JP2005043766A - 光ファイバブラッググレーティング - Google Patents

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Abstract

【課題】 透過スペクトルにおけるリップルが抑制された光ファイバブラッググレーティングを提供する。
【解決手段】 光ファイバブラッググレーティング30は、コア領域31にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域32の周囲に樹脂層33が設けられ、クラッド領域32に対する樹脂層33の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層33に光吸収剤が含有されている。樹脂層33の厚みは100μm以上400μm以下であるのが好適である。樹脂層33に含まれる光吸収剤は、波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなるのが好適であり、また、カーボンブラックを含むのが好適である。
【選択図】 図13


Description

本発明は、コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成された光ファイバブラッググレーティングに関するものである。
光ファイバブラッググレーティングは、光ファイバのコア領域の長手方向に沿った一定範囲にブラッグ型のグレーティングが形成されたものである。光ファイバブラッググレーティングとしては、グレーティングの周期が長手方向に沿って一様であるものだけでなく、グレーティングの周期が長手方向に沿って次第に変化しているもの(以下「チャープト光ファイバブラッググレーティング」と言う。)もあり、また、グレーティングの格子面が光軸に対して垂直であるものだけでなく、グレーティングの格子面が光軸に対して垂直で無いもの(以下「傾斜型光ファイバブラッググレーティング」と言う。)もある(例えば非特許文献1を参照)。
例えば、傾斜型光ファイバブラッググレーティングは、そのグレーティングにおいて導波光のうちブラッグ条件を満たす波長の光を選択的にブラッグ反射させて後進クラッドモード光とし、これにより、導波光に対して波長に依存した損失を付与することができる。その損失スペクトルは、導波光から各々のクラッドモード光への結合に因り生じる損失のエンベロープである。したがって、光ファイバブラッググレーティングは、光フィルタとして用いることができ、また、光増幅器の利得を等化する利得等化器として用いることができる。
光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおいて、導波光から各々のクラッドモード光への結合の状態によってはリップルが発生することが知られている。このリップルは、透過スペクトルの移動平均を透過スペクトルから差し引いたものである。光ファイバブラッググレーティングが光フィルタ等として用いられる場合には、このようなリップルの存在は好ましくない。
そこで、光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルの発生を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1,特許文献2および非特許文献2を参照)。例えば、チャープ率やグレーティング長を調整することでリップルの低減が可能であるとされている。
特開2000−266945号公報 特開2002−82236号公報 M. J. Holmes, et al., "Ultra narrow-band optical fibre sidetap filters", ECOC'98, pp.137-138 (1998) I. Riant, et al., "New and efficient technique for suppressing the peaks induced by discrete cladding mode coupling in fiber slanted Bragg grating spectrum", OFC2000, TuH3, pp.118-120 (2000)
しかしながら、上記の文献に記載されたリップル抑制技術を採用したとしても、光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルの大きさは0.1dBP-P以上である。複数の光ファイバブラッググレーティングが縦列に接続されて光フィルタや利得等化器が構成される場合には、その全体のリップルは、複数の光ファイバブラッググレーティングそれぞれのリップルが重畳されたものとなり、大きくなることがある。このような光フィルタや利得等化器を含む光通信システムでは、多波長信号光の伝送品質がよくない。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、透過スペクトルにおけるリップルが抑制された光ファイバブラッググレーティングを提供することを目的とする。
本発明に係る光ファイバブラッググレーティングは、コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバのコア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、クラッド領域に対する樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層に光吸収剤が含有されていることを特徴とする。この光ファイバブラッググレーティングでは、コア領域に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいてクラッドモード光が発生し、そのクラッドモード光は、クラッド領域を経て樹脂層を伝搬する。クラッドモード光は、樹脂層を伝搬する間に光吸収剤により吸収されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
本発明に係る光ファイバブラッググレーティングでは、樹脂層の厚みは100μm以上400μm以下であるのが好適である。樹脂層は、クラッド領域の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有していない第1層と、第1層の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有している第2層とを含むのが好適であり、更に、第2層の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有していない第3層を含むのも好適である。第1層に対する第2層の比屈折率差が0%以上2%以下であるのが好適である。
他の本発明に係る光ファイバブラッググレーティングは、コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバのコア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、クラッド領域に対する樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層の厚みが100μm以上400μm以下であることを特徴とする。この光ファイバブラッググレーティングでは、コア領域に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいてクラッドモード光が発生し、そのクラッドモード光は、クラッド領域を経て樹脂層を伝搬する。クラッドモード光は、充分に厚い樹脂層を伝搬する間に散乱されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
更に他の本発明に係る光ファイバブラッググレーティングは、コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバのコア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、クラッド領域に対する樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層の周囲に光吸収剤の層が設けられていることを特徴とする。この光ファイバブラッググレーティングでは、コア領域に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいてクラッドモード光が発生し、そのクラッドモード光は、クラッド領域および樹脂層を経て光吸収剤層に入射する。光吸収剤層に入射したクラッドモード光は、光吸収剤層において吸収されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
更に他の本発明に係る光ファイバグレーティングは、コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバのコア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、溝断面形状が角型である実装ケース内に光ファイバが配置され、クラッド領域の周囲と実装ケースの溝表面との間に樹脂層が充填されていることを特徴とする。この光ファイバブラッググレーティングでは、コア領域に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいて放射光が発生し、その放射光は、クラッド領域を経て樹脂層を伝搬する。放射光は、樹脂層と実装ケースの溝表面との界面で反射するが、その溝断面形状が角型であるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
また、実装ケースの溝断面積は3mm2以上であるのが好適であり、実装ケースの溝表面の粗さRaは0.5μm以上であるのが好適である。これらの場合には、放射光から導波光への再結合を低減する上で好都合である。また、実装ケースの材料の線膨張係数は負であるのが好適であり、実装ケースの材料は−9×10-6/K以上−4×10-6/K以下の線膨張係数を有するセラミックスであるのが好適である。これらの場合には、グレーティングの反射波長の温度依存性が低減され得る。
本発明に係る光ファイバブラッググレーティングでは、光吸収剤は、波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなるのが好適である。また、カーボンブラックを含むのが好適である。樹脂層の周囲に補強部が設けられ、樹脂層と補強部の内壁とが互いに離間しているのが好適である。
コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバのコア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、樹脂層の断面形状が角型であるのが好適である。この場合には、グレーティングにおいて発生した放射光は、クラッド領域を経て樹脂層を伝搬する。その放射光は、樹脂層と実装ケースの溝表面との界面で反射するが、その溝断面形状が角型であるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
また、樹脂層の硬さが15(JISショアD)以下であるのが好適であり、樹脂層の硬さが5(JISショアA)以下であれば更に好適であり、樹脂層のヤング率が100MPa(≒1kgf/mm2)以下であるのが好適である。これらの場合には、温度変化時の光ファイバへの応力が緩和される。
樹脂層の断面形状における短辺の長さが光ファイバの外径より200μm以上長いのが好適であり、この場合には、放射光は樹脂層において十分に吸収される。樹脂層およびクラッド領域それぞれの屈折率の温度依存性が互いに等しいのが好適であり、この場合には、温度変化によるリップルの増加が抑制される。樹脂層の中心位置以外の位置に光ファイバが配置されているのが好適であり、この場合には、放射光から導波光への再結合を低減する上で好都合である。
また、透過スペクトルにおけるリップルはピーク損失の2%以下であるのが好適である。
本発明に係る光ファイバブラッググレーティングは透過スペクトルにおけるリップルが抑制される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、光増幅装置100の構成図である。この図に示される光増幅装置100は、光入力端101と光出力端102との間の信号光光路上に光増幅器110および光フィルタ120を備えている。
光増幅器110は、信号光光路上に順に光アイソレータ111、増幅用光ファイバ112および光カプラ113を備えており、また、光カプラ113に接続された励起光源114を備えている。光アイソレータ111は、光入力端101から光出力端102へ向かう方向に光を通過させるが、これと逆の方向には光を通過させない。増幅用光ファイバ112は、希土類元素(例えばEr元素)が光導波領域に添加された光ファイバであって、その希土類元素を励起し得る波長の励起光を入力して、光アイソレータ111より到達した所定の波長の信号光を光増幅する。光カプラ113は、増幅用光ファイバ113より到達した信号光を光フィルタ120へ向けて出力するとともに、励起光源114より到達した信号光を増幅用光ファイバ112へ向けて出力する。励起光源114は、増幅用光ファイバ112に添加された希土類元素を励起し得る波長の励起光を出力するものであり、例えば、半導体レーザ光源が好適に用いられる。例えば、光増幅すべき信号光の波長が1.55μm付近であれば、増幅用光ファイバ112に添加される希土類元素はEr元素であり、励起光源114より増幅用光ファイバ112に供給される励起光の波長は0.98μmまたは1.48μmである。
光フィルタ120は、信号光光路上に順に傾斜型光ファイバブラッググレーティング121および傾斜型光ファイバブラッググレーティング122を備えている。傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122それぞれは、光ファイバの長手方向に沿って屈折率変調によるブラッグ型のグレーティングが形成されたものであって、そのグレーティングにおける格子面と光ファイバの光軸とがなす角度が90度ではなく、格子面が傾斜しているものである。傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122それぞれは、光増幅器110より出力されて光ファイバを伝搬してきて到達した光のうちブラッグ条件を満たす波長の光(前進導波光)を後進クラッドモード光に結合して、その結合に伴う損失を導波光に与える。信号光波長帯域において、傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122を含む光フィルタ120の全体の損失スペクトルは、光増幅器110の増幅用光ファイバ112の利得スペクトルと略同一の形状とされている。すなわち、この光フィルタ120は利得等化器として用いられる。
この光増幅装置100は以下のように動作する。光増幅器110において、励起光源114から出力された励起光は、光カプラ113を経て増幅用光ファイバ112に供給される。光増幅装置100の光入力端101に信号光が入力すると、その信号光は、光増幅器110に含まれる光アイソレータ111を通過し、増幅用光ファイバ112を伝搬して、その伝搬の間に光増幅される。増幅用光ファイバ112により光増幅されて出力された信号光は、光カプラ113を経た後、光フィルタ120に含まれる傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122により所定の損失を被って、光増幅装置100の光出力端102より出力される。
光入力端101から光出力端102へ至るまでの光増幅装置100全体の利得スペクトルは、増幅用光ファイバ112の利得スペクトルおよび傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122それぞれの損失スペクトルを総合したものとなる。ここで、傾斜型光ファイバブラッググレーティング121,122を含む光フィルタ120の全体の損失スペクトルは増幅用光ファイバ112の利得スペクトルと略同一の形状とされているので、光増幅装置100全体の利得スペクトルは平坦なものとなる。
図2は、光通信システム1の構成図である。この図に示される光通信システム1は、光送信装置200、光増幅装置100A,100B,…、光受信装置300、ブロック等化器400、および、光ファイバ伝送路501,502,…を備えている。光増幅装置100A,100B,…は、上記の光増幅装置100と同様の構成のものである。
光送信装置200は、信号光波長帯域に含まれる多波長の信号光を多重化して、その多重化した多波長の信号光を光ファイバ伝送路501へ送出する。光増幅装置100Aは、光ファイバ伝送路501を伝搬してきて到達した多波長の信号光を入力して、その多波長の信号光を一括光増幅し、その光増幅した多波長の信号光を光ファイバ伝送路502へ送出する。光増幅装置100Bは、光ファイバ伝送路502を伝搬してきて到達した多波長の信号光を入力して、その多波長の信号光を一括光増幅し、その光増幅した多波長の信号光を光ファイバ伝送路へ送出する。ブロック等化器400は、信号光波長帯域において所定の損失スペクトルを有するものであり、一定数の光増幅装置100毎に設けられ、これら光増幅装置100により累積された多波長の信号光のパワー偏差を補償するものである。このブロック等化器400は、光増幅装置100に含まれる光フィルタ120と同様の構成のものとすることができる。光受信装置300は、光ファイバ伝送路を伝搬してきて到達した多波長の信号光を入力して、その多波長の信号光を波長毎に分波し、各波長の信号光を受信する。
この光通信システム1は以下のように動作する。信号光波長帯域に含まれる多波長の信号光は、光送信装置200により多重化されて光ファイバ伝送路へ送出され、光増幅装置100A,100B,…それぞれにより光増幅され、ブロック等化器400により波長間のパワー偏差が補償されて光受信装置300に到達し、光受信装置300により波長毎に受信される。
図3は、光フィルタ120に含まれる傾斜型光ファイバブラッググレーティング121の説明図である。同図(a)は、光軸を含む面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング121の断面図であり、同図(b)は、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング121の断面図である。傾斜型光ファイバブラッググレーティング121は、高屈折率のコア領域131および低屈折率のクラッド領域132を有する光ファイバ130において、そのコア領域131の長手方向に沿った所定範囲に亘って屈折率変調部133が形成されたものである。そして、屈折率変調部133における屈折率等位面(屈折率変調部における屈折率が等位となる面)Lに垂直な直線Aは、光ファイバ130の光軸(図中のx軸)と平行でなく、直線Aと光軸とがなす角度θは0でない。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング121は、ブラッグ条件式を満たす反射波長λの光を選択的に反射し、他の波長の光を透過する。この屈折率変調部133において反射された反射波長λの光は、光ファイバ130を伝搬していくことなく、光ファイバ130の外部へ放射される。すなわち、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング121は低反射の損失フィルタとして作用する。他方の傾斜型光ファイバブラッググレーティング122も同様である。
図4および図5それぞれは、傾斜型光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルを示す図である。図5には、図4に示された透過スペクトルの一部を拡大したものが示されており、また、リップルも示されている。リップルは、透過スペクトルの移動平均を透過スペクトルから差し引いた偏差である。この図に示されるように、傾斜型光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルは、0.1dBP-P程度のリップルを有している。
図6は、同一の透過スペクトルを有する10個の傾斜型光ファイバブラッググレーティングを縦続接続した場合の全体のリップルを示す図である。この図に示されるように、10個の傾斜型光ファイバブラッググレーティングが連結されたものの全体の透過スペクトルのリップルは、図5に示された単一の傾斜型光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルのリップルと比べて、格段に大きく、しかも、波長変化に対する変動が急峻である。したがって、このような場合には、ブロック等化器を用いたとしても、このリップルを解消することは困難である。
そこで、以下に説明する第1〜第4実施形態それぞれに係る光ファイバブラッググレーティングは、透過スペクトルにおけるリップルを低減する為に、クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられていて、クラッド領域に対する樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下とされている。そして、第1実施形態では樹脂層の厚みが100μm以上400μm以下とされている。第2実施形態では樹脂層の周囲に光吸収剤の層が設けられている。また、第3実施形態および第4実施形態では樹脂層に光吸収剤が含有されている。
先ず、第1実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図7は、第1実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング10の断面図である。この図は、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング10の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング10は、コア領域11にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域12の周囲に樹脂層13が設けられ、クラッド領域12に対する樹脂層13の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層13の厚みが100μm以上400μm以下である。コア領域11およびクラッド領域12それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。例えば、クラッド領域12の外径が125μmであれば、樹脂層13の外径は325μm〜925μmである。
光ファイバブラッググレーティング10は、透過スペクトルにおけるリップルがピーク損失の2%以下であるのが好適である。この場合には、このような光ファイバブラッググレーティング10を複数個接続した場合にも、全体の透過スペクトルのリップルを小さくすることができる。
光ファイバブラッググレーティング10は、樹脂層13の周囲に補強部が設けられ、樹脂層13と補強部の内壁とが互いに離間しているのが好適である。このようにすることで、光ファイバブラッググレーティング10は、機械的強度が確保されるとともに、組成の相違に伴う熱膨張係数の相違に因る応力が軽減され、温度特性が安定したものとなる。
図8は、第1実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング10の動作の説明図である。この図は、光軸を含む面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング10の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング10では、コア領域11に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、その導波光はクラッドモード光に変換され、そのクラッドモード光は、クラッド領域12を経て樹脂層13を伝搬する。クラッドモード光は、充分に厚い樹脂層13を伝搬する間に散乱されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング10の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
図9は、クラッド領域12の周囲の媒質の屈折率とリップルの大きさとの関係を示すグラフである。図10は、樹脂層13の直径とリップルの大きさとの関係を示すグラフである。なお、図9および図10において、クラッド領域12の屈折率は1.46であり、クラッド領域12の外径は125μmであり、クラッド領域12の周囲が空気であるときのリップルの大きさは0.1dBP-Pであり、屈折率は波長589nmにおける値である。図9では、クラッド領域12の周囲の媒質としてマッチングオイルが用いられ、その外径は800μm程度である。図9から判るように、クラッド領域12に対する樹脂層13の比屈折率差が−1%以上8%以下であると、クラッドモード光がクラッド領域12から樹脂層13へ高効率に入射するので、リップルが充分に低減される。また、この比屈折率差は−0.5%以上であると更にリップルが低減される。また、図10から判るように、樹脂層13の厚みが100μm以上であると、リップルが充分に低減される。また、実装ケースの制約から、樹脂層13の厚みが400μm以下であることが好ましい。
次に、第2実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図11は、第2実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング20の断面図である。この図は、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング20の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング20は、コア領域21にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域22の周囲に樹脂層23が設けられ、クラッド領域22に対する樹脂層23の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層23の周囲に光吸収剤層24が設けられている。コア領域21およびクラッド領域22それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
光吸収剤層24は、一般に光通信において信号光として用いられる波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなるのが好適であり、また、カーボンブラックを含むのが好適である。カーボンブラックは、光吸収に関して波長依存性が小さいので好都合である。また、光ファイバブラッググレーティング20は、透過スペクトルにおけるリップルがピーク損失の2%以下であるのが好適である。
図12は、第2実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング20の動作の説明図である。この図は、光軸を含む面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング20の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング20では、コア領域21に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、その導波光はクラッドモード光に変換され、そのクラッドモード光は、クラッド領域22および樹脂層23を経て光吸収剤層24に入射する。光吸収剤層24に入射したクラッドモード光は、光吸収剤層24において吸収されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング20の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
次に、第3実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図13は、第3実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング30の断面図である。この図は、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング30の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング30は、コア領域31にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域32の周囲に樹脂層33が設けられ、クラッド領域32に対する樹脂層33の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層33に光吸収剤が含有されている。コア領域31およびクラッド領域32それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
樹脂層33の厚みは100μm以上400μm以下であるのが好適であり、この場合には、樹脂層33においてクラッドモード光が更に高効率で吸収されるので好都合である。樹脂層33に含まれる光吸収剤は、波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなるのが好適であり、また、カーボンブラックを含むのが好適である。光ファイバブラッググレーティング30は、透過スペクトルにおけるリップルがピーク損失の2%以下であるのが好適である。また、光ファイバブラッググレーティング30は、樹脂層33の周囲に補強部が設けられ、樹脂層33と補強部の内壁とが互いに離間しているのが好適である。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング30では、コア領域31に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、その導波光はクラッドモード光に変換され、そのクラッドモード光は、クラッド領域32を経て樹脂層33を伝搬する。クラッドモード光は、樹脂層33を伝搬する間に光吸収剤により吸収されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング30の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
図14は、汎用樹脂、マッチングオイルおよびカーボンブラック含有樹脂それぞれの透過スペクトルを示す図である。各材料の厚さは10mm程度である。この図から判るように、波長1.55μmにおける汎用樹脂およびマッチングオイルそれぞれの透過率は80%程度であるのに対して、波長1.55μmにおけるカーボンブラック含有樹脂の透過率は略0%程度である。このことから、カーボンブラックが含まれる樹脂層33を設けることで、傾斜型光ファイバブラッググレーティング30の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
次に、第4実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図15は、第4実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング40の断面図である。この図は、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング40の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング40は、コア領域41にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域42の周囲に樹脂層43が設けられている。樹脂層43は、内側から順に第1層43a,第2層43bおよび第3層43cにに区分される。クラッド領域42に対する第1層43aの比屈折率差が−1%以上8%以下であり、樹脂層43のうち、第2層43bに光吸収剤が含有されているが、第1層43aおよび第3層43cそれぞれには光吸収剤が含有されていない。コア領域41およびクラッド領域42それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
樹脂層43の厚みは100μm以上400μm以下であるのが好適である。第1層43aに対する第2層43bの比屈折率差は0%以上2%以下であるのが好適であり、この場合には、クラッドモード光は、クラッド領域42から第1層43aを経て第2層43bに高効率で入射し、第2層43bにおいて高効率で吸収される。第2層43bに含まれる光吸収剤は、波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなるのが好適であり、また、カーボンブラックを含むのが好適である。光ファイバブラッググレーティング40は、透過スペクトルにおけるリップルがピーク損失の2%以下であるのが好適である。また、光ファイバブラッググレーティング40は、樹脂層43の周囲に補強部が設けられ、樹脂層43と補強部の内壁とが互いに離間しているのが好適である。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング40では、コア領域41に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、その導波光はクラッドモード光に変換され、そのクラッドモード光は、クラッド領域42を経て樹脂層43を伝搬する。クラッドモード光は、樹脂層43のうち第2層43bを伝搬する間に光吸収剤により吸収されるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング40の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
次に、第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図16は、第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の斜視図である。図17は、第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の断面図であり、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング50の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング50は、コア領域51にブラッグ型のグレーティングが形成され、溝断面形状が角型(例えば矩形)である実装ケース54内に光ファイバが配置され、クラッド領域52の外周面と実装ケース54の溝表面との間に樹脂層53が充填されている。コア領域51およびクラッド領域52それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング50では、コア領域51に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいて放射光が発生し、その放射光は、クラッド領域52を経て樹脂層53を伝搬する。放射光は、樹脂層53と実装ケース54の溝表面との界面で反射するが、その溝断面形状が角型であるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング50の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
図18は、第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の一部断面の拡大図である。この図は、樹脂層53と実装ケース54との界面付近の断面を拡大して示している。この図に示されるように、実装ケース54の溝表面の粗さRaが一定値以上とされていて、グレーティングで発生した放射光が該界面で乱反射するようになっている。これにより、導波光へ再結合する割合が更に低減され、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング50の透過スペクトルにおけるリップルが更に低減される。
また、実装ケース54の溝断面積は3mm2以上であるのが好適であり、実装ケース54の溝表面の粗さRaは0.5μm以上であるのが好適である。これらの場合には、放射光から導波光への再結合を低減する上で好都合である。また、実装ケース54の材料の線膨張係数は負であるのが好適であり、実装ケースの材料は−9×10-6/K以上−4×10-6/K以下の線膨張係数を有するセラミックスであるのが好適である。これらの場合には、グレーティングの反射波長の温度依存性が低減され得る。
次に、第6実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図19は、第6実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング60の斜視図である。図20は、第6実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング60の断面図であり、光軸に垂直な面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング60の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング60は、コア領域61およびクラッド領域62を有する光ファイバのコア領域61にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域62の周囲に樹脂層63が設けられている。コア領域61およびクラッド領域62それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
本実施形態における樹脂層63は、第1実施形態における樹脂層13、第2実施形態における樹脂層23、第3実施形態における樹脂層33、第4実施形態における樹脂層43、または、第5実施形態における樹脂層53、と同様の構成であってもよい。ただし、本実施形態における樹脂層63の断面形状は、角型であり、例えば矩形である。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング60では、コア領域61に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいて放射光が発生し、その放射光は、クラッド領域62を経て樹脂層63を伝搬する。放射光は、樹脂層63の外面で反射するが、その断面形状が角型であるので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング60の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
次に、第7実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図21は、第7実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング70の断面図であり、光軸を含む面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング70の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング70は、コア領域71およびクラッド領域72を有する光ファイバのコア領域71にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域72の周囲に樹脂層73が設けられている。コア領域71およびクラッド領域72それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
本実施形態における樹脂層73は、第1実施形態における樹脂層13、第2実施形態における樹脂層23、第3実施形態における樹脂層33、第4実施形態における樹脂層43、第5実施形態における樹脂層53、または、第6実施形態における樹脂層63、と同様の構成であってもよい。ただし、本実施形態では、樹脂層73の中心位置以外の位置に光ファイバが配置されている。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング70では、コア領域71に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいて放射光が発生し、その放射光は、クラッド領域72を経て樹脂層73を伝搬する。放射光は、樹脂層73の外面で反射するが、樹脂層73の中心位置以外の位置に光ファイバが配置されているので、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング70の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
次に、第8実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングについて説明する。図22は、第8実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング80の断面図であり、光軸を含む面で切断したときの傾斜型光ファイバブラッググレーティング80の断面を示している。この傾斜型光ファイバブラッググレーティング80は、コア領域81およびクラッド領域82を有する光ファイバのコア領域81にブラッグ型のグレーティングが形成され、クラッド領域82の周囲に樹脂層83が設けられている。コア領域81およびクラッド領域82それぞれの構成は、図3に示されたものと同様である。
本実施形態における樹脂層83は、第1実施形態における樹脂層13、第2実施形態における樹脂層23、第3実施形態における樹脂層33、第4実施形態における樹脂層43、第5実施形態における樹脂層53、または、第6実施形態における樹脂層63、と同様の構成であってもよい。ただし、本実施形態では、樹脂層83の外面の粗さRaが大きい。
この傾斜型光ファイバブラッググレーティング80では、コア領域81に形成されたグレーティングに導波光が入射すると、そのグレーティングにおいて放射光が発生し、その放射光は、クラッド領域82を経て樹脂層83を伝搬する。放射光は、樹脂層83の外面で反射するが、樹脂層83の外面の粗さRaが大きいので、放射光が該外面で乱反射して、導波光へ再結合する割合が低減される。したがって、この傾斜型光ファイバブラッググレーティング80の透過スペクトルにおけるリップルが低減される。
なお、上記の各実施形態において、樹脂層の硬さが15(JISショアD)以下であるのが好適であり、樹脂層の硬さが5(JISショアA)以下であれば更に好適であり、樹脂層のヤング率が100MPa(≒1kgf/mm2)以下であるのが好適である。これらの場合には、温度変化時の光ファイバへの応力が緩和される。樹脂層の断面形状における短辺の長さが光ファイバの外径より200μm以上長いのが好適であり、この場合には、放射光は樹脂層において十分に吸収される。樹脂層およびクラッド領域それぞれの屈折率の温度依存性が互いに等しいのが好適であり、この場合には、温度変化によるリップルの増加が抑制される。
次に、実施例および比較例それぞれの光ファイバブラッググレーティングについて説明する。実施例および比較例それぞれの光ファイバブラッググレーティングは、コア領域およびクラッド領域の双方にGeO2が添加された外径125μmの石英系光ファイバを基に、位相格子法により製造された。用いられた位相格子マスクは、中心格子周期が1.0670μmであり、チャープ率が10.0nm/cmであった。位相格子マスクは、格子に垂直な方向が光ファイバの光軸に対して2度だけ傾斜して配置された。そして、KrFエキシマレーザ光源から出力された波長248nmの紫外レーザ光が位相格子マスクを介して光ファイバに照射されて、これにより、光ファイバのコア領域およびクラッド領域の双方にグレーティングが形成された。グレーティング長は20mmであった。
図23〜図26それぞれは、比較例または実施例の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すとともに、その透過スペクトルのリップルを拡大して示している。このリップルは、透過スペクトルの移動平均(±0.25nm)を透過スペクトルから差し引いた偏差である。
図23は、比較例1の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。比較例1では、クラッド領域の周囲は空気であった。この図に示されるように、比較例1ではリップルの大きさは約0.1dBP-Pであった。
図24は、比較例2の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。比較例2では、クラッド領域の周囲に樹脂層(屈折率1.468)が設けられ、その樹脂層の外径は250μmであり、その樹脂層の厚さは62.5μmであった。この図に示されるように、比較例2ではリップルの大きさは約0.05dBP-Pであった。
図25は、実施例1の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。実施例1は、上述した第1実施形態に対応するものであり、クラッド領域の周囲に樹脂層(屈折率1.468)が設けられ、その樹脂層の外径は約700μmであり、その樹脂層の厚さは約290μmであった。この図に示されるように、実施例1ではリップルの大きさは約0.02dBP-Pであった。
図26は、実施例2の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。実施例2は、上述した第2実施形態に対応するものであり、クラッド領域の周囲に樹脂層(屈折率1.468)が設けられ、その樹脂層の周囲に光吸収剤層としてカーボンブラック層が設けられ、樹脂層の外径は250μmであり、樹脂層の厚さは62.5μmであり、カーボンブラック層の厚さは約30μmであった。この図に示されるように、実施例2ではリップルの大きさは約0.02dBP-Pであった。
以上のように、リップルの大きさは、クラッド領域の周囲が空気である比較例1では約1.0dBP-Pであり、クラッド領域の周囲に厚さ62.5μmの樹脂層が設けられた比較例2では約0.05dBP-Pであり、クラッド領域の周囲に厚さ約290μmの樹脂層が設けられた実施例1では約0.02dBP-Pであり、クラッド領域の周囲に樹脂層およびカーボンブラック層が設けられた実施例2では約0.02dBP-Pであった。このように、本実施形態に係る光ファイバブラッググレーティングは、透過スペクトルにおけるリップルが抑制されたものとなる。
光増幅装置100の構成図である。 光通信システム1の構成図である。 光フィルタ120に含まれる傾斜型光ファイバブラッググレーティング121の説明図である。 傾斜型光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルを示す図である。 傾斜型光ファイバブラッググレーティングの透過スペクトルを示す図である。 同一の透過スペクトルを有する10個の傾斜型光ファイバブラッググレーティングを縦続接続した場合の全体のリップルを示す図である。 第1実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング10の断面図である。 第1実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング10の動作の説明図である。 クラッド領域12の周囲の媒質の屈折率とリップルの大きさとの関係を示すグラフである。 樹脂層13の直径とリップルの大きさとの関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング20の断面図である。 第2実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング20の動作の説明図である。 第3実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング30の断面図である。 汎用樹脂、マッチングオイルおよびカーボンブラック含有樹脂それぞれの透過スペクトルを示す図である。 第4実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング40の断面図である。 第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の斜視図である。 第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の断面図である。 第5実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング50の一部断面の拡大図である。 第6実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング60の斜視図である。 第6実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング60の断面図である。 第7実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング70の断面図である。 第8実施形態に係る光ファイバブラッググレーティング80の断面図である。 比較例1の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。 比較例2の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。 実施例1の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。 実施例2の光ファイバブラッググレーティングにおける透過スペクトルを示すグラフである。
符号の説明
1…光通信システム、100…光増幅装置、110…光増幅器、111…光アイソレータ、112…増幅用光ファイバ、113…光カプラ、114…励起光源、120…光フィルタ、121,122…傾斜型光ファイバブラッググレーティング、200…光送信装置、300…光受信装置、400…ブロック等化器。


Claims (22)

  1. コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、前記クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、前記クラッド領域に対する前記樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、前記樹脂層に光吸収剤が含有されていることを特徴とする光ファイバブラッググレーティング。
  2. 前記樹脂層の厚みが100μm以上400μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバブラッググレーティング。
  3. 前記樹脂層が、前記クラッド領域の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有していない第1層と、前記第1層の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有している第2層と、を含むことを特徴とする請求項1記載の光ファイバブラッググレーティング。
  4. 前記樹脂層が、前記第2層の周囲を取り囲んで設けられ光吸収剤を含有していない第3層を含むことを特徴とする請求項3記載の光ファイバブラッググレーティング。
  5. 前記第1層に対する前記第2層の比屈折率差が0%以上2%以下であることを特徴とする請求項3記載の光ファイバブラッググレーティング。
  6. コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、前記クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、前記クラッド領域に対する前記樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、前記樹脂層の厚みが100μm以上400μm以下であることを特徴とする光ファイバブラッググレーティング。
  7. コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、前記クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、前記クラッド領域に対する前記樹脂層の比屈折率差が−1%以上8%以下であり、前記樹脂層の周囲に光吸収剤の層が設けられていることを特徴とする光ファイバブラッググレーティング。
  8. コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、溝断面形状が角型である実装ケース内に前記光ファイバが配置され、前記クラッド領域の外周面と前記実装ケースの溝表面との間に樹脂層が充填されていることを特徴とする光ファイバブラッググレーティング。
  9. 前記実装ケースの溝断面積が3mm2以上であることを特徴とする請求項8記載の光ファイバブラッググレーティング。
  10. 前記実装ケースの溝表面の粗さRaが0.5μm以上であることを特徴とする請求項8記載の光ファイバブラッググレーティング。
  11. 前記実装ケースの材料の線膨張係数が負であることを特徴とする請求項8記載の光ファイバブラッググレーティング。
  12. 前記実装ケースの材料が−9×10-6/K以上−4×10-6/K以下の線膨張係数を有するセラミックスであることを特徴とする請求項11記載の光ファイバブラッググレーティング。
  13. 前記光吸収剤が波長1.55μm帯の光を吸収する材料からなることを特徴とする請求項1または7に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  14. 前記光吸収剤がカーボンブラックを含むことを特徴とする請求項1または7に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  15. 前記樹脂層の周囲に補強部が設けられ、前記樹脂層と前記補強部の内壁とが互いに離間していることを特徴とする請求項1、6および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  16. コア領域およびクラッド領域を有する光ファイバの前記コア領域にブラッグ型のグレーティングが形成され、前記クラッド領域の周囲に樹脂層が設けられ、前記樹脂層の断面形状が角型であることを特徴とする請求項1、6および7の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  17. 前記樹脂層の硬さ(JISショアD)が15以下であることを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  18. 前記樹脂層のヤング率が100MPa以下であることを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  19. 前記樹脂層の断面形状における短辺の長さが前記光ファイバの外径より200μm以上長いことを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  20. 前記樹脂層および前記クラッド領域それぞれの屈折率の温度依存性が互いに等しいことを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  21. 前記樹脂層の中心位置以外の位置に前記光ファイバが配置されていることを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。
  22. 透過スペクトルにおけるリップルがピーク損失の2%以下であることを特徴とする請求項1、6、7および8の何れか1項に記載の光ファイバブラッググレーティング。


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