JP2005039777A - 画像撮影装置及び画像撮影システム - Google Patents

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Abstract

【課題】広範囲の撮影領域のうちの任意の領域を容易に撮影することである。
【解決手段】画像撮影装置としてのデジタルカメラ1において、メニューキー9及び十字キー10を介して任意の撮影対象の画像領域を設定する撮影領域情報としての撮影モードが入力され、広角レンズである撮影レンズ2により結像した画像を内蔵の撮像素子であるCCDで撮像し、前記撮影モードに基づいて、前記撮像された画角の広い画像データから任意の画像領域を抽出して記憶部に記憶する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像を撮影する画像撮影装置及び画像撮影システムに関する。
従来、撮像素子としてCCDを備え、レンズから入射した画像をデジタルデータに変換して撮影するデジタルカメラがあった。デジタルカメラの多様化により、様々なタイプのデジタルカメラも考えられている。例えば、ズームレンズを効率的に収容するために双眼鏡型に形成されたデジタルカメラも考えられている(例えば、特許文献1参照)。このような単レンズのデジタルカメラでも、広角レンズを用いることで、画角を広げて画像撮影することができる。
また、レンズを含む光学系を複数設けて、各光学系で撮影された各画像データを合成して撮影する装置が考えられている(特許文献2参照)。
特開平10−229513号公報 特開平5−236344号公報
デジタルカメラにおいて、広範囲の撮影領域内の任意の領域を撮影する要請がある。また、1つの広角レンズを使用して撮影した場合には、画角が大きくなればなるほど画像の収差が大きくなるので、全体撮影画像領域中の視野の角度が大きい端部分などの画像領域が有効活用されていなかった。
また、特許文献2に記載の構成では、各光学系の撮影方向が同一であるために、広範囲の撮影領域を確保することができなかった。また、異なる撮影方向で別々の2機の光学系(撮像部)を有する携帯電話機も実施されており、2つの撮影方向、つまり広範囲に対応する画像を撮影することができる。しかし、そのスルー画像は、光学系(撮像部)ごとに切り替えて表示されるので、操作者が全方向のスルー画像を同時に把握できず、スルー表示されていない方向の被写体の撮影チャンスを逃してしまうなどの複数方向の撮影が困難となるおそれがあった。
本発明の課題は、広範囲の撮影領域のうちの任意の領域を容易に撮影することである。
以上の課題を解決するために、本発明は、
画角が広い撮影レンズと、その撮影レンズにより結像された画像を画像データに変換する撮像素子と、を備える画像撮影装置において、
画像データを記憶する記憶部と、
操作入力を受付ける操作部と、
前記操作部から入力された画像データの記憶対象の領域を示す撮影領域情報を取得し、前記撮影レンズにより結像された画像を前記撮像素子により撮像し、撮像された画像データを前記撮影領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、を備えることを特徴とする。
また、例えば、表示情報を画面表示する表示部を備え、
前記制御部は、前記操作部から入力された画像データの撮影時表示対象の領域を示す撮影表示領域情報を取得し、前記撮影レンズにより結像されたスルー画像を前記撮像素子により撮像し、撮像されたスルー画像データを前記撮影表示領域情報に基づいて領域設定し、領域設定されたスルー画像データを前記表示部に表示させることとして構成してもよい。
また、例えば、前記制御部は、前記操作部から入力された画像データの再生対象の領域を示す再生領域情報を取得し、前記記憶部に記憶された画像データを前記再生領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記表示部に表示させることとして構成してもよい。
また、例えば、前記制御部は、前記画像データを補正することとして構成してもよい。
また、例えば、前記制御部は、前記撮影レンズにより結像された動画像を前記撮像素子により撮像し、撮像された動画像データを前記撮影領域情報に基づいて領域設定し、当該領域設定された動画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施すとともに、前記操作部に前記撮影領域情報の変更が入力されたタイミングで、前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることとして構成してもよい。
また、例えば、前記画像撮影装置と、
前記画像撮影装置により撮影された画像データを再生する再生装置と、を備える画像撮影システムであって、
前記再生装置は、
前記画像撮影装置の前記記憶部に記憶された画像データを入力する画像データ入力部と、
操作入力を受付ける操作入力部と、
画像データを再生表示する再生表示部と、
前記操作入力部から入力された画像データの再生対象の領域を示す再生領域情報を取得し、前記画像データ入力部から入力された画像データを前記再生領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記再生表示部に表示させる再生制御部と、を備えることとして構成してもよい。
また、例えば、前記再生制御部は、前記再生領域情報に基づいて領域設定された画像データを補正することとして構成してもよい。
また、本発明は、複数方向それぞれに被写体を撮像して画像データを出力する複数の撮像部と、
表示情報を画面表示する表示部と、
操作入力を受付ける操作部と、
画像データを記憶する記憶部と、
前記複数の撮像部により撮像された複数の画像データを同時に前記表示部にスルー表示させ、当該複数の画像データのうちの前記操作部に選択入力された画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、
を備えることを特徴とする画像撮影装置である。
また、例えば、前記制御部は、前記複数の画像データのうちの前記操作部に選択入力された画像データに所定の画像処理を施して前記表示部にスルー表示させることとして構成してもよい。
また、例えば、前記制御部は、前記撮像部により撮像された動画像の画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施し、前記操作部に撮影対象の撮像部の変更が入力されたタイミングで、撮影対象の撮像部を変更するとともに前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることとして構成してもよい。
また、本発明は、
撮影方向を変更可能に被写体を撮像して画像データを出力する撮像部と、
表示情報を画面表示する表示部と、
操作入力を受付ける操作部と、
画像データを記憶する記憶部と、
前記撮像部により撮像された動画像の画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施し、前記操作部に撮影方向の所定量以上の変更が入力されたタイミングで、撮影対象の撮像方向を変更するとともに前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする画像撮影装置である。
本発明によれば、撮影レンズにより結像された広い画角の画像データを撮影し、その撮影データを撮影領域情報に基づいて領域設定して記憶部に記憶するので、広い画角の撮影領域内の任意の領域の画像データを撮影することができる。
また、画像データの撮影時表示対象の領域や再生対象の領域を示す情報を取得し、これに基づいて撮影時あるいは再生時に画像データの表示を行うので、任意の方向の画像を表示させて撮影したり、任意の方向の画像を再生表示させたりすることができる。これにより、例えば、正面以外の方向の画像を撮影したり、撮影時と再生時で異なる方向の画像を表示させたりすることが可能となる。
また、本発明によれば、複数の撮像部により撮像された複数の画像データを同時にスルー表示し、表示された複数の画像データのうちから選択入力された画像データを記憶させるので、操作者が、広範囲の撮影領域に対応する複数の画像データから撮影対象の画像データを視認により容易に選択して撮影できる。
また、本発明によれば、撮影方向が可動な撮像部により、操作者が、広範囲の画像領域から撮影対象の画像データを容易に移動して撮影でき、撮像された動画像の画像データの所定フレーム数ごとのフレーム内符号化により、撮影する動画像データの容量を小さくできるとともに、操作部に撮影方向の所定量以上の変更が入力されたタイミングで、撮影対象の撮像方向の変更と現在のフレームのフレーム内符号化とを行い、撮影する動画像データの画質を向上できる。
以下、添付図面を参照して本発明に係る第1〜第4の実施の形態を順に説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図8を参照して、本発明に係る第1の実施の形態を説明する。先ず、図1及び図2を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に、本実施の形態のデジタルカメラ1の外観を示し、(a)に主に前面の構成を示し、(b)に主に背面の構成を示す。図2に、デジタルカメラ1の内部構成を示す。
図1に示すように、デジタルカメラ1は、略矩形のボディ前面に、撮影レンズ2、セルフタイマランプ3、光学ファインダ窓4、及びストロボ発光部5が配設され、上面には電源キー6及びシャッタキー7が配される。
撮影レンズ2は、広角レンズであり、例えば、単焦点で且つ固定焦点であるものとする。
電源キー6は、1回押圧操作する毎に電源をオン/オフするキーであり、シャッタキー7は、撮影モード時にレリーズを指示する一方で、メニュー選択などでは設定/実行を指示するキーとしても機能するものとする。
また、デジタルカメラ1の背面には、モードスイッチ(SW)8、メニューキー9、十字キー10、光学ファインダ11、ストロボチャージランプ12及び表示部13を配する。
モードスイッチ8は、例えばスライドスイッチにより構成され、撮影モード「R」と再生モード「P」とを切換える。
メニューキー9は、各種メニュー選択時に操作する。
表示部13は、バックライト付きのカラー液晶パネルで構成されるもので、撮影モード時には電子ファインダとしてモニタ表示を行なう一方で、再生モード時には選択した画像を再生表示する。
なお、図示はしないがこのボディ下面には蓋付きのメモリカードスロットが設けられ、このデジタルカメラ1の記録媒体であるメモリカードが着脱自在に装着されるものとする。また、図示しないが、外部機器と通信するためのケーブルを接続するためのコネクタのスロットも設けられる。
次いで図2により上記デジタルカメラ1の電子回路構成を説明する。
撮影モードでのモニタリング状態においては、モータ(M)21の駆動により絞り位置が移動される、撮影レンズ2を含むレンズ光学系22の撮像素子であるCCD23が、タイミング発生器(TG)24、垂直ドライバ25によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
この光電変換出力は、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎に適宜ゲイン調整された後に、サンプルホールド回路(S/H)26でサンプルホールドされ、A/D変換器27でデジタルデータに変換され、カラープロセス回路28で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理が行なわれて、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Crが生成され、DMA(Direct Memory Access)コントローラ29に出力される。
DMAコントローラ29は、カラープロセス回路28の出力する輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、同じくカラープロセス回路28からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ29内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)30を介してバッファメモリとして使用されるDRAM31にDMA転送を行なう。
制御部32は、CPUと、後述する色強調処理を含むCPUで実行される動作プログラムを固定的に記憶したROM及びワークメモリとして使用されるRAMなどにより構成され、このデジタルカメラ1全体の制御動作を司るもので、上記輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送終了後に、この輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してDRAM31より読出し、VRAMコントローラ33を介してVRAM34に書込む。
デジタルビデオエンコーダ35は、上記輝度及び色差信号をVRAMコントローラ33を介してVRAM34より定期的に読出し、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部13に出力する。
この表示部13は、上述した如く撮影モード時にはモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、デジタルビデオエンコーダ35からのビデオ信号に基づいた表示を行なうことで、その時点でVRAMコントローラ33から取込んでいる画像情報に基づくスルー画像をリアルタイムに表示することとなる。
このように表示部13にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されている状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部36を構成するシャッタキー7を操作すると、トリガ信号を発生する。
制御部32は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD23から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM31へのDMA転送の終了後、直ちにCCD23からのDRAM31への経路を停止し、記録保存の状態に遷移する。
この記録保存の状態では、制御部32がDRAM31に書込まれている1フレーム分の輝度及び色差信号をDRAMインタフェース30を介してY,Cb,Crの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出してJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)回路37に書込み、このJPEG回路37でADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化などの処理によりデータ圧縮する。
そして、得た符号データを1画像のデータファイルとしてJPEG回路37から読出し、このデジタルカメラ1の記録媒体として着脱自在に装着されるメモリカード内に封入された、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ38に書込む。さらにフラッシュメモリ38は別にデジタルカメラ1に内蔵されていてもよい。
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及びフラッシュメモリ38への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部32はCCD23からDRAM31への経路を再び起動する。
キー入力部36は、電源キー6、シャッタキー7、モードスイッチ8、メニューキー9及び十字キー10から構成され、それらのキー操作に伴なう信号は直接制御部32へ送出される。
上記再生モード時には、制御部32がフラッシュメモリ38に記録されている画像データを選択的に読出し、JPEG回路37で画像撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データをVRAMコントローラ33を介してVRAM34に展開して記憶させた上で、このVRAM34より定期的に読出し、これらの画像データを元にビデオ信号を発生して表示部13で再生出力させる。
なお、キー入力部36のシャッタキー7が2段階のストロークで動作し、一般的に「半押し」と表現されている第1段階の操作状態でAE(自動露光)処理やAF(オートフォーカス)処理を始めとする撮影の準備を行ない、一般的に「全押し」と表現されている、より強く押圧操作した第2段階の操作状態で撮影を実行するものとする。
なお、以上の構成はデジタルカメラにおける代表的な構成例を示したに過ぎず、他の構成を有するものであってもよいことはいうまでもない。例えば、デジタルカメラとしては薄型でなくてもよい。
また、画像撮影装置としては、デジタルカメラに限るものではなく、画像撮影機能を有する携帯電話、PHS(Personal Handyphone System)、PDA(Personal Digital Assistants)などでもよい。
次に、図3を参照して、CCD23において撮像される画像について説明する。図3に、CCD23において撮像される画像構成を示す。広角レンズである撮影レンズ2により、CCD23により撮像される全面画像40は、9つの画像領域に分割される。具体的には、正面画像領域D1、右画像領域D2、左画像領域D3、上画像領域D4、下画像領域D5、左上画像領域D6、右上画像領域D7、左下画像領域D8及び右下画像領域D9の9つの画像領域である。
正面画像領域D1は、いわゆる普通の撮影レンズを用いたデジタルカメラで撮影した場合の標準的な画像にあたり、球面収差の度合いが少ない。それ以外の画像領域D2〜D9は、球面収差の度合いが大きく、例えば単独で画像として抽出する場合に球面収差の補正が必要となる。また、広角の撮影レンズ2を使用するので全面画像40は画角が大きいので、CCD23の撮像領域を大きくすることが好ましい。また全面画像40が9つの画像領域に分割され、各画像領域を単独の画像として抽出可能とするために、CCD23は画素数が多いものを使用することが好ましい。
次に、図4〜図6を参照して、本実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を説明する。図4に、撮影又は再生処理を示す。図5に、図4の撮影又は再生処理中の抽出処理を示す。図6に、入力画面を示し、(a)及び(b)に撮影モードの入力画面41を示し、(c)に再生モードの入力画面42を示す。
図4〜図6を参照して、デジタルカメラ1において実行される撮影又は再生処理を説明する。デジタルカメラ1の制御部32内の図示しないROMに撮影又は再生プログラムが記憶され、図示しないCPUは、適宜、ROMに記憶された撮影又は再生プログラムを読出し図示しないRAMに展開する。操作者により、モードSW8が撮影モード又は再生モードにオンされたことをトリガとして、CPUとRAM内の撮影又は再生プログラムとの協働により、撮影又は再生処理が実行される。以下、特に言及する場合を除き、各ステップの処理の主体は制御部32であるとする。
先ず、操作者によりメニューキー9及び十字キー10を介して、撮影モード又は再生モードの種類が選択入力される(ステップS1)。具体的には、図6(a),(b)に示すような撮影モードの入力画面41又は再生モードの入力画面42が表示部13に表示され、操作者が実行するモードを選択入力する。また、再生モードの選択においては、図示しないがフラッシュメモリ38に記憶された再生対象の画像データも選択入力される。
撮影モードは、さらに、総撮り(全面撮影)モードと、普通(正面)撮影モードと、パノラマ撮影モードと、縦パノラマ撮影モードと、立体撮影モードと、上撮影モードと、下撮影モードと、L(左)撮影モードと、R(右)撮影モードとを有する。ここで、各撮影モードの撮影領域を図3の画像領域の番号で示す。全面撮影モードでは、D1〜D9の画像領域が撮影できる。正面撮影モードでは、D1の画像領域が撮影できる。パノラマ撮影モードでは、D1〜D3の画像領域が撮影できる。縦パノラマ撮影モードでは、D1,D4,D5の画像領域が撮影できる。立体撮影モードでは、D1〜D5の画像領域が撮影できる。上撮影モードでは、D4の画像領域が撮影できる。下撮影モードでは、D5の画像領域が撮影できる。左撮影モードでは、D3の画像領域が撮影できる。右撮影モードでは、D2の画像領域が撮影できる。
再生モードは、さらに、全面再生モードと、普通(正面)再生モードと、パノラマ再生モードと、縦パノラマ再生モードと、立体再生モードと、上再生モードと、下再生モードと、L(左)再生モードと、R(右)再生モードとを有する。ここで、各再生モードの再生領域を図3の画像領域の番号で示す。全面再生モードでは、画像領域D1〜D9が再生できる。正面再生モードでは、画像領域D1が再生できる。パノラマ再生モードでは、画像領域D1〜D3が再生できる。縦パノラマ再生モードでは、画像領域D1,D4,D5が再生できる。立体再生モードでは、画像領域D1〜D5が再生できる。上再生モードでは、画像領域D4が再生できる。下再生モードでは、画像領域D5が再生できる。左再生モードでは、画像領域D3が再生できる。右再生モードでは、画像領域D2が再生できる。
図6(a)では、入力画面41において全面撮影モードが選択され、図6(b)では、入力画面41においてパノラマ撮影モードが選択され、図6(c)では、入力画面42において正面再生モードが選択された場合を示す。
そして、ステップS1において選択入力されたモードが撮影モードであるか否かが判別される(ステップS2)。撮影モードである場合(ステップS2;YES)、撮影レンズ2から入射された全面画像がCCD23において撮像される(ステップS3)。撮影モードでない場合(ステップS2;NO)、再生モードであり、ステップS1において選択入力された再生対象の画像データの画像領域が、選択入力された再生モードの画像領域以上であるか否かが判別される(ステップS4)。
再生モードの画像領域以上でない場合(ステップS4;NO)、その再生モードで画像表示できないので、ステップS1に移行される。再生モードの画像領域以上である場合(ステップS4;YES)、フラッシュメモリ38から再生対象の画像データが読み出される(ステップS5)。
そして、抽出処理が実行される(ステップS6)。ここで、図5を参照して、抽出処理を具体的に説明する。先ず、ステップS1において入力された選択入力されたモードが正面撮影モード又は正面再生モードであるか否かが判別される(ステップS61)。正面撮影モード又は正面再生モードである場合(ステップS61;YES)、ステップS3においてCCD23により撮像された全面の画像データ(以下、全面撮像画像データとする)、又はフラッシュメモリ38に記憶された画像データ(以下、記憶画像データとする)から、正面画像領域D1の画像データが抽出され(ステップS62)、ステップS7に移行される。
正面撮影モード又は正面再生モードでない場合(ステップS61;NO)、選択入力されたモードが全面撮影モード又は全面再生モードであるか否かが判別される(ステップS63)。全面撮影モード又は全面再生モードである場合(ステップS63;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、全面画像領域D1〜D9の画像データが抽出され(ステップS64)、操作者によりメニューキー9及び十字キー10を介して、抽出された画像データに球面補正などの補正をするか否かが入力される(ステップS65)。
補正をする場合(ステップS65;YES)、抽出された画像データに補正がなされ(ステップS66)、ステップS7に移行される。補正をしない場合(ステップS65;NO)、ステップS7に移行される。
全面撮影モード又は全面再生モードでない場合(ステップS63;NO)、選択入力されたモードがパノラマ撮影モード又はパノラマ再生モードであるか否かが判別される(ステップS67)。パノラマ撮影モード又はパノラマ再生モードである場合(ステップS67;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、正面及び左右画像領域D1〜D3の画像データが抽出され(ステップS68)、ステップS65に移行される。
パノラマ撮影モード又はパノラマ再生モードでない場合(ステップS67;NO)、選択入力されたモードが縦パノラマ撮影モード又は縦パノラマ再生モードであるか否かが判別される(ステップS69)。縦パノラマ撮影モード又は縦パノラマ再生モードである場合(ステップS69;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、正面及び上下画像領域D1,D4,D5の画像データが抽出され(ステップS70)、ステップS65に移行される。
縦パノラマ撮影モード又は縦パノラマ再生モードでない場合(ステップS69;NO)、選択入力されたモードが立体撮影モード又は立体再生モードであるか否かが判別される(ステップS71)。立体撮影モード又は立体再生モードである場合(ステップS71;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、正面及び上下左右画像領域D1〜D5の画像データが抽出され(ステップS72)、ステップS65に移行される。
立体撮影モード又は立体再生モードでない場合(ステップS71;NO)、選択入力されたモードが上撮影モード又は上再生モードであるか否かが判別される(ステップS73)。上撮影モード又は上再生モードである場合(ステップS73;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、上画像領域D4の画像データが抽出され(ステップS74)、ステップS66に移行される。
上撮影モード又は上再生モードでない場合(ステップS73;NO)、選択入力されたモードが下撮影モード又は下再生モードであるか否かが判別される(ステップS75)。下撮影モード又は下再生モードである場合(ステップS75;YES)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、下画像領域D5の画像データが抽出され(ステップS76)、ステップS66に移行される。
下撮影モード又は下再生モードでない場合(ステップS75;NO)、選択入力されたモードが左撮影モード若しくは左再生モードであるか、又は右撮影モード若しくは右再生モードであるかが判別される(ステップS77)。左撮影モード若しくは左再生モードである場合(ステップS77;左モード)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、左画像領域D3の画像データが抽出され(ステップS78)、ステップS66に移行される。右撮影モード若しくは右再生モードである場合(ステップS77;右モード)、全面撮像画像データ又は記憶画像データから、右画像領域D2の画像データが抽出され(ステップS79)、ステップS66に移行される。
そして図4に戻り、ステップS6において抽出された画像領域が表示部13に表示される(ステップS7)。そして、ステップS1において選択入力されたモードが撮影モードであるか否かが判別される(ステップS8)。撮影モードである場合(ステップS8;YES)、操作者のシャッタキー7の全押し動作により、撮影レンズ2により取り込まれ各種処理後に画像領域が抽出され、JPEG回路37により圧縮された画像領域抽出後の画像データがフラッシュメモリ38に記憶され(ステップS9)、撮影又は再生処理が終了される。撮影モードでない場合(ステップS8;NO)、再生モードであり、撮影又は再生処理が終了される。
次に、図7を参照して、パノラマ撮影の一例を説明する。図7に、各種撮影例及び再生例を示し、(a)に操作者51の視野と被写体位置関係を示し、(b)にデジタルカメラ1による全画面撮影画像例を示し、(c)にデジタルカメラ1による正面画像再生例を示す。
図7(a)に示すように、デジタルカメラ1の撮影者としての操作者51が被写体としての人物52を撮影する場合を考える。人物53,54は、人物52の周囲にいる人物である。いわゆる普通の撮影レンズを有するデジタルカメラでは例えば正面の人物52しか撮影できない。本実施の形態のデジタルカメラ1は広角な撮影レンズ2を備えるので、パノラマ撮影モードに設定した場合、図7(b)に示すように、全ての人物を含むように人物52を撮影して、正面及び左右画像領域の画像データをフラッシュメモリ38に記憶することができる。左右画像領域の画像データは球面収差などの影響が大きいので補正されることが好ましい。
その後、図7(b)で撮影された画像データをデジタルカメラ1で再生するにあたり、正面再生モードが選択された場合に、図7(c)に示すような正面画像領域の画像データ55が表示部13に表示される。ここで、操作者51などの再生操作者は、人物54が誰であったかを確かめたい場合に、パノラマ再生モードや右再生モードなどを選択して、右画面領域を表示部13に表示させることにより確認することができる。また、パノラマ撮影後、フラッシュメモリ38に記憶されている正面及び左右画像領域の画像データよりも表示領域の大きな立体再生モード及び全面再生モードは選択できない。
このように、撮影時に、予め広範囲の画像領域の画像データを撮影しておくことで、撮影後の再生時において、正面画像領域から外れた領域に写り込んでいるものの表示及び確認などを容易に行うことができる。他の撮影モード及び再生モードでも同様である。
次に、図8を参照して、デジタルカメラ1を使用した撮影例を説明する。図8に、デジタルカメラ1を使用した撮影例を示し、(a)に左撮影モードでの人物の撮影例を示し、(b)に右撮影モードでの人物の撮影例を示し、(c)に左撮影モードでの閉所における撮影例を示す。
左撮影モードにおいては、図8(a)に示すように、操作者61がデジタルカメラ1を正面に向けていても、左側前方に位置する被写体である人物62を表示部13に表示して撮影することができる。例えば、人物62が、デジタルカメラ1を向けると怖がる赤ちゃんや、デジタルカメラ1を向けると緊張してしまい自然なポーズがとれない人物などである場合に、その人物の自然体の姿を撮影できる。
同様に、右撮影モードにおいても、図8(b)に示すように、操作者61がデジタルカメラ1を正面に向けていても、右側前方に位置する被写体である人物63を撮影することができる。上撮影モード及び下撮影モードでも同様である。
さらに、左撮影モードにおいては、例えば図8(c)に示すように、たんすの裏の隙間や、狭いオフィスなどの狭い領域64内で、被写体65全体を撮影することができる。この場合、撮影した画像データでは、被写体65の画像が変形してしまうため、撮影画像データに、例えばプロジェクターなどに用いられる台形補正などを応用して用いることにより被写体65の正面画像データが得られる。右撮影モード、上撮影モード及び下撮影モードでも同様である。
以上、本実施の形態によれば、撮影レンズ2により結像された広い画角の画像データを撮影し、その撮影データを、操作者に設定入力された撮影モードに基づいて抽出してフラッシュメモリ38に記憶するので、広い画角の画像内の任意の領域の画像データを撮影することができる。
また、操作者に設定入力された撮影モードに基づいてスルー画像データが表示部13に表示されるので、撮影モードに応じた任意の領域の撮影対象の画像をスルー画像表示することができる。また、操作者に設定入力された再生モードに基づいてフラッシュメモリ38に記憶された画像データが表示部13に表示されて再生されるので、再生モードに応じた任意の領域の画像データを再生表示することができる。
また、正面画像領域以外の収差の大きい画像領域に球面補正などの補正を選択的に行って画像データを撮影、撮影時表示及び再生することができる。
(第2の実施の形態)
図9〜図12を撮影して、本実施の形態に係る第2の実施の形態を説明する。説明の重複を避けるため、第1の実施の形態と異なる部分を主として説明する。
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態の装置構成と同様である。次いで、図9〜図12を参照して、本実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を説明する。図9に、設定処理を示す。図10に、撮影処理を示す。図11に、入力画面を示し、(a)に撮影モードにおける入力画面71を示し、(b)に撮影モードにおける入力画面72を示す。
第1の実施の形態では、撮影時のスルー画像が撮影画像と同じ画像領域である構成であったが、本第2の実施の形態では、撮影時のスルー画像が撮影画像と異なる領域とできる構成である。また、再生処理は、第1の実施の形態と同様である。但し、本実施の形態では、再生画像領域を任意に設定できるものとする。
したがって、撮影処理と、その設定処理を説明する。
本実施の形態における撮影モードは、総撮り(全面撮影)モードと、指定方向撮影モードとの2つである。指定方向撮影モードは、撮影する方向を任意に指定できる撮影モードである。全面撮影モードでは、図3に示す全面画像領域D1〜D9を撮影する。指定方向撮影モードは、それ以外の正面、パノラマ、縦パノラマ、立体、左、右などの画像領域をD1〜D9から任意に組み合わせて選択することができる。
図9を参照して、デジタルカメラ1において実行される設定処理を説明する。設定処理は、撮影処理の前に予め行う各モード及びその付加情報を設定する処理である。デジタルカメラ1の制御部32内の図示しないROMに設定プログラムが記憶され、図示しないCPUは、適宜、ROMに記憶された設定プログラムを読出し図示しないRAMに展開する。操作者により、モードSW8が撮影モード又は再生モードにオンされたことをトリガとして、CPUとRAM内の設定プログラムとの協働により、設定処理が実行される。以下、特に言及する場合を除き、各ステップの処理の主体は制御部32であるとする。
先ず、図11(a)に示す入力画面71が表示部13に表示され、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影モードとして全面撮影モード又は指定方向撮影モードが入力される(ステップS11)。そして、撮影モードが全面撮影モードであるか、指定方向撮影モードであるかが判別される(ステップS12)。撮影モードが全面撮影モードである場合(ステップS12;全面撮影モード)、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影時のスルー画像表示方向が設定入力される(ステップS13)。
ステップS13においては、図11(a)の入力画面71に示すように、全面表示及び指定方向表示のいずれか一方が設定される。指定方向表示の場合は、さらに、正面表示であるか、正面以外のその他の方向表示であるかが入力される。そして、ステップS13において設定入力された撮影時のスルー画像表示方向が全面であるか指定方向であるかが判別される(ステップS14)。
撮影時のスルー画像表示方向が指定方向である場合(ステップS14;指定方向)、さらに、スルー画像表示方向が正面表示であるか否かが判別される(ステップS15)。スルー画像表示方向が正面表示でない場合(ステップS15;NO)、スルー画像表示方向がその他の方向表示であり、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、その他の表示方向が具体的に設定入力される(ステップS16)。例えば、図3の正面画像領域D1のみ及び全面画像領域D1〜D9以外の任意の組み合わせを指定して表示される。
そして、スルー画像表示方向が全面である場合(ステップS14;全面)、スルー画像表示方向が正面表示である場合(ステップS15;YES)、又はステップS16の実行後、設定された撮影モード、撮影方向及び撮影時の表示方向が設定情報としてフラッシュメモリ38に記憶され(ステップS17)、設定処理が終了される。
撮影モードが指定方向撮影モードである場合(ステップS12;指定方向撮影モード)、図11(b)に示す入力画面72が表示部13に表示され、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影方向として正面又は指定方向が設定入力される(ステップS18)。そしてステップS18において、設定入力された撮影方向が正面であるか又は指定方向であるかが判別される(ステップS19)。
撮影方向が正面である場合(ステップS19;YES)、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影時のスルー画像表示方向が設定入力される(ステップS20)。そして、ステップS20において設定入力された撮影時のスルー画像表示方向が全面であるか指定方向であるかが判別される(ステップS21)。
撮影時のスルー画像表示方向が指定方向である場合(ステップS21;指定方向)、さらに、スルー画像表示方向が正面表示であるか否かが判別される(ステップS22)。スルー画像表示方向が正面表示でない場合(ステップS22;NO)、スルー画像表示方向がその他の方向表示であり、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、その他の表示方向が具体的に設定入力される(ステップS23)。そして、スルー画像表示方向が全面である場合(ステップS21;全面)、スルー画像表示方向が正面表示である場合(ステップS22;YES)、又はステップS23の実行後、ステップS17に移行される。
撮影方向が正面でない場合(ステップS19;NO)、撮影方向が指定方向であり、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影方向が具体的に設定入力される(ステップS24)。例えば、図3の正面画像領域D1のみ及び全面画像領域D1〜D9以外の任意の組み合わせを指定して表示される。そして、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影時のスルー画像表示方向が設定入力される(ステップS25)。そして、ステップS25において設定入力された撮影時のスルー画像表示方向が全面であるか指定方向であるかが判別される(ステップS26)。
撮影時のスルー画像表示方向が指定方向である場合(ステップS26;指定方向)、スルー画像表示方向が撮影中の方向(撮影方向)であるか否かが判別される(ステップS27)。スルー画像表示方向が撮影方向でない場合(ステップS27;NO)、スルー画像表示方向が全面及び撮影方向以外の方向表示であり、さらに、スルー画像表示方向が正面表示であるか否かが判別される(ステップS28)。スルー画像表示方向が正面表示でない場合(ステップS28;NO)、スルー画像表示方向がその他の方向表示であり、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、その他の表示方向が具体的に設定入力される(ステップS29)。
そして、撮影時のスルー画像表示方向が全面である場合(ステップS26;全面)、スルー画像表示方向が撮影方向である場合(ステップS27;YES)、スルー画像表示方向が正面表示である場合(ステップS28;YES)、又はステップS29の実行後、ステップS17に移行される。
次に、図10を参照して、デジタルカメラ1において実行される撮影処理を説明する。デジタルカメラ1の制御部32内の図示しないROMに撮影プログラムが記憶され、図示しないCPUは、ROMに記憶された撮影プログラムを図示しないRAMに展開する。操作者により、モードSW8が撮影モードにオンされたことをトリガとして、CPUとRAM内の撮影プログラムとの協働により、撮影処理が実行される。以下、特に言及する場合を除き、各ステップの処理の主体は制御部32であるとする。
先ず、設定処理においてフラッシュメモリ38に記憶された設定情報が読み出される(ステップS31)。そして、操作者により、メニューキー9及び十字キー10を介して、撮影時のスルー画像表示と撮影画像データとのいずれか一方又は両方に球面補正などの補正を行うか否かを示す補正設定情報が設定入力される(ステップS32)。
そして、ステップS31において読み出された設定情報に基づいて、撮影時のスルー画像表示が、全面表示であるか、指定方向表示であるかが判別される(ステップS33)。スルー画像表示が全面表示である場合(ステップS33;全面)、撮影レンズ2から取り込まれCCD23により撮像され各種処理された画像データから全面画像データが、スルー画像データとして抽出される(ステップS34)。スルー画像表示が指定方向である場合(ステップS33;指定方向)、設定情報に基づいて、撮影レンズ2から取り込まれCCD23により撮像され各種処理された画像データから指定方向の画像データが、スルー画像データとして抽出される(ステップS35)。
そして、ステップS32により設定入力された補正設定情報に基づいて、ステップS34又はS35において抽出されたスルー画像データに補正をかけるか否かが判別される(ステップS36)。スルー画像データを補正する場合(ステップS36;YES)、スルー画像データに対して球面補正などの補正がかけられる(ステップS37)。そして、ステップS37において補正されたスルー画像データ又は補正されていない画像データが表示部13に表示される(ステップS38)。スルー画像データを補正しない場合(ステップS36;NO)、ステップS38に移行される。
そして、操作者によるシャッタキー7の全押しにより撮影が開始されたか否かが判別される(ステップS39)。撮影が開始されていない場合(ステップS39;NO)、ステップS33に移行される。
撮影が開始された場合(ステップS39;YES)、ステップS31において読み出された設定情報に基づいて、撮影モードが全面撮影モードであるか、指定方向撮影モードであるかが判別される(ステップS40)。撮影モードが全面撮影モードである場合(ステップS40;YES)、撮影レンズから取り込まれCCD23により撮像され各種処理された画像データから全面画像データが、撮影画像データとして抽出される(ステップS41)。撮影モードが指定方向撮影モードである場合(ステップS40;指定方向)、設定情報に基づいて、撮影レンズから取り込まれCCD23により撮像され各種処理された画像データから指定方向の画像データが、撮影画像データとして抽出される(ステップS42)。
そして、ステップS32により設定入力された補正設定情報に基づいて、ステップS41又はS42において抽出された撮影画像データに補正をかけるか否かが判別される(ステップS43)。撮影画像データを補正する場合(ステップS43;YES)、撮影画像データに対して球面補正などの補正がかけられる(ステップS44)。そして、ステップS44において補正された又は補正されていない撮影画像データがJPEG回路37により圧縮されてフラッシュメモリ38に記憶され(ステップS45)、撮影処理が終了される。
以上、本実施の形態によれば、撮影方向と撮影表示方向とを別々に設定可能な設定情報に基づいて、スルー画像データが表示部13に表示されるので、設定情報の撮影表示方向に応じた任意の領域の画像をスルー画像表示し、設定情報の撮影表示方向と同じ又は異なる撮影方向に基づいて任意の領域の画像を撮影することができる。
(変形例)
図12及び図13を参照して、第1及び第2の実施の形態の変形例を説明する。図12に、画像撮影システム1αの構成を示す。図13に、PC80の内部構成を示す。第1及び第2の実施の形態は、デジタルカメラが撮影処理機能及び再生機能を有する構成であったが、本変形例では、デジタルカメラ側に少なくとも撮影機能を持たせ、外部機器側に再生機能を持たせる構成である。
また、図13に示すように、PC80は、各部を中央制御するCPU81と、操作者の入力を受付ける操作入力部82と、データを一時的に格納するRAM83と、表示データを表示する再生表示部としての表示部84と、データを記憶する記憶部85と、メモリカードに記憶された画像データを入力する画像データ入力部86とを備えて構成され、各部はバス87により接続される。
CPU81は、記憶部85に記憶されている各種プログラムの中から指定されたプログラムを適宜RAM83のワークエリアに展開するなどしながら、各種制御を実行する。この構成における各種制御の主体を再生制御部としての制御部811とする。ここで、制御部811はソフトウェア的に設けられるものとして説明したが、ハードウェア的に設けられる構成でもよい。
操作入力部82は、カーソルキー、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボードを含み、マウスなどのポインティングデバイスを含む構成とする。操作入力部82は、操作者によりキーボードで押下された押下信号やポインティングデバイスの位置信号をCPU81に出力する。表示部84は、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal Display)などで構成され、CPU81からの表示信号に従って、画面表示を行う。
記憶部85は、各種プログラム、各種データなどが予め記憶されまたは書込み可能な記録媒体(図示せず)を有し、当該記録媒体は、磁気的、光学的記録媒体若しくは半導体などの不揮発性メモリなどのCPU81読取り可能な記録媒体で構成されている。画像データ入力部86は、デジタルカメラ1aにより記憶されたフラッシュメモリ38を有するメモリーカードなどが差し込まれて、そのメモリーカード内のデータを読み出すことにより画像データを入力する。
図12に示すように、画像撮影システム1αは、少なくとも撮影機能を有するデジタルカメラ1aと、外部機器としてのPC80とを備えて構成される。デジタルカメラ1aにおいて、第1及び第2の実施形態において説明したような撮影処理が実行され、メモリカードのフラッシュメモリ38に画像データが記憶される。
そして、撮影された画像データが記憶されたフラッシュメモリ38を有するメモリカードが画像データ入力部86にセットされ、第1の実施の形態において説明したようなデジタルカメラ1の撮影又は再生処理における再生処理をPC80の制御部811において実行する。つまり、図4のステップS1における再生モードの入力を操作入力部82から行い、その入力された再生モードに従い、画像データを抽出して再生処理を行う。なお、第2の実施の形態のように、任意の画像領域をスルー画像表示方向として指定して再生する構成でもよい。
本変形例によれば、デジタルカメラ1aで撮影処理を行い、PC80で再生処理を行うので、デジタルカメラに制約されることなく、外部機器としてのPC80により任意の画像領域を再生することができるとともに、デジタルカメラの処理負担を低減することができる。
また、デジタルカメラ1aからPC80への画像データの入力は、メモリカードを介する構成に限るものではなく、デジタルカメラ1aとPC80とを通信ケーブルで接続する構成でもよい。デジタルカメラ1aから、その通信ケーブルを介して画像データを送信し、PC80において画像データ入力部86を介してその画像データを受信する構成である。
(第3の実施の形態)
図14〜図17を参照して本発明に係る第3の実施の形態を説明する。先ず、図14及び図15を参照して、本実施の形態の装置構成を説明する。図14に、本実施の形態の携帯電話機90の外観を示し、(a)に携帯電話機90の正面の外観を示し、(b)に携帯電話機90の背面の外観を示す。図15に、携帯電話機90の内部構成を示す。
本実施の携帯の携帯電話機90は、撮影機能を有する携帯電話機である。図14及び図15に示すように、携帯電話機90は、CPU91と、ROM92と、RAM93と、液晶表示部94と、キー入力部95と、アンテナ96及び無線部97と、スピーカ98と、マイク99と、音声変換回路100と、バイブレータ101と、鳴音部102と、フラッシュメモリ103と、撮像部1041〜1047と、を備えて構成される。
CPU91は、携帯電話機90内の各部を中央制御する。CPU91は、ROM92に格納されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM93に展開し、RAM93に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。
ROM92は、各種データ及び各種プログラムを読み出し可能に記憶する。RAM93は、前記指定されたプログラム、入力指示、入力データ及び処理結果などを格納するワークエリアを有し、情報を一時的に格納する。
液晶表示部94は、CPU91から入力される各種情報を表示する表示画面941を備える。また、液晶表示部94に代えて、ELディスプレイ(ElectroLuminescent Display)などの表示部としてもよい。表示画面941は、撮像部1041〜1047にそれぞれ撮影された画像データを表示する7つの画像領域d1,d3,d4,d5,d6,d7,d9を有する。画像領域の各数字は、キー入力部95のテンキー951の各数字に対応している。撮像部1041で撮像された画像データは、画像領域d1に表示される。撮像部1042で撮像された画像データは、画像領域d3に表示される。撮像部1043で撮像された画像データは、画像領域d4に表示される。撮像部1044で撮像された画像データは、画像領域d6に表示される。撮像部1045で撮像された画像データは、画像領域d7に表示される。撮像部1046で撮像された画像データは、画像領域d9に表示される。撮像部1047で撮像された画像データは、画像領域d5に表示される。
キー入力部95は、テンキー951(文字入力キー)、メニューキー及び各種機能キーなどの入力キーを備えて構成され、操作者により押下されたキーに対応する押下信号をCPU91に出力する。
無線部97は、搬送波を音声変換回路100から入力される通信データで変調処理し、アンテナ96を介して無線通信信号を図示しない基地局に発信する。また、無線部97は、アンテナ96を介して基地局から受信した無線通信信号を、復調処理して通信データを取得し、その通信データを音声変換回路100に出力する。また、無線部97は、搬送波をCPU91から入力される通信データで変調処理し、アンテナ96を介して無線通信信号を基地局に発信する。また、無線部97は、アンテナ96を介して基地局から受信した無線通信信号を、復調処理して通信データを取得し、その通信データをCPU91に出力する。つまり、無線部97は、基地局及びアンテナ96を介して、外部の通信データの送信先又は送信元の機器と無線通信接続される。
音声変換回路100は、マイク99から入力された音声信号をコード化処理して通信データに変換して無線部97に出力する。また、音声変換回路100は、無線部97から入力された通信データをデコード処理して音声信号に変換してスピーカ98に出力する。つまり、通話時に、マイク99から入力された音声信号は、音声変換回路100、無線部97を順に介して無線通信信号としてアンテナ96から発信され、当該無線通信信号が基地局を介して通話先の携帯電話などに送信される。また、通話時に、通話先の携帯電話などから基地局を介して送信された無線通信信号がアンテナ96により受信され、無線部97、音声変換回路100を介して音声信号としてスピーカ98から出力される。
バイブレータ101は、携帯電話機90の着信時などにCPU91からの振動指示入力により振動し、当該振動により操作者に通話やメールの着信などを報知する。鳴音部102は、携帯電話機90の着信時などにCPU91からの鳴音指示により鳴音し、当該鳴音により操作者に通話やメールの着信などを報知する。フラッシュメモリ103は、電気的にデータの書き換えが可能な不揮発性のメモリである。
7つの撮像部1041〜1047は、レンズなどの光学系と、CCDなどの画像読み取り部とを備え、光学系を介して入射された被写体の画像を画像データに変換して出力する。また、図14(a),(b)に示すように、例えば、撮像部1041〜1046は、携帯電話機90の側面にそれぞれ撮影方向を異にして設けられ、撮像部1047が、背面を撮影方向とするように携帯電話機90の背面に設けられる。
次に、図16及び図17を参照して、携帯電話機90の動作を説明する。図16に、静止画像撮影処理を示す。図17に、第1の動画像撮影処理を示す。
先ず、携帯電話機90において実行される静止画像撮影撮影処理を説明する。静止画像撮影処理は、複数の撮影方向を切り替えて静止画の画像データを撮影する処理である。携帯電話機90において、操作者により静止画像撮影処理実行指示がキー入力部95を介して入力されたことをトリガとして、CPU91と、ROM92から適宜読み出されてRAM93に展開された静止画像撮影プログラムとの協働により静止画像撮影処理が実行される。
先ず、撮像部1041〜1047により撮像された各スルー画像データの各画像領域を全て含むマルチ画面が表示画面941に表示される(ステップS81)。そして、操作者からキー入力部95のテンキー951を介して撮影方向が入力される(ステップS82)。テンキー951の各数字は、各画像領域の数字に対応する。そして、ステップS82において撮影方向が入力されたか否かが判別される(ステップS83)。
撮影方向が入力された場合(ステップS83;YES)、ステップS82において入力された撮影方向に対応する画像領域に枠を付加するような画像処理が施されて表示画面941上で表示される(ステップS84)。画像領域に枠を付加する画像処理は、枠が付加されて表示される画像領域が現在選択されている旨を操作者に示すためのものである。また、画像領域選択の旨を示すための画像処理は、画像領域に枠を付加する画像処理に限定されるものではなく、例えば、選択された画像領域が強調、拡大、色の反転、点滅などの画像処理のいずれか1つ、又はこれらのうちの2つ以上の組合せであるものとしてもよい。
そして、操作者からのキー入力部95のシャッター機能に対応するキーの(全)押し入力により静止画像撮影が実行されるか否かが判別される(ステップS85)。撮影方向が入力されていない場合(ステップS83;NO)、ステップS85に移行される。静止画像撮影が実行されない場合(ステップS85;NO)、ステップS81に移行される。静止画像撮影が実行された場合(ステップS85;YES)、選択された撮影方向のスルー画像データが取り込まれてそのフレームがJPEG方式などにより符号化(圧縮)が施されてフラッシュメモリ103に記憶され(ステップS86)、静止画像撮影処理が終了される。
次いで、図17を参照して、携帯電話機90において実行される第1の動画像撮影処理を説明する。第1の動画像撮影処理は、複数の撮影方向を撮影中に切り替え可能に動画の画像データを撮影する処理である。携帯電話機90において、操作者により第1の動画像撮影処理実行指示がキー入力部95を介して入力されたことをトリガとして、CPU91と、ROM92から適宜読み出されてRAM93に展開された第1の動画像撮影プログラムとの協働により第1の動画像撮影処理が実行される。
先ず、ステップS91〜S94は、図16に示すステップS81〜S84と同様のステップである。そして、ステップS94の実行後、操作者からのキー入力部95のシャッター機能に対応するキーの押下入力により動画像撮影が開始されるか否かが判別される(ステップS95)。動画像撮影が開始されていない場合(ステップS95;NO)、ステップS91に移行される。
動画像撮影が開始された場合(ステップS95;YES)、選択された撮影方向のスルー画像データの1フレームが取り込まれる(ステップS96)。そして、ステップS96において取り込まれた画像データの1フレームにフレーム内符号化が施され、Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタの値がリセットされる(ステップS97)。ステップS97では、例えば、動画圧縮方式がMPEG(Motion Picture Experts Group)の場合のIピクチャ(Intracoded Picture:イントラ符号化画像)に符号化される。Iピクチャは、複号化するときにIピクチャ自身で再編成でき、このため容量も大きい。また、Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタは、例えば、RAM93内に設定され、15フレームごとにIピクチャを入れた動画を生成するため、Iピクチャの符号化ごとにリセットされる。
そして、操作者からのキー入力部95のシャッター機能に対応するキーの押下入力により動画像撮影が終了されるか否かが判別される(ステップS98)。動画像撮影が終了されていない場合(ステップS98;NO)、操作者からのキー入力部95のテンキー951の押下入力により撮影方向の切り替えが入力されたか否かが判別される(ステップS99)。
撮影方向の切り替えが入力された場合(ステップS99;YES)、ステップS99において入力された撮影方向に対応する画像領域に枠を付加する画像処理が施されて表示画面941上に表示され(ステップS100)、ステップS96に移行される。ステップS100は、図16に示す静止画像撮影処理のステップS84と同様の処理である。
撮影方向の切り替えが入力されていない場合(ステップS99;NO)、Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタの値が15フレームであるか否かが判別される(ステップS101)。15フレームである場合(ステップS101;YES)、ステップS96に移行される。
15フレームでない(15フレーム未満の)場合(ステップS101;NO)、選択された撮影方向のスルー画像データの1フレームが取り込まれる(ステップS102)。そして、ステップS102において取り込まれた1フレームの画像データにフレーム間符号化が施され、フレーム数のカウンタの値がインクリメントされ(ステップS103)、ステップS98に移行される。ステップS103では、動画圧縮方式がMPEGの場合の、Pピクチャ(Predictivecoded Picture:片方向予測符号化画像)、Bピクチャ(Bidirectionally predictivecoded Picture:両方向予測符号化画像)に符号化される。Pピクチャは、複号化する際に、時間的に片方向(過去又は未来)の、既に複号化されたIピクチャ又はPピクチャを用いて再編成されるものであり、Iピクチャよりも容量が小さい。Bピクチャは、複号化する際に、時間的に両方向(過去及び未来)の、既に複号化されたIピクチャ又はPピクチャを用いて再編成されるものであり、Pピクチャよりもさらに容量が小さい。
動画像撮影が終了された場合(ステップS98;YES)、ステップS97及びS103において符号化されて生成された動画像データがフラッシュメモリ103に記憶され(ステップS104)、第1の動画像撮影処理が終了される。
以上、本実施の形態によれば、複数の撮像部1041〜1047により撮像された複数の画像領域を同時にマルチ画面として液晶表示部94にスルー表示し、表示された複数の画像領域のうちから選択入力された画像領域を撮影してフラッシュメモリ103に記憶させるので、操作者が、広範囲の撮影領域に対応する複数撮影方向の全画像領域から任意の画像領域を視認により容易に選択して撮影できる。
また、マルチ画面の全画像領域のうち、選択入力された画像領域に枠を付加してスルー表示するので、操作者が、複数撮影方向の全画像領域から任意の画像領域を視認によりさらに容易に選択して撮影できる。
また、第1の動画像撮影処理において、動画撮影中に、複数の撮像部1041〜1047により取得される動画の画像データに対して15フレームごとにフレーム内符号化を施し、その他のフレームにはフレーム間符号化を施すとともに、十字キー10に撮影対象の撮像部の変更が入力されたタイミングに、現在のフレームにフレーム内符号化を施して符号化画像データを生成してフラッシュメモリ103に記憶するので、画像領域の変更時のフレーム内符号化により符号化動画像の画像データを高画質にできるとともに、フレーム間符号化により符号化動画像の画像データの容量を小さくできる。
なお、本実施の形態では、7つの撮像部を有する携帯電話機90を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、画像撮影装置に設ける撮像部の個数及び位置は任意の複数の個数及び任意の位置でよい。例えば、撮影方向を操作者自身の方向に設定された撮像部を設ける場合に、ある被写体と、その被写体の解説をする操作者の撮影を適宜切り替えた動画像データを取得できる。また、撮影方向がお互いに逆向きの撮像部を設ける場合に、操作者の前を通過するランナー、車両などを用意に動画撮影できる。具体的には、操作者に向かって近づいてくるランナーを一方の撮像部で撮影し、操作者を通り過ぎたタイミングで、そのランナーをもう一方の撮像部に切り替えて撮影することにより、撮影方向をスムーズに切り替えて動画撮影できる。
また、本実施の形態では、複数の撮像部を有する携帯電話機90を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、複数の撮像部を有するデジタルカメラなどの画像撮影装置としてもよい。また、第1の実施の形態のデジタルカメラ1において、静止画又は動画像の撮影時に、複数の画像領域(1)〜(9)を含むマルチ画面をスルー表示させる構成や、動画像の撮影時に、画像領域(1)〜(9)のうちで撮影対象の画像領域が変更された場合に、現在の撮影フレームにフレーム内符号化を施す構成としてもよい。
(第4の実施の形態)
図18を参照して、本発明に係る第4の実施の形態を説明する。図18に、第2の動画像撮影処理を示す。本実施の形態は、第3の実施の形態で説明した第1の動画撮影処理を、第1の実施の形態で説明したデジタルカメラ1に適用するものである。
第1の実施の形態において、デジタルカメラ1は、1つの広角の撮影レンズ2により、全画像領域を撮影して9つの画像領域に分割し、任意の画像領域を表示する構成としたが、本実施の形態では、撮影レンズ2により撮像可能な全画像領域内の、任意の1つの画像領域をキー操作により自在に移動してその移動した画像領域のみを撮影する構成とする。また、デジタルカメラ1は、動画撮影機能を有し、JPEG回路37は、MPEG方式によるフレームの符号化機能を有するものとする。
本実施の形態の装置構成は、第1の実施の形態のデジタルカメラ1と同様であるので、説明を省略する。そして、図17を参照して、デジタルカメラ1の動作を説明する。
図18を参照して、デジタルカメラ1において実行される第2の動画像撮影処理を説明する。第2の動画像撮影処理は、撮影方向を撮影中に連続的に移動可能に動画の画像データを撮影する処理である。デジタルカメラ1において、操作者により第2の動画像撮影処理実行指示がキー入力部36を介して入力されたことをトリガとして、制御部32内の図示しないCPUと、図示しないROMから適宜読み出されて図示しないRAMに展開された第2の動画像撮影プログラムとの協働により第2の動画像撮影処理が実行される。
先ず、撮影レンズ2により結像された全面画像40がCCD23により撮像され、全面画像40中の1つの指定される画像領域(以下、指定画像領域とする)のスルー画像が表示部13に表示される(ステップS111)。指定画像領域の大きさは、例えば、正面画像領域D1の大きさとするが、これに限定されるものではない。そして、操作者からのキー入力部36の十字キー10の押下入力により撮影方向が入力される(ステップS112)。十字キー10の各方向の押下に対応して、指定画像領域も全面画像40内を移動する。
そして、操作者からキー入力部36のシャッタキー7の押下により動画像撮影が開始されるか否かが判別される(ステップS113)。動画像撮影が開始されない場合(ステップS113;NO)、ステップS111に移行される。動画像撮影が開始された場合(ステップS113;YES)、指定画像領域のスルー画像データの1フレームが取り込まれる(ステップS114)。
そして、JPEG回路37により、ステップS114において取り込まれた1フレームの画像データにフレーム内符号化が施され、Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタの値がリセットされる(ステップS115)。Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタは、例えば、制御部32内のRAM内に設定される。そして、操作者からのキー入力部36のシャッタキー7の押下入力により動画像撮影が終了されるか否かが判別される(ステップS116)。動画像撮影が終了されていない場合(ステップS116;NO)、操作者からのキー入力部36の十字キー10の押下入力により指定画像領域の移動が入力されたか否かが判別される(ステップS117)。
指定画像領域の移動が入力された場合(ステップS117;YES)、その入力に基づいて指定画像領域が移動されるとともに、シーンチェンジが発生したか否かが判別される(ステップS118)。劇的なシーンの変化としてのシーンチェンジは、例えば、1つ前に取り込まれたフレームと、現在のフレームとの差の絶対値を計算し、その計算値が予め定めた閾値以上となった場合に、発生したものとして判別される。また、シーンチェンジは、符号化の前処理として動き検出を行い、その誤差エネルギーが予め定めた閾値以上となった場合に発生したものとして判別されることとしてもよい。
指定画像領域の移動が入力されていない場合(ステップS117;NO)、又はシーンチェンジが発生していない場合(ステップS118;NO)、Iピクチャ間の挿入フレーム数のカウンタの値が15フレームであるか否かが判別される(ステップS119)。15フレームである場合(ステップS119;YES)、ステップS114に移行される。
15フレームでない(15フレーム未満の)場合(ステップS119;NO)、指定画像領域のスルー画像データの1フレームが取り込まれる(ステップS120)。そして、JPEG回路37により、ステップS120において取り込まれた1フレームの画像データにフレーム間符号化が施され、フレーム数のカウンタの値がインクリメントされ(ステップS121)、ステップS116に移行される。
動画像撮影が終了された場合(ステップS116;YES)、ステップS115及びS121において符号化されて生成された動画像データがフラッシュメモリ38に記憶され(ステップS122)、第2の動画像撮影処理が終了される。
以上、本実施の形態によれば、動画撮影中に、撮影レンズ2を介して全面領域40内の指定画像領域から取得される動画像データのフレームに対して15フレームごとにフレーム内符号化を施し、その他のフレームにフレーム間符号化を施すとともに、十字キー10に指定画像領域の移動が入力されてシーンチェンジが発生したタイミングに、現在のフレームにフレーム内符号化を施して符号化された動画像データをフラッシュメモリ23に記憶するので、フレーム間符号化(15フレームごとのフレーム内符号化)により動画像データの容量を小さくできるとともに、指定画像領域のシーンチェンジ時のフレーム内符号化により符号化された動画像データの画質を向上できる。
なお、上記各実施の形態及びその変形例で説明した詳細な部分は上記内容に限定されるものではなく、適宜変更可能である。
例えば、上記第1、第2及び第4の実施の形態においては、撮影レンズ2に広角レンズを用いて、広範囲の画像領域を撮影可能な構成としたがこれに限定されるものではなく、その他の方式により画角を大きく撮影できる構成でもよい。
図19に、デジタルカメラ1bの撮像状態を示す。例えば、図19に示すようなデジタルカメラ1bを用いる構成としてもよい。デジタルカメラ1bにおいて、3つの撮影レンズ2A,2B,2Cがボディ正面、左面及び右面に設けられ、撮影レンズ2Aから入射された光束がCCD23に結像され、撮影レンズ2Bから入射された光束がミラー14B,15Bで反射されてCCD23に結像され、撮影レンズ2Cから入射された光束がミラー14C,15Cで反射されてCCD23aに結像される。CCD23aにより各撮影レンズに対応して結像された3つの画像から、3つの画像データが撮影される。また、この3つの画像データを繋げる補正により、一枚のパノラマの画像データが得られる。撮影レンズは、その他の複数でもよく、また、撮影レンズの位置も、ボディ正面、左面及び右面に限られるものではない。
また、上記第1及び第2の実施の形態において、静止画の画像撮影を前提として説明したが、これに限るものではなく、動画の画像撮影を行うことが可能な構成としてもよい。
また、上記第3及び第4の実施の形態において、Iピクチャ間の挿入フレーム数を15としたが、これに限定されるものではなく、他の数値としてもよい。また、上記第3及び第4の実施の形態において、動画撮影の開始及び終了の操作を2度のボタン押下により行うものとして説明したが、例えば、動画撮影の開始をボタン押下により行い、動画撮影中にボタン押下を継続させ、動画撮影の終了をボタン押下解除により行うこととしてもよい。
さらに、上記第4の実施の形態において、指定画像領域の移動を全面領域40内の画像抽出により実現する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば、撮影方向を変更可能に撮影レンズなどが可動する撮像部を有する画像撮影装置により実現する構成としてもよい。この場合、撮像部の可動により撮影方向の移動スピードが速すぎる場合などに、シーンチェンジが発生することとなる。
また、上記各実施の形態におけるデジタルカメラ、画像撮影システム、携帯電話機などの各構成要素の細部構成及び細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能であることは勿論である。
本発明に係る第1の実施の形態のデジタルカメラ1の外観を示す斜視図であり、(a)は主に前面の構成を示す斜視図であり、(b)は主に背面の構成を示す斜視図である。 デジタルカメラ1の内部構成を示すブロック図である。 CCD23において撮像される画像構成を示す図である。 撮影又は再生処理を示すフローチャートである。 図4の撮影又は再生処理中の抽出処理を示すフローチャートである。 入力画面を示す図であり、(a)及び(b)は撮影モードの入力画面41を示す図であり、(c)は再生モードの入力画面42を示す図である。 各種撮影例及び再生例を示す図であり、(a)は操作者51の視野と被写体位置関係を示す図であり、(b)はデジタルカメラ1による全画面撮影画像例を示す図であり、(c)はデジタルカメラ1による正面画像再生例を示す図である。 デジタルカメラ1を使用した撮影例を示す図であり、(a)は左撮影モードでの人物の撮影例を示す図であり、(b)は右撮影モードでの人物の撮影例を示す図であり、(c)は左撮影モードでの閉所における撮影例を示す図である。 設定処理を示すフローチャートである。 撮影処理を示すフローチャートである。 入力画面を示す図であり、(a)は撮影モードにおける入力画面71を示す図であり、(b)は撮影モードにおける入力画面72を示す図である。 画像撮影システム1αの構成を示す図である。 PC80の内部構成を示す図である。 本発明に係る第3の実施の形態の携帯電話機90の外観図であり、(a)は携帯電話機90の正面の外観図であり、(b)は携帯電話機90の背面の外観図である。 携帯電話機90の内部構成を示すブロック図である。 静止画像撮影処理を示すフローチャートである。 第1の動画像撮影処理を示すフローチャートである。 第2の動画像撮影処理を示すフローチャートである。 デジタルカメラ1bの撮像状態を示す図である。
符号の説明
1,1a,1b デジタルカメラ
2,2A,2B,2C 撮影レンズ
3 セルフタイマランプ
4 光学ファインダ窓
5 ストロボ発光部
6 電源キー
7 シャッタキー
8 モードスイッチ
9 メニューキー
10 十字キー
11 光学ファインダ
12 ストロボチャージランプ
13 表示部
14B,14C,15B,15C ミラー
21 モータ(M)
22 レンズ光学系
23,23a CCD
24 タイミング発生器(TG)
25 垂直ドライバ
26 サンプルホールド回路(S/H)
27 A/D変換器
28 カラープロセス回路
29 DMAコントローラ
30 DRAMインタフェース(I/F)
31 DRAM
32 制御部
33 VRAMコントローラ
34 VRAM
35 デジタルビデオエンコーダ
36 キー入力部
37 JPEG回路
38 フラッシュメモリ
1α 画像撮影システム
80 PC
81 CPU
811 制御部
82 操作入力部
83 RAM
84 表示部
85 記憶部
86 画像データ入力部
87 バス
90 携帯電話機
91 CPU
92 ROM
93 RAM
94 液晶表示部
941 表示画面
95 キー入力部
951 テンキー
96 アンテナ
97 無線部
98 スピーカ
99 マイク
100 音声変換回路
101 バイブレータ
102 鳴音部
103 フラッシュメモリ

Claims (11)

  1. 画角が広い撮影レンズと、その撮影レンズにより結像された画像を画像データに変換する撮像素子と、を備える画像撮影装置において、
    画像データを記憶する記憶部と、
    操作入力を受付ける操作部と、
    前記操作部から入力された画像データの記憶対象の領域を示す撮影領域情報を取得し、前記撮影レンズにより結像された画像を前記撮像素子により撮像し、撮像された画像データを前記撮影領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、を備えることを特徴とする画像撮影装置。
  2. 表示情報を画面表示する表示部を備え、
    前記制御部は、前記操作部から入力された画像データの撮影時表示対象の領域を示す撮影表示領域情報を取得し、前記撮影レンズにより結像されたスルー画像を前記撮像素子により撮像し、撮像されたスルー画像データを前記撮影表示領域情報に基づいて領域設定し、領域設定されたスルー画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1に記載の画像撮影装置。
  3. 前記制御部は、前記操作部から入力された画像データの再生対象の領域を示す再生領域情報を取得し、前記記憶部に記憶された画像データを前記再生領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記表示部に表示させることを特徴とする請求項2に記載の画像撮影装置。
  4. 前記制御部は、前記画像データを補正することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像撮影装置。
  5. 前記制御部は、前記撮影レンズにより結像された動画像を前記撮像素子により撮像し、撮像された動画像データを前記撮影領域情報に基づいて領域設定し、当該領域設定された動画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施すとともに、前記操作部に前記撮影領域情報の変更が入力されたタイミングで、前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の画像撮影装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の画像撮影装置と、
    前記画像撮影装置により撮影された画像データを再生する再生装置と、を備える画像撮影システムであって、
    前記再生装置は、
    前記画像撮影装置の前記記憶部に記憶された画像データを入力する画像データ入力部と、
    操作入力を受付ける操作入力部と、
    画像データを再生表示する再生表示部と、
    前記操作入力部から入力された画像データの再生対象の領域を示す再生領域情報を取得し、前記画像データ入力部から入力された画像データを前記再生領域情報に基づいて領域設定し、領域設定された画像データを前記再生表示部に表示させる再生制御部と、を備えることを特徴とする画像撮影システム。
  7. 前記再生制御部は、前記再生領域情報に基づいて領域設定された画像データを補正することを特徴とする請求項6に記載の画像撮影システム。
  8. 複数方向それぞれに被写体を撮像して画像データを出力する複数の撮像部と、
    表示情報を画面表示する表示部と、
    操作入力を受付ける操作部と、
    画像データを記憶する記憶部と、
    前記複数の撮像部により撮像された複数の画像データを同時に前記表示部にスルー表示させ、当該複数の画像データのうちの前記操作部に選択入力された画像データを前記記憶部に記憶させる制御部と、
    を備えることを特徴とする画像撮影装置。
  9. 前記制御部は、前記複数の画像データのうちの前記操作部に選択入力された画像データに所定の画像処理を施して前記表示部にスルー表示させることを特徴とする請求項8に記載の画像撮影装置。
  10. 前記制御部は、前記撮像部により撮像された動画像の画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施し、前記操作部に撮影対象の撮像部の変更が入力されたタイミングで、撮影対象の撮像部を変更するとともに前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする請求項8又は9に記載の画像撮影装置。
  11. 撮影方向を変更可能に被写体を撮像して画像データを出力する撮像部と、
    表示情報を画面表示する表示部と、
    操作入力を受付ける操作部と、
    画像データを記憶する記憶部と、
    前記撮像部により撮像された動画像の画像データのフレームに対して所定フレーム数ごとにフレーム内符号化を施し、前記操作部に撮影方向の所定量以上の変更が入力されたタイミングで、撮影対象の撮像方向を変更するとともに前記動画像データの現在のフレームにフレーム内符号化を施し、当該符号化が施された動画像データを前記記憶部に記憶させることを特徴とする画像撮影装置。
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