JP2012002204A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スタータ32によってクランク軸26に初期回転が付与される(クランキングが行われる)状況下、ピストン24が圧縮上死点に到達する前に混合気の燃焼が開始される場合、クランク軸26が逆回転する現象であるいわゆるケッチンが発生するおそれがあること。
【解決手段】エンジン回転速度、スロットル開度、油温及び圧縮比を説明変数としたロジスティック回帰方程式に基づき、クランキング時においてケッチンが発生する確率であるケッチン発生率を予測する。そして、予測されたケッチン発生率が第1の閾値以上であって且つ第1の閾値よりも高い値に設定された第2の閾値未満であると判断された場合、点火プラグ22の点火タイミングを圧縮上死点以降に遅角する処理を行う。一方、予測されたケッチン発生率が第2の閾値以上であると判断された場合、点火プラグ22の点火を禁止する処理を行う。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関の動作状態を制御するためのアクチュエータを備える内燃機関に適用される内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の圧縮上死点に到達する前に内燃機関の燃焼室で吸気と燃料との混合気の燃焼が開始されると、例えば内燃機関の出力軸(クランク軸)に付与されるスタータ等からの初期回転力が不足する等、クランク軸を正回転させる方向のエネルギよりもクランク軸を逆回転させる方向のエネルギが大きくなることに起因して、クランク軸が逆回転する現象であるいわゆるケッチンが発生することがある。この場合、クランク軸と機械的に連結されたスタータ等の信頼性が低下するなどのおそれがある。
そこで従来、下記特許文献1に見られるように、内燃機関の駆動中において機関回転速度がアイドリング回転速度よりも低い所定回転速度未満になると判断された場合に、内燃機関の点火装置による点火を禁止する技術も提案されている。これにより、ケッチンが発生することによる不都合の抑制を図っている。なお、ケッチンの発生による不都合を抑制する技術としては、例えば下記特許文献2に記載されているものもある。
特開2008−215081号公報 特許第3928839号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の技術によれば、ケッチンが発生したと把握された後に点火装置の点火を禁止するため、ケッチンが発生してからその後混合気の燃焼が開始されるまでの期間が長くなり、内燃機関の始動性が低下するおそれがある。そしてこの場合、その後の内燃機関の燃焼制御を速やかに開始することができなくなる等、内燃機関の動作状態を適切に制御することができなくなるおそれがある。
なお、上記に限らず、内燃機関の動作状態を制御するためのアクチュエータが備えられる内燃機関については、内燃機関の動作状態を適切に把握することができず、アクチュエータの操作によって内燃機関の動作状態を適切に制御することが困難となるおそれのあるこうした事情も概ね共通したものとなっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、内燃機関の動作状態を適切に制御することのできる内燃機関の制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の動作状態を制御するためのアクチュエータを備える内燃機関に適用され、前記内燃機関の動作状態に影響を及ぼす複数のパラメータの値を検出する検出手段と、該検出手段によって検出された複数のパラメータの値を説明変数とした重回帰方程式に基づき、前記内燃機関の動作状態を目的変数として推定する処理を行う推定手段と、該推定手段によって推定された前記動作状態に基づき、前記アクチュエータを操作する処理を行う操作手段とを備えることを特徴とする。
上記発明では、内燃機関の動作状態に影響を及ぼす複数のパラメータの値を説明変数とした重回帰方程式に基づき内燃機関の動作状態を目的変数として推定することができる。そして推定された内燃機関の動作状態に基づき上記アクチュエータを操作する処理を行うため、内燃機関の動作状態を適切に把握しつつ内燃機関の動作状態を制御することができる。これにより、内燃機関の動作状態を適切に制御することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記内燃機関の動作状態とは、該内燃機関の動作に関する異常発生率であり、前記推定手段は、前記推定する処理として、前記異常発生率を目的変数として予測する処理を行うものであり、前記操作手段は、前記予測された前記異常発生率が高いと判断された場合、前記操作する処理として、前記内燃機関の動作に関する異常を回避すべく前記アクチュエータの操作状態を変更する処理を行うことを特徴とする。
上記発明では、内燃機関の動作に関する異常発生率に影響を及ぼす複数のパラメータの値を説明変数とした重回帰方程式に基づき、上記異常発生率を予測するため、上記異常が発生するおそれのある状況を予め把握することができる。そして予測された異常発生率が高いと判断された場合、上記態様にてアクチュエータの操作状態を変更する処理を行う。これにより、内燃機関の動作に関する異常が発生することを適切に抑制することができる。しかも、内燃機関の動作に関する異常を検出するためのセンサを備えることなく上記異常が発生するおそれのある状況を把握することができるため、上記異常を回避するための制御に要するセンサ等の部品数の増大を抑制することなどもできる。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記アクチュエータには、前記内燃機関の燃焼室内に突出する点火プラグが含まれ、前記複数のパラメータの値には、機関回転速度と、前記燃焼室に供給される吸気量又はこれと相関を有するパラメータの値とが含まれ、前記内燃機関の動作に関する異常発生率とは、ケッチン発生率であり、前記操作手段は、前記予測されたケッチン発生率が高いと判断された場合、前記操作状態を変更する処理として、前記点火プラグの点火タイミングを遅角する処理及び該点火プラグの点火を禁止する処理のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする。
機関回転速度が低いほど、内燃機関の出力軸(クランク軸)の回転エネルギが小さくなる。ここでクランク軸に初期回転が付与される(クランキングが行われる)状況下において、内燃機関の圧縮上死点に到達する前に燃焼室で混合気の燃焼が開始される場合、機関回転速度が低いほど、クランク軸を正回転させる方向の上記回転エネルギが、燃焼に伴い発生するエネルギのうちクランク軸を逆回転させる方向のエネルギよりも小さくなりやすくなり、ケッチンが発生しやすくなる。また、燃焼室に供給される吸気量が多いほど、燃焼室で混合気が圧縮されることに伴いクランク軸に作用するクランク軸の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなる。ここでクランキングが行われる状況下において、上記圧縮上死点に到達する前に燃焼室で混合気の燃焼が開始される場合、吸気量が多いほど、クランク軸に作用するクランク軸の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなりやすくなり、ケッチンが発生しやすくなる。
この点に鑑み、上記発明では、機関回転速度と、吸気量又はこれと相関を有するパラメータの値とを少なくとも説明変数とした重回帰方程式に基づき、クランキング時においてケッチンが発生する確率であるケッチン発生率を予測する。そして予測されたケッチン発生率が高いと判断された場合、点火プラグの操作状態を変更する処理として、点火プラグの点火タイミングを遅角する処理及び点火プラグの点火を禁止する処理のうち少なくとも1つを行う。点火タイミングを遅角する処理によれば、混合気の燃焼に伴いクランク軸に作用する回転力が大きくなる時期を圧縮上死点近傍に近づけたり、圧縮上死点以降としたりすることができ、混合気の燃焼に伴い発生するエネルギのうちクランク軸を逆回転させる方向のエネルギを極力小さくすることができる。また、点火プラグの点火を禁止する処理によれば、混合気の燃焼が行われず、混合気の燃焼に伴いクランク軸に作用するクランク軸を逆回転させる方向の回転力を大きく低下させることができる。このように、上記発明では、ケッチンが発生する蓋然性の高い状況下において上記態様にて点火プラグの操作状態を変更するため、内燃機関の始動性の低下と、ケッチンの発生との双方を好適に抑制することができる。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記操作手段は、前記予測されたケッチン発生率が高いと判断された場合、前記操作状態を変更する処理として、前記点火プラグの点火タイミングを圧縮上死点以降まで遅角する処理を行うことを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて点火プラグの操作状態を変更する処理を行うことで、混合気の燃焼に伴い発生するエネルギをクランク軸を正回転させる方向のエネルギとして適切に用いることができる。これにより、ケッチンの発生を好適に回避することができる。
請求項5記載の発明は、請求項3又は4記載の発明において、前記検出手段は、前記内燃機関の圧縮上死点となるタイミングを基準とした1燃焼サイクルの間に、前記複数のパラメータのそれぞれを少なくとも1回検出することを特徴とする。
上記発明では、ケッチンが内燃機関の圧縮上死点直前に燃焼が開始されることに起因して発生することに鑑み、ケッチンが発生すると想定されるタイミングまでにケッチン発生率の予測に用いる上記複数のパラメータとして極力新しい値を検出することができる。このため、ケッチン発生率を適切に予測することができる。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記検出手段は、圧縮上死点直前における前記機関回転速度を検出することを特徴とする。
圧縮上死点直前における機関回転速度は、ケッチン発生率と高い相関を有する。この点に鑑み、上記発明では、圧縮上死点直前における機関回転速度の検出値を用いてケッチン発生率を予測するため、ケッチンの発生率の予測精度を向上させることができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記重回帰方程式とは、ロジスティック回帰方程式であることを特徴とする。
上記発明では、重回帰方程式としてロジスティック回帰方程式を用いることで、内燃機関の動作状態を適切に推定することができる。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれか1項に記載の発明において、前記説明変数としての前記複数のパラメータは、前記重回帰方程式に基づく前記内燃機関の動作状態の推定精度を表す自由度二重調整寄与率が最大となるように選択されていることを特徴とする。
上記発明では、上記態様にて説明変数としての複数のパラメータが選択されているため、内燃機関の動作状態の推定精度を更に向上させることができる。
一実施形態にかかるシステム構成図。 一実施形態にかかるケッチンの発生に影響を及ぼす因子を列記した特性要因図。 一実施形態にかかる説明変数として用いる因子を示す図。 一実施形態にかかる自由度二重調整寄与率を極大とする因子を示す図。 一実施形態にかかるケッチン発生回避処理の手順を示すフローチャート。 一実施形態にかかるケッチン発生回避処理の一例を示すタイムチャート。
以下、本発明にかかる制御装置を空冷式単気筒エンジンが搭載された車両(四輪バギー:All Terrain Vehicle)に適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に本実施形態にかかるエンジンシステムの全体構成を示す。
図示されるエンジン10は、4ストロークエンジンである。すなわち、このエンジン10は、吸気・圧縮・膨張・排気の4行程を1燃焼サイクルとして運転される。
エンジン10の吸気通路12には、上流側から順に、スロットルバルブ14と、吸気圧を検出する吸気圧センサ16とが設けられている。スロットルバルブ14は、その開度(スロットル開度)が調節されることで、エンジン10の燃焼室18へと供給される空気量(吸気量)を調節するためのものである。詳しくは、スロットル開度は、ユーザが車両の要求トルクを指示する図示しないアクセルグリップの操作に応じて調節される。なお、スロットルバルブ14付近には、スロットル開度を検出するスロットルセンサ14aが内蔵されている。
吸気通路12のうち、吸気圧センサ16の下流側の吸気ポート近傍には、燃料を噴射供給する電磁駆動式の燃料噴射弁19が設けられている。燃料噴射弁19から噴射供給された燃料と吸気との混合気は、吸気バルブ20の開動作によって燃焼室18に供給される。
燃焼室18に供給された混合気は、燃焼室18内に突出する点火プラグ22の放電火花によって着火され、燃焼に供される。混合気の燃焼によって発生するエネルギは、ピストン24を介してエンジン10の出力軸(クランク軸26)の回転エネルギとして取り出される。なお、燃焼に供された混合気は、排気バルブ28の開動作によって、排気として排気通路30に排出される。
上記クランク軸26には、スタータ32が接続されている。スタータ32は、図示しないバッテリからの給電を受けて図示しないイグニッションスイッチのオンによって始動し、エンジン10を始動させるべくクランク軸26に初期回転を付与する(クランキングを行う)。
クランク軸26の回転角度(クランク回転角度)は、クランク軸26付近に設けられたクランク角度センサ34によって検出される。詳しくは、クランク角度センサ34は、クランク軸26と一体で回転するロータ26aの外周部に等間隔(例えば30°CA毎)で複数設けられた突起がこのセンサを横切るときに、矩形状のクランク信号を出力する。ここでロータ26aは、突起が配置されない欠け歯部を有している。このため、クランク角度センサ34は、この欠け歯部に対応するクランク回転角度においてクランク信号を出力しない。なお本実施形態では、ロータ26aは、ピストン24が上死点直前に位置する時のクランク回転角度に対応する位置に欠け歯部を有している。このため、クランク角度センサ34からクランク信号が出力されない時期は、吸気行程又は膨張行程のいずれかとなる。
上記クランク角度センサ34や、スロットルセンサ14a、吸気圧センサ16、更にはエンジンオイルの温度(油温)を検出する油温センサ36等の出力信号は、電子制御装置(以下、ECU38)に入力される。ECU38は、周知のCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されている。ECU38は、上記各センサからの入力信号に基づき、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することで、スタータ32等による始動制御や、燃料噴射弁19による燃料噴射制御、更には点火プラグ22による点火制御等を行う。
上記始動制御は、クランキングの開始に伴い行程判別を行うとともに、燃料噴射制御及び点火制御によって燃焼室18内の混合気の燃焼を開始させるための制御である。ここで行程判別とは、ピストン24が規定位置(例えば、吸気行程における下死点)となる時のクランク回転角度を基準(0°CA)とした場合に、エンジン10の1燃焼サイクル(720°CA)に対する現在のクランク回転角度を把握したり、クランク回転角度に対応する各行程(吸気・圧縮・膨張・排気)を把握したりすることである。詳しくはまず、クランク信号に基づき、クランキングが開始されてから欠け歯部が最初に検出されるタイミング付近の吸気圧と、欠け歯部が次に検出されるタイミング付近の吸気圧とを吸気圧センサ16によって検出する。そして、これら検出された吸気圧のうち、低い方が検出されたタイミングを吸気行程として判別し、高い方が検出されたタイミングを膨張行程として判別する。これにより、行程判別を行うことが可能となる。
また、上記燃料噴射制御は、スロットルセンサ14aの出力値から算出されるスロットル開度に基づき、エンジン回転速度及び吸気圧と関係付けられた基本噴射量が規定されるマップ(DJマップ)と、エンジン回転速度及びスロットル開度と関係付けられた基本噴射量が規定されるマップ(αNマップ)とのうちいずれかを選択して用いて基本噴射量を算出し、算出された基本噴射量に基づき燃料噴射弁19から燃料噴射させるための制御である。具体的には例えば、スロットル開度が規定開度以下となる場合、DJマップを選択して用い、スロットル開度が上記規定開度を上回る場合には、αNマップを選択して用いる。ここでDJマップとαNマップとを使い分けるのは、燃焼室18に供給される吸気量に対する基本噴射量の算出精度を向上させるためである。つまり、本実施形態では、吸気量を直接検出するセンサ(例えばエアフローメータ)が備えられていないため、基本噴射量を、吸気圧又はスロットル開度と、エンジン回転速度とに基づき定められる吸気量に応じて算出することとしている。ここでスロットル開度が小さい領域においては、スロットル開度の変化量に対する吸気量の変化量よりも、吸気圧の変化量に対する吸気量の変化量が大きくなるため、吸気圧及びエンジン回転速度に基づく吸気量の算出精度が、スロットル開度及びエンジン回転速度に基づく吸気量の算出精度よりも高くなる。一方、スロットル開度が大きい領域においては、吸気圧の変化量に対する吸気量の変化量よりも、スロットル開度の変化量に対する吸気量の変化量の方が大きいため、スロットル開度及びエンジン回転速度に基づく吸気量の算出精度が、吸気圧及びエンジン回転速度に基づく吸気量の算出精度よりも高くなる。このため、上記態様にて規定されたDJマップとαNマップとをスロットル開度に応じて使い分けることで、吸気量に対する基本噴射量の算出精度を向上させることが可能となる。
ところで、クランキング時において、クランク軸26を正回転させる方向にスタータ32からクランク軸26に付与される初期回転力が不足したり、クランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなったりする状況下、上記始動制御によってピストン24が圧縮上死点に到達する前に混合気の燃焼が開始される場合、クランク軸26が逆回転する現象であるいわゆるケッチンが発生することがある。この場合、クランク軸26とスタータ32との間の動力伝達経路に大きな力が作用することに起因して、動力伝達経路上に備えられるスタータ32等の車載機器の信頼性が低下するなどの不都合が生じるおそれがある。ここでケッチンの発生による不都合を回避する手法としては例えば、クランク軸26の回転方向を検出可能なセンサ(例えばロータリエンコーダ)を備え、このセンサの出力値に基づきクランク軸26が逆回転したと判断される場合、点火プラグ22による点火を禁止することも考えられる。しかしながら、上記手法を採用する場合には、部品数の増大によって車両の重量やコストが増大するおそれがある。特に、部品数の低減によって車両の重量やコストの増大を抑制するとの設計コンセプトを採用する車両においては、クランク軸26の回転方向を検出可能なセンサを設けることは困難となる。
こうした問題を解決すべく、本実施形態では、クランキング時においてケッチンが発生する確率であるケッチン発生率に影響を及ぼす複数のパラメータの値を説明変数としたロジスティック回帰方程式に基づきケッチン発生率を目的変数として予測し、予測されたケッチン発生率に基づき点火制御処理を変更する処理(ケッチン発生回避処理)を行う。これにより、ケッチンの発生の回避を図る。以下、図2〜図4を用いて、ケッチン発生回避処理のうちケッチン発生率の予測手法について詳述する。
図2に、ケッチンの発生に影響を及ぼすと考えられる上記パラメータ(因子)を列記した特性要因図を示す。
図示されるように、本発明者はまず、ロジスティック回帰方程式で説明変数として用いる上記パラメータを決定すべく、ケッチンの発生に影響を及ぼすと考えられるパラメータを列記した特性要因図を作成した。そして、ケッチン発生率を予測するためのロジスティック回帰方程式で使用する複数のパラメータとして、特性要因図で列記されたパラメータの中から以下(A)〜(D)のパラメータを説明変数として選択することとした。
(A)エンジン回転速度NE:エンジン回転速度NEが低いほど、クランク軸26の回転エネルギが小さくなる。ここでクランキングが行われる状況下において、ピストン24が圧縮上死点に到達する前に燃焼室18で混合気の燃焼が開始される場合、エンジン回転速度NEが低いほど、クランク軸26を正回転させる方向の上記回転エネルギが、燃焼に伴い発生するエネルギのうちクランク軸26を逆回転させる方向のエネルギよりも小さくなりやすくなり、ケッチン発生率が高くなる。このため、エンジン回転速度NEは、ケッチン発生率に大きく影響を及ぼすパラメータとなる。
(B)スロットル開度VTA:スロットル開度VTAが大きくなるほど、燃焼室18に供給される吸気量が多くなる。そして吸気量が多くなるほど、燃焼室18で混合気が圧縮されることに伴いクランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなる。ここでクランキングが行われる状況下において、ピストン24が圧縮上死点に到達する前に燃焼室18で混合気の燃焼が開始される場合、スロットル開度が大きいほど、吸気量が多くなり、クランキングによってクランク軸26に作用するクランク軸26を正回転させる方向の回転力よりも、クランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなりやすくなり、ケッチン発生率が高くなる。このため、スロットル開度VTAは、ケッチン発生率に大きく影響を及ぼすパラメータとなる。
なお本実施形態において、吸気量と相関を有するパラメータとして吸気圧ではなくスロットル開度VTAを用いているのは、本発明者の実施した実験等から、ケッチン発生率とスロットル開度との相関がケッチン発生率と吸気圧との相関よりも高くなるとの知見が得られたことによるものである。つまり、ケッチンが発生しやすい状況である吸気量が多くなる状況は、上述したαNマップが選択される状況であり、スロットル開度と吸気量との相関が吸気圧と吸気量との相関よりも高くなる状況となる。
(C)油温THO:油温THOが低いほど、エンジンオイルの粘度が高くなり、クランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなる。ここでクランキングが行われる状況下において、ピストン24が圧縮上死点に到達する前に燃焼室18で混合気の燃焼が開始される場合、油温THOが低いほど、クランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなることで、ケッチン発生率が高くなる。このため、油温THOは、ケッチン発生率に大きな影響を及ぼすパラメータとなる。
(D)圧縮比Rc:圧縮比Rcが高いほど、燃焼室18での混合気の圧縮に伴いクランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなる。ここでクランキングが行われる状況下において、ピストン24が圧縮上死点に到達する前に燃焼室18で混合気の燃焼が開始される場合、圧縮比Rcが高いほど、クランク軸26に作用するクランク軸26の正回転を妨げる方向の回転力が大きくなることで、ケッチン発生率が高くなる。このため、圧縮比Rcは、ケッチン発生率に大きな影響を及ぼすパラメータとなる。
図2に示した特性要因図に列記されたパラメータの中から上記(A)〜(D)のパラメータを選択したのは、ロジスティック回帰方程式に基づくケッチン発生率の予測精度を表すパラメータである自由度二重調整寄与率が規定値(例えば0.7)以上であること及び自由度二重調整寄与率が最大となるように説明変数として用いる複数のパラメータを選択することを条件としたことによるものである。詳しくは、上記(A)〜(D)のパラメータを説明変数としたケッチン発生率Pを予測するためのロジスティック回帰方程式は、下式(1)によって表される。
In{P/(1−P)}=β0+β1×X1+β2×X2+β3×X3+β4×X4…(1)
上式(1)において、X1はエンジン回転速度NEを示し、X2はスロットル開度VTAを示し、X3は油温THOを示し、X4は圧縮比Rcを示す。また、β0は、上記回帰方程式の切片を示し、β1〜β4はそれぞれ、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTA、油温THO、圧縮比Rcについての偏回帰係数を示す。ここで上式(1)を変形すると、ケッチン発生率Pを下式(2)によって予測することが可能となる。
P=1/[1+exp{―(β0+β1×X1+β2×X2+β3×X3+β4×X4)}]…(2)
上式(2)における切片β0と、上記偏回帰係数β1〜β4とは、実機試験によって適合される。詳しくはまず、上記(A)〜(D)のパラメータの水準を車両の実際の使用状態で想定される範囲内で割り振ることで、ケッチン発生率Pを測定するための試験条件を設定する。具体的には、図3に示すように、エンジン回転速度NEとして、クランキング時に想定されるエンジン回転速度NEの上下限値である100rpm,700rpmの2水準を設定し、スロットル開度VTAとして、スロットル開度の最大値及び最小値の2水準を設定し、油温THOとして、低温環境下において想定される油温(−30℃)及びエンジン10の暖機状態において想定される油温(80℃)の2水準を設定する。また、圧縮比Rcとして、エンジン10のシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に設けられるガスケットの厚さの変更によって燃焼室18の容積を変化させることで、大小2水準を設定する。そして、測定回数の増大を抑制すべく、実験計画法に従い上記(A)〜(D)のパラメータの各水準を組み合わせることで試験条件を決定する。詳しくは、直交表を用いてこれらパラメータの各水準を組み合わせることで試験条件を決定する。
次に、決定された試験条件に従った上記パラメータの各水準の組み合わせのそれぞれについて複数回(20回)の実験を行い、実際にケッチンが発生した回数を上記複数回で除算した値をケッチン発生率Pとして算出する。そして、上記試験条件に従った上記パラメータの各水準の組み合わせに対するケッチン発生率Pの算出値に基づき、上記切片β0及び偏回帰係数β1〜β4を算出する。本実施形態では、切片β0は−7.845となり、エンジン回転速度NEについての偏回帰係数β1は−0.006となり、スロットル開度VTAについての偏回帰係数β2は0.017となり、油温THOについての偏回帰係数β3は−0.028となり、圧縮比Rcについての偏回帰係数β4は0.819となった。
ここで、これら偏回帰係数β1〜β4がケッチン発生率Pの予測精度に及ぼす影響について検証する。詳しくは、エンジン回転速度NEについての偏回帰係数β1の符号が負となることから、上式(2)においてエンジン回転速度NEが低いほどケッチン発生率Pの予測値が高くなり、スロットル開度VTAについての偏回帰係数β2の符号が正となることから、上式(2)においてスロットル開度VTAが高いほどケッチン発生率Pの予測値が高くなる。また、油温THOについての偏回帰係数β3の符号が負となることから、上式(2)において油温THOが低いほどケッチン発生率Pの予測値が高くなり、圧縮比Rcについての偏回帰係数β4の符号が正となることから、上式(2)において圧縮比Rcが高いほどケッチン発生率Pの予測値が高くなる。すなわち、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTA、油温THO及び圧縮比Rcのそれぞれの変化によってケッチン発生率Pが変化する上述した傾向が反映されている。そして、算出された切片β0及び偏回帰係数β1〜β4を上式(2)に代入することにより決定されたロジスティック回帰方程式について、この回帰方程式に基づくケッチン発生率Pの予測精度を表す自由度二重調整寄与率Rad^2が0.7以上となって且つ最大となる結果が得られた(図4参照)。したがって、上式(2)で表されるロジスティック回帰方程式を用いることで、ケッチン発生率Pを適切に予測することが可能となる。
なお、ケッチン発生率Pの予測精度を表すパラメータとして自由度二重調整寄与率Rad^2を用いるのは、上記予測精度を向上させるべく説明変数として用いるパラメータを適切に選択するためである。つまり、自由度二重調整寄与率Rad^2に代えて寄与率R^2を用いる場合、ケッチン発生率Pと相関が低いパラメータを説明変数として選択するときであっても、説明変数の数が増大するほど寄与率R^2が増大することとなり(図4中、△で表記)、ケッチン発生率Pの予測精度を適切に検証することができなくなるおそれがある。これに対し、自由度二重調整寄与率Rad^2を用いる場合には、ケッチン発生率Pと相関の低いパラメータを説明変数として選択すると、自由度二重調整寄与率Rad^2が減少することとなり、ケッチン発生率Pの予測精度を向上させるためのパラメータを適切に選択することが可能となる。また、実機試験によって適合される上記切片β0及び偏回帰係数β1〜β4は、車両の仕様毎に異なる値になると考えられる。このため、上記切片β0及び偏回帰係数β1〜β4は、車両の仕様毎に適合されることが望ましい。
図5に、本実施形態にかかるケッチン発生回避処理の手順を示す。この処理は、ECU38によって、例えば所定周期で繰り返し実行される。なお本実施形態では、ECU38の不揮発性メモリに、上式(2)で表されるロジスティック回帰方程式の切片β0、偏回帰係数β1〜β4及び説明変数X4としてのエンジン10の仕様から定まる所定の圧縮比(固定値)が予め記憶されている。また、ECU38の起動直後、説明変数X4に上記所定の圧縮比が格納される。
この一連の処理では、ステップS10において、圧縮上死点となるタイミングを基準とした1燃焼サイクル(720°CA)の間に、上式(2)で表されるロジスティック回帰方程式の各説明変数X1〜X3として用いるエンジン回転速度NE、スロットル開度VTA及び油温THOの検出値を取得する処理を行う。詳しくは、説明変数X1の値として、クランク角度センサ34の出力値から算出されるエンジン回転速度NEの検出値を取得する。本実施形態では、エンジン回転速度NEの検出値として、行程判別が完了していないと判断された場合には、上死点直前となるタイミング毎(360°CA毎)のエンジン回転速度NEの検出値を取得し、行程判別が完了していると判断された場合には、圧縮上死点直前となるタイミング毎(720°CA)のエンジン回転速度NEの検出値を取得する。これは、ケッチン発生率Pの予測精度を向上させるためである。つまり、ケッチンは、圧縮上死点直前に燃焼が開始されることに起因して発生するため、圧縮上死点直前におけるエンジン回転速度NEは、ケッチン発生率を的確に予測するためのパラメータとなる。なお、行程判別が完了していない場合において、上死点直前となるタイミングは、クランク信号に基づき、欠け歯部が最初に検出されてからクランク軸26が所定角度回転したタイミングとして把握すればよい。
一方、説明変数X2の値として、スロットル開度VTAの検出値を取得する。本実施形態では、スロットル開度VTAの検出値として、行程判別が完了していないと判断された場合には、吸気行程及び膨張行程であると想定される期間内の所定のタイミング毎(360°CA毎)のスロットル開度VTAの検出値を取得し、行程判別が完了していると判断された場合には、吸気バルブ20の開弁期間内の所定のタイミング毎(720°CA毎)のスロットル開度VTAの検出値を取得する。これは、上記ステップS10と同様に、ケッチン発生率Pの予測精度を向上させるためである。つまり、燃焼室18に実際に吸気が供給される期間である吸気バルブ20の開弁期間におけるスロットル開度VTAは、吸気量と高い相関を有する。なお、行程判別が完了していないと判断された場合において、吸気行程及び膨張行程であると想定される期間内の所定のタイミングは、クランク信号に基づき、欠け歯部が最初に検出されてからクランク軸26が所定角度回転したタイミングとして把握すればよい。
他方、説明変数X3として、油温センサ36の出力値から算出される油温THOの検出値を取得する。本実施形態では、油温THOのサンプリングが所定時間(例えば100msec)毎に実施されるため、直近に検出された油温THOを説明変数X3として用いる。なお、エンジン回転速度NEやスロットル開度VTAと異なり、油温THOは短時間に変化しない。このため、上記直近に検出された油温THOを説明変数X3として用いる場合であっても、ケッチン発生率の予測精度に及ぼす影響は小さいと考えられる。
続くステップS12では、複数の説明変数X1〜X4を入力として上記ロジスティック回帰方程式に基づきケッチン発生率Pを予測する。本実施形態では、行程判別が完了していないと判断された場合には、上死点となるタイミング毎(360°CA毎)にケッチン発生率Pを予測し、行程判別が完了したと判断された場合には、圧縮上死点直前となるタイミング毎(720°CA毎)にケッチン発生率Pを予測する。これにより、例えばケッチン発生率Pを都度予測することに伴うECU38の演算負荷の増大を抑制しつつ、ケッチン発生率Pと高い相関を有する圧縮上死点直前のエンジン回転速度NEを用いてケッチン発生率Pを予測することが可能となる。
ステップS12の処理の完了後、ステップS14において、予測されたケッチン発生率Pが第1の閾値PK1(>0)以上であるか否かを判断する。この処理は、現在の状況が、ケッチンが発生するおそれのある状況であるか否かを判断するための処理である。ここで上記第1の閾値PK1は、ケッチンが発生するおそれのないことを判別可能な値として予め実験等に基づき適合すればよい。
ステップS14においてケッチン発生率Pが第1の閾値PK1未満であると判断された場合には、ケッチンが発生するおそれがないと判断し、ステップS16において通常の点火制御処理を行う。
一方、上記ステップS14においてケッチン発生率Pが第1の閾値PK1以上であると判断された場合には、ケッチンが発生するおそれがあると判断し、ステップS18においてケッチン発生率Pが第1の閾値PK1よりも高い値として設定される第2の閾値PK2以上であるか否かを判断する。この処理は、現在の状況が、ケッチンが発生するおそれの度合いが大きい状況であるか否かを判断するための処理である。ここで上記第2の閾値PK2は、ケッチンが発生するおそれの度合いが大きい状況を判別可能な値として予め実験等に基づき適合すればよい。
ステップS18においてケッチン発生率Pが第2の閾値PK2未満であると判断された場合には、ステップS20に進み、点火タイミングを遅角する処理を行う。本実施形態では、上記遅角する処理として、行程判別が完了していないと判断された場合には、点火タイミングを上死点以降に設定する処理を行い、行程判別が完了したと判断された場合には、点火タイミングを圧縮上死点以降に設定する処理であるATDC点火処理を行う。この処理は、ケッチンの発生を適切に回避するとともに、エンジン10の始動性の低下を抑制するための処理である。つまり、点火タイミングを圧縮上死点以降に設定すると、混合気の燃焼に伴い発生するエネルギをクランク軸26を正回転させる方向のエネルギとして適切に用いることが可能となる。そしてATDC点火処理をケッチンが発生するおそれのある状況に限って行うことで、エンジン10の始動性の低下を抑制することが可能となる。
なお、上記ATDC点火処理によって点火タイミングを過度に遅角させないことが望ましい。これは、点火タイミングが過度に遅角されることで混合気の燃焼を適切に開始することができなくなるおそれがあるためである。
一方、上記ステップS18においてケッチン発生率Pが第2の閾値PK2以上であると判断された場合には、ステップS22に進み、点火プラグ22による点火を禁止する処理(点火禁止処理)を行う。この処理は、ケッチンの発生を回避するための処理である。つまり、点火プラグ22の点火を禁止すると、混合気の燃焼が行われず、混合気の燃焼に伴いクランク軸26に作用するクランク軸26を逆回転させる方向の回転力を大きく低下させることが可能となる。
なお、ステップS16、S20、S22の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
図6に、本実施形態にかかるケッチン発生回避処理の一例を示す。
まず、行程判別が完了していない場合におけるケッチン発生回避処理について説明する。詳しくは、図6(a−1)に吸気圧の推移を示し、図6(b−1)にクランク信号の推移を示し、図6(c−1)にイグニッションスイッチの操作状態の推移を示し、図6(d−1)に圧縮比Rcの取得タイミングの推移を示し、図6(e−1)に油温THOの検出タイミングの推移を示し、図6(f−1)にスロットル開度VTAの検出タイミングの推移を示し、図6(g−1)にエンジン回転速度NEの検出タイミングの推移を示し、図6(h−1)にケッチン発生率Pの算出タイミングの推移を示す。なお、クランク信号付近に付された番号は、欠け歯部が最初に検出された後、最初に検出されるクランク信号の立ち下がりエッジを基準(0番)として、クランク信号の立ち下がりエッジ毎にカウントした値である。
図示されるように、行程判別が完了していない場合、吸気行程であると想定される期間内の所定のタイミング(時刻t2)又は膨張行程であると想定される期間内の所定のタイミング(時刻t5)にスロットル開度VTAが検出され、上死点直前となるタイミング(時刻t1,t4)においてエンジン回転速度NEが検出される。すなわち、スロットル開度VTA及びエンジン回転速度NEは、360°CA毎に検出される。ここで上死点直前となるタイミング(時刻t1,t4)においてケッチン発生率Pが予測され、予測されたケッチン発生率Pに基づき、通常の点火制御処理、ATDC点火処理及び点火禁止処理のうちいずれを実行するかが決定される。
次に、行程判別が完了した場合におけるケッチン発生回避処理について説明する。なお、図6(a−2)〜図6(h−2)は、図6(a−1)〜図6(h−1)に対応している。
図示されるように、行程判別が完了した場合には、吸気バルブ20の開弁期間内の所定のタイミング(時刻t1)においてスロットル開度VTAが検出され、圧縮上死点直前となるタイミング(時刻t2)においてエンジン回転速度NEが検出される。すなわち、スロットル開度VTA及びエンジン回転速度NEは、720°CA毎に検出される。ここで圧縮上死点直前となるタイミング(時刻t2)においてケッチン発生率Pが予測され、予測されたケッチン発生率Pに基づき、通常の点火制御処理、ATDC点火処理及び点火禁止処理のうちいずれを実行するかが決定される。
このように、本実施形態では、ロジスティック回帰方程式に基づきケッチン発生率Pを予測し、予測されたケッチン発生率Pに基づき点火制御処理を変更するケッチン発生回避処理を行うことで、エンジン10の始動時におけるケッチンの発生を好適に回避するとともに、エンジン10の始動性の低下を好適に抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)ロジスティック回帰方程式に基づくケッチン発生率Pの予測精度を表すパラメータである自由度二重調整寄与率が規定値以上であること及び自由度二重調整寄与率が最大となるように説明変数として用いる複数のパラメータを選択することを条件として、実機試験によって上式(2)で表されるロジスティック回帰方程式を設定した。そして、上記ロジスティック回帰方程式を用いてケッチン発生率Pを予測した。これにより、ケッチンの発生を検出するためのセンサ等を備えることなくケッチンが発生するおそれのある状況を適切に把握することができ、ひいては部品数や車両重量の増大を好適に抑制したり、ケッチンが発生するおそれのある状況を制御ロジックの変更のみで把握したりすることができる。更に、ケッチン発生率Pについてロジスティック回帰方程式を用いてモデル化するため、ケッチン発生率Pの予測に用いる回帰方程式を決定するための作業工数を低減することなどもできる。
(2)ケッチン発生率Pを予測するために用いるエンジン回転速度NEとして、圧縮上死点直前(又は上死点直前)のタイミングで検出されるエンジン回転速度NEを用いた。これにより、ケッチン発生率Pの予測精度を好適に向上させることができる。
(3)予測されたケッチン発生率Pが第1の閾値PK1以上であって且つ第2の閾値PK2未満であると判断された場合、ATDC点火処理を行った。これにより、ケッチンの発生を好適に回避するとともに、エンジン10の始動性の低下を好適に抑制することができる。
(4)予測されたケッチン発生率Pが第2の閾値PK2以上であると判断された場合、点火禁止処理を行った。これにより、ケッチンの発生を好適に回避することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態において、上式(1)の右辺にエンジン回転速度NE、スロットル開度VTA、油温THO及び圧縮比Rcについての交互作用項を加えてもよい。具体的には例えば、エンジン回転速度NEの低下度合いに対するケッチン発生率Pの上昇度合いが、スロットル開度VTAが大きいほど高くなるならば、エンジン回転速度NE及びスロットル開度VTAについての交互作用項「β5×X1×X2(β5:偏回帰係数)」を加えればよい。また例えば、エンジン回転速度の低下度合いに対するケッチン発生率Pの上昇度合いが、油温THOが低いほど高くなるならば、エンジン回転速度NE及び油温THOについての交互作用項「β6×X1×X3(β6:偏回帰係数)」を加えればよい。
・上記実施形態において、圧縮比についての偏回帰係数と説明変数との乗算値「β4×X4」を切片β0に含めてもよい。
・ロジスティック回帰方程式で用いる説明変数としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、吸気量と相関を有するパラメータであるスロットル開度に代えて、吸気圧を用いてもよい。また例えば、燃焼室18に供給される吸気量を直接検出する吸気量検出手段(例えば、吸気通路12上に設けられるエアフローメータ)を備え、スロットル開度VTAに代えて吸気量検出手段によって検出された吸気量を用いてもよい。具体的には、吸気バルブ20の開弁期間における吸気量の検出値の積分演算値や、上記開弁期間の所定タイミング(吸気量の検出値が最大となるタイミング)における吸気量の検出値を用いればよい。
・上記実施形態において、燃焼室18に供給される吸気温を検出する吸気温センサを備え、上記ロジスティック回帰方程式の説明変数として吸気温を追加してもよい。これは、吸気温が高くなると、空気密度が低下することで吸気量が減少し、ケッチン発生率Pが低下することに基づくものである。この場合、吸気温についての偏回帰係数の符号は負になると考えられる。
・上記実施形態では、予測されたケッチン発生率Pに応じて、ATDC点火処理又は点火禁止処理のいずれかを使い分ける制御ロジックとしたがこれに限らない。例えば、予測されたケッチン発生率Pが所定の閾値以上になると判断された場合、ATDC点火処理又は点火禁止処理のうちいずれか一方のみを行う制御ロジックとしてもよい。
・上記実施形態では、所定時間毎に油温THOを検出したがこれに限らず、例えば、エンジン回転速度NEの検出タイミングと同様に、圧縮上死点直前のタイミング毎に検出するようにしてもよい。
・上記実施形態では、自由度二重調整寄与率Rad^2が最大となるようにケッチン発生率に影響を及ぼす複数のパラメータを選択したがこれに限らない。例えば、自由度二重調整寄与率Rad^2が規定値(0.7)以上となるならば、自由度二重調整寄与率Rad^2が最大になるとの条件を除いて上記パラメータを選択してもよい。
・上記実施形態では、ロジスティック回帰方程式の切片及び偏回帰係数を、予め実験により適合された値(固定値)としたがこれに限らない。例えば、実際にエンジン10が使用される状況下において、エンジン回転速度NE等の各説明変数の値に対応するケッチンの発生の有無に関する情報を記憶させる手段(ECU38の不揮発性メモリ)と、記憶された上記各説明変数の値に対応するケッチンの発生の有無に関する情報に基づき、ケッチン発生率Pを算出する手段とを備え、算出されたケッチン発生率Pに基づき上記偏回帰係数等を更新する処理を行ってもよい。これにより、エンジン10の経年劣化等の影響を加味することでケッチン発生率Pの予測精度を維持することなどが期待できる。
なおこの場合、圧縮比についての説明変数を含めない構成とすることが望ましい。こうした構成によれば、車両の仕様毎に圧縮比の影響を適切に反映した切片β0が自動的に算出されることとなる。
・重回帰方程式に基づくケッチン発生率Pの予測手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、複数の説明変数のN(N:正の整数)次多項式として表される重回帰方程式によってケッチン発生率Pを予測することが可能ならば、上記重回帰方程式に基づきケッチン発生率Pを予測してもよい。ただしこの場合、ケッチン発生率Pを算出するための演算式が過度に複雑となることでECU38の演算負荷が過度に増大しないように重回帰方程式を決定するのが望ましい。また例えば、回帰方程式を用いたケッチン発生率Pの予測に代えて、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTA及び油温THOを入力として、エンジン回転速度NE、スロットル開度VTA及び油温THOと関係付けられたケッチン発生率Pが規定されたマップを用いてケッチン発生率Pを予測してもよい。この場合、予め実機試験等によって得られるケッチン発生率P等の情報を重回帰分析して得られる重回帰方程式に基づき上記マップを作成すればよい。
・重回帰方程式に基づき予測される内燃機関の動作に関する異常発生率としては、ケッチン発生率に限らない。例えば、ノッキングが発生する確率(ノッキング発生率)としてもよい。この場合、説明変数として、燃料性状(例えば、アルコール濃度や燃料のオクタン価)や、吸気量、吸気温、冷却水温、更には圧縮比を用いればよい。詳しくは、アルコールと石油との混合割合が任意の燃料が使用されるエンジンにおいては、アルコール濃度が低いほど、燃料の燃焼に伴う熱発生量が多くなることに起因してノッキング発生率が高くなる。また、圧縮比が高かったり、吸気量が多かったりするほど、燃焼室18での圧縮による混合気の温度の上昇度合いが大きくなることに起因してノッキング発生率が高くなる。更に、吸気温や水温が高いほど、燃焼室18内の温度が高くなることに起因してノッキング発生率が高くなる。このため、上記各パラメータは、ノッキング発生率に影響を及ぼすパラメータとなる。
ここで、予測されたノッキング発生率に基づき、内燃機関の燃焼状態を制御するためのアクチュエータの操作状態を変更する処理としては、例えば点火プラグ22の点火タイミングを遅角補正する処理とすればよい。具体的には、予測されたノッキング発生率が所定の閾値以上になると判断された場合、点火タイミングを所定角度遅角させる処理を行えばよい。これにより、例えば燃焼室18内の圧力(筒内圧)を検出する筒内圧センサやノックセンサ等、ノッキングを検出する手段を備えることなく、ノッキングが発生するおそれのある状況を把握することができ、ノッキングを回避することができる。
また、上記異常発生率を、失火が発生する確率(失火発生率)としてもよい。この場合、説明変数として、圧縮比、点火タイミングについての情報、混合気の空燃比などを用いればよい。具体的には、圧縮比が高いほど、点火タイミングにおける筒内圧が高くなり、失火発生率が高くなる。これは、筒内圧が高いほど、点火プラグ22の電極間に放電火花を発生させるために要求される上記電極間に印加される電圧(要求電圧)が高くなるため、筒内圧が高いほど、要求電圧が印加電圧を超えるおそれが大きくなり、失火発生率が高くなる。また、上記点火タイミングの情報として、機関運転状態毎に予め適合された燃焼状態を良好なものとする点火タイミング(基準タイミング)と実際の点火タイミングとの偏差を用いればよい。これは、上記偏差が大きくなるほど失火発生率が高くなることに鑑みたものである。また、混合気の空燃比が過度にリッチ側又はリーン側になる等、混合気の空燃比と基準となる空燃比(例えば理論空燃比)とのずれが大きくなるほど、失火発生率が高くなる。したがって、上記各パラメータは、失火発生率に影響を及ぼすパラメータになると考えられる。
ここで、予測された失火発生率に基づき、内燃機関の燃焼状態を制御するためのアクチュエータの操作状態を変更する処理としては、例えば点火プラグ22の点火タイミングや燃料噴射弁19からの燃料噴射量を補正する処理とすればよい。これにより、例えば失火を検出するセンサ(例えば筒内圧センサ)を備えることなく、失火が発生するおそれのある状況を把握することができ、失火を回避することができる。
なお、説明変数にエンジン回転速度を加えることで失火発生率を推定してもよい。具体的には、エンジン回転速度についての情報として、膨張行程の開始タイミングのエンジン回転速度から膨張行程の終了タイミングのエンジン回転速度を減算した値(回転速度差)を用いればよい。つまり、失火が発生すると、混合気の燃焼によってクランク軸26に回転力が付与されないことから、膨張行程の開始タイミングのエンジン回転速度と比較して膨張行程の終了タイミングのエンジン回転速度が低くなると考えられる。このため、上記回転速度差が負の値となる場合、失火が発生している蓋然性が高いと考えられ、上記回転速度差が正の値となる場合には、失火が発生している蓋然性が低いと考えられる。したがって、上記回転速度差は、失火発生率に影響を及ぼすパラメータとなる。このため、上記回転速度差に加えて、点火タイミングについての情報や、混合気の空燃比を用いることで、失火発生率の推定精度を向上させることが期待できる。
また、エンジン10の動作状態の推定対象としては、失火発生率に限らない。例えば、1燃焼サイクル(720°CA)のうち、ロータ26aの欠け歯部によって分割される期間の一方を表行程(例えば、排気行程及び吸気行程)とし、他方を裏行程(例えば、圧縮行程及び膨張行程)として定義し、現在の行程が表行程である確率(表行程率)を推定してもよい。この場合、説明変数として、吸気圧、バッテリ電圧及びエンジン回転速度についての情報等を用いればよい。具体的には例えば、吸気圧についての情報として、クランキングが開始されてから最初の欠け歯部が検出されるタイミングの吸気圧を用いればよい。つまり、欠け歯部が検出されるタイミングは、吸気行程から圧縮行程へと移行する期間内又は膨張行程から排気行程へと移行する期間内となり、吸気行程から圧縮行程へと移行する期間内の吸気圧は通常、膨張行程から排気行程へと移行する期間の吸気圧よりも低くなる。このため、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングの吸気圧が低いほど、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングが吸気行程から圧縮行程へと移行する期間内である確率が高くなる。したがって、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングの吸気圧は、表行程率に影響を及ぼすパラメータとなる。また、バッテリ電圧についての情報として、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングから所定期間内のバッテリ電圧の変動量を用いればよい。つまり、クランキング時の圧縮行程において燃焼室18での圧縮に伴いクランク軸に作用する回転力が増大することに起因して、圧縮行程におけるバッテリ電圧の変動量は通常、他の行程におけるバッテリ電圧の変動量よりも大きくなる。このため、バッテリ電圧の変動量が大きいほど、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングが圧縮行程である確率が高くなる。したがって、バッテリ電圧の変動量は、表行程率に影響を及ぼすパラメータとなる。更に、エンジン回転速度についての情報として、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングから所定期間内のエンジン回転速度の変動量を用いればよい。つまり、クランキング時の圧縮行程において燃焼室18での圧縮に伴いクランク軸に作用する回転力が増大することに起因して、圧縮行程におけるエンジン回転速度の変動量は通常、他の行程におけるエンジン回転速度の変動量よりも小さくなる。このため、エンジン回転速度の変動量が小さいほど、上記最初の欠け歯部が検出されるタイミングが圧縮行程である確率が高くなる。したがって、エンジン回転速度の変動量は、表行程率に影響を及ぼすパラメータとなる。
ここで、推定された表行程率に基づき行程判別を行えばよい。具体的には、クランキングが開始されてから欠け歯部が最初に検出されたことと、予測された表行程率とに基づき行程判別を行えばよい。予測された表行程率に基づく行程判別によれば、例えば上記実施形態で示した行程判別よりも早期に行程判別を完了することができ、その後のエンジン10の始動制御や燃焼制御等を早期に実行することなどが期待できる。
・エンジン10を始動させる手法としては、上記実施形態に例示したもの(スタータ式の始動手法)に限らない。例えば、クランク軸26と機械的に連結されて且つクランク軸26に初期回転を付与すべくユーザによって操作されるキックペダルを備え、キックペダルの操作によってエンジン10を始動させるキック式のものであってもよい。この場合、ケッチンが発生することで、キックペダルが逆転し、キックペダルがユーザに接触する等、不都合が生じるおそれがある。このため、上記ケッチン発生回避処理を行うことで、上記不都合が生じる事態の発生を回避することができる。
・本願発明が適用される内燃機関としては、空冷式のものに限らず、水冷式のものであってもよい。この場合、エンジンを冷却する冷却水の水温を検出する水温センサを備え、説明変数として油温THOに代えて、水温センサの出力値に基づく冷却水温を用いてもよい。また、内燃機関としては、単気筒のものに限らず複数の気筒を有するものであってもよく、火花点火式のものに限らず圧縮着火式のものであってもよい。
・本願発明が適用される車両としては、四輪バギーに限らない。例えば、自動二輪車(バイク)に適用してもよい。
10…エンジン、14a…スロットルセンサ、16…吸気圧センサ、18…燃焼室、22…点火プラグ、32…スタータ、34…クランク角度センサ、36…油温センサ、38…ECU(内燃機関の制御装置の一実施形態)。

Claims (8)

  1. 内燃機関の動作状態を制御するためのアクチュエータを備える内燃機関に適用され、
    前記内燃機関の動作状態に影響を及ぼす複数のパラメータの値を検出する検出手段と、
    該検出手段によって検出された複数のパラメータの値を説明変数とした重回帰方程式に基づき、前記内燃機関の動作状態を目的変数として推定する処理を行う推定手段と、
    該推定手段によって推定された前記動作状態に基づき、前記アクチュエータを操作する処理を行う操作手段とを備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の動作状態とは、該内燃機関の動作に関する異常発生率であり、
    前記推定手段は、前記推定する処理として、前記異常発生率を目的変数として予測する処理を行うものであり、
    前記操作手段は、前記予測された前記異常発生率が高いと判断された場合、前記操作する処理として、前記内燃機関の動作に関する異常を回避すべく前記アクチュエータの操作状態を変更する処理を行うことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記アクチュエータには、前記内燃機関の燃焼室内に突出する点火プラグが含まれ、
    前記複数のパラメータの値には、機関回転速度と、前記燃焼室に供給される吸気量又はこれと相関を有するパラメータの値とが含まれ、
    前記内燃機関の動作に関する異常発生率とは、ケッチン発生率であり、
    前記操作手段は、前記予測されたケッチン発生率が高いと判断された場合、前記操作状態を変更する処理として、前記点火プラグの点火タイミングを遅角する処理及び該点火プラグの点火を禁止する処理のうち少なくとも1つを行うことを特徴とする請求項2記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記操作手段は、前記予測されたケッチン発生率が高いと判断された場合、前記操作状態を変更する処理として、前記点火プラグの点火タイミングを圧縮上死点以降まで遅角する処理を行うことを特徴とする請求項3記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記検出手段は、前記内燃機関の圧縮上死点となるタイミングを基準とした1燃焼サイクルの間に、前記複数のパラメータのそれぞれを少なくとも1回検出することを特徴とする請求項3又は4記載の内燃機関の制御装置。
  6. 前記検出手段は、圧縮上死点直前における前記機関回転速度を検出することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の制御装置。
  7. 前記重回帰方程式とは、ロジスティック回帰方程式であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
  8. 前記説明変数としての前記複数のパラメータは、前記重回帰方程式に基づく前記内燃機関の動作状態の推定精度を表す自由度二重調整寄与率が最大となるように選択されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の内燃機関の制御装置。
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