JP2002131550A - 光損失フィルタ - Google Patents

光損失フィルタ

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JP2002131550A
JP2002131550A JP2000325237A JP2000325237A JP2002131550A JP 2002131550 A JP2002131550 A JP 2002131550A JP 2000325237 A JP2000325237 A JP 2000325237A JP 2000325237 A JP2000325237 A JP 2000325237A JP 2002131550 A JP2002131550 A JP 2002131550A
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core
cladding
refractive index
clad
optical
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JP2000325237A
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Tomoshi Uramatsu
知史 浦松
Takeshi Genchi
武士 源地
Kazuo Imamura
一雄 今村
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短い距離でクラッドモードを減衰させてコアモ
ードとの相互干渉を生じさせないようにした長周期グレ
ーティング利用の光損失フィルタを提供する。 【解決手段】光損失フィルタ10は、光ファイバのコア
2に損失波長の異なる2つの長周期グレーティング1、
3を書き込んで作製されている。2つの長周期グレーテ
ィング1、3の間のクラッド4の外面には、屈折率がク
ラッド4以上の高屈折率剤6を塗布している。長周期グ
レーティング1においてコアモードがクラッドモードに
放射されるが、クラッドモードは高屈折率剤6を塗布し
た部分から光ファイバ外に放射され減衰する。そのため
長周期グレーティング3においては、クラッドモードが
コアモードに再結合することがなく、光損失フィルタ1
0の光透過特性は、2つの長周期グレーティング1、3
の光透過特性の積となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長周期グレーティ
ングを利用した光損失フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】短時間に大量の情報を送るために、1本
の光ファイバに複数波長の光信号を伝送させる波長分割
多重(WDM)光伝送技術が実用化されている。このよ
うな光ファイバ通信システムでは、光ファイバを用いて
光信号を長距離に渡って伝送すると光信号が減衰するた
めに、途中に光増幅器を設置する必要がある。
【0003】現在WDM方式の光ファイバ通信システム
では、波長が1.5μm帯の信号光を用いる場合が多
く、光増幅器としては、希土類、特にエルビウムが添加
されたファイバアンプが使用されている。エルビウム添
加ファイバアンプ(以下、EDFAという)は、光ファ
イバ中に添加されたエルビウムイオンを光励起すること
により反転分布を形成させて、そこに波長が1.5μm
帯の光を入射させると誘導放出を起こして入射光を増幅
する作用を利用している。
【0004】けれども、EDFAにより増幅された光信
号には、EDFA内における励起光パワーとエルビウム
イオンとの相互作用によって生成された増幅自然放射
が、雑音成分として存在している。この増幅自然放射
は、利得を低下させ雑音指数を増大させる。さらに、E
DFAによって何度も光増幅が繰り返されると、増幅自
然放射の波長分布が信号光に重畳されて、信号光の波長
が異なると利得が異なるという利得の波長依存性が生じ
る。このため、WDM方式においてチャンネルによって
利得が異なってしまい、いくつかのチャンネルではビッ
ト誤り率が高くなってしまう。
【0005】上述の問題を解決するために、長周期グレ
ーティングを使用した利得等化器が提案されている。こ
の利得等化器は、増幅自然放射の波長分布が広帯域であ
るため、複数の長周期グレーティングを組み合わせて用
いるものであるが、ただ組み合わせただけでは全体の光
透過特性は、個々の長周期グレーティングが有する光透
過特性の積(dB単位の場合は和)とはならず、所望の
光透過特性は得られない。これは、一つの長周期グレー
ティングのクラッドモードが他の長周期グレーティング
のコアモードと再結合するためである。
【0006】この問題解決のため、特開平11−326
668号公報には、第一の損失波長を有する第一の長周
期グレーティングと第二の損失波長を有する第二の長周
期グレーティングとを有していて、それぞれの損失波長
に関して、2つの長周期グレーティングのコアモードと
結合するクラッドモードの次数が各長周期グレーティン
グによって異なっている光損失フィルタが提案されてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
開公報に提案されている光損失フィルタでは、クラッド
モードの光は残存しているので、コアモードとの相互干
渉を完全になくすことは困難である。また、2つの長周
期グレーティングの間を十分に長くすればクラッドモー
ドは損失減衰するが、フィルタは大型のものとなって使
い勝手が非常に悪くなる。
【0008】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、短い距離でクラ
ッドモードを減衰させてコアモードとの相互干渉を生じ
させないようにした長周期グレーティング利用の光損失
フィルタを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、2つの長周期グレーティングの間のクラッドのク
ラッドモード伝搬能力を低減させた。
【0010】具体的には、本発明は、コアとクラッドと
を備えた光ファイバの該コアに、損失波長の異なる複数
の長周期グレーティングをコア長手方向に間隔をおいて
備えた光損失フィルタであって、上記の損失波長の異な
る長周期グレーティング間の屈折率均一な上記コアを囲
んでいる上記クラッドが他の部位のクラッドよりコア長
手方向へのクラッドモードの伝搬能力が低いことを特徴
とする光損失フィルタである。
【0011】ここで長周期グレーティングというのは、
光ファイバを透過する特定の波長(損失波長という)に
損失を与える性質を有したファイバ形光部品であって、
光ファイバのコアの屈折率をコアの長手方向に、損失波
長より2桁程度長い周期で変化させてグレーティングを
形成したものである。また、クラッドモードとは、光フ
ァイバのクラッドの電磁界の空間分布のことであり、コ
アの電磁界の空間分布はコアモードである。
【0012】本発明の構成であれば、2つの長周期グレ
ーティングの間のクラッドがクラッドモードの伝搬能力
が低いために、短い距離でクラッドモードが徐々にある
いは急激に減少して光ファイバ内から消滅してしまい、
異なる長周期グレーティング間でのクラッドモードのコ
アモードへの再結合は生じない。そのため、全体の光透
過特性は、個々の長周期グレーティングが有する光透過
特性の積(dB単位の場合は和)となり、小型の光損失
フィルタを容易に得ることができる。
【0013】ここで、長周期グレーティング間のクラッ
ドが、他の部位のクラッドよりコア長手方向へのクラッ
ドモードの伝搬能力が低いというのは、コア長手方向に
おけるクラッドモードの減少割合が他の部位のクラッド
よりも大きいということで、前者のクラッドの少なくと
も一部が伝搬能力が低ければ、クラッドモードが長周期
グレーティング間のクラッドを伝搬する間に徐々にある
いは急激に減少する。
【0014】次に、請求項2にかかる発明は、請求項1
において、上記の損失波長の異なる長周期グレーティン
グ間の屈折率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッド
が外面に屈折率が該クラッドと同等以上の物質の被覆を
有していることを特徴とする光損失フィルタである。
【0015】このような構成であれば、高屈折率剤をク
ラッド外面に塗布する等の簡単な方法で、長周期グレー
ティング間のクラッドのクラッドモードの伝搬能力を低
くすることができる。
【0016】次に、請求項3にかかる発明は、請求項1
において、上記の損失波長の異なる長周期グレーティン
グ間の屈折率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッド
が他の部位のクラッドより屈折率が高いことを特徴とす
る光損失フィルタである。
【0017】このような構成であれば、加熱等の簡便な
方法で、長周期グレーティング間のクラッドのクラッド
モードの伝搬能力を低くすることができる。
【0018】次に、請求項4にかかる発明は、請求項1
において、上記の損失波長の異なる長周期グレーティン
グ間の屈折率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッド
が外面に粗面化されている部分を有していることを特徴
とする光損失フィルタである。
【0019】このような構成であれば、光ファイバ表面
を研磨する等の簡単な方法で、長周期グレーティング間
のクラッドのクラッドモードの伝搬能力を低くすること
ができる。
【0020】次に、請求項5にかかる発明は、請求項1
において、上記の損失波長の異なる長周期グレーティン
グ間の屈折率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッド
が歪みを有していることを特徴とする光損失フィルタで
ある。
【0021】このような構成であれば、光ファイバに微
小な力を加えるだけで、長周期グレーティング間のクラ
ッドのクラッドモードの伝搬能力を低くすることができ
る。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0023】−第一の実施の形態− 図1は、第一の実施の形態に係る光損失フィルタ10の
模式図である。2つの損失波長の異なる長周期グレーテ
ィング(以下、LPGという)1、3を、グレーティン
グを有しない屈折率均一のコア2を挟んで、コア2の長
手方向に並べて、2つのLPG1、3間のクラッド4外
面の中央部に高屈折率剤6を塗布している。なお、図に
は示していないが高屈折率剤6はクラッド4外面全周に
渡って塗布されている。5は、保護層である。図2は、
比較例の光損失フィルタ10の模式図である。第一の実
施の形態から高屈折率剤6を除いた(塗布していない)
構成が、比較例の光損失フィルタ10である。また、図
3は、LPG及び光損失フィルタの光透過特性グラフで
ある。
【0024】図3のグラフ11は、1565nmの損失
波長を有するLPGの光透過特性であり、グラフ12
は、1560nmの損失波長を有するLPGの光透過
特性である。図1の比較例のように、LPGとLPG
とをただコア2の長手方向に並べただけでは、図3の
グラフ13の光透過特性となり、2つの光透過特性11
と12の(dB単位での)和とはならない。このことを
図4で説明する。
【0025】図4は、クラッドモードを模式的に表した
もので、(A)は比較例を、(B)は本実施の形態を表
したものである。(A)、(B)ともに光信号は、図中
左から右に進行して、LPG1においてコアモードが
クラッドモードに放射20される。光損失フィルタ10
のクラッド4の外側は、保護層がないため、比較例
(A)においては空気に囲まれている。クラッド4の方
が空気より屈折率が高いため、クラッドモードは減衰す
ることなく、クラッド内を進行21する。そしてクラッ
ドモードは、LPG3にてコアモードに再結合22す
る。
【0026】このように比較例(A)では、クラッドモ
ードがコアモードに再結合22することによって、LP
G3においてコアモードとクラッドモードとが相互干
渉する。LPG1から放射されるクラッドモードとL
PG3のコアモードとの次数が同じであるため、光損
失フィルタ10全体としての光透過特性は、LPG1
とLPG3との光透過特性のdB単位での和ではな
く、図3のグラフ13で示す特性となる。
【0027】一方、本実施の形態では、図2及び図4
(B)に示すように、LPG1とLPG3との間の
クラッド4の外面に、クラッド4の屈折率と同等以上の
屈折率を有する高屈折率剤6が塗布により被覆されてい
る。そのため、クラッド4中を進行するクラッドモード
21は、クラッド4と高屈折率剤6との界面部から光損
失フィルタ10を構成する光ファイバ外部に放射されて
減衰し、クラッド4内から消滅してしまう。それで、光
損失フィルタ10全体としての光透過特性は、LPG
1とLPG3との光透過特性のdB単位での和となっ
て、図3のグラフ14で示す特性となる。
【0028】次に、LPGの作製方法及び本実施の形態
に係る光損失フィルタの作製方法について説明する。
【0029】<LPG作製方法>光損失フィルタを構成
する光ファイバは、コア2とその周囲に形成されたクラ
ッド4と、さらにクラッド4の周囲に形成された保護層
5とからなる(図1)。コア2は、光誘起屈折率変化を
定常的に高める目的で、石英ガラスに通常仕様の光ファ
イバと同等濃度のGe(比屈折率差が0.9%となる程
度)に加えて、さらにSn、あるいは、Sn及びAl、
Sn及びB、若しくは、Sn、Al及びBのドーパント
を添加したものを使用することが好ましい。ここで、通
常仕様の光ファイバとは、光損失フィルタに接続される
伝送用の光ファイバのことである。光損失フィルタを構
成する光ファイバのGe濃度を通常仕様の光フィルタと
同等にしておけば、通常仕様の光ファイバとの接続にお
いて接続損失の増大を招かないので好ましい。本実施の
形態では、GeとSnとAlとがドープされた石英ガラ
スからコア2を形成した。
【0030】ここで、コア2にドープするSnは、10
000ppm以上の濃度であることが好ましく、100
00〜15000ppmの濃度であることがより好まし
い。本実施の形態では、通常仕様の光ファイバと同量の
Geに加え、15000ppmの濃度のSnおよび90
0ppmの濃度のAlを共ドープした。ドープの方法
は、種々の公知の方法により行えば良く、例えば液浸に
より行う場合は、Snの化合物(例えば、SnCl2
2H2O)をメチルアルコールと混合し、その溶液の中
に浸漬すればよい。
【0031】保護層5は、クラッド4を損傷等から守る
ためのものであり、クラッド4の外面にシングルコート
により形成するのが生産性の観点から好ましい。保護層
5の材料や厚さは、要求される条件に応じて適宜決定す
ればよい。例えば、コア2及びクラッド4の弾性率(ヤ
ング率)、熱膨張係数(線熱膨張係数)、屈折率の温度
係数(熱光学係数)、および保護層5の材料の弾性率
(ヤング率)、熱膨張係数(線熱膨張係数)などに基づ
いて決定することが好ましい。
【0032】次に、コア2に対して水素雰囲気下で水素
充填処理を行う。水素充填処理は、紫外線照射の前処理
として行われ、コア2の光誘起屈折率変化の感度を高め
るために行われる。本実施の形態における水素充填処理
は、0.4MPaの水素雰囲気下で室温で2週間行った
が、水素の圧力を20MPa程度まで高くしても良い。
【0033】それから、紫外線を照射してグレーティン
グの書き込みを行う。保護層5の材質によってはグレー
ティングの書き込みに用いる紫外線の照射により、保護
層5とクラッド4との界面に剥がれが生じる恐れがある
ため、書き込みを行う部分の保護層5を予め除去する。
グレーティングの書き込みは、種々の公知の方法を用い
ることができるが、本実施の形態は強度変調マスクを用
いて図5に示すように行った。まず第一の周期のグレー
ティングの書き込みであるが、具体的には、紫外線光源
31としてNd−YAGレーザの4倍波(266nm)
を用いる。一方、光ファイバ30の側方直前に格子状の
強度変調マスク37を配設する。光源31から出たレー
ザ光は、ビームエキスパンダー32及びスリット33を
通って反射ミラー34で反射し、さらにシリンドリカル
レンズ35を通って強度変調マスク37に照射される。
これにより、コア2に対し強度変調マスク37の格子ピ
ッチ36に対応したグレーティングピッチの長周期グレ
ーティングが書き込まれる。本実施の形態では、200
μm程度の格子ピッチ36の強度変調マスク37を用
い、20mmの長さに渡ってグレーティングを書き込ん
だ。この時反射ミラー34を10Hzで矢印の方向に往
復させて書き込んだ。なお、マスクを用いる方法に代え
て、2光束干渉法を用いることもできる。
【0034】上述のようにして、第一のグレーティング
ピッチを書き込んだ後、光ファイバ30の位置をずらし
て強度変調マスク37を第二の格子ピッチ36のものに
変更し、第二のグレーティングを書き込んだ。第二のグ
レーティングも20mmの長さに渡って書き込んで、二
つのグレーティングの間には、20mmに渡ってグレー
ティングを書き込んでいない部分があるようにした。
【0035】<光損失フィルタ作製方法>上記の二つの
LPGの間の屈折率均一なコアを囲んでいるクラッドの
外面の中央部分に、クラッドよりも高い屈折率を有する
シリコーン混合物のジェル(屈折率1.465)を光フ
ァイバ長手方向に10mmに渡って塗布し、本実施の形
態の光損失フィルタを得た。。
【0036】また、白色光源38から白色光をV溝39
を通して光ファイバ30に導入し、光スペクトラムアナ
ライザ40でグレーティング書き込み前後の光ファイバ
30の光透過特性を測定し、図3の結果を得た。
【0037】なお、上述のLPGの作製方法及び光損失
フィルタの作製方法は一例であって、本発明はこれらに
限定されない。LPGの作製手順や用いる器具等を変更
しても良い。高屈折率剤を塗布する範囲は、2つのLP
Gの間の全域でも構わないが、LPGから少し離れたと
ころから塗布し始めると、LPGにおける特定波長損失
機能が損なわれず好ましい。光損失フィルタの作製に用
いる高屈折率剤は、クラッド以上の屈折率であれば、接
着剤やマッチングオイル等どのようなものでも構わな
い。また、二つのLPG間のクラッドの外面に保護層を
再度被覆したり、二つのLPG間のクラッドの外面に保
護層を除去せずに残しておいて、クラッドモードを光フ
ァイバ外部に放射させても良い。
【0038】<利得等化器への応用>EDFAの利得特
性を図7の51(左側の目盛り)に示す。石英ガラス光
ファイバにおいて伝送損失が最も少ない光は、1550
nm近辺の波長の光である。それで、この領域(具体的
には1535〜1565nm)の光を信号光として利用
するので、1535〜1565nmの領域のEDFAの
利得を一定にする必要がある。そのための光損失フィル
タは、該領域のEDFAの利得特性51とは逆の形状の
光透過特性53(右側の目盛り)、即ち図7のグラフの
横軸を軸に利得特性51と対称な形状を有するものであ
る。
【0039】このような利得等化器は、図7の54、5
5、56で示した光透過特性を有する3つのLPGを組
み合わせて作製する(図6)。3つのLPG1、3、4
1をコアの軸方向に直列に並べ、1と3、3と41のそ
れぞれの間には、クラッド外面に高屈折率剤6を塗布し
ている。そして、3つのLPGからなる利得等化器45
は、温度補償基台42に結合43されて支えられてい
る。この利得等化器45をEDFAと組み合わせて使用
すれば、図7の52の利得特性となり、所望とする15
35〜1565nmの波長領域で利得が一定となる。
【0040】−第二の実施の形態− 第二の実施の形態は、第一の実施の形態で説明した2つ
のLPGを書き込んだ光ファイバの2つのLPG間のク
ラッドにアーク放電を施して光損失フィルタとしたもの
である。
【0041】アーク放電処理は、2つのLPGの間の部
分を放電電極棒間に位置させて、アーク放電を印加する
ことで行う。アーク放電処理により、クラッドの屈折率
が高くなり、そのため、クラッドモードを減衰させるこ
とができる。なお、クラッドの屈折率を高くする処理と
しては、この他に加熱や紫外光線照射等をあげることが
でき、クラッドの屈折率を高められればどのような処理
を行っても良い。これらの処理は、LPGや他の特性に
影響を与えないよう光透過特性を測定しながら(図5に
示す光ファイバの光透過特性測定系を利用)行う。2つ
のLPGの間のクラッド全域の屈折率を高めても良い
し、一部のみを高めても良い。
【0042】−第三の実施の形態− 第三の実施の形態は、第一の実施の形態で説明した2つ
のLPGを書き込んだ光ファイバの2つのLPG間のク
ラッドに研磨を施して光損失フィルタとしたものであ
る。
【0043】研磨処理は、2つのLPGの間のクラッド
外面をグラインダー等で削って表面を粗すことで行う。
クラッド外面が粗されることで、クラッドモードは急激
に減衰する。粗面は2つのLPGの間の全域に設けても
よいが、粗面がクラッド外面の全周に渡っていれば一部
にのみ設けてもよい。クラッド外面を粗す方法はどのよ
うなものでもよい。第二実施の形態で述べたアーク放電
によってもクラッド外面を粗すことが可能である。
【0044】−第四の実施の形態− 第四の実施の形態は、第一の実施の形態で説明した2つ
のLPGを書き込んだ光ファイバの2つのLPG間のク
ラッドに歪みを与えて光損失フィルタとしたものであ
る。
【0045】歪みを加えることは、例えば機械的治具を
用いて光ファイバの軸方向に対して垂直に力を加えるこ
とにより行うことができる。歪みが加わることにより、
光弾性効果でクラッドの屈折率が高くなりクラッドモー
ドが減衰する。
【0046】歪みを加える方法は、機械的治具によるほ
か接着剤の硬化収縮を利用したり、光ファイバに微小な
曲げを加える方法等があげられ、どのような方法で歪み
を加えても構わない。また、歪みの印加は、2つのLP
G間のクラッド全域でも、一部でも構わない。
【0047】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に述べる効果を奏する。
【0048】損失波長の異なるLPGの間のクラッドが
他の部位のクラッドよりクラッドモードの伝搬能力が低
いので、小型のクラッドモードのコアモードへの再結合
が生じない光損失フィルタを得ることができる。
【0049】クラッド外面が屈折率がクラッドと同等以
上の物質の被覆を有していること、あるいは他の部位よ
りクラッドの屈折率が高いこと、あるいはクラッド外面
に粗面化されている部分を有していること、あるいはク
ラッドが歪みを有していることにより、損失波長の異な
るLPGの間のクラッドのクラッドモードの伝搬能力を
他の部位のクラッドより低くしているので、簡単な処理
で小型のクラッドモードのコアモードへの再結合が生じ
ない光損失フィルタを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態に係る光損失フィルタの模式
図である。
【図2】比較例の光損失フィルタの模式図である。
【図3】光損失フィルタの光透過特性を表す図である。
【図4】(A)比較例におけるクラッドモードの模式図
である。(B)第一の実施の形態におけるクラッドモー
ドの模式図である。
【図5】LPGの作製方法を表す図である。
【図6】実用的な光損失フィルタを表す図である。
【図7】実用的な光損失フィルタを用いたときの利得特
性及び光透過特性を表す図である。
【符号の説明】
1 長周期グレーティング(LPG) 2 コア 3 長周期グレーティング(LPG) 4 クラッド 5 保護層 6 高屈折率剤 10 光損失ファイバ 11 LPGの光透過特性 12 LPGの光透過特性 13 比較例の光損失ファイバの光透過特性 14 第一の実施の形態に係る光損失ファイバの光透過
特性 21 進行するクラッドモード 22 再結合するクラッドモード 24 光ファイバ外部へ放射するクラッドモード 30 光ファイバ 41 長周期グレーティング(LPG)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02B 6/16 G02B 6/16 (72)発明者 今村 一雄 兵庫県伊丹市池尻4丁目3番地 三菱電線 工業株式会社伊丹製作所内 Fターム(参考) 2H038 BA25 2H048 AA01 AA07 AA09 AA11 AA18 AA23 2H049 AA33 AA59 AA62 AA66 2H050 AC03 AC82 AC84 AD00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアとクラッドとを備えた光ファイバの
    該コアに、損失波長の異なる複数の長周期グレーティン
    グをコア長手方向に間隔をおいて備えた光損失フィルタ
    であって、 上記の損失波長の異なる長周期グレーティング間の屈折
    率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッドが他の部位
    のクラッドよりコア長手方向へのクラッドモードの伝搬
    能力が低いことを特徴とする光損失フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記の損失波長の異なる長周期グレーティング間の屈折
    率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッドが外面に屈
    折率が該クラッドと同等以上の物質の被覆を有している
    ことを特徴とする光損失フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記の損失波長の異なる長周期グレーティング間の屈折
    率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッドが他の部位
    のクラッドより屈折率が高いことを特徴とする光損失フ
    ィルタ。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記の損失波長の異なる長周期グレーティング間の屈折
    率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッドが外面に粗
    面化されている部分を有していることを特徴とする光損
    失フィルタ。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 上記の損失波長の異なる長周期グレーティング間の屈折
    率均一な上記コアを囲んでいる上記クラッドが歪みを有
    していることを特徴とする光損失フィルタ。
JP2000325237A 2000-10-25 2000-10-25 光損失フィルタ Pending JP2002131550A (ja)

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