JP2005046657A - 廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】水溶性切削油などの難生物分解性の物質を含む廃水を効率よく生物処理することができ、且つ廃水処理にかかるランニングコストを大幅に削減する優れた廃水処理方法を提供する。
【解決手段】廃水処理システム10において、水溶性切削油含有廃水は減圧蒸留器14で減圧蒸留処理されて蒸留凝縮水と濃縮液に分離される。凝縮蒸留水は生物処理槽22及び固液分離槽24で生物処理される。一方、濃縮液は酸処理槽16でpH3〜7の範囲で酸処理されて濃縮液中のエマルジョンを分解して油分の分離を促進する。そして、遠心分離機20で50°C以上、39200〜147000m/s で遠心分離処理することにより油分が効率よく分離される。分離された油分はボイラー18へ供給され、燃料として使用される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は廃水処理方法に係り、特に、自動車、機械加工、金属加工等の工場において水溶性切削油の廃水を生物処理する廃水処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、機械加工、金属加工等の工場では、水溶性切削油の廃水が排出される。この廃水はノルマルヘキサン(n−Hex)抽出物質が数千〜数万mg/Lと高濃度であり、一般的にはエマルジョン油分が乳化した状態で水と混合している。エマルジョン油分は非常に分離しにくい物質であるため、水溶性切削油の廃水から油分を完全に除去することは困難である。一方で、油分の除去が不完全な廃水を放流すると環境への影響が大きいという問題があるため、例えばノルマルヘキサン抽出物質の下水放流基準は5mg/L(鉱物油) に規制されている。
【0003】
そこで、従来は水溶性切削油の廃水をまず硫酸や塩酸などの鉱酸によって強酸性領域にpH調整し、これを静置することによってエマルジョンを分解している。そして、エマルジョンを分解した廃水にPACや塩化鉄等の凝集剤を添加することにより、凝集処理を行って油分を分離している。油分を分離した処理水は生物学的に処理することによって、ノルマルヘキサン抽出物質、BOD、CODが除去される。
【0004】
又、特許文献1では、廃水を最初に遠心分離することによって不安定エマルジョンを分離除去し、これを限外濾過することによって廃水中の油分を分離するエマルジョン廃油の処理方法が開示されている。これにより、薬剤を使用せずに処理を行うことができる。
【0005】
【特許文献1】
特開昭61−254208号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来法では、油分を効果的に凝集させるために、酸処理時の廃水をpH3未満の強酸領域に調整し、エマルジョンを十分に分解しなければならない。このため、pH調整剤である鉱酸の使用量が非常に多くなるという問題があった。又、凝集処理後の廃水を後段の生物処理設備に直接導入すると、強酸である廃水が微生物に悪影響を及ぼすため、多量のアルカリ剤によって中和処理し、更に処理後の廃水を多量の水で希釈しなければならなかった。
【0007】
更に、従来法では廃水中の油分を凝集処理によって完全に除去できないという問題があり、分離処理後の廃水にノルマルヘキサン抽出物質が数百〜数千mg/L残留するという不具合があった。廃水中の油分は生物分解されにくい鉱油が大部分であるため、ノルマルヘキサン抽出物質の残留する廃水を生物処理設備に導入すると、鉱油が多量に生物処理設備に導入されることになり、生物処理が不安定になる上、分離、回収される油分の回収率が30〜50%であり、非常に低いという問題があった。
【0008】
一方、特許文献1のエマルジョン廃油の処理方法では、限外濾過で油分を分離するため、膜面が徐々に目詰まりして処理性能が低下するという問題があった。このため、処理を停止して膜面を定期的に洗浄しなければならず、廃水処理を連続して行うことができないという欠点があった。
【0009】
加えて、水溶性切削油には切削油中に添加されている防錆剤として含まれる有機アミン系物質や界面活性剤などの難分解性の物質が存在している。これら難分解性の物質は生物処理を不安定化させる要因である。従って、これら難分解性の物質を処理するには、難分解性の物質の分解能に特化した微生物(以後、特殊菌と称す)を用いた生物処理を行うか、廃水をそのまま廃棄処理しなければならず、処理にかかる時間及びコストが増大するという問題があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、水溶性切削油などの難生物分解性の物質を含む廃水を効率よく生物処理することができ、且つ廃水処理にかかるランニングコストを大幅に削減する優れた廃水処理方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、エマルジョンの油分を含む廃水を処理する廃水処理方法において、前記廃水を減圧下で蒸留する減圧蒸留処理することによって、蒸留凝縮水と濃縮液とに分離し、前記濃縮液を酸処理することによって、前記エマルジョンを分解し、該エマルジョンを分解した濃縮液を遠心分離処理することによって前記油分を分離することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項1によれば、廃水を減圧蒸留処理することにより、比較的小さい熱量で効果的に蒸留を行うことができる。減圧蒸留処理により、蒸留凝縮水と、濃縮液とに分離することができる。蒸留凝縮水は油分及び有機アミン系物質などの難分解性の物質が極めて少ないので、そのまま生物処理することができる。一方、濃縮液は濃縮されているため油分の濃度が高く、後処理において油分を効率よく分離できる。この濃縮液を酸処理することにより、高温化で酸処理されるためエマルジョンを効率よく分解できるとともに、濃縮液からの油分の分離を更に促進させることができる。そして、酸処理された濃縮液を遠心分離処理することにより、純度の高い油分を連続して高い回収率で分離して回収することができる。
【0013】
このように減圧蒸留処理、酸処理、及び遠心分離処理を組み合わせて順次行うことにより、油分の分離効率及び回収率の高い廃水処理を行うことができる。又、廃水に含まれる油分、有機アミン系物質、界面活性剤などの生物分解を阻害する難分解性の物質は減圧蒸留処理により濃縮液中に濃縮されるので、遠心分離処理後で行われる特殊菌による生物処理や廃棄処理する量を大幅に低減できる。更に、廃水中の塩の一部は減圧蒸留処理により蒸留凝縮水へ移行するため、濃縮液に対する酸処理で使用される鉱酸の量を減少させることができる。従って、生物処理において難分解性の廃水に対して効率よく処理を行うことができ、且つ廃水処理全体にかかるランニングコストを大幅に削減することができる。
【0014】
本発明の請求項2は、請求項1の減圧蒸留処理によって分離された濃縮液に対してpH3〜7の範囲で酸処理を行い、酸処理された濃縮液に対して、その液温が50°C以上であり、且つ遠心力加速度が39200〜147000m/s の範囲で遠心分離処理を行うことを特徴とする。
【0015】
減圧蒸留処理によって分離された濃縮液は減圧下ですでに沸騰した状態で、そのまま遠心分離処理まで供給される段階で50°C以上の液温を保持しているため、遠心分離処理を行う際に濃縮液の加温にかかるコストを大幅に抑えることができる。又、酸処理及び遠心分離処理を上記の範囲で行うので、廃水から純度の高い油分を高い回収率で回収することができる。更に、酸処理時の廃水のpHを3以上にしたことによって、酸処理後の設備を耐酸仕様にする必要がなくなるため、設備コストを低減することができる。
【0016】
本発明の請求項3は、請求項1又は2の遠心分離処理で分離された油分は、前記減圧蒸留処理の熱源の燃料として使用されることを特徴とする。
【0017】
本発明の廃水処理方法では、遠心分離処理により発熱量の高い油分を分離することができる。そこで、遠心分離処理により分離された油分を減圧蒸留処理に使用されるボイラー等の熱源の燃料として用いることにより、熱源にかかるランニングコストを大幅に低減できるとともに、油分の廃棄処理にかかる処理コストをも削減することができるので、廃水処理全体にかかるランニングコストを効果的に低減することができる。
【0018】
本発明の請求項4は、請求項1〜3の何れか1の遠心分離処理で分離された水分を減圧蒸留処理に返送するとともに、前記蒸留凝縮水を生物処理することを特徴とする。
【0019】
本発明において、廃水中に含まれている有機アミン系物質や界面活性剤などの難分解性の物質は、減圧蒸留処理により濃縮液に残留して蒸留凝縮水にはほとんど存在しないため、蒸留凝縮水は希釈などを行わなくても生物処理で効率よく分解・処理できる。又、遠心分離処理で分離された水分は減圧蒸留処理に循環させるので、廃水に含まれる水分のほとんどが蒸留凝縮水として分離することができる。これにより、廃棄処理や特殊菌による生物処理を行わざるを得なかった水分量が顕著に減少するので、そのための処理のための設備スペース、設備コスト及びランニングコストを大幅に削減することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って本発明に係る廃水処理方法の好ましい実施の形態について詳説する。
【0021】
図1は、本発明に係る廃水処理方法を実施する廃水処理システムの構成図の一例である。図1に示すように、廃水処理システム10は、機械加工工場などから排出される水溶性切削油の廃水を処理する設備であり、主として受槽12、減圧蒸留器14、酸処理槽16、ボイラー18、遠心分離機20、生物処理槽22、固液分離槽24で構成される。
【0022】
水溶性切削油の廃水はまず、受槽12に導入される。受槽12の内部にはスクリーン30が設けられており、このスクリーン30によって廃水中の比較的大きな固形物、例えば金属の切削屑などが捕集される。そして、スクリーン30を通過した廃水は、減圧蒸留器14に導入される。
【0023】
減圧蒸留器14では廃水を減圧下で加熱することにより、廃水が濃縮されて濃縮液が生成されるとともに、揮発した成分は冷却器34で冷却されて蒸留凝縮水となり、生物処理槽22へ流入する。減圧蒸留器14の加熱を行う熱源として、ボイラー18が設けられる。ボイラー18では供給される重油などの燃料を燃焼して、発生したスチームなどを循環させて減圧蒸留器14へ必要な熱を供給する。
【0024】
生物処理槽22に流入した蒸留凝縮水は、底部に設けられた曝気管42からエアを曝気することにより、生物処理槽22の内部にある活性汚泥と混合して生物処理により有機成分や窒素などを除去した後、固液分離槽24で混合した活性汚泥を分離してから、上澄を処理水として放出する。固液分離槽24で分離された活性汚泥は、生物処理槽22へ返送されるか余剰汚泥として廃棄される。
【0025】
一方、濃縮水は油分が最大20vol%まで濃縮され、酸処理槽16へ導入される。酸処理槽16には、硫酸などの鉱酸を添加する鉱酸添加手段が設けられ、鉱酸添加手段から鉱酸を濃縮液に添加することによって、濃縮液がpH3〜7、好ましくはpH4〜6、より好ましくはpH4〜5の酸性領域に調整される。又、酸処理槽16には攪拌翼32が設けられており、濃縮液はこの攪拌翼32によって攪拌されながら酸処理槽16に5分以上滞留する。こうして濃縮液が酸処理され遠心分離機20へ導入される。
【0026】
遠心分離機20に導入された酸処理後の濃縮液は、連続的に遠心力を付与することにより、複数の相に効率よく遠心分離処理される。遠心分離処理は、高遠心力を付与することにより、水分、油分、及びスラッジ(固形分)の3相に効率よく分離できるものが好ましく、例えばディスク型を用いられる。ディスク型の遠心分離機20とは、本体36の内部に円錐型のディスク38が1mm以下のスパンで複数枚、積み重ねられており、このディスク38が高速で回転するようになっている。又、本体36には図示しない供給口が設けられており、この供給口から酸処理後の濃縮液が導入される。導入された酸処理後の濃縮液は、ディスク38が回転することによって39200〜147000m/s (4000〜15000G)、好ましくは58800〜117600m/s (6000〜12000G)の遠心力加速度が付与される。これにより、酸処理水の水分、油分、スラッジが比重の違いによって分離される。
【0027】
分離された油分は図示しない油分回収口から常時引き抜かれて、燃料と混合されてからボイラー18へと供給されて燃焼される。又、スラッジは、酸処理後の濃縮液の供給圧を定期的に上昇させて図示しないスライド板を下降させることによって、図示しないスラッジ回収口から引き抜かれて回収される。一方、水分は、図示しない水分回収口から常時引き抜かれて、その90%を減圧蒸留器の前段へ返送して廃水処理を循環させ、残りは廃棄されるか、特殊菌による生物処理が行われる。尚、遠心分離機20の構成は、上述したものに限定されず、例えばディスク38に貫通孔を形成して油分と水分の分離効率を高めた構成であってもよく、水分と油分の分離のみを行う構成であってもよい。
【0028】
次に、上記の如く構成された廃水処理システム10の作用について説明する。
【0029】
廃水処理システム10において、減圧蒸留器14で減圧蒸留処理することにより、廃水は濃縮液及び蒸留凝縮水に分離される。濃縮液は含有する水分が揮発して油分濃度が高くなっているので、後処理で油分を分離し易くすることができる。一方、蒸留凝縮水は揮発した成分であるため、油分、有機アミン系物質、及び金属類が極めて少ないので、前処理を行わずにそのまま生物処理槽22及び固液分離槽24に流入させても効率よく生物処理することができる。又、減圧蒸留器14では減圧下なので比較的小さい熱量で蒸留できるため、減圧蒸留器14の加熱にかかるランニングコストを低減できる。
【0030】
更に、減圧蒸留処理では濃縮液は高温のまま導出されるため、遠心分離機20へ流入する段階まで50°C以上の液温を保つことは容易であり、濃縮液の加温及び加熱にかかるコストを大幅に抑えることができる。
【0031】
次に、酸処理槽16では減圧蒸留器14によって加熱された濃縮液が流入して高温化で酸処理されるため、濃縮液中のエマルジョンを効果的に分解することができるとともに、濃縮液中の油分の分離を促進させることができる。又、pH3〜7の範囲という比較的弱い酸性領域で酸処理を行っても、次の遠心分離機20で油分を確実に分離することができるので、酸処理での硫酸の使用量を減少できる上、下流に設けられた部材や装置などに対する酸による劣化を防止できる。更に、減圧蒸留処理で廃水中の塩の一部が蒸留凝縮水へ移行するため、濃縮液中の塩濃度が低くなるので、酸処理の際に濃縮液中の塩によって添加した酸が消費される量が少なくてすみ、硫酸の使用量を従来の酸処理よりも20%程度も低減できる。これらのことから、廃水を減圧蒸留処理した後に酸処理を行うことにより、濃縮液に対して酸処理を効率よく行えるとともに、酸処理にかかるランニングコストを更に低減できる。
【0032】
こうして酸処理によりpH3〜7の範囲に調整された濃縮液を、遠心分離機20で50°C以上、39200〜147000m/s の範囲で遠心分離処理することにより、廃水全体の油分の90%以上という高い回収率で回収できる。回収された油分は含水率が1%未満の極めて純度の高い油分であり、重油を100%としたときに90%以上の発熱量を有している。そこで、回収された油分を重油などの燃料と混合させて、ボイラー18で燃焼させることにより、油分を廃棄処理する必要がなくなる上、減圧蒸留器14の熱源として再利用できるので、廃水処理全体のランニングコストを大幅に削減することができる。
【0033】
一方、遠心分離機20で分離回収された水分には、有機アミン系物質及び界面活性剤などの難分解性物質が高濃度に濃縮されているため、分離された水分に対して特殊菌による生物処理を行うか、廃棄処分する必要が生じる。そこで、分離された水分の90%を減圧蒸留器の前段に返送して、濃縮液の油分が20vol%以下になるまで濃縮することにより、遠心分離処理により分離された水分量を廃水全体の0.035〜0.35%までに低減できるので、水分の処理又は処分にかかるランニングコストを大幅に削減できる。
【0034】
ところで、遠心分離機20において濃縮液のSS成分はスラッジとして分離されるが、濃縮液のSS濃度が10vol%を超えてしまうと、遠心分離機20において分離されるスラッジ量が多くなるとともに、濃縮液中のSS成分をスラッジとして分離し難くなる。そこで、減圧蒸留処理における濃縮液中のSS濃度を10vol%以下になるようにするか、又は酸処理槽16と遠心分離機20の間に液体サイクロンやノズルセパレータなどの固液分離手段を設けるかすればよい。固液分離手段を設けることにより、濃縮液中のSS成分がある程度固液分離されるので、遠心分離機20でのスラッジの問題を解消することができる。
【0035】
このように、減圧蒸留処理、酸処理、及び遠心分離処理を組み合わせて廃水処理を行うことにより、生物処理を阻害する有機アミン系物質や界面活性剤などの難分解性物質を濃縮液に濃縮でき、且つ濃縮液から高い回収率で回収した油分を熱源の燃料として再利用できるので、極めて効率のよい廃水処理をコストをかけずに行うことができる。又、本発明では凝集処理が不要となるので、凝集汚泥が発生しないため、凝集汚泥の処理及びpH調整などランニングコストを削減できるとともに、廃水処理能力を更に向上させることができる。
【0036】
本願発明者は、本発明法及び従来法を用いて廃水処理を行い、処理後の有機性窒素量を調査した。従来法とは、酸処理及び凝集処理によって廃水処理を行う方法である。又、有機性窒素とは、主に防錆剤として切削油剤に含まれる有機アミン系物質であり、生物処理において生分解性を阻害する原因物質であると考えられている。図2は、本発明法及び従来法で処理された処理水(蒸留凝縮水及び凝集処理水)に含まれる全窒素中の有機性窒素の割合を示したグラフである。尚、グラフにおける黒帯は有機性窒素の濃度を示し、白帯はアンモニア性窒素の濃度を示している。
【0037】
図2に示すように、従来法による処理水(凝集処理水)は廃水中に含まれる窒素成分はほとんど除去されておらず、有機性窒素が全窒素中の約50%を占めていた。これを生物処理するためには5倍以上の希釈が必要であった。
【0038】
これに対して本発明では、有機性窒素は蒸発せずに大部分が濃縮液に残留するため、処理水(蒸留凝縮水)に流出される有機アミン系物質は廃水全体の15%程度であった。
【0039】
これらのことから、本発明を用いて廃水処理を行うことにより、従来法では除去できなかった有機性窒素をも除去した処理水(蒸留凝縮水)を得ることができるので、希釈せずにそのまま生物処理で効率的に処理することができる。
【0040】
又、本願発明者は、本発明法を用いて廃水処理を行い、分離された油分の調査を行った。廃水としてノルマルヘキサン抽出物質が2300mg/Lの割合で含有するものを60L使用し、回収油分として約140mlの油分を回収することができた。表1は、本発明法によって分離された油分の分析値を示している。尚、水分の%は回収油分量全体における水分量の割合を示している。
【0041】
【表1】
Figure 2005046657
【0042】
表1から分かるように、回収油分は水分量が少なく、総発熱量及び実発熱量は高い値を示した。
【0043】
このように、本発明を用いて廃水処理を行うことにより、純度の高い油分を得ることができるため、そのまま熱源の燃料として用いることができる。
【0044】
尚、上述した廃水処理システム10において、各部材及び装置の個数、形状、材質等は特に限定するものではない。
【0045】
廃水処理システム10において、スクリーン30を備えた受槽12が設けられていたが、特に限定するものではない。廃水中に大きな鉄屑等が少なければ直接減圧蒸留器14へ導入させてもよいし、大きい鉄屑等が多く存在する場合には固液分離を行う固液分離手段を設けてもよい。
【0046】
又、減圧蒸留器14の熱源としてスチームを用いたボイラー18を設けたが、特に限定するものではない。各装置毎に直接加熱する熱源を設けてもよいし、発電設備を設けて電気による加熱を行ってもよい。
【0047】
更に、本発明において、遠心分離機20での濃縮液の液温を50°C以上に保つことができないのであれば、酸処理槽16から遠心分離機20までの間に、前述した温度範囲に濃縮液を加熱・保温する加温手段を設ければよい。この際、加温手段の熱源としてボイラー18を用いることが好ましい。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る廃水処理方法によれば、減圧蒸留処理、酸処理、及び遠心分離処理を組み合わせて順次行うことにより、油分の分離効率及び回収率の高いので、熱源の燃料として油分を再利用することができる。又、廃水に含まれる有機アミン系物質、界面活性剤などの生物分解を阻害する難分解性の物質は減圧蒸留処理により濃縮液中に濃縮されるので、遠心分離処理後で行われる特殊菌による生物処理や廃棄処理する量を大幅に低減できる。更に、減圧蒸留処理により廃水中の塩の一部が減圧凝縮水側へ移行するため、酸処理で使用される鉱酸の量を減少させることができる。従って、生物処理において難分解性の廃水に対して効率よく処理を行うことができ、且つ廃水処理全体にかかるランニングコストを大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃水処理方法を実施する廃水処理システムの概略構成図
【図2】本発明法及び従来法で処理された処理水に含まれる全窒素中の有機性窒素の割合を示したグラフ
【符号の説明】10…廃水処理システム、12…受槽、14…減圧蒸留器、16…酸処理槽、18…ボイラー、20…遠心分離機、22…生物処理槽、24…固液分離槽、30…スクリーン、32…攪拌翼、34…冷却器、36…本体、38…ディスク、42…曝気管

Claims (4)

  1. エマルジョンの油分を含む廃水を処理する廃水処理方法において、
    前記廃水を減圧下で蒸留する減圧蒸留処理することによって、蒸留凝縮水と濃縮液とに分離し、
    前記濃縮液を酸処理することによって、前記エマルジョンを分解し、
    該エマルジョンを分解した濃縮液を遠心分離処理することによって前記油分を分離することを特徴とする廃水処理方法。
  2. 前記減圧蒸留処理によって分離された濃縮液に対してpH3〜7の範囲で酸処理を行い、
    酸処理された濃縮液に対して、その液温が50°C以上であり、且つ遠心力加速度が39200〜147000m/s の範囲で遠心分離処理を行うことを特徴とする請求項1の廃水処理方法。
  3. 前記遠心分離処理で分離された油分は、前記減圧蒸留処理の熱源の燃料として使用されることを特徴とする請求項1又は2の廃水処理方法。
  4. 前記遠心分離処理で分離された水分を減圧蒸留処理に返送するとともに、前記蒸留凝縮水を生物処理することを特徴とする請求項1〜3の何れか1の廃水処理方法。
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