以下に本発明の実施の形態を説明するが、請求項に記載の構成要件と、発明の実施の形態における具体例との対応関係を例示すると、次のようになる。この記載は、請求項に記載されている発明をサポートする具体例が、発明の実施の形態に記載されていることを確認するためのものである。従って、発明の実施の形態中には記載されているが、構成要件に対応するものとして、ここには記載されていない具体例があったとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件に対応するものではないことを意味するものではない。逆に、具体例が構成要件に対応するものとしてここに記載されていたとしても、そのことは、その具体例が、その構成要件以外の構成要件には対応しないものであることを意味するものでもない。
さらに、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明が、請求項に全て記載されていることを意味するものではない。換言すれば、この記載は、発明の実施の形態に記載されている具体例に対応する発明であって、この出願の請求項には記載されていない発明の存在、すなわち、将来、分割出願されたり、補正により追加されたりする発明の存在を否定するものではない。
請求項1に記載の電子機器(例えば、図11のテレビジョン受像機200)は、リモートコントローラ(例えば、図11のリモコン300)から出力された、ユーザの操作に対応する操作信号(例えば、ボタンコード信号)を受信する受信手段(例えば、図16のステップS1の処理を行う図11のリモコン信号受信回路202の受信部261)と、操作信号と制御信号(例えば、リモコンコマンド)との対応を示す対応表(例えば、図11の変換表243)を保持する保持手段(例えば、図11のリムーバブルメモリ242)と、処理信号(例えば、制御コマンド)に従って所定の処理を実行する処理手段(例えば、図11の画像信号処理部210)と、受信手段によって受信された操作信号を、保持手段に保持された対応表に基づいて制御信号に変換する変換手段(例えば、図16のステップS2の処理を行う図11のリモコン信号受信回路202の変換部262)と、変換手段によって変換された制御信号に基づき、処理信号を生成する生成手段(例えば、図16のステップS3の処理を行う図11のシステムコントローラ201)とを含むことを特徴とする。
請求項6に記載のリモートコントローラ(例えば、図1の機能拡張リモコン1)は、本体ユニット(例えば、図1のベースユニット10)は、ユーザの操作を入力する第1の入力手段(例えば、図1の入力部14)と、第1の入力手段によって入力されたユーザの操作に対応して、電子機器を制御するための制御信号を送信する送信手段(例えば、図1の送信部11)と、追加ユニットと接続するための第1の接続手段(例えば、図1のユニットI/F凹部15)とを備え、追加ユニット(例えば、図1のボタンユニット20)は、ユーザの操作を入力する第2の入力手段(例えば、図1の入力部23)と、本体ユニットと接続するための第2の接続手段(例えば、図1のユニットI/F凸部21)とを備え、送信手段は、第2の入力手段によって入力されたユーザの操作にも対応して、電子機器を制御するための制御信号を送信することを特徴とする。
請求項7に記載のリモートコントローラは、追加ユニットは、他の追加ユニット(例えば、図1のスティックユニット30)と接続するための第3の接続手段(例えば、図1のユニットI/F凹部22)をさらに備えることを特徴とする。
請求項8に記載のリモートコントローラは、追加ユニットは、第1または第2の入力手段によって入力されたユーザの操作の履歴情報を保持する保持手段(例えば、図7の操作ログメモリ142)をさらに備えることを特徴とする。
請求項8に記載のリモートコントローラ(例えば、図1のベースユニット10)は、ユーザの操作を入力する入力手段(例えば、図1の入力部14)と、入力手段によって入力されたユーザの操作に対応して、電子機器を制御するための制御信号を送信する送信手段(例えば、図1の送信部11)と、ユーザの操作を入力する入力部を備える追加ユニットと接続するための接続手段(例えば、図1のユニットI/F凹部15)とを備え、送信手段は、追加ユニットの入力部によって入力されたユーザの操作にも対応して、電子機器を制御するための制御信号を送信することを特徴とする。
請求項10に記載の追加ユニット(例えば、図1のボタンユニット20)は、ユーザの操作を入力する入力手段(例えば、図1の入力部23)と、リモートコントローラと接続して、入力手段に入力されたユーザの操作を伝達する第1の接続手段(例えば、図1のユニットI/F凸部21)とを備え、入力手段によって入力されたユーザの操作に対応する制御信号がリモートコントローラから送信されることを特徴とする。
請求項11に記載の追加ユニットは、他の追加ユニットと接続するための第2の接続手段(例えば、図1のユニットI/F凹部22)をさらに備えることを特徴とする。
請求項12に記載の追加ユニットは、リモートコントローラまたは入力手段によって入力されたユーザの操作の履歴情報を保持する保持手段(例えば、図7の操作ログメモリ142)をさらに備えることを特徴とする。
請求項13に記載のリモートコントローラ(例えば、図8の機能拡張リモコン150)は、ユーザの操作を受け付ける受付手段(例えば、図9の入力部154)と、ユーザの操作と送信される制御信号との対応関係が記録されている対応表を保持する保持手段(例えば、図9の不揮発性メモリ163)と、保持手段に保持されている対応表を参照して、受付手段によって受け付けられたユーザの操作に対応する制御信号を送信する送信手段(例えば、図9の通信部151)と、保持手段によって保持されている対応表を更新するためのデータを入力する入力手段(例えば、図9のメモリスロット155、または通信I/F156)とを備えることを特徴とする。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明のリモートコントローラの第1の実施の形態である機能拡張リモコンの外観を示している。この機能拡張リモコン1は、バージョンアップ可能な電子機器としての家電機器(以下、例えば、テレビジョン受像機とする)を制御するためのものであり、ベースユニット10、ボタンユニット20、スティックユニット30、スライダユニット40、およびツマミユニット50から構成される。
ベースユニット10は、例えば、制御対象のテレビジョン受像機を購入したときに付属されているものであり、ボタンユニット20乃至ツマミユニット50は、例えば、制御対象のテレビジョン受像機をバージョンアップさせるための基板や制御プログラムに付属していたり、テレビジョン受像機と接続して用いる他の電子機器(例えば、ビデオレコーダ)に付属していたりするものである。
ベースユニット10には、制御対象のテレビジョン受像機を制御するための制御信号を送信する送信部11、各種の情報を表示するディスプレイ13、電源ボタン、音量ボタン、チャンネルボタン、テンキーボタン等の基礎的な操作を入力するための入力部14、およびボタンユニット20、スティックユニット30、スライダユニット40またはツマミユニット50を接続させるためのユニットインタフェース(I/F)凹部15が設けられている。
ボタンユニット20は、例えば、テレビジョン受像機に接続して用いるビデオレコーダに付属して販売されるものであり、ベースユニット10のユニットI/F凹部15または他のユニットに接続するためのユニットI/F凸部21、他のユニットを接続させるためのユニットI/F凹部22、および当該ビデオレコーダに対する操作を入力するためのボタンからなる入力部23が設けられている。
スティックユニット30は、例えば、テレビジョン受像機にズーム機能(画面上の任意の位置を拡大する機能)を追加するための基板等に付属して販売されるものであり、ボタンユニット20のユニットI/F凹部22またはそれ以外のユニットに接続するためのユニットI/F凸部31、他のユニットを接続させるためのユニットI/F凹部32、およびズーム機能を実行させたときのズーム位置を指示したり、ズーム率を指定したりするためのスティックからなる入力部33が設けられている。
スライダユニット40は、例えば、テレビジョン受像機にノイズ除去機能、解像度変更機能を追加するための基板等に付属して販売されるものであり、スティックユニット30のユニットI/F凹部32またはそれ以外のユニットに接続するためのユニットI/F凸部41、他のユニットを接続させるためのユニットI/F凹部42、およびノイズ除去や解像度変更の程度を設定するためのスライダからなる入力部43が設けられている。
ツマミユニット50は、スライダユニット40のユニットI/F凹部42またはそれ以外のユニットに接続するためのユニットI/F凸部51、他のユニットを接続させるためのユニットI/F凹部52、および所定の設定項目の値を変更するためのツマミからなる入力部53が設けられている。
なお、ベースユニット10に対しては、ボタンユニット20乃至ツマミユニット50のうち、任意のものを任意の順序で接続することができる。
次に、図2は、機能拡張リモコン1の内部の構成例を示している。ベースユニット10には、MPU(Micro Processing Unit)61が内蔵されている。MPU61には、入力部14が接続されており、さらに、バス62を介して送信部11、ディスプレイ13、ユニットI/F凹部15が接続されている。MPU61は、入力部14に対するユーザの操作を検知し、その検知結果に対応する制御信号を送信部11から送信させる。また、MPU61は、ユニットI/F凹部15を介して他のユニットから入力される検知信号を取得し、その検知信号に対応する制御信号を送信部11から送信させる。さらに、MPU61は、ディスプレイ13の表示を制御する。
ベースユニット10には、バッテリ63が内蔵されている。バッテリ63の電力は、ベースユニット10を構成するMPU61等の他、ユニットI/F凹部15を介して、他のボタンユニット20等に対しても供給されるようになされている。
ボタンユニット20は、MPU71を内蔵している。MPU71には、入力部23が接続されており、さらに、バス72を介してユニットI/F凸部21、およびユニットI/F凹部22が接続されている。MPU71は、入力部23に対するユーザの操作を検知し、その検知結果に対応する検知信号を生成する。ユニットI/F凸部21は、MPU71によって生成された検知信号を、ベースユニット10に送信する。また、ユニットI/F凸部21は、ユニットI/F凹部22によって中継された後段のスティックユニット30等からの検知信号を、ベースユニット10に送信する。ユニットI/F凹部22は、後段のスティックユニット30等から入力される検知信号を、バス72を介してユニットI/F凸部21に中継する。さらに、ユニットI/F凸部21は、ベースユニット10のバッテリ62から供給された電力を、MPU71およびユニットI/F凹部22に供給する。
なお、スティックユニット30、スライダユニット40、およびツマミユニット50の構成は、ボタンユニット20と同様であるので、その説明は省略する。
次に、機能拡張リモコン1の動作について説明する。例えば、ボタンユニット20に設けられたボタンからなる入力部23がユーザに操作された場合、この操作はMPU71によって検知されて、その検知結果に対応する検知信号が生成され、生成された検知信号が、バス72、ユニットI/F凸部21、ベースユニット10のユニットI/F凹部15、バス62を介して、MPU61に入力される。MPU61は、入力された検知信号に応じ、検知信号に対応する制御信号を送信部11に送信させる。以上、機能拡張リモコン1の動作の説明を終了する。
図3は、機能拡張リモコン1の内部の他の構成例を示している。図3の構成例は、図2に示された構成例と、ベースユニット10に入力検知用MPU81が追加して設けられている点が異なっている。入力検知用MPU81は、入力部14に対するユーザからの操作入力を検知するために設けられている。この場合、このように、入力検知用MPU81を設けることにより、MPU61は、入力部14に対するユーザからの操作入力を検知する処理を行う必要がないので、その分だけ、MPU61の処理負担を軽減させることができる。
図4は、機能拡張リモコン1の内部のさらに他の構成例を示している。図4の構成例は、図2に示された構成例と、ボタンユニット20から、MPU71およびバス72が省略されており、ボタンユニット20の入力部23に対するユーザの操作が、ベースユニット10のMPU61によって検知されるようになされている点が異なっている。このような構成とすることにより、ボタンユニット20の製造コストを減少させることが可能となる。
以上説明したように、機能拡張リモコン1は、ベースユニット10にボタンユニット20乃至ツマミユニット50のうちの任意のものを任意の数だけ単に追加接続するだけで、任意のユーザインタフェースを用いて、操作可能な機器を増やしたり、操作可能な項目を追加したりすることができる。
次に、図5は、本発明のリモートコントローラの第2の実施の形態である機能拡張リモコンの外観を示している。この機能拡張リモコン100は、バージョンアップ可能な家電機器(例えば、テレビジョン受像機とする)を制御対象とするためのものであり、本体101(図5A)、および本体101の上面を覆うボタン配置パネル103A(図5B)から構成される。
本体101の上面には、多数(図5の場合、90個)のボタンからなるボタン群102が設けられている。本体101は、ボタン群102を構成する各ボタンが押下された場合、押下されたボタンに対応する制御信号を出力するようになされている。すなわち、図5の場合、機能拡張リモコン100は、90種類の制御信号を送信できるようになされている。
ボタン配置パネル103Aは、ボタン群102を構成するボタンのうち、所定のものだけがユーザによる押下操作を受け付けるように、所定の位置に例えば穴が開けられており、その穴の近傍に、制御する項目名(例えば、音量大、CH1等(不図示))が記載されている。
ボタン配置パネル103Aと換装可能なボタン配置パネル103B(図5C)は、押下されたことに対応して、テレビジョン受像機に追加される機能等に対応する制御信号が送信されるボタンを押下できるように、ボタン配置パネル103Aとは異なる位置に穴が配置されている(当然ながら、ボタン配置パネル103A,103Bに共通する穴も存在する)。
機能拡張リモコン100は、制御対象のテレビジョン受像機を購入したときに、例えば、ボタン配置パネル103Aが装着された状態でテレビジョン受像機の付属品としてユーザの手元に届けられる。それに対して、ボタン配置パネル103Bは、例えば、テレビジョン受像機と接続して用いるビデオレコーダに付属されたり、テレビジョン受像機にズーム機能を追加するための基板等に付属されたりして、機能拡張リモコン100のユーザの手元に届けられる。そして、ボタン配置パネル103Aの代わりにボタン配置パネル103Aが本体101に装着されることにより、機能拡張リモコン100の機能が拡張されることになる。
このように、機能拡張リモコン100は、制御対象が増加したり、制御対象の機器に機能が追加されたりした場合、それに対応して、ユーザの押下操作に対応して送信できる制御信号の数や種類を変更することが可能となる。
なお、当然ながら、ボタン配置パネル103B以外にも、ボタン配置パネル103Aと換装可能なボタン配置パネルを複数用意するようにしてもよい。
次に、図6は、本発明のリモートコントローラの第3の実施の形態である機能拡張リモコンの外観を示している。この機能拡張リモコン120は、バージョンアップ可能な家電機器(例えば、テレビジョン受像機とする)を制御対象とするものである。
機能拡張リモコン120の外面には、制御対象を制御するための制御信号を送信する送信部121、換装パネル122A、および複数のボタンやジョイスティック等からなる入力部123が設けられている。
換装パネル122Aには、タッチパネル式ディスプレイ124が設けられている。タッチパネル式ディスプレイ124は、制御対象のテレビジョン受像機の画面と対応しており、接触された位置を検知し、検知した位置にカーソル125を表示するようになされている。従って、ユーザは、タッチパネル式ディスプレイ124を指で接触することにより、制御対象であるテレビジョン受像機の画面の任意の位置を指示することができる。
換装パネル122Aは、換装パネル122B、または換装パネル122C等と換装可能なようになされている。
換装パネル122Bには、タッチパネル式ディスプレイ124の他、モード切替ボタン126およびスライダ127が設けられている。換装パネル122Cには、タッチパネル式ディスプレイ124、モード切替ボタン126、スライダ127に加えて、スライダ128が追加されている。
モード切替ボタン126は、スライダ127やスライダ128を用いて設定する項目を切り換えるときに押下される。例えば、モード切替ボタン126が押下される毎、スライダ127,128による設定項目が、カーソル125で指示された位置のズーム率の変更、解像度の変更、ノイズ除去の度合いの変更、画像上の音源のズーム率の変更等に順次切り換えられる。
なお、機能拡張リモコン120は、例えば、制御対象のテレビジョン受像機を購入したときに換装パネル122Aが装着された状態で、テレビジョン受像機の付属品としてユーザの手元に届けられる。換装パネル122Bや換装パネル122Cは、例えば、テレビジョン受像機と接続して用いるビデオレコーダに付属されたり、テレビジョン受像機にズーム機能を追加するための基板等に付属されたりして、機能拡張リモコン120のユーザの手元に届けられる。これらは換装パネル122Aの代わりに本体101に装着される。
そして、換装パネル122Aの代わりに換装パネル122Bまたは換装パネル122Cが装着されることにより、機能拡張リモコン120の機能が拡張されることになる。
このように、機能拡張リモコン120は、制御対象が増加したり、制御対象の機器に機能が追加されたりした場合、それに対応して、ユーザの押下操作に対応して送信できる制御信号の数や種類を変更することが可能となる。
図7は、機能拡張リモコン120の内部の構成例を示している。機能拡張リモコン120には、MPU131が内蔵されている。MPU131には、入力部123が接続されており、さらに、バス132を介して送信部121、換装パネルI/F134が接続されている。換装パネルI/F134には、換装パネル122(換装パネル122A,122B,122Cを個々に区別する必要がない場合、単に換装パネル122と記述する)が接続される。
換装パネル122には、タッチパネル式ディスプレイ124、モード切替ボタン126やスライダ127,128等からなる入力部141、および操作ログメモリ142が内蔵されている。タッチパネル式ディスプレイ124は、制御対象のテレビジョン受像機の画面と対応しており、接触された位置を検知し、検知した位置にカーソル125を表示し、さらに、ユーザによって接触された位置を示す検知信号を生成する。入力部141は、ユーザの操作に対応する検知信号を生成する。操作ログメモリ142には、入力部123,141あるいはタッチパネル式ディスプレイ122に対するユーザの操作履歴が蓄積される。
MPU131は、入力部123に対するユーザの操作を検知し、その検知結果に対応する制御信号を送信部121から送信させる。また、MPU131は、入力部141あるいはタッチパネル式ディスプレイ124によって生成され、換装パネルI/F134およびバス132を介して入力される検知信号に基づき、対応する制御信号を送信部121から送信させる。
次に、機能拡張リモコン120の動作について説明する。例えば、換装パネル122Aのスライダ127がユーザに操作された場合、この操作は入力部141によって検知されて対応する検知信号が生成され、生成された検知信号が、換装パネルI/F134およびバス132を介して、MPU131に入力される。MPU131は、入力された検知信号に対応する制御信号を送信部121に送信させる。以上、機能拡張リモコン120の動作の説明を終了する。
このように、機能拡張リモコン120は、制御対象が増加したり、制御対象機器の機能が追加されたりしても、その外観上のサイズを変更することなく、制御可能な電子機器や制御可能な項目を増加させることができる。
なお、機能拡張により不要となった、換装された換装パネル122A等をメーカ側で回収するようにすれば、内蔵された操作ログメモリ142に記録されているユーザの操作履歴を、ユーザの操作動向の調査等の用途に用いることができる。
次に、図8は、本発明のリモートコントローラの第4の実施の形態である機能拡張リモコンの外観を示している。この機能拡張リモコン150は、バージョンアップ可能な家電機器(例えば、テレビジョン受像機とする)を制御対象とするものである。この機能拡張リモコン150は、外観を変更することなく、内蔵されている、操作ボタンと送信される制御信号との対応が記載されている対応表、制御プログラム等を換装することにより、制御対象の電子機器を追加・変更したり、制御可能な機能項目を増加・変更したりすることができる。
機能拡張リモコン150には、制御対象のテレビジョン受像機を制御するための制御信号を送信する送信部151、タッチパネル式ディスプレイ153、複数のボタンやジョイスティック等からなる入力部154、メモリースティック(商標)に代表される着脱可能な半導体メモリを装着できるメモリスロット155、およびUSB(Universal Serial Bus)ケーブル等の有線、あるいはBluetoothやIEEE802.11b等の無線を利用して所定の機器とデータを通信する通信I/F(インタフェース)156が設けられている。
図9は、機能拡張リモコン150の内部の構成例を示している。機能拡張リモコン150には、MPU161が内蔵されている。MPU161には、入力部154が接続されており、さらに、バス162を介して送信部151、タッチパネル式ディスプレイ153、メモリスロット155、通信I/F156、およびEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等の、記録内容を書き換え可能な半導体メモリとしての不揮発性メモリ163が接続されている。不揮発性メモリ163には、入力部154を構成する各ボタン等と、各ボタン等が押下されたときに送信される制御信号との対応関係が記載された対応表が記憶されている。また、不揮発性メモリ163には、MPU161によって実行される制御用プログラムが記録されている。
MPU161は、入力部154に対するユーザの操作を検知し、その検知結果を不揮発性メモリ163に記憶されている対応表に照らし合わせて、操作されたボタン等に対応する制御信号を送信部151から送信させる。また、MPU161は、不揮発性メモリ163に記憶されている制御用プログラムに基づき、タッチパネル式ディスプレイ153の画面にユーザインタフェースとなるボタン等を表示させる。
なお、不揮発性メモリ163に記憶されている対応表および制御プログラムは、バージョンアップが可能とされている。
対応表や制御プログラムのバージョンアップは、バージョンアップ用の対応表や制御プログラムが記憶されている半導体メモリを、メモリスロット155に装着し、不揮発メモリ163の内容を書き換えることによって実行する。この半導体メモリは、例えば、テレビジョン受像機と接続して用いるビデオレコーダに付属されたり、テレビジョン受像機にズーム機能を追加するための基板等に付属されたりして、機能拡張リモコン150のユーザの元に届けられる。
また、対応表や制御プログラムのバージョンアップは、通信I/F156を介して接続された所定の電子機器から、バージョンアップ用の対応表や制御プログラムを供給し、不揮発メモリ163の内容を書き換えることによっても行うことができる。当該所定の電子機器とは、バージョンアップされた制御対象のテレビジョン受像機であったり、制御対象のテレビジョン受像機に接続して用いるビデオレコーダであったり、あるいは、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)等の情報処理装置等が想定される。
図10は、不揮発性メモリ163に記憶された、バージョンアップ前後の対応表の一例を示している。図10Aは、バージョンアップ前の対応表を示している。図10Aの対応表の場合、ボタンA(不図示)が押下されたときにはコマンド1が、ボタンB(不図示)が押下されたときにコマンド2が、ボタンC(不図示)が押下されたときにコマンド3が、それぞれ送信されるように対応付けられている。
これに対して、図10Bは、バージョンアップ後の対応表を示している。図10Bの対応表の場合、モード分けが新設され、モード1においては、ボタンAが押下されたときにはコマンド1が、ボタンBが押下されたときにコマンド2が、ボタンCが押下されたときにコマンド3が、それぞれ送信されるように対応付けられている。モード2においては、ボタンAが押下されたときにはコマンド10が、ボタンBが押下されたときにコマンド20が、ボタンCが押下されたときにコマンド30が、それぞれ送信されるように対応付けられている。モード3においては、ボタンAが押下されたときにはコマンド100が送信されるように対応付けられている。なお、モードの切り替えは、例えば、タッチパネル式ディスプレイ153に表示されたモード変更ボタン(不図示)に対する操作に従って行われる。
以上説明したように、本発明のリモートコントローラの実施の形態であるいずれの機能拡張リモコンにおいても、制御対象の機器を増やしたり、変更したり、制御対象の機器の機能を追加したり、変更したりするようなバージョンアップが可能である。
上述したいずれの機能拡張リモコンにおいても、制御対象の機器に対して制御信号を送信する方法は、赤外線を用いる他、Bluetooth、IEEE802.11b等の通信規格に従った無線通信を用いてもよいし、USBケーブル、IEEE1394ケーブル等を介する有線通信を用いてもよい。ただし、当然ながら、制御対象の機器にも、機能拡張リモコンから送信される制御信号を受信する受信部が設けられている必要がある。
なお、本発明のリモートコントローラは、あらゆる機器のリモコンに適用するができる。
図11は、本発明のリモコンにより制御される電子機器の実施の形態であるテレビジョン受像機の構成例を示している。このテレビジョン受像機200は、リモコン300に対するユーザの操作に対応して所定の処理を実行する。テレビジョン受像機200は、テレビジョン放送等の画面を単に表示するだけでなく、表示する画像の解像度を変更する機能と画面上のノイズを除去する機能を有している。以下、表示する画像の解像度を変更する機能と画面上のノイズを除去する機能を併せて持つ機能を機能V1と称し、機能V1を有する状態のテレビジョン受像機200を、テレビジョン受像機200V1とも記述する。
また、テレビジョン受像機200は、その構成要素である画像信号処理部210を、画像信号処理部410(後述する図14)に換装することにより、機能V1に加えて、画面上の任意の位置を任意の倍率でズーミング(拡大)する機能を付加することができる。以下、機能V1と、画面上の任意の位置を任意の倍率で拡大するズーム機能を併せて持つ機能を機能V2と称し、機能V2を有する状態のテレビジョン受像機200を、テレビジョン受像機200V2とも記述する。
このテレビジョン受像機200は、放送信号よりSD(Standard Definition)信号としての525i信号を得、この525i信号をHD(High Definition)信号としての525p信号または1050i信号に変換し、その525p信号または1050i信号による画像を表示するものである。
ここで、525i信号は、ライン数が525本でインタレース方式の画像信号を意味し、525p信号は、ライン数が525本でプログレッシブ方式(ノンインタレース方式)の画像信号を意味し、さらに1050i信号はライン数が1050本でインタレース方式の画像信号を意味している。
テレビジョン受像機200は、マイクロコンピュータを備え、システム全体の動作を制御するためのシステムコントローラ201と、リモートコントロール信号を受信するリモコン信号受信回路202とを有している。リモコン信号受信回路202は、リモコン300がユーザの操作に応じて出力する、どのボタンが押下されたのかを示すボタンコード信号を受信する受信部261、並びに、メモリインタフェース(I/F)241を介してリムーバブルメモリ242に記録されている変換表243を参照することにより、受信したボタンコード信号を、リモコンコマンド信号(図19を参照して後述する)に変換し、システムコントローラ201に供給する変換部262により構成されている。
リムーバブルメモリ242は、例えば、メモリースティック(商標)等の半導体メモリなどであり、容易に着脱ができる。変換表243には、リモコン300から出力されるボタンコード信号と、リモコンコマンド信号との対応関係が登録されている。
画像信号処理部210の基板を内蔵するテレビジョン受像機200V1を、画像信号処理部410の基板に換装することによりテレビジョン受像機200V2にバージョンアップするとき、リムーバブルメモリ242も、画像信号処理部410に対応した変換表413(図14)が記録されているリムーバブルメモリ412に換装すれば(交換して装着すれば)、リモコン300を変更することなく、実質的にリモコン300をテレビジョン受像機200V2に対応するようにバージョンアップすることができる。
また、テレビジョン受像機200は、受信アンテナ205、この受信アンテナ205で捕らえられた放送信号(RF変調信号)が供給され、選局処理、中間周波増幅処理、検波処理等を行って上述したSD信号Va(525i信号)を得るチューナ206、外部よりSD信号Vb(525i信号)を入力する外部入力端子207、これらSD信号Va,Vbのいずれかを選択的に出力する切換スイッチ208、並びに、この切換スイッチ208より出力されるSD信号を一時的に保存するためのバッファメモリ209を有している。
チューナ206より出力されるSD信号Vaは切換スイッチ208のa側の固定端子に供給され、外部入力端子207より入力されるSD信号Vbは切換スイッチ208のb側の固定端子に供給される。この切換スイッチ208の切り換え動作は、システムコントローラ201によって制御される。
また、テレビジョン受像機200は、バッファメモリ209に一時的に保存されるSD信号(525i信号)を、HD信号(525p信号または1050i信号)に変換する画像信号処理部210、この画像信号処理部210より出力されるHD信号による画像を表示するディスプレイ部211、このディスプレイ部211の画面上に文字図形等の表示を行うための表示信号SCHを発生させるためのOSD(On Screen Display)回路212、並びに、その表示信号SCHを、上述した画像信号処理部210より出力されるHD信号に合成してディスプレイ部211に供給するための合成器213を有している。
ディスプレイ部211は、例えばCRT(cathode-ray tube)ディスプレイ、あるいはLCD(liquid crystal display)等のフラットパネルディスプレイで構成されている。また、OSD回路212における表示信号SCHの発生動作は、システムコントローラ201によって制御される。
次に、テレビジョン受像機200の動作を説明する。
ユーザのリモコン300(図8乃至図10を参照して説明した機能拡張リモコン150と同様の構成を有する)に対する操作でチューナ206より出力されるSD信号Vaに対応する画像表示を行うモードが選択される場合、システムコントローラ201の制御によって切換スイッチ208はa側に接続されて、この切換スイッチ208より、チューナ206で復調、生成されたSD信号Vaが出力される。一方、ユーザのリモコン300の操作で外部入力端子207に入力されるSD信号Vbに対応する画像表示を行うモードが選択される場合、システムコントローラ201の制御によって切換スイッチ208はb側に接続されて、この切換スイッチ208よりSD信号Vbが出力される。
切換スイッチ208より出力されるSD信号(525i信号)はバッファメモリ209に記憶されて一時的に保存される。そして、このバッファメモリ209に一時的に保存されたSD信号は画像信号処理部210に供給され、HD信号(525p信号または1050i信号)に変換される。すなわち、画像信号処理部210では、SD信号を構成する画素データ(以下、「SD画素データ」という)から、HD信号を構成する画素データ(以下、「HD画素データ」という)が得られる。ここで、525p信号または1050i信号の選択は、ユーザのリモコン300の操作によって行われる。この画像信号処理部210より出力されるHD信号が合成器213を介してディスプレイ部211に供給され、ディスプレイ部211の画面上にはそのHD信号による画像が表示される。
また、ユーザは、リモコン300の操作によって、上述したようにディスプレイ部211の画面上に表示される画像の水平および垂直の解像度と、ノイズ除去度を無段階になめらかに調整できる。画像信号処理部210では、後述するように、HD画素データが推定式によって算出されるが、この推定式の係数データとして、リモコン300に対するユーザの操作によって調整された水平、垂直の解像度を決めるパラメータrと、ノイズ除去度を決めるパラメータzに対応したものが、これらパラメータr,zを含む生成式によって生成されて使用される。これにより、画像信号処理部210より出力されるHD信号による画像の解像度とノイズ除去度は、調整されたパラメータr,zに対応したものとなる。
図12は、パラメータr,zを調整するためのユーザインタフェースの一例を示している。図13は、図12の調整画面215を拡大して示している。調整時には、ディスプレイ部211に、パラメータr,zの調整位置を星形状のマークのアイコン215aで示した調整画面215が、OSD表示される。リモコン300は、例えば、アイコン215aを移動させる方向を指示するときにユーザが操作するジョイスティック300aを備えている。
ユーザは、ジョイスティック300aを操作することで、調整画面215上でアイコン215aの位置を動かすことができ、解像度とノイズ除去度を決定するパラメータr,zの値を任意に調整できる。アイコン215aが上下に動かされることで解像度を決定するパラメータrの値が調整され、一方アイコン215aが左右に動かされることでノイズ除去度を決定するパラメータzの値が調整される。ユーザは、ディスプレイ部211に表示される調整画面215を参照してパラメータr,zの値を調整でき、その調整を容易に行うことができる。
なお、リモコン300は、ジョイスティック300aの代わりに、マウスやトラックボール、その他のポインティングデバイスを備えていてもよい。さらに、ユーザによって調整されたパラメータr,zの値を、調整画面215上に数値等で表示してもよい。
次に、画像信号処理部210の詳細を説明する。この画像信号処理部210は、バッファメモリ209に記憶されているSD信号(525i信号)より、HD信号(1050i信号または525p信号)に係る注目画素の周辺に位置する複数のSD画素のデータを選択的に取り出して出力する第1のタップ選択回路221、第2のタップ選択回路222、および第3のタップ選択回路223を有している。
第1のタップ選択回路221は、予測に使用するSD画素(「予測タップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第2のタップ選択回路222は、SD画素データのレベル分布パターンに対応するクラス分類に使用するSD画素(「空間クラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出すものである。第3のタップ選択回路223は、動きに対応するクラス分類に使用するSD画素(「動きクラスタップ」と称する)のデータを選択的に取り出するものである。なお、空間クラスを複数フィールドに属するSD画素データを使用して決定する場合には、この空間クラスにも動き情報が含まれることになる。
また、画像信号処理部210は、第2のタップ選択回路222で選択的に取り出される空間クラスタップのデータ(SD画素データ)のレベル分布パターンを検出し、このレベル分布パターンに基づいて空間クラスを検出し、そのクラス情報を出力する空間クラス検出回路224を有している。
空間クラス検出回路224では、例えば、各SD画素データを、8ビットデータから2ビットデータに圧縮するような演算が行われる。そして、空間クラス検出回路224からは、各SD画素データに対応した圧縮データが空間クラスのクラス情報として出力される。本実施の形態においては、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)によって、データ圧縮が行われる。なお、情報圧縮手段としては、ADRC以外にDPCM(予測符号化)、VQ(ベクトル量子化)等を用いてもよい。
また、画像信号処理部210は、第3のタップ選択回路223で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)より、主に動きの程度を表すための動きクラスを検出し、そのクラス情報を出力する動きクラス検出回路225を有している。
この動きクラス検出回路225では、第3のタップ選択回路223で選択的に取り出される動きクラスタップのデータ(SD画素データ)mi,niからフレーム間差分が算出され、さらにその差分の絶対値の平均値に対してしきい値処理が行われて動きの指標である動きクラスが検出される。
また、画像信号処理部210は、空間クラス検出回路224より出力される空間クラスのクラス情報としての再量子化コードQiと、動きクラス検出回路225より出力される動きクラスのクラス情報MVに基づき、作成すべきHD信号(525p信号または1050i信号)の画素(注目画素)が属するクラスを示すクラスコードCLを得るためのクラス合成回路226を有している。
さらに、画像信号処理部210は、レジスタ230乃至233と、係数メモリ234とを有している。後述する線順次変換回路229は、525p信号を出力する場合と、1050i信号を出力する場合とで、その動作を切り換える必要がある。レジスタ230は、線順次変換回路229の動作を指定する動作指定情報を格納するものである。線順次変換回路229は、レジスタ230より供給される動作指定情報に従った動作をする。
レジスタ231は、第1のタップ選択回路221で選択される予測タップのタップ位置情報を格納するものである。第1のタップ選択回路221は、レジスタ231より供給されるタップ位置情報に従って予測タップを選択する。タップ位置情報は、例えば選択される可能性のある複数のSD画素に対して番号付けを行い、選択するSD画素の番号を指定するものである。以下のタップ位置情報においても同様である。
レジスタ232は、第2のタップ選択回路222で選択される空間クラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第2のタップ選択回路222は、レジスタ232より供給されるタップ位置情報に従って空間クラスタップを選択する。
レジスタ232には、動きが比較的小さい場合のタップ位置情報Aと、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報Bとが格納される。これらタップ位置情報A,Bのいずれを第2のタップ選択回路222に供給するかは、動きクラス検出回路225より出力される動きクラスのクラス情報MVによって選択される。
レジスタ233は、第3のタップ選択回路223で選択される動きクラスタップのタップ位置情報を格納するものである。第3のタップ選択回路223は、レジスタ233より供給されるタップ位置情報に従って動きクラスタップを選択する。
係数メモリ234は、後述する推定予測演算回路227で使用される推定式の係数データを、クラス毎に、格納するものである。この係数データは、SD信号としての525i信号を、HD信号としての525p信号または1050i信号に変換するための情報である。係数メモリ234には上述したクラス合成回路226より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この係数メモリ234からはクラスコードCLに対応した係数データが読み出され、推定予測演算回路227に供給されることとなる。
また、画像信号処理部210は、情報メモリバンク235を有している。この情報メモリバンク235には、レジスタ230に格納するための動作指定情報と、レジスタ231乃至233に格納するためのタップ位置情報が予め蓄えられている。
レジスタ230に格納するための動作指定情報として、情報メモリバンク235には、線順次変換回路229が525p信号を出力するように動作させるための第1の動作指定情報と、線順次変換回路229が1050i信号を出力するように動作させるための第2の動作指定情報とが予め蓄えられている。
ユーザはリモコン300を操作することで、HD信号として525p信号を出力する第1の変換方法、またはHD信号として1050i信号を出力する第2の変換方法を選択できる。情報メモリバンク235にはシステムコントローラ201よりその変換方法の選択情報が供給され、この情報メモリバンク235よりレジスタ230にはその選択情報に従って第1の動作指定情報または第2の動作指定情報がロードされる。
情報メモリバンク235にはまた、レジスタ231に格納するための予測タップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。この情報メモリバンク235よりレジスタ231には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
さらに、情報メモリバンク235には、レジスタ232に格納するための空間クラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。なお、第1および第2のタップ位置情報は、それぞれ動きが比較的小さい場合のタップ位置情報と、動きが比較的大きい場合のタップ位置情報とからなっている。この情報メモリバンク235よりレジスタ232には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
情報メモリバンク235にはまた、レジスタ233に格納するための動きクラスタップのタップ位置情報として、第1の変換方法(525p)に対応する第1のタップ位置情報と、第2の変換方法(1050i)に対応する第2のタップ位置情報とが予め蓄えられている。この情報メモリバンク235よりレジスタ233には、上述した変換方法の選択情報に従って第1のタップ位置情報または第2のタップ位置情報がロードされる。
また、情報メモリバンク235には、第1および第2の変換方法のそれぞれに対応した各クラスの係数種データが予め蓄えられている。この係数種データは、上述した係数メモリ234に格納するための係数データを生成するための生成式の係数データである。
推定予測演算回路227は、第1のタップ選択回路221より出力される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ234より読み出される係数データWiとから、作成すべきHD画素データyを演算する。
また、画像信号処理部210は、各クラスの係数種データおよびパラメータr,zの値とを用い、クラス毎に、パラメータr,zの値に対応した推定式の係数データWi(i=1乃至n)を生成する係数生成回路236を有している。この係数生成回路236には、情報メモリバンク235より、上述した変換方法の選択情報に従って第1の変換方法または第2の変換方法に対応した各クラスの係数種データがロードされる。また、この係数生成回路236には、システムコントローラ201より、パラメータr,zの値が供給される。
この係数生成回路236で生成される各クラスの係数データWi(i=1乃至n)は、上述した係数メモリ234に格納される。この係数生成回路236における各クラスの係数データWiの生成は、例えば各垂直ブランキング期間で行われる。これにより、ユーザのリモコン300の操作によってパラメータr,zの値が変更されても、係数メモリ234に格納される各クラスの係数データWiを、そのパラメータr,zの値に対応したものに即座に変更でき、ユーザによる解像度の調整がスムーズに行われる。
また、画像信号処理部210は、係数生成回路236で生成される各クラスの係数データWi(i=1乃至n)に対応した正規化係数Sを演算する正規化係数生成回路237と、ここで生成された正規化係数Sを、クラス毎に格納する正規化係数メモリ238を有している。正規化係数メモリ238には上述したクラス合成回路226より出力されるクラスコードCLが読み出しアドレス情報として供給され、この正規化係数メモリ238からはクラスコードCLに対応した正規化係数Sが読み出され、後述する正規化演算回路228に供給されることとなる。
また、画像信号処理部210は、第1のタップ選択回路221で選択的に取り出される予測タップのデータ(SD画素データ)xiと、係数メモリ234より読み出される係数データWiとから、作成すべきHD信号の画素(注目画素)のデータを演算する推定予測演算回路227を有している。
さらに、画像信号処理部210は、推定予測演算回路227より出力されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を構成する各HD画素データyを、正規化係数メモリ238より読み出され、それぞれの生成に使用された係数データWi(i=1乃至n)に対応した正規化係数Sで除算して正規化する正規化演算回路228を有している。係数生成回路236で係数種データより生成式で推定式の係数データを求めるものであるが、そこで生成される係数データは丸め誤差を含み、係数データWi(i=1乃至n)の総和が1.0になることは保証されない。そのため、推定予測演算回路227で演算されるHD画素データyは、丸め誤差によってレベル変動したものとなる。上述したように、正規化演算回路228で正規化することで、その変動を除去できる。
また、画像信号処理部210は、水平周期を1/2倍とするライン倍速処理を行って、推定予測演算回路227より正規化演算回路228を介して供給されるラインデータL1,L2(L1′,L2′)を線順次化する線順次変換回路229を有している。
以上説明したように、画像信号処理部210では、解像度を指定するパラメータrとノイズ除去度を指定するパラメータzとを設定し、これら複数種類のパラメータr,zの値を調整することで画像の解像度とノイズ除去度を調整し得るものを示したが、例えば、水平解像度を指定するパラメータhと垂直解像度を指定するパラメータvとで、パラメータrを調整するように構成することもできる。この場合、例えば、r=1はh=1、v=1、r=2はh=2、v=2、…、あるいはr=1はh=1、v=2、r=2はh=2、v=3、…のような対応関係とすればよい。
次に、図14は、図11に示されたテレビジョン受像機200V1をバージョンアップしたテレビジョン受像機200V2の構成例を示している。図14の構成例は、図11の画像信号処理部210、およびリムーバブルメモリ242を、それぞれ画像信号処理部410、およびリムーバブルメモリ412に換装したものである。
なお、画像信号処理部410の画像信号処理部210に対する違いは、ズーム回路411が追加されたことであり、その他の共通な構成要素には同一の符号が付与されている。画像信号処理部410のズーム回路411は、線順次変換回路229から出力されるHD信号を、リモコン300を用いるユーザの操作に対応して、その画面の任意の位置が任意の倍率で拡大されるように変換して、合成器213に出力する。
リムーバブルメモリ412には、画像信号処理部410に対応する変換表413が記録されている。この場合、リモコン信号受信回路202の変換部262は、メモリインタフェース241を介してリムーバブルメモリ412に記録されている変換表413を参照することにより、受信部261により受信したボタンコード信号を、リモコンコマンド信号に変換し、システムコントローラ201に供給することになる。
図15は、画面を拡大するときの拡大する位置と、拡大率を調整するときの画面の表示例を示している。ユーザは、リモコン300のジョイスティック300a等を操作することで、画面上のズーム枠431の位置を動かすことでズームの範囲を決定し、またリモコン300の所定のボタンを押下することで、拡大率を所定の範囲内で任意の値に調整することができる。
次に、テレビジョン受像機200による受信時の処理のついて、図16を参照して説明する。
ステップS1において、リモコン信号受信回路202の受信部261は、リモコン300から送信されたボタンコード信号を受信する。ステップS2において、リモコン信号受信回路202の変換部262は、メモリインタフェース241を介してリムーバブルメモリ412に記録されている変換表413を参照することにより、受信したボタンコード信号を、リモコンコマンド信号に変換し、システムコントローラ201に供給する。ステップS3において、システムコントローラ201は、リモコン信号受信回路202から供給されたリモコンコマンド信号を、画像信号処理部410を制御するための制御コマンド(図17および図18を参照して後述する)に変換し、画像信号処理部410に出力する。ステップS4において、画像信号処理部410は、システムコントローラ201からの制御コマンドに対応する処理(例えば、テレビジョン受像機200V1においては画面上の解像度を上げたり、またはノイズを除去する処理、あるいは、テレビジョン受像機200V2においては、さらに画面を拡大したりする処理)を実行する。以上で、受信時の処理の説明を終了する。
次に、画像信号処理部210を含むバージョンアップ前のテレビジョン受像機200V1に対応する変換表243と、画像信号処理部410を含むバージョンアップ後のテレビジョン受像機200V2に対応する変換表413との違いについて説明するが、その前に、画像信号処理部210および410に対する制御コマンドと、システムコントローラ201によりボタンコード信号から変換されるリモコンコマンド信号について説明する。
図17は、画像信号処理部210に対する制御コマンドのうち、解像度の調整、およびノイズ除去の調整に関するものを示している。
MF(x1)は、動画用/静止画用処理を切り替えるための制御コマンドである。x1は0または1とされ、動画用処理または静止画用処理をそれぞれ表している。RESO(x2)は、解像度の程度を調整するための制御コマンドである。パラメータx2は、上述したパラメータrに相当し、0乃至255のいずれかの値とされる。NOIZ(x3)は、ノイズ除去の程度を調整するための制御コマンドである。パラメータx3は、上述したパラメータzに相当し、0乃至255のいずれかの値とされる。なお、パラメータzは、その値が大きいほど、ノイズ除去の程度が弱められ、ノイズ感はダウンする。
図18は、画像信号処理部410に対する制御コマンドのうち、解像度の調整、ノイズ除去の調整、および画面拡大の調整に関するものを示している。
MF(x1)、RESO(x2)、およびNOIZ(x3)は、図17の場合と同様である。
ZOOM(x4)は、ズームのオン/オフを切り替えるための制御コマンドである。x4は0または1とされ、ズームのオンまたはオフをそれぞれ表している。ZOOMRATIO(x5)は、ズーム率を調整するための制御コマンドである。x5は、1.0乃至3.0のいずれかの値とされる。ZOOMCENTER(x6)は、ズーム枠431の中心の水平座標を調整するための制御コマンドである。ZOOMCENTER(x7)は、ズーム枠431の中心の垂直座標を調整するための制御コマンドである。
図19は、システムコントローラ201により、ボタンコード信号から変換されるリモコンコマンド信号の一例を示している。NOT(x)は、値xの反転を意味するリモコンコマンド信号である。INCREMENT(x)は、値xの増加を意味するリモコンコマンド信号である。DECREMENT(x)は、値xの減少を意味するリモコンコマンド信号である。x=Nは、値xにNを代入することを意味するリモコンコマンド信号である。
次に、画像信号処理部210を含むバージョンアップ前のテレビジョン受像機200V1に対応する変換表243と、画像信号処理部410を含むバージョンアップ後のテレビジョン受像機200V2に対応する変換表413との違いについて説明する。
まず、リモコン300に、図20に示されるようなボタンA乃至Gが設けられている場合を例にして説明する。この場合、例えば、テレビジョン受像機200V1に対応する変換表243を図21に示すように構成し、テレビジョン受像機200V2に対応する変換表413を図22に示すように構成するようにする。
図21に示された変換表243では、ボタンコード信号A(ボタンAが押下されたときに送信されるボタンコード信号)が、リモコンコマンド信号NOT(x1)に対応付けられている。以下同様に、ボタンコード信号B乃至Gが、それぞれ、リモコンコマンド信号x1=0,x1=1,INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。
なお、リモコンコマンド信号NOT(x1)は、解像度やノイズ除去の処理を、動画用処理または静止画用処理に交互(現在とは異なる状態に)に切り替えることを意味する。リモコンコマンド信号x1=0は、解像度やノイズ除去の処理を動画用処理に切り替えることを意味する。リモコンコマンド信号x1=1は、解像度やノイズ除去の処理を静止画用処理に切り替えることを意味する。リモコンコマンド信号INCREMENT(x2)は、画面の解像度を上げることを意味する。リモコンコマンド信号INCREMENT(x3)は、画面のノイズ除去の程度を上げる(ノイズ感をダウンする)ことを意味する。リモコンコマンド信号DECREMENT(x2)は、画面の解像度を下げることを意味する。リモコンコマンド信号DECREMENT(x3)は、画面のノイズ除去の程度を下げる(ノイズ感をアップする)ことを意味する。
図21に示された変換表243が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンDが押下された場合、ボタンコード信号Dが受信されてリモコンコマンド信号INCREMENT(x2)に変換されるので、画面の解像度が上昇されることになる。
図22に示された変換表413では、ボタンコード信号Aが、リモコンコマンド信号NOT(x4)に対応付けられている。ボタンコード信号Bは、ズーム機能がオン(解像度等の調整機能がオフ)のときにはリモコンコマンド信号INCREMENT(x5)に、ズーム機能がオフ(解像度等の調整機能がオン)のときはリモコンコマンド信号x1=0が対応付けられている。ボタンコード信号Cは、ズーム機能がオンのときはリモコンコマンド信号DECREMENT(x5)に、ズーム機能がオフのときはリモコンコマンド信号x1=1に対応付けられている。ボタンコード信号Dは、ズーム機能がオンのときはリモコンコマンド信号DECREMENT(x7)に、ズーム機能がオフのときはリモコンコマンド信号INCREMENT(x2)に対応付けられている。
また、ボタンコード信号Eは、ズーム機能がオンのときはリモコンコマンド信号INCREMENT(x6)に、ズーム機能がオフのときはリモコンコマンド信号INCREMENT(x3)に対応付けられている。ボタンコード信号Fは、ズーム機能がオンのときはリモコンコマンド信号INCREMENT(x7)に、ズーム機能がオフのときはリモコンコマンド信号DECREMENT(x2)に対応付けられている。ボタンコード信号Gは、ズーム機能がオンのときはリモコンコマンド信号DECREMENT(x6)に、ズーム機能がオフのときはリモコンコマンド信号DECREMENT(x3)に対応付けられている。
図21に比較して図22で追加された、リモコンコマンド信号NOT(x4)は、ズーム機能のオンとオフを交互に切り替えることを意味する。リモコンコマンド信号INCREMENT(x5)は、画面に設けたズーム枠431の範囲の画像の拡大率を上げることを意味する。リモコンコマンド信号DECREMENT(x5)は、画面に設けたズーム枠431の範囲の画像の拡大率を下げることを意味する。
リモコンコマンド信号DECREMENT(x7)は、画面に設けたズーム枠431の位置を上に移動させることを意味する。リモコンコマンド信号INCREMENT(x6)は、画面に設けたズーム枠431の位置を右に移動させることを意味する。リモコンコマンド信号INCREMENT(x7)は、画面に設けたズーム枠431の位置を下に移動させることを意味する。リモコンコマンド信号DECREMENT(x6)は、画面に設けたズーム枠431の位置を左に移動させることを意味する。
図22に示された変換表413が適用されるテレビジョン受像機200V2では、例えば、ズーム機能がオフとなっている状態で、リモコン300のボタンDが押下された場合、ボタンコード信号Dが受信されてリモコンコマンド信号INCREMENT(x2)に変換されるので、画面の解像度が上昇されることになる。そして、この後、リモコン300のボタンAが押下されてから、ボタンDが押下された場合、ズーム機能がオンとなるので、画面に設けたズーム枠431の位置が上に移動されることになる。
次に、上述した機能拡張リモコン1等のように、リモコン300に対してボタンの増設ができる場合、具体的には、例えば図23に示されるように、ボタンA乃至Eが設けられている状態から、バージョンアップにより、図24に示されるように、ボタンA乃至Eに加えて、ボタンF乃至Lを増設できる場合について説明する。
この場合、例えば、テレビジョン受像機200V1に対応する変換表243を、図25に示すように構成し、テレビジョン受像機200V2に対応する変換表413を、図26に示すように構成するようにする。
図25に示された変換表243では、例えば、ボタンコード信号Aが、リモコンコマンド信号NOT(x1)に対応付けられている。以下同様に、ボタンコード信号B乃至Eが、それぞれ、リモコンコマンド信号INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。
図25に示された変換表243が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、ボタンコード信号Bが受信されてリモコンコマンド信号INCREMENT(x2)に変換されるので、画面の解像度が向上されることになる。
図26に示された変換表413では、ボタンコード信号A乃至Eが、図25に示された変換表243と同様に、それぞれ、リモコンコマンド信号NOT(x1),リモコンコマンド信号INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。
また、増設されたボタンF乃至Lにそれぞれ対応するボタンコード信号F乃至Lが、それぞれ、リモコンコマンド信号NOT(x4),INCREMENT(x5),DECREMENT(x5),DECREMENT(x7),INCREMENT(x6),INCREMENT(x7)、またはDECREMENT(x6)に対応付けられている。
図26に示された変換表413が適用されるテレビジョン受像機200V2では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、ボタンコード信号Bが受信されてリモコンコマンド信号INCREMENT(x2)に変換されるので、画面の解像度が向上されることになる。また例えば、リモコン300のボタンLが押下された場合、ボタンコード信号Lが受信されてリモコンコマンド信号DECREMENT(x6)に変換されるので、画面に設けたズーム枠431の位置が左に移動されることになる。
図25と図26を比較して明らかなように、テレビジョン受像機200V2に対応する、ボタンが増設されたリモコン300は、テレビジョン受像機200V1に対応する300と同様の使い勝手を維持しつつ、追加されたボタンF乃至Lにより、機能V2で追加されたズーム機能に対応することができる。
ところで、変換表243の換装は、リモコン300を実質的にバージョンアップさせるときだけではなく、テレビジョン受像機200のバージョンアップに拘わらず、リモコン300の使い勝手をユーザがカスタマイズするときにも適用することができる。
リモコン300のカスタマイズについて、例えば、リモコン300に図23に示されたようなボタンA乃至Eが設けられている場合を例にして説明する。
この場合、例えば、テレビジョン受像機200V1に対応する変換表243を図25に示すように構成し、リモコン300の使い勝手をカスタマイズするための変換表243’を図27に示すように構成するようにする。
図25に示された変換表243では、ボタンコード信号Aが、リモコンコマンド信号NOT(x1)に対応付けられている。以下同様に、ボタンコード信号B乃至Eが、それぞれ、リモコンコマンド信号INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。
図25に示された変換表243が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、画面の解像度が向上され、ボタンDが押下された場合、画面の解像度が低下されることになる。
図27に示された変換表243’では、ボタンコード信号Aが、リモコンコマンド信号NOT(x1)に対応付けられている。以下同様に、ボタンコード信号B乃至Eが、それぞれ、リモコンコマンド信号INCREMENT(x3),INCREMENT(x2),DECREMENT(x3)、またはDECREMENT(x2)に対応付けられている。
図27に示された変換表243’が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、画面のノイズ除去の程度が上げられる(ノイズ感はダウンされる)ことになる。また、リモコン300のボタンDが押下された場合、画面のノイズ除去の程度が下げられる(ノイズ感はアップされる)ことになる。
図25と図27を比較して明らかなように、変換表243を変換表243’に変更することにより、この変更の前後においてリモコン300の同一のボタンが押下されたことに対応してテレビジョン受像機200V1が実行する処理を変更することができる。別の視点から言えば、リモコン300に何ら手を加えることなく、実質的に、リモコン300をカスタマイズすることができる。
なお、変換表243を変換表243’に変更する方法としては、例えば、変換表243が記録されているリムーバブルメモリ242をテレビジョン受像機200V1から取り外してパーソナルコンピュータ等に装着し、パーソナルコンピュータ等によって起動されている所定の編集プログラムにより、変換表243をユーザが任意に変更する方法が考えられる。
次に、リモコン300のカスタマイズについて、上述した機能拡張リモコン1等のように、リモコン300に対してボタンの増設ができる場合、具体的には、例えば図23に示されるように、ボタンA乃至Eが設けられている状態から、図28に示されるように、ボタンA乃至Eに加えてボタンFを増設できる場合について説明する。
この場合、例えば、テレビジョン受像機200V1の図23のリモコン300に対応する変換表243を図25に示すように構成し、リモコン300の使い勝手をカスタマイズし、図28のリモコン300とするための変換表243’を図29に示すように構成するようにする。
図25に示された変換表243では、ボタンコード信号Aが、リモコンコマンド信号NOT(x1)に対応付けられている。以下同様に、ボタンコード信号B乃至Eが、それぞれ、リモコンコマンド信号INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。
図25に示された変換表243が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、画面の解像度が向上され、ボタンDが押下された場合、画面の解像度が低下されることになる。
図29に示された変換表243’では、ボタンコード信号A乃至Eが、それぞれ、リモコンコマンド信号NOT(x1),INCREMENT(x2),INCREMENT(x3),DECREMENT(x2)、またはDECREMENT(x3)に対応付けられている。追加されたボタンFに対応するボタンコード信号Fは、リモコンコマンド信号x1=1,x2=128、およびx3=128に対応付けられている。
ここで、リモコンコマンド信号x1=1,x2=128、およびx3=128は、それぞれ解像度やノイズ除去の処理を静止画用処理に切り替え、解像度の調整の程度を中間値に設定し、ノイズ除去の程度を中間値に設定することを意味する。
図29に示された変換表243’が適用されるテレビジョン受像機200V1では、例えば、リモコン300のボタンBが押下された場合、画面の解像度が向上され、ボタンDが押下された場合、画面の解像度が低下されることになる。また、リモコン300のボタンFが押下された場合、画面の解像度とノイズ除去の程度が中間値にプリセットされることになる。
図25と図29を比較して明らかなように、変換表243を変換表243’に変更することにより、リモコン300に追加したボタンFを押下することにより、カスタマイズ前にはテレビジョン受像機200V1に実行させることができなかった、画面の解像度とノイズ除去の程度を中間値にプリセットすることができる。
以上説明したように、本発明の電子機器の実施の形態であるテレビジョン受像機200によれば、テレビジョン受像機200側の変更だけで、リモコン300を実質的にバージョンアップさせることが可能となる。
なお、本発明の電子機器は、テレビジョン受像機の他、あらゆる電子機器に適用することが可能である。
また、上述した機能拡張リモコン1,100,120,150と、テレビジョン受像機200を組み合わせて用いるようにしてもかまわない。
1 機能拡張リモコン, 10 ベースユニット, 15 ユニットI/F, 100 機能拡張リモコン, 103 ボタン配置パネル, 120 機能拡張リモコン, 122 換装パネル, 134 換装パネルI/F, 142 操作ログメモリ, 150 機能拡張リモコン, 155 メモリスロット, 156 通信I/F, 163 不揮発性メモリ, 200 テレビジョン受像機, 202 リモコン信号受信回路, 210 画像信号処理部, 242 リムーバブルメモリ, 243 変換表, 300 リモコン, 410 画像信号処理部, 411 ズーム回路, 412 リムーバブルメモリ, 413 変換表