JP2005040081A - 食品材料の成型機構及びこれを用いた成型方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外枠部材3と、外枠部材3に対して摺動可能に配位された外側型部材4と、外側型部材4に対して摺動可能に配位された内側型部材5とを備え、内側型部材5の凹部形成部53は、外側型部材4の下端面よりも下方に突出可能なものであり、外側型部材4の内周面41aには、上側空気通路44と外側閉鎖部41bとが形成され、内側型部材5には、下側空気通路と内側閉鎖部52bとが形成された食品材料の成型機構を提供する。外側型部材4と内側型部材5のそれぞれの位置関係により、上側空気通路44と下側空気通路との連通状態と閉鎖状態を切り替えることができ、食品材料の形態を崩さずに成型することが可能であり、断面凹型の食品材料を容易に製造できる。
【選択図】 図2
Description
本例においては、この外側型部材配位空間31の断面形状を、図2に示すように円形としているが、これに限られず、長円形や多角形、あるいは星形など、種々の形態とすることが可能であり、これにより、種々の形状に食品材料Fを成型することができる。
摺動規制部42は上端側に位置する部分であって、外枠部材3の外側型部材配位空間31よりも大きな寸法の部分を有するものであり、これにより、外側型部材4が下方に抜けることのないようになされている。また本例においては、この摺動規制部42は、外側型部材4の上方に配位されるカム(図示しない)の回転運動を受けて、摺動部43が外枠部材3に規制された状態で、外側型部材4が上下方向に往復運動可能となっている。
摺動部43は、外枠部材3の内周面31aに対して摺動可能に配位されるものであり、摺動部43の外周面の形状は、上記内周面31aと一致するように形成されている。
また、外側型部材4の内部には、図2や図3に示すように、上側空気通路44及び外側閉鎖部41bが形成されている。本例においては、この上側空気通路44は、摺動部43における内側型部材配位空間41aの内周面において、上方から下方の途中部分まで至るように形成された溝部44aと、その上方において溝部44aと連通する外部連通路44bとして形成されている。そして、この溝部44aは内側型部材配位空間41に対して連通するものである。また、外部連通路44bは上方において、摺動規制部42の外周面に対して開口している。このように上側空気通路44が形成されることにより、内側型部材配位空間41は、食品材料Fの充填される下側部分以外においても成型機構1の外部に対して連通している。
言い換えると、外側閉鎖部41bは、上側空気通路44より下方であり、かつ、内側型部材5の内側閉鎖部52bとの間で気密性を保ち得る部位である。
また、本例においては、外部連絡路44bが外部に開口することにより大気に開放された状態としているが、これに限らず、外部連絡路44bに風船状やピストンを備える伸縮自在な空間を設けて接続し、上側空気通路44を直接外部に開放しないようにすることもできる。このようにすれば、特に食品材料Fを成型する際において、周辺を比較的高度な清浄性を保つ必要がある場合に、食品材料Fの凹部が外気に触れないようにでき、有利である。
また、外部連絡路44bにコンプレッサーなどを接続しておき、食品材料Fの凹部に比較的高圧の空気を供給して、成型機構1から成型後の食品材料Fを容易に分離できるものとしても良い。
摺動規制部51は上端側に位置する部分であって、外側型部材4の内側型部材配位空間41の大きさよりも大きな寸法の部分を有するものであり、これにより、内側型部材5が下方に抜けることのないようになされている。また本例においては、内側型部材5の上方に配位されるカム(図示しない)の回転運動を受けて、摺動部52が外側型部材4に規制された状態で、内側型部材5が上下方向に往復運動可能となっている。
摺動部52は、外側型部材4における内側型部材配位空間41の内周面41aに対して摺動可能に配位されるものであり、摺動部52の外周面52aの形状は、上記内側型部材配位空間41の内周面41aと一致するように形成されている。
凹部形成部53は、内側型部材5の下端部分であり、図3(B)などに示すように、外側型部材4の下端面4aよりも相対的に下方に突出可能なものである。本例において、この凹部形成部53には、下端方向に向かうにつれて断面直径が小さくなるようにテーパ面53aが形成されている。
この下側空気通路54の形態は、本例のような、外側型部材4と内側型部材5とにより形成される形態に限られるものではなく、凹部形成部53をテーパ形状とはせずに、凹部形成部53の外周面に溝を形成し、この溝を下側空気通路としても良い。
まず、図3(B)及び図4(A)に示すように、外側枠部材4の下端面4aから、内側枠部材5の凹部形成部53を突出させた状態においては、外側型部材4の外側閉鎖部41bと、内側型部材5の内側閉鎖部52bとが一致した状態となっており、外側型部材4の溝部44aと下側空気通路54とは連通しない状態となるため、各空気通路44,54は閉鎖されている。
次に、図4(B)及び図5(A)に示すように、外側型部材4に対し内側型部材5を引き上げた際には、上記のように外側型部材4の外側閉鎖部41bと、内側型部材5の内側閉鎖部52bとが一致した状態ではなくなり、外側型部材4の溝部44aの一部と、凹部形成部5のテーパ面53aの一部とが一致する。これにより、各空気通路44,54が連通し、空気の通り抜けが可能となる。
よって、食品材料Fに凹部を形成した後に凹部形成部53を食品材料Fから引き離す際においても、食品材料Fの凹部と凹部形成部53との間を、上記の各空気通路44,54を介して外部と連通させることができるため、食品材料Fの形状を崩さずに成型することができる。
なお、本例の成型機構1にあっても、図5(A)に示す状態から、内側型部材を再度下降させ、図5(B)に示す状態とすることにより、食品材料Fの凹部と凹部形成部53との間に存在する空気を圧縮させることができ、従来と同様にして、外側型部材4の下端面4aに貼りついた状態の食品材料Fを下方に取り外すことができる。
まず、図3(A)に示す状態から、外側型部材4及び内側型部材5を上方に引き上げ、外側型部材4の下端面4aから内側型部材5の凹部形成部53が突出した状態とする。ここで、外枠部材3の外側型部材配位空間31の内周面31a、外側型部材4の下端面4a、内側型部材5の凹部形成部53の下端面53b及びテーパ面53aによって充填空間が形成される。
そして、図1に示す圧入ブロック6より、充填空間に食品材料Fが充填され、図3(B)に示す状態となる。ここで、外側型部材4の外側閉鎖部41bと、内側型部材5の内側閉鎖部52bとが一致しているため、充填空間よりも上方にある上側空気通路44に食品材料Fが混入しないようになっている。
次に、外側型部材4及び内側型部材5を図3(B)に示す位置関係のまま、外側型部材4の下端面4aが外枠部材3の下端面3aに一致するように相対的に下方に移動する。これが図4(A)に示す状態である。
次に、上記の状態から、内側型部材5のみを相対的に上方に引き上げる。この際、図4(B)に示したような状態となり、既に説明したように、外側型部材4の溝部44aと内側型部材5の凹部形成部53のテーパ面53aのそれぞれ一部が一致し、上側空気通路44と下側空気通路54とが連通する。よって、内側型部材5の下端面53aと食品材料Fの凹部との間の空間に外気が導入されるため、この空間が真空状態になることによる食品材料Fの型崩れが起こることがなく、食品材料Fを、断面凹型のまま美しく成型することができる。
そして、図5(A)に示す状態から、再度内側型部材5を相対的に下降させると、その途中で、外側型部材4の外側閉鎖部41bと、内側型部材5の内側閉鎖部52bとが一致するため、各空気通路44,54が閉鎖される。そして、その後の内側型部材5の下降に伴い、凹部形成部53と食品材料Fに形成された凹部との間の空間における気圧が上昇し、食品材料Fには下方への力が働く。これにより、図5(B)のように食品材料Fが下方へと落下し、成型機構1から分離する。
なお、上記ような気圧上昇の工程を設けずに、図5(A)に示した状態において、外側枠部材4の下端面4aと食品材料Fとの間にピアノ線等を通すことにより、食品材料Fを成型機構1から分離しても良い。
2 モールド板
3 外枠部材
3a 下端面(外枠部材)
31a 内周面(外枠部材)
4 外側型部材
4a 下端面(外側型部材)
41a 内周面(外側型部材)
41b 外側閉鎖部
44 上側空気通路
44a 溝部
5 内側型部材
52b 内側閉鎖部
53 凹部形成部
53a テーパ面
53b 下端面(凹部形成部)
54 下側空気通路
F 食品材料
M 製造装置
Claims (4)
- ハンバーグなどの食品材料(F)の製造装置(M)に備えられる成型機構(1)において、
モールド板(2)に取り付けるための外枠部材(3)と、外枠部材(3)の内周面(31a)に対して相対的に摺動可能に配位された外側型部材(4)と、外側型部材(4)の内周面(41a)に対して相対的に摺動可能に配位された内側型部材(5)とを備え、
内側型部材(5)の先端部分である凹部形成部(53)は、外側型部材(4)の下端面(4a)よりも下方に突出可能なものであり、
外側型部材(4)の内周面(41a)には、上側空気通路(44)と外側閉鎖部(41b)とが形成され、
内側型部材(5)には、下側空気通路(54)と内側閉鎖部(52b)とが形成され、
外枠部材(3)と外側型部材(4)と内側型部材(5)の凹部形成部(53)とにより、断面凹型の充填空間を形成した際には、上記の外側閉鎖部(41b)と内側閉鎖部(52b)とが一致し、上側空気通路(44)と下側空気通路(54)とが連通しない状態となり、
外側型部材(4)に対し、凹部形成部(53)を相対的に引き込む際に、上記の上側空気通路(44)と下側空気通路(54)とのそれぞれ一部が連通した状態となることを特徴とする、食品材料の成型機構。 - 上記上側空気通路(44)は、外側型部材(4)の内周面(41a)の下端側の一部である外側閉鎖部(41b)よりも上方に、内周面(41a)に対して、上下方向に形成された溝部(44a)を有し、
上記の下側空気通路(54)は、凹部形成部(53)の外周に形成されたテーパ面(53a)と外側型部材(4)の内周面(41a)との間の空間であることを特徴とする、請求項1に記載の食品材料の成型機構。 - ハンバーグなどの食品材料(F)を成形する方法において、
外枠部材(3)と、外枠部材(3)の内周面(31a)に対して摺動可能に配位された外側型部材(4)と、外側型部材(4)の内周面(41a)に対して摺動可能に配位された内側型部材(5)とを備え、内側型部材(5)の先端部分である凹部形成部(53)が、外側型部材(4)の下端面(4a)よりも下方に突出可能な食品材料の成型機構を用い、
外枠部材(3)の下端面(3a)に対し、外側型部材(4)と内側型部材(5)とを、相対的に上方に移動させ、内側型部材(5)の凹部形成部(53)の下端面(53b)よりも外側型部材(4)の下端面(4a)の方を上方寄りに配位することにより、断面凹型の充填空間を形成すると共に、上記の充填空間に食品材料(F)を充填する工程と、
外側型部材(4)と内側型部材(5)とを、外枠部材(3)に対して相対的に下方に移動させることにより、食品材料(F)を外枠部材(3)から押し出す工程と、
外側型部材(4)に対して内側型部材(5)を相対的に上方に移動させると共に、この移動に際して、内側型部材(5)と食品材料(F)との間に空気を導入する工程とを備えることにより、
食品材料(F)を断面凹型の形態に成型することを特徴とする食品材料の成型方法。 - 請求項1又は請求項2に記載の食品材料の成型機構を用い、
外枠部材(3)の下端面(3a)に対し、外側型部材(4)と内側型部材(5)とを相対的に上方に移動させ、内側型部材(5)の凹部形成部(53)の下端面(53b)よりも外側型部材(4)の下端面(4a)の方を上方寄りに配位することにより、断面凹型の充填空間を形成し、
上記の充填空間に食品材料(F)を充填した後に、外側型部材(4)の下端面(4a)が少なくとも外枠部材(3)の下端面(3a)よりも下方となるように、外枠部材(3)に対し、外側型部材(4)と内側型部材(5)とを共に相対的に下方に移動させ、
上記の状態で、外側型部材(4)に対し、内側型部材(5)のみを相対的に上方に引き上げ、外側型部材(4)の上側空気通路(44)と内側型部材(5)の下側空気通路(54)とを連通させることにより、断面凹型の形態を崩さずに成型が可能であることを特徴とする、食品材料の成型方法。
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