JP2003187717A - 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置 - Google Patents

陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置

Info

Publication number
JP2003187717A
JP2003187717A JP2001383096A JP2001383096A JP2003187717A JP 2003187717 A JP2003187717 A JP 2003187717A JP 2001383096 A JP2001383096 A JP 2001383096A JP 2001383096 A JP2001383096 A JP 2001383096A JP 2003187717 A JP2003187717 A JP 2003187717A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electron beam
ray tube
magnetic shield
cathode ray
slit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001383096A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Fusayasu
浩嗣 房安
Miyoko Okuya
美代子 奥谷
Hiroto Inoue
裕人 井ノ上
Hideyo Uehata
秀世 上畠
Akira Ueda
晃 植田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001383096A priority Critical patent/JP2003187717A/ja
Publication of JP2003187717A publication Critical patent/JP2003187717A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 IMSに発生するうず電流を分断すること
で、電子ビームのランディング変化を十分に抑制し、走
査線の平行度を向上させ、高画質を実現する。 【解決手段】 相対する長辺側壁と、相対する短編側壁
とで四角錘台状に形成され、中央に開口部を有している
陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気シー
ルド12であって、電子ビーム入射口側の側壁にスリッ
ト16を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管(以下、
「CRT」と略記する。)あるいはCRTを有するテレ
ビなどの表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のCRT方式の表示装置では、例え
ば電子銃である電子ビーム出射手段から発射された電子
ビームは、偏向ヨークにより偏向され、色選別電極の電
子ビーム通過用の細孔を通って、電子ビームのランディ
ング点にある蛍光体にあたり、赤、緑、青の決められた
いずれかの色を発光させる。
【0003】以下、図面を参照しながら、従来のCRT
表示装置について説明する。
【0004】図15は従来の表示装置としてのCRTの
構成を説明するための斜視図である。従来の偏向ヨーク
14による走査方式としては、一般に、単方向走査方式
が用いられている。
【0005】図16は従来の単方向順次走査方式を示す
図、図17は従来の単方向順次走査方式の偏向電流を示
す図である。
【0006】図16に示すように、単方向走査方式で
は、画面の左端から右側へ向かってやや斜め下方に走査
が行われる。走査線数525本の順次走査方式では、水
平走査周波数は31.5KHzである。
【0007】近年、高画質化を図るために双方向走査方
式が提案されている。
【0008】図18は従来の双方向順次走査方式を示す
図、図19は従来の双方向順次走査方式を示す図であ
る。
【0009】図18に示すように、奇数番目の走査線は
画面の左側から右側へ向かって水平に走査され、偶数番
目の走査線は画面の右側から左側へ向かって水平に走査
される。走査線数750本の双方向順次走査方式では、
水平走査周波数は22.5KHzであり、走査線数10
50本の双方向順次走査方式では、水平走査周波数は3
1.5KHzである。
【0010】双方向走査方式では、垂直方向における走
査線の密度が2倍になるため、解像度が高くなるととも
に輝度が向上する。また、往復走査を行なっているた
め、電子ビームの偏向のための電力が低減され、電源回
路の規模を小型化することが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、双方向
走査方式では、奇数番目の走査線と偶数番目の走査線の
走査方向が反対になるため、隣り合う走査線の走査方向
は逆方向となる。さらに双方向走査方式では、走査線間
の間隔が狭くなるため、各走査線の輝度が隣接する走査
線の輝度の影響を受けやすくなる。
【0012】図20は走査線が外乱を受けた場合の双方
向順次走査方式を示す図である。
【0013】図20では、左側から右側への走査(以
下、TRACEと称する)時と右側から左側への走査
(以下、RETRACEと称する)時で異なる外乱によ
って、電子ビームが異なるローレンツ力を受けて走査線
の平行度が悪化する。
【0014】図21は双方向順次走査方式のうず電流を
示す解析結果であり、TRACE時とRETRACE時
のうず電流分布を示している。数値解析は、水平偏向電
流の1周期を12分割し、3次元有限要素法により過渡
うず電流磁界解析を行い、解析領域を約170000の
有限要素で分割している。
【0015】偏向ヨーク14から発生する磁界の時間的
変化によって内部磁気シールド(以下、IMSと略記す
る)12にうず電流が生じ、電子ビームのランディング
が変化する。うず電流は(1)式で計算される。 Je=−σ(∂A/∂t+gradφ) (1) ここで、σはIMSの導電率(S/m)、Aは磁気ベク
トルポテンシャル(Wb/m)、φは電気スカラポテン
シャル(V)である。
【0016】うず電流がつくる磁界によって電子ビーム
に働くローレンツ力は(2)式で計算される。 F=−e・v×B (2) ここで、eは電子ビームの電荷(C)、vは電子ビーム
の速度(m/s)、Bは磁束密度(T)である。
【0017】図21のようにTRACE時とRETRA
CE時では、うず電流の方向が異なるため、走査線に働
くローレンツ力は図22のようになり、このため、走査
線の平行度が悪化し、画面の左側と右側とでは、隣り合
う走査線に粗密が生じて、再生画像の鮮明さが低下する
という問題がある。
【0018】そこで、本発明は前記課題に鑑み、従来の
方法に比べ走査線の平行度を向上させることができ、格
段に高画質を実現できる表示装置を提供することを目的
とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記課題は、以下の本発
明により解決できる。
【0020】即ち、請求項1に係る発明による陰極線管
の内部磁気シールドは、相対する長辺側壁と相対する短
辺側壁とで四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有
している陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部
磁気シールドであって、電子ビーム入射口側の側壁にス
リットを有することを特徴とする。
【0021】この発明では、好ましくは、前記スリット
の電子ビーム入射口側の端部と前記内部磁気シールドの
電子ビーム入射口側開口部との管軸方向距離が15mm
以内である。
【0022】また、この発明では、好ましくは、前記ス
リットが前記内部磁気シールドの電子ビーム入射口側開
口部まで達しており、前記開口部のスリット部分が非導
電性の部材で固着されている。
【0023】また、この発明では、好ましくは、前記ス
リット部分は、前記開口部の形状に形成したリング状の
部材をはめ込んで固定されている。
【0024】また、この発明では、好ましくは、前記ス
リットの少なくとも一部分は、電子ビーム主走査方向側
壁幅の85%以内の範囲にある。
【0025】また、請求項6に係る発明の陰極線管の内
部磁気シールドは、相対する長辺側壁と相対する短辺側
壁とで四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有して
いる陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気
シールドであって、電子ビーム入射口側の側壁に多数の
細孔が形成されていることを特徴とする。また、請求項
7に係る発明の陰極線管の内部磁気シールドは、相対す
る長辺側壁と相対する短辺側壁とで四角錘台形状に形成
され、中央に開口部を有している陰極線管の電子ビーム
を磁気より遮蔽する内部磁気シールドであって、電子ビ
ーム入射口側の側壁表面が凹凸形状であって、前記凹凸
形状は前記側壁斜面に沿った方向に形成されることを特
徴とする。
【0026】この発明では、好ましくは、前記凹凸形状
の電子ビーム入射口側の側壁は、切削加工またはプレス
加工により形成される。
【0027】また、請求項9に係る発明の陰極線管の内
部磁気シールドは、相対する長辺側壁と相対する短辺側
壁とで四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有して
いる陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気
シールドであって、複数の部材からなり、各部材を重ね
合わせて接続し、接続部分の電子ビーム入射口側部分が
非導電性の部材で固着されていることを特徴とする。
【0028】また、請求項10に係る発明の表示装置
は、前記内部磁気シールドを有する陰極線管と、該陰極
線管の電子ビームを走査する偏向ヨークとを備えてい
る。
【0029】この発明では、好ましくは、前記スリット
の少なくとも一部分は、前記偏向ヨークからの管軸方向
距離が120mm以内の位置にある。
【0030】この発明では、好ましくは、前記偏向ヨー
クによる偏向システムは、双方向偏向システムである。
【0031】
【作用】請求項1に係る発明の陰極線管の内部磁気シー
ルドによれば、電子ビーム入射口側の側壁に設けたスリ
ットによって、偏向ヨークの磁界変化によりIMSに発
生するうず電流の流れが分断されて極小化される。これ
により、うず電流の影響による電子ビームのランディン
グ変化は十分に抑制され、走査線の平行度を向上でき
る。
【0032】請求項3に係る発明の陰極線管の内部磁気
シールドによれば、偏向ヨークの磁界によりIMSに生
じる電磁力の時間的変化によるIMSのスリット部分の
位置変動を防いだ上で、このスリットによって、偏向ヨ
ークの磁界変化によりIMSに発生するうず電流の流れ
が分断されて極小化される。これにより、うず電流の影
響による電子ビームのランディング変化は十分に抑制さ
れ、走査線の平行度を向上できる。
【0033】請求項6に係る発明の陰極線管の内部磁気
シールドによれば、電子ビーム入射口側の側壁に設けた
多数の細孔によって、偏向ヨークの磁界変化によりIM
Sに発生するうず電流の流れが分断されて極小化され
る。これにより、うず電流の影響による電子ビームのラ
ンディング変化は十分に抑制され、走査線の平行度を向
上できる。
【0034】請求項7に係る発明の陰極線管の内部磁気
シールドによれば、電子ビーム入射口側の側壁の電気伝
導度は表面の凹凸形状に沿った方向に大きく、直角方向
に小さくなる異方性を示し、偏向ヨークの磁界変化によ
りIMSに発生するうず電流は、電気伝導度の大きい側
壁斜面の方向に流れ、側壁斜面を横切る方向の流れが極
小化される。これにより、うず電流の影響による電子ビ
ームのランディング変化は十分に抑制され、走査線の平
行度を向上できる。
【0035】請求項9に係る発明の陰極線管の内部磁気
シールドによれば、偏向ヨークの磁界によりIMSに生
じる電磁力の時間的変化によるIMSの接続部分の位置
変動を防いだ上で、この非導電性の接続部分によって、
偏向ヨークの磁界変化によりIMSに発生するうず電流
の流れが分断され極小化される。これにより、うず電流
の影響による電子ビームのランディング変化は十分に抑
制され、走査線の平行度を向上できる。
【0036】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本発明の第1の
実施の形態を図1に基づいて説明する。表示装置として
は、CRTを有するカラーテレビを例にとっている。図
1は、本実施の形態の表示装置としてのCRTの構成を
説明するための斜視図である。
【0037】図1において、本実施の形態のカラーテレ
ビは、蛍光面を有する表示パネル10と電子ビームを表
示パネル10に向けて出射する例えば電子銃である電子
ビーム出射手段13との間に、色選別電極構体11と内
部磁気シールド12とを備え、電子ビーム出射手段13
と内部磁気シールド12との間に、電子ビームを走査す
るための偏向ヨーク14を備えている。
【0038】色選別電極構体11は、例えば、多数の細
孔が形成されたNi−Fe材からなる色選別電極をプレ
ス加工で所定の形状に曲面加工して溶接によりFe材か
らなるフレームに固定したシャドウマスクからなる。
【0039】内部磁気シールド12は、例えば、厚さ
0.15mm、交流の比透磁率がおよそ200、導電率
がおよそ10000000S/mのFe材からなり、幅
3mmのスリット16で上下側壁をそれぞれ14分割、
左右側壁をそれぞれ8分割に等分割している。
【0040】偏向ヨーク14は、例えば周波数が22.
5KHz、504ATで、電子ビーム軌道に対して上下
方向に配設され、電子ビームを水平方向に走査する水平
偏向コイル14aと、例えば周波数が60Hz、22
6.8ATで、電子ビーム軌道に対して左右方向に配設
され、電子ビームを垂直方向に走査する垂直偏向コイル
14bと、例えば交流の比透磁率がおよそ340のフェ
ライトからなる偏向コア14cとからなる。
【0041】IMS12のスリット16は、偏向ヨーク
14との管軸方向の距離が120mm以内の範囲にあ
る。
【0042】電子ビーム出射手段13から発射された電
子ビームは、色選別電極20の電子ビーム通過用の細孔
を通って、電子ビームのランディング点にある表示パネ
ル10の蛍光体にあたり、赤、緑、青、の決められた何
れかの色を発光させる。
【0043】偏向ヨーク14による走査方式は、走査線
数750本の双方向走査方式であり、水平走査周波数は
22.5KHzである。図2は双方向順次走査方式を示
す図、図3は双方向順次走査方式の偏向電流を示す図で
ある。図2に示すように、奇数番目の走査線は画面の左
側から右側へ向かって水平に走査され、偶数番目の走査
線は画面の右側から左側へ向かって水平に走査される。
【0044】外乱による走査線の平行度悪化の指標とし
て、(3)式で定義される平行劣化割合を用いる。 平行劣化割合(%)=((Tずれ量+Rずれ量)/TT間距離)×100 (3) ここで、Tずれ量、Rずれ量、TT間距離の関係を図4
に示す。
【0045】図4からもわかるように、2本のTRAC
E(T1a−T1bとT2a−T2b)間の中心のライ
ンであるT1a‘−T1b‘に対するRETRACE
(R1a−R1b)のずれ量を、2本のTRACE間距
離に対する割合で表わしたものである。
【0046】図15に示した従来例と図1に示した実施
形態1とを36インチCRTにセットし、双方向順次走
査を行なったときの、走査線の平行度悪化の指標である
平行劣化割合を図5に示す。数値解析は、水平偏向電流
の1周期を12分割し、3次元有限要素法により過渡う
ず電流磁界解析を行い、解析領域を約170000の有
限要素で分割している。
【0047】電子ビーム入射口側の側壁に設けたスリッ
トによって、偏向ヨークの磁界変化によりIMSに発生
するうず電流の流れが分断されて極小化される。このた
め、図5に示すように、うず電流の影響による電子ビー
ムのランディング変化は十分に抑制され、平行劣化割合
は従来の半分程度になり、走査線の平行度を向上でき
る。
【0048】図6中(a)(b)に示すスリットの電子
ビーム入射口の端部とIMSの電子ビーム入射口側開口
部との管軸方向距離SEを変化させたときの、平行劣化
割合の変化の数値解析値を図7に示す。
【0049】図7より、管軸方向距離SEが15mmの
ところにグラフの変極点があり、平行劣化割合を小さく
するためには、この変極点よりも管軸方向距離SEを小
さくすること、即ち、管軸方向距離SEは15mm以内
が効果的であることがわかる。
【0050】図8にスリット位置の説明図を示す。図8
はIMSの1/4領域のみの背面図である。
【0051】図8のスリットAからJのうち、1本のみ
をスリットとした場合の平行劣化割合の数値解析結果を
図9に示す。
【0052】図9より、IMS上下側壁に位置するAか
らGのスリットは効果があり、左右側壁に位置するHか
らKのスリットは効果がないことがわかる。なかでも、
Eのスリットの効果が大きいことがわかる。
【0053】図10に、効果の大きいEのスリットを含
めて複数本のスリットを開けた場合の平行劣化割合の数
値解析結果を示す。
【0054】図10より、Gのスリットを含むと平行劣
化が悪化することがわかる。このことより、スリットG
より内側、即ち、電子ビーム主走査方向側壁幅の85%
以内にあることが、特に効果が大きいといえる。
【0055】以上のように、電子ビーム入射口側の側壁
にスリットを設けて、IMSに発生するうず電流を分断
することで、電子ビームのランディング変化を十分に抑
制でき、走査線の平行度を向上させることができ、高画
質を実現できる。
【0056】(実施の形態2)本発明の第2の実施の形
態を図11に基づいて説明する。
【0057】図11は、この発明の第2の実施の形態の
表示装置としてのCRTのIMSを説明するための斜視
図である。
【0058】図11における第2の実施の形態の表示装
置は、電子ビーム入射口側開口部まで達しているスリッ
ト部分が、開口部の形状に形成したリング状の部材であ
る非導電性リング17をはめ込んで固定されているとこ
ろが、図1に示した第1の実施の形態と異なる。
【0059】磁性体からなるIMSでは、側壁の垂直方
向に偏向ヨーク磁界の時間的変化に伴って変動する電磁
力が発生する。図1に示した第1の実施の形態において
は、スリット16が電子ビーム入射口側開口部まで達し
ていると、偏向ヨークにより変動する電磁力によって、
スリット部分が振動し、画像が乱れる。そこで、図11
に示すように構成することで、偏向ヨークによるスリッ
ト部分の振動が抑制され、しかも、このスリットによっ
て、偏向ヨークの磁界変化によりIMSに発生するうず
電流の流れが分断されて極小化される。これにより、う
ず電流の影響による電子ビームのランディング変化は十
分に抑制され、走査線の平行度を向上できる。
【0060】以上のように、電子ビーム入射口側の側壁
にスリットを設けて、電子ビーム入射口側開口部のスリ
ット部分を非導電性リングで固定することで、スリット
部分の振動を抑えた上で、IMSに発生するうず電流を
分断でき、電子ビームのランディング変化を十分に抑制
でき、走査線の平行度を向上させることができ、高画質
を実現できる。
【0061】なお、上記の実施形態では、IMSの電子
ビーム入射口側開口部まで達しているスリット部分を、
開口部の形状に形成したリング状の部材である非導電性
リングをはめ込んで固定する場合を例として述べたが、
樹脂で一体成形するなどの他の方法によって開口部のス
リット部分を非導電性の部材で固着するようにしたIM
Sにも適用できる。
【0062】(実施の形態3)本発明の第3の実施の形
態を図12に基づいて説明する。
【0063】図12は、この発明の第3の実施の形態の
表示装置としてのCRTのIMSを説明するための上面
図である。
【0064】図12における第3の実施の形態の表示装
置は、電子ビーム入射口側の側壁に多数の細孔18形成
されているところが、図1に示した第1の実施の形態と
異なる。
【0065】磁性体からなるIMSでは、側壁の垂直方
向に偏向ヨーク磁界の時間的変化に伴って変動する電磁
力が発生する。図1に示した第1の実施の形態において
は、スリット16が電子ビーム入射口開口部まで達して
いると、偏向ヨークにより変動する電磁力によって、ス
リット部分が振動し、画像が乱れる。
【0066】そこで、図12に示すように構成すること
で、偏向ヨークによるIMSの振動は小さくなり、しか
も、この細孔18によって、偏向ヨークの磁界変化によ
り発生するIMS側壁斜面を横切る方向のうず電流の流
れが分断されて極小化される。これにより、うず電流の
影響による電子ビームのランディング変化は十分に抑制
され、走査線の平行度を向上できる。
【0067】以上のように、電子ビーム入射口側の側壁
に細孔を設けることで、IMS開口部の振動を抑えた上
で、IMSに発生するうず電流を分断でき、電子ビーム
のランディング変化を十分に抑制でき、走査線の平行度
を向上させることができ、高画質を実現できる。
【0068】(実施の形態4)この発明の第4の実施の
形態を図13に基づいて説明する。
【0069】図13は、この発明の第4の実施の形態の
表示装置としてのCRTのIMSを説明するための説明
図である。なお、図13中(a)は上面図、図13中
(b)は図13中(a)のO−O‘断面図である。
【0070】図13における第4の実施の形態の表示装
置は、電子ビーム入射口側の側壁表面が凹凸形状であっ
て、凹凸形状は側壁斜面に沿った方向に形成されている
ところが、図1に示した第1の実施の形態と異なる。な
お、たとえば、凹部19の厚さが0.05mm、凸部2
0の厚さが0.15mmに設定されている。
【0071】磁性体からなるIMSでは、側壁の垂直方
向に偏向ヨーク磁界の時間的変化に伴って変動する電磁
力が発生する。図1に示した第1の実施の形態において
は、スリット16が電子ビーム入射口側開口部まで達し
ていると、偏向ヨークにより変動する電磁力によって、
スリット部分が振動し、画像が乱れる。
【0072】そこで、図13に示すようにこのように構
成することで、電子ビーム入射口側の側壁の電気伝導度
は表面の凹凸形状に沿った方向に大きく、直角方向に小
さくなる異方性を示し、偏向ヨークの磁界変化によりI
MSに発生するうず電流は、電気伝導度の大きい側壁斜
面の方向に流れ、側壁斜面を横切る方向の流れが極小化
される。これにより、うず電流の影響による電子ビーム
のランディング変化は十分に抑制され、走査線の平行度
を向上できる。
【0073】本実施形態では、好ましくは、前記凹凸形
状の電子ビーム入射口側の側壁は、切削加工または、プ
レス加工により形成される。
【0074】以上のように、電子ビーム入射口側の側壁
を側壁斜面に沿った方向に凹凸形状とすることで、IM
S開口部の振動を抑えた上で、IMSに発生するうず電
流を分断でき、電子ビームのランディング変化を十分に
抑制でき、走査線の平行度を向上させることができ、高
画質を実現できる。
【0075】(実施の形態5)この発明の第5の実施の
形態を図14に基づいて説明する。
【0076】図14は、この発明の第5の実施の形態の
表示装置としてのCRTのIMSを説明するための説明
図である。
【0077】図14における第5の実施の形態のIMS
は、複数の部材からなり、各部材を重ね合わせて接続
し、接続部分の電子ビーム入射口側部分が非導電性の部
材で固着されているところが、図1に示した第1の実施
の形態と異なる。
【0078】磁性体からなるIMSでは、側壁の垂直方
向に偏向ヨーク磁界の時間的変化に伴って変動する電磁
力が発生する。図1に示した第1の実施の形態において
は、スリット16が電子ビーム入射口側開口部まで達し
ていると、偏向ヨークにより変動する電磁力によって、
スリット部分が振動し、画像が乱れる。
【0079】そこで、図14に示すように構成すること
で、偏向ヨークの磁界によりIMSに生じる電磁力の時
間的変化によるIMSの接続部分の位置変動を防いだ上
で、この非導電性の接続部分によって、偏向ヨークの磁
界変化によりIMSに発生するうず電流の流れが分断さ
れ極小化される。これにより、うず電流の影響による電
子ビームのランディング変化は十分に抑制され、走査線
の平行度を向上できる。
【0080】以上のように、複数の部材を重ね合わせて
接続し、接続部分の電子ビーム入射口側部分を非導電性
の部材で固着することで、IMS開口部の振動を抑えた
上で、IMSに発生するうず電流を分断でき、電子ビー
ムのランディング変化を十分に抑制でき、走査線の平行
度を向上させることができ、高画質を実現できる。
【0081】なお、上記の各実施形態では、Ni−Fe
材からなるシャドウマスクを採用する場合を例として述
べたが、Fe材などの他の磁性体材料からなるシャドウ
マスク、あるいはテンションマスクを採用する表示装置
にも適用できる。
【0082】また、上記各実施形態では、Fe材からな
る内部磁気シールドを採用する場合を例として述べた
が、パーマロイ材などの他の磁性体材料からなる内部磁
気シールドを採用する表示装置にも適用できる。
【0083】また、上記の各実施形態では、36インチ
のカラーテレビを例として述べたが、その他のインチサ
イズの陰極線管を用いる表示装置にも適用できる。
【0084】また、上記の各実施形態では、カラーテレ
ビを例として述べたが、本発明はこれに限らず、例えば
CRTディスプレイモニターのように、陰極線管を用い
る表示装置にも適用できる。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に係る発明
は、電子ビーム入射口側の側壁にスリットを設けて、I
MSに発生するうず電流を分断することで、電子ビーム
のランディング変化を十分に抑制でき、走査線の平行度
を向上させることができ、高画質を実現できる。
【0086】請求項6に係る発明は、電子ビーム入射口
側の側壁に多数の細孔を設けて、IMSに発生するうず
電流を分断することで、電子ビームのランディング変化
を十分に抑制でき、走査線の平行度を向上させることが
でき、高画質を実現できる。
【0087】請求項7に係る発明は、電子ビーム入射口
側の側壁の表面に凹凸形状を設けて、IMSに発生する
うず電流を分断することで、側壁斜面を横切る方向の流
れを極小化でき、電子ビームのランディング変化を十分
に抑制され、走査線の平行度を向上させることができ、
高画質を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の表示装置としてのCRT
の構成を説明するための斜視図である。
【図2】 第1の実施の形態の双方向順次走査方式を示
す図である。
【図3】 第1の実施の形態の双方向順次走査方式の偏
向電流を示す図である。
【図4】 走査線の平行度悪化の指標である平行劣化割
合の説明図である。
【図5】 第1の実施の形態の平行劣化割合を示す結果
図である。
【図6】 第1の実施の形態のスリットを説明するため
の説明図である。
【図7】 平行劣化割合のスリット端部と側開口間の管
軸方向距離依存性図である。
【図8】 スリット位置の説明図である。
【図9】 スリット1本時の平行劣化割合の結果図であ
る。
【図10】 スリット複数本時の平行劣化割合の結果図
である。
【図11】 第2の実施の形態の表示装置としてのCR
Tの構成を説明するための斜視図である。
【図12】 第3の実施の形態の表示装置としてのCR
Tの構成を説明するための上面図である。
【図13】 第4の実施の形態の表示装置としてのCR
Tの構成を説明するための説明図である。
【図14】 第5の実施の形態の表示装置としてのCR
Tの構成を説明するための説明図である。
【図15】 従来の表示装置としてのCRTの構成を説
明するための説明図である。
【図16】 従来の単方向順次走査方向を示す図であ
る。
【図17】 従来の単方向順次走査方式の偏向電流を示
す図である。
【図18】 従来の双方向順次走査方式を示す図であ
る。
【図19】 従来の双方向順次走査方式の偏向電流を示
す図である。
【図20】 走査線が外乱を受けた場合の双方向順次走
査方式を示す図である。
【図21】 双方向順次走査方式のうず電流を示す解析
結果図である。
【図22】 走査線に働くローレンツ力を示す図であ
る。
【符号の説明】
12 内部磁気シールド 16 スリット 17 非導電性リング 18 細孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井ノ上 裕人 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 上畠 秀世 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 植田 晃 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5C031 CC02 CC04 CC09

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対する長辺側壁と相対する短辺側壁と
    で四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有している
    陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気シー
    ルド(12)であって、電子ビーム入射口側の側壁にス
    リット(16)を有することを特徴とする陰極線管の内
    部磁気シールド。
  2. 【請求項2】 前記スリット(16)の電子ビーム入射
    口側の端部と前記内部磁気シールド(12)の電子ビー
    ム入射口側開口部との管軸方向距離が15mm以内であ
    る請求項1記載の陰極線管の内部磁気シールド。
  3. 【請求項3】 前記スリット(16)が前記内部磁気シ
    ールド(12)の電子ビーム入射口側開口部まで達して
    おり、前記開口部のスリット部分が非導電性の部材(1
    7)で固着されている請求項1記載の陰極線管の内部磁
    気シールド。
  4. 【請求項4】 前記スリット部分は、前記開口部の形状
    に形成したリング状の部材(17)をはめ込んで固定さ
    れている請求項3記載の陰極線管の内部磁気シールド。
  5. 【請求項5】 前記スリット(16)の少なくとも一部
    分は、電子ビーム主走査方向側壁幅の85%以内の範囲
    にある請求項1から請求項4のいずれかに記載の陰極線
    管の内部磁気シールド。
  6. 【請求項6】 相対する長辺側壁と相対する短辺側壁と
    で四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有している
    陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気シー
    ルド(12)であって、電子ビーム入射口側の側壁に多
    数の細孔(18)が形成されていることを特徴とする陰
    極線管の内部磁気シールド。
  7. 【請求項7】 相対する長辺側壁と相対する短辺側壁と
    で四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有している
    陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気シー
    ルド(12)であって、電子ビーム入射口側の側壁表面
    が凹凸形状で(19)あって、前記凹凸形状(19)は
    前記側壁斜面に沿った方向に形成されていることを特徴
    とする陰極線管の内部磁気シールド。
  8. 【請求項8】 前記凹凸形状の電子ビーム入射口側の側
    壁は、切削加工またはプレス加工により形成されている
    請求項7記載の陰極線管の内部磁気シールド。
  9. 【請求項9】 相対する長辺側壁と相対する短辺側壁と
    で四角錘台形状に形成され、中央に開口部を有している
    陰極線管の電子ビームを磁気より遮蔽する内部磁気シー
    ルド(12)であって、複数の部材からなり、各部材を
    重ね合わせて接続し、接続部分の電子ビーム入射口側部
    分が非導電性の部材で固着されていることを特徴とする
    陰極線管の内部磁気シールド。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項9のいずれか一項
    に記載の内部磁気シールド(12)を有する陰極線管
    と、該陰極線管の電子ビームを走査する偏向ヨーク(1
    4)とを備えた表示装置。
  11. 【請求項11】 前記スリットの少なくとも一部分は、
    前記偏向ヨークからの管軸方向距離が120mm以内の
    位置にある請求項10記載の表示装置。
  12. 【請求項12】 前記偏向ヨークによる偏向システム
    は、双方向偏向システムである請求項10または請求項
    11記載の表示装置。
JP2001383096A 2001-12-17 2001-12-17 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置 Withdrawn JP2003187717A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383096A JP2003187717A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001383096A JP2003187717A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003187717A true JP2003187717A (ja) 2003-07-04

Family

ID=27593243

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001383096A Withdrawn JP2003187717A (ja) 2001-12-17 2001-12-17 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003187717A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005006382A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 陰極線管
EP1557859A1 (de) * 2004-01-20 2005-07-27 MT Picture Display Germany GmbH Farbbildröhre mit verbesserter magnetischer Abschirmung
WO2007027184A1 (en) * 2005-08-31 2007-03-08 Thomson Licensing Internal magnetic shield for display devices with orthogonal scanning
JP2010049836A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Jeol Ltd 電子ビーム装置

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005006382A1 (ja) * 2003-07-10 2005-01-20 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 陰極線管
EP1557859A1 (de) * 2004-01-20 2005-07-27 MT Picture Display Germany GmbH Farbbildröhre mit verbesserter magnetischer Abschirmung
WO2007027184A1 (en) * 2005-08-31 2007-03-08 Thomson Licensing Internal magnetic shield for display devices with orthogonal scanning
JP2010049836A (ja) * 2008-08-19 2010-03-04 Jeol Ltd 電子ビーム装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003187717A (ja) 陰極線管の内部磁気シールド及び陰極線管を用いた表示装置
JP2004288464A (ja) 陰極線管装置
US7126292B2 (en) Cathode-ray tube apparatus
KR950003513B1 (ko) 편향장치
KR100400836B1 (ko) 상하주사형 음극선관의 편향요크
US6734613B1 (en) Electron beam controlling device for CRT display system
US6894430B2 (en) Color cathode-ray tube
JP2001084923A (ja) 電子銃および陰極線管受像機
KR0140009Y1 (ko) 전자 집속방식 음극선관의 집속코일
US20020030429A1 (en) Magnetic shield structure for color cathode ray tube
CN100585783C (zh) 阴极射线管
US7129628B2 (en) Velocity modulation coil apparatus and cathode-ray tube apparatus
KR100255853B1 (ko) 칼라음극선관의 새도우마스크의 제조방법
JP2002042692A (ja) 偏向ヨークおよびこれを備えた陰極線管装置
KR20060098950A (ko) 더미와이어를 이용한 편향코일
JPS63190230A (ja) カラ−陰極線管
JP2002329467A (ja) 偏向ヨークおよびこれを備えた陰極線管装置
JP2005222810A (ja) 陰極線管装置
JP2002150964A (ja) 内部磁気シールド及び陰極線管
JPH07272643A (ja) 陰極線管装置
JP2006024553A (ja) 速度変調コイル装置及び陰極線管装置
KR20030092343A (ko) 음극선관용 편향요크
JPH04104435A (ja) 陰極線管
JPH08287845A (ja) 投写形ブラウン管装置
JPH08106857A (ja) カラー陰極線管の磁気遮蔽構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041116

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060519

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20061102