JP2005042446A - 弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】比較的容易な作業により地盤の弾性係数を導出する。
【解決手段】FWD試験による時系列の荷重値および変位が荷重取得部210および変位取得部210によって取得される。そして、FWD試験で計測された荷重と変位から、両者の対応関係が導出され、当該対応関係から端面誤差等の影響のある部分を排除するよう荷重と変位との関係のシフト処理が荷重変位関係シフト部240によってなされる。そして、荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重と変位の関係に基づいて弾性係数導出部250が弾性係数を導出する。
【選択図】 図3
【解決手段】FWD試験による時系列の荷重値および変位が荷重取得部210および変位取得部210によって取得される。そして、FWD試験で計測された荷重と変位から、両者の対応関係が導出され、当該対応関係から端面誤差等の影響のある部分を排除するよう荷重と変位との関係のシフト処理が荷重変位関係シフト部240によってなされる。そして、荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重と変位の関係に基づいて弾性係数導出部250が弾性係数を導出する。
【選択図】 図3
Description
本発明は、地盤の弾性係数を導出する方法、装置、地盤建設方法およびプログラムに関するものである。
従来より、盛土、路床、路盤などの地盤の剛性を評価するために道路や滑走路などの地盤の弾性係数が用いられている。地盤の弾性係数を求めるためには平板載荷試験方法が用いられるのが一般的であり、平板載荷試験方法の内容は規格によって定められている(非特許文献1参照、非特許文献2参照)。
上述した規格に定められている平板載荷試験はおおよそ次のような手順で行われる。
(a)水平にならした地盤に載荷板を設置する。
(b)載荷板の上にジャッキをおき、荷重装置と組み合わせて所要の反力が得られるようにする。
(c)載荷板の沈下量を測るためのダイヤルゲージを取り付ける。
(d)載荷板に加える荷重を段階的に増加していき、荷重をあげるごとにその荷重による沈下の進行がとまるのを待って沈下量を読み取る。
(e)沈下量が所定値に達する、または降伏点に達した場合に試験を終了する。
(a)水平にならした地盤に載荷板を設置する。
(b)載荷板の上にジャッキをおき、荷重装置と組み合わせて所要の反力が得られるようにする。
(c)載荷板の沈下量を測るためのダイヤルゲージを取り付ける。
(d)載荷板に加える荷重を段階的に増加していき、荷重をあげるごとにその荷重による沈下の進行がとまるのを待って沈下量を読み取る。
(e)沈下量が所定値に達する、または降伏点に達した場合に試験を終了する。
上記のような試験を行った後の結果から弾性係数を求めている。より具体的には、非特許文献2である日本道路公団規格JHS−103に定められている繰返し平板載荷試験を行うことで得られた結果から、初期載荷弾性係数と繰返し載荷弾性係数とを求めており、以下、図21を参照しながらその手順の概略を説明する。ここで、図21は繰返し平板載荷試験を行うことで得られる単位面積あたりの荷重強さ(kN/m2)とひずみεとの関係の一例である。ひずみεは、変位δ、地盤のポアソン比ν、載荷板の直径Dを用い、以下の(1)式で算出される。
ε=δ/(1−ν2)/D/0.25π (1)
ε=δ/(1−ν2)/D/0.25π (1)
そして、各載荷段階の1回目の載荷後の図21上の点を曲線で結ぶことで得られる荷重強さとひずみとの関係(図中太線で示す曲線)から、変位δ=1.25mmとなるときの荷重強さPδを求め、そのときのひずみε(載荷板の直径D=750φの場合には0.0023)とから、以下の(2)式により初期載荷弾性係数E75,lを求める。
E75,l=Pδ/0.0023 (2)
E75,l=Pδ/0.0023 (2)
また、第2荷重段階(例えば、平板載荷重157kN/m2)、第3荷重段階(例えば、平板載荷重549kN/m2)の結果から、繰返し載荷弾性係数E75,r2、E75,r3を求めることができる。より具体的には、これらの第2荷重段階および第3荷重段階における2回目〜5回目載荷時の荷重強さとひずみの関係、つまり図21上直線で示される関係から、各々の段階の直線の勾配の平均値をそれぞれE75,r2、E75,r3とする。このように求められた初期載荷弾性係数はコンクリート舗装設計のために用いられ、繰返し載荷弾性係数はアスファルト舗装設計のために用いられている。
日本工業規格JIS−A1215(道路の平板載荷試験方法) 日本道路公団規格JHS−103(繰返し平板載荷試験方法)
日本工業規格JIS−A1215(道路の平板載荷試験方法) 日本道路公団規格JHS−103(繰返し平板載荷試験方法)
しかしながら、上記のように繰返し平板載荷試験によって求められる地盤の弾性係数は地盤の剛性を評価する上で重要な値であるが、上記の平板載荷試験はおおがかりな試験であるので、平板載荷試験を行うにはある程度の時間(通常1地点の試験について30分〜60分程度)および労力が必要となる。したがって、測定対象たる地盤面積が大きい場合において、多くの地点における測定を行うためには多大な時間および労力を要することになってしまう。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、比較的容易な作業により地盤の弾性係数を導出することができる弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する方法であって、前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフトステップと、前記シフトステップでシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップとを備えたことを特徴とする弾性係数導出方法である。
この発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係が、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。そして、シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出される。
また、請求項2にかかる発明は、請求項1にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出ステップでは、前記シフトステップでシフトされた前記時間に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、変位=1.25mに対応する荷重値P1.25を求め、当該P1.25、前記載荷面の面積Aを用い、次の式によりKl値を求め、Kl=P1.25/(A×0.00125)当該Kl値、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdlを求めるEfwdl=0.25πD(1−ν2)Klことを特徴とする。
この発明によれば、シフトされた荷重値と変位の関係から、変位1.25mmに対応する荷重値P1.25を用いた弾性係数の導出がなされる。
また、請求項3にかかる発明は、請求項1にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出ステップでは、前記シフトステップでシフトされた前記時間に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、変位=1.25mに対応する荷重値P1.25を求め、当該P1.25、次の式によりKl値を求め、Kl=P1.25/(A×0.00125)当該Kl値、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により値Efwdを求め、Efwdl=0.25πD(1−ν2)Kl予め地盤について行った平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD(Falling Weight Deflection)試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて、前記Efwdlを補正して弾性係数を導出することを特徴とする。
この発明によれば、シフトされた荷重値と変位との関係から導出された弾性係数が、予め平板載荷試験の結果から取得された弾性係数とFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて補正される。
また、請求項4にかかる発明は、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する方法であって、前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップとを具備することを特徴とする弾性係数導出方法である。
この発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される。
また、請求項5にかかる発明は、請求項4にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出ステップでは、前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、K=Pmax/(A×(δmax−δ0))当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出することを特徴とする。
この発明によれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位(δmax−δ0)を用いて弾性係数が導出される。
また、請求項6にかかる発明は、請求項5にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出ステップでは、前記K、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdrを求めるEfwdr=0.25πD(1−ν2)Kことを特徴とする。
この発明によれば、最大荷重値後区間の荷重と変位の関係から求められたK値を用いて弾性係数が導出される。
また、請求項7にかかる発明は、請求項5にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出ステップでは、前記K、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdrを求め、Efwdr=0.25πD(1−ν2)K予め地盤について行った平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD(Falling Weight Deflection)試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて、前記Efwdrを補正して弾性係数を導出することを特徴とする。
この発明によれば、最大荷重値後区間の荷重値と変位との関係から導出された弾性係数が、予め平板載荷試験の結果から取得された弾性係数とFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて補正される。
また、請求項8にかかる発明は、請求項1ないし7のいずれか一つにかかる発明の構成において、前記関係導出ステップでは、前記重錘を落下させた際に前記地盤に加わる時系列の荷重値と、前記重錘を落下させた際に前記地盤に生じる時系列の変位とを取得し、取得した荷重値の出現時から最大値となるまでの最大荷重到達時間と、取得した変位の出現時から最大値となるまでの最大変位到達時間とを一致し、かつ荷重値と変位の出現時が一致するよう取得した前記時系列の荷重値および変位を補正し、補正した時系列の荷重値および変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求めることを特徴とする。
この発明によれば、取得した時系列の荷重値および変位が、荷重値が出現時から最大値に達するまでの最大荷重到達時間と、変位が出現時から最大値に到達するまでの最大変位到達時間とが一致するように補正されるとともに、荷重値と変位の出現時とが一致するように補正される。
また、請求項9にかかる発明は、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出装置であって、前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段と、前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定手段と、前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフト手段と、前記シフト手段によりシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段とを備えたことを特徴とする弾性係数導出装置である。
この発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係が、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。そして、シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出される。
また、請求項10にかかる発明は、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する装置であって、前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段と、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段とを具備することを特徴とする弾性係数導出装置である。
この発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される。
また、請求項11にかかる発明は、請求項10にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出手段は、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、K=Pmax/(A×(δmax−δ0))当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出することを特徴とする。
この発明によれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位(δmax−δ0)を用いて弾性係数が導出される。
また、請求項12にかかる発明は、地盤を建設する建設ステップと、前記建設ステップで建設された地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位を計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測された荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフトステップと、前記シフトステップでシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップとを備えたことを特徴とする地盤建設方法である。
この発明によれば、地盤が建設された後、当該地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位が計測される。そして、計測された荷重と変位から両者の対応関係が取得され、その関係が、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。そして、シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出される。
また、請求項13にかかる発明は、地盤を建設する建設ステップと、前記建設ステップで建設された地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位を計測する計測ステップと、前記計測ステップで計測された荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップとを具備することを特徴とする地盤建設方法である。
この発明によれば、地盤が建設された後、当該地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位が計測される。そして、計測された荷重と変位から両者の対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される。
また、請求項14にかかる発明は、コンピュータを、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重値と前記地盤の変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段、前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定手段、前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフト手段、前記シフト手段によりシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段として機能させるためのプログラムである。
この発明にかかるプログラムをコンピュータに実行させれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係が、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。そして、シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出される。
また、請求項15にかかる発明は、コンピュータを、地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段として機能させるためのプログラムである。
この発明にかかるプログラムをコンピュータに実行させれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される。
また、請求項16にかかる発明は、請求項15にかかる発明の構成において、前記弾性係数導出手段は、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、K=Pmax/(A×(δmax−δ0))当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出することを特徴とする。
この発明にかかるプログラムをコンピュータに実行させれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位と関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位δmaxを用いて弾性係数が導出される。
本発明の請求項1にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位の関係が、その関係から加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。したがって、端面誤差、動的・静的抵抗の差等に起因する誤差が極力排除され、当該シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出されるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項2にかかる発明によれば、シフトされた荷重値と変位の関係から、変位1.25mmに対応する荷重値P1.25を用いた弾性係数の導出がなされるので、平板載荷試験の結果から導出される初期載荷弾性係数に近似した値を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項3にかかる発明によれば、シフトされた荷重値と変位との関係から導出された弾性係数が、予め平板載荷試験の結果から取得された弾性係数とFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて補正されるので、より平板載荷試験の結果から得られる弾性係数に近い弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項4にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される、つまり一旦荷重が加わった後の区間という、繰返し載荷弾性係数の導出する時に用いられるデータに類似した状況で取得されたデータが用いられるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項5にかかる発明によれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位(δmax−δ0)を用いて弾性係数が導出されるので、平板載荷試験により得られる弾性係数に近似した弾性係数を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項6にかかる発明によれば、最大荷重値後区間の荷重と変位の関係から求められたK値を用いて弾性係数が導出されるので、平板載荷試験により得られる弾性係数に近似した弾性係数を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項7にかかる発明によれば、最大荷重値後区間の荷重値と変位との関係から導出された弾性係数が、予め平板載荷試験の結果から取得された弾性係数とFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて補正されるので、より平板載荷試験の結果から得られる弾性係数に近い弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項8にかかる発明によれば、取得した時系列の荷重値および変位が、荷重値が出現時から最大値に達するまでの最大荷重到達時間と、変位が出現時から最大値に到達するまでの最大変位到達時間とが一致するように補正されるとともに、荷重値と変位の出現時とが一致するように補正されるので、地盤に加える種々の荷重値とそれによって生じる変位との対応関係を求めることができ、つまり実際には非線形の関係となる荷重値と変位との関係を求めることができ、このような関係を地盤係数導出に用いることができるので、より正確な導出が可能となるという効果を奏する。
また、請求項9にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位の関係が、その関係から加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。したがって、端面誤差、動的・静的抵抗の差等に起因する誤差を極力が排除され、当該シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出されるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項10にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される、つまり一旦荷重が加わった後の区間という、繰返し載荷弾性係数の導出する時に用いられるデータに類似した状況で取得されたデータが用いられるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項11にかかる発明によれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位(δmax−δ0)を用いて弾性係数が導出されるので、平板載荷試験により得られる弾性係数に近似した弾性係数を得ることができるという効果を奏する。
また、請求項12にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位の関係が、その関係から加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。したがって、端面誤差、動的・静的抵抗の差等に起因する誤差を極力が排除され、当該シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出されるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができる。したがって、負担を大幅に増加させることなく、より多くの地点で試験を行って弾性係数を導出することができ、労力負担等の増加を抑制しつつ、より正確な地盤の品質評価が可能となるという効果を奏する。
また、請求項13にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される、つまり一旦荷重が加わった後の区間という、繰返し載荷弾性係数の導出する時に用いられるデータに類似した状況で取得されたデータが用いられるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができる。したがって、負担を大幅に増加させることなく、より多くの地点で試験を行って弾性係数を導出することができ、労力負担等の増加を抑制しつつ、より正確な地盤の品質評価が可能となるという効果を奏する。
また、請求項14にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位の関係が、その関係から加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を始点とする関係にシフトされる。したがって、端面誤差、動的・静的抵抗の差等に起因する誤差を極力が排除され、当該シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて地盤の弾性係数が導出されるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項15にかかる発明によれば、地盤に重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から、これらの対応関係が取得され、その関係のうち最大荷重値からそれ以降荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の関係に基づいて弾性係数が導出される、つまり一旦荷重が加わった後の区間という、繰返し載荷弾性係数の導出する時に用いられるデータに類似した状況で取得されたデータが用いられるので、負担の大きい平板載荷試験を行うことなく、より正確な弾性係数を導出することができるという効果を奏する。
また、請求項16にかかる発明によれば、最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係のなかで最大荷重値Pmaxとそのときの変位(δmax−δ0)を用いて弾性係数が導出されるので、平板載荷試験により得られる弾性係数に近似した弾性係数を得ることができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法の最良な実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる弾性係数導出方法を実施するためのシステムの構成を示す。同図に示すように、当該システムは、地盤計測装置100と、PC200とを備えており、かかるシステムでは、地盤計測装置100が地盤に加えた荷重値と地盤の変位とを計測してPC200に供給し、かかる計測結果に基づいてPC200が地盤の弾性係数を導出するようになっている。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる弾性係数導出方法を実施するためのシステムの構成を示す。同図に示すように、当該システムは、地盤計測装置100と、PC200とを備えており、かかるシステムでは、地盤計測装置100が地盤に加えた荷重値と地盤の変位とを計測してPC200に供給し、かかる計測結果に基づいてPC200が地盤の弾性係数を導出するようになっている。
地盤計測装置100は、載荷部1と、支持体2と、荷重計測手段3と、主軸4と、重錘5と、不動部6と、変位計測手段7とを備えている。
載荷部1は、金属などの剛体で構成され、測定対象となる地盤Gの上面に接触するよう設置される。支持体2は、載荷部1の上側に設けてあり、金属などの剛体からなる。支持体2は、上支持板2aと下支持板2bとの間を複数の支柱2cで連結した構造体であり、その上支持板2aの上面には、落下した重錘5を受けるダンパー2dが設けてある。
荷重計測手段3は、荷重を電圧の変化として検出するロードセルなどからなる。荷重計測手段3は、支持体2の下支持板2bと載荷部1との間に介在してある。この荷重計測手段3は、支持体2に重錘5を落下したときに、載荷部1に生じた地盤Gに加わる衝撃荷重を計測する。主軸4は、載荷部1に対して鉛直となる軸線に沿う態様で支持体2を介して載荷部1に連結してある。
重錘5は、複数の錘板を組み合わせてなるものであり、その総質量を可変できる。係合部5cは、主軸4の軸線に沿って移動可能になされており、その移動可能な位置で固定できるようになっている。重錘5は、固定された当該係合部5cに係合されることでその位置が保持されており、計測時にはかかる係合状態を解除することで重錘5が保持位置から落下し、支持体2の上側に設けられたダンパー2dに衝突する。なお、係合部5cの固定位置を変動させることで、重錘5の落下高さを調整することができる。
不動部6は、金属などの剛体からなり、重錘5の落下とは独立しており、重錘5の落下時においてその位置が変動しないようになっている。変位計測手段7は、不動部6側に設けてあり、主軸4の位置変位を計測する。変位計測手段7は、例えば主軸4に基準位置を設け、この基準位置の移動を計測する。この変位計測手段7は、重錘5を落下させたときの主軸4の位置変位から地盤Gのたわみ(変位)量を計測する。
以上が地盤計測装置100の構成であり、荷重および変位の計測を行う場合には、係合部5cと重錘5の係合状態を解除する。これにより図2に示すように重錘5が落下してダンパー2dに衝突する。かかる重錘5の落下に伴って支持体2および載荷部1を介して地盤Gに衝撃荷重が加わり、その荷重が荷重計測手段3によって計測される。また、この荷重によって地盤Gがδだけ沈下すると、その沈下に伴って載荷部1とこれに連結される支持体2および主軸4が下方側に移動する。つまり、主軸4が地盤Gの沈下量δと同じだけ下方側に移動し、この移動量を変位計測手段7が計測することで地盤Gの変位δを計測することができるのである。すなわち、この地盤計測装置100は、地盤Gに対してFWD(Falling Weight Deflectometer)計測を行うことができる。
図1に示すPC200には、以上のような構成の地盤計測装置100によって地盤Gの多数の地点で計測された時系列の荷重と時系列の変位とが供給され、PC200においてこれらのFWD計測結果に基づいて地盤Gに弾性係数を導出するための処理が行われる。
なお、地盤計測装置100とPC200を信号ケーブル等によって接続し、計測時に計測結果をリアルタイムで地盤計測装置100からPC200に送信することで計測結果を供給するようにしてもよいし、一旦地盤計測装置100において可搬型記録媒体に計測結果を記録させ、かかる可搬型記録媒体からPC200にセットしてこれに記録された計測結果を読み出すことによりPC200が計測結果を取り込むようにしてもよいし、地盤計測装置100の計測結果のPC200への供給方法は任意である。
PC200は、地盤計測装置100等から供給されるFWD計測結果に基づいて、測定対象である地盤Gの弾性係数を導出する処理を行うためのプログラムを内蔵するハードディスクドライブ等の外部記憶装置に記憶している。PC200は、かかる外部記憶装置に記憶されたプログラムを実行することで、図3に示すような機能を備えた地盤係数導出装置として機能する。
同図に示すように、PC200は、荷重取得部210と、変位取得部220と、荷重変位関係導出部230と、変位特定部235と、荷重変位関係シフト部240と、弾性係数導出部250とを備えている。
荷重取得部210は、上述したように地盤計測装置100によって計測された時系列の荷重値を取得する。また、変位取得部220は、地盤計測装置100によって計測された時系列の変位を取得する。ここで、荷重取得部210および変位取得部220によるこれらのデータの取得方法は、可搬型記録媒体にこれらのデータが記録されている場合にはかかる可搬型記録媒体から当該データを読み出すことにより取得し、地盤計測装置100によって計測される値がリアルタイムでPC200に供給される場合には当該供給される値を取得する。
また、荷重取得部210および変位取得部220によって取得される時系列の荷重値および変位は、それぞれ地盤計測装置100の荷重計測手段3および変位計測手段7によって微小時間(例えば、0.2msec)ごとに計測された値、つまり図4に示すように計測開始(t=0)から微小時間単位でステップする時刻ごとに計測された荷重値および変位の値であり、荷重取得部210および変位取得部220は図6に示すようなFWD測定結果テーブルを作成する。
荷重変位関係導出部230は、荷重取得部210によって取得された時系列の荷重値と、変位取得部220によって取得された時系列の変位といった測定地点ごとのFWD測定結果データを補正する。そして、荷重変位関係導出部230は、補正した時系列の荷重値および変位から、地盤Gに加わる荷重値とそれに対応する変位との関係といった荷重値と変位との対応関係を求める。
まず、荷重変位関係導出部230による時系列の荷重および変位の補正処理の内容について、荷重取得部210および変位取得部220によって図5に示すような時系列の荷重値および変位が得られた場合を例に挙げて説明する。
図6に示すように、まず荷重変位関係導出部230は、荷重値の出現時tp0、変位の出現時td0を特定する。ここで、出現時とは、荷重取得部210によって取得される荷重値が0から変化した時点、および変位取得部220によって取得される変位が0から変化した時点である。
このように荷重値の出現時tp0、変位の出現時td0を特定すると、これらの出現時が一致するように荷重値および変位データの時刻を修正する(ステップSa1)。すなわち、荷重値の出現時tp0=0、変位の出現時td0=0とし、出現時以降の荷重値に対応する時刻tnはtn−tp0、変位に対応する時刻tnはtn−td0にするといった補正を行う。
このように出現時が一致(0となる)するように、荷重値および変位が対応する時刻を補正すると、荷重変位関係導出部230は、荷重値の出現時tp0と荷重値が最大値Ppとなる時tppまでの時間である最大荷重到達時間Tpと、変位の出現時td0と、変位が最大値δpとなる時tdpまでの時間である最大変位到達時間Tdとを求める(ステップSa2)。
以上のように最大荷重到達時間Tpと最大変位到達時間Tdを求めると、荷重変位関係導出部230は、求めたTpとTdが一致するか否かを判別し(ステップSa3)、一致しないと判別した場合には時系列の変位データを修正する処理を行う(ステップSa4)。なお、実際に得られた計測のほとんどは、最大変位到達時間Tdが最大荷重到達時間Tpと一致しないため、ほとんどのケースでステップSa3の修正処理が行われることになる。
時系列の変位データの修正処理では、最大変位到達時間Tdが最大荷重到達時間Tpと一致するようにする。具体的には、図7に示すように、微小時間ごと時刻に対応する変位からなるデータのうち、各時刻に対してTp/Tdを乗算する。例えば、Tp/Tdが9/10であれば各時刻に対して9/10が乗算されることになり、時刻10msecが9msecに修正されることになる。
このように時刻の修正が終了すると、荷重変位関係導出部230は、修正された時刻ごとの変位のデータから、修正前の時刻に対応する変位を求める。すなわち、修正前の時刻は、0から微小時間(0.2msec)ごとステップする時刻であるが、上記のようにTp/Tdを時刻に乗算することで、修正前の時刻と対応しない時刻(時刻9.18、8.1、8.28)が現れる一方で修正前の時刻(時刻9.2、10.2)に対応するものが消えてしまうことになるので、修正前の時刻ごとの荷重値からなる時系列の荷重値データとの時刻の整合性がとれない。
したがって、荷重変位関係導出部230は、時刻修正後の時刻と変位との関係から、修正前の時刻(0から0.2msecごとにステップする時刻)に対応する変位を補間演算を行うことにより求め、修正前の時刻とこれに対応する変位からなるデータに修正する。例えば、時刻9.2に対応する変位Xは、修正時刻9.18に対応する変位δ10.2(aとする)と、修正時刻9.36に対応する変位δ10.4(bとする)から、以下の式により求めることができる。
X=a×8/9+b×1/9
X=a×8/9+b×1/9
以上のように荷重変位関係導出部230による補正処理では、Tp=Tdの場合には(ステップSa2の判別「Yes」)、図4に示すように出現時tp0とtd0、最大時tppとtdpと一致していないデータにおける変位データの時刻をtp0−td0、つまり出現時のずれている時間分だけシフトさせて、図8に示すように両者の出現時を一致させるといった処理が行われる。
一方、TpがTdと一致しない場合には(ステップSa3の判別「No」)、図9に示すように、修正後の変位データの時刻をtp0−td0だけシフトした後(図9左側)、最大変位到達時間Tdが最大荷重到達時間Tpと一致するように変位データを修正するといった処理が行われる(図9右側)。
以上のように時系列の荷重値と変位を補正すると、荷重変位関係導出部230は、補正した時系列の荷重値および変位から、地盤Gに加わる荷重値とそれに対応する変位との関係といった荷重値と変位との関係を求め、これを変位特定部235および荷重変位関係シフト部240に出力する。すなわち、上記のように補正の結果、同じ時刻に対応する荷重と変位とを関係付け、これを変位特定部235および荷重変位関係シフト部240に出力する(ステップSa5)。
ここで、図10に荷重変位関係導出部230によって求められた地盤に加わる荷重値(ここでは単位面積あたりの荷重強さ(kN/m2))と変位との関係を示す図である。同図に示すように、両者の関係は非線形であり、通常荷重強さと変位が小さい区間では、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる傾向(図10において上側に凸となる)を示し、荷重強さと変位が大きい区間では加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる傾向(図10において下側に凸となる)を示すのが一般的である。図示の例は、図1に示す地盤計測装置100の載荷部1の直径が450φ、深度60cm程度までの区間で確実に地盤反力を発生でき、かつ大粒径礫質土(Dmax=300mm)の薄層締固め地盤を測定対象とした場合に得られたデータに基づくものであり、このような条件の地盤であれば上記のような傾向を示すものと考えられる。なお、以下において参照する実験データ等は当該条件のもとで行われた試験結果に基づいている。
変位特定部235は、上記のような荷重と変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間(図10で上側に凸となる区間)と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間(図10で下側に凸となる区間)とが切換わるときの変位値、つまり図10に示すグラフ上の変曲点における変位値δhを特定する。
荷重変位関係シフト部240は、変位特定部235によって特定された変位値δhが始点(0)となるよう、荷重変位関係導出部230から供給される荷重と変位の関係(図10参照)をシフトする。より具体的には、図11に示すように、まず荷重および変位の出現時から最大荷重値(Pmax)および最大変位値(δmax)までの区間の荷重と変位の関係を、最大荷重値および最大変位値は変えずに始点の変位をδh、荷重0とし、その始点から最大荷重値および最大変位値の点を結ぶ曲線で表される関係に変更する。この際、最大値点と変位δh(荷重0)の点を結ぶ曲線は、元の曲線に類似するように変更すればよい。例えば、ある荷重Pにおける元々の変位がδであった場合においては、変更後のδaを以下の式により求めるようにすればよい。
δa=δ+(δmax−δ)δh/δmax
δa=δ+(δmax−δ)δh/δmax
そして、上記のように荷重値0〜最大荷重値までの区間の曲線をシフトすると、図12に示すように、始点(変位δh、荷重値0)が(変位0、荷重値0)となるように荷重値0〜最大荷重値までの区間の関係および最大荷重値後荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間の関係、つまり全区間の荷重と変位の関係をシフトさせる。
弾性係数導出部250は、上記のようにシフトされた荷重と変位の関係から、初期載荷弾性係数および繰返し載荷弾性係数を導出する。すなわち、従来、繰返し平板載荷試験を行うことで得られた結果に基づいて導出されていた弾性係数を、FWD試験の結果から導出するのである。
弾性係数導出部250による具体的な導出手順について初期載荷弾性係数と、繰返し載荷弾性係数とに分けて説明する。まず、初期載荷弾性係数Efwdlの導出手順について説明する。初期載荷弾性係数Efwdlを導出する場合、弾性係数導出部250は、上記のように荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重と変位の関係から、変位が1.25mmのときの荷重P1.25を求め、当該P1.25、地盤計測装置100の載荷部1の面積Aを用い、次の(3)式によりKl値を求める。
Kl=P1.25/(A×0.00125) (3)
Kl=P1.25/(A×0.00125) (3)
なお、図11に示されるグラフの縦軸は単位面積あたりの荷重(kN/m2)であり、図11に示すような単位面積あたりの荷重と変位との関係から単位面積あたりのPt1.25を取得した場合には上記(3)式におけるAは不要である。
以上のようにKl値を求めると、弾性係数導出部250は、当該Kl値、ポアソン比ν、載荷部1の直径Dを用い、次の(4)式により初期載荷弾性係数Efwdlを求める。
Efwdl=0.25πD(1−ν2)Kl (4)
次に、繰返し載荷弾性係数のうち、繰返し平板載荷試験の第3荷重段階の結果(図21参照)から得られる繰返し載荷弾性係数E75,r3に相当する繰返し載荷弾性係数Efwd,r3の導出手順について説明する。弾性係数導出部250は、上記のように荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重と変位の関係から、荷重値が最大値に達した後荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の荷重と変位の関係に基づいて繰返し弾性係数Efwd,r3を導出する。
Efwdl=0.25πD(1−ν2)Kl (4)
次に、繰返し載荷弾性係数のうち、繰返し平板載荷試験の第3荷重段階の結果(図21参照)から得られる繰返し載荷弾性係数E75,r3に相当する繰返し載荷弾性係数Efwd,r3の導出手順について説明する。弾性係数導出部250は、上記のように荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重と変位の関係から、荷重値が最大値に達した後荷重値が0となるまでの最大荷重値後区間の荷重と変位の関係に基づいて繰返し弾性係数Efwd,r3を導出する。
本実施形態では、弾性係数導出部250は、上記最大荷重値後区間のうち、最大荷重値Pmax、そのときの変位δmax、荷重値0となったときの変位、つまり残留変位δ0と載荷部1の面積Aを用い、以下の(5)式により係数Kr3を求める。
Kr3=Pmax/(A×(δmax−δ0)) (5)
Kr3=Pmax/(A×(δmax−δ0)) (5)
なお、図11に示されるグラフの縦軸は単位面積あたりの荷重(kN/m2)であり、図11に示すような単位面積あたりの荷重と変位との関係から単位面積あたりのPtmaxを取得した場合には上記(5)式におけるAは不要である。
以上のようKr3を求めると、弾性係数導出部250は、当該Kr3、ポアソン比ν、載荷部1の直径Dを用い、次の(6)式により弾性係数Efwd,r3を求める。
Efwd,r3=0.25πD(1−ν2)Kr3 (6)
Efwd,r3=0.25πD(1−ν2)Kr3 (6)
PC200は、このように弾性係数導出部250が導出した弾性係数や、荷重変位関係導出部230が導出した荷重と変位の関係(図10参照)、荷重変位関係シフト部240がシフトした荷重と変位の関係(図12参照)などをPC200の図示せぬLCD(Liquid Crystal Display)などの画像表示手段に表示したり、図示せぬプリンタなどの画像形成手段によって出力したり、または外部装置にデータを出力する図示せぬ通信手段等によって送信したりすることができる。
以上のようなシステムを利用し、地盤計測装置100によって取得された弾性係数の導出対象となっている地盤Gに対してFWD試験を行った時の荷重値および変位をPC200に入力することで、上記のような手順の弾性係数導出方法がPC200によって実施される。
すなわち、地盤計測装置100によって取得された荷重値および変位から、荷重値と変位の関係を求め、当該荷重値と変位の関係から変曲点の変位、つまり加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位を特定する。そして、荷重値と変位との関係を、特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトする。シフトされた荷重値と変位との関係に基づいて、地盤の初期載荷弾性係数を導出することができる。
また、地盤計測装置100によって取得された荷重値および変位から求めた荷重値と変位の関係のうち、荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における荷重値と変位との関係に基づいて、地盤の繰返し弾性係数を導出することもできる。
以上が本実施形態にかかる弾性係数導出方法であり、かかる方法によれば、多大な時間と労力を要する繰返し平板載荷試験を行うことなく、比較的簡易なFWD測定を行うことにより、繰返し平板載荷試験を行うことで求められる初期載荷弾性係数と繰返し載荷弾性係数(第3荷重段階)と同視しうる弾性係数値を導出することができる。
すなわち、平板載荷試験は、FWD試験と比較して試験に要する時間が長く、また試験に要する労力も大きい。これに対し、上記のような地盤計測装置100を用いたFWD試験は試験に要する時間も短く(通常数分程度)、また労力も少ない。しかも、図10に示されるように複数回重錘を落下させることなく、1回の重錘落下により発生する荷重と変位を取得し、かかる取得結果から弾性係数を導出しているので、弾性係数導出にかかる負担を大幅に低減することができる。これにより、面積の広い地盤の品質評価を行うために弾性係数を求める場合であっても、比較的多数地点においてFWD試験を行って弾性係数を求めることができ、より正確な品質評価を行うことができる。
もちろん、上記のようにFWD試験の結果から導出された弾性係数が、繰返し平板載荷試験を行うことで得られる弾性係数と全く相違するものであると、正確な品質評価は行い得ない。しかしながら、以下のような理由および確認実験によって本実施形態にかかる弾性係数導出方法によって導出された弾性係数の正確性が証明され、導出された弾性係数の正確性も担保されているので、正確な品質評価に支障はない。
本実施形態では、FWD試験の結果から初期載荷弾性係数Efwdlを求める際に、荷重と変位との関係をそのまま利用するのではなく、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位を特定し、荷重値と変位との関係を、特定された変位値を始点とし、かかる始点と最大荷重値点を結ぶ関係に変更するようにしている(図11参照、図12参照)。そして、このように変更した後の荷重値と変位の関係、具体的には変位が1.25mmとなる場合の荷重値P1.25を用いて初期載荷弾性係数Efwdlを導出するようにしている。
すなわち、重錘を落下させたときに発生する荷重と変位から取得される荷重と変位の関係は、上述したように荷重強さと変位が小さい区間(初期の区間)では、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる傾向(図10において上側に凸となる)を示し、荷重強さと変位が大きい区間では加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる傾向(図10において下側に凸となる)を示すのが一般的である。これは初期時においては、載荷部1と地盤面の端面誤差、地盤の静的・動的抵抗の差、載荷応力による土粒子の再配向などの影響を受けるため上側に凸となる傾向を示し、その後地盤挙動に端面誤差等の上記の影響が少なくなると下側に凸となる傾向が示されるものと考えられる。
したがって、初期時におけるFWD試験の結果(上側凸の部分)は端面誤差、地盤抵抗差などの影響を受けたものである可能性が高い。本実施形態では、これらの影響を極力排除するために上記のように変曲点、つまり傾向が変わる点を求め、原点(変位0、荷重0)から当該変曲点(変位δh)までに生じた変位を削除するように変更しているのである。そして、このような端面誤差等の影響を極力排除した後の荷重と変位の関係から初期載荷弾性係数を求めることで、より正確な初期載荷弾性係数が導出されると考えられるのである。
また、本実施形態では、上述したように最大荷重値となった時点以降荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間の荷重値と変位の関係から、繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を導出するようにしている。繰返し平板載荷試験における繰返し荷重段階の試験結果から得られる繰返し載荷弾性係数E75,r3は、地盤に対して複数回の平板荷重をかけたときの地盤の変動から得られるものである。したがって、一旦地盤に荷重が加わった後、さらに荷重を加えたときの地盤の挙動から得られるものである。本実施形態では、繰返し載荷弾性係数が一旦荷重をかけた後にさらに荷重をかけた際の地盤の挙動に基づく点に着目し、これと同じく最大荷重が加わった時およびそれ以降の区間である最大荷重値後区間の関係を利用するようにしているのである。
また、本発明者は、FWD試験の結果を利用して上記のように導出した弾性係数の正確性を検証するために、同一の地盤について繰返し平板試験と上記のような地盤計測装置100を用いたFWD試験とを行い、各々の結果および当該結果から導出した弾性係数を比較することとした。
図13は、ある地盤のある地点について繰返し平板載荷試験を行った際の単位面積あたりの荷重強さとひずみε(変位に比例する)との関係に、上記繰返し平板載荷試験と同じ地盤の同じ地点についてFWD試験を行い、その試験結果を上記のようにシフト等することで得られた荷重強さとひずみとの関係(図中一点差線)およびこれからもとまる弾性係数(図中破線で示す線の傾き)を重畳して示すグラフである。
この図を参照すると明らかなように、上記のように導出される初期載荷弾性係数Efwdlと、繰返し平板載荷試験の各載荷段階の1回目の載荷後の図13上の点を曲線で結ぶことで得られる荷重強さとひずみとの関係(図中太線で示す曲線)から、上記(2)式により求まる初期載荷弾性係数E75,l(グラフ上の直線の傾きで表される)と、図13中のδ=1.25の時の荷重値P1.25を用いて上記(3)、(4)式を用いて求まる初期載荷弾性係数Efwdlとが極めて近似しているのがわかる(図13では両者は重なっている)。
また、図13に示す繰返し平板載荷試験の第3荷重段階の結果から求められる繰返し載荷弾性係数E75,r3(図中一点差線で示す線の傾き)と、図13に示すFWD試験の結果から、上記(5)、(6)を用いて求められる繰返し載荷弾性係数fwd,r3(図中二点差線で示す線の傾き)とが極めて近似しているのがわかる。
また、図14は、繰返し平板載荷試験の結果から得られた初期載荷弾性係数E75,lおよび繰返し載荷弾性係数E75,r3と(縦軸)、当該試験と同じ地点のFWD試験の結果から上記手順で導出した初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3と(横軸)をプロットして表現したグラフである。そして、これらの関係を一次関数で近似すると、y=1.20xといった関数が求められ、また両者の相関係数はR=0.82といったように非常に高い相関性を持つことも確認された。
これらの結果から本実施形態における弾性係数導出方法によって初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を導出することで、繰返し平板載荷試験を行うことで得られる弾性係数と極めて近似した弾性係数を得ることができることが確認された。
以上説明したように本実施形態では、多大な時間と労力を要する繰返し平板載荷試験を行うことなく、比較的簡易なFWD測定を行うことにより得られた結果から、繰返し平板載荷試験を行うことで求められる初期載荷弾性係数と繰返し載荷弾性係数(第3荷重段階)と極めて近似した弾性係数値を導出することができる。
また、本実施形態では、FWD測定結果から弾性係数導出のために必要となるバネ定数KfwdlおよびKfwd,r3を導出する際に、地盤計測装置100の測定結果(図9の左側)をそのまま利用するのではなく、荷重変位関係導出部230によって最大荷重時と最大変位時とが一致し、かつ最大荷重到達時間Tpと最大変位到達時間Tdとが一致するよう補正された後、補正後のデータ(図9の右側)が用いられるようになっている。
従来にもFWD試験の結果はK値導出のために用いられているが、補正を行わないK値導出方法では、計測された荷重値および変位の最大値のみに着目し、荷重値と変位との関係が線形であることを前提としたものであった。
しかしながら、実際に計測装置による計測結果に基づく荷重値と変位の関係は線形ではなく(図10参照)、上記のような線形であることを前提として求めたK値の正確性については問題があり、本実施形態における弾性係数導出方法のように最大荷重値(最大変位)以外の部分のデータを利用する場合には単純に計測された時間をそのまま用いて荷重と変位とを対応つけ、かかる関係を利用した場合には正確な値が導出できなくなるおそれがあると考えられる。
これに対し、本実施形態では、上述したように計測されたデータを補正することで、荷重値の最大値と変位の最大値との関係のみならず、測定対象である地盤に加える種々の荷重値(0〜最大値までの多数の値)と、それによって生じる変位との関係を求めることができる。そして、このような補正後のデータから求まる非線形な関係からK値を求め、当該K値を用いて弾性係数を導出するようにしている。したがって、より正確な弾性係数を導出することができる。
(第2の実施の形態)
次に、図15は、本発明の第2の実施の形態にかかる弾性係数導出方法を実施するためのPCの機能構成を示すブロック図である。第2の実施形態におけるPC300は、上記第1実施形態におけるPC200と同様、内蔵するハードディスク等の記憶装置にFWD計測結果に基づいて測定対象である地盤Gの弾性係数を導出する処理を行うためのプログラムを記憶しており、かかるプログラムを実行することで、図15に示すような機能を備えた地盤係数導出装置として機能する。なお、第2の実施形態において、第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
次に、図15は、本発明の第2の実施の形態にかかる弾性係数導出方法を実施するためのPCの機能構成を示すブロック図である。第2の実施形態におけるPC300は、上記第1実施形態におけるPC200と同様、内蔵するハードディスク等の記憶装置にFWD計測結果に基づいて測定対象である地盤Gの弾性係数を導出する処理を行うためのプログラムを記憶しており、かかるプログラムを実行することで、図15に示すような機能を備えた地盤係数導出装置として機能する。なお、第2の実施形態において、第1の実施の形態と共通する構成要素には同一の符号を付けて、その説明を省略する。
同図に示すように、弾性係数導出装置として機能するPC300は、上述した第1の実施の形態における構成に加えて、弾性係数補正部320を備える点で上記第1の実施の形態と相違している。
弾性係数補正部320には、上述した第1の実施の形態と同様の手順で弾性係数導出部250によって導出された初期載荷弾性係数Efwdlと、繰返し載荷弾性係数Efwd,r3とが供給される。弾性係数補正部320は、予め地盤のある地点において行った繰返し平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて、初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を補正して弾性係数を導出する。
より具体的には、弾性係数補正部320は、予め上記のように得られている両弾性係数の相関関係から導出した補正演算式を用いて初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を補正し、初期載荷弾性係数Efwdlh、繰返し載荷弾性係数Efwd,r3h、および繰返し載荷弾性係数Efwd,r2h(繰返し平板載荷試験の第2荷重段階の結果から得られる繰返し載荷弾性係数E75,r2に相当する)を導出する。
本実施形態では、弾性係数補正部320は、上記3つの弾性係数を導出するために以下の3つの補正演算式が記憶されており、かかる補正演算式に弾性係数導出部250によって求められた初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を代入することで上記3つの弾性係数を導出する。
Efwdlh=a×Efwdl+b
Efwd,r3h=c×Efwd,r3+d
Efwd,r2h=e×Efwd,r3+f
Efwdlh=a×Efwdl+b
Efwd,r3h=c×Efwd,r3+d
Efwd,r2h=e×Efwd,r3+f
そして、上記補正演算式における係数a,b,c,d,e,fが予め地盤のある地点において行った繰返し平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて決定されているのである。
本実施形態では、上記係数を以下のような手順で決定している。まず、当該弾性係数導出方法を利用した弾性係数導出の対象となる地盤と、材質等が類似する地盤の複数の地点について繰返し平板載荷試験を行い、その結果から初期載荷弾性係数E75,l、繰り返し載荷弾性係数E75,r2、E75,r3を求める。一方、当該地盤について上記平板載荷試験を行った各地点についてその近傍地点や任意地点など多数の地点において上記構成の地盤計測装置100などを利用してFWD試験を行い、その結果から上記第1の実施の形態における手順により初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を導出する。
ここで、図16は、繰返し平板載荷試験の結果から得られた初期載荷弾性係数E75,lと(縦軸)、FWD試験の結果から上記手順で導出した初期載荷弾性係数Efwdlと(横軸)をプロットして表現したグラフであり、図17は、繰返し平板載荷試験の結果から得られた繰返し載荷弾性係数E75,r3と(縦軸)、FWD試験の結果から上記手順で導出した繰返し載荷弾性係数Efwd,r3と(横軸)をプロットして表現したグラフである。
そして、各々のグラフに示される繰返し平板載荷試験に基づく弾性係数とFWD試験に基づく弾性係数との関係を関数(本実施形態では、一次関数y=ax+b、y=cx+d)で近似することで、上記補正演算式の係数a,b,c,dを求める。このようにして求めた係数を含む補正演算式を保持しておき、弾性係数補正部320がかかる補正演算式を用いて初期載荷弾性係数Efwdlhおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3hを導出する。
また、図18は繰返し平板載荷試験の結果から得られた繰返し載荷弾性係数E75,r2と(縦軸)、FWD試験の結果から上記手順で導出した繰返し載荷弾性係数Efwd,r3と(横軸)をプロットして表現したグラフである。同図から、繰返し平板載荷試験の第2荷重段階の結果を利用して求められる繰返し載荷弾性係数E75,r2と、FWD試験の結果のうちの最大荷重値後区間(図12参照)の荷重と変位の関係から導出された繰返し載荷弾性係数Efwd,r3との間に高い相関関係が認められることがわかる。
したがって、このような両者の関係を関数(本実施形態では、一次関数y=ex+f)で近似することで、上記補正演算式の係数e,fを求める。このようにして求めた係数を含む補正演算式を保持しておき、弾性係数補正部320がかかる補正演算式を用いて繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を補正し、繰返し載荷弾性係数Efwd,r2hを導出する。
このような相関関係に基づく補正演算式を用い、初期載荷弾性係数Efwdlおよび繰返し載荷弾性係数Efwd,r3を補正することで実際に取得した初期載荷弾性係数Efwdlh、繰返し載荷弾性係数Efwd,r3h、および繰返し載荷弾性係数Efwd,r2hと、繰返し平板載荷試験を行うことで得られた初期載荷弾性係数E75,l、繰り返し載荷弾性係数E75,r2、E75,r3との関係の一例を図19に示す。
同図に示すように、繰返し平板載荷試験から得た弾性係数と、本実施形態で得た弾性係数との関係がほぼ一対一の比例の関係にあり、かつ相関関係も高く(相関係数R=0.87)、本実施形態によって導出された弾性係数が繰返し平板載荷試験から得た弾性係数と極めて近似していることがわかる。また、この実験では、同一の地盤に対して両試験を行うようにしているが、両試験の実施地点は異なっており、礫質土の粒度分布などの点では同一条件ではない状況下で行われていることを考慮すれば、本実施形態によって導出された弾性係数と繰返し平板載荷試験から得られる弾性係数との間の相関関係が極めて高いことがわかる。
以上説明したように本実施形態では、多大な時間と労力を要する繰返し平板載荷試験を行うことなく、比較的簡易なFWD測定を行うことにより得られた結果から、繰返し平板載荷試験を行うことで求められる初期載荷弾性係数と繰返し載荷弾性係数(第2荷重段階、第3荷重段階)と極めて近似した弾性係数値を導出することができる。
(変形例)
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
なお、本発明は、上述した各実施の形態に限定されるものではなく、以下に例示するような種々の変形が可能である。
(変形例1)
まず、上述した各実施形態では、FWD試験の試験結果から地盤の弾性係数を導出する方法および装置について説明していたが、このような方法および装置によって導出した弾性係数を用いて地盤に対する評価を行い、地盤建設を行うようにしてもよい。このような弾性係数導出方法を利用した地盤建設方法について図20を参照しながら説明する。
まず、上述した各実施形態では、FWD試験の試験結果から地盤の弾性係数を導出する方法および装置について説明していたが、このような方法および装置によって導出した弾性係数を用いて地盤に対する評価を行い、地盤建設を行うようにしてもよい。このような弾性係数導出方法を利用した地盤建設方法について図20を参照しながら説明する。
まず、図20に示すように、施工者が設計条件にしたがった地盤を建設する(ステップSb1)。例えば振動ローラを用いた転圧締固め等の工程を含む地盤建設を行う。そして、建設した地盤の複数地点(例えば20地点/2000m2)に対して上記実施の形態で説明したようなFWD試験を行う(ステップSb2)。
FWD試験の試験結果が得られると、当該試験結果に基づいて上記第1の実施の形態または第2の実施の形態で説明した弾性係数導出方法を用いて、初期載荷弾性係数Efwdlh、繰返し載荷弾性係数Efwd,r3h、および繰返し載荷弾性係数Efwd,r2hといった弾性係数を導出する(ステップSb3)。
そして、導出された弾性係数を用いて地盤に対する評価を行い(ステップSb4)、品質が不適合な領域があるか否かを判別する(ステップSb5)。ここでの弾性係数を用いた評価方法は種々の方法を採用することができ、例えば上記のように導出した複数地点の弾性係数から地盤全域の各地点(計測していない地点)の弾性係数を空間推定法などを用いて推定し、その推定結果を合わせて参照することで評価を行うようにしてもよい。ここでの評価は評価者が行うものであってもよいし、予め評価基準を設定しておきPC等を利用して自動化するようにしてもよい。
そして、導出された弾性係数を用いて地盤に対する評価を行い(ステップSb4)、品質が不適合な領域があるか否かを判別する(ステップSb5)。ここでの弾性係数を用いた評価方法は種々の方法を採用することができ、例えば上記のように導出した複数地点の弾性係数から地盤全域の各地点(計測していない地点)の弾性係数を空間推定法などを用いて推定し、その推定結果を合わせて参照することで評価を行うようにしてもよい。ここでの評価は評価者が行うものであってもよいし、予め評価基準を設定しておきPC等を利用して自動化するようにしてもよい。
上記ステップSb5の判別において、不適合な領域があると判別された場合には、その不適合領域の場所を示す情報(基準点からのX,Y方向の距離などの座標情報)を、施工者などに通知する。施工者は当該通知に応じて通知された場所において、振動ローラを用いて再転圧を行う等、品質向上のために地盤の補修等を行う(ステップSb6)。このような通知処理を自動化し、無線通信を利用して移動可能な補修装置である振動ローラの制御部等に不適合領域の位置情報、不適合の度合いなどを送信するようにしてもよい。なお、補修等を行う前に不適合と特定した領域についてのみ再度FWDもしくは平板載荷試験などを行い、その領域が実際に不適合領域であるか否かを確認するようにしてもよい。
このような補修が行われると、ステップSb2に戻り、当該補修後の領域に対してFWD試験を行い、再評価を行う(ステップSb3、ステップSb4)。そして、不適合領域がなくなるまで当該工程を繰り返す。そして、ステップSb5の判別において、不適合領域がないと判別された場合には当該建設工程を終了する。
以上のような弾性係数導出方法を利用した地盤建設では、時間的、労力的に負担の大きい繰返し平板載荷試験を多数地点で行うといったことを行うことなく、より簡易な作業でより正確な地盤評価を行うことができ、設計条件を満たす地盤の建設作業が簡易かつ短時間でできるようになる。
(変形例2)
また、上述した地盤建設方法では、地盤を新たに建設した後に、その地盤を評価するために弾性係数導出等を行うようにしていたが、すでに建設されて使用されている地盤のメンテナンス等をする際に、当該地盤について上記のようにFWD試験を行い、その結果から弾性係数を導出して地盤の評価を行うようにしてもよい。そして、その評価結果を参照してメンテナンスの要否、必要な場合にはメンテナンスの内容等を決定するようにしてもよい。
また、上述した地盤建設方法では、地盤を新たに建設した後に、その地盤を評価するために弾性係数導出等を行うようにしていたが、すでに建設されて使用されている地盤のメンテナンス等をする際に、当該地盤について上記のようにFWD試験を行い、その結果から弾性係数を導出して地盤の評価を行うようにしてもよい。そして、その評価結果を参照してメンテナンスの要否、必要な場合にはメンテナンスの内容等を決定するようにしてもよい。
(変形例3)
また、上述した実施形態では、弾性係数導出部250が荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重値と変位との関係から、δ=1.25mにおける荷重値P1.25を用いて初期載荷弾性係数を求めるようにしているが、シフト後の荷重値と変位の関係の他の部分のデータを用いて弾性係数を導出するようにしてもよい。他の部分であっても、上記のようにシフトがなされていることで端面誤差等の影響を極力排除した後の荷重と変位の関係から弾性係数を求めているので、より正確な弾性係数を導出することができる。
また、上述した実施形態では、弾性係数導出部250が荷重変位関係シフト部240によってシフトされた荷重値と変位との関係から、δ=1.25mにおける荷重値P1.25を用いて初期載荷弾性係数を求めるようにしているが、シフト後の荷重値と変位の関係の他の部分のデータを用いて弾性係数を導出するようにしてもよい。他の部分であっても、上記のようにシフトがなされていることで端面誤差等の影響を極力排除した後の荷重と変位の関係から弾性係数を求めているので、より正確な弾性係数を導出することができる。
また、上述した実施形態では、最大荷重値後区間における最大荷重値Pmax、そのときの変位δmax、荷重値0となったときの変位を用いて繰返し載荷弾性係数を導出するようにしているが、最大荷重値後区間の他の部分のデータ(例えば、最大荷重値直後の荷重値と変位と、荷重値0となったときの変位を用いるなど)を用いて繰り返し載荷弾性係数を導出するようにしてもよい。
(変形例4)
また、上述した各実施形態では、PC200またはPC300に内蔵されるCPU等が外部記憶装置等に記憶されたプログラムを読み出して動作することにより、上述した弾性係数導出のための処理を行うようになっていたが、このようなソフトウェアにより実現される機能と同様の機能をハードウェア回路によって実現するようにしてもよいし、コンピュータにこのような処理を実行させるためのプログラムをインターネット等の通信回線を介してユーザに提供するようにしてもよいし、当該プログラムをCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してユーザに提供するようにしてもよい。
また、上述した各実施形態では、PC200またはPC300に内蔵されるCPU等が外部記憶装置等に記憶されたプログラムを読み出して動作することにより、上述した弾性係数導出のための処理を行うようになっていたが、このようなソフトウェアにより実現される機能と同様の機能をハードウェア回路によって実現するようにしてもよいし、コンピュータにこのような処理を実行させるためのプログラムをインターネット等の通信回線を介してユーザに提供するようにしてもよいし、当該プログラムをCD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してユーザに提供するようにしてもよい。
以上のように、本発明にかかる弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、地盤建設方法およびプログラムは、地盤の品質評価、品質評価を伴った地盤建設作業などを行う場合に有用である。
1 載荷部
2 支持体
3 荷重計測手段
4 主軸
5 重錘
6 不動部
7 変位計測手段
100 地盤計測装置
200 PC
210 荷重取得部
220 変位取得部
230 荷重変位関係導出部
235 変位特定部
240 荷重変位関係シフト部
250 弾性係数導出部
320 弾性係数補正部
2 支持体
3 荷重計測手段
4 主軸
5 重錘
6 不動部
7 変位計測手段
100 地盤計測装置
200 PC
210 荷重取得部
220 変位取得部
230 荷重変位関係導出部
235 変位特定部
240 荷重変位関係シフト部
250 弾性係数導出部
320 弾性係数補正部
Claims (16)
- 地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する方法であって、
前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフトステップと、
前記シフトステップでシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップと
を備えたことを特徴とする弾性係数導出方法。 - 前記弾性係数導出ステップでは、前記シフトステップでシフトされた前記時間に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、変位=1.25mに対応する荷重値P1.25を求め、当該P1.25、前記載荷面の面積Aを用い、次の式によりKl値を求め、
Kl=P1.25/(A×0.00125)
当該Kl値、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdlを求める
Efwdl=0.25πD(1−ν2)Kl
ことを特徴とする請求項1に記載の弾性係数導出方法。 - 前記弾性係数導出ステップでは、前記シフトステップでシフトされた前記時間に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、変位=1.25mに対応する荷重値P1.25を求め、当該P1.25、次の式によりKl値を求め、
Kl=P1.25/(A×0.00125)
当該Kl値、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により値Efwdを求め、
Efwdl=0.25πD(1−ν2)Kl
予め地盤について行った平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD(Falling Weight Deflection)試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて、前記Efwdlを補正して弾性係数を導出する
ことを特徴とする請求項1に記載の弾性係数導出方法。 - 地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する方法であって、
前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップと
を具備することを特徴とする弾性係数導出方法。 - 前記弾性係数導出ステップでは、前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、
K=Pmax/(A×(δmax−δ0))
当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出する
ことを特徴とする請求項4に記載の弾性係数導出方法。 - 前記弾性係数導出ステップでは、
前記K、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdrを求める
Efwdr=0.25πD(1−ν2)K
ことを特徴とする請求項5に記載の弾性係数導出方法。 - 前記弾性係数導出ステップでは、
前記K、ポアソン比ν、載荷面直径Dを用い、次の式により弾性係数Efwdrを求め、
Efwdr=0.25πD(1−ν2)K
予め地盤について行った平板載荷試験の結果から得られた弾性係数と、当該地盤について行ったFWD(Falling Weight Deflection)試験の結果から得られた弾性係数との相関関係に基づいて、前記Efwdrを補正して弾性係数を導出する
ことを特徴とする請求項5に記載の弾性係数導出方法。 - 前記関係導出ステップでは、
前記重錘を落下させた際に前記地盤に加わる時系列の荷重値と、前記重錘を落下させた際に前記地盤に生じる時系列の変位とを取得し、
取得した荷重値の出現時から最大値となるまでの最大荷重到達時間と、取得した変位の出現時から最大値となるまでの最大変位到達時間とを一致し、かつ荷重値と変位の出現時が一致するよう取得した前記時系列の荷重値および変位を補正し、補正した時系列の荷重値および変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一つに記載の弾性係数導出方法。 - 地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出装置であって、
前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段と、
前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定手段と、
前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフト手段と、
前記シフト手段によりシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段と
を備えたことを特徴とする弾性係数導出装置。 - 地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する装置であって、
前記重錘を落下させた際に得られる荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段と、
前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段と
を具備することを特徴とする弾性係数導出装置。 - 前記弾性係数導出手段は、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、
K=Pmax/(A×(δmax−δ0))
当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出する
ことを特徴とする請求項10に記載の弾性係数導出装置。 - 地盤を建設する建設ステップと、
前記建設ステップで建設された地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位を計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測された荷重値と変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフトステップと、
前記シフトステップでシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップと
を備えたことを特徴とする地盤建設方法。 - 地盤を建設する建設ステップと、
前記建設ステップで建設された地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位を計測する計測ステップと、
前記計測ステップで計測された荷重値と変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出ステップと、
前記関係導出ステップで導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出ステップと
を具備することを特徴とする地盤建設方法。 - コンピュータを、
地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重値と前記地盤の変位から、前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段、
前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が大きくなる区間と、加える荷重が大きくなるにつれて変位/荷重が小さくなる区間とが切換わるときの変位値を特定する変位値特定手段、
前記関係導出手段により導出された前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を、前記変位値特定ステップで特定された変位値を始点とする荷重値と変位との関係にシフトするシフト手段、
前記シフト手段によりシフトされた前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段
として機能させるためのプログラム。 - コンピュータを、
地盤に設置した載荷面に重錘を落下させた際に発生する荷重および前記地盤の変位から、前記荷重値が最大値となった時点から荷重値が0になるまでの最大荷重値後区間における前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係を求める関係導出手段、
前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係に基づいて、当該地盤の弾性係数を導出する弾性係数導出手段
として機能させるためのプログラム。 - 前記弾性係数導出手段は、前記関係導出手段により導出された前記最大荷重値後区間の前記地盤に加わる荷重値とそれに対応する変位との関係から得られる最大荷重値Pmaxとその時の変位δmax、および最大荷重後に荷重値が0になったときの変位値δ0、前記載荷面の面積Aを用い、以下の式により係数Kを求め、
K=Pmax/(A×(δmax−δ0))
当該Kを用いて当該地盤の弾性係数を導出する
ことを特徴とする請求項15に記載のプログラム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003278623A JP2005042446A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | 弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003278623A JP2005042446A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | 弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法 |
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JP2005042446A true JP2005042446A (ja) | 2005-02-17 |
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ID=34264979
Family Applications (1)
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JP2003278623A Pending JP2005042446A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | 弾性係数導出方法、弾性係数導出装置、プログラムおよび地盤建設方法 |
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JP (1) | JP2005042446A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN107179253A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-09-19 | 河南理工大学 | 一种杆状物体弹性模量的测量方法 |
-
2003
- 2003-07-23 JP JP2003278623A patent/JP2005042446A/ja active Pending
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