JP2005041097A - 押出成形装置および押出成形方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 原料を加熱溶融させて押し出す押出機2と、押出機2から押し出した溶融物を金型3に流入させる流路装置30と、金型3を保持する金型保持装置7とを備えた押出成形装置1またはそれを用いた押出成形方法であって、流路装置30は、一端側が押出機2の出口側に連通され他端側が金型3の注入口に連通される流路37aと、流路37aに連通して設けられて溶融物を貯留できる貯留部37bを有する流路形成部32と、流路形成部32を金型3に対して離接方向に移動可能に保持する保持体31と、保持体31に保持された流路形成部32を離接方向に移動させる駆動手段21と、貯留部の容積を調整するための容積調整手段39と、を備えている。
【選択図】 図1
Description
また、通常、金型の入口には注入される溶融物を一旦貯留するための小室が設けられているが、その部分に溶融樹脂が残留し、成型品において、大きなバリができるという問題もあった。
さらに、複数のノズルを上下方向に設けた場合、金型の交換に手間や時間がかかる一方、スペースや位置合わせの関係上、複数の金型を用いて、溶融樹脂等を交互に注入することは困難であった。
なお、貯留部および流路の断面がそれぞれ円形である場合には、各直径を制御すれば良く、また、貯留部および流路の断面がそれぞれ非円形である場合には、貯留部の面積が、流路の面積よりも大きくなるように、断面寸法を制御すれば良い。
また、金型の小室における余分な溶融物についても、貯留部に流出させることができるために、成形品におけるバリを小さくすることもできる。
第1の実施形態は、主として図1および図2に示すように、原料を加熱溶融させて押し出すための押出機2と、当該押出機2から押し出した溶融物を金型3に流入させるための流路装置30(図3参照)と、金型3を保持するための金型保持装置7と、を備えた押出成形装置1である。そして、流路装置30は、図5に示すように、一端側が押出機2の出口側に連通され、他端側が金型3の注入口38に連通される流路37aと、流路37aに連通して設けられて溶融物を貯留するための貯留部37b(図3参照)を有する流路形成部32と、流路形成部32を金型3に対して離接方向に移動可能に保持する保持体31と、保持体31に保持された流路形成部32を離接方向に移動させる駆動手段21と、貯留部37bの容積を調整するための容積調整手段39と、を備えている。
以下、各構成要件を図面に基づいて詳細に説明する。
押出成形装置は、図1および図2に示すように、一例として、原料を投入するためのホッパ6を有するベント式押出機2と、当該ベント式押出機2から押し出された溶融物を金型3に流入させるための流路装置30と、金型3を保持するための金型保持装置7と、を備えていることが好ましい。
また、ベント式押出機2の吐出口と、金型3と、は金型保持装置7に設置された流路装置30を介して連結されている。そして、金型保持装置7は、ベント式押出機2の吐出口側に配置され、金型保持装置7の金型移動方向における中央部付近に、流路装置30が設置されていることが好ましい。
また、金型保持装置7の上部には金型が設置されている。ここで、金型保持装置7の上部には走行レール5aが設けられ、この走行レール5a上に複数の金型3が移動可能に設置されていることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、複数の金型を使用することができ、金型への溶融物の注入効率を著しく向上させることができるためである。例えば、一つの金型に溶融物を注入した後、冷却する間に、次の金型に対して、溶融物を注入することができる。また、一つの金型が故障した場合であっても、別の金型を利用して生産を続けることもできる。よって、溶融物を注入までの待ち時間や、メンテナンス時間が実質的に不要となるため、成形品の生産効率を著しく高めることができる。
そして、流路装置30の入口側が、ベント式押出機2の吐出口に連結され、流路装置30の出口側が、金型3の注入口38に対して、連結可能に構成されている。
以上のように構成された押出成形装置1においては、ホッパ6から熱可塑性樹脂からなる粉砕品等の原料を投入し、ベント式押出機2によって、混錬および可塑化した後、必要量(成形品該当量)の溶融物を吐出することができる。すなわち、吐出された溶融物は、流路装置30を通じて金型3に流入し、冷却および固化されて成形品が製造されることになる。
一例として、ベント式押出機が好適に使用できるが、かかるベント式押出機としては、図1および図2に示すように、原料となる粉粒体を貯留するホッパ6を有し、ホッパ6に投入された原料を、混錬、可塑化可能な構造のものであれば特に制限されるものではない。例えば、単軸および多軸のスクリュー等の攪拌部材を備えたベント式押出機が使用可能である。
ただし、攪拌部材は、異なるメルトフローが混在する場合であっても、熱可塑性樹脂を可塑化できるものがより好ましい。すなわち、ベント式押出機2は、金型注入時の混合流体に対して、所定流速に応じて、輸送圧力を付与できる構成であることが好ましい。
また、図1に示すように、ベントポート8を設けることが好ましい。この理由は、このようにベントポート8を設けて、溶融物の脱水や脱気を実施することにより、構成樹脂が、本来相溶性を有しない複数樹脂であっても、ひずみが少なくなるためである。また、水分や空気の影響を排除することにより、硬質・厚肉の大型成形品を成形したであっても、残留応力を減少させた状態で、寸法安定性に優れた再生成形品やペレットを得ることができるためである。
なお、ベント式押出機2の駆動装置に関して、溶融物を、金型3まで送ることが可能な吐出圧を、ベント式押出機2に与える駆動力を発生できるものであれば、駆動機構その他について特に制限されるものではない。
(1)全体構成
図5は、流路装置30の構造を説明するために供する図であり、流路装置30の縦断面を示している。
本実施形態に係る流路装置30は、図5に示されるように、一端側がベント式押出機の出口側に連通され、他端側が金型3の注入口38に連通される流路37aと、流路37aに連通して設けられて溶融物を貯留できる貯留部37bを有する流路形成部32と、流路形成部32を金型3に対して離接方向に移動可能に保持する保持体31と、保持体31に保持された流路形成部32を離接方向に移動させる駆動手段21と、貯留部37bの容積を調整するための容積調整手段39と、を備えていることが好ましい。
なお、流路37aとは、ベント式押出機から吐出される溶融物が実質的に流動する箇所を意味し、流路形成部32とは、流路37aおよび貯留部37bの周囲に設けられた外筒等を意味する。
流路形成部32は、筒体からなる保持体31の内側に上下方向に移動可能に設置されている。流路形成部32の内部には、流路形成部32の上端から中央部に延びる流路37aが形成され、この流路37aの下方に流路37aに連続して貯留部37bが形成されている。流路形成部32の中央部には保持体31に設けられた流入口33に連通するための開口部36が設けられている。
また、流路形成部32の上端側には先端に向かって縮径するテーパ状の吐出口35が設けられていることが好ましい。この理由は、このようにテーパ状の吐出口35であれば、金型3の注入口38に容易に挿入できるためである。
一方、流路37aと貯留部37bの径を同一に設定することも好ましい。この理由は、このようにすることにより、貯留部37b内に設置したピストン39aを流路37a側まで移動させることができ、流路37a内に残留する溶融物を容易に排出できるためである。
保持体31は、金型保持装置7の架台4の側部に取付部材4aを介して取り付けられていることが好ましい。この理由は、金型保持装置7の架台4の側部に取り付けることで、保持体31の周囲空間を広く確保でき、保持体31に保持される流路形成部32等のメンテナンスおよび清掃が容易になるためである。
また、保持体31は、筒状体から構成され、流路形成部32を、離接方向、この場合は、上下方向に移動可能に保持することが好ましい。この理由は、流路形成部32を駆動装置21によって上下に移動することにより、流路形成部材32の上端の吐出口35を金型3の注入口38に対して離接(離したり接触させたりすること)可能に構成できるためである。
さらに、保持体31の側壁には、ベント式押出機2から吐出される溶融物が流入するための流入口33が設けられていることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、流路形成部材32を保持体31に対して上下動させることができ、流入口33が流路形成部32の開口部36と連通したり、連通を遮断したりできるためである。
さらにまた、流入口33には端部にフランジを有するガイド管34を設けることが好ましい。この理由は、このガイド管34によって、ベント式押出機2の吐出側との接続が容易になるためである。
駆動手段21は、図3に示されるように、シリンダ保持部23の下方に設置された第2シリンダ21から構成することが好ましい。そして、流路形成部32の下端部とシリンダ保持部23とを一体的に連結して第2シリンダ21のシリンダロッド20を伸縮させることにより、流路形成部32を上下動させるようにすることが好ましい。この理由は、シリンダロッド20を伸縮させることで、流路形成部32の先端部の吐出口35が金型3の注入口38に離接させることができるためである。
そして、シリンダロッド20を伸長させて吐出口35を注入口38に接触させた状態(図5参照)では、流路形成部32の開口部36と流入口33とが連通して、ベント式押出機2からの溶融物を金型3に流入させることができる。一方、シリンダロッド20を縮退させて吐出口35を注入口38から離した状態(図3参照)では、開口部36が保持体31の内壁に遮断され開口部36と流入口33とが連通しなくなり、ベント式押出機2からの溶融物が流路37aに流入しないようにできる。
容積調整手段39は、図3に示されるように、貯留部37b内に配置されたピストン39aと、当該ピストン39aを上下方向に移動させる第1シリンダ39bから構成することが好ましい。この理由は、ピストン39aを上下動させるだけで、貯留部37bの容積を自由に調整でき、流路37aの容積および金型3の貯留部の容積に応じた適切な容積を極めて簡単に設定できるためである。
以上のように構成された流路装置30の動作を図3〜図5に基づいて説明する。
図3は、金型3への溶融物の注入前の待機状態を示している。かかる待機状態においては、第2シリンダ21のシリンダロッド20を縮めた状態になっている。このとき、流路形成部32は、保持体31に対して相対的に下方に位置している。この状態では、吐出口35は金型3の注入口38から離れた状態になっているために、金型3を自由に移動させることができる。
また、流路37aの下端側の開口部36は保持体31の内壁によって遮断され、流入口33と流路37aは不連通状態になっている。また、貯留部内のピストン39aは、下降した状態になっている。
また、流路形成部32を上方に移動させると、流路形成部32は保持体31に対しても相対的に上方に移動する。そして流路形成部32の開口部36が保持体31の流入口33の位置に配置され、流路37aと流入口33が連通する。したがって、ガイド管34の流入口33と流路37aが連通して溶融物の流入路を形成することができる。
この状態でベント式押出機2を稼動して溶融物をガイド管34に送ると、溶融物は流路37aを通って注入口38から金型3に注入される。したがって、金型3に注入された溶融物は、金型内で垂直方向から水平方向に流れの向きを変え、金型全体に均一に拡散することができる。
このとき、金型3の注入口側に形成されている小室に溜まっている溶融物の一部も拡大した貯留部に流入することができる。したがって、流路37a側に封入されていた溶融物が拡大した貯留部に流入することにより、外部に吹き出すことなく、流路37a内の圧力が低下する。また、小室の溶融物が流入することにより、小室に残留する溶融物量が少なくなる。
なお、貯留部37bの径を流路37aの径よりも大きく設定しているために、ピストン39aの動きが小さくても拡大した貯留部の容量が大きくなり、流路37aおよび金型小室の残留溶融物を十分に貯留することができる。したがって、流路形成部32における貯留部37bの長さを短くでき、その結果、流路形成部32の全長を短くできるので、装置のコンパクト化が実現できる。
図3に示す状態では、金型3と流路形成部32が分離した状態であるので、金型3を走行レール5aに沿って移動させ冷却ゾーンに待機させ、新たな金型3を流路装置30の近傍に移動させることができる。そして、新たな金型3を流路装置30近傍へ移動させて、上記と同様の動作を繰り返すこととなる。
もっとも、流路37aの径と貯留部37bの径を同一にすることも好ましい。この理由は、ピストンを流路37a側にも押し上げることができ、流路37a内の溶融物を簡単に排出できるために、上述のとおり、容易に清掃をすることができるためである。
その他、貯留部37bの構成は上記のものに限られるものではない。すなわち、金型交換時等において流路37a側の溶融物を一時的に溜めることができる構成であれば、他の構成であってもよい。
(1)装置構成
金型保持装置7は、図3〜図7に示すように、架台4と、かかる架台4の上部に設置された走行レール5aと、走行レール5a上を走行するとともに金型3を保持する置台5bと、を備えていることが好ましい。この理由は、このように構成することにより、複数の金型を効率的に利用することができ、成形品の生産効率を著しく高めることができるためである。
また、図3〜図7に示す例では、置台5bの数が2個のものを示しているが、かかる2個の置台5bは、伸縮可能な少なくとも一つのシリンダ5cによって連結されていることが好ましい。この理由は、このように構成された金型保持装置7においては、互いに連結された2個の置台5bが一体となって走行レール上を移動することができるためである。したがって、一体物の一箇所をセンサ検知することにより、あるいは、置台5bの端部位置にストッパを設けるだけで、置台5bの位置、ひいては、金型3の位置を正確に制御することができる。
また、2個の置台5bはシリンダ5cの伸縮によって両者の間の距離を離隔させたり近接させたりできることが好ましい。この理由は、複数の置台5bの間に位置する流路装置30をメンテナンスする必要が生じる場合があるためである。
次いで、上記のように構成された金型保持装置7を用いた成型時の動作を説明する。
まず、図6に示すように、走行レール5aの中央部にある金型3に対して流路装置30(図6においては、流路装置30についての図示を省略している)の吐出口35を接続して溶融物の注入を行う。この時の動作の詳細は、流路装置30の説明において述べた通りである。
また、金型3への注入が完了すると、流路装置30の吐出口35を外して、2個の金型3を、図8に示すように、図中右方向へ移動させることが好ましい。この動作によって、図6の状態で中央にて溶融物が注入された金型3は図中右端に移動し、この位置で金型内の溶融物が冷えて固化する。一方、図6の状態で左端に位置していた金型3は、中央付近に移動した後、流路装置30に連結されて、溶融物の注入が行われる。
このように、本実施の形態においては複数の金型3をシャトルのように往復移動させて金型3への溶融物の注入を行うことができるために、効率的な作業が可能である。
なお、この例では置台5bを2台用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、3台以上の置台5bを用いた場合にも対応できることはいうまでもない。
(1)注入口の位置
金型については種々のものを利用することができる。ここで、図3〜図5に示したように、溶融物の注入口38を金型3の端部に設けることが好ましい。この理由は、金型3の一端側に注入口38を設けることで、流路装置30を金型保持装置7の側方に設けることができる(図3参照)。したがって、流路装置30を金型保持装置7のレール間に設置する場合に比較して、流路装置30の周囲に広い空間を確保でき、流路装置30の清掃やメンテナンスが容易になるためである。
一方、金型3の注入口38は、図10に示すように、金型3の中央部に設けることも好ましい。このように注入口38を金型3の中央部に設けると、金型3が長尺の場合にも溶融物が金型内に均等に流入するためである。したがって、金型3が長尺の場合には、注入口38の位置を金型3の長手方向の中央部付近に設けることがより好ましい。
なお、金型3の一端側に注入口38を設けた場合であっても、溶融物のメルトフローレートを調整することで、金型全体に溶融物を均等に充填させることができる。
金型3の開閉機構としては、例えば、図11、図12に示すように、金型3の両側にシリンダ51で駆動するパンタグラフ機構50を設けることが好ましい。このようにパンタグラフ機構50を用いることにより、金型3の開閉をスムーズに行うことができるとともに、省スペースにて開閉が可能となるためである。
第2の実施の形態は、原料を加熱溶融させて押し出すための押出機と、当該押出機から押し出した溶融物を金型に送るための流路装置と、金型を保持するための金型保持装置とを備えた押出成形装置を用いた押出成形方法である。そして、本実施の形態に係る押出成形方法は、原料を加熱溶融する加熱溶融工程と、流路装置の吐出口および金型の注入口を接続する接続工程と、押出機から吐出される溶融物を流路装置に形成された流路を通じて金型に注入する注入工程と、流路の容積を拡大して流路内の内圧を減圧するとともに金型側に残留する余分な溶融物を流路装置側に戻す減圧工程と、流路装置の吐出口と金型の注入口を切り離す切離工程と、を含む押出成形方法である。
原料としては熱可塑性樹脂等種々のものが利用できるが、ここでは、一例として、車両用フロントパネル、車両用バンパー、車両用内装品を原料としてリサイクル処理する場合について説明する。
なお、リサイクル処理する場合には、熱可塑性樹脂を主体とした異種成形品(異なる材料を複合的に貼り合わせた成形品)を実質的に分別せずに粉砕して、粉砕品とする粉砕工程が必要となる。
粉砕工程で使用する熱可塑性樹脂を主体とした異種成形品は、熱硬化性樹脂や無機材料等の含有量に対して、熱可塑性樹脂の含有量が多いことが好ましい。より具体的には、熱可塑性樹脂の含有量を、全体量に対して、55重量%以上の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる熱可塑性樹脂の含有量が55重量%未満の値になると、再生成形品やペレットにおける外観性が著しく低下するばかりか、ベント式押出機によって、混合流体の流速やメルトフローレートの調整が困難になる場合があるためである。
粉砕工程において、異種成形品からなる粉砕品を作成するにあたり、破砕機やせん断装置を用いて、例えば、粉砕品の粒度を0.01〜20mmの範囲内の値とすることが好ましい。
この理由は、かかる粉砕品の粒度が0.01mm未満の値になると、粉砕品を作成するのに過度に時間やコストを要する場合があるためである。一方、かかる粉砕品の粒度が20mmを超えると、ベント式押出機を用いたとしても、不均一に混合し、混合流体の流速やメルトフローレートの調整が困難になる場合があるためである。
さらに、異種成形品からなる粉砕品以外に、得られる再生成形品やペレットの用途に応じて、無機粒子、導電性粒子、非再生有機樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、粘度調整剤、顔料、染料および塗料等の一種単独または二種以上の組み合わせを、全体量に対して、0.1〜30重量%の範囲で添加することが好ましい。
加熱溶融工程は、ベント式押出機により、メルトフローレート等が異なる異種成形品を加熱溶融させて、混合流体を作成するための工程である。すなわち、混合流体における構成樹脂を均一に混合するとともに、ひずみを緩和して、金型内で得られる再生成形品やペレットに発生する残留応力を低減させることができる。
また、加熱溶融工程において、混合装置として、ベント式押出機を用いることにより、流動状態で、十分な脱水および脱気を図り、異種構成樹脂の間の相分離を有効に図ることができるとともに、機械的強度や外観性に優れた再生成形品やペレットを作成することができる。
したがって、加熱溶融工程において、当初は、複雑な絡まり状態の高分子鎖であっても、それをプラグフローとしてのせん断流に変えることができ、しかも、次工程で屈曲部を介して、流れ方向を変えて金型内に注入するため、大気圧下であっても、混合流体が、金型内で容易かつ均一に拡散することができる。
なお、加熱溶融工程において、異種成形品からなる粉砕品を50〜250℃に加熱し、得られる混合流体のメルトフローレートを5〜50g/分(ASTM D1238に準拠し、荷重2.16kg、温度190℃で測定)の範囲内の値に調整することが好ましく、さらに、100〜1,000,000mPa・秒の粘度に調整することが好ましい。
本実施の形態で用いる装置は、第1の実施の形態で説明したものを使用することができる。以下、第1の実施の形態で説明した流路装置30を用いた場合の接続工程について説明する。
図4に示すように、第2シリンダ21のシリンダロッド20を伸出させてシリンダ保持部23および流路形成部32を上方に移動させ、流路形成部32の先端にある吐出口35を金型3の注入口38に密接させる。このとき、流路形成部32の開口部36が保持体31の流入口33の位置に配置され、流路37aと流入口33が連通する。また、貯留部内のピストン39aを貯留部上端の段部37cまで移動させ、ピストン39aの上面を流路37aの流路壁の一部とする。つまり、ガイド管34の流入口33、流路37a、吐出口35および金型の注入口38が連通して接続工程が完了する。
注入工程は、押出機2から吐出される溶融物を流路装置30に形成された流路37aを通じて金型3に注入する工程である。
ここで、ベント式押出機2から金型3に至るまでの溶融物の流れ方向は、任意角度に調整することも可能である。例えば、上昇流、水平流、下降流、蛇行流あるいはこれらの組み合わせである。しかしながら、溶融物の流れ方向を、上昇流、特に、垂直流とすると、混合流体は、金型内で、より均一拡散できることから好ましい態様である。
また、注入工程を実施するにあたり、金型3の端部に注入口を設けて、混合流体を注入することが好ましい。この理由は、このように端部から注入すると、内部圧力の関係で、混合流体は、金型内で、より均一拡散できるためである。
なお、注入工程において、混合流体がより均一に拡散できるように、金型3を傾けたり、回転させたり、あるいは金型3に振動を与えることも好ましい。
減圧工程は、流路の容積を拡大して流路内の内圧を減圧するとともに金型側に残留する余分な溶融物を流路装置側に戻す工程である。
減圧工程においては、例えば図4に示すように、第1シリンダ39bを駆動してピストン39aを下降させ、流路37aと連通する貯留部37bの容積を拡大させることが好ましい。これによって、拡大した容積部に流路37a側に封入されていた溶融物が流入するとともに、金型3の注入口側に形成されている小室に溜まっている溶融物の一部も拡大した容積部に流入する。流路37a側に封入されていた溶融物が拡大した容積部に流入することで、流路37a内の圧力が減圧されるとともに、小室の溶融物が流入することで、小室に残留する溶融物量が少なくなる。
切離工程は、流路装置の吐出口と金型の注入口を切り離す工程である。
この切離工程は、例えば図3に示すように、第2シリンダ21のシリンダロッド20を縮め、流路形成部32を下方に移動させ吐出口35を金型3の注入口38から離すようにすることが好ましい。このとき、流路37a内の溶融物による内圧は減圧された状態になっているので、吐出口35から溶融物が噴出すことはない。また、金型3の小室に残留する溶融物もすでに流路37a側に流入しているので、吐出口35が注入口38から離れたとしても注入口38から流出することはない。したがって、溶融物の噴出あるいは流出による汚れが防止できる。
2 : 押出機
3 : 金型
4 : 架台
5a : 走行レール
5b : 置台
5c : シリンダ
7 : 金型保持装置
21 : 駆動手段
30 : 流路装置
31 : 保持体
32 : 流路形成部
35 : 吐出口
37a: 流路
37b: 貯留部
38 : 注入口
39 : 容積調整手段
Claims (8)
- 原料を加熱溶融させて押し出すための押出機と、当該押出機から押し出した溶融物を金型に流入させるための流路装置と、金型を保持するための金型保持装置と、を備えた押出成形装置であって、
前記流路装置は、
一端側が押出機の出口側に連通され、他端側が金型の注入口に連通される流路と、
当該流路に連通して設けられて溶融物を貯留するための貯留部を有する流路形成部と、
当該流路形成部を、前記金型に対して離接方向に移動可能に保持する保持体と、
当該保持体に保持された前記流路形成部を前記離接方向に移動させる駆動手段と、
前記貯留部の容積を調整するための容積調整手段と、
を備えることを特徴とする押出成形装置。 - 前記流路装置は、金型の端部に設けられた注入口に対して、連結できるように配置または移動可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の押出成形装置。
- 前記金型保持装置は、架台上に設置された走行レールと、当該走行レール上に設置された複数の置台と、これら複数の置台を連結するための連結手段と、を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の押出成形装置。
- 前記連結手段は、一つ以上のシリンダから構成してあり、前記複数の置台の間の距離が可変であることを特徴とする請求項3に記載の押出成形装置。
- 前記容積調整手段は、前記貯留部内を、当該貯留部の内壁に沿って移動可能なピストンを含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の押出成形装置。
- 前記貯留部の径を、流路の径よりも大きくすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の押出成形装置。
- 原料を加熱溶融させて押し出すための押出機と、当該押出機から押し出した溶融物を金型に送るための流路装置と、金型を保持するための金型保持装置と、を備えた押出成形装置を用いた押出成形方法であって、
前記流路装置の吐出口および前記金型の注入口を接続する接続工程と、
前記押出機から吐出される溶融物を、前記流路装置に形成された流路を通じて前記金型に注入する注入工程と、
前記流路の容積を拡大して当該流路内の内圧を減圧するとともに、前記金型側に残留する余分な溶融物を流路装置側に戻す減圧工程と、
前記流路装置の吐出口および前記金型の注入口を切り離す切離工程と、
を含むことを特徴とする押出成形方法。 - 前記金型保持装置上に、複数の金型を設置し、これら複数の金型の位置を移動させて、溶融物の注入と、溶融物の冷却とを交互に繰り返すことを特徴とする請求項7に記載の押出成形方法。
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JP2003277330A JP4151961B2 (ja) | 2003-07-22 | 2003-07-22 | 押出成形装置および押出成形方法 |
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