JP4166929B2 - 電動機の回転子の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、比較的出力が小さく、低騒音が要求される送風機用の誘導電動機に関するもので、特に単相の誘導電動機やくまとり型誘導電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、送風機用の誘導電動機には省エネルギーを目的として高効率化や低騒音化が要求されている。また、誘導機は必要な風量を必要な時だけに得るように可変速に運転される事が多くなった。
【0003】
図13は従来のかご型誘導電動機の回転子と固定子を示す図である。図13において、1は多数積層されて構成された固定子鉄心、2は固定子のスロット、3は固定子の歯である。また、4は多数積層されて構成された回転子鉄心、5は回転子のスロット、6は回転子の歯である。
【0004】
固定子スロット2は固定子鉄心1の内周に等間隔に24個配置され、固定子のスロット2の内部には、例えば2極、2相の巻線(コイル)が挿入されており、このコイルの一方に単相の電圧を印加し、他方のコイルには例えばコンデンサを直列に接続し電圧を印加することで、回転子には印加した交流電源周波数の回転磁界が加えられる。
【0005】
回転子のスロット5は回転子鉄心4の外周に等間隔に配置され、内部には二次導体のバーが形成されている。図14はその外観を示す図であり、11はエンドリングで、二次導体バーを電気的に接続している。
【0006】
図15は回転子のスロット部近傍の断面図である。低振動、低騒音化、並びに回転駆動の安定化のために回転子のスロット5は斜めにスキューが加えられることがあり、斜めにスキューされた回転子のスロット5内部に二次導体バー10が形成される。
【0007】
固定子から与えられた回転磁界により、回転子の二次導体バー10にはそれを打ち消そうとする電流が流れる。いわゆるかご型誘導電動機の動作原理に基づき、回転子が回転駆動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のかご型誘導電動機は以上のように構成されているので、上記のような固定子と回転子の組み合わせではそれぞれに設けられたスロットに起因する高調波が発生し脈動トルクが発生し、モータの駆動を不安定としたり電磁音となり騒音を大きなものとする事がある。特に、回転子のコイルへ印加される電源がインバータや位相制御で作られる歪みをもつ交流電源であった場合にはさらに脈動トルクや電磁音を増加させていた。
【0009】
対策として回転子のスロットを積層方向に対してスキューを施すことで脈動トルクを低減することができるが、製造が困難であったり、効率が落ちたり、軸方向の加振力となったりする原因となっている。
【0010】
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、回転子の製造を容易にし、回転磁界の歪みによって生じる脈動トルクを削減して電動機の低騒音化を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電動機の回転子は、高磁性金属材料と高導電性金属材料とを混合した材料を焼結化して一体で構成され、外周表面に近いほど高導電性金属組成比率を大きくし、固定子のスロットと回転子のスロットとの組み合わせで発生する回転磁界の歪みを抑制することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る電動機の回転子は、高磁性金属材料と高導電性金属材料とを混合した材料を焼結化して一体で構成され、外周表面に近いほど高導電性金属組成比率を大きくし、外周表面に周方向の溝を設けたことを特徴とする。
【0013】
また、鉄―銅系の焼結材料を用い、外周表面に近いほど銅の組成比率を大きくしたものである。
【0014】
また、磁気抵抗が周方向に大きく変化するように、回転子内部に極数と同じだけ空隙を形成したものである。
【0015】
また、回転子内部に形成された空隙を逆円弧状に形成したものである。
【0016】
また、回転子内部に形成された空隙に永久磁石を挿入したものである。
【0017】
また、外周表面に周方向の溝を設けたものである。
【0018】
また、外周表面に軸方向の溝を設けたものである。
【0019】
また、軸方向の溝を固定子のスロット開口幅より小さなピッチとしたものである。
【0020】
この発明に係る誘導電動機は、請求項1又は請求項2記載の電動機の回転子を用いたものである。
【0021】
また、位相制御により可変速駆動するものである。
【0022】
また、固定子の構造をくまとり型にしたものである。
【0023】
また、固定子を集中巻型としたものである。
【0024】
この発明に係る同期型電動は、請求項記載の電動機の回転子を用いたものである。
【0025】
また、請求項記載の電動機の回転子を用いたものである。
【0026】
この発明に係る誘導電動機は、固定子より回転子の軸方向長さを長くしたものである。
【0027】
この発明に係る同期型電動機は、固定子より回転子の軸方向長さを長くしたものである。
【0028】
この発明に係る誘導電動機は、請求項のいずれかに記載の電動機の回転子を用いたものである。
【0029】
この発明に係る同期型電動機は、請求項のいずれかに記載の電動機の回転子を用いたものである。
【0030】
この発明に係る電動機の回転子の製造方法は、高磁性金属材料と高導電性金属材料とを混合した材料を焼結化して一体で構成され、外周表面に近いほど高導電性金属組成比率を大きくした電動機の回転子の製造方法であって、上金型が下金型の中にあり回転子の表面の高導電性金属材料比率が大きな層の部分を第1の空隙として下金型と密着し、第1の空隙には焼結材料である高導電性金属材料と高磁性金属材料の比率を高電導性金属に大きく配合した第1の焼結材料粉が投入される工程と、第1の空隙に嵌合される第1のリング状ピストンが第1の焼結材料粉を圧縮して固められリング状固形物となる工程と、上金型が取り除かれ、代わりに上金型より外径の小さな円柱が下金型に密着して設置され、円柱とリング状固形物との第2の空隙に、高磁性金属材料比率が高い第2の焼結材料粉が投入される工程と、第2の空隙に嵌合する第2のリング状ピストンが第2の焼結材料粉を圧縮して固めめられ高導電率金属材料比率が高いリング状固形物とも一体化する工程と、この一体化した圧縮固形物を高温炉において所定温度にて焼結化する工程と、を備えたものである。
【0031】
この発明に係る電動機の回転子は、回転子表面側にリング状に高導電性金属材料比率を大きくした高磁性金属材料と混合した第1の材料層を設け、前記リング状の第1の材料層の内側に、高磁性金属材料比率を多くした第2の材料層を配置し、前記第1の材料層と前記第2の材料層との嵌合面を略三角形状の凹凸形状としたことを特徴とする。
【0032】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図面を参照して説明する。
図1〜4は実施の形態1を示す図で、図1は誘導電動機の回転子を示す斜視図、図2、3は誘導電動機の回転子材料組成分布を示す断面図、図4は誘導電動機の回転子を製造する金型構造を示す図である。
回転子材料は透磁率が大きい高磁性金属材料と導電性が高い高導電性金属材料からなり、焼結方法により一体化されている。また、回転子の表面に近いほど導電性が高い金属材料比率が高い組成分布となるように作られている。
【0033】
焼結材料としては、例えば鉄―銅系の焼結材料を用い回転子を一体で構成し、回転子表面側の焼結材料は銅の組成比率を多くなるように作られている。
【0034】
図2では回転子表面側にリング状に高導電性金属材料比率を大きくした高磁性金属材料と混合した第1の材料層23を配置し、そのリング状の層の内側には高磁性金属材料比率を多くした第2の材料層24が配置されている。
【0035】
図3は別の分布パターンを示している。ここに示した実施の形態では材料比率を2層に分けて分布実施したが、後述する製造法をとれば幾層にでも材料比率を変えて分布をさせることも可能である。
【0036】
次に動作について説明する。
図1に示す回転子21は、例えば図13に示した誘導電動機の回転子として用いられる。
固定子スロット2は固定子鉄心1の内周に等間隔に24個配置され、固定子スロット2の内部には例えば2極、2相の巻線(コイル)が挿入されており、このコイルの一方に単相の電圧を印加し、もう一方のコイルには例えばコンデンサを直列に接続し電圧を印加することで回転子21には印加した交流電源周波数の回転磁界が加えられる。
【0037】
固定子から与えられた回転磁界により回転子の高導体性金属材料部分にはそれを打ち消そうとする電流が流れる(2次電流)。いわゆるかご型誘導電動機の動作原理に基づき、回転子が回転駆動する。
【0038】
一方、回転子にはスロットが存在しないため、固定子のスロットと回転子スロット組み合わせで発生する回転磁界の歪みは発生しない為、回転磁界の歪みによる誘起トルクが減少して低騒音化、安定駆動が実現できる。
【0039】
誘導電動機の原理によれば回転子の2次導体抵抗値によりモータのトルク回転数特性を大きく変えることができるが、本発明においても回転子表面側に配置した材料の高導電性金属材料比率を調整することで、2次抵抗値を変更する事が可能でありトルク特性を調整する事が出来る。
【0040】
図4を用いて製造方法について説明する。
図4(a)において、25は下金型である。26は上金型で、下金型25の中にあり回転子の表面の高導電性金属材料比率が大きな層(リング部)の部分を第1の空隙27として下金型25と密着している。第1の空隙27には焼結材料である高導電性金属材料と高磁性金属材料の比率を高電導性金属に大きく配合した第1の焼結材料粉28が投入される。第1の空隙27に嵌合される第1のリング状ピストン29が第1の焼結材料粉28を圧縮して固められリング状固形物30となる。
【0041】
次に図4(b)には上金型26が取り除かれ、代わりに上金型26より外径の小さな円柱31が下金型25に密着して設置された状態が示されている。円柱31とリング状固形物30との第2の空隙33に、高磁性金属材料比率が高い第2の焼結材料粉34が投入されており、第2の空隙33に嵌合する第2のリング状ピストン32が第2の焼結材料粉34を圧縮して固めめられ高導電率金属材料比率が高いリング状固形物30とも一体化する。この一体化した圧縮固形物を高温炉において所定温度にて焼結化される。
【0042】
上述の実施の形態では、回転子内径側の第2の材料層24を第2の焼結材料粉34で形成したものを示したが、第2の材料層24の材料は純粋な鉄塊でも積層鋼鈑でもよい。
【0043】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図面を参照して説明する。
図5、6は実施の形態2を示す図で、図5は実施の形態1の回転子を用いた2相誘導電動機を位相制御し可変速駆動する回路構成図、図6は2相誘導電動機を位相制御し可変速駆動する時の誘導電動機巻線に流れる電流の状況を示す図である。
【0044】
図5において、21は実施の形態1の回転子、41は固定子に巻かれた第1相巻線(主巻線)、42は第2相巻線(補助巻線)、43は進相コンデンサ、44はトライアック、45はトライアック44のゲート、46は商用電源(50/60Hz)である。第1相巻線41、第2相巻線42、進相コンデンサ43、及び回転子21で誘導電動機が構成されている。
【0045】
図6に示すように、商用電源電圧である印加電圧(a)の誘導電動機への印加はトライアックのゲート駆動信号(b)により制御され、ゲート駆動信号(b)が図においてhighレベルの時に誘導電動機に電圧が加えられ、(c)の如く駆動電流が流れる。この駆動電流は多くの高調波を含んでいる。
【0046】
位相制御は、この駆動電流で第1相巻線41、第2相巻線42の巻線に回転子を駆動するための回転磁界を作るために回転磁界にも電流と同様に高調波成分を含む。しかし、実施の形態1の回転子21を使う事により、従来例で示した回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、結局低騒音となる。
【0047】
実施の形態3.
以下、この発明の実施の形態3を図面を参照して説明する。
図7は実施の形態3を示す図で、実施の形態1の回転子を用いたくまとり型モータの構造を示す横断面図である。図において、50は積層鉄心(コア)、61は積層鉄心50に巻かれた巻線(一次励磁コイル)、51はくまとりコイル、21は実施の形態1の回転子である。
【0048】
くまとり型モータは巻線61に交流電圧を印加し、電流が流れる事ことにより巻かれた鉄心に磁極を4極(図7では4つの鉄心に巻かれた巻線61がある)つくっている。くまとりコイル51は発生させた磁極の一部に巻かれているので磁束が遅れ、移動磁界(回転磁界)ができるので回転子はその回転磁界により回転駆動される。しかしながら駆動原理から巻線61とくまとりコイル51でつくる回転磁界は歪が大きく、駆動トルクに脈動を生じることが多い。
【0049】
しかし、実施の形態1の回転子を使うことにより、従来の技術で示した回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、結局低騒音となる。
【0050】
実施の形態4.
以下、この発明の実施の形態4を図面を参照して説明する。
図8は実施の形態4を示す図で、実施の形態1の回転子を用いた集中巻線型誘導電動機の構造を示す横断面図である。図において、52は積層鉄心(コア)、41は積層鉄心52で作られた突極に集中的に巻かれた第1相巻線(主巻線)、42は他の突極に集中的に巻かれた第2相巻線(補巻線)、21は実施の形態1の回転子で2極、2相、誘導電動機である。第1相巻線41と第2相巻線42は図5の駆動回路図で示したように結線され進相コンデンサ43で第1相巻線41と第2相巻線42のに流れる電流の位相を変えて回転磁界を作ることにより回転子21が回転駆動する。
【0051】
例えば図8のような集中巻線型の鉄心構造では、それぞれの相で作る磁極は回転子の電気角で90度しか面することができないので2相の巻線で作る回転磁界が大きく歪み駆動トルクに脈動を生じることとなる。
【0052】
従来の技術で示した図13の固定子で2相巻線を施す場合、それぞれの相で作る磁極は回転子の電気角で180度となり2相の巻線で作る回転磁界は集中巻線型より歪みにくい。
【0053】
しかし、実施の形態1の回転子を使うことにより、従来の技術で示した回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、結局低騒音となる。
【0054】
実施の形態5.
以下、この発明の実施の形態5を図面を参照して説明する。
図9は実施の形態5を示す図で、回転子の構造を示す横断面図である。回転子全体は実施の形態1で示したように材料は透磁率が大きい高磁性金属材料と導電性が高い高導電性金属材料からなり、材料は焼結方法により一体化されている。
【0055】
また、回転子の表面に近いほど導電性が高い金属材料比率が高い組成分布となるように作られている。回転子の中には逆円弧状の空隙55が3層、4組均等に配置され、それにより磁気抵抗が周方向に大きく変化するようになっている。その結果、固定子から見た図9のd軸方向56のインダクタンス値Ldとq軸方向57のインダクタンス値Lqには大きな差があり、Lq>Ldである。
【0056】
このような特性をもつ回転子は固定子の作る回転磁界に同期してリラクタンストルクを発生して回転駆動することができる。また、この回転子の表面側は誘導電動機の回転子の特性をもつので電動機の起動時は誘導電動機のように固定子の作る回転磁界により起動し、最後には回転子の内部の構造により同期運転が可能である。
【0057】
その結果、誘導電動機として運転中には回転子に2次電流と呼ばれる電流が流れるが、同期運転時にはその電流が流れないので損失が減り効率が良くなる。
【0058】
実施の形態6.
以下、この発明の実施の形態6を図面を参照して説明する。
図10は実施の形態6を示す図で、回転子の構造を示す横断面図である。図9で説明した回転子の内部の空隙55に永久磁石62を挿入し、4極の永久磁石62による極を作ったものである。この回転子は実施の形態5で説明したように、起動時は回転子表面の誘導電動機の回転子の特性により起動し、最後には回転子の内部の構造により同期運転が可能である。
【0059】
また、同期運転時には内蔵した永久磁石62により更に固定子の作る回転磁界との間で吸引反発力を生じるので、回転トルクを発生する為に必要な固定子側の回転磁界の量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0060】
実施の形態7.
以下、この発明の実施の形態7を説明する。
本実施の形態では、固定子の軸方向長さより回転子の軸方向長さを大きくするように構成している。このことによって固定子で作る回転磁界によって回転子側に流れる電流を回転子と固定子が面していない部分に多く流すことができ2次電流での損失が減り、固定子側からみた磁気低抵抗が小さくなるので回転磁界をつくる電流量(アンペアターン)を削減できるので効率がよくなる。
電動機の種類は、誘導電動機、同期型電動機のどちらにも適用できる。
【0061】
実施の形態8.
以下、この発明の実施の形態8を図面を参照して説明する。
図11は実施の形態8を示す図で、回転子の斜視図である。図に示すように、回転子の表面に細い周方向の溝を複数設けている。回転子の表面は導電性の高い材料で燒結化により一体で構成されているので、固定子の表面近くには固定子が作る磁界が回転子の表面だけを通過して固定子側に戻り回転子に渦電流のみを誘発し効率を落とすことがあるが、表面に細い溝を複数設けることで渦電流の発生量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0062】
実施の形態9.
以下、この発明の実施の形態9を図面を参照して説明する。
図12は実施の形態9を示す図で、回転子の斜視図である。図に示すように、回転子の表面に軸方向に水平に細い軸方向の溝を複数設けている。回転子の表面は導電性の高い材料で燒結化により一体で構成されているので、固定子の表面近くには固定子が作る磁界が回転子の表面だけを通過して固定子側にもどり回転子に渦電流のみを誘発し効率を落とすことがあるが、表面に軸方向に水平に細い軸方向の溝を複数設けることで渦電流の発生量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0063】
また、固定子の表面近くには固定子が作る磁界が回転子の表面だけを通過して固定子側に戻り回転子に渦電流のみを誘発する現象は固定子のスロット開口部近辺で発生しやすいので、固定子のスロット開口幅より小さなピッチで溝が設けることで回転子表面の渦電流を効果的に削減でき効率が良くなる。
【0064】
【発明の効果】
この発明に係る電動機の回転子は、高磁性金属材料と高導電性金属材料とを混合した材料を焼結化して一体で構成され、外周表面に近いほど高導電性金属組成比率を大きくしたことにより、回転子の製造を容易にし、電動機に使用された場合の回転磁界の歪みによって生じる脈動トルクを削減して電動機の低騒音化を図ることができる。
【0065】
また、鉄―銅系の焼結材料を用い、外周表面に近いほど銅の組成比率を大きくしたものである。回転子の製造を容易にし、電動機に使用された場合の回転磁界の歪みによって生じる脈動トルクを削減して電動機の低騒音化を図ることができる。
【0066】
また、磁気抵抗が周方向に大きく変化するように、回転子内部に極数と同じだけ空隙を形成したので、同期型電動機に使用した場合、効率を高くすることができる。
【0067】
また、回転子内部に形成された空隙を逆円弧状に形成したので、磁気抵抗を周方向に大きく変化させることができる。
【0068】
また、回転子内部に形成された空隙に永久磁石を挿入したので、同期型電動機に使用した場合、回転トルクを発生する為に必要な固定子側の回転磁界の量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0069】
また、外周表面に周方向の溝を設けたので、渦電流の発生量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0070】
また、外周表面に軸方向の溝を設けたので、渦電流の発生量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0071】
また、軸方向の溝を固定子のスロット開口幅より小さなピッチとしたので、回転子表面の渦電流を効果的に削減でき効率が良くなる。
【0072】
この発明に係る誘導電動機は、請求項1又は請求項2記載の電動機の回転子を用いたことにより、製造を容易にし、回転磁界の歪みによって生じる脈動トルクを削減して誘導電動機の低騒音化を図ることができる。
【0073】
また、位相制御により可変速駆動する場合でも、請求項1又は請求項2記載の電動機の回転子を用いたことにより、回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、低騒音とすることができる。
【0074】
また、固定子の構造をくまとり型にした場合でも、請求項1又は請求項2記載の電動機の回転子を用いたことにより、回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、低騒音とすることができる。
【0075】
また、固定子を集中巻型とした場合でも、請求項1又は請求項2記載の電動機の回転子を用いたことにより、回転子と固定子の間で発生する回転磁界の歪みが少なくなるのでより多くの高調波成分を増加させることがなく、低騒音とすることができる。
【0076】
この発明に係る同期型電動は、請求項記載の電動機の回転子を用いたことにより、同期運転時には2次電流が流れないので損失が減り効率が良くなる。
【0077】
また、請求項記載の電動機の回転子を用いたことにより、同期運転時には内蔵した永久磁石により更に固定子の作る回転磁界との間で吸引反発力を生じるので、回転トルクを発生する為に必要な固定子側の回転磁界の量を少なくすることができるので効率が良くなる。
【0078】
この発明に係る誘導電動機は、固定子より回転子の軸方向長さを長くしたことにより、固定子側からみた磁気低抵抗が小さくなるので回転磁界をつくる電流量を削減できるので効率がよくなる。
【0079】
この発明に係る同期型電動機は、固定子より回転子の軸方向長さを長くしたことにより、固定子側からみた磁気低抵抗が小さくなるので回転磁界をつくる電流量を削減できるので効率がよくなる。
【0080】
この発明に係る電動機の回転子の製造方法は、上金型が下金型の中にあり回転子の表面の高導電性金属材料比率が大きな層の部分を第1の空隙として下金型と密着し、第1の空隙には焼結材料である高導電性金属材料と高磁性金属材料の比率を高電導性金属に大きく配合した第1の焼結材料粉が投入される工程と、第1の空隙に嵌合される第1のリング状ピストンが第1の焼結材料粉を圧縮して固められリング状固形物となる工程と、上金型が取り除かれ、代わりに上金型より外径の小さな円柱が下金型に密着して設置され、円柱とリング状固形物との第2の空隙に、高磁性金属材料比率が高い第2の焼結材料粉が投入される工程と、第2の空隙に嵌合する第2のリング状ピストンが第2の焼結材料粉を圧縮して固めめられ高導電率金属材料比率が高いリング状固形物とも一体化する工程と、この一体化した圧縮固形物を高温炉において所定温度にて焼結化する工程と、を備えたことにより、回転子の製造が容易にできる。
【0082】
この発明に係る電動機の回転子は、回転子表面側にリング状に高導電性金属材料比率を大きくした高磁性金属材料と混合した第1の材料層を備えたので、電動機に使用された場合の回転磁界の歪みによって生じる脈動トルクを削減して電動機の低騒音化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1を示す図で、誘導電動機の回転子を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態1を示す図で、誘導電動機の回転子材料組成分布を示す図である。
【図3】 実施の形態1を示す図で、誘導電動機の回転子材料組成分布を示す図である。
【図4】 実施の形態1を示す図で、誘導電動機の回転子を製造する金型構造を示す図である。
【図5】 実施の形態2を示す図で、2相誘導電動機を位相制御し可変速駆動する回路構成を示す図である。
【図6】 実施の形態2を示す図で、2相誘導電動機を位相制御し可変速
駆動する時の誘導電動機巻線に流れる電流の状況を示す図である。
【図7】 実施の形態3を示す図で、実施の形態1の回転子を用いたくまとり型モータの構造を示す横断面図である。
【図8】 実施の形態4を示す図で、実施の形態1の回転子を用いた集中巻線型誘導電動機の構造を示す横断面図である。
【図9】 実施の形態5を示す図で、回転子の構造を示す横断面図である。
【図10】 実施の形態6を示す図で、回転子の構造を示す横断面図である。
【図11】 実施の形態8を示す図で、回転子を示す斜視図である。
【図12】 実施の形態9を示す図で、回転子を示す斜視図である。
【図13】 従来のかご型誘導電動機の回転子と固定子を示す図である。
【図14】 従来のかご型誘導電動機の回転子の外観図である。
【図15】 従来のかご型誘導電動機の回転子のスロット部近傍の断面図である。
【符号の説明】
21 回転子、23 第1の材料層、24 第2の材料層、25 下金型、26 上金型、27 第1の空隙、28 第1の焼結材料粉、29 第1のリング状ピストン、30 リング状固形物、31 円柱、32 第2のリング状ピストン、33 第2の空隙、34 第2の焼結材料粉、41 第1相巻線、42 第2相巻線、43 進相コンデンサ、44 トライアック、45 トライアックのゲート、46 商用電源、50 積層鉄心、51 くまとりコイル、52 積層鉄心、55 空隙、56 d軸方向、57 q軸方向、58 周方向の溝、59 軸方向の溝、61 巻線、62 永久磁石。

Claims (2)

  1. 高磁性金属材料と高導電性金属材料とを混合した材料を焼結化して一体で構成され、外周表面に近いほど高導電性金属組成比率を大きくした電動機の回転子の製造方法であって、
    上金型が下金型の中にあり回転子の表面の高導電性金属材料比率が大きな層の部分を第1の空隙として下金型と密着し、前記第1の空隙には焼結材料である高導電性金属材料と高磁性金属材料の比率を高電導性金属に大きく配合した第1の焼結材料粉が投入される工程と、
    前記第1の空隙に嵌合される第1のリング状ピストンが第1の焼結材料粉を圧縮して固められリング状固形物となる工程と、
    上金型が取り除かれ、代わりに上金型より外径の小さな円柱が下金型に密着して設置され、前記円柱と前記リング状固形物との第2の空隙に、高磁性金属材料比率が高い第2の焼結材料粉が投入される工程と、
    前記第2の空隙に嵌合する第2のリング状ピストンが第2の焼結材料粉を圧縮して固めめられ高導電率金属材料比率が高い前記リング状固形物とも一体化する工程と、
    この一体化した圧縮固形物を高温炉において所定温度にて焼結化する工程と、
    を備えたことを特徴とする電動機の回転子の製造方法。
  2. 外周表面の全周に亘って延びる周方向の溝を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機の回転子の製造方法。
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