延機によりフランジ幅を圧下して狭フランジ幅H形鋼を圧延するに際し、ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長及びウェブとフランジの総圧下ひずみを以下の範囲とするものである。
0.4≦HEini/HEp≦1.0
1.0≦ln(twini/twp) /ln(tfini/tfp)≦1.1
ここで、HEini,tfini,twiniはそれぞれユニバーサル圧延の開始時における粗形鋼片の断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚、また、HEp,tfp,twpは、それぞれ狭フランジ幅H形鋼の製品断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚である。また、好ましくは、各ユニバーサル圧延パスの圧下バランス(λf−λw)の適正範囲を次式の範囲とする。
-0.02≦λf−λw≦0.02
本発明においては、ユニバーサル圧延でのウェブとフランジの圧下量を上式の範囲としたことにより、フランジ幅がウェブ高さの1/4以下である狭フランジ幅H形鋼を安定して製造することが可能になっている。
図1は本発明の実施形態に係る狭フランジ幅H型鋼のユニバーサル圧延方法が適用された形鋼圧延設備の一例を示す全体構成図である。加熱炉10から出た素材鋼片は、2重式のブレークダウン圧延機(BDミル)11によって、目的とする狭フランジ幅H形鋼の製品寸法に適する略H断面形状の粗形鋼片(図6参照)に圧延される。続いて粗ユニバーサル圧延機(U)12とエッジャ圧延機(E)13からなる粗ユニバーサル圧延機群(Rミル)14においてフランジに傾斜をつけた状態での圧延が行われ、厚みを減じられるとともにフランジ端部の成形が行われる。さらに、仕上ユニバーサル圧延機(Fミル)16によってフランジが直角に成形されてH形の断面形状となり、冷却床17に送り出される。
図4は本実施形態が対象としている狭フランジ幅H形鋼の断面形状の一例を示した図であり、図5は図4の狭フランジ幅H形鋼を切断して製造されるT形鋼の一例を示した図である。図4に示されるように、フランジ幅Bがウェブ高さHの1/4より小さいことから、非常に横長のH形鋼となっている。この狭フランジ幅H形鋼のウェブ中央を長手方向に切断することにより、図5に例示されるようなT形鋼を容易に製造することができる。
発明者らは、上記の工程において粗形鋼片から製品形状を作りこむユニバーサル圧延の工程に着目し、狭フランジ幅H形鋼に適した圧延条件を調査・検討した。その結果、狭フランジ幅H形鋼のユニバーサル圧延においては、従来のH形鋼に比べて2倍程度の非常に大きなフランジ幅広がりが生じるという知見を得た。
図2は実験により得られたフランジ幅広がりの結果を示した特性図である。縦軸のフランジ幅広がりは以下の式で定義されるフランジ幅広がりひずみλBとしている。
λB=ln(B1/B0) …(式1)
ここで、B0:ユニバーサル圧延前のフランジ幅、
1:ユニバーサル圧延後のフランジ幅
である。横軸はフランジとウェブの板厚圧下条件の違いを示すパラメータである圧下バランスとした。圧下バランスλf−λwは以下の式で定義する。
λf−λw=ln(tf0/tf1)−ln(tw0/tw1) …(式2)
ここで、tf0:ユニバーサル圧延前のフランジ厚、
tf1:ユニバーサル圧延後のフランジ厚、
tw0:ユニバーサル圧延前のウェブ厚、
tw1:ユニバーサル圧延後のウェブ厚
である。
図2の特性図には従来のH形鋼として、H600mm(ウェブ高さ)×300mm(フランジ幅)、狭フランジ幅H形鋼としてH600mm(ウェブ高さ)×125mm(フランジ幅)についての結果がプロットされている。フランジ幅の狭いH600×125で、圧下バランスの変化に対してフランジ幅広がりひずみが大きく変化しており、両者の関係を直線近似した場合の傾きは約0.58と、H600×300の2倍程度になっている。また、圧下バランスが0のY軸に対する切片も狭フランジ幅H形鋼の方がやや大きい。以上のことから、同じ圧下バランスで圧延した場合、狭フランジ幅H形鋼は従来寸法のH形鋼に対し2倍以上のフランジ幅広がりが生じることがわかる。
狭フランジ幅H形鋼では、フランジ幅広がりが大きい場合には、次に述べるような問題が生じる。ユニバーサル圧延ではフランジ幅が変化しなくても、圧延後にウェブ厚が減少していることから、フランジ先端とウェブ表面との距離であるフランジ脚長HEはウェブ厚減少量の半分だけ増加する。さらにユニバーサル圧延で大きな幅広がりが発生した場合には、(ウェブ厚減少量+幅広がり量)/2のフランジ脚長増加量となる。ユニバーサル圧延機に隣接して設置されているエッジャ圧延機13は、フランジ幅の圧下を行う役目を持っている。ユニバーサル圧延でのフランジ脚長増加量をエッジャ圧延で圧下しなければ、フランジ幅はパスごとに大きくなって目標寸法を達成することができないから、ユニバーサル圧延でフランジ幅広がりが大きい場合にはエッジャ圧延でのフランジ幅圧下量も大きくならざるを得ない。
図3(A)(B)はフランジ幅広がりが大きいときのエッジャ圧延とユニバーサル圧延の状況を示した図である。エッジャ圧延で圧下された部分の断面積は、図3(A)に示されるように、ほとんどがフランジ厚の増加となって現れる。すると、次のユニバーサル圧延では、、図3(B)に示されるように、目標とするフランジ厚を得るためにフランジ厚の圧下を大きくしなければならず、圧下バランスが大きくなってフランジが大きな幅広がりとなるという悪循環に陥る。このようにして、エッジャ圧延及びユニバーサル圧延ともにフランジの圧下が大きくなることから、圧延ロールの摩耗が大きくなるとともに、圧延材の表面疵の発生や圧延動力の増大を招き、製造コストの増加や品質の低下などの問題が生じる。
このような狭フランジ幅H形鋼特有のユニバーサル圧延での問題を解決するため、本発明者らはユニバーサル圧延のウェブとフランジの圧下条件を適正化することを目的とした検討を行い、ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長及びウェブとフランジの総圧下量を以下の範囲とすることにより、フランジ幅の過剰な広がりを抑制して寸法精度の良好な製品が圧延できることを見出した。
0.4≦HEini/HEp≦1.0 …(式3)
1.0≦ln(twini/twp) /ln(tfini/tfp)≦1.1 …(式4)
ここで、HEini,tfini,twiniはそれぞれ図6に示される粗造形圧延終了後でユニバーサル圧延の開始時における粗形鋼片の断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚である。また、HEp,tfp,twpは、それぞれ図4に示される狭フランジ幅H形鋼の断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚である。
ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長を製品のフランジ脚長以下とする理由は、フランジ幅広がりが大きいというユニバーサル圧延での特性を見込んで、予め圧延開始時のフランジ幅を小さくしておくことにより、エッジャ圧延でのフランジ幅圧下を小さくし、過剰なフランジ幅広がりを抑えるためである。ただし、ユニバーサル圧延開始時のフランジ幅は極端に小さくすることはできず、製品が寸法公差を満たす最低限のフランジ幅を得るためには、ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長を製品フランジ脚長の0.4倍以上とする必要がある。また、ユニバーサル圧延開始時にフランジ脚長が小さい場合には、フランジ部分が水平ロール間に噛み込みロールを破損する危険性が高まるため、望ましくはユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長は製品脚長の0.7倍以上とすべきである。
ユニバーサル圧延開始時のウェブとフランジの総圧下量の関係を(式4)のように規定する理由は次の通りである。図2の特性図から、フランジ幅広がりを抑制するためには、圧下バランス(λf−λw)を小さくすればよいことが分かる。そこで、ユニバーサル圧延におけるウェブの総圧下ひずみであるln(twini/twp)をフランジの総圧下ひずみであるln(tfini/tfp)よりも大きくすることにより、ユニバーサル圧延工程における圧下バランス(λf−λw)を平均的に0以下とすることができる。圧下バランスが0以下であればフランジ幅はほとんど増加しないか、逆に減少することから、フランジ幅広がりを抑制しつつユニバーサル圧延を行い、目標とするフランジ厚、フランジ幅の製品を精度よく製造することができる。なお、ウェブの総圧下ひずみがフランジの総圧下ひずみに対して大きすぎる場合には、フランジ幅の不足などの寸法不良が発生することから、ln(twini/twp)はln(tfini/tfp)の1.1倍以下とすることが望ましい。
また、さらに詳細なユニバーサル圧延条件を決定するため、本発明者らは各パスにおけるユニバーサル圧延のフランジとウェブの圧下のバランスを適正化する方法を検討した。すなわちフランジ幅がウェブ高さの1/4より小さい狭フランジ幅H形鋼では、各ユニバーサル圧延パスの圧下バランス(λf−λw)の適正範囲は以下の式で表すことができることを種々の実験の結果から導き出した。
-0.02≦λf−λw≦0.02 …(式5)
圧下バランスが0.02より大きい範囲では、ユニバーサル圧延における幅広がりがプラスとなり、幅広がりが大きくなるので好ましくない。また、圧下バランスが−0.02よりも小さい場合には、逆にフランジ幅が小さくなりすぎてエッジャ圧延でフランジ幅の圧下ができなくなるという問題が生じる。
以上の圧下バランスの範囲での圧延は、フランジが比較的厚いユニバーサル圧延工程の初期から中期にかけて、特に厳密に守る必要がある。一方、フランジの厚みが薄くなったユニバーサル圧延工程の後期では、フランジ幅の圧下によるフランジ厚増加の効果が小さくなるため、通常のH形鋼に準じる圧下バランスの範囲でも圧延が可能である。このような知見から、圧下バランスの範囲を限定する必要があるのは、ユニバーサル圧延工程の前半であることが分かった。但し、本実施形態では、ユニバーサル圧延開始時の圧延材のフランジ脚長HEは製品のフランジ脚長よりも小さくする場合があり、ユニバーサル圧延初期にエッジャ圧延でフランジ幅圧下が行われない場合がある。このような場合にはフランジ幅広がりを抑制する必要性が低いことから、圧下バランスの範囲を限定するパスはユニバーサル圧延工程のエッジャによるフランジ幅圧下開始パス以降から中間パスまでの間とすればよい。
ところで、フランジ幅がウェブ高さの1/10より小さいH形鋼は、粗及びユニバーサル圧延で被圧延材がロールに対して左右にずれた状態で圧延する可能性が高く、被圧延材のねじれ、などの形状不良やフランジ部を水平ロール間で圧延してロール損傷が発生するおそれがあるため、現実的には量産が不可能である。このようなことから、本実施形態においては、フランジ幅がウェブ高さに対して1/4〜1/10の寸法の狭フランジH形鋼を対象としている。
(実施例1)
本発明の実施例1として、図1に示される形鋼の製造設備を用いて狭フランジ幅H形鋼を製造した。ここで、目標とする製品の寸法はウェブ高さ600mm、フランジ幅125mm、フランジ脚長56.5mm、ウェブ厚は12mm、フランジ厚は18mmであった。フランジ幅はウェブ高さの1/4.8である。素材は長方形断面の連続鋳造スラブとし、その断面寸法は幅900mm、厚さ250mmとした。このスラブを複数の孔型で11パス圧延し、略H形状の粗形鋼片とした後、引き続き粗ユニバーサル圧延機とエッジャ圧延機により合計15パス圧延し、最後に仕上ユニバーサル圧延機で1パスの圧延を行った。このとき、粗形鋼片の状態でのフランジ脚長は表1の条件番号(1)に示す寸法であり51mm、フランジ厚120mm、ウェブ厚88mmであった。したがってユニバーサル圧延工程におけるフランジの総圧下ひずみは1.90、ウェブの総圧下ひずみは1.99であり、(式3)及び(式4)の条件を満足していた。以上のような条件で圧延を行った結果、目標とする厚みとフランジ幅及びウェブ高さの狭フランジ幅H形鋼を製造することができた。
(実施例2)
次に、本発明の実施例2として、素材寸法のフランジ脚長を47mmとするよう、粗造形圧延のパススケジュールと孔型形状を変更し、その他の寸法は表1の条件番号(2)の粗形鋼片として(式3)及び(式4)を満たす条件でユニバーサル圧延を行った。このとき、ユニバーサル圧延の各パスでの圧下バランスλf−λwはほぼ0となるようにし、(式5)をも満たす条件で圧延を行った。以上の条件で目標とする断面寸法の製品が得られた。
また、条件番号(2)の圧延と同様の粗形鋼片寸法において、ユニバーサル圧延全16パスの前半途中の5パス目において圧下バランスを0.04として圧延を行った。その結果、続く5パス目のエッジャ圧延において入り側フランジ幅が大きかったために圧下量が過大となり、エッジャ圧延の荷重が増加するとともにフランジが外側に倒れる現象が生じ、圧延が不安定になった。このような場合には、製品のフランジ幅が圧延方向で変動し、寸法精度が悪化する可能性があることから、各ユニバーサル圧延パスにおいては(式5)の範囲となるよう圧下バランスを設定することが望ましいことがわかった。
さらに、粗形鋼片の寸法を表1の(3)及び(4)に示す値とした本発明の別の条件でも圧延を行った。条件番号(3)はフランジ脚長を製品の0.43倍とし、また総圧下ひずみの比を1.01とした場合であり、圧延後の製品はフランジ幅が目標よりも1.9mm小さかったものの、±2.5mmの寸法公差内であった。条件番号(4)はフランジ脚長を製品の0.97倍、総圧下ひずみの比を1.09とした場合であり、圧延後の製品はフランジ幅が目標よりも1.8mm大きかったが、表1の(3)と同様に寸法公差内であった。
(比較例)
一方、比較例として、表1の(5)〜(8)に示すような圧延条件でユニバーサル圧延を実施した。条件番号(5)、(6)は、粗ユニバーサル圧延開始前のフランジ脚長が(式3)の条件を満たしておらず、また条件番号(7)、(8)は(式4)の条件を満たしていなかった。これらの条件で圧延を行ったところ、いずれも製品寸法が目標通りに圧延できないという結果が得られた。例えば、条件番号(5)及び(7)の場合には、粗ユニバーサル圧延を進めるにつれてフランジ脚長が増大するとともに、エッジャ圧延でのフランジ幅圧下量が大きくなり、エッジャ圧延後のフランジ厚も大きくなった。このため、次の粗ユニバーサル圧延パスでフランジの圧下率が実質的に大きくなり、圧延が不安定になった。また,狭フランジ幅H形鋼の仕上り寸法を測定したところ,目標よりもフランジ幅が3mm大きくなっており、製品の寸法公差を外れてしまっていることがわかった。これは、圧延でフランジ幅広がりが大きいことに加え、フランジが薄くなる圧延後期においてフランジが外側に倒れることによりフランジ脚長が増加したためと考えられる。
また、条件番号(6)及び(8)では、圧延した狭フランジ幅H形鋼の製品形状を調べたところ、フランジ先端の角部に約3mmの幅の肉落ちがあり、断面形状不良となっていた。フランジの総圧下率をウェブに対して小さくしすぎたために、フランジ幅広がりが過小となり、エッジャでのフランジ先端圧下が不足したものと考えられる。
Figure 2005046885
以上のことから、本発明のユニバーサル圧延方法によれば、製品寸法を目標とする値に精度よく仕上げることが可能であることがわかった。
本発明の実施に供する形鋼熱間圧延設備の一例を示す全体構成図である。 圧下バランスとフランジ幅広がりの関係を示す図である。 フランジ幅広がりが大きいときのエッジャ圧延とユニバーサル圧延の状況を示す図である。 本発明の狭フランジ幅H形鋼の断面形状の一例を示した図である。 本発明の狭フランジ幅H形鋼を切断して製造されるT形鋼の断面形状の一例を示した図である。 本発明のユニバーサル圧延法に用いられるユニバーサル圧延の開始時における粗形鋼片の断面形状の一例を示した図である。
符号の説明
10:加熱炉、12:粗ユニバーサル圧延機、13:エッジャ圧延機、14:粗ユニバーサル圧延機群、16:仕上ユニバーサル圧延機、17:冷却床。


Claims (1)

  1. 素材鋼片を略H形状に圧延して粗形鋼片とした後に、ユニバーサル圧延機によりウェブ厚及びフランジ厚を圧下し、エッジャ圧延機によりフランジ幅を圧下して狭フランジ幅H形鋼を圧延するに際し、ユニバーサル圧延開始時のフランジ脚長及びウェブとフランジの総圧下ひずみを以下の範囲とすることを特徴とするユニバーサル圧延方法。
    0.4≦HEini/HEp≦1.0
    1.0≦ln(twini/twp) /ln(tfini/tfp)≦1.1
    ここで、HEini,tfini,twiniはそれぞれユニバーサル圧延の開始時における粗形鋼片の断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚、また、HEp,tfp,twpは、それぞれ狭フランジ幅H形鋼の製品断面におけるフランジ脚長、フランジ厚、ウェブ厚である。
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