JP2005042664A - 内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 DPFの再生や、NOxトラップ触媒のS被毒解除などに際し、これらに見合った目標排気温度と目標空燃比とを実現し、かつ排気温度上昇を目的とする場合に最適な過給圧制御を提供する。
【解決手段】 主トルクを発生させる主燃焼と、主燃焼に先立ってなされる予備燃焼とを行わせる。予備燃焼は、圧縮上死点近傍で起こるように、また、主燃焼は、予備燃焼が終了した後に開始するように、燃料噴射を制御する。そして、かかる燃焼時は、通常燃焼時よりも過給機の可変ノズル開度を増大させて、無過給側に制御する。
【選択図】 図15

Description

本発明は、内燃機関の燃焼制御装置に関する。
従来、特許文献1に開示されているように、ディーゼルエンジンの燃料噴射装置において、触媒の昇温を促す時などに、エンジンの要求トルクに対応する基本燃料噴射量の燃料を、燃料噴射弁により、各気筒の圧縮上死点近傍で3回に分割して噴射することが知られている。これに併せて、燃料噴射量を増量することも知られている。
特開2000−320386号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置においては、分割噴射された燃料の燃焼が継続するように燃料を噴射しているため、最初に噴射された燃料の火炎中に燃料を噴射していくこととなり、2回目以降に噴射された燃料が拡散燃焼主体の燃焼となってしまう。このような燃焼状態で空燃比をリッチ化していくと、スモークの大幅な悪化は避けられない。
本発明は、このような実情を踏まえ、排気温度を上昇させるときなどに、空燃比をリッチ化しても、スモークの悪化を招くことのない燃焼を実現することを目的とする。また、過給機を備える場合に、この燃焼に最適な過給圧を設定できるようにすることを目的とする。
このため、本発明では、排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときに、主トルクを発生させる主燃焼と、主燃焼に先立ってなされる少なくとも1回の予備燃焼とを行わせ、前記予備燃焼は、少なくとも1つが圧縮上死点近傍で起こるように、また、前記主燃焼は、前記予備燃焼が終了した後に開始するように、燃料噴射を制御する。そして、かかる燃焼時は、通常燃焼時よりも過給機による過給圧を低下させる。
本発明によれば、予備燃焼により筒内温度を高め、予備燃焼が終了した後に主燃焼が開始することで、主燃焼は予混合燃焼となり、スモークの悪化を招くことなく、排気温度の上昇やリッチ空燃比を実現できる。
また、過給圧を低下させることで、タービン仕事を少なくして、タービンでの熱損失を減少させ、排気温度をより効果的に上昇させることができる。また、排気温度が高い場合、排気流量が同じであっても、タービン前後の圧力比が上昇することから、サージを生じて、騒音が大となるが、過給圧を低下させることで、これを回避できる。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態を示す内燃機関(ここではディーゼルエンジン)のシステム図である。
ディーゼルエンジン1の吸気通路2には可変ノズル型の過給機(ターボチャージャ)3の吸気コンプレッサが備えられ、吸入空気は吸気コンプレッサによって過給され、インタークーラ4で冷却され、吸気絞り弁5を通過した後、コレクタ6を経て、各気筒の燃焼室内へ流入する。燃料は、コモンレール式燃料噴射装置により、すなわち、高圧燃料ポンプ7により高圧化されてコモンレール8に送られ、各気筒の燃料噴射弁9から燃焼室内へ直接噴射される。燃焼室内に流入した空気と噴射された燃料はここで圧縮着火により燃焼し、排気は排気通路10へ流出する。
排気通路10へ流出した排気の一部は、EGRガスとして、EGR装置により、すなわち、EGR通路11によりEGR弁12を介して、吸気側へ還流される。排気の残りは、可変ノズル型の過給機3の排気タービンを通り、これを駆動する。
ここで、排気通路10の排気タービン下流には、排気浄化のため、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップし、トラップしたNOxを排気空燃比がリッチのときに脱離浄化することのできるNOxトラップ触媒13を配置してある。また、このNOxトラップ触媒13には、酸化触媒(貴金属)を担持させて、流入する排気成分(HC、CO)を酸化する機能を持たせてある。
更に、このNOxトラップ触媒13の下流には、排気中の粒子状物質であるPM(Particulate Matter)を捕集するディーゼルパティキュレートフィルタ(以下DPFという)14を配置してある。また、このDPF14にも、酸化触媒(貴金属)を担持させて、流入する排気成分(HC、CO)を酸化する機能を持たせてある。尚、NOxトラップ触媒13とDPF14とは、逆に配置してもよいし、DPFにNOxトラップ触媒を担持させて一体に構成してもよい。
コントロールユニット20には、エンジン1の制御のため、エンジン回転数Ne検出用の回転数センサ21、アクセル開度APO検出用のアクセル開度センサ22、吸入空気量Qac検出用のエアフローメータ23、エンジン冷却水温Tw検出用の水温センサ24から、信号が入力されている。
また、NOxトラップ触媒13の温度(触媒温度)を検出する触媒温度センサ25、排気通路10のDPF14入口側にて排気圧力を検出する排気圧力センサ26、DPF14の温度(DPF温度)を検出するDPF温度センサ27、更に排気通路10のDPF14出口側にて排気空燃比(以下排気λといい、数値としては空気過剰率で表す)を検出する空燃比センサ28が設けられ、これらの信号もコントロールユニット20に入力されている。但し、NOxトラップ触媒13の温度やDPF14の温度はこれらの下流側などに排気温度センサを設けて、排気温度より間接的に検出するようにしてもよい。
コントロールユニット20は、これらの入力信号に基づいて、燃料噴射弁9による燃料噴射の燃料噴射量及び噴射時期制御のための燃料噴射弁9への燃料噴射指令信号、吸気絞り弁5への開度指令信号、EGR弁12への開度指令信号、過給機3の可変ノズル機構15への可変ノズル開度(VN開度)指令信号等を出力する。
ここにおいて、コントロールユニット20では、DPF14に捕集されて堆積したPMの燃焼除去によるDPF14の再生、NOxトラップ触媒13にトラップされたNOxの脱離浄化、NOxトラップ触媒13のS(硫黄)被毒解除を含む、排気浄化制御を行うようにしており、かかる排気浄化制御について、以下に詳細に説明する。
図2〜図12はコントロールユニット20にて実行される排気浄化制御のフローチャートである。
先ず図2のフローに沿って説明する。
S1では、各種センサ信号を読込み、エンジン回転数Ne、アクセル開度APO、吸入空気量Qac、触媒温度、DPF入口側排気圧力、DPF温度、DPF出口側排気λを検出する。
S2では、排気系のNOxトラップ触媒の暖機・冷機状態を判定する。触媒温度がその活性温度であるT5以下の場合は、冷機状態と判定して、後述する図12の暖機促進モードの制御へ移行する。暖機状態(暖機完了後)と判定した場合は、S3へ進む。
S3では、NOxトラップ触媒にトラップされて堆積したNOx堆積量を計算する。例えば特許第2600492号公報第6頁に記載されているNOx吸収量の計算のようにエンジン回転数の積算値から推測してもよいし、走行距離から推測してもよい。尚、積算値を用いる場合は、NOx脱離浄化が完了した時点(S被毒解除の実施によりNOx脱離浄化が同時になされた時点も含む)で、その積算値をリセットする。
S4では、NOxトラップ触媒にS被毒により堆積したS堆積量を計算する。ここでも、上記NOx堆積量の計算と同様に、エンジン回転数積算値や走行距離から推測すればよい。尚、積算値を用いる場合は、S被毒解除が完了した時点で、その積算値をリセットする。
S5では、DPFに捕集されて堆積しているPM堆積量を次のように計算する。DPFのPM堆積量が増えれば、当然DPF入口側排気圧力が上昇することから、排気圧力センサにより、DPF入口側排気圧力を検出し、現在の運転状態(エンジン回転数、負荷)での基準排気圧力との比較により、PM堆積量を推定する。尚、前回のDPF再生からのエンジン回転数積算値や走行距離と、排気圧力とを組み合わせて、PM堆積量を推定するようにしてもよい。
S6では、DPF再生モード中であることを示すregフラグが立っているか否かを判定する。regフラグ=1の場合は、後述する図3のDPF再生モードの制御へ進む。
S7では、NOxトラップ触媒のS被毒解除モード中であることを示すdesulフラグが立っているか否かを判定する。desulフラグ=1の場合は、後述する図4のS被毒解除モードの制御へ進む。
S8では、NOxトラップ触媒のNOx脱離浄化のためのリッチスパイクモード中であることを示すspフラグが立っているか否かを判定する。spフラグ=1の場合は、後述する図5のリッチスパイクモードの制御へ進む。
S9では、DPF再生及びS被毒解除後の溶損防止モード中であることを示すrecフラグが立っているか否かを判定する。recフラグ=1の場合は、後述する図6の溶損防止モードの制御へ進む。
S10では、DPF再生要求が出ていることを示すrq−DPFフラグが立っているか否かを判定する。DPF再生要求が出ていてrq−DPFフラグ=1の場合は、後述する図7のフローへ進み、DPF再生要求が出ている場合の再生の優先順位を決定する。
S11では、S被毒解除要求が出ていることを示すrq−desulフラグが立っているか否かを判定する。S被毒解除要求が出ていてrq−desulフラグ=1の場合は、後述する図8のフローへ進み、S被毒解除要求が出ている場合の再生の優先順位を決定する。
S12では、S5で計算したDPFのPM堆積量が所定量PM1に達して、DPF再生時期になったか否かを判定する。
PM堆積量>PM1で、DPF再生時期と判定された場合は、図9のフローへ進み、S701でrq−DEFフラグを1にして、DPF再生要求を出す。
S13では、S4で計算したNOxトラップ触媒のS堆積量が所定量S1に達して、S被毒解除時期になったか否かを判定する。
S堆積量>S1で、NOxトラップ触媒のS被毒解除時期と判定された場合は、図10のフローへ進み、S801でrq−desulフラグを1にして、S被毒解除要求を出す。
S14では、S3で計算したNOxトラップ触媒のNOx堆積量が所定量NOx1に達して、NOx脱離浄化時期になったか否かを判定する。
NOx堆積量>NOx1で、NOxトラップ触媒のNOx脱離浄化時期と判定された場合は、図11のフローへ進み、S901でrq−spフラグを1にして、NOx脱離浄化要求(リッチスパイク要求)を出す。
次に図3のDPF再生モードの制御について説明する。PM堆積量が所定量PM1に達してrq−DPFフラグ=1となり、これを受けて後述する図7のフローによりregフラグ=1となると、図3のフローが開始される。
S101では、DPFの再生のため、エンジンの燃焼を、通常のリーン燃焼から、本発明に係る分割リタード燃焼に切換える。
ここで、本発明に係る分割リタード燃焼について説明する。尚、本燃焼はDPF再生の他、S被毒解除、NOx脱離浄化(リッチスパイク)、暖機促進にも用いられる。
DPFの再生を行う場合、排気λを1〜1.4 の間で制御し、且つDPFの温度を600℃以上にする必要がある。また、S被毒解除を行う場合、λ≦1、且つ排温≧600℃を実現する必要がある。
リーン条件の常用運転領域では、通常、パイロット噴射を行っており、パイロット噴射時期は40〜10°BTDC、パイロット噴射量は1〜3mm3/st、主噴射時期は10〜−5°BTDC程度で、パイロット噴射と主噴射との間隔は10〜30°CA程度の設定である。
通常の運転から、DPF再生やS被毒解除等の低λで且つ高排温を実現するためには、吸気量を絞る必要がある。ところが、吸気量を絞った場合、筒内の圧縮端温度が低下してしまうことから、燃焼が不安定となり、通常のリーン燃焼と同じようなパイロット噴射の設定では、主噴射の噴射時期を進角する必要がある(図13;参考例(1))。このような燃料噴射量と噴射時期の設定では、排温を上げるために噴射時期をリタードさせたくとも、燃焼が不安定になってしまうことから、リタードにも限界があり、低λ、高排温を実現することは難しい。
そこで 特許文献1では、主噴射を分割することで噴射時期のリタード限界を広げ、低λ、高排温の実現を図っている(図14;参考例(2))。
しかしながら、前に吹いた燃料の燃焼が活発な状態で次の燃料を噴射しているため、燃焼は図14に示すように連続したものとなる。すなわち、主燃焼のために分割された燃料は、前に噴かれた燃焼の火炎中に噴射されることから、噴射されるや否や燃焼が開始し、拡散燃焼割合が増え、部分的な当量比は非常にリッチとなり、スモークが大幅に悪化してしまう。
そこで、本発明では、図15に示すように、主トルクを発生させる主燃焼と、主燃焼に先立ってなされる予備燃焼とを行わせ、前記予備燃焼は、圧縮上死点(TDC)近傍で起き、また、前記主燃焼は、前記予備燃焼が終了した後に開始するように、燃料噴射(a、b)を制御する。
すなわち、圧縮行程でまず燃料を噴射し(a)、TDC近傍での筒内温度(圧縮端温度)を高めるための予備燃焼を行う。運転条件に応じて、予備燃焼の熱発生が起こる噴射量は異なるが、少なくとも予備燃焼の熱発生が確認でき、主燃焼のための燃料噴射時の筒内温度が自己着火可能な温度を上回るために必要な量の燃料を噴射する。また、各運転条件において予想される圧縮端温度に応じて予備燃焼のための燃料噴射量、及び時期を変えることで、予備燃焼の安定性を向上できる。
続いて、予備燃焼が終了してから、主燃焼が開始するように、主燃焼のための燃料をTDC以降に噴射する(b)。
つまり、予備燃焼によって筒内温度を高めることで、主燃焼のリタード限界を広げて、目標温度への制御性を向上させる一方、予備燃焼が確実に終了した後に主燃焼の燃料を噴射することで、主燃焼のための着火遅れ期間を確保し、主燃焼の予混合燃焼割合を高くして、スモークの排出を抑制する。
予備燃焼の開始時期から主燃焼の開始時期までの間隔は、エンジン回転数にもよるが、少なくとも20°CA以上は離れていないと、予備燃焼(予備燃焼による熱発生)が完全には終了しない。このような間隔の設定により、主燃焼の悪化を抑制して、スモークの悪化を防ぐことができる。また、膨張行程で主燃焼が開始することから、燃焼速度は非常に遅く、主燃焼の燃焼終了は50°ATDC以降となる。主燃焼の終了時期をできるだけ遅くすることで、主燃焼が緩慢になり、燃焼騒音の悪化を抑制できる。
本発明に係る分割リタード燃焼を実現すれば、図16の(3)に示すように、参考例(1)、(2)と比較して、リッチ条件を実現した際にも、高排温で、且つ低スモークな燃焼が実現できている。更に、HCについても非常に低い値を示している。
また、予備燃焼によって主燃焼のリタード限界が広がることから、主噴射の噴射時期をリタードしても低λ条件での燃焼は安定し、高い排気温度の実現が可能となった。
図17を参照し、主燃焼の時期がリタードすれば、主燃焼の予混合割合が増えるため、λが小さい条件であってもリタードすればするだけ、スモークが抑制されている。また、主燃焼の時期がリタードすれば、より高い排気温度を実現でき、主燃焼のための燃料噴射時期を変えることで、排気温度を制御できる。
図18は、エンジン運転条件(エンジン回転数Ne、負荷Q)をパラメータとして、予備燃焼のための目標燃料噴射時期を示している。
図19は、エンジン運転条件(エンジン回転数Ne、負荷Q)をパラメータとして、予備燃焼のための目標燃料噴射量を示している。
図20は、エンジン運転条件(エンジン回転数Ne、負荷Q)をパラメータとして、ある目標排気温度を実現するための、主燃焼のための目標燃料噴射時期(主噴射時期)を示している。主燃焼のための目標燃料噴射量は、トルク補正のため、後述のように決定される。
尚、負荷が低い状態では、目標排温を達成するための主燃焼の燃焼時期が非常にリタードするため、予備燃焼が一度だけでは主燃焼の噴射時期の筒内温度を高く維持できない場合もある。その場合は図21に示すように予備燃焼を複数回行い、それぞれの熱発生が重ならないようにすることで、低負荷条件であっても低スモークと高排温の両立を図ることができる。
以上から、DPF再生やS被毒解除などで、低λ、高排温が要求される場合は、本発明に係る分割リタード燃焼への切換えを行う。具体的には、図22のフローチャートに示すように、S1101で、予備燃焼のための燃料噴射時期(図18)に、予備燃焼のための燃料噴射量(図19)で、燃料噴射を行う。そして、S1102で、主燃焼のための燃料噴射を、燃料噴射時期をリタードさせて行う(図20)。
S101でDPF再生のためにエンジンの燃焼を通常のリーン燃焼から本発明に係る分割リタード燃焼に切換えた後は、S102へ進む。
S102では、排気λを目標値(λ=1〜1.4 )に制御する。DPFの再生では排気λの目標値はPM堆積量によって異なる。従って、DPF入口側排気圧力を検出し、現在の運転状態(エンジン回転数、負荷)での基準排気圧力との比較により、PM堆積量を推定し、図23に示すPM堆積量に対応した目標λを設定して、制御する。
目標λへの制御について、詳細は後述するが、リタード燃焼によりトルクが低下することから、トルク補正を行いつつ、目標λへの制御を行う。
S103では、DPF温度が再生中の目標上限値T22を超えたか否かを判定する。
DPF温度>T22の場合は、再生中に上限値を超えたため、S110へ進んで、主燃焼の燃料噴射時期を進角して、排気温度を低下させる。
S104では、DPF温度が再生中の目標下限値T21を下回ったか否かを判定する。
DPF温度<T21の場合は、再生中に下限値を下回ったため、S109へ進んで、主燃焼の燃料噴射時期を遅角して、排気温度を上昇させる。
S105では、DPFの再生開始から所定時間tdpfreg経過したかを否かを判定する。所定時間経過すれば、DPFに堆積したPMは確実に燃焼除去されるので、S106へ進む。
S106では、DPFの再生が完了したので、本発明に係る分割リタード燃焼から通常の燃焼に切換えて、DPFの加熱を停止する。
S107では、DPFの再生が完了したので、regフラグを0にする
S108では、DPFの再生は完了したものの、DPFにPMの燃え残りがあった場合に排気λを急に大きくすると、DPFでPMが一気に燃えてしまい溶損する恐れがあることから、溶損防止モードに入るために、recフラグを1にする。
次に図4のS被毒解除モードの制御について説明する。NOxトラップ触媒のS堆積量が所定値S1に達してrq−desulフラグ=1となり、これを受けて後述する図8のフローによりdesulフラグ=1となると、図4のフローが開始される。
S201では、NOxトラップ触媒のS被毒解除のため、エンジンの燃焼を、通常のリーン燃焼から、本発明に係る分割リタード燃焼に切換える。
S202では、排気λをストイキに制御する。すなわち、目標λをストイキ(λ=1)に設定して、制御する。目標λへの制御については、詳細は後述するが、リタード燃焼によりトルクが低下することから、トルク補正を行いつつ、目標λへの制御を行う。
S203では、触媒温度が所定値T4より高くなっているか否かを判定する。例えばBa系のNOxトラップ触媒の場合は、リッチ〜ストイキ雰囲気で600℃以上にする必要があることから、T4は600℃以上に設定される。
触媒温度が所定値T4より低い場合は、S210へ進んで、主燃焼の燃料噴射時期を遅角して、排気温度を上昇させる。
S204では、S被毒解除モードで所定時間tdesul 経過したか否かを判定する。所定時間経過すれば、S被毒が解除されるので、S205へ進む。
S205では、S被毒解除が完了したので、本発明に係る分割リタード燃焼から通常の燃焼に切換えて、NOxトラップ触媒の加熱を停止する。もちろん同時に、ストイキ運転を解除する
S206では、S被毒解除が完了したので、desulフラグを0にする。
S207では、S被毒解除は完了したものの、このような高温の条件下でDPFにPMが堆積している場合に排気λを急に大きくすると、DPFでPMが一気に燃えてしまい溶損する恐れがあることから、溶損防止モードに入るために、recフラグを1にする。
S208では、rq−spフラグを0にする。S被毒解除を行うと、NOxトラップ触媒が長時間ストイキにさらされることで、NOx脱離浄化が同時に行われるので、NOx脱離浄化要求(リッチスパイク要求)が出ていた場合に、これを取下げるためである。
次に図5のリッチスパイクモード(NOx脱離浄化モード)の制御について説明する。NOxトラップ触媒のNOx堆積量が所定値NOx1に達してrq−spフラグ=1となり、これを受けて後述する図7又は図8のフローによりspフラグ=1となると、図5のフローが開始される。
S301では、NOxトラップ触媒のNOx脱離浄化のため、エンジンの燃焼を、通常のリーン燃焼から、本発明に係る分割リタード燃焼に切換える。
S302では、排気λをリッチに制御する。すなわち、目標λをリッチ(例えばλ=0.9 )に設定して、制御する。目標λへの制御については、詳細は後述するが、リタード燃焼によりトルクが低下することから、トルク補正を行いつつ、目標λへの制御を行う。
S303では、リッチスパイクモードにて所定時間tspike 経過したか否かを判定し、経過した場合は、NOx脱離浄化完了と見なして、S304へ進む。
S304では、NOx脱離浄化が完了したので、本発明に係る分割リタード燃焼から通常の燃焼に切換える。もちろん同時に、リッチ運転を解除する
S305では、NOx脱離浄化が完了したので、spフラグを0にする。
次に図6の溶損防止モードの制御について説明する。DPF再生又はS被毒解除が終了し、図3又は図4のフローによりrecフラグ=1となると、図6のフローが開始される。
S401では、DPF再生直後などは未だ高温状態にあり、排気λを急激にリーン化すると、DPF内の燃え残ったPMが一気に燃焼して溶損する恐れがあるため、排気λを目標値、例えばλ≦1.4 に制御する。尚、溶損防止モードでは、排気温度は低いことが望ましいので、本発明に係る分割リタード燃焼ではなく、通常燃焼で排気λを目標値に制御する。
S402では、DPF温度がPMの急激な酸化が開始する恐れのない所定温度T3(例えば500℃)より低くなったか否かを判定する。T3より高い場合は、排気λ制御を続行する。T3より低くなれば、酸素濃度が大気並になってもDPFの溶損は回避可能となるので、S403へ進む。。
S403では、DPFの溶損の恐れがないことから、排気λ制御を止める。
S404では、溶損防止モードが終了したので、recフラグを0にする。
次に図7の再生優先順位決定フロー(1)について説明する。DPF再生要求(rq−DPFフラグ=1)が出されると、図7のフローが開始される。尚、本フローは、DPF再生要求と、S被毒解除要求又はNOx脱離浄化要求とが、同時におきたときの優先順位についての規定するものである。
S501では、DPF再生要求が出た後に、S堆積量が所定値S1に達してS被毒解除時期になっているか否かを、S13と同様の手法で、判定する。
S堆積量>S1の場合は、図10のフローのS801へ進んで、rq−desulフラグ=1とし、S被毒解除要求を出す。この場合、後述する図8のフローにより優先順位が決定される。
S堆積量<S1の場合は、S502へ進む。
S502では、rq−spフラグ=1、すなわちNOx脱離浄化要求(リッチスパイク要求)が出ているか否かを判定し、出ていない場合は、S503へ進む。
S503では、DPF再生要求が出された後に、NOx堆積量が所定値NOx1に達してNOx脱離浄化時期になっているか否かを、S14と同様の手法で、判定する。
NOx堆積量>NOx1の場合は、図11のフローのS901へ進んで、rq−spフラグ=1とし、NOx脱離浄化要求(リッチスパイク要求)を出す。
S503での判定で、NOx堆積量<NOx1の場合は、DPF再生要求のみが出ている場合であり、この場合は、S504へ進む。
S504では、図24に示すDPF再生及びS被毒解除の可能領域(低回転・低負荷以外の領域;昇温代が比較的少なく、排気性能の悪化代が許容値を超えない領域)であるか否かを判定する。DPF再生可能領域の場合は、S505へ進み、regフラグ=1として、DPFの再生に移行する。
S502での判定で、rq−spフラグ=1の場合は、DPF再生要求とNOx脱離浄化要求とが同時に出ている場合であり、この場合は、S506へ進む。
S506では、エンジンの運転条件がNOx排出量の少ない条件(例えば定常条件)であるか否かを判定する。NOx排出量が少ない条件であれば、NOxトラップ触媒の再生を多少遅らせても、テールパイプでの排気の悪化は殆ど無いため、運転性に影響を大きく及ぼすDPFの再生を優先させるのが望ましい。従って、この場合はS507へ進む。
NOx排出量が多い条件(例えば加速条件等)ではテールパイプでの排気悪化を防止するためにNOxトラップ触媒の再生を優先させるのが望ましい。従って、この場合はS508へ進み、spフラグ=1として、NOx脱離浄化(リッチスパイク)に移行する。
S507では、DPF温度がDPFに担持させた酸化触媒が活性化する温度T6より高いか否かを判定する。昇温を開始するにあたり、DPFに担持させた酸化触媒が活性化する温度T6よりも低い場合は、昇温開始しても、再生可能温度に到達するまで時間がかかり、昇温中にテールパイプでのNOxの悪化も懸念されるため、NOxトラップ触媒の再生を優先させるのが望ましい。従って、この場合もS508へ進み、spフラグ=1として、NOx脱離浄化(リッチスパイク)に移行する。
S507での判定で、DPF温度>T6の場合は、DPFの再生を優先させるため、前述のS504、505へ進む。
次に図8の再生優先順位決定フロー(2)について説明する。S被毒解除要求(rq−desulフラグ=1)が出されると、図8のフローが開始される。尚、本フローは、S被毒解除要求とNOx脱離浄化要求とが同時におきたときの優先順位について規定するものである。
S601では、S被毒解除要求が出た後に、PM堆積量が所定値PM1に達してDPF再生時期になっているか否かを、S12と同様の手法で、判定する。
PM堆積量>PM1の場合は、図9のフローのS701へ進んで、rq−DPFフラグ=1とし、DPF再生要求を出す。この場合、前述の図7のフローにより優先順位が決定される。
PM堆積量<PM1の場合は、S602へ進む。
S602では、触媒温度が所定温度T1より高いか否かを判定し、高い場合には、S603へ進む。
S603では、図24に示すDPF再生及びS被毒解除の可能領域(低回転・低負荷以外の領域;昇温代が比較的少なく、排気性能の悪化代が許容値を超えない領域)であるか否かを判定する。S被毒解除可能領域の場合は、S604へ進み、desulフラグ=1として、S被毒解除に移行する。
S602での判定で、触媒温度<T1の場合は、昇温を開始しても、S被毒解除の可能温度に到達するまで時間がかかり、昇温中にテールパイプでのNOxの悪化も懸念されることから、NOx脱離浄化を優先させるのが望ましい。このため、S605へ進む。
S605では、rq−spフラグ=1、すなわちNOx脱離浄化要求が出ているか否かを判定し、出ている場合は、S607へ進み、spフラグ=1として、NOx脱離浄化(リッチスパイク)に移行する。
rq−spフラグ=1でない場合は、S606へ進む。
S606では、S被毒解除要求が出された後に、NOx堆積量が所定値NOx1に達してNOx脱離浄化時期になっているか否かを、S14と同様の手法で、判定する。
NOx堆積量>NOx1の場合は、図11のフローのS901へ進み、rq−spフラグ=1とする。
次に図12の暖機促進モードの制御について説明する。これは触媒温度がT5以下のときに実行される。
S1001では、暖機促進運転可能領域か否かを判定する。ここでの暖機促進運転は、本発明に係る分割リタード燃焼により行うため、この燃焼が可能な領域か否かを判定する。具体的には、図24に示したDPF再生及びS被毒解除の可能領域を、暖機促進運転可能領域とし、この領域の場合に、S1002へ進む。
S1002では、暖機促進のため、エンジンの燃焼を、通常のリーン燃焼から、本発明に係る分割リタード燃焼に切換える。本燃焼への切換えにより、高排温となり、触媒の暖機を促進することができる。
ここでも、目標λを設定して、制御する。目標λへの制御については、詳細は後述するが、リタード燃焼によりトルクが低下することから、トルク補正を行いつつ、目標λへの制御を行う。
S1003では、触媒温度がその活性温度であるT5より高くなったか否かを判定し、触媒温度>T5の場合に、S1004へ進んで、本発明に係る分割リタード燃焼から通常の燃焼に切換えて、暖機促進運転を終了する。
次に、本発明に係る分割リタード燃焼中の目標λへの制御、及び、トルク補正について説明する。
リタード燃焼の場合、トルクが低下するので、目標λを維持しつつ、トルクをいかに補償するかが問題となる。また、主燃焼のための燃料噴射時期を遅角して、排気温度を上昇させるほど、より大きくトルクが低下するので、これに対処する必要がある。また、特に、暖機促進運転の場合は、主燃焼のための燃料噴射時期が同じでも、各部の温度が低いと、燃焼効率が低下する分、より大きくトルクが低下するので、これにも対処する必要がある。
図25はトルク補正を含む空気量制御のフローチャートである。
S2001では、アクセル開度APO、エンジン回転数Neから、要求エンジントルク相当の要求燃料噴射量QFDRVを算出する。
S2002では、要求燃料噴射量QFDRVと目標λとから、基本目標空気量tQacbを算出する。尚、分割リタード燃焼時の目標λは、DPF再生、S被毒解除、NOx脱離浄化、暖機促進の場合で、それぞれ異なるが、通常のリーン燃焼時の目標λより十分に低いので、分割リタード燃焼時の基本目標空気量tQacbは、通常のリーン燃焼時の基本目標空気量tQacbより十分に小さく設定される。
S2003では、分割リタード燃焼中か否かを判定し、分割リタード燃焼中の場合は、S2004へ進む。
S2004では、目標λとエンジン回転数Neとから、図27のようなマップを参照し、基本トルク補正値Ka1を算出する。ここで、目標λが1より小さくなると、トルクが低下するので、目標λが1より小さくなるに従って、Ka1を大きくする。また、エンジン回転数Neが高くなると、燃焼時間が同じでも、クランク角が変化して、トルクが低下するので、エンジン回転数Neが高くなるに従って、Ka1を大きくする。
S2005では、分割リタード燃焼中の主燃焼のための燃料噴射時期(主噴射時期)から、基本トルク補正値に対する補正係数Ka2を算出する。具体的には、図28のようなテーブルを参照し、主噴射時期が遅角するほど、補正係数Ka2を大きくする。主噴射時期が遅角するほど、トルク低下が大きくなるからである。
S2006では、エンジン温度を代表するパラメータである水温Twから、基本トルク補正値に対する補正係数Ka3を算出する。具体的には、図29のようなテーブルを参照し、水温Twが低いほど、補正係数Ka3を大きくする。水温Twが低いほど、燃焼効率が悪化して、トルク低下が大きくなるからである。この補正は、特に、暖機促進運転の際に有効である。
S2007では、基本トルク補正値Ka1と、補正係数Ka2、Ka3とから、最終的なトルク補正値Ka=Ka1×Ka2×Ka3を求める。
S2008では、トルク補正のため、基本目標空気量Qacbにトルク補正値Kaを乗じて、目標空気量tQac=tQacb×Kaを算出する。
一方、S2003での判定で、分割リタード燃焼中でない場合は、S2009へ進んで、基本目標空気量Qacbをそのまま最終的な目標空気量tQac=tQacbとする。
S2008又はS2009の後は、S2010へ進み、目標空気量tQacを実現するように、吸気絞り弁及びEGR弁を制御する。より具体的には、目標空気量tQacを実現するように、吸気絞り弁を制御し、その上で、微調整のため、エアフローメータにより実空気量Qacを検出し、Qac=tQacとなるように、EGR弁でフィードバック制御を行う。
図26は燃料噴射量制御のフローチャートである。
S2101では、エアフローメータにより実空気量Qacを検出する。
S2102では、実空気量Qacと目標λとから、目標燃料噴射量tQFを算出する。
S2103では、目標燃料噴射量tQFを実現するように、燃料噴射弁を制御する。
以上のように、分割リタード燃焼時は、要求エンジントルクと目標λとから定まる目標空気量をトルク補正値により増量補正し、実空気量と目標λとから目標燃料噴射量を算出して制御することにより、目標λを実現したままトルクの低下を抑制できる。また、主噴射時期などに応じたトルク補正により、主燃焼によるエンジンの発生トルクが一定となるように制御でき、運転性を向上できる。
次に、本発明に係る分割リタード燃焼中のEGR制御について説明する。
通常のリーン燃焼では、大量のEGRを行っているが、分割リタード燃焼の場合、できるだけスモークを出さずに排気温度を上げるには、EGRを行わない方がよい。排気温度を上昇させるが、燃焼温度自体は低いので、EGR率を50→10%程度まで減少させても等NOx排出量を実現できるからである。また、EGR弁を閉じてEGR率を低下させると、その分、空気量が多くなるので、空燃比をリッチ化するためには、吸気絞り弁により吸気を絞る必要があり、すると吸気抵抗が増えて燃費は悪化するものの、その裏返しで排気温度をより上昇させることができる。
図30はEGR率制御のフローチャートである。
S2301では、図31のようなマップを参照し、エンジン運転条件(エンジン回転数Ne、負荷Q)から、通常のリーン燃焼条件での目標EGR率を設定する。ここで設定される目標EGR率は、低回転・低負荷側で大きく、高回転・高負荷側で小さくなる。
S2302では、分割リタード燃焼中か否かを判定し、分割リタード燃焼中の場合のみ、目標EGR率の補正のために、S2303へ進む。
S2303では、分割リタード燃焼に合わせて、目標EGR率を減少側に補正する。この場合、一律に一定の減少率で補正してもよいし、運転領域によってはEGRを停止するようにしてもよい。
次に、本発明に係る分割リタード燃焼中の過給圧制御について説明する。
通常のリーン燃焼では、可変ノズルを閉じて(VN開度小)、最大過給状態とする方がよい。
しかし、分割リタード燃焼の場合は、排気温度を上昇させるのが主目的であるため、タービン仕事をなるべく小さくして、タービンでの熱損失を減少させることが望ましい。また、排気温度が高いと、排気流量が同じであっても、タービンの前後の圧力比が上がり、サージを生じて、騒音が大となる(低排気流量かつ高排気温度のときはサージが起きやすい)。
従って、分割リタード燃焼時は、可変ノズルを開け気味にして(VN開度大)、無過給側に制御する。
図32は、過給圧制御のフローチャートである。
S2401では、エンジン運転条件(エンジン回転数Ne、負荷Q)から、通常のリーン燃焼条件での目標VN開度を設定する。
S2402では、分割リタード燃焼中か否かを判定し、分割リタード燃焼中の場合のみ、目標VN開度の補正のために、S2403へ進む。
S2403では、分割リタード燃焼に合わせて、目標VN開度を増大側(過給圧減少側、無過給側)に補正する。この場合、一律に一定の補正率で補正してもよいし、過給を停止するようにしてもよい。
図33は、過給圧制御の他の例のフローチャートである。
S2501では、実EGR率相当値を算出する。実EGR率相当値としては、目標EGR率をそのまま用いてもよいし、各種検出値から実際のEGR率を算出してもよい。
S2502では、目標排気流量を算出する。目標排気流量は、目標空気量(tQac)と目標燃料噴射量(tQF)とから算出できる。
S2503では、図34のようなマップを参照し、実EGR率相当値と、目標排気流量とから、目標VN開度を設定する。
ここで、分割リタード燃焼は、図34のマップの、低EGR率、低排気流量の領域である。分割リタード燃焼の場合、既に述べたように低EGR率に設定しており、また空燃比のリッチ化のため吸気を絞っているので、リーン燃焼時よりも低排気流量となるからである。従って、この領域では、低EGR率、低排気流量となるほど、VN開度を増大させ、最終的にはVN開度=0%として、無過給状態とする。
一方、通常のリーン燃焼は、図34のマップの、低EGR率、低排気流量以外の領域となるため、この領域では、VN開度=0%として、最大過給状態とする。
以上のように、分割リタード燃焼時は、通常燃焼時よりも過給機による過給圧を低下させることにより、具体的には、可変ノズル型過給機を用い、通常燃焼時よりも可変ノズル開度を増大させて過給圧を低下させることにより、排気温度をより上昇させることができる一方、騒音を低減できる。
また、分割リタード燃焼時は、通常燃焼時よりもEGR装置によるEGR率を減少させることにより、スモークをより低減し、排気温度もより上昇させることができる。
また、排気流量とEGR率とをパラメータとして、過給圧を定め、低、EGR率、低排気流量の領域で過給圧を小(VN開度を大)としたマップを備え、このマップに従って、過給圧(VN開度)を制御することにより、通常燃焼時であると分割リタード燃焼時であるとを問わず、1つのマップで制御できる。
本発明の一実施形態を示すエンジンのシステム図 排気浄化制御のフローチャート(その1) 排気浄化制御のフローチャート(その2) 排気浄化制御のフローチャート(その3) 排気浄化制御のフローチャート(その4) 排気浄化制御のフローチャート(その5) 排気浄化制御のフローチャート(その6) 排気浄化制御のフローチャート(その7) 排気浄化制御のフローチャート(その8) 排気浄化制御のフローチャート(その9) 排気浄化制御のフローチャート(その10) 排気浄化制御のフローチャート(その11) 参考例1の燃焼形態を示す 参考例2の燃焼形態を示す図 本発明の燃焼形態を示す図 参考例1、2と本発明の排気ガス状態を比較した図 主燃焼時期と排気ガスの状態との関係を示す図 予備燃焼のための目標燃料噴射時期を示す図 予備燃焼のための目標燃料噴射量を示す図 主燃焼のための目標燃料噴射時期を示す図 本発明の別の燃焼形態を示す図 分割リタード燃焼への切換えのフローチャート PM堆積量と再生中の目標λとの関係を示す図 DPF再生及びS被毒解除の可能領域を示す図 トルク補正を含む空気量制御のフローチャート 燃料噴射量制御のフローチャート 基本トルク補正値算出用マップを示す図 主噴射時期とトルク補正係数との関係を示す図 水温とトルク補正係数との関係を示す図 EGR率制御のフローチャート 目標EGR率設定用マップを示す図 過給圧制御のフローチャート 過給圧制御の他の例のフローチャート VN開度設定用マップを示す図
符号の説明
1 ディーゼルエンジン
2 吸気通路
3 可変ノズル型の過給機
5 吸気絞り弁
9 燃料噴射弁
10 排気通路
11 EGR通路
12 EGR弁
13 NOxトラップ触媒
14 DPF
15 可変ノズル機構
20 コントロールユニット
21 回転数センサ
22 アクセル開度センサ
23 エアフローメータ
24 水温センサ
25 触媒温度センサ
26 排気圧力センサ
27 DPF温度センサ
28 空燃比センサ

Claims (13)

  1. 排気通路に排気浄化装置を備える過給機付き内燃機関において、
    排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときに、主トルクを発生させる主燃焼と、主燃焼に先立ってなされる少なくとも1回の予備燃焼とを行わせ、前記予備燃焼は、少なくとも1つが圧縮上死点近傍で起こるように、また、前記主燃焼は、前記予備燃焼が終了した後に開始するように、機関への燃料噴射を制御する一方、
    前記予備燃焼と前記主燃焼とによる燃焼時は、通常燃焼時よりも過給機による過給圧を低下させることを特徴とする内燃機関の燃焼制御装置。
  2. 前記過給機は、可変ノズル型過給機であり、前記予備燃焼と前記主燃焼とによる燃焼時は、通常燃焼時よりも可変ノズル開度を増大させて過給圧を低下させることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  3. 機関の排気通路から排気の一部を吸気通路へ還流するEGR装置を備え、
    前記予備燃焼と前記主燃焼とによる燃焼時は、通常燃焼時よりも前記EGR装置によるEGR率を減少させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  4. EGR率と排気流量とをパラメータとして、過給圧を定め、低EGR率、低排気流量の領域で過給圧を小としたマップを備え、このマップに従って、過給圧を制御することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  5. 前記予備燃焼の燃料噴射量は、前記主燃焼の燃料噴射時の筒内温度が自己着火可能な温度を上回るために必要な燃料噴射量であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  6. 前記主燃焼の燃焼開始時期は、前記予備燃焼の燃焼開始時期からクランク角で20度以上離れた時期であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  7. 前記主燃焼の終了時期は、圧縮上死点からクランク角で50度以上離れた時期であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  8. 前記主燃焼は、前記主燃焼のための燃料噴射時期を変えることで、排気温度を制御することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  9. 前記主燃焼は、機関の発生トルクが一定となるように制御されることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  10. 排気浄化装置として、排気中のPMを捕集するフィルタを備え、
    前記排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときは、少なくとも、排気温度を上昇させて、フィルタに堆積したPMを燃焼除去するフィルタの再生時であることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  11. 排気浄化装置として、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップするNOxトラップ触媒を備え、
    前記排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときは、少なくとも、排気空燃比をリッチ化して、NOxトラップ触媒にトラップしたNOxを脱離浄化する時であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  12. 排気浄化装置として、排気空燃比がリーンのときに排気中のNOxをトラップするNOxトラップ触媒を備え、
    前記排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときは、少なくとも、排気温度を上昇させて、NOxトラップ触媒に堆積したS分の被毒解除を行う時であることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
  13. 前記排気浄化装置の状態に基づく所定の条件のときは、少なくとも、排気浄化装置の冷機時で、排気浄化装置を急速暖機する時であることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1つに記載の内燃機関の燃焼制御装置。
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