JP2005045877A - 誘導同期モータ - Google Patents
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Abstract
【課題】家庭用の単相電源でも十分な誘導トルクを発生して、インバータ等を用いることなく同期引き込みをスムーズに行える誘導同期モータを提供する。
【解決手段】交流電流の通電により回転磁界を形成する固定子;及び該回転磁界により誘導される誘導電流が流れる導体を挿入するためのスロットが外周に設けられていて且つ磁束通路が遮られることのない回転子鉄心と、前記各スロットに挿入された導体と、該導体の両端を短絡する短絡環とを有するかご形回転子であって、該回転子鉄心の外表面には前記固定子の極数と等しい数の切欠き部が設けられ且つ該切欠き部には永久磁石が取付けられているかご形回転子;を備え、同期引入れは誘導トルクとレラクタンストルクとによって行われ、同期時は、前記かご形回転子の磁石トルクとレラクタンストルクとの合成トルクで回転する。
【選択図】 図1
【解決手段】交流電流の通電により回転磁界を形成する固定子;及び該回転磁界により誘導される誘導電流が流れる導体を挿入するためのスロットが外周に設けられていて且つ磁束通路が遮られることのない回転子鉄心と、前記各スロットに挿入された導体と、該導体の両端を短絡する短絡環とを有するかご形回転子であって、該回転子鉄心の外表面には前記固定子の極数と等しい数の切欠き部が設けられ且つ該切欠き部には永久磁石が取付けられているかご形回転子;を備え、同期引入れは誘導トルクとレラクタンストルクとによって行われ、同期時は、前記かご形回転子の磁石トルクとレラクタンストルクとの合成トルクで回転する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力線のように三相交流電流が供給される3相電源だけでなく、単相交流電流が供給される家庭用の単相電源でも、インバータ等を用いることがなく始動して同期し、さらに同期回転中には励磁電流を必要としない省エネルギータイプの誘導同期モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電源で回るモータ(交流モータ)は、主として、誘導モータと同期モータとに分類される。
【0003】
誘導モータとして一般によく用いられているかご形誘導モータは、主として、固定子鉄心とこれに施された巻線とからなる固定子、及び円環状に配置した複数の導体の両端を短絡環で短絡したかご形導体と回転子鉄心とを組合わせたかご形回転子から構成される。かご形誘導モータは、一般に固定子巻線に交流電流が流れることにより形成される回転磁界で、導体に誘導された誘導電流によって回転子が回転する。このような誘導モータは、誘導電流に基づく誘導トルクを利用しており、同期速度ではすべりが0となって誘導トルクが0となるため、通常、同期速度より低い速度で運転される。しかし、負荷がかかるとすべりが大きくなり、所望の回転数で回転できなくなる。
【0004】
一方、同期モータは、主として、固定子鉄心とこれに施された巻線とからなる固定子、及び該固定子巻線に交流電流が流れることにより形成される回転磁界との間で吸引力又は反発力が働く磁極を有する回転子とからなる。同期モータは、下記式で求められる回転磁界の回転数(N)、
N=60f/p
(式中、fは電源周波数、pは極対数)
すなわち同期速度で運転されるが、回転子として円筒形永久磁石を用いた場合には自己起動能力がないので始動できない。またレラクタンスモータのように、軟磁性体に突極をつけた程度の突極形回転子では始動トルクが不十分なため、50Hz又は60Hzに対する回転磁界の同期速度に追従して、急速に立ち上がることができず同期できない。このため、同期モータの始動には、インバータを利用して、電源周波数を0付近から徐々に立ち上げたり、誘導モータを利用している。
【0005】
高価なインバータの使用は小型モータの低価格化に反することから、誘導モータのかご形回転子の構造を利用した始動に優れる誘導モータと、同期回転に優れている同期モータの両者の特徴を兼ね備えた誘導同期モータが、実用的に期待されている。
【0006】
誘導同期モータとしては、例えば、図6に示すように、永久磁石を埋め込んだかご形回転子を用いたものがある。このかご形回転子は、回転子鉄心21とかご形導体とを組合わせたもので、回転子鉄心21内には、図示するようにN極又はS極に着磁した4個の永久磁石22が方形状に配置埋設されている。かご形導体は、円環状に配置された複数の導体棒23a,23a…の両端を、それぞれ短絡環に接続させてかご形にしたもので、各導体棒23aは短絡環により短絡されている。このような回転子を有するモータは、かご形導体の作用により誘導モータとして回転する。そして、方形状に配置埋設された永久磁石22と固定子25とのギャップが位置によって異なることに基づいて、永久磁石22の突極性が確保されているので、同期速度に近くづくと、レラクタンストルクと磁石トルクとにより同期引き込みが行われ、同期時には、突極性によるレラクタンストルクと、固定子25に形成される回転磁界と永久磁石22との間の吸引反発作用とにより回転することができる。
【0007】
しかし、このような回転子は、磁極境界部の周辺で磁束の飽和が起こり、誘導トルクを低下させるという問題がある。このため、三相誘導同期電動機では同期できても、家庭用の単相誘導同期電動機では同期速度に達することが困難となり、負荷の大きさによっては同期できない。
【0008】
一方、特許文献1には、図7に示すようなかご形回転子を用いた誘導同期モータが提案されている。このかご形回転子は、回転子鉄心31とかご形導体とを組合わせたもので、回転子鉄心31内に永久磁石32が円筒状に配置埋設され、埋設された磁石32のN極とS極との境界部に、磁束のバリヤーとなる深い溝34が回転子鉄心31内に設けられている。かご形導体は、円環状に配置された複数の導体棒33aの両端を短絡環に接続してかご形にしたものである。
【0009】
このような回転子において、溝34は、円筒状に配置された磁石32のN極とS極とが短絡することを防止するが、加速時において導体棒33aに誘導電流を生じさせるための磁束も遮ることになるため、所望の誘導トルクを得ることができない。その結果、動力線用の三相電源では同期できても、家庭用の単相電源では同期が困難で、負荷の大きさによっては同期できない。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−272067号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような事情から、家庭用の単相電源で直接運転できる交流モータとしては、誘導モータが用いられているのが現状であるが、家電製品の省エネルギー化の要請から、励磁電流を要しない永久磁石タイプの交流モータが望まれている。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、家庭用の単相電源でも十分な誘導トルクを発生して、インバータ等を用いることなく同期引き込みをスムーズに行える誘導同期モータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘導同期モータは、交流電流の通電により回転磁界を形成する固定子;及び該回転磁界により誘導される誘導電流が流れる導体を挿入するためのスロットが外周に設けられていて且つ磁束通路が遮られることのない回転子鉄心と、前記各スロットに挿入された導体と、該導体の両端を短絡する短絡環とを有するかご形回転子であって、該回転子鉄心の外表面には前記固定子の極数と等しい数の切欠き部が設けられ且つ該切欠き部には永久磁石が取付けられているかご形回転子;を備え、同期引入れは誘導トルクとレラクタンストルクとによって行われ、同期時は、前記かご形回転子の磁石トルクとレラクタンストルクとの合成トルクで回転する。
【0014】
2つの切欠き部間に形成される突極部と、前記切欠き部との前記回転子表面における配分比率(突極部:切欠き部)は、1:1〜2:1であることが好ましい。
【0015】
前記永久磁石の外表面は、前記突極部の外表面よりも回転子鉄心の内側になっていることが好ましい。また、前記磁石はボンド磁石であってもよい。
【0016】
前記固定子には、主巻線と、進相用コンデンサが直列に接続されている補助巻線とが施されていて、単相電源で始動させることができる。この場合、前記回転子の回転軸に、同期回転時に主巻線の巻数を増加するように開く遠心力スイッチと、同期回転時に負荷に回転力を伝達するように作動する遠心力クラッチとが取付けられていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の誘導同期モータの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である8極の誘導同期モータに用いられる回転子の一実施例を示している。図2は、図1に示す回転子1の部分拡大図である。
8極誘導同期モータ用の回転子1は、8個の突極部5を有するかご形回転子で、回転子鉄心2は、磁束を遮るような溝等がない透磁率の高い軟質磁性材料、好ましくは積層ケイ素鋼鈑で構成され、外周にはスロット3が周設されていて、各スロット3には籠形巻線(図示せず)が施され、各導体の両端は短絡環(図示せず)に接続されている。
【0018】
回転子1の外周面は、等間隔に8箇所切り欠かれていて、2つの切欠き部4,4に挟まれて存在する凸部が突極部5となっている。切欠き部4の外周に相当する部分のスロット3bは、突極部5の外周に設けられたスロット3aよりも小さく全閉型となっている。全閉型とすることにより、導体のダイカスト時に溶融導体が吹き出すことを防止できる。
【0019】
切欠き部4には、永久磁石6が取付けられていて、切欠き部4と突極部5とが一対となって1極を形成している。
【0020】
回転子1の外周面における前記突極部5と切欠き部4との円弧長さにおける配分比率(突極部:切欠き部)は、1:1〜2:1であることが好ましい。切欠き部4の配分が突極部5よりも大きくなると、誘導トルクが低下しすぎて、同期できなくなるおそれがあるからである。すなわち、切欠き部4の導体巻線の占有体積(スロット3bに該当する導体占有面積)が突極部5の導体巻線の占有体積(スロット3aに該当する導体占有面積)よりも小さいため、切欠き部4に流れる誘導電流は突極部5に流れる誘導電流よりも小さいからである。
【0021】
尚、突極部5と切欠き部4の配分は、磁気装荷と電気装荷の配分に相当し、トルク特性に影響を与える。加速中は磁石6が一種のブレーキとして働くので、同期するためには
誘導トルク(加速トルク)>ブレーキトルク
となるように、磁石6の種類に応じて適宜配分を決めればよい。切欠き加工性の点から、スロット3に施される巻線を分断しなくて済むように、スロット数に応じて配分することが好ましい。図1の回転子1では、突極部5のスロット数:切欠き部4のスロット数が3:2となるように配分されている。
【0022】
切欠き部4の切欠き深さ(a)は、取付けようとする磁石6の種類、厚み、必要トルクに応じて、同期回転に必要な磁束密度が得られるように、適宜選択される。突極性によるレラクタンストルクを得るためには、ある程度の切欠き深さが必要であるが、切欠き深さが深くなりすぎると、切欠き部4での導体占有面積が小さくなりすぎて、誘導トルク減少の原因となるので、通常、スロットの1/2〜1/3程度の切欠き深さとしておくことが好ましい。
【0023】
切欠き部4に取付けられる永久磁石6としては、Ba系、Sr系のフェライト磁石;Sm−Co系、Nd−Fe−B系希土類磁石;アルニコ磁石など、いずれの永久磁石を用いることもでき、これらの磁石は、焼結磁石であってもよいし、鋳造磁石であってもよいし、これらの強磁性粉体をゴムやプラスチック等のバインダーと混練し、目的形状に成形したボンド磁石であってもよいが、下記理由からボンド磁石が好ましく用いられる。小型誘導同期モータにおける固定子と回転子のギャップは一般に0.2〜0.4mmと小さいため、取付けられた磁石6が誘導電流発生量を減じさせる原因となり得る一方、同期中には、取付けられた磁石6は回転磁界に対して反発吸引できる磁力を有すれば足り、ギャップが小さいことから、空隙の起磁力が少なくて済むので、それ程、大きな磁力を必要としない。従って、焼結磁石では誘導トルク発生の支障とならないように、またブレーキトルクが大きくなりすぎないように、磁石厚みを薄くしたり、切欠き部4の配分を小さくする必要があるため、加工が困難で破損しやすくなる。この点、焼結磁石より磁力の弱いボンド磁石を用いれば、必要磁力を確保するための厚みを設定すればよく、加工のしやすさから、種々のサイズの回転子、凹部、曲率に対応した取付け用磁石を供給できる。
【0024】
取付けられる磁石6は、N極、S極が交互になるように着磁されて、切欠き部4に取付けられている。
【0025】
取付けられる磁石6の厚み(t)は、同期回転に必要な磁束密度が得られるように、使用する磁石の種類に応じて適宜選択されるが、切欠き深さ(a)と同じかそれよりも薄くする必要がある。切欠き深さ(a)より薄い磁石を用いて、磁石外周面が突極部外周面より内側となっても、磁石6が必要とする磁束密度を発生できるのであれば、同期トルクを得ることができるからである。
【0026】
切欠き部4への磁石6の取付け方法は、回転により生じる遠心力で磁石が剥離することのない強度で取付けられていればよく、接着剤による貼着の他、嵌合等によっても取付けることができ、磁石の種類に応じて適宜選択すればよい。
【0027】
尚、上記実施形態において、導体の種類は、銅、アルミニウム、黄銅など、誘導モータとしての所望の特性に応じて適宜選択できる。
【0028】
次に、8極誘導同期モータ用の固定子について、図3に基づいて説明する。
図3に示す固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11内周にスロット12が形成され、該スロット12には8極になるように巻線が施されている。巻線は、主巻線と補助巻線からなり、補助巻線には、進相用コンデンサが直列に接続されて、疑似2相が形成されている。
【0029】
このような固定子10の内周部に図1に示す回転子1を組合わせると、本実施形態の誘導同期モータが形成される。
ここで、固定子10と回転子1との間のギャップは、できる限り小さくする方がよい。励磁電流を小さくできる。
【0030】
以上のような構成を有する誘導同期モータの固定子巻線に、家庭用の単相電源から通電する。固定子巻線に単相交流が通電されると、補助巻線とコンデンサーで構成される始動回路に電流が流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界により、回転子1のかご形巻線に誘導電流が発生して誘導モータとして回転し始める。切欠き部4で回転子1のかご形巻線部分(導体占有面積)が小さくなっているものの、永久磁石が埋設された従来の回転子鉄心のように磁束を遮るような溝はないので、かご形導体には誘導電流が流れ、従来よりも大きな誘導トルクを得ることができる。同期速度(本実施形態の場合、電源周波数50Hzの場合には750rpm、60Hzの場合には900rpm)付近になると、回転子1は、突極部5による突極構造により、レラクタンストルクが発生する。従って、誘導トルク及びレラクタンストルク及び磁石トルクによって、同期引き込みが行われる。ここで、磁石の6の取付けにより、突極部5の外周面と磁石5の外周面がほぼ同心円上に位置し、回転子1は見かけ上、突極構造を有していないが、突極部6を通る直軸磁路S1は磁気抵抗が小さく、磁石6を通る横軸磁路S2は磁気抵抗が大きくなるので、従来のギャップの違いによる突極構造に基づくレラクタンストルクが発生する。そして、同期後は、切欠き部4に取り付けられた磁石6の磁極と固定子1の回転磁界との反発吸引により回転する。同期速度ではすべり(s)が0となるので、回転子1の導体巻線には誘導電流は流れず、誘導トルクは0となる。一方、同期中は、固定子が形成する回転磁界に同期しようとする磁石6によるマグネットトルクの他、突極構造によるレラクタンストルクも働いているので、両者の合成トルクで回転することができ、負荷がかかっても脱調しにくい。
【0031】
このように、本発明の誘導同期モータは、誘導モータとしての磁束通路と磁石型同期モータとしての磁路の双方が確保され、両磁路が直交の関係(交叉磁界)にある。従って、誘導モータとして回転し始め、家庭用の単相電源であっても、同期速度近辺にまで加速できる誘導トルクが確保され、同期速度近辺では、突極部5によるレラクタンストルクが加わるので、負荷がかかっても同期引き込みを行うことができる。そして、同期回転中は、突極部5によるレラクタンストルクと切欠き部4に取付けられた永久磁石6によるマグネットトルクとの合成トルクにより、同期速度で安定して回転し続けることができる。
【0032】
尚、本発明の誘導同期モータは、同期時には、大きなトルクを得ることができる。換言すると従来よりも小電圧で、所定トルクを得ることができる省エネルギータイプのモータである。同期前は誘導モータとして、従来の誘導モータと同様の起動電圧を要するが、同期後、入力電圧を下げることができるように、主巻線の巻線数を変えることができるスイッチを取付けておけばよい。例えば、図4では、遠心力スイッチ16が同期時に開き、起動時に短絡していた主巻線15の一部を開放することによりインピーダンスを増大させて、電流を抑制している。図4中、17は補助巻線であり、18はコンデンサである。
【0033】
また、本発明の誘導同期モータにおいて、磁気装荷が比較的大きくなって、同期化トルクがやや低くなり、且つ負荷により同期時のトルクを比較的高く設定した場合、負荷のトルクが同期化トルクより高くなって同期化不能となる場合がある。このような場合には、同期前は負荷がかからないようにし、同期時に負荷に回転力を伝達するように作動する遠心力クラッチを取付けることが好ましい。例えば、図5では、クラッチシュー19aとクラッチ胴19bの組合わせからなる遠心力クラッチ19を取付けたモータの例を示しいる。クラッチシュー19aは、回転子鉄心13が取付けられた回転軸14aに取付けられていて、遠心力によりクラッチシュー19aが開いて、クラッチ胴19bと接触し、摩擦を通じてクラッチ胴19bに取付けられた負荷20に回転力を伝達する。クラッチ19の作動時には、負荷を取付けた軸14bは、回転軸14aと面接触状態にあって同期回転する。すなわち、負荷がかかった状態でモータが同期回転することになる。一旦同期すれば、十分な同期トルクがあるので、負荷がかかった状態で同期回転し続けることができる。
【0034】
また、図5に示すモータでは、固定接点16aと可動部16bとの組合わせからなる遠心力スイッチ16が取付けられている。固定接点16aはフレームに取付けられ、可動部16bは回転軸14aに取付られている。起動時には、可動部16bが固定接点16aと接触した状態にあるが、同期時に可動部16bが固定接点16aから離れるように移動する。これにより、同期中は過剰電流が流れることが防止される。尚、図5中、11aが固定子巻線で、13aが回転子巻線である。
【0035】
さらに、図1に示す形態において、回転子1は40スロットであったが、本発明の誘導同期モータはこれに限定されず、極数、導体の種類、スロット形状、組合わせる固定子のスロット数等に応じて適宜選択される。但し、極数で配分できる数にすることが好ましい。切欠き部の加工に際して、導体部分を切断することは、加工コストアップにつながるからである。
【0036】
さらにまた、上記実施形態では、いずれも8極の誘導同期モータであったが、本発明の誘導同期モータはこれに限定されず、6極、4極、2極であってもよい。極数は、設定しようとする回転数に応じて適宜決めればよい。但し、同期モータとして、固定子の極数は回転子の極数と等しくなければならない。
【0037】
上記実施形態では、コンデンサ起動型の単相モータ(コンデンサラン)の場合について説明したが、単相電源に限定されず、3相巻線の固定子を使用して、3相電源を使用することもできる。
【0038】
尚、本発明の誘導同期モータは、切欠き部4に磁石6を取付けなかった場合には、レラクタンストルクで回転するレラクタンスモータとして使用し得る。但し、積層ケイ素鋼鈑からなる回転子鉄心に突極をつけただけのレラクタンスモータでは、レラクタンストルクが小さいため、負荷が大きくなると回転できないので、負荷が小さい場合のみの使用に限られる。この点、本発明の永久磁石を取付けた誘導同期モータでは、切欠き部4に取付けられた磁石6から得られるマグネットトルクが、レラクタンスモータにおける突極部と切欠き部とのギャップ差により得られるレラクタンストルクよりもはるかに大きいので、負荷がかかった状態であっても、安定に同期回転し続けることができる。一方、従来のレラクタンスモータの場合、切欠き部と突極部の配分を考慮していないため、従来のレラクタンストルクの突極間間隙にあたる切欠き部に磁石を取付けただけでは、誘導トルクが不十分で同期できない。特に、同期トルクを十分得るために切欠きを大きくして突極を形成すると、切欠き部で誘導トルクが減少し、同期できないという問題がある。
【0039】
【実施例】
図1に示す回転子及び図3に示す固定子を組合わせた誘導同期モータのトルク特性を測定した。結果を表1に示す。ここで、回転子は、ケイ素鋼鈑を40枚の積層体で、切り欠き部にNd−Fe−B系のボンド磁石を接着剤で貼付けた。磁石を貼付けたことにより、切り欠き部は、回転子と凸部と面一になっている。
【0040】
固定子としては、ケイ素鋼鈑を40枚積層した積層体を用いた。固定子は、主巻線と補助巻線の2相タイプである。この誘導同期モータを60Hzの3相交流電源をスコット結線により2相に変換して供給し、回転させた。回転は、100Vで起動し、同期後(900rpmに達した後)、60Vに下げて、トルク特性を測定した。結果を表1に示す。また、負荷としてシャフトにファンを取付けた状態で、定常運転状態における入力電力を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
参考のために、現在使用されている単相100V電源用の誘導モータについて、回転数とトルクの関係を調べ、さらに、シャフトに同じファンを取付けて、定常運転状態における入力電力を測定した。結果を表1に示す。尚、参考用として用いた誘導モータは、固定子が、主巻線と補助巻線にコンデンサを接続したコンデンサランタイプの単相誘導モータである。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1,2からわかるように、本発明の誘導同期モータでは、3kgf・cm程度の負荷をかけた状態であっても、50W程度で、900rpmで安定して回転しつづけたのに対し、従来の誘導モータでは、100Vでなければ3kgf・cm程度の負荷がかかった状態で、900rpm付近で回転することができない。つまり、ファンを取付けた状態では、878rpmで、59.9W必要であった。
【0045】
この実施例は完全2相運転の場合である。実際に単相コンデンサーモータとして運転される場合、主巻線を流れる電流と補助巻線を流れる電流の位相差は90°とならないため、完全2相運転の場合と比べて特性は劣化する。また、モータの性質上、本実施例の誘導同期モータと参考例の誘導モータとは回転数も異なるため、完全な比較はできない。しかしながら、本発明の誘導同期モータの方が、同じ負荷で、同程度の回転数であっても、設計上の工夫をすることにより、従来の誘導モータと同等以上の効率を発揮することができ、本発明の誘導同期モータの方が必要電力が少なくて済むことが期待できる。
【0046】
また、本実施例の誘導同期モータは、2相タイプであったが、補助巻線の巻数を増加するとともにコンデンサを用いて疑似2相にすれば、単相電源であっても、運転可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の誘導同期モータは、単相電源で起動することができ、しかも同期後は、同等レベルの誘導モータより少ない電力で、同程度の負荷がかかった状態であっても、安定して同期回転し続けることができる。従って、本発明の誘導同期モータを用いることにより、家庭用の単相電源であっても、従来よりも省エネルギーで、安定した回転をし続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導同期モータの一実施形態に用いられるかご形回転子の径方向断面図である。
【図2】図1に示すかご形回転子の部分拡大図である。
【図3】本発明の誘導同期モータの一実施形態に用いられる固定子の径方向断面図である。
【図4】遠心力スイッチを備えた場合の回路図である。
【図5】遠心力スイッチ及び遠心力クラッチを取付けた本発明の誘導同期モータの一実施形態を示す概略図である。
【図6】従来の誘導同期モータの構造を示す図である。
【図7】従来の誘導同期モータの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 回転子
2 回転子鉄心
3 スロット
4 切欠き部
5 突極部
6 永久磁石
10 固定子
11 固定子鉄心
12 固定子巻線用スロット
13 回転子鉄心
14a 回転軸
15 主巻線
16 遠心力スイッチ
17 補助巻線
18 コンデンサ
19 遠心力クラッチ
20 負荷
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力線のように三相交流電流が供給される3相電源だけでなく、単相交流電流が供給される家庭用の単相電源でも、インバータ等を用いることがなく始動して同期し、さらに同期回転中には励磁電流を必要としない省エネルギータイプの誘導同期モータに関する。
【0002】
【従来の技術】
交流電源で回るモータ(交流モータ)は、主として、誘導モータと同期モータとに分類される。
【0003】
誘導モータとして一般によく用いられているかご形誘導モータは、主として、固定子鉄心とこれに施された巻線とからなる固定子、及び円環状に配置した複数の導体の両端を短絡環で短絡したかご形導体と回転子鉄心とを組合わせたかご形回転子から構成される。かご形誘導モータは、一般に固定子巻線に交流電流が流れることにより形成される回転磁界で、導体に誘導された誘導電流によって回転子が回転する。このような誘導モータは、誘導電流に基づく誘導トルクを利用しており、同期速度ではすべりが0となって誘導トルクが0となるため、通常、同期速度より低い速度で運転される。しかし、負荷がかかるとすべりが大きくなり、所望の回転数で回転できなくなる。
【0004】
一方、同期モータは、主として、固定子鉄心とこれに施された巻線とからなる固定子、及び該固定子巻線に交流電流が流れることにより形成される回転磁界との間で吸引力又は反発力が働く磁極を有する回転子とからなる。同期モータは、下記式で求められる回転磁界の回転数(N)、
N=60f/p
(式中、fは電源周波数、pは極対数)
すなわち同期速度で運転されるが、回転子として円筒形永久磁石を用いた場合には自己起動能力がないので始動できない。またレラクタンスモータのように、軟磁性体に突極をつけた程度の突極形回転子では始動トルクが不十分なため、50Hz又は60Hzに対する回転磁界の同期速度に追従して、急速に立ち上がることができず同期できない。このため、同期モータの始動には、インバータを利用して、電源周波数を0付近から徐々に立ち上げたり、誘導モータを利用している。
【0005】
高価なインバータの使用は小型モータの低価格化に反することから、誘導モータのかご形回転子の構造を利用した始動に優れる誘導モータと、同期回転に優れている同期モータの両者の特徴を兼ね備えた誘導同期モータが、実用的に期待されている。
【0006】
誘導同期モータとしては、例えば、図6に示すように、永久磁石を埋め込んだかご形回転子を用いたものがある。このかご形回転子は、回転子鉄心21とかご形導体とを組合わせたもので、回転子鉄心21内には、図示するようにN極又はS極に着磁した4個の永久磁石22が方形状に配置埋設されている。かご形導体は、円環状に配置された複数の導体棒23a,23a…の両端を、それぞれ短絡環に接続させてかご形にしたもので、各導体棒23aは短絡環により短絡されている。このような回転子を有するモータは、かご形導体の作用により誘導モータとして回転する。そして、方形状に配置埋設された永久磁石22と固定子25とのギャップが位置によって異なることに基づいて、永久磁石22の突極性が確保されているので、同期速度に近くづくと、レラクタンストルクと磁石トルクとにより同期引き込みが行われ、同期時には、突極性によるレラクタンストルクと、固定子25に形成される回転磁界と永久磁石22との間の吸引反発作用とにより回転することができる。
【0007】
しかし、このような回転子は、磁極境界部の周辺で磁束の飽和が起こり、誘導トルクを低下させるという問題がある。このため、三相誘導同期電動機では同期できても、家庭用の単相誘導同期電動機では同期速度に達することが困難となり、負荷の大きさによっては同期できない。
【0008】
一方、特許文献1には、図7に示すようなかご形回転子を用いた誘導同期モータが提案されている。このかご形回転子は、回転子鉄心31とかご形導体とを組合わせたもので、回転子鉄心31内に永久磁石32が円筒状に配置埋設され、埋設された磁石32のN極とS極との境界部に、磁束のバリヤーとなる深い溝34が回転子鉄心31内に設けられている。かご形導体は、円環状に配置された複数の導体棒33aの両端を短絡環に接続してかご形にしたものである。
【0009】
このような回転子において、溝34は、円筒状に配置された磁石32のN極とS極とが短絡することを防止するが、加速時において導体棒33aに誘導電流を生じさせるための磁束も遮ることになるため、所望の誘導トルクを得ることができない。その結果、動力線用の三相電源では同期できても、家庭用の単相電源では同期が困難で、負荷の大きさによっては同期できない。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−272067号
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような事情から、家庭用の単相電源で直接運転できる交流モータとしては、誘導モータが用いられているのが現状であるが、家電製品の省エネルギー化の要請から、励磁電流を要しない永久磁石タイプの交流モータが望まれている。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、家庭用の単相電源でも十分な誘導トルクを発生して、インバータ等を用いることなく同期引き込みをスムーズに行える誘導同期モータを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の誘導同期モータは、交流電流の通電により回転磁界を形成する固定子;及び該回転磁界により誘導される誘導電流が流れる導体を挿入するためのスロットが外周に設けられていて且つ磁束通路が遮られることのない回転子鉄心と、前記各スロットに挿入された導体と、該導体の両端を短絡する短絡環とを有するかご形回転子であって、該回転子鉄心の外表面には前記固定子の極数と等しい数の切欠き部が設けられ且つ該切欠き部には永久磁石が取付けられているかご形回転子;を備え、同期引入れは誘導トルクとレラクタンストルクとによって行われ、同期時は、前記かご形回転子の磁石トルクとレラクタンストルクとの合成トルクで回転する。
【0014】
2つの切欠き部間に形成される突極部と、前記切欠き部との前記回転子表面における配分比率(突極部:切欠き部)は、1:1〜2:1であることが好ましい。
【0015】
前記永久磁石の外表面は、前記突極部の外表面よりも回転子鉄心の内側になっていることが好ましい。また、前記磁石はボンド磁石であってもよい。
【0016】
前記固定子には、主巻線と、進相用コンデンサが直列に接続されている補助巻線とが施されていて、単相電源で始動させることができる。この場合、前記回転子の回転軸に、同期回転時に主巻線の巻数を増加するように開く遠心力スイッチと、同期回転時に負荷に回転力を伝達するように作動する遠心力クラッチとが取付けられていることが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の誘導同期モータの実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態である8極の誘導同期モータに用いられる回転子の一実施例を示している。図2は、図1に示す回転子1の部分拡大図である。
8極誘導同期モータ用の回転子1は、8個の突極部5を有するかご形回転子で、回転子鉄心2は、磁束を遮るような溝等がない透磁率の高い軟質磁性材料、好ましくは積層ケイ素鋼鈑で構成され、外周にはスロット3が周設されていて、各スロット3には籠形巻線(図示せず)が施され、各導体の両端は短絡環(図示せず)に接続されている。
【0018】
回転子1の外周面は、等間隔に8箇所切り欠かれていて、2つの切欠き部4,4に挟まれて存在する凸部が突極部5となっている。切欠き部4の外周に相当する部分のスロット3bは、突極部5の外周に設けられたスロット3aよりも小さく全閉型となっている。全閉型とすることにより、導体のダイカスト時に溶融導体が吹き出すことを防止できる。
【0019】
切欠き部4には、永久磁石6が取付けられていて、切欠き部4と突極部5とが一対となって1極を形成している。
【0020】
回転子1の外周面における前記突極部5と切欠き部4との円弧長さにおける配分比率(突極部:切欠き部)は、1:1〜2:1であることが好ましい。切欠き部4の配分が突極部5よりも大きくなると、誘導トルクが低下しすぎて、同期できなくなるおそれがあるからである。すなわち、切欠き部4の導体巻線の占有体積(スロット3bに該当する導体占有面積)が突極部5の導体巻線の占有体積(スロット3aに該当する導体占有面積)よりも小さいため、切欠き部4に流れる誘導電流は突極部5に流れる誘導電流よりも小さいからである。
【0021】
尚、突極部5と切欠き部4の配分は、磁気装荷と電気装荷の配分に相当し、トルク特性に影響を与える。加速中は磁石6が一種のブレーキとして働くので、同期するためには
誘導トルク(加速トルク)>ブレーキトルク
となるように、磁石6の種類に応じて適宜配分を決めればよい。切欠き加工性の点から、スロット3に施される巻線を分断しなくて済むように、スロット数に応じて配分することが好ましい。図1の回転子1では、突極部5のスロット数:切欠き部4のスロット数が3:2となるように配分されている。
【0022】
切欠き部4の切欠き深さ(a)は、取付けようとする磁石6の種類、厚み、必要トルクに応じて、同期回転に必要な磁束密度が得られるように、適宜選択される。突極性によるレラクタンストルクを得るためには、ある程度の切欠き深さが必要であるが、切欠き深さが深くなりすぎると、切欠き部4での導体占有面積が小さくなりすぎて、誘導トルク減少の原因となるので、通常、スロットの1/2〜1/3程度の切欠き深さとしておくことが好ましい。
【0023】
切欠き部4に取付けられる永久磁石6としては、Ba系、Sr系のフェライト磁石;Sm−Co系、Nd−Fe−B系希土類磁石;アルニコ磁石など、いずれの永久磁石を用いることもでき、これらの磁石は、焼結磁石であってもよいし、鋳造磁石であってもよいし、これらの強磁性粉体をゴムやプラスチック等のバインダーと混練し、目的形状に成形したボンド磁石であってもよいが、下記理由からボンド磁石が好ましく用いられる。小型誘導同期モータにおける固定子と回転子のギャップは一般に0.2〜0.4mmと小さいため、取付けられた磁石6が誘導電流発生量を減じさせる原因となり得る一方、同期中には、取付けられた磁石6は回転磁界に対して反発吸引できる磁力を有すれば足り、ギャップが小さいことから、空隙の起磁力が少なくて済むので、それ程、大きな磁力を必要としない。従って、焼結磁石では誘導トルク発生の支障とならないように、またブレーキトルクが大きくなりすぎないように、磁石厚みを薄くしたり、切欠き部4の配分を小さくする必要があるため、加工が困難で破損しやすくなる。この点、焼結磁石より磁力の弱いボンド磁石を用いれば、必要磁力を確保するための厚みを設定すればよく、加工のしやすさから、種々のサイズの回転子、凹部、曲率に対応した取付け用磁石を供給できる。
【0024】
取付けられる磁石6は、N極、S極が交互になるように着磁されて、切欠き部4に取付けられている。
【0025】
取付けられる磁石6の厚み(t)は、同期回転に必要な磁束密度が得られるように、使用する磁石の種類に応じて適宜選択されるが、切欠き深さ(a)と同じかそれよりも薄くする必要がある。切欠き深さ(a)より薄い磁石を用いて、磁石外周面が突極部外周面より内側となっても、磁石6が必要とする磁束密度を発生できるのであれば、同期トルクを得ることができるからである。
【0026】
切欠き部4への磁石6の取付け方法は、回転により生じる遠心力で磁石が剥離することのない強度で取付けられていればよく、接着剤による貼着の他、嵌合等によっても取付けることができ、磁石の種類に応じて適宜選択すればよい。
【0027】
尚、上記実施形態において、導体の種類は、銅、アルミニウム、黄銅など、誘導モータとしての所望の特性に応じて適宜選択できる。
【0028】
次に、8極誘導同期モータ用の固定子について、図3に基づいて説明する。
図3に示す固定子10は、固定子鉄心11と、固定子鉄心11内周にスロット12が形成され、該スロット12には8極になるように巻線が施されている。巻線は、主巻線と補助巻線からなり、補助巻線には、進相用コンデンサが直列に接続されて、疑似2相が形成されている。
【0029】
このような固定子10の内周部に図1に示す回転子1を組合わせると、本実施形態の誘導同期モータが形成される。
ここで、固定子10と回転子1との間のギャップは、できる限り小さくする方がよい。励磁電流を小さくできる。
【0030】
以上のような構成を有する誘導同期モータの固定子巻線に、家庭用の単相電源から通電する。固定子巻線に単相交流が通電されると、補助巻線とコンデンサーで構成される始動回路に電流が流れ、回転磁界が発生する。この回転磁界により、回転子1のかご形巻線に誘導電流が発生して誘導モータとして回転し始める。切欠き部4で回転子1のかご形巻線部分(導体占有面積)が小さくなっているものの、永久磁石が埋設された従来の回転子鉄心のように磁束を遮るような溝はないので、かご形導体には誘導電流が流れ、従来よりも大きな誘導トルクを得ることができる。同期速度(本実施形態の場合、電源周波数50Hzの場合には750rpm、60Hzの場合には900rpm)付近になると、回転子1は、突極部5による突極構造により、レラクタンストルクが発生する。従って、誘導トルク及びレラクタンストルク及び磁石トルクによって、同期引き込みが行われる。ここで、磁石の6の取付けにより、突極部5の外周面と磁石5の外周面がほぼ同心円上に位置し、回転子1は見かけ上、突極構造を有していないが、突極部6を通る直軸磁路S1は磁気抵抗が小さく、磁石6を通る横軸磁路S2は磁気抵抗が大きくなるので、従来のギャップの違いによる突極構造に基づくレラクタンストルクが発生する。そして、同期後は、切欠き部4に取り付けられた磁石6の磁極と固定子1の回転磁界との反発吸引により回転する。同期速度ではすべり(s)が0となるので、回転子1の導体巻線には誘導電流は流れず、誘導トルクは0となる。一方、同期中は、固定子が形成する回転磁界に同期しようとする磁石6によるマグネットトルクの他、突極構造によるレラクタンストルクも働いているので、両者の合成トルクで回転することができ、負荷がかかっても脱調しにくい。
【0031】
このように、本発明の誘導同期モータは、誘導モータとしての磁束通路と磁石型同期モータとしての磁路の双方が確保され、両磁路が直交の関係(交叉磁界)にある。従って、誘導モータとして回転し始め、家庭用の単相電源であっても、同期速度近辺にまで加速できる誘導トルクが確保され、同期速度近辺では、突極部5によるレラクタンストルクが加わるので、負荷がかかっても同期引き込みを行うことができる。そして、同期回転中は、突極部5によるレラクタンストルクと切欠き部4に取付けられた永久磁石6によるマグネットトルクとの合成トルクにより、同期速度で安定して回転し続けることができる。
【0032】
尚、本発明の誘導同期モータは、同期時には、大きなトルクを得ることができる。換言すると従来よりも小電圧で、所定トルクを得ることができる省エネルギータイプのモータである。同期前は誘導モータとして、従来の誘導モータと同様の起動電圧を要するが、同期後、入力電圧を下げることができるように、主巻線の巻線数を変えることができるスイッチを取付けておけばよい。例えば、図4では、遠心力スイッチ16が同期時に開き、起動時に短絡していた主巻線15の一部を開放することによりインピーダンスを増大させて、電流を抑制している。図4中、17は補助巻線であり、18はコンデンサである。
【0033】
また、本発明の誘導同期モータにおいて、磁気装荷が比較的大きくなって、同期化トルクがやや低くなり、且つ負荷により同期時のトルクを比較的高く設定した場合、負荷のトルクが同期化トルクより高くなって同期化不能となる場合がある。このような場合には、同期前は負荷がかからないようにし、同期時に負荷に回転力を伝達するように作動する遠心力クラッチを取付けることが好ましい。例えば、図5では、クラッチシュー19aとクラッチ胴19bの組合わせからなる遠心力クラッチ19を取付けたモータの例を示しいる。クラッチシュー19aは、回転子鉄心13が取付けられた回転軸14aに取付けられていて、遠心力によりクラッチシュー19aが開いて、クラッチ胴19bと接触し、摩擦を通じてクラッチ胴19bに取付けられた負荷20に回転力を伝達する。クラッチ19の作動時には、負荷を取付けた軸14bは、回転軸14aと面接触状態にあって同期回転する。すなわち、負荷がかかった状態でモータが同期回転することになる。一旦同期すれば、十分な同期トルクがあるので、負荷がかかった状態で同期回転し続けることができる。
【0034】
また、図5に示すモータでは、固定接点16aと可動部16bとの組合わせからなる遠心力スイッチ16が取付けられている。固定接点16aはフレームに取付けられ、可動部16bは回転軸14aに取付られている。起動時には、可動部16bが固定接点16aと接触した状態にあるが、同期時に可動部16bが固定接点16aから離れるように移動する。これにより、同期中は過剰電流が流れることが防止される。尚、図5中、11aが固定子巻線で、13aが回転子巻線である。
【0035】
さらに、図1に示す形態において、回転子1は40スロットであったが、本発明の誘導同期モータはこれに限定されず、極数、導体の種類、スロット形状、組合わせる固定子のスロット数等に応じて適宜選択される。但し、極数で配分できる数にすることが好ましい。切欠き部の加工に際して、導体部分を切断することは、加工コストアップにつながるからである。
【0036】
さらにまた、上記実施形態では、いずれも8極の誘導同期モータであったが、本発明の誘導同期モータはこれに限定されず、6極、4極、2極であってもよい。極数は、設定しようとする回転数に応じて適宜決めればよい。但し、同期モータとして、固定子の極数は回転子の極数と等しくなければならない。
【0037】
上記実施形態では、コンデンサ起動型の単相モータ(コンデンサラン)の場合について説明したが、単相電源に限定されず、3相巻線の固定子を使用して、3相電源を使用することもできる。
【0038】
尚、本発明の誘導同期モータは、切欠き部4に磁石6を取付けなかった場合には、レラクタンストルクで回転するレラクタンスモータとして使用し得る。但し、積層ケイ素鋼鈑からなる回転子鉄心に突極をつけただけのレラクタンスモータでは、レラクタンストルクが小さいため、負荷が大きくなると回転できないので、負荷が小さい場合のみの使用に限られる。この点、本発明の永久磁石を取付けた誘導同期モータでは、切欠き部4に取付けられた磁石6から得られるマグネットトルクが、レラクタンスモータにおける突極部と切欠き部とのギャップ差により得られるレラクタンストルクよりもはるかに大きいので、負荷がかかった状態であっても、安定に同期回転し続けることができる。一方、従来のレラクタンスモータの場合、切欠き部と突極部の配分を考慮していないため、従来のレラクタンストルクの突極間間隙にあたる切欠き部に磁石を取付けただけでは、誘導トルクが不十分で同期できない。特に、同期トルクを十分得るために切欠きを大きくして突極を形成すると、切欠き部で誘導トルクが減少し、同期できないという問題がある。
【0039】
【実施例】
図1に示す回転子及び図3に示す固定子を組合わせた誘導同期モータのトルク特性を測定した。結果を表1に示す。ここで、回転子は、ケイ素鋼鈑を40枚の積層体で、切り欠き部にNd−Fe−B系のボンド磁石を接着剤で貼付けた。磁石を貼付けたことにより、切り欠き部は、回転子と凸部と面一になっている。
【0040】
固定子としては、ケイ素鋼鈑を40枚積層した積層体を用いた。固定子は、主巻線と補助巻線の2相タイプである。この誘導同期モータを60Hzの3相交流電源をスコット結線により2相に変換して供給し、回転させた。回転は、100Vで起動し、同期後(900rpmに達した後)、60Vに下げて、トルク特性を測定した。結果を表1に示す。また、負荷としてシャフトにファンを取付けた状態で、定常運転状態における入力電力を測定した。結果を表1に示す。
【0041】
参考のために、現在使用されている単相100V電源用の誘導モータについて、回転数とトルクの関係を調べ、さらに、シャフトに同じファンを取付けて、定常運転状態における入力電力を測定した。結果を表1に示す。尚、参考用として用いた誘導モータは、固定子が、主巻線と補助巻線にコンデンサを接続したコンデンサランタイプの単相誘導モータである。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
表1,2からわかるように、本発明の誘導同期モータでは、3kgf・cm程度の負荷をかけた状態であっても、50W程度で、900rpmで安定して回転しつづけたのに対し、従来の誘導モータでは、100Vでなければ3kgf・cm程度の負荷がかかった状態で、900rpm付近で回転することができない。つまり、ファンを取付けた状態では、878rpmで、59.9W必要であった。
【0045】
この実施例は完全2相運転の場合である。実際に単相コンデンサーモータとして運転される場合、主巻線を流れる電流と補助巻線を流れる電流の位相差は90°とならないため、完全2相運転の場合と比べて特性は劣化する。また、モータの性質上、本実施例の誘導同期モータと参考例の誘導モータとは回転数も異なるため、完全な比較はできない。しかしながら、本発明の誘導同期モータの方が、同じ負荷で、同程度の回転数であっても、設計上の工夫をすることにより、従来の誘導モータと同等以上の効率を発揮することができ、本発明の誘導同期モータの方が必要電力が少なくて済むことが期待できる。
【0046】
また、本実施例の誘導同期モータは、2相タイプであったが、補助巻線の巻数を増加するとともにコンデンサを用いて疑似2相にすれば、単相電源であっても、運転可能である。
【0047】
【発明の効果】
本発明の誘導同期モータは、単相電源で起動することができ、しかも同期後は、同等レベルの誘導モータより少ない電力で、同程度の負荷がかかった状態であっても、安定して同期回転し続けることができる。従って、本発明の誘導同期モータを用いることにより、家庭用の単相電源であっても、従来よりも省エネルギーで、安定した回転をし続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の誘導同期モータの一実施形態に用いられるかご形回転子の径方向断面図である。
【図2】図1に示すかご形回転子の部分拡大図である。
【図3】本発明の誘導同期モータの一実施形態に用いられる固定子の径方向断面図である。
【図4】遠心力スイッチを備えた場合の回路図である。
【図5】遠心力スイッチ及び遠心力クラッチを取付けた本発明の誘導同期モータの一実施形態を示す概略図である。
【図6】従来の誘導同期モータの構造を示す図である。
【図7】従来の誘導同期モータの構造を示す図である。
【符号の説明】
1 回転子
2 回転子鉄心
3 スロット
4 切欠き部
5 突極部
6 永久磁石
10 固定子
11 固定子鉄心
12 固定子巻線用スロット
13 回転子鉄心
14a 回転軸
15 主巻線
16 遠心力スイッチ
17 補助巻線
18 コンデンサ
19 遠心力クラッチ
20 負荷
Claims (6)
- 交流電流の通電により回転磁界を形成する固定子;及び
該回転磁界により誘導される誘導電流が流れる導体を挿入するためのスロットが外周に設けられていて且つ磁束通路が遮られることのない回転子鉄心と、前記各スロットに挿入された導体と、該導体の両端を短絡する短絡環とを有するかご形回転子であって、該回転子鉄心の外表面には前記固定子の極数と等しい数の切欠き部が設けられ且つ該切欠き部には永久磁石が取付けられているかご形回転子;
を備え、
同期引入れは誘導トルクとレラクタンストルクとによって行われ、
同期時は、前記かご形回転子の磁石トルクとレラクタンストルクとの合成トルクで回転する誘導同期モータ。 - 2つの切欠き部間に形成される突極部と、前記切欠き部との前記回転子表面における配分比率(突極部:切欠き部)は、1:1〜2:1である請求項1に記載の誘導同期モータ。
- 前記永久磁石の外表面は、前記突極部の外表面よりも回転子鉄心の内側になっている請求項1又は2に記載の誘導同期モータ。
- 前記永久磁石はボンド磁石である請求項1〜3のいずれかに記載の誘導同期モータ。
- 前記固定子には、主巻線と、進相用コンデンサが直列に接続されている補助巻線とが施されていて、単相電源で始動する請求項1〜4のいずれかに記載の誘導同期モータ。
- 前記回転子の回転軸に、
同期回転時に、主巻線の巻数を増加するように開く遠心力スイッチ;及び
同期回転時に、負荷に回転力を伝達するように作動する遠心力クラッチ
が取付けられている請求項5に記載の誘導同期モータ。
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