JP2005040889A - 工具の溝切削開始点の位置決め方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導光板製造用金型に反射角の異なった溝を切削加工する際の工具回動後、ワ−クに次ぎの溝を切削加工するために工具を正常な切り込み開始点に戻す方法。
【解決手段】工具ヘッドの回転軸心を通る鉛直線と、工具ヘッドの回転軸心とバイトを結ぶ直線とが回転軸心で交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とバイトを結ぶ直線の長さをRとして、次式1よりRを、式2よりβの値を算出し、角度γバイトを回動した後、開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す位置(Y,Z)を次式3と式4より算出する。
式1 R={(Y−Y+(Z−Z1/2 /2sin(α/2)
式2 β=cos−1{(Z−Z)/2R・sin(α/2)}−α/2
式3 Z=R{sin(β+γ)−sin β}
式4 Y=R{cos β−cos(β+γ)}
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
液晶表示板のバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板の製造に用いる導光板金型へダイヤモンドバイトを用いて溝を切削加工する、あるいは、電鋳により導光板製造用金型を製造するに用いる金属蒸着した樹脂板に溝を施した電極を製造することが行われる。
本発明は、導光板の輝度を均一とするため溝の反射角度を異なるように加工する際に、この角度に応じてダイヤモンドバイトをNC切削装置の回転軸廻りに回動させ、ワ−クに次ぎの溝を切削加工する際にダイヤモンドバイトを切削開始点に位置させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ノ−トパソコン、携帯電話、カ−ナビゲ−ション等の液晶表示装置の光拡散板としてバックライトまたはフロントライトに用いる溝を複数有する導光板が使用されている。図7に溝切導光板を用いたバックライト構造の一例を示す。図中、AはLEDまたはランプ、Bは反射シ−ト、Cは導光板、Dは拡散反射処理面、Eは拡散シ−ト、Fはレンズシ−トである。
【0003】
一般的なLEDバックライトの構造では、サイドまたは下に置かれたLED光が導光板に入射し、その導光板下面に作りこまれた溝状の拡散体により拡散されて液晶へ入射する。この光拡散板は、ダイヤモンドバイト(刃先)や超硬合金(タングステン炭素)刃先を有するV字状切刃を用いてマスタ−の金型ブロック材にV字状溝をバイト(切削)加工し、この溝切り加工された金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0004】
一般に、導光板の溝深さは、3〜12μmで、ピッチ幅Pは、0.02〜0.5mmであり、ピッチ幅は同一であっても、等差級数的に暫時減少させてもよい。例えば、Pn+1=P−0.013(P=0.4mm)である。
【0005】
また、銀を12〜30nmの厚み蒸着したポリメチルメタクリレ−ト樹脂板(厚み2〜4mm)の銀蒸着面側をダイヤモンドバイトにより溝切りしたものを電極として用い、鉄鋼を電鋳して金型ブロック材を製造し、この金型ブロック材を一部として組み立てた射出成形金型のキャビティ内に溶融したポリメチルメタクリレ−ト樹脂を射出成形することにより得られる。
【0006】
金型ブロック材や金属蒸着樹脂板電極のワ−クに直線状の溝を従来の導光板切削装置を用いる加工時間よりは1/3の加工時間で切削方法として、左右方向に移動可能なテ−ブル上にワ−クを載置した後、鉛直方向に昇降可能で、かつ、前後方向に移動可能に設けたダイヤモンドバイトを用いてワ−クとダイヤモンドバイトの相対的な動きによりワ−ク表面に一方向の溝を多数切削加工するワ−クの溝切方法であって、ワ−クを載置するテ−ブルを左右方向に移動する駆動はサ−ボドライブリニアモ−タを用い、テ−ブルの左右往復移動時の往移動時または復移動時にワ−ク表面にダイヤモンドバイトを下降させて指定量だけワ−クへの切り込み・切削を行い、ワ−クへの切り込み・切削が行われたテ−ブル移動方向とは反対方向へのテ−ブル移動時は、ダイヤモンドバイトをワ−クに接触しない高さに上昇させてワ−クの切り込み・研削を行わないようにするとともに、切り込み・切削が行われない時のテ−ブルの移動速度を、切り込み・切削が行われる時のテ−ブル移動速度の2倍以上とすることを特徴とする、ワ−クの溝切方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、その方法を具体化する切削装置も株式会社 岡本工作機械製作所より導光板金型加工機LCD315Liの商品名で市販され、実用化されている。
【0007】
また、導光板における多数の反射面は、その反射面の輝度を均一とするため光源からの距離により角度を変えることがあり、研削装置の回転軸に切削工具アタッチメントを備え、このアタッチメントに設けたハ−モニックドライブ減速機の回動軸に切削工具を備えさせ、切削工具の角度調整を可能とした導光板金型切削装置が提案された(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開2003−48112号公報(第3−5頁および図1参照)
【特許文献2】
特開2003−39229号公報(第3−5頁および図1、図3参照)
【0009】
前記導光板金型加工機を開示する特許文献2は、ダイヤモンドバイトの切削角度を切削方向(X軸方向)と直交するZ軸方向に切削ヘッドの回転軸廻りに回動させて行い、ダイヤモンドバイトを下降させてワ−クに当接させて溝加工する記載はなされているが、ワ−クに次ぎの溝を切削加工する際にダイヤモンドバイトを切削開始点に位置させる具体的方法を開示していない。
【0010】
現在では、導光板金型のNC切削装置にはレ−ザ−と撮像カメラを利用した非接触3次元測定装置が付属され、回動されたダイヤモンドバイトの刃先の画像信号より座標系をコントロ−ラで求め、ついで、基準点とのズレをコントロ−ラで指示し、ダイヤモンドバイトの刃先を基準点位置に移動させることが行われている。
【0011】
非接触3次元測定装置をNC切削装置の作業現場に付属させることは作業場所を狭くする。また、ダイヤモンドバイトの回動の毎に非接触3次元測定装置を用いてダイヤモンドバイトの刃先の位置座標を求め、切削開始点の位置に移動させることに時間を要し、その溝の本数が多い故にワ−クに多数の溝を切削加工する時間が長時間となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非接触3次元測定装置をNC切削装置の作業現場に付属させることなく、NC切削装置の制御ユニットのメモリに記憶された加工プログラムと入力される加工条件によりワ−クに溝加工できるNC切削装置を提供するために、その加工条件のダイヤモンドバイトの刃先を角度γ回動させたときの切削開始点へ戻す距離を決める方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1は、NC切削装置の制御ユニットのメモリ部に記憶されている溝加工プログラムに従って、記録部に入力された切削開始基準点位置およびピッチ幅Pだけダイヤモンドバイトを前後方向に移動し、ワ−クに溝が逐次加工される毎にダイヤモンドバイトの刃先の向きが変更されてワ−クの溝反射面の長手方向と直角方向における異なった位置に変更される際の溝底を通る鉛直線に対するダイヤモンドバイトの刃先と回転軸中心を結ぶ直線のなす角度γに基づいて、NC切削装置の左右方向(X軸方向)に移動可能なテ−ブル上にワ−クを載置し、上下方向(Y軸方向)に昇降可能で、かつ、前後方向(Z軸方向)に移動可能に設けた工具ヘッドの回転軸に回動自在に取り付けられたダイヤモンドバイトを用いてワ−クとダイヤモンドバイトの相対的な動きによりワ−ク表面に溝を多数切削加工する際のワ−クに対する工具の溝切削開始点を位置決めする方法であって、前記ダイヤモンドバイトの刃先が前記角度γとなるように回転された後に次ぎの溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す位置を次の工程を経て決定することを特徴とする、工具の溝切削開始点の位置決め方法を提供するものである。
(1)ダミ−ワ−クをテ−ブル上に載置し、ダイヤモンドバイトを下降してダミ−ワ−クにダイヤモンドバイトを当接させて当接点Oを切削開始基準点(X,Y,Z)=(0,0,0)としてその座標位置を検出する。
(2)テ−ブルを移動させてダミ−ワ−ク表面に1本の直線を描く。
(3)所望の角度α(但し、αは1から45度の角度である。)だけダイヤモンドバイトを工具ヘッドの回転軸廻りに回動させた後、ダイヤモンドバイトを下降してダミ−ワ−クにダイヤモンドバイトを当接させ、その当接点Sを計算点(X,Y,Z)とし、その座標位置を検出する。
(4)テ−ブルを移動させて前記(2)工程で得た直線に平行な直線をダミ−ワ−ク表面に描く。
(5)ダミ−ワ−ク表面に描かれた前記2本の直線間の距離(Z−Z)を測定する。
(6)工具ヘッドの回転軸心を通る鉛直線と、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線とが回転軸の中心点で交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線の長さをRとして、次式1よりRを、式2よりβの値を算出する。
R={(Y−Y+(Z−Z1/2 /2sin(α/2) …1
β=cos−1{(Z−Z)/2R・sin(α/2)}−α/2 …2
(7)上記Rとβの値をNC切削装置の記録部に入力する。
(8)前記角度γとなるようにダイヤモンドバイトが回転軸の廻りに回動された後、溝加工プログラムに従って制御ユニットの演算部で溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す距離(Y,Z)を次式3と式4より算出する。
=R{sin(β+γ)−sin β} …3
=R{cos β−cos(β+γ)} …4
(9)ダイヤモンドバイトをZ軸方向にZだけ後退させるとともに、Y軸方向にYだけ下降させてダイヤモンドバイトを溝切削開始点に位置させる。
【0014】
工具の回転軸心とダイヤモンドバイト間の直線距離Rおよび基準点と工具の回転軸心を結ぶ直線が工具の回転軸心を通る鉛直線と成す角度βとから、ダイヤモンドバイト回動後、切削基準点(X座標は0)にダイヤモンドバイトを戻す距離ZおよびYが算出できる。
よって、非接触3次元測定装置をNC切削装置の作業現場に付属させることなく、加工プログラムに基づいてワ−クに溝を連続して加工することができるので、従来のようなダイヤモンドバイトの回動毎に非接触3次元測定装置で刃先位置を確認する作業時間が省略でき、ワ−ク1個仕上げる切削加工時間が大幅に短縮される。
【0015】
請求項2の発明は、前記工具の溝切削開始点の位置決め方法において、工程(5)のダミ−ワ−ク表面に描かれた2本の直線間距離(Z−Z)の測定を、NC切削装置からワ−クを取り外し、2次元CCDカメラを取り付けた光学顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする。
【0016】
テ−ブルの送り精度およびダイヤモンドバイトのサ−ボモ−タドライブによる送り精度0.1μmよりもミクロなナノメ−トルのレベルで距離を測定できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
【実施例】
以下、図を用いて本発明をさらに詳細に説明する。
図1はワ−クである導光板金型にダイヤモンドバイトで加工された溝の部分正面図、図2は本発明方法において、工具ヘッドの回転軸心を通る鉛直線と、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線とが回転軸の中心点で交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線の長さをRとした場合のRとβを算出する原理を示す図、図3はワ−クに描かれた2本の直線を示す斜視図、図4は本発明方法において、前記Rおよびβの値と、ダイヤモンドバイト回動角度γとからダイヤモンドバイトを切削開始基準点に戻す距離Z,Yを算出する原理を示す図、図5はNC切削装置の側面図、および図6はNC切削装置の正面図である。
【0018】
図5および図6に示すNC切削装置において、1はNC切削装置、2はワ−ク、3はチャック、4は左右の水平方向(X軸方向)に往復移動可能なテ−ブル、5はテ−ブルサ−ボドライブモ−タ、6は前後方向(Z軸方向)に往復移動可能なサドル、7はコラム、8は保持具取付材、9はバイト保持具(シャンク)、10はダイヤモンドバイト(刃先)、11はア−ム、12は固定ボルト、13は工具ヘッド、14は回転軸、15は回転軸駆動サ−ボモ−タ、16は軸受、17はサドル前後移動サ−ボドライブモ−タ、18はア−ム昇降サ−ボモ−タ、および19はベッドである。なお、NC切削装置1はテ−ブルにX軸リニアスケ−ル、サドルにZ軸リニアスケ−ル、コラムにY軸リニアスケ−ルを備えている。
【0019】
ア−ム11の先端には工具ヘッド13が取り付けてあり、ア−ム11はア−ム昇降サ−ボモ−タの駆動を図に示されていないボ−ルネジが受け、ボ−ルネジに螺合されているスライダにア−ム11は取り付けられている。
【0020】
ベッド19は前記サドル6を載せており、サ−ボドライブモ−タ17の駆動を受けてサドルを前後方向(Z軸方向)に移動可能としている。サドル6の後部にはコラム7が立架され、前述したようにコラム7前面にア−ム11が設けられ、ア−ム昇降サ−ボモ−タの駆動により昇降自在となっている。サドル6がテ−ブル4に対し前後移動することによりコラム7に取り付けられたダイヤモンドバイト10がワ−ク2に対し、前後方向に移動する。
【0021】
ダイヤモンドバイト10の刃先形状は、先丸状、六角錐状またはV状であり、刃先の高さは0.5〜5mmが一般である。ダイヤモンドバイト10の刃先は、ワ−ク2の加工方向長手(X軸方向)を向く。
【0022】
サ−ボモ−タ15の駆動により回転軸14は回転する。回転軸14の前側に湖底ボルト12で保持具(シャンク)9は固定され、シャンクの下部に接着されたダイヤモンドバイト10を回転軸14の軸心廻りにサ−ボモ−タ15の駆動を受けて回動可能となっている。回動はワ−ク2の加工方向長手(X軸方向)と直交するZ軸方向である。ワ−クに切削加工される反射角γに応じてダイヤモンドバイト10は回転軸14廻りに回転される。この反射角γは、導光板金型の図面より溝n本におけるi番目の溝の角度γを読み取り、制御ユニット(CPU)30の記録部(RAM)に入力しておく。
【0023】
ダイヤモンドバイト10の回転軸14軸心廻りの回動によりダイヤモンドバイト10の刃先は次ぎの溝の切削加工を行う切削開始点より位置がずれる(X軸座標は0で変わらない)ので、回動されたダイヤモンドバイト10の刃先を切削開始点に戻すZ軸方向の戻しとY軸方向の下降を行なう位置補正が必要となる。
このダイヤモンドバイト10の刃先を切削開始点に戻す距離Zと下降距離Yは、反射角γに応じて次ぎの工程を経て求めることができる。図2、図3および図4を用いてその位置決め方法を説明する。
【0024】
(1)ダミ−のワ−ク2をテ−ブル4上に載置し、サ−ボモ−タ18の駆動でダイヤモンドバイト10を下降してダミ−ワ−クにダイヤモンドバイトを当接させて当接点Oを切削開始基準点(X,Y,Z)=(0,0,0)としてその座標位置を検出する。
【0025】
(2)テ−ブル4を右方向に移動させてダミ−ワ−ク表面に1本の直線を描き、ダイヤモンドバイト10をテ−ブル右反転位置で上昇させる。
【0026】
(3)所望の角度α(但し、αは1から45度の角度である。)、例えば30度だけダイヤモンドバイト10を工具ヘッド13の回転軸14廻りにサ−ボモ−タ15を駆動させることにより回動させた後、ダイヤモンドバイト10をサ−ボモ−タ18の駆動により下降してダミ−ワ−ク2にダイヤモンドバイトを当接させ、その当接点Sを計算点(X,Y,Z)とし、その座標位置を検出する(図2参照)。
【0027】
(4)テ−ブル4を右方向に移動させて前記(2)工程で得た直線に平行な直線をダミ−ワ−ク表面に描き(図3参照)、ダイヤモンドバイト10をテ−ブル右反転位置で上昇させる。
【0028】
(5)ダミ−ワ−ク2をNC切削装置1のテ−ブル4より取り去り、2次元CCDカメラを光学顕微鏡に接合した非接触2次元位置測定装置のX−Zステ−ジ上に載置し、ダミ−ワ−ク表面に描かれた前記2本の直線間の距離(Z−Z)を測定する。
【0029】
(6)工具ヘッドの回転軸14の軸心14aを通る鉛直線hと、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイト10を結ぶ直線hとが回転軸心14aで交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線の長さをRとして、次式1よりRを、式2よりβの値を算出する(図2参照)。
R={(Y−Y+(Z−Z1/2 /2sin(α/2) …1
β=cos−1{(Z−Z)/2R・sin(α/2)}−α/2 …2
【0030】
(7)上記Rとβの値をNC切削装置1の記録部(RAM)に入力する。
【0031】
(8)角度γとなるようにダイヤモンドバイトが回転軸の廻りに回動された後、記憶部(ROM)に格納された溝加工プログラムに従って制御ユニットの演算部で溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す位置(Y,Z)を次式3と式4より算出する(図4参照)。
=R{sin(β+γ)−sin β} …3
=R{cos β−cos(β+γ)} …4
【0032】
従って、前記溝加工プログラムに上記式3と式4を組み込ませておけば、ダイヤモンドバイトが回転軸の廻りにサ−ボモ−タ15により角度γ回動されるとその発信信号が制御ユニット(CPU)の演算部で溝加工プログラムに従って溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す距離(Y,Z)を演算し、サ−ボモ−タ17とサ−ボモ−タ18に指令信号が発せられ、ダイヤモンドバイト10はZ軸方向にZだけ戻され、Y軸方向にYだけ下降され、次の溝を切削する開始点Kに位置する(図4参照)。
【0033】
かかる図5及び図6で示されるNC切削装置1を用い、ワ−ク2に直線状に平行に並んだ複数のV字状溝を切削加工するには、先ず、左右(X軸)方向に移動可能なテ−ブル4上にワ−ク2を載置し、制御ユニットの操作盤40より加工プログラムとして溝切削加工プログラムを選択し、ついで、表示板に表示された指令に基づいて切削基準点O、工具切り込み開始点位置、工具反転位置、溝深さt、溝数n、バイト切り込み量t、テ−ブル反転時のバイト上昇量、テ−ブル往移動速度、テ−ブル復移動速度、移動ピッチ幅P、(6)の工程で求めたRおよびβの値、各溝における反射角度γ等の加工条件を入力する。
【0034】
ついで、操作盤40の始動ボタンを押し、テ−ブル4、サドル6を移動させた後、昇降機構18によりダイヤモンドバイト10の刃先位置を待避位置に移動させる。
【0035】
操作盤40の開始ボタンを押して昇降機構18により切削切り込み開始基準点にダイヤモンドバイト10を下降(−Y軸方向)させ、テ−ブル4を左右方向に移動させることにより、テ−ブル5が左方向から右方向(+X)に移動する際は金型材のワ−ク2に対して深さα量切り込み・溝切削が行われ、テ−ブル4が右反転するとダイヤモンドバイト10切刃がワ−ク2に接触しない高さに上昇し、テ−ブル4が右方向から左方向(−X)に移動する際はダイヤモンドバイト10による溝加工は行われない。以下、切り込みを続けて溝深さがtとなるまで加工を行う。
【0036】
テ−ブル4が右反転位置に到達すると、ダイヤモンドバイト10はサ−ボモ−タ18の駆動により待機位置まで上昇される。
ついで、サドル6が溝のピッチ幅P後退された後、ダイヤモンドバイト10をサ−ボモ−タ18で開始点まで下降させ、引き続いてダイヤモンドバイト10をサ−ボモ−タ15の駆動で回転軸14の廻りに角度γ回動すると、回動終了の発信信号を受けた制御ユニットよりサ−ボモ−タ17にサドルを距離Z戻す指示信号が発信されるとともに、サ−ボモ−タ18にア−ム11をY下降する指示信号が発信され、ダイヤモンドバイト10は次ぎの溝を加工する正しい切削開始点に位置に補正され、次ぎの溝の切削が開始される。
【0037】
以下、同様にして所望するn本の溝の切削加工が終了したら、テ−ブル4、サドル6の移動を停止し、ダイヤモンドバイト10を昇降機構18により待避位置まで上昇させた後、加工ワ−クをNC切削装置より取り出し、洗浄し、乾燥させる。
【0038】
【発明の効果】
本発明の溝切削開始点の位置決め方法は、従来のような非接触3次元測定装置をNC切削装置の作業現場に付属させることなく、加工プログラムに基づいてワ−クに溝を連続して加工することができるので、ダイヤモンドバイトの回動毎に非接触3次元測定装置で刃先位置を確認する作業時間が省略でき、ワ−ク1個仕上げる切削加工時間が大幅に短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】導光板金型にダイヤモンドバイトで加工された溝の部分正面図である。
【図2】工具ヘッドの回転軸心を通る鉛直線と、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線とが回転軸の中心点で交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線の長さをRとした場合のRとβを算出する原理を示す図である。
【図3】ワ−クに描かれた2本の直線を示す斜視図である。
【図4】Rおよびβの値と、ダイヤモンドバイト回動角度γとからダイヤモンドバイトを切削開始基準点に戻す距離Z,Yを算出する原理を示す図である。
【図5】NC切削装置の側面図である。
【図6】NC切削装置の正面図である。
【図7】溝切導光板を用いたバックライト構造の斜視図である(公知)。
【符号の説明】
1 NC切削装置
2 ワ−ク
3 チャック
4 テ−ブル
6 サドル
7 コラム
10 ダイヤモンドバイト(工具)
14 回転軸
15 回転軸駆動サ−ボモ−タ

Claims (2)

  1. NC切削装置の制御ユニットのメモリ部に記憶されている溝加工プログラムに従って、記録部に入力された切削開始基準点位置およびピッチ幅Pだけダイヤモンドバイトを前後方向に移動し、ワ−クに溝が逐次加工される毎にダイヤモンドバイトの刃先の向きが変更されてワ−クの溝反射面の長手方向と直角方向における異なった位置に変更される際の溝底を通る鉛直線に対するダイヤモンドバイトの刃先と回転軸心を結ぶ直線のなす角度γに基づいて、NC切削装置の左右方向(X軸方向)に移動可能なテ−ブル上にワ−クを載置し、上下方向(Y軸方向)に昇降可能で、かつ、前後方向(Z軸方向)に移動可能に設けた工具ヘッドの回転軸に回動自在に取り付けられたダイヤモンドバイトを用いてワ−クとダイヤモンドバイトの相対的な動きによりワ−ク表面に溝を多数切削加工する際のワ−クに対する工具の溝切削開始点を位置決めする方法であって、前記ダイヤモンドバイトの刃先が前記角度γとなるように回転された後に次ぎの溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す位置を次の工程を経て決定することを特徴とする、工具の溝切削開始点の位置決め方法。
    (1)ダミ−ワ−クをテ−ブル上に載置し、ダイヤモンドバイトを下降してダミ−ワ−クにダイヤモンドバイトを当接させて当接点Oを切削開始基準点(X,Y,Z)=(0,0,0)としてその座標位置を検出する。
    (2)テ−ブルを移動させてダミ−ワ−ク表面に1本の直線を描く。
    (3)所望の角度α(但し、αは1から45度の角度である。)だけダイヤモンドバイトを工具ヘッドの回転軸廻りに回動させた後、ダイヤモンドバイトを下降してダミ−ワ−クにダイヤモンドバイトを当接させ、その当接点Sを計算点(X,Y,Z)とし、その座標位置を検出する。
    (4)テ−ブルを移動させて前記(2)工程で得た直線に平行な直線をダミ−ワ−ク表面に描く。
    (5)ダミ−ワ−ク表面に描かれた前記2本の直線間の距離(Z−Z)を測定する。
    (6)工具ヘッドの回転軸心を通る鉛直線と、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線とが回転軸心で交わる角度をβとし、工具ヘッドの回転軸心とダイヤモンドバイトを結ぶ直線の長さをRとして、次式1よりRを、式2よりβの値を算出する。
    R={(Y−Y+(Z−Z1/2 /2sin(α/2) …1
    β=cos−1{(Z−Z)/2R・sin(α/2)}−α/2 …2
    (7)上記Rとβの値をNC切削装置の記録部に入力する。
    (8)前記角度γとなるようにダイヤモンドバイトが回転軸の廻りに回動された後、溝加工プログラムに従って制御ユニットの演算部で溝を切削加工する開始点の位置にダイヤモンドバイトを戻す位置(Y,Z)を次式3と式4より算出する。
    =R{sin(β+γ)−sin β} …3
    =R{cos β−cos(β+γ)} …4
    (9)ダイヤモンドバイトをZ軸方向にZだけ後退させるとともに、Y軸方向にYだけ下降させてダイヤモンドバイトを溝切削開始点に位置させる。
  2. 工程(5)のダミ−ワ−ク表面に描かれた2本の直線間距離(Z−Z)の測定が、ワ−クをNC切削装置から取り外し、2次元CCDカメラを取り付けた光学顕微鏡を用いて測定されることを特徴とする、請求項1に記載の工具の溝切削開始点の位置決め方法。
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JP2021518038A (ja) * 2018-04-13 2021-07-29 華南理工大学 リチウムイオン電池用の複合微細構造集電体及びその製造方法

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JP2021518038A (ja) * 2018-04-13 2021-07-29 華南理工大学 リチウムイオン電池用の複合微細構造集電体及びその製造方法
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