JP2005041927A - タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれをトレッドに用いたタイヤ - Google Patents
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- Y02T10/80—Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
- Y02T10/86—Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction
Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。詳しくは、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に実現できるタイヤを与えることのできるトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤにおいて、耐摩耗性を向上させることと転がり抵抗を低減させることは、互いに相反する関係にあることが知られている。
【0003】
耐摩耗性を向上させる充填剤として、粒子径が小さいカーボンブラックを用いたゴム組成物が知られている。しかし、粒子径が小さいカーボンブラックを用いた場合には、カーボンブラックの比表面積の増大に伴って、ヒステリシスロスが大きくなり、転がり抵抗が増大するという問題を有していた。
【0004】
転がり抵抗を低減させる充填剤として、含水ケイ酸を用いたゴム組成物が知られている。しかし、含水ケイ酸を用いた場合には、同程度の比表面積を有するカーボンブラックと比較して、ゴム組成物の貯蔵弾性率が小さく、そのためグリップ性能が劣るという問題を有していた。貯蔵弾性率を高めるために、含水ケイ酸を増量させる、あるいは比表面積を増大させるという方法が考えられるが、転がり抵抗が増大するという問題を有していた。
【0005】
耐摩耗性を維持し、転がり抵抗の低減とグリップ性能の向上を両立させるゴム組成物として、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体の臭素化物またはハロゲン化ブチルゴム、2価の金属酸化物およびジエン系ゴムを混練りすることによって得られるゴム組成物が知られている(特許文献1参照)。しかし、ハロゲン化されたゴム成分を含むゴム組成物でないと効果が無く、グリップ性能が悪化するという問題を有していた。
【0006】
これらの問題点を解決すべく、従来から種々の提案がなされているが、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立できるゴム組成物は、未だに存在しないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−191865号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立できるトレッド用ゴム組成物、およびこのようなゴム組成物を用いたタイヤの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、酸化ランタンを0.1〜20重量部含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0010】
前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、
一般式:
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、nは1〜4の整数であり、R1、R2は炭素数12以下の炭化水素基を表す。)で示されるチウラム系化合物を0.1〜20重量部含有することが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記のゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分に酸化ランタンを配合することにより、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立させるものである。
【0015】
ジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン合成ゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられる。これらのゴム成分は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】
酸化ランタンの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。0.1重量部未満では、耐摩耗性の向上効果および転がり抵抗の低減効果が表われにくい。また、20重量部をこえると、転がり抵抗が増大する。
【0017】
本発明のゴム組成物には、転がり抵抗の低減効果を向上させるために、以下の一般式で示されるチウラム系化合物を配合することが好ましい。
一般式:
【0018】
【化3】
【0019】
ここでnは1〜4の整数であり、R1、R2はそれぞれ炭素数が12以下、好ましくは7〜12の炭化水素基である。炭素数が12をこえると、転がり抵抗の低減効果が低下する。また、炭素数が7未満でも転がり抵抗の低減効果が低下し、ゴム中の分散性が低下する傾向がある。R1および/またはR2は、2−エチルヘキシル基であることが最も好ましい。
【0020】
かかるチウラム系化合物としては、具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラキス(n−オクチル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどがあげられる。これらの中でも、特にテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
【0021】
チウラム系化合物の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。チウラム系化合物の配合量が0.1重量部未満では、転がり抵抗の低減効果が表われにくい傾向がある。また、20重量部をこえると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0022】
(A)酸化ランタンと(B)チウラム系化合物との配合比率(A)/(B)は、0.2〜5であることが好ましい。配合比率(A)/(B)が0.2未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、5をこえると、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0023】
さらに、本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを配合することができる。
【0024】
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、80〜280m2/gであることが好ましく、100〜200m2/gであることがより好ましい。チッ素吸着比表面積が80m2/g未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、280m2/gをこえると、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0025】
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましく、15〜150重量部であることがより好ましく、20〜100重量部であることがさらに好ましい。10重量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、200重量部をこえると、加工性が悪化することで分散不良を起こし、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0026】
(A)酸化ランタン、(B)チウラム系化合物および(C)カーボンブラックの配合比率((A)+(B))/(C)は、0.01〜0.2であることが好ましく、0.02〜0.15であることがより好ましい。配合比率が0.01未満では、転がり抵抗の低減効果が低下する傾向がある。また、0.2をこえると、耐摩耗性が低下するだけでなく、転がり抵抗の低減効果も低下する傾向がある。
【0027】
さらに、本発明のゴム組成物には、前記成分のほかに、ゴム工業で通常使用されている各種添加剤、たとえば、シリカなどの補助用充填剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種軟化剤、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化亜鉛などの添加剤を配合できる。
【0028】
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材、たとえばタイヤトレッドに使用することができる。
【0029】
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種添加剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。このようにして得られる本発明のタイヤは、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を両立し得るものである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0031】
以下に、実施例および比較例で用いた各種材料について説明する。
NR:テックビーハング社製のRSS#3
SBR:住友化学工業(株)製のSBR1502
シリカ:日本シリカ工業(株)製のニプシールVN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のシランカップリング剤Si69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C (N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
酸化ランタン:純正化学(株)製の酸化ランタン
酸化アルミニウム:住友化学工業(株)製のアルミナAL−32
チウラム系化合物▲1▼:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N
テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド
チウラム系化合物▲2▼:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
テトラブチルチウラムジスルフィド
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積:125m2/g)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
以下に加硫ゴムの評価方法について説明する。
【0032】
(1)転がり抵抗
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃の条件でtanδを測定した。tanδの逆数について、比較例1の場合を100として指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、良好であることを示す。
【0033】
(2)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定した。摩耗量の逆数を、比較例1の場合を100として指数表示をした。指数が大きいほど耐摩耗性が高いことを示す。
【0034】
(3)グリップ性能
各実施例および比較例で得られたゴム組成物をトレッドに用いて、サイズ195/65R15のタイヤを作製した。このタイヤを用いて、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行ない、その際におけるグリップ性能(グリップ感、ブレーキ性能、トラクション性能)について、つぎの5段階のフィーリング評価を行なった。
5:非常に良好、4:良好、3:普通、2:やや劣る、1:劣る
【0035】
実施例1〜6および比較例1〜2
表1に示す各配合処方にしたがって、混練り配合し、各種ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、これらについて各特性の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1の結果から、酸化ランタン(A)を配合することにより、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を両立できることがわかった(実施例1〜6)。さらにチウラム系化合物(B)およびカーボンブラック(C)を、((A)+(B))/(C)が0.01〜0.2の比率で配合した場合に、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減をより高度に両立できることがわかった(実施例1〜4)。
【0038】
また、チウラム系化合物を単独で配合した場合には、耐摩耗性およびグリップ性能の低下がみとめられた(比較例2)。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ジエン系ゴム成分に酸化ランタンを配合することにより、従来の方法で製造されたタイヤに比べて、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立させたタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれをトレッドに用いたタイヤを提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。詳しくは、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に実現できるタイヤを与えることのできるトレッド用ゴム組成物およびそれを用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
空気入りタイヤにおいて、耐摩耗性を向上させることと転がり抵抗を低減させることは、互いに相反する関係にあることが知られている。
【0003】
耐摩耗性を向上させる充填剤として、粒子径が小さいカーボンブラックを用いたゴム組成物が知られている。しかし、粒子径が小さいカーボンブラックを用いた場合には、カーボンブラックの比表面積の増大に伴って、ヒステリシスロスが大きくなり、転がり抵抗が増大するという問題を有していた。
【0004】
転がり抵抗を低減させる充填剤として、含水ケイ酸を用いたゴム組成物が知られている。しかし、含水ケイ酸を用いた場合には、同程度の比表面積を有するカーボンブラックと比較して、ゴム組成物の貯蔵弾性率が小さく、そのためグリップ性能が劣るという問題を有していた。貯蔵弾性率を高めるために、含水ケイ酸を増量させる、あるいは比表面積を増大させるという方法が考えられるが、転がり抵抗が増大するという問題を有していた。
【0005】
耐摩耗性を維持し、転がり抵抗の低減とグリップ性能の向上を両立させるゴム組成物として、イソブチレンとp−メチルスチレンとの共重合体の臭素化物またはハロゲン化ブチルゴム、2価の金属酸化物およびジエン系ゴムを混練りすることによって得られるゴム組成物が知られている(特許文献1参照)。しかし、ハロゲン化されたゴム成分を含むゴム組成物でないと効果が無く、グリップ性能が悪化するという問題を有していた。
【0006】
これらの問題点を解決すべく、従来から種々の提案がなされているが、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立できるゴム組成物は、未だに存在しないのが現状である。
【0007】
【特許文献1】
特開2000−191865号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立できるトレッド用ゴム組成物、およびこのようなゴム組成物を用いたタイヤの提供を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、酸化ランタンを0.1〜20重量部含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
【0010】
前記ゴム組成物は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、
一般式:
【0011】
【化2】
【0012】
(式中、nは1〜4の整数であり、R1、R2は炭素数12以下の炭化水素基を表す。)で示されるチウラム系化合物を0.1〜20重量部含有することが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記のゴム組成物からなるトレッドを有するタイヤに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム成分に酸化ランタンを配合することにより、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立させるものである。
【0015】
ジエン系ゴム成分としては、天然ゴム(NR)および/またはジエン系合成ゴムが用いられる。ここで、ジエン系合成ゴムとしては、たとえば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレン合成ゴム(IR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、クロロプレンゴム(CR)などがあげられる。これらのゴム成分は、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0016】
酸化ランタンの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であり、好ましくは0.5〜10重量部である。0.1重量部未満では、耐摩耗性の向上効果および転がり抵抗の低減効果が表われにくい。また、20重量部をこえると、転がり抵抗が増大する。
【0017】
本発明のゴム組成物には、転がり抵抗の低減効果を向上させるために、以下の一般式で示されるチウラム系化合物を配合することが好ましい。
一般式:
【0018】
【化3】
【0019】
ここでnは1〜4の整数であり、R1、R2はそれぞれ炭素数が12以下、好ましくは7〜12の炭化水素基である。炭素数が12をこえると、転がり抵抗の低減効果が低下する。また、炭素数が7未満でも転がり抵抗の低減効果が低下し、ゴム中の分散性が低下する傾向がある。R1および/またはR2は、2−エチルヘキシル基であることが最も好ましい。
【0020】
かかるチウラム系化合物としては、具体的には、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド、テトラキス(n−オクチル)チウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィドなどがあげられる。これらの中でも、特にテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドが好ましい。
【0021】
チウラム系化合物の配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。チウラム系化合物の配合量が0.1重量部未満では、転がり抵抗の低減効果が表われにくい傾向がある。また、20重量部をこえると、耐摩耗性が低下する傾向がある。
【0022】
(A)酸化ランタンと(B)チウラム系化合物との配合比率(A)/(B)は、0.2〜5であることが好ましい。配合比率(A)/(B)が0.2未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、5をこえると、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0023】
さらに、本発明のゴム組成物には、カーボンブラックを配合することができる。
【0024】
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、80〜280m2/gであることが好ましく、100〜200m2/gであることがより好ましい。チッ素吸着比表面積が80m2/g未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、280m2/gをこえると、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0025】
カーボンブラックの配合量は、ジエン系ゴム成分100重量部に対して、10〜200重量部であることが好ましく、15〜150重量部であることがより好ましく、20〜100重量部であることがさらに好ましい。10重量部未満では、耐摩耗性が低下する傾向がある。また、200重量部をこえると、加工性が悪化することで分散不良を起こし、転がり抵抗が増大する傾向がある。
【0026】
(A)酸化ランタン、(B)チウラム系化合物および(C)カーボンブラックの配合比率((A)+(B))/(C)は、0.01〜0.2であることが好ましく、0.02〜0.15であることがより好ましい。配合比率が0.01未満では、転がり抵抗の低減効果が低下する傾向がある。また、0.2をこえると、耐摩耗性が低下するだけでなく、転がり抵抗の低減効果も低下する傾向がある。
【0027】
さらに、本発明のゴム組成物には、前記成分のほかに、ゴム工業で通常使用されている各種添加剤、たとえば、シリカなどの補助用充填剤、硫黄などの加硫剤、各種加硫促進剤、各種軟化剤、各種老化防止剤、ステアリン酸、酸化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化亜鉛などの添加剤を配合できる。
【0028】
本発明のゴム組成物は、タイヤの各部材、たとえばタイヤトレッドに使用することができる。
【0029】
本発明のタイヤは、本発明のゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて前記各種添加剤を配合した本発明のゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤの各部材の形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機中で加熱加圧してタイヤを得る。このようにして得られる本発明のタイヤは、グリップ性能を損なうことなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を両立し得るものである。
【0030】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、これらは本発明を限定するものではない。
【0031】
以下に、実施例および比較例で用いた各種材料について説明する。
NR:テックビーハング社製のRSS#3
SBR:住友化学工業(株)製のSBR1502
シリカ:日本シリカ工業(株)製のニプシールVN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のシランカップリング剤Si69
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C (N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
酸化ランタン:純正化学(株)製の酸化ランタン
酸化アルミニウム:住友化学工業(株)製のアルミナAL−32
チウラム系化合物▲1▼:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTOT−N
テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド
チウラム系化合物▲2▼:大内新興化学工業(株)製のノクセラーTBT−N
テトラブチルチウラムジスルフィド
カーボンブラック:昭和キャボット(株)製のショウブラックN220(チッ素吸着比表面積:125m2/g)
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
(N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド)
以下に加硫ゴムの評価方法について説明する。
【0032】
(1)転がり抵抗
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃の条件でtanδを測定した。tanδの逆数について、比較例1の場合を100として指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗が低く、良好であることを示す。
【0033】
(2)耐摩耗性
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で摩耗量を測定した。摩耗量の逆数を、比較例1の場合を100として指数表示をした。指数が大きいほど耐摩耗性が高いことを示す。
【0034】
(3)グリップ性能
各実施例および比較例で得られたゴム組成物をトレッドに用いて、サイズ195/65R15のタイヤを作製した。このタイヤを用いて、ドライアスファルト路面のテストコースにて実車走行を行ない、その際におけるグリップ性能(グリップ感、ブレーキ性能、トラクション性能)について、つぎの5段階のフィーリング評価を行なった。
5:非常に良好、4:良好、3:普通、2:やや劣る、1:劣る
【0035】
実施例1〜6および比較例1〜2
表1に示す各配合処方にしたがって、混練り配合し、各種ゴム組成物を得た。これらの配合物を170℃で20分間プレス加硫して加硫物を得て、これらについて各特性の試験を行なった。結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
表1の結果から、酸化ランタン(A)を配合することにより、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を両立できることがわかった(実施例1〜6)。さらにチウラム系化合物(B)およびカーボンブラック(C)を、((A)+(B))/(C)が0.01〜0.2の比率で配合した場合に、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減をより高度に両立できることがわかった(実施例1〜4)。
【0038】
また、チウラム系化合物を単独で配合した場合には、耐摩耗性およびグリップ性能の低下がみとめられた(比較例2)。
【0039】
【発明の効果】
本発明によれば、ジエン系ゴム成分に酸化ランタンを配合することにより、従来の方法で製造されたタイヤに比べて、グリップ性能を低下させることなく、耐摩耗性の向上および転がり抵抗の低減を高度に両立させたタイヤトレッド用ゴム組成物、およびこれをトレッドに用いたタイヤを提供することができる。
Claims (3)
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003200431A JP2005041927A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれをトレッドに用いたタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003200431A JP2005041927A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれをトレッドに用いたタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005041927A true JP2005041927A (ja) | 2005-02-17 |
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ID=34260840
Family Applications (1)
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JP2003200431A Pending JP2005041927A (ja) | 2003-07-23 | 2003-07-23 | タイヤトレッド用ゴム組成物およびそれをトレッドに用いたタイヤ |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005041927A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007535598A (ja) * | 2004-04-30 | 2007-12-06 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | 金属製強化部材に対する改善された接着性を持つゴム組成物 |
JP2011072162A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Tokai Rubber Ind Ltd | 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ |
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2003
- 2003-07-23 JP JP2003200431A patent/JP2005041927A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007535598A (ja) * | 2004-04-30 | 2007-12-06 | ソシエテ ド テクノロジー ミシュラン | 金属製強化部材に対する改善された接着性を持つゴム組成物 |
JP2011072162A (ja) * | 2009-09-28 | 2011-04-07 | Tokai Rubber Ind Ltd | 誘電膜およびそれを用いたトランスデューサ |
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