JP2005046233A - 電子内視鏡装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動レンズの移動軌跡の異なる複数の変倍動作モードを設定し、観察対象や使用目的等に応じて選択した最適な変倍動作を実現する。
【解決手段】例えば、主にピント合せの役目をする第1可動レンズ25と、主に変倍の役目をする第2可動レンズ26を設け、これらの可動レンズ25,26のそれぞれに対し複数の移動軌跡を設定すると共に、これらの移動軌跡を組み合わせて変倍機能の操作モード、例えば速い第1変位量モードa、遅い第2変位量モードb、画質優先モードcを設定する。これらの操作モードa〜cは、選択スイッチ42で選択され、マイコン43の移動軌跡制御部43Cで実行される。
【選択図】 図1
【解決手段】例えば、主にピント合せの役目をする第1可動レンズ25と、主に変倍の役目をする第2可動レンズ26を設け、これらの可動レンズ25,26のそれぞれに対し複数の移動軌跡を設定すると共に、これらの移動軌跡を組み合わせて変倍機能の操作モード、例えば速い第1変位量モードa、遅い第2変位量モードb、画質優先モードcを設定する。これらの操作モードa〜cは、選択スイッチ42で選択され、マイコン43の移動軌跡制御部43Cで実行される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡装置、特に対物光学系に設けられた可動レンズによって光学的に拡大した被観察体像を撮像する電子内視鏡装置の変倍機能に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡装置は、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)等を電子内視鏡(電子スコープ)の先端部に搭載し、光源装置からの光を照明することにより被観察体内を撮像し、またこの電子内視鏡で得られたCCDの撮像信号をプロセッサ装置へ出力し、このプロセッサ装置で映像処理を施すことにより、被観察体の映像をモニタへ表示するものである。
【0003】
このような電子内視鏡装置では、特開2001−100114号公報の対物レンズ移動機構付き内視鏡等に示されるように、撮影像を光学的に拡大(変倍機能又はズーム機能)することが行われる。図4には、上記公報の内視鏡先端部の構成が示されており、図示されるように、内視鏡先端部1の支持部2の先端面には、観察窓レンズ3が設けられ、この観察窓レンズ3の光路の後側に、プリズム4、カバーガラス5を介して固体撮像素子であるCCD6が配置される。このCCD6は、回路基板7を介して信号線8に接続されており、この信号線8を介してCCD6で撮像された信号はプロセッサ装置へ供給される。
【0004】
上記観察窓レンズ3とプリズム4との間には、対物光学系を構成する第1可動レンズ10及び第2可動レンズ11が配置され、この第1可動レンズ10の保持枠12と第2可動レンズ11の保持枠13は、その係合孔12Aと13Aが円柱状のカム軸14の外周に嵌合することにより、当該カム軸14に取り付けられる。また、上記の係合孔12Aにはカムピン16、係合孔13Aにはカムピン17が突出形成され、一方のカム軸14には、その軸線に対して傾斜角度の異なるカム溝18,19が形成されており、このカム溝18に上記カムピン16、カム溝19に上記カムピン17が係合することになる。
【0005】
そして、上記カム軸14には、モータ20の軸20Zが取り付けられる。従って、モータ20の回転制御によってカム軸14を回転させれば、カム溝18,19とカムピン16,17の係合によって第1可動レンズ10、第2可動レンズ11が光軸方向に前後移動(異なる量の移動)し、これによって光学的変倍(拡大)等が行われる。このような拡大映像は、病変の質的診断や癌の進行度診断等、臨床上の評価に有用となる。
【0006】
また、近年では、特開2001−269306号公報に示されるように、2つの可動レンズを駆動制御し、変倍動作と共に像面湾曲特性を変化させることも提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−100114号公報
【特許文献2】
特開2001−269306号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子内視鏡装置は各種の消化器官を観察対象とし、またその使用目的、状況も様々であり、上述した光学的変倍機能の操作においては、標準距離(遠距離)から至近距離への変倍動作(焦点合わせ)を良好な画質の下に順次行うだけでなく、標準距離(遠距離)から至近距離、又はその逆の方向へ操作する変倍動作の途中において、変倍のスピードを急速にした方がよい場合、逆にゆっくりと変化させた方がよい場合がある。
【0009】
しかしながら、図4で説明したレンズ移動機構でも理解されるように、カム軸のカム溝の傾斜角度で可動レンズの移動軌跡(カムカーブ)が一律に決まることになり、従来では、電子内視鏡装置の観察対象や使用目的又は術者等に応じて変倍動作を任意に変えることはできなかった。
【0010】
また、画質評価の一つの要素として、MTF(Modulation Transfer Function)があり、このMTFは上記カムカーブを変えることによって変化する。しかし、従来では一つのカムカーブが設定されることから、MTFを変えた変倍動作をすることはできなかった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動レンズの移動軌跡の異なる複数の変倍動作モードを設定し、観察対象や使用目的等に応じて選択した最適な変倍動作を実現することができる電子内視鏡装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、対物光学系を用いて結像させた被観察体像を固体撮像素子にて撮像する電子内視鏡装置において、上記対物光学系に組み込まれ、変倍機能を行うために光軸方向に移動可能となる可動レンズと、変倍機能に関連し設定された各種の操作モードに対応して上記の可動レンズを複数の移動軌跡で駆動する駆動手段と、選択された操作モードとなるように上記駆動手段を介して上記可動レンズの移動軌跡を制御するレンズ移動軌跡制御部と、を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、変倍機能とピント合わせ機能を行うための複数の可動レンズを設け、この複数の可動レンズには複数の移動軌跡を設定し、上記レンズ移動軌跡制御部では、変倍機能の各種操作モードに対応して上記複数の可動レンズの移動軌跡を制御することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、例えば2つの可動レンズのそれぞれに対し2つの移動軌跡(従来のカムカーブに対応するもの)を設定し、この4つの移動軌跡の組合せによって、例えばMTFが最良となる画質優先モード、倍率変位量(スピード)が速い第1変位量モードと遅い第2変位量モードの3種類の操作モードを設定する。そして、これらの操作モードのいずれかを選択した後、変倍操作を行うと、移動軌跡制御部により選択された操作モードで可動レンズが移動制御されることになり、使用状況に応じた変倍動作で拡大映像の表示と観察が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1には、実施例に係る電子内視鏡装置の構成が示されており、この図1の内視鏡先端部22には、図4の構成と同様に観察窓レンズ24の後側に、対物光学系を構成する第1可動レンズ(又は群)25及び第2可動レンズ(又は群)26が配置され、この第2可動レンズ26の後側に、カバーガラス等を介して固体撮像素子であるCCD27が配置される。このCCD27で撮像された信号は、回路基板及び信号線を介してプロセッサ装置へ供給される。
【0015】
そして、上記第1可動レンズ25と第2可動レンズ26は、それぞれのアクチュエータ28Aと28Bに取り付けられており、これらのアクチュエータ28A,28Bとしては、圧電アクチュエータ、静電アクチュエータ等のリニアアクチュエータ等が用いられる。これらアクチュエータ28A,28Bによって上記第1及び第2の可動レンズ25,26が光軸方向に相対的に前後移動することになり、第1可動レンズ25は主にオートフォーカス(ピント合せ)の役目をし、第2可動レンズ26は光学的変倍(焦点距離可変)の役目をするように構成される。
【0016】
また、当該装置には、上述したCCD27を駆動するためのタイミングジェネレータ(TG)30、このCCD27の出力信号を入力して相関二重サンプリング動作と自動利得制御をするCDS(相関二重サンプリング)/AGC(自動利得制御)回路31が設けられ、このCDS/AGC回路31の後段には、A/D変換器32、各種の映像処理を施すためのDSP(デジタル信号プロセッサ)33、1フレームの映像データを記憶する映像メモリ34、D/A変換器35、プロセッサ装置に接続されるモニタ36が配置される。
【0017】
更に、上記先端部22に配置されたアクチュエータ28A,28Bを駆動するためのアクチュエータ駆動回路38が設けられる。なお、上述したCDS/AGC回路31からアクチュエータ駆動回路38までの回路は、電子内視鏡とプロセッサ装置のいずれかに振り分けられて配置されている。
【0018】
また、この電子内視鏡装置には、電子内視鏡(スコープ)の操作部等に変倍スイッチ(ズームスイッチ)40が設けられ、プロセッサ装置の操作パネル41に変倍の操作モードa〜cを選択するモード選択スイッチ42が設けられると共に、全体回路の制御を統括するマイコン43が設けられており、このマイコン43の中に、第1及び第2の可動レンズ25,26のそれぞれの移動軌跡を制御する移動軌跡制御部43Cが設けられる。
【0019】
図2には、当該例の第1及び第2の可動レンズ25,26で設定される移動軌跡が示されており、第1可動レンズ25ではほぼ等速変位量の移動軌跡(カーブ)C1と速い変位量の移動軌跡C2が設定され、第1可動レンズ25でもほぼ等速変位量の移動軌跡C3と速い変位量の移動軌跡C4が設定され、これらの移動軌跡C1〜C4を組み合わせることにより、図3の組合せ移動軌跡としての3つの操作モードa〜cを設定する。
【0020】
図3は、横軸を標準(遠距離)から至近距離までのレンズ移動量、縦軸を拡大率とした拡大率の変位が示されており、図の上側のカーブCaは上記の移動軌跡C1とC4を組み合わせ、変倍動作中の倍率変位量(スピード)を速くした第1変位量モードの特性となり、下側のカーブCbは上記の移動軌跡C2とC3を組み合わせ、変倍動作中の倍率変位量を遅くした第2変位量モードの特性となり、中間のカーブCcは上記の移動軌跡C1とC3を組み合わせ、MTF(Modulation Transfer Function)を最良とした画質優先モードの特性となっている。また、この他にも、変倍領域でMTF特性を変えたモード、例えば低倍率側でMTFを低下させ、高倍率側でMTFを向上させるようなMTF可変特性モードや、観察深度に着目したモード等を設定してもよい。
【0021】
実施例は以上の構成からなり、この電子内視鏡装置では、図1のCCD27にて被観察体内が撮像されることになり、その後段のCDS/AGC回路31〜D/A変換器35の回路による映像処理を経て、モニタ36の画面に被観察体の映像が表示される。また、変倍スイッチ40(Far方向又はNear方向)を操作すると、その操作量に応じて第1及び第2の可動レンズ25,26が駆動されるので、光学的に拡大した被観察体像がCCD27で撮像され、モニタ36の画面には拡大した被観察体の映像が表示される。
【0022】
ここで、操作パネル41のモード選択スイッチ42によって画質優先モードcが選択されている場合は、移動軌跡制御部43Cによって第1可動レンズ25が図2の軌跡C1、第2可動レンズ26が軌跡C3で移動制御され、この結果、MTFが最良となる図3の特性Ccの変倍動作が行われる。また、上記スイッチ42にて第1変位量モードaが選択された場合は、第1可動レンズ25が軌跡C1、第2可動レンズ26がC4で移動制御されるので、特性Caのように速い変位量(スピード)で変倍動作が行われる。例えば、図3に示したa倍には中間付近のレンズ位置e1で早めに到達する。一方、第2変位量モードbが選択された場合は、第1可動レンズ25が軌跡C2、第2可動レンズ26がC3で移動制御されるので、特性Cbの遅い変位量で変倍動作が行われる。例えば、図3のa倍には至近側のレンズ位置e2で遅めに到達することになる。
【0023】
このように、当該実施例では上記第1変位量モードa、第2変位量モードb、画質優先モードcの3種類のモードのいずれかを選択することができ、観察対象や使用目的又は術者等に応じた最適な変倍動作で拡大映像を得ることが可能となる。
なお、上記実施例では、2つの可動レンズ25,26を配置した場合を説明したが、1つの変倍用の可動レンズに対し複数の移動軌跡を設定して上記と同様の複数の操作モードを実行するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば変倍機能とピント合わせ機能を持つ複数の可動レンズのそれぞれに対し複数の移動軌跡を設定すると共に、これらの移動軌跡を組み合わせて変倍機能の各種の操作モードを設定し、この操作モードを選択して実行できるようにしたので、観察対象や使用目的等に応じて選択した最適な変倍動作を実現することができ、使い勝手のよい電子内視鏡装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電子内視鏡装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】実施例の第1及び第2の可動レンズで設定される移動軌跡を示すグラフ図である。
【図3】実施例で設定される複数の変倍操作モードの拡大率変化特性を示すグラフ図である。
【図4】従来の電子内視鏡先端部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,22…内視鏡先端部、
10,25…第1可動レンズ、
11,26…第2可動レンズ、
28A,28B…アクチュエータ、
31…CDS/AGC回路、 33…DSP、
38…アクチュエータ駆動回路、
40…変倍スイッチ、
42…モード選択スイッチ、 43…マイコン、
43C…移動軌跡制御部。
【発明の属する技術分野】
本発明は電子内視鏡装置、特に対物光学系に設けられた可動レンズによって光学的に拡大した被観察体像を撮像する電子内視鏡装置の変倍機能に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子内視鏡装置は、固体撮像素子であるCCD(Charge Coupled Device)等を電子内視鏡(電子スコープ)の先端部に搭載し、光源装置からの光を照明することにより被観察体内を撮像し、またこの電子内視鏡で得られたCCDの撮像信号をプロセッサ装置へ出力し、このプロセッサ装置で映像処理を施すことにより、被観察体の映像をモニタへ表示するものである。
【0003】
このような電子内視鏡装置では、特開2001−100114号公報の対物レンズ移動機構付き内視鏡等に示されるように、撮影像を光学的に拡大(変倍機能又はズーム機能)することが行われる。図4には、上記公報の内視鏡先端部の構成が示されており、図示されるように、内視鏡先端部1の支持部2の先端面には、観察窓レンズ3が設けられ、この観察窓レンズ3の光路の後側に、プリズム4、カバーガラス5を介して固体撮像素子であるCCD6が配置される。このCCD6は、回路基板7を介して信号線8に接続されており、この信号線8を介してCCD6で撮像された信号はプロセッサ装置へ供給される。
【0004】
上記観察窓レンズ3とプリズム4との間には、対物光学系を構成する第1可動レンズ10及び第2可動レンズ11が配置され、この第1可動レンズ10の保持枠12と第2可動レンズ11の保持枠13は、その係合孔12Aと13Aが円柱状のカム軸14の外周に嵌合することにより、当該カム軸14に取り付けられる。また、上記の係合孔12Aにはカムピン16、係合孔13Aにはカムピン17が突出形成され、一方のカム軸14には、その軸線に対して傾斜角度の異なるカム溝18,19が形成されており、このカム溝18に上記カムピン16、カム溝19に上記カムピン17が係合することになる。
【0005】
そして、上記カム軸14には、モータ20の軸20Zが取り付けられる。従って、モータ20の回転制御によってカム軸14を回転させれば、カム溝18,19とカムピン16,17の係合によって第1可動レンズ10、第2可動レンズ11が光軸方向に前後移動(異なる量の移動)し、これによって光学的変倍(拡大)等が行われる。このような拡大映像は、病変の質的診断や癌の進行度診断等、臨床上の評価に有用となる。
【0006】
また、近年では、特開2001−269306号公報に示されるように、2つの可動レンズを駆動制御し、変倍動作と共に像面湾曲特性を変化させることも提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−100114号公報
【特許文献2】
特開2001−269306号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電子内視鏡装置は各種の消化器官を観察対象とし、またその使用目的、状況も様々であり、上述した光学的変倍機能の操作においては、標準距離(遠距離)から至近距離への変倍動作(焦点合わせ)を良好な画質の下に順次行うだけでなく、標準距離(遠距離)から至近距離、又はその逆の方向へ操作する変倍動作の途中において、変倍のスピードを急速にした方がよい場合、逆にゆっくりと変化させた方がよい場合がある。
【0009】
しかしながら、図4で説明したレンズ移動機構でも理解されるように、カム軸のカム溝の傾斜角度で可動レンズの移動軌跡(カムカーブ)が一律に決まることになり、従来では、電子内視鏡装置の観察対象や使用目的又は術者等に応じて変倍動作を任意に変えることはできなかった。
【0010】
また、画質評価の一つの要素として、MTF(Modulation Transfer Function)があり、このMTFは上記カムカーブを変えることによって変化する。しかし、従来では一つのカムカーブが設定されることから、MTFを変えた変倍動作をすることはできなかった。
【0011】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、可動レンズの移動軌跡の異なる複数の変倍動作モードを設定し、観察対象や使用目的等に応じて選択した最適な変倍動作を実現することができる電子内視鏡装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、対物光学系を用いて結像させた被観察体像を固体撮像素子にて撮像する電子内視鏡装置において、上記対物光学系に組み込まれ、変倍機能を行うために光軸方向に移動可能となる可動レンズと、変倍機能に関連し設定された各種の操作モードに対応して上記の可動レンズを複数の移動軌跡で駆動する駆動手段と、選択された操作モードとなるように上記駆動手段を介して上記可動レンズの移動軌跡を制御するレンズ移動軌跡制御部と、を設けたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、変倍機能とピント合わせ機能を行うための複数の可動レンズを設け、この複数の可動レンズには複数の移動軌跡を設定し、上記レンズ移動軌跡制御部では、変倍機能の各種操作モードに対応して上記複数の可動レンズの移動軌跡を制御することを特徴とする。
【0013】
上記の構成によれば、例えば2つの可動レンズのそれぞれに対し2つの移動軌跡(従来のカムカーブに対応するもの)を設定し、この4つの移動軌跡の組合せによって、例えばMTFが最良となる画質優先モード、倍率変位量(スピード)が速い第1変位量モードと遅い第2変位量モードの3種類の操作モードを設定する。そして、これらの操作モードのいずれかを選択した後、変倍操作を行うと、移動軌跡制御部により選択された操作モードで可動レンズが移動制御されることになり、使用状況に応じた変倍動作で拡大映像の表示と観察が行われる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1には、実施例に係る電子内視鏡装置の構成が示されており、この図1の内視鏡先端部22には、図4の構成と同様に観察窓レンズ24の後側に、対物光学系を構成する第1可動レンズ(又は群)25及び第2可動レンズ(又は群)26が配置され、この第2可動レンズ26の後側に、カバーガラス等を介して固体撮像素子であるCCD27が配置される。このCCD27で撮像された信号は、回路基板及び信号線を介してプロセッサ装置へ供給される。
【0015】
そして、上記第1可動レンズ25と第2可動レンズ26は、それぞれのアクチュエータ28Aと28Bに取り付けられており、これらのアクチュエータ28A,28Bとしては、圧電アクチュエータ、静電アクチュエータ等のリニアアクチュエータ等が用いられる。これらアクチュエータ28A,28Bによって上記第1及び第2の可動レンズ25,26が光軸方向に相対的に前後移動することになり、第1可動レンズ25は主にオートフォーカス(ピント合せ)の役目をし、第2可動レンズ26は光学的変倍(焦点距離可変)の役目をするように構成される。
【0016】
また、当該装置には、上述したCCD27を駆動するためのタイミングジェネレータ(TG)30、このCCD27の出力信号を入力して相関二重サンプリング動作と自動利得制御をするCDS(相関二重サンプリング)/AGC(自動利得制御)回路31が設けられ、このCDS/AGC回路31の後段には、A/D変換器32、各種の映像処理を施すためのDSP(デジタル信号プロセッサ)33、1フレームの映像データを記憶する映像メモリ34、D/A変換器35、プロセッサ装置に接続されるモニタ36が配置される。
【0017】
更に、上記先端部22に配置されたアクチュエータ28A,28Bを駆動するためのアクチュエータ駆動回路38が設けられる。なお、上述したCDS/AGC回路31からアクチュエータ駆動回路38までの回路は、電子内視鏡とプロセッサ装置のいずれかに振り分けられて配置されている。
【0018】
また、この電子内視鏡装置には、電子内視鏡(スコープ)の操作部等に変倍スイッチ(ズームスイッチ)40が設けられ、プロセッサ装置の操作パネル41に変倍の操作モードa〜cを選択するモード選択スイッチ42が設けられると共に、全体回路の制御を統括するマイコン43が設けられており、このマイコン43の中に、第1及び第2の可動レンズ25,26のそれぞれの移動軌跡を制御する移動軌跡制御部43Cが設けられる。
【0019】
図2には、当該例の第1及び第2の可動レンズ25,26で設定される移動軌跡が示されており、第1可動レンズ25ではほぼ等速変位量の移動軌跡(カーブ)C1と速い変位量の移動軌跡C2が設定され、第1可動レンズ25でもほぼ等速変位量の移動軌跡C3と速い変位量の移動軌跡C4が設定され、これらの移動軌跡C1〜C4を組み合わせることにより、図3の組合せ移動軌跡としての3つの操作モードa〜cを設定する。
【0020】
図3は、横軸を標準(遠距離)から至近距離までのレンズ移動量、縦軸を拡大率とした拡大率の変位が示されており、図の上側のカーブCaは上記の移動軌跡C1とC4を組み合わせ、変倍動作中の倍率変位量(スピード)を速くした第1変位量モードの特性となり、下側のカーブCbは上記の移動軌跡C2とC3を組み合わせ、変倍動作中の倍率変位量を遅くした第2変位量モードの特性となり、中間のカーブCcは上記の移動軌跡C1とC3を組み合わせ、MTF(Modulation Transfer Function)を最良とした画質優先モードの特性となっている。また、この他にも、変倍領域でMTF特性を変えたモード、例えば低倍率側でMTFを低下させ、高倍率側でMTFを向上させるようなMTF可変特性モードや、観察深度に着目したモード等を設定してもよい。
【0021】
実施例は以上の構成からなり、この電子内視鏡装置では、図1のCCD27にて被観察体内が撮像されることになり、その後段のCDS/AGC回路31〜D/A変換器35の回路による映像処理を経て、モニタ36の画面に被観察体の映像が表示される。また、変倍スイッチ40(Far方向又はNear方向)を操作すると、その操作量に応じて第1及び第2の可動レンズ25,26が駆動されるので、光学的に拡大した被観察体像がCCD27で撮像され、モニタ36の画面には拡大した被観察体の映像が表示される。
【0022】
ここで、操作パネル41のモード選択スイッチ42によって画質優先モードcが選択されている場合は、移動軌跡制御部43Cによって第1可動レンズ25が図2の軌跡C1、第2可動レンズ26が軌跡C3で移動制御され、この結果、MTFが最良となる図3の特性Ccの変倍動作が行われる。また、上記スイッチ42にて第1変位量モードaが選択された場合は、第1可動レンズ25が軌跡C1、第2可動レンズ26がC4で移動制御されるので、特性Caのように速い変位量(スピード)で変倍動作が行われる。例えば、図3に示したa倍には中間付近のレンズ位置e1で早めに到達する。一方、第2変位量モードbが選択された場合は、第1可動レンズ25が軌跡C2、第2可動レンズ26がC3で移動制御されるので、特性Cbの遅い変位量で変倍動作が行われる。例えば、図3のa倍には至近側のレンズ位置e2で遅めに到達することになる。
【0023】
このように、当該実施例では上記第1変位量モードa、第2変位量モードb、画質優先モードcの3種類のモードのいずれかを選択することができ、観察対象や使用目的又は術者等に応じた最適な変倍動作で拡大映像を得ることが可能となる。
なお、上記実施例では、2つの可動レンズ25,26を配置した場合を説明したが、1つの変倍用の可動レンズに対し複数の移動軌跡を設定して上記と同様の複数の操作モードを実行するようにしてもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、例えば変倍機能とピント合わせ機能を持つ複数の可動レンズのそれぞれに対し複数の移動軌跡を設定すると共に、これらの移動軌跡を組み合わせて変倍機能の各種の操作モードを設定し、この操作モードを選択して実行できるようにしたので、観察対象や使用目的等に応じて選択した最適な変倍動作を実現することができ、使い勝手のよい電子内視鏡装置が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る電子内視鏡装置の構成を示す回路ブロック図である。
【図2】実施例の第1及び第2の可動レンズで設定される移動軌跡を示すグラフ図である。
【図3】実施例で設定される複数の変倍操作モードの拡大率変化特性を示すグラフ図である。
【図4】従来の電子内視鏡先端部の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1,22…内視鏡先端部、
10,25…第1可動レンズ、
11,26…第2可動レンズ、
28A,28B…アクチュエータ、
31…CDS/AGC回路、 33…DSP、
38…アクチュエータ駆動回路、
40…変倍スイッチ、
42…モード選択スイッチ、 43…マイコン、
43C…移動軌跡制御部。
Claims (2)
- 対物光学系を用いて結像させた被観察体像を固体撮像素子にて撮像する電子内視鏡装置において、
上記対物光学系に組み込まれ、変倍機能を行うために光軸方向に移動可能となる可動レンズと、
変倍機能に関連し設定された各種の操作モードに対応して上記の可動レンズを複数の移動軌跡で駆動する駆動手段と、
選択された操作モードとなるように上記駆動手段を介して上記可動レンズの移動軌跡を制御するレンズ移動軌跡制御部と、を設けたことを特徴とする電子内視鏡装置。 - 変倍機能とピント合わせ機能を行うための複数の可動レンズを設け、この複数の可動レンズのそれぞれには複数の移動軌跡を設定し、上記レンズ移動軌跡制御部では、変倍機能の各種操作モードに対応して上記複数の可動レンズの移動軌跡を制御することを特徴とする上記請求項1記載の電子内視鏡装置。
Priority Applications (1)
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JP2003204198A JP2005046233A (ja) | 2003-07-31 | 2003-07-31 | 電子内視鏡装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (1)
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-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204198A patent/JP2005046233A/ja active Pending
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US11033338B2 (en) | 2016-02-24 | 2021-06-15 | Sony Corporation | Medical information processing apparatus, information processing method, and medical information processing system |
JP7067467B2 (ja) | 2016-02-24 | 2022-05-16 | ソニーグループ株式会社 | 医療用情報処理装置、情報処理方法、医療用情報処理システム |
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