JP2005042677A - 筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】機関停止中、燃料噴射弁から燃焼室内に洩れた燃料の自己着火を回避する。
【解決手段】電子制御装置は、イグニッションスイッチの閉操作後、洩れ燃料による自己着火発生の可能性のある特定気筒を、気筒停止時のピストン位置に基づき確定するとともに(S10)、自己着火の発生に係る所定条件が成立しているか否かを判定し(S30)、その所定条件の成立をもって、上記確定された特定気筒の燃料噴射弁に指令信号を与え、特定気筒に対する燃料噴射を実行する(S40)。この燃料噴射を通じて、特定気筒の燃焼室内を、可燃範囲の上限を超えたオーバーリッチ状態とすることで、洩れ燃料による自己着火の発生を回避する。その後、クランク位置センサの検出結果に基づきクランク位置が確定されてから、火花着火に基づく燃焼に供される燃料噴射を開始する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を気筒毎に備えた筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
筒内噴射火花着火式内燃機関では、燃料噴射弁はその噴孔が燃焼室内に臨むように配設されている。そしてそれにより、燃焼室内に燃料が直接噴射されるようになっている。
従来、この種の内燃機関の燃料噴射制御装置として、特許文献1に開示のものが知られている。この従来の燃料噴射制御装置は、機関停止中にピストン位置を検出し、機関始動の開始直前に圧縮行程で停止している気筒に対して、機関始動の開始直後に燃料噴射を実行する。圧縮行程で停止された気筒では、クランキングによってその気筒のピストンが上昇されると、筒内圧力及び温度が上昇して直ちに火花着火可能な条件が揃うようになる。そのため、クランキングの開始直後から上記燃料噴射に対する火花着火を行い、初爆を早めることができる。一方、機関運転状態によっては、上記火花着火よりも以前に自己着火が生じてしまい、その自己着火によってノック音の発生等の不具合を招くことがある。そこで上記文献に記載の燃料噴射制御装置では、上記燃料噴射に際して、自己着火が生じないように燃料噴射量等を制御して、正常な火花着火による燃焼を実現している。
ところで一般的には、機関始動に際しての燃料噴射の開始は、上記のものとは異なり、クランク位置を検出するセンサの出力信号に基づいてクランク位置が確定された後となっている。すなわち、一般の筒内噴射火花着火式内燃機関では、燃料噴射時期を適切に制御するために、燃料噴射の開始に先立って、クランク位置を確定するようにしている。
このようにクランキング開始後にクランク位置を確定し、その後に燃料噴射を開始する場合、クランキングの開始当初は燃料噴射がなされない。しかしながら、そうした燃料噴射のなされていない時期にも、自己着火が生じてノック音の発生等の不具合が生じ得ることが判明した。
すなわち筒内噴射火花着火式内燃機関では、上記のように燃料噴射弁の噴孔が燃焼室内に臨んでいるため、燃料噴射弁の内部に残留した燃料が、機関停止中に燃焼室内に洩れることがある。機関停止中に圧縮行程や吸気行程にある気筒の燃焼室内でそうした燃料の洩れがあると、機関再始動時のクランキングにより、その気筒のピストンが上昇して筒内圧力や温度が高まることで、自己着火の発生条件が成立し、洩れた燃料が自己着火してしまう虞のあることが明らかとなった。
特開2001−173488号公報
本発明の解決しようとする課題は、機関停止中、燃料噴射弁から燃焼室内に洩れた燃料に起因した自己着火の発生を回避することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果を記載する。
請求項1に記載の発明は、燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を気筒毎に備えた筒内噴射火花着火式内燃機関に適用され、機関始動時にクランク位置を検出するセンサの出力信号に基づいてクランク位置を確定し、その確定後に前記燃料噴射弁から、火花着火による燃焼に供される通常の燃料噴射を開始する筒内噴射式火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記通常の燃料噴射を開始する以前のクランキングの際に自己着火の発生する可能性のある特定気筒を、機関停止時のピストン位置に基づき確定する確定手段と、クランキングに当たって前記確定された特定気筒の燃焼室内に、前記燃料噴射弁からの燃料噴射を通じて燃料を供給しておくように、当該特定気筒の燃料噴射弁に指令信号を与え、前記特定気筒に対する燃料噴射を実行する予噴射実行手段と、を備えることをその要旨とする。
上記構成では、上述したような機関停止中の燃料噴射弁から燃焼室内への燃料の洩れに起因した自己着火の発生する可能性のある特定気筒に対して、クランキングに当たって、その特定気筒の燃料噴射弁からの燃料噴射を通じて燃料を供給しておくようにしている。これにより、クランキングの際に上記特定気筒の燃焼室内の燃料濃度を高めて、自己着火条件を不成立とし、自己着火の発生を回避することができる。またそうした燃料噴射は、自己着火発生の可能性のある特定気筒に限り実行されるため、不必要な燃料の消費が抑えられてもいる。
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記確定手段は、クランキングの開始後、排気行程よりも先に圧縮行程を迎える気筒を前記特定気筒として確定することをその要旨とする。
上記構成では、クランキングの開始後に排気行程よりも先に圧縮行程を迎える気筒が上記特定気筒として確定され、上記予噴射実行手段による燃料噴射が実行される。そうした気筒では、機関停止中に燃料噴射弁から燃焼室内に洩れた燃料は、圧縮行程を迎える前に燃焼室内から掃気されないため、自己着火の発生する蓋然性が高くなる。よって、そうした気筒を上記特定気筒として上記予噴射実行手段による燃料噴射を実行すれば、自己着火の発生を確実に回避することができる。
また請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記予噴射実行手段は、自己着火の発生に係る所定条件が成立しているか否かを判定し、該所定条件の成立を条件に前記特定気筒の燃料噴射弁に指令信号を与えることをその要旨とする。
自己着火は、クランキングに当たって燃焼室内が高温環境下にある等、一定の条件のもとで発生する。そのため、上記構成のように自己着火の発生に係る所定条件の成立を条件に、上記予噴射実行手段による特定気筒に対する燃料噴射を実行すれば、無駄な燃料噴射を回避して、不必要な燃料の消費を抑えることができる。
また請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記予噴射実行手段は、前記所定条件が成立しているか否かの判定、及び該所定条件の成立を条件とした前記特定気筒の燃料噴射弁への指令信号の供与を、クランキングの開始時に実施することをその要旨とする。
上記予噴射実行手段による燃料噴射弁への指令信号の供与を行うタイミングとしては、機関停止時や機関再始動時のいずれかが考えられる。これらいずれのタイミングに燃料噴射弁に指令信号を与えても、クランキングに当たって上記特定気筒の燃焼室内に燃料噴射弁からの燃料噴射を通じて燃料を供給しておくことはできる。ただし、機関停止時に燃料噴射弁に指令信号を与えるようにした場合、その後に内燃機関が停止状態で長期放置されること等によって、機関再始動時には自己着火の発生する条件が成立しなくなっている可能性があり、その燃料噴射が無駄となることがある。その点、上記構成の如く、クランキングの開始時に上記所定条件が成立しているか否かの判定を行い、その所定条件の成立を条件として特定気筒の燃料噴射弁に対して指令信号を与えるようにすれば、確実に自己着火発生の条件が成立しているときにのみ、上記予噴射実行手段による燃料噴射が実行されるようになる。したがって上記構成によれば、不必要な燃料の消費を更に抑制することができる。
また請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記所定条件には、燃焼室内温度の下限条件、若しくはその燃焼室内温度と相関する温度パラメータの下限条件を含むことをその要旨とする。
上述のように自己着火は、クランキングに当たって燃焼室内が高温環境下にあるときに発生することから、上記構成の如く所定条件を設定することで、不必要な燃料の消費を好適に抑えることができる。ちなみに燃焼室内温度と相関する温度パラメータとしては、内燃機関の冷却水温や吸気温、外気温度、内燃機関などの潤滑に供される潤滑油の温度等が挙げられる。なお燃焼室内温度は、直接測定すること以外にも、機関停止前の機関運転状態の履歴等に基づいて推定することによって求めるようにしても良い。
また請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか1項に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記所定条件には、前記燃料噴射弁の作動回数の上限条件、若しくはその作動回数と相関する状態量の上限条件を含むことをその要旨とする。
燃料噴射弁は、摺接部の摺り合わせが進むことから、その作動回数が増す毎に燃料の洩れ量が減少する傾向にある。よって、上記構成の如く、所定条件を設定することで、不必要な燃料の消費を抑制することができる。なお上記作動回数と相関する状態量としては、例えば製造時からの内燃機関の総回転数や総稼働時間、或いはその内燃機関の搭載される車両の製造時からの総走行距離等が挙げられる。
また請求項7に記載の発明は、請求項3〜6のいずれか1項に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記所定条件には、機関停止の時間の上限条件、及びその下限条件の少なくとも一方を含むことをその要旨とする。
機関停止の時間が短ければ、機関停止中に燃料噴射弁から洩れた燃料による燃焼室内の燃料濃度が可燃範囲の下限に達せず、自己着火が発生しないことがある。そのため、上記所定条件に機関停止の時間の下限条件を含めることで、そうした場合の不必要な燃料の消費を抑制することができる。また機関停止の時間が長ければ、上記洩れ燃料による燃焼室内の燃料濃度が可燃範囲の上限を超えてしまうため、上記所定条件に機関停止の時間の上限条件を含めることでも、同様に不必要な燃料の消費を抑制することができる。勿論、機関停止の時間の上限条件、及びその下限条件の双方を上記所定条件に含めれば、不必要な燃料消費をより一層抑制することができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を、図1〜5を参照して詳細に説明する。
図1に示す内燃機関10は、V型6気筒の気筒配列が採用された筒内噴射火花着火式内燃機関として構成されている。内燃機関10の各気筒の燃焼室11には、噴孔が同燃焼室11内に臨むように燃料噴射弁12が配設されており、燃料が燃焼室11内に直接噴射されるようになっている。また内燃機関10の各気筒には、点火プラグ13が取り付けられており、イグナイタ13aの発生した高圧電流の供給を受け、上記燃料噴射弁12から噴射された燃料が火花着火されるようになっている。
また内燃機関10には、機関出力軸であるクランクシャフト14に、機関始動に必要な初期回転を付与するスタータモータ15が補機として設けられている。更にそのクランクシャフト14には、外周に複数の歯が形成されたクランク位置ロータ16が一体回転可能に設けられ、その近傍には、クランク位置センサ17が配設されている。クランク位置センサ17は、クランク位置ロータ16の回転に伴いその近傍を上記歯が通過することで起電力を発生する電磁ピックアップとして構成されている。
こうした内燃機関10の各種制御は、電子制御装置20によって行われる。電子制御装置20は、各種処理を実行するCPU、制御に必要なプログラムや情報を記憶するメモリ等を備えて構成されている。またこの電子制御装置20には、機関停止中に必要な情報を記憶保持しておくためのバックアップRAM21、機関停止の時間を計測するためのタイマ22が設けられている。
電子制御装置20には、上記クランク位置センサ17に加え、カムシャフトの回転位相、すなわちカム位置を検出するためのカム位置センサ23等の機関運転状況を検出する各種センサの検出信号が入力されている。また本実施形態では、上記各種センサとして、冷却水温THWを検出する水温センサ24、吸気温THAを検出する吸気温センサ25、外気温THAIRを検出する外気温センサ26などの温度センサが設けられている。なおカム位置センサ23は、クランク位置センサ17と同様の電磁ピックアップとして構成されており、カムシャフトに設けられたカム位置検出用のカム位置ロータの外周に設けられた歯が、同ロータの回転に伴いその近傍を通過することで起電力を発生する。
一方、電子制御装置20には、イグニッションスイッチ(IG)やスタータスイッチ(STA)が接続されており、それらスイッチの操作状況が検出可能となっている。そして電子制御装置20は、これらセンサの検出信号や上記スイッチの操作状況に基づいて、上記燃料噴射弁12や、火花点火に必要な高圧電力を発生して上記点火プラグ13に供給するイグナイタ13a等に指令信号を出力して、燃料噴射制御や点火制御等を実施する。
更に電子制御装置20には、車載電源27から上記スタータモータ15への給電経路を開閉するリレー回路28が接続されている。そして電子制御装置20は、上記スタータスイッチの操作状況等に応じてリレー回路28を開閉して、スタータモータ15への給電を許容・遮断する。
こうした内燃機関10の始動は、以下の態様で行われる。
まず運転者がイグニッションスイッチを閉操作すると、電子制御装置20が起動され、機関始動の準備のための各種処理が実行される。このとき、そうした処理の一環として、後述する予噴射制御が実行される。
続いて運転者のスタータスイッチの閉操作が検出されると、電子制御装置20は、上記リレー回路28を閉じ、スタータモータ15への給電を開始する。給電がなされたスタータモータ15は、クランクシャフト14に機関始動に必要な初期回転を付与すべく回転駆動力を発生する。これにより、クランキングがなされ、機関始動が開始される。
クランキングがなされ、クランクシャフト14が回転されると、電子制御装置20は、上記クランク位置センサ17及びカム位置センサ23の検出信号に基づいて、クランク位置を確定する。クランク位置の確定は、詳しくは次の態様で行われる。
図2には、上記クランク位置センサ17及びカム位置センサ23の出力信号を矩形波に整形して得られたNE信号及びG2信号の波形例が、各気筒の行程のクランク位置毎の推移とともに示されている。ここでの出力信号の整形は、電子制御装置20内に設けられた波形整形回路にて行われ、上記CPUにはそれら整形後の信号が入力されている。
上記クランク位置ロータ16の外周には一部歯欠けした部位が形成されているため、同図に示すように、NE信号には、クランクシャフト14の1回転(クランク角360°)毎にその歯かけした部分に対応した信号、すなわち歯欠け信号が出力される。一方、カムシャフトはクランクシャフト14の2回転毎に1回転され、上記カム位置ロータには唯1枚の歯が形成されているため、G2信号には、同図に破線円で囲んで示されるような、上記歯の通過に対応したパルス信号がクランク角720°毎に出力される。
ここで内燃機関10の1サイクル、すなわちクランク角720°の間に出力される2度の上記歯欠け信号のうち、一方については、その出力の直後にカム位置センサ23の出力に基づく上記パルス信号が出力されるのに対して、もう一方については、そうしたパルス信号の出力はなされない。そこで電子制御装置20は、機関始動後、最初に歯欠け信号が検出され、その後の所定の気筒判別区間内において上記パルス信号の検出の有無を確認することで、クランク位置を確定している。
クランキングの開始後、上記クランク位置の確定がなされるまでの期間は、燃料噴射時期を適切に制御することができない。そこで電子制御装置20は、クランク位置の確定後に、火花着火による燃焼に供される通常の燃料噴射を開始するようにしている。
こうして通常の燃料噴射が開始されると、電子制御装置20は、各気筒の燃料噴射弁12に対して、適切な時期に適切な量の燃料を噴射させるべく指令信号を出力する。また電子制御装置20は、その燃料噴射に対して適切な時期に点火プラグ13による火花着火がなされるように、イグナイタ13aに指令信号を出力する。そして完爆がなされ、内燃機関10が自力回転可能となると、電子制御装置20は、上記リレー回路28を開き、スタータモータ15への給電を停止してクランキングを解除する。
さて本実施形態では、クランク位置の確定がなされ、通常の燃料噴射が開始されるよりも以前の期間における、上述したような燃料噴射弁12からの洩れ燃料に起因した自己着火を回避すべく、電子制御装置20は、起動後の始動準備の処理として上記予噴射制御を実行している。予噴射制御は次の手順で行われる。
まず上記起動の後、電子制御装置20は、機関停止時のピストン位置(クランク位置)に基づいて、上記自己着火発生の可能性のある特定気筒を確定する。こうした確定を行うべく電子制御装置20は、機関停止時に最後に検出されたピストン位置を、上記バックアップRAM21に記憶させるようにしている。
ここでは、次のような気筒が特定気筒として確定される。
クランキングの開始後に圧縮行程よりも先に排気行程を迎える気筒では、圧縮行程を迎える前に洩れた燃料が、排気行程において燃焼室11内から排出されるため、自己着火の発生する蓋然性は低くなる。一方、クランキングの開始後に排気行程よりも先に圧縮行程を迎える気筒では、洩れた燃料が燃焼室11内から排出されることなく圧縮行程を迎えてしまうため、自己着火の発生する蓋然性は高くなる。図2に示される各気筒の行程のクランク位置毎の推移に従えば、120°CAのクランク位置で内燃機関10が停止されたときに、再始動時に自己着火の発生する蓋然性の高い気筒といえるのは、第6気筒#6、第1気筒#1、及び第2気筒#2の3つの気筒となる。
ただし、圧縮行程の途中で停止された気筒では、クランキング直後の気筒内ガスの圧縮量が少なく、自己着火の発生条件を満たさないことがある。そこで、排気行程よりも先に自己着火が発生するだけの圧縮、例えばクランク角60°以上の圧縮を伴う位置で停止された気筒が、自己着火発生の蓋然性の高い気筒となる。
ところが、機関停止時に、最後にピストン位置が検出されてから再始動までの間にクランクシャフト14が多少動いてしまったり、或いは完全に停止される直前にクランクシャフト14が若干逆回転をしたりすることがあり、上記最後に検出されたピストン位置は、再始動時のクランク位置を必ずしも正確に表すものとはなっていない。そこで本実施形態では、そうした誤差分を考慮して、上記最後に検出されたピストン位置にて、クランク角30°以上の圧縮を伴う位置で停止された気筒を、自己着火発生の蓋然性の高い気筒として認定するようにしている。6気筒を有する本実施形態の内燃機関10では、そうした気筒として3つの気筒が該当することとなる。
なお、発明者等の実験の結果によれば、排気行程よりも前にクランク角30°以上の圧縮を伴う上記3つの気筒のうち、3番目に圧縮行程を迎える気筒(以下、これを第3圧縮気筒と記載する)については、ほとんど自己着火が発生することの無いことが確認されている。これは、第3圧縮気筒は、排気上死点近傍で停止されていて圧縮行程の前に燃焼室11内に吸気が導入されて燃焼室11内の温度が低下されることや、機関停止中に排気バルブや吸気バルブが開かれており、燃焼室11内が密閉されていないため、洩れた燃料の蒸気が燃焼室11内からある程度排出されること、に起因すると考えられている。
そこで本実施形態では、クランキング開始後、排気行程よりも前にクランク角30°以上の圧縮を伴う気筒のうち、最初に圧縮行程を迎える気筒(以下、これを第1圧縮気筒と記載する)、及び2番目に圧縮行程を迎える気筒(以下、これを第2圧縮気筒と記載する)を、上記特定気筒として確定するようにしている。図3には、図2に示される各気筒の行程のクランク位置毎の推移に従ったときの、機関停止時のピストン位置(クランク位置)毎の、上記特定気筒として確定される上記第1及び第2圧縮気筒が示されている。
さて、こうして特定気筒が確定されると、電子制御装置20は、そのときの内燃機関10が自己着火の発生を招く状態にあるか否かの判定、すなわち自己着火条件の成立の可否の判定を行う。ここでの自己着火条件の内容については、後述する。
自己着火条件が成立した旨の判定がなされると、電子制御装置20は、クランキングに当たり、上記確定された特定気筒の各燃焼室11に対して、燃料噴射弁12からの燃料噴射を通じて燃料を供給しておくように、当該特定気筒の燃料噴射弁12に噴射の指令信号を出力する。このときの噴射の指令は、燃焼室11内を可燃範囲の上限を超える燃料濃度とするのに十分な量の燃料噴射がなされるように行われる。
こうした燃料噴射が行われると、それら特定気筒の燃焼室11内は、燃料濃度が可燃範囲の上限を超えたオーバーリッチ状態となる。そのため、機関停止中の洩れ燃料に起因した自己着火の発生は、回避されるようになる。すなわち、予噴射制御においては、自己着火発生の可能性のある特定気筒に対して、クランキングの開始に当たり、燃焼に供されることのない燃料を噴射供給して燃焼室11内をオーバーリッチ状態としておくことで、自己着火の発生を回避するようにしている。
なおこうした特定気筒に対する燃料噴射は、第1圧縮気筒、第2圧縮気筒の双方を同時に行っても、時間差を付けて順次行っても良い。いずれにせよ、該当特定気筒が圧縮行程を迎える以前に、その気筒の燃焼室11内をオーバーリッチ状態としておけるように燃料噴射が実行されれば、自己着火の発生を回避することができる。
図4は、こうした機関始動時の予噴射制御の処理手順を示したフローチャートである。このフローチャートに示される一連の処理は、イグニッションスイッチの閉(ON)操作後、電子制御装置20によって順次実行される。
イグニッションスイッチが閉操作され、本フローチャートの処理が開始されると、電子制御装置20はまずステップS10において、機関停止時のピストン位置に基づき特定気筒を確定する。この処理を行うため、電子制御装置20のメモリには、図3に例示したような機関停止時のピストン位置と特定気筒となる上記第1及び第2圧縮気筒との対応関係が予め記憶されている。
続いて電子制御装置20は、ステップS20において、スタータスイッチが閉(ON)操作されたことが検出されるまで、続くステップS30の処理の実行を一旦待機した後、ステップS30において、自己着火条件が成立しているか否かの判定を行う。そして電子制御装置20は、自己着火条件が成立していれば(YES)、処理をステップS40に進め、不成立であれば(NO)、処理をステップS50に進める。
ステップS40では、電子制御装置20は、上記確定された特定気筒の燃料噴射弁12に対して指令信号を出力して、燃料噴射を実行させる。こうして特定気筒の燃焼室11内がオーバーリッチ状態となるように燃料を噴射供給させた後、電子制御装置20は処理をステップS50に進める。
そしてステップS50において電子制御装置20は、クランク位置センサ17の検出結果に基づきクランク位置が確定されるまで、火花着火に基づく燃焼に供される通常の燃料噴射の実施を一旦待機した後、予噴射制御に係る処理を終了し、通常の燃料噴射制御を開始する。
図5は、上記ステップS30での自己着火条件判定に係る電子制御装置20の処理の詳細を示すフローチャートである。自己着火は、クランキング開始時の燃焼室11内が高温環境下にあるときに発生し易いため、ここではクランキング開始時の燃焼室温度と相関する、冷却水温THW、吸気温THA、及び外気温THAIRの3つの温度パラメータが、各々に設定された下限条件を満たしていることをもって、上記自己着火条件が成立する旨の判定を行うようにしている。
具体的には、電子制御装置20は、同図のステップS31〜S33において、下記の下限条件(a1)〜(a3)、すなわち
(a1)冷却水温THW≧判定値A(例えば85℃)
(a2)吸気温THA≧判定値B(例えば70℃)
(a3)外気温THAIR≧判定値C(例えば35℃)
がそれぞれ成立しているか否かの判定を行う。
そしてそれら下限条件(a1)〜(a3)のすべてが成立していれば、電子制御装置20は、ステップS34において、自己着火条件が成立した旨の判定を行い、それら下限条件(a1)〜(a3)のいずれか1つでも不成立であれば、ステップS35において、自己着火条件が不成立である旨の判定を行う。
なお以上説明した本実施形態では、図4のステップS10が上記確定手段の処理に、同図4のステップS30及びステップS40が上記予噴射実行手段の処理に、それぞれ相当している。また上記自己着火条件が、上記自己着火の発生に係る所定条件に相当している。
本実施形態によれば、下記の効果を奏することができる。
(1)クランキングに当たり、燃料噴射弁12からの燃料噴射を通じて燃料が供給されており、自己着火発生の可能性のある特定気筒の燃焼室内がオーバリッチ状態とされているため、自己着火の発生を回避することができる。
(2)上記燃料の噴射を自己着火発生の可能性のある特定気筒に限定して行うため、不必要な燃料の消費を抑えることができる。
(3)燃焼室温度と相関する温度パラメータの下限条件に基づく自己着火条件の成立時に限り、上記燃料の噴射を行うため、クランキング時に燃焼室11内が高温環境下になく、もとより自己着火の発生しない状況での不必要な燃料消費を防止することができる。
(4)そうした自己着火条件成立の判定をクランキングの開始時に行うことで、より確実に、自己着火発生の条件が成立しているときにのみ、上記燃料噴射を行うことができる。すなわち、自己着火の発生しない状況での不必要な燃料噴射をより確実に回避することができる。
(その他の実施形態)
続いて上記実施形態の変形例を、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
(変形例1)
上記自己着火発生の回避のための燃料噴射弁への指令信号を与えるタイミングとしては、上記のような機関再始動時以外に、機関停止時が考えられる。その場合にも、クランキングに当たって自己着火発生の可能性のある特定気筒の燃焼室内を、燃料噴射弁からの燃料噴射を通じた燃料の供給によってオーバーリッチ状態としておくことができる。
図6は、そうした機関停止時の予噴射制御の処理手順を示すフローチャートの一例である。このフローチャートに示される一連の処理は、機関停止された時点より、電子制御装置20によって順次実行される。
本制御の処理が開始されると電子制御装置20は、まずステップS110において、機関停止時のピストン位置に基づき、再始動時に自己着火発生の可能性のある特定気筒を確定する。
続いて電子制御装置20は、ステップS120において、自己着火条件が成立したか否かの判定を行う。ここでの自己着火条件としては、上記実施形態のものと同様に、冷却水温THW、吸気温THA、外気温THAIRといった燃焼室温度と相関する温度パラメータの下限条件に基づくものを設定することができる。ただし、再始動までの機関停止中の温度低下を考慮して、冷却水温THWの下限条件の判定値として、自己着火の発生を招く虞のあるクランキング時の冷却水温の下限値よりも高い値(例えば95℃)を設定することが望ましい。また吸気温THAの下限条件の判定値としては、その直前まで内燃機関10が稼働しており、吸気通路内に新気が導入された状態にあったことを考慮して、自己着火の発生を招く虞のあるクランキング時の吸気温の下限値よりも低い値(例えば45℃)を設定することが望ましい。
ここで自己着火条件が成立した旨の判定がなされれば(S120:YES)、電子制御装置20は処理をステップS130に進め、そのステップS130において、上記確定された特定気筒の燃料噴射弁12に燃料噴射の指令信号を出力し、その気筒の燃焼室11内に燃料を噴射供給させる。そしてその後、電子制御装置20は、イグニッションスイッチを開き(OFF)、再始動がなされるまでその作動を一旦停止する。
一方、自己着火条件が不成立である旨の判定がなされたときには(S120:NO)、電子制御装置20は、そのままイグニッションスイッチを開いて、再始動がなされるまでその作動を一旦停止する。
以上のように自己着火発生の回避に係る燃料噴射弁12への指令信号を機関停止時に与えるようにしても、上記(1)〜(3)と同様の効果を奏することはできる。また、このように機関停止時に予噴射制御に係る燃料噴射を行う場合には、噴射した燃料が機関停止中に蒸発して、燃焼室11内の空気中に拡散されるため、クランキング時の燃焼室11内の混合気がより均質化されるようになる。そのため、部分的な可燃混合気の自己着火をより確実に抑制することができるようにもなる。
(変形例2)
再始動までの機関停止の時間が短ければ、機関停止中に燃料噴射弁12から洩れた燃料による燃焼室11内の燃料濃度が可燃範囲の下限に達せず、自己着火が発生しないことがある。またそうした機関停止の時間が長ければ、上記洩れ燃料による燃焼室11内の燃料濃度が可燃範囲の上限を超えてしまうため、やはり自己着火は発生しなくなる。そこで、上記自己着火条件に、機関停止の時間の上限条件、及びその下限条件の少なくとも一方を含めれば、自己着火の発生しない状況での不必要な燃料消費をより一層抑制することができる。
図7は、そうした機関停止の時間のTsoakの上限条件、及び下限条件を含めたときの自己着火条件判定処理の一例である。同図の処理は、図4のステップS30の処理中に、図5の処理の代わりとして電子制御装置20によって実行される。
同図の処理が開始されると、電子制御装置20は、まずステップS231において、図5のステップS31〜S33と同様の各温度パラメータの下限条件が成立しているか否かの判定が行われる。すなわち、ここでは、冷却水温THW、吸気温THA、及び外気温THAIRのいずれかもが各々の下限条件を満たしているか否かの判定が行われる。
またステップS232では、電子制御装置20は、機関停止の時間Tsoakが判定値D以上で、且つ判定値E未満であるか否かを判定する。ここで判定値Dには、洩れ燃料によって燃焼室11内の燃料濃度を可燃範囲の下限値とするために必要な機関停止の時間(例えば5分)がその値として設定されている。また判定値Eには、同じく燃料濃度を可燃範囲の上限値を超えさせるために必要な機関停止の時間(例えば80分)がその値として設定されている。なお、機関停止の時間Tsoakの計測は、電子制御装置20に内蔵された上記タイマ22により行われる。
そして電子制御装置20は、上記ステップS231及びステップS232の何れにおいても肯定判定されたときに、ステップS233にて自己着火条件が成立した旨の判定を行い、それらのいずれかで否定判定されたときに、ステップS234にて自己着火条件が不成立である旨の判定を行って、本処理を終了する。
(変形例3)
燃料噴射弁12は、摺接部の摺り合わせが進むことから、その作動回数が増す毎に燃料の洩れ量が減少する傾向にある。そのため、燃料噴射弁12の作動回数が一定数を超えると、自己着火はほとんど発生しなくなる。そこで上記自己着火条件に、燃料噴射弁12の作動回数の上限条件、若しくはその作動回数と相関する状態量、例えば製造時からの内燃機関10の総回転数や総稼働時間、或いはその内燃機関10の搭載される車両の製造時からの総走行距離等の上限条件を含めるようにすれば、不必要な燃料の消費を抑制することができる。
図8は、燃料噴射弁12の作動回数の上限条件を、上記自己着火条件に含めたときの自己着火条件判定処理の一例である。同図の処理も、図4のステップS30の処理中に、図5の処理の代わりとして電子制御装置20によって実行される。
同図の処理が開始されると、電子制御装置20は、ステップS331において、図6のステップS231と同様の判定を行う。またステップS332において電子制御装置20は、燃料噴射弁12の作動回数が、自己着火が発生されない程度まで洩れ量が減少する作動回数の下限値である判定値F(例えば300万回)未満であるか否かの判定を行う。そして電子制御装置20は、上記ステップS331及びステップS332の何れにおいても肯定判定されたときに、ステップS333にて自己着火条件が成立した旨の判定を行い、それらのいずれかで否定判定されたときに、ステップS334にて自己着火条件が不成立である旨の判定を行って、本処理を終了する。
なお、こうした燃料噴射弁12の作動回数の上限条件、若しくはその作動回数と相関する状態量の上限条件は、変形例2の機関停止時の予噴射制御における自己着火条件にも含めることができ、その場合にも同様に不必要な燃料消費を抑制することができる。
(変形例4)
上記洩れ燃料による自己着火の発生され易さは、使用される燃料の性状によっても変化する。例えばオクタン価の高い燃料の使用時には、自己着火は発生され難くなる。そこで、使用されている燃料の性状に応じて、上記自己着火発生の回避に係る燃料噴射の実行の可否を判定したり、上記自己着火条件における各パラメータの下限条件、上限条件を変更したりすることで、不必要な燃料消費を更に抑制することができる。
なお、筒内噴射火花着火式内燃機関の多くでは、機関運転中のノッキングの発生を回避しつつ、点火時期を最大トルク点に近づける点火時期のノック制御(KCS)が行われている。そうしたノック制御においては、ノッキングの発生状況を検出しつつ、その検出結果に基づき、ノッキングの発生を回避し得る範囲で点火時期を進角させるようにしている。よって、そうしたノック制御での点火時期の進角量、或いはその学習値は、使用中の燃料におけるノッキングの発生され易さ、すなわち自己着火の発生され易さの指標値となる。そのため、そうしたノック制御での点火時期の進角量等に基づく条件を、上記自己着火条件に含めることで、不必要な燃料消費の抑制が可能となる。
図9は、そうしたノック制御での点火時期の進角量の学習値であるKCS進角学習量に基づく条件を、自己着火条件に含めたときの自己着火条件判定処理の一例である。同図の処理も、図4のステップS30の処理中に、図5の処理の代わりとして電子制御装置20によって実行される。KCS進角学習量は、その値が大きくなるほど、機関運転中のノッキングの発生頻度が低いことを、すなわち使用中の燃料のオクタン価が高いことを示している。
さて同図の処理が開始されると、電子制御装置20は、ステップS431において、図6のステップS231と同様の判定を行う。またステップS432において電子制御装置20は、上記KCS進角学習量の値が、上記洩れ燃料による自己着火が発生されない程度にオクタン価の高い燃料の使用中であることを示す値の下限値(例えば10°CA)である判定値G未満であるか否かを判定する。そして電子制御装置20は、上記ステップS431及びステップS432の何れにおいても肯定判定されたときに、ステップS433にて自己着火条件が成立した旨の判定を行い、それらのいずれかで否定判定されたときに、ステップS434にて自己着火条件が不成立である旨の判定を行って、本処理を終了する。
なお、こうした燃料性状による条件は、変形例2の機関停止時の予噴射制御における自己着火条件にも含めることができ、その場合にも同様に不必要な燃料消費を抑制することができる。
以上説明した実施形態及びその変形例は、下記のように変更することができる。
・上記実施形態では、第1圧縮及び第2圧縮の気筒のみを特定気筒として確定するようにしていたが、必要があれば第3圧縮気筒も特定気筒に加えるようにしても良い。もっとも、特定気筒として確定される気筒の数やその条件は、適用される内燃機関の気筒数等により決まるものであり、適用される内燃機関に応じて適宜変更することが望ましい。
・上記変形例2〜4で説明した機関停止の時間の上限条件、及びその下限条件、燃料噴射弁12の作動回数、若しくはその作動回数と相関する状態量の上限条件、及び燃料の性状に基づく条件のうちの2つ以上を自己着火条件に含めるようにしても良い。また燃料噴射弁12の作動回数、若しくはその作動回数と相関する状態量の上限条件、及び燃料の性状に基づく条件の双方を、変形例1の機関停止時の予噴射制御に係る自己着火条件に含めるようにすることもできる。
・燃焼室温度と相関する各温度パラメータの下限条件、すなわち冷却水温THW、吸気温THA、外気温THAIRの下限条件のうちの1つ以上を、自己着火条件から省くようにしても良い。
・燃焼室温度を直接測定し、その測定値の下限条件を自己着火条件に含めるようにしても良い。
・また機関停止前の内燃機関10の運転履歴等から、燃焼室温度を推定し、その推定値の下限条件を自己着火条件に含めるようにしても良い。
本発明の一実施形態についてその全体構造を示す模式図。 NE信号及びG2信号の波形例とクランク位置毎の各気筒の行程の推移とを併せ示す図。 機関停止時のピストン位置と第1及び第2圧縮に対応する気筒との対応関係を示す図。 上記実施形態に適用される機関始動時の予噴射制御のフローチャート。 同予噴射制御での自己着火条件判定処理のフローチャート。 上記実施形態の変形例1に適用される機関停止時の予噴射制御のフローチャート。 上記実施形態の変形例2に適用される自己着火条件判定処理のフローチャート。 上記実施形態の変形例3に適用される自己着火条件判定処理のフローチャート。 上記実施形態の変形例4に適用される自己着火条件判定処理のフローチャート。
符号の説明
10…筒内噴射火花着火式内燃機関、11…燃焼室、12…燃料噴射弁、13…点火プラグ、13a…イグナイタ、14…クランクシャフト、15…スタータモータ、16…クランク位置ロータ、17…クランク位置センサ、20…電子制御装置、21…バックアップRAM、22…タイマ、23…カム位置センサ、24…水温センサ、25…吸気温センサ、26…外気温センサ、27…車載電源、28…リレー回路。

Claims (7)

  1. 燃焼室内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁を気筒毎に備えた筒内噴射火花着火式内燃機関に適用され、機関始動時にクランク位置を検出するセンサの出力信号に基づいてクランク位置を確定し、その確定後に前記燃料噴射弁から、火花着火による燃焼に供される通常の燃料噴射を開始する筒内噴射式火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    前記通常の燃料噴射を開始する以前のクランキングの際に自己着火の発生する可能性のある特定気筒を、機関停止時のピストン位置に基づき確定する確定手段と、
    クランキングに当たって前記確定された特定気筒の燃焼室内に、前記燃料噴射弁からの燃料噴射を通じて燃料を供給しておくように、当該特定気筒の燃料噴射弁に指令信号を与え、前記特定気筒に対する燃料噴射を実行する予噴射実行手段と、
    を備える筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記確定手段は、クランキングの開始後、排気行程よりも先に圧縮行程を迎える気筒を前記特定気筒として確定する請求項1に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記予噴射実行手段は、自己着火の発生に係る所定条件が成立しているか否かを判定し、該所定条件の成立を条件に前記特定気筒の燃料噴射弁に指令信号を与える請求項1又は2に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記予噴射実行手段は、前記所定条件が成立しているか否かの判定、及び該所定条件の成立を条件とした前記特定気筒の燃料噴射弁への指令信号の供与を、クランキングの開始時に実施する請求項3に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記所定条件には、燃焼室温度の下限条件、若しくはその燃焼室温度と相関する温度パラメータの下限条件を含む請求項3又は4に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記所定条件には、前記燃料噴射弁の作動回数の上限条件、若しくはその作動回数と相関する状態量の上限条件を含む請求項3〜5のいずれか1項に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記所定条件には、機関停止の時間の上限条件、及びその下限条件の少なくとも一方を含む請求項3〜6のいずれか1項に記載の筒内噴射火花着火式内燃機関の燃料噴射制御装置。
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