JP2005045375A - 画像データ処理装置,原稿読取装置および画像形成装置 - Google Patents

画像データ処理装置,原稿読取装置および画像形成装置 Download PDF

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田 尚 弘 安
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Abstract

【課題】第1画像の例えば簡略画像である第2画像の表示あるいは印刷にすばやく第2画像データを使用できるようにする。
【解決手段】入力画像データの解像度を変換する第1解像度変換手段321;第1解像度変換手段の前記変換と並行して、前記入力画像データの解像度を変換する第2解像度変換手段326;第1および第2解像度変換手段が変換した画像データの少なくとも一方(第2画像)を保持するメモリ手段328;および、該メモリ手段に保持した画像データ(第2画像)と他方の画像データ(第1画像)を切換えて出力する切換出力手段325;を備える画像データ処理装置3。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、第1画像の、たとえば簡略画像である、第2画像(例えばプレビュー画像)を表す第2画像データを生成する画像データ処理装置ならびにそれを用いる画像読取装置および画像形成装置に関し、例えば、原稿スキャナ,プリンタ,複写機,ファクシミリあるいは画像蓄積装置に使用することができる。
【0002】
【従来技術】
複写機のデジタル化,複合機能化が進み、求められる機能も変化してきている。例えば、HDD(ハードディスク装置)のような大容量の記憶デバイスを備え、コピーやスキャナやFAX送信の目的で読み込まれた画像データを全て蓄積し、原稿がなくても必要に応じて再度出力したり再送信したりすることを可能とするストレージ(画像蓄積)機能がある。
【0003】
このストレージ機能においては、蓄積されている文書(第1画像)を素早く検索できる検索性の高さがその利便性を左右する。その意味で、蓄積されている文書が一目でわかる簡略画像(プレビュー画像:第2画像)を操作部に表示したり、リストと対応させて印字する機能が求められてきている。
【0004】
【特許文献1】特開平09−037075号公報は、入力された画像信号に対して、疑似中間調処理を行う処理手段と、疑似中間調処理した画像信号を記録信号として画像形成を行う画像形成手段とを備え、更に、ホストコンピュータでのプレビュー画像データの生成を簡易にするために、前記疑似中間調信号をホストコンピュータへ出力する出力手段を備えた画像処理装置を記載している。
【0005】
【特許文献2】特開2000―231473号公報は、複写機本体で液晶ディスプレイに表示する描画データを生成して、ディスプレイのウインドウ単位でディスプレイに転送する表示制御装置を記載している。
【0006】
【特許文献3】特開2003−18385号公報は、蓄積画像から検索した画像の一覧サムネイル画像データを生成して印刷する画像蓄積装置を記載している。印刷したサムネイル画像の中の所望のもの(第2画像)にユーザが画像指定マークを付して原稿スキャナで読取らせることにより、画像蓄積装置が、該指定マーク付きのサムネイル(第2画像)が割り付けられた画像ファイルの画像(第1画像)を印刷する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
コピー機能は、高い印字品質が高められるため、非常に高い解像度で画像データ(第1画像)を生成し保存するのが一般的である。しかし、前述のプレビュー画像(第2画像)は、その文書の概要がわかる程度の解像度で十分であり、また必要以上に解像度が高いと表示部に転送する時間がかかったり、リスト1枚の紙に印字できる文書数が少なくなるため、比較的低い解像度の画像をプレビュー画像として扱うのが都合がよい。従来はこの低解像度のプレビュー画像を元の画像データを解像度変換して生成する方式が多い。しかし、この方式の場合、2つの問題がある。
【0008】
一つは、一定の画像品質を保持するための解像度変換が比較的負荷の重い処理となるため、ある程度変換時間が必要となり、結果として表示や印字のレスポンスを低下させてしまう問題である。もう一つが、FAXの画像データに代表される2値の画像データについては、疑似中間調処理した画像データに対して解像度変換すると著しく画像品質が低下し、プレビュー画像の目的(=画像の概要確認)すら果たせなくなる恐れがあることである。
【0009】
特許文献1もそのような課題に対して対処するもので、スキャナ機能のようにデジタル複写機がコンピュータとの間で画像信号をやりとりするシステムの中で、複写機側の2値化処理の様子をプレビューしようとする場合、コンピュータ上のソフト処理に多くの時間がかかってしまうので、複写機側のハードウェアを利用する方式を提案するものである。しかし、これはコンピュータの画面上へのプレビューを前提としているもので、例えば複写機本体に組み込まれた小型の液晶ディスプレイに表示する場合や、文書リストにプレビュー画像を添付して印字するような場合に対して必ずしも有効な手段となるものではない。
【0010】
本発明は、第2画像の表示あるいは印刷にすばやく第2画像データを使用できるようにすることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)入力画像データの解像度を変換する第1解像度変換手段(321);
第1解像度変換手段の前記変換と並行して、前記入力画像データの解像度を変換する第2解像度変換手段(326);
第1および第2解像度変換手段が変換した画像データの少なくとも一方(第2画像)を保持するメモリ手段(328);および、
該メモリ手段に保持した画像データ(第2画像)と他方の画像データ(第1画像)を切換えて出力する切換出力手段(325);を備える画像データ処理装置(3)。
【0012】
なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の記号又は対応事項を、例示として参考までに付記した。以下も同様である。
【0013】
これによれば、第1解像度変換手段(321)と第2解像度変換手段(326)によって、入力画像データから並行して、第1画像を表わす第1画像データと第2画像を表わす第2画像データが生成される。従ってたとえば第2画像をプレビュー用の簡略画像とする場合、第1画像から生成する処理や時間は実質上不要になり、第2画像の表示あるいは印刷が必要の場合にすばやく第2画像データを使用することができる。専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で展開できる比較的低コストな画像処理を実施できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
(2)第1解像度変換手段(321)は、入力画像データの解像度を指定に応じて変換する可変解像度の変換手段であり;第2解像度変換手段(326)は、前記入力画像データの解像度を固定低解像度に変換する変換手段である;上記(1)に記載の画像データ処理装置。
【0015】
これによれば、例えばプレビュー画像に代表される低解像度の画像データを解像度固定型の第2解像度変換手段(326)に割り当てることで、解像度変換手段の構成を複雑化させることなく、上記(1)の効果を得ることができる。固定型の低解像度変換手段(326)によってプレビュー用の低解像度の2値画像データを生成する場合、メモリ手段(328)の容量はかなり小容量で済むため、回路規模を抑え、低コストで画像データ処理回路を構成できる。
【0016】
(3)前記メモリ手段(328)は、第2解像度変換手段(326)が変換した画像データを保持し;前記切換出力手段(325)は、前記他方の画像データの1ページ分を出力し終わってから、前記メモリ手段(328)の1ページ分の画像データを出力する;請求項2に記載の画像データ処理装置。
【0017】
これによれば、メモリ手段(328)のメモリ容量はかなり小容量で済むため、回路規模を抑え、低コストで画像データ処理回路を構成できる。メモリ手段(328)に保持する第2画像データを、入力画像データのページ間で出力するので、入力画像データのスループットを極力低下させることなく、プレビュー用の低解像度画像データを転送することが可能である。
【0018】
(4)入力画像データは多値データであり;画像データ処理装置(3)は更に、第2解像度変換手段(326)が変換した画像データを2値データに2値化する2値化手段(327)を含み;前記メモリ手段(328)は2値データを保持する;上記(3)に記載の画像データ処理装置。これによれば、メモリ手段(328)のメモリ容量は極く小容量で済むため、回路規模を抑え、低コストで画像データ処理回路を構成できる。
【0019】
(5)上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の画像データ処理装置(3);および、原稿画像を読取って画像データを生成して前記画像データ処理装置に出力する原稿スキャナ(1,2);を備える原稿読取装置。これによれば、原稿画像読取を終了した時点に第2画像データが得られる。従ってたとえば第2画像データをプレビュー用の簡略画像とする場合、第1画像データから生成する処理や時間は実質上不要になり、第2画像の表示あるいは印刷が必要のばあいにすばやく第2画像データを使用することができる。専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で展開できる比較的低コストな画像読取装置を提供できる。
【0020】
(6)上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の画像データ処理装置(3);
前記メモリ手段(328)が保持していた画像データが表わす画像を表示する手段(10);および、前記第1解像度変換手段(321)が変換した画像データが表わす画像を用紙上に印刷する手段(5,6);を備える画像形成装置。
【0021】
これによれば、入力画像データが与えられた時点に第2画像データが得られ、それが表わす第2画像が表示手段(10)に表示される。従ってたとえば第2画像データをプレビュー用の簡略画像とする場合、第1画像データから生成する処理や時間は実質上不要になり、入力画像データを受入れたときにプレビュー画像が表示される。専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で展開できる比較的低コストな画像形成装置を提供できる。
【0022】
(7)上記印刷手段(5,6)は指示に応じて、前記メモリ手段(328)が保持していた画像データが表わす画像を用紙上に印刷する;上記(6)に記載の画像形成装置。これによれば、画像蓄積メモリに多数の画像の第1画像データおよび第2画像データを蓄積して、多数の画像の簡略画像(第2画像データ)を同時に一枚の用紙上に印刷することができる。
【0023】
(8)上記(1)乃至(3)の何れか1つに記載の画像データ処理装置(3);および、前記メモリ手段(328)が保持していた画像データが表わす画像を用紙上に印刷する手段(5,6);を備える画像形成装置。
【0024】
これによれば、入力画像データが与えられた時点に第2画像データが得られ、それが表わす第2画像を印刷手段(5,6)で印刷することができる。従ってたとえば第2画像データをプレビュー用の簡略画像とする場合、第1画像データから生成する処理や時間は実質上不要になり、入力画像データを受入れたときにプレビュー画像をプリントアウトできる。専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で印刷できる比較的低コストな画像形成装置を提供できる。
【0025】
(9)更に、原稿画像を読取って画像データを生成して前記画像データ処理装置に出力する原稿スキャナ;を備える上記(6),(7)又は(8)に記載の画像形成装置。
【0026】
これによれば、入力画像データが与えられた時点に第2画像データが得られ、それが表わす第2画像を表示することができる。従ってたとえば第2画像データをプレビュー用の簡略画像とする場合、第1画像データから生成する処理や時間は実質上不要になり、入力画像データを受入れたときにプレビュー画像を表示できる。画像蓄積メモリに多数の画像の第1画像データおよび第2画像データを蓄積して、多数の画像の簡略画像(第2画像データ)を同時に一枚の用紙上に印刷することができる。
【0027】
(10)原稿を走査しながら得られる多値のデジタル画像データを入力し、その画像データを2値化処理して出力する画像データ処理装置において、
該入力手段から入力される画像データに対して同時に2種類の解像度に変換できる解像度変換手段(321,326)と、該解像度変換手段により変換された2種類の画像データに対する2値画像データを独立に生成できる2値化処理手段(324,327)と、
該2値化処理手段により得られた2種類の2値画像データのうち、一方に対して、少なくとも1ページ分の容量をもつメモリ手段(328)と、
該メモリ手段に蓄えられた2値画像データともう一方の2値画像データを切り換えて出力する切換出力手段(325)と、を有することを特徴とする画像処理回路。
【0028】
これによれば、プレビュー用途に代表される、本来の原稿読み取りに必要な解像度とは異なる解像度の画像データを原稿読み取り中に同時生成し、かつ専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で展開できる比較的低コストな画像処理システムを構築できる。
【0029】
(11)上記(10)の解像度変換手段において、2種類の解像度の画像データに変換するための解像度変換率の設定方式は、一方が原稿読み取り時に任意に設定できる可変型であり、もう一方が原稿読み取り時の設定に関わらず常に一定である固定型である、ことを特徴とする画像データ処理装置。
【0030】
これによれば、プレビュー画像に代表される低解像度の画像データを固定型の解像度変換手段に割り当てることで、解像度変換手段の構成を複雑化させることなく、上記(10)と同様の効果を得ることができる。
【0031】
(12)前記メモリ手段は、解像度変換率の設定方式として固定型で生成された画像データを格納するものであることを特徴とする上記(11)に記載の画像データ処理装置。
【0032】
固定型の解像度変換手段によってプレビュー用の低解像度の2値画像データを生成する場合、メモリ手段のメモリ容量はかなり小容量で済むため、回路規模を抑え、低コストで画像データ処理装置を構成できる。
【0033】
(13)前記切換出力手段(325)は、前記メモリ手段に格納した2値画像データを、もう一方の2値画像データ1ページ分の出力が完了した後に出力を開始し、該メモリ手段に格納している2値画像データ1ページ分の出力が完了した後に、次のページの原稿読み取りが開始することを特徴とする原稿読み取り制御方式。
【0034】
メモリ手段に格納した画像データを通常の原稿読み取りにおけるページ間で出力するので、原稿読取装置全体のスループットを極力低下させることなく、プレビュー用の低解像度画像データの転送が可能である。
【0035】
本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0036】
【実施例】
図1に、本発明の一実施例の画像データ処理装置3を装備したデジタル複写機の画像処理系統のシステム構成を示す。このシステムでは、原稿スキャナ1が原稿画像を読取った画像信号は、A/D変換2で多値画像データにデジタル変換されて画像データ処理に入力される。
【0037】
全体は、システムコントローラ13によって制御され、画像処理プロセスはプロセスコントローラ12によって制御される。プロセスコントローラ12にはプロセス制御を行うCPU121があり、ROM123に格納されているプログラムに従い、適宜画像データ転送制御、各種電装品の駆動(付勢),停止(消勢)のタイミング制御を行う。各種電装品の実際の駆動,停止制御は、CPU121からの制御信号(タイミング信号)に応答して電装制御7が行う。
【0038】
RAM16は、プロッタ6のページメモリなど、主にデータ転送時の一時バッファとしての領域をもつ揮発性の高速メモリ(画像メモリ)である。原稿を読み取る場合、スキャナ1が、その光源によって照射された原稿面の反射光をCCD等の光電変換デバイスで電気信号に変換し、原稿の濃淡または色に応じたアナログビデオ信号を出力する。A/D変換2ではスキャナ1から送られてきたアナログビデオ信号を8bit等の多値デジタル画像データに変換し、画像データ処理3へ送る。画像データ処理3は、デジタル画像データに残るスキャナ1による画像読取りに特有の歪みをシエーディング補正し、倍率や解像度の変換、用途に応じた階調処理を施し、決められたフォーマットにデータを配列する。このような処理を経た画像データは、データバス4およびメモリ制御14経由で、RAM16へ転送される。
【0039】
画像を印字出力する場合、RAM16のページメモリ領域に展開された画像データが順次プロッタ制御5へ転送され、ジャギー補正やドット補正が施されたのちプロッタ6へ書き込み信号として転送される。プロッタ6が、レーザー露光によって感光体に静電潜像を形成し、それをトナーで現像する電子写真プロセスのプリンタであるデジタル複写機の場合、書き込み信号はプロッタ6のレーザー書込装置のレーザーダイオードのドライバ回路に入力する、レーザーの点灯制御信号となる。
【0040】
HDD17は画像ストレージデバイス(画像蓄積装置)であり、メモリ制御14およびHDD制御18を介して画像データの格納、読み出しが行われる。例えば、読み取った原稿の画像データをHDD17に保存する場合、RAM16に展開された画像データを、DMA等の高速転送手段でHDD制御18へ転送し、HDD17に格納する。格納された画像データはその逆のルートでRAM16に展開され、要求によって印字出力することが可能となる。これらの動作によってデジタル複写機のストレージ機能(画像蓄積機能)が実現する。
【0041】
使用者が操作ボタンを押したり、表示画面を見たりする操作ボード8は、操作部9と表示部10からなる。操作部9は、操作ボタンが押下された場合、その情報が判別できるデータを表示制御11へ伝える。たとえば、処理の種類(複写、ファクシミリ送信、画像読込、蓄積,プリント等)および処理の枚数等を入力する。表示制御11はそのデータに応じて、システムとして対応する動作をCPU121に要求するコマンドを発したり、表示部10に対応する画面を表示させたりする。ここでは、表示部10として大型の表示デバイスをもつものを想定し、その表示デバイスに表示させるデータは表示制御11と直結されるフレームメモリ15に展開される。つまり、フレームメモリ15に展開された表示データが表示制御11によって表示部10に高速転送され、表示部10に所望の画面を形成することができる。例えば、HDDに蓄積されている画像データのプレビューを表示する場合、RAM16に展開した低解像度のプレビュー用画像データを表示制御11を経由してフレームメモリ15に展開し、1画面分のフレームが形成された時点で表示部10へ転送して画面に表示することになる。電装制御7は、各種モータやセンサといった電装品の駆動を制御する。
【0042】
メモリ制御14は、画像メモリであるRAM16ならびに画像蓄積メモリであるHDD17に対する画像データおよび制御データの書き込み/読み出しを制御する。システムコントローラ13は、データバス4に接続される各構成部の動作を制御する。また、RAM22はシステムコントローラ13のワークエリアとして使用され、不揮発メモリ24はシステムコントローラ13の動作プログラム等を記憶している。
【0043】
メモリ制御14は、システムコントローラ13の制御に基づいて、画像データとRAM16又はHDD17のアクセス制御,外部接続制御19又はネットワーク制御20によって接続されたパソコンPC(以下では単にPCと表記),デジタルカメラなどのプリント用データの展開,RAM16およびHDD17の有効活用のための画像データの圧縮/伸張をおこなう。
【0044】
メモリ制御14へ送られた画像データは、データ圧縮後、RAM16又はHDD17に蓄積され、蓄積された画像データは必要に応じて読み出される。読み出された画像データは、伸張され、本来の画像データに戻しメモリ制御14からデータバス4を経由してプロッタ制御5に出力し、プロッタ6において用紙上に再生画像を形成する。
【0045】
ファクシミリ送信は、読取られた画像データを画像データ処理3をへてファクシミリ制御ユニット(FCU)21へ転送することによりおこなわれる。FCU21は、通信網へのデータ変換をおこない、それを公衆回線へファクシミリデータとして送信する。ファクシミリ受信は、公衆回線からの回線データをFCU21にて画像データへ変換し、データバス4およびメモリ制御14を経てRAM16又はHDD17に一時格納し、そして読み出してプロッタ制御5に送出して、用紙上に再生画像を形成する。
【0046】
複数ジョブ、たとえば、コピー機能,ファクシミリ送受信機能,プリンタ出力機能が並行に動作する状況において、スキャナ1,プロッタ6およびデータバス4の使用権のジョブへの割り振りは、システムコントローラ13およびプロセスコントローラ12において制御する。プロセスコントローラ12は画像データの流れを制御し、システムコントローラ13はシステム全体を制御し、各リソースの起動を管理する。また、デジタル複合機の機能選択は、操作ボード8においておこなわれ、操作ボード8の選択入力によって、コピー機能,ファクシミリ機能,画像読取機能,画像蓄積機能,プリンタ機能等の処理内容を設定する。
【0047】
PCなどの外部機器からのプリント出力要求データはシステムコントローラ13により画像データに展開される。その展開先はRAM16内のエリアである。展開に必要なフォントデータは、ローカルバス経由でフォントROM25を参照することにより得られる。
【0048】
システムコントローラ13と、RAM16,HDD17およびローカルバス接続の各種要素とのデータ送受信は、メモリ制御14を経由しておこなわれる。RAM16およびHDD17を使用するジョブは、システムコントローラ13およびメモリ制御14を中心とする、画像蓄積機能があるプリンタコントローラ(13,14,15〜25)の中で一元管理される。
【0049】
以上が複合機能があるデジタル複写機のブロック構成例であるが、本発明の一実施例が、画像データ処理3である。
【0050】
図2に、画像データ処理3の機能を示す。歪補正31は、スキャナ1上の原稿面における照度の不均一性などに起因するシェーデイング歪みなどを補正する。階調処理32は、狭義な定義としては2値化処理ではあるが、ここでは、変倍や解像度変換、およびフィルタ補正等を含めたデジタル画像補正機能を含む。階調処理32は2値化した画像データ(2値データ)を出力し、出力制御33にてシリアルパラレル変換等を施し、DMA等の高速転送方式によってデータバス4,メモリ制御14経由でRAM16へ転送する。
【0051】
図3に、階調処理32の機能構成を示す。第1解像度変換321は変倍としても機能するものであり、入力する画像データの主走査画素数を増減することで、画像サイズを変換するものである。副走査については、一般的に原稿走査速度を変更することで画像サイズを変更する方式であるが、ライン間引きによって、更に小さいサイズへの変換も可能であり、この機能についても第1解像度変換321にて行う。例えば、入力する画像データが、図7の(a)に示すように、600dpiのA3サイズである場合、主,副走査画素数を各約50%のサイズに変換することで、図7の(b)に示すように1/4のサイズへの縮小(=変倍)となる。しかし、これは変換後の画像も600dpiの解像度であることを前提とするものである。変換後の画像データの解像度を300dpiと考えると、図7の(c)に示すように、画像のサイズは元のA3サイズであるといえ、この場合は解像度変換として機能したことになる。つまり、変倍と解像度変換は、読み取り部の処理(画像データ処理)としてはほとんど同一(1ビットが1画素の2値画像データを表す)と考えて差し支えない。
【0052】
第1解像度変換321は解像度設定信号により変換後の解像度を自由に設定できる構成をもつもので、従来の画像処理回路に含まれていた機能と同じものである。解像度設定信号は、プロセスコントローラ12(のCPU121)からのコマンドによって値が切り替わるもので、操作部9からの入力信号又はPC等の外部機器からの入力コマンドなどの条件に応じて適宜設定されるものである。
【0053】
一方、第2解像度変換326は、本発明によって付加されたものであり、第1解像度変換321と同じ画像データを入力としながら、変換する解像度は常に一定の低解像度であることを特徴とする。例えば、入力する画像データの解像度が600dpiであれば、どのような状況においても第2解像度変換326によって200dpiへ変換される。
【0054】
第1解像度変換321によって変換された第1画像データAは、フィルタ処理322を経て、第1の2値化処理324で第1の2値データすなわち第1の2値画像データに変換される。一方、第2解像度変換326によって変換された第2画像データBは、画像データAと並列に処理されるが、フィルタ処理を経由せず、第2の2値化処理327で第2の2値画像データに変換される。画像データBにフィルタ処理を施さない理由は、本実施例は、第2画像データBの2値画像データをプレビュー用の画像データとして利用しようとするものであるので、第2の2値画像データが表わす画像は、画像の全体像がわかることで十分であるからである。フィルタ処理322は副走査方向の画素を参照するため、ラインメモリ323が必須である。しかし、異なる画像データに対して独立にフィルタ処理をかけるためには、独立にラインメモリを有することが必要であり、回路規模の増大を招く。本実施例ではこのようなことを配慮し、画像データBにはフィルタ処理を施さない構成を採用している。但し、フィルタ処理を施す構成としても、本発明を逸脱するものではないことを付け加える。
【0055】
2値化処理324によって2値化された第1画像データAは、切換出力325へ送られる。一方、2値化処理327によって2値化された第2画像データBは、ページメモリ328へ書き込まれる。切換出力325,ページメモリ328とも、本発明によって付加されたものである。ページメモリ328は、第2画像データBの少なくとも1ページ分の容量をもつものである。
【0056】
切換出力325は、出力切換信号によって画像データ処理3から出力する画像データを切り換えるものである。出力切換信号は、原稿読み取り期間中は、第1の2値画像データAを、ページ間の期間中は第2の2値画像データBを選択出力するものである。図6に、ページメモリ328への書き込み、読み出しタイミングと、切換出力325が選択出力する画像データ名を示す。
【0057】
図6は、スキャナ1で原稿を2ページ連続で読み取る場合を例示している。1ページ目の読み取り期間にわたって、第1,第2画像データA,Bとも2値化処理されるが、第2画像データBの方は、ページメモリ328へ書き込まれる。よって、1ページ目の読み取り期間中にわたって切換出力で選択されるデータは第1画像データAである。通常は、1ページ目の読み取りが終了すると続けて2ページ目の読み取りが開始されるが、本実施例の場合、1ページ目の読み取り終了とともに、切換出力325の選択が、第1の画像データAから第2画像データBに切換えられ、ページメモリ328に蓄積された第2画像データBを読み出して出力する。第2画像データBを1ページ分出力した時点で切換出力325が再度切り替わり、2ページ目の原稿読み取りを開始し第1画像データAの出力を開始する。
【0058】
図6では、第1画像データAを出力している期間に比べ、第2画像データBを出力している期間が短く表現してある。これにはいくつかの理由がある。ひとつは、第2画像データBはプレビュー用の低解像度画像データであり、比較的データ量が少ないことがある。さらに、第1画像データAは原稿読み取りをしながら出力する方式であり、その速度は原稿読み取り系全体のボトルネック(処理速度を規定する要因)によって抑えられるのに対し、第2画像データBの出力は、一旦ページメモリ328に格納されたものの転送であり、ライン間の帰線区間を省略することで連続的かつ高速に転送することが可能であるためである。
【0059】
図4に、画像の蓄積を行う場合の、この切換出力325の制御フローを示す。プロセスコントローラ12(のCPU121;以下同様)はまず、原稿読み取り開始前の状態として、第1画像データAの出力を指示する出力切換信号を階調処理32に与える(ステップ1)。なお、以下においては、カッコ内には、ステップという語を省略して、ステップ番号数字のみを記す。
【0060】
プロセスコントローラ12は、スキャナ1に原稿読み取りの開始を指示し(1)、原稿読み取り中はそのまま第1画像データAのRAM16への転送をする。画像データ処理3はこの間、第2画像データBをページメモリ328に格納する(3)。1ページの読み取りが終了したら(4)、プロセスコントローラ12は画像データ処理3に与えている出力切換信号を、第2画像データBの出力を指示するものに切換える(5)。この出力切換信号は、ページメモリ328の第2画像データBの、RAM16への転送を指示するものでもある。これに応答して画像データ処理3は、ページメモリ328に格納されている第2画像データBを転送する(6)。転送が終了するとプロセスコントローラ12は画像データ処理3に与えている出力切換信号を、第1画像データAの出力を指示するものに切換える(7)。その次のページがある場合は、ステップ8から2に戻り、次の原稿ページの画像読取を開始して、同じような手順で原稿読み取りの第1および第2画像データの転送を行う。
【0061】
スキャナ1に装填していたすべての原稿の上述の読取を終えると、システムコントローラ13が、操作ボード8の入力又は外部PCからのコマンドに対応して、RAM16に書き込んでいる同一原稿ページの第1,第2画像データA,Bを、相互に紐付け(リンク)して、HDD17の別個の格納領域に登録する(9)。
【0062】
図5には、操作ボード8又は外部機器からHDD17の画像データにアクセスする処理が指定された場合の、システムコントローラ13とプロセスコントローラ12との協働作業による画像データ処理フローを示す。操作ボード8又は外部機器からHDD17の画像データにアクセスする入力又はコマンドがあると、システムコントローラ13は、該当グループに含まれる画像ファイルのリストを操作ボード8又は外部機器に転送し、そこに表示する(11)。そして次の入力(画像ファイルの指定,印刷指示,転送指示,プレビュー印刷指示,終了指示,キャンセル指示)を待つ。
【0063】
そして、画像ファイルの指定があって印刷指示があると(12,15)、該画像ファイルの第2画像データBをHDD17から読み出して操作ボード8又は外部機器に転送し、そこで表示する(17)。そして「実行」の指示があると、プロセスコントローラ12がプロセスコントローラ12に、該画像ファイルの第1画像データAのプリントアウトを指示し、プロセスコントローラ12がHDD17からの該画像データAの読出しとプロッタ6によるプリントアウトを実行する(19)。
【0064】
画像ファイルの指定がなく、プレビュー印刷指示があったときにはシステムコントローラ13は、メモリ制御14を用いて、表示中のリストにある画像ファイルの第2の画像データBのHDD17からRAM16への読み出しとプリント面上へのプレビュー画像配置(編集)を行い、そのプリントアウトをプロセスコントローラ12に指示し、RAM16に展開した編集画像(1ページ上に1又は2以上のプレビュー画像が分布)を、プロセスコントローラ12がプロッタ6を使用してプリントアウトする(13,14)。
【0065】
画像ファイルの指定があって、FCU21又は外部機器への転送が指示されると、システムコントローラ13は、該画像ファイルの第2画像データBをHDD17から読み出して操作ボード8又は外部機器に転送し、そこで表示する(17)。そして「実行」の指示があると、システムコントローラ13は、該画像ファイルの第1画像データAをHDD17から読み出して、転送指定があった宛先に送出する(19)。
【0066】
なお、終了指示があると蓄積画像の処理を終了する(20−リターン)。キャンセル指示があると、そのとき操作ボード8又は外部機器に表示している画面の前に表示していた画面に、操作ボード8又は外部機器上の表示を戻す(21,22)。
【0067】
【発明の効果】
たとえばプレビュー用の簡略画像を必要とする場合、第1画像からプレビュー用の第2画像を生成する処理や時間は実質上不要になり、第2画像の表示あるいは印刷が必要の場合にすばやく第2画像データを使用することができる。専用の出力インターフェースを持たずに共通の出力部を使って時分割に出力できる方式を実現できるため、高画質なプレビュー画像を高速で展開できる比較的低コストな画像処理を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の画像データ処理装置3を装備した複合機能があるデジタル複写機の画像処理システムを示すブロック図である。
【図2】図1に示す画像データ処理装置3の機能の概要を示すブロック図である。
【図3】図2に示す階調処理32の機能の概要を示すブロック図である。
【図4】図1に示すHDDに、スキャナ1で読取った原稿の画像データを登録する蓄積処理の内容を示すフローチャートである。
【図5】図1に示すHDDから蓄積画像の画像データを読み出して印刷あるいは転送する蓄積画像の出力処理の内容を示すフローチャートである。
【図6】図4に示す蓄積処理の間の、ページメモリ328への書き込み、読み出しタイミングと、切換出力325が選択出力する画像データ名を示す、タイムチャートである。
【図7】(a)は図3に示す解像度変換321に入力される画像データを2値化した場合の、画像データにより表される画像を、1升目を1画素として示す平面図、(b)は該画像を50パーセントへの変倍により縮小した画像を示す平面図、(c)は、(a)に示す画像を表す画像データの解像度(dpi)を1/2に変換した画像データが表わす画像の平面図である。

Claims (6)

  1. 入力画像データの解像度を変換する第1解像度変換手段;
    第1解像度変換手段の前記変換と並行して、前記入力画像データの解像度を変換する第2解像度変換手段;
    第1および第2解像度変換手段が変換した画像データの少なくとも一方を保持するメモリ手段;および、
    該メモリ手段に保持した画像データと他方の画像データを切換えて出力する切換出力手段;を備える画像データ処理装置。
  2. 第1解像度変換手段は、入力画像データの解像度を指定に応じて変換する可変解像度の変換手段であり;第2解像度変換手段は、前記入力画像データの解像度を固定低解像度に変換する変換手段である;請求項1に記載の画像データ処理装置。
  3. 前記メモリ手段は、第2解像度変換手段が変換した画像データを保持し;前記切換出力手段は、前記他方の画像データの1ページ分を出力し終わってから、前記メモリ手段の1ページ分の画像データを出力する;請求項2に記載の画像データ処理装置。
  4. 入力画像データは多値データであり;画像データ処理装置は更に、第2解像度変換手段が変換した画像データを2値データに2値化する2値化手段を含み;前記メモリ手段は2値データを保持する;請求項3に記載の画像データ処理装置。
  5. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の画像データ処理装置;および、原稿画像を読取って画像データを生成して前記画像データ処理装置に出力する原稿スキャナ;を備える原稿読取装置。
  6. 請求項1乃至3の何れか1つに記載の画像データ処理装置;前記メモリ手段が保持していた画像データが表わす画像を表示する手段;および、前記第1解像度変換手段が変換した画像データが表わす画像を用紙上に印刷する手段;を備える画像形成装置。
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