JP3809527B2 - 固有変形算出装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び溶接時の固有変形の算出方法 - Google Patents

固有変形算出装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び溶接時の固有変形の算出方法 Download PDF

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Description

本発明は、被溶接物である構造物を仮想的に想定した基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での実測座標に基づいて、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形である固有変形を求めることができる固有変形算出装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び溶接時の固有変形の算出方法に関する。
金属材料を用いて溶接構造物を組み立てる場合、局部的な熱履歴に起因する変形(以下、溶接変形という)が構造部材に必然的に生じる。斯かる溶接変形は、製品の寸法誤差、形状誤差等の原因となっており、製品の品質低下に直結する。また、製造工程では、構造部材間のギャップの発生、目違いの発生等の原因となっており、ロボット化、自動化等を妨げる要因の1つとなる。
したがって、溶接変形の程度を定量的に、かつ正確に予測することができた場合、溶接構造物製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等を図ることができ、溶接変形の程度を正確に予測することは、溶接構造物の製造において重要な課題の1つとなっている。
溶接変形の原因は、熱履歴によって溶接線の近傍に生じる横収縮、角変形、縦収縮等の局部変形であり、溶接長が十分に長い場合には、局部変形は溶接方向に一定であるとみなすことができる。そして、局部変形量は、材料が同一である場合、溶接入熱をQ、板厚をhとして、入熱パラメータQ/h2によって定まる固有値であることから、固有変形と呼ばれている。
斯かる固有変形は、溶接によって接合される部分近傍の母材に生じる残留塑性変形と、溶着される金属に生じる収縮変形とを一括したものであり、溶接長が十分に長い場合、例えば両者を独立して算出し、双方の算出結果を線形に重ね合わせることで求めることができる。
例えば特許文献1では、有限要素法を用いた構造解析手法を応用して、溶接構造物を仮想的に分割した基本的形状の溶接継手に対応する固有変形を溶接順序の順に与え、溶接構造物全体の溶接変形を推定する場合に、材料の力学的挙動を逐一追跡していく熱粘弾塑性解析により求めた変形から逆算して固有変形を求め、該固有変形を用いて溶接構造物全体の溶接変形を推定する予測方法が開示されている。
特開平6−180271号公報
しかし、特許文献1に開示されている溶接変形の予測方法では、溶接長が十分に長い場合には弾性FEM解析を用いることにより定量的な分析を行うことができるものの、例えば自動車の組み立てに用いるような溶接長が50〜200mmと短い溶接の場合、固有変形は溶接長とともに大きく変化することから、固有変形を入熱パラメータQ/h2だけでなく、溶接長Lの関数として求めなければ正確に溶接変形を予測することができないという問題点があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、溶接長が短い場合であっても、構造物に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点における溶接前後の実測座標に基づいて、固有変形を精度良く求めることができる固有変形算出装置、コンピュータプログラム、記録媒体及び溶接時の固有変形の算出方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために第1発明に係る固有変形算出装置は、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求める固有変形算出装置において、座標計測点毎に前記実測座標を受け付ける座標受付手段と、該座標受付手段が受け付けた実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する固有変形理論値算出手段と、該固有変形理論値算出手段が算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する理論変形算出手段と、該理論変形算出手段が算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記固有変形理論値算出手段が算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する差異推算手段と、該差異推算手段が推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する判断手段とを備え、該判断手段が所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、前記判断手段が所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とする。
第1発明に係る固有変形算出装置では、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、溶接部の固有変形の理論値を算出し、算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出し、理論変形と実測座標から算出した実測変形との差異が所定の範囲内、例えば被溶接物の座標計測器の測定誤差に相当する誤差範囲内まで収束した場合の固有変形を、溶接変形が生じた溶接条件に対応付けて記憶する。これにより、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
また、第2発明に係る固有変形算出装置は、第1発明において、前記差異推算手段は、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする。
第2発明に係る固有変形算出装置では、理論変形の固有変形に対する微分値を求めることで、所定の固有変形に対する変形変化の度合いを求めることができ、非線形量である実際の固有変形の理論値との差異を正確に求めることが可能となる。すなわち、固有変形をai、理論変形をFj(ai)、実測変形をFm j、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとすると、テーラー展開により(数1)の関係が成立することから、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiは、所定の固有変形に対する変化の度合いを求めることで正確に算出できる。なお、(数1)において、iは1から4nまでの、jは1からmまでの、それぞれ自然数である。
Figure 0003809527
これにより、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形を実測変形に確実に近づけることができ、理論変形と実測変形との残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
また、第3発明に係る固有変形算出装置は、第1発明又は第2発明において、前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする。
第3発明に係る固有変形算出装置では、固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形の4成分について求める。溶接対象となる部材は板状であることが多く、6自由度すべての成分について固有変形を求める必要性がないからである。これにより、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
また、第4発明に係るコンピュータプログラムは、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータプログラムにおいて、所与の実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する第1のステップと、該第1のステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する第2のステップと、該第2のステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記第1のステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する第3のステップと、該第3のステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する第4のステップとを備え、該第4のステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、前記第4のステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とする。
第4発明に係るコンピュータプログラムでは、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、溶接部の固有変形の理論値を算出し、算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出し、理論変形と実測座標から算出した実測変形との差異が所定の範囲内、例えば被溶接物の座標計測器の測定誤差に相当する誤差範囲内まで収束した場合の固有変形を、溶接変形が生じた溶接条件に対応付けて記憶する。これにより、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
また、第5発明に係るコンピュータプログラムは、第4発明において、前記第3のステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする。
第5発明に係るコンピュータプログラムでは、理論変形の固有変形に対する微分値を求めることで、所定の固有変形に対する変形変化の度合いを求めることができ、非線形量である実際の固有変形の理論値との差異を正確に求めることが可能となる。すなわち、固有変形をai、理論変形をFj(ai)、実測変形をFm j、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとすると、テーラー展開により(数2)の関係が成立することから、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiは、所定の固有変形に対する変化の度合いを求めることで正確に算出できる。なお、(数2)において、iは1から4nまでの、jは1からmまでの、それぞれ自然数である。
Figure 0003809527
これにより、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形を実測変形に確実に近づけることができ、理論変形と実測変形との残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
また、第6発明に係るコンピュータプログラムは、第4発明又は第5発明において、前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする。
第6発明に係るコンピュータプログラムでは、固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形の4成分について求める。溶接対象となる部材は板状であることが多く、6自由度すべての成分について固有変形を求める必要性がないからである。これにより、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
また、第7発明に係る記録媒体は、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、所与の実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する第1のステップと、該第1のステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する第2のステップと、該第2のステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記第1のステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する第3のステップと、該第3のステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する第4のステップとを備え、該第4のステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、前記第4のステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
第7発明に係る記録媒体では、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、溶接部の固有変形の理論値を算出し、算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出し、理論変形と実測座標から算出した実測変形との差異が所定の範囲内、例えば被溶接物の座標計測器の測定誤差に相当する誤差範囲内まで収束した場合の固有変形を、溶接変形が生じた溶接条件に対応付けて記憶する。これにより、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
また、第8発明に係る記録媒体は、第7発明において、前記第3のステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
第8発明に係る記録媒体では、理論変形の固有変形に対する微分値を求めることで、所定の固有変形に対する変形変化の度合いを求めることができ、非線形量である実際の固有変形の理論値との差異を正確に求めることが可能となる。すなわち、固有変形をai、理論変形をFj(ai)、実測変形をFm j、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとすると、テーラー展開により(数3)の関係が成立することから、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiは、所定の固有変形に対する変化の度合いを求めることで正確に算出できる。なお、(数3)において、iは1から4nまでの、jは1からmまでの、それぞれ自然数である。
Figure 0003809527
これにより、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形を実測変形に確実に近づけることができ、理論変形と実測変形との残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
また、第9発明に係る記録媒体は、第7発明又は第8発明において、前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
第9発明に係る記録媒体では、固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形の4成分について求める。溶接対象となる部材は板状であることが多く、6自由度すべての成分について固有変形を求める必要性がないからである。これにより、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
また、第10発明に係る溶接時の固有変形の算出方法は、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータを用いる溶接時の固有変形の算出方法において、座標計測点毎に前記実測座標を受け付ける座標受付ステップと、該座標受付ステップで受け付けた実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する固有変形理論値算出ステップと、該固有変形理論値算出ステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する理論変形算出ステップと、該理論変形算出ステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記固有変形理論値算出ステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する差異推算ステップと、該差異推算ステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する判断ステップとを備え、該判断ステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、前記判断ステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とする。
第10発明に係る溶接時の固有変形の算出方法では、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、溶接部の固有変形の理論値を算出し、算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出し、理論変形と実測座標から算出した実測変形との差異が所定の範囲内、例えば被溶接物の座標計測器の測定誤差に相当する誤差範囲内まで収束した場合の固有変形を、溶接変形が生じた溶接条件に対応付けて記憶する。これにより、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
また、第11発明に係る溶接時の固有変形の算出方法は、第10発明において、前記差異推算ステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする。
第11発明に係る溶接時の固有変形の算出方法では、理論変形の固有変形に対する微分値を求めることで、所定の固有変形に対する変形変化の度合いを求めることができ、非線形量である実際の固有変形の理論値との差異を正確に求めることが可能となる。すなわち、固有変形をai、理論変形をFj(ai)、実測変形をFm j、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとすると、テーラー展開により(数4)の関係が成立することから、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiは、所定の固有変形に対する変化の度合いを求めることで正確に算出できる。なお、(数4)において、iは1から4nまでの、jは1からmまでの、それぞれ自然数である。
Figure 0003809527
これにより、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形を実測変形に確実に近づけることができ、理論変形と実測変形との残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
また、第12発明に係る溶接時の固有変形の算出方法は、第10発明又は第11発明において、前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする。
第12発明に係る溶接時の固有変形の算出方法では、固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形の4成分について求める。溶接対象となる部材は板状であることが多く、6自由度すべての成分について固有変形を求める必要性がないからである。これにより、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
第1発明、第4発明、第7発明及び第10発明によれば、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
また、第2発明、第5発明、第8発明及び第11発明によれば、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形を実測変形に確実に近づけることができ、理論変形と実測変形との残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
第3発明、第6発明、第9発明及び第12発明によれば、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明の実施の形態に係る固有変形算出装置の構成を示すブロック図である。図1において、固有変形算出装置1は、少なくとも、CPU(中央演算装置)11、記憶手段12、ROM13、RAM14、通信回線に接続する通信手段15、マウス及びキーボード等の入力手段16、ディスプレイ等の出力手段17及び補助記憶手段18で構成される。
CPU11は、バスを介して固有変形算出装置1の上述したようなハードウェア各部と接続されており、上述したハードウェア各部を制御するとともに、ROM13に格納された制御プログラム又は補助記憶手段18であるCD−ROM、DVD等の(可搬型)記録媒体2を用いて記憶手段12へ導入された制御プログラムに従って、種々のソフトウェア的機能を実行する。RAM14は、SRAM、フラッシュメモリ等で構成されソフトウェアの実行時に発生する一時的なデータを記憶する。
出力手段17は、液晶表示装置、CRTディスプレイ等の表示装置であり、固有変形算出装置1の動作状態を表示したり、ユーザへ操作入力を促す画面を表示したり、画像データの表示等を行う。
入力手段16は、固有変形算出装置1を操作するために必要な文字キー、テンキー、各種のファンクションキー等を備えたキーボード、マウス等の入力媒体である。なお、出力手段17をタッチパネル方式とすることにより、入力手段16の各種のファンクションキーの内の一部又は全部を出力手段17が代用することも可能である。通信手段15は、バスに接続されており、外部からのデータの取得、外部機器の動作制御データ等を送受信する。
以下、上述した構成の固有変形算出装置1における固有変形の算出処理の動作について説明する。図2は、本実施の形態で用いる溶接変形の被計測体の概要図である。図2に示す被計測体の例では、長さ、幅、板厚が、それぞれ200mm、100mm、2mmの鋼板である。溶接は、表面中央の太実線部に対して入熱69.3J/mm、溶接長100mm、溶接速度850mm/sで実施する。以下、被計測体の長さ方向をx軸、幅方向をy軸、板厚方向をz軸とする。
固有変形の成分は、被計測体が板状であることから、6自由度すべてについて求める必要はない。本実施の形態では、横収縮、横曲り、縦収縮、縦曲りの4成分につき固有変形を算出する。これにより、固有変形の算出精度を維持しつつ、計算機の演算処理負荷を軽減することが可能となる。なお、被計測体の形状によっては、6自由度すべてについて算出する必要があることは言うまでもない。
被計測体に対して溶接前の三次元座標(x、y、z)を計測する。三次元座標を確実に計測するために、被計測体の表面に基準図形の頂点も含めm個の座標計測点を設ける。図3は、本実施の形態に係る被計測体での座標計測点の配置の例を示す図であり、太実線で示す溶接部分を含むように基準図形である底辺80mm、高さ75mmの三角形T1T2T3を含む10個の座標計測点T1〜T10を設けている。そして、T1〜T10の10個の座標計測点における溶接前の三次元座標(x1、y1、z1)〜(x10、y10、z10)を計測する。計測された三次元座標値はRAM14又は記憶手段12に記憶される。なお、計測された三次元座標値は、入力手段16から入力するものであっても良いし、通信手段15を介して入力するものであっても良い。
次に、被計測体に対して溶接長100mmで溶接し、溶接後のT1〜T10の10個の座標計測点における三次元座標を計測する。計測された三次元座標値はRAM14又は記憶手段12に記憶される。CPU11は、記憶した三次元座標値を読出し、各座標計測点毎に溶接後の三次元座標と溶接前の三次元座標との差を算出し、各座標計測点における溶接変位として溶接前後の三次元座標とともにRAM14又は記憶手段12に記憶する。
図3に示す10点の座標計測点T1〜T10で求めた三次元座標から溶接部における固有変形を求める処理手順につき説明する。求める固有変形の成分は、上述した横収縮、横曲り、縦収縮、縦曲りの4成分とし、溶接により生じる固有歪の分布長を溶接長と、分布幅を溶接のビード幅の数倍の幅とする。
一般には、各固有変形の分布関数はn(nは自然数)個のパラメータで表すものとし、本実施の形態では固有変形のパラメータ数は4n個となる。
ここで、三次元座標は10個の座標計測点各々で計測されており、被測定体の剛体変位も含まれている。したがって、座標計測点毎の三次元座標値の総数である30個から、被測定体の自由度である6を減算した24個の一次独立した関係式を得ることができる。
一般には、m(mは自然数)個の座標計測点について三次元座標を計測した場合、剛体である被測定体の自由度である6を3mから減算した(3m−6)個の一次独立した関係式を得ることができる。
固有変形を特定するためには、(3m−6)個の一次独立した関係式を用いて、4n個のパラメータを特定する必要がある。したがって、mとnとが(数5)に示す関係を具備する場合、溶接部の固有変形を特定することが可能となる。
(数5)
3m−6 > 4n ・・・(5)
具体的には、被計測体の剛体変位を除去すべく、基準図形である三角形T1T2T3を定める。そして、基準図形である三角形T1T2T3の3辺T1T2、T2T3、T3T1について、それぞれ溶接前後の長さを計測し、計測値をRAM14又は記憶手段12に記憶する。CPU11は、記憶した計測値を読み出して、三角形T1T2T3の3辺T1T2、T2T3、T3T1それぞれの変化量を算出し、RAM14又は記憶手段12に記憶する。
残りの7点については、CPU11は、記憶した溶接前後の三次元座標値を読出し、xy平面では三角形T1T2T3からの距離の変化量を算出し、RAM14又は記憶手段12に記憶する。三角形T1T2T3で定まる平面からの距離として、xy平面からの垂直距離の変化量を算出し、RAM14又は記憶手段12に記憶する。
CPU11は、三角形T1T2T3の3辺T1T2、T2T3、T3T1の溶接前後の長さの変化量から、条件式を3個算出する。また、xy平面における三角形T1T2T3からの距離の変化量から、条件式を14個算出する。そして、xy平面からの垂直距離の変化量から、条件式を7個算出する。
一般には、基準図形である三角形T1T2T3の3辺T1T2、T2T3、T3T1の溶接前後の長さの変化量から条件式が3個、xy平面における三角形T1T2T3からの距離の変化量から条件式が2(m−3)個、そしてyz平面における三角形T1T2T3で定まる平面からの垂直距離の変化量から条件式が(m−3)個、それぞれ求まることになる。以上より算出された条件式の総数は(3m−6)個(24個)となる。
固有変形ai(iは1から4nの自然数)に基づいた溶接による変形の理論値(以下、理論変形という)Fj(ai)は、実測変形をFm jと一致する。しかし、本実施の形態のように被計測体が板状の金属である場合、理論変形Fj(ai)と実測変形Fm jとは線形理論では一致しない。そこで、aiと(ai+Δai)との間で固有変形aiと理論変形Fj(ai)との関係を線形近似することで、固有変形aiに基づいて実測変形Fm jを正確に算出できるようにする。
固有変形aiと実測変形Fm jとの関係を線形近似する方法としては、数学的近似方法であればどの方法を用いてもよい。例えば、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとして、求める実測変形Fm jをFj(ai+Δai)とすると、Fj(ai+Δai)をテーラー展開して(数6)の関係が成立する。
Figure 0003809527
図4は、(数6)を模式的に表した図である。図4では、41が実測変形Fm jに対応した理論変形Fj(ai)、すなわち溶接により生じた固有変形aiが原因で生じた変形の計算値を、42が固有変形に対して非線形に変化する実測変形を表している。(数6)のように、理論変形の固有変形aiに対する傾きを微分値として算出し、理論変形と実測変形との差を、算出した微分値で除算することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを算出することができる。固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを用いて、理論変形Fj(ai)を実測変形Fm jに確実に近づけることができ、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合、換言すれば、理論変形Fj(ai)と実測変形Fm jとの残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内に収束した場合の固有変形を求めることで、非線形量である固有変形を正確に算出することが可能となる。
すなわち、CPU11は、(数6)を用いて、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを算出し、例えば三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内であるか否かを判断する。CPU11が三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内でないと判断した場合、CPU11は、(ai+Δai)を新たな固有変形の理論値として、繰り返し溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを逆算することにより、実測変形Fm jに対応する固有変形aiを算出する。
CPU11が固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内であると判断した場合、CPU11は、三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内へ収束した時点における固有変形aiを、求める固有変形の算出値として、固有変形算出の基礎となった溶接変形が生じた溶接条件、たとえば溶接入熱、溶接長等と対応付けて記憶手段12へ固有変形データベース121として記憶する。
上述した方法で算出した溶接部近傍における溶接部の固有変形の算出値を固有変形データベース121として記憶しておくことで、溶接入熱、溶接長等の溶接条件に基づいて、溶接変形を正確に推定することが可能となる。
図5は、本発明の実施の形態に係る固有変形算出装置1のCPU11における固有変形算出処理の手順を示すフローチャートである。固有変形算出処理を実行する制御プログラムは、ROM13に格納され、又は補助記憶手段18であるCD−ROM、DVD等の(可搬型)記録媒体2を用いて記憶手段12へ導入される。
図5において、計測された被計測体の座標計測点における溶接前の三次元座標を受け付け、RAM14又は記憶手段12に記憶する(ステップS501)。次に、短い溶接長で溶接された後の被計測体の座標計測点における三次元座標を受け付け、RAM14又は記憶手段12に記憶する(ステップS502)。そして、CPU11は、記憶した溶接前後の三次元座標値を読出し、各座標計測点毎に溶接後の三次元座標から溶接前の三次元座標を減算して各座標計測点における溶接変位を算出し、溶接前後の三次元座標とともにRAM14又は記憶手段12に記憶する(ステップS503)。
固有変形ai(iは1から4nの自然数)に基づいた理論変形Fj(ai)は、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異をΔaiとして、求める実測変形Fm jをFj(ai+Δai)とすると、Fj(ai+Δai)をテーラー展開して(数7)の関係が成立する。
Figure 0003809527
CPU11は、(数7)を用いて、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを算出し(ステップS504)、三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内であるか否かを判断する(ステップS505)。
CPU11が三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内でないと判断した場合(ステップS505:NO)、CPU11は、(ai+Δai)を新たに固有変形の理論値として(ステップS506)、繰り返し溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiを算出する。
CPU11が、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内であると判断した場合、すなわち理論変形Fj(ai)と実測変形Fm jとの残差ΔFが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内であると判断した場合(ステップS505:YES)、CPU11は、固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異Δaiが三次元座標の測定誤差に相当する誤差範囲内へ収束した時点における固有変形ai(理論値)を、求める固有変形の算出値として、溶接条件と対応付けてRAM14又は記憶手段12へ記憶する(ステップS507)。
以上のように、本実施の形態によれば、被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、溶接部の固有変形の理論値を算出し、算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出し、理論変形と実測座標から算出した実測変形との差異が所定の範囲内、例えば被溶接物の座標計測器の測定誤差に相当する誤差範囲内まで収束した場合の固有変形を、溶接変形が生じた溶接条件に対応付けて記憶する。これにより、記憶した固有変形を用いて溶接長が短い場合であっても変形の非線形性を考慮し、多数の溶接を含む被溶接物の溶接変形を求めることで、被溶接物の溶接変形を容易に求めることができ、被溶接物に生じる溶接変形を正確に推定することによる製造時の手直し工程の減少、ロボット化・自動化の促進等、優れた効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る固有変形算出装置の構成を示すブロック図である。 本実施の形態で用いる溶接変形の被計測体の概要図である。 本実施の形態に係る被計測体での座標計測点の配置の例を示す図である。 (数6)を模式的に表した図である。 本発明の実施の形態に係る固有変形算出装置のCPUにおける固有変形算出処理の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 固有変形算出装置
2 記憶媒体
11 CPU
12 記憶手段
13 ROM
14 RAM
15 通信手段
16 入力手段
17 出力手段
18 補助記憶手段
121 固有変形データベース

Claims (12)

  1. 被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求める固有変形算出装置において、
    座標計測点毎に前記実測座標を受け付ける座標受付手段と、
    該座標受付手段が受け付けた実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する固有変形理論値算出手段と、
    該固有変形理論値算出手段が算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する理論変形算出手段と、
    該理論変形算出手段が算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記固有変形理論値算出手段が算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する差異推算手段と、
    該差異推算手段が推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する判断手段とを備え、
    該判断手段が所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、
    前記判断手段が所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とする固有変形算出装置。
  2. 前記差異推算手段は、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする請求項1記載の固有変形算出装置。
  3. 前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固有変形算出装置。
  4. 被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータプログラムにおいて、
    所与の実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する第1のステップと、
    該第1のステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する第2のステップと、
    該第2のステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記第1のステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する第3のステップと、
    該第3のステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する第4のステップとを備え、
    該第4のステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、
    前記第4のステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とするコンピュータプログラム。
  5. 前記第3のステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする請求項4記載のコンピュータプログラム。
  6. 前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンピュータプログラム。
  7. 被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータプログラムを記録した記録媒体において、
    所与の実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する第1のステップと、
    該第1のステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する第2のステップと、
    該第2のステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記第1のステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する第3のステップと、
    該第3のステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する第4のステップとを備え、
    該第4のステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、
    前記第4のステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする記録媒体。
  8. 前記第3のステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする請求項7記載の記録媒体。
  9. 前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であるコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする請求項7又は8に記載の記録媒体。
  10. 被溶接物の溶接部近傍に仮想的に設けた基準図形の頂点を含む複数の座標計測点での所定の溶接条件下における溶接の前後の三次元の実測座標に基づいて、前記溶接部での固有変形を求めるコンピュータを用いる溶接時の固有変形の算出方法において、
    座標計測点毎に前記実測座標を受け付ける座標受付ステップと、
    該座標受付ステップで受け付けた実測座標に基づいて、前記溶接部の固有変形の理論値を算出する固有変形理論値算出ステップと、
    該固有変形理論値算出ステップで算出した固有変形の理論値を用いて座標計測点毎の理論変形を算出する理論変形算出ステップと、
    該理論変形算出ステップで算出した理論変形と、前記実測座標を用いて算出した実測変形との差に基づいて、前記固有変形理論値算出ステップで算出した固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算する差異推算ステップと、
    該差異推算ステップで推算した差異が所定の閾値以下であるか否かを判断する判断ステップとを備え、
    該判断ステップで所定の閾値を超過したと判断した場合、推算した差異を固有変形の理論値に加算した値を固有変形の理論値として、座標計測点毎の理論変形を再算出すべくなしてあり、
    前記判断ステップで所定の閾値以下であると判断した場合、固有変形の理論値を溶接変形が生じた溶接条件と対応付けて記憶すべくなしてあることを特徴とする溶接時の固有変形の算出方法。
  11. 前記差異推算ステップは、前記理論変形と前記実測変形との差を、前記理論変形の固有変形に対する微分値で除することにより、溶接部の固有変形の理論値と実際の固有変形の値との差異を推算すべくなしてあることを特徴とする請求項10記載の溶接時の固有変形の算出方法。
  12. 前記固有変形は、少なくとも被溶接物の縦収縮、縦曲げ、横収縮、及び横曲げに対応する局部変形であることを特徴とする請求項10又は11に記載の溶接時の固有変形の算出方法。
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