JP2005045050A - 位置決め装置及び露光装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】干渉計の計測光及び参照光の光路中に温度変化や温度ゆらぎ等の環境変化があっても、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出する。
【解決手段】XY平面内を移動可能な可動ステージ部51と、可動ステージ部51に支持され可動ステージ部51に対してウエハW等を保持してZ軸方向に移動可能な試料台50と、試料台50の位置を計測するレーザ干渉計53とを有し、可動ステージ部51は、互いに略同一光路上を進行するように干渉計53から射出される計測光54と参照光55とを試料台50に向ける反射ミラー56を備え、試料台50は、反射ミラー56で反射された計測光54と参照光55とを分離するビームスプリッタ57を備えている。
【選択図】 図2
【解決手段】XY平面内を移動可能な可動ステージ部51と、可動ステージ部51に支持され可動ステージ部51に対してウエハW等を保持してZ軸方向に移動可能な試料台50と、試料台50の位置を計測するレーザ干渉計53とを有し、可動ステージ部51は、互いに略同一光路上を進行するように干渉計53から射出される計測光54と参照光55とを試料台50に向ける反射ミラー56を備え、試料台50は、反射ミラー56で反射された計測光54と参照光55とを分離するビームスプリッタ57を備えている。
【選択図】 図2
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子又は薄膜磁気ヘッドなどの各種マイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置、および該露光装置に用いて好適な基板等の試料を所定の位置に位置決めする位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造のフォトリソグラフィ工程では、フォトレジストが塗布されたウエハやガラスプレート(以下、基板ともいう)にマスクのパターンを転写するステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパー)が広く用いられている。このステップ・アンド・リピート方式の露光装置は、マスクのパターンの像をウエハ上のショット領域に一括して縮小投影することにより該ショット領域を露光するものである。一つのショット領域の露光を終了すると、ウエハをステップ移動して次のショット領域の露光を行い、これを順次繰り返すことからステップ・アンド・リピート方式と呼ばれているのである。
【0003】
また、マスクパターンの露光範囲を拡大するために、照明系からの露光光をスリット状(矩形状)に制限し、このスリット光を用いてマスクパターンの一部をウエハ上に縮小投影した状態で、マスクとウエハとを投影光学系に対して同期走査させるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置も開発されている。このステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、一回の走査露光でマスク全面のパターンを等倍でウエハの全面に転写するアライナーの転写方式の長所と、上述したステッパーの転写方式の長所とを兼ね備えたものである。
【0004】
この種の露光装置では、露光前および露光中に焦点合わせが行われるが、感光性材料(フォトレジスト)が塗布された基板の焦点合わせの方法として、いわゆるオートフォーカスセンサを用いた方式が知られている。
【0005】
オートフォーカスセンサによる焦点合わせは、投影光学系が設置された架台に光学的センサである投光器および受光器を固定し、投光器から基板表面に斜めに光を照射し、この基板表面からの反射光を受光器で受光することで、基板表面の高さ(投影光学系の光軸方向の位置)を検出する。そして、その信号で基板ステージに設けられた複数のアクチュエータ(Zアクチュエータ)によって、基板を保持する試料台の光軸方向の位置(Z軸方向位置)を制御して投影光学系の焦点に基板表面を合わせるものである。
【0006】
しかし、このようなオートフォーカス系は基板表面を被検出面とするため、オートフォーカス系の計測点に基板が位置しない範囲にステージが移動した場合(例えば、スキャン露光において基板の周縁部に近いショットを外側から露光する場合など)又は基板が基板ステージ上に搭載されていない場合に、試料台のZ方向位置を検出することができない。Zアクチュエータにも駆動量を検出する検出器があるので、その計測値によってステージ移動面基準の試料台位置を求めることができるが、基準となる投影光学系からの距離を直接計測するものでないため誤差が大きい。また、近年の高精度化の要求により、より応答が速く分解能が高い検出系が必要とされ始めた。そこで、試料台の投影光学系の光軸方向の位置を直接計測するレーザ干渉計(Z干渉計)を露光装置に設けることが提案されている。
【0007】
試料台の位置を干渉計によって計測する従来技術としては、互いに異なる光路を水平方向に進行する計測光と参照光とを反射素子で反射させて試料台の方向に向けるものが知られている(特開2001−160535号公報参照)。これによれば、基板が載置されていない場合や基板が存在しない範囲にステージが移動した場合であっても、試料台のZ軸方向の位置を干渉計によって正確に計測することができる。
【0008】
また、特開2001−345254号公報には、ステージ上に計測光と参照光とを分岐する反射光学素子を設けたステージ装置が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−160535号公報
【特許文献2】
特開2001−345254号公報
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特開2001−160535号公報記載の従来技術では、互いに異なる光路を水平方向に進行する計測光と参照光をミラーで反射させて試料台の方向に向けるようにしているため、当該光路の一部又は全部を含む近傍の空間に環境変化(温度変化、温度揺らぎの発生等)があった場合に、それに応じて計測結果に誤差が生じるという問題がある。
【0011】
また、特開2001−345254号公報記載のステージでは、その構成上、ステージのピッチングやヨーイングによりステージの姿勢(XY平面に対する角度)が変化した場合に、その角度変化に応じた誤差が計測値に含まれてしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、干渉計の計測光及び参照光の光路中に温度変化や温度ゆらぎ等の環境変化があっても、さらにはステージの姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なく、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置及びこれを備えた露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
【0014】
本発明の第1の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記可動部は、互いに略同一光路上を進行するように前記干渉計から射出される計測光(54)と参照光(55)とを前記試料台に向けて反射する反射素子(6)を備え、前記試料台は、前記反射素子で反射された前記計測光と前記参照光とを分離する分離素子(57,59,62)を備えた位置決め装置が提供される。この場合において、前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測するようにできる。
【0015】
本発明の第1の観点に係る位置決め装置では、干渉計の計測光と参照光とを略同一の光路上を進行させて可動部の反射素子により反射させ、さらに略同一の光路上を進行させて試料台の分離素子で分離させるようにしたので、干渉計から試料台に至る該計測光と該参照光の光路が略同一となっており、その近傍空間の環境が変化した場合であっても、その影響は該計測光と該参照光とで異ならないので、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。また、計測光と参照光の光路の殆どが同一となっているため、可動部が傾いた場合であっても光路長に差が生じることがなく計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0016】
本発明の第2の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、計測光(54)と参照光(55)とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記参照光(55)の光路を中心として互いに対称となるように少なくとも2つの計測光(54a,54b)の光路を設定し、前記参照光と前記計測光のそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、前記試料台の位置を求めるようにした位置決め装置が提供される。この場合において、前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測するようにできる。
【0017】
本発明の第2の観点に係る位置決め装置では、参照光の光路を中心として互いに対称となるように少なくとも2つの計測光の光路を設定し、参照光と計測光のそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、試料台の位置を求めるようにしたので、その近傍空間の環境が変化した場合に生じる誤差が平均値をとることにより相殺ないし緩和され、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。また、可動部が多少傾いた場合であっても、かかる平均値をとることにより、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0018】
本発明の第3の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、計測光(54)と参照光(55)とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記可動部は、前記計測光と前記参照光とを少なくとも2回反射して前記所定平面と直交する方向に向ける反射素子(66,68,69)を有する位置決め装置が提供される。この場合において、前記反射素子は、前記反射素子に入射する入射角と前記反射素子によって反射して出射する出射角とを一定に保つように配置することが望ましい。
【0019】
本発明の第3の観点に係る位置決め装置では、可動部に設けられた反射素子で計測光と参照光とを少なくとも2回反射させるようにしたので、2回反射のそれぞれの反射角度を適宜に設定することにより、可動部に傾きが発生した場合であっても、該計測光と該参照光の入出射角度を一定に保つことが可能となり、従って可動部の姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なくなる。
【0020】
本発明の第4の観点によると、パターンが形成されたマスク(R)を位置決め可能なマスク位置決め装置(RS)と、前記パターンを投影転写する投影光学系(PL)と、前記パターンが転写される基板(W)を位置決め可能な基板位置決め装置(WS)とを有する露光装置において、前記マスク位置決め装置と前記基板位置決め装置との少なくとも一方が前記本発明の第1から第3の観点のいずれかに係る位置決め装置を有する露光装置が提供される。この場合において、前記投影光学系の光軸は、前記所定平面に直交する方向と平行であるようにすることができる。
【0021】
本発明の第4の観点に係る露光装置では、計測結果に誤差の少ない本発明に係る位置決め装置を採用しているので、微細なパターンを高精度で基板上に露光転写することができ、品質の良好なマイクロデバイス等を製造できるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、干渉計の計測光及び参照光の光路中に温度変化や温度ゆらぎ等の環境変化があっても、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置が提供されるという効果がある。
【0023】
また、ステージの姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なく、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置が提供されるという効果がある。
【0024】
さらに、微細なパターンを高精度で基板上に露光転写することができ、品質の良好なマイクロデバイス等を製造することができる露光装置が提供されるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0026】
[露光装置の全体構成]
まず、本発明が適用可能な露光装置の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成の概略を示す図である。図1に示す露光装置は、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを相対的に同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウエハWに逐次転写して半導体素子等を製造するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置である。
【0027】
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウエハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及びウエハWを同期移動させる方向(スキャン方向)をY方向に設定している。
【0028】
図1において、1は断面が略長方形状の平行光束である露光光ILを射出する露光光源であり、例えばArFエキシマレーザ光源(波長193nm)である。露光光源1からの波長193nmの紫外パルスよりなる露光光ILは、ビームマッチングユニット(BMU)2を通り、光アッテネータとしての可変減光器3に入射する。露光光源1の発光の開始及び停止、並びに出力(発振周波数、パルスエネルギー、パルス数)は、ウエハW上のフォトレジストに対する露光光の強度(照度)を制御するための露光制御ユニット33が制御する。また、露光制御ユニット33は、可変減光器3における減光率を段階的、又は連続的に調整する。
【0029】
可変減光器3を通った露光光ILは、レンズ系4a,4bよりなるビーム成形系5を経て第1段のオプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ、又はホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ6に入射する。この第1フライアイレンズ6から射出された露光光ILは、第1レンズ系7a、光路折り曲げ用のミラー8、及び第2レンズ系7bを介して第2段のオプティカル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ9に入射する。
【0030】
第2フライアイレンズ9の射出面、即ちレチクルRのパターン面に対する光学的なフーリエ変換面(照明系の瞳面、投影光学系PLの瞳面と光学的に共役な面)には開口絞り板10が、駆動モータ10cによって回転自在に配置されている。開口絞り板10は回転軸の周りで回転自在に構成された円板からなり、通常照明用の円形の開口絞り10a、輪帯照明用の開口絞り(図示省略)、複数(例えば4極)の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り10b、及び小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の小円形の開口絞り(図示省略)が周方向に沿って形成されている。
【0031】
開口絞り板10の回転軸は駆動モータ10cの回転軸に接続されており、駆動モータ10cを駆動して開口絞り板10を回転軸の周りで回転させることにより、第2フライアイレンズ9の射出面に配置する開口絞りを切り替えることができる。第2フライアイレンズ9の射出面に配置される開口絞りに応じて、その射出面における露光光ILの強度分布が変更される。駆動モータ10cの駆動は露光装置の全体の動作を統括制御する主制御系34が制御する。
【0032】
第2フライアイレンズ9から射出されて開口絞り板10に形成された開口絞りの何れかを通過した露光光ILは、透過率が高く反射率が低いビームスプリッタ11に入射する。ビームスプリッタ11を透過した露光光ILは、光軸IAXに沿ってレンズ系12,13を順次経て、固定ブラインド(固定照明視野絞り)14及び可動ブラインド(可動照明視野絞り)15に入射する。固定ブラインド14は、後述する投影光学系PLの円形視野内の中央でスキャン方向と直交した方向に直線スリット状、又は矩形状(以下、まとめて「スリット状」という)に伸びるように配置された開口部を有する。固定ブラインド14はレチクルRのパターンが形成されている面(以下、レチクル面という)に対する共役面から光軸IAX方向に所定量だけデフォーカスした面に配置されている。
【0033】
可動ブラインド15は、光軸IAXに直交する面内において移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な露光を防止するために、又は照明視野領域のスキャン方向の幅を可変とするために使用される。また、可動ブラインド15は、スキャン方向と直交した方向に関してレチクルRのパターン領域のサイズを可変するために使用される。可動ブラインド15は、レチクル面に対して、ほぼ共役面に配置されている。
【0034】
露光時に可動ブラインド15を通過した露光光ILは、光路折り曲げ用のミラー17、結像用のレンズ系18、コンデンサレンズ19、及び主コンデンサレンズ系20を順次介して、マスクとしてのレチクルRのパターン面(下面)の照明領域(照明視野領域)IAを照明する。露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域IA内の回路パターンの像が両側テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影倍率α(αは例えば1/4又は1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配置された基板としてのウエハW上のスリット状の露光領域EAに転写される。なお、投影光学系PLは片側テレセントリックであっても良い。
【0035】
本実施形態の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、カタジオプトリック系(反射屈折系)や反射系も使用できることはいうまでもない。また、投影光学系PLは、所定の気温(例えば、25℃)、所定の大気圧(例えば、1気圧)の下で露光光ILの波長に関して最良に収差補正されており、かかる条件下においてレチクルRとウエハWとは互いに共役になっている。また、露光光ILは、ケラー照明であり、投影光学系PLの瞳面の中心に光源像として結像されている。なお、投影光学系PLは複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ILの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択されている。
【0036】
図1において、レチクルRは、レチクルステージ21上に吸着保持され、レチクルステージ21は、レチクルベース22上でY方向に等速移動できると共に、X方向、Y方向、回転方向に傾斜できるように載置されている。レチクルステージ21の一端には移動鏡23が取り付けられており、移動鏡23の鏡面に対面してレーザ干渉計24が設けられている。このレーザ干渉計24によってレチクルステージ21(レチクルR)の2次元的な位置及び回転角がリアルタイムに計測されている。このレーザ干渉計24の計測結果及び主制御系34からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット25がレチクルステージ21の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0037】
一方、ウエハWは、ウエハホルダ26を介してウエハステージ27上に吸着保持され、ウエハステージ27は、ウエハベース28上で投影光学系PLの像面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。即ち、ウエハステージ27は、ウエハベース28上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動する。
【0038】
更に、ウエハステージ27には、ウエハWのZ軸方向の位置(フォーカス位置)、並びにX軸及びY軸の回りの傾斜角を制御するZレベリング機構も組み込まれている。即ち、ウエハステージ27は、図2に示されているように、ウエハWをウエハホルダ26を介して保持する試料台50及びウエハベース28上でXY平面に沿って2次元移動される可動ステージ部51を備え、試料台50は可動ステージ部51上に、Z軸方向に変位する3つのアクチュエータ及び該アクチュエータの駆動量をそれぞれ検出するエンコーダを有するZ駆動装置52を介して保持されている。3つのアクチュエータは一直線上にならないように分散配置され、これらのアクチュエータを同一の量だけ駆動することによって試料台50をZ軸方向に平行移動し、これらの駆動量を相違させることによって試料台50をXY平面に対して傾けることができるようになっている。
【0039】
再度、図1を参照する。ウエハステージ27の一端には移動鏡29が取り付けられており、移動鏡29の鏡面に対面してレーザ干渉計30が設けられている。このレーザ干渉計30によってウエハステージ27のX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角がリアルタイムに計測されている。レーザ干渉計30の計測結果及び主制御系34からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット31がウエハステージ27の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0040】
また、ウエハステージ27上のウエハWの近傍には、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を有する光電検出器からなる照射量センサ32が設置されている。この照射量センサ32は、その受光面に設けられた透過部から露光光ILを受光して露光領域EA内での照射量を検出するものであり、照射量を測定するときには、ウエハステージ27を駆動して照射量センサ32を露光領域EAの中心部に配置させる。照射量センサ32から出力される検出信号は露光制御ユニット33に供給されており、露光制御ユニット33はその検出信号に基づいて、露光光源1又は可変減光器3を制御してウエハW上に照射される露光光ILの強度を制御する。
【0041】
また、前述したビームスプリッタ11で反射された光は、集光レンズ35を介して光電検出器よりなるインテグレータセンサ35の受光面に集光されている。インテグレータセンサ35の受光面は、一例としてレチクルRのパターン形成面及びウエハWの露光面とほぼ共役であり、インテグレータセンサ35の検出信号(光電変換信号)は、露光制御ユニット33に供給されている。
【0042】
露光制御ユニット33にはインテグレータセンサ35の出力信号からウエハW上での照射量(単位時間当たりの露光量)を求めるための変換係数等が格納されている。インテグレータセンサ35の受光面はレチクルRのパターン面とほぼ共役な位置に配置されているので、第2フライアイレンズ9の射出面に配置された開口絞り板10により照明条件を変更した場合でも、インテグレータセンサ35の検出信号に誤差が生じないようになっている。なお、インテグレータセンサ35の受光面を、投影光学系PLにおけるレチクルRのパターンのフーリエ変換面(瞳面)と実質的に共役な観察面に配置して、この観察面を通過する全光束を受光できるようにしても構わない。
【0043】
露光制御ユニット33は、レチクルR側に照射される露光光ILの単位時間当たりの光エネルギー、及びウエハ反射率センサ38の検出信号から算出されるウエハWでの反射光の単位時間当たりの光エネルギーを算出する。算出された光エネルギーは主制御系34に出力される。主制御系34は、この光エネルギーに基づいて基づいて、投影光学系PLを通過する露光光ILの単位時間当たりの光エネルギーを求める。
【0044】
また、本実施形態においては、投影光学系PLの結像面に向けてピンホール又はスリット状の像を形成するための結像光束を、投影光学系PLの光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系42aと、その結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光光学系42bとからなる斜入射方式の焦点位置検出系42が設けられている。この焦点位置検出系42により、ウエハW表面の結像面に対するZ方向の位置を検出してウエハWと投影光学系PLとの合焦状態を検出することができるようになっている。
【0045】
更に、レチクルR裏面側には、スリット状の像を形成するための結像光束を、投影光学系PLの光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系43aと、その結像光束のレチクルR裏面での反射光束を受光する受光光学系43bとからなる斜入射方式の焦点位置検出系43が設けられている。この焦点位置検出系43により、レチクルR裏面の結像面に対するZ方向の位置を検出してウエハWとレチクルRとの共役関係の状態を検出することができるようになっている。
【0046】
次に、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図2を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。
【0047】
このZ位置計測系のレーザ干渉計53は、不図示のレーザ光源を備え、このレーザ光源は波長が安定化された互いに偏光方向が直交する一対のレーザビームをほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出する。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、レーザ干渉計53のレーザ光源から射出される一対のレーザビームのうち、被計測対象としての試料台50に対して照射される一方のレーザビームを計測光54(P偏光成分、周波数成分F1)とし、後述する参照ミラー58に対して照射される他方のレーザビームを参照光55(S偏光成分、周波数成分F2)と称するが、これらは逆であってもかまわない。
【0048】
ウエハステージ27の可動ステージ部51上には、反射素子としての反射ミラー56がその反射面の法線がY軸及びZ軸に対して略45度の角度となるように固定されている。レーザ干渉計53のレーザ光源から射出され、Y軸方向に沿う同一の光路上を進行する計測光54及び参照光55はこの反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射される。
【0049】
試料台50の端部には、分離素子としての偏光ビームスプリッタ57が固定されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ57に至る。この偏光ビームスプリッタ57は、その分離面57aにてP偏光成分を反射し、S偏光成分を透過する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ57の分離面57aで反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されてレーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ57に至った参照光55は、当該ビームスプリッタ57を透過してそのまま+Z軸方向に進行し、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で全反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、偏光ビームスプリッタ57を再度透過し、反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0050】
なお、反射ミラー56及び偏光ビームスプリッタ57は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。また、参照ミラー58は、Y軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がY軸方向の可動範囲内のどこにあっても参照光55を反射できるようになっている。上記説明では、参照ミラー58は投影光学系PLに取り付けられていると説明したが、実際には投影光学系PLのレンズエレメントを保持する鏡筒又は投影光学系PLを支持する支持コラム(不図示)に取り付けられている。
【0051】
反射ミラー56で反射されて同一の光路上を逆行してレーザ干渉計53に帰還した計測光54及び参照光55は、レーザ干渉計53が備える不図示の光電変換装置に入射される。光電変換装置の内部では、偏光子によって両偏光成分を干渉させ、その干渉光が光電素子により検出され、周波数がF2−F1の電気信号に変換されて、不図示の位相検出手段に送られる。この位相検出手段は、レーザー光源から送られてきた基準信号と測定信号との間の絶対位相差を検出する位相計である。すなわち、光電変換装置にて光電変換された干渉光は、F2−F1のビート周波数に、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔の変動にともなって生じるドップラー効果分の周波数変化ΔF(t)を加えた周波数を有する測定信号として光電変換装置から位相検出手段へ入力される。一方、レーザー光源からは、周波数F1の光と周波数F2の光を干渉して得られたF2−F1のビート周波数を有する信号が基準信号として位相検出手段に入力される。そして、位相検出手段において、基準信号と測定信号との位相差が検出され、その位相差の変化分を積算することで、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔の変化分に比例した信号が求められる。このように、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔が変動すると、絶対位相もこれに比例して変化するため、絶対位相差からこれらの間隔の変動分を測定することができる。
【0052】
本実施形態によると、レーザ干渉計53により試料台50の投影光学系PLに対するZ軸方向の位置(間隔)を直接的に計測するようにしたので、焦点位置検出系(オートフォーカス系)42の計測点にウエハWが位置しない範囲にウエハステージ27が移動した場合(例えば、スキャン露光において基板の周縁部に近いショットを外側から露光する場合など)又はウエハWがウエハステージ27上に載置されていない場合であっても、試料台50のZ軸方向の位置を高精度、高分解能で検出することができる。
【0053】
また、本実施形態によると、レーザ干渉計53から射出された計測光54と参照光55とは、被計測区間(偏光ビームスプリッタ57の計測光55に対する反射面としての分離面57aと参照ミラー58の反射面との間の区間)を除いた区間においては、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、同一光路を往復するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることがなく計測誤差の発生を小さくすることができる。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明の第2実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図3を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0055】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた分離素子に至る。
【0056】
この実施形態の分離素子は、偏光ビームスプリッタ59、反射ミラー60及び61を備えて構成されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ59に入射される。この偏光ビームスプリッタ59は、分離面59aでP偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ59の分離面59aを透過して、反射ミラー60で反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ59に入射された参照光55は、当該ビームスプリッタ59の分離面59aで+Y軸方向に反射され、さらに反射ミラー61で+Z軸方向に反射され、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で全反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー61で−Y軸方向に反射され、偏光ビームスプリッタ59の分離面59aで−Z軸方向に反射され、さらに反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0057】
本実施形態によると、計測光54と参照光55とは、その光路の殆どの区間(具体的には、レーザ干渉計53から偏光ビームスプリッタ59の分離面59aまでの区間)において、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、計測光54と参照光55とが殆どの区間において同一光路を通過するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることが少なく、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0058】
なお、偏光ビームスプリッタ59、反射ミラー60,61は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。
【実施例3】
【0059】
次に、本発明の第3実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図4を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0060】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた分離素子に至る。
【0061】
この実施形態の分離素子は、偏光ビームスプリッタ62及び反射ミラー63を備えて構成されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ62に入射される。この偏光ビームスプリッタ62は、分離面62aでP偏光成分を反射し、S偏光成分を透過する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ62の分離面62aで+Y軸方向に反射され、反射ミラー63で−Y軸方向に反射され、さらに偏光ビームスプリッタ62の分離面62aで−Z軸方向に反射されて、進行してきた光路上を逆に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ62に入射された参照光55は、当該ビームスプリッタ62の分離面62aを透過してそのまま+Z軸方向に進行し、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で−Z軸方向に反射されて、偏光ビームスプリッタ59の分離面59aを透過し、さらに反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0062】
本実施形態によると、計測光54と参照光55とは、その光路の殆どの区間(具体的には、レーザ干渉計53から偏光ビームスプリッタ62の分離面62aまでの区間)において、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、計測光54と参照光55とが殆どの区間において同一光路を通過するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることが少なく、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0063】
なお、偏光ビームスプリッタ62、反射ミラー63は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。
【実施例4】
【0064】
次に、本発明の第4実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図5を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0065】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、分離素子64に入射される。この分離素子64は、詳細な図示は省略するが、ハーフミラー、偏光ビームスプリッタ、反射ミラー等の光学素子を組み合わせて構成され、入射された計測光54と参照光55とを分離するとともに、計測光54を2本の光線に分割して、参照光55を中心として、その上下に対称となるように、一対の計測光54a,54bを射出するものである。分離素子64から射出された計測光54a,54b及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56でそれぞれ互いに離間した位置で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた反射ミラー65に至る。
【0066】
この反射ミラー65は、一対の計測光54a,54bを反射するための反射面と参照光55を通過させるための通孔65aを有しており、一対の計測光54a,54bは反射ミラー65の反射面で−Z軸方向に反射され、進行してきた光路上を逆に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射され、分離素子64に至る。一方、反射ミラー65の通孔65aを通過した参照光55は、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で−Z軸方向に反射されて、進行してきた光路上を逆に進行し、当該通孔65aを再度通過し、反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、分離素子64に至る。分離素子64に帰還した一対の計測光54a,54b及び参照光55は、分離素子64の分離機能の逆の作用により結合されて、同一の光路上を進行してレーザ干渉計53に帰還する。
【0067】
レーザ干渉計53に帰還した一方の計測光54aと参照光55とに基づく計測結果(第1計測値)と、他方の計測光54bと参照光55とに基づく計測結果(第2計測値)との平均値が試料台50の位置として用いられる。
【0068】
本実施形態によると、参照光55の光路を中心として互いに対称となるように一対の計測光54a,54bの光路を設定し、参照光55と計測光54a,54bのそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、試料台50の位置を求めるようにしたので、その近傍空間の環境が変化した場合に生じる誤差が平均値をとることにより相殺ないし緩和され、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。
【0069】
なお、反射ミラー65は、X軸方向に沿って延設されており、その反射面及び通孔65aは、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54a,54bを反射し、参照光55を通過させることができるようになっている。
【0070】
上述した第4実施形態では、単一の参照光55の光路を中心として互いに対称となるように2つの計測光54a,54bの光路を設定したが、計測光54を3つ以上に分割し、単一の参照光55の光路を中心として3つ以上の計測光の光路を設定するようにしてもよい。この場合には各計測光の光路を参照光を中心として、その断面において等角度ピッチとなるように均等に配置することが望ましい。また、参照光55は単一である必要はなく、計測光と同様に複数に分割してその光路を設定し、複数の計測光と複数の参照光の適宜な組み合わせによる複数の計測結果を算術平均するようにしてもよい。
【実施例5】
【0071】
次に、本発明の第5実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図6を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0072】
この実施形態では、レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って互いにZ軸方向に僅かに離間して計測光54と参照光55が射出される。また、ウエハステージ27の可動ステージ部51には、反射素子としてのペンタプリズム66が固定されている。このペンタプリズム66は、2つの反射面66a,66bを有し、Y軸方向から入射した光を2つの反射面66a,66bで反射させてZ軸方向に射出し、又はこれと逆にZ軸方向から入射した光を2つの反射面66a,66bで反射させてY軸方向に射出する。このペンタプリズム66は入射光に対する相対角度が多少ずれた場合であっても、入射光と射出光の角度(ここでは90度)を一定に保つ機能を有している。
【0073】
レーザ干渉計53のレーザ光源から射出され、ペンタプリズム66に入射された計測光54は、ペンタプリズム66の第1反射面66aで反射され、次いで第2反射面66bで反射されて、直角上方向(+Z軸方向)に射出され、試料台50の下面に設けられた反射ミラー67に至る。反射ミラー67で−Z軸方向に反射された計測光54はペンタプリズム66に再び入射し、第2反射面66bで反射され、次いで第1反射面66aで反射されて、進行してきた光路を逆行して、レーザ干渉計53に帰還する。一方、レーザ干渉計53のレーザ光源から計測光54に対して+Z軸方向に僅かに離間してほぼY軸方向に沿って射出され、ペンタプリズム66に入射された参照光55は、ペンタプリズム66の第1反射面66aで反射され、次いで第2反射面66bで反射されて、直角上方向(+Z軸方向)に射出され、投影光学系PLに設けられた参照ミラー58に至る。参照ミラー58で−Z軸方向に反射された参照光55はペンタプリズム66に再び入射し、第2反射面66bで反射され、次いで第1反射面66aで反射されて、進行してきた光路を逆行して、レーザ干渉計53に帰還する。
【0074】
本実施形態によると、計測光54と参照光55の光路を、可動ステージ部51に設けられた2つの反射面66a,66bを有するペンタプリズム66によって直角方向に折り曲げるようにしたので、ペンタプリズム66が固定されている可動ステージ部51にXY平面内での移動等に伴い多少の傾斜が生じた場合であっても、ペンタプリズム66に入射される計測光54及び参照光55とペンタプリズム66から射出される計測光54及び参照光55の角度は常に一定に保たれるので、可動ステージ部51に傾きが生じた場合であっても、誤差なく試料台50の投影光学系PLに対する間隔を計測することができる。
【0075】
なお、ペンタプリズム66及び反射ミラー67は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55を反射できるようになっている。
【0076】
この第5実施形態では、レーザ干渉計53から計測光54と参照光55とを僅かに離間させて射出するものを示したが、上述した第1ないし第4実施形態における反射ミラー56に代えて、ペンタプリズム66を設ければ、第1ないし第4実施形態による温度ゆらぎ等による誤差の発生の緩和という効果に加えて、可動ステージ部51の傾斜に伴う誤差の発生も併せて緩和でき、効果的である。
【0077】
また、上述した第5実施形態では、ペンタプリズム66を例示したが、図7に示されているように、ペンタプリズム66の2つの反射面66a,66bに相当する位置にそれぞれ反射ミラー68,69を設置することにより、同様の機能を実現することができ、このような2つの反射ミラー68,69でペンタプリズム66の機能を実現することにより、プリズムへの入射に伴う損失が少なくなるという効果がある。また、プリズムよりもミラーの方が軽量化を図りやすいという効果もある。なお、図7において、70,71は図外のピッチング干渉計から射出されたそれぞれ一対の計測光であり、このピッチング干渉計により、試料台50の姿勢(X軸回り及びY軸回りの傾斜角)が計測できるようになっており、上述した試料台50のZ軸方向の位置を計測するレーザ干渉計53とこのピッチング干渉計とを組み合わせることにより、試料台50の姿勢が変化しても、試料台50上の任意の点のZ軸方向変位を計測することができる。
【0078】
また、上述した第5実施形態では、反射ミラー67を試料台50の下面に設ける構成としたが、反射ミラー67と移動鏡29とを兼用する構成としても構わない。すなわち、図6および図7において、移動鏡29の下面(−Z方向に向いた面)を反射面として構成して、移動鏡29の+Y方向に向いた面をレーザー干渉計30に対する反射面とするとともに、−Z方向に向いた面をレーザー干渉計53に対する反射面(反射ミラー67)とする構成である。これによれば、高い面精度が要求される移動鏡29と反射ミラー67とを個別に設ける必要はないのでコストを削減することができ、また試料台の軽量化、省スペース化を図ることができる。この場合において、試料台50の移動鏡29を搭載する面には計測光54を通過する開口を設ける必要がある。あるいは移動鏡29を試料台50の+Y方向の側面に設ける構成とすることもできる。なお、ここでは第5実施形態において移動鏡29と反射ミラー67とを兼用する構成について説明したが、第1〜第4実施形態においても偏光ビームスプリッタ57、反射ミラー61,63,65と移動鏡29とをそれぞれ兼用する構成とすることもでき、これによって上記と同様の効果を得ることができる。
【0079】
[その他]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0080】
例えば、上記実施形態では、本発明に係る位置決め装置(Z位置検出系)をウエハステージ27に適用した場合について説明したが、レチクルステージ21に適用することもできる。
【0081】
また、上記実施形態では、本発明をステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
【0082】
さらに、上記実施形態では露光光ILとしてArFエキシマレーザから射出されるレーザ光(波長193nm)を用いていたが、超高圧水銀ランプから射出されるg線(波長436nm)及びi線(波長365nm)又は、KrFエキシマレーザ(波長248nm)若しくはF2レーザ(波長157nm)から射出されるレーザ光、又は金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波等を用いても良い。
【0083】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0084】
発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるようにしてもよい。さらに、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いてもよい。また、投影光学系は、反射光学系、屈折光学系、及び反射屈折光学系のいずれを用いてもよい。
【0085】
また、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0086】
さらに、半導体素子の製造に用いられるデバイスパターンをウエハ上に転写する露光装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられるデバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。
【0087】
ところで、EUV光を用いる露光装置では反射型マスクが用いられ、電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられるので、マスクの原版としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0088】
複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージや基板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0089】
半導体素子は、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいて、レチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを製造するステップ、上述した実施形態の露光装置等によりレチクルのパターンをウエハに露光転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態の露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の要部構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態の要部構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態の要部構成を示す図である。
【図6】本発明の第5実施形態の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の第5実施形態の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
50…試料台
51…可動ステージ部
53…レーザ干渉計
54…計測光
55…参照光
57,59,62…偏光ビームスプリッタ
58…参照ミラー
56,60,61,63,65,67,68,69…反射ミラー
66…ペンタプリズム
【0001】
本発明は、半導体素子、撮像素子、液晶表示素子又は薄膜磁気ヘッドなどの各種マイクロデバイスを製造するためのフォトリソグラフィ工程で用いられる露光装置、および該露光装置に用いて好適な基板等の試料を所定の位置に位置決めする位置決め装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体デバイス製造のフォトリソグラフィ工程では、フォトレジストが塗布されたウエハやガラスプレート(以下、基板ともいう)にマスクのパターンを転写するステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパー)が広く用いられている。このステップ・アンド・リピート方式の露光装置は、マスクのパターンの像をウエハ上のショット領域に一括して縮小投影することにより該ショット領域を露光するものである。一つのショット領域の露光を終了すると、ウエハをステップ移動して次のショット領域の露光を行い、これを順次繰り返すことからステップ・アンド・リピート方式と呼ばれているのである。
【0003】
また、マスクパターンの露光範囲を拡大するために、照明系からの露光光をスリット状(矩形状)に制限し、このスリット光を用いてマスクパターンの一部をウエハ上に縮小投影した状態で、マスクとウエハとを投影光学系に対して同期走査させるステップ・アンド・スキャン方式の露光装置も開発されている。このステップ・アンド・スキャン方式の露光装置は、一回の走査露光でマスク全面のパターンを等倍でウエハの全面に転写するアライナーの転写方式の長所と、上述したステッパーの転写方式の長所とを兼ね備えたものである。
【0004】
この種の露光装置では、露光前および露光中に焦点合わせが行われるが、感光性材料(フォトレジスト)が塗布された基板の焦点合わせの方法として、いわゆるオートフォーカスセンサを用いた方式が知られている。
【0005】
オートフォーカスセンサによる焦点合わせは、投影光学系が設置された架台に光学的センサである投光器および受光器を固定し、投光器から基板表面に斜めに光を照射し、この基板表面からの反射光を受光器で受光することで、基板表面の高さ(投影光学系の光軸方向の位置)を検出する。そして、その信号で基板ステージに設けられた複数のアクチュエータ(Zアクチュエータ)によって、基板を保持する試料台の光軸方向の位置(Z軸方向位置)を制御して投影光学系の焦点に基板表面を合わせるものである。
【0006】
しかし、このようなオートフォーカス系は基板表面を被検出面とするため、オートフォーカス系の計測点に基板が位置しない範囲にステージが移動した場合(例えば、スキャン露光において基板の周縁部に近いショットを外側から露光する場合など)又は基板が基板ステージ上に搭載されていない場合に、試料台のZ方向位置を検出することができない。Zアクチュエータにも駆動量を検出する検出器があるので、その計測値によってステージ移動面基準の試料台位置を求めることができるが、基準となる投影光学系からの距離を直接計測するものでないため誤差が大きい。また、近年の高精度化の要求により、より応答が速く分解能が高い検出系が必要とされ始めた。そこで、試料台の投影光学系の光軸方向の位置を直接計測するレーザ干渉計(Z干渉計)を露光装置に設けることが提案されている。
【0007】
試料台の位置を干渉計によって計測する従来技術としては、互いに異なる光路を水平方向に進行する計測光と参照光とを反射素子で反射させて試料台の方向に向けるものが知られている(特開2001−160535号公報参照)。これによれば、基板が載置されていない場合や基板が存在しない範囲にステージが移動した場合であっても、試料台のZ軸方向の位置を干渉計によって正確に計測することができる。
【0008】
また、特開2001−345254号公報には、ステージ上に計測光と参照光とを分岐する反射光学素子を設けたステージ装置が開示されている。
【0009】
【特許文献1】
特開2001−160535号公報
【特許文献2】
特開2001−345254号公報
【考案の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特開2001−160535号公報記載の従来技術では、互いに異なる光路を水平方向に進行する計測光と参照光をミラーで反射させて試料台の方向に向けるようにしているため、当該光路の一部又は全部を含む近傍の空間に環境変化(温度変化、温度揺らぎの発生等)があった場合に、それに応じて計測結果に誤差が生じるという問題がある。
【0011】
また、特開2001−345254号公報記載のステージでは、その構成上、ステージのピッチングやヨーイングによりステージの姿勢(XY平面に対する角度)が変化した場合に、その角度変化に応じた誤差が計測値に含まれてしまうという問題がある。
【0012】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、干渉計の計測光及び参照光の光路中に温度変化や温度ゆらぎ等の環境変化があっても、さらにはステージの姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なく、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置及びこれを備えた露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
以下、この項に示す説明では、本発明を、実施形態を表す図面に示す部材符号に対応付けて説明するが、本発明の各構成要件は、これら部材符号を付した図面に示す部材に限定されるものではない。
【0014】
本発明の第1の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記可動部は、互いに略同一光路上を進行するように前記干渉計から射出される計測光(54)と参照光(55)とを前記試料台に向けて反射する反射素子(6)を備え、前記試料台は、前記反射素子で反射された前記計測光と前記参照光とを分離する分離素子(57,59,62)を備えた位置決め装置が提供される。この場合において、前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測するようにできる。
【0015】
本発明の第1の観点に係る位置決め装置では、干渉計の計測光と参照光とを略同一の光路上を進行させて可動部の反射素子により反射させ、さらに略同一の光路上を進行させて試料台の分離素子で分離させるようにしたので、干渉計から試料台に至る該計測光と該参照光の光路が略同一となっており、その近傍空間の環境が変化した場合であっても、その影響は該計測光と該参照光とで異ならないので、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。また、計測光と参照光の光路の殆どが同一となっているため、可動部が傾いた場合であっても光路長に差が生じることがなく計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0016】
本発明の第2の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、計測光(54)と参照光(55)とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記参照光(55)の光路を中心として互いに対称となるように少なくとも2つの計測光(54a,54b)の光路を設定し、前記参照光と前記計測光のそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、前記試料台の位置を求めるようにした位置決め装置が提供される。この場合において、前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測するようにできる。
【0017】
本発明の第2の観点に係る位置決め装置では、参照光の光路を中心として互いに対称となるように少なくとも2つの計測光の光路を設定し、参照光と計測光のそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、試料台の位置を求めるようにしたので、その近傍空間の環境が変化した場合に生じる誤差が平均値をとることにより相殺ないし緩和され、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。また、可動部が多少傾いた場合であっても、かかる平均値をとることにより、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0018】
本発明の第3の観点によると、所定平面内を移動可能な可動部(51)と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料(W)を保持して移動可能な試料台(50)と、計測光(54)と参照光(55)とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計(53)とを有する位置決め装置において、前記可動部は、前記計測光と前記参照光とを少なくとも2回反射して前記所定平面と直交する方向に向ける反射素子(66,68,69)を有する位置決め装置が提供される。この場合において、前記反射素子は、前記反射素子に入射する入射角と前記反射素子によって反射して出射する出射角とを一定に保つように配置することが望ましい。
【0019】
本発明の第3の観点に係る位置決め装置では、可動部に設けられた反射素子で計測光と参照光とを少なくとも2回反射させるようにしたので、2回反射のそれぞれの反射角度を適宜に設定することにより、可動部に傾きが発生した場合であっても、該計測光と該参照光の入出射角度を一定に保つことが可能となり、従って可動部の姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なくなる。
【0020】
本発明の第4の観点によると、パターンが形成されたマスク(R)を位置決め可能なマスク位置決め装置(RS)と、前記パターンを投影転写する投影光学系(PL)と、前記パターンが転写される基板(W)を位置決め可能な基板位置決め装置(WS)とを有する露光装置において、前記マスク位置決め装置と前記基板位置決め装置との少なくとも一方が前記本発明の第1から第3の観点のいずれかに係る位置決め装置を有する露光装置が提供される。この場合において、前記投影光学系の光軸は、前記所定平面に直交する方向と平行であるようにすることができる。
【0021】
本発明の第4の観点に係る露光装置では、計測結果に誤差の少ない本発明に係る位置決め装置を採用しているので、微細なパターンを高精度で基板上に露光転写することができ、品質の良好なマイクロデバイス等を製造できるようになる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によると、干渉計の計測光及び参照光の光路中に温度変化や温度ゆらぎ等の環境変化があっても、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置が提供されるという効果がある。
【0023】
また、ステージの姿勢が変化した場合であっても、計測結果に誤差を生じることが少なく、試料台の投影光学系の光軸に沿う方向の位置を正確に検出することができる位置決め装置が提供されるという効果がある。
【0024】
さらに、微細なパターンを高精度で基板上に露光転写することができ、品質の良好なマイクロデバイス等を製造することができる露光装置が提供されるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0026】
[露光装置の全体構成]
まず、本発明が適用可能な露光装置の全体構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る露光装置の全体構成の概略を示す図である。図1に示す露光装置は、図1中の投影光学系PLに対してマスクとしてのレチクルRと基板としてのウエハWとを相対的に同期移動させつつ、レチクルRに形成されたパターンをウエハWに逐次転写して半導体素子等を製造するステップ・アンド・スキャン方式の露光装置である。
【0027】
なお、以下の説明においては、図1中に示したXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。XYZ直交座標系は、X軸及びY軸がウエハWに対して平行となるよう設定され、Z軸がウエハWに対して直交する方向に設定されている。図中のXYZ座標系は、実際にはXY平面が水平面に平行な面に設定され、Z軸が鉛直上方向に設定される。また、本実施形態ではレチクルR及びウエハWを同期移動させる方向(スキャン方向)をY方向に設定している。
【0028】
図1において、1は断面が略長方形状の平行光束である露光光ILを射出する露光光源であり、例えばArFエキシマレーザ光源(波長193nm)である。露光光源1からの波長193nmの紫外パルスよりなる露光光ILは、ビームマッチングユニット(BMU)2を通り、光アッテネータとしての可変減光器3に入射する。露光光源1の発光の開始及び停止、並びに出力(発振周波数、パルスエネルギー、パルス数)は、ウエハW上のフォトレジストに対する露光光の強度(照度)を制御するための露光制御ユニット33が制御する。また、露光制御ユニット33は、可変減光器3における減光率を段階的、又は連続的に調整する。
【0029】
可変減光器3を通った露光光ILは、レンズ系4a,4bよりなるビーム成形系5を経て第1段のオプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザ、又はホモジナイザ)としての第1フライアイレンズ6に入射する。この第1フライアイレンズ6から射出された露光光ILは、第1レンズ系7a、光路折り曲げ用のミラー8、及び第2レンズ系7bを介して第2段のオプティカル・インテグレータとしての第2フライアイレンズ9に入射する。
【0030】
第2フライアイレンズ9の射出面、即ちレチクルRのパターン面に対する光学的なフーリエ変換面(照明系の瞳面、投影光学系PLの瞳面と光学的に共役な面)には開口絞り板10が、駆動モータ10cによって回転自在に配置されている。開口絞り板10は回転軸の周りで回転自在に構成された円板からなり、通常照明用の円形の開口絞り10a、輪帯照明用の開口絞り(図示省略)、複数(例えば4極)の偏心した小開口よりなる変形照明用の開口絞り10b、及び小さいコヒーレンスファクタ(σ値)用の小円形の開口絞り(図示省略)が周方向に沿って形成されている。
【0031】
開口絞り板10の回転軸は駆動モータ10cの回転軸に接続されており、駆動モータ10cを駆動して開口絞り板10を回転軸の周りで回転させることにより、第2フライアイレンズ9の射出面に配置する開口絞りを切り替えることができる。第2フライアイレンズ9の射出面に配置される開口絞りに応じて、その射出面における露光光ILの強度分布が変更される。駆動モータ10cの駆動は露光装置の全体の動作を統括制御する主制御系34が制御する。
【0032】
第2フライアイレンズ9から射出されて開口絞り板10に形成された開口絞りの何れかを通過した露光光ILは、透過率が高く反射率が低いビームスプリッタ11に入射する。ビームスプリッタ11を透過した露光光ILは、光軸IAXに沿ってレンズ系12,13を順次経て、固定ブラインド(固定照明視野絞り)14及び可動ブラインド(可動照明視野絞り)15に入射する。固定ブラインド14は、後述する投影光学系PLの円形視野内の中央でスキャン方向と直交した方向に直線スリット状、又は矩形状(以下、まとめて「スリット状」という)に伸びるように配置された開口部を有する。固定ブラインド14はレチクルRのパターンが形成されている面(以下、レチクル面という)に対する共役面から光軸IAX方向に所定量だけデフォーカスした面に配置されている。
【0033】
可動ブラインド15は、光軸IAXに直交する面内において移動可能に構成されており、ウエハW上の各ショット領域への走査露光の開始時及び終了時に不要な露光を防止するために、又は照明視野領域のスキャン方向の幅を可変とするために使用される。また、可動ブラインド15は、スキャン方向と直交した方向に関してレチクルRのパターン領域のサイズを可変するために使用される。可動ブラインド15は、レチクル面に対して、ほぼ共役面に配置されている。
【0034】
露光時に可動ブラインド15を通過した露光光ILは、光路折り曲げ用のミラー17、結像用のレンズ系18、コンデンサレンズ19、及び主コンデンサレンズ系20を順次介して、マスクとしてのレチクルRのパターン面(下面)の照明領域(照明視野領域)IAを照明する。露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域IA内の回路パターンの像が両側テレセントリックな投影光学系PLを介して所定の投影倍率α(αは例えば1/4又は1/5等)で、投影光学系PLの結像面に配置された基板としてのウエハW上のスリット状の露光領域EAに転写される。なお、投影光学系PLは片側テレセントリックであっても良い。
【0035】
本実施形態の投影光学系PLは、ジオプトリック系(屈折系)であるが、カタジオプトリック系(反射屈折系)や反射系も使用できることはいうまでもない。また、投影光学系PLは、所定の気温(例えば、25℃)、所定の大気圧(例えば、1気圧)の下で露光光ILの波長に関して最良に収差補正されており、かかる条件下においてレチクルRとウエハWとは互いに共役になっている。また、露光光ILは、ケラー照明であり、投影光学系PLの瞳面の中心に光源像として結像されている。なお、投影光学系PLは複数のレンズ等の光学素子を有し、その光学素子の硝材としては露光光ILの波長に応じて石英、蛍石等の光学材料から選択されている。
【0036】
図1において、レチクルRは、レチクルステージ21上に吸着保持され、レチクルステージ21は、レチクルベース22上でY方向に等速移動できると共に、X方向、Y方向、回転方向に傾斜できるように載置されている。レチクルステージ21の一端には移動鏡23が取り付けられており、移動鏡23の鏡面に対面してレーザ干渉計24が設けられている。このレーザ干渉計24によってレチクルステージ21(レチクルR)の2次元的な位置及び回転角がリアルタイムに計測されている。このレーザ干渉計24の計測結果及び主制御系34からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット25がレチクルステージ21の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0037】
一方、ウエハWは、ウエハホルダ26を介してウエハステージ27上に吸着保持され、ウエハステージ27は、ウエハベース28上で投影光学系PLの像面と平行なXY平面に沿って2次元移動する。即ち、ウエハステージ27は、ウエハベース28上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動する。
【0038】
更に、ウエハステージ27には、ウエハWのZ軸方向の位置(フォーカス位置)、並びにX軸及びY軸の回りの傾斜角を制御するZレベリング機構も組み込まれている。即ち、ウエハステージ27は、図2に示されているように、ウエハWをウエハホルダ26を介して保持する試料台50及びウエハベース28上でXY平面に沿って2次元移動される可動ステージ部51を備え、試料台50は可動ステージ部51上に、Z軸方向に変位する3つのアクチュエータ及び該アクチュエータの駆動量をそれぞれ検出するエンコーダを有するZ駆動装置52を介して保持されている。3つのアクチュエータは一直線上にならないように分散配置され、これらのアクチュエータを同一の量だけ駆動することによって試料台50をZ軸方向に平行移動し、これらの駆動量を相違させることによって試料台50をXY平面に対して傾けることができるようになっている。
【0039】
再度、図1を参照する。ウエハステージ27の一端には移動鏡29が取り付けられており、移動鏡29の鏡面に対面してレーザ干渉計30が設けられている。このレーザ干渉計30によってウエハステージ27のX方向、Y方向の位置、及びX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角がリアルタイムに計測されている。レーザ干渉計30の計測結果及び主制御系34からの制御情報に基づいて、駆動制御ユニット31がウエハステージ27の走査速度、及び位置の制御を行う。
【0040】
また、ウエハステージ27上のウエハWの近傍には、ウエハWの露光面と同じ高さの受光面を有する光電検出器からなる照射量センサ32が設置されている。この照射量センサ32は、その受光面に設けられた透過部から露光光ILを受光して露光領域EA内での照射量を検出するものであり、照射量を測定するときには、ウエハステージ27を駆動して照射量センサ32を露光領域EAの中心部に配置させる。照射量センサ32から出力される検出信号は露光制御ユニット33に供給されており、露光制御ユニット33はその検出信号に基づいて、露光光源1又は可変減光器3を制御してウエハW上に照射される露光光ILの強度を制御する。
【0041】
また、前述したビームスプリッタ11で反射された光は、集光レンズ35を介して光電検出器よりなるインテグレータセンサ35の受光面に集光されている。インテグレータセンサ35の受光面は、一例としてレチクルRのパターン形成面及びウエハWの露光面とほぼ共役であり、インテグレータセンサ35の検出信号(光電変換信号)は、露光制御ユニット33に供給されている。
【0042】
露光制御ユニット33にはインテグレータセンサ35の出力信号からウエハW上での照射量(単位時間当たりの露光量)を求めるための変換係数等が格納されている。インテグレータセンサ35の受光面はレチクルRのパターン面とほぼ共役な位置に配置されているので、第2フライアイレンズ9の射出面に配置された開口絞り板10により照明条件を変更した場合でも、インテグレータセンサ35の検出信号に誤差が生じないようになっている。なお、インテグレータセンサ35の受光面を、投影光学系PLにおけるレチクルRのパターンのフーリエ変換面(瞳面)と実質的に共役な観察面に配置して、この観察面を通過する全光束を受光できるようにしても構わない。
【0043】
露光制御ユニット33は、レチクルR側に照射される露光光ILの単位時間当たりの光エネルギー、及びウエハ反射率センサ38の検出信号から算出されるウエハWでの反射光の単位時間当たりの光エネルギーを算出する。算出された光エネルギーは主制御系34に出力される。主制御系34は、この光エネルギーに基づいて基づいて、投影光学系PLを通過する露光光ILの単位時間当たりの光エネルギーを求める。
【0044】
また、本実施形態においては、投影光学系PLの結像面に向けてピンホール又はスリット状の像を形成するための結像光束を、投影光学系PLの光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系42aと、その結像光束のウエハW表面での反射光束を受光する受光光学系42bとからなる斜入射方式の焦点位置検出系42が設けられている。この焦点位置検出系42により、ウエハW表面の結像面に対するZ方向の位置を検出してウエハWと投影光学系PLとの合焦状態を検出することができるようになっている。
【0045】
更に、レチクルR裏面側には、スリット状の像を形成するための結像光束を、投影光学系PLの光軸AXに対して斜め方向から供給する照射光学系43aと、その結像光束のレチクルR裏面での反射光束を受光する受光光学系43bとからなる斜入射方式の焦点位置検出系43が設けられている。この焦点位置検出系43により、レチクルR裏面の結像面に対するZ方向の位置を検出してウエハWとレチクルRとの共役関係の状態を検出することができるようになっている。
【0046】
次に、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図2を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。
【0047】
このZ位置計測系のレーザ干渉計53は、不図示のレーザ光源を備え、このレーザ光源は波長が安定化された互いに偏光方向が直交する一対のレーザビームをほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出する。なお、本実施形態においては、説明の便宜上、レーザ干渉計53のレーザ光源から射出される一対のレーザビームのうち、被計測対象としての試料台50に対して照射される一方のレーザビームを計測光54(P偏光成分、周波数成分F1)とし、後述する参照ミラー58に対して照射される他方のレーザビームを参照光55(S偏光成分、周波数成分F2)と称するが、これらは逆であってもかまわない。
【0048】
ウエハステージ27の可動ステージ部51上には、反射素子としての反射ミラー56がその反射面の法線がY軸及びZ軸に対して略45度の角度となるように固定されている。レーザ干渉計53のレーザ光源から射出され、Y軸方向に沿う同一の光路上を進行する計測光54及び参照光55はこの反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射される。
【0049】
試料台50の端部には、分離素子としての偏光ビームスプリッタ57が固定されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ57に至る。この偏光ビームスプリッタ57は、その分離面57aにてP偏光成分を反射し、S偏光成分を透過する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ57の分離面57aで反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されてレーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ57に至った参照光55は、当該ビームスプリッタ57を透過してそのまま+Z軸方向に進行し、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で全反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、偏光ビームスプリッタ57を再度透過し、反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0050】
なお、反射ミラー56及び偏光ビームスプリッタ57は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。また、参照ミラー58は、Y軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がY軸方向の可動範囲内のどこにあっても参照光55を反射できるようになっている。上記説明では、参照ミラー58は投影光学系PLに取り付けられていると説明したが、実際には投影光学系PLのレンズエレメントを保持する鏡筒又は投影光学系PLを支持する支持コラム(不図示)に取り付けられている。
【0051】
反射ミラー56で反射されて同一の光路上を逆行してレーザ干渉計53に帰還した計測光54及び参照光55は、レーザ干渉計53が備える不図示の光電変換装置に入射される。光電変換装置の内部では、偏光子によって両偏光成分を干渉させ、その干渉光が光電素子により検出され、周波数がF2−F1の電気信号に変換されて、不図示の位相検出手段に送られる。この位相検出手段は、レーザー光源から送られてきた基準信号と測定信号との間の絶対位相差を検出する位相計である。すなわち、光電変換装置にて光電変換された干渉光は、F2−F1のビート周波数に、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔の変動にともなって生じるドップラー効果分の周波数変化ΔF(t)を加えた周波数を有する測定信号として光電変換装置から位相検出手段へ入力される。一方、レーザー光源からは、周波数F1の光と周波数F2の光を干渉して得られたF2−F1のビート周波数を有する信号が基準信号として位相検出手段に入力される。そして、位相検出手段において、基準信号と測定信号との位相差が検出され、その位相差の変化分を積算することで、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔の変化分に比例した信号が求められる。このように、参照ミラー58と偏光ビームスプリッタ57との間隔が変動すると、絶対位相もこれに比例して変化するため、絶対位相差からこれらの間隔の変動分を測定することができる。
【0052】
本実施形態によると、レーザ干渉計53により試料台50の投影光学系PLに対するZ軸方向の位置(間隔)を直接的に計測するようにしたので、焦点位置検出系(オートフォーカス系)42の計測点にウエハWが位置しない範囲にウエハステージ27が移動した場合(例えば、スキャン露光において基板の周縁部に近いショットを外側から露光する場合など)又はウエハWがウエハステージ27上に載置されていない場合であっても、試料台50のZ軸方向の位置を高精度、高分解能で検出することができる。
【0053】
また、本実施形態によると、レーザ干渉計53から射出された計測光54と参照光55とは、被計測区間(偏光ビームスプリッタ57の計測光55に対する反射面としての分離面57aと参照ミラー58の反射面との間の区間)を除いた区間においては、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、同一光路を往復するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることがなく計測誤差の発生を小さくすることができる。
【実施例2】
【0054】
次に、本発明の第2実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図3を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0055】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた分離素子に至る。
【0056】
この実施形態の分離素子は、偏光ビームスプリッタ59、反射ミラー60及び61を備えて構成されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ59に入射される。この偏光ビームスプリッタ59は、分離面59aでP偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ59の分離面59aを透過して、反射ミラー60で反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ59に入射された参照光55は、当該ビームスプリッタ59の分離面59aで+Y軸方向に反射され、さらに反射ミラー61で+Z軸方向に反射され、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で全反射されて、進行してきた光路上を逆(−Z軸方向)に進行し、反射ミラー61で−Y軸方向に反射され、偏光ビームスプリッタ59の分離面59aで−Z軸方向に反射され、さらに反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0057】
本実施形態によると、計測光54と参照光55とは、その光路の殆どの区間(具体的には、レーザ干渉計53から偏光ビームスプリッタ59の分離面59aまでの区間)において、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、計測光54と参照光55とが殆どの区間において同一光路を通過するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることが少なく、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0058】
なお、偏光ビームスプリッタ59、反射ミラー60,61は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。
【実施例3】
【0059】
次に、本発明の第3実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図4を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0060】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた分離素子に至る。
【0061】
この実施形態の分離素子は、偏光ビームスプリッタ62及び反射ミラー63を備えて構成されており、反射ミラー56で反射され同一の光路上を+Z軸方向に進行する計測光54及び参照光55はこの偏光ビームスプリッタ62に入射される。この偏光ビームスプリッタ62は、分離面62aでP偏光成分を反射し、S偏光成分を透過する光学特性を有しており、計測光54は偏光ビームスプリッタ62の分離面62aで+Y軸方向に反射され、反射ミラー63で−Y軸方向に反射され、さらに偏光ビームスプリッタ62の分離面62aで−Z軸方向に反射されて、進行してきた光路上を逆に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。一方、偏光ビームスプリッタ62に入射された参照光55は、当該ビームスプリッタ62の分離面62aを透過してそのまま+Z軸方向に進行し、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で−Z軸方向に反射されて、偏光ビームスプリッタ59の分離面59aを透過し、さらに反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、レーザ干渉計53に帰還する。
【0062】
本実施形態によると、計測光54と参照光55とは、その光路の殆どの区間(具体的には、レーザ干渉計53から偏光ビームスプリッタ62の分離面62aまでの区間)において、互いに同一の光路を通るので、その間に温度ゆらぎ等の環境変化が生じたとしても、これに起因する計測誤差が発生しない。また、計測光54と参照光55とが殆どの区間において同一光路を通過するため、可動ステージ部51が傾いた場合であっても光路長に差が生じることが少なく、計測誤差の発生を小さくすることができる。
【0063】
なお、偏光ビームスプリッタ62、反射ミラー63は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55の反射及び分離ができるようになっている。
【実施例4】
【0064】
次に、本発明の第4実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図5を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0065】
レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って同一の光路上に射出された計測光54及び参照光55は、分離素子64に入射される。この分離素子64は、詳細な図示は省略するが、ハーフミラー、偏光ビームスプリッタ、反射ミラー等の光学素子を組み合わせて構成され、入射された計測光54と参照光55とを分離するとともに、計測光54を2本の光線に分割して、参照光55を中心として、その上下に対称となるように、一対の計測光54a,54bを射出するものである。分離素子64から射出された計測光54a,54b及び参照光55は、ウエハステージ27の可動ステージ部51に設けられた反射素子としての反射ミラー56でそれぞれ互いに離間した位置で直角上方向(+Z軸方向)に反射され、試料台50の端部に設けられた反射ミラー65に至る。
【0066】
この反射ミラー65は、一対の計測光54a,54bを反射するための反射面と参照光55を通過させるための通孔65aを有しており、一対の計測光54a,54bは反射ミラー65の反射面で−Z軸方向に反射され、進行してきた光路上を逆に進行し、反射ミラー56でさらに+Y軸方向に反射され、分離素子64に至る。一方、反射ミラー65の通孔65aを通過した参照光55は、投影光学系PLに固定された参照ミラー58で−Z軸方向に反射されて、進行してきた光路上を逆に進行し、当該通孔65aを再度通過し、反射ミラー56で+Y軸方向に反射されて、分離素子64に至る。分離素子64に帰還した一対の計測光54a,54b及び参照光55は、分離素子64の分離機能の逆の作用により結合されて、同一の光路上を進行してレーザ干渉計53に帰還する。
【0067】
レーザ干渉計53に帰還した一方の計測光54aと参照光55とに基づく計測結果(第1計測値)と、他方の計測光54bと参照光55とに基づく計測結果(第2計測値)との平均値が試料台50の位置として用いられる。
【0068】
本実施形態によると、参照光55の光路を中心として互いに対称となるように一対の計測光54a,54bの光路を設定し、参照光55と計測光54a,54bのそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、試料台50の位置を求めるようにしたので、その近傍空間の環境が変化した場合に生じる誤差が平均値をとることにより相殺ないし緩和され、当該環境変化に伴う誤差が生じることが少なくなる。
【0069】
なお、反射ミラー65は、X軸方向に沿って延設されており、その反射面及び通孔65aは、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54a,54bを反射し、参照光55を通過させることができるようになっている。
【0070】
上述した第4実施形態では、単一の参照光55の光路を中心として互いに対称となるように2つの計測光54a,54bの光路を設定したが、計測光54を3つ以上に分割し、単一の参照光55の光路を中心として3つ以上の計測光の光路を設定するようにしてもよい。この場合には各計測光の光路を参照光を中心として、その断面において等角度ピッチとなるように均等に配置することが望ましい。また、参照光55は単一である必要はなく、計測光と同様に複数に分割してその光路を設定し、複数の計測光と複数の参照光の適宜な組み合わせによる複数の計測結果を算術平均するようにしてもよい。
【実施例5】
【0071】
次に、本発明の第5実施形態として、上述した露光装置において、ウエハステージ27が備えることができるZ位置検出系について、図6を参照して詳述する。このZ位置検出系は、試料台50の投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)の位置(投影光学系PLとの間隔)を直接計測する計測装置である。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分については同一の番号を付してその説明の一部を省略する。
【0072】
この実施形態では、レーザ干渉計53のレーザ光源からほぼY軸方向に沿って互いにZ軸方向に僅かに離間して計測光54と参照光55が射出される。また、ウエハステージ27の可動ステージ部51には、反射素子としてのペンタプリズム66が固定されている。このペンタプリズム66は、2つの反射面66a,66bを有し、Y軸方向から入射した光を2つの反射面66a,66bで反射させてZ軸方向に射出し、又はこれと逆にZ軸方向から入射した光を2つの反射面66a,66bで反射させてY軸方向に射出する。このペンタプリズム66は入射光に対する相対角度が多少ずれた場合であっても、入射光と射出光の角度(ここでは90度)を一定に保つ機能を有している。
【0073】
レーザ干渉計53のレーザ光源から射出され、ペンタプリズム66に入射された計測光54は、ペンタプリズム66の第1反射面66aで反射され、次いで第2反射面66bで反射されて、直角上方向(+Z軸方向)に射出され、試料台50の下面に設けられた反射ミラー67に至る。反射ミラー67で−Z軸方向に反射された計測光54はペンタプリズム66に再び入射し、第2反射面66bで反射され、次いで第1反射面66aで反射されて、進行してきた光路を逆行して、レーザ干渉計53に帰還する。一方、レーザ干渉計53のレーザ光源から計測光54に対して+Z軸方向に僅かに離間してほぼY軸方向に沿って射出され、ペンタプリズム66に入射された参照光55は、ペンタプリズム66の第1反射面66aで反射され、次いで第2反射面66bで反射されて、直角上方向(+Z軸方向)に射出され、投影光学系PLに設けられた参照ミラー58に至る。参照ミラー58で−Z軸方向に反射された参照光55はペンタプリズム66に再び入射し、第2反射面66bで反射され、次いで第1反射面66aで反射されて、進行してきた光路を逆行して、レーザ干渉計53に帰還する。
【0074】
本実施形態によると、計測光54と参照光55の光路を、可動ステージ部51に設けられた2つの反射面66a,66bを有するペンタプリズム66によって直角方向に折り曲げるようにしたので、ペンタプリズム66が固定されている可動ステージ部51にXY平面内での移動等に伴い多少の傾斜が生じた場合であっても、ペンタプリズム66に入射される計測光54及び参照光55とペンタプリズム66から射出される計測光54及び参照光55の角度は常に一定に保たれるので、可動ステージ部51に傾きが生じた場合であっても、誤差なく試料台50の投影光学系PLに対する間隔を計測することができる。
【0075】
なお、ペンタプリズム66及び反射ミラー67は、X軸方向に沿って延設されており、可動ステージ部51がX軸方向の可動範囲内のどこにあっても計測光54と参照光55を反射できるようになっている。
【0076】
この第5実施形態では、レーザ干渉計53から計測光54と参照光55とを僅かに離間させて射出するものを示したが、上述した第1ないし第4実施形態における反射ミラー56に代えて、ペンタプリズム66を設ければ、第1ないし第4実施形態による温度ゆらぎ等による誤差の発生の緩和という効果に加えて、可動ステージ部51の傾斜に伴う誤差の発生も併せて緩和でき、効果的である。
【0077】
また、上述した第5実施形態では、ペンタプリズム66を例示したが、図7に示されているように、ペンタプリズム66の2つの反射面66a,66bに相当する位置にそれぞれ反射ミラー68,69を設置することにより、同様の機能を実現することができ、このような2つの反射ミラー68,69でペンタプリズム66の機能を実現することにより、プリズムへの入射に伴う損失が少なくなるという効果がある。また、プリズムよりもミラーの方が軽量化を図りやすいという効果もある。なお、図7において、70,71は図外のピッチング干渉計から射出されたそれぞれ一対の計測光であり、このピッチング干渉計により、試料台50の姿勢(X軸回り及びY軸回りの傾斜角)が計測できるようになっており、上述した試料台50のZ軸方向の位置を計測するレーザ干渉計53とこのピッチング干渉計とを組み合わせることにより、試料台50の姿勢が変化しても、試料台50上の任意の点のZ軸方向変位を計測することができる。
【0078】
また、上述した第5実施形態では、反射ミラー67を試料台50の下面に設ける構成としたが、反射ミラー67と移動鏡29とを兼用する構成としても構わない。すなわち、図6および図7において、移動鏡29の下面(−Z方向に向いた面)を反射面として構成して、移動鏡29の+Y方向に向いた面をレーザー干渉計30に対する反射面とするとともに、−Z方向に向いた面をレーザー干渉計53に対する反射面(反射ミラー67)とする構成である。これによれば、高い面精度が要求される移動鏡29と反射ミラー67とを個別に設ける必要はないのでコストを削減することができ、また試料台の軽量化、省スペース化を図ることができる。この場合において、試料台50の移動鏡29を搭載する面には計測光54を通過する開口を設ける必要がある。あるいは移動鏡29を試料台50の+Y方向の側面に設ける構成とすることもできる。なお、ここでは第5実施形態において移動鏡29と反射ミラー67とを兼用する構成について説明したが、第1〜第4実施形態においても偏光ビームスプリッタ57、反射ミラー61,63,65と移動鏡29とをそれぞれ兼用する構成とすることもでき、これによって上記と同様の効果を得ることができる。
【0079】
[その他]
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【0080】
例えば、上記実施形態では、本発明に係る位置決め装置(Z位置検出系)をウエハステージ27に適用した場合について説明したが、レチクルステージ21に適用することもできる。
【0081】
また、上記実施形態では、本発明をステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に適用した場合を例に挙げて説明したが、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(ステッパー)にも適用することができる。
【0082】
さらに、上記実施形態では露光光ILとしてArFエキシマレーザから射出されるレーザ光(波長193nm)を用いていたが、超高圧水銀ランプから射出されるg線(波長436nm)及びi線(波長365nm)又は、KrFエキシマレーザ(波長248nm)若しくはF2レーザ(波長157nm)から射出されるレーザ光、又は金属蒸気レーザやYAGレーザの高調波等を用いても良い。
【0083】
例えば、単一波長レーザの発振波長を1.51〜1.59μmの範囲内とすると、発生波長が189〜199nmの範囲内である8倍高調波、又は発生波長が151〜159nmの範囲内である10倍高調波が出力される。特に発振波長を1.544〜1.553μmの範囲内とすると、193〜194nmの範囲内の8倍高調波、即ちArFエキシマレーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られ、発振波長を1.57〜1.58μmの範囲内とすると、157〜158nmの範囲内の10倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。
【0084】
発振波長を1.03〜1.12μmの範囲内とすると、発生波長が147〜160nmの範囲内である7倍高調波が出力され、特に発振波長を1.099〜1.106μmの範囲内とすると、発生波長が157〜158nmの範囲内の7倍高調波、即ちF2レーザとほぼ同一波長となる紫外光が得られる。なお、単一波長発振レーザとしてはイットリビウム・ドープ・ファイバーレーザを用いる。また、レーザプラズマ光源、又はSORから発生する軟X線領域、例えば波長13.4nm、又は11.5nmのEUV(Extreme Ultra Violet)光を用いるようにしてもよい。さらに、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いてもよい。また、投影光学系は、反射光学系、屈折光学系、及び反射屈折光学系のいずれを用いてもよい。
【0085】
また、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザを、例えばエルビウム(又はエルビウムとイットリビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いてもよい。
【0086】
さらに、半導体素子の製造に用いられるデバイスパターンをウエハ上に転写する露光装置だけでなく、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられるデバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。
【0087】
ところで、EUV光を用いる露光装置では反射型マスクが用いられ、電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられるので、マスクの原版としてはシリコンウエハなどが用いられる。
【0088】
複数のレンズから構成される照明光学系、投影光学系を露光装置本体に組み込み光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるレチクルステージや基板ステージを露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、さらに総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより本実施形態の露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度及びクリーン度等が管理されたクリーンルーム内で行うことが望ましい。
【0089】
半導体素子は、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいて、レチクルを製造するステップ、シリコン材料からウエハを製造するステップ、上述した実施形態の露光装置等によりレチクルのパターンをウエハに露光転写するステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】本発明の実施形態の露光装置の全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1実施形態の要部構成を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の要部構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態の要部構成を示す図である。
【図5】本発明の第4実施形態の要部構成を示す図である。
【図6】本発明の第5実施形態の要部構成を示す図である。
【図7】本発明の第5実施形態の変形例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
50…試料台
51…可動ステージ部
53…レーザ干渉計
54…計測光
55…参照光
57,59,62…偏光ビームスプリッタ
58…参照ミラー
56,60,61,63,65,67,68,69…反射ミラー
66…ペンタプリズム
Claims (9)
- 所定平面内を移動可能な可動部と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料を保持して移動可能な試料台と、前記試料台の位置を計測する干渉計とを有する位置決め装置において、
前記可動部は、互いに略同一光路上を進行するように前記干渉計から射出される計測光と参照光とを前記試料台に向けて反射する反射素子を備え、
前記試料台は、前記反射素子で反射された前記計測光と前記参照光とを分離する分離素子を備えることを特徴とする位置決め装置。 - 前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測することを特徴とする請求項1記載の位置決め装置。
- 所定平面内を移動可能な可動部と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料を保持して移動可能な試料台と、計測光と参照光とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計とを有する位置決め装置において、
前記参照光の光路を中心として互いに対称となるように少なくとも2つの計測光の光路を設定し、前記参照光と前記計測光のそれぞれとに基づく各計測結果を平均することにより、前記試料台の位置を求めることを特徴とする位置決め装置。 - 前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測することを特徴とする請求項3記載の位置決め装置。
- 所定平面内を移動可能な可動部と、前記可動部に支持され前記可動部に対して試料を保持して移動可能な試料台と、計測光と参照光とを射出して前記試料台の位置を計測する干渉計とを有する位置決め装置において、
前記可動部は、前記計測光と前記参照光とを少なくとも2回反射して前記所定平面と直交する方向に向ける反射素子を有することを特徴とする位置決め装置。 - 前記干渉計は前記所定平面に直交する方向における前記試料台の位置を計測することを特徴とする請求項5記載の位置決め装置。
- 前記反射素子は、前記反射素子に入射する光の入射角と前記反射素子によって反射して出射する光の出射角とを一定に保つことを特徴とする請求項5又は6記載の位置決め装置。
- パターンが形成されたマスクを位置決め可能なマスク位置決め装置と、前記パターンを投影転写する投影光学系と、前記パターンが転写される基板を位置決め可能な基板位置決め装置とを有する露光装置において、
前記マスク位置決め装置と前記基板位置決め装置との少なくとも一方が請求項1から7のいずれかに記載の位置決め装置を有することを特徴とする露光装置。 - 前記投影光学系の光軸は、前記所定平面に直交する方向と平行であることを特徴とする請求項8記載の露光装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2011086936A (ja) * | 2009-10-13 | 2011-04-28 | Asml Netherlands Bv | リソグラフィ装置およびデバイス製造方法 |
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CN117208572A (zh) * | 2023-11-09 | 2023-12-12 | 四川名人居门窗有限公司 | 一种玻璃吸盘车摆动结构 |
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2003
- 2003-07-23 JP JP2003278217A patent/JP2005045050A/ja active Pending
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