JP2005045234A - 発光モジュール - Google Patents

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Hisao Go
久雄 郷
Kiyoshi Kato
清 加藤
Akihiro Moto
昭宏 本
Hideshi Tsumura
英志 津村
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Abstract

【課題】単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくできる発光モジュールを提供する。
【解決手段】 発光モジュール1は、ステム3と、半導体レーザ5と、電子部品7とを備える。ステム3は、第1のリード端子9およびベース11を有する。ベース11は、第1のリード端子9を支持する。半導体レーザ5は、ステム3上に搭載されている。電子部品7は、第1のリード端子9上に搭載されており抵抗素子13を含む。電子部品7は、主面7a上に設けられた第1および第2の電極7b、7cを有している。第1および第2の電極7b、7cは、それぞれ、抵抗素子13の一端および他端に接続されている。電子部品7の第1の電極7bは、第1のリード端子9に接続されている。電子部品7の第2の電極7cは、半導体レーザ5の一端子5bに接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光モジュールに関する。
特許文献1には、半導体レーザ装置が記載されている。半導体レーザ装置では、ブロックがステム上に設けられており、該ブロックに窒化アルミニウム製のヒートシンクが取り付けられている。このヒートシンク上には半導体レーザが搭載されている。また、ヒートシンクには、薄膜抵抗およびマイクロストリップ線路が設けられている。マイクロストリップ線路の一端は、リードピンに接続されている。
特開2000−353846号公報
上記の半導体レーザ装置のヒートシンクは、半導体レーザのための搭載領域、薄膜抵抗、およびマイクロストリップ線路を備えている。これ故に、このヒートシンクは、この半導体レーザ装置のために専用に設計された窒化アルミニウム基板を必要としている。また、このヒートシンクには、高熱伝導性だけでなく絶縁性も必要である。
一方、半導体レーザ装置といった発光モジュールを高い伝送レートで動作させるためには、インピーダンスの不整合による反射を小さくすることが必要である。
発光モジュールを高い伝送レートで動作させるために専用の窒化アルミニウム基板を用いると、発光モジュールの部品コストが上昇する。したがって、求められていることは、半導体レーザと抵抗素子とを同一の基板上に設ける必要のない発光モジュールである。
そこで、本発明の目的は、単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくすることができる発光モジュールを提供することとする。
本発明の一側面によれば、発光モジュールは、(a)第1のリード端子および該第1のリード端子を支持するベースを有するステムと、(b)前記ステム上に搭載されており一端子および他端子を有する半導体レーザと、(c)前記第1のリード端子上に搭載されており抵抗素子を含んでいる電子部品とを備え、前記電子部品は、主面上に設けられた第1および第2の電極を有しており、前記第1および第2の電極は、それぞれ、前記抵抗素子の一端および他端に接続されており、前記電子部品の前記第1の電極は、前記第1のリード端子に電気的に接続されており、前記電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記一端子に電気的に接続されている。
この発光モジュールでは、第1のリード端子上に搭載された電子部品の抵抗素子を介して、ステム上に搭載された半導体レーザに駆動信号を印加できるので、駆動信号の伝送線路上においてインピーダンスの不整合を小さくできる。
本発明の発光モジュールでは、前記ステムは、前記ベース上に設けられた台座部を有しており、前記台座部は側面を有しており、前記半導体レーザは、前記台座部の前記側面上に搭載されており、前記第1のリード端子は、前記ベースに交差する所定の面に沿って伸びる搭載面を有しており、前記電子部品は、前記第1のリード端子の前記搭載面上に搭載されており、前記電子部品の前記第1の電極は、前記第1のリード端子の側面にワイヤを介して接続されており、前記電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記一端子にワイヤを介して電気的に接続されている。
この発光モジュールでは、半導体レーザは台座部の側面上に搭載されており、また電子部品は第1のリード端子の搭載面上に搭載されているので、電子部品の第1の電極を第1のリード端子の側面にワイヤを介して接続することができ、また電子部品の第2の電極を半導体レーザの一端子にワイヤを介して接続することができる。
本発明の発光モジュールは、(d)抵抗素子を含む別の電子部品を更に備えることができる。前記ステムは、前記ベースに支持された第2のリード端子を有しており、前記別の電子部品は前記第2のリード端子上に搭載されており、前記別の電子部品は、主面上に設けられた第1及び第2の電極を有しており、前記別の電子部品の前記第1および第2の電極は、それぞれ、前記別の電子部品の前記抵抗素子の一端および他端に接続されており、前記別の電子部品の前記第1の電極は、前記第2のリード端子に電気的に接続されており、前記別の電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記他端子に電気的に接続されている。
この発光モジュールでは、第1のリード端子上に搭載された電子部品の抵抗素子を介して、ステム上に搭載された半導体レーザの一端子に駆動信号を印加すると共に、第2のリード端子上に搭載された別の電子部品の抵抗素子を介して該半導体レーザの他端子に相補の駆動信号を印加することができるので、これらの駆動信号の伝送線路上においてインピーダンスの不整合を小さくできる。
本発明の発光モジュールは、前記ステムは、前記ベースに支持された第2のリード端子を有しており、前記第2のリード端子は、前記ベースに交差する所定の面に沿って伸びる搭載面を有しており、前記第2のリード端子は、前記ベースに交差する所定の面に沿って伸びる搭載面を有しており、前記別の電子部品は、前記第2のリード端子の前記搭載面上に搭載されており、前記別の電子部品の前記第1の電極は、前記第2のリード端子の側面にワイヤを介して接続されている。
この発光モジュールによれば、別の電子部品は第2のリード端子の搭載面上に搭載されているので、別の電子部品の第1の電極を第2のリード端子の側面にワイヤを介して接続することができる。
本発明の発光モジュールでは、前記ベースはガラス体を介して前記第1のリード端子を保持している。抵抗素子は、半導体レーザが搭載されている台座部と異なるリード端子上に搭載されているので、抵抗素子と半導体レーザとの間の熱的な干渉が小さい。また、第1のリード端子とベースとの間にガラス体が設けられているので、熱絶縁性がさらに高められる。
本発明の上記の目的および他の目的、特徴、並びに利点は、添付図面を参照して進められる本発明の好適な実施の形態の以下の詳細な記述から、より容易に明らかになる。
以上説明したように、本発明の発光モジュールによれば、単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくすることができる。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の発光モジュールに係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施の形態に係る発光モジュールを示す図面である。図2は、発光モジュールの構成部品を示す図面である。図3(A)は、発光モジュールを示す平面図である。図3(B)は、発光モジュールを示す側面図である。図3(C)は、発光モジュールを示す正面図である。
発光モジュール1は、ステム3と、半導体レーザ5と、電子部品7とを備える。ステム3は、第1のリード端子9およびベース11を有する。ベース11は、第1のリード端子9を支持する。半導体レーザ5は、ステム3上に搭載されている。電子部品7は、第1のリード端子9上に搭載されており抵抗素子13を含む。電子部品7は、主面7a上に設けられた第1および第2の電極7b、7cを有している。第1および第2の電極7b、7cは、それぞれ、抵抗素子13の一端および他端に接続されている。電子部品7の第1の電極7bは、第1のリード端子9に接続されている。電子部品7の第2の電極7cは、半導体レーザ5の一端子5bに電気的に接続されている。
この発光モジュール1では、第1のリード端子9上に搭載された電子部品7の抵抗素子13を介して、ステム3上に搭載された半導体レーザ5に駆動信号IDが印加されるので、駆動信号IDのための伝送線路上においてインピーダンスの不整合を小さくできる。
発光モジュール1では、ステム3は、ベース11上に設けられた台座部15を有している。台座部15は側面15aを有している。半導体レーザ5は、台座部15の側面15a上に搭載されている。第1のリード端子9は、ベース11に交差する所定の面に沿って伸びる搭載面9aを有している。電子部品7は、第1のリード端子9の搭載面9a上に搭載されている。電子部品7の第1の電極7bは、搭載面9aといった第1のリード端子9の側面にワイヤを介して接続されることができる。また、リード端子9は、ベース11によって支持されている柱状部9bを備えることができ、搭載面9aはこの柱状部9bの一端に設けられている。柱状部9bは、ベース11に交差する方向に伸びる面(平面および曲面)に沿って伸びる表面を有している。電子部品7の第1の電極7bは、柱状部9bの表面といった第1のリード端子9の側面にワイヤを介して接続されることができる。電子部品7の第1の電極7bは、半導体レーザ5の一端子5bにワイヤを介して電気的に接続されている。
この発光モジュール1では、半導体レーザ5は台座部15の側面15a上に搭載されている。また、電子部品7は、第1のリード端子9の搭載面9a上に搭載されているので、搭載面9aといった第1のリード端子9の側面にワイヤを介して電子部品7の第1の電極7bを接続することができ、また電子部品7の第2の電極7cを半導体レーザ5の一端子5bにワイヤを介して電気的に接続することができる。
図1及び図2に示された発光モジュール1では、搭載面9aを含む平坦部がリード端子9の端部に設けられている。この平坦部は、例えば、プレス加工により形成される。平坦部の構造としては、この例に限定されるものではなく、リード端子の側面を切り欠いて平坦面を形成することもできる。
好適な実施の形態では、標準的なパッケージのリード端子のインピーダンスは25オーム程度であり、半導体レーザのインピーダンスは5オーム程度である。電子部品7上の抵抗素子13の抵抗値は、20オーム程度である。また、電子部品7は、高周波用のチップ抵抗素子であることができる。
発光モジュール1では、ステム3のベース11および台座部15は、導電体から成る。例示的に示せば、ベース11の材料は、コバールである。ベース11は、所定の平面に沿って伸びており、一対の面11aおよび11bを有している。ベース11は、また、一対の面の一方11aから他方11bに伸びる孔11cを有している。この孔11cには、リード端子9が通過している。孔11c内には、封止用のガラス体19が埋め込まれている。ベース11は、このガラス体19を介してリード端子9を支持している。また、ステム3のベース11は、リード端子11gをガラス体19を介することなく保持している。これ故に、ベース11および台座部15は、リード端子11gに電気的に接続される。
発光モジュール1では、半導体レーザ5は、第1の端面5c及び第2の端面5dを有している。半導体レーザ5は、ヒートシンク17上に搭載されており、このヒートシンク17がステム3の台座部15上に搭載されている。ヒートシンク17の材料は、例えば、窒化アルミニウムである。ヒートシンク17の一対の面には、それぞれ、金属パターン17a、17bが設けられている。金属パターンは、例えば、AuSnといった金属から成る。これらの金属パターン17a、17bは、ロー付けのために準備されている。絶縁性のヒートシンクによれば、半導体レーザ5をステム3から絶縁できる。ヒートシンク17の材料は、絶縁材に限定されるものではなく、導電性の材料であることができる。ヒートシンク17の材料は、例えば、銅タングステン(CuW)であることができる。導電性のヒートシンクによれば、半導体レーザ5は、ヒートシンクを介してステム3に電気的に接続される。
この発光モジュール1は、台座部15の側面15a上に搭載された導体ポスト21といった接続部品を更に備ることができる。導体ポスト21は、半導体レーザ5の他端子5aにワイヤを介して接続されている。導体ポスト21によれば、半導体レーザ5を台座部15に接続するワイヤの長さを短くできる。その結果、寄生インダクタンスによるインピーダンス不整合を最小に留めることができる。
図3(A)に示されるように、この発光モジュール1では、リード端子9及び台座部15は所定の面に沿って配置されている。所定の面は、台座部15の側面15aに交差する軸に交差している。あるいは、所定の面は、リード端子9の搭載面9aに交差する軸に交差している。この発光モジュール1によれば、半導体レーザ5が台座部15の側面15a上に搭載されており、また電子部品7がリード端子9上に搭載されているので、半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7の電極7cとをワイヤを介して接続することができる。
この発光モジュール1では、台座部15の側面15aは第1の基準面に沿って伸びている。リード端子9の搭載面9aは第2の基準面に沿って伸びている。第1の基準面および第2の基準面は、台座部15の側面15aに沿って伸びており、例えば、第1および第2の基準面は互いに平行であることができる。この発光モジュール1によれば、半導体レーザ5が台座部15の側面15a上に搭載されており電子部品7がリード端子9上に搭載されているので、半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7の電極7cとをワイヤを介して接続することができる。
図1および図2を参照すると、この発光モジュール1は、半導体レーザ5の光出力強度をモニタするための半導体受光素子23を更に備えることができる。半導体受光素子23は、ステム3のベース11上に搭載されている。半導体受光素子23は、一電極23a及び他電極23bを有している。半導体受光素子23の受光面23cは、半導体レーザ5からのモニタ光を受けており、半導体受光素子23は、このモニタ光に応じた光電流を生成する。ステム3は、ベース11に支持された別のリード端子25を有している。半導体受光素子23の一電極23aは、ワイヤを介して別のリード端子25に接続されている。電子部品7の第2の電極7cは、半導体レーザ5の一端子5bにワイヤおよびヒートシンクの導電パターンを介して接続されている。電子部品7の第1の電極7bは、第1のリード端子9の側面にワイヤを介して接続されている。発光モジュール1は、半導体レーザ5および電子部品7に加えて、モニタ用の半導体受光素子23を含むことができる。
半導体受光素子23は、導電パターンを有するサブマウント26上に搭載されており、サブマウント26がベース11上に搭載されている。半導体受光素子23の他電極23bは、導電パターンおよびワイヤを介してベース11に電気的に接続されている。
別のリード端子25は、ベース11に設けられた孔11eを通過している。孔11e内には、封止用のガラス体19が埋め込まれている。ベース11は、このガラス体19を介して別のリード端子25を支持している。
図3(B)および図3(C)に示されるように、台座部15の側面15aは、第1のエリア15b及び第2のエリア15cを有している。第1のエリア15b及び第2のエリア15cは、半導体レーザ5の光軸の方向に配列されている。半導体レーザ5は、第2のエリア15cに位置している。第1のエリア15bの上辺は、半導体受光素子23の一電極23aと別のリード端子25とを繋ぐワイヤの高さの最高値より高い。好適な実施例では、別のリード端子25の端部とベース11の表面との距離は、第1のリード端子9の端部とベース11の表面との距離より短い。これ故に、半導体受光素子23の一電極23aと別のリード端子25とを繋ぐワイヤの高さの最高値を低くできる。
この発光モジュール1によれば、電子部品7の第2の電極7cと半導体レーザ5との間の電気的な接続が、ワイヤを使用して実現される。また、電子部品7の第1の電極7bと第1のリード端子9の側面9aとの間の電気的な接続が、ワイヤを使用して実現される。これらの接続は、それぞれ、異なる方向に伸びるワイヤによって実現されている。
図3(A)に示されるように、第1のリード端子9、半導体レーザ5および半導体受光素子23は、ベース11に交差する所定の面Rに沿って配置されている。この配置において、第1のリード端子9が台座部15の隣に位置しており、また、半導体受光素子23が半導体レーザ5とベース11との間に位置しているので、台座部15上の半導体レーザ5と第1のリード端子9上の電子部品7との間を接続するワイヤは、半導体レーザ5から半導体受光素子23に向かう方向と異なる方向に伸びている。
また、図3(A)に示されるように、第1のリード端子9、半導体レーザ5および導体ポスト21は、ベース11に交差する所定の軸Rに沿って配列されている。半導体レーザ5は、第1のリード端子9と導体ポスト21との間に位置している。半導体レーザ5の他端子5aと導体ポスト21との間を接続するワイヤは、半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7との間を接続するワイヤが伸びる方向と異なる方向に伸びている。
発光モジュール1では、電子部品7の第2の電極7cは、半導体レーザ5の一端子5bにワイヤを介して電気的に接続されている。電子部品7の第1の電極7bは、第1のリード端子9の側面上の所定のボンディング位置にワイヤを介して接続されている。電子部品7の第1の電極7bとベース11との間の距離は、電子部品7の第2の電極7cとベース11との間の距離より小さく、また、電子部品7の第1の電極7bとベース11との間の距離は、上記のボンディング位置とベース11との間の距離より大きい。
電子部品7が、半導体レーザ5の光軸から外れた位置にある第1のリード端子9上に搭載されているので、電子部品7の第1の電極7bと第1のリード端子9との間の電気的な接続が、半導体受光素子に干渉することなく、ワイヤを使用して実現される。
図3(A)〜図3(C)を参照すると、半導体レーザ5の他端子5aと導体ポスト21とを接続するワイヤは、半導体レーザ5の他端子5aから座標系のX軸の負の方向に伸びている。半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7の第2の電極7cとを電気的に接続するワイヤは、ヒートシンク17上の導電パターンから座標系のX軸の正の方向に伸びている。電子部品7の第1の電極7bと第1のリード端子9の搭載面9aとを接続するワイヤは、電子部品7の第1の電極7bから座標系のZ軸の負の方向に伸びている。半導体受光素子23の一電極23aと別のリード端子25の端面25aとを接続するワイヤは、半導体受光素子23の一電極23aから座標系のY軸の正の方向に伸びている。半導体受光素子23の他電極23bとベース11とを電気的に接続するワイヤは、サブマウント26上の導電パターンから座標系のY軸の正の方向に伸びている。
図4は、発光モジュールを示す図面である。発光モジュール1は、キャップ41と、パッケージスリーブ43と、ジョイントスリーブ45と、SCスリーブ47と、ファイバスタブ49と、割スリーブ51を備えることができる。キャップ41は、ステム3に搭載されており、また、必要な場合には、レンズ53を保持している。パッケージスリーブ43は、ステム3のベース11上に設けられている。ジョイントスリーブ45は、パッケージスリーブ43に取り付けられる。SCスリーブ47は、ジョイントスリーブ45上に設けられている。ファイバスタブ49は、SCスリーブ47内に設けられている。SCスリーブ47の端部には、金属ブッシュ50、割スリーブ51の端部、ファイバスタブ49が圧入されており、そして、割スリーブ51がSCスリーブ47に対して位置決めされる。
以上説明したように、単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくすることができる発光モジュールが提供される。
(第2の実施の形態)
図5は、本実施の形態に係る発光モジュールを示す図面である。図6は、発光モジュールの構成部品を示す図面である。図7(A)は、発光モジュールを示す平面図である。図7(B)は、発光モジュールを示す側面図である。図7(C)は、発光モジュールを示す正面図である。
発光モジュール2は、ステム4と、半導体レーザ5と、電子部品7とを備える。ステム4は、第1のリード端子9およびベース12を有する。ベース12は、第1のリード端子9を支持する。発光モジュール2では、ステム4は、ベース12上に設けられた台座部16を有している。台座部16は側面16aを有している。第1の実施の形態のように、半導体レーザ5は、台座部16の側面16a上に搭載されている。
発光モジュール2は、別の電子部品27を更に備えることができる。別の電子部品27は、抵抗素子29を含む。ステム4は、ベース12に支持された第2のリード端子31を有している。別の電子部品27は、第2のリード端子31上に搭載されている。別の電子部品27は、主面27a上に設けられた第1及び第2の電極27b、27cを有している。第1および第2の電極27b、27cは、それぞれ、別の電子部品27の抵抗素子29の一端および他端に接続されている。別の電子部品27の第1の電極27bは、第2のリード端子31に接続されている。別の電子部品27の第2の電極27bは、半導体レーザ5の他端子5aに接続されている。
発光モジュール2では、ステム4は、ベース12上に設けられた台座部16を有している。台座部16は側面16aを有している。半導体レーザ5は、台座部16の側面16a上に搭載されている。第1のリード端子9は、ベース12に交差する所定の面に沿って伸びる搭載面9aを有している。
この発光モジュール2では、第1のリード端子9上に搭載され電子部品7の抵抗素子13を介して、ステム4上に搭載された半導体レーザ5の一端子5bに駆動信号IDを印加すると共に、第2のリード端子31上に搭載された別の電子部品27の抵抗素子29を介して該半導体レーザ5の他端子5aに相補の駆動信号IDCを印加することができるので、これらの駆動信号ID、IDCの伝送線路上においてインピーダンスの不整合を小さくできる。
発光モジュール2では、ステム3のベース12および台座部16は、導電体から成る。ベース12は、所定の平面に沿って伸びており、一対の面12aおよび12bを有している。ベース12は、また、一対の面の一方12aから他方12bに伸びる孔12cを有する。この孔12cには、リード端子9が通過している。孔12c内には、封止用のガラス体19が埋め込まれている。ベース12は、このガラス体19を介してリード端子9を支持している。また、ステム3のベース12は、ガラス体19を介することなくリード端子12gを保持している。
電子部品7および別の電子部品27は、それぞれ、第1および第2のリード端子9、31の搭載面9a、31a上に搭載されている。これ故に、電子部品7の第1の電極7bは、搭載面9aといった第1のリード端子9の側面にワイヤを介して接続されることができ、また電子部品7の第2の電極7cは半導体レーザ5の一端子5bにワイヤを介して接続されることができる。加えて、別の電子部品27の第1の電極27bは、搭載面31aといった第2のリード端子31の側面にワイヤを介して接続されることができ、また別の電子部品27の第2の電極27cは半導体レーザ5の他端子5aにワイヤを介して接続されることができる。リード端子31は、ベース12によって支持されている柱状部31bを備えることができ、搭載面31aはこの柱状部31bの一端に設けられている。柱状部31bは、ベース12に交差する方向に伸びる面(平面および曲面)に沿って伸びる表面を有している。電子部品27の第1の電極27bは、柱状部31bの表面といった第2のリード端子31の側面にワイヤを介して接続されることができる。
この発光モジュールによれば、半導体レーザ5は台座部16の側面16a上に搭載されており、また電子部品7は第1のリード端子9の搭載面9a上に搭載され、さらに別の電子部品27は第2のリード端子31の搭載面31a上に搭載されているので、電子部品7および別の電子部品27の第1の電極7b、31bをそれぞれ第1及び第2のリード端子9、31の搭載面9a、31aにワイヤを介して接続することができ、また電子部品7及び別の電子部品27の第2の電極7c、27cを半導体レーザ5の一端子5b及び他端子5aにそれぞれワイヤを介して接続することができる。
好適な実施の形態では、抵抗素子13および抵抗素子29の各抵抗値は、22.5オーム程度である。
図7(A)を参照すると、発光モジュール2では、第1のリード端子9、第2のリード端子31及び台座部16の側面16aは所定の面Sに沿って配置されている。所定の面Sは、ベース12に交差する方向に伸びている。電子部品7と別の電子部品27との間に半導体レーザ5を配置できる。
また、発光モジュール2では、台座部16は、第1のリード端子9と第2のリード端子31との間に設けられている。半導体レーザ5が台座部16の側面16a上に搭載されており、また電子部品7および別の電子部品27がそれぞれ第1および第2のリード端子9、31上に搭載される。この発光モジュール2によれば、台座部16の側面16a上の半導体レーザ5は、第1のリード端子9上の電子部品7と第2のリード端子31上の別の電子部品27との間に位置するので、半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7の電極7cとの間をワイヤを介して接続することができ、また半導体レーザ5の他端子5aと別の電子部品27の電極27cとの間をワイヤを介して接続することができる。
発光モジュール2では、台座部16の側面16aは第1の基準面に沿って伸びており、第1のリード端子9の搭載面9aは第2の基準面に沿って伸びており、第2のリード端子31の搭載面31aは第3の基準面に沿って伸びている。第1〜第3の基準面は、第1のリード端子9から第2のリード端子31へ向かう方向に伸びている。この発光モジュール2によれば、半導体レーザ5の端子5b、5aと電子部品7、27上の電極7c、27cとをそれぞれワイヤを介して接続することができる。なぜなら、半導体レーザ5が台座部16の側面16a上に搭載されており、また電子部品7が第1のリード端子9の搭載面9a上に搭載されており、さらに別の電子部品27が第2のリード端子31の搭載面31a上に搭載されているからである。
また、台座部16の側面16a上の半導体レーザ5は、第1のリード端子9上の電子部品7と第2のリード端子31上の別の電子部品27との間に配置されているので、半導体レーザ5と電子部品7および別の電子部品27とを接続するワイヤの長さを短くできる。その結果、寄生インダクタンスによるインピーダンス不整合を最小に留めることができる。
図5および図6を参照すると、発光モジュール2は、また半導体レーザ5の光出力強度をモニタするための半導体受光素子23を更に備えることができる。半導体受光素子23は、ステム3のベース12上に搭載されている。半導体受光素子23の一電極23aは、ワイヤを介して別のリード端子25に接続されている。電子部品7の第2の電極7bが半導体レーザ5の一端子5bにワイヤを介して接続されることに加えて、電子部品7の第1の電極7bは、第1のリード端子9の側面にワイヤを介して接続されている。また、別の電子部品27の第2の電極27cが半導体レーザ5の他端子5aにワイヤを介して接続されることに加えて、別の電子部品27の第1の電極27bは、第2のリード端子31の側面にワイヤを介して接続されている。発光モジュール2は、半導体レーザ5および電子部品7、27に加えてモニタ用の半導体受光素子23を含む場合でも、これらの部品をリード端子にワイヤを介して接続できる構造を有する。
図7(B)および図7(C)に示されるように、台座部16の側面16aは、第1のエリア16b及び第2のエリア16cを有している。第1のエリア16b及び第2のエリア16cは、半導体レーザ5の光軸の方向に配列されている。半導体レーザ5は、第2のエリア16cに位置している。第1のエリア16bの上辺は、半導体受光素子23の一電極23aと別のリード端子25とを繋ぐワイヤの高さの最高値より高い。また、半導体レーザ5は、電子部品7と別の電子部品27との間に位置する。さらに、半導体受光素子23は、ベース12と電子部品7および別の電子部品27との間ではなく、ベース12と半導体レーザ5との間に位置している。
この発光モジュール2によれば、半導体レーザ5、電子部品7、別の電子部品27の接続は、それぞれ、異なる方向に伸びるワイヤによって実現されている。なぜなら、図7(A)〜図7(C)に示されるように、電子部品7の第2の電極7cと半導体レーザ5との間の電気的な接続が、ワイヤを使用して実現されており、また、電子部品7の第1の電極7cと第1のリード端子9の側面9aとの間の電気的な接続が、ワイヤを使用して実現されており、さらに、別の電子部品27の第1の電極27bと第2のリード端子31の側面31aとの間の電気的な接続が、ワイヤを使用して実現されている。
図7(A)に示されるように、第1のリード端子9、第2のリード端子31、半導体レーザ5および半導体受光素子23は、ベース12に交差する所定の面に沿って配置されている。この配置において、第1および第2のリード端子9、31が、それぞれ、台座部16の隣に位置しており、また、半導体受光素子23が半導体レーザ5とベース12との間に位置している。これ故に、台座部16上の半導体レーザ5と第1のリード端子9上の電子部品7との間を接続するワイヤは、半導体レーザ5から半導体受光素子23に向かう第1の方向と異なる第2の方向に伸びる。また、台座部16上の半導体レーザ5と第2のリード端子31上の別の電子部品27との間を接続するワイヤは、第1および第2の方向と異なる第3の方向に伸びる。
発光モジュール1の電子部品7と同様に、発光モジュール2では、電子部品7だけでなく、別の電子部品27の第2の電極27cが、半導体レーザ5の他端子5aにワイヤを介して接続されており、また、その第1の電極27bは、第2のリード端子31の側面31a上の所定のボンディング位置にワイヤを介して接続されている。別の電子部品27の第1の電極27bとベース12との間の距離は、別の電子部品27の第2の電極27cとベース12との間の距離より小さく、また、別の電子部品27の第1の電極27bとベース12との間の距離は、上記のボンディング位置とベース12との間の距離より大きい。
第1のリード端子9および第2のリード端子31は、半導体レーザ5の光軸から外れた位置にあるので、電子部品7、27の第1の電極7b、27bと第1のリード端子9および第2のリード端子31との間の電気的な接続が、半導体受光素子に干渉することなく、ワイヤを使用して実現される。
図7(A)〜図7(C)に示されるように、半導体レーザ5の他端子5aと別の電子部品27の第2の電極27cとを接続するワイヤは、半導体レーザ5の他端子5aから座標系のX軸の負の方向に伸びている。別の電子部品27の第1の電極27bと第2のリード端子31の搭載面31aとを接続するワイヤは、別の電子部品27の第1の電極27bから座標系のZ軸の負の方向に伸びている。半導体レーザ5の一端子5bと電子部品7の第2の電極7cとを接続するワイヤは、ヒートシンク17上の導電パターンから座標系のX軸の正の方向に伸びている。電子部品7の第1の電極7bと第1のリード端子9の搭載面9aとを接続するワイヤは、電子部品7の第1の電極7bから座標系のZ軸の負の方向に伸びている。半導体受光素子23の一電極23aと別のリード端子25の端面25aとを接続するワイヤは、半導体受光素子23の一電極23aから座標系のほぼY軸の正の方向に伸びており、また、半導体受光素子23の他電極23bとベース12とを接続するワイヤは、サブマウント26上の導電パターンから座標系においてほぼY軸の正の方向に伸びている。
以上説明したように、単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくすることができる発光モジュールが提供される。
(第3の実施の形態)
第1及び第2の実施の形態で説明された発光モジュールは、差動回路によって駆動されることができる。差動回路による駆動により、光送信器から外部へ放射する電磁ノイズ、光受信回路へのクロストークを低減できる。図8(A)は、第1の実施の形態に示された発光モジュールを用いる発光装置を示す図面である。図8(B)は、第2の実施の形態に示された発光モジュールを用いる発光装置を示す図面である。
図8(A)を参照すると、発光装置61は、発光モジュール1と、駆動デバイス63とを備える。駆動デバイス63は、OUT端子およびOUTB端子、信号端子63a、入力信号処理回路63b、トランジスタ63c、トランジスタ63d、変調電流源回路63e、バイアス電流源回路63fを備える。入力信号処理回路63bは、信号端子63aに受ける信号から一対の信号SIGを生成する。トランジスタ63cの制御端子は、一対の信号SIGの一方を受ける。トランジスタ63dの制御端子は、一対の信号SIGの他方を受ける。トランジスタ63c、63dは、例えば、電界効果トランジスタである。トランジスタ63c、63dの電流端子は、変調電流源回路63eに接続されている。トランジスタ63cの他の電流端子は、OUT端子に接続されている。トランジスタ63dの他の電流端子は、OUTB端子に接続されている。
この発光モジュールを用いて光信号を発生する方法としては、発光モジュール1のリード端子9および該リード端子9上に搭載された抵抗素子13を介して、発光モジュール1に搭載された半導体レーザ5の一端子に駆動信号IDを加えて、半導体レーザ5を発光させる。駆動信号IDは、リード端子9上に設けられた抵抗素子13を介して半導体レーザ5に提供されるので、これらの素子13、5とリード端子9の特性インピーダンスとの整合が為された発光モジュールにおいて、駆動信号IDが半導体レーザ1に印加される。
図8(B)を参照すると、発光装置71は、発光モジュール2と、駆動デバイス73とを備える。駆動デバイス73は、OUT端子およびOUTB端子、信号端子73a、入力信号処理回路73b、トランジスタ73c、トランジスタ73d、変調電流源回路73e、バイアス電流源回路73f、バイアス電流源回路73gを備える。入力信号処理回路73bは、信号端子73aに受ける信号から一対の信号SIGを生成する。トランジスタ73cの制御端子は、一対の信号SIGの一方を受ける。トランジスタ73dの制御端子は、一対の信号SIGの他方を受ける。トランジスタ73c、73dは、例えば、電界効果トランジスタである。トランジスタ73c、73dの電流端子は、変調電流源回路73eに接続されている。トランジスタ73cの他の電流端子は、OUT端子に接続されている。トランジスタ73dの他の電流端子は、OUTB端子に接続されている。バイアス電流源回路73fは、OUT端子に接続されている。バイアス電流源回路73gは、OUTB端子に接続されている。
この発光モジュールを用いて光信号を発生する方法としては、発光モジュール2の第1のリード端子9および該第1のリード端子9上に搭載された抵抗素子13を介して、発光モジュール2に搭載された半導体レーザ5の一端子に駆動信号IDを加えると共に、発光モジュール2の第2のリード端子31および該第2 のリード端子31上に搭載された別の抵抗素子29を介して、発光モジュール2に搭載された半導体レーザ5の他端子に相補の駆動信号IDCを加えて、半導体レーザ5を発光させる。
駆動信号I及び相補の駆動信号IDCは、リード端子9、31上に設けられたそれぞれの抵抗素子13、29を介して半導体レーザ5の一端子及び他端子に提供されるので、抵抗素子13または29と半導体レーザ5とリード端子9或いは31の特性インピーダンスとの整合が為された発光モジュールにおいて、駆動信号ID、IDCが半導体レーザ5に印加される。また、OUT端子とOUTB端子との間に仮想接地面が形成され、接地のためのリード端子等を設ける必要がない。接地リード端子が不要であるので、接地リード端子の接地が不完全であることによって生じる波形品質の劣化が回避される。接地リード端子を介した接地面までの接続で発生する寄生インダクタンスを抑制し難いような場合に有効である。
以上説明したように、単一の基板上に半導体レーザと抵抗素子との両方を搭載することなくインピーダンスの不整合を小さくすることができる発光モジュールを用いる発光装置が提供される。
(第4の実施の形態)
図9(A)、図9(B)、図10(A)、図10(B)は、第2の実施の形態に示された発光モジュールを製造する工程を示す図面である。
図9(A)に示されるように、ステム4と、半導体レーザ5と、電子部品7、27と、半導体受光素子23とを準備する。図9(B)を参照すると、半導体レーザ5は、ステム4上に搭載されている。本実施例では、半導体レーザ5は、ヒートシンク17上に搭載されている。ヒートシンク17上には、導電パターン17aが設けられており、導電パターン17aに半導体レーザ5の一端子5bがボンディングされている。半導体レーザ5及びヒートシンク17は、ステム4の台座部16の側面16a上に搭載されている。半導体受光素子23はサブマウント26上に搭載されており、半導体受光素子23およびサブマウント26はベース12の上面12a上に搭載されている。電子部品7、27は、それぞれ、リード端子9、31の搭載面7a、31a上に搭載されている。
次いで、図10(A)に示されるように、半導体受光素子23の一電極23aをリード端子25の端面25aにワイヤ61を介して接続する。サブマウント26の導電パターン26aをステム4のベース12にワイヤ63を介して接続する。ワイヤ61および63を形成する工程の順序は可換である。半導体受光素子23の他電極23bは、サブマウント26の導電パターン26a上にボンディングされている。ワイヤ61は、ベース12の上面12aと実質的に平行に伸びる平面に沿って半導体受光素子23から伸びている。好ましくは、ワイヤ61、63の高さの最高値は、半導体レーザ5および電子部品7、27の下端より低い。
この後に、図10(B)に示されるように、半導体レーザ5を電子部品7、27をリード端子9、31にワイヤを介して接続すると共に、電子部品7、27をリード端子9、31にワイヤを介して接続する。半導体レーザ5は、台座部16の側面16a上において、リード端子9とリード端子31との間に配置されている。半導体レーザ5の他端子5aをリード端子31上の電子部品27の第2の電極27cにワイヤ65を介して接続する。ヒートシンク17上の導電パターン17aをリード端子9上の電子部品7の第2の電極7cにワイヤ67を介して接続する。電子部品7の第1の電極7bをリード端子9の搭載面9aにワイヤ69を用いて接続する。電子部品27の第1の電極27bをリード端子31の搭載面31aにワイヤ71を用いて接続する。ワイヤ65、67、69および71を形成する工程の順序は可換である。
ワイヤ65およびワイヤ67は、半導体レーザ5に関して、互いに逆の方向に伸びている。ワイヤ67は半導体レーザ5からX軸の負の方向に伸びて電子部品7の第2の電極7cに到達しており、ワイヤ65は半導体レーザ5からX軸の正の方向に伸びて電子部品27の第2の電極27cに到達している。ワイヤ69は、電子部品7からZ軸の負の方向に伸びてリード端子9の搭載面9aに到達している。ワイヤ71は、電子部品27からZ軸の負の方向に伸びてリード端子31の搭載面31aに到達している。
図4に示されるように、ワイヤ接続が終了した後に、ステム上にキャップ41を搭載する。キャップ41をステムに抵抗溶接して気密に封止されたキャビティを形成する。このキャビティ内に、半導体レーザ5、電子部品7、27、半導体受光素子23が設けられている。キャップ41は、レンズ53を保持することができる。半導体レーザ5からの光は、レンズ53を介してキャビティの外に出射する。
以上説明したように、本実施の形態によれば、発光モジュールに、電子部品および半導体発光素子をステム上に組み立ることが容易な構造が提供される。
(第5の実施の形態)
図11(A)は、第1の実施の形態に係る発光モジュールのためのシミュレーションモデル(以下、モデルXとして参照される)を示す図面である。図11(B)は、図11(A)に示された半導体レーザおよび電子部品を詳細に示す図面である。図11(A)および図11(B)では、モデルXの理解を容易にするために、第1の実施の形態に係る発光モジュールの構成要素に対応づけて、モデルXの構成要素に参照符号を付している。モデルXの構成要素を具体的に説明する。鉄系材料から成る直径5.6ミリメートル円盤状ベース(11)上に直接に台座(15)が設けられている。この台座(15)上に窒化アルミニウム製のヒートシンク(17)が搭載されており、このヒートシンク(17)上に半導体レーザ(5)が搭載されている。第1のリード端子(9)上には、抵抗体(チップ型抵抗素子)(7)が搭載され、抵抗体(7)の電極パッド(7b)は、直径25マイクロメートルの金ワイヤWIRE1を介して、リード端子(9)の平坦部に電気的に接続されている。抵抗体(7)の電極パッド(7c)は、直径25マイクロメートルの金ワイヤWIRE2を介してヒートシンク(17)上面と電気的に接続されている。DFB−LD(5)の一電極は、直径25マイクロメートルの金ワイヤWIRE3を介して導体ポスト(21)と電気的に接続されている。
図12(A)は、文献1に示された発光モジュールのためのシミュレーションモデル(以下、モデルYとして参照される)を示す図面である。図12(B)は、図12(A)に示された発光モジュールの構成部品を示す図面である。図12(C)は、モデルYにおいて半導体レーザ105および電子部品107を詳細に示す図面である。モデルYを詳細に説明する。鉄系材料から成る直径5.6ミリメートルの円盤状ベース111に、銅タングステン製の台座115が銀ろう付けされ、この台座115上に窒化アルミニウム(AlN)製のヒートシンク117が搭載されており、このヒートシンク117上に半導体レーザ105および薄膜抵抗107が搭載されている。ベース111は、封止用ガラス体119を用いてリード端子110を保持している。
モデルX、Yにおいて、シミュレーションに用いるDFB−LD5、105の活性層が発熱源として作用する。図13(A)はモデルXのシミュレーション用の熱伝導係数の一覧を示す図面である。図13(B)はモデルXのシミュレーション用の熱伝達係数の一覧を示す図面である。図13(C)はモデルXのシミュレーション用の接触抵抗の一覧を示す図面である。図14(A)はモデルYのシミュレーション用の熱伝導係数の一覧を示す図面である。図14(B)はモデルYのシミュレーション用の熱伝達係数の一覧を示す図面である。図14(C)はモデルYのシミュレーション用の接触抵抗の一覧を示す図面である。これらの図面に示される熱伝導係数及び熱伝達係数、接触抵抗が、シミュレーションのために使用される。
シミュレーション用の温度条件として摂氏75度の環境温度を用い、円盤状ベース外面およびリード端子(パッケージ外部に位置する部分)の温度が摂氏75度(一定値)であるという境界条件を設定している。モデルX、Yでは、発熱源である半導体レーザとして、分布帰還型半導体レーザ(以下DFB−LDと記す)を使用している。DFB−LDは直接変調されている。シミュレーションの環境温度摂氏75度において、DFB−LDに電圧値2ボルトが印加されており、DFB−LDに0.1アンペアの電流が流れており、DFB−LDの等価抵抗値は5オームである。また、シミュレーションモデルXでは20オームのチップ型抵抗素子が使用されており、シミュレーションモデルYでは20オームの薄膜抵抗が使用されている。
温度差のある物質表面と流体との界面では熱移動(熱伝達)が起こる。熱伝導シミュレーションでは、この熱伝達における比例定数・熱伝達係数として、図13(A)〜図14(C)に示されている。発光モジュールでは、ハーメチックシールされたモジュールの内部には窒素が充填されている。また外部は大気である。気体の流動状態は自然対流と見なされるので、発光モジュールの内部および外部のための熱伝達係数として、それぞれの気体における自然対流熱伝達係数を用いる。また、DFB−LD、ヒートシンクなど部品のボンディングでは、金錫半田といった接着部材を使用する。DFB−LDとヒートシンクとは金錫半田により接着されており、ヒートシンクと台座とは金錫半田により接着されており、モデルYでは、銅タングステンの台座とベースとは銀ロウ付けである。これらの接着部位は、接触熱抵抗として換算されてモデルに組み込まれている。DFB−LDの活性層では、0.2ワット(2ボルト×0.1アンペア)の発熱が生じる。20オームの抵抗では、0.2ワット(20オーム×0.1アンペア×0.1アンペア)の発熱が生じる。
これらのモデルX、Yを用いて、熱伝導シミュレーションを行う。図15(A)は、モデルYの発光モジュールAにおけるシミュレーション結果を示す図面である。図15(B)は、ベース/台座構造が一体構造を成す発光モジュールB(モデルYタイプ)のシミュレーション結果を示す図面である。ここで、ベースと台座の材料は、加工性に優れ一体加工しやすい鉄系材料であるSPCとした。図15(C)は、発光モジュールにおいて薄膜抵抗からの発熱が無い場合を想定した発光モジュールC(モデルYタイプ)のシミュレーション結果を示す図面である。図15(D)は、モデルXの発光モジュールDにおけるシミュレーション結果を示す図面である。図15(E)は、チップ抵抗からの発熱が無い発光モジュールE(モデルXタイプ)のシミュレーション結果を示す図面である。図15(F)は、図15(A)〜図15(E)のための温度スケールを示す。図16は、シミュレーション結果の一覧を示す。
図15(A)の結果および図15(B)の結果を対比すると、ベース/台座を一体構造とすると、DFB−LDからの熱の放熱性能が損なわれて、DFB−LDの温度が上昇することが示される。一例として、摂氏75度、2ボルトのDFB−LD電圧値、0.1アンペアのDFB−LD電流値の駆動条件の下に、SPC製のベースおよび銅タングステン製の台座を用いる発光モジュールAとベースおよび台座共にSPCを用いる発光モジュールBとを比較すると、温度差がおよそ1.7度(A:摂氏96.42度、B:摂氏98.15度)生じる。一方、図15(D)に示される発光モジュールDでは、台座に比較的熱伝導性の劣る鉄系材料を使用しているにも拘わらず、銅タングステン製の台座を用いる発光モジュールAに比べて、DFB−LDの温度(D:摂氏95.65度、A:摂氏96.42度)を低くすることが可能である。
図15(A)の結果および図15(C)の結果を対比すると、発光モジュールAの構造では薄膜抵抗の発熱によりDFB−LDの温度が上がる。一方、図15(D)の結果および図15(E)の結果を対比すると、DFB−LDの温度差がわずかである。これは、発光モジュールDでは、抵抗体がリード端子上に搭載されており、抵抗体における発熱を低熱伝導性の封止ガラス部で遮断できるためである。
一般に、レーザダイオードのしきい値電流とスロープ効率は温度依存性を有し、高温になるにつれて生じるしきい値電流増加とスロープ効率低下により、同じ光パワーの発光のために大きな電流を要することになる。良好な光出力波形と安定した光出力を得るには、半導体レーザの温度を低く抑えることが重要である。
モデルYの構造では、半導体レーザの直近に薄膜抵抗を搭載しているので、薄膜抵抗の発熱により半導体レーザの温度が上がる。これ故に、モデルYの構造は、良好な光出力波形、安定した光出力を得る上で不利である。また、モデルYの構造では、半導体レーザに加わる熱を逃がすために、熱伝導性に優れた金属部品がベースに貼り合わされている。さらに、発光モジュールのパッケージ内部におけるインピーダンスの整合を得るために、複雑な構造の窒化アルミニウム製のヒートシンクが必要になり、発光モジュールの製造コストを上昇させている。
モデルYの構造では、パッケージ内部のインピーダンスを整合するために、ヒートシンク107(文献1で“サブマウント”として参照される)上にマイクロストリップ線路を形成し、また半導体レーザの近くに薄膜抵抗を搭載している。半導体レーザと薄膜抵抗が、共にヒートシンク上で近接配置されているので、薄膜抵抗で発生した熱により半導体レーザの温度が上がる。モデルYの発光モジュールでは、半導体レーザの放熱対策として、ヒートシンクを搭載する下地の台座(文献1で“ブロック”として参照される)は、高熱伝導性材料である銅タングステン部材と、この部材にロウ材で張り合わされた鉄系材料から成るベース(文献1で“ステム”として参照される)とを用いるので、これらの構造を実現するための部材費・加工費と製造コストが必要である。
一方、モデルXの発光モジュールは、低熱伝導性のガラス材料で封止されたリード端子を有しており、このリード端子の先端の平坦部上に抵抗体を搭載している。これ故に、半導体レーザを搭載した台座と抵抗体を搭載したリード端子とを封止ガラスで熱的に絶縁でき、抵抗体の発熱による半導体レーザの温度上昇を抑制できる。また、モデルXの発光モジュールでは、ヒートシンクにマイクロストリップ線路が必要ないこと、および半導体レーザを搭載する台座とベースとを低コストな一体構造にできることが実現される。台座とベースの一体構造の製造法では、例えば、ベースをプレス加工して整形する方法や、金属ブロック体から削り出して整形する切削加工、更には、MIM(Metal Injection Mold)法を利用できる。モデルXの発光モジュール構造は、モデルYの発光モジュールに対比して、抵抗体の発熱による半導体レーザの昇温抑制、製造コスト削減の観点で優れる。
また、リード端子は、ベースに設けられた貫通孔に低熱伝導材料のガラスを介して保持されている。このガラス材によりリード端子はベースと電気的に絶縁されている。ガラス材によりモジュール内部の気密性が確保されている。封止ガラス部では、ガラスの物性値である誘電率、リード端子径、リード端子取り付け用の貫通孔径を調整しインピーダンスの整合を行うことができる。
好適な実施の形態において本発明の原理を図示し説明してきたが、本発明は、そのような原理から逸脱することなく配置および詳細において変更され得ることは、当業者によって認識される。本発明は、本実施の形態に開示された特定の構成および工程の順序に限定されるものではない。例えば、半導体受光素子のワイヤ接続に先立って、半導体レーザ等のワイヤ接続を行うことができる。したがって、特許請求の範囲およびその精神の範囲から来る全ての修正および変更に権利を請求する。
図1は第1の実施の形態に係る発光モジュールを示す図面である。 図2は、発光モジュールの構成部品を示す図面である。 図3(A)は、発光モジュールを示す平面図である。図3(B)は、発光モジュールを示す側面図である。図3(C)は、発光モジュールを示す正面図である。 図4は発光モジュールを示す図面である。 図5は第2の実施の形態に係る発光モジュールを示す図面である。 図6は、発光モジュールの構成部品を示す図面である。 図7(A)は発光モジュールを示す平面図である。図7(B)は発光モジュールを示す側面図である。図7(C)は発光モジュールを示す正面図である。 図8(A)は、第1の実施の形態に示された発光モジュールを用いる発光装置を示す図面である。図8(B)は、第2の実施の形態に示された発光モジュールを用いる発光装置を示す図面である。 図9(A)および図9(B)は、第2の実施の形態に示された発光モジュールを製造する工程を示す図面である。 図10(A)および図10(B)は、第2の実施の形態に示された発光モジュールを製造する工程を示す図面である。 図11(A)は、第1の実施の形態に示された発光モジュールのためのシミュレーションモデルを示す図面である。図11(B)は、シミュレーションモデルにおいて半導体レーザおよび電子部品を詳細に示す図面である。 図12(A)は、文献1に示された発光モジュールのためのシミュレーションモデルを示す図面である。図12(B)は、図12(A)に示された発光モジュールの構成部品を示す図面である。図12(C)は、シミュレーションモデルにおいて半導体レーザおよび電子部品を詳細に示す図面である。 図13(A)はモデルXのシミュレーション用の熱伝導係数の一覧を示す図面である。図13(B)はモデルXのシミュレーション用の熱伝達係数の一覧を示す図面である。図13(C)はモデルXのシミュレーション用の接触抵抗の一覧を示す図面である。 図14(A)はモデルYのシミュレーション用の熱伝導係数の一覧を示す図面である。図14(B)はモデルYのシミュレーション用の熱伝達係数の一覧を示す図面である。図14(C)はモデルYのシミュレーション用の接触抵抗の一覧を示す図面である。 図15(A)は、モデルYの発光モジュールAにおけるシミュレーション結果を示す図面である。図15(B)は、モデルYの発光モジュールBのシミュレーション結果を示す図面である。図15(C)は、モデルYの発光モジュールCのシミュレーション結果を示す図面である。図15(D)は、モデルXの発光モジュールDのシミュレーション結果を示す図面である。図15(E)は、モデルXの発光モジュールEのシミュレーション結果を示す図面である。図15(F)は、図15(A)〜図15(E)のための温度スケースを示す図面である。 図16は、シミュレーション結果のサマリを示す図面である。
符号の説明
1、2…発光モジュール、3、4…ステム、5…半導体レーザ、7…電子部品、7b、7c…電子部品の電極、9…第1のリード端子、9a…搭載面、11、12…ベース、13…抵抗素子、15、16…台座部、15a、16a…台座部の側面、17…ヒートシンク、19…封止用ガラス体、21…導体ポスト、23…半導体受光素子、23a、23b…半導体受光素子の電極、23c…受光面、25…別のリード端子、25a…端面、27…別の電子部品、27b、27c…電子部品の電極、29…抵抗素子、31…第2のリード端子、31a…搭載面、41…キャップ、43…パッケージスリーブ、45…ジョイントスリーブ、47…SCスリーブ、49…ファイバスタブ、51…割スリーブ、53…レンズ、

Claims (5)

  1. 第1のリード端子および該第1のリード端子を支持するベースを有するステムと、
    前記ステム上に搭載されており一端子および他端子を有する半導体レーザと、
    前記第1のリード端子上に搭載されており抵抗素子を含む電子部品と
    を備え、
    前記電子部品は、主面上に設けられた第1および第2の電極を有しており、
    前記第1および第2の電極は、それぞれ、前記抵抗素子の一端および他端に接続されており、
    前記電子部品の前記第1の電極は、前記第1のリード端子に電気的に接続されており、
    前記電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記一端子に電気的に接続されている、発光モジュール。
  2. 前記ステムは、前記ベース上に設けられた台座部を有しており、
    前記台座部は側面を有しており、
    前記半導体レーザは、前記台座部の前記側面上に搭載されており、
    前記第1のリード端子は、前記ベースに交差する所定の面に沿って伸びる搭載面を有しており、
    前記電子部品は、前記第1のリード端子の前記搭載面上に搭載されており、
    前記電子部品の前記第1の電極は、前記第1のリード端子の側面にワイヤを介して接続されており、
    前記電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記一端子にワイヤを介して電気的に接続されている、請求項1に記載の発光モジュール。
  3. 抵抗素子を含む別の電子部品を更に備え、
    前記ステムは、前記ベースに支持された第2のリード端子を有しており、
    前記別の電子部品は前記第2のリード端子上に搭載されており、
    前記別の電子部品は、主面上に設けられた第1及び第2の電極を有しており、
    前記別の電子部品の前記第1および第2の電極は、それぞれ、前記別の電子部品の前記抵抗素子の一端および他端に接続されており、
    前記別の電子部品の前記第1の電極は、前記第2のリード端子に電気的に接続されており、
    前記別の電子部品の前記第2の電極は、前記半導体レーザの前記他端子に電気的に接続されている、請求項1または請求項2に記載の発光モジュール。
  4. 前記第2のリード端子は、前記ベースに交差する所定の面に沿って伸びる搭載面を有しており、
    前記別の電子部品は、前記第2のリード端子の前記搭載面上に搭載されており、
    前記別の電子部品の前記第1の電極は、前記第2のリード端子の側面にワイヤを介して接続されている、請求項3に記載の発光モジュール。
  5. 前記ベースはガラス体を介して前記第1のリード端子を保持していることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載された発光モジュール。
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