JP2005040123A - ラクトバシラス・ファーメンタム、それと担体からなる肥満症または糖尿病の予防・治療用製剤、食品組成物 - Google Patents

ラクトバシラス・ファーメンタム、それと担体からなる肥満症または糖尿病の予防・治療用製剤、食品組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2005040123A
JP2005040123A JP2003338120A JP2003338120A JP2005040123A JP 2005040123 A JP2005040123 A JP 2005040123A JP 2003338120 A JP2003338120 A JP 2003338120A JP 2003338120 A JP2003338120 A JP 2003338120A JP 2005040123 A JP2005040123 A JP 2005040123A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactobacillus
obesity
diabetes
present
microorganism
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2003338120A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4248985B2 (ja
Inventor
Han Oh Park
翰 ▲吾▼ 朴
Su-Han Song
守 漢 宋
Sun Kyung Kang
善 京 姜
Jae Ho Kim
載 浩 金
Young-Hyun Park
龍 賢 朴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BAIONIA KK
Original Assignee
BAIONIA KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BAIONIA KK filed Critical BAIONIA KK
Publication of JP2005040123A publication Critical patent/JP2005040123A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4248985B2 publication Critical patent/JP4248985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/20Bacteria; Culture media therefor
    • C12N1/205Bacterial isolates
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L29/00Foods or foodstuffs containing additives; Preparation or treatment thereof
    • A23L29/065Microorganisms
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/66Microorganisms or materials therefrom
    • A61K35/74Bacteria
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/01Bacteria or Actinomycetales ; using bacteria or Actinomycetales
    • C12R2001/225Lactobacillus

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Dairy Products (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Grain Derivatives (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

【課題】腸内生存性の優れた、腸内で多糖類を高効率で生成する、肥満症、または糖尿病を予防または治療できる微生物を提供すること。
【解決手段】腸内に流入されるブドウ糖、ショ糖、または果糖などを体内に吸収されない高分子物質に転換して低糖類の腸からの吸収を競争的に阻害する役割を果たす新規な微生物と、該微生物の薬学的有効量を含有する組成物および食品組成物を提供することにより、肥満症や糖尿病などを予防または治療することができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、腸内生存性が優秀であると共に、腸内で多糖類を高効率で生成して肥満症や糖尿病を予防または治療することのできる微生物に係り、より詳しくは腸内に流入するブドウ糖、ショ糖、または果糖などを体内に吸収されない高分子物質に転換して低糖類の腸内吸収を競争的に阻害することにより、肥満症または糖尿病の予防や治療を可能にした新規な微生物、これらの薬学的有効量を含む組成物(製剤)、およびこれらを有効成分として含む食品組成物に関する。
肥満は、未だに明確に究明されていない種々の要因によって複合的に発生する慢性的な疾患として知られている。肥満は高血圧症、糖尿病、心血管疾患、胆石症、骨関節炎、睡眠時無呼吸症(Sleep apnea)、呼吸障害、子宮内膜症、前立腺がん、乳がん、または大腸がんなどを引き起こす原因とされている。
1999年米国の国立保健院(NIH)の報告書(The Evidence Report:Clinical guidelines on the identification,evaluation,and treatment of overweight and obesity in adults,1999,NIH)によると、米国人の約9,700万人が肥満状態であり、肥満と関連した疾患の一つであるII型糖尿病(TypeII diabetes mellitus)の患者はおよそ1,570万人にも達するという。また、肥満と関連した疾患により毎年全世界において約20万人が死亡するという(Dan Ferber,Science,283,pp 1423−1424,1999)。
糖尿病は、患者およびその家族を含め、社会的にも個人的・財政的な費用が要求される全世界的に蔓延した慢性疾患の一つであって、それぞれ別個の病因や発病機序を有する異なる類型の糖尿病が存在する。例えば、腎性糖尿病は、過血糖症および糖尿を特徴とし、インスリンの不適切な生成や利用で引き起こされる炭水化物代謝の障害によるものである。
インスリン非依存性糖尿病(NIDDM、II型糖尿病)は、インスリンが適切に生成されて利用されているが、末梢組織においてインスリンを介するグルコース代謝、およびその他の代謝に障害のある、主に成人で観られる糖尿病である。
NIDDMは、3つの主要な代謝的異常、例えば、インスリンを介するグルコース処理に対する抵抗と、栄養物により刺激されるインスリン分泌能の損傷と、肝臓でのグルコースの過多生成とによる。NIDDMの治療、すなわち、血糖値の調節に失敗すると、心血管疾患による死亡や網膜症、腎臓病、および末梢神経病を始めとする様々な糖尿病合併症が引き起こされるおそれがある。
NIDDMの治療法には、NIDDM患者の血糖値を調節する方法として、食餌療法および運動療法に加え、経口的血糖降下剤であるスルホニル尿素(Sulfonylurea)系薬物やビグアナイド(biguanide)系薬物などを使用しても良い。また、最近はメトホルミン(metformin)やアカルボース化合物などもNIDDMの治療に用いられている。しかし、ある患者においては食餌療法と運動療法および/または前記治療薬物によっても過血糖症を適切にコントロールできない場合もあるため、外因性インスリンの投与が要求されることもある。
注射によるインスリンの投与は高価であり、患者には苦痛を与える他、様々な障害や合併症を引き起すこともある。例えば、インスリン反応(低血糖症)は、インスリン投与量の間違い、欠食、不規則的な運動、または特別な原因がないときでも引き起こされることがある。また、局所的および/または全身的アレルギー反応やインスリンに対する免疫学的な抵抗性が発生することもある。
肥満症や糖尿病の予防・治療法は、食餌・運動療法と、手術療法と、薬物療法とに大別される。食餌・運動療法は、低カロリー・低脂肪の摂取と酸素消費の肉体活動を通じた治療方法であるが、これは忍耐強く反復的、持続的に行わなければならないので大衆的な効果を得るには難しいとされている。
手術療法は、外科的手術を介して体脂肪を物理的に取り除く方法であって、短期間でその効果が得られるという長所を有するが、手術過程が必要であること、効果の持続性がないこと、費用の問題などで、その活用が制限されている。
したがって、血糖値の減少、糖吸収の阻害、インスリン作用の強化または食欲減退をもたらす薬物によって、肥満や肥満型糖尿病を治療・予防しようとする薬物療法が盛んに研究されており、現在まで開発されている肥満や肥満型糖尿病の予防・治療用の薬物は、様々な生理学的メカニズムを利用している。
したがって、現在開発された様々な薬物のうち、人体の代謝バランスに損傷を与えないものであって、天然物質であるという長所を有する食餌繊維が最も有用な肥満の予防・治療製剤として認められている。
従来の微生物食餌繊維を生成する微生物としては、グルコノバクター属(Gluconobacter sp.)、アグロバクテリウム属(Agrobacterium sp.)、アセトバクター・キシリナム(Acetobacter xylinum)、アセトバクター・ハンセニー(A.hansenii)、アセトバクター・パスタリアナス(A.pasteurianus)、アセトバクター・アセティー(A.aceti)、リゾビウム属(Rhizobium)、アルカリゲネス属(Alcaligenes)、サルチナ属(Sarcina)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、ラクトバシラス・ヘルベティカス(Lactobacillus helveticus)、ラクトバシラス・ブルガリカス(L.bulgaricus)、ラクトバシラス・サケ(L.sake)、ラクトバシラス・ロイテリ(L.reuteri)、ラクトバシラス・ファーメンタム(L.Fermentum)、ラクトバシラス・ラクティス(L.lactis)、ラクトバシラス・デルブルッキー亜種(L.delbrueckii subsp.)、ラクトバシラス・ヘルベティカスグルコース変種(L.helveticusglucose var.jugurti)、ロイコノストック・デキサトラニカム(Leuconostoc dextranicum)、ブルガリカス属(Bulgaricus)、カンペストリス属(Campestris)、スフィンゴモナス属(Sphingomonas)などが挙げられる。
これらの微生物により生成される食餌繊維は、各種食品の安定剤、増粘剤、乳化剤、吸湿剤などと、医薬品、化粧品の原料として用いられているが、現在では、微生物セルロース、キサン(xanthan)、アセタンなどと、海藻類から精製した食餌繊維であるグアールガム(Guar gum)、ローカストビーンガム(Locust bean gum)、カラギーナン(Carrageenan)、アルギン酸塩(alginate)、寒天(agar)などが既に商品化されている。
上記した微生物のうち、ラクトバシラス属の菌株は人体の腸内で生息している正常微生物群集(normal microbial flora)の主構成物であって、健康な消化器官と膣内環境の保持に非常に重要なものとして以前から知られている(非特許文献1)。一般に、ラクトバシラス菌株の生息地は、動物の消化器官(L.acidophilus,L.intestinalis,L.johnsonii,L.reuteriなど)、膣内粘膜(L.vaginalis,L.gasseri)、食品(wine−L.hilgardii)、乳酸菌飲料(L.kefir,L.Kefiranofaciens;cheese−L,casei)、お酢(L.acetotolerans)、口腔(L.oris)、こうじ(L.sake,L.homohiochi)、果汁(L.kumkeei,L.mali,L.suebicus)、醗酵したソーセージまたは魚類(L.farciminis,L.alimentarius)などである。
実際、多くの人々が健康な腸を維持するために、また尿路膣内感染(urogenital tract infection)を防ぐために、ラクトバシラス属の菌株を含有している健康補助剤を使用している。最近は、下痢および便秘の予防、または尿路感染の予防その他ラクトバシラスの様々な生理活性機能(probiotic activity)、例えば、免疫力の調節、血中コレステロール値の調節、リウマチの治療、がんの予防、乳糖に対する敏感性の緩和、アトピー性皮膚炎に対する効果などに対する重要性および関心が高まっている。
米国の公衆健康ガイドライン(U.S.Public Health Service guidelines)によると、現在米国の菌株寄託機関(ATCC)に寄託されている262種のラクトバシラス菌株の全ては、人体や動物に疾患を引き起こす潜在的な危険性がないと認められる「安定レベル(Bio−safety Level)1」として分類されている。
最近、ラクトバシラスの合成する細胞外の食餌繊維に対する研究が盛んに行われている。これらの菌株が細胞外の食餌繊維を作る機序には多くの遺伝子がかかわっているため極めて複雑であり、合成される食餌繊維の量も極めて少ないと知られている(非特許文献2)。
上記のように、現在まで肥満症または糖尿病の治療に関して様々な研究と努力が行われ、様々な化合物が肥満症または糖尿病治療剤として開発されているが、依然として副作用があって、体内に蓄積された体脂肪、タンパク質などを強制的に排出してしまうので、肥満症または糖尿病を根本的に抑制または治療する画期的な治療剤は未だにないというのが現状である。
Bibel,D.J.,ASM News,54:661−665,1988:Reid,G.and A.W.Bruce,In H.Lappin−Scott(ed.),Bacterial biofilms.Cambridge University Press,Cambridge,England,p.274−281,1995;Reid G.,A.W.Bruce,J.A.McGroarty,K.J.Cheng,and J.W.Costerton,Clin.Microbiol.Rev.,3:335−344,1990 Int.J.Food Microbiol.,Mar.340:1−2,87−92,1998;Current Opinion in Biotechnology,10:498−504,1999;Current Opinion in Microbiology,2:598−603,1999;Appl.Environ.Microbiol.,Feb.64:2,659−664,1998;FEMS
本発明の目的は、腸内で生長しながら消化酵素により分解された低糖類の炭水化物を吸収し、体内に吸収されない高分子物質に転換させることにより、腸から体内に吸収される低糖類の量を大幅に減らすことのできる微生物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記微生物の薬学的有効量を含有し、体内に吸収される低糖類の量を根本的に減すことにより、肥満または糖尿病を予防または治療するための医薬組成物を提供することである。
本発明の更に他の目的は、前記微生物を有効成分として含有する食品組成物を提供することである。
本発明は、腸内生存性が優秀であると共に、腸内で多糖類を高効率で生成して肥満症や糖尿病を予防または治療することのできる微生物に係り、より詳しくは腸内に流入するブドウ糖、ショ糖、または果糖などを体内に吸収されない高分子物質に転換して低糖類の腸内吸収を競争的に阻害することにより、肥満症または糖尿病の予防や治療を可能にした新規な微生物、これらの薬学的有効量を含む組成物、およびこれらを有効成分として含む食品組成物に関する。
前記本発明の微生物は、腸内で生長が可能であり、人体に無害で低糖類を腸管に吸収されない高分子物質に転換するものであって、ラクトバシラス・ファーメンタム(L.fermentum)NM316であることが好ましい。
本発明の各微生物は通常、投与経路に応じて選択される薬学的担体や賦形剤、または補助の有効成分などとの混合でなる錠剤またはカプセルのような単位形態で投与される。本発明の組成物に適合な担体、賦形剤および希釈剤としては、例えば、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、澱粉、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギン酸塩、トラガカントゴム、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微細結晶質セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、シロップ、メチルセルロース、メチルおよびプロピルヒドロキシベンゾエート、タルク、ステアリン酸マグネシウム、または鉱油などが挙げられる。
本発明の微生物組成物は、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤、および懸濁化剤、防腐剤、甘味剤または香味剤を更に含んでも良い。本発明の組成物は当業界において公知の方法を用いて、胃腸通過後に小腸に到達したときに活性成分の微生物が速やかに腸内に放出されるように腸溶性の被覆製剤として製造されても良い。
また、本発明の微生物組成物は通常のカプセル化方法を用いてカプセル形態の組成物として製造されても良い。例えば、標準担体を用いて凍結乾燥させた本発明の微生物の含有されたペレットを製造した後、それを硬質のゼラチンカプセル内に充填しても良く、または本発明の微生物と任意の適宜な製薬学的な担体(例えば、水性ガム、セルロース、ケイ酸塩、またはオイル)とを用いて懸濁液や分散液を製造した後、かかる分散液や懸濁液を軟質のゼラチンカプセル内に充填しても良い。
本発明の製剤は特に、経口用の単位剤型であって、腸溶被覆された腸溶性製剤として提供されても良い。本明細書の“腸溶性被覆”は胃酸では分解されず被覆が維持されるが、小腸では十分に分解されてその活性成分が小腸内に放出され得るようにする製薬学上において許容可能なあらゆる公知の被覆を含む。
本発明の“腸溶性被覆”は、pH1のHCl溶液のような人工胃液を36〜38℃で接触させるとき、2時間以上その形態が維持され、好ましくは、その後はpH6.8のKH2PO4緩衝溶液のような人工腸液において30分以内に分解される被覆を称する。
本発明の腸溶性被覆は、1つのコアに約16〜30mg、好ましくは16〜20mgまたは25mg以下の量で被覆される。本発明の腸溶性被覆の厚さが5〜100μm、好ましくは20〜80μmである場合が腸溶性被覆として満足した結果を示した。腸溶性被覆の材料は公知の高分子物質の中から適宜に選択される。これらの高分子物質は、文献〔L.Lachmanら、The Theory and Practice of Industrial Pharmacy,3版、1986,pp.365−373,H.Suckerら,Pharmazeutische Technologie,Thieme,1991,pp.355−359,Hagers Handbuch der pharmazeutiscnen Praxis,4版,vol.7,pp.739−742および766−778,(Springer Verlag,1971),およびRemingtons Pharmaceutical Sciences,13版,pp.1689−1691(mack Publ.,Co.,1970)〕に挙げられており、セルロースエステル誘導体、セルロースエーテル、アクリル樹脂のアクリル酸メチル共重合体、並びにマレイン酸およびフタル酸誘導体の共重合体がこれらに含まれても良い。
本発明の好ましい腸溶性被覆は、セルロースアセテートフタルレートおよびトリメリテート、そしてメタクリル酸共重合体、例えば、メチルアクリル酸40%以上、および、特にヒドロキシプロピルメチルセルロースフタルレートを含むメチルアクリル酸およびそのエステルから誘導された共重合体から製造される。ローム・ゲエンベハ社(Rohm GmbH,ドイツ)により市販中の製品、エンドリジット・エル(Endragit L 100−55)を本発明の腸溶性被覆の材料として使用し得る。
本発明の腸溶被覆用セルロースアセテートフタレートは、約45〜90cPの粘度と、17〜26%のアセチル含量、および30〜40%のフタレート含量を有し、セルロースアセテートトリメリテートは、約15〜20cSの粘度と、17〜26%のアセチル含量、25〜35%のトリメリチル含量を有する。イーストマン・コダック社(Eastman Kodak Company)市販の製品、セルロースアセテートトリメリテートを、本発明の腸溶性被覆材料として使用し得る。
本発明の腸溶被覆材料として用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、130,000ドルトン(Dalton)の分子量を有し、5〜10%のヒドロキシプロピル含量、18〜24%のメトキシ含量および21〜35%のフタリル含量を有する。イーストマン・コダック社市販のセルロースアセテートフタレートを、本発明の腸溶性被覆の材料として使用し得る。
本発明の腸溶性被覆として用いられるヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートは、シンエツ・ケミカル社(Shin−Etsu Chemical Co.Ltd.,日本)市販のHP50であり、これは6〜10%のヒドロキシプロピル含量、20〜24%のメトキシ含量、21〜27%のフタリル含量と84,000ドルトンの分子量を有する製品である。また、シン−エツケミカル社がHP55として市販中の、ヒドロキシプロピル含量が5〜9%、メトキシ含量が18〜22%、フタリル含量が27〜35%、分子量が78,000ドルトンである製品を、本発明の腸溶性被覆材料として使用し得る。
本発明の腸溶性被覆は、腸溶被覆溶液をコアに噴霧する通常の腸溶被覆法を用いて製造できる。腸溶被覆工程に用いられる適宜な溶媒としては、エタノールなどのアルコール、アセトンなどのケトン、CH2Cl2のようなハロゲン化炭化水素の溶媒であり、これらの溶媒の混合溶媒を用いても良い。フタル酸ジ−n−ブチルまたはトリアセチンのような軟化材を1:約0.05〜0.3(コーティング材料対軟化材)の割合で被覆溶液に加える。噴霧過程を連続的に行うことが好ましく、被覆の条件を考慮して噴霧量を調節することが可能である。噴霧圧は多様に調節でき、一般に約1〜1.5barの噴霧圧で満足できるような結果が得られる。
本明細書の“薬学的な有効量”は、哺乳動物の腸内から体内に吸収される低糖類の量を減らすことのできる本発明の微生物の最小量を意味し、本発明の組成物により体内に投与される微生物の量は投与経路および投与対象を考慮して調整される。
本発明の組成物は対象の固体に毎日一回以上投与され得る。単位投与量は、被験者および他の哺乳動物のための単位投与に適合な物理的に分離された単位を意味し、各単位は適当な製薬的な担体を含み、治療効果を示す本発明の微生物の所定量を含有する。
成人患者への経口投与用の投与単位は、本発明の微生物0.1g以上を含有することが好ましく、本発明の組成物の経口投与量は、一回に0.1〜10g、好ましくは、0.5〜5gである。本発明の微生物の薬学的な有効量は、0.1g/日である。
しかし、投与量は、患者の体重、肥満症状の深刻度、および用いられる微生物と補助の有効成分によって可変的である。また、一日総投与量を数回に分割し、必要に応じて連続的に投与することができる。したがって、前記投与量の範囲はいかなる方式であっても本発明の範囲を制限することはない。
本明細書の“組成物”は必ず医薬品として許可されるものだけを意味するものではなく、醗酵乳、ジェリー、プディングなどの通常の食品、機能性食品または健康補助食品までも含む概念である。
本発明の組成物を周期的に服用する場合、腸内で本発明の各微生物が菌の群を成しながら、人体による糖類の吸収を競争的に妨げると共に、それらの糖類を利用して微生物が産生した非消化性多糖類が腸内有用菌の生息条件を良くし、腸管運動を刺激することにより、結果的には本発明の組成物が肥満症または糖尿病を予防・治療することができるようにする。
以下、本発明をより詳しく説明する
本発明の肥満症または糖尿病の予防および治療用微生物は、(1)腸内での増殖が可能であり、(2)低糖類を速やかに吸収して繊維状物質のような非消化性または難消化性の高分子化合物に転換させ、(3)人体または家畜に害のないという条件を満たす。したがって、前記の3つの条件を満たす公知の微生物を各種の寄託機関から受け、本発明の組成物に使用することができると共に、新規の微生物を新たに分離して使用しても良い。
本発明では、多糖類を生成する乳酸菌を糞便から分離し、それらの多糖類の生成能、糖消費速度、胃酸および胆汁酸に対する耐性実験を通じて突然変異の母菌株を選び出し、それを化学物質を用いて突然変異させて多糖類を多量生成するNM316菌株を選別した。選別されたNM316菌株を調べた結果、それはラクトバシラス・ファーメンタムであることを確認し、‘ラクトバシラス・ファーメンタム NM316’(以下、‘ラクトバシラス NM316’と呼ぶ。)と命名し、これを寄託した(KCTC−10458BP)。
このように選別された本発明のラクトバシラス NM316菌株により生成される多糖類が、腸内消化酵素により分解されるか否かを確認した結果、ラクトバシラス NM316菌株により生成された多糖類は、腸内消化酵素により分解されず最終的には体内に吸収されないまま排出されることが分かった。
本発明のラクトバシラス・ファーメンタム NM316菌株を生菌形態および乳酸菌醗酵乳形態でラットに投与した結果、少量の多糖類を生成する対照群に比べ、体重変化の面において、生菌形態の投与群では約16.1%の体重増加抑制効果を、乳酸菌醗酵乳形態の投与群では約6.3%の体重増加抑制効果を示していた。そして、飼料摂取量においては、生菌形態の投与群では概ね10.7%減った量を、乳酸菌醗酵乳形態の投与群では概ね4.6%増えた量を摂取することと確認された。
上記のそれぞれの結果に基づき、飼料摂取量を体重増加量で割ることで得られた値で表現した代謝効率の側面で計算した結果、対照群に比べ本発明のラクトバシラス・ファーメンタム NM316菌株においては、生菌形態の投与群の場合は、一日おきの周期で測定した結果、概ね6.4%、また乳酸菌醗酵乳形態の投与群の場合では12日を周期にして測定した結果、概ね28.5%増加した代謝効率を示していた。したがって、本発明の微生物を摂取する場合、摂取する飼料の量が増えると、対照群に比べ、体重増加の抑制効果があることを確認できた。
また、本発明の微生物を摂取した場合における血中コレステロールの変化を調べた結果、本発明のラクトバシラス・ファーメンタム NM316菌株は、生理食塩水投与群に比べ有意に減少した。したがって、本発明の微生物および該微生物が有効成分として含む食品組成物は、肥満症、糖尿病および循環器性疾患(動脈硬化、心筋梗塞など)に効果を示すことが分かる。
本発明の微生物は、優れた腸内生存性と、高効率の多糖類産生能を有しており、腸内で生存しながら、ブトウ糖、ショ糖、果糖なとの低糖類の化合物を高分子量の多糖類に転換させて体内に吸収される炭水化物の量を減らすことにより、肥満症または糖尿病を治療・予防できる効果を有する。なお、本発明による微生物は、体重調節、整腸作用、コレステロール吸収抑制などの効果を有する。
以下、本発明を実施例を用いてより詳しく説明するが、下記の実施例は本発明を説明するためのものであって、本発明の権利範囲を制限しようとするものではない。
実施例1:多糖類を多量に産生する菌株の獲得
本発明の組成物に用いられる新規な微生物を下記のような方法で分離および改善した。先ず、粘質物を多量に産生する乳酸菌を見出すために、糞便飼料を、韓国清州市に生まれた、6ヶ月間母乳のみ授乳している健康な乳児から得た。該糞便を生理食塩水で10倍希釈し、2%のものをpH1.5のMRS液体培地に接種し、37℃で5時間培養した。これをMRS培地および乳酸菌選択培地(LBS agar)に塗末してから、37℃で48時間培養し、各平板から5〜30個のコロニーを得た。次いで、つまよう枝を用いてそれぞれのコロニーの粘性を調べ、粘りを示すコロニーを粘性物質産生菌株として選抜した。選抜された菌株はMRS agar培地に2回以上塗末して純粋分離した。それぞれのコロニーはラクトバシラスのみを選択的に選別できるプライマーを用いたPCR法により、ラクトバシラスのみを選別分離した。
上記のようにして分離したそれぞれの菌株をMRS培地において37℃で6時間培養してから遠心分離し、生理食塩水(PBS.pH7.0)緩衝液で2回洗浄した後、同量の生理食塩水に懸濁させてNTG(N−methyl−N−mitro−N−nitrogoguanidine)を最終濃度が200μg/mLとなるように加え、37℃で30〜120分間培養した。遠心分離して得られた菌株は生理食塩水で2回洗浄した後、再びMRS液体培地で3回繰り返して培養し、高濃度の果糖の含有されたMRS培地〔5%果糖、1%牛肉抽出物、1%ペプトン、0.5%酵母抽出物、0.1%Tween−80(Tween−80)、0.2%クエン酸アンモニウム、0.5%酢酸ナトリウム、0.01%MgSO4、0.01%MnSO4、0.05%L−cysteine−HCl〕に塗末し、37℃で48時間培養した。
平板に形成したコロニーをつまよう枝を用いてそれぞれの粘性を調べ、粘性の増加したコロニーを選抜した後、それを再び、MRS液体培地に接種して培養した。24時間培養された菌株培養液の多糖類産生収率を計算するために、それぞれのチューブに0.5mLずつ入れ、13,000(g)で20分間遠心分離してから上清液を採り、同量の40%トリクロロアセテートを加えて攪拌した後、再び13,000(g)で20分間遠心分離して得られた上清液に2培の冷却したエタノール(4℃)を加えて混合した。それを再び6,000(g)で10分間遠心分離してからその上清液を気をつけながら捨てた後、最初体積と同量の蒸留水を入れて多糖類を懸濁させてからフェノール−硫酸法で多糖類の量を測定し、多糖類効率〔EPS(mg/L)/O.D(650nm)〕を測定し、一つの菌株を得た。
ラクトバシラス・ファーメンタム NM316菌株は表1に示すように、対照の微生物であるラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272に比べ、5倍以上の多糖類産生能を示していることが分かる。
実施例2:ラクトバシラス NM316菌株(KCTC 10458BP)の特性および同定
多糖類産生量の向上されたラクトバシラス NM316の系統を把握するために、それぞれの菌株をMRS液体培地に接種し、37℃で12時間静置して培養した。培養液を4℃、6,000(g)で遠心分離して微生物を得た後、それよりCTAB/NaCl法を用いて核酸を抽出した。核酸抽出物を16S rRNAコンセンサスプライマー(16S rRNA consensus primer)を用いて16S rRNA遺伝子の塩基配列を決定した結果、本発明の微生物はラクトバシラス・ファーメンタムであることが確認された。
尚、API 50 CH Kit(Bio Merieux Co.)を用いた糖利用性を比べた結果、L−アラビノース、リボース、ガラクトース、グルコース、マルトース、メリビオス、果糖に対する糖利用性は高いレベルを示したが、その他、D−ラフィノース、グルコネートにおいては低い成長率を示していた。
上記したように、表現型と16S rRNA遺伝子との塩基配列分析を通じ、本発明の微生物を‘ラクトバシラス・ファーメンタム NM316菌株’として命名し、これを微生物寄託における国際的承認に関するブダペスト条約に基づき、KCTC(Korean Collection for Type Culture)に寄託した(KCTC 10458BP)。
実施例3:多糖類の腸内消化酵素による分解性
本発明のラクトバシラス NM316菌株による、腸内から産生される多糖類の腸内消化酵素による分解度を調べるために、精製された多糖類をリン酸緩衝液に溶かした後、ラットの小腸より分離した消化酵素を濃度別に添加し、120分間反応させてからその結果を酵素比色法を用いたトリンダー・キット(Cat.315−500 Sigma,USA)で測定した。
表2に示すように、ラクトバシラス NM316菌株により産生された多糖類は、腸内消化酵素によって分解されないことが分かった。したがって、本発明のラクトバシラス NM316菌株により産生された多糖類は、体内に吸収されないまま体外に排出されることが分かった。
実施例4:ラクトバシラス NM316菌株のプロバイオティックス効果の確認
ラクトバシラス NM316菌株のプロバイオティックス効果を確認するために、先ず、大腸菌(E,Coli)を16時間LB培地で培養し、1×105〜1×106の濃度に希釈した。これを滅菌した綿棒に濡らして均一に塗末した後、ラクトバシラス NM316培養上清液を20倍に希釈し、滅菌した8mmディスクペーパー(ADVANTEC,日本)に40μLの醗酵液を吸収させて塗末した寒天平板培地の上に置いた。
次いで、37℃で48時間培養した後、その生育抑制能を比較するためにディスク周辺に形成する透明地域の大きさを調べた。醗酵液による大腸菌生長抑制環を確認した結果、ラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272およびラクトバシラス NM316のいずれにおいても透明環の形成を確認することができた。したがって、ラクトバシラス NM316菌株は、有害菌の生長を抑制する乳酸菌固有のプロバイオティックス効果を有することを確認できた。
実施例5:ラクトバシラス NM316摂取時の体重、食餌量の変化、およびそれに伴う代謝効率の変化
本発明で用いられた動物は、SDラット(Sprague Dawley rat)(5週齢、雄)で、 生理食塩水(PBS)投与群、ラクトバシラス・ロイテリATCC23272投与群、ラクトバシラス NM316菌株投与群からなるグループに大別し、各群当たりを11匹のラットに構成して実験に臨んだ。上記各実験群に対して、ラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272およびラクトバシラス NM316菌株は1日2回投与し、1回投与時の総菌体量は、3×1011cfuの濃度にし、経口投与方式を採択した。図4のaは、本発明による微生物を生菌の形態で摂取したラットの飼料摂取量の変化様子を示したものである。ここでは、ラットの体重および飼料摂取量を隔日周期にて測定し、9匹の平均値を示していた。
図2および表3に示すように、本実験によって40日間投与した結果、SDラットの体重変化が、投与開示日から12日経過した時点から徐々に現われ、最終日の40日目における測定値は対照群のPBS群に比べ、約10.3%減少した結果が得られた。
また、長期投与時において、SDラットの飼料摂取量の変化を伴う飼料効率の変化を調べたが、図5のaに示すように、本発明による微生物を生菌の形態で摂取したラットの代謝効率の変化は結果的に、ラクトバシラス NM316投与群の総飼料摂取量が、他群に比べ概ね10.7%程度低いことを確認することができ、投与期間中の総体重変化量も同様に約16.1程度低くなることが確認された。しかし、飼料の効率面では、生理食塩水(PBS)投与群に比べ、約6.4%高くなっていた。
結果として、ラクトバシラス NM316投与群は、生理食塩水投与群より多い量の飼料を摂取するとしても、体重増加の抑制効果がより優れていることが分かる。
実施例6:ラクトバシラス NM316菌株の乳酸菌醗酵乳の摂取時における体重、食餌量の変化、およびそれに伴う代謝効率の変化
本発明で用いられた動物は、SDラット(Sprague Dawley rat)(5週齢、雄)で、 生理食塩水(PBS)投与群、一般のスターター菌株のみを用いた乳酸菌醗酵乳(S)投与群、ラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272菌株を添加して製造した乳酸菌醗酵乳投与群、およびラクトバシラス NM316菌株を添加して製造した乳酸菌醗酵乳投与群として分類し、各群当たりを11匹のラットに構成して実験に臨んだ。ここで、生理食塩水を除いた乳酸菌醗酵乳投与群に対しては、スターター菌株であるストレプトコッカス・サーモフィラスとラクトバシラス・ブルガリカスとを5:2の割合で混合した菌体7×106を接種して基本スターター醗酵乳を製造し、これを基本スターター乳酸菌醗酵乳とし、該醗酵乳の生菌数は全体として1×108程度となるようにした。このようにして製造した乳酸菌醗酵乳に、ラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272およびラクトバシラス NM316菌株に対しては別途培養して乳酸菌醗酵乳に添加して投与し、このとき、ラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272およびラクトバシラス NM316菌株の投与された総菌体量は、4×1010cfuであり、こうして製造した乳酸菌醗酵乳は1日2回経口投与する方式を採択した。図4のbに示すように、ラットの体重および飼料摂取量は4日毎に測定して10匹に対する平均値を示した。
上記で製造した醗酵乳を60日間投与した結果、図3および図4に示すように、SDラットの体重変化が44日経過して時点から徐々に現われ、最終日の60日目における測定値は、対照群であるヨーグルト投与群に比べ、体重が約2.6%程度減少した結果を示した。長期投与時のSDラットの飼料摂取量の変化においては、スターターヨーグルト投与群に比べ、ラクトバシラス NM316投与群が約4.6%程度多い量の飼料を摂取すると判明され、投与期間中の体重変化量においても、4.3%程度抑制されると判明された。上記結果に基づき、図5のbに示すように、飼料効率を計算したとき、ヨーグルト投与群に比べ約5.2%高い数値を示していた。
実施例7:ラクトバシラス NM316菌株の摂取時におけるコレステロールの変化
本発明によるラクトバシラス NM316菌株を摂取した場合、糖尿病や肥満症などの疾患だけでなく、循環器性疾患(動脈硬化、心筋梗塞など)の発病率に対する抑制効果があるか否かを確認するために、血中コレステロール値の変化を分析した。
脂肪質の分析のために、実験に使用していたラットの血液を実験終了の際に、しっぽ採血法を利用して採血してから分析に用いた。脂肪質の分析は、酵素比色法を用いており、Cholestezyme−V(シンヤン化学、韓国)などを用い、505〜570nmにおいて標準溶液と共に吸光度を測定することにより、血清内のコレステロール含量を計算した。
図6および表5に示すように、ラクトバシラス NM316菌株の血中総コレステロール値は、生理食塩水投与群に比べ、投与開示日から40日経過した時点から減少し始め、かえって投与前より減少していた。したがって、本発明の微生物は循環器性疾患(動脈硬化、心筋梗塞など)の発病率を減少させる効果を有すると予測できる。
前述したように、本発明の構成および好ましい実施例を本明細書に記載したが、本発明の権利範囲は、上記で記載された実施例に制限されるものと解析されてはならず、当業者であれば、本発明の権利範囲内で本明細書に記載の内容を変形して実施できると判断される。
本発明による微生物によるプロバイオティックス(probiotics)効果を検証する図面である。ここで、Aはラクトバシラス・ロイテリ ATCC23272を、Nはラクトバシラス・ファーメンタム NM316を示すものである。 本発明による微生物を生菌の形態で摂取したラットの体重変化の様子を示す図表である。ここで、aは初期体重gを、bは40日間投与した後の体重gを、cは40日間投与した後の体重増加量gを示すものである。 本発明による微生物を乳酸菌醗酵乳の形態で摂取したラットの体重変化の様子を示す図表である。ここで、aは初期体重gを、bは60日間投与した後の体重gを、cは60日間投与した後の体重増加量gを示すものである。 本発明による微生物を摂取したラットの飼料摂取量の変化を示す図表である。ここで、aは本発明の微生物の生菌形態の投与群を、bは乳酸菌醗酵乳(ヨーグルト)形態の投与群に対する結果である。 本発明による微生物を摂取したラットの代謝効率の変化を示す図表である。ここで、aは本発明の微生物の生菌形態の投与群を、bは乳酸菌醗酵乳(ヨーグルト)形態の投与群に対する結果である。 本発明による微生物を摂取したラットの血中コレステロール濃度変化の様子を示す図表である。

Claims (7)

  1. 多糖類物質を生成するラクトバシラス・ファーメンタム(Lactobacillus fermentum NM316(KCTC−10458BP)。
  2. 多糖類物質を生成する薬学的有効量のラクトバシラス・ファーメンタム NM316(KCTC−10458BP)および担体でなる肥満症予防・治療用製剤。
  3. 前記肥満症予防・治療用製剤を腸溶性の被覆物質で覆ったことを特徴とする請求項2に記載の肥満症予防・治療用製剤。
  4. 多糖類物質を生成するラクトバシラス・ファーメンタム NM316(KCTC−10458BP)を有効成分として含む食品組成物。
  5. 前記食品組成物が、ジェリー、プディング、粉末、カプセル、または醗酵乳であることを特徴とする請求項4に記載の食品組成物。
  6. 多糖類物質を生成する薬学的有効量のラクトバシラス・ファーメンタム NM316(KCTC−10458BP)および担体でなる糖尿病予防・治療用製剤。
  7. 前記糖尿病予防・治療用製剤を腸溶性被覆物質で覆ったことを特徴とする請求項5に記載の肥満症予防・治療用製剤。
JP2003338120A 2003-07-21 2003-09-29 ラクトバシラス・ファーメンタム、それと担体からなる肥満症または糖尿病の予防・治療用製剤、食品組成物 Expired - Fee Related JP4248985B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
KR1020030049716A KR100794702B1 (ko) 2003-07-21 2003-07-21 비만증 또는 당뇨병 예방 및/또는 치료용 미생물

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005040123A true JP2005040123A (ja) 2005-02-17
JP4248985B2 JP4248985B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=34270591

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003338120A Expired - Fee Related JP4248985B2 (ja) 2003-07-21 2003-09-29 ラクトバシラス・ファーメンタム、それと担体からなる肥満症または糖尿病の予防・治療用製剤、食品組成物

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4248985B2 (ja)
KR (1) KR100794702B1 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011007792A1 (ja) * 2009-07-17 2011-01-20 天野エンザイム株式会社 酵素組成物
JP2011139700A (ja) * 2009-12-09 2011-07-21 Meiji Co Ltd 乳酸菌のスクリーニング方法、当該方法により選抜された乳酸菌、並びにその乳酸菌を含む抗ウイルス剤及び飲食品組成物
JP2011206057A (ja) * 2005-07-26 2011-10-20 Nestec Sa 抗肥満剤および抗肥満食品
JP2012531189A (ja) * 2009-06-30 2012-12-10 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ 発酵乳製品の生産のための方法
US20200297786A1 (en) * 2018-04-05 2020-09-24 Hooman Melamed Probiotic Formulation and Method for Weight Loss Treatment

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB0601503D0 (en) 2006-01-25 2006-03-08 Council Cent Lab Res Councils Droplet Deformation
KR101249824B1 (ko) * 2010-12-16 2013-04-03 대상에프앤에프 주식회사 대사증후군 예방에 효과가 있는 식물성유산균 락토바실러스 플란타륨 dsr j1―8 및 이의 용도
KR102125548B1 (ko) 2015-02-10 2020-06-24 주식회사 지니스 비만 억제능을 갖는 균주 및 이를 함유하는 약학 조성물
KR101980527B1 (ko) * 2018-03-26 2019-05-21 주식회사 지놈앤컴퍼니 신규한 락토바실러스 퍼멘텀 lm1016 균주, 및 이를 포함하는 심혈관질환 예방 또는 치료용 조성물
WO2020045972A1 (ko) * 2018-08-31 2020-03-05 주식회사 메디오젠 항비만 활성을 갖는 인체 유래 락토바실러스 퍼멘툼 엠지4231 또는 락토바실러스 퍼멘툼 엠지4244 균주 및 이를 포함하는 조성물
KR102021883B1 (ko) * 2018-09-07 2019-09-17 재단법인 전남생물산업진흥원 락토바실러스 퍼멘텀 lm1016 균주 및 이를 포함하는 염증 질환 또는 대사 질환의 예방 또는 치료용 조성물
KR101981333B1 (ko) * 2018-10-31 2019-05-23 주식회사 메디오젠 항비만 활성을 갖는 인체 유래 락토바실러스 퍼멘툼 mg4231 또는 락토바실러스 퍼멘툼 mg4244 균주 및 이를 포함하는 조성물
KR101985792B1 (ko) * 2019-04-22 2019-06-05 주식회사 메디오젠 항비만 활성을 갖는 인체 유래 락토바실러스 퍼멘툼 mg4231 또는 락토바실러스 퍼멘툼 mg4244 균주 및 이를 포함하는 조성물
WO2021137600A1 (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 주식회사 지아이바이옴 락토바실러스 퍼멘텀 균주 및 이를 포함하는 대사질환의 예방 또는 치료용 조성물
KR20210086539A (ko) * 2019-12-31 2021-07-08 주식회사 지아이바이옴 락토바실러스 퍼멘텀 균주 및 이를 포함하는 대사질환의 예방 또는 치료용 조성물

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0859492A (ja) * 1994-08-26 1996-03-05 Yakult Honsha Co Ltd 抗糖尿病薬
US6241983B1 (en) 1994-10-28 2001-06-05 Metagenics, Inc. Bacteria-and fiber-containing composition for human gastrointestinal health
KR100404236B1 (ko) * 2000-05-17 2003-11-01 (주)바이오니아 비만 또는 당뇨병 치료용 미생물 및 상기 미생물을포함하는 의약 조성물
KR100378037B1 (ko) * 2000-08-31 2003-03-29 조남지 장관면역활성증진 효과가 있는 밀가루 발효 조성물

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011206057A (ja) * 2005-07-26 2011-10-20 Nestec Sa 抗肥満剤および抗肥満食品
JP5144263B2 (ja) * 2005-07-26 2013-02-13 ネステク ソシエテ アノニム 抗肥満剤および抗肥満食品
US8637000B2 (en) 2005-07-26 2014-01-28 Nestec S.A. Anti-obesity agent and anti-obesity food
US8637001B2 (en) 2005-07-26 2014-01-28 Nestec S.A. Anti-obesity agent and anti-obesity food
JP2012531189A (ja) * 2009-06-30 2012-12-10 セーホーエル.ハンセン アクティーゼルスカブ 発酵乳製品の生産のための方法
WO2011007792A1 (ja) * 2009-07-17 2011-01-20 天野エンザイム株式会社 酵素組成物
JP2011139700A (ja) * 2009-12-09 2011-07-21 Meiji Co Ltd 乳酸菌のスクリーニング方法、当該方法により選抜された乳酸菌、並びにその乳酸菌を含む抗ウイルス剤及び飲食品組成物
US20200297786A1 (en) * 2018-04-05 2020-09-24 Hooman Melamed Probiotic Formulation and Method for Weight Loss Treatment

Also Published As

Publication number Publication date
JP4248985B2 (ja) 2009-04-02
KR100794702B1 (ko) 2008-01-14
KR20050010451A (ko) 2005-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4580542B2 (ja) 肥満又は糖尿病治療用微生物及びその微生物を含む医薬組成物
US6942857B2 (en) Microorganisms for preventing and/or treating obesity or diabetes mellitus
CA2750070C (en) Method for alleviating intestinal problems and novel bacterial strains therefor
JP4248985B2 (ja) ラクトバシラス・ファーメンタム、それと担体からなる肥満症または糖尿病の予防・治療用製剤、食品組成物
JP4445204B2 (ja) 肥満および糖尿病の予防・治療用微生物
KR20130002545A (ko) 신규한 유산균 및 이를 포함하는 당뇨병 예방 및 치료용 조성물
KR100943747B1 (ko) 락토바실러스 가세리 bnr17 균주를 포함하는 당뇨병예방 및 치료용 조성물
JP6990303B2 (ja) Megamonas funiformis及びその適用
KR20040027180A (ko) 비만 또는 당뇨병의 예방 및 치료 효과를 갖는 유산균발효 유제품 및 그 제조방법
KR100404236B1 (ko) 비만 또는 당뇨병 치료용 미생물 및 상기 미생물을포함하는 의약 조성물
JP5082048B2 (ja) 免疫賦活作用及び/又はアレルギー抑制作用を有し、且つ胃液耐性を有する新規乳酸菌
JP2018532380A (ja) 腸内細菌の酪酸桿菌(Butyribacter intestini)およびその使用
CN111281894B (zh) 加氏乳杆菌在预防和/或治疗代谢性疾病中的用途和组合物
CN117004503B (zh) 一株唾液联合乳杆菌mb1及其在制备助睡眠和调理肠胃食品药品中的应用
JP2003252770A (ja) 糖尿病合併症予防・改善・治療剤
US11903981B2 (en) Use of Anaerofustis stercorihominis in preventing and/or treating metabolic diseases
JP2007186529A (ja) 悪臭ガス放出減少方法
CN116606761A (zh) 一种能够缓解类风湿性关节炎的动物双歧杆菌乳亚种BLa19及其应用
CN115804795A (zh) 一种枯草芽孢杆菌菌剂及其在制备糖尿病预防产品中的应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060928

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081216

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090114

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees