JP2005041839A - スピロピペリジン誘導体 - Google Patents

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Hiromi Takeuchi
ひろみ 竹内
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リー クー
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Abstract

【課題】
本発明の課題は、内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対して強いアゴニスト活性を有する新規スピロピペリジン誘導体を提供することである。
【解決手段】
N-アルキル置換フェニルアラニルを有するスピロピペリジン誘導体またはその塩からなる化合物群は、内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対して優れたアゴニスト活性を有していることから、摂食抑制作用とエネルギー消費促進作用に基づく新規抗肥満薬になる可能性を見出し本発明を完成した。

Description

本発明は、医薬、特に内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対し、強力なアゴニスト活性を発揮し、新規抗肥満薬として有用なスピロピペリジン誘導体またはその塩に関する。
メラノコルチンはプロオピオメラノコルチン(proopiomelanocortin、以下POMC)の翻訳後修飾によって生じるペプチドホルモンで、α-、β-、γ-メラニン細胞刺激ホルモン(α-、β-、γ-melanocyte-stimulating hormone、以下α-、β-、γ-MSH)と副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone、以下ACTH)が含まれる。これら内在性ホルモンはHis-Phe-Arg-Trpの4アミノ酸を共通して有する。POMC遺伝子は、下垂体、視床下部の弓状核、脳幹の孤束核といった中枢で主に発現しているが、ケラチノサイト、メラノサイトや免疫系細胞といった末梢でも発現し、幅広い生理機能を有することが知られている。
メラノコルチンは色素沈着、ステロイド合成、エネルギ−ホメオスタシス、血糖調節、外分泌腺機能、性機能、痛覚、免疫機能、炎症、記憶、学習、体温調節、ナトリウム利尿への関与が知られている。
メラノコルチン受容体の遺伝子として、これまでに5種類のサブタイプ、MC1R、MC2R、MC3R、MC4R、MC5Rがクローニングされている。これら受容体は7回膜貫通G蛋白質共役型受容体に属し、いずれもアゴニスト刺激によりGsと共役して細胞内cAMP産生を促進する。メラノコルチン受容体は互いに異なる組織分布を示すと共に、各メラノコルチンに対し異なる親和性を持ち、メラノコルチンの幅広い生理機能を調節する。
MC4Rは、近年特にメラノコルチンのエネルギ−ホメオスタシスの制御機能を介在する点が注目され、メラノコルチン-MC4R系がエネルギ−ホメオスタシスの制御に関与することが報告されている(非特許文献1〜15)。
具体的には、グアニジノベンザミド誘導体(特許文献1)はマウスで抗肥満作用を示すこと、また、ピペリジン誘導体(特許文献2)、ピペラジン誘導体(特許文献3)はマウスで摂食抑制作用を示す事が報告されている。更に、MSHアナログ(特許文献4)、ACTH4-10(非特許文献16)はヒトで抗肥満作用が示されている。
また、メラノコルチン/MC4R経路は糖代謝制御への関与が報告されている。α-MSHはラットに反復投与すると、体重や摂食とは独立にインスリンによる糖取込みの上昇と糖放出の抑制を増強し、逆にSHU9119はインスリン作用を減弱すること、及び、このα-MSHの作用はMC4Rを介在することが示された(非特許文献17)。また、グアニジノベンザミド誘導体(特許文献1)はマウスで抗糖尿病作用が示されている。
更に、メラノコルチン/MC4R経路は性機能への関与が報告されている。MTIIは、精神的及び器質的勃起障害患者で勃起誘発作用、性的欲求の増強作用を示した(非特許文献18)。また、MC4R選択的アゴニストTHIQはマウスにおいて海綿体神経電気刺激による陰茎内圧上昇を増強し、交尾行動を増加した。これらTHIQの作用はMC4Rノックアウトマウスでは認められなかった(非特許文献19)。更に、ピペリジン誘導体(特許文献5)はマウスで勃起誘発作用が示されている。
以上から、MC4R受容体アゴニストは抗肥満薬、抗糖尿病薬、性機能改善薬として有用であると考えられる。
MC4R受容体アゴニストとしては、前述したMC4R受容体アゴニスト以外にもスピロピペリジン誘導体(特許文献6-8)、ピペリジン誘導体(特許文献8-17)、ピペラジン誘導体(特許文献8-10,18-19)が報告されているが、本件発明が対象とするN-アルキル置換フェニルアラニル基を有するスピロピペリジン誘導体のMC4R受容体アゴニスト活性についてはこれまで開示も示唆もない。
WO02/18327 WO03/09847 WO03/09850 WO02/26774 WO00/74679 WO99/64002 WO01/70337 WO02/70511 WO02/59107 WO02/59117 WO01/70708 WO01/70708 WO02/15909 WO02/67869 WO02/68387 WO02/68388 WO03/07949 WO02/59095 WO02/59108 Elias C.F. et. al. (1999) Neuron 23, 775-786 Schwartz M.W. et. al. (2000) Nature 404, 661-671 Mizuno T.M. et al. (1998) Diabetes 47, 294-297 Krude H. et. al. (1998) Nature Genet. 19, 155-157 Fan W. et. al. (1997) Nature 385, 165-168 Vergoni A.V. et. al. (1998) Eur. J. Pharmacol. 362, 95-101 Marsh D.J. et. al. (1999) Nature Genet. 21, 119-122 Huszar D. et. al. (1997) Cell 88, 131-141 Ste Marie L. et. al. (2000) Proc. Natl. Acad. Sci. 97, 12339-12344 Butler A.A. et. al. (2001) Nat. Neurosci. 4, 605-611 Yeo G.S. et. al. (1998) Nature Genet. 20, 111-112 Vaisse C. et. al. (1998) Nature Genet. 20, 113-114 Hinney A. et. al. (1999) J. Clin. Endocrinol. Metab. 84, 1483-1486 Lu D. et. al. (1994) Nature 371, 799-802 Ollmann M.M. et. al. (1997) Science 278, 135-138 Fehm H.L. et.al. (2001) J. Clin. Endocrinol. Metab. 86, 1144-1148 Obici S. et.al. (2001) J. Clin. Invest. 108, 1079-1085 Wessells H. et.al. (2000) Urology 56, 641-646 Van der Ploeg L.H.T. et. al. (2002) Proc. Natl. Acad. Sci. 99, 11381-11386
本発明の課題は、内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対して優れたアゴニスト活性を有する新規な化合物を提供することである。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、N-アルキル置換フェニルアラニル基を有する下記一般式(I)で示される化合物であるスピロピペリジン誘導体またはその塩からなる化合物群は、内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対して優れたアゴニスト活性を有していることから、摂食抑制作用とエネルギー消費促進作用に基づく新規抗肥満薬になる可能性を見出し本発明を完成した。具体的には以下の通りである。
(1)下記一般式(I)で示される化合物であるスピロピペリジン誘導体またはその塩
Figure 2005041839

[式中、R1及びR2は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、置換されてもよい複素環式基、置換されてもよいシクロアルキル基又は-Alk-X-Y〔式中、Alkは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基を;Xは結合又は-CH(CH2OH)-を;Yは水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、-O-低級アルキル、-CO2H、-CO-O-低級アルキル、-N(R6)R7、-CON(R6)R7、又は置換されてもよい複素環式基を;但し、Xが結合の時は、Yは低級アルキル以外の基を意味する〕を;R3は、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、又は-O-低級アルキルを;R4は、水素原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、又は-SO2-低級アルキルを;R5は、水素原子、ヒドロキシル基,低級アルキル基、又は-O-低級アルキルを;R6及びR7は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子又は低級アルキル基を;Aは、オキソ基で置換されてもよい低級アルキレン基を意味する。]
(2)R1及びR2は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子、置換されてもよい複素環式基、置換されてもよいシクロアルキル基、又は-Alk-X-Y〔式中、Alkは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基を;Xは結合又は-CH(CH2OH)-を;Yは水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、-O-低級アルキル、-CO2H、-CO-O-低級アルキル、-N(R6)R7、-CON(R6)R7、又は置換されてもよい複素環式基を;但し、Xが結合の時は、Yは低級アルキル以外の基を意味する。R6及びR7は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子又は低級アルキル基を意味する。〕であり、R3が、ハロゲン原子である前記(1)記載のスピロピペリジン誘導体またはその塩。
(3)R1及びR2は、異なっており、少なくとも一方が-Alk-X-Y〔式中、Alkは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基を;Xは結合又は-CH(CH2OH)-を;Yは水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、-O-低級アルキル、-CO2H、-CO-O-低級アルキル、-N(R6)R7、-CON(R6)R7、又は置換されてもよい複素環式基を;但し、Xが結合の時は、Yは低級アルキル以外の基を意味する。R6及びR7は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子又は低級アルキル基を意味する。〕であり、R3が、ハロゲン原子である前記(1)記載のスピロピペリジン誘導体またはその塩。
(4)R1及びR2は、水素原子であり、R3が、ハロゲン原子である前記(1)記載のスピロピペリジン誘導体またはその塩。
(5)R1及び/又はR2は、低級アルキル基であり、R3が、ハロゲン原子である前記(1)記載のスピロピペリジン誘導体またはその塩。
(6)R1及びR2は、異なっており、少なくとも一方が置換されてもよい複素環式基又は置換されてもよいシクロアルキル基である前記(1)記載のスピロピペリジン誘導体またはその塩。
(7)(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン; N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]シクロヘキサンアミン; N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N'-イソプロピルエタン-1,2-ジアミン; N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン;N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル][(2S)-ピロリジン-2-イルメチル]アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル][(2R)-ピロリジン-2-イルメチル]アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]{[(2S)-1-メチルピロリジン-2-イル]メチル}アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]{[(2R)-1-メチルピロリジン-2-イル]メチル}アミン;[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル][(2S)-ピペリジン-2-イルメチル]アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル][(2R)-ピペリジン-2-イルメチル]アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]{[(2S)-1-メチルピペリジン-2-イル]メチル}アミン; [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]{[(2R)-1-メチルピペリジン-2-イル]メチル}アミンから選択される化合物又はその塩。
(8)前記(1)に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする摂食抑制剤。
(9)前記(1)に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする抗肥満治療予防剤。
(10)前記(1)に記載の化合物又はその製薬学的に許容される塩を有効成分とする性機能改善剤
本発明で提供された上記一般式(I)で示される化合物であるスピロピペリジン誘導体またはその塩からなる化合物群は、内在性摂食抑制物質であるメラノコルチンのMC4受容体に対して優れたアゴニスト活性を有していることから、摂食抑制作用とエネルギー消費促進作用に基づく新規抗肥満予防・治療剤、性機能改善剤、或は糖尿病予防・治療剤として有用である。
以下、本発明化合物について詳述する。
本明細書において、明細書中の語は特に断らない限り、炭素数1乃至6の直鎖又は分枝状の炭素鎖を意味する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。
低級アルキル基とは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルおよびペンチルなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルキル基を意味し、好ましくはC1-3アルキル基である。
低級アルキレン基とは、メチレン、エチレン、トリメチレン、テトラメチレン、及びプロピレンなどの直鎖状または分枝鎖状C1-6アルキレン基を意味し、好ましくはC1-3アルキレン基である。
シクロアルキル基とは、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどのC3-8シクロアルキル基を意味し、好ましくはC5-6シクロアルキル基である。
低級アルケニレン基とは、ビニレン、プロペニレン、1-メチルビニレンなどのC2-6アルケニレン基を意味し、好ましくはC2-3アルケニレン基である。
低級アルキニレン基とは三重結合をもつC2-6アルキニレン基を意味し、好ましくはC2-3アルキニレン基である。
複素環式基とは、該環を形成する異項原子として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる1つ以上の異項原子を含む4員、5員もしくは6員環の飽和又は不飽和複素環基、またはそれらの縮合環基を意味する。
飽和単環複素環基としては、例えば、オキセタニル、チエタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、テトラヒドロ-2H-ピラニル、テトラヒドロ-2H-チオピラニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびモルホリニル基等が挙げられ、特に5又は6員飽和単環複素環基が好ましい。
不飽和単環複素環基としては、例えば、フリル、ピロリル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル等が挙げられ、特に5又は6員不飽和単環複素環基が好ましい。
縮合複素環基としては、例えばベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリル等が挙げられる。
R1〜R7における置換されてもよい複素環基及び置換されてもよいシクロアルキル基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基、低級アルキル基、-O-低級アルキル、アリール基、アリール-低級アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基およびハロゲン原子で置換されたアルキル基から選ばれる一つ以上の基で置換されていてもよい。
本発明で示された化合物において、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基は保護基によって修飾されていてもよい。カルボキシル基の保護基としては、通常のカルボキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、メチル、エチル、およびtert-ブチルなどのアルキル基;フェニルおよびナフチルなどのアリール基;ベンジル、ジフェニルメチル、トリチル、p-ニトロベンジルおよびp-メトキシベンジルなどのアリールアルキル基;アセチルメチル、ベンゾイルメチルおよびp-ニトロベンゾイルメチルなどのアシル-アルキル基;2-テトラヒドロピラニルおよび2-テトラヒドロフラニルなどの含酸素複素環式基;2,2,2-トリクロロエチルなどのハロゲノ-アルキル基;2-(トリメチルシリル)エチルなどのアルキルシリルアルキル基;アセトキシメチルなどのアシルオキシアルキル基;フタルイミドメチルおよびスクシンイミドメチルなどの含窒素複素環式-アルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキル基;メトキシメチル、ベンジルオキシメチルおよび2-(トリメチルシリル)エトキシメチルなどのアルコキシ-アルキル基;メチルチオメチルおよび2-メチルチオエチルなどのアルキルチオ-アルキル基;フェニルチオメチルなどのアリールチオ-アルキル基;3-メチル-3-ブテニルおよびアリルなどのアルケニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリルおよびtert-ブチルジフェニルシリル、ジフェニルメチルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
本発明で示された化合物において、アミノ基およびアルキルアミノ基の保護基としては、通常のアミノ基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、2,2,2-トリクロロエチルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(Z基)、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、tert-ブトキシカルボニル(Boc基)、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、フタロイル、スクシニル、9-フルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc基)、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリールオキシカルボニルおよび8-キノリルオキシカルボニルなどのアシル基;ベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアリールアルキル基;o-ニトロフェニルチオおよび2,4-ジニトロフェニルチオなどのアリールチオ基;メタンスルホニル、o-ニトロフェニルスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルキル-もしくはアリール-スルホニル基;N,N-ジメチルアミノメチレンなどのジアルキルアミノ-アルキリデン基;ベンジリデンおよびジフェニルメチレンなどのアリールアルキリデン基;3-ヒドロキシ-4-ピリジルメチレンなどの含窒素複素環式アルキリデン基;シクロヘキシリデンなどのシクロアルキリデン基;ジフェニルホスホリルおよびジベンジルホスホリルなどのジアリール-もしくはジアルキルホスホリル基;5-メチル-2-オキソ-2H-1,3-ジオキソール-4-イル-メチルなどの含酸素複素環式アルキル基;並びにトリメチルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
本発明で示された化合物において、ヒドロキシル基の保護基としては、通常のヒドロキシル基の保護基として使用し得るすべての基を含み、例えば、ベンジルオキシカルボニル、p-ニトロベンジルオキシカルボニル、p-メトキシベンジルオキシカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、アセチル、ホルミル、トリフルオロアセチル、ピバロイルおよびベンゾイルなどのアシル基;メチル、tert-ブチル、2,2,2-トリクロロエチルおよび2-トリメチルシリルエチルなどのアルキル基;アリルなどのアルケニル基;ベンジル、p-メトキシベンジル、ジフェニルメチルおよびトリチルなどのアリールアルキル基;テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルおよびテトラヒドロチオピラニルなどの含酸素および含硫黄複素環式基;メトキシメチル、ベンジルオキシメチル、2-メトキシエトキシメチル、および1-エトキシエチルなどのアルコキシ-アルキル基;メタンスルホニルおよびp-トルエンスルホニルなどのアルキル-およびアリール-スルホニル基;並びにトリメチルシリル、トリエチルシリル、tert-ブチルジメチルシリルおよびtert-ブチルジフェニルシリルなどの置換シリル基などが挙げられる。
一般式(I)で表される化合物は不斉炭素を有しており、不斉炭素に基づく光学異性体又はジアステレオマーなどの立体異性体が存在するが、本発明にはこれらの異性体の分離したもの、あるいは任意の異性体の混合物又はラセミ体が包含される。
また、本発明化合物は、通常酸付加塩を形成するが、置換基の種類によっては塩基との塩を形成する場合がある。製薬学的に許容される塩であれば、特に制限はないが、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマール酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸、ピクリン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機酸との酸付加塩、並びにナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム等の金属を含む無機塩基、あるいはメチルアミン、エチルアミン、エタノールアミン、リジン、オルニチン等の有機塩基との塩やアンモニウム塩等が挙げられる。さらに、本発明は、本発明化合物及びその塩の水和物や溶媒和物及び結晶多形の物質をも包含する。
次に、本発明化合物の製造法について説明する。
本発明化合物は、例えば、次に示す製造法にしたがって合成することができる。




Figure 2005041839
(式中、Pは保護基を意味し、その他の記号は前記に示したとおりである。以下同様)
上記化2で示される反応式中の化合物Iaは公知の方法(例えばM. Bodanszky,Peptide Chemistry, 55-73 (1988)、泉屋信夫ら,ペプチド合成の基礎と実験,89-142 (1985)等が参照される)により、アミノ酸誘導体1(式中、PはBoc基、Z基、Fmoc基等の保護基を示す。)とアミン成分2を縮合させた後に、保護基Pを適当な条件(例えばT. W. Greenら,Protective Groups in Organic Synthesis 2nd ed.,(1991)等が参照される)で除去する事により得る事ができる。また、アミノ酸誘導体1およびアミン成分2は任意の塩(例えば、アミノ酸誘導体1の塩としてナトリウム塩、リチウム塩、セシウム塩、4級アンモニウム塩等、アミン成分2の塩として塩酸塩、臭化水素酸塩等)を用いる事もできる。
Figure 2005041839
上記化3で示される反応式中の化合物Iは公知の種々のアルキル化反応あるいは還元的アルキル化反応を上記化3で示される反応式中の化合物Iaに行うことにより得る事ができる。
化合物Iaと反応させるアルキル化剤は保護基を有する事が反応を行う際に有利な場合があり、その場合はアルキル化反応あるいは還元的アルキル化反応を行った後に保護基を適当な条件で除去することにより所望の化合物Iを得る事ができる。また、化合物Iaは反応によって任意の塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩等)を用いる事もできる。
以下に代表的な反応例を示す。
Figure 2005041839
(式中、Xはハロゲン、o-メシル、o-トシル等のスルホン酸エステル等の脱離基を、RaはR1あるいはその官能基等を保護基で保護した誘導体を示す。以下同様。)
例えば上記化4で示される反応式中の化合物Iaに対して反応対応量の脱離基Xを有する化合物3を塩基(炭酸カリウムや炭酸セシウム等の無機塩基、トリエチルアミンや4-ジメチルアミノピリジン等の有機塩基、カリウムtert-ブトキシドやナトリウムtert-ブトキシドのアルコキシド等、または水素化ナトリウム等)や添加剤(ヨウ化カリウム、ヨウ化テトラブチルアンモニウム等)の存在下あるいは非存在下に反応させる事により化合物IIaあるいはIIbを得る事ができる。この反応においては使用する化合物3の当量や反応時間あるいは反応温度により、化合物IIaまたはIIbのどちらか一方を優先的に得る事が可能な場合があり、また両方を同時に得る事が可能な場合もある。
Figure 2005041839
(式中、Qはトリフルオロアセチル基、o-ニトロフェニルスルホニル基等の官能基、X1はハロゲン原子、CF3CO2等を意味する。)
例えば上記化5で示される反応式中の化合物Iaに対して適当な官能基を導入して化合物4とした後に同様なアルキル化反応行い、導入した官能基Qを適当な条件で除去することにより化合物IIaを得る事ができる。先の製造法とは異なり、この製造法は化合物IIaを選択的に得たい場合に有利な場合がある。
Figure 2005041839
(式中、Rbは-(Alk)n-X-Y(n=0,1)または置換されていてもよい低級アルキル基、Rcは水素またはRb、あるいはRbとRcは一体となって飽和複素環または環状アルキル基を示し、Rb'およびRc'はそれぞれRbおよびRcあるいはその官能基等を保護基で保護した誘導体を示す。以下同様)
例えば上記化6で示される反応式中の化合物Iaに対して反応対応量の化合物5(アルデヒドあるいはケトン)を公知の還元的アルキル化反応(例えば、日本化学会編「実験化学講座(丸善)」(第4版、20巻、1992年、300等が参照される)に従って反応を行うことにより化合物IIcあるいはIIdを得る事ができる。この反応においては使用する試薬の量や反応時間あるいは反応温度により、化合物IIaまたはIIbのどちらか一方を優先的に得る事が可能な場合があり、また両方を同時に得る事が可能な場合もある。



Figure 2005041839
(式中、P1はメチル基、エチル基、tert-ブチル基、ベンジル基等の保護基を示す。)
また、上記化7で示される反応式中の化合物Iはアミノ酸誘導体7とアミン成分2を前述した公知の方法で縮合させる事によっても得る事ができる。アミノ酸誘導体7はアミノ酸誘導体6に対して前述した種々のアルキル化反応あるいは還元的アルキル化反応を行った後に、保護基P1を適当な条件で除去することにより得る事ができる。アミノ酸誘導体6と反応させるアルキル化剤は保護基を有する事が反応を行う際に有利な場合があり、その場合はアルキル化反応あるいは還元的アルキル化反応を行った後にまたは縮合反応の後に保護基を適当な条件で除去することにより所望の化合物Iを得る事ができる。また、アミノ酸誘導体7およびアミン成分2は任意の塩(例えば、アミノ酸誘導体7の塩としてナトリウム塩、リチウム塩、セシウム塩、4級アンモニウム塩等、アミン成分2の塩として塩酸塩、臭化水素酸塩等)を用いる事もできる。
Figure 2005041839
(式中、P2はベンジル基等の縮合環化反応条件に安定な保護基を示す。)
上記化8で示される反応式中のアミン成分2bは既知の方法により得る事ができる(例えば、H.KubotaらChem.Pharm.Bull., 46, 242-254 (2001)等が参照される。)。例えば、化合物8と化合物9の縮合環化反応を行った後に保護基P2を適当な条件で除去することにより得る事ができる。アミン成分2cはアミン成分2bのアミド基をジボラン等の適当な還元剤で還元する事により得る事ができる。アミン成分2dはアミン成分2cのピペリジン環上のアミノ基をBoc基等の適当な保護基で保護した後に、前述したようなアルキル化反応あるいはスルホニルクロリドを用いたスルホニル化反応を行った後に、保護基を除去する事により得る事ができる。






Figure 2005041839
(式中、P2はベンジル基等のジボラン等の還元剤に安定な保護基、R6は低級アルキル又は低級ハロアルキルを示す。)
あるいは上記化9で示される反応式中のアミン成分2d'は、化合物8と化合物9の縮合環化反応を行った後にアミド基をジボラン等の適当な還元剤で還元して得られる化合物10のイソキノリン環窒素に前述したようなアルキル化反応あるいはアシル化反応と続く還元反応を行った後に保護基P2を適当な条件で除去することにより得る事ができる。
Figure 2005041839
(式中、Bはエステル、カルボン酸、アミド、ニトリル等を意味する。)
上記化10で示される反応式中のアルキル化剤3は対応するアルコール12をハロゲン化あるいはスルホニル化等の公知の方法によりハロアルキル化合物やアルキルスルホン酸エステル等に変換することにより得る事ができる。アルデヒドまたはケトン5は対応するアルコール13を公知の方法によって酸化することにより得る事ができる。またアルデヒド5'の場合は、エステル、カルボン酸、アミド、ニトリル等の置換基を公知の方法により還元して得る事ができる場合もある。
この反応で使用される溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素類;ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソール、ジエチレングリコールジエチルエーテルおよびジメチルセロソルブなどのエーテル類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミドおよび1-メチル-2-ピロリドンなどのアミド類;並びにジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類などが挙げられ、また、これらは、混合して使用してもよい。
本発明化合物を医薬として用いる場合、通常製剤化に使用される賦形剤、担体および希釈剤などの製剤補助剤を適宜混合してもよく、これらは常法にしたがって、錠剤、カプセル剤、散剤、シロップ剤、顆粒剤、丸剤、懸濁剤、乳剤、液剤、粉体製剤または注射剤などの形態で経口または非経口で投与することができる。好ましくは、経口剤として調剤することが好適である。また投与方法、投与量および投与回数は、患者の年齢、体重および症状に応じて適宜選択することができ、抗肥満薬の場合、通常成人に対しては、経口的投与により、1日当たり、0.1〜100mg/kgを1回で、或いは2から数回に分割して投与してもよい。
次ぎに、本発明を参考例および実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、参考例および実施例中の記号は以下の意味を有する。MS:FAB-MSまたはESI-MSによる質量分析値(M+H)、Me:メチル基、Et:エチル基、Pr:プロピル基、OMe:メトキシ基、MeSO2:メタンスルホニル基
(参考例1)
1'-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]
リン酸(85%)250mlおよび酸化リン(V)500gより調整したポリリン酸に100℃でフェニルアセタミド59.5gを加え100℃で1.5時間撹拌した後に、1-ベンジル-4-ピペリドン100gを加えて100℃で一夜撹拌した。反応液を70℃まで放冷した後、氷水3lに注ぎ込み、氷冷撹拌下に濃アンモニア水1.8lを加え室温で撹拌した。析出した固体を濾取し、エタノール200mlで洗浄して、1'-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]をクリーム色固体として71.4g得た。(MS、307)
(参考例2)
1'-ベンジル-5-メトキシ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン] (MS、337)
参考例1と同様の方法により調製した。
(参考例3)
1'-ベンジル-5-メチル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン] (MS、321)
参考例1と同様の方法により調製した。
(参考例4)
2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]
1'-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]71g、1M塩酸水500ml、エタノール900ml、水400mlの混液に、含水(53%)10%パラジウム-炭素40gを加え水素ガス(一気圧)気流下、室温で6時間撹拌した。触媒を除いた後に反応液の溶媒を減圧下留去し、残留物を酢酸エチル200mlで洗浄した。得られた固体に1M水酸化ナトリウム水溶液600mlを加え、クロロホルム200mlで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をヘキサンで洗浄して、2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]をクリーム色固体として29.1g得た。(MS、217)
(参考例5)
5-メトキシ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン] (MS、247)
参考例4と同様の方法により、調製した。
(参考例6)
5-メチル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン] (MS、231)
参考例4と同様の方法により、調製した。
(参考例7)
3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]
2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]21.6gに氷冷下1Mボラン-テトラヒドロフラン錯体300mlを加え氷冷下1時間撹拌後、加熱還流下一夜撹拌した。反応液を氷冷しメタノール100mlを加え30分間撹拌した後に、6M塩酸水80mlを加え室温で1時間、加熱還流下2時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧下濃縮し、氷冷下5M水酸化ナトリウム水溶液120mlを加え、クロロホルム200mlで3回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=50:1:0.1→20:1:0.1→10:1:0.1→5:1:0.1)で精製後ヘキサンで洗浄して、3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]を淡黄色固体として12.3g得た。(MS、203)
(参考例8)
5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、233)
参考例7と同様の方法により調製した。
(参考例9)
5-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、217)
参考例7と同様の方法により調製した。
(参考例10)
2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩
第一工程
3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]12.28g、酢酸エチル180mlの混液に、氷冷下ジtert-ブチルジカーボネート13.31gを加え氷冷下1時間室温で5時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去後、残留物をアセトニトリル180mlに溶解し、炭酸カリウム9.1g、ヨウ化メチル5mlを加え室温で一夜撹拌した。反応液に水100mlを加え減圧下濃縮し、酢酸エチル250mlで抽出し、抽出液を5%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水(各80ml)で順次洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=100:1:0.1)で精製して2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-カルボン酸tert-ブチルをカラメル状物質として15.1g得た。(MS、317)
第二工程
2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-カルボン酸tert-ブチル15.08g、エタノール60mlの混液に4M塩酸-ジオキサン溶液60mlを加え室温で3時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄して2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩を白色固体として12.9g得た。(MS、217)
(参考例11)
2-メチル-5-メトキシ-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、247)
参考例10と同様の方法により調製した。
(参考例12)
2,5-ジメチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、231)
参考例10と同様の方法により調製した。
(参考例13)
2-メチルスルホニル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、281)
参考例10と同様の方法により調製した。
(参考例14)
1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩
1'-ベンジル-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン-3(4H)-4-オン]11.2g、テトラヒドロフラン200mlの混液に氷冷下1Mボラン-テトラヒドロフラン錯体153mlを加え室温で3時間撹拌後、加熱還流下16時間撹拌した。反応液を氷冷しエタノール200ml、エチレンジアミン8.04gを加え加熱還流下20時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧下濃縮し、水および飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残渣を酢酸エチル200mlに溶解した後、4M塩酸-ジオキサン溶液40mlを加え室温で30分間撹拌した。析出した結晶を濾取し1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩を12.0g得た。(MS、293)
(参考例15)
2-エチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]
第一工程
1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩を12.0g、テトラヒドロフラン200mlの混液に氷冷下ジイソプロピルエチルアミン22.9ml及び塩化アセチル3.50mlを加え室温で30分間撹拌した。反応液にクロロホルム50mlを加えた後室温にて1時間撹拌し更に塩化アセチル3.50ml加え室温にて15時間撹拌した。反応液に無水酢酸6.20mlを加え、室温にて1時間、50℃にて70時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧下濃縮し、クロロホルムを加え、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去し2-アセチル-1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]を10.4g得た。(MS、335)
第二工程
2-アセチル-1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]10.0g、テトラヒドロフラン40mlの混液に氷冷下1Mボラン-テトラヒドロフラン錯体100mlを加え室温で30分間撹拌後、加熱還流下28時間撹拌した。反応液を氷冷しエタノール150ml、エチレンジアミン4.0mlを加え加熱還流下20時間撹拌した。反応液を放冷後、減圧下濃縮し、水および飽和食塩水を加え、クロロホルムで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去し1'-ベンジル-2-エチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]を9.77g得た。(MS、321)
第三工程
1'-ベンジル-2-エチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]9.77g、1M塩酸水60ml、エタノール100mlの混液に、含水(53%)10%パラジウム-炭素5gを加え水素ガス(一気圧)気流下、室温で14時間撹拌した。触媒を除いた後に反応液の溶媒を減圧下留去し、得られた固体に5M水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=50:1:0.1→10:1:0.1)で精製して2-エチル-1'-ベンジル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]を2.57g得た。(MS、231)
(参考例16)
2-プロピル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、245)
参考例15と同様の方法により調製した。
(参考例17)
2-(2,2,2-トリフルオロエチル)-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] (MS、285)
参考例15と同様の方法により調製した。
(実施例1)
(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩
第一工程
2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン] 二塩酸塩11g、N-tert-ブトキシカルボニル-D-4-クロロフェニルアラニン12.6g、N,N-ジメチルホルムアミド95mlの混液に、氷冷下ジフェニルリン酸アジド9.8mlおよびトリエチルアミン16.7mlを加え氷冷下3時間、室温で一夜撹拌した。反応液に水300mlを加え酢酸エチル150mlで抽出し、抽出液を10%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水(各100ml)で順次洗浄後、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→酢酸エチル-クロロホルム=1:5)で精製し、tert-ブチル [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]カルバメートを無晶状粉末として19.2g得た。(MS、498)
第二工程
tert-ブチル [(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]カルバメート19.18g、エタノール60mlの混液に4M塩酸-ジオキサン溶液40mlを加え室温で4時間撹拌した。反応液の溶媒を減圧下留去し、残留物をエタノール-酢酸エチル(1:1)の混液で洗浄して(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩を白色固体として15.87g得た。(MS、398)
(実施例2〜9)
実施例1と同様の方法により、実施例2−9の化合物を得て以下に一覧を示す。一般式は下記。
Figure 2005041839












Figure 2005041839
(実施例10)
N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]シクロヘキサンアミン 二塩酸塩
(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩0.94g、シクロヘキサノン0.21ml、1,2-ジクロルエタン10mlの混液に、氷冷下トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.64g、酢酸0.12mlを加え室温で一夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60mlを加え、クロロホルム30mlで2回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=100:1:0.1)で精製後、エタノールに溶解し4M塩酸-ジオキサン溶液で処理した後に溶媒を減圧下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄してN-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]シクロヘキサンアミン 二塩酸塩を白色固体として0.57g得た。(MS、480)
(実施例11〜29)
実施例10と同様の方法により、実施例11−29の化合物を得た。
なお、構造式中の"→"は、結合手を意味する。





Figure 2005041839
Figure 2005041839




Figure 2005041839
(実施例30)
N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N'-イソプロピルエタン-1,2-ジアミン 三塩酸塩
第一工程
(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩0.33g、tert-ブチル イソプロピル(2-オキソエチル)カルバメート0.17g、1,2-ジクロルエタン5mlの混液に、酢酸ナトリウム0.12gを加え室温で30分間撹拌した後に、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム0.21gを加え室温で一夜撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液30mlを加え、クロロホルム20mlで2回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=100:1:0.1)で精製してtert-ブチル (2-{[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]アミノ}エチル)イソプロピルカルバメートをカラメル状物質として0.34g得た。(MS、583)
第二工程
tert-ブチル (2-{[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]アミノ}エチル)イソプロピルカルバメート0.3g、エタノール4mlの混液に4M塩酸-ジオキサン溶液1mlを加え室温で5時間撹拌した。反応液に酢酸エチル10mlを加え、析出した固体を濾取してN-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N'-イソプロピルエタン-1,2-ジアミン 三塩酸塩を白色固体として0.2g得た。(MS、483)
(実施例31〜51)
実施例30と同様の方法により、実施例31−51の化合物を得た。

Figure 2005041839

Figure 2005041839








Figure 2005041839
(実施例52)
N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン 三塩酸塩
第一工程
(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩1.18g、トリフルオロ酢酸無水物0.39ml、クロロホルム10mlの混液に、氷冷下トリエチルアミン1.1mlを加え室温で一夜撹拌した後に、トリフルオロ酢酸無水物0.2mlをさらに加え、50℃で6時間撹拌した。反応液を放冷し、反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液60mlを加え、クロロホルム30mlで2回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製してN-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-2,2,2-トリフルオロアセタミドをクリーム色固体として0.88g得た。(MS、494)
第二工程
N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-2,2,2-トリフルオロアセタミド0.85g、2-ジメチルアミノエチルクロリド 塩酸塩0.62g、N,N-ジメチルホルムアミド10mlの混液に、炭酸セシウム2.8gを加え50℃で一夜撹拌した。反応液に水60mlを加え、酢酸エチル30mlで2回抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残留物をメタノール-水(3:1)の混液12mlに溶解し、炭酸カリウム0.41gを加え室温で6時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し、水60mlを加えクロロホルム30mlで2回抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=100:1:0.1→50:1:0.1→20:1:0.1)で精製後、メタノール中4M塩酸-ジオキサン溶液1.2mlで処理した後に溶媒を減圧下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄して、N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルエタン-1,2-ジアミン 三塩酸塩を白色固体として725mg得た。(MS、469)
(実施例53〜66)
実施例52と同様の方法により、実施例53−66の化合物を得た。
Figure 2005041839





























Figure 2005041839
(実施例67)
N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン 三塩酸塩
第一工程
(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチルアミン 二塩酸塩3.00g、2-ニトロベンゼンスルホニルクロリド1.69g、ピリジン1.8ml、塩化メチレン10mlの混液に、氷冷下トリエチルアミン2.7mlを加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し水を加え酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム→クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=30:1:0.1)で精製して、N-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミドをクリーム色固体として2.98g得た。(MS、583)
第二工程
N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-2-ニトロベンゼンスルホンアミド0.23g、N,N-ジメチルホルムアミド4mlの混液に、3-ジメチルアミノプロピルクロリド 塩酸塩70mg、炭酸カリウム0.16gを加え、60℃にて17時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し水を加え、酢酸エチルで抽出し、抽出液を水および飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し溶媒を減圧下留去した。残留物をN,N-ジメチルホルムアミド5mlに溶解し、炭酸カリウム0.16gおよび2-メチルベンゼンチオール0.050mlを加え室温で2時間撹拌した。反応液を減圧下濃縮し水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を1M塩酸にて抽出し、抽出液に炭酸カリウムを加えてpHを10以上とした後にクロロホルムで抽出し、抽出液を無水硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧下留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール:濃アンモニア水=12:1:0.1)で精製後、エタノール中4M塩酸-ジオキサン溶液2mlで処理した後に溶媒を減圧下留去し、残留物を酢酸エチルで洗浄して、N'-[(1R)-1-(4-クロロベンジル)-2-(2-メチル-3,4-ジヒドロ-2H-スピロ[イソキノリン-1,4'-ピペリジン]-1'-イル)-2-オキソエチル]-N,N-ジメチルプロパン-1,3-ジアミン 三塩酸塩を無色固体として87mg得た。(MS、483)
(実施例68〜80)
実施例67と同様の方法により、実施例68−80の化合物を得た。
Figure 2005041839



















Figure 2005041839
(実施例81)
MC4R安定発現293細胞を用いたMC4Rアゴニスト活性の評価
MC4Rをコードする全長cDNAは、PCRにより取得した。MC4Rをコードする遺伝子の増幅には、ヒト胎児脳由来のcDNA(Clontech)を鋳型に、フォワードプライマーとして5'-CTCTGGATCCACCATGGTGAACTCCACCCACCG-3'(配列番号:3)、リバースプライマーとして5'-CTCTTCTAGATTAATATCTGCTAGACAAG-3'(配列番号:4)を用いた。PCRはTaq DNA Polymeraseを用い、94℃(30秒)/55℃(30秒)/72℃(2分)のサイクルを40回繰り返した。その結果、約1kbpのDNA断片が増幅された。この断片をpcDNA3(Invitrogen社)を用いてクローニングした。同配列は999塩基のオープンリーディングフレーム(配列番号:1の第1番目から第999番目)を持っている。オープンリーディングフレームから予測されるアミノ酸配列(332アミノ酸)を配列番号:2に示す。
10cm培養シャーレにHEK293T細胞を播種して、各々4μgのMC4R発現ベクター及びpCRE-Luc (Stratagene社)をLipofectamine PLUS(GIBCO BRL社)を用いて遺伝子導入した。遺伝子導入後、0.8mg/mlのgeneticinで選択し、生き残ってコロニーを形成した細胞を回収した。更に、各クローンをNDP-α-MSHで刺激し、ルシフェラーゼ活性を誘導する細胞を選択し、本発明のMC4R安定発現レポーター細胞を得た。
MC4R安定発現レポーター細胞を96ウェルプレートに1ウェルあたり1×104個播種して37℃で24時間培養した。被検物を添加し、37℃で5時間反応後、培地を廃棄し、細胞溶解液(12.5mM Tris HCl(pH7.8), 1mM DTT, 5% glycerol, 0.5% Triton-X100)を含んだルシフェリン基質液(3.8mM Tricine, 0.3mM MgC03, 0.5mM MgSO4, 20μM EDTA, 24mM DTT, 0.015% CoenzymeA, 40μM ATP, 0.01% ルシフェリン)を1ウェルあたり120μl加えて溶解、反応させた。続いて、ルシフェラーゼの活性をルミノメーター(ML3000;ダイナテックラボラトリーズ社)を用いて測定した。このとき、未刺激群、およびNDP-α-MSH刺激群を作り、被検物のMC4Rアゴニスト活性の算出に用いた。MC4Rアゴニスト活性は、各測定値から未刺激群の測定値を差し引き、NDP-α-MSHの最大活性を100%とし、その50%に達する濃度をEC0.5MSHとして算出した。その結果、実施例43の化合物は490nMのEC0.5MSH値を示した。
(実施例82)
絶食誘発摂食に対する作用
雄性ddyマウス(7-9週令、日本SLC株式会社)を使用し、本発明化合物の絶食誘発摂食に対する作用を検討した。動物はstandard maintenance conditions (明期 7:30 - 20:30, 23 ± 2 ℃, 湿度55 ± 10 % )で飼育し、摂餌および飲水は自由に行わせた。全ての実験は明期に実施した。
マウスを個別飼育ケージに移し、実験を実施した。20時間絶食負荷したマウスに本発明化合物(実施例1、10、43、52)もしくはvehicleを経口投与し、投与1時間後に餌を与え、給餌から1時間後までの摂食量を測定した。その結果、本発明化合物投与群は絶食誘発摂食に対する抑制作用を有することが確認できた。
(実施例83)
ob/obマウス反復投与実験
雌性C57BL/6J-ob/obマウス(8週令、日本チャールス・リバー)を使用した。動物はstandard maintenance conditions (明期 7:30 - 20:30, 23 ± 2℃, 湿度55 ± 10 % )で飼育し、摂餌および飲水は自由に行わせた。マウスを個別飼育ケージに移し、実験を実施した。
摂餌量および体重測定
Vehicle 10 ml/kgまたは本発明化合物(実施例1)を1日1回19-21時の間に14日間経口投与した。投与の際に、マウスの体重および摂餌量を測定した。
随時血中グルコース濃度測定
反復投与14日後、無麻酔、非絶食下においてマウスの尾静脈より採血した。グルコース濃度測定キット(和光純薬工業株式会社)を用いて採取した血液中のグルコース濃度を測定した。
耐糖能試験
反復投与14日後、一晩マウスに絶食を負荷し、無麻酔下においてマウス尾静脈より採血した。その直後にグルコース水溶液(2 g/10 ml/kg)を経口投与し、投与後0.5, 1, 2, 4時間に、無麻酔下で尾静脈より採血した。サンプルのグルコース濃度は随時血中グルコース濃度測定と同様に測定した。
以上の実験で、本発明化合物投与群は、摂食抑制作用と抗肥満作用および抗糖尿病作用を有することが確認できた。
(実施例84)
勃起誘発作用
雄性Wistarラット(9-10週令、日本SLC株式会社)を使用した。動物はstandard maintenance conditions (明期 7:30 - 20:30, 23 ± 2 ℃, 湿度55 ± 10 % )で飼育し、摂餌および飲水は自由に行わせた。全ての実験は明期に実施した。
実験は非絶食下で実施した。本発明化合物もしくはvehicleを経口投与した直後に、ラットを無色透明の個別アクリルケージに入れ、投与後60分間に誘発される勃起の回数を測定した。雄性ラットが勃起を示す際には、ラットが後肢で直立した後に腰部を突き出し、充血した陰茎をなめるといった一連の行動が観察される。こうした一連の行動をラットの勃起反応と定義し、この行動の起きた回数を測定した。
本発明化合物群は、有意に勃起誘発作用を示した。
(実施例85)
以下に化16で示される一般式における、R及びWとして好ましい基を示す。Rの種類は以下の表8にa〜ffとして示した。Wの種類は以下の表9に1〜10として示した。
Figure 2005041839
式においてhaloの種類はCl又はFである。
Figure 2005041839

Figure 2005041839
前述の実施例1乃至80と同様にして、表10及び11に示す化合物を合成することができる。
なお、式中Rは前記表8に示す基、Wは表9に示す基を意味する。
Figure 2005041839
Figure 2005041839
Figure 2005041839












Figure 2005041839

Figure 2005041839




Figure 2005041839

Claims (1)

  1. 下記、一般式(I)
    Figure 2005041839
    [式中、R1及びR2は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、置換されてもよい複素環式基、置換されてもよいシクロアルキル基又は-Alk-X-Y〔式中、Alkは低級アルキレン基、低級アルケニレン基、又は低級アルキニレン基を;Xは結合又は-CH(CH2OH)-を;Yは水素原子、低級アルキル基、ヒドロキシル基、-O-低級アルキル、-CO2H、-CO-O-低級アルキル、-N(R6)R7、-CON(R6)R7、又は置換されてもよい複素環式基を;但し、Xが結合の時は、Yは低級アルキル以外の基を意味する〕を;R3は、水素原子、ヒドロキシル基、ハロゲン原子、低級アルキル基、又は-O-低級アルキルを;R4は、水素原子、低級アルキル基、ハロゲノ低級アルキル基、又は-SO2-低級アルキルを;R5は、水素原子、ヒドロキシル基,低級アルキル基、又は-O-低級アルキルを;R6及びR7は、同一もしくは異なっていてもよく、水素原子又は低級アルキル基を;Aは、オキソ基で置換されてもよい低級アルキレン基を意味する。]
    で表されるスピロピペリジン誘導体またはその塩。
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EP3858438A1 (en) * 2020-02-03 2021-08-04 Esteve Pharmaceuticals, S.A. 3,4-dihydro-2h-spiro[isoquinoline-1,4'-piperidin]amide derivatives having multimodal activity against pain

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