JP2005041637A - エレベータドアの密閉装置 - Google Patents

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Michiyuki Takazawa
理志 高澤
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Toshiba Elevator Co Ltd
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Abstract

【課題】特に高い据付精度や寸法精度を要することなく、エレベータドアの所定の隙間を高い密閉度で密閉することができるエレベータドアの密閉装置を提供する。
【解決手段】エレベータの乗降部に設けられた三方枠1と、この三方枠1に近接して配置された両開き式のエレベータドア5a,5bとを備え、前記エレベータドア5a,5bの戸袋側の縁部および一方のエレベータドア5aの戸当り側の縁部に弾性を有する可撓性マグネット部材30,33を設け、戸閉時に前記マグネット部材30を三方枠1の側枠部2における受け部29に磁気的に密着させ、前記マグネット部材33を他方のエレベータドア5bの戸当り側の縁部に設けられた受け部材32に磁気的に密着させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータの出入口枠部材とこれに近接して設置されるドア装置との間の隙間やそのドア装置のドア同士間の隙間を密閉するエレベータドアの密閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建屋のエレベータホールと昇降路との間には、エレベータに対する乗降部が設けられ、この乗降部に出入口枠部材としての三方枠が取り付けられ、この三方枠に近接してドア装置が設置されている。このドア装置は、昇降路内を昇降するかごが当該エレベータホールに着床する際に開放してかごに対する乗客の乗降を可能にし、そのかごが当該エレベータホールから離れる際に閉合する。
【0003】
戸閉時におけるドア装置と三方枠との間やそのドア装置のドア同士間には僅かな隙間があり、このためエレベータホールで火災が発生した際に、その煙が前記隙間を通して昇降路内に流入し、昇降路が煙を上昇させる煙突として働き、火勢を強めてしまう恐れがある。
【0004】
そこで、特開平8−67486号に見られるように、ドア装置と三方枠との間の隙間をゴム材を用いる密閉手段で密閉することが提案されている。図6〜図8にはその従来の構造を示してあり、図6は三方枠1を昇降路側から見た正面図である。
【0005】
三方枠1は、両側の側枠部2とその上部間に配置する上枠部3とを備え、この三方枠1に近接して両開き式のエレベータドア5が設けられている。三方枠1の上枠部3および各ドア5の上部には、それぞれ遮蔽部材7,8が互いに対応して傾斜するように取り付けられている。そして一方の遮蔽部材7に、図7に示すように、ゴム材9が取り付けられている。
【0006】
ドア5が戸閉方向に移動した際には、ドア5の遮蔽部材8が上枠部3の遮蔽部材7に接近する。そして戸閉時にドア5の遮蔽部材8が図7に示すようにゴム材9に接触し、この接触でドア5と上枠部3との間の隙間が密閉される。
【0007】
また、各ドア5の戸袋側の縁部には、図8に示すように、断面コ字状の遮蔽部材12が設けられ、三方枠1の側枠部2には前記遮蔽部材12内へ進入可能な遮蔽部材13が設けられ、前記遮蔽部材12の内側部にゴム材14が取り付けられている。
【0008】
そしてドア5が戸袋側から戸閉方向に移動した際に、ドア5の遮蔽部材12内に側枠部2の遮蔽部材13が相対的に進入し、ドア5の戸閉時にその遮蔽部材13がゴム材14に接触し、この接触でドア5と側枠部2との間の隙間が密閉される。
【0009】
このように、三方枠1と各ドア5との間の隙間が密閉され、この密閉でエレベータホール側から昇降路内への煙の流入が防止される。
【0010】
【特許文献1】
特開平8−67486号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単に遮蔽部材とゴム材とを接触させて隙間を密閉する従来の構成においては、その遮蔽部材とゴム材とを高い精度で微調整しながら取り付ける必要があり、その精度が低いと遮蔽部材とゴム材との接触時にその各部を均一に密着させることが困難で部分的に密着不足が生じ、隙間を密閉する密閉度が低下してしまう。
【0012】
このため、遮蔽部材およびゴム材を据え付けるときには高い据付精度が要求され、また遮蔽部材やゴム材に製造上の寸法誤差等が生じていると、高い密閉度が得られなくなってしまう。
【0013】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、特に高い据付精度や寸法精度を要することなく、所定の隙間を高い密閉度で密閉して防火防煙効果を高めることができるエレベータドアの密閉装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、エレベータの出入口枠部材と、この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して開閉動作するエレベータドアと、前記出入口枠部材と前記エレベータドアとのいずれか一方に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記エレベータドアと前記出入口枠部材との間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材とを備えることを特徴としている。
【0015】
請求項2の発明は、前記可撓性マグネット部材が、前記エレベータドアの戸袋側の縁部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の側部に接触するとともに磁気的に吸着してその間の隙間を密閉することを特徴としている。
【0016】
請求項3の発明は、前記可撓性マグネット部材が、前記エレベータドアの戸当り側の縁部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の側部に接触するとともに磁気的に吸着してその間の隙間を密閉することを特徴としている。
【0017】
請求項4の発明は、前記可撓性マグネット部材が、前記エレベータドアの上部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の上部に設けられた受け部材に接触するとともに磁気的に吸着してそのエレベータドアの上部と出入口枠部材の上部との間の隙間を密閉することを特徴としている。
【0018】
請求項5の発明は、エレベータの出入口枠部材と、この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して開閉動作する両開き式のドア装置と、前記両開き式のドア装置の一方のエレベータドアの戸当り側の縁部に設けられ、前記ドア装置の戸閉動作に応じて前記ドア装置の他方のエレベータドアの戸当り側の縁部に接触するとともに磁気的に吸着してその双方の戸当り側の縁部間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材とを備えることを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明は、エレベータの出入口枠部材と、この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して異なる速度で移動して開閉動作する複数のエレベータドアを有する片開き式のドア装置と、前記片開き式のドア装置の少なくとも一つのエレベータドアに設けられ、前記ドア装置の戸閉動作に応じてその一つのエレベータドアと隣接する他の一つのエレベータドアに接触するとともに磁気的に吸着してその双方のエレベータドア間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材とを備えることを特徴としている。
【0020】
請求項7の発明は、前記可撓性マグネット部材が、弾性変形可能な支持部材を介して支持されていることを特徴としている。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図1〜図5を参照して説明する。なお、従来の構成と対応する部分には同一符号を付してその重複する説明を省略する。
【0022】
図1には第1の実施形態を示してあり、この実施形態においては、出入口枠部材としての三方枠1にドア装置として両開き式のエレベータドア5a,5bが設けられている。
【0023】
三方枠1の上部にはヘッダーケース18が設けられ、このヘッダーケース18にドアレール19が取り付けられている。各ドア5a,5bの上部にはハンガー20が取り付けられ、このハンガー20に両端部にドアローラ21が回転自在に設けられ、これらドアローラ21が前記ドアレール19の上に転動自在に懸架され、これにより各ドア5a,5bがドアレール19に沿って左右に移動する。
【0024】
また、三方枠1の下部には敷居24が設けられ、この敷居24の上面にガイド溝(図示せず)が形成されている。各ドア5a,5bの下部にはガイドシュー25が複数取り付けられ、これらガイドシュー25が前記敷居24のガイド溝内に摺動自在に嵌合し、これにより各ドア5a,5bが敷居24に沿って左右にガイドされる。
【0025】
図2(A)にはドア装置の戸開時の状態を、図2(B)にはドア装置の戸閉時の状態をそれぞれ示してあり、ドア装置における各ドア5の戸袋側の縁部には支持部材28が取り付けられている。
【0026】
三方枠1における各側枠部2の外方側の側面はそれぞれ受け部29となっており、前記各支持部材28の側面には前記受け部29と対向してそれぞれ帯状をなす可撓性マグネット部材(ラバーマグネット)30が取り付けられている。前記可撓性マグネット部材30は、ゴム等の弾性材料内にマグネット粒子を混入してシート状としたものである。
【0027】
また、ドア装置の一方のドア5aの戸当り側の縁部には支持部材31が取り付けられているともに、他方のドア5bの戸当り側の縁部には板金製の受け部材32が前記支持部材31と対向するように取り付けられている。そして前記支持部材31の側面に前記受け部材32と対向して帯状をなす可撓性マグネット部材33が取り付けられている。
【0028】
前記マグネット部材30,33は、ドア5a,5bの上下の長さ区間に渡って連続するように前記支持部材28,31の側面に取り付けられている。
【0029】
ドア装置が図2(A)に示す戸開状態から戸閉する際には、各ドア5a,5bが互いに接近する方向に移動する。そして戸閉時に、図2(B)に示すように、各ドア5a,5bの戸袋側の縁部に設けられた可撓性マグネット部材30が三方枠1における各側枠部2の受け部29に接触し、また一方のドア5aの戸当り側の縁部に設けられたマグネット部材33が他方のドア5bの戸当り側の縁部に設けられた受け部材32に接触する。
【0030】
三方枠1の側枠部2は鋼板等の磁性体からなり、このため前記可撓性マグネット部材30が側枠部2の受け部29に接触する際にはそのマグネット部材30が自己の磁力で受け部29の側面に磁気的に吸着して密着し、この密着でドア5aの戸袋側の縁部と側枠部2との間の隙間が確実に密閉される。
【0031】
また、一方のドア5aの戸当り側の縁部に設けられた可撓性マグネット部材33が他方のドア5bの戸当り側の縁部の受け部材32に接触する際には、その受け部材32が板金製の磁性体であるから前記マグネット部材33が自己の磁力で受け部材32の側面に磁気的に吸着して密着し、この密着で両ドア5a,5bの戸当り間の隙間が確実に密閉される。
【0032】
このようにマグネット部材30,33は単に受け部29や受け部材32に接触するだけでなく、自己の磁力でその受け部29や受け部材32に吸着するものであり、したがってマグネット部材30,33の取付位置に多少の誤差があったり、受け部29や受け部材32に据付上や寸法上の誤差が多少あっても、その微調整を要することなく、ドア装置の戸閉時にマグネット部材30,33の磁力でこれらマグネット部材30,33を弾性的に変形させて受け部29や受け部材32に的確に密着させ、適正にドア5a,5bの戸袋側の縁部と側枠部2との間の隙間、および両ドア5a,5bの戸当り間の隙間を密閉することができる。
【0033】
なお、前記可撓性マグネット部材30,33を支持する支持部材28,31として板ばね等の弾性変形可能な部材を用いることも可能であり、この場合にはその支持部材28,31の弾性変形に基づいてより一層、可撓性マグネット部材30,33を受け部29および受け部材32に緊密に密着させることができる。
【0034】
また、前記可撓性マグネット部材30は、ドア5a,5bに設ける場合に限らず、三方枠1における側枠部2の外面部に設け、その可撓性マグネット部材に対向してドア5a,5bの戸袋側の縁部に受け部材を設け、ドア5a,5bの戸閉時に前記受け部材を前記可撓性マグネット部材に密着させる構成とすることも可能である。
【0035】
三方枠1の上枠部3には、図1に示すように両開き式の各ドア5a,5bに対応して支持部材37が設けられている。これら支持部材37は傾斜して上枠部3に取り付けられ、これら支持部材37に対応して各ドア5a,5bの上部に板金製の受け部材38が取り付けられている。
【0036】
互いに対応する支持部材37と受け部材38は同じ角度で傾斜し、ドア5a,5bの開閉動作でその支持部材37と受け部材38とが互いに接離するようになっている。そして図3に示すように、各支持部材37の上面にその対応する受け部材38と対向するように可撓性マグネット部材39がそれぞれ取り付けられている。
【0037】
図3(A)はドア装置の戸開時の状態を示してあり、この状態からドア5a,5bが戸閉方向に移動し、一方のドア5aの戸当り側の縁部と他方のドア5bの戸当り側の縁部とが突き当る戸閉時に、図3(B)に示すように、ドア5a,5bの受け部材38の下面が上枠部3に設けられた可撓性マグネット部材39に接触する。
【0038】
受け部材38は磁性体からなり、このため受け部材38が可撓性マグネット部材39に接触する際にはそのマグネット部材39が自己の磁力で受け部材38の下面に磁気的に吸着して密着し、この密着でドア5a,5bと上枠部3との間の隙間が確実に密閉される。
【0039】
この場合においても、マグネット部材39は単に受け部材38に接触するだけでなく、自己の磁力で受け部材38に磁気的に吸着するものであり、したがってマグネット部材39の取付位置に多少の誤差があったり、受け部材38に据付上や寸法上の誤差が多少あっても、その微調整を要することなくドア装置の戸閉時にマグネット部材39の磁力でこのマグネット部材39を弾性的に変形させて受け部材38に的確に密着させ、適正にドア5a,5bと上枠部3との間の隙間を密閉することができる。
【0040】
なお、前記可撓性マグネット部材39を支持する支持部材37として板ばね等の弾性変形可能な部材を用いることも可能であり、この場合にはその支持部材37の弾性変形に基づいてより一層、可撓性マグネット部材39を受け部材38に緊密に密着させることができる。
【0041】
また、前記可撓性マグネット部材39は、上枠部3に設ける場合に限らず、ドア5a,5bに支持部材を介して設け設け、その可撓性マグネット部材に対向して上枠部3に受け部材を設け、ドア5a,5bの戸閉時に前記可撓性マグネット部材を前記受け部材に密着させる構成とすることも可能である。
【0042】
図4および図5には第2の実施形態を示してあり、この実施形態においては、三方枠1に近接して片開き式のドア装置が設けられている。この片開き式のドア装置は一対のドア5a,5bを有し、これらドア5a,5bが図5に示すように前後に位置をずらして配置されている。
【0043】
三方枠1の上部に設けられたヘッダーケース18には2本のドアレール19(1本のみ図示)が並列して設けられ、ドア装置の一方のドア5aがその一方のドアレール19にドアローラ21を介して移動自在に懸架され、他方のドア5bが他方のドアレール19にドアローラ21を介して移動自在に懸架されている。
【0044】
そして戸開時には、図5(A)に示すように、両ドア5a,5bが三方枠1の一方の側枠部2aの外方側の戸袋内に前後に重なるように収納配置され、この状態から戸閉動作時に両ドア5a,5bが三方枠1の他方の側枠部2bに向って移動する。
【0045】
この際、一方のドア5aは高速で移動し、他方のドア5bはその一方のドア5aのほぼ1/2の低速の速度で移動し、これにより戸閉時に図5(B)に示すように両ドア5a,5bが前後に段違い状に配置して三方枠1の内側の出入口を閉鎖するようになっている。
【0046】
また、戸閉状態から戸開する際には、一方のドア5aが戸袋側に向って高速で移動し、他方のドア5bが戸袋側に向って低速で移動してその戸袋内に収納される。
【0047】
各ドア5a,5bの戸袋側の縁部には、それぞれ支持部材43,44が取り付けられ、これら支持部材43,44の側面にそれぞれ可撓性マグネット部材45,46が取り付けられている。
【0048】
そして低速移動するドア5bの戸袋側の反対側の縁部には、高速移動するドア5aに設けられた前記可撓性マグネット部材45と対向する受け部49が設けられている。また、三方枠1の一方の側枠部2aの外方側の側面は、低速移動するドア5bに設けられた前記可撓性マグネット部材46と対向する受け部50となっている。
【0049】
高速移動するドア5aの戸袋側の反対側の戸当り側の縁部には、支持部材53が設けられ、この支持部材53の側面に可撓性マグネット部材54が取り付けられている。そして三方枠1の他方の側枠部2bの内方側の側面は、高速移動するドア5aに設けられた前記可撓性マグネット部材54と対向する受け部55となっている。
【0050】
なお、少なくとも前記各受け部49,50,55は磁性体となっている。また、前記各可撓性マグネット部材45,46,54は、ドア5a,5bの上下の長さ区間に渡って連続するように前記支持部材43,44,53の側面に取り付けられている。
【0051】
図5(A)に示す戸開状態から両ドア5a,5bが戸閉方向に移動して戸閉するときには、図5(B)に示すように、低速移動するドア5bの戸袋側の可撓性マグネット部材46が側枠部2aの受け部50に接触し、高速移動するドア5aの戸袋側の可撓性マグネット部材45が低速移動するドア5bの受け部49に接触し、高速移動するドア5aの戸当り側の可撓性マグネット部材54が側枠部2bの受け部55に接触する。
【0052】
前記各受け部49,50,55は磁性体であるから各マグネット部材45,46,54がその対応する受け部49,50,55に接触する際にはその各マグネット部材45,46,54が自己の磁力で受け部49,50,55の側面に磁気的に吸着して密着し、この密着でドア5bと側枠部2との間の隙間、ドア5a,5b間の隙間、ドア5aと側枠部2bとの間の隙間がそれぞれ確実に密閉される。
【0053】
この場合においても、各マグネット部材45,46,54は単に受け部49,50,55に接触するだけでなく、自己の磁力で受け部49,50,55に磁気的に吸着するものであり、したがってマグネット部材45,46,54の取付位置に多少の誤差があったり、受け部49,50,55に据付上や寸法上の誤差が多少あっても、その微調整を要することなくドア装置の戸閉時にマグネット部材45,46,54の磁力でこれらマグネット部材45,46,54を弾性的に変形させて受け部49,50,55に的確に密着させ、適正に前記各隙間を密閉することができる。
【0054】
なお、前記可撓性マグネット部材45,46,54を支持する支持部材43,44,53として板ばね等の弾性変形可能な部材を用いることも可能であり、この場合にはその支持部材43,44,53の弾性変形に基づいてより一層、可撓性マグネット部材45,46,54を受け部49,50,55に緊密に密着させることができる。
【0055】
また、前記可撓性マグネット部材45,46,54を前記受け部49,50,55の部分に設け、前記可撓性マグネット部材45,46,54の配置部分に受け部材を設け、ドア5a,5bの戸閉時に前記可撓性マグネット部材と前記受け部材とが密着するように構成とすることも可能である。
【0056】
さらに、前記各実施形態においては、エレベータホールの乗降部に設けられる三方枠に近接して設置されたドア装置を対象として説明したが、エレベータのかごにおいても、その出入口にその両側に配置する出入口柱とその上部間に架設される上枠部とで構成される出入口枠部材が設けられ、この出入口枠部材に近接してかごドア装置が設置されるから、その出入口枠部材とかごドア装置に対して前記各実施形態と同様の密閉装置を設けることも可能である。
【0057】
また、この発明の密閉装置は、既設のエレベータに対してそのリニューアル時等に設置することも可能である。また、この発明は上下開き式ドアに対しても適用可能である。これは2Sの左右のドアが上下に配置された場合、構造的には同様となるためである。さらに、両開きドア式については左右にドアが1枚ずつ配置された場合を説明しているが、ドアが左右に2枚以上ある場合にも適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、特に高い据付精度や寸法精度を要することなく、エレベータドアの所定の隙間を高い密閉度で密閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態を示し、エレベータの乗降部のドア装置を昇降路側から見た正面図。
【図2】そのドア装置の断面図。
【図3】そのドア装置と三方枠の上枠部との対向部分の断面図。
【図4】この発明の第2の実施形態を示し、エレベータの乗降部のドア装置を昇降路側から見た正面図。
【図5】そのドア装置の断面図。
【図6】従来のドア装置を昇降路側から見た正面図。
【図7】そのドア装置と三方枠の上枠部との対向部分の断面図。
【図8】そのドア装置と三方枠の側枠部との接触部分の断面図。
【符号の説明】
1…三方枠、2,2a,2b…側枠部、3…上枠部、5a,5b…ドア、28,31,37,43,44,53…支持部材、29,49,40,55…受け部、32,38…受け部材、30,33,39,45,46,54…可撓性マグネット部材。

Claims (7)

  1. エレベータの出入口枠部材と、
    この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して開閉動作するエレベータドアと、
    前記出入口枠部材と前記エレベータドアとのいずれか一方に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記エレベータドアと前記出入口枠部材との間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材と、を備えることを特徴とするエレベータドアの密閉装置。
  2. 前記可撓性マグネット部材は、前記エレベータドアの戸袋側の縁部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の側部に接触するとともに磁気的に吸着してその間の隙間を密閉することを特徴とする請求項1に記載のエレベータドアの密閉装置。
  3. 前記可撓性マグネット部材は、前記エレベータドアの戸当り側の縁部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の側部に接触するとともに磁気的に吸着してその間の隙間を密閉することを特徴とする請求項1に記載のエレベータドアの密閉装置。
  4. 前記可撓性マグネット部材は、前記エレベータドアの上部に設けられ、前記エレベータドアの戸閉動作に応じて前記出入口枠部材の上部に設けられた受け部材に接触するとともに磁気的に吸着してそのエレベータドアの上部と出入口枠部材の上部との間の隙間を密閉することを特徴とする請求項1に記載のエレベータドアの密閉装置。
  5. エレベータの出入口枠部材と、
    この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して開閉動作する両開き式のドア装置と、
    前記両開き式のドア装置の一方のエレベータドアの戸当り側の縁部に設けられ、前記ドア装置の戸閉動作に応じて前記ドア装置の他方のエレベータドアの戸当り側の縁部に接触するとともに磁気的に吸着してその双方の戸当り側の縁部間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材と、を備えることを特徴とするエレベータドアの密閉装置。
  6. エレベータの出入口枠部材と、
    この出入口枠部材に近接して設けられ、その出入口枠部材に対して異なる速度で移動して開閉動作する複数のエレベータドアを有する片開き式のドア装置と、
    前記片開き式のドア装置の少なくとも一つのエレベータドアに設けられ、前記ドア装置の戸閉動作に応じてその一つのエレベータドアと隣接する他の一つのエレベータドアに接触するとともに磁気的に吸着してその双方のエレベータドア間の隙間を密閉する弾性を有する可撓性マグネット部材と、を備えることを特徴とするエレベータドアの密閉装置。
  7. 前記可撓性マグネット部材は、弾性変形可能な支持部材を介して支持されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のエレベータドアの密閉装置。
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