JP2005039583A - 消磁コイルおよびテレビ受像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 構成を煩雑化させることなくコンパクト化を実現することが可能な消磁コイルを提供する。
【解決手段】 電気的に接続された上側消磁コイル30Aおよび下側消磁コイル30Bを含み、これらの上側消磁コイル30Aの線径と下側消磁コイル30Bの線径とが互いに異なるように消磁コイル30を構成する。例えば、上側消磁コイル30Aの線径が下側消磁コイル30Bの線径よりも小さくなるようにすれば、その線径を小さくした分だけ上側消磁コイル30Aの物理的サイズが小さくなる。したがって、上側消磁コイル30Aに関して構成を煩雑化させることなくコンパクト化を実現することが可能になる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、受像管に設けられる消磁コイルおよびこの消磁コイルを搭載したテレビ受像装置に関する。
近年、テレビジョン電波を受信して映像を表示するテレビ受像装置が広く普及している。このテレビ受像装置としては、例えば、電子ビームを利用して光学像を構成することにより映像を表示する受像管(いわゆるブラウン管またはCRT(Cathode-Ray Tube))を備えたものが一般的に知られている。この種のテレビ受像装置は、主に、筐体の内部に受像管が収納された構成を有している。この受像管は、主に、内面に発光用の蛍光膜が設けられたガラスの外管(ガラスバルブ)の内部に、その蛍光膜と対向するように電子銃が配置された構成を有しており、この受像管には、ガラスバルブの周囲に巻き付くように消磁コイルが設けられている。この種のテレビ受像装置では、電子銃から電子ビームが照射されて蛍光膜が発光することにより、その蛍光膜の発光現象を利用して映像が再現される。この際、必要に応じて消磁コイルに電流が流れることにより、受像管の着磁が解消され、すなわち消磁される。
消磁コイルは、例えば、コイル線材が巻回された2組の巻回体を含み、これらの2組の巻回体がリード線を介して電気的に接続された構成を有している。この種の消磁コイルとしては多様な構成を有するものが既に知られており、具体的には、例えば、消磁コイルのコンパクト化を図るために、巻回体が部分的に扁平ケースに納められたものが知られている(例えば、特許文献1および2参照。)。
特開平05−316527号公報 特開平05−041176号公報
ところで、受像管を搭載したテレビ受像装置では、上記したように、消磁コイルが巻き付けられた状態で受像管が筐体の内部に収納されるため、その受像管の収納態様によっては不都合が生じ得る。すなわち、例えば、筐体と受像管との間の位置関係として、筐体の内部において受像管が上方寄りに配置されているために、筐体と受像管の下端との間に相対的に広い隙間空間(下側隙間空間)が設けられているのに対して、筐体と受像管の上端との間に相対的に狭い隙間空間(上側隙間空間)が設けられている場合には、消磁コイルを配設する際に、広い下側隙間空間を経由し得る一方で狭い上側隙間空間を経由し得ないと、結果として筐体の内部に消磁コイルを収納することが困難となり、場合によっては筐体の形状を変更する必要が生じてしまう。この筐体の形状変更は、例えば、筐体を射出成型する際に使用される金型の変更を要するため、テレビ受像装置の量産安定性を低下させる一因となる。したがって、テレビ受像装置の量産安定性を考慮すれば、筐体の内部における受像管の収納態様に対応した消磁コイルのコンパクト化技術の確立が急務である。
なお、上記した場合に消磁コイルを筐体に収納可能とするためには、例えば、既に例示した扁平ケースを利用した消磁コイルを使用すればよいが、この場合には扁平ケースを含んで消磁コイルが構成されるため、その消磁コイルの構成が煩雑化してしまう。この構成の煩雑化は消磁コイルの設計開発期間を長期化させる一因となるため、好ましくない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その第1の目的は、構成を煩雑化させることなくコンパクト化を実現することが可能な消磁コイルを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記した消磁コイルを搭載し、量産安定性を確保することが可能なテレビ受像装置を提供することにある。
本発明に係る消磁コイルは、電気的に接続された第1の消磁コイルおよび第2の消磁コイルを含み、第1の消磁コイルの線径と第2の消磁コイルの線径とが互いに異なっているものである。
また、本発明に係るテレビ受像装置は、筐体の内部に、受像管と、この受像管に設けられた消磁コイルとを備えたものであり、筐体と受像管の一端との間に相対的に狭い第1の隙間空間が設けられていると共に、筐体と受像管の他端との間に相対的に広い第2の隙間空間が設けられており、消磁コイルが、第1の隙間空間を経由するように配設された第1の消磁コイルと、この第1の消磁コイルに電気的に接続されて第2の隙間空間を経由するように配設された第2の消磁コイルとを含み、第1の消磁コイルの線径が第2の消磁コイルの線径よりも小さくなっているものである。
本発明に係る消磁コイルでは、第1の消磁コイルの線径と第2の消磁コイルの線径とが互いに異なっているため、例えば、第1の消磁コイルの線径が第2の消磁コイルの線径よりも小さくなるようにすれば、線径を小さくした分だけ第1の消磁コイルの物理的サイズが小さくなる。
また、本発明に係るテレビ受像装置では、第1の隙間空間を経由するように配設された第1の消磁コイルの線径が、第2の隙間空間を経由するように配設された第2の消磁コイルの線径よりも小さくなっているため、筐体と受像管との位置関係、すなわち筐体の内部において受像管が一端側寄りに配置されていることに起因して第1の隙間空間が相対的に狭くなっていたとしても、消磁効果を確保しつつ第1の隙間空間を経由するように第1の消磁コイルを配設することが可能になる。
本発明に係る消磁コイルによれば、例えば、第1の消磁コイルの線径が第2の消磁コイルの線径よりも小さくなるようにした場合に、線径を小さくした分だけ第1の消磁コイルの物理的サイズが小さくなるため、その第1の消磁コイルに関して構成を煩雑化させることなくコンパクト化を実現することができる。
また、本発明に係るテレビ受像装置によれば、筐体の内部に設けられた第1の隙間空間が第2の隙間空間よりも狭い場合においても、その第1の隙間空間を経由するように第1の消磁コイルを配設することが可能なため、相対的に狭い第1の隙間空間に第2の消磁コイルを収納するために筐体の形状を変更する必要がない。したがって、テレビ受像装置の量産安定性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
まず、図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態に係るテレビ受像装置の構成について説明する。図1〜図3はテレビ受像装置の断面構成を模式的に表しており、図1は側面方向、図2は上面方向、図3は背面方向から見た場合の断面構成をそれぞれ示している。
このテレビ受像装置は、テレビジョン電波を受信して映像を表示するものであり、図1〜図3に示したように、映像表示用の開口部10Kが設けられた筐体10の内部に、受像管20と、この受像管20に設けられた消磁コイル30とを備えている。
筐体10は、テレビ受像装置の外郭を構成するものであり、例えば、所望の形状に成型可能な樹脂材料などにより構成されている。この筐体10の内部には、筐体10と受像管20の一端(上端)との間に相対的に狭い上側隙間空間S1(第1の隙間空間)が設けられていると共に、筐体10と受像管20の他端(下端)との間に相対的に広い下側隙間空間S2(第2の隙間空間)が設けられている。上記した「相対的に狭い」あるいは「相対的に広い」とは、上側隙間空間S1と下側隙間空間S2とを空間的に比較した場合に、筐体10の内部において受像管20が上方寄りに配置されていることに起因して、筐体10と受像管20の上端との間の隙間間隔が筐体10と受像管20の下端との間の隙間間隔よりも小さくなっており、すなわち上側隙間空間S1が下側隙間空間S2よりも狭くなっているという意味である。
受像管20は、電子ビームを利用して光学像を構成することにより映像を表示する機構を有し、一般にブラウン管またはCRT(Cathode-Ray Tube)と呼ばれるものであり、主に、ガラスの外管(ガラスバルブ)21と、このガラスバルブ21の内部に配置された電子銃22とを含んで構成されている。
ガラスバルブ21は、受像管20の主たる外郭を構成するものであり、管径の小さいネック部21Aと管径の大きいコーン部21Bとを含んだ漏斗状の構造を有している。このコーン部21Bは、さらに、ネック部21Aと一体に構成され、管径が連続的に変化するファンネル部21B1と、このファンネル部21B1とは別体として構成され、ほぼ一様な管径を有するパネル部21B2とを含み、これらのファンネル部21B1とパネル21B2とがシール材(図示せず)を介して連結された構成を有している。このパネル21B2の内面には、発光用の蛍光膜23が設けられている。このガラスバルブ21の内部は高真空に排気されており、すなわちガラスバルブ21の内部に電子銃22や蛍光膜23が封入されている。
電子銃22は、映像表示用の電子ビームを発生させる電極系であり、ガラスバルブ21のうちのネック部21A内に配置されている。この電子銃22は、例えば、受像管20がモノクロ映像を表示するものである場合には1つ設けられており、あるいはカラー映像を表示するものである場合には光の三原色に対応して3つ設けられている。
消磁コイル30は、地磁気等の影響を受けて着磁した受像管20を消磁させるものであり、例えば、ガラスバルブ21のうちのファンネル部21B1に巻き付けられている。この消磁コイル30は、ファンネル部21B1の一端側(上端側)に配設された環状の上側消磁コイル30A(第1の消磁コイル)と、他端側(下端側)に配設された環状の下側消磁コイル30B(第2の消磁コイル)とを含み、これらの上側消磁コイル30Aと下側消磁コイル30Bとがリード線(図示せず)を介して電気的に接続された構成を有している。これらの上側消磁コイル30Aと下側消磁コイル30Bとは、例えば、1つの連続体(物理的な切れ目のない1つの連続構造体)ではなく、それぞれ別々の工程において別体として形成されたのちに接続されたものである。筐体10の内部において、上側消磁コイル30Aは上側隙間空間S1を経由するように配設されており、下側消磁コイル30Bは下側隙間空間S2を経由するように配設されている。
なお、受像管20は、例えば、上記した一連の構成要素と共に、図示しない他の構成要素も含んで構成されている。この「他の構成要素」としては、例えば、電子ビームを走査させるための偏向ヨークや、蛍光膜23に対する電子ビームの照射領域を確定するためのシャドウマスクなどが挙げられる。
次に、図1〜図5を参照して、消磁コイル30を構成する上側消磁コイル30Aおよび下側消磁コイル30Bの詳細な構成について説明する。図4は上側消磁コイル30Aの断面構成を拡大して表し、図5は下側消磁コイル30Bの断面構成を拡大して表している。
上側消磁コイル30Aは、図4に示したように、コイル線材41(第1のコイル線材)が巻回された構成を有しており、チューブ状の構造を有する保護材42により被覆されている。このコイル線材41は、例えば銅(Cu)などの高導電性材料により構成された1本の連続構造を有する線材であり、例えば60ターンに渡って巻回された状態で保護材42により束ねられている。この保護材42は、上側消磁コイル30A(コイル線材41)を周囲から保護するためのものであり、例えば、絶縁性テープが上側消磁コイル30Aに巻き付けられることによりチューブ状に構成されたものである。この絶縁性テープとしては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC;Polyvinyl Chloride)などの絶縁性樹脂により構成されたULテープが挙げられる。
下側消磁コイル30Bは、図5に示したように、上側消磁コイル30Aとほぼ同様の構成を有しており、すなわちコイル線材51(第2のコイル線材)が巻回された構成を有し、チューブ状の構造を有する保護材52により被覆されている。なお、コイル線材51および保護材52は、例えば、それぞれコイル線材41および保護材42と同様の材料により構成されている。このコイル線材51は、コイル線材41と同様に1本の連続構造を有する線材であり、そのコイル線材41のターン数と同一のターン数(例えば60ターン)に渡って巻回された状態で保護材52により束ねられている。
これらの上側消磁コイル30Aと下側消磁コイル30Bとを構成的に比較すると、上側消磁コイル30Aの線径D1と下側消磁コイル30Bの線径D2とは互いに異なっている(D1≠D2)。具体的には、上側消磁コイル30Aの線径D1は下側消磁コイル30Bの線径D2よりも小さくなっており(D1<D2)、すなわち上側消磁コイル30Aを構成するコイル線材41の線径L1は下側消磁コイル30Bを構成するコイル線材51の線径L2よりも小さくなっている(L1<L2)。これらの線径D1,D2,L1,L2を例示すれば、D1=9.8mm、D2=24.0mm、L1=0.9mm、L2=2.5mmである。なお、図4では、図示を簡略化するために、コイル線材41の一部のみを示しており、すなわち全60ターンのうちの8ターン分のコイル線材41しか示していない。確認までに、例えば、上記したようにコイル線材41のターン数を60ターンとした場合には、厳密には60ターン分のコイル線材41が保護材42により被覆されていることは言うまでもない。この図示の簡略化は、図5に示したコイル線材51についても同様である。
次に、図6を参照して、テレビ受像装置の主要部の回路構成について説明する。図6は、消磁コイル30を含む消磁回路の回路構成を簡単に表している。
この消磁回路は、例えば、図6に示したように、直列に接続された消磁コイル30(上側消磁コイル30A,下側消磁コイル30B)と共に、温度制御用のPTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ(いわゆるポジスタ)61と、回路の開閉制御用のリレー62と、電源供給用のコンセント63とを含んで構成されている。この消磁回路では、リレー62が閉じた状態において、テレビ受像装置の起動時に消磁コイル30に電流(突入電流)Iが流れることにより消磁効果が生じると、この電流Iに基づいて温度が上昇することによりポジスタ61の抵抗が上昇するため、約1秒未満の短期間の間に電流Iが減衰する。こののち、約数秒後にリレー62が開くことにより、消磁コイル30に余分な電流Iが流れることが防止される。
次に、図1〜図6を参照して、テレビ受像装置の動作について説明する。
このテレビ受像装置では、図1〜図3に示したように、電子銃22から蛍光膜23に向けて電子ビームが照射されると、その蛍光膜23のうちの電子ビームの照射領域に対応する部分が発光する。そして、電子ビームの走査運動に応じて複数の画素が順次蓄積されることにより、蛍光膜23の発光現象を利用して映像が再現される。
この際、テレビ受像装置の起動時ごとに、図6に示した消磁回路において消磁コイル30(上側消磁コイル30A,下側消磁コイル30B;図4および図5参照)に瞬間的に電流Iが流れるため、受像管20の着磁が消去され、すなわち受像管20が消磁される。
本実施の形態に係るテレビ受像装置では、消磁コイル30の配設位置と構成との間の関係において、筐体10の内部に設けられた相対的に狭い上側隙間空間S1を経由するように配設される上側消磁コイル30Aの線径D1が、相対的に広い下側隙間空間S2を経由するように配設される下側消磁コイル30Bの線径D2よりも小さくなるようにしたので、以下の理由により、その消磁コイル30の構成的特徴に基づいて量産安定性を確保することができる。
図7および図8は、本実施の形態に係るテレビ受像装置に対する比較例としてのテレビ受像装置に搭載されている消磁コイル130の構成を説明するためのものである。このうち、図7は上側消磁コイル130Aの断面構成を表し、図8は下側消磁コイル130Bの断面構成を表しており、それぞれ図4および図5に示した断面構成に対応している。この消磁コイル130は、上側消磁コイル130Aの線径D101と下側消磁コイル130Bの線径D102とが互いに等しく(D101=D102)、すなわち上側消磁コイル130Aを構成するコイル線材141の線径L101と下側消磁コイル130Bを構成するコイル線材151の線径L102とが互いに等しくなっている点を除き(L101=L102)、本実施の形態における消磁コイル30と同様の構成を有している。なお、保護材142,152は、それぞれ保護材42,52に対応している。この場合の線径D101,D102,L101,L102を例示すれば、D101=D102=12.8mm、L101=L102=1.2mmである。
図7および図8に示した消磁コイル130を備えた比較例としてのテレビ受像装置を製造する場合には、コイル線材141,151が一律な線径を有するため、それらのコイル線材141,151の形成が容易となるが、筐体10と受像管20との間の位置関係、すなわち筐体10の内部において受像管20が上方寄りに配置されていることに起因して上側隙間空間S1が相対的に狭くなっていると、上記「発明が解決しようとする課題」の項において説明したように、外径D101によっては上側消磁コイル130Aが太くなりすぎて、上側隙間空間S1を経由するように上側消磁コイル130Aを配設することが困難となり、すなわち筐体10の内部に上側消磁コイル130Aを収納することが困難になる。この場合には、上側消磁コイル130Aを収納するために筐体10の形状を変更し、より具体的には、上側消磁コイル130Aを収納し得る程度まで上側隙間空間S1を広くするために筐体10を大型化する必要が生じ得るため、筐体10の形状を変更する作業が必要となり、結果としてテレビ受像装置の量産安定性を確保し得なくなる。
これに対して、図4および図5に示した消磁コイル30を備えた本実施の形態のテレビ受像装置を製造する場合には、コイル線材41,51が互いに異なる線径を有するため、それらのコイル線材41,51の形成難易度が若干高まることとなる。しかしがながら、この場合には、消磁効果が比較例の消磁コイル130と等しくなるようにコイル線材41,51の線径を設計し(例えば、抵抗値=4.3Ω、突入電流=34A、起磁力=4100AT)、具体的には、例えば、消磁コイル30の各線径をD1=9.8mm、D2=24.0mm、L1=0.9mm、L2=2.5mmとすれば、筐体10と受像管20との間の位置関係に起因して上側隙間空間S1が相対的に狭くなっていたとしても、その上側隙間空間S1に収納し得る程度までコイル線材41の線径L1を小さくし、すなわち上側消磁コイル30Aの線径D1を小さくすることにより、比較例の消磁コイル130と同等の消磁効果を確保しつつ、上側隙間空間S1を経由するように上側消磁コイル30Aを配設することが可能になる。もちろん、上記したようにコイル線材41,51の形成難易度が若干高まるとはいえ、その形成難易度はコイル線材41,51の形成効率を著しく低下させ得る程度のものではなく、既存の形成技術で十分に対応可能な範囲内のものである。したがって、本実施の形態では、比較例の場合とは異なり、相対的に狭い上側隙間空間S1を経由するように上側消磁コイル30Aを収納するために筐体10の形状を変更する必要がないため、テレビ受像装置の量産安定性を確保することができるのである。
また、上記の他、本実施の形態に係るテレビ受像装置では、上記「背景技術」の項において例示した扁平ケースを使用するテレビ受像装置とは異なり、その扁平ケースを使用しないため、テレビ受像装置の量産安定性を確保する上で消磁コイル30の構成の煩雑化を防止することができる。この場合には、さらに、上記した既知のテレビ受像装置と比較して、扁平ケースを必要としない分だけ、テレビ受像装置の低コスト化を図ることもできる。
また、本実施の形態では、上記したように筐体10の形状を変更する必要がないため、上側隙間空間S1の寸法(隙間間隔)も変更する必要がない。したがって、筐体10をデザインする際に上側隙間空間S1が狭くなるような設計も可能となるため、その筐体10のデザインの自由度を広げることができる。
また、本実施の形態に係る消磁コイル30では、電気的に接続された上側消磁コイル30Aおよび下側消磁コイル30Bを含み、これらの上側消磁コイル30Aの線径D1と下側消磁コイル30Bの線径D2とが互いに異なるようにしたので、例えば、上側消磁コイル30Aの線径D1が下側消磁コイル30Bの線径D2よりも小さくなるようにすれば、図7および図8に示した比較例の消磁コイル130と比較して、線径D1を小さくした分だけ上側消磁コイル30Aの物理的サイズが小さくなる。したがって、上側消磁コイル30Aに関して構成を煩雑化させることなくコンパクト化を実現することができる。具体的には、例えば、上記したように比較例の消磁コイル130の線径寸法をそれぞれD101=D102=12.8mm、L101=L102=1.2mmとし、本実施の形態の消磁コイル30の線径寸法をそれぞれD1=9.8mm、D2=24.0mm、L1=0.9mm、L2=2.5mmとすれば、上側消磁コイル30Aの断面積を約40%減少させることができる。
また、本実施の形態に係る消磁コイル30では、上側消磁コイル30Aの線径D1を下側消磁コイル30Bの線径D2よりも小さくするだけで消磁コイル30のコンパクト化が実現されるため、その消磁コイル30のコンパクト化を容易に実現することができる。
また、本実施の形態では、上記したように上側消磁コイル30Aの断面積が減少するため、その上側消磁コイル30Aの柔軟性が向上して曲がりやすくなる。したがって、上側消磁コイル30Aを取り扱いやすくなり、その上側消磁コイル30Aを配設する際の引き回し自由度を広げることができる。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その実施の形態と同様の効果を得ることが可能な限り、自由に変形可能である。具体的には、例えば、上記実施の形態において説明した消磁コイル30に関する線径寸法(D1,D2,L1,L2)はあくまで一例にすぎず、その線径寸法は自由に変更可能である。具体的には、例えば、電源電圧の異なる世界各地域にテレビ受像装置を出荷する場合に、その電源電圧条件に基づいて消磁コイル30の線径寸法(D1,D2,L1,L2)を変更することにより、消磁コイル30の物理的サイズ(断面積等)を自由に設定することができる。
本発明に係るテレビ受像装置および消磁コイルは、受像管(いわゆるブラウン管またはCRT)を備えたテレビ受像装置およびそのテレビ受像装置に搭載される消磁コイルに適用することが可能である。
本発明の一実施の形態に係るテレビ受像装置を側面方向から見た場合の断面構成を模式的に表す断面図である。 図1に示したテレビ受像装置を上面方向から見た場合の断面構成を模式的に表す断面図である。 図1に示したテレビ受像装置を背面方向から見た場合の断面構成を模式的に表す断面図である。 消磁コイルを構成する上側消磁コイルの断面構成を拡大して表す断面図である。 消磁コイルを構成する下側消磁コイルの断面構成を拡大して表す断面図である。 消磁コイルを含む消磁回路の構成を簡単に表す回路図である。 本発明の一実施の形態に係るテレビ受像装置に対する比較例としてのテレビ受像装置に搭載されている消磁コイルを構成する上側消磁コイルの断面構成を拡大して表す断面図である。 本発明の一実施の形態に係るテレビ受像装置に対する比較例としてのテレビ受像装置に搭載されている消磁コイルを構成する下側消磁コイルの断面構成を拡大して表す断面図である。
符号の説明
10…筐体、10K…開口部、20…受像管、21…ガラスバルブ、21A…ネック部、21B…コーン部、21B1…ファンネル部、21B2…パネル部、22…電子銃、23…蛍光膜、30…消磁コイル、30A…上側消磁コイル、30B…下側消磁コイル、41,51…コイル線材、42,52…保護材、61…ポジスタ、62…リレー、63…コンセント、D1,D2,L1,L2…線径、S1…上側隙間空間、S2…下側隙間空間。








Claims (4)

  1. 電気的に接続された第1の消磁コイルおよび第2の消磁コイルを含み、
    前記第1の消磁コイルの線径と前記第2の消磁コイルの線径とが互いに異なっている
    ことを特徴とする消磁コイル。
  2. 前記第1の消磁コイルと前記第2の消磁コイルとが、別々に形成されたのちに電気的に接続されたものである
    ことを特徴とする請求項1記載の消磁コイル。
  3. 前記第1の消磁コイルが、第1のコイル線材が巻回された構成を有していると共に、前記第2の消磁コイルが、第2のコイル線材が巻回された構成を有しており、
    前記第1のコイル線材の線径と前記第2のコイル線材の線径とが互いに異なっている
    ことを特徴とする請求項1記載の消磁コイル。
  4. 筐体の内部に、受像管と、この受像管に設けられた消磁コイルとを備えたテレビ受像装置であって、
    前記筐体と前記受像管の一端との間に相対的に狭い第1の隙間空間が設けられていると共に、前記筐体と前記受像管の他端との間に相対的に広い第2の隙間空間が設けられており、
    前記消磁コイルが、前記第1の隙間空間を経由するように配設された第1の消磁コイルと、この第1の消磁コイルに電気的に接続されて前記第2の隙間空間を経由するように配設された第2の消磁コイルとを含み、
    前記第1の消磁コイルの線径が前記第2の消磁コイルの線径よりも小さくなっている
    ことを特徴とするテレビ受像装置。


























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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009249665A (ja) * 2008-04-03 2009-10-29 Nippon Magnetic Dressing Co Ltd 廃電線からの有価金属回収方法

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