JP2005040884A - 光学レンズのレイアウト治具及びレイアウト方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学レンズとブロック治具の位置合わせを行う際に、光学レンズ及びブロック治具の輪郭を基準に位置合わせを行い、レイアウトに要する時間、レイアウト精度を改善するレイアウト治具及びレイアウト方法を提供する。
【解決手段】光学レンズの輪郭形状に形成された光学レンズ位置決め部と、光学レンズの形状を創成する加工装置のチャックに装着するためのブロック治具の輪郭形状に形成されたブロック治具位置決め部とを有するレイアウト治具を用いることで、レイアウトに要する時間、レイアウト精度を改善する。
【選択図】 図3
【解決手段】光学レンズの輪郭形状に形成された光学レンズ位置決め部と、光学レンズの形状を創成する加工装置のチャックに装着するためのブロック治具の輪郭形状に形成されたブロック治具位置決め部とを有するレイアウト治具を用いることで、レイアウトに要する時間、レイアウト精度を改善する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学レンズとブロック治具との中心位置合わせに適したレイアウト治具及びレイアウト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業分野の中で光学レンズと呼ばれるものとしては、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、ステッパー用集光レンズ、眼鏡等に用いられるものが挙げられる。これらの中でも特に眼鏡レンズは、成形後に機械加工により屈折面の形状創成を行う比率が高く生産数量も多いことから、プラスチック製の眼鏡レンズを例に挙げて説明する。
【0003】
眼鏡レンズの生産方法には、成形型により片面に光学面を転写し、他の対向する面は顧客の眼鏡処方に合わせて二次加工が可能となる加工代を加味し、厚肉に形成された被加工物(以降、セミフィニッシュレンズという。)に対して、眼鏡処方に合わせて切削、研磨加工して光学面を形成し眼鏡レンズを製造する方法がある。
【0004】
このようなセミフィニッシュレンズを加工する前に、加工装置に取り付けるためのブロック治具にセミフィニッシュレンズを配置するレイアウト工程が行われる。このレイアウト工程では、ブロック治具の幾何学中心にセミフィニッシュレンズの光学中心を正確に合わせ、かつ、ブロック治具に対してセミフィニッシュレンズを所定の方向に配置する。
【0005】
レイアウト工程後、セミフィニッシュレンズとブロック治具とをレイアウト工程で配置した状態を維持したまま低融点金属などで両者を接合するブロッキング工程が行われ、その後、ブロック治具を加工装置に装着してセミフィニッシュレンズの加工が行われる。
【0006】
図7に示す通り、通常、セミフィニッシュレンズ70の光学面(凸面が多い)には、成形型から転写された隠しマーク71、例えばS字形状のマークが設けられている。この隠しマーク71は、眼鏡レンズの光学中心を検出するために、複数箇所例えば2箇所に刻印されている。これらの2箇所の隠しマーク71の中心点72が、光学中心であり、受注された眼鏡レンズの眼鏡処方の度数を満たしているかを測定する度数の測定基準点である。かつ、レイアウト工程で位置決めの基準点として、隠しマーク71は眼鏡レンズの位置合わせマークとして機能している。セミフィニッシュレンズ70をブロック治具に位置合わせするレイアウト工程では、作業者が隠しマーク71から割り出した主子午線方向や水平方向をダイヤペンなどでセミフィニッシュレンズ4に刻印し、その刻印をブロック治具の所定の位置に合わせてセットしている。
【0007】
ところが、セミフィニッシュレンズの一部には隠しマーク等の位置合わせ基準点を持たないものが存在する。従来、このようなセミフィニッシュレンズをブロック治具に位置合わせするには、作業者が目視によりリング状治具の外径とセミフィニッシュレンズの外径を基準として位置合わせを行っていた。(このような位置合わせに関しては、該当する先行技術文献はない。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、作業者が目視により位置合わせを行う方法では、作業者によってレイアウト位置がばらつく等、精度上問題があったほか、隠しマークが存在するセミフィニッシュレンズに比べて位置合わせに要する時間が長くなるといった問題を有していた。
【0009】
これらの問題は眼鏡レンズのみに留まらず、位置合わせ基準点を持たない光学レンズとブロック治具との位置合わせ作業を行う場合においては、全ての光学レンズに起こりうる問題である。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、位置合わせ基準点を持たない光学レンズの光学中心とブロック治具との幾何学中心を、作業者の目視によらず位置合わせすることができるレイアウト治具を提供すると共に、このレイアウト治具を用いて位置合わせ精度を向上し、位置合わせ時間を短縮させるレイアウト方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、光学レンズの形状を創成する加工装置のチャックに装着するためのブロック治具の幾何学中心と光学レンズの光学中心とを合わせて配置するレイアウト治具であって、光学レンズの輪郭形状に対応した形状に形成された光学レンズ位置決め部と、ブロック治具の輪郭形状に形成されたブロック治具位置決め部とを有するレイアウト冶具により、達成される。
【0012】
第1の発明の構成によれば、位置合わせ基準点を持たない光学レンズの光学中心とブロック治具の幾何学中心とを、作業者の目視によらず、光学レンズの輪郭とブロック治具の輪郭を基準にして位置合わせすることができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明の構成において、光学レンズ位置決め部が光学レンズの外周部の一部もしくは全周に対応することを特徴とする。
【0014】
第2の発明の構成によれば、光学レンズ位置決め部は、光学レンズをブロック治具の幾何学中心に位置合わせすることが出来ればよく、光学レンズの形状、取り扱い、求める精度等により、その形状を最適にすることで所望のレイアウトが可能となる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明の構成において、前記光学レンズ位置決め部内周部から外側に向かって開放された切り欠き部を1個所もしくは2箇所以上有し、前記切り欠き部より前記光学レンズを操作することを特徴とする。
【0016】
第3の発明の構成によれば、この光学レンズ操作部は、第2の発明と同様に、光学レンズの形状、取り扱い、求める精度等により、その形状を最適にすることで所望のレイアウトが可能となる。例えば、光学レンズの着脱、回転を容易にするための指が入る部位として機能させることができる。また、レイアウト治具を軽量化し、レイアウト工程の作業性を向上させることができる。
【0017】
第4の発明は、第1〜3いずれかの発明のレイアウト治具を用いて光学レンズとブロック治具とをレイアウトするレイアウト方法であって、ブロック治具の外周部に前記ブロック治具位置決め部を挿入させ、光学レンズ外周部を前記光学レンズ位置決め部に挿入させ、前記切り欠き部より前記光学レンズを操作し、回転方向位置を合わせ、光学レンズとブロック治具をレイアウトする方法であることを特徴とする。
【0018】
第4の発明の構成によれば、例えば眼鏡レンズの生産方法においては、ブロック治具にセミフィニッシュレンズを位置決めする際に、ブロック治具へレイアウト治具を挿入した状態で、セミフィニッシュレンズを光学レンズ位置決め部に沿ってブロック治具へ挿入することで、ブロック治具の幾何学中心とセミフィニッシュレンズの光学中心とを正確に合わせて配置することが可能である。また、レイアウト治具を用いることにより機械的に位置が決定するため、作業者の目視による位置合わせに比べ時間短縮が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、眼鏡レンズのレイアウト工程を例にとって、図面を参照しながら説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
図1から6は、本発明の一実施の形態を示すものである。
【0021】
図1と図2は、レイアウト治具の例である。いずれの図もブロック治具の幾何学中心とセミフィニッシュレンズの光学中心を合わせて配置するレイアウト治具の概略図で、図1はブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具に対応するレイアウト治具(以下レイアウト治具(A)とする)、図2はブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具に対応したレイアウト治具(以下レイアウト治具(B)とする)を示す。以下の説明では、この2通りのレイアウト治具について、実施の形態を区分けして説明する。
【0022】
1つ目の実施の形態として、図1のレイアウト治具(A)10は、光学レンズ位置決め部11とブロック治具位置決め部12とを備える。この図中では、セミフィニッシュレンズの外周部に対応する光学レンズ位置決め部11を90度毎に4箇所に分けて配置し、指でセミフィニッシュレンズの着脱、回転等の操作を容易するための切欠部を有している。但し、光学レンズ位置決め部の形状に関しては、この図1の形態に限定されるものではない。例えば、図示しないセミフィニッシュレンズの全周に対応した形状の光学レンズ位置決め部でも良い。また、切欠部を有する場合においては、セミフィニッシュレンズの光学中心をブロック治具の幾何学中心に合わせることができれば、切欠部の幅、深さ、配置等に制約はない。また、セミフィニッシュレンズおよびブロック治具の外周形状、大きさがそれぞれ1種類に限定されている場合、レイアウト治具も1種類で対応できるが、セミフィニッシュレンズ及びブロック治具の外周形状、大きさが複数種類ある場合は、それぞれの組み合わせに応じて複数のレイアウト治具を用意しておく必要がある。さらに、光学レンズ位置決め部11の内径は、挿入するセミフィニッシュレンズの外径に対して、僅かに大きいことが望ましい。例えば、光学レンズ位置決め部の内径が、セミフィニッシュレンズの外径に対して、望ましくは0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。仮にこの内径が0.2mmより小さい場合であれば着脱が困難になり、0.5mmより大きい場合になるとレイアウトの精度が得られ難くなる。同様に、ブロック治具位置決め部12の内径についても、挿入するブロック治具の外径に対して僅かに大きいことが望ましい。この大きさについても、ブロック治具の外径に対して0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。0.2mmより小さい場合、0.5mmより大きい場合については、上記光学レンズ位置決め部と同様の現象が発生する。次にこのレイアウト治具(A)10を用いたレイアウト方法について説明する。図3はレイアウト工程の概略図である。この概略図では、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具(以下ブロック治具(イ)とする)30のブロック治具外周部31にレイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12を合わせて挿入する。この時、レイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12がブロック治具に接触するまで挿入する。但し、ブロック治具位置決め部12の内壁は、ブロック治具外周部31に必ずしも接触している必要はない。ブロック治具位置決め部12はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(A)10とブロック治具(イ)30の中心が一致していれば、ブロック治具位置決め部12はブロック治具外周部31より僅かに大きいため接触しない。)その後、光学レンズ位置決め部11にセミフィニッシュレンズ外周部33を合わせて挿入し、ブロック治具(イ)にセミフィニッシュレンズ32を密着させることでレイアウト工程は完了する。この時、セミフィニッシュレンズ外周部33は光学レンズ位置決め部11の内壁に必ずしも接触している必要はない。光学レンズ位置決め部11はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(A)10とセミフィニッシュレンズ32の中心が一致していれば、光学レンズ位置決め部11はセミフィニッシュレンズ外周部33より僅かに大きいため接触しない。)続いて、レイアウト工程で決められた状態を維持したまま、図示しないブロック治具とセミフィニッシュレンズとを低融点金属などを用いて接合するブロック工程が行われる。ブロック工程でセミフィニッシュレンズとブロック治具の接合が完了した後、図5に示すようにレイアウト治具が取り外される。この例では、レイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12及び、光学レンズ位置決め部11が干渉しないため、図5に示した矢印の方向にレイアウト治具(A)10を取り外し、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ30は次の加工工程へと渡される。
【0023】
このように、1つ目の実施の形態においては、セミフィニッシュレンズの外周基準でレイアウトを行うため、隠しマークを持たないセミフィニッシュレンズのレイアウトが容易且つ短時間に行うことが可能である。また、隠しマークを有するセミフィニッシュレンズにも同様に使用することが可能である。この場合、隠しマークをブロック治具に位置合わせする必要があるが、セミフィニッシュレンズをレイアウト治具に挿入した後、セミフィニッシュレンズを回転させて位置合わせすることが可能である。本発明によるレイアウト治具を使用しないレイアウト工程では、作業者の目視によりセミフィニッシュレンズとブロック治具の位置合わせを行っていたが、位置合わせの精度が作業者によってばらつき、眼鏡レンズの仕上り精度に影響を及ぼしていた。この方法で精度を求める場合は作業の習熟が必要であったが、本発明のレイアウト治具を用いることで、未経験者でも、同じ精度でレイアウトすることが可能となった。
【0024】
2つ目の実施の形態として、図2のレイアウト治具(B)20は、光学レンズ位置決め部21とブロック治具位置決め部22の他、ブロック治具として機能させるため、低融点金属などの接合媒体を充填する接合媒体充填部23を備える。この図中においても、セミフィニッシュレンズの外周部に対応する光学レンズ位置決め部21を90度毎に4箇所に分けて配置しているが、1つ目の実施の形態同様、光学レンズ位置決め部の形状は、この図に限定されるものではない。また、セミフィニッシュレンズ及びブロック治具の外周形状、大きさが複数種類ある場合においても、1つ目の実施の形態同様、それぞれの組み合わせに応じて複数のレイアウト治具を用意しておく必要がある。例えば、光学レンズ位置決め部の内径が、セミフィニッシュレンズの外径に対して、望ましくは0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。仮にこの内径が0.2mmより小さい場合であれば着脱が困難になり、0.5mmより大きい場合になるとレイアウトの精度が得られ難くなる。同様に、ブロック治具位置決め部の内径についても、挿入するブロック治具の外径に対して僅かに大きいことが望ましい。この大きさについても、ブロック治具の外径に対して0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。0.2mmより小さい場合、0.5mmより大きい場合については、上記光学レンズ位置決め部と同様の現象が発生する。次にこのレイアウト治具(B)20を用いたレイアウト方法について説明する。図4はレイアウト工程の概略図である。この概略図では、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具(以下ブロック治具(ロ)とする)40のブロック治具外周部41にレイアウト治具(B)20のブロック治具位置決め部22を合わせて挿入する。この時、ブロック治具位置決め部22の内壁は、ブロック治具外周部41に必ずしも接触している必要はない。ブロック治具位置決め部22はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(B)20とブロック治具(ロ)40の中心が一致していれば、ブロック治具位置決め部22はブロック治具外周部41より僅かに大きいため接触しない。)レイアウト治具(B)20は、図示しないブロッキング装置の基準面により、挿入量が自動的に規定される。その後、光学レンズ位置決め部21にセミフィニッシュレンズ外周部33を合わせて挿入し、レイアウト治具(B)20の接合媒体充填部23を密閉する様にセミフィニッシュレンズ32を密着させることでレイアウト工程は完了する。この時、セミフィニッシュレンズ外周部33は光学レンズ位置決め部21の内壁に必ずしも接触している必要はない。光学レンズ位置決め部21はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(B)20とセミフィニッシュレンズ32の中心が一致していれば、光学レンズ位置決め部21はセミフィニッシュレンズ外周部33より僅かに大きいため接触しない。)続いて、レイアウト工程で決められた状態を維持したまま、図示しないブロック治具とセミフィニッシュレンズとを低融点金属などを用いて接合するブロック工程が行われる。ブロック工程でセミフィニッシュレンズとブロック治具の接合が完了した後、図6に示すように、レイアウト治具が取り外される。この例では、レイアウト治具(B)20は、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60が干渉し、レイアウト治具(B)20を図の上方に取り外すことが出来ないため、図6に示した矢印の方向にレイアウト治具(B)20を取り外す。但し、図示しないブロッキング装置に装着された状態では、レイアウト治具(B)20を矢印の方向に取り外すことはできない。従って、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60とレイアウト治具(B)20を図示しないブロッキング装置から一緒に取り外し、レイアウト治具(B)20を矢印の方向に取り外す。同じ意味では、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60を図の上方に取り外すとも言える。しかしながら、このレイアウト治具(B)20を取り外す場合においては、レイアウト治具(B)20はブロック治具として機能し、低融点金属などの接合媒体が充填された状態となり、接合媒体とレイアウト治具(B)20は容易に取り外せない密着状態となっている。従って、レイアウト治具(B)20、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60のいずれかまたは双方へ適度な衝撃を与えることで取り外しを行う。その後ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60は次の加工工程へと渡される。
【0025】
このように、2つ目の実施の形態においても、セミフィニッシュレンズの外周基準でレイアウトを行うため、隠しマークを持たないセミフィニッシュレンズのレイアウトが容易且つ短時間に行うことが可能である。また、隠しマークを有するセミフィニッシュレンズにも同様に使用することが可能である。この場合、隠しマークをブロック治具に位置合わせする必要があるが、セミフィニッシュレンズをレイアウト治具に挿入した後、セミフィニッシュレンズを回転させて位置合わせすることが可能である。本発明によるレイアウト治具を使用しないレイアウト工程では、作業者の目視によりセミフィニッシュレンズとブロック治具の位置合わせを行っていたが、位置合わせの精度が作業者によってばらつき、眼鏡レンズの仕上り精度に影響を及ぼしていた。この方法で精度を求める場合は作業の習熟が必要であったが、本発明のレイアウト治具を用いることで、未経験者でも、同じ精度でレイアウトすることが可能となった。
【0026】
本発明のレイアウト治具及びレイアウト方法は、本実施の形態においては、眼鏡レンズをレイアウトしてブロックする場合を例にとって説明しているが、これに限定されるものではない。また、光学レンズ、ブロック治具は円以外の形状でも良い。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明のレイアウト治具、レイアウト方法によれば、光学レンズの光学中心とブロック治具の幾何学中心とを作業者の目視によらず位置合わせすることができる。また、位置合わせ精度の向上、位置合わせ時間の短縮が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレイアウト治具の一例を示すものであり、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具に対応するレイアウト治具を示す概略図である。
【図2】本発明によるレイアウト治具の一例を示すものであり、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具に対応したレイアウト治具を示す概略図である。
【図3】本発明によるレイアウト治具を用いたレイアウト工程を示すもので、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具とセミフィニッシュレンズを図1のレイアウト治具を用いてレイアウトする工程を示す概略図である。
【図4】本発明によるレイアウト治具を用いたレイアウト工程を示すもので、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具とセミフィニッシュレンズを図2のレイアウト治具を用いてレイアウトする工程を示す概略図である。
【図5】レイアウト完了後に低融点金属などでセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、レイアウト治具を取り外した状態の概略図であり、図3のレイアウト完了後に低融点金属などを用いてセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、図1のレイアウト治具を取り外した状態を示す概略図である。
【図6】レイアウト完了後に低融点金属などでセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、レイアウト治具を取り外した状態の概略図であり、図4のレイアウト完了後に低融点金属などを用いてセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、図2のレイアウト治具を取り外した状態を示す概略図である。
【図7】眼鏡レンズの隠しマークを示す平面図である。
【符号の説明】
10・・・レイアウト治具(A)
20・・・レイアウト治具(B)
11、21・・・光学レンズ位置決め部
12、22・・・ブロック治具位置決め部
23・・・接合媒体充填部
30・・・ブロック治具(イ)
40・・・ブロック治具(ロ)
31、41・・・ブロック治具外周部
32・・・セミフィニッシュレンズ
33・・・セミフィニッシュレンズ外周部
50、60・・・ブロック済みのセミフィニッシュレンズ
70・・・セミフィニッシュレンズ
71・・・隠しマーク
72・・・光学中心
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学レンズとブロック治具との中心位置合わせに適したレイアウト治具及びレイアウト方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
工業分野の中で光学レンズと呼ばれるものとしては、カメラ、望遠鏡、顕微鏡、ステッパー用集光レンズ、眼鏡等に用いられるものが挙げられる。これらの中でも特に眼鏡レンズは、成形後に機械加工により屈折面の形状創成を行う比率が高く生産数量も多いことから、プラスチック製の眼鏡レンズを例に挙げて説明する。
【0003】
眼鏡レンズの生産方法には、成形型により片面に光学面を転写し、他の対向する面は顧客の眼鏡処方に合わせて二次加工が可能となる加工代を加味し、厚肉に形成された被加工物(以降、セミフィニッシュレンズという。)に対して、眼鏡処方に合わせて切削、研磨加工して光学面を形成し眼鏡レンズを製造する方法がある。
【0004】
このようなセミフィニッシュレンズを加工する前に、加工装置に取り付けるためのブロック治具にセミフィニッシュレンズを配置するレイアウト工程が行われる。このレイアウト工程では、ブロック治具の幾何学中心にセミフィニッシュレンズの光学中心を正確に合わせ、かつ、ブロック治具に対してセミフィニッシュレンズを所定の方向に配置する。
【0005】
レイアウト工程後、セミフィニッシュレンズとブロック治具とをレイアウト工程で配置した状態を維持したまま低融点金属などで両者を接合するブロッキング工程が行われ、その後、ブロック治具を加工装置に装着してセミフィニッシュレンズの加工が行われる。
【0006】
図7に示す通り、通常、セミフィニッシュレンズ70の光学面(凸面が多い)には、成形型から転写された隠しマーク71、例えばS字形状のマークが設けられている。この隠しマーク71は、眼鏡レンズの光学中心を検出するために、複数箇所例えば2箇所に刻印されている。これらの2箇所の隠しマーク71の中心点72が、光学中心であり、受注された眼鏡レンズの眼鏡処方の度数を満たしているかを測定する度数の測定基準点である。かつ、レイアウト工程で位置決めの基準点として、隠しマーク71は眼鏡レンズの位置合わせマークとして機能している。セミフィニッシュレンズ70をブロック治具に位置合わせするレイアウト工程では、作業者が隠しマーク71から割り出した主子午線方向や水平方向をダイヤペンなどでセミフィニッシュレンズ4に刻印し、その刻印をブロック治具の所定の位置に合わせてセットしている。
【0007】
ところが、セミフィニッシュレンズの一部には隠しマーク等の位置合わせ基準点を持たないものが存在する。従来、このようなセミフィニッシュレンズをブロック治具に位置合わせするには、作業者が目視によりリング状治具の外径とセミフィニッシュレンズの外径を基準として位置合わせを行っていた。(このような位置合わせに関しては、該当する先行技術文献はない。)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、作業者が目視により位置合わせを行う方法では、作業者によってレイアウト位置がばらつく等、精度上問題があったほか、隠しマークが存在するセミフィニッシュレンズに比べて位置合わせに要する時間が長くなるといった問題を有していた。
【0009】
これらの問題は眼鏡レンズのみに留まらず、位置合わせ基準点を持たない光学レンズとブロック治具との位置合わせ作業を行う場合においては、全ての光学レンズに起こりうる問題である。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、位置合わせ基準点を持たない光学レンズの光学中心とブロック治具との幾何学中心を、作業者の目視によらず位置合わせすることができるレイアウト治具を提供すると共に、このレイアウト治具を用いて位置合わせ精度を向上し、位置合わせ時間を短縮させるレイアウト方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、第1の発明によれば、光学レンズの形状を創成する加工装置のチャックに装着するためのブロック治具の幾何学中心と光学レンズの光学中心とを合わせて配置するレイアウト治具であって、光学レンズの輪郭形状に対応した形状に形成された光学レンズ位置決め部と、ブロック治具の輪郭形状に形成されたブロック治具位置決め部とを有するレイアウト冶具により、達成される。
【0012】
第1の発明の構成によれば、位置合わせ基準点を持たない光学レンズの光学中心とブロック治具の幾何学中心とを、作業者の目視によらず、光学レンズの輪郭とブロック治具の輪郭を基準にして位置合わせすることができる。
【0013】
第2の発明は、第1の発明の構成において、光学レンズ位置決め部が光学レンズの外周部の一部もしくは全周に対応することを特徴とする。
【0014】
第2の発明の構成によれば、光学レンズ位置決め部は、光学レンズをブロック治具の幾何学中心に位置合わせすることが出来ればよく、光学レンズの形状、取り扱い、求める精度等により、その形状を最適にすることで所望のレイアウトが可能となる。
【0015】
第3の発明は、第1の発明または第2の発明の構成において、前記光学レンズ位置決め部内周部から外側に向かって開放された切り欠き部を1個所もしくは2箇所以上有し、前記切り欠き部より前記光学レンズを操作することを特徴とする。
【0016】
第3の発明の構成によれば、この光学レンズ操作部は、第2の発明と同様に、光学レンズの形状、取り扱い、求める精度等により、その形状を最適にすることで所望のレイアウトが可能となる。例えば、光学レンズの着脱、回転を容易にするための指が入る部位として機能させることができる。また、レイアウト治具を軽量化し、レイアウト工程の作業性を向上させることができる。
【0017】
第4の発明は、第1〜3いずれかの発明のレイアウト治具を用いて光学レンズとブロック治具とをレイアウトするレイアウト方法であって、ブロック治具の外周部に前記ブロック治具位置決め部を挿入させ、光学レンズ外周部を前記光学レンズ位置決め部に挿入させ、前記切り欠き部より前記光学レンズを操作し、回転方向位置を合わせ、光学レンズとブロック治具をレイアウトする方法であることを特徴とする。
【0018】
第4の発明の構成によれば、例えば眼鏡レンズの生産方法においては、ブロック治具にセミフィニッシュレンズを位置決めする際に、ブロック治具へレイアウト治具を挿入した状態で、セミフィニッシュレンズを光学レンズ位置決め部に沿ってブロック治具へ挿入することで、ブロック治具の幾何学中心とセミフィニッシュレンズの光学中心とを正確に合わせて配置することが可能である。また、レイアウト治具を用いることにより機械的に位置が決定するため、作業者の目視による位置合わせに比べ時間短縮が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、眼鏡レンズのレイアウト工程を例にとって、図面を参照しながら説明するが、本発明は下記の実施の形態に限定されるものではない。
【0020】
図1から6は、本発明の一実施の形態を示すものである。
【0021】
図1と図2は、レイアウト治具の例である。いずれの図もブロック治具の幾何学中心とセミフィニッシュレンズの光学中心を合わせて配置するレイアウト治具の概略図で、図1はブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具に対応するレイアウト治具(以下レイアウト治具(A)とする)、図2はブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具に対応したレイアウト治具(以下レイアウト治具(B)とする)を示す。以下の説明では、この2通りのレイアウト治具について、実施の形態を区分けして説明する。
【0022】
1つ目の実施の形態として、図1のレイアウト治具(A)10は、光学レンズ位置決め部11とブロック治具位置決め部12とを備える。この図中では、セミフィニッシュレンズの外周部に対応する光学レンズ位置決め部11を90度毎に4箇所に分けて配置し、指でセミフィニッシュレンズの着脱、回転等の操作を容易するための切欠部を有している。但し、光学レンズ位置決め部の形状に関しては、この図1の形態に限定されるものではない。例えば、図示しないセミフィニッシュレンズの全周に対応した形状の光学レンズ位置決め部でも良い。また、切欠部を有する場合においては、セミフィニッシュレンズの光学中心をブロック治具の幾何学中心に合わせることができれば、切欠部の幅、深さ、配置等に制約はない。また、セミフィニッシュレンズおよびブロック治具の外周形状、大きさがそれぞれ1種類に限定されている場合、レイアウト治具も1種類で対応できるが、セミフィニッシュレンズ及びブロック治具の外周形状、大きさが複数種類ある場合は、それぞれの組み合わせに応じて複数のレイアウト治具を用意しておく必要がある。さらに、光学レンズ位置決め部11の内径は、挿入するセミフィニッシュレンズの外径に対して、僅かに大きいことが望ましい。例えば、光学レンズ位置決め部の内径が、セミフィニッシュレンズの外径に対して、望ましくは0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。仮にこの内径が0.2mmより小さい場合であれば着脱が困難になり、0.5mmより大きい場合になるとレイアウトの精度が得られ難くなる。同様に、ブロック治具位置決め部12の内径についても、挿入するブロック治具の外径に対して僅かに大きいことが望ましい。この大きさについても、ブロック治具の外径に対して0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。0.2mmより小さい場合、0.5mmより大きい場合については、上記光学レンズ位置決め部と同様の現象が発生する。次にこのレイアウト治具(A)10を用いたレイアウト方法について説明する。図3はレイアウト工程の概略図である。この概略図では、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具(以下ブロック治具(イ)とする)30のブロック治具外周部31にレイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12を合わせて挿入する。この時、レイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12がブロック治具に接触するまで挿入する。但し、ブロック治具位置決め部12の内壁は、ブロック治具外周部31に必ずしも接触している必要はない。ブロック治具位置決め部12はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(A)10とブロック治具(イ)30の中心が一致していれば、ブロック治具位置決め部12はブロック治具外周部31より僅かに大きいため接触しない。)その後、光学レンズ位置決め部11にセミフィニッシュレンズ外周部33を合わせて挿入し、ブロック治具(イ)にセミフィニッシュレンズ32を密着させることでレイアウト工程は完了する。この時、セミフィニッシュレンズ外周部33は光学レンズ位置決め部11の内壁に必ずしも接触している必要はない。光学レンズ位置決め部11はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(A)10とセミフィニッシュレンズ32の中心が一致していれば、光学レンズ位置決め部11はセミフィニッシュレンズ外周部33より僅かに大きいため接触しない。)続いて、レイアウト工程で決められた状態を維持したまま、図示しないブロック治具とセミフィニッシュレンズとを低融点金属などを用いて接合するブロック工程が行われる。ブロック工程でセミフィニッシュレンズとブロック治具の接合が完了した後、図5に示すようにレイアウト治具が取り外される。この例では、レイアウト治具(A)10のブロック治具位置決め部12及び、光学レンズ位置決め部11が干渉しないため、図5に示した矢印の方向にレイアウト治具(A)10を取り外し、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ30は次の加工工程へと渡される。
【0023】
このように、1つ目の実施の形態においては、セミフィニッシュレンズの外周基準でレイアウトを行うため、隠しマークを持たないセミフィニッシュレンズのレイアウトが容易且つ短時間に行うことが可能である。また、隠しマークを有するセミフィニッシュレンズにも同様に使用することが可能である。この場合、隠しマークをブロック治具に位置合わせする必要があるが、セミフィニッシュレンズをレイアウト治具に挿入した後、セミフィニッシュレンズを回転させて位置合わせすることが可能である。本発明によるレイアウト治具を使用しないレイアウト工程では、作業者の目視によりセミフィニッシュレンズとブロック治具の位置合わせを行っていたが、位置合わせの精度が作業者によってばらつき、眼鏡レンズの仕上り精度に影響を及ぼしていた。この方法で精度を求める場合は作業の習熟が必要であったが、本発明のレイアウト治具を用いることで、未経験者でも、同じ精度でレイアウトすることが可能となった。
【0024】
2つ目の実施の形態として、図2のレイアウト治具(B)20は、光学レンズ位置決め部21とブロック治具位置決め部22の他、ブロック治具として機能させるため、低融点金属などの接合媒体を充填する接合媒体充填部23を備える。この図中においても、セミフィニッシュレンズの外周部に対応する光学レンズ位置決め部21を90度毎に4箇所に分けて配置しているが、1つ目の実施の形態同様、光学レンズ位置決め部の形状は、この図に限定されるものではない。また、セミフィニッシュレンズ及びブロック治具の外周形状、大きさが複数種類ある場合においても、1つ目の実施の形態同様、それぞれの組み合わせに応じて複数のレイアウト治具を用意しておく必要がある。例えば、光学レンズ位置決め部の内径が、セミフィニッシュレンズの外径に対して、望ましくは0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。仮にこの内径が0.2mmより小さい場合であれば着脱が困難になり、0.5mmより大きい場合になるとレイアウトの精度が得られ難くなる。同様に、ブロック治具位置決め部の内径についても、挿入するブロック治具の外径に対して僅かに大きいことが望ましい。この大きさについても、ブロック治具の外径に対して0.2〜0.5mm程度大きく形成されていれば、レイアウトが大きくずれることなく、挿入も容易に行われる。0.2mmより小さい場合、0.5mmより大きい場合については、上記光学レンズ位置決め部と同様の現象が発生する。次にこのレイアウト治具(B)20を用いたレイアウト方法について説明する。図4はレイアウト工程の概略図である。この概略図では、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具(以下ブロック治具(ロ)とする)40のブロック治具外周部41にレイアウト治具(B)20のブロック治具位置決め部22を合わせて挿入する。この時、ブロック治具位置決め部22の内壁は、ブロック治具外周部41に必ずしも接触している必要はない。ブロック治具位置決め部22はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(B)20とブロック治具(ロ)40の中心が一致していれば、ブロック治具位置決め部22はブロック治具外周部41より僅かに大きいため接触しない。)レイアウト治具(B)20は、図示しないブロッキング装置の基準面により、挿入量が自動的に規定される。その後、光学レンズ位置決め部21にセミフィニッシュレンズ外周部33を合わせて挿入し、レイアウト治具(B)20の接合媒体充填部23を密閉する様にセミフィニッシュレンズ32を密着させることでレイアウト工程は完了する。この時、セミフィニッシュレンズ外周部33は光学レンズ位置決め部21の内壁に必ずしも接触している必要はない。光学レンズ位置決め部21はあくまでレイアウトのガイドをする役目であり、接触しているとすれば、上述の説明では最大0.5mmのズレが生じる。(レイアウト治具(B)20とセミフィニッシュレンズ32の中心が一致していれば、光学レンズ位置決め部21はセミフィニッシュレンズ外周部33より僅かに大きいため接触しない。)続いて、レイアウト工程で決められた状態を維持したまま、図示しないブロック治具とセミフィニッシュレンズとを低融点金属などを用いて接合するブロック工程が行われる。ブロック工程でセミフィニッシュレンズとブロック治具の接合が完了した後、図6に示すように、レイアウト治具が取り外される。この例では、レイアウト治具(B)20は、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60が干渉し、レイアウト治具(B)20を図の上方に取り外すことが出来ないため、図6に示した矢印の方向にレイアウト治具(B)20を取り外す。但し、図示しないブロッキング装置に装着された状態では、レイアウト治具(B)20を矢印の方向に取り外すことはできない。従って、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60とレイアウト治具(B)20を図示しないブロッキング装置から一緒に取り外し、レイアウト治具(B)20を矢印の方向に取り外す。同じ意味では、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60を図の上方に取り外すとも言える。しかしながら、このレイアウト治具(B)20を取り外す場合においては、レイアウト治具(B)20はブロック治具として機能し、低融点金属などの接合媒体が充填された状態となり、接合媒体とレイアウト治具(B)20は容易に取り外せない密着状態となっている。従って、レイアウト治具(B)20、ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60のいずれかまたは双方へ適度な衝撃を与えることで取り外しを行う。その後ブロック済みのセミフィニッシュレンズ60は次の加工工程へと渡される。
【0025】
このように、2つ目の実施の形態においても、セミフィニッシュレンズの外周基準でレイアウトを行うため、隠しマークを持たないセミフィニッシュレンズのレイアウトが容易且つ短時間に行うことが可能である。また、隠しマークを有するセミフィニッシュレンズにも同様に使用することが可能である。この場合、隠しマークをブロック治具に位置合わせする必要があるが、セミフィニッシュレンズをレイアウト治具に挿入した後、セミフィニッシュレンズを回転させて位置合わせすることが可能である。本発明によるレイアウト治具を使用しないレイアウト工程では、作業者の目視によりセミフィニッシュレンズとブロック治具の位置合わせを行っていたが、位置合わせの精度が作業者によってばらつき、眼鏡レンズの仕上り精度に影響を及ぼしていた。この方法で精度を求める場合は作業の習熟が必要であったが、本発明のレイアウト治具を用いることで、未経験者でも、同じ精度でレイアウトすることが可能となった。
【0026】
本発明のレイアウト治具及びレイアウト方法は、本実施の形態においては、眼鏡レンズをレイアウトしてブロックする場合を例にとって説明しているが、これに限定されるものではない。また、光学レンズ、ブロック治具は円以外の形状でも良い。
【0027】
【発明の効果】
以上述べた通り、本発明のレイアウト治具、レイアウト方法によれば、光学レンズの光学中心とブロック治具の幾何学中心とを作業者の目視によらず位置合わせすることができる。また、位置合わせ精度の向上、位置合わせ時間の短縮が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるレイアウト治具の一例を示すものであり、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具に対応するレイアウト治具を示す概略図である。
【図2】本発明によるレイアウト治具の一例を示すものであり、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具に対応したレイアウト治具を示す概略図である。
【図3】本発明によるレイアウト治具を用いたレイアウト工程を示すもので、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出したブロック治具とセミフィニッシュレンズを図1のレイアウト治具を用いてレイアウトする工程を示す概略図である。
【図4】本発明によるレイアウト治具を用いたレイアウト工程を示すもので、ブロック治具の外周形状がセミフィニッシュレンズの外周形状より外側に突出していないブロック治具とセミフィニッシュレンズを図2のレイアウト治具を用いてレイアウトする工程を示す概略図である。
【図5】レイアウト完了後に低融点金属などでセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、レイアウト治具を取り外した状態の概略図であり、図3のレイアウト完了後に低融点金属などを用いてセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、図1のレイアウト治具を取り外した状態を示す概略図である。
【図6】レイアウト完了後に低融点金属などでセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、レイアウト治具を取り外した状態の概略図であり、図4のレイアウト完了後に低融点金属などを用いてセミフィニッシュレンズとブロック治具を接合し、図2のレイアウト治具を取り外した状態を示す概略図である。
【図7】眼鏡レンズの隠しマークを示す平面図である。
【符号の説明】
10・・・レイアウト治具(A)
20・・・レイアウト治具(B)
11、21・・・光学レンズ位置決め部
12、22・・・ブロック治具位置決め部
23・・・接合媒体充填部
30・・・ブロック治具(イ)
40・・・ブロック治具(ロ)
31、41・・・ブロック治具外周部
32・・・セミフィニッシュレンズ
33・・・セミフィニッシュレンズ外周部
50、60・・・ブロック済みのセミフィニッシュレンズ
70・・・セミフィニッシュレンズ
71・・・隠しマーク
72・・・光学中心
Claims (4)
- 光学レンズの形状を創成する加工装置のチャックに装着するためのブロック治具の幾何学中心と前記光学レンズの光学中心とを合わせて配置するレイアウト治具であって、
前記光学レンズの輪郭形状に対応した形状に形成された光学レンズ位置決め部と、前記ブロック治具の輪郭形状に形成されたブロック治具位置決め部とを有することを特徴とするレイアウト治具。 - 請求項1記載のレイアウト治具において、
前記光学レンズ位置決め部が前記光学レンズの外周部の一部もしくは全周に対応するように形成されていることを特徴とするレイアウト治具。 - 請求項1または2記載のレイアウト治具において、
前記光学レンズ位置決め部内周部から外側に向かって開放された切り欠き部を1個所もしくは2箇所以上有し、前記切り欠き部より前記光学レンズを操作することを特徴とするレイアウト冶具。 - 請求項1〜3いずれかに記載のレイアウト治具を用いて光学レンズとブロック治具をレイアウトするレイアウト方法であって、
前記ブロック治具の外周部に前記ブロック治具位置決め部を挿入させ、光学レンズ外周部を前記光学レンズ位置決め部に挿入させ、
前記切り欠き部より前記光学レンズを操作し、回転方向位置を合わせ、
前記光学レンズと前記ブロック治具をレイアウトすることを特徴とするレイアウト方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003201899A JP2005040884A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 光学レンズのレイアウト治具及びレイアウト方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003201899A JP2005040884A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 光学レンズのレイアウト治具及びレイアウト方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005040884A true JP2005040884A (ja) | 2005-02-17 |
Family
ID=34261823
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003201899A Withdrawn JP2005040884A (ja) | 2003-07-25 | 2003-07-25 | 光学レンズのレイアウト治具及びレイアウト方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005040884A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101802199B1 (ko) * | 2015-12-29 | 2017-11-29 | 한국기초과학지원연구원 | 비축반사경 보상가공 지그 및 이를 이용한 보상가공 방법 |
-
2003
- 2003-07-25 JP JP2003201899A patent/JP2005040884A/ja not_active Withdrawn
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KR101802199B1 (ko) * | 2015-12-29 | 2017-11-29 | 한국기초과학지원연구원 | 비축반사경 보상가공 지그 및 이를 이용한 보상가공 방법 |
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