JP2005041793A - ナフタレン化合物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はナフタレン化合物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、植物病害を防除するための薬剤の開発が広く進められ、多数の植物病害防除剤が実用に供されているが、その効力は必ずしも十分でない場合がある。
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物及びその化合物の植物病害防除用途を提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるナフタレン化合物が優れた植物病害防除効力を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は式(1)
式(1)
[式中、Aは以下に示されるA1〜A3
のいずれかの基を表し、
R1はC1−C3アルキル基を表し、
Qは以下に示されるQ1〜Q4
のいずれかの基を表し、
R2は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6ハロアルケニル基、C2−C6アルキニル基、C2−C6ハロアルキニル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C3−C6アルケニルオキシ基、C3−C6ハロアルケニルオキシ基、C3−C6アルキニルオキシ基、C3−C6ハロアルキニルオキシ基、C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルコキシ基、ジ(C1−C3アルキル)アミノ基またはフェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよい)を表し、X1及びX2は各々が独立して酸素原子または硫黄原子を表す。]で示されるナフタレン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤及び本発明化合物の有効量を植物又は植物を栽培する土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明においてR1で示されるC1−C3アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。
R2で示されるC1−C6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基があげられ、
C1−C6ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジクロロブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基及び6,6,6−トリフルオロヘキシル基があげられ、
C2−C6アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−へキセニル基、2−へキセニル基及び5−へキセニル基があげられ、
C2−C6ハロアルケニル基としては、例えば1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、1,2−ジクロロビニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基及び3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基等があげられ、
C2−C6アルキニル基としては、例えばエチニル基、3−ブチニル基、3−ヘキシニル基及び5−ヘキシニル基があげられ、
C2−C6ハロアルキニル基としては、例えば2−クロロエチニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基及び6−クロロ−5−ヘキシニル基があげられ、
【0005】
C1−C6アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等があげられ、
C2−C6ハロアルコキシ基としては、例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ基、5−クロロペンチルオキシ基、4−フルオロイソペンチルオキシ基及び2,2−ジクロロヘキシルオキシ基があげられ、
C3−C6アルケニルオキシ基としては、例えば2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−へキセニルオキシ基及び5−ヘキセニルオキシ基があげられ、
C3−C6ハロアルケニルオキシ基としては、例えば3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジブロモ−2−プロペニルオキシ基、2,3−ジクロロプロペニルオキシ基、6−フルオロ−2−へキセニルオキシ基及び2,2−ジクロロ−5−ヘキセニルオキシ基があげられ、
C3−C6アルキニルオキシ基としては、例えば2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、2−ヘキシニルオキシ基及び5−ヘキシニルオキシ基があげられ、
C3−C6ハロアルキニルオキシ基としては、例えば3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、3−ブロモ−2−プロピニルオキシ基、3−ヨード−2−プロピニルオキシ基及び6−クロロ−5−ヘキシニルオキシ基があげられ、
C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基としては、例えば前記のQ1〜Q4で示される基において、カルボニル基に隣接する炭素原子がメチル基、エチル基及びプロピル基等のC1−C3アルキル基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基があげられ、より具体的には例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−プロピルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基及び1−プロピルシクロペンチル基があげられ、
C3−C6シクロアルコキシ基としては、例えばシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基があげられ、
ジ(C1−C3アルキル)アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジプロピルアミノ基があげられ、
【0006】
フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよい)としては、例えばフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基が挙げられる。
【0007】
式(1)で示される本発明化合物の態様としては、たとえば以下のナフタレン化合物があげられる。
式(1)において、AがA1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0008】
式(1)において、AがA1、A2又はA3で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が酸素原子で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
【0009】
式(1)において、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
【0010】
式(1)において、R2がC1−C6アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C4アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C6ハロアルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C6アルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C4アルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC2−C6ハロアルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C3アルキル基で1位が置換していてもよいC3−C6アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC3−C6シクロアルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がジ(C1−C3アルキル)アミノ基で示されるナフタレン化合物;
【0011】
式(1)において、AがA1で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0012】
式(1)において、AがA2で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0013】
式(1)において、AがA3で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0014】
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0015】
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ3で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0016】
式(1)において、QがQ1で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0017】
本発明化合物の製造方法について説明する。
本発明化合物は例えば下記の(製造法1)〜(製造法3)に記載の方法により製造することができる。
【0018】
(製造法1)
式(1)で示される本発明化合物は、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
〔式中、L1は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、A及びQは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物が通常1〜3モルの割合、塩基が通常1〜2モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(1)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(1)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0019】
(製造法2)
式(1)で示される本発明化合物は、式(4)で示される化合物と式(5)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
〔式中、L2は塩素原子、臭素原子、ピラゾール−1−イル基またはイミダゾール−1−イル基を表し、Gは下記G1〜G4
のいずれかの基を表し、A、Q、R2及びX2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、L2が塩素原子または臭素原子である場合には、トリエチルアミン等の第3級アミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられ、L2がピラゾール−1−イル基またはイミダゾール−1−イル基である場合には、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドがあげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(4)で示される化合物1モルに対して、式(5)で示される化合物が通常1〜2モルの割合、塩基が通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常瞬時〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(1)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(1)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0020】
次に、式(1)で示された本発明化合物のうちR2がC1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C3−C6アルケニルオキシ基、C3−C6ハロアルケニルオキシ基、C3−C6アルキニルオキシ基、C3−C6ハロアルキニルオキシ基またはC3−C6シクロアルコキシ基である化合物は、例えば下記の(製造法3)により製造することができる。
【0021】
(製造例3)
式(8)で示される本発明化合物は、式(6)で示される化合物を、式(7)で示される化合物及びジフェニルホスホリルアジドと混合して反応させることにより製造することができる。
〔式中、DPPAはジフェニルホスホリルアジドを表し、R3はC1−C6アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基)、C2−C6ハロアルキル基、(例えば2,2,2−トリフルオロエチル基、5−クロロペンチル基、4−フルオロイソペンチル基及び2,2−ジクロロヘキシル基)、C3−C6アルケニル基(例えば2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−へキセニル基及び5−ヘキセニル基)、C3−C6ハロアルケニル基(例えば3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、3,3−ジブロモ−2−プロペニル基、2,3−ジクロロプロペニル基、6−フルオロ−2−へキセニル基及び2,2−ジクロロ−5−ヘキセニル基)、C3−C6アルキニル基(例えば2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ヘキシニル基及び5−ヘキシニル基)、C2−C6ハロアルキニル基(例えば2−クロロエチニル基及び6−クロロ−5−ヘキシニル基)またはC3−C6シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基)を表し、A及びGは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、溶媒の存在下または非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン等の第3級アミン類またはピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して、ジフェニルホスホリルアジドが通常1〜3モルの割合、式(7)で示される化合物が通常1〜50モルの割合、塩基が通常1〜3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル等の有機溶媒で希釈し、弱酸性水(例えばクエン酸水溶液)等で洗浄し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(8)で示される本発明化合物を単離することができる。
単離した式(8)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0022】
次に本発明化合物の製造中間体化合物の製造法について説明する。
【0023】
本発明化合物の製造中間体化合物である式(2)で示される化合物は、例えば下記の(中間体製造法1)〜(中間体製造法6)記載の方法に従って製造することができる。
【0024】
(中間体製造法1)
〔式中、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表し、R4はC2〜C10アルキル基(例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基)を表し、R1は前記と同じ意味を表す。〕
【0025】
(工程I−1)
式(11)で示される化合物は、式(9)で示される化合物と式(10)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は溶媒の存在下または非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
該反応に用いられる塩基としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等の第2級アミン類、酢酸アンモニウム及びプロピオン酸アンモニウム等のアンモニウム塩等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(9)で示される化合物1モルに対して、式(10)で示される化合物が通常1〜10モルの割合、塩基が通常0.2〜3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮することにより、式(11)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(11)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0026】
(工程I−2)
式(12)で示される化合物は、式(11)で示される化合物と塩化クロム(II)とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、通常酸の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(11)で示される化合物1モルに対して、塩化クロムが通常5〜20モルの割合、酸が通常5〜25モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(12)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0027】
(工程I−3)
式(14)で示される化合物は、式(12)で示される化合物と式(13)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下、酸または塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられ、塩基としては、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドがあげられる。
式(13)で示される化合物としては、例えば亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸n−ブチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸n−オクチル、亜硝酸n−デシル等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して、式(13)で示される化合物が通常1〜10モルの割合、酸または塩基が通常0.5〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(14)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(14)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0028】
(工程I−4)
式(15)で示される化合物は、式(14)で示される化合物とヒドロキシルアミンとを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下、通常酸または塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ピリジン及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられ、塩基としては、例えばトリエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられるヒドロキシルアミンは、通常塩(塩酸塩、硫酸塩など)として存在しており、通常その塩をそのまま反応に用いることができる。
反応に用いられる試剤の量は、式(14)で示される化合物1モルに対してヒドロキシルアミンが通常1〜5モルの割合、酸または塩基が通常0.1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(15)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(15)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0029】
(工程I−5)
式(16)で示される化合物は、式(15)で示される化合物と一塩化硫黄とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる一塩化硫黄の量は、式(15)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(16)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(16)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0030】
(工程I−6)
式(17)で示される化合物は、式(16)で示される化合物を、塩化アルミニウム及びジメチルアニリンの存在下で反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(16)で示される化合物1モルに対して、塩化アルミニウムが通常1〜10モルの割合、ジメチルアニリンが通常1〜15モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.5〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を希塩酸に注加し、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(17)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(17)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0031】
(中間体製造法2)
〔式中、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
【0032】
(工程II−1)
式(18)で示される化合物は、式(15)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩化チオニルの量は、式(15)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮することにより、式(18)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(18)で示される化合物は、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0033】
(工程II−2)
式(19)で示される化合物は、式(18)で示される化合物を塩化アルミニウム及びジメチルアニリンの存在下で反応させることにより製造することができる。
より具体的には、(中間体製造法1)の(工程I−6)記載の方法に従って製造することが出来る。
【0034】
(中間体製造法3)
〔式中、DEADはアゾジカルボン酸ジエチルを表し、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
【0035】
(工程III−1)
式(21)で示される化合物は、式(20)で示される化合物と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる次亜塩素酸ナトリウム水溶液の量は、式(20)で示される化合物1モルに対して、次亜塩素酸ナトリウムとして通常3〜20モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮して得られる残渣に希塩酸を加え、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(21)で示される化合物を単離することができる。
【0036】
(工程III−2)
式(23)で示される化合物は、式(21)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させた後、式(22)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
(工程III−2)は、式(21)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させる前半工程と、この前半工程の生成物と式(22)とを反応させる後半工程とからなる。
【0037】
(工程III−2)の前半工程について説明する。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩化チオニルの量は、式(21)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜120℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮し、得られた残渣をそのまま下記の後半工程に用いることが出来る。
【0038】
次に、工程III−2の後半工程について説明する。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる式(22)で示される化合物の量は、式(21)で示される化合物1モルに対して、通常1〜100モルの割合である。
該反応の反応温度は通常−20〜50℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(23)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(23)で示される化合物はクロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0039】
(工程III−3)
式(24)で示される化合物は、式(23)で示される化合物と、トリメチルシリルアジド、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルとを混合して反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(23)で示される化合物1モルに対して、トリメチルシリルアジド、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの各々が、いずれも通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常10〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に水を加え、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(24)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(24)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0040】
(工程III−4)
式(25)で示される化合物は、式(25)で示される化合物を触媒の存在下、水素雰囲気下で反応を行うことにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる触媒としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素、白金−炭素等があげられる。
反応に用いられる触媒の量は、式(24)で示される化合物1モルに対して、通常0.01〜1モルの割合である。
該反応は酸を添加して行うこともできる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸または硝酸があげられる。
反応に用いられる酸の量は、式(24)で示される化合物1モルに対して、0.01〜1モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮することにより、式(25)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(25)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0041】
(中間体製造法4)
〔式中、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
式(26)で示される化合物は、J.Am.Chem.Soc.,124,6043(2002).に記載の方法に準じて製造することが出来る。
【0042】
(工程IV−1)および(工程IV−2)
式(27)で示される化合物及び式(28)で示される化合物は、前記中間体製造法3(工程III−3)および(工程III−4)に記載の方法に準じて製造することが出来る。
【0043】
本発明化合物の製造中間体化合物である式(4)で示される化合物は、例えば下記中間体製造法に従って製造することができる。
【0044】
(中間体製造法5)
〔式中、A、G及びL1は前記と同じ意味を表す。〕
(工程V−1)
式(30)で示される化合物は、式(2)で示される化合物と式(29)で示される化合物とを、前記(製造法1)に記載の方法に準じて反応させることにより製造することが出来る。
【0045】
(工程V−2)
式(4)で示される化合物は、式(30)で示される化合物を酸の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸及び硝酸等のプロトン酸があげられる。
反応に用いられる酸の量は、式(30)で示される化合物1モルに対して通常、2〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に水酸化ナトリウム等の塩基を加え、アルカリ性にした後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。
【0046】
式(3)で示される化合物は、例えばJ.Heterocycl.Chem.,38,173(2001)、J.Org.Chem.,28,1816(1963)または特開昭62−103092に記載された方法に従って製造することが出来る。
【0047】
本発明化合物の中間体化合物である式(6)で示される化合物は、例えば下記(中間体製造法6)に従って製造することができる。
【0048】
(中間体製造法6)
〔式中、R5はC1−C6アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基等)を表し、A、G、L1は前記と同じ意味を表す。〕
【0049】
(工程VI−1)
式(32)で示される化合物は、式(2)で示される化合物と式(31)で示される化合物とを、前記(製造法1)に記載の方法に従って反応させることにより製造することが出来る。
式(31)で示される化合物は、例えばOrganic Process Reseach & Development,5,37(2001).に記載の方法準じて製造することが出来る。
【0050】
(工程VI−2)
式(6)で示される化合物は、式(32)で示される化合物を塩基の存在下で水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水の存在下、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩があげられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(32)で示される化合物1モルに対して通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に塩酸等の酸を加えて酸性にして、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(6)で示される化合物を単離することができる。
【0051】
次に本発明化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
式(i)〜(xxviii)で示される化合物;
なお、式(i)〜(xxviii)において、R2は以下のいずれかの基を表す。
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、エチニル基、3−ブチニル基、2−クロロエチニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−プロピルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基及び1−プロピルシクロペンチル基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基。
【0052】
式(I)〜(XXVIII)で示される化合物;
なお、式(I)〜(XXVIII)において、R2は以下のいずれかの基を表す。
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、エチニル基、3−ブチニル基、2−クロロエチニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−プロピルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基及び1−プロピルシクロペンチル基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基。
【0053】
式(1−1)で示される化合物;
なお、式中のA、Q及びX2は、(表1)及び(表2)で示される基を表す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては、例えば藻菌類による病害があげられ、具体的には例えば次の病害が挙げられる。
蔬菜類、ダイコンのべと病(Peronospora brassicae)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、タバコのべと病(Peronospora tabacina)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、リンゴ、イチゴ、ヤクヨウニンジンの疫病(Phytophthora cactorum)、トマト、キュウリの灰色疫病(Phytophthora capsici)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ジャガイモ、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、タバコ、ソラマメ、ネギの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ホウレンソウの立枯病(Pythium sp.)、キュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、コムギ褐色雪腐病(Pythium sp.)、タバコ苗立枯病(Pythium debaryanum)、ダイズのPythium rot(Pythium aphanidermatum, P. debaryanum, P. irregulare, P. myriotylum, P. ultimum)。
【0057】
本発明の植物病害防除剤は本発明化合物そのものであってもよいが、通常は本発明化合物と固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤とを混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本発明化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
【0058】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0059】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0060】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸およびその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等が挙げられる。
【0061】
本発明の植物病害防除剤は、例えば、植物体に処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、植物を栽培する土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を植物病害から保護するために用いられる。
【0062】
本発明の植物病害防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gの割合である。
【0063】
本発明の植物病害防除剤が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は通常該製剤を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。本発明の植物病害防除剤が粉剤、粒剤等に製剤化されている場合は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0064】
また、本発明の植物病害防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。その方法としては、例えば、本発明化合物の濃度が1〜1000ppmとなるように調製した本発明の植物病害防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の植物病害防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の植物病害防除剤を粉衣する方法があげられる。
【0065】
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の植物病害防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
【0066】
本発明の植物病害防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
【0067】
本発明の植物病害防除剤剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
【0068】
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ニコビフェン、フェンヘキサミド、キノキシフェン、ジエトフェンカルブ及びアシベンゾラールSメチルが挙げられる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【0070】
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
テトラヒドロフラン3mlに参考製造例2−2で製造された3−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール200mg(0.564mmol)と1−イソブチリルイミダゾール78mg(0.56mmol)とを混合し、この混合液にカリウムtert−ブトキシド127mg(1.13mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、3−{2−(2−イソブチリルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール(以下、本発明化合物(a−1)と記す。)179mgを得た。
本発明化合物(a−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,br) 7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.37−7.43(3H,m) 7.24−7.28(1H,m) 6.61(1H,s) 5.12(1H,d) 5.11(1H,d) 2.61(1H,m) 2.38(3H,s) 1.28(6H,d).
【0071】
製造例2
テトラヒドロフラン3mlに3−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール200mg(0.564mmol)と1−ピバロイルイミダゾール86mg(0.56mmol)とを混合し、この混合液にカリウムtert−ブトキシド127mg(1.13mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、4−メチル−3−{2−(2−ピバロイルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1,2,5−チアジアゾール(以下、本発明化合物(a−2)と記す。)188mgを得た。
本発明化合物(a−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,br) 7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.37−7.43(3H,m) 7.24−7.28(1H,m) 6.60(1H,s) 5.13(1H,d) 5.12(1H,d) 2.38(3H,s) 1.33(9H,s).
【0072】
製造例3
N,N−ジメチルホルムアミド5mlに参考製造例3−5で製造された5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール236mg(1.04mmol)を混合し、この混合液に窒素雰囲気下、約0℃で水素化ナトリウム(60%油性)42mg(1.04mmol)を加え、同温で30分間撹拌した。該混合液に参考製造例8で製造された2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール228mg(1.04mmol)とヨウ化ナトリウム156mg(1.04mmol)とを加え、徐々に室温に戻して一晩撹拌した。この反応液を再び0℃にして、水素化ナトリウム(60%油性)34mg(0.832mmol)を加え、30分間撹拌した後、さらに2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール182mg(0.832mmol)とヨウ化ナトリウム125mg(0.832mmol)とを加え、徐々に室温に戻して6時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を1モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、5−{2−(2−イソブチリルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−3)と記す。)を157mg得た。
本発明化合物(a−3)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):9.09(1H,br) 8.05(1H,d) 7.86(1H,d) 7.41−7.51(4H,m)6.71(1H,s) 5.14(2H,br) 3.91(3H,s) 2.66(1H,m) 1.27(6H,d).
【0073】
製造例4
テトラヒドロフラン10mlに参考製造例4−2で製造された5−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール440mg(1.30mmol)と1−イソブチリルイミダゾール180mg(1.30mmol)を溶解し、これにカリウムtert−ブトキシド292mg(2.60mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。この反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、前記の本発明化合物(a−3)346mgを得た。
【0074】
製造例5
テトラヒドロフラン3mlに5−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール200mg(0.591mmol)と1−ピバロイルイミダゾール90mg(0.59mmol)とを混合し、0℃に冷却した。この混合物にカリウムtert−ブトキシド133mg(1.18mmol)を加え、0℃で45分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=1:1)に付し、1−メチル−5−{2−(2−ピバロイルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}テトラゾール(以下、本発明化合物(a−5)と記す。)を200mg得た。
本発明化合物(a−5)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.93(1H,br) 8.06(1H,d) 7.87(1H,dd) 7.40−7.50(4H,m) 6.70(1H,s) 5.14(2H,br) 3.91(3H,s) 1.35(9H,s)
【0075】
製造例6
t−ブタノール30mlに参考製造例5−2で製造された5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール1.39g(3.78mmol)を混合し、この混合液にジフェニルホスホリルアジド1.04g(3.78mmol)とトリエチルアミン383mg(3.78mmol)とを加え、加熱還流下12時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)に付し、5−{2−(4−t−ブトキシカルボニルアミノオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−6)と記す。)302mgを得た。
本発明化合物(a−6)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.08(1H,d) 7.89(1H,d) 7.41−7.53(4H,m) 7.21−7.31(1H,m) 5.35(2H,br) 3.94(3H,s) 1.52(9H,s) .
【0076】
製造例7
t−ブタノール9mlに参考製造例6−2で製造された5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール371mg(1.06mmol)を混合し、この混合物にジフェニルホスホリルアジド291mg(1・06mmol)とトリエチルアミン107mg(1.06mmol)とを加え、加熱還流下12時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)に付し、5−{2−(4−t−ブトキシカルボニルアミノオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−7)と記す。)130mgを得た。
本発明化合物(a−7)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,d) 7.88(1H,d) 7.43−7.52(4H,m) 7.21−7.30(1H,m) 5.15(2H,br) 3.93(3H,s) 1.50(9H,s) .
【0077】
次に、本発明化合物の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
【0078】
参考製造例1
参考製造例1−1
アセトニトリル300mlに2−ヒドロキシナフトアルデヒド30.0g(174mmol)を混合し、この混合液に炭酸カリウム26.5g(192mmol)とベンジルブロマイド32.8g(192mmol)とを加え、加熱還流下1時間撹拌した。反応混合物を室温付近まで放冷し、ろ過した。濾液を濃縮して、2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド42.7gを得た。
2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):11.0(1H,s) 9.27(1H,d) 8.02(1H,d) 7.76(1H,d) 7.62(1H,ddd) 7.31−7.48(7H,m) 5.34(2H,s).
【0079】
参考製造例1−2
トルエン300mlに2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド42.7g(163mmol)を混合し、この混合液にニトロエタン26.2g(348mmol)とピペリジン7.41g(87.0mmol)とを加え、加熱還流下5時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペンを55.6g得た。
1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.32(1H,s) 7.88(1H,d) 7.82(1H,d) 7.65(1H,d) 7.51(1H,ddd) 7.28−7.45(7H,m) 5.24(2H,s) 2.06(3H,s).
【0080】
参考製造例1−3
テトラヒドロフラン900mlに、窒素雰囲気下で1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペン41.0g(128mmol)、次いで2モル/L塩酸685mlを加えた。この混合液に塩化クロム(II)155g(1.26mol)をゆっくり加え、加熱還流下4時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)に付し、(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン17.5gを得た。
(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.77−7.84(3H,m) 7.33−7.53(8H,m) 5.25(2H,s) 4.20(2H,s) 2.08(3H,s).
【0081】
参考製造例1−4
メタノール70mlに(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン14.5g(49.9mmol)を混合し、この混合液に亜硝酸n−ブチル25.7g(250mmol)を加え、0℃に冷却した。該混合液に28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液31.7ml(150mmol)をゆっくり加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン12.0gを得た。
1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.71−7.93(3H,m) 7.20−7.50(8H,m) 5.20(1H,d) 5.12(1H,d) 2.54(3H,s).
【0082】
参考製造例1−5
ピリジン65mlに1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン11.9g(37.3mmol)を混合し、この混合液に塩酸ヒドロキシルアミン5.18g(74.5mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を2モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム12.2gを得た。
1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.84(1H,d) 7.78(1H,d) 7.26−7.49(9H,m) 5.20(1H,d) 5.15(1H,d) 2.27(3H,s).
【0083】
参考製造例1−6
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド50mlに1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム5.76g(17.2mmol)を混合し、反応温度が20℃以下になるように氷冷しながら一塩化硫黄9.31g(68.9mmol)をゆっくり滴下した後、この混合液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1モル/L塩酸200mlに注加し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を1モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付し、3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール2.27gを得た。
3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.94(1H,d) 7.82−7.86(1H,m) 7.38−7.41(3H,m) 7.22−7.32(4H,m) 7.14−7.18(2H,m) 5.17(1H,d)5.13(1H,d) 2.35(3H,s).
【0084】
参考製造例1−7
ジクロロメタン6mlに3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール997mg(3.00mmol)を混合し、N,N−ジメチルアニリン1.45g(12.0mmol)を加えて0℃に冷却した。この混合液に塩化アルミニウム1.20g(9.00mmol)をゆっくり加え、その後室温で1時間撹拌した。反応混合物を2モル/L塩酸に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を2モル/L塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付し、3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール713mgを得た。
3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.87(1H,d) 7.85(1H,d) 7.36−7.46(2H,m) 7.22−7.27(2H,m) 6.64(1H,s) 2.40(3H,s).
【0085】
参考製造例2
参考製造例2−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド5mlに参考製造例1−7で製造された3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール713mg(2.94mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)130mg(2.97mmol)を加え、30分間撹拌した。該混合液に参考製造例7−2で製造された4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール787mg(3.86mmol)及びヨウ化ナトリウム579mg(3.86mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール921mgを得た。
4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.12(1H,s) 7.95(1H,d) 7.84(1H,dd) 7.36−7.46(3H,m)7.26(1H,dd) 6.37(1H,s) 5.14(2H,s) 3.10(3H,s) 3.07(3H,s) 2.41(3H,s).
【0086】
参考製造例2−2
テトラヒドロフラン7mlに4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール921mg(2.25mmol)を混合し、エタノール14ml及び1モル/L塩酸7mlを加えた。この混合液を60℃で4時間撹拌した。反応混合物に2モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10付近にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、3−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール795mgを得た。
3−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.38−7.42(3H,m) 7.24−7.29(1H,m) 6.14(1H,s) 5.03(1H,d) 5.02(1H,d) 4.93(2H,br) 2.39(3H,s).
【0087】
参考製造例3
参考製造例3−1
アセトニトリル30mlに2’−ヒドロキシ−1’−アセトナフトン5.00g(26.9mmol)を混合し、この混合液にベンジルブロマイド5.05g(29.5mmol)及び炭酸カリウム4.45g(32.2mmol)を加え、加熱還流下3.5時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をろ過し、アセトンで充分に洗浄した。ろ液と洗浄液との混合液を濃縮し、2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン7.71gを得た。
2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.84(1H,d) 7.73−7.78(2H,m) 7.28−7.51(8H,m) 5.25(2H,s) 2.65(3H,s).
【0088】
参考製造例3−2
エタノール100mlに2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン7.70g(27.9mmol)を混合し、この混合液に10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液139mlを加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮し、得られた残渣に2モル/L塩酸を加えてpH2付近にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸7.80gを得た。
2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.49(1H,d) 7.95(1H,d) 7.80(1H,d) 7.58(1H,ddd) 7.32−7.51(7H,m) 5.36(2H,s).
【0089】
参考製造例3−3
2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸3.69g(13.3mmol)とトルエン30mlとを混合し、この混合液に塩化チオニル2.05g(17.2mmol)を加え、加熱還流下20分間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物を濃縮した後、残渣にトルエン10mlを加えて2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸塩化物のトルエン混合液とした。
0℃に冷却した40%メチルアミン水溶液30mlを激しく撹拌しながら、ここに上記の2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸塩化物のトルエン混合液の全量をゆっくり滴下し、次にこの混合物を室温で30分撹拌した。反応混合物に水を注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、N−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド3.95gを得た。
N−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.96(1H,d) 7.83(1H,d) 7.77(1H,d) 7.08−7.57(8H,m) 5.90(1H,br) 5.24(2H,s) 3.06(3H,d).
【0090】
参考製造例3−4
窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン30mlにN−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド1.00g(3.43mmol)、トリフェニルホスフィン1.08g(4.12mmol)及びトリメチルシリルアジド475mg(4.12mmol)を加え、0℃に冷却した。この混合液にアゾジカルボン酸ジエチル726mg(4.12mmol)をゆっくり滴下し、室温で24時間撹拌した。0℃に冷却した該混合液にトリフェニルホスフィン1.62g(6.17mmol)及びトリメチルシリルアジド711mg(6.17mmol)を加え、次にアゾジカルボン酸ジエチル1.09g(6.17mmol)をゆっくり滴下し、室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール516mgを得た。
5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.04(1H,d) 7.86(1H,d) 7.39−7.51(4H,m) 7.28−7.36(3H,m) 7.17−7.22(2H,m) 5.19(2H,br) 3.84(3H,s).
【0091】
参考製造例3−5
メタノール55mlに5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.76g(5.55mmol)、濃塩酸0.3ml及び20%水酸化パラジウム炭素900mgを加え、水素雰囲気下、9℃で7時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、得られたろ液を濃縮し、5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.26gを得た。
5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):10.81(1H,s)8.07(1H,d) 7.93(1H,d) 7.33−7.49(3H,m) 7.27(1H,d) 3.90(3H,s)
【0092】
参考製造例4
参考製造例4−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに参考製造例3−5で製造した5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.26g(5.55mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)444mg(11.1mmol)を加え、30分間撹拌し、次に4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール1.41g(5.55mmol)及びヨウ化ナトリウム832mg(5.55mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール1.33gを得た。
1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.10(1H,s) 8.05(1H,d) 7.86(1H,d) 7.40−7.49(4H,m) 6.49(1H,s) 5.15(2H,br) 3.93(3H,s) 3.13(3H,s) 3.07(3H,s)
【0093】
参考製造例4−2
テトラヒドロフラン50mlに1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール1.33g(5.23mmol)を混合し、エタノール15ml及び1モル/L塩酸15mlを加えた。この混合液を60℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に2モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10付近とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、5−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.23gを得た。
5−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,d) 7.87(1H,d) 7.42−7.49(4H,m) 6.26(1H,s) 5.05(2H,br) 4.87(2H,br) 3.94(3H,s)
【0094】
参考製造例5
参考製造例5−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド23mlに参考製造例3−5で製造した5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.34g(5.91mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)250mg(6.25mmol)を加え、1時間撹拌した後、2−クロロメチルチアゾール−4−カルボン酸メチル1.17g(6.09mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで洗浄した、得られた固体を減圧乾燥して5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾールを1.75g得た。
5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):8.55(1H,s) 8.31(1H,d) 8.05(1H,d) 7.77(1H,d) 7.53(2H,m) 7.28(1H,d) 5.71(2H,br) 3.92(3H,s) 3.82(3H,s)
【0095】
参考製造例5−2
メタノール28mlに5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール1.04g(2.72mmol)を混合し、この混合液に10%水酸化ナトリウム水溶液4.52g(11.3mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮した後、1モル/L塩酸を加えてpH2付近とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール885mgを得た。
5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):8.44(1H,s) 8.31(1H,d) 8.05(1H,d) 7.78(2H,m) 7.53(2H,m) 7.28(1H,d) 5.70(2H,br) 3.92(3H,s)
【0096】
参考製造例6
参考製造例6−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド8mlに参考製造例3−5で製造された5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール452mg(2.00mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)84mg(2.10mmol)を加え、30分間撹拌した後、2−クロロメチルオキサゾール−4−カルボン酸メチル368mg(2.10mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾールを708mg得た。
5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.20(1H,s) 8.08(1H,d) 7.89(1H,d) 7.45−7.52(3H,m) 7.40(1H,d) 5.29(2H,Br) 3.93(3H,s) 3.92(3H,s)
【0097】
参考製造例6−2
メタノール9mlに5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール604mg(1.65mmol)を混合し、この混合液に10%水酸化ナトリウム水溶液2.65g(6.63mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮し、残渣に1モル/L塩酸を加えてpH2付近として、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール474mgを得た。
5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.26(1H,s) 8.09(1H,d) 7.90(1H,d) 7.46−7.52(3H,m) 7.40(1H,d) 5.30(2H,br) 3.94(3H,s)
【0098】
参考製造例7
参考製造例7−1
1,3−ジクロロアセトン30.0g(224mmol)をアセトン100mlに溶解した溶液に、チオ尿素17.1g(224mmol)をアセトン500mlに溶解した溶液を加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物をそのまま濃縮した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル300mlと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液して、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール2.00gを得た。
2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール
1H−NMR(CDCl3、TMS)δ(ppm):6.50(1H,s) 5.15(2H,br) 4.45(2H,s)
【0099】
参考製造例7−2
tert−ブチルメチルエーテル500mlに2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール29g(219mmol)を混合し、この混合液にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール30ml(226mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール12.6gを得た。
4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.22(1H,s) 6.76(1H,s) 4.54(2H,s) 3.10(3H,s) 3.07(3H,s)
【0100】
参考製造例8
1,3−ジクロロアセトン30.0g(224mmol)をアセトン100mlに溶解した溶液に、チオ尿素17.1g(224mmol)をアセトン500mlに溶解した溶液を6時間かけて加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物をそのまま濃縮した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル300mlと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。得られたろ液に無水イソ酪酸40mlを加え、加熱還流下14時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール30.5gを得た。
2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール
1H−NMR(CDCl3、TMS)δ(ppm):9.84(1H,br) 6.92(1H,s) 4.56(2H,s) 2.66(1H,m) 1.28(6H,d)
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
【0101】
製剤例1
本発明化合物の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0102】
製剤例2
本発明化合物の各々20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し各々のフロアブル製剤を得る。
【0103】
製剤例3
本発明化合物の各々2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0104】
製剤例4
本発明化合物の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0105】
製剤例5
本発明化合物の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒し乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0106】
製剤例6
本発明化合物の各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0107】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、無処理区の病斑の面積と本発明化合物処理区の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0108】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−5)、(a−6)及び(a−7)の各々をそれぞれ製剤例6に準じて製剤とした後、水で本発明化合物の濃度が500ppmとなるように希釈して試験用薬液を調製した。この試験用薬液を上記のトマト苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢の水懸濁液(約10000個/ml)を噴霧した。その後、このトマト苗を23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、さらに昼間22℃、夜間20℃の温室に移して4日間栽培した後、植物上の病斑面積を調査した。本発明化合物(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−5)、(a−6)及び(a−7)の各々を処理した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0109】
【発明の効果】
本発明化合物は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明はナフタレン化合物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、植物病害を防除するための薬剤の開発が広く進められ、多数の植物病害防除剤が実用に供されているが、その効力は必ずしも十分でない場合がある。
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物及びその化合物の植物病害防除用途を提供することを課題とする。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明者は優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるナフタレン化合物が優れた植物病害防除効力を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は式(1)
式(1)
[式中、Aは以下に示されるA1〜A3
のいずれかの基を表し、
R1はC1−C3アルキル基を表し、
Qは以下に示されるQ1〜Q4
のいずれかの基を表し、
R2は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6ハロアルケニル基、C2−C6アルキニル基、C2−C6ハロアルキニル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C3−C6アルケニルオキシ基、C3−C6ハロアルケニルオキシ基、C3−C6アルキニルオキシ基、C3−C6ハロアルキニルオキシ基、C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルコキシ基、ジ(C1−C3アルキル)アミノ基またはフェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよい)を表し、X1及びX2は各々が独立して酸素原子または硫黄原子を表す。]で示されるナフタレン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤及び本発明化合物の有効量を植物又は植物を栽培する土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法を提供する。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明においてR1で示されるC1−C3アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基及びプロピル基が挙げられる。
R2で示されるC1−C6アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基があげられ、
C1−C6ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、クロロジフルオロメチル基、クロロフルオロメチル基、ブロモジフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ジクロロブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基及び6,6,6−トリフルオロヘキシル基があげられ、
C2−C6アルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−へキセニル基、2−へキセニル基及び5−へキセニル基があげられ、
C2−C6ハロアルケニル基としては、例えば1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、1,2−ジクロロビニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基及び3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基等があげられ、
C2−C6アルキニル基としては、例えばエチニル基、3−ブチニル基、3−ヘキシニル基及び5−ヘキシニル基があげられ、
C2−C6ハロアルキニル基としては、例えば2−クロロエチニル基、3−クロロ−2−プロピニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基及び6−クロロ−5−ヘキシニル基があげられ、
【0005】
C1−C6アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基及びヘキシルオキシ基等があげられ、
C2−C6ハロアルコキシ基としては、例えば2,2,2−トリフルオロエトキシ基、5−クロロペンチルオキシ基、4−フルオロイソペンチルオキシ基及び2,2−ジクロロヘキシルオキシ基があげられ、
C3−C6アルケニルオキシ基としては、例えば2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、2−へキセニルオキシ基及び5−ヘキセニルオキシ基があげられ、
C3−C6ハロアルケニルオキシ基としては、例えば3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジブロモ−2−プロペニルオキシ基、2,3−ジクロロプロペニルオキシ基、6−フルオロ−2−へキセニルオキシ基及び2,2−ジクロロ−5−ヘキセニルオキシ基があげられ、
C3−C6アルキニルオキシ基としては、例えば2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、2−ヘキシニルオキシ基及び5−ヘキシニルオキシ基があげられ、
C3−C6ハロアルキニルオキシ基としては、例えば3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、3−ブロモ−2−プロピニルオキシ基、3−ヨード−2−プロピニルオキシ基及び6−クロロ−5−ヘキシニルオキシ基があげられ、
C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基としては、例えば前記のQ1〜Q4で示される基において、カルボニル基に隣接する炭素原子がメチル基、エチル基及びプロピル基等のC1−C3アルキル基で置換されていてもよいC3−C6シクロアルキル基があげられ、より具体的には例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチルシクロシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−プロピルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基及び1−プロピルシクロペンチル基があげられ、
C3−C6シクロアルコキシ基としては、例えばシクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基があげられ、
ジ(C1−C3アルキル)アミノ基としては、例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基及びジプロピルアミノ基があげられ、
【0006】
フェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよい)としては、例えばフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基が挙げられる。
【0007】
式(1)で示される本発明化合物の態様としては、たとえば以下のナフタレン化合物があげられる。
式(1)において、AがA1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0008】
式(1)において、AがA1、A2又はA3で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が酸素原子で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、R1がメチル基で示されるナフタレン化合物;
【0009】
式(1)において、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
【0010】
式(1)において、R2がC1−C6アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C4アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C6ハロアルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C6アルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C4アルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC2−C6ハロアルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC1−C3アルキル基で1位が置換していてもよいC3−C6アルキル基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がC3−C6シクロアルコキシ基で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、R2がジ(C1−C3アルキル)アミノ基で示されるナフタレン化合物;
【0011】
式(1)において、AがA1で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0012】
式(1)において、AがA2で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0013】
式(1)において、AがA3で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ2で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ3で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA3で示され、QがQ4で示されるナフタレン化合物;
【0014】
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、QがQ1で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、X1が硫黄原子で示され、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA1で示され、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0015】
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ3で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、AがA2で示され、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0016】
式(1)において、QがQ1で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示され、X2が酸素原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ1で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ2で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
式(1)において、QがQ3で示され、X2が硫黄原子で示されるナフタレン化合物;
【0017】
本発明化合物の製造方法について説明する。
本発明化合物は例えば下記の(製造法1)〜(製造法3)に記載の方法により製造することができる。
【0018】
(製造法1)
式(1)で示される本発明化合物は、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
〔式中、L1は塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を表し、A及びQは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物が通常1〜3モルの割合、塩基が通常1〜2モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(1)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(1)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0019】
(製造法2)
式(1)で示される本発明化合物は、式(4)で示される化合物と式(5)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
〔式中、L2は塩素原子、臭素原子、ピラゾール−1−イル基またはイミダゾール−1−イル基を表し、Gは下記G1〜G4
のいずれかの基を表し、A、Q、R2及びX2は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、L2が塩素原子または臭素原子である場合には、トリエチルアミン等の第3級アミン類、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられ、L2がピラゾール−1−イル基またはイミダゾール−1−イル基である場合には、カリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシドがあげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(4)で示される化合物1モルに対して、式(5)で示される化合物が通常1〜2モルの割合、塩基が通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常瞬時〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(1)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(1)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0020】
次に、式(1)で示された本発明化合物のうちR2がC1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C3−C6アルケニルオキシ基、C3−C6ハロアルケニルオキシ基、C3−C6アルキニルオキシ基、C3−C6ハロアルキニルオキシ基またはC3−C6シクロアルコキシ基である化合物は、例えば下記の(製造法3)により製造することができる。
【0021】
(製造例3)
式(8)で示される本発明化合物は、式(6)で示される化合物を、式(7)で示される化合物及びジフェニルホスホリルアジドと混合して反応させることにより製造することができる。
〔式中、DPPAはジフェニルホスホリルアジドを表し、R3はC1−C6アルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基)、C2−C6ハロアルキル基、(例えば2,2,2−トリフルオロエチル基、5−クロロペンチル基、4−フルオロイソペンチル基及び2,2−ジクロロヘキシル基)、C3−C6アルケニル基(例えば2−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、2−へキセニル基及び5−ヘキセニル基)、C3−C6ハロアルケニル基(例えば3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、3,3−ジブロモ−2−プロペニル基、2,3−ジクロロプロペニル基、6−フルオロ−2−へキセニル基及び2,2−ジクロロ−5−ヘキセニル基)、C3−C6アルキニル基(例えば2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、2−ヘキシニル基及び5−ヘキシニル基)、C2−C6ハロアルキニル基(例えば2−クロロエチニル基及び6−クロロ−5−ヘキシニル基)またはC3−C6シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基)を表し、A及びGは前記と同じ意味を表す。〕
該反応は通常塩基の存在下、溶媒の存在下または非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えばトリエチルアミン等の第3級アミン類またはピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して、ジフェニルホスホリルアジドが通常1〜3モルの割合、式(7)で示される化合物が通常1〜50モルの割合、塩基が通常1〜3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮し、得られた残渣を酢酸エチル等の有機溶媒で希釈し、弱酸性水(例えばクエン酸水溶液)等で洗浄し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作に付すことにより、式(8)で示される本発明化合物を単離することができる。
単離した式(8)で示される本発明化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0022】
次に本発明化合物の製造中間体化合物の製造法について説明する。
【0023】
本発明化合物の製造中間体化合物である式(2)で示される化合物は、例えば下記の(中間体製造法1)〜(中間体製造法6)記載の方法に従って製造することができる。
【0024】
(中間体製造法1)
〔式中、Bnはベンジル基を表し、Phはフェニル基を表し、R4はC2〜C10アルキル基(例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基)を表し、R1は前記と同じ意味を表す。〕
【0025】
(工程I−1)
式(11)で示される化合物は、式(9)で示される化合物と式(10)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は溶媒の存在下または非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
該反応に用いられる塩基としては、例えばピロリジン、ピペリジン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等の第2級アミン類、酢酸アンモニウム及びプロピオン酸アンモニウム等のアンモニウム塩等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(9)で示される化合物1モルに対して、式(10)で示される化合物が通常1〜10モルの割合、塩基が通常0.2〜3モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮することにより、式(11)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(11)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0026】
(工程I−2)
式(12)で示される化合物は、式(11)で示される化合物と塩化クロム(II)とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、通常酸の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(11)で示される化合物1モルに対して、塩化クロムが通常5〜20モルの割合、酸が通常5〜25モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜10時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(12)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0027】
(工程I−3)
式(14)で示される化合物は、式(12)で示される化合物と式(13)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下、酸または塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられ、塩基としては、例えばナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシドがあげられる。
式(13)で示される化合物としては、例えば亜硝酸エチル、亜硝酸プロピル、亜硝酸n−ブチル、亜硝酸t−ブチル、亜硝酸n−オクチル、亜硝酸n−デシル等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して、式(13)で示される化合物が通常1〜10モルの割合、酸または塩基が通常0.5〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(14)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(14)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0028】
(工程I−4)
式(15)で示される化合物は、式(14)で示される化合物とヒドロキシルアミンとを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下、通常酸または塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等のアルコール類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ピリジン及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸等のプロトン酸があげられ、塩基としては、例えばトリエチルアミン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられるヒドロキシルアミンは、通常塩(塩酸塩、硫酸塩など)として存在しており、通常その塩をそのまま反応に用いることができる。
反応に用いられる試剤の量は、式(14)で示される化合物1モルに対してヒドロキシルアミンが通常1〜5モルの割合、酸または塩基が通常0.1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(15)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(15)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0029】
(工程I−5)
式(16)で示される化合物は、式(15)で示される化合物と一塩化硫黄とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる一塩化硫黄の量は、式(15)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(16)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(16)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0030】
(工程I−6)
式(17)で示される化合物は、式(16)で示される化合物を、塩化アルミニウム及びジメチルアニリンの存在下で反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(16)で示される化合物1モルに対して、塩化アルミニウムが通常1〜10モルの割合、ジメチルアニリンが通常1〜15モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.5〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を希塩酸に注加し、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(17)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(17)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0031】
(中間体製造法2)
〔式中、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
【0032】
(工程II−1)
式(18)で示される化合物は、式(15)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させることにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩化チオニルの量は、式(15)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜150℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮することにより、式(18)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(18)で示される化合物は、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0033】
(工程II−2)
式(19)で示される化合物は、式(18)で示される化合物を塩化アルミニウム及びジメチルアニリンの存在下で反応させることにより製造することができる。
より具体的には、(中間体製造法1)の(工程I−6)記載の方法に従って製造することが出来る。
【0034】
(中間体製造法3)
〔式中、DEADはアゾジカルボン酸ジエチルを表し、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
【0035】
(工程III−1)
式(21)で示される化合物は、式(20)で示される化合物と次亜塩素酸ナトリウム水溶液とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる次亜塩素酸ナトリウム水溶液の量は、式(20)で示される化合物1モルに対して、次亜塩素酸ナトリウムとして通常3〜20モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜50時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をそのまま濃縮して得られる残渣に希塩酸を加え、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(21)で示される化合物を単離することができる。
【0036】
(工程III−2)
式(23)で示される化合物は、式(21)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させた後、式(22)で示される化合物とを反応させることにより製造することが出来る。
(工程III−2)は、式(21)で示される化合物と塩化チオニルとを反応させる前半工程と、この前半工程の生成物と式(22)とを反応させる後半工程とからなる。
【0037】
(工程III−2)の前半工程について説明する。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩化チオニルの量は、式(21)で示される化合物1モルに対して、通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常50〜120℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を濃縮し、得られた残渣をそのまま下記の後半工程に用いることが出来る。
【0038】
次に、工程III−2の後半工程について説明する。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる式(22)で示される化合物の量は、式(21)で示される化合物1モルに対して、通常1〜100モルの割合である。
該反応の反応温度は通常−20〜50℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(23)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(23)で示される化合物はクロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0039】
(工程III−3)
式(24)で示される化合物は、式(23)で示される化合物と、トリメチルシリルアジド、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルとを混合して反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(23)で示される化合物1モルに対して、トリメチルシリルアジド、トリフェニルホスフィン及びアゾジカルボン酸ジエチルの各々が、いずれも通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常10〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に水を加え、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(24)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(24)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0040】
(工程III−4)
式(25)で示される化合物は、式(25)で示される化合物を触媒の存在下、水素雰囲気下で反応を行うことにより製造することが出来る。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル等のエステル類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる触媒としては、例えばパラジウム−炭素、水酸化パラジウム−炭素、白金−炭素等があげられる。
反応に用いられる触媒の量は、式(24)で示される化合物1モルに対して、通常0.01〜1モルの割合である。
該反応は酸を添加して行うこともできる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸または硝酸があげられる。
反応に用いられる酸の量は、式(24)で示される化合物1モルに対して、0.01〜1モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜50℃の範囲であり、反応時間は通常1〜100時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮することにより、式(25)で示される化合物を単離することができる。
単離した式(25)で示される化合物は、クロマトグラフィー等によりさらに精製することもできる。
【0041】
(中間体製造法4)
〔式中、Bn、Ph及びR1は前記と同じ意味を表す。〕
式(26)で示される化合物は、J.Am.Chem.Soc.,124,6043(2002).に記載の方法に準じて製造することが出来る。
【0042】
(工程IV−1)および(工程IV−2)
式(27)で示される化合物及び式(28)で示される化合物は、前記中間体製造法3(工程III−3)および(工程III−4)に記載の方法に準じて製造することが出来る。
【0043】
本発明化合物の製造中間体化合物である式(4)で示される化合物は、例えば下記中間体製造法に従って製造することができる。
【0044】
(中間体製造法5)
〔式中、A、G及びL1は前記と同じ意味を表す。〕
(工程V−1)
式(30)で示される化合物は、式(2)で示される化合物と式(29)で示される化合物とを、前記(製造法1)に記載の方法に準じて反応させることにより製造することが出来る。
【0045】
(工程V−2)
式(4)で示される化合物は、式(30)で示される化合物を酸の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる酸としては、例えば塩酸、硫酸及び硝酸等のプロトン酸があげられる。
反応に用いられる酸の量は、式(30)で示される化合物1モルに対して通常、2〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常1〜30時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に水酸化ナトリウム等の塩基を加え、アルカリ性にした後、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。
【0046】
式(3)で示される化合物は、例えばJ.Heterocycl.Chem.,38,173(2001)、J.Org.Chem.,28,1816(1963)または特開昭62−103092に記載された方法に従って製造することが出来る。
【0047】
本発明化合物の中間体化合物である式(6)で示される化合物は、例えば下記(中間体製造法6)に従って製造することができる。
【0048】
(中間体製造法6)
〔式中、R5はC1−C6アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ヘキシル基等)を表し、A、G、L1は前記と同じ意味を表す。〕
【0049】
(工程VI−1)
式(32)で示される化合物は、式(2)で示される化合物と式(31)で示される化合物とを、前記(製造法1)に記載の方法に従って反応させることにより製造することが出来る。
式(31)で示される化合物は、例えばOrganic Process Reseach & Development,5,37(2001).に記載の方法準じて製造することが出来る。
【0050】
(工程VI−2)
式(6)で示される化合物は、式(32)で示される化合物を塩基の存在下で水と反応させることにより製造することができる。
該反応は水の存在下、溶媒の存在下又は非存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩及び炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩があげられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(32)で示される化合物1モルに対して通常1〜10モルの割合である。
該反応の反応温度は通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常10分間〜10時間の範囲である。
反応終了後は、例えば反応混合物に塩酸等の酸を加えて酸性にして、有機溶媒で抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理を行うことにより、式(6)で示される化合物を単離することができる。
【0051】
次に本発明化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
式(i)〜(xxviii)で示される化合物;
なお、式(i)〜(xxviii)において、R2は以下のいずれかの基を表す。
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、エチニル基、3−ブチニル基、2−クロロエチニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−プロピルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基及び1−プロピルシクロペンチル基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基。
【0052】
式(I)〜(XXVIII)で示される化合物;
なお、式(I)〜(XXVIII)において、R2は以下のいずれかの基を表す。
水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基及びヘキシル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、2−フルオロエチル基、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−クロロビニル基、2−クロロビニル基、2,2−ジクロロビニル基、2,2−ジフルオロビニル基、エチニル基、3−ブチニル基、2−クロロエチニル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジクロロ−2−プロペニルオキシ基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、3−クロロ−2−プロピニルオキシ基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−プロピルシクロヘキシル基、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基及び1−プロピルシクロペンチル基、シクロプロポキシ基、シクロブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、フェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,4,6−トリクロロフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2−メトキシフェニル基、3−メトキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、2−トリフルオロメトキシフェニル基、3−トリフルオロメトキシフェニル基、4−トリフルオロメトキシフェニル基、2−メチルチオフェニル基、3−メチルチオフェニル基、4−メチルチオフェニル基、2−シアノフェニル基、3−シアノフェニル基、4−シアノフェニル基、2−ニトロフェニル基、3−ニトロフェニル基及び4−ニトロフェニル基。
【0053】
式(1−1)で示される化合物;
なお、式中のA、Q及びX2は、(表1)及び(表2)で示される基を表す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては、例えば藻菌類による病害があげられ、具体的には例えば次の病害が挙げられる。
蔬菜類、ダイコンのべと病(Peronospora brassicae)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、タバコのべと病(Peronospora tabacina)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、リンゴ、イチゴ、ヤクヨウニンジンの疫病(Phytophthora cactorum)、トマト、キュウリの灰色疫病(Phytophthora capsici)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ジャガイモ、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、タバコ、ソラマメ、ネギの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ホウレンソウの立枯病(Pythium sp.)、キュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、コムギ褐色雪腐病(Pythium sp.)、タバコ苗立枯病(Pythium debaryanum)、ダイズのPythium rot(Pythium aphanidermatum, P. debaryanum, P. irregulare, P. myriotylum, P. ultimum)。
【0057】
本発明の植物病害防除剤は本発明化合物そのものであってもよいが、通常は本発明化合物と固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤とを混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本発明化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
【0058】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、石油系脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0059】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマ−、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0060】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸およびその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等が挙げられる。
【0061】
本発明の植物病害防除剤は、例えば、植物体に処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、植物を栽培する土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を植物病害から保護するために用いられる。
【0062】
本発明の植物病害防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gの割合である。
【0063】
本発明の植物病害防除剤が乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤等に製剤化されている場合は通常該製剤を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。本発明の植物病害防除剤が粉剤、粒剤等に製剤化されている場合は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0064】
また、本発明の植物病害防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。その方法としては、例えば、本発明化合物の濃度が1〜1000ppmとなるように調製した本発明の植物病害防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の植物病害防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の植物病害防除剤を粉衣する方法があげられる。
【0065】
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の植物病害防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
【0066】
本発明の植物病害防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
【0067】
本発明の植物病害防除剤剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
【0068】
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ニコビフェン、フェンヘキサミド、キノキシフェン、ジエトフェンカルブ及びアシベンゾラールSメチルが挙げられる。
【0069】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの例に限定されるものではない。
【0070】
まず、本発明化合物の製造例を示す。
製造例1
テトラヒドロフラン3mlに参考製造例2−2で製造された3−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール200mg(0.564mmol)と1−イソブチリルイミダゾール78mg(0.56mmol)とを混合し、この混合液にカリウムtert−ブトキシド127mg(1.13mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、3−{2−(2−イソブチリルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール(以下、本発明化合物(a−1)と記す。)179mgを得た。
本発明化合物(a−1)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,br) 7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.37−7.43(3H,m) 7.24−7.28(1H,m) 6.61(1H,s) 5.12(1H,d) 5.11(1H,d) 2.61(1H,m) 2.38(3H,s) 1.28(6H,d).
【0071】
製造例2
テトラヒドロフラン3mlに3−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール200mg(0.564mmol)と1−ピバロイルイミダゾール86mg(0.56mmol)とを混合し、この混合液にカリウムtert−ブトキシド127mg(1.13mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=3:1)に付し、4−メチル−3−{2−(2−ピバロイルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1,2,5−チアジアゾール(以下、本発明化合物(a−2)と記す。)188mgを得た。
本発明化合物(a−2)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,br) 7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.37−7.43(3H,m) 7.24−7.28(1H,m) 6.60(1H,s) 5.13(1H,d) 5.12(1H,d) 2.38(3H,s) 1.33(9H,s).
【0072】
製造例3
N,N−ジメチルホルムアミド5mlに参考製造例3−5で製造された5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール236mg(1.04mmol)を混合し、この混合液に窒素雰囲気下、約0℃で水素化ナトリウム(60%油性)42mg(1.04mmol)を加え、同温で30分間撹拌した。該混合液に参考製造例8で製造された2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール228mg(1.04mmol)とヨウ化ナトリウム156mg(1.04mmol)とを加え、徐々に室温に戻して一晩撹拌した。この反応液を再び0℃にして、水素化ナトリウム(60%油性)34mg(0.832mmol)を加え、30分間撹拌した後、さらに2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール182mg(0.832mmol)とヨウ化ナトリウム125mg(0.832mmol)とを加え、徐々に室温に戻して6時間撹拌した。反応混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機層を1モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、5−{2−(2−イソブチリルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−3)と記す。)を157mg得た。
本発明化合物(a−3)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):9.09(1H,br) 8.05(1H,d) 7.86(1H,d) 7.41−7.51(4H,m)6.71(1H,s) 5.14(2H,br) 3.91(3H,s) 2.66(1H,m) 1.27(6H,d).
【0073】
製造例4
テトラヒドロフラン10mlに参考製造例4−2で製造された5−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール440mg(1.30mmol)と1−イソブチリルイミダゾール180mg(1.30mmol)を溶解し、これにカリウムtert−ブトキシド292mg(2.60mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。この反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、前記の本発明化合物(a−3)346mgを得た。
【0074】
製造例5
テトラヒドロフラン3mlに5−{2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール200mg(0.591mmol)と1−ピバロイルイミダゾール90mg(0.59mmol)とを混合し、0℃に冷却した。この混合物にカリウムtert−ブトキシド133mg(1.18mmol)を加え、0℃で45分間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル=1:1)に付し、1−メチル−5−{2−(2−ピバロイルアミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル}テトラゾール(以下、本発明化合物(a−5)と記す。)を200mg得た。
本発明化合物(a−5)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.93(1H,br) 8.06(1H,d) 7.87(1H,dd) 7.40−7.50(4H,m) 6.70(1H,s) 5.14(2H,br) 3.91(3H,s) 1.35(9H,s)
【0075】
製造例6
t−ブタノール30mlに参考製造例5−2で製造された5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール1.39g(3.78mmol)を混合し、この混合液にジフェニルホスホリルアジド1.04g(3.78mmol)とトリエチルアミン383mg(3.78mmol)とを加え、加熱還流下12時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)に付し、5−{2−(4−t−ブトキシカルボニルアミノオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−6)と記す。)302mgを得た。
本発明化合物(a−6)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.08(1H,d) 7.89(1H,d) 7.41−7.53(4H,m) 7.21−7.31(1H,m) 5.35(2H,br) 3.94(3H,s) 1.52(9H,s) .
【0076】
製造例7
t−ブタノール9mlに参考製造例6−2で製造された5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール371mg(1.06mmol)を混合し、この混合物にジフェニルホスホリルアジド291mg(1・06mmol)とトリエチルアミン107mg(1.06mmol)とを加え、加熱還流下12時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、残渣を酢酸エチルに溶解し、5%クエン酸水溶液、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1〜1:1)に付し、5−{2−(4−t−ブトキシカルボニルアミノオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール(以下、本発明化合物(a−7)と記す。)130mgを得た。
本発明化合物(a−7)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,d) 7.88(1H,d) 7.43−7.52(4H,m) 7.21−7.30(1H,m) 5.15(2H,br) 3.93(3H,s) 1.50(9H,s) .
【0077】
次に、本発明化合物の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
【0078】
参考製造例1
参考製造例1−1
アセトニトリル300mlに2−ヒドロキシナフトアルデヒド30.0g(174mmol)を混合し、この混合液に炭酸カリウム26.5g(192mmol)とベンジルブロマイド32.8g(192mmol)とを加え、加熱還流下1時間撹拌した。反応混合物を室温付近まで放冷し、ろ過した。濾液を濃縮して、2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド42.7gを得た。
2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):11.0(1H,s) 9.27(1H,d) 8.02(1H,d) 7.76(1H,d) 7.62(1H,ddd) 7.31−7.48(7H,m) 5.34(2H,s).
【0079】
参考製造例1−2
トルエン300mlに2−ベンジルオキシ−1−ナフトアルデヒド42.7g(163mmol)を混合し、この混合液にニトロエタン26.2g(348mmol)とピペリジン7.41g(87.0mmol)とを加え、加熱還流下5時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮し、1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペンを55.6g得た。
1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.32(1H,s) 7.88(1H,d) 7.82(1H,d) 7.65(1H,d) 7.51(1H,ddd) 7.28−7.45(7H,m) 5.24(2H,s) 2.06(3H,s).
【0080】
参考製造例1−3
テトラヒドロフラン900mlに、窒素雰囲気下で1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−2−ニトロプロペン41.0g(128mmol)、次いで2モル/L塩酸685mlを加えた。この混合液に塩化クロム(II)155g(1.26mol)をゆっくり加え、加熱還流下4時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物を酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:1)に付し、(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン17.5gを得た。
(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.77−7.84(3H,m) 7.33−7.53(8H,m) 5.25(2H,s) 4.20(2H,s) 2.08(3H,s).
【0081】
参考製造例1−4
メタノール70mlに(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン14.5g(49.9mmol)を混合し、この混合液に亜硝酸n−ブチル25.7g(250mmol)を加え、0℃に冷却した。該混合液に28%ナトリウムメトキシドメタノール溶液31.7ml(150mmol)をゆっくり加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン12.0gを得た。
1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.71−7.93(3H,m) 7.20−7.50(8H,m) 5.20(1H,d) 5.12(1H,d) 2.54(3H,s).
【0082】
参考製造例1−5
ピリジン65mlに1−ヒドロキシイミノ−1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)アセトン11.9g(37.3mmol)を混合し、この混合液に塩酸ヒドロキシルアミン5.18g(74.5mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を2モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮して1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム12.2gを得た。
1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.84(1H,d) 7.78(1H,d) 7.26−7.49(9H,m) 5.20(1H,d) 5.15(1H,d) 2.27(3H,s).
【0083】
参考製造例1−6
窒素雰囲気下で、N,N−ジメチルホルムアミド50mlに1−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−3−メチルグリオキシム5.76g(17.2mmol)を混合し、反応温度が20℃以下になるように氷冷しながら一塩化硫黄9.31g(68.9mmol)をゆっくり滴下した後、この混合液を室温で一晩撹拌した。反応混合物を1モル/L塩酸200mlに注加し、tert−ブチルメチルエーテルで抽出した。有機層を1モル/L塩酸、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)に付し、3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール2.27gを得た。
3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.94(1H,d) 7.82−7.86(1H,m) 7.38−7.41(3H,m) 7.22−7.32(4H,m) 7.14−7.18(2H,m) 5.17(1H,d)5.13(1H,d) 2.35(3H,s).
【0084】
参考製造例1−7
ジクロロメタン6mlに3−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール997mg(3.00mmol)を混合し、N,N−ジメチルアニリン1.45g(12.0mmol)を加えて0℃に冷却した。この混合液に塩化アルミニウム1.20g(9.00mmol)をゆっくり加え、その後室温で1時間撹拌した。反応混合物を2モル/L塩酸に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を2モル/L塩酸、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に付し、3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール713mgを得た。
3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.87(1H,d) 7.85(1H,d) 7.36−7.46(2H,m) 7.22−7.27(2H,m) 6.64(1H,s) 2.40(3H,s).
【0085】
参考製造例2
参考製造例2−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド5mlに参考製造例1−7で製造された3−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール713mg(2.94mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)130mg(2.97mmol)を加え、30分間撹拌した。該混合液に参考製造例7−2で製造された4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール787mg(3.86mmol)及びヨウ化ナトリウム579mg(3.86mmol)を加え、室温で24時間撹拌した。反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール921mgを得た。
4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.12(1H,s) 7.95(1H,d) 7.84(1H,dd) 7.36−7.46(3H,m)7.26(1H,dd) 6.37(1H,s) 5.14(2H,s) 3.10(3H,s) 3.07(3H,s) 2.41(3H,s).
【0086】
参考製造例2−2
テトラヒドロフラン7mlに4−メチル−3−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1,2,5−チアジアゾール921mg(2.25mmol)を混合し、エタノール14ml及び1モル/L塩酸7mlを加えた。この混合液を60℃で4時間撹拌した。反応混合物に2モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10付近にした後、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、3−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール795mgを得た。
3−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−4−メチル−1,2,5−チアジアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.96(1H,d) 7.83−7.88(1H,m) 7.38−7.42(3H,m) 7.24−7.29(1H,m) 6.14(1H,s) 5.03(1H,d) 5.02(1H,d) 4.93(2H,br) 2.39(3H,s).
【0087】
参考製造例3
参考製造例3−1
アセトニトリル30mlに2’−ヒドロキシ−1’−アセトナフトン5.00g(26.9mmol)を混合し、この混合液にベンジルブロマイド5.05g(29.5mmol)及び炭酸カリウム4.45g(32.2mmol)を加え、加熱還流下3.5時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をろ過し、アセトンで充分に洗浄した。ろ液と洗浄液との混合液を濃縮し、2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン7.71gを得た。
2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.84(1H,d) 7.73−7.78(2H,m) 7.28−7.51(8H,m) 5.25(2H,s) 2.65(3H,s).
【0088】
参考製造例3−2
エタノール100mlに2’−ベンジルオキシ−1’−アセトナフトン7.70g(27.9mmol)を混合し、この混合液に10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液139mlを加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮し、得られた残渣に2モル/L塩酸を加えてpH2付近にし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸7.80gを得た。
2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.49(1H,d) 7.95(1H,d) 7.80(1H,d) 7.58(1H,ddd) 7.32−7.51(7H,m) 5.36(2H,s).
【0089】
参考製造例3−3
2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸3.69g(13.3mmol)とトルエン30mlとを混合し、この混合液に塩化チオニル2.05g(17.2mmol)を加え、加熱還流下20分間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物を濃縮した後、残渣にトルエン10mlを加えて2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸塩化物のトルエン混合液とした。
0℃に冷却した40%メチルアミン水溶液30mlを激しく撹拌しながら、ここに上記の2−ベンジルオキシ−1−ナフトエ酸塩化物のトルエン混合液の全量をゆっくり滴下し、次にこの混合物を室温で30分撹拌した。反応混合物に水を注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、N−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド3.95gを得た。
N−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):7.96(1H,d) 7.83(1H,d) 7.77(1H,d) 7.08−7.57(8H,m) 5.90(1H,br) 5.24(2H,s) 3.06(3H,d).
【0090】
参考製造例3−4
窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン30mlにN−メチル−2−ベンジルオキシ−1−ナフタレンカルボキサミド1.00g(3.43mmol)、トリフェニルホスフィン1.08g(4.12mmol)及びトリメチルシリルアジド475mg(4.12mmol)を加え、0℃に冷却した。この混合液にアゾジカルボン酸ジエチル726mg(4.12mmol)をゆっくり滴下し、室温で24時間撹拌した。0℃に冷却した該混合液にトリフェニルホスフィン1.62g(6.17mmol)及びトリメチルシリルアジド711mg(6.17mmol)を加え、次にアゾジカルボン酸ジエチル1.09g(6.17mmol)をゆっくり滴下し、室温でさらに24時間撹拌した。反応混合物に水を注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール516mgを得た。
5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.04(1H,d) 7.86(1H,d) 7.39−7.51(4H,m) 7.28−7.36(3H,m) 7.17−7.22(2H,m) 5.19(2H,br) 3.84(3H,s).
【0091】
参考製造例3−5
メタノール55mlに5−(2−ベンジルオキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.76g(5.55mmol)、濃塩酸0.3ml及び20%水酸化パラジウム炭素900mgを加え、水素雰囲気下、9℃で7時間撹拌した。反応混合物をセライトろ過し、得られたろ液を濃縮し、5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.26gを得た。
5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):10.81(1H,s)8.07(1H,d) 7.93(1H,d) 7.33−7.49(3H,m) 7.27(1H,d) 3.90(3H,s)
【0092】
参考製造例4
参考製造例4−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド20mlに参考製造例3−5で製造した5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.26g(5.55mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)444mg(11.1mmol)を加え、30分間撹拌し、次に4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール1.41g(5.55mmol)及びヨウ化ナトリウム832mg(5.55mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール1.33gを得た。
1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.10(1H,s) 8.05(1H,d) 7.86(1H,d) 7.40−7.49(4H,m) 6.49(1H,s) 5.15(2H,br) 3.93(3H,s) 3.13(3H,s) 3.07(3H,s)
【0093】
参考製造例4−2
テトラヒドロフラン50mlに1−メチル−5−(2−(2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)テトラゾール1.33g(5.23mmol)を混合し、エタノール15ml及び1モル/L塩酸15mlを加えた。この混合液を60℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に2モル/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてpH10付近とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮し、5−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.23gを得た。
5−(2−(2−アミノチアゾール−4−イル)メトキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,d) 7.87(1H,d) 7.42−7.49(4H,m) 6.26(1H,s) 5.05(2H,br) 4.87(2H,br) 3.94(3H,s)
【0094】
参考製造例5
参考製造例5−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド23mlに参考製造例3−5で製造した5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール1.34g(5.91mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)250mg(6.25mmol)を加え、1時間撹拌した後、2−クロロメチルチアゾール−4−カルボン酸メチル1.17g(6.09mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。反応混合物を水に注加し、クロロホルムで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、濃縮した。残渣を酢酸エチルで洗浄した、得られた固体を減圧乾燥して5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾールを1.75g得た。
5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):8.55(1H,s) 8.31(1H,d) 8.05(1H,d) 7.77(1H,d) 7.53(2H,m) 7.28(1H,d) 5.71(2H,br) 3.92(3H,s) 3.82(3H,s)
【0095】
参考製造例5−2
メタノール28mlに5−{2−(4−メトキシカルボニルチアゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール1.04g(2.72mmol)を混合し、この混合液に10%水酸化ナトリウム水溶液4.52g(11.3mmol)を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮した後、1モル/L塩酸を加えてpH2付近とし、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール885mgを得た。
5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(DMSO−d6,TMS)δ(ppm):8.44(1H,s) 8.31(1H,d) 8.05(1H,d) 7.78(2H,m) 7.53(2H,m) 7.28(1H,d) 5.70(2H,br) 3.92(3H,s)
【0096】
参考製造例6
参考製造例6−1
窒素雰囲気下、N,N−ジメチルホルムアミド8mlに参考製造例3−5で製造された5−(2−ヒドロキシナフタレン−1−イル)−1−メチルテトラゾール452mg(2.00mmol)を混合し、0℃に冷却した。この混合液に水素化ナトリウム(60%油性)84mg(2.10mmol)を加え、30分間撹拌した後、2−クロロメチルオキサゾール−4−カルボン酸メチル368mg(2.10mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物を水に注加し、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)に付し、5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾールを708mg得た。
5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.20(1H,s) 8.08(1H,d) 7.89(1H,d) 7.45−7.52(3H,m) 7.40(1H,d) 5.29(2H,Br) 3.93(3H,s) 3.92(3H,s)
【0097】
参考製造例6−2
メタノール9mlに5−{2−(4−メトキシカルボニルオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール604mg(1.65mmol)を混合し、この混合液に10%水酸化ナトリウム水溶液2.65g(6.63mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物をそのまま濃縮し、残渣に1モル/L塩酸を加えてpH2付近として、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、濃縮して5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール474mgを得た。
5−{2−(4−カルボキシオキサゾール−2−イル)メトキシナフタレン−1−イル}−1−メチルテトラゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.26(1H,s) 8.09(1H,d) 7.90(1H,d) 7.46−7.52(3H,m) 7.40(1H,d) 5.30(2H,br) 3.94(3H,s)
【0098】
参考製造例7
参考製造例7−1
1,3−ジクロロアセトン30.0g(224mmol)をアセトン100mlに溶解した溶液に、チオ尿素17.1g(224mmol)をアセトン500mlに溶解した溶液を加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物をそのまま濃縮した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル300mlと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液して、有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、ろ過した。得られたろ液を濃縮し、2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール2.00gを得た。
2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール
1H−NMR(CDCl3、TMS)δ(ppm):6.50(1H,s) 5.15(2H,br) 4.45(2H,s)
【0099】
参考製造例7−2
tert−ブチルメチルエーテル500mlに2−アミノ−4−クロロメチルチアゾール29g(219mmol)を混合し、この混合液にN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタール30ml(226mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を水、飽和食塩水で順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)に付し、4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール12.6gを得た。
4−クロロメチル−2−(ジメチルアミノメチレン)アミノチアゾール
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.22(1H,s) 6.76(1H,s) 4.54(2H,s) 3.10(3H,s) 3.07(3H,s)
【0100】
参考製造例8
1,3−ジクロロアセトン30.0g(224mmol)をアセトン100mlに溶解した溶液に、チオ尿素17.1g(224mmol)をアセトン500mlに溶解した溶液を6時間かけて加え、室温で一晩撹拌した。その後、反応混合物をそのまま濃縮した。残渣にtert−ブチルメチルエーテル300mlと炭酸水素ナトリウム水溶液とを加えて分液した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、ろ過した。得られたろ液に無水イソ酪酸40mlを加え、加熱還流下14時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物をそのまま濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に付し、2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール30.5gを得た。
2−イソブチリルアミノ−4−クロロメチルチアゾール
1H−NMR(CDCl3、TMS)δ(ppm):9.84(1H,br) 6.92(1H,s) 4.56(2H,s) 2.66(1H,m) 1.28(6H,d)
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
【0101】
製剤例1
本発明化合物の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0102】
製剤例2
本発明化合物の各々20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコール2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケート0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコール10部を加えて攪拌混合し各々のフロアブル製剤を得る。
【0103】
製剤例3
本発明化合物の各々2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0104】
製剤例4
本発明化合物の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0105】
製剤例5
本発明化合物の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレー65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒し乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0106】
製剤例6
本発明化合物の各々10部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の製剤を得る。
【0107】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、無処理区の病斑の面積と本発明化合物処理区の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0108】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−5)、(a−6)及び(a−7)の各々をそれぞれ製剤例6に準じて製剤とした後、水で本発明化合物の濃度が500ppmとなるように希釈して試験用薬液を調製した。この試験用薬液を上記のトマト苗の葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢の水懸濁液(約10000個/ml)を噴霧した。その後、このトマト苗を23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、さらに昼間22℃、夜間20℃の温室に移して4日間栽培した後、植物上の病斑面積を調査した。本発明化合物(a−1)、(a−2)、(a−3)、(a−5)、(a−6)及び(a−7)の各々を処理した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0109】
【発明の効果】
本発明化合物は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として有用である。
Claims (5)
- 式(1)
[式中、
Aは以下に示されるA1〜A3
のいずれかの基を表し、
R1はC1−C3アルキル基を表し、
Qは以下に示されるQ1〜Q4
のいずれかの基を表し、
R2は水素原子、C1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C2−C6アルケニル基、C2−C6ハロアルケニル基、C2−C6アルキニル基、C2−C6ハロアルキニル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C3−C6アルケニルオキシ基、C3−C6ハロアルケニルオキシ基、C3−C6アルキニルオキシ基、C3−C6ハロアルキニルオキシ基、C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルコキシ基、ジ(C1−C3アルキル)アミノ基またはフェニル基(該フェニル基はハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基、C1−C3アルコキシ基、C1−C3ハロアルコキシ基、C1−C3アルキルチオ基、C1−C3ハロアルキルチオ基、シアノ基またはニトロ基で置換されていてもよい)を表し、
X1及びX2は各々が独立して酸素原子または硫黄原子を表す。]で示されるナフタレン化合物。 - R1がメチル基である請求項1記載のナフタレン化合物。
- R2がC1−C6アルキル基、C1−C6ハロアルキル基、C1−C6アルコキシ基、C2−C6ハロアルコキシ基、C1−C3アルキル基が1位に置換していてもよいC3−C6シクロアルキル基、C3−C6シクロアルコキシ基またはジ(C1−C3アルキル)アミノ基である請求項1または2記載のナフタレン化合物。
- 請求項1〜3記載のナフタレン化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
- 請求項1〜3記載のナフタレン化合物の有効量を植物又は植物を栽培する土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2003
- 2003-07-24 JP JP2003200960A patent/JP2005041793A/ja active Pending
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