JP2005047826A - フェニルピリジン化合物及びその用途 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェニルピリジン化合物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植物病害を防除するために多くの化合物が開発され、それらの化合物を有効成分とする植物病害防除剤が実用に供されている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第02/085458号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物、該化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤及び該化合物を用いた植物病害の防除方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるフェニルピリジン化合物が優れた植物病害防除活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は式(1)
〔式中、
R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基またはC1−C3アルコキシ基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子またはC1−C3アルキル基を表すか、
あるいはR1とR2とが一緒になって、トリメチレン基、テトラメチレン基またはCH=CH−CH=CH基を表し、
R3はC1−C3アルキル基またはC3−C4アルキニル基を表し、
W1−W2=W3−W4は、CH−CH=CH−N基、CH−CH=N−CH基、CH−N=CH−CH基またはN−CH=CH−CH基を表す。〕
で示されるフェニルピリジン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤及び本発明化合物の有効量を植物または土壌に処理することを特徴とする植物病害防除方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、
R1で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられ、C1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、C1−C3ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基があげられ、C1−C3アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基があげられ、
R2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられ、C1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、
R3で表されるC1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、C3−C4アルキニル基としては、例えば2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基があげられる。
【0007】
本発明化合物の態様としては、例えば以下の化合物があげられる。
式(I−1)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−CH=CH−Nである化合物〕;
【0008】
式(I−2)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−CH=N−CHである化合物〕;
【0009】
式(I−3)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−N=CH−CHである化合物〕;
【0010】
式(I−4)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がN−CH=CH−CHである化合物〕;
【0011】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がメチル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
【0012】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がメチル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3が2−プロピニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0013】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がメチル基であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であり、R2が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
【0014】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0015】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0016】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0017】
次に本発明化合物の製造法について説明する。
【0018】
本発明化合物は、例えば(製造法1)または(製造法2)により製造することができる。
【0019】
製造法1
本発明化合物(1)は、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを脱水縮合剤の存在下で反応させることにより、製造することができる。
〔式中、R1、R2、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる脱水縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物が通常0.5〜3モルの割合であり、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1)を単離することができる。
(i)反応混合物に希塩酸等の酸を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加え、濾過し、濾液を濃縮する方法。
(iii)反応混合物を濾過した後、濾液を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
単離された本発明化合物(1)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0020】
製造法2
本発明化合物(1)は、式(5)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを塩基の存在下で反応させることにより、製造することができる。
〔式中、L1は塩素原子または臭素原子を表し、R1、R2、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(5)で示される化合物1モルに対して式(3)で示される化合物が通常0.5〜2モルの割合であり、塩基が1〜10モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は0〜150℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1)を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えて濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された本発明化合物(1)はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0021】
次に本発明化合物の中間体化合物の製造法について説明する。
本発明化合物の製造中間体のうち式(3)で示される化合物は、例えば(中間体製造法1)、(中間体製造法2)または(中間体製造法3)に従って製造することができる。
【0022】
(中間体製造法1)
〔式中、L2は塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を表し、L3はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはp−トルエンスルホニルオキシ基を表し、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0023】
(工程I−1)
式(8)で示される化合物は、式(6)で示される化合物と式(7)で示される化合物とをパラジウム化合物の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して式(7)で示される化合物が通常0.5〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(8)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えた後、濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された式(8)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0024】
工程(I−2)
式(10)で示される化合物は、式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、ブタノン、3−メチル−2−ブタノン等の脂肪族ケトン類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(8)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜50モルの割合、式(9)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(10)で示される化合物を単離することができる。単離された式(10)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0025】
(工程I−3)
式(3)で示される化合物は、式(10)で示される化合物を鉄の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酢酸水、希塩酸、硫酸水等の酸性水があげられる。また、必要に応じて、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類の存在下で行うことができる。
反応に用いられる鉄としては、例えば粉状のものがあげられる。
反応に用いられる還元剤の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して、通常2〜30モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常40〜100℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を濾過し、得られた濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水等を加えた後、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0026】
(中間体製造法2)
前記式(3)で示される化合物のうち、R3がメチル基、エチル基等のC1−C3アルキル基である式(4)で示される化合物は、例えば下記の方法により製造することもできる。
〔式中、R4はC1−C3アルキル基を表し、L2及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0027】
(工程II−1)
式(12)で示される化合物は、式(6)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、パラジウム化合物の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して式(11)で示される化合物が通常1〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えた後、濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された式(12)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0028】
(工程II−2)
式(4)で示される化合物は式(12)で示される化合物を、例えば下記の(II−2−a)または(II−2−b)に記載の方法で反応させることにより製造することができる。
【0029】
(工程II−2−a)
該反応は通常溶媒の存在下、水素化触媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム−炭素等のパラジウム触媒及び白金−炭素等の白金触媒があげられる。
反応に用いられる水素の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して通常3〜10モルの割合であり、触媒が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常20〜50℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0030】
(工程II−2−b)
該反応は通常溶媒の存在下、還元剤の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酸性水があげられ、酢酸水、希塩酸、硫酸水等があげられる。該反応は必要に応じて酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類の存在下で行うことができる。
反応に用いられる還元剤としては、例えば鉄があげられ、通常粉状のものが使用される。
反応に用いられる還元剤の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して通常2〜30モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常40〜100℃の範囲である。
反応終了後の反応混合物は濾過し、得られた濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水等を加えた後、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0031】
(中間体製造法3)
〔式中、L4はC1−C5アルキルカルボニル基(アセチル基、ピバロイル基等)を表し、R3、L2及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0032】
(工程III−1)
式(14)で示される化合物は、式(13)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、パラジウム化合物の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(13)で示される化合物1モルに対して式(11)で示される化合物が通常1〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(14)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する方法。
(iii)反応混合物をそのまま濃縮する方法。
単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0033】
(工程III−2)
式(3)で示される化合物は、式(14)で示される化合物を塩基の存在下、水と反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物があげられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(14)で示される化合物1モルに対して通常1〜5モルの割合である。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、水及びこれらの混合物があげられる。
該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常20〜100℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0034】
次に本発明化合物の具体例を以下に示す。
式(I−1)、(I−2)、(I−3)または(I−4)で示される化合物
上記式中のR1、R2及びR3は、以下の(表1)、(表2)及び(表3)に記載する各置換基の組合せを表す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては、例えば藻菌類による植物病害が挙げられ、具体的には例えば次の病害が挙げられる。
蔬菜類、ダイコンのべと病(Peronospora brassicae)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、タバコのべと病(Peronospora tabacina)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、リンゴ、イチゴ、ヤクヨウニンジンの疫病(Phytophthora cactorum)、トマト、キュウリの灰色疫病(Phytophthora capsici)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ジャガイモ、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、タバコ、ソラマメ、ネギの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ホウレンソウの立枯病(Pythium sp.)、キュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、コムギ褐色雪腐病(Pythium sp.)、タバコ苗立枯病(Pythium debaryanum)、ダイズのPythium rot(Pythium aphanidermatum, P. debaryanum, P. irregulare, P. myriotylum, P. ultimum)。
【0039】
本発明の植物病害防除剤は本発明化合物そのものであってもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本発明化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
【0040】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0041】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0042】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0043】
本発明の植物病害防除剤は、例えば、植物体に茎葉処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を植物病害から保護するために用いられる。
【0044】
本発明の植物病害防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gである。
【0045】
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0046】
また、本発明の植物病害防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。種子消毒の方法としては、例えば、本発明化合物の濃度が1〜1000ppmとなるように調製した本発明の植物病害防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の植物病害防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の植物病害防除剤を粉衣する方法があげられる。
【0047】
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の植物病害防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
【0048】
本発明の植物病害防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
【0049】
本発明の植物病害防除剤剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
【0050】
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ニコビフェン、フェンヘキサミド、キノキシフェン、ジエトフェンカルブ及びアシベンゾラールSメチルが挙げられる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
【0052】
製造例1
3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.30g、トリエチルアミン0.36g及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、4−クロロフェニル酢酸塩化物0.45gを滴下し、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物に酢酸エチルを加え濾過した。得られた濾液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(i)と記す。)0.37gを得た。本発明化合物(i)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.69(1H,d,J=7.9Hz)、8.36(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、7.39(1H,s)、7.28〜7.23(3H,m)、7.06(2H,d,J=7.9Hz)、6.89(2H,d,J=7.9Hz)、6.65(1H,dd,J=1.6Hz,7.9Hz)、4.86(2H,d,J=2.4Hz)、3.83(3H,s)、3.62(2H,s)、2.56(1H,t,J=2.4Hz)
【0053】
製造例2
3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン0.3gとトリエチルアミン0.36gとをテトラヒドロフラン10mlに加えた溶液に、4−クロロフェニル酢酸塩化物0.45gを滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物に酢酸エチルを加えて濾過した。得られた濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(ii)と記す。)85mgを得た。
本発明化合物(ii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.73(1H,dd,J=1.6Hz,8.3Hz)、8.36(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、7.42(1H,s)、7.23〜7.27(3H,m)、7.07(2H,d,J=7.9Hz)、6.88(1H,d,J=2.0Hz)、6.68(1H,d,J=8.2Hz)、6.59(1H,dd,J=2.0Hz,8.2Hz)、3.97(3H,s)、3.86(3H,s)、3.63(2H,s)
【0054】
製造例3
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、4−フルオロフェニル酢酸0.24g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.35gを混合し、110℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(iii)と記す。)0.03gを得た。
本発明化合物(iii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.74(1H,dd,J=1.3Hz,8.1Hz)、8.37(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz)、7.28〜7.05(4H,m)、6.99〜6.95(2H,m)、6.90(1H,d,J=8.4Hz)、6.86(1H,d,J=2.0Hz)、6.66(1H,dd,J=2.0Hz,8.4Hz)、4.84(2H,d,J=2.4Hz)、3.84(3H,s)、3.63(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)
【0055】
製造例4
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.15g、4−ブロモフェニル酢酸0.28g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.23gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−ブロモフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(iv)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(iv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.68(1H,dd,J=1.3Hz,8.3Hz)、8.36(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz)、7.47〜7.41(3H,m)、7.25(1H,dd,J=4.6Hz,8.3Hz)、7.01(2H,d,J=8.3Hz)、6.89(2H,dd,J=3.0Hz,5.0Hz)、6.66(1H,dd,J=1.9Hz,8.3Hz)、4.84(2H,d,J=2.4Hz)、3.83(3H,s)、3.60(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)
【0056】
製造例5
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、3,4−ジクロロフェニル酢酸0.32g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、110℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(v)と記す。)0.12gを得た。
本発明化合物(v)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.71(1H,dd,J=1.4Hz,8.3Hz)、8.39(1H,dd,J=1.4Hz,4.6Hz)、7.38〜7.35(2H,m)、7.29〜7.26(2H,m)、6.98(1H,dd,J=1.9Hz,8.3Hz)、6.94〜6.92(2H、m)、6.71(1H,dd,J=1.9Hz,8.1Hz)、4.87(2H,d,J=2.4Hz)、3.85(3H,s)、3.61(2H,s)、2.55(1H,t,J=2.4Hz)
【0057】
製造例6
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、p−トリル酢酸0.28g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gとを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−p−トリル−アセトアミド(以下、本発明化合物(vi)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(vi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.75(1H,dd,J=1.4Hz,8.4Hz)、8.35(1H,dd,J=1.4Hz,4.6Hz)、7.41(1H,s)、7.25〜7.24(1H,m)、7.06(2H,d,J=7.57Hz)、6.98〜6.91(3H、m)、6.76(1H,d,J=1.9Hz)、6.71(1H,dd,J=1.9Hz,8.0Hz)、4.82(2H,d,J=2.4Hz)、3.78(3H,s)、3.61(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)、2.04(3H,s)
【0058】
製造例7
ピリジン5mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.25g、(α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)酢酸0.40g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.38gを混合し、115℃で1時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(vii)と記す。)0.25gを得た。
本発明化合物(vii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.68(1H,dd,J=1.2Hz,8.3Hz)、8.39(1H,dd,J=1.2Hz,4.6Hz)、7.58(2H,d,J=8.1Hz)、7.35(1H,s)、7.30〜7.23(3H,m)、6.94(2H、dd,J=3.1Hz,5.0Hz)、6.74(1H,dd,J=1.8Hz,8.2Hz)、4.83(2H,d,J=2.2Hz)、3.83(3H,s)、3.70(2H,s)、2.55(1H,t,J=2.2Hz)
【0059】
製造例8
ピリジン5mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.25g、4−メトキシフェニル酢酸0.34g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.38gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、トリエチルアミン1mlを加え、115℃で2時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−メトキシフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(viii)と記す。)0.29gを得た。
本発明化合物(viii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.77(1H,d,J=8.1Hz)、8.35(1H,dd,J=1.6Hz,4.3Hz)、7.46(1H,s)、7.29〜7.24(1H,m)、6.95(2H,dd,J=1.9Hz,6.6Hz)、6.85(1H、d,J=8.1Hz)、6.80〜6.76(3H,m)、6.95(1H,dd,J=1.9Hz,8.1Hz)、4.83(2H,d,J=2.4Hz)、3.84(3H,s)、3.80(3H,s)、3.60(2H,s)、2.56(1H,t,J=2.4Hz)
【0060】
製造例9
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)酢酸0.30g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムを乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)アセトアミド(以下、本発明化合物(ix)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(ix)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.74(1H,d,J=8.0Hz)、8.35(1H,d,J=4.4Hz)、7.51(1H,s)、7.26〜7.24(1H,m)、7.01〜6.92(2H,m)、6.80〜6.77(4H,m)、4.81(2H,d,J=1.6Hz)、3.77(3H,s)、3.58(2H,s)、2.74〜2.55(5H,m)、1.77〜1.66(4H,m)
【0061】
製造例10
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、ナフタレン−2−イル酢酸0.29g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(ナフタレン−2−イル)アセトアミド(以下、本発明化合物(x)と記す。)0.09gを得た。
本発明化合物(x)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.78(1H,dd,J=1.2Hz,8.3Hz)、8.34(1H,dd,J=1.2Hz,4.4Hz)、7.89〜7.71(4H,m)、7.59(1H,s)、7.57〜7.49(2H,m)、7.27〜7.22(2H,m)6.78(1H、d,J=1.6Hz)、6.43(1H,dd,J=1.2Hz,8.0Hz)、6.19(1H,d,J=8.0Hz)、4.46(2H,d,J=2.0Hz)、3.84(2H,s)、3.67(3H,s)、2.52(1H,t,J=2.0Hz)
【0062】
製造例11
ピリジン4mlに2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン115mg、4−クロロフェニル酢酸85mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩105mgを混合し、115℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却した反応混合物を減圧下濃縮した後、ここに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xi)と記す。)46mgを得た。
本発明化合物(xi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.44(1H,dd,J=4.8Hz、1.6Hz)、7.53(1H,dd,J=7.5Hz、1.9Hz)、7.42(1H,br.s)、7.22(2H,d,J=8.4Hz)、7.13(1H,dd,J=7.4Hz、4.8Hz)、7.08(2H,d,J=8.2Hz)、6.81(1H,d,J=7.7Hz)、6.62〜6.70(2H,m)、3.95(3H,s)、3.75〜3.95(5H,m)
【0063】
製造例12
ピリジン4mlに3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン115mg、4−クロロフェニル酢酸85mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩105mgを混合し、115℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却して反応混合物を減圧下濃縮した後、ここに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xii)と記す。)60mgを得た。
本発明化合物(xii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):9.57(1H,s)、8.38(1H,d,J=4.8Hz)、7.22(2H,d,J=8.2Hz)、7.17(1H,br.s)、7.09(1H,d,J=4.8Hz)、7.04(2H,d,J=8.3Hz)、6.75(1H,d,J=8.3Hz)、6.59(1H,d,J=1.7Hz)、6.52(1H,dd,J=8.0Hz、1.4Hz)、3.98(3H,s)、3.81(3H,s)、3.63(2H,s)
【0064】
製造例13
4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン230mg、トリエチルアミン151mg及びテトラヒドロフラン10mlの混合物を0〜5℃で撹拌し、ここに4−クロロフェニル酢酸塩化物189mgを加えた。その後、室温で3時間撹拌し、反応混合物を減圧下濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xiii)と記す。)98mgを得た。
本発明化合物(xiii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.49(1H,d,J=5.8Hz)、8.40(1H,d,J=5.7Hz)、8.32(1H,s)、7.42(1H,br.s)、7.22(2H,d,J=8.4Hz)、7.01(2H,d,J=8.2Hz)、6.76(1H,d,J=8.2Hz)、6.58(1H,d,J=2.1Hz)、6.50(1H,dd,J=8.0Hz、2.0Hz)、3.98(3H,s)、3.82(3H,s)、3.62(2H,s)
【0065】
次に、本発明化合物の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
【0066】
参考製造例1
エチレングリコールジメチルエーテル100mlに2−クロロ−3−ニトロピリジン6.0g、2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェノール7.9g、リン酸三カリウム水和物19.8g及び{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体780mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物を濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン6.38gを得た。
2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.80(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、8.05(1H,dd,J=1.6Hz,7.9Hz)、7.37(1H,dd,J=4.7Hz,7.9Hz)、7.17(1H,d,J=2.0Hz)、7.05(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz)、6.96(1H,d,J=7.9Hz)、6.14(1H,s)、3.93(3H,s)
【0067】
N,N−ジメチルホルムアミド100mlに2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン3.0g、3−ブロモ−1−プロピン1.5g及び炭酸カリウム1.7gを加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン1.8gを得た。
2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.82(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、8.07(1H,dd,J=1.6Hz,8.3Hz)、7.39(1H,dd,J=4.7Hz,8.3Hz)、7.20(1H,d,J=1.6Hz)、7.07〜7.13(2H,m)、4.81(2H,d,J=2.4Hz)、3.92(3H,s)、2.54(1H,t,J=2.4Hz)
【0068】
酢酸5ml、水30ml及び鉄粉1.3gの混合物を75℃で撹拌し、ここに2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン1.6gを酢酸エチル10mlに溶解した溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、室温付近まで放冷した反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン1.4gを得た。
3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.10(1H,ddd,J=0.4Hz,2.4Hz,3.6Hz)、7.22〜7.26(2H,m)、7.10(1H,d,J=8.8Hz)、7.02〜7.05(2H,m)、4.80(2H,d,J=2.4Hz)、3.91(3H,s)、3.89(2H,s)、2.52(1H,t,J=2.4Hz)
【0069】
参考製造例2
エチレングリコールジメチルエーテル50mlに2−クロロ−3−ニトロピリジン4.76g、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸6.00g、リン酸三カリウム水和物19.1g及び{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体490mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物を濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン5.35gを得た。
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,dd,J=1.2Hz,4.6Hz)、8.07(1H,dd,J=1.1Hz,8.3Hz)、7.39(1H、dd,J=4.6Hz,8.3Hz)、7.19(1H,d,J=2.0Hz)、7.12(1H,dd,J=2.0Hz,8.3Hz)、6.93(1H,d,J=8.3Hz)、3.93(6H,s)
【0070】
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン2.8gをエタノール100mlに溶解した溶液に5%白金−炭素150mgを加え、室温で水素雰囲気下4時間撹拌した。その後、反応混合物をセライト濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン2.1gを得た。
3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
融点:213.5℃
【0071】
参考製造例3
N−(3−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸1.4g、リン酸三カリウム水和物5g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体190mg及びエチレングリコールジメチルエーテル50mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2.1gを得た。
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.47(1H,dd,J=2.0Hz,4.8Hz)、7.69(1H,s)、7.61(1H,dd,J=2.0Hz,7.6Hz)、7.17(1H,dd,J=4.8Hz,7.6Hz)、6.87−6.98(3H,m)、3.94(3H,s)、3.89(3H,s)、1.15(9H,s)
【0072】
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2.1g、メタノール20ml及び3M水酸化カリウム水溶液15mlの混合物を4時間加熱還流した。室温まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン1.2gを得た。
2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz)、7.36(1H,dd,J=1.7Hz,7.3Hz)、6.94〜7.01(3H,m)、6.74(1H,dd,J=4.9Hz,7.3Hz)、4.62(2H,s)、3.93(3H,s)、3.90(3H,s)
【0073】
参考製造例4
4−クロロ−3−ニトロピリジン12g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸11g、リン酸三カリウム水和物39g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体988mg及びエチレングリコ−ルジメチルエ−テル100mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン13gを得た。
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.76(1H,d,J=4.8Hz)、9.00(1H,s)、7.42(1H,d,J=4.8Hz)、6.83〜6.96(3H,m)、3.94(3H,s)、3.89(3H,s)
【0074】
酢酸25ml、水25ml及び鉄粉4.3gの混合物に、70℃で4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン5.0gを加え、2時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン3.2gを得た。
3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.14(1H,s)、8.05(1H,d,J=4.8Hz)、6.95〜7.05(4H,m)、3.93(3H,s)、3.91(3H,s)、3.83(2H,s)
【0075】
参考製造例5
N−(3−ブロモピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド8.5g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸5.0g、リン酸三カリウム水和物17.5g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体670mg及びエチレングリコ−ルジメチルエ−テル100mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド8gを得た。
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.50(1H,d,J=5.5Hz)、8.42(1H,d,J=5.5Hz)、8.41(1H,s)、7.81(1H,s)、7.03(1H,d,J=8.0Hz)、6.93(1H,dd,J=2.0Hz,8.0Hz)、6.86(1H,d,J=2.0Hz)、3.97(3H,s)、3.91(3H,s)、1.14(9H,s)
【0076】
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド4.0g、メタノール20ml及び3M水酸化カリウム水溶液15mlを混合し、4時間加熱還流した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン2.3gを得た。
4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.11(1H,d,J=2.8Hz)、7.22〜7.27(2H,m)、7.03〜7.05(2H,m)、6.95(1H,d,J=8.3Hz)、3.93(6H,s)、3.86(2H,s)
【0077】
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
【0078】
製剤例1
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0079】
製剤例2
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル10部を加えて撹拌混合し各々のフロアブル製剤を得る。
【0080】
製剤例3
本発明化合物(i)〜(xiii)2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0081】
製剤例4
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0082】
製剤例5
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレ−65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0083】
製剤例6
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0084】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、無処理区の病斑の面積と本発明化合物処理区の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0085】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(i)、(ii)、(iv)、(vi)〜(ix)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0086】
試験例2
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(i)〜(x)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(200ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0087】
試験例3
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ブドウ(品種:ベリーA)を播種し、温室内で40日間生育させた。本発明化合物(i)、(iii)〜(x)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(200ppm)に希釈し、希釈液をブドウ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、ブドウべと病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、22℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室に移して6日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0088】
【発明の効果】
本発明化合物は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として有用である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェニルピリジン化合物及びその用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、植物病害を防除するために多くの化合物が開発され、それらの化合物を有効成分とする植物病害防除剤が実用に供されている(特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
国際公開第02/085458号パンフレット
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた植物病害防除効力を有する化合物、該化合物を有効成分として含有する植物病害防除剤及び該化合物を用いた植物病害の防除方法を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、優れた植物病害防除効力を有する化合物を見出すべく鋭意検討した結果、下記式(1)で示されるフェニルピリジン化合物が優れた植物病害防除活性を有することを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は式(1)
〔式中、
R1は水素原子、ハロゲン原子、C1−C3アルキル基、C1−C3ハロアルキル基またはC1−C3アルコキシ基を表し、
R2は水素原子、ハロゲン原子またはC1−C3アルキル基を表すか、
あるいはR1とR2とが一緒になって、トリメチレン基、テトラメチレン基またはCH=CH−CH=CH基を表し、
R3はC1−C3アルキル基またはC3−C4アルキニル基を表し、
W1−W2=W3−W4は、CH−CH=CH−N基、CH−CH=N−CH基、CH−N=CH−CH基またはN−CH=CH−CH基を表す。〕
で示されるフェニルピリジン化合物(以下、本発明化合物と記す。)、本発明化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤及び本発明化合物の有効量を植物または土壌に処理することを特徴とする植物病害防除方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明において、
R1で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられ、C1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、C1−C3ハロアルキル基としては、例えばフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基があげられ、C1−C3アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基があげられ、
R2で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられ、C1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、
R3で表されるC1−C3アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基があげられ、C3−C4アルキニル基としては、例えば2−プロピニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基があげられる。
【0007】
本発明化合物の態様としては、例えば以下の化合物があげられる。
式(I−1)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−CH=CH−Nである化合物〕;
【0008】
式(I−2)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−CH=N−CHである化合物〕;
【0009】
式(I−3)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がCH−N=CH−CHである化合物〕;
【0010】
式(I−4)
で示されるフェニルピリジン化合物〔式(1)においてW1−W2=W3−W4がN−CH=CH−CHである化合物〕;
【0011】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がメチル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
【0012】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がメチル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R3が2−プロピニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0013】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がメチル基であり、R2が水素原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2がハロゲン原子であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1が塩素原子であり、R2が塩素原子であるフェニルピリジン化合物;
【0014】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0015】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R2がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0016】
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であり、R3がC1−C3アルキル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がハロゲン原子であり、R2がハロゲン原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
式(I−1)〜式(I−4)のいずれかにおいて、R1がC1−C3アルキル基であり、R2が水素原子であり、R3がC3−C4アルキニル基であるフェニルピリジン化合物;
【0017】
次に本発明化合物の製造法について説明する。
【0018】
本発明化合物は、例えば(製造法1)または(製造法2)により製造することができる。
【0019】
製造法1
本発明化合物(1)は、式(2)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを脱水縮合剤の存在下で反応させることにより、製造することができる。
〔式中、R1、R2、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は、通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、ピリジン、キノリン等の含窒素芳香族化合物及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる脱水縮合剤としては、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド類があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(2)で示される化合物1モルに対して、式(3)で示される化合物が通常0.5〜3モルの割合であり、脱水縮合剤が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜140℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1)を単離することができる。
(i)反応混合物に希塩酸等の酸を加えて有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加え、濾過し、濾液を濃縮する方法。
(iii)反応混合物を濾過した後、濾液を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
単離された本発明化合物(1)は、クロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0020】
製造法2
本発明化合物(1)は、式(5)で示される化合物と式(3)で示される化合物とを塩基の存在下で反応させることにより、製造することができる。
〔式中、L1は塩素原子または臭素原子を表し、R1、R2、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
該反応は溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられる塩基としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(5)で示される化合物1モルに対して式(3)で示される化合物が通常0.5〜2モルの割合であり、塩基が1〜10モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は0〜150℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、本発明化合物(1)を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えて濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された本発明化合物(1)はクロマトグラフィー、再結晶等によりさらに精製することもできる。
【0021】
次に本発明化合物の中間体化合物の製造法について説明する。
本発明化合物の製造中間体のうち式(3)で示される化合物は、例えば(中間体製造法1)、(中間体製造法2)または(中間体製造法3)に従って製造することができる。
【0022】
(中間体製造法1)
〔式中、L2は塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子を表し、L3はハロゲン原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基またはp−トルエンスルホニルオキシ基を表し、R3及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0023】
(工程I−1)
式(8)で示される化合物は、式(6)で示される化合物と式(7)で示される化合物とをパラジウム化合物の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して式(7)で示される化合物が通常0.5〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(8)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えた後、濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された式(8)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0024】
工程(I−2)
式(10)で示される化合物は、式(8)で示される化合物と式(9)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は、溶媒の存在下又は非存在下、通常塩基の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、アセトン、ブタノン、3−メチル−2−ブタノン等の脂肪族ケトン類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトニトリル、ブチロニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類及びこれらの混合物が挙げられる。
反応に用いられる塩基としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩類、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素物、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデック−7−エン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン等の第3級アミン類及びピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の含窒素芳香族化合物が挙げられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(8)で示される化合物1モルに対して塩基が通常1〜50モルの割合、式(9)で示される化合物が通常1〜5モルの割合である。
該反応の反応温度は、通常0〜100℃の範囲であり、反応時間は通常0.1〜24時間の範囲である。
反応終了後は、反応混合物を水に注加して有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(10)で示される化合物を単離することができる。単離された式(10)で示される化合物は、クロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0025】
(工程I−3)
式(3)で示される化合物は、式(10)で示される化合物を鉄の存在下で反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酢酸水、希塩酸、硫酸水等の酸性水があげられる。また、必要に応じて、酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類の存在下で行うことができる。
反応に用いられる鉄としては、例えば粉状のものがあげられる。
反応に用いられる還元剤の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して、通常2〜30モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常40〜100℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を濾過し、得られた濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水等を加えた後、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0026】
(中間体製造法2)
前記式(3)で示される化合物のうち、R3がメチル基、エチル基等のC1−C3アルキル基である式(4)で示される化合物は、例えば下記の方法により製造することもできる。
〔式中、R4はC1−C3アルキル基を表し、L2及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0027】
(工程II−1)
式(12)で示される化合物は、式(6)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、パラジウム化合物の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(6)で示される化合物1モルに対して式(11)で示される化合物が通常1〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(12)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物に必要に応じて有機溶媒を加えた後、濾過し、濾液を濃縮する方法。
単離された式(12)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0028】
(工程II−2)
式(4)で示される化合物は式(12)で示される化合物を、例えば下記の(II−2−a)または(II−2−b)に記載の方法で反応させることにより製造することができる。
【0029】
(工程II−2−a)
該反応は通常溶媒の存在下、水素化触媒の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、水及びこれらの混合物があげられる。
反応に用いられる水素化触媒としては、例えばパラジウム−炭素等のパラジウム触媒及び白金−炭素等の白金触媒があげられる。
反応に用いられる水素の量は、式(12)で示される化合物1モルに対して通常3〜10モルの割合であり、触媒が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常20〜50℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0030】
(工程II−2−b)
該反応は通常溶媒の存在下、還元剤の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、例えば酸性水があげられ、酢酸水、希塩酸、硫酸水等があげられる。該反応は必要に応じて酢酸エチル等のエステル類、テトラヒドロフラン等のエーテル類の存在下で行うことができる。
反応に用いられる還元剤としては、例えば鉄があげられ、通常粉状のものが使用される。
反応に用いられる還元剤の量は、式(10)で示される化合物1モルに対して通常2〜30モルの割合である。
該反応の反応時間は通常0.1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常40〜100℃の範囲である。
反応終了後の反応混合物は濾過し、得られた濾液に飽和炭酸水素ナトリウム水等を加えた後、有機溶媒抽出し、有機層を乾燥、濃縮することにより式(4)で示される化合物を単離することができる。単離された式(4)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0031】
(中間体製造法3)
〔式中、L4はC1−C5アルキルカルボニル基(アセチル基、ピバロイル基等)を表し、R3、L2及びW1−W2=W3−W4は前記と同じ意味を表す。〕
【0032】
(工程III−1)
式(14)で示される化合物は、式(13)で示される化合物と式(11)で示される化合物とを反応させることにより製造することができる。
該反応は通常溶媒の存在下、パラジウム化合物の存在下で行われる。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、2−プロパノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル等のエーテル類、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、水及びこれらの混合物等があげられる。
反応に用いられるパラジウム化合物としては、酢酸パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム、{1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム塩化メチレン錯体及びビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムジクロライド等があげられる。
反応に用いられる試剤の量は、式(13)で示される化合物1モルに対して式(11)で示される化合物が通常1〜5モルの割合であり、パラジウム化合物が通常0.001〜0.1モルの割合である。
該反応には必要に応じて塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸水素ナトリウム等の無機塩基があげられる。)及び/または相間移動触媒(テトラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩があげられる。)の存在下で行うこともできる。
該反応の反応時間は通常0.5〜24時間の範囲であり、反応温度は通常50〜120℃の範囲である。
反応終了後は、例えば下記の後処理操作を行うことにより、式(14)で示される化合物を単離することができる。
(i)反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する方法。
(ii)反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する方法。
(iii)反応混合物をそのまま濃縮する方法。
単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0033】
(工程III−2)
式(3)で示される化合物は、式(14)で示される化合物を塩基の存在下、水と反応させることにより製造することができる。
反応に用いられる塩基としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物があげられる。
反応に用いられる塩基の量は、式(14)で示される化合物1モルに対して通常1〜5モルの割合である。
反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール等のアルコール類、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、水及びこれらの混合物があげられる。
該反応の反応時間は通常1〜24時間の範囲であり、反応温度は通常20〜100℃の範囲である。
反応終了後は反応混合物を有機溶媒抽出し、得られた有機層を乾燥、濃縮する等の後処理操作を行うことにより、式(3)で示される化合物を単離することができる。単離された式(3)で示される化合物はクロマトグラフィー、再結晶等の操作によりさらに精製することもできる。
【0034】
次に本発明化合物の具体例を以下に示す。
式(I−1)、(I−2)、(I−3)または(I−4)で示される化合物
上記式中のR1、R2及びR3は、以下の(表1)、(表2)及び(表3)に記載する各置換基の組合せを表す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
本発明化合物が防除効力を有する植物病害としては、例えば藻菌類による植物病害が挙げられ、具体的には例えば次の病害が挙げられる。
蔬菜類、ダイコンのべと病(Peronospora brassicae)、ホウレンソウのべと病(Peronospora spinaciae)、タバコのべと病(Peronospora tabacina)、ウリ類のべと病(Pseudoperonospora cubensis)、ブドウのべと病(Plasmopara viticola)、リンゴ、イチゴ、ヤクヨウニンジンの疫病(Phytophthora cactorum)、トマト、キュウリの灰色疫病(Phytophthora capsici)、パイナップルの疫病(Phytophthora cinnamomi)、ジャガイモ、トマトの疫病(Phytophthora infestans)、タバコ、ソラマメ、ネギの疫病(Phytophthora nicotianae var. nicotianae)、ホウレンソウの立枯病(Pythium sp.)、キュウリ苗立枯病(Pythium aphanidermatum)、コムギ褐色雪腐病(Pythium sp.)、タバコ苗立枯病(Pythium debaryanum)、ダイズのPythium rot(Pythium aphanidermatum, P. debaryanum, P. irregulare, P. myriotylum, P. ultimum)。
【0039】
本発明の植物病害防除剤は本発明化合物そのものであってもよいが、通常は固体担体、液体担体、界面活性剤その他の製剤用補助剤と混合し、乳剤、水和剤、顆粒水和剤、フロアブル剤、粉剤、粒剤等に製剤化されている。これらの製剤は本発明化合物を通常0.1〜90重量%含有する。
【0040】
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えば、カオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えば、キシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、セロソルブ等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、脂肪族炭化水素類、エステル類、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル及び水が挙げられる。
【0041】
界面活性剤としては、例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤が挙げられる。
【0042】
その他の製剤用補助剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤、PAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT等の安定化剤が挙げられる。
【0043】
本発明の植物病害防除剤は、例えば、植物体に茎葉処理することにより当該植物を植物病害から保護するために用いられ、また、土壌に処理することにより当該土壌に生育する植物を植物病害から保護するために用いられる。
【0044】
本発明の植物病害防除剤を植物体に茎葉処理することにより用いる場合又は土壌に処理することにより用いる場合、その処理量は、防除対象植物である作物等の種類、防除対象病害の種類、防除対象病害の発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、10000m2あたり本発明化合物として通常1〜5000g、好ましくは5〜1000gである。
【0045】
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常を水で希釈して散布することにより処理する。この場合、本発明化合物の濃度は通常0.0001〜3重量%、好ましくは0.0005〜1重量%の範囲である。粉剤、粒剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
【0046】
また、本発明の植物病害防除剤は種子消毒等の処理方法で用いることもできる。種子消毒の方法としては、例えば、本発明化合物の濃度が1〜1000ppmとなるように調製した本発明の植物病害防除剤に植物の種子を浸漬する方法、植物の種子に本発明化合物の濃度が1〜1000ppmの本発明の植物病害防除剤を噴霧もしくは塗沫する方法及び植物の種子に粉剤に製剤化された本発明の植物病害防除剤を粉衣する方法があげられる。
【0047】
本発明の植物病害防除方法は、通常本発明の植物病害防除剤の有効量を、病害の発生が予測される植物若しくはその植物が生育する土壌に処理する、及び/又は病害の発生が確認された植物若しくはその植物が生育する土壌に処理することにより行われる。
【0048】
本発明の植物病害防除剤は通常、農園芸用植物病害防除剤、即ち畑地、水田、果樹園、茶園、牧草地、芝生地等の植物病害を防除するための植物病害防除剤として用いられる。
【0049】
本発明の植物病害防除剤剤は他の植物病害防除剤剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、除草剤、植物生長調節剤及び/又は肥料と共に用いることもできる。
【0050】
かかる植物病害防除剤の有効成分としては、例えば、クロロタロニル、フルアジナム、ジクロフルアニド、ホセチル−Al、環状イミド誘導体(キャプタン、キャプタホール、フォルペット等)、ジチオカーバメート誘導体(マンネブ、マンコゼブ、チラム、ジラム、ジネブ、プロピネブ等)、無機もしくは有機の銅誘導体(塩基性硫酸銅、塩基性塩化銅、水酸化銅、オキシン銅等)、アシルアラニン誘導体(メタラキシル、フララキシル、オフレース、シプロフラン、ベナラキシル、オキサジキシル等)、ストロビルリン系化合物(クレソキシムメチル、アゾキシストロビン、トリフロキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ジモキシストロビン等)、アニリノピリミジン誘導体(シプロジニル、ピリメタニル、メパニピリム等)、フェニルピロール誘導体(フェンピクロニル、フルジオキソニル等)、イミド誘導体(プロシミドン、イプロジオン、ビンクロゾリン等)、ベンズイミダゾール誘導体(カルベンダジム、ベノミル、チアベンダゾール、チオファネートメチル等)、アミン誘導体(フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、スピロキサミン等)、アゾール誘導体(プロピコナゾール、トリアジメノール、プロクロラズ、ペンコナゾール、テブコナゾール、フルシラゾール、ジニコナゾール、ブロムコナゾール、エポキシコナゾール、ジフェノコナゾール、シプロコナゾール、メトコナゾール、トリフルミゾール、テトラコナゾール、マイクロブタニル、フェンブコナゾール、ヘキサコナゾール、フルキンコナゾール、トリティコナゾール、ビテルタノール、イマザリル、フルトリアホール等)、シモキサニル、ジメトモルフ、ファモキサドン、フェナミドン、イプロヴァリカルブ、ベンチアバリカルブ、シアゾファミド、ゾキサミド、エタボキサム、ニコビフェン、フェンヘキサミド、キノキシフェン、ジエトフェンカルブ及びアシベンゾラールSメチルが挙げられる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を製造例、製剤例及び試験例等によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの例のみに限定されるものではない。
まず、本発明化合物の製造例を示す。
【0052】
製造例1
3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.30g、トリエチルアミン0.36g及びテトラヒドロフラン10mlの混合物に、4−クロロフェニル酢酸塩化物0.45gを滴下し、室温で2時間撹拌した。その後、反応混合物に酢酸エチルを加え濾過した。得られた濾液を減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(i)と記す。)0.37gを得た。本発明化合物(i)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.69(1H,d,J=7.9Hz)、8.36(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、7.39(1H,s)、7.28〜7.23(3H,m)、7.06(2H,d,J=7.9Hz)、6.89(2H,d,J=7.9Hz)、6.65(1H,dd,J=1.6Hz,7.9Hz)、4.86(2H,d,J=2.4Hz)、3.83(3H,s)、3.62(2H,s)、2.56(1H,t,J=2.4Hz)
【0053】
製造例2
3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン0.3gとトリエチルアミン0.36gとをテトラヒドロフラン10mlに加えた溶液に、4−クロロフェニル酢酸塩化物0.45gを滴下した。室温で2時間撹拌した後、反応混合物に酢酸エチルを加えて濾過した。得られた濾液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(ii)と記す。)85mgを得た。
本発明化合物(ii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.73(1H,dd,J=1.6Hz,8.3Hz)、8.36(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、7.42(1H,s)、7.23〜7.27(3H,m)、7.07(2H,d,J=7.9Hz)、6.88(1H,d,J=2.0Hz)、6.68(1H,d,J=8.2Hz)、6.59(1H,dd,J=2.0Hz,8.2Hz)、3.97(3H,s)、3.86(3H,s)、3.63(2H,s)
【0054】
製造例3
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、4−フルオロフェニル酢酸0.24g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.35gを混合し、110℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(iii)と記す。)0.03gを得た。
本発明化合物(iii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.74(1H,dd,J=1.3Hz,8.1Hz)、8.37(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz)、7.28〜7.05(4H,m)、6.99〜6.95(2H,m)、6.90(1H,d,J=8.4Hz)、6.86(1H,d,J=2.0Hz)、6.66(1H,dd,J=2.0Hz,8.4Hz)、4.84(2H,d,J=2.4Hz)、3.84(3H,s)、3.63(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)
【0055】
製造例4
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.15g、4−ブロモフェニル酢酸0.28g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.23gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−ブロモフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(iv)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(iv)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.68(1H,dd,J=1.3Hz,8.3Hz)、8.36(1H,dd,J=1.3Hz,4.6Hz)、7.47〜7.41(3H,m)、7.25(1H,dd,J=4.6Hz,8.3Hz)、7.01(2H,d,J=8.3Hz)、6.89(2H,dd,J=3.0Hz,5.0Hz)、6.66(1H,dd,J=1.9Hz,8.3Hz)、4.84(2H,d,J=2.4Hz)、3.83(3H,s)、3.60(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)
【0056】
製造例5
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、3,4−ジクロロフェニル酢酸0.32g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、110℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(3,4−ジクロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(v)と記す。)0.12gを得た。
本発明化合物(v)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.71(1H,dd,J=1.4Hz,8.3Hz)、8.39(1H,dd,J=1.4Hz,4.6Hz)、7.38〜7.35(2H,m)、7.29〜7.26(2H,m)、6.98(1H,dd,J=1.9Hz,8.3Hz)、6.94〜6.92(2H、m)、6.71(1H,dd,J=1.9Hz,8.1Hz)、4.87(2H,d,J=2.4Hz)、3.85(3H,s)、3.61(2H,s)、2.55(1H,t,J=2.4Hz)
【0057】
製造例6
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、p−トリル酢酸0.28g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gとを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−p−トリル−アセトアミド(以下、本発明化合物(vi)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(vi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.75(1H,dd,J=1.4Hz,8.4Hz)、8.35(1H,dd,J=1.4Hz,4.6Hz)、7.41(1H,s)、7.25〜7.24(1H,m)、7.06(2H,d,J=7.57Hz)、6.98〜6.91(3H、m)、6.76(1H,d,J=1.9Hz)、6.71(1H,dd,J=1.9Hz,8.0Hz)、4.82(2H,d,J=2.4Hz)、3.78(3H,s)、3.61(2H,s)、2.57(1H,t,J=2.4Hz)、2.04(3H,s)
【0058】
製造例7
ピリジン5mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.25g、(α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)酢酸0.40g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.38gを混合し、115℃で1時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(vii)と記す。)0.25gを得た。
本発明化合物(vii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.68(1H,dd,J=1.2Hz,8.3Hz)、8.39(1H,dd,J=1.2Hz,4.6Hz)、7.58(2H,d,J=8.1Hz)、7.35(1H,s)、7.30〜7.23(3H,m)、6.94(2H、dd,J=3.1Hz,5.0Hz)、6.74(1H,dd,J=1.8Hz,8.2Hz)、4.83(2H,d,J=2.2Hz)、3.83(3H,s)、3.70(2H,s)、2.55(1H,t,J=2.2Hz)
【0059】
製造例8
ピリジン5mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.25g、4−メトキシフェニル酢酸0.34g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.38gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、トリエチルアミン1mlを加え、115℃で2時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−メトキシフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(viii)と記す。)0.29gを得た。
本発明化合物(viii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.77(1H,d,J=8.1Hz)、8.35(1H,dd,J=1.6Hz,4.3Hz)、7.46(1H,s)、7.29〜7.24(1H,m)、6.95(2H,dd,J=1.9Hz,6.6Hz)、6.85(1H、d,J=8.1Hz)、6.80〜6.76(3H,m)、6.95(1H,dd,J=1.9Hz,8.1Hz)、4.83(2H,d,J=2.4Hz)、3.84(3H,s)、3.80(3H,s)、3.60(2H,s)、2.56(1H,t,J=2.4Hz)
【0060】
製造例9
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)酢酸0.30g、トリエチルアミン1ml及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムを乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)アセトアミド(以下、本発明化合物(ix)と記す。)0.13gを得た。
本発明化合物(ix)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.74(1H,d,J=8.0Hz)、8.35(1H,d,J=4.4Hz)、7.51(1H,s)、7.26〜7.24(1H,m)、7.01〜6.92(2H,m)、6.80〜6.77(4H,m)、4.81(2H,d,J=1.6Hz)、3.77(3H,s)、3.58(2H,s)、2.74〜2.55(5H,m)、1.77〜1.66(4H,m)
【0061】
製造例10
ピリジン3mlに3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン0.20g、ナフタレン−2−イル酢酸0.29g及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩0.30gを混合し、115℃で3時間撹拌した。室温付近まで放冷した反応混合物に、希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液及び飽和食塩水で順次洗浄し、乾燥し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、得られた固体をヘキサン洗浄して、N−[2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン−3−イル]−2−(ナフタレン−2−イル)アセトアミド(以下、本発明化合物(x)と記す。)0.09gを得た。
本発明化合物(x)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.78(1H,dd,J=1.2Hz,8.3Hz)、8.34(1H,dd,J=1.2Hz,4.4Hz)、7.89〜7.71(4H,m)、7.59(1H,s)、7.57〜7.49(2H,m)、7.27〜7.22(2H,m)6.78(1H、d,J=1.6Hz)、6.43(1H,dd,J=1.2Hz,8.0Hz)、6.19(1H,d,J=8.0Hz)、4.46(2H,d,J=2.0Hz)、3.84(2H,s)、3.67(3H,s)、2.52(1H,t,J=2.0Hz)
【0062】
製造例11
ピリジン4mlに2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン115mg、4−クロロフェニル酢酸85mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩105mgを混合し、115℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却した反応混合物を減圧下濃縮した後、ここに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xi)と記す。)46mgを得た。
本発明化合物(xi)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.44(1H,dd,J=4.8Hz、1.6Hz)、7.53(1H,dd,J=7.5Hz、1.9Hz)、7.42(1H,br.s)、7.22(2H,d,J=8.4Hz)、7.13(1H,dd,J=7.4Hz、4.8Hz)、7.08(2H,d,J=8.2Hz)、6.81(1H,d,J=7.7Hz)、6.62〜6.70(2H,m)、3.95(3H,s)、3.75〜3.95(5H,m)
【0063】
製造例12
ピリジン4mlに3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン115mg、4−クロロフェニル酢酸85mg及び1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩105mgを混合し、115℃で6時間撹拌した。その後、室温まで冷却して反応混合物を減圧下濃縮した後、ここに水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−3−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xii)と記す。)60mgを得た。
本発明化合物(xii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):9.57(1H,s)、8.38(1H,d,J=4.8Hz)、7.22(2H,d,J=8.2Hz)、7.17(1H,br.s)、7.09(1H,d,J=4.8Hz)、7.04(2H,d,J=8.3Hz)、6.75(1H,d,J=8.3Hz)、6.59(1H,d,J=1.7Hz)、6.52(1H,dd,J=8.0Hz、1.4Hz)、3.98(3H,s)、3.81(3H,s)、3.63(2H,s)
【0064】
製造例13
4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン230mg、トリエチルアミン151mg及びテトラヒドロフラン10mlの混合物を0〜5℃で撹拌し、ここに4−クロロフェニル酢酸塩化物189mgを加えた。その後、室温で3時間撹拌し、反応混合物を減圧下濃縮した後、水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水及び飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、N−[3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル]−2−(4−クロロフェニル)アセトアミド(以下、本発明化合物(xiii)と記す。)98mgを得た。
本発明化合物(xiii)
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.49(1H,d,J=5.8Hz)、8.40(1H,d,J=5.7Hz)、8.32(1H,s)、7.42(1H,br.s)、7.22(2H,d,J=8.4Hz)、7.01(2H,d,J=8.2Hz)、6.76(1H,d,J=8.2Hz)、6.58(1H,d,J=2.1Hz)、6.50(1H,dd,J=8.0Hz、2.0Hz)、3.98(3H,s)、3.82(3H,s)、3.62(2H,s)
【0065】
次に、本発明化合物の製造中間体の製造について参考製造例を示す。
【0066】
参考製造例1
エチレングリコールジメチルエーテル100mlに2−クロロ−3−ニトロピリジン6.0g、2−メトキシ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)フェノール7.9g、リン酸三カリウム水和物19.8g及び{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体780mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で3時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物を濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン6.38gを得た。
2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.80(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、8.05(1H,dd,J=1.6Hz,7.9Hz)、7.37(1H,dd,J=4.7Hz,7.9Hz)、7.17(1H,d,J=2.0Hz)、7.05(1H,dd,J=2.0Hz,7.9Hz)、6.96(1H,d,J=7.9Hz)、6.14(1H,s)、3.93(3H,s)
【0067】
N,N−ジメチルホルムアミド100mlに2−(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−3−ニトロピリジン3.0g、3−ブロモ−1−プロピン1.5g及び炭酸カリウム1.7gを加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に希塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン1.8gを得た。
2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.82(1H,dd,J=1.6Hz,4.7Hz)、8.07(1H,dd,J=1.6Hz,8.3Hz)、7.39(1H,dd,J=4.7Hz,8.3Hz)、7.20(1H,d,J=1.6Hz)、7.07〜7.13(2H,m)、4.81(2H,d,J=2.4Hz)、3.92(3H,s)、2.54(1H,t,J=2.4Hz)
【0068】
酢酸5ml、水30ml及び鉄粉1.3gの混合物を75℃で撹拌し、ここに2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)−3−ニトロピリジン1.6gを酢酸エチル10mlに溶解した溶液を滴下した。3時間加熱還流した後、室温付近まで放冷した反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン1.4gを得た。
3−アミノ−2−(3−メトキシ−4−(2−プロピニルオキシ)フェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.10(1H,ddd,J=0.4Hz,2.4Hz,3.6Hz)、7.22〜7.26(2H,m)、7.10(1H,d,J=8.8Hz)、7.02〜7.05(2H,m)、4.80(2H,d,J=2.4Hz)、3.91(3H,s)、3.89(2H,s)、2.52(1H,t,J=2.4Hz)
【0069】
参考製造例2
エチレングリコールジメチルエーテル50mlに2−クロロ−3−ニトロピリジン4.76g、3,4−ジメトキシフェニルボロン酸6.00g、リン酸三カリウム水和物19.1g及び{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体490mgを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物を濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン5.35gを得た。
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.83(1H,dd,J=1.2Hz,4.6Hz)、8.07(1H,dd,J=1.1Hz,8.3Hz)、7.39(1H、dd,J=4.6Hz,8.3Hz)、7.19(1H,d,J=2.0Hz)、7.12(1H,dd,J=2.0Hz,8.3Hz)、6.93(1H,d,J=8.3Hz)、3.93(6H,s)
【0070】
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン2.8gをエタノール100mlに溶解した溶液に5%白金−炭素150mgを加え、室温で水素雰囲気下4時間撹拌した。その後、反応混合物をセライト濾過し、得られた濾液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン2.1gを得た。
3−アミノ−2−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
融点:213.5℃
【0071】
参考製造例3
N−(3−ブロモピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸1.4g、リン酸三カリウム水和物5g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体190mg及びエチレングリコールジメチルエーテル50mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2.1gを得た。
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.47(1H,dd,J=2.0Hz,4.8Hz)、7.69(1H,s)、7.61(1H,dd,J=2.0Hz,7.6Hz)、7.17(1H,dd,J=4.8Hz,7.6Hz)、6.87−6.98(3H,m)、3.94(3H,s)、3.89(3H,s)、1.15(9H,s)
【0072】
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−2−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド2.1g、メタノール20ml及び3M水酸化カリウム水溶液15mlの混合物を4時間加熱還流した。室温まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン1.2gを得た。
2−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.06(1H,dd,J=1.7Hz,4.9Hz)、7.36(1H,dd,J=1.7Hz,7.3Hz)、6.94〜7.01(3H,m)、6.74(1H,dd,J=4.9Hz,7.3Hz)、4.62(2H,s)、3.93(3H,s)、3.90(3H,s)
【0073】
参考製造例4
4−クロロ−3−ニトロピリジン12g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸11g、リン酸三カリウム水和物39g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体988mg及びエチレングリコ−ルジメチルエ−テル100mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン13gを得た。
4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.76(1H,d,J=4.8Hz)、9.00(1H,s)、7.42(1H,d,J=4.8Hz)、6.83〜6.96(3H,m)、3.94(3H,s)、3.89(3H,s)
【0074】
酢酸25ml、水25ml及び鉄粉4.3gの混合物に、70℃で4−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−ニトロピリジン5.0gを加え、2時間撹拌した。その後、反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン3.2gを得た。
3−アミノ−4−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.14(1H,s)、8.05(1H,d,J=4.8Hz)、6.95〜7.05(4H,m)、3.93(3H,s)、3.91(3H,s)、3.83(2H,s)
【0075】
参考製造例5
N−(3−ブロモピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド8.5g、3,4−ジメトキシフェニルホウ酸5.0g、リン酸三カリウム水和物17.5g、{1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン}ジクロロパラジウム(II)塩化メチレン錯体670mg及びエチレングリコ−ルジメチルエ−テル100mlを混合し、窒素雰囲気下、80℃で2時間撹拌した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;酢酸エチル)に付し、N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド8gを得た。
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.50(1H,d,J=5.5Hz)、8.42(1H,d,J=5.5Hz)、8.41(1H,s)、7.81(1H,s)、7.03(1H,d,J=8.0Hz)、6.93(1H,dd,J=2.0Hz,8.0Hz)、6.86(1H,d,J=2.0Hz)、3.97(3H,s)、3.91(3H,s)、1.14(9H,s)
【0076】
N−(3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン−4−イル)−2,2−ジメチルプロピオンアミド4.0g、メタノール20ml及び3M水酸化カリウム水溶液15mlを混合し、4時間加熱還流した。その後、室温付近まで放冷した反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒;ヘキサン/酢酸エチル=1/1)に付し、4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン2.3gを得た。
4−アミノ−3−(3,4−ジメトキシフェニル)ピリジン
1H−NMR(CDCl3,TMS)δ(ppm):8.11(1H,d,J=2.8Hz)、7.22〜7.27(2H,m)、7.03〜7.05(2H,m)、6.95(1H,d,J=8.3Hz)、3.93(6H,s)、3.86(2H,s)
【0077】
次に製剤例を示す。部は重量部を表す。
【0078】
製剤例1
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々50部、リグニンスルホン酸カルシウム3部、ラウリル硫酸マグネシウム2部及び合成含水酸化珪素45部をよく粉砕混合することにより、各々の水和剤を得る。
【0079】
製剤例2
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々20部とソルビタントリオレエ−ト1.5部とを、ポリビニルアルコ−ル2部を含む水溶液28.5部と混合し、湿式粉砕法で微粉砕した後、この中に、キサンタンガム0.05部及びアルミニウムマグネシウムシリケ−ト0.1部を含む水溶液40部を加え、さらにプロピレングリコ−ル10部を加えて撹拌混合し各々のフロアブル製剤を得る。
【0080】
製剤例3
本発明化合物(i)〜(xiii)2部、カオリンクレー88部及びタルク10部をよく粉砕混合することにより、各々の粉剤を得る。
【0081】
製剤例4
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々5部、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエ−テル14部、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部及びキシレン75部をよく混合することにより、各々の乳剤を得る。
【0082】
製剤例5
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々2部、合成含水酸化珪素1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部及びカオリンクレ−65部をよく粉砕混合した後、水を加えてよく練り合せ、造粒乾燥することにより、各々の粒剤を得る。
【0083】
製剤例6
本発明化合物(i)〜(xiii)の各々10部、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部及び水55部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々のフロアブル製剤を得る。
【0084】
次に、本発明化合物が植物病害の防除に有用であることを試験例で示す。
なお防除効果は、調査時の供試植物上の病斑の面積を目視観察し、無処理区の病斑の面積と本発明化合物処理区の病斑の面積を比較することにより評価した。
【0085】
試験例1
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(i)、(ii)、(iv)、(vi)〜(ix)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(500ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0086】
試験例2
プラスチックポットに砂壌土を詰め、トマト(品種:ポンテローザ)を播種し、温室内で20日間生育させた。本発明化合物(i)〜(x)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(200ppm)に希釈し、希釈液をトマト葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、トマト疫病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、23℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室で4日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0087】
試験例3
プラスチックポットに砂壌土を詰め、ブドウ(品種:ベリーA)を播種し、温室内で40日間生育させた。本発明化合物(i)、(iii)〜(x)の各々を製剤例6に準じて製剤とした後、水で所定濃度(200ppm)に希釈し、希釈液をブドウ葉面に充分付着するように茎葉散布した。散布後植物を風乾し、ブドウべと病の遊走子嚢懸濁液(懸濁液1mlあたり約10000個の遊走子嚢を含有する)を噴霧接種(植物1個体あたり約2mlの割合)した。接種後、22℃、相対湿度90%以上の条件下で一日栽培し、ついで昼間22℃、夜間20℃の温室に移して6日間栽培した。その後、防除効果を調査した。
その結果、本発明化合物を供試した植物上の病斑面積は、無処理区の病斑面積の10%以下であった。
【0088】
【発明の効果】
本発明化合物は優れた植物病害防除効力を有することから、植物病害防除剤の有効成分として有用である。
Claims (3)
- 請求項1記載のフェニルピリジン化合物を有効成分として含有することを特徴とする植物病害防除剤。
- 請求項1記載のフェニルピリジン化合物の有効量を植物または土壌に処理することを特徴とする植物病害の防除方法。
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