JP2005043061A - 電磁波強度測定用非接触タグ、電磁波強度測定システム及び電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム - Google Patents

電磁波強度測定用非接触タグ、電磁波強度測定システム及び電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】持ち運びや物への取付けが容易で、且つ、簡易に電磁波の電界強度を測定するのに好適な電磁波強度測定用非接触タグ及びその制御プログラムと、運搬経路における物の浴びる電磁波の強度を測定するのに好適な電磁波強度測定システム、当該システムにおける電磁波強度測定用非接触タグ及び電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムとを提供する。
【解決手段】電磁波強度測定用非接触タグ1を、ループアンテナ10と、駆動電力生成部11と、受信周波数調整部12と、電圧監視部13と、タイマ14と、制御部15と、不揮発メモリ16と、表示部17と、を含んだ構成とし、電圧監視部13により、受信した電磁波の電圧を測定し、且つ、監視し、タイマ14は、電圧監視部13により電磁波を受信し続ける時間を計測し、制御部15及び表示部17により、電磁波の強度に関する情報を表示する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波の強度測定に係り、特に、電磁波の強度を簡易に測定するのに好適な電磁波強度測定用非接触タグに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アンテナ周辺の電磁波、携帯型の無線端末装置やプリント基板のパターンなどから放射される電磁波の電界強度を測定するための電界強度測定器がある。
このような電界強度測定器としては、例えば、アンテナの設置位置の良否を測定現場で簡単に判断するための特許文献1(第1の従来例)の電磁界測定装置と、無線送信アンテナなどの放射妨害波源周辺の任意の空間位置における電磁環境を3次元的に計測できるようにするための特許文献2(第2の従来例)の電磁環境計測装置と、が提案されている。
【0003】
第1の従来例は、移動体の現在位置を検出する位置検出手段と、電波発信源から放射された電波の電界強度を測定する電界強度測定手段と、電波発信源の位置を入力する位置入力手段と、入力された電波発信源の位置と検出された現在位置との位置関係を演算する演算手段と、測定された現在位置の電界強度と演算された位置関係とを表示する表示手段と、を備えている。これにより、電波発信源までの直線距離に応じた電界強度の理論値や、電波発信源との間に介在する障害物の有無などを確認して、電界強度の測定値が妥当なものか否かを現場で容易に判断できる。
【0004】
第2の従来例は、電磁環境計測用アンテナを浮揚体に搭載し、これとは分離された移動可能な第2の浮揚体を制御して、放射妨害波源周辺を任意に空中移動させる。そして計測用アンテナの電磁環境計測信号を光ファイバーケーブルで伝送すると共に、地上から浮揚体の制御信号を無線で伝送するよう構成する。さらに、地上側において浮揚体に装着した位置計測ケーブルを用いた計測ブロック部でその空間位置を3次元的に検出し、地上側で計測データ信号とを対応整合して作画表示する。これにより、道路のない空間の電磁環境を3次元的に検出し、地上側で計測データ信号とを対応整合して計測表示でき、また電磁環境に影響を与えない光ファイバを用いるので、安定且つ高精度な計測及び制御が可能になる。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−35898
【特許文献2】
特開平6−3392
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例は、アンテナの設置位置に対する周辺の電磁波の電界強度を測定するような場合や、装置等から放射される電磁波の測定などに適用されるものであり、人体や物などが浴びる電磁波の電界強度を測定することを目的としたものではない。そのため、人が外出中等に浴びる電磁波の電界強度を測定するために身につけたり、物がその運搬経路等で浴びる電磁波の電界強度を測定するために物に取り付けたりするのに好適な構成とは言い難い。
【0007】
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、持ち運びや物への取付けが容易で、且つ、簡易に電磁波の電界強度を測定するのに好適な電磁波強度測定用非接触タグ及びその制御プログラムと、運搬経路における物の浴びる電磁波の強度を測定するのに好適な電磁波強度測定システム、当該システムにおける電磁波強度測定用非接触タグ及び電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムとを提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔発明1〕
上記目的を達成するために、発明1の電磁波強度測定用非接触タグは、導体により形成されたループアンテナと、当該ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、を備えた非接触タグであって、
前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定手段と、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示手段と、を備えることを特徴としている。
【0009】
このような構成であれば、駆動電力生成手段によって、ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成することが可能であり、電磁波強度測定手段によって、ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定することが可能であり、電磁波強度情報表示手段によって、前記測定した電磁波の強度に関する情報を表示することが可能である。
【0010】
従って、非接触タグによって、電磁波の強度を測定し、且つ、その電磁波の強度に関する情報を表示するようにしたので、携帯性に優れ、且つ、簡易に電磁波の強度測定を行うことが可能である。
ここで、電磁波の強度に関する情報としては、強度を数値化したものや、グラフ化したものの画像の他、電磁波の強度に応じた色画像等様々なものがある。
【0011】
また、非接触タグは、データ読取専用、あるいは、データの読み書きが自由に行える記憶領域を備えており、更に、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して電磁波の受信を行なう電磁結合方式、 主に、250kHz以下、あるいは、13.56MHz帯の長・中波帯の電磁波を受信可能な電磁誘導方式、2.45GHz帯の電磁波を受信可能なマイクロ波方式などの電磁波の受信方式を備えた、携帯容易な大きさの通信媒体である。
【0012】
例えば、この非接触タグを、店の商品などに取り付けておき、客がお金を払わずに商品を持って店の出入り口に設置した送信用及び受信用の2つのアンテナの間を通ることにより、送信用アンテナから送信される電磁波を非接触タグが受信(吸収)することで、受信用アンテナにより受信する電磁波に変化が生じる。この変化を検出して警報を鳴らす等することにより万引防止等を行うシステムがある。
【0013】
なお、この非接触タグに対して、受信した電磁波に含まれるデータを抽出するための復調機能、電磁波にデータを乗せて送信するための変調機能及びID番号等の識別機能を設けることにより、RFID(Radio Frequency IDentification)システムにおいて用いられる非接触識別タグとなる。
非接触識別タグは、一般にデータキャリアなどとも呼ばれている。その形状には、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型等の様々なものがある。これらの形状はアプリケーションと密接な関係があり、例えば、人が持つものは、カード形あるいはラベル形をキーホルダ形状に加工したものがある。また、半導体のキャリアIDとしてはスティック形が主流となっている。なお、リネン関連の服に縫い込まれるものはコイン形が主流となっている。
【0014】
また、RFIDシステムとは、媒体に電波・電磁波を用いたIDシステムであり、非接触識別タグが、(1) 非接触タグと同様に携帯容易な大きさであること、(2) 情報を電子回路に記憶すること、(3) 非接触通信により交信することの3つの特徴を備えている。
従って、RFIDシステムは、非接触識別タグを持つ人・物・車などと、その情報とを一元化させる目的で使用される。つまり、人・物・車がある場所で随時、必要な情報を取り出すことができ、かつ必要に応じて新たな情報を書き込むことができる。
【0015】
また、RFIDシステムの代表的な種類としては、主に、交流磁界によるコイルの相互誘導を利用して非接触識別タグとの交信を行なう電磁結合方式、 主に、250kHz以下、あるいは、13.56MHz帯の長・中波帯の電磁波を利用して非接触識別タグとの交信を行なう電磁誘導方式、リーダ/ライタ側のアンテナと非接触識別タグ間で、2.45GHz帯のマイクロ波によりデータ交信を行なうマイクロ波方式、光の発生源としてLEDを、受光器としてはフォトトランジスタ等を配置し、光の空間伝送を利用して非接触識別タグとの交信を行なう光方式の4つがある。
【0016】
また、アクセス方式は、主に、シングルアクセスモード、FIFO(First In First Out)アクセスモード、マルチアクセスモード、セレクティブアクセスモードの4つがある。
シングルアクセスモードは、アンテナ交信領域内に存在する非接触識別タグは1個であり、複数の非接触識別タグがアンテナの交信領域内にあると交信エラーとなり、交信できなくなる。
【0017】
FIFOアクセスモードは、アンテナの交信領域内に順番に入ってくる非接触識別タグと順番に交信することができる。交信を終了した非接触識別タグにはアクセス禁止処理を行なうので、交信終了したタグがアンテナの交信領域内に複数存在しても、新たなタグが1個だけアンテナの交信領域内に入ってくれば交信ができる。同時に非接触識別タグが交信領域内にはいると、交信エラーとなり交信できなくなる。アクセス禁止された非接触識別タグは、交信領域外にでると再び交信が可能となる。
【0018】
マルチアクセスモードは、アンテナの交信領域内に複数の非接触識別タグが存在しても、全ての非接触識別タグと交信ができる。
セレクティブアクセスモードは、交信領域内にある複数の非接触識別タグのうち、特定の非接触識別タグと交信ができるもので、交信領域内の非接触識別タグに番号を割り当てるコマンドと、割り当てた番号をもとに、特定の非接触識別タグとの交信を行なうコマンドで実現される。
【0019】
なお、上記した非接触タグについての説明は、発明2以降においても同様とする。
〔発明2〕
また、発明2の電磁波強度測定用非接触タグは、発明1の電磁波強度測定用非接触タグにおいて、前記電磁波を受信している時間を測定する受信時間測定手段を備え、
前記電磁波強度情報表示手段は、前記受信時間測定手段の測定結果に基づき前記電磁波の強度に関する情報を表示することを特徴としている。
【0020】
つまり、受信時間測定手段によって、電磁波を受信している時間を測定することが可能であり、前記電磁波強度情報表示手段は、前記受信時間測定手段の測定結果に基づき前記電磁波の強度に関する情報を表示することが可能である。
従って、どのような強度の電磁波をどれだけ浴びているのかが解り、危険なレベルの電磁波を長時間浴びている状態を赤色の画像や文字等の表示により知らせることなどが可能である。
〔発明3〕
また、発明3の電磁波強度測定システムは、荷物の運搬経路において前記荷物が浴びる電磁波の強度を測定する電磁波強度測定システムであって、
請求項1又は請求項2記載の電磁波強度測定用非接触タグと、測定開始条件を成立させる測定開始条件成立手段と、を備え、
前記電磁波強度測定用非接触タグを前記荷物に取り付け、
前記電磁波強度測定手段は、前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始することを特徴としている。
【0021】
このような構成であれば、電磁波強度測定用非接触タグは、測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始することが可能である。更に、測定開始条件成立手段によって、前記測定開始条件を成立させることが可能である。
従って、測定開始条件が成立することにより荷物が浴びる電磁波の強度測定を開始し、その強度に関する情報を表示することが可能である。例えば、荷物の運搬開始時に、測定開始条件を成立させ、当該荷物の到着時に荷物に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグの表示情報を見ることにより、前記荷物が、その運搬経路において浴びる電磁波の強度を簡易に知ることが可能である。
〔発明4〕
また、発明4の電磁波強度測定システムは、発明3の電磁波強度測定システムにおいて、前記電磁波強度情報表示手段は、前記電磁波の強度に係る情報を表示するための不揮発性の表示装置を備え、
前記表示装置は、前記電磁波強度測定用非接触タグに対して着脱可能に設けられていることを特徴としている。
【0022】
つまり、前記電磁波強度情報表示手段は、不揮発性の表示装置を備え、前記表示装置は、前記電磁波強度測定用非接触タグに対して着脱可能に設けられているので、荷物の運搬終了地点において、表示装置を取り外すことにより測定を終了させることが可能であり、且つ、表示装置には最終的な表示結果が表示された状態で取り外すことが出来るので、電源の供給無しに測定結果を知ることが可能である。
【0023】
ここで、不揮発性の表示装置には、上記した電気泳動ディスプレイ等がある。
〔発明5〕
また、発明5の電磁波強度測定システムは、発明3の電磁波強度測定システムにおいて、測定終了条件を成立させる測定終了条件成立手段を備え、
前記電磁波強度測定手段は、前記測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了することを特徴としている。
【0024】
つまり、電磁波強度測定用非接触タグは、測定終了条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を終了することが可能である。更に、測定終了条件成立手段によって、前記測定終了条件を成立させることが可能である。
従って、測定開始条件が成立してから、測定終了条件が成立するまでの間の荷物が浴びる電磁波の強度を測定し、その強度に関する情報を表示することが可能である。例えば、荷物の運搬開始時に、測定開始条件を成立させ、当該荷物の到着時に測定終了条件を成立させるようにすることで、荷物に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグの表示情報を見ることにより、前記荷物が、その運搬経路において浴びる電磁波の強度を簡易に知ることが可能である。この場合は、測定を終了させるので、表示情報は運搬終了時に見る必要は無く、運搬終了後にいつでも同じ表示内容を見ることが可能である。
【0025】
また、例えば、電磁波強度情報表示手段を、電気泳動ディスプレイ等の不揮発性の表示装置により構成することで、電源の供給が断たれた後でもその表示内容を見ることが可能である。上記した電気泳動ディスプレイとは、電気泳動現象を利用した表示装置である。ここで、電気泳動現象とは、液相分散媒中に微粒子を分散させた分散液に電界を印加したときに、分散によって自然に帯電した粒子(電気泳動粒子)がクーロン力により泳動する現象である。この電気泳動式表示装置は、表示画像保持性能(以下、「メモリー性」と称する。)を有しており、電解の印加により一度表示された画像を保持することが可能である。
〔発明6〕
また発明6の電磁波強度測定システムは、荷物の運搬経路において、前記荷物が浴びる電磁波の強度を測定する電磁波強度測定システムであって、
前記荷物に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグを備え、
前記電磁波強度測定用非接触タグは、導体により形成されたループアンテナと、当該ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始し、測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了する電磁波強度測定手段と、当該電磁波強度測定手段によって測定した電磁波の強度情報を記憶する第1の電磁波強度情報記憶手段と、当該記憶した電磁波の強度情報を送信する電磁波強度情報送信手段と、を備え、
前記測定開始条件を成立させる測定開始条件成立手段と、前記測定終了条件を成立させる測定終了条件成立手段と、前記電磁波強度測定用非接触タグから送信された前記電磁波の強度情報を受信する電磁波強度情報受信手段と、当該受信した電磁波の強度情報を記憶する第2の電磁波強度情報記憶手段と、を備えることを特徴としている。
【0026】
このような構成であれば、荷物に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグは、駆動電力生成手段によって、ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成することが可能であり、電磁波強度測定手段によって、測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始し、測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了することが可能であり、第1の電磁波強度情報記憶手段によって、前記測定した電磁波の強度情報を記憶することが可能であり、電磁波強度情報送信手段によって、前記記憶した電磁波の強度情報を送信することが可能である。更に、測定開始条件成立手段によって、前記測定開始条件を成立させることが可能であり、測定終了条件成立手段によって、前記測定終了条件を成立させることが可能であり、電磁波強度情報受信手段によって、前記電磁波強度測定用非接触タグから送信された電磁波の強度情報を受信することが可能であり、第2の電磁波強度情報記憶手段によって、前記受信した電磁波の強度情報を記憶することが可能である。
【0027】
従って、測定開始条件が成立してから、測定終了条件が成立するまでの間の荷物が浴びる電磁波の強度を測定し、その強度情報を記憶することが可能である。例えば、荷物の運搬開始時に測定開始条件を成立させ、荷物の到着時に測定終了条件を成立させるようにすることで、当該荷物が、その運搬経路において浴びる電磁波の強度データを簡易に収集することが可能である。
〔発明7〕
また、発明7の電磁波強度測定システムは、発明6の電磁波強度測定システムにおいて、前記電磁波強度測定用非接触タグは、前記電磁波を受信している時間を測定する受信時間測定手段を備えることを特徴としている。
【0028】
つまり、受信時間測定手段によって、電磁波を受信している時間を測定することが可能である。
従って、どのような強度の電磁波をどれだけの時間浴びているのかを測定することが可能である。
〔発明8〕
また、発明8の電磁波強度測定システムは、発明6又は7の電磁波強度測定システムにおいて、前記第1の電磁波強度情報記憶手段は、強誘電体メモリを備えることを特徴としている。
【0029】
つまり、第1の電磁波強度情報記憶手段が強誘電体メモリを備えるものである。ここで、強誘電体メモリとは、強誘電体材料がもつ分極特性を応用した不揮発性メモリであり、DRAM並みの高速な書き込み及び読み込みが可能であり、低消費電力動作が可能である。
〔発明9〕
また、発明9の電磁波強度測定システムは、発明6乃至発明8のいずれかの電磁波強度測定システムにおいて、前記電磁波強度測定用非接触タグは、前記測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示手段を備えることを特徴としている。
【0030】
つまり、前記電磁波強度測定用非接触タグは、電磁波強度情報表示手段によって、前記電磁波の強度に係る情報を表示することが可能ある。
従って、表示情報を見ることで、荷物が浴びた電磁波の強度等を簡易に知ることが可能である。
〔発明10〕
また、発明10の電磁波強度測定システムは、発明3乃至発明9のいずれかの電磁波強度測定システムにおいて、前記測定開始条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定開始情報を送信する測定開始情報送信部を備え、
前記電磁波強度測定用非接触タグが、前記測定開始情報を取得することによって前記測定開始条件が成立するようになっていることを特徴としている。
【0031】
つまり、前記測定開始条件成立手段は、測定開始情報送信部によって、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定開始情報を送信することが可能であり、前記電磁波強度測定用非接触タグに、前記測定開始情報を取得させることによって前記測定開始条件を成立させることが可能である。
従って、測定開始情報を電磁波強度測定用非接触タグに送信することで、簡易に測定開始条件を成立させることが可能である。
〔発明11〕
また、発明11の電磁波強度測定システムは、発明5乃至9のいずれかの電磁波強度測定システムにおいて、前記測定終了条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定終了情報を送信する測定終了情報送信部を備え、
前記電磁波強度測定用非接触タグが、前記測定終了情報を取得することによって前記測定終了条件が成立するようになっていることを特徴としている。
【0032】
つまり、前記測定終了条件成立手段は、測定終了情報送信部によって、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定終了情報を送信することが可能であり、前記電磁波強度測定用非接触タグに、前記測定終了情報を取得させることによって前記測定終了条件を成立させることが可能である。
従って、測定終了情報を電磁波強度測定用非接触タグに送信することで、簡易に測定終了条件を成立させることが可能である。
〔発明12〕
また、発明12の電磁波強度測定システムは、発明5乃至発明9のいずれかの電磁波強度測定システムにおいて、前記測定終了条件成立手段は、前記荷物に取り付けられた前記電磁波強度測定用非接触タグを取り外したときに、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を前記電磁波強度測定用非接触タグから分離させる構成を有しており、
前記回路の一部が分離することによって前記終了条件が成立するようになっていることを特徴としている。
【0033】
つまり、前記測定終了条件成立手段は、前記荷物に取り付けられた前記電磁波強度測定用非接触タグを取外したときに、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を前記電磁波強度測定用非接触タグから分離させる構成を有しており、前記回路の一部を分離させることによって前記終了条件を成立させることが可能である。
【0034】
従って、荷物が目的地到着時に、電磁波強度測定用非接触タグを取外すことで回路の一部を分離することができ、簡易に、測定終了条件を成立させ、電磁波の強度測定を停止することが可能である。
〔発明13〕
また、発明13の電磁波強度測定システムは、発明3乃至9、11及び12のいずれかに記載の電磁波強度測定システムにおいて、前記測定開始条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を分離可能な構成を有しており、
前記回路の一部を分離させることによって前記測定開始条件が成立するようになっていることを特徴としている。
【0035】
つまり、前記測定開始条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を分離可能な構成を有しており、前記回路の一部を分離させることによって前記測定開始条件を成立させることが可能である。
従って、荷物の運搬開始時に回路の一部を分離することで、簡易に、測定開始条件を成立させ、電磁波の強度測定を開始することが可能である。
〔発明14〕
また、発明14の電磁波強度測定システムは、発明3乃至13のいずれかの電磁波強度測定システムにおいて、前記電磁波強度測定用非接触タグは、その構成部の少なくとも一部を取外して再利用できるようになっていることを特徴としている。
【0036】
つまり、前記電磁波強度測定用非接触タグは、その構成部の少なくとも一部を取外して再利用することが可能である。
従って、例えば、表示装置などのコストの高い部品を取外して再利用できるようにすることによって、システム全体のコストダウンが可能となる。
〔発明15〕
また、発明15の電磁波強度測定用電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムは、発明1の電磁波強度測定用電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定ステップと、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示ステップと、を備えることを特徴としている。
【0037】
ここで、本発明は、発明1の電磁波強度測定用電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
〔発明16〕
また、発明16の電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムは、発明3の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定ステップと、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示ステップと、を備え、
前記電磁波強度測定ステップにおいては、前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始することを特徴としている。
【0038】
ここで、本発明は、発明3の電磁波強度測定システムにおける電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
〔発明17〕
また、発明17の電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムは、発明5の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記電磁波強度測定ステップにおいては、前記測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了することを特徴としている。
【0039】
ここで、本発明は、発明4の電磁波強度測定システムにおける電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
〔発明18〕
また、発明18の電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラムは、発明7の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始し、測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了する電磁波強度測定ステップと、当該電磁波強度測定ステップによって測定した電磁波の強度情報を記憶する電磁波強度情報記憶ステップと、当該記憶した電磁波の強度情報を送信する電磁波強度情報送信ステップと、を備えることを特徴としている。
【0040】
ここで、本発明は、発明7の電磁波強度測定システムにおける電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのプログラムであり、その効果は重複するので記載を省略する。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3は、本発明に係る電磁波強度測定用非接触タグの実施の形態を示す図である。
まず、本発明に係る電磁波強度測定用非接触タグの構成を図1に基づいて説明する。図1は、本発明に係る電磁波強度測定用非接触タグの構成を示すブロック図である。
【0042】
図1に示すように、電磁波強度測定用非接触タグ1は、ループアンテナ10と、駆動電力生成部11と、受信周波数調整部12と、電圧監視部13と、タイマ14と、制御部15と、不揮発メモリ16と、表示部17と、を含んだ構成となっている。
ループアンテナ10は、導体により形成されるもので、基板の周形状に沿って一筆書きにループを描いた形状をしており、電磁波を電磁誘導方式で受信することが可能である。
【0043】
駆動電力生成部11は、共振回路を有しており、上記したループアンテナ10によって受信した前記共振回路の共振周波数と同等の周波数の電磁波から電力を生成して、当該電力を電磁波強度測定用非接触タグ1の各構成部に供給するものである。
受信周波数調整部12は、電磁誘導方式で受信する電磁波の周波数を調整するもので、トリマーコンデンサ等により駆動電力生成部11の共振回路のコンデンサの容量を調整することによって、前記共振回路の共振周波数を可変にすることが可能なものである。
【0044】
電圧監視部13は、ループアンテナ10によって受信した電磁波を駆動電力生成部11を介して受信し、当該電磁波の電圧を測定し、且つ、監視するものである。本実施の形態においては、特定の電圧値を超えたときにそのことを制御部に通知するようになっている。
タイマ14は、電圧監視部13において電磁波を受信し続ける(電圧を測定し続ける)時間を計測するものである。計測結果は制御部15に通知される。
【0045】
制御部15は、電圧監視部13において測定された電磁波の電圧値やタイマ14の測定時間等を取得し、その取得結果を不揮発性メモリ16に記憶したり、前記取得結果に基づき、電磁波の強度に関する情報を表示部17に表示する処理を制御するものである。
不揮発性メモリ16は、EEPROM(Electrically erasable programmable read only memory)やFeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等の一度記憶した情報を電力の供給が断たれた後も保持可能な不揮発性のメモリである。
【0046】
表示部17は、電気泳動式のディスプレイ等の表示装置であり、本実施の形態においては、電磁波の強度に関する情報を表示するためのものである。
更に、図2に基づき、電磁波強度測定用非接触タグ1のより具体的な動作を説明する。図2は、電磁波の強度に関する情報の表示例を示す図である。
まず、電磁波強度測定用非接触タグ1を携帯したユーザが町中を歩いているとする、町中には様々な電磁波の発生源があるが、ユーザは、受信周波数調整部12によって、人体に何らかの悪影響がありそうな電磁波の周波数を受信するように設定する。
【0047】
そして、ユーザが、上記設定した周波数の電磁波の発生源に近づき、ループアンテナ10がその電磁波を受信すると、まず、駆動電力生成部11において、受信した電磁波から駆動電力を生成し、各構成部へと駆動電力を供給する。駆動電力が供給されると、電圧監視部13は、ループアンテナ10によって受信している電磁波の電圧レベルの測定を行う、この測定値が、予め設定されている閾値を超えた場合は、超えたこと及びそのときの電圧レベルを制御部15に通知する。制御部15は、この通知を受けると、タイマ14に対して時間計測を開始するように命令を与える。
【0048】
一方、タイマ14は、開始の通知を受けると時間計測を開始する。ここで、電圧監視部13は、ループアンテナ10により電磁波を受信している間は、常にその電磁波の電圧レベルと閾値との比較を行い、電圧レベルが閾値以上であればその電圧レベルを制御部15に通知する。更に、一旦閾値を超えた後に、測定値が閾値を下回ったときには、そのことも制御部15に通知する。
【0049】
制御部15は、電圧監視部13から通知される情報に基づきタイマ14の動作を制御すると共に、受信している電磁波の電圧レベル及び電磁波を受信している時間を不揮発メモリ16に記憶する。更に、制御部15は、タイマ14による計測が終了する毎に、あるいは、タイマから通知される計測値が一定値になる毎に、表示部17に、電磁波を浴びている時間や、その電磁波の電圧レベルの数値などの電磁波の強度に関する情報を図2(a)に示す棒グラフや、図2(b)に示すような数字により表示する。ここで、電磁波の強度に関する情報の表示においては、本実施の形態においては、例えば、電磁波を浴びている時間の表示であれば、不揮発メモリ16に記憶された同じ電圧レベルに対する過去の測定時間等も加算してトータルの時間を表示するなど、過去の情報に基づいた電磁波の強度に関する情報の表示を行う。
【0050】
更に、図3に基づき、電磁波強度測定用非接触タグ1の動作を専用のプログラムにより制御する場合の動作処理の流れを説明する。図3は、電磁波強度測定用非接触タグ1の動作処理を示すフローチャートである。
ここで、専用のプログラムにより動作を制御する場合は、電磁波強度測定用非接触タグ1は、不揮発メモリ16に前記プログラムを有し、更に、図示しない、前記プログラムを実行するためのCPU(Central Processing Unit)と、当該プログラムの実行に必要なデータを一次記憶するRAMと、を含んだ構成となる。
【0051】
また、図3に示すフローチャートは、電磁波強度測定用非接触タグ1が、ループアンテナ10により電磁波を受信し駆動電力生成部11において駆動電力を生成し、生成された駆動電力を各部(13〜17)に供給した後の動作処理の流れを示している。
また、電磁波強度測定用非接触タグ1は、プログラムによって動作を制御する構成以外にも、ハードウェアロジックにより動作を制御する構成も可能である。この場合は、CPUが不要となる。
【0052】
図3に示すように、まずステップS300に移行し、電圧監視部13によって、ループアンテナ10によって受信している電磁波の電圧レベルを測定しステップS302に移行する。
ステップS302では、電圧監視部13において、測定した電磁波の電圧レベルと予め設定されている電圧レベルの閾値とを比較してステップS304に移行する。
【0053】
ステップS304では、電圧監視部13において、上記比較結果から、測定した電磁波の電圧レベルが閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えたと判定された場合(Yes)はステップS306に移行し、そうでない場合(No)はステップS300に移行する。
ステップS306に移行した場合は、電圧監視部13は、閾値を超えたことと測定した電圧レベルとを制御部15に通知してステップS308に移行する。
【0054】
ステップS308では、制御部15は、タイマ14に時間計測を開始するように通知を行いステップS310に移行する。
ステップS310では、電圧監視部13において、ループアンテナ10によって受信している電磁波の電圧レベルを測定してステップS312に移行する。
ステップS312では、電圧監視部13において、測定した電磁波の電圧レベルと予め設定されている電圧レベルの閾値とを比較してステップS314に移行する。
【0055】
ステップS314では、電圧監視部13において、上記比較結果から、測定した電磁波の電圧レベルが閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えたと判定された場合(Yes)はステップS316に移行し、そうでない場合(No)はステップS320に移行する。
ステップS316に移行した場合は、制御部15において、計測時間が所定時間以上か否かを判定し、所定時間以上であると判定された場合(Yes)はステップS318に移行し、そうでない場合(No)はステップS310に移行する。
【0056】
ステップS318に移行した場合は、制御部15によって、受信している電磁波の電圧レベル及びその計測時間を表示部17に表示する処理を行いステップS310に移行する。つまり、連続で閾値を超える電圧レベルの電磁波を浴びていることをユーザに伝える。
一方、ステップS320に移行した場合は、制御部15はタイマ14に対して、時間計測を停止するように命令し、且つ、そのときの計測時間を不揮発メモリ16に記憶してステップS322に移行する。
【0057】
ステップS322では、制御部15において、不揮発メモリ16の記憶内容を確認してステップS324に移行する。ここでは、過去の記憶内容から、閾値以上の電圧レベルの電磁波をどれだけ浴びたか、そのトータル時間を算出する。
ステップS324では、制御部15において、上記確認内容に基づき、電磁波の強度に関する情報を表示部17に表示してステップS300に移行する。
【0058】
以上、ユーザは、電磁波強度測定用非接触タグ1を携帯するだけで、表示部17に表示された情報から、設定された電圧レベル以上の電磁波をどれだけの時間浴びているのかを知ることが可能である。
更に、本発明に係る電磁波強度測定システムの第1の実施の形態を説明する。図4乃至図6は、本発明に係る電磁波強度測定システムの第1の実施の形態を示す図である。まず、図4に基づき、電磁波強度測定システムの第1の実施の形態の構成を説明する。図4(a)は、ハンディ型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム7の一例を示す図であり、図4(b)は、ゲート型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム5の一例を示す図である。
【0059】
まず、ハンディ型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム7の構成を説明する。
図4(a)に示すように、電磁波強度測定システム7は、ハンディ型のリーダ・ライタ2と、電磁波強度測定用非接触タグ3と、荷物50と、を含んだ構成となっている。
【0060】
ハンディ型のリーダ・ライタ2は、ユーザの手動操作によって、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3とデータ通信を行うことが可能なものである。本実施の形態においては、電磁波強度測定用非接触タグ3に電磁波の測定を開始させるための測定開始情報の送信処理と、電磁波強度測定用非接触タグ3に電磁波の測定を停止させるための測定終了情報の送信処理と、を行うことが可能である。なお、詳細な構成は後述する。
【0061】
電磁波強度測定用非接触タグ3は、図示しない荷物50に取り付けるための取り付け部によって、荷物50に取り付けられており、ハンディ型のリーダ・ライタ2から測定開始情報を取得することにより電磁波の測定を行うことが可能となり、この状態のときに、受信した電磁波の強度測定を行う。また、ハンディ型のリーダ・ライタ2から測定終了情報を取得することにより電磁波の強度測定を停止する。更に、測定した電磁波の強度に関する情報を表示したりする機能も有する。なお、詳細な構成は後述する。
【0062】
荷物50は、本実施の形態において、あるレベル以上の電磁波を浴びせたくないような精密機器等であり、本システムにおいて、その運搬経路において浴びる電磁波を測定する対象である。
更に、図5に基づき、ハンディ型のリーダ・ライタ2の詳細な構成を説明する。図5は、ハンディ型のリーダ・ライタ2の詳細構成を示すブロック図である。
【0063】
ハンディ型のリーダ・ライタ2は、データ受信部20と、データ送信部21と、データ制御部22と、データ記憶部23と、を含んだ構成となっている。
データ受信部20は、電磁波強度測定用非接触タグ3からの情報を電磁誘導方式により非接触で受信するものである。
データ送信部21は、上記した測定開始情報及び測定終了情報の送信処理の他、電磁波強度測定用非接触タグ3に記憶された情報を読み取るコマンドや電磁波強度測定用非接触タグ3と荷物を対応付けるための情報等を、当該電磁波強度測定用非接触タグ3に電磁誘導方式により非接触で伝送するものである。
【0064】
データ制御部22は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により、データ記憶部23に記憶された制御プログラムを実行することにより、ハンディ型のリーダ・ライタ2の動作を統括制御するものである。その制御内容としては、非接触識別タグからのデータの受信や、非接触識別タグへのデータの送信などの、データ受信部20及びデータ送信部21を用いた電磁誘導方式によるデータ通信処理の制御がある。
【0065】
データ記憶部23は、上記した制御プログラムや電磁波強度測定用非接触タグ3から取得した情報を記憶するためのものである。
更に、図6に基づき、電磁波強度測定用非接触タグ3の詳細な構成を説明する。図6は、電磁波強度測定用非接触タグ3の詳細構成を示すブロック図である。
電磁波強度測定用非接触タグ3は、データ受信部30と、データ送信部31と、制御部32と、電圧監視部33と、タイマ34と、不揮発メモリ35と、表示部36と、駆動電力生成部37と、受信周波数調整部38と、を含んだ構成となっている。
【0066】
データ受信部30は、ハンディ型のリーダ・ライタ2から伝送されたデータを電磁誘導方式により受信する機能を備えるものである。
データ送信部31は、不揮発メモリに記憶された所定データを、電磁誘導方式によってハンディ型のリーダ・ライタ2に送信する機能を備えるものである。
制御部32は、データ受信部30及びデータ送信部31におけるデータの送受信の制御、受信したデータの記憶処理の他、電圧監視部33において測定された電磁波の電圧値やタイマ34の測定時間等を取得し、その取得結果を不揮発性メモリ35に記憶したり、前記取得結果に基づき、電磁波の強度に関する情報を表示部36に表示する処理を制御するものである。
【0067】
電圧監視部33は、共振回路を有しており、ループアンテナ39によって受信した電磁波を駆動電力生成部37を介して受信し、当該電磁波の電圧を測定し、且つ、監視するものである。
タイマ34は、電圧監視部33において電圧が測定され続ける時間を計測するものである。計測結果は制御部32に通知される。
【0068】
不揮発性メモリ35は、EEPROMやFeRAM等の一度記憶した情報を電源の供給が断たれた後も保持可能な不揮発性のメモリである。
表示部36は、液晶ディスプレイや電気泳動式のディスプレイ等の表示装置であり、本実施の形態においては、電磁波の強度に関する情報を表示するためのものである。
【0069】
駆動電力生成部37は、共振回路を有し、ループアンテナ39によって受信した前記共振回路の共振周波数と同等の周波数の電磁波から電力を生成して、電磁波強度測定用非接触タグ3の各構成部に供給するものである。
受信周波数調整部38は、電磁誘導方式で受信する電磁波の周波数を調整するもので、トリマーコンデンサ等により駆動電力生成部37の共振回路のコンデンサの容量を調整することによって、前記共振回路の共振周波数を可変にすることが可能なものである。
【0070】
ループアンテナ39は、導体により形成されるもので、基板の周形状に沿って一筆書きにループを描いた形状をしており、電磁波を受信することが可能である。
更に、電磁波強度測定システム7のより具体的な動作を説明する。
まず、ユーザは、荷物50の運搬時において、この電磁波強度の測定対象である荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3に対して、ハンディ型のリーダ・ライタ2を近づけることにより、測定開始情報を送信する。電磁波強度測定用非接触タグ3は、駆動電力生成部37によって、ループアンテナ39により受信した測定開始情報の含まれる電磁波から駆動電力を生成し、生成された駆動電力を各部へと供給する。
【0071】
このようにして、駆動電力が供給されると、データ受信部30において、ループアンテナ39を介して受信した測定開始情報の含まれる電磁波を復調して、測定開始情報を抽出し、これを制御部32に伝送する。制御部32では、測定開始情報を取得すると、不揮発メモリ35の所定アドレスに測定開始情報を書込む。この情報の書込みにより、以降、ループアンテナ39によって受信した電磁波に対する、電磁波強度の測定処理が開始される。
【0072】
つまり、荷物50の運搬経路において、受信周波数調整部38によって予め荷物50の種類に応じて設定された周波数の電磁波を、ループアンテナ39を介して受信することにより、電圧監視部33において、受信した電磁波の電圧レベルの測定が行われる。更に、タイマ34において、同じ電圧レベルの電磁波を受信している時間の測定が開始される。これら、受信された電磁波の電圧レベル及びその受信時間は、制御部32によって不揮発メモリ35に記憶される。
【0073】
また、電圧監視部33では、更に、受信した電磁波の電圧レベルと予め設定されている電圧レベルの閾値との比較処理を行い、この比較結果により、受信した電磁波の電圧レベルが閾値を超えていた場合は、そのことを制御部32に通知する処理が行われる。制御部32では、この通知を受けると、閾値を超えた電圧レベルの電磁波を浴びたことを示す赤色の画像を表示部36に表示する。また、受信した電磁波の電圧レベルが閾値を超えない間は、青色の画像を表示部36に表示する。
【0074】
このように、荷物50の運搬経路において、当該荷物50が浴びる電磁波の測定を行う。
やがて、荷物50が運搬先に到着すると、運搬先においては、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3に対して、ハンディ型のリーダ・ライタ2により、測定終了情報を送信する。電磁波強度測定用非接触タグ3は、駆動電力生成部37によって、ループアンテナ39により受信した測定終了情報の含まれる電磁波から駆動電力を生成し、生成された駆動電力を各部へと供給する。
【0075】
このようにして、駆動電力が供給されると、データ受信部30において、ループアンテナ39を介して受信した測定終了情報の含まれる電磁波を復調して、測定終了情報を抽出し、これを制御部32に伝送する。制御部32では、測定終了情報を取得すると、不揮発メモリ35の所定アドレスに測定終了情報を書込む。この情報の書込みにより、以降、ループアンテナ39によって受信した電磁波に対して行われていた、電磁波強度の測定処理が停止される。このとき、ハンディ型のリーダ・ライタ2により、電磁波強度測定用非接触タグ3の不揮発性メモリ35に記憶された電磁波強度の測定情報を取得することが可能である。つまり、電磁波強度測定用非接触タグ3は、ハンディ型のリーダ・ライタ2からの強度情報の取得要求を受信すると、制御部32において、不揮発メモリ35から強度情報を読み出し、データ送信部31によって、ハンディ型のリーダ・ライタ2に送信する。ハンディ型のリーダ・ライタ2では、取得した測定情報をデータ制御部22を介してデータ記憶部23に記憶する。ここで、測定情報の取得においては、電磁波強度測定用非接触タグ3のID番号も取得するようになっており、当該ID番号からこの測定情報がどのような種類の荷物50のものかが解る。
【0076】
次に、ゲート型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム5の構成を説明する。
図4(b)に示すように、電磁波強度測定システム5は、ゲート型のリーダ・ライタ6と、電磁波強度測定用非接触タグ3と、荷物50と、を含んだ構成となっている。
【0077】
ゲート型のリーダ・ライタ6は、ゲートをくぐる荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3とデータ通信を行うことが可能なものである。本実施の形態においては、電磁波強度測定用非接触タグ3に電磁波の測定を開始させるための測定開始情報の送信処理と、電磁波強度測定用非接触タグ3に電磁波の測定を停止させるための測定終了情報の送信処理と、を行うことが可能である。なお、ゲート型のリーダ・ライタ6の詳細な構成は上記したハンディ型のリーダ・ライタ2と同様であるので記載を省略する。
【0078】
更に、電磁波強度測定システム5のより具体的な動作を説明する。
まず、ユーザは、荷物50の運搬開始時において、この電磁波強度の測定対象である荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3を、運搬開始地点に設置されたゲート型のリーダ・ライタ6のゲート内をくぐらせることにより、測定開始情報を送信する。ここで、本実施の形態において、運搬開始地点に設置されたゲート型のリーダ・ライタ6は、ゲートをくぐる電磁波強度測定用非接触タグ3が測定開始情報を確実に受信出来る間隔で、常時、測定開始情報を送信し続けていることとする。
【0079】
電磁波強度測定用非接触タグ3は、駆動電力生成部37によって、ループアンテナ39により受信した測定開始情報の含まれる電磁波から駆動電力を生成し、生成された駆動電力を各部へと供給する。
このようにして、駆動電力が供給されると、データ受信部30において、ループアンテナ39を介して受信した測定開始情報の含まれる電磁波を復調して、測定開始情報を抽出し、これを制御部32に伝送する。制御部32では、測定開始情報を取得すると、不揮発メモリ35の所定アドレスに測定開始情報を書込む。この情報の書込みにより、以降、ループアンテナ39によって受信した電磁波に対する、電磁波強度の測定処理が開始される。
【0080】
つまり、荷物50の運搬経路において、受信周波数調整部38によって予め荷物50の種類に応じて設定された周波数の電磁波を、ループアンテナ39を介して受信することにより、電圧監視部33において、受信した電磁波の電圧レベルの測定が行われる。更に、タイマ34において、同じ電圧レベルの電磁波を受信している時間の測定が開始される。これら、受信された電磁波の電圧レベル及びその受信時間は、制御部32によって不揮発メモリ35に記憶される。
【0081】
また、電圧監視部33では、更に、受信した電磁波の電圧レベルと予め設定されている電圧レベルの閾値との比較処理を行い、この比較結果により、受信した電磁波の電圧レベルが閾値を超えていた場合は、そのことを制御部32に通知する処理が行われる。制御部32では、この通知を受けると、閾値を超えた電圧レベルの電磁波を浴びたことを示す赤色の画像を表示部36に表示する。また、受信した電磁波が閾値を超えない間は、青色の画像を表示部36に表示する。
【0082】
このように、荷物50の運搬経路において、当該荷物50が浴びる電磁波の測定を行う。
やがて、荷物50が運搬先に到着すると、運搬終了地点においてもゲート型のリーダ・ライタ6が設置されており、このゲート内を荷物50をくぐらせることにより、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3に対して、測定終了情報を送信する。ここで、本実施の形態において、運搬終了地点に設置されたゲート型のリーダ・ライタ6は、ゲートをくぐる電磁波強度測定用非接触タグ3が測定終了情報を確実に受信出来る間隔で、常時、測定終了情報を送信し続けていることとする。
【0083】
電磁波強度測定用非接触タグ3は、駆動電力生成部37によって、ループアンテナ39により受信した測定終了情報の含まれる電磁波から駆動電力を生成し、生成された駆動電力を各部へと供給する。
このようにして、駆動電力が供給されると、データ受信部30において、ループアンテナ39を介して受信した測定終了情報の含まれる電磁波を復調して、測定終了情報を抽出し、これを制御部32に伝送する。制御部32では、測定終了情報を取得すると、不揮発メモリ35の所定アドレスに測定終了情報を書込む。この情報の書込みにより、以降、ループアンテナ39によって受信した電磁波に対して行われていた、電磁波強度の測定処理が停止される。このとき、ゲート型のリーダ・ライタ6により、電磁波強度測定用非接触タグ3の不揮発性メモリ35に記憶された電磁波強度の測定情報を取得することが可能である。つまり、電磁波強度測定用非接触タグ3は、ゲート型のリーダ・ライタ6からの強度情報の取得要求を受信すると、制御部32において、不揮発メモリ35から強度情報を読み出し、データ送信部31によって、ゲート型のリーダ・ライタ6に送信する。ゲート型のリーダ・ライタ6では、取得した測定情報をデータ制御部22により、データ記憶部23に記憶する。ここで、測定情報の取得においては、電磁波強度測定用非接触タグ3のID番号も取得するようになっており、当該ID番号からこの測定情報がどのような種類の荷物50のものかが解る。
【0084】
更に、図7に基づき、電磁波強度測定用非接触タグ3の動作を制御する専用のプログラムの動作処理の流れを説明する。図7は、電磁波強度測定用非接触タグ3の動作を制御する専用のプログラムの動作処理を示すフローチャートである。
ここで、上記電磁波強度測定用非接触タグ3は、不揮発メモリ35に前記専用のプログラムを有し、更に、図示しないが、前記プログラムを実行するためのCPUと、当該プログラムの実行に必要なデータを一次記憶するRAMと、を含んだ構成となっている。また、図7に示すフローチャートは、電磁波強度測定用非接触タグ3が、ループアンテナ39により電磁波を受信し駆動電力生成部37において駆動電力を生成し、当該生成された駆動電力を各部(30〜36)に供給した後の動作処理の流れを示している。
【0085】
また、電磁波強度測定用非接触タグ3は、プログラムによって動作を制御する構成以外にも、ハードウェアロジックにより動作を制御する構成も可能である。この場合は、CPUが不要となる。
図7に示すように、まずステップS700に移行し、データ受信部30において、リーダ・ライタから測定開始情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合(Yes)は受信した測定開始情報を制御部32に伝送してステップS702に移行し、そうでない場合(No)はステップS732に移行する。ここで、リーダ・ライタは、上記したハンディ型のリーダ・ライタ2又はゲート型のリーダ・ライタ6のいずれかである。
【0086】
ステップS702に移行した場合は、制御部32において、測定開始情報を不揮発メモリ35の所定アドレスに記憶してステップS704に移行する。
ステップS704では、電圧監視部33において、電磁波を受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合(Yes)はステップS706に移行し、そうでない場合(No)はステップS728に移行する。
【0087】
ステップS706に移行した場合は、電圧監視部33において、不揮発メモリ35の所定アドレスに測定開始情報が記憶されているか否かを判定し、記憶されていると判定された場合(Yes)はステップS708に移行し、そうでない場合(No)はステップS700に移行する。
ステップS708に移行した場合は、電圧監視部33において、受信した電磁波の電圧レベルを測定してステップS710に移行する。
【0088】
ステップS710では、電圧監視部33において、タイマ34に時間測定を開始するように命令を与えることにより時間測定を開始してステップS712に移行する。
ステップS712では、電圧監視部33において、測定された電磁波の電圧レベルと予め設定された電圧レベルの閾値とを比較してステップS714に移行する。
【0089】
ステップS714では、電圧監視部33において、上記比較結果に基づき、測定された電圧レベルが閾値を超えたか否かを判定し、閾値を超えたと判定された場合(Yes)はステップS716に移行し、そうでない場合(No)はステップS722に移行する。
ステップS716に移行した場合は、電圧監視部33は、測定された電圧レベルの情報及び閾値を超えたことを示す情報を制御部32に伝送してステップS718に移行する。
【0090】
ステップS718では、制御部32において、取得した上記電圧レベルの情報を不揮発メモリ35に記憶してステップS720に移行する。
ステップS720では、制御部32において、閾値を超えた電圧レベルの電磁波を受信したので、赤色の画像を表示部36に表示してステップS700に移行する。
【0091】
また、ステップS714において電圧レベルが閾値を超えずにステップS722に移行した場合は、電圧監視部33において、測定した電圧レベルの情報及び閾値を超えていないことを示す情報を制御部32に伝送してステップS724に移行する。
ステップS724では、制御部32において、取得した上記電圧レベルの情報を不揮発メモリ35に記憶してステップS726に移行する。
【0092】
ステップS726では、制御部32において、閾値を超えていない電圧レベルの電磁波を受信したので、青色の画像を表示部36に表示してステップS700に移行する。
また、ステップS704において電磁波を受信せずステップS728に移行した場合は、電圧監視部33において、タイマ34が動作中であるか否かを判定し、動作中であると判定された場合(Yes)はステップS730に移行し、そうでない場合(No)はステップS700に移行する。
【0093】
ステップS730に移行した場合は、タイマ34に時間測定を停止するように命令を与えて、時間測定を停止してステップS700に移行する。ここで、タイマ34は、測定結果を制御部32に伝送し、制御部32は測定時間を不揮発メモリ35に記憶する。
また、ステップS700において、測定開始情報を受信せずにステップS732に移行した場合は、データ受信部30において、測定終了情報を受信したか否かを判定し、受信したと判定された場合(Yes)は受信した測定終了情報を制御部32に伝送してステップS734に移行し、そうでない場合(No)はステップS704に移行する。
【0094】
ステップS734に移行した場合は、制御部32において、測定終了情報を不揮発メモリ35の所定アドレスに記憶してステップS704に移行する。
以上、上記電磁波強度測定システムの第1の実施の形態によれば、リーダ・ライタにより、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3に対して、測定開始情報を送信することで電磁波強度の測定を開始させることが可能であり、同様に測定終了情報を送信することで電磁波強度の測定を停止させることが可能である。つまり、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグ3に対して、荷物の運搬開始地点において測定開始情報を送信し、荷物の運搬終了地点において測定終了情報を送信することで、荷物50が、その運搬経路において浴びる電磁波の情報を測定することが可能である。更に、予め設定した電圧レベルを超えた電磁波を浴びることで表示部に赤色の画像を表示するようにしたので、運搬終了地点において、荷物50が危険な電圧レベルの電磁波を浴びたか否かを目視で簡易に判断することが可能である。
【0095】
更に、本発明に係る電磁波強度測定システムの第2の実施の形態を説明する。図8乃至図10は、本発明に係る電磁波強度測定システムの第2の実施の形態を示す図である。図8は、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の外観構成を示す図であり、図9(a)は、測定開始条件成立部43周辺の拡大図であり、図9(b)は、図9(a)中のA−A断面図であり、あり、図9(c)は、測定開始条件成立時のA−A断面図で図9(d)は、測定開始条件成立後の測定開始条件成立部43周辺の拡大図であり、図10(a)〜(d)は、表示部36の着脱構成を示す図である。
【0096】
まず、図8に基づき、電磁波強度測定システムの第2の実施の形態における電磁波強度測定用非接触識別タグ4の外観構成を説明する。なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態と同様に、荷物に、電磁波強度測定用非接触識別タグ4を取り付けることで、その荷物が浴びる電磁波の強度測定を行うものである。
図8に示すように、電磁波強度測定用非接触識別タグ4は、台紙40上に基板41が配設され、当該基板41上に、ループアンテナ39、表示部36及び制御IC42が配設された構成となっている。更に、制御IC42から伸びるループアンテナ39の一端及び他端となる2本の配線の間には、測定開始条件成立部43が設けられている。ここで、電磁波強度測定用非接触識別タグ4は、カード形状である。なお、測定開始条件成立部43の詳細な構成については、具体的な動作の説明において述べる。
【0097】
ここで、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の詳細な構成は、上記第1の実施の形態における電磁波強度測定用非接触識別タグ3と同じ構成となっている。つまり、制御IC42が、上記電磁波強度測定用非接触識別タグ3における各部(30〜38(36を除く))を有している。従って、ここでは、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の詳細な構成の説明を省略する。
【0098】
更に、図9及び図10に基づき、電磁波強度測定システムの第2の実施の形態の具体的な動作を説明する。本実施の形態においては、上記したように、電磁波強度を測定する対象の荷物に、電磁波強度測定用非接触識別タグ4を取り付けることで、当該荷物がその運搬経路において浴びる電磁波の強度を測定するものである。ここで、本実施の形態においては、台紙40を剥がすことにより、基板41の制御IC42の配設された面とは反対側の面に形成された粘着部がむき出しとなり、この粘着部により電磁波強度測定用非接触識別タグ4を荷物に取り付ける構成となっている。更に、上記した測定開始条件成立部43によって測定開始条件を成立させ、後述する電気泳動ディスプレイ36の取り外しにより測定を終了させるようになっている。
【0099】
図9(a)に示すように、測定開始条件成立部43は、配線切断部43aと、切り欠き部43bと、を含んだ構成となっている。
そして、上記した制御IC42から伸びるループアンテナ39の一端及び他端となる2本の配線を接続する配線切断部43aは、台紙40を引き剥がすことにより、台紙40側に残るような仕組みとなっている。
【0100】
ここで、配線切断部43aは、図9(b)に示すように、台紙40と強固に接着されており、更に、配線切断部43aとループアンテナ39とは導通が確保できる状態で弱めに接着されている。従って、台紙40を引き剥がすことにより、図9(c)に示すように、台紙40と共に配線切断部43aが引き剥がされることになる。引き剥がされた後は、図9(d)に示すように、制御IC42から伸びるループアンテナ39の一端及び他端となる2本の配線の間に切り欠き部43bが残る。
【0101】
また、配線切断部43aは、制御IC42から伸びるループアンテナ39の一端及び他端となる2本の配線を導通させるもので、この導通状態時においては、ループアンテナがこの部分で閉じてしまうため、制御IC42が電磁波を受信できず、強度測定を行うことが不可能である。
切り欠き部43bは、基板41の配線切断部43aの下側に設けられたものである。これは、配線切断部43aを台紙40側に接着するために設けたものである。
【0102】
つまり、本実施の形態においては、荷物の運搬開始時に、台紙40をひき剥がすことにより、測定開始条件を成立させ、電磁波強度測定用非接触識別タグ4に電磁波の強度測定を開始させる。ここで、本実施の形態において、測定開始条件の成立と言っているが、この場合、測定開始条件成立部43は、プログラム的に測定を停止しているのではなく、物理的に測定を出来なくしているものである。従って、物理的に電磁波強度の測定が可能になることを測定開始条件が成立したと言っている。
【0103】
このようにして、電磁波の強度測定が可能となり、上記第1の実施の形態と同様に、電磁波の強度測定及び表示処理等を行う。ここで、電磁波の強度測定等については、上記第1の実施の形態と同様であるので、記載を省略する。
更に、本実施の形態においては、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の表示部36が簡易に着脱できる構成となっている。
【0104】
図11に示すように、本実施の形態においては、表示部36が電気泳動ディスプレイであるとする。
本実施の形態における電気泳動ディスプレイ36は、図10(a)のA−A断面図である図10(b)及び図10(d)と、図10(a)のB−B断面図である図10(c)及び図10(e)と、に示すように、電気泳動ディスプレイ36の電極と基板41側の配線とが、電極部以外に形成された粘着層により基板41側に固定され接触する構成となっている。従って、図10(d)及び図10(e)に示すように、電気泳動ディスプレイ36の粘着部分を基板41から引き剥がすことにより、当該電気泳動ディスプレイ36を基板41から簡易に取り外すことが可能である。これにより、電気泳動ディスプレイ36は、取り外す直前の電磁波強度の測定結果が表示された状態を保持して取り外されることになる。
【0105】
つまり、物理的に電磁波の強度測定結果を表示できなくさせることで、測定終了条件を成立させる。ここで、最終的な表示結果だけを見られれば良い場合は、測定終了条件の成立により電磁波強度測定用非接触識別タグ4における電磁波強度の測定処理を停止する必要は無い。しかし、運搬経路における測定結果のデータが欲しい場合は、電気泳動ディスプレイ36が取り外されたことを検出して、測定処理を停止する必要がある。従って、電磁波強度測定用非接触識別タグ4は、用途に応じて、電気泳動ディスプレイ36が取り外されても、測定処理を続行する構成又は測定処理を停止する構成のいずれかとなる。
【0106】
また、本実施の形態においては、電気泳動ディスプレイ36を剥がすことで測定終了条件が成立する構成としたが、荷物50から電磁波強度測定用非接触識別タグ4を取り外したときに、回路の一部が分離するような構成とし、この分離により測定終了条件を成立させるようにしても良い。
更に、本実施の形態においては、引き剥がした電気泳動ディスプレイ36は、他の電磁波強度測定用非接触識別タグ4に再利用することが可能である。
【0107】
更に、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の動作を制御する専用のプログラムの動作処理の流れについては、この専用のプログラムは、図7に示す、電磁波強度測定用非接触タグ3の動作を制御する専用のプログラムの動作処理における、ステップS704〜ステップS730までの処理と同様であるので記載を省略する。つまり、測定開始条件が成立していれば、上記ステップS704〜ステップS730の処理を繰り返し行う。測定開始条件が成立していない状態では、物理的に測定が不可能である。ここで、図7において、ステップS700へ移行する部分は、全てステップS704への移行となる。
【0108】
以上、上記電磁波強度測定システムの第2の実施の形態によれば、電磁波強度測定用非接触識別タグ4に設けられた、測定開始条件成立部43において、台紙40を引き剥がすことで、荷物50に電磁波強度測定用非接触識別タグ4を取り付けられるようになり、更に、前記電磁波強度測定用非接触識別タグ4に対して、電磁波強度の測定を開始させることが可能である。つまり、荷物50に取り付けられた電磁波強度測定用非接触識別タグ4に対して、荷物の運搬開始地点において測定開始条件を成立させ、荷物の運搬終了地点において測定終了条件を成立させることで、荷物50が、その運搬経路において浴びる電磁波の情報を測定することが可能である。
【0109】
更に、予め設定した電圧レベルを超えた電磁波を浴びることで表示部に赤色の画像を表示するようにしたので、運搬終了地点において、荷物50が危険な電圧レベルの電磁波を浴びたか否かを目視で簡易に判断することが可能である。
更に、電気泳動ディスプレイ36を取り外し容易に設けたことで、電磁波強度測定用非接触識別タグ4の利用後に、電気泳動ディスプレイ36を引きはがして、再利用することが可能である。
【0110】
更に、表示装置として電気泳動ディスプレイ36を用いたので、取り外しても最終的な表示内容を保持することが可能である。
ここで、図1に示す、駆動電力生成部11は、発明1の駆動電力生成手段に対応し、電圧監視部13及び制御部15による電磁波の強度測定処理は、発明1の電磁波強度測定手段に対応し、タイマ14及び制御部15による電磁波の受信時間の測定処理は、発明2の受信時間測定手段に対応し、制御部15及び表示部17による、電磁波の強度に係る情報の表示処理は、発明1の電磁波強度情報表示手段に対応し、図5に示す、データ制御部22及びデータ送信部21による測定開始情報の送信処理は、発明3,6,10のいずれかの測定開始条件成立手段に対応し、データ制御部22及びデータ送信部21による測定終了情報の送信処理は、発明5又は11の測定終了条件成立手段に対応し、データ制御部22及びデータ記憶部23による電磁波強度の測定情報の記憶処理は、発明6又は8の第1の電磁波強度情報記憶手段に対応し、図6に示す、駆動電力生成部37は、発明6の駆動電力生成手段に対応し、制御部32及び電圧監視部33による電磁波の強度測定処理は、発明6の電磁波強度測定手段に対応し、タイマ34及び制御部32による電磁波の受信時間の測定処理は、発明7の受信時間測定手段に対応し、制御部32及び表示部36による、電磁波の強度に係る情報の表示処理は、発明9の電磁波強度情報表示手段に対応し、図8に示す、測定開始条件成立部43は、発明13の測定開始条件成立手段に対応する。
【0111】
なお、上記実施の形態においては、再利用できる部品を表示部36(電気泳動ディスプレイ)としたが、これに限らず、不揮発メモリや、制御部、制御IC等の他の部品を取外し容易な構成とし再利用するようにしても良い。
また、上記実施の形態においては、リーダ・ライタとして、ハンディ型及びゲート型のものを例として説明したが、これに限らず、別の形態のリーダ・ライタでも良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電磁波強度測定用非接触タグの構成を示すブロック図である。
【図2】電磁波の強度に関する情報の表示例を示す図である。
【図3】電磁波強度測定用非接触タグ1の動作処理を示すフローチャートである。
【図4】(a)は、ハンディ型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム7の一例を示す図であり、(b)は、ゲート型のリーダ・ライタによる電磁波強度測定システム5の一例を示す図である。
【図5】ハンディ型のリーダ・ライタ2の詳細構成を示すブロック図である。
【図6】電磁波強度測定用非接触タグ3の詳細構成を示すブロック図である。
【図7】電磁波強度測定用非接触タグ3の動作を制御する専用のプログラムの動作処理を示すフローチャートである。
【図8】電磁波強度測定用非接触識別タグ4の外観構成を示す図である。
【図9】(a)は、測定開始条件成立部43周辺の拡大図であり、(b)は、(a)中のA−A断面図であり、(c)は、測定開始条件成立時のA−A断面図であり、(d)は、測定開始条件成立後の測定開始条件成立部43周辺の拡大図である。
【図10】(a)〜(d)は、表示部36のリサイクル時の着脱構成を示す図である。
【符号の説明】
1…電磁波強度測定用非接触タグ、2…ハンディ型のリーダ・ライタ(ゲート型も同様)、3,4…電磁波強度測定用非接触識別タグ、10…ループアンテナ、11…駆動電力生成部、12…受信周波数調整部、13…電圧監視部、14…タイマ、15…制御部、16…不揮発メモリ、17…表示部、20…データ受信部、21…データ送信部、22…データ制御部、23…データ記憶部、30…データ受信部、31…データ送信部、32…制御部、33…電圧監視部、34…タイマ、35…不揮発メモリ、36…表示部、37…駆動電力生成部、38…受信周波数調整部、40…台紙、41…基板、42…制御IC、43…測定開始条件成立部、43a…配線切断部、43b…切り欠き部

Claims (18)

  1. 導体により形成されたループアンテナと、当該ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、を備えた非接触タグであって、
    前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定手段と、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示手段と、を備えることを特徴とする電磁波強度測定用非接触タグ。
  2. 前記電磁波を受信している時間を測定する受信時間測定手段を備え、
    前記電磁波強度情報表示手段は、前記受信時間測定手段の測定結果に基づき前記電磁波の強度に関する情報を表示することを特徴とする請求項1記載の電磁波強度測定用非接触タグ。
  3. 荷物の運搬経路において前記荷物が浴びる電磁波の強度を測定する電磁波強度測定システムであって、
    請求項1又は請求項2記載の電磁波強度測定用非接触タグと、測定開始条件を成立させる測定開始条件成立手段と、を備え、
    前記電磁波強度測定用非接触タグを前記荷物に取り付け、
    前記電磁波強度測定手段は、前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始することを特徴とする電磁波強度測定システム。
  4. 前記電磁波強度情報表示手段は、前記電磁波の強度に係る情報を表示するための不揮発性の表示装置を備え、
    前記表示装置は、前記電磁波強度測定用非接触タグに対して着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項3記載の電磁波強度測定システム。
  5. 測定終了条件を成立させる測定終了条件成立手段を備え、
    前記電磁波強度測定手段は、前記測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了することを特徴とする請求項3記載の電磁波強度測定システム。
  6. 荷物の運搬経路において、前記荷物が浴びる電磁波の強度を測定する電磁波強度測定システムであって、
    前記荷物に取り付けられた電磁波強度測定用非接触タグを備え、
    前記電磁波強度測定用非接触タグは、導体により形成されたループアンテナと、当該ループアンテナにより受信した電磁波から駆動電力を生成する駆動電力生成手段と、測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始し、測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了する電磁波強度測定手段と、当該電磁波強度測定手段によって測定した電磁波の強度情報を記憶する第1の電磁波強度情報記憶手段と、当該記憶した電磁波の強度情報を送信する電磁波強度情報送信手段と、を備え、
    前記測定開始条件を成立させる測定開始条件成立手段と、前記測定終了条件を成立させる測定終了条件成立手段と、前記電磁波強度測定用非接触タグから送信された前記電磁波の強度情報を受信する電磁波強度情報受信手段と、当該受信した電磁波の強度情報を記憶する第2の電磁波強度情報記憶手段と、を備えることを特徴とする電磁波強度測定システム。
  7. 前記電磁波強度測定用非接触タグは、前記電磁波を受信している時間を測定する受信時間測定手段を備えることを特徴とする請求項6記載の電磁波強度測定システム。
  8. 前記第1の電磁波強度情報記憶手段は、強誘電体メモリを備えることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の電磁波強度測定システム。
  9. 前記電磁波強度測定用非接触タグは、前記測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示手段を備えることを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  10. 前記測定開始条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定開始情報を送信する測定開始情報送信部を備え、
    前記電磁波強度測定用非接触タグが、前記測定開始情報を取得することによって前記測定開始条件が成立するようになっていることを特徴とする請求項3乃至請求項9のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  11. 前記測定終了条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグに測定終了情報を送信する測定終了情報送信部を備え、
    前記電磁波強度測定用非接触タグが、前記測定終了情報を取得することによって前記測定終了条件が成立するようになっていることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  12. 前記測定終了条件成立手段は、前記荷物に取り付けられた前記電磁波強度測定用非接触タグを取り外したときに、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を前記電磁波強度測定用非接触タグから分離させる構成を有しており、
    前記回路の一部が分離することによって前記終了条件が成立するようになっていることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  13. 前記測定開始条件成立手段は、前記電磁波強度測定用非接触タグを構成する回路の一部を分離可能な構成を有しており、
    前記回路の一部を分離させることによって前記測定開始条件が成立するようになっていることを特徴とする請求項3乃至請求項9、請求項11及び請求項12のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  14. 前記電磁波強度測定用非接触タグは、その構成部の少なくとも一部を取り外して再利用できるようになっていることを特徴とする請求項3乃至請求項13のいずれか1項に記載の電磁波強度測定システム。
  15. 請求項1記載の電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定ステップと、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示ステップと、を備えることを特徴とする電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム。
  16. 請求項3記載の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度を測定する電磁波強度測定ステップと、当該測定した電磁波の強度に関する情報を表示する電磁波強度情報表示ステップと、を備え、
    前記電磁波強度測定ステップにおいては、前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始することを特徴とする電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム。
  17. 請求項5記載の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記電磁波強度測定ステップにおいては、前記測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了することを特徴とする請求項16記載の電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム。
  18. 請求項7記載の電磁波強度測定システムにおける前記電磁波強度測定用非接触タグを制御するためのコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記測定開始条件が成立したときに前記ループアンテナにより受信した電磁波の強度測定を開始し、測定終了条件が成立したときに前記電磁波の強度測定を終了する電磁波強度測定ステップと、当該電磁波強度測定ステップによって測定した電磁波の強度情報を記憶する電磁波強度情報記憶ステップと、当該記憶した電磁波の強度情報を送信する電磁波強度情報送信ステップと、を備えることを特徴とする電磁波強度測定用非接触タグ制御プログラム。
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