JP6264272B2 - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリイグを防止するようにしたエンジンの制御装置に関するものである。
エンジンの中には、燃料として例えばエタノールのようなアルコールを含有するものを使用可能としたものがある。アルコールを含有する燃料を使用した場合、オクタン価が高いため、有効圧縮比を大きくして効率を高めることが可能である。この一方、アルコール濃度が高いほど燃料の気化性能が悪化して、冷間始動性が悪くなる。このため、特許文献1には、アルコール濃度の算出手法が開示されている。
特開2014−145327号公報
有効圧縮比を同じに設定したまま、アルコール濃度の高い燃料から性状の悪い燃料(例えばアルコール濃度の低い燃料や性状の悪いガソリンのみの燃料)へと変更されたとき、プリイグが発生しやすいものとなる。特に、エンジン停止状態からイグニッションスイッチをオンしてエンジン始動を行うときに、燃料噴射を開始する時点となる所定の低回転数域(例えば200rpm)で、自己着火のための余裕期間が長くなって、プリイグが発生しやすいものとなる。とりわけ、車両によっては、その移動によって、性状の悪い燃料しか確保できない地域で使用される場合もあり、プリイグをいかに防止するかが問題となる。
プリイグ防止のために、プリイグが発生するか否かをいかに精度よく検出するかが重要となる。特に、アルコール濃度が変化した場合等により、エンジンが同じ運転状態でもプリイグが発生したり発生しなかったりすることとなり、燃料の性状に応じていかにプリイグの発生を予測できるかが、プリイグ防止のために重要となる。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもので、その目的は、燃料の性状を加味してプリイグの発生を精度よく予測して、プリイグを効果的に回避できるようにしたエンジンの制御装置を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
燃料噴射弁から筒内に直接燃料噴射される直噴式とされると共にアルコールを含有する燃料を使用可能とされたエンジンの制御装置であって、
燃料のアルコール濃度を検出する濃度検出手段と、
ノッキングのしやすさを検出するノック学習手段と、
前記濃度検出手段により検出されたアルコール濃度と前記ノック学習手段により学習されたノック学習値との両方を用いて、燃料のオクタン価を推定するオクタン価推定手段と、
前記オクタン価推定手段により推定されたオクタン価とエンジンの運転状態とに基づき、燃料噴射開始時点でのプリイグの発生を予測するプリイグ予測手段と、
前記プリイグ予測手段がプリイグの発生を予測したときに、プリイグを回避するべく燃料噴射時期を変更する制御を行うプリイグ回避制御手段と、
を備えているようにしてある。上記解決手法によれば、アルコール濃度およびノック学習値との両方を用いて燃料のオクタン価を推定して、この推定されたオクタン価とエンジンの運転状態とに基づいて燃料噴射開始したときのプリイグの発生を予測するので、この燃料噴射開始によってプリイグが発生するか否かを精度よく予測することができる。そして、プリイグの発生が予測されたときは、プリイグ回避の制御のために燃料噴射時期の変更を行うことにより、エンジンの運転を確保しつつプリイグが防止されることになる。また、プリイグが発生するか否かを精度よく予測できるので、プリイグ回避の制御を不必要に行ってしまう事態を避ける点でも好ましいものとなる。
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、特許請求の範囲における請求項2以下に記載のとおりである。すなわち、
前記プリイグ予測手段によりプリイグの発生を予測する前記燃料噴射開始時点が、エンジン始動に際しての初爆のための燃料噴射時期とされている、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、特にエンジン始動の際の初爆時にプリイグが発生しやすいものであるが、この初爆時でのプリイグを防止することができる。
前記プリイグ予測手段は、燃料の性状とエンジンの運転状態とに基づいて前記初爆を行う際のプリイグ発生有効圧縮比限界を算出して、該算出されたプリイグ発生有効圧縮比限界と該初爆を行う際のエンジンの運転状態に基づく有効圧縮比とが近い場合に、プリイグが発生すると予測を行う、ようにしてある(請求項3対応)。この場合、プリイグ発生の予測についてより具体的な手法が提供される。特に、燃料の性状とエンジンの運転状態とに基づいて燃料噴射開始する際のプリイグ発生有効圧縮比限界を算出して、この算出されたプリイグ発生有効圧縮比限界に対して実際の有効圧縮比を比較することにより、プリイグが発生するか否かを予測するので、予測精度が極めて精度のよいものとなる。
本発明によれば、燃料の性状を加味してプリイグの発生を精度よく予測して、プリイグ防止を効果的に行うことができる。
本発明が適用されたエンジンの一例を示す断面図。 プリイグ回避の制御例を示すタイムチャート。 本発明の制御系統例を示す図。 アルコール濃度とノック学習値とからオクタン価を決定するマップを示す図。 プリイグを回避するための制御例を示すフローチャート。 プリイグの発生を予測するための制御例を示すフローチャート。
図1に示すエンジンEは、自動車用の多気筒(実施形態では直列4気筒)エンジンとされている。図1中、1はシリンダブロック、2はシリンダヘッド、3はシリンダヘッドカバーである。シリンダブロック1内にはピストン4が摺動自在に嵌合されて、このピストン4の上方空間が燃焼室5とされている。
燃焼室5には、吸気ポート6が開口されると共に、排気ポート7が開口されている。吸気ポート6は吸気弁8により開閉され、排気ポート7は排気弁9により開閉される。吸気ポート6には、吸気通路10が接続されている。また、排気ポート7には、排気通路11が接続されている。
排気通路11には、その上流側から下流側へ順次、第1排気ガス浄化触媒12、第2排気ガス浄化触媒13が接続されている。排気通路11のうち、第1排気ガス浄化触媒12の上流側には、リニアO2センサ14が接続されている。また、排気通路11のうち、両排気ガス浄化触媒112と13との間には、ラムダO2センサ15が接続されている。
前記吸気弁8は、ロッカアーム21を介して、カムシャフト22により開閉駆動される。また、前記排気弁9は、ロッカアーム23を介して、カムシャフト24により開閉駆動される。吸気弁8用のカムシャフト22の端部には、油圧式のバルブタイミング可変機構25が設けられている。このバルブタイミング可変機構25は、特に吸気弁8の閉じタイミングを変更するようになっており、油圧を供給されないときは吸気量がもっとも大きくなる位置に固定され、供給される油圧が大きくなるにつれて吸気遅閉じとされて、吸気量が減少される。
燃焼室5に臨ませて、点火プラグ31と燃料噴射弁32とが配設されている。このように、エンジンEは、燃料噴射弁32から筒内(燃焼室5)に直接燃料噴射される直噴式で、かつ火花点火式とされたエンジンとされている。そして、エンジンEは、燃料としてアルコール(特にエタノール)を含有するガソリンが使用されることを前提として設定されており、このため、幾何学的圧縮比が大きく(例えば13〜14)されている。
図1中、Uは、マイクロコンピュータを利用して構成されたコントローラ(PCM=Powertrain Controle Module)である。このコントローラUは、後述するように、プリイグ発生の予測と、燃料噴射タイミングの変更制御とを行うようになっている。具体的には、燃料噴射は基本的に吸気行程で行うように制御しつつ、プリイグの発生を予測したときは、燃料噴射を膨張行程において行うようになっている。上記制御のために、コントローラUには、シリンダブロック1に取付けたノックセンサ35からの信号の他、後述する各種センサ等からの信号が入力されるようになっている。
ここで、燃料噴射タイミングに着目して、図2を参照しつつ、本発明による制御の概要について説明する。なお、プリイグの発生は、エンジン始動過程での当初の燃料噴射直後に生じやすいものである。具体的には、スタータモータによるクランキング回転数が、燃料圧力が十分に上昇し燃料噴射開始時点となる第1所定回転数(実施形態では200rpm)になったときに、プリイグが生じやすいものである。このため、クランキング開始から上記第1所定回転数となるまでの間に、当該第1所定回転数となったときに燃料噴射した際にプリイグが発生するか否かを予測するようにしてある。そして、プリイグが発生すると予測されたときには、燃料噴射を、吸気行程噴射ではなく、プリイグを完全に防止できる膨張行程で行うようにしてある。
以上のことを前提として、図2のt1時点で、イグニッションスイッチがオンされて、t2時点では、プリイグ発生が予測されたことから、膨張行程噴射を行うことを示すフラグが1にセットされる。クランキングにより、t3時点からエンジン回転数が上昇されて、エンジン回転数が第1所定回転数としての200rpmとなった時点で、膨張行程において燃料噴射が開始される。これにより、もっともプリイグが発生しやすい燃料噴射開始時点でのプリイグが防止される。なお、膨張行程での燃料噴射タイミングは、クランク角で例えば圧縮上死点後4度〜8度の範囲とされ、実施形態では6度とされている。すなわち、膨張行程で燃料噴射しても、ピストン4の頂面に対する燃料付着量を少なくでき、しかも極力トルクを確保するという観点から、圧縮上死点に極力近い位置が選択される。
燃料噴射によりエンジンEが自回転して、t4時点では、エンジン回転数が第2所定回転数(500rpm)まで上昇する。エンジン回転数が第2所定回転数にまで上昇したときは、もはやプリイグが発生することはないということで、膨張行程で燃料噴射を行うべきことを示すフラグが0にリセットされると共に、燃料噴射を圧縮行程で実行すべきことを示すフラグが1にセットされる。これにより、t4時点以後は、圧縮行程で燃料噴射が行われることになる。圧縮行程での燃料噴射タイミングは、クランク角で圧縮上死点前30度〜50度の範囲とされ、実施形態では40度とされている。すなわち、噴射燃料の気化熱により燃焼室5が十分に冷却され、しかも燃料の均一化にとっても好ましいタイミングでの燃料噴射とされる。
膨張行程での燃料噴射から圧縮行程での燃料噴射への移行は、噴射タイミングを徐々に圧縮行程側へと移行させるのではなく、一気に行われる(例えば圧縮上死点後6度前後での燃料噴射から、圧縮上死点前40度前後での燃料噴射へと一気に切換える)。これにより、ピストン4頂面への燃料付着量が増大されるのを防止しつつ、圧縮行程での燃料噴射へと移行することができる。
エンジン回転数がさらに上昇して、t5時点では、エンジン回転数が第3所定回転数(例えば750rpm)にまで上昇された状態とされる。このt5時点以後は、燃料噴射を圧縮行程で実行すべきことを示すフラグが0にリセットされ、この後は、通常の吸気行程での燃料噴射とされる(始動時の燃料噴射制御から、通常のアイドル時の燃料噴射制御へ移行される−アイドル回転数は例えば600〜650rpm)。
上述のように、プリイグの発生が予測されたときは、膨張行程で燃料噴射が行われて、プリイグの発生が防止されることになる。膨張行程での燃料噴射が行われた後は、極力すみやかに圧縮行程での燃料噴射に移行される。すなわち、膨張行程で燃料噴射する期間を極力短くすることにより、トルク減少や未燃燃料の排出量増大となる期間を極力短くすることができる。
膨張行程での燃料噴射と吸気行程での燃料噴射との間に、圧縮行程での燃料噴射を挟むことにより、点火前の燃焼室5を噴射燃料の気化により冷却してその後プリイグ発生のリスクが低減され、トルクも確保されることになる。これに加えて、多気筒エンジン(例えば4気筒エンジン)の場合、気筒間で燃焼順序(点火順序)が決まっているが、圧縮行程で燃料噴射することにより、上記燃焼順序に基づいて膨張行程での燃料噴射された気筒の次に燃焼が行われるべき気筒でも燃焼を行うことができる(エンジン回転数のすみやかな上昇を確保)。ちなみに、膨張行程での燃料噴射の後に、一気に吸気行程での燃料噴射へと切換えた際には、燃焼順序において次に燃焼が行われるべき気筒においては、吸気行程で燃料噴射する機会を既に失っていることから、燃焼順序ではさらにその次の気筒からしか燃焼が実行されなくなってしまい、すみやかにエンジン回転数を上昇させるという点で好ましくないものとなる。
次に、図3を参照しつつ、燃料噴射を膨張行程で行うか圧縮行程で行うかの切り分けを行うための判定制御例について説明する。まず、判定部(算出部)K1は、プリイグ発生の有効圧縮比限界を算出するものである。この判定部K1では、燃料中のアルコール濃度の推定が完了して、その推定された濃度値が入力される他、プリイグ発生の予測を行うエンジン回転数として200rpmが設定され、さらに、後述する学習された燃料のオクタン価、筒内温度、インマニ圧(吸気圧)の信号が入力される。なお、実施形態では、筒内圧力の代用として上記インマニ圧を使用している。判定部K1では、上述した各種信号に基づいて、プリイグが発生しない限界となる最大の有効圧縮比を算出する。この算出は、インマニ圧を変数とする有効圧縮比限界多項式モデルを使用して演算される。なお、この演算は、特開2012−52472号公報に記載の技術をそのまま使用することができるので、有効圧縮比限界の算出に関してこれ以上の説明は省略する。
判定部K2では、判定部K1で算出された有効圧縮比限界と、プリイグによりエンジンEが温間ロックするレベルの有効圧縮比との偏差が、プリイグ余裕度として算出される。すなわち、有効圧縮比限界−温間ロックするレベルの有効圧縮比=プリイグ余裕度として算出される。このプリイグ余裕度は、エンジン回転数が200rpmのときの有効圧縮比が、有効圧縮比限界に近いか否かの度合いを示すものとなる。
判定部K3では、上記判定部K2で判定されたプリイグ余裕度が所定のしきい値と比較されて、プリイグ余裕度が所定のしきい値よりも小さい場合に、プリイグの発生が予測される信号を判定部K5に出力する。なお、上記判定部K1〜K3の処理は、つまるところ、上述のようにして算出されたプリイグ発生有効圧縮比限界に対して、初爆を行う際のエンジンの運転状態に基づく有効圧縮比(この有効圧縮比には燃料の性状は加味されていない)が近いか否かの判定処理に相当するものである。
上記判定部K5は、AND回路であり、判定部K3でプリイグの発生が予測され、エンジン回転数が200rpm以下であり、アルコール脳濃度の学習が終了しているという3つの条件を満足すると、AND回路からなる判定部K6を「SET」するためのSET信号を出力する。なお、このSET信号は、膨張行程で燃料噴射すべき旨の信号に相当する。
判定部K6は、判定部K5からのセット信号が入力されると、AND回路からなる判定部K8に対してSET信号を出力する。一方、判定部K6は、判定部K4からのRST信号(リセット信号)が入力されると、判定部K8に対して、RST信号を出力する。この判定部K4は、エンジン回転数が所定値(200rpm)以下のエッジ信号が入力された場合、エンジン回転数が所定値B(750rpm)より大の信号が入力された場合、燃料噴射開始してからの燃料噴射回数のカウント信号が所定値以上であることの信号が入力された場合のいずれか1つの条件を満足したときに、判定部K6にRST信号を出力する。
前記判定部K8は、判定部K6からのSET信号が入力され、かつ判定部K7からのSET信号が入力された場合の両方の条件を満足したときに、燃料噴射を膨張行程で行うべき旨の要求信号を出力する。
上記判定部K7は、エンジン回転数が所定値A(500rpm)より大の信号が入力されたときに、RST信号を判定部K8に出力する。この一方、判定部K7は、エンジン回転数が所定値A(500rpm)以下の信号が入力されたときに、SET信号を判定部K8に出力する。
判定部K9は、燃料噴射を圧縮行程で行うべき旨の要求信号を出力するか否かの判定を行うものである。この判定部K9には、エンジン回転数が所定値A(500rpm)より大という信号と、判定部K6からのSET信号が入力されているときを条件として、圧縮行程での燃料噴射を要求する信号を出力する。
上述した制御により、エンジン回転数が200rpm以上かつ500rpm以下の範囲では膨張行程での燃料噴射とされ、500rpmから〜750rpm以下の範囲では圧縮行程の燃料噴射とされる。そして、エンジン回転数が750rpmを超えるか、燃料噴射回数が所定回数以上になると、圧縮行程での燃料噴射から吸気行程での燃料噴射へと切換えられる(この切換えも徐々にではなく一気に行われる)。
ここで、アルコール濃度の検出あるいは推定は、アルコール濃度センサを用いて直接的に濃度検出してもよく、これ以外に、例えば、特許文献1に示すようにリニアO2センサ14の出力に基づいて推定する等、従来既知の手法により適宜検出(推定)することができる。
また、判定部K1に入力されるオクタン価は、例えば、図4に示すアルコール濃度とノック学習値とをパラメータとするマップを利用して推定することができる。なお、ノック学習値は、ノックセンサ35を利用したノッキング防止のための制御量と基準値との偏差を学習した値である。
図3に示すようなプリイグ回避のための制御を行うためのフローチャートが、図5に示される。以下、図5について説明するが、以下の説明でQはステップを示す。まず、Q1において、燃料噴射開始時点として設定されるエンジン回転数が200rpmのときにプリイグの発生の可能性があるか否かが判別される。このQ1の判別でYESのときは、Q2において、燃料噴射開始からの燃料噴射回数が所定値(例えば2回)以下であるか否かが判別される。このQ2の判別でYESのときは、Q3において、エンジン回転数が所定回転数A(500rpm)以下であるか否かが判別される。このQ3の判別でYESのときは、Q4において、膨張行程での燃料噴射が行われる。
前記Q3の判別でNOのときは、Q5において、エンジン回転数が所定値B(750rpm)以下であるか否かが判別される。このQ5の判別でYESのときは、Q6において、圧縮行程での燃料噴射が行われる。
Q5の判別でNOのとき、Q2の判別でNOのとき、あるいはQ1の判別でNOのときは、それぞれ、Q4あるいはQ6を経ることなく、リターンされる(通常の吸気行程での燃料噴射実行となる)。
次に、図6のフローチャートを参照しつつ、プリイグが発生するか否かを予測するための制御例について説明する。まず、Q11において、ノック学習値kとアルコール濃度pとの各値が読み込まれる。次いで、Q12において、ノック学習値kとアルコール濃度pとを、図4に示すマップに照合して、オクタン価が推定される。
Q12の後、Q13において、イグニッションスイッチがオンされたか否かが判別される。このQ13の判別でYESのときは、Q14において、エンジンの運転状態と推定されたオクタン価とに基づいて、例えば200rpm時でのプリイグ発生有効圧縮比限界が算出される。この後、Q15において、例えば200rpm時での有効圧縮比が、プリイグ発生有効圧縮比限界に近いか否かが判別される。このQ15の判別でYESのときは、Q16において、プリイグ発生の可能性が大である(高い)予測される(プリイグが発生するとの予測結果となる)。また、Q15の判別でNOのときは、プリイグ発生の可能性が小である(低い)予測される(プリイグが発生しないとの予測結果となる)。勿論、Q15、Q16での予測結果は、図5におけるQ1での判定に用いられることになる。
以上実施形態について説明したが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載された範囲において適宜の変更が可能である。例えば、燃料中に含有されるアルコールとしては、エタノール以外に、メタノール等であってもよい。始動時において当初に燃料噴射開始を行うエンジン回転数(実施形態では200rpm)や、膨張行程で燃料噴射を行うときの上限のエンジン回転数(実施形態では500rpm)、さらには膨張行程での燃料噴射から圧縮行程での燃料噴射へと切換えるときのエンジン回転数(実施形態では750rpm)は、エンジンEの特性等に応じて適宜変更できる。膨張行程での燃料噴射から圧縮行程での燃料噴射への切換えとしては、エンジン回転数をパラメータとすることなく、燃料噴射開始からの燃料噴射回数のみによって行うようにしてもよい。具体的には、例えば、燃料噴射を1回(あるいは2回)行った場合に圧縮行程での燃料噴射へ切換え、圧縮行程での燃料噴射を1回(あるいは2回)行った後に吸気行程での燃料噴射へ切換えるようにすることもできる。ちなみに、通常は、1回目の燃料噴射(およびその後の燃焼)によりエンジン回転数が500rpm前後まで上昇され、2回の燃料噴射(およびその後の燃焼)でエンジン回転数を確実に500rpm以上に上昇させることができる。エンジンEの気筒数は、4気筒に限らず、3気筒、6気筒、8気筒等、適宜の気筒数とすることができる。
プリイグ回避のための制御としては、膨張行程での燃料噴射に限らず、例えば、次のような適宜の手法を採択し得る。バルブタイミング可変機構25が電動式の場合は、例えば吸気遅閉じとして、有効圧縮比を低下させるようにしてもよい。また、スロットル弁を絞ることにより吸気量を低減させたり、燃料を分割噴射する(例えば吸気行程で50%、圧縮行程で50%の燃料噴射を行う等)等、プリイグ回避の制御としては適宜の手法を採択することができる。本発明は、エンジンの制御方法として把握することもできる。勿論、本発明の目的は、明記されたものに限らず、実質的に好ましいあるいは利点として表現されたものを提供することをも暗黙的に含むものである。
本発明は、燃料の性状を加味してプリイグ発生の有無を精度よく予測して、プリイグを回避することができる。
E:エンジン
U:コントローラ
4:ピストン
5:燃焼室
8:吸気弁
22:吸気弁用カムシャフト
25:バルブタイミング可変機構
31:点火プラグ
32:燃料噴射弁

Claims (3)

  1. 燃料噴射弁から筒内に直接燃料噴射される直噴式とされると共にアルコールを含有する燃料を使用可能とされたエンジンの制御装置であって、
    燃料のアルコール濃度を検出する濃度検出手段と、
    ノッキングのしやすさを検出するノック学習手段と、
    前記濃度検出手段により検出されたアルコール濃度と前記ノック学習手段により学習されたノック学習値との両方を用いて、燃料のオクタン価を推定するオクタン価推定手段と、
    前記オクタン価推定手段により推定されたオクタン価とエンジンの運転状態とに基づき、燃料噴射開始時点でのプリイグの発生を予測するプリイグ予測手段と、
    前記プリイグ予測手段がプリイグの発生を予測したときに、プリイグを回避するべく燃料噴射時期を変更する制御を行うプリイグ回避制御手段と、
    を備えていることを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記プリイグ予測手段によりプリイグの発生を予測する前記燃料噴射開始時点が、エンジン始動に際しての初爆のための燃料噴射時期とされている、ことを特徴とするエンジンの制御装置。


  3. 請求項2において、
    前記プリイグ予測手段は、燃料の性状とエンジンの運転状態とに基づいて前記初爆を行う際のプリイグ発生有効圧縮比限界を算出して、該算出されたプリイグ発生有効圧縮比限界と該初爆を行う際のエンジンの運転状態に基づく有効圧縮比とが近い場合に、プリイグが発生すると予測を行う、ことを特徴とするエンジンの制御装置。




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