JP2005039018A - 電子回路部品装着機 - Google Patents
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Abstract
【課題】各々吸着ノズルを複数保持する複数の装着ヘッドが回転体の回転により旋回して電子回路部品の受取,装着を行う装着機において装着能率,精度の低下を抑えつつ部品受取精度を高める。
【解決手段】インデックステーブルが保持する複数の装着ヘッド62の各ヘッド本体106にノズル保持体108を水平軸線まわりに回転可能かつ回転軸線に平行な方向に移動可能に保持させ、複数の吸着ノズル114を放射状に設ける。ヘッド本体106に回動可能に設けたレバー170のカム面174が、部品受取位置での装着ヘッド62の下降時にローラ192に係合して回動し、位置決めピン142,保持体108を移動させ、吸着ノズル114をY軸方向に移動させて部品供給部に対する位置ずれを補正する。装着ヘッド62の上昇によりカム面174がローラ192から外れ、保持体108が吸着ノズル114の軸線が装着ヘッド62の回転軸線と一致する原位置に戻る。
【選択図】 図4
【解決手段】インデックステーブルが保持する複数の装着ヘッド62の各ヘッド本体106にノズル保持体108を水平軸線まわりに回転可能かつ回転軸線に平行な方向に移動可能に保持させ、複数の吸着ノズル114を放射状に設ける。ヘッド本体106に回動可能に設けたレバー170のカム面174が、部品受取位置での装着ヘッド62の下降時にローラ192に係合して回動し、位置決めピン142,保持体108を移動させ、吸着ノズル114をY軸方向に移動させて部品供給部に対する位置ずれを補正する。装着ヘッド62の上昇によりカム面174がローラ192から外れ、保持体108が吸着ノズル114の軸線が装着ヘッド62の回転軸線と一致する原位置に戻る。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛直な回転軸線のまわりに回転させられる回転体に保持された装着ヘッドにより電子回路部品が回路基板に装着される電子回路部品装着機に関するものであり、特に、部品供給装置からの電子回路部品の受取り精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路部品は、プリント配線板等の回路基板に装着されて電子回路を構成する部品である。電子回路部品装着機には、例えば、特許文献1に記載されているように、鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体に複数の装着ヘッドが保持され、回転体の回転によって複数の装着ヘッドが順次、部品受取位置へ移動させられて部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置へ移動させられて回路基板に装着する装置がある。複数の装着ヘッドはそれぞれ、回転体に、回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に保持されるとともに、水平軸線まわりに回転可能に設けられたノズル保持体を備え、そのノズル保持体の回転軸線まわりに複数の吸着ノズルが放射状に設けられており、ノズル保持体の回転により、複数の吸着ノズルが選択的に作動位置に位置決めされ、電子回路部品の吸着に用いられる。作動位置は吸着ノズルが下向きでかつそれの軸線が鉛直となる位置であり、複数の吸着ノズルはそれぞれ、作動位置に位置決めされたとき、その軸線が装着ヘッドの回転軸線に対して偏心した状態となるように設けられており、装着ヘッドの回転により、作動位置に位置決めされた吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線のまわりに旋回させられて、そのY軸方向の位置が変えられる。そのため、部品受取り時には、吸着ノズルが旋回させられ、吸着ノズルと部品供給装置の部品供給部とのY軸方向の位置ずれが減少させられ、吸着ノズルが電子回路部品を正確に吸着するようにされる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−43799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線に対して偏心させられていれば、種々の問題が生じる。
例えば、回路基板への電子回路部品の装着作業の開始に先立って電子回路部品の装着順序が設定され、装着時における回路基板の移動距離ができる限り短くて済むように設定される場合、その設定が無駄になる場合がある。
特許文献1に記載の電子回路部品装着機と同種の電子回路部品装着機においては、回路基板は、回路基板移動装置により水平面内の任意の位置へ移動させられ、回路基板の表面上に設定された部品装着点が部品装着位置へ移動させられた装着ヘッドの作動位置に位置決めされた吸着ノズルの軸線と一致するようにされ、装着順序は、回路基板の移動距離の合計ができる限り短くて済み、装着作業時間が短くてむように装着順序が設定される。
しかしながら、吸着ノズルの装着ヘッドの回転軸線に対する偏心を利用して位置ずれを解消するようにすれば、旋回により吸着ノズルの軸線の位置が水平方向において変わる。吸着ノズルによる部品の保持位置誤差である回転位置誤差も装着ヘッドの回転により補正され、それにより吸着ノズルの軸線の位置が更に変わる。回路基板は、その部品装着点が吸着面の中心と一致するように移動させられるのが普通であり、位置ずれ解消のために旋回させられた吸着ノズルの軸線の位置の変化に合わせて移動位置が補正されることとなるのであるが、その補正量が、相前後して電子回路部品が装着される2つの部品装着点間の距離に近くなり、甚だしい場合には部品装着点間の距離より大きくなって、回路基板の所要移動距離が大きくなり、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなって、装着能率が低下するのである。特に、装着される電子回路部品が小さく、装着密度が高い場合に、吸着ノズルの偏心量が大きくされると、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなることが多い。
また、吸着ノズルが偏心させられておらず、装着ヘッドの回転による吸着面の中心位置の変化がない場合に比較して、回路基板の移動位置の補正量が大きく、演算された補正量に含まれる誤差が大きくなって、装着精度が低下しがちである。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景とし、鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体に装着ヘッドが複数保持され、それら装着ヘッドの各々において、水平な回転軸線のまわりに回転させられるノズル保持体に放射状に保持された複数の吸着ノズルが選択的に電子回路部品の吸着に使用される電子回路部品装着機において、装着能率の低下や装着精度の低下を抑えつつ、吸着ノズルによる電子回路部品の受取り精度を向上させることを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様の電子回路部品装着機が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (3)項および (4)項を併せた項が請求項2に、 (3)項および (9)項を併せた項が請求項3に、(15)項が請求項4にそれぞれ相当する。
【0007】
(1) 装着機本体と、
その装着機本体に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に保持された少なくとも1つの回転体と、
その少なくとも1つの回転体に設けられた複数のヘッド保持部の各々に保持された装着ヘッドであって、それぞれヘッド本体とそのヘッド本体に水平な回転軸線のまわりに回転可能かつその回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されたノズル保持体とを備え、そのノズル保持体が前記水平な回転軸線のまわりに放射状に設けられた複数のノズル保持部を有し、ノズル保持体の回転により複数のノズル保持部のいずれかが、そのいずれかに保持された吸着ノズルが鉛直下向きとなる作動位置に選択的に位置決めされるものと、
前記回転体を回転させることにより、前記複数の装着ヘッドを前記鉛直な回転軸線のまわりに旋回させ、前記吸着ノズルにより部品供給装置から電子回路部品を受け取る部品受取位置と、その受け取った電子回路部品を回路基板に装着する部品装着位置とに移動させる回転体回転装置と、
前記ノズル保持体をそれの回転軸線に平行な方向に移動させるノズル保持体移動装置と、
そのノズル保持体移動装置を制御し、前記部品受取位置において前記吸着ノズルが前記電子回路部品に接触して吸着する前に前記ノズル保持体を設定量移動させて、前記作動位置に位置決めされた吸着ノズルの、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置を補正する補正制御部と
を含む電子回路部品装着機。
回転体は、1つの回転体が複数の装着ヘッドの全部を保持し、鉛直な回転軸線のまわりの回転により、それら装着ヘッドを一斉に旋回させるものでもよく、特開平9−237997号公報に記載されているように、複数の回転体がそれぞれ装着ヘッドを1つずつ保持し、鉛直な回転軸線のまわりにそれぞれ自由に回転することにより、保持した装着ヘッドを個々に旋回させるものでもよい。
ノズル保持部が作動位置に位置決めされれば、そのノズル保持部に保持された吸着ノズルが作動位置に位置決めされる。本項の電子回路部品装着機においては、部品受取位置における吸着ノズルの電子回路部品の吸着前の位置の補正により、例えば、作動位置に位置決めされた吸着ノズルと部品供給装置の部品供給部との、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置ずれが補正され、吸着ノズルに電子回路部品を確実に吸着させることができる。
そして、例えば、 (21)項に記載の電子回路部品装着機におけるように、装着ヘッドが回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転させられるとともに、部品受取り後、ノズル保持体が原位置へ戻され、吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの軸線と一致させられるのであれば、装着能率の低下や装着精度の低下を生ずることなく、電子回路部品を回路基板に装着することができる。部品受取り時には吸着ノズルの軸線と部品供給装置の部品供給部とがずれていても、吸着ノズルによる電子回路部品の保持位置誤差の取得および装着は、吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線と一致する状態で行うことができ、装着ヘッドの回転による吸着ノズルの軸線の位置の変化が殆どなく、回路基板の移動位置の補正量は、電子回路部品の保持位置誤差の修正に要する程度の大きさとなり、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなってしまう事態や、演算された補正量に含まれる誤差が大きくなる事態が生じなくなるからである。また、電子回路部品の撮像によって保持位置誤差を求める場合に、画像データの処理時に吸着ノズルの軸線の位置の変化を考慮しなくてよく、画像処理時間の短縮を図ることができる。
あるいは、部品供給装置が複数の部品供給部を備え、吸着ノズルがそれら部品供給部のいずれか一つから電子回路部品を受け取る場合、複数の部品供給部の、部品受取位置におけるノズル保持体の回転軸線に平行な方向の位置が互いに異ならされていても、ノズル保持体を移動させ、吸着ノズルの位置を補正することにより、いずれの部品供給部からも電子回路部品を受け取らせることが可能となる。
【0008】
(2)前記部品供給装置が、複数の部品供給フィーダと、それら部品供給フィーダが設けられた部品供給テーブルと、その部品供給テーブルを、前記部品受取位置における前記装着ヘッドの旋回軌跡に対する接線方向に移動させ、前記複数の部品供給フィーダの各部品供給部を選択的に部品供給位置に移動させる部品供給テーブル移動装置とを含み、前記装着ヘッドが前記部品受取位置において前記ノズル保持体の回転軸線が部品供給テーブル移動方向と直角となる姿勢で前記電子回路部品を受け取り、前記ノズル保持体の移動により前記吸着ノズルと前記部品供給位置に移動させられた部品供給部との、前記部品供給テーブルの移動方向と直角な方向の位置ずれが補正される (1)項に記載の電子回路部品装着機。
部品供給フィーダには、例えば、テープフィーダ,バルクフィーダ,スティックフィーダ等がある。部品供給フィーダにおいて保持された多数の電子回路部品は、送り装置により、部品供給テーブルの移動方向に直角な水平方向に移動させられ、順次、部品供給部に送られて吸着ノズルにより1個ずつ取り出される。部品供給フィーダの製造誤差,組付誤差,部品供給テーブルの停止位置誤差等により、部品供給部に送られた電子回路部品と、部品受取位置に移動させられた装着ヘッドの作動位置に位置決めされた吸着ノズルの吸着面との間に、電子回路部品送り方向における位置ずれが生じることがあるが、その位置ずれがノズル保持体の移動による吸着ノズルの移動により解消される。ノズル保持体は、装着ヘッドが部品受取位置に移動させられた状態では、それの回転軸線がフィーダの部品送り方向に平行となり、ノズル保持体の移動により吸着ノズルと部品供給部との、電子回路部品送り方向における位置ずれが解消され、吸着ノズルは電子回路部品を精度良く吸着することができるのである。
【0009】
(3)前記ノズル保持体移動装置が、前記装着ヘッドに前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部はノズル保持体そのものに設けられてもよく、ヘッド本体に設けられ、自身の移動に基づいて直接あるいは間接にノズル保持体を移動させるものとしてもよい。
被駆動部が被駆動部駆動装置によって駆動されることによりノズル保持体が移動させられ、作動位置に位置決めされた吸着ノズルの位置が補正される。
【0010】
(4)前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部と前記被駆動部駆動装置との一方が、下方ほどノズル保持体側へ接近する向きに傾斜させられたカム面を含み、他方がカムフォロワを含むとともに、前記ノズル保持体移動装置が、前記カムフォロワの前記カム面との接触部とカム面とを、前記部品受取位置へ移動させられた装着ヘッドのノズル保持体の回転軸線に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を含む (3)項に記載の電子回路部品装着機。
部品受取位置において装着ヘッドが装着ヘッド昇降装置によって下降させられるとき、カム面とカムフォロワとが上下方向において相対移動させられ、カム面の作用により被駆動部が移動させられてノズル保持体が移動させられる。
被駆動部の移動距離、すなわちノズル保持体の移動距離ないし吸着ノズル位置補正量は、カム面がその上下方向のいずれの箇所においてカムフォロワと係合し始めるかによって変わる。この係合開始位置は、カムフォロワとカム面との、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における相対位置によって変わり、相対移動装置によるカムフォロワとカム面との相対移動量は、ノズル保持体について所定の移動量が得られる量に設定される。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、装着ヘッドの昇降を利用してノズル保持体を移動させることができ、装着ヘッドの昇降とノズル保持体の移動とを容易に同期させることができる。
装着ヘッド昇降装置は、作業機本体の部品受取位置に対応する部分に設けられて部品受取位置へ移動させられた装着ヘッドを昇降させる装置としてもよく、回転体に設けられてもよく、あるいは作業機本体と回転体との両方にわたって設けられてもよい。装着ヘッド昇降装置を作業機本体に設ければ、例えば、装着ヘッド昇降装置を複数の装着ヘッドに共通とすることができ、安価に吸着ノズルの位置を補正することができる。
【0011】
(5)前記被駆動部が前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の移動方向と平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を備え、その被駆動部材に前記カム面が設けられた (4)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部材は、例えば、 (6)項に記載されているように、ヘッド本体に回動可能に設けられたレバーでもよく、あるいはノズル保持体の回転軸線に平行な方向に直線移動可能に設けられた直線移動部材でもよい。
被駆動部材の移動は、ノズル保持体に直接伝達されてもよく、運動伝達装置を介して間接的に伝達されてもよい。
被駆動部材がカム面の傾斜の作用により移動させられ、その移動に基づいてノズル保持体が移動させられる。
(6)前記被駆動部材が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に設けられたレバーを含む (5)項に記載の電子回路部品装着機。
(7)前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に設けられ、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置を含む (5)項または (6)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、被駆動部材の移動は運動伝達装置を介してノズル保持体に伝達される。このようにすれば、例えば、装着ヘッドの構成等により被駆動部材の設置箇所,寸法,形状等が限定される場合であっても、被駆動部材の移動に基づいてノズル保持体を移動させるようにすることができる。あるいは装着ヘッドの既存の構成要素を利用してノズル保持体を移動させる等、被駆動部材を種々の態様で設けることができる。
【0012】
(8)前記カムフォロワが、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回転可能に設けられたローラを含む (4)項ないし (7)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
カム面とカムフォロワとが相対移動させられるとき、両者の摩擦が少なくて済み、滑らかに相対移動させられ、ノズル保持体が滑らかに移動させられる。
【0013】
(9)前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部駆動装置が、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた駆動部材と、その駆動部材を移動させる駆動部材移動装置とを含み、前記被駆動部が前記駆動部材と係合して駆動される係合部を含み、前記ノズル保持体移動装置が、前記駆動部材が移動しない限り、前記装着ヘッドの昇降にかかわらず、前記ノズル保持体をノズル保持体移動装置によって移動させられた位置に保つ移動状態保持手段を含む (3)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、駆動部材は係合部と係合して被駆動部を移動させる。この移動量は吸着ノズルの位置の補正に必要な量とされ、この移動によりノズル保持体が移動させられて吸着ノズルの位置が補正される。移動状態保持手段の作用により、装着ヘッドの昇降にかかわらず、ノズル保持体がノズル保持体移動装置によって移動させられた位置に保たれ、位置が補正された状態で吸着ノズルが昇降させられ、電子回路部品を吸着することができる。本項の電子回路部品装着機によれば、ノズル保持体は装着ヘッドの昇降を利用することなく移動させられる。
(10)前記移動状態保持手段が、前記駆動部材の前記装着ヘッドの昇降方向に平行な作用面を含む (9)項に記載の電子回路部品装着機。
装着ヘッドが昇降させられるとき、作用面は係合部に作用し続け、被駆動部を駆動された状態に保ち、ノズル保持体が移動させられた状態に保たれる。
【0014】
(11)前記被駆動部が前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の移動方向と平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を備え、その被駆動部材に前記係合部が設けられた (9)項または(10)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部材は、例えば、(12)項に記載されているように、ヘッド本体に回動可能に設けられたレバーでもよく、あるいはノズル保持体の回転軸線に平行な方向に直線移動可能に設けられた直線移動部材でもよい。
被駆動部材の移動は、ノズル保持体に直接伝達されてもよく、運動伝達装置を介して間接的に伝達されてもよい。
被駆動部材の移動によりノズル保持体が移動させられ、吸着ノズルの位置が補正される。
(12)前記被駆動部材が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に設けられたレバーを含む(11)項に記載の電子回路部品装着機。
(13)前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に設けられ、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置を含む(11)項または(12)項に記載の電子回路部品装着機。
本項によれば、例えば、 (7)項に記載の作用,効果と同様の作用,効果が得られる。
(14)前記係合部が、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回転可能に設けられたローラを含む (9)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
本項によれば、例えば、係合部と駆動部材とが上下方向において相対移動させられるとき、それらの間の摩擦が少なくて済み、ノズル保持体が滑らかに移動させられる。
【0015】
(15)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに設けられている (1)項または (2)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、例えば、吸着ノズルが電子回路部品を受け取る前の任意の時期にノズル保持体を移動させることができ、装着ヘッドが部品受取位置に到達する前に吸着ノズルの位置を補正することができる。
(16)前記ノズル保持体移動装置が電動モータを駆動源として構成されている(15)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、例えば、電動モータによってノズル保持体を直接駆動させ、ノズル保持体を正逆両方向に移動させるようにすることが可能である。
【0016】
(17)前記ノズル保持体のその回転軸線まわりの位置を位置決めする位置決め装置を含む (1)項ないし(16)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
位置決め装置が設けられれば、例えば、ノズル保持体が、電子回路部品の受取りに用いられる吸着ノズルが作動位置に位置する状態に正確に保たれ、吸着ノズルが電子回路部品を精度良く吸着することができる。
【0017】
(18)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含むとともに、前記被駆動部が、前記ノズル保持体の移動方向に平行な成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を含み、前記位置決め装置が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた位置決め部材と、前記ノズル保持体に、その回転軸線のまわりに間隔を隔てて設けられ、前記位置決め部材が選択的に係合させられる複数の被位置決め部とを含み、前記位置決め部材が前記被駆動部材を構成している(17)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、位置決め部材が被位置決め部に係合させられた状態において被駆動部駆動装置によって移動させられ、それによりノズル保持体を位置決めした状態に保ちつつ移動させる。
ノズル保持体が位置決め装置により位置決めされるとともに、吸着ノズルの位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
被駆動部材を構成する位置決め部材にカム面あるいはカムフォロワを設け、カム面の作用により被駆動部材を移動させてもよく、位置決め部材に係合部を設け、駆動部材および駆動部材移動装置により移動させてもよい。
【0018】
(19)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含むとともに、前記被駆動部が、前記ノズル保持体の移動方向に平行な成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を含み、前記位置決め装置が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた位置決め部材と、前記ノズル保持体に、その回転軸線のまわりに間隔を隔てて設けられ、前記位置決め部材が選択的に係合させられる複数の被位置決め部とを含み、前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置が設けられ、前記位置決め部材が運動伝達装置を構成している(17)項に記載の電子回路部品装着機。
本項の発明によれば、ノズル保持体がそれの回転軸線まわりにおいて位置決めされるとともに、被駆動部の移動が運動伝達装置を介してノズル保持体に伝達され、移動させられる電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
被駆動部材は、カム面あるいはカムフォロワが設けられ、カム面の作用により移動させられるものでもよく、係合部が設けられ、駆動部材および駆動部材移動装置により移動させられるものでもよい。
【0019】
(20)前記ノズル保持体移動装置によって移動させられたノズル保持体を予め設定された原位置へ戻す戻し装置を含む (1)項ないし(19)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
ノズル保持体が電動モータを駆動源とするノズル保持体移動装置によって移動させられ、電動モータの作動によりノズル保持体が正逆両方向に移動させられるのであれば、ノズル保持体移動装置のノズル保持体を原位置へ移動させる部分が戻し装置を構成する。
(21)前記装着ヘッドが、前記回転体により、回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に保持され、前記ノズル保持体の回転軸線が装着ヘッドの回転軸線と直交させられるとともに、前記原位置が、前記作動位置に位置する吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線と一致する位置である(20)項に記載の電子回路部品装着機。
ノズル保持体は、吸着ノズルが電子回路部品を吸着した後に原位置に戻される。そのため、吸着ノズルが保持した電子回路部品が撮像装置により撮像される前に、あるいは回路基板に装着される前にノズル保持体が本項の原位置に戻されれば、前述のように、装着精度の向上等の効果が得られる。
また、吸着ノズルの偏心量や電子回路部品の大きさ等によっては、電子回路部品が撮像装置によって撮像されるとき、画像処理範囲からはみ出して画像データが得られない事態が発生するのであるが、そのような事態の発生が回避される。
さらに、作動位置に移動させられた吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線に対して偏心した状態となる特殊な装着ヘッドの作成が不要であり、また、そのような吸着ノズルをノズル保持体に保持させる際に、吸着ノズルが所定の方向において偏心した状態となるように作業者が注意を払う必要がなく、電子回路部品装着機のコストダウンや生産性の向上を図ることが可能である。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、電子回路部品の部品供給装置からの受取り時には、吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線に対してずらされ、吸着面が偏心させられるが、それ以外の場合には、装着面の中心と装着ヘッドの回転軸線とを一致させることができ、偏心が部品受取り以外の作業に悪影響を及ぼすことが回避される。
【0020】
(22)前記戻し装置が、前記ノズル保持体を前記ノズル保持体移動装置により移動させられる方向とは逆方向に付勢する付勢装置を含む(20)項または(21)項に記載の電子回路部品装着機。
【0021】
(23)前記補正制御部が、前記ノズル保持体の移動量を取得する移動量取得部を含み、その移動量取得部により取得された移動量に基づいて前記ノズル保持体移動装置を制御する (1)項ないし(22)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(24)前記移動量取得部が撮像装置を含み、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品の画像データに基づいて前記移動量を取得するものである(23)項に記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルに保持された電子回路部品が撮像装置により撮像されれば、電子回路部品の被吸着箇所、例えば、中心と吸着ノズルの吸着面の中心との位置ずれ量が得られる。この位置ずれ量は、部品受取位置における部品供給部と吸着ノズルとの位置ずれに対応しており、画像データに基づいて保持体の移動量を取得することができる。
(25)前記回転体の停止位置の一つに設けられ、前記部品受取位置において前記吸着ノズルが受け取った電子回路部品を撮像する撮像装置を含み、その撮像結果に基づいて保持位置誤差を取得する保持位置誤差取得装置の撮像装置が、前記移動量取得部の撮像装置を構成している(24)項に記載の電子回路部品装着機。
本項の発明によれば、電子回路部品の保持位置誤差が取得され、修正されるとともに、吸着ノズルのノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本電子回路部品装着機は、図1に示すように、主に、装着機本体10と、装着機本体10に配設され回路基板としてのプリント配線板12を固定する基板保持装置としての配線板固定装置14と、装着機本体10に配設され配線板固定装置14を、水平面内において互いに直交する2方向であるX軸方向およびY軸方向に移動させるXYテーブル装置16と、装着機本体10のXYテーブル装置16の奥(図1における上方)に配設された部品供給装置18と、装着機本体10の配線板固定装置14および部品供給装置18の上方に配設され部品を装着する部品装着装置20と、部品装着装置20の前方にプリント配線板12の表面(装着面)を撮像可能に配設されたCCDカメラを撮像デバイスとする配線板撮像装置22と、これらの装置を制御する制御装置24(図6参照)とから構成されている。なお、本装着機の基本的な構成は、特開2002−368494号公報,特開平6−342998号公報,特開2001−345599号公報,特公平8−21791号公報等に記載されているものと略同様に構成されており、ここでは簡単な説明にとどめる。
【0023】
配線板固定装置14は、装着作業において略予定された位置にプリント配線板12を保持固定するものであり、上流側および下流側のそれぞれの配線板搬送機(図示省略)につながるそれぞれの搬入コンベアおよび搬出コンベヤ(図示は省略)に接続可能である。XYテーブル装置16は、配線板固定装置14を支持して配線板固定装置14をY軸方向に移動させるYテーブル装置32と、Yテーブル装置32を支持してYテーブル装置32をX軸方向に移動させるXテーブル装置34とを備えている。Yテーブル装置32およびXテーブル装置34は、駆動源となるサーボモータ、ボールねじ機構等を有している。
【0024】
部品供給装置18は、主に、2つの部品供給テーブル38と、それら部品供給テーブル38を互いに独立してX軸方向に移動させる部品供給テーブル移動装置40と、部品供給テーブル38上に並設され、テープに保持された部品を送り装置により順次送り出し可能な部品供給具の一種である部品供給フィーダとしての複数のテープフィーダ42(一方の部品供給テーブル38に並設されるテープフィーダの図示は省略されている)とを備えている。部品供給テーブル38の移動により、テープフィーダ42の各部品供給部が選択的に所定の部品供給位置に移動させられ、装着順序にしたがって所定の部品を取り出し可能な状態とする。
【0025】
部品供給テーブル移動装置40は、2つの部品供給テーブル38のそれぞれについて設けられた駆動源としての部品供給テーブル駆動モータ44,ボールねじ46およびナット48を含んで構成されている。複数のテープフィーダ42においては、送り装置による部品保持テープの送りにより電子回路部品が順次、予め設定された部品供給部へ移動させられ、部品供給部から電子回路部品が1個ずつ取り出される。テープフィーダ42は、本実施形態においては、部品供給テーブル38上に、各部品供給部がX軸方向に平行な一直線上に位置する状態で設けられている。
【0026】
部品装着装置20は、図1に示すように、主に、回転体としてのインデックステーブル60と、そのインデックステーブル60に設けられた複数、例えば16組の装着ヘッド62とを備えている。インデックステーブル60は、装着機本体10により鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に支持されており、その回転軸線を中心とする一円周上に複数の装着ヘッド62が等角度間隔であって、インデックステーブル60の回転軸線に平行な方向に移動可能かつ自身の軸線のまわりに回転可能に設けられている。インデックステーブル60は、回転体回転装置としてのテーブル間欠回転装置64により一定角度ずつ間欠回転させられる。テーブル間欠回転装置64は、インデックステーブル駆動モータ66(図6参照)を駆動源とし、インデックステーブル60が間欠回転させられることにより、複数の装着ヘッド62が上記鉛直な回転軸線のまわりに旋回させられ、順次、図3に示す部品受取位置,部品姿勢変更位置,部品保持姿勢検出位置,部品姿勢修正位置,部品装着位置,装着ヘッド姿勢復帰位置,部品排出位置,ノズル検出位置,ノズル選択位置等の停止位置に順次移動させられ、停止させられる。装着ヘッド62については、後に詳細に説明する。
【0027】
部品受取位置と部品装着位置とにはそれぞれ、図2に示すように、装着ヘッド昇降装置70,72が設けられている。装着ヘッド昇降装置70は、昇降部材76と、昇降部材駆動装置78とを含み、インデックステーブル60の間欠回転により部品受取位置に移動させられた装着ヘッド62は昇降部材76により支持され、昇降部材76が昇降部材駆動装置78によって昇降させられることにより、装着ヘッド62が昇降させられる。部品装着位置に設けられた装着ヘッド昇降装置72も同様に構成されている。昇降部材駆動装置78は前記インデックステーブル駆動モータ66を駆動源とし、装着ヘッド昇降装置70,72は、インデックステーブル60の間欠回転と同期して作動する。
【0028】
部品姿勢変更位置,部品姿勢修正位置および装着ヘッド姿勢復帰位置にはそれぞれ、装着ヘッド回転装置84(図6参照)が設けられており、装着ヘッド62を、自身の軸線を中心としてその軸線のまわりに回転させるようにされている。部品保持姿勢検出位置には、後述する吸着ノズルの下方から、吸着保持された電子回路部品を撮像するための部品撮像装置90(図1参照。撮像デバイスはCCDカメラである)が配設されており、撮像によって得られた画像データは画像処理装置である部品画像処理ユニット92(図6参照。制御装置24に含まれる)によって処理され、部品の保持位置誤差情報が取得されるようになっている。保持位置誤差は、部品の予め定められた基準点、例えば中心点の装着ヘッド62に対するX軸,Y軸方向の位置誤差と、装着ヘッド62の回転軸線まわりの回転位置誤差とを含んでいる。
【0029】
前記配線板撮像装置22は、その位置が固定されており、前記XYテーブル装置16によるプリント配線板12の移動によって、プリント配線板12の表面の任意の位置の撮像が可能となっている。配線板撮像装置22によって得られた画像データは、画像処理装置である基板画像処理ユニット96(図6参照。制御装置24に含まれる)によって処理され、例えば、プリント配線板12の表面に設けられた複数の基準マーク98(図1参照)の撮像に基づいて、プリント配線板12の表面上に予め設定された複数の部品装着点の各々についてX軸、Y軸方向の各位置誤差が求められる。
【0030】
装着ヘッド62を詳細に説明する。
図2に示すように、インデックステーブル60には、複数、本実施形態においては16個の支持部材100(図2には代表的に2個図示されている)が等角度間隔に、かつ鉛直方向に昇降可能に設けられるとともに、支持部材100により回転部材102が鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に支持されており、装着ヘッド62は回転部材102に保持されている。本実施形態においては、インデックステーブル60の支持部材100を支持する部分がヘッド保持部を構成している。支持部材100は、部品受取位置および部品装着位置においてそれぞれ、装着ヘッド昇降装置70,72の昇降部材76により支持されて昇降させられ、装着ヘッド62が昇降させられる。
【0031】
回転部材102の下端部に設けられたヘッド本体106には、図4に示すように、ノズル保持体108が軸110およびヘッド本体106により、インデックステーブル60の回転軸線に直角で、装着ヘッド62の回転軸線と直交し、水平な回転軸線のまわりに回転可能に、かつそれの回転軸線に平行な方向に移動可能に支持されている。ノズル保持体108には、複数、例えば、6個のノズル保持部としてのノズル嵌合穴112が、ノズル保持体108の回転軸線を中心として等角度間隔にかつ放射状に設けられており、それぞれ吸着ノズル114が嵌合され、保持されている。
【0032】
吸着ノズル114は、電子回路部品(以後、部品と略称する)116を負圧により吸着して保持する部品保持具であり、本体部としてのノズル本体118と吸着部としての吸着管120とを有し、吸着管120の先端面により構成される吸着面122において部品116を吸着する。吸着ノズル114は、ノズル嵌合穴112に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されており、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング124により、ノズル嵌合穴112から突出する向きに付勢されている。このスプリング124の付勢による吸着ノズル114の移動限度は、ノズル本体118に嵌合されて係合部を構成するピン126がノズル保持体108に設けられた被係合部としての長穴128の端面に係合することにより規定される。
【0033】
ノズル保持体108に保持された6個の吸着ノズル114(図2には代表的に2個図示されている)は、ノズル保持体108がノズル選択装置(図示省略)によって回転させられることにより、作動位置に選択的に位置させられる。作動位置は、吸着ノズル114が、下向きでかつそれの軸線が鉛直となる位置であり、作動位置に位置させられた吸着ノズル114は、軸110,ノズル保持体108およびヘッド本体106等に設けられた通路130等によって図示を省略する負圧源に接続される。
【0034】
ノズル保持体108は、位置決め装置140により、その回転軸線まわりの位置を位置決めされる。位置決め装置140は、図4に示すように、ヘッド本体106に保持された位置決め部材ないし係合部材としての位置決めピン142と、ノズル保持体108に設けられた被位置決め部ないし被係合部としての複数、本実施形態では6個の位置決め穴144とを備えている。
【0035】
位置決めピン142は位置決め部150と軸部152とを有し、軸部152においてヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されている。ノズル保持体108には、図4に示すように、そのヘッド本体106により回転可能に保持された部分に、ノズル選択装置の駆動部材が係合する被係合部153が設けられており、位置決めピン142は、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向において、ヘッド本体106の被係合部153が位置する側と同じ側に設けられている。位置決め部150は横断面形状が円形を成すとともに、先端ほど直径が直線的に減少するテーパ状とされている。位置決め部150はヘッド本体106からノズル保持体108側へ突出させられているが、位置決めピン142は、ヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング154により、位置決め部150がノズル保持体108から離間する向きに付勢されている。このスプリング154の付勢による位置決めピン142の移動限度は、位置決め部150と軸部152との間の肩面156がヘッド本体106に当接することにより規定される。この位置が位置決めピン142の原位置であり、後退端位置である。
【0036】
前記位置決め穴144は、横断面形状が円形を成し、開口部は、開口から遠ざかるほど直径が直線的に減少させられ、位置決め部150のテーパと対応するテーパ状とされている。複数の位置決め穴144はノズル保持体108に、その回転軸線のまわりに等角度間隔に設けられている。ノズル保持体108は、ヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング160により、位置決めピン142に接近する向きに付勢されており、位置決めピン142が6つの位置決め穴144のうちの一つに嵌合させられることにより、ノズル保持体108がその回転軸線まわりにおいて位置決めされる。装着ヘッド62は、プリント配線板12への部品116の装着後、前記装着ヘッド回転装置84により回転させられ、回転軸線まわりにおいて原位置に戻される。この原位置は、ノズル保持体108の回転軸線がインデックステーブル60の回転軸線と直交し、かつ位置決めピン142が装着ヘッド62の外周側(インデックステーブル60の回転軸線とは反対側)に位置する状態となる位置である。
【0037】
前記ノズル選択装置は前記ノズル選択位置に設けられており、ノズル保持体108の前記被係合部153に係合し、ノズル保持体108を、スプリング160の付勢力に抗して回転軸線に平行な方向に後退させ、位置決めピン142を位置決め穴144から離脱させるとともに、ノズル保持体108をそれの回転軸線のまわりに回転させるように構成されており、ノズル保持体108の回転により、部品116の受取りに用いられる吸着ノズル114を保持したノズル嵌合穴112が作動位置に位置決めされ、その吸着ノズル114が作動位置に位置決めされる。その状態でノズル選択装置がノズル保持体108から離脱させられれば、スプリング160の付勢によりノズル保持体108が移動させられ、位置決め穴144に位置決めピン142が嵌合されて位置決めされる。位置決めピン142は、スプリング154の付勢により、その肩面156がヘッド本体106に当接させられており、位置決め穴144への位置決めピン142の嵌合により、スプリング160の付勢によるノズル保持体108の移動限度も規定され、ノズル保持体108はそれの回転軸線に平行な方向において予め設定された原位置、すなわち、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の軸線が回転部材102の軸線と一致する位置に位置させられる。本実施形態においては、位置決めピン142が原位置規定部材を構成し、ヘッド本体106の肩面156と当接する部分がストッパ部を構成し、これらがノズル保持体108の原位置を規定する原位置規定装置を構成している。
【0038】
このようにノズル保持体108は軸110およびヘッド本体106により、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されており、ノズル選択とは別にノズル保持体108を回転軸線に平行な方向に移動させることにより、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の位置を変更し、補正することができる。そのため、ヘッド本体106には、被駆動部材としてのレバー170が軸172により、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差し、水平な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。この回動軸線は、部品受取位置においては、装着ヘッド62のインデックステーブル60の回転軸線まわりにおける旋回軌跡に対する接線に平行であって、X軸方向に平行となる。
【0039】
レバー170の下部は位置決めピン142に対向させられ、作用部173を構成しており、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動させられ、作用部173の位置決めピン142側とは反対側の面であって外側の面にカム面174が設けられている。カム面174は、本実施形態においては、下方ほど位置決めピン142およびノズル保持体108へ接近する向きに直線的に傾斜させられた傾斜面により構成されている。レバー170は、その上部とヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング176により付勢され、作用部173が位置決めピン142の軸部152に当接させられている。位置決めピン142が、肩面156がヘッド本体106に当接する位置に位置する状態では、レバー170は作用部173がヘッド本体106から最も離れた位置に位置する作動開始位置に位置させられている。なお、本実施形態では、スプリング176の付勢力はスプリング154の付勢力より小さくされており、ノズル選択時にノズル保持体108がスプリング160の付勢力に抗して移動させられるとき、位置決めピン142は移動せず、位置決め穴144から抜け出させられる。
【0040】
前記装着機本体10の部品受取位置に対応する部分には、図5に示すように、被駆動部駆動装置としてのレバー駆動装置190が設けられ、レバー170と共にノズル保持体移動装置を構成している。レバー駆動装置190は、X軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられたカムフォロワとしてのローラ192と、ローラ192をインデックステーブル60の半径方向であって、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動させるローラ移動装置194とを有する。ローラ192は、係合部材の一種である回転係合部材である。
【0041】
ローラ移動装置194は、前記装着機本体10を構成する支持部材(図示省略)に設けられており、図5に示すように、駆動源としてのローラ移動モータ196および運動変換装置198を含む。運動変換装置198は、ローラ移動モータ196により回転させられるが、軸方向には移動不能なナット200およびナット200に螺合され、軸方向には移動可能であるが、回転不能なボールねじ202を含み、ボールねじ202の先端部に設けられた保持部材204によりローラ192が回転可能に保持されている。したがって、ナット200が回転させられ、ボールねじ202が軸方向に移動させられることにより保持部材204が正逆両方向に移動させられ、ローラ192が、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向における位置であって、カム面174に係合する作用位置へ移動させられる。保持部材204の移動は、ガイドロッド206およびガイドブロック208を含む案内装置210により案内される。なお、本実施形態においては、説明を簡単にするために、レバー駆動装置190は精度良く設けられ、ローラ192は設定された作用位置へ精度良く移動させられることとする。
【0042】
ローラ192は、後述するように、カム面174に係合し、レバー170を回動させてノズル保持体108を移動させるのであるが、ノズル保持体108を移動させない状態では、インデックステーブル60の回転により部品受取位置へ移動する装着ヘッド62と干渉しない退避位置に退避させられている。ローラ移動装置194は、ローラ192が、上下方向であって、装着ヘッド62の軸線に平行な方向においては、図4に示すように、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62が上昇端位置に位置する状態において、ローラ192の最も装着ヘッド62側の部分が、レバー170の下端よりやや下方に位置する状態となるように設けられている。
【0043】
図6に本電子回路部品装着機を制御する制御装置24のブロック図を、本発明に関係の深い部分を中心に示す。制御装置24は、CPU250,ROM252,RAM254,入出力インタフェース256およびそれらを接続するバス258を有するコンピュータ260を主体とするものである。入出力インタフェース256には、制御装置24内にあるそれぞれの駆動回路262を介して、配線板固定装置14,XYテーブル装置16,部品供給装置18,テーブル間欠回転装置64のインデックステーブル駆動モータ66,装着ヘッド回転装置84,レバー駆動装置190のローラ移動モータ196等が接続されている。これらXYテーブル装置16等を構成する駆動源としてのモータは、本実施形態においては、電動モータの一種であり、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータとされている。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。本実施形態においてはサーボモータはエンコーダ付きとされている。エンコーダは、サーボモータを駆動源として駆動される部材の作動量ないし作動位置を検出する装置の一種であり、回転角度検出装置であり、エンコーダの検出値に基づいてモータが制御される。
【0044】
また、入出力インタフェース256には、部品撮像装置90が部品画像処理ユニット92を介して、配線板撮像装置22が基板画像処理ユニット96を介してそれぞれ接続されており、前述したように、部品116の保持姿勢情報およびプリント配線板12の部品装着点の位置誤差情報等が取得される。また、ROM252には、本電子回路部品装着機の基本動作プログラム等が記憶されており、さらに、RAM254には、作業対象となる回路基板に応じた部品装着作業のプログラムを始め、上記保持姿勢情報、位置誤差情報等が記憶される。
【0045】
装着作業における本電子回路部品装着機の動作は、前記特公平8−21791号公報に記載されているものと略同様であり、ここでは簡単に説明する。
プリント配線板12への部品の装着時には、インデックステーブル60が間欠回転させられ、複数の装着ヘッド62が順次、部品受取位置等へ移動させられる。装着ヘッド62は、部品受取位置において吸着ノズル114によりテープフィーダ42から部品116を受け取り、必要であれば部品姿勢変更位置において姿勢が変更された後、部品保持姿勢検出位置において部品116が部品撮像装置90により撮像され、保持位置誤差が取得される。この保持位置誤差のうち、回転位置誤差は、部品姿勢修正位置において装着ヘッド62が装着ヘッド回転装置84により回転させられて修正され、X軸,Y軸の各方向における位置誤差は、XYテーブル装置16によるプリント配線板12の移動位置の修正により修正される。この際、基準マーク98の撮像により取得された部品装着点の各位置誤差等も併せて修正され、部品装着位置へ移動させられた装着ヘッド62の吸着ノズル114により、部品116がプリント配線板12の適正な部品装着点に適正な姿勢で装着される。装着後、装着ヘッド62は装着ヘッド姿勢復帰位置において回転させられて原位置へ戻され、必要であればノズル選択位置においてノズル保持体108がノズル選択装置により回転させられて、部品116の装着に使用される吸着ノズル114が選択される。
【0046】
このように部品116がプリント配線板12に装着されるとき、部品供給装置18においては部品供給テーブル38が部品供給テーブル移動装置40により移動させられ、部品116を供給するテープフィーダ42の部品供給部が部品供給位置に移動させられるが、部品供給部と、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62の作動位置に位置決めされた吸着ノズル114とに位置ずれが生じることがある。
【0047】
この位置ずれは、例えば、装着ヘッド62の回転軸線の正規の位置に対する位置ずれ,吸着ノズル114の吸着面122の装着ヘッド62の回転軸線に対する位置ずれ,テープフィーダ42の部品供給部の位置ずれによって生じる。本実施形態では、説明を簡単にするために、装着ヘッド62の回転軸線の位置ずれおよび吸着面122の位置ずれはなく、装着ヘッド62の回転軸線は予定された正規の位置にあり、ノズル保持体108が原位置に位置する状態においては、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の吸着面122の中心と装着ヘッド62の回転軸線とは一致していることとする。
【0048】
テープフィーダ42の部品供給部の位置ずれは、例えば、部品供給テーブル38,テープフィーダ42の製造誤差,組付誤差,部品供給テーブル38の移動位置誤差等により生じる。この位置ずれのうち、X軸方向に平行な方向の位置ずれは、部品116を供給するテープフィーダ42の部品供給部を部品供給位置に移動させる際の部品供給テーブル38の移動位置を補正することにより補正され、減少させられ、水平面内においてX軸方向と直角なY軸方向の位置ずれは、装着ヘッド62のノズル保持体108を移動させ、吸着ノズル114を移動させることにより補正され、減少させられる。前述のように、装着ヘッド62は部品116の装着後、回転軸線まわりにおいて原位置に戻され、装着ヘッド62は、部品受取位置においてノズル保持体108の回転軸線が部品供給テーブル移動方向であるX軸方向と直角なY軸方向に平行となり、その姿勢で部品116を受け取る。そのため、ノズル保持体108を、それの回転軸線に平行な方向に移動させれば、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114がY軸方向に移動させられ、Y軸方向の位置ずれを補正することができるのである。
【0049】
装着ヘッド62が部品受取位置へ移動させられるとき、レバー駆動装置190のローラ192は退避位置に退避させられており、装着ヘッド62の停止後、ローラ192がローラ移動装置194により装着ヘッド62に向かって移動させられ、装着ヘッド62が下降させられる際のレバー170のカム面174の移動経路内に位置する作用位置に位置させられる。それにより、図7に示すように、装着ヘッド62の下降に伴ってカム面174がローラ192に係合し、斜面の作用によりレバー170がスプリング154の付勢力に抗して回動させられ、位置決めピン142をノズル保持体108側へ移動させるとともに、ノズル保持体108をスプリング160の付勢力に抗して、それの回転軸線に平行な方向に移動させ、吸着ノズル114をY軸方向に移動させ、その位置を補正する。
【0050】
ノズル保持体108の移動量は、ローラ192が係合し始める際のカム面174の上下方向における箇所に応じて変わる。装着ヘッド62の下降開始後、カム面174がローラ192に係合する時期が早いほど、すなわちカム面174のローラ192に係合し始める係合開始箇所が下側であるほど、レバー170の回動角度が大きくなり、装着ヘッド62が下降端位置へ下降するまでの間に得られるノズル保持体108の移動量が多くなる。カム面174の係合開始箇所は、ローラ192の作用位置に応じて変わり、作用位置がレバー170に近いほど、カム面174に早く係合し、ノズル保持体108の移動量が多くなる。
【0051】
したがって、ローラ192の作用位置(退避位置からの移動距離)は、ノズル保持体108の移動量、すなわち吸着ノズル114のY軸方向の位置の補正量によって決められる。
但し、装着ヘッド62の下降に伴うレバー170の回動により、ノズル保持体108は原位置から一方向のみに移動させられる。したがって、吸着ノズル114と部品供給部との相対位置は、Y軸方向においては、吸着ノズル114の一方向の移動により、両者に生じるY軸方向の全部の位置ずれが補正され得るように予め設定されている。本実施形態においてノズル保持体108は、部品受取位置に位置する装着ヘッド62の外周側からインデックステーブル60の回転軸線側に向かって移動させられるため、部品供給テーブル38は、部品供給部が、図8に示すように、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62の作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の軸線に対して、ノズル保持体108の移動方向側へずれた位置に位置するように設けられている。それにより、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における相対位置誤差が、予定の相対位置から正逆いずれの方向に生じても、ノズル保持体108の移動による吸着ノズル114の位置の補正により、相対位置誤差が減少させられる。
【0052】
なお、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における予定の相対位置は、両者の相対位置誤差がない場合でも、吸着ノズル114がテープフィーダ42から部品116を取り出す際、部品供給部と吸着ノズル114とのY軸方向において設計上意図されたオフセット量(正規オフセット量と称する)だけノズル保持体108が移動させられ、吸着面122の中心と部品供給部の中心とが一致した状態となるようにされる。吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における相対位置誤差がない場合に、装着ヘッド62の下降時に正規オフセット量だけノズル保持体108を移動させるべく、レバー170の回動位置が設定され、ローラ192の作用位置が設定されるのであり、吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差の取得後は更に、その相対位置誤差を解消すべく、正規オフセット量と相対位置誤差との和(符号を考慮した和)に相当する距離だけノズル保持体108が移動させられるように、レバー170の回動位置が設定され、ローラ192の作動位置が設定される。
【0053】
吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差は、本実施形態においては、プリント配線板12への部品116の装着作業中に、吸着ノズル114によりテープフィーダ42から取り出された部品116の部品撮像装置90による撮像の結果に基づいて取得される。吸着ノズル114が部品116を吸着するとき、吸着ノズル114も部品116も部品供給部に対して予め設定された位置に位置させられ、吸着ノズル114は吸着面122の中心と部品116の被吸着箇所(多くの場合、部品116の中心)とが一致する状態で部品116を吸着することが予定されている。しかし、実際には相対位置誤差があり、吸着ノズル114が部品116を吸着したとき、吸着面122の中心と部品116の中心とに位置ずれが生じる。撮像結果に基づいて得られる部品116の中心の吸着面122の中心に対するX軸,Y軸方向の位置誤差は、部品受取位置における部品供給部と吸着ノズル114との相対位置誤差にほぼ対応しており、この相対位置誤差がなくなるようにノズル保持体108の移動量が求められる。なお、部品姿勢変更位置において部品116の姿勢が変更されたのであれば、その変更を考慮して補正量が求められる。
【0054】
部品116の撮像結果に基づいて得られた相対位置誤差と吸着ノズル114とテープフィーダ42の部品供給部との正規オフセット量との和であるノズル保持体108の移動量から、その移動量を実現するために必要なローラ192の作用位置が演算により取得され、吸着ノズル114と、部品116を供給したテープフィーダ42との組合わせ毎にコンピュータ260に記憶され、次に同じ組合わせで吸着ノズル114によるテープフィーダ42からの部品116の受取りが行われる際に読み出され、ローラ移動装置194が作動させられて、その作用位置へローラ192が移動させられる。ノズル保持体108は、複数の吸着ノズル114を保持していて、それら吸着ノズル114が選択的に部品116の装着に使用されるとともに、次に説明するように、吸着ノズル114が部品116を受け取る毎に原位置に戻され、吸着ノズル114毎に原位置からの移動によって相対位置誤差が補正されるようにされているからである。
【0055】
以上は、理解を容易にするために、1回の撮像の結果に基づいてローラ192の作用位置が決定されるものとして説明したが、実際には、複数回の撮像の結果に基づいて取得されたローラ192の作用位置のデータに平均値取得,移動平均値取得,フィルタ処理等の統計処理を施してローラ192の作用位置が決定されるのであり、また、一旦作用位置が決定された後も、電子回路部品装着機の温度変化に伴う吸着ノズル114とテープフィータ42の部品供給部との相対位置の変化等に起因する吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差の変化に応じてローラ192の作用位置のデータが修正される。
【0056】
このように装着ヘッド62の下降に伴ってノズル保持体108が移動させられ、吸着ノズル114が移動させられてテープフィーダ42の部品供給部との相対位置誤差が補正され、それにより吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向の位置ずれ(ノズル保持体108が正規オフセット量、移動させられた状態で吸着ノズル114と部品供給部との間に生じるずれ)が減少させられ、部品供給部へ送られた部品116と吸着ノズル114の吸着面122とのずれが減少させられて、吸着ノズル114による部品116の吸着の信頼性が向上する。なお、装着ヘッド62の下降距離は、吸着ノズル114が部品116に接触した状態から更に小距離下降させられ、吸着ノズル114が確実に部品116を吸着し得るようにされている。この装着ヘッド62の余分な下降は、スプリング124が圧縮されることにより許容され、この下降の間もレバー170は回動させられる。そのため、吸着ノズル114が部品116を保持した状態で移動させられることとなるが、極く僅かであり、無視して差し支えない。
【0057】
装着ヘッド62が下降させられ、吸着ノズル114に負圧が供給されて部品116を吸着したならば、装着ヘッド62は上昇させられる。装着ヘッド62の上昇に伴ってカム面174のローラ192が係合する部分はノズル保持体108に近い部分となり、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により、原位置へ移動させられるとともに位置決めピン142がスプリング154の付勢により後退させられ、レバー170が位置決めピン142により押されてノズル保持体108を移動させる場合とは逆方向へ、すなわち作用部173がヘッド本体106から離れる向きに回動させられる。ノズル保持体108は位置決めピン142がヘッド本体106に当接するまで移動させられ、原位置に復帰させられる。装着ヘッド62の上昇の途中においてノズル保持体108は原位置へ復帰させられ、装着ヘッド62が上昇端位置へ上昇させられた状態では、カム面174はローラ192との係合から外れ、ローラ192はローラ移動装置194によって退避位置へ退避させられる。
【0058】
このようにノズル保持体108は吸着ノズル114による部品116の受取り後、装着ヘッド62が次の停止位置へ移動する前に原位置へ復帰させられる。それにより、部品を保持した吸着ノズル114は、その軸線が装着ヘッド62の回転軸線と一致する状態に戻され、その状態で部品撮像装置90による部品116の撮像が行われる。したがって、画像データの処理等が、吸着ノズル114の軸線と装着ヘッド62の回転軸線とに位置ずれがない状態で行われ、位置ずれによる問題を生じることなく、部品受取り以外の作業および処理が行われる。また、本実施形態においては、ノズル保持体108がヘッド本体106にそれの回転軸線に平行な方向に移動可能に保持され、ノズル保持体108の移動によって吸着ノズル114のY軸方向の位置が補正されるとともに、位置決め装置140によるノズル保持体108の回転軸線まわりの位置決めが解除され、あるいは位置決めが為され、また、位置決めピン142を利用してノズル保持体108が移動させられ、さらに、位置ずれ補正時にも位置決め時にも、ノズル保持体108がスプリング160によって原位置に復帰させられるようにされており、ノズル保持体108が回転軸線まわりにおいて位置決めされつつ、吸着ノズル114の位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
【0059】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、ローラ移動装置194が、ローラ192のカム面174との接触部とカム面174とを、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を構成している。また、位置決めピン142が運動伝達装置を構成し、スプリング160が戻し装置を構成し、部品撮像装置90および画像処理ユニット92が保持位置誤差取得装置を構成し、部品撮像装置90,画像処理ユニット92および制御装置24のノズル保持体108の移動量を求める部分が移動量取得部を構成し、制御装置24のローラ移動装置194を制御する部分と共に補正制御部を構成している。ノズル保持体108の移動により吸着ノズル114のY軸方向の位置が補正され、移動量取得部は、吸着ノズル114のY軸方向の位置の補正量を取得する補正量取得部でもある。制御装置24の取得された移動量に基づいてローラ192の作用位置を決める部分が作用位置取得部ないし上記相対移動装置の相対移動量取得部を構成し、補正制御部を構成している。また、ローラ192により構成されるカムフォロワは、被駆動部駆動装置の駆動部を構成し、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた駆動部材を構成している。
【0060】
本発明の別の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、前記実施形態の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
本実施形態の電子回路部品装着機においては、部品受取位置に移動させられた装着ヘッド300のノズル保持体108は、装着ヘッド300が上昇端位置に位置する状態において移動させられ、吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれが補正される。そのため、前記レバー170と同様に、ヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差する水平な軸線まわりに回動可能に設けられた被駆動部材としてのレバー302にはカム面が設けられておらず、その位置決めピン142と対向する作用部304の外面は、ノズル保持体108が原位置に位置する状態において鉛直な平面とされるとともに、その面にローラ306が、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差する水平な軸線のまわりに回転可能に設けられ、係合部を構成している。
【0061】
装着機本体10の部品受取位置に対応する部分には、被駆動部材駆動装置としてのレバー駆動装置310が設けられている。レバー駆動装置310は、部品受取位置に移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向、すなわちY軸方向において移動可能に設けられた駆動部材としての押込部材312と、押込部材312をY軸方向に移動させる駆動部材移動装置としての押込部材移動装置314とを備えている。押込部材312は、例えば、前記ローラ移動装置194と同様に構成されており、押込部材312をY軸方向において任意の位置へ移動させる。
【0062】
押込部材312の装着ヘッド62側の部分には、装着ヘッド62の昇降に平行な作用面としての押込面316が設けられている。押込面316は、装着ヘッド62が昇降させられる間、ローラ306に係合し続ける大きさに形成されている。
【0063】
装着ヘッド300が部品受取位置へ移動させられるときには、押込部材312は退避位置へ退避させられており、装着ヘッド300と干渉しないようにされている。装着ヘッド300の停止後、押込部材312が前進させられて押込面316がローラ306に係合し、レバー302を、スプリング154,160の付勢力に抗して回動させ、位置決めピン142を移動させるとともにノズル保持体108を移動させる。押込部材312の移動位置である作用位置は、前記ローラ192の作用位置と同様に、ノズル保持体108を、吸着ノズル114の位置ずれが補正される位置に移動させる位置に設定され、ノズル保持体108の移動により吸着ノズル114が移動させられ、部品供給部とのY軸方向の相対位置誤差が補正され、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向の位置ずれが減少させられる。
【0064】
押込部材312の移動後、装着ヘッド300が下降させられ、吸着ノズル114が部品116を吸着する。この間、ローラ306は押込面316に係合したままであり、ノズル保持体108は移動させられた状態に保たれ、吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれが補正された状態に保たれる。吸着ノズル114が部品を吸着した後、装着ヘッド300が上昇端位置へ上昇させられたならば、押込部材312が退避位置へ退避させられ、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により原位置に復帰させられる。
【0065】
上記各実施形態においては、ノズル保持体移動装置が装着ヘッドと装着機本体とにわたって設けられていたが、装着ヘッドに設けてもよい。その実施形態を図10に基づいて説明する。なお、前記実施形態の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
【0066】
本実施形態の電子回路部品装着機においては、装着ヘッド350のヘッド本体106に位置決め装置352の位置決めピン354が、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能にかつ回転不能に保持されるとともに、位置決めピン移動装置356が設けられ、位置決めピン354を軸方向に移動させるようにされている。位置決めピン移動装置356は、位置決めピン354と一体的に設けられたボールねじ360,ヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられたナット362,駆動源としての位置決めピン移動モータ364および回転伝達装置(図示省略)を含む。回転伝達装置は、例えば、歯車対を含んで構成され、位置決めピン移動モータ364によりナット362が回転させられ、ボールねじ360が軸方向に移動させられて位置決めピン354が正逆両方向に移動させられる。位置決めピン移動モータ364は、本実施形態においてはサーボモータにより構成されており、位置決めピン354はY軸方向において任意の位置へ移動させられる。
【0067】
位置決めピン354は常には、位置決めピン354の位置決め部370の肩面372がヘッド本体106に当接する原位置に位置させられており、部品受取り時に位置決めピン移動装置356により前進させられ、ノズル保持体108をスプリング160の付勢力に抗して移動させ、吸着ノズル114の部品供給部に対するY軸方向の位置ずれを補正する。部品受取り後、位置決めピン354が位置決めピン移動装置356により原位置へ後退させられ、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により原位置に復帰させられる。
本実施形態においては、ノズル保持体108の位置決めピン354が係合し、押される部分であって、位置決め穴144が設けられた部分が被駆動部を構成している。また、位置決めピン354が駆動部材を構成し、位置決めピン移動装置356が駆動部材駆動装置を構成し、これらがノズル保持体移動装置を構成している。
本実施形態の電子回路部品装着機においては、装着ヘッド350の昇降を利用することなく、ノズル保持体108を任意の時期に移動させて吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれを補正するとともに、原位置に復帰させることができる。
【0068】
なお、被駆動部駆動装置を駆動部たる駆動部材としてカムフォロワを含むものとする場合、カムフォロワを偏心ローラにより構成してもよい。偏心ローラは、例えば、軸部とその軸部に対して偏心した偏心部とを有する偏心軸の、偏心部の外周面に回転自在に嵌合されたローラとすることができる。偏心軸をステップモータ等、回転角度の精密な制御が可能な電動モータを駆動源とする駆動部材移動装置により回転させれば、偏心部の軸線、すなわち回転ローラの回転軸線の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向における位置が変わるため、前記実施形態においてローラ192をローラ移動装置194によって移動させるのと同様な効果が得られる。そして、保持部材204を直線的に移動させることに比較して、偏心軸を回転させることの方が容易で、装置の構成が簡易化できるため、安価に目的を達し得る。
【0069】
また、上記各実施形態において、被駆動部駆動装置は精度良く設けられ、その位置誤差はないものとしたが、被駆動部駆動装置の0点を検出し、それに基づいて被駆動部を駆動させるようにしてもよい。例えば、図1ないし図8に示す実施形態において、装着ヘッド62が上昇端位置あるいは下降端位置に位置する状態においてローラ192を前進させ、カム面174に接触する際の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の位置を検出する。ローラ192のカム面174に対する接触は、例えば、接触により導通が生じる検出装置により検出し、この接触位置を0点としてローラ192を作用位置へ移動させるための移動量を演算する。図9に示す実施形態においても同様に、検出装置により押込部材312がレバー302に接触する位置を検出し、0点として押込部材312の移動量を演算する。
【0070】
さらに、部品供給部と吸着ノズルとの位置ずれは、装着ヘッドの回転軸線の正規の位置に対する位置ずれおよび吸着面のヘッド回転軸線に対する位置ずれを考慮して求めてもよい。例えば、非装着作業時にヘッド回転軸線の位置ずれ等を検出し、それを用いて、装着作業時に部品供給部と吸着ノズルの吸着面との位置ずれを求める。
【0071】
また、ノズル保持体108の移動量は、一連の装着作業の開始に先立って求めてもよい。例えば、装着作業の開始に先立って仮に電子回路部品をフィーダから受け取り、撮像して保持位置誤差を求め、移動量を取得するのである。さらに、それと併せて装着作業中に移動量を求めてもよい。
【0072】
さらに、位置決め装置140の位置決めピン142を被駆動部材とし、被駆動部材駆動装置により移動させ、ノズル保持体108を移動させてもよい。
【0073】
また、部品供給フィーダの部品供給部は、X軸方向に沿って設けるが、Y軸方向においては位置が互いに異ならされていてもよい。この場合、装着ヘッドが部品供給フィーダから部品を受け取る際には、ノズル保持体を移動させ、作動位置に位置決めされた吸着ノズルをY軸方向において、部品を受け取る部品供給フィーダの部品供給部と一致する位置に位置させる。
【0074】
さらに、プリント配線板に装着される全部の電子回路部品について吸着ノズルの位置を補正することは不可欠ではなく、例えば、電子回路部品が平面視の寸法が大きい場合には補正が行われないようにしてもよい。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品装着機を概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の装着装置を示す側面図(一部断面)である。
【図3】上記電子回路部品装着機においてインデックステーブルの回転により装着ヘッドが停止する位置を説明する図である。
【図4】上記装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【図5】部品受取位置に位置する装着ヘッドをレバー駆動装置と共に示す平面図である。
【図6】上記電子回路部品装着機を制御する制御装置を示すブロック図である。
【図7】上記装着ヘッドにおいてノズル保持体が移動させられた状態を示す側面図(一部断面)である。
【図8】上記電子回路部品装着機において部品受取位置におけるテープフィーダの部品供給部と吸着ノズルとのY軸方向における位置の設定を説明する図である。
【図9】本発明の別の実施形態である電子回路部品装着機の装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【図10】本発明の更に別の実施形態である電子回路部品装着機の装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【符号の説明】
10:装着機本体 24:制御装置 38:部品供給テーブル 40:部品供給テーブル移動装置 42:テープフィーダ 60:インデックステーブル 62:装着ヘッド 70:装着ヘッド昇降装置 90:部品撮像装置 92:部品画像処理ユニット 106:ヘッド本体 108:ノズル保持体 112:ノズル嵌合穴 114:吸着ノズル 140:位置決め装置 142:位置決めピン 160:圧縮コイルスプリング 170:レバー 174:カム面 190:レバー駆動装置 192:ローラ 194:ローラ移動装置 300:装着ヘッド 302:レバー 306:ローラ 310:レバー駆動装置 312:押込部材 314:押込部材移動装置 316:押込面 350:装着ヘッド 352:位置決め装置 354:位置決めピン 356:位置決めピン移動装置 364:位置決めピン移動モータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉛直な回転軸線のまわりに回転させられる回転体に保持された装着ヘッドにより電子回路部品が回路基板に装着される電子回路部品装着機に関するものであり、特に、部品供給装置からの電子回路部品の受取り精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子回路部品は、プリント配線板等の回路基板に装着されて電子回路を構成する部品である。電子回路部品装着機には、例えば、特許文献1に記載されているように、鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体に複数の装着ヘッドが保持され、回転体の回転によって複数の装着ヘッドが順次、部品受取位置へ移動させられて部品供給装置から電子回路部品を受け取り、部品装着位置へ移動させられて回路基板に装着する装置がある。複数の装着ヘッドはそれぞれ、回転体に、回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に保持されるとともに、水平軸線まわりに回転可能に設けられたノズル保持体を備え、そのノズル保持体の回転軸線まわりに複数の吸着ノズルが放射状に設けられており、ノズル保持体の回転により、複数の吸着ノズルが選択的に作動位置に位置決めされ、電子回路部品の吸着に用いられる。作動位置は吸着ノズルが下向きでかつそれの軸線が鉛直となる位置であり、複数の吸着ノズルはそれぞれ、作動位置に位置決めされたとき、その軸線が装着ヘッドの回転軸線に対して偏心した状態となるように設けられており、装着ヘッドの回転により、作動位置に位置決めされた吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線のまわりに旋回させられて、そのY軸方向の位置が変えられる。そのため、部品受取り時には、吸着ノズルが旋回させられ、吸着ノズルと部品供給装置の部品供給部とのY軸方向の位置ずれが減少させられ、吸着ノズルが電子回路部品を正確に吸着するようにされる。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−43799号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果】
しかしながら、吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線に対して偏心させられていれば、種々の問題が生じる。
例えば、回路基板への電子回路部品の装着作業の開始に先立って電子回路部品の装着順序が設定され、装着時における回路基板の移動距離ができる限り短くて済むように設定される場合、その設定が無駄になる場合がある。
特許文献1に記載の電子回路部品装着機と同種の電子回路部品装着機においては、回路基板は、回路基板移動装置により水平面内の任意の位置へ移動させられ、回路基板の表面上に設定された部品装着点が部品装着位置へ移動させられた装着ヘッドの作動位置に位置決めされた吸着ノズルの軸線と一致するようにされ、装着順序は、回路基板の移動距離の合計ができる限り短くて済み、装着作業時間が短くてむように装着順序が設定される。
しかしながら、吸着ノズルの装着ヘッドの回転軸線に対する偏心を利用して位置ずれを解消するようにすれば、旋回により吸着ノズルの軸線の位置が水平方向において変わる。吸着ノズルによる部品の保持位置誤差である回転位置誤差も装着ヘッドの回転により補正され、それにより吸着ノズルの軸線の位置が更に変わる。回路基板は、その部品装着点が吸着面の中心と一致するように移動させられるのが普通であり、位置ずれ解消のために旋回させられた吸着ノズルの軸線の位置の変化に合わせて移動位置が補正されることとなるのであるが、その補正量が、相前後して電子回路部品が装着される2つの部品装着点間の距離に近くなり、甚だしい場合には部品装着点間の距離より大きくなって、回路基板の所要移動距離が大きくなり、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなって、装着能率が低下するのである。特に、装着される電子回路部品が小さく、装着密度が高い場合に、吸着ノズルの偏心量が大きくされると、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなることが多い。
また、吸着ノズルが偏心させられておらず、装着ヘッドの回転による吸着面の中心位置の変化がない場合に比較して、回路基板の移動位置の補正量が大きく、演算された補正量に含まれる誤差が大きくなって、装着精度が低下しがちである。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景とし、鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体に装着ヘッドが複数保持され、それら装着ヘッドの各々において、水平な回転軸線のまわりに回転させられるノズル保持体に放射状に保持された複数の吸着ノズルが選択的に電子回路部品の吸着に使用される電子回路部品装着機において、装着能率の低下や装着精度の低下を抑えつつ、吸着ノズルによる電子回路部品の受取り精度を向上させることを課題として為されたものであり、本発明によって、下記各態様の電子回路部品装着機が得られる。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも本発明の理解を容易にするためであり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組合わせが以下の各項に記載のものに限定されると解釈されるべきではない。また、一つの項に複数の事項が記載されている場合、それら複数の事項を常に一緒に採用しなければならないわけではない。一部の事項のみを選択して採用することも可能なのである。
【0006】
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (3)項および (4)項を併せた項が請求項2に、 (3)項および (9)項を併せた項が請求項3に、(15)項が請求項4にそれぞれ相当する。
【0007】
(1) 装着機本体と、
その装着機本体に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に保持された少なくとも1つの回転体と、
その少なくとも1つの回転体に設けられた複数のヘッド保持部の各々に保持された装着ヘッドであって、それぞれヘッド本体とそのヘッド本体に水平な回転軸線のまわりに回転可能かつその回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されたノズル保持体とを備え、そのノズル保持体が前記水平な回転軸線のまわりに放射状に設けられた複数のノズル保持部を有し、ノズル保持体の回転により複数のノズル保持部のいずれかが、そのいずれかに保持された吸着ノズルが鉛直下向きとなる作動位置に選択的に位置決めされるものと、
前記回転体を回転させることにより、前記複数の装着ヘッドを前記鉛直な回転軸線のまわりに旋回させ、前記吸着ノズルにより部品供給装置から電子回路部品を受け取る部品受取位置と、その受け取った電子回路部品を回路基板に装着する部品装着位置とに移動させる回転体回転装置と、
前記ノズル保持体をそれの回転軸線に平行な方向に移動させるノズル保持体移動装置と、
そのノズル保持体移動装置を制御し、前記部品受取位置において前記吸着ノズルが前記電子回路部品に接触して吸着する前に前記ノズル保持体を設定量移動させて、前記作動位置に位置決めされた吸着ノズルの、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置を補正する補正制御部と
を含む電子回路部品装着機。
回転体は、1つの回転体が複数の装着ヘッドの全部を保持し、鉛直な回転軸線のまわりの回転により、それら装着ヘッドを一斉に旋回させるものでもよく、特開平9−237997号公報に記載されているように、複数の回転体がそれぞれ装着ヘッドを1つずつ保持し、鉛直な回転軸線のまわりにそれぞれ自由に回転することにより、保持した装着ヘッドを個々に旋回させるものでもよい。
ノズル保持部が作動位置に位置決めされれば、そのノズル保持部に保持された吸着ノズルが作動位置に位置決めされる。本項の電子回路部品装着機においては、部品受取位置における吸着ノズルの電子回路部品の吸着前の位置の補正により、例えば、作動位置に位置決めされた吸着ノズルと部品供給装置の部品供給部との、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置ずれが補正され、吸着ノズルに電子回路部品を確実に吸着させることができる。
そして、例えば、 (21)項に記載の電子回路部品装着機におけるように、装着ヘッドが回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転させられるとともに、部品受取り後、ノズル保持体が原位置へ戻され、吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの軸線と一致させられるのであれば、装着能率の低下や装着精度の低下を生ずることなく、電子回路部品を回路基板に装着することができる。部品受取り時には吸着ノズルの軸線と部品供給装置の部品供給部とがずれていても、吸着ノズルによる電子回路部品の保持位置誤差の取得および装着は、吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線と一致する状態で行うことができ、装着ヘッドの回転による吸着ノズルの軸線の位置の変化が殆どなく、回路基板の移動位置の補正量は、電子回路部品の保持位置誤差の修正に要する程度の大きさとなり、予め定められている装着順序が最適とはいえなくなってしまう事態や、演算された補正量に含まれる誤差が大きくなる事態が生じなくなるからである。また、電子回路部品の撮像によって保持位置誤差を求める場合に、画像データの処理時に吸着ノズルの軸線の位置の変化を考慮しなくてよく、画像処理時間の短縮を図ることができる。
あるいは、部品供給装置が複数の部品供給部を備え、吸着ノズルがそれら部品供給部のいずれか一つから電子回路部品を受け取る場合、複数の部品供給部の、部品受取位置におけるノズル保持体の回転軸線に平行な方向の位置が互いに異ならされていても、ノズル保持体を移動させ、吸着ノズルの位置を補正することにより、いずれの部品供給部からも電子回路部品を受け取らせることが可能となる。
【0008】
(2)前記部品供給装置が、複数の部品供給フィーダと、それら部品供給フィーダが設けられた部品供給テーブルと、その部品供給テーブルを、前記部品受取位置における前記装着ヘッドの旋回軌跡に対する接線方向に移動させ、前記複数の部品供給フィーダの各部品供給部を選択的に部品供給位置に移動させる部品供給テーブル移動装置とを含み、前記装着ヘッドが前記部品受取位置において前記ノズル保持体の回転軸線が部品供給テーブル移動方向と直角となる姿勢で前記電子回路部品を受け取り、前記ノズル保持体の移動により前記吸着ノズルと前記部品供給位置に移動させられた部品供給部との、前記部品供給テーブルの移動方向と直角な方向の位置ずれが補正される (1)項に記載の電子回路部品装着機。
部品供給フィーダには、例えば、テープフィーダ,バルクフィーダ,スティックフィーダ等がある。部品供給フィーダにおいて保持された多数の電子回路部品は、送り装置により、部品供給テーブルの移動方向に直角な水平方向に移動させられ、順次、部品供給部に送られて吸着ノズルにより1個ずつ取り出される。部品供給フィーダの製造誤差,組付誤差,部品供給テーブルの停止位置誤差等により、部品供給部に送られた電子回路部品と、部品受取位置に移動させられた装着ヘッドの作動位置に位置決めされた吸着ノズルの吸着面との間に、電子回路部品送り方向における位置ずれが生じることがあるが、その位置ずれがノズル保持体の移動による吸着ノズルの移動により解消される。ノズル保持体は、装着ヘッドが部品受取位置に移動させられた状態では、それの回転軸線がフィーダの部品送り方向に平行となり、ノズル保持体の移動により吸着ノズルと部品供給部との、電子回路部品送り方向における位置ずれが解消され、吸着ノズルは電子回路部品を精度良く吸着することができるのである。
【0009】
(3)前記ノズル保持体移動装置が、前記装着ヘッドに前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含む (1)項または (2)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部はノズル保持体そのものに設けられてもよく、ヘッド本体に設けられ、自身の移動に基づいて直接あるいは間接にノズル保持体を移動させるものとしてもよい。
被駆動部が被駆動部駆動装置によって駆動されることによりノズル保持体が移動させられ、作動位置に位置決めされた吸着ノズルの位置が補正される。
【0010】
(4)前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部と前記被駆動部駆動装置との一方が、下方ほどノズル保持体側へ接近する向きに傾斜させられたカム面を含み、他方がカムフォロワを含むとともに、前記ノズル保持体移動装置が、前記カムフォロワの前記カム面との接触部とカム面とを、前記部品受取位置へ移動させられた装着ヘッドのノズル保持体の回転軸線に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を含む (3)項に記載の電子回路部品装着機。
部品受取位置において装着ヘッドが装着ヘッド昇降装置によって下降させられるとき、カム面とカムフォロワとが上下方向において相対移動させられ、カム面の作用により被駆動部が移動させられてノズル保持体が移動させられる。
被駆動部の移動距離、すなわちノズル保持体の移動距離ないし吸着ノズル位置補正量は、カム面がその上下方向のいずれの箇所においてカムフォロワと係合し始めるかによって変わる。この係合開始位置は、カムフォロワとカム面との、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における相対位置によって変わり、相対移動装置によるカムフォロワとカム面との相対移動量は、ノズル保持体について所定の移動量が得られる量に設定される。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、装着ヘッドの昇降を利用してノズル保持体を移動させることができ、装着ヘッドの昇降とノズル保持体の移動とを容易に同期させることができる。
装着ヘッド昇降装置は、作業機本体の部品受取位置に対応する部分に設けられて部品受取位置へ移動させられた装着ヘッドを昇降させる装置としてもよく、回転体に設けられてもよく、あるいは作業機本体と回転体との両方にわたって設けられてもよい。装着ヘッド昇降装置を作業機本体に設ければ、例えば、装着ヘッド昇降装置を複数の装着ヘッドに共通とすることができ、安価に吸着ノズルの位置を補正することができる。
【0011】
(5)前記被駆動部が前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の移動方向と平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を備え、その被駆動部材に前記カム面が設けられた (4)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部材は、例えば、 (6)項に記載されているように、ヘッド本体に回動可能に設けられたレバーでもよく、あるいはノズル保持体の回転軸線に平行な方向に直線移動可能に設けられた直線移動部材でもよい。
被駆動部材の移動は、ノズル保持体に直接伝達されてもよく、運動伝達装置を介して間接的に伝達されてもよい。
被駆動部材がカム面の傾斜の作用により移動させられ、その移動に基づいてノズル保持体が移動させられる。
(6)前記被駆動部材が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に設けられたレバーを含む (5)項に記載の電子回路部品装着機。
(7)前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に設けられ、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置を含む (5)項または (6)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、被駆動部材の移動は運動伝達装置を介してノズル保持体に伝達される。このようにすれば、例えば、装着ヘッドの構成等により被駆動部材の設置箇所,寸法,形状等が限定される場合であっても、被駆動部材の移動に基づいてノズル保持体を移動させるようにすることができる。あるいは装着ヘッドの既存の構成要素を利用してノズル保持体を移動させる等、被駆動部材を種々の態様で設けることができる。
【0012】
(8)前記カムフォロワが、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回転可能に設けられたローラを含む (4)項ないし (7)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
カム面とカムフォロワとが相対移動させられるとき、両者の摩擦が少なくて済み、滑らかに相対移動させられ、ノズル保持体が滑らかに移動させられる。
【0013】
(9)前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部駆動装置が、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた駆動部材と、その駆動部材を移動させる駆動部材移動装置とを含み、前記被駆動部が前記駆動部材と係合して駆動される係合部を含み、前記ノズル保持体移動装置が、前記駆動部材が移動しない限り、前記装着ヘッドの昇降にかかわらず、前記ノズル保持体をノズル保持体移動装置によって移動させられた位置に保つ移動状態保持手段を含む (3)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、駆動部材は係合部と係合して被駆動部を移動させる。この移動量は吸着ノズルの位置の補正に必要な量とされ、この移動によりノズル保持体が移動させられて吸着ノズルの位置が補正される。移動状態保持手段の作用により、装着ヘッドの昇降にかかわらず、ノズル保持体がノズル保持体移動装置によって移動させられた位置に保たれ、位置が補正された状態で吸着ノズルが昇降させられ、電子回路部品を吸着することができる。本項の電子回路部品装着機によれば、ノズル保持体は装着ヘッドの昇降を利用することなく移動させられる。
(10)前記移動状態保持手段が、前記駆動部材の前記装着ヘッドの昇降方向に平行な作用面を含む (9)項に記載の電子回路部品装着機。
装着ヘッドが昇降させられるとき、作用面は係合部に作用し続け、被駆動部を駆動された状態に保ち、ノズル保持体が移動させられた状態に保たれる。
【0014】
(11)前記被駆動部が前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の移動方向と平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を備え、その被駆動部材に前記係合部が設けられた (9)項または(10)項に記載の電子回路部品装着機。
被駆動部材は、例えば、(12)項に記載されているように、ヘッド本体に回動可能に設けられたレバーでもよく、あるいはノズル保持体の回転軸線に平行な方向に直線移動可能に設けられた直線移動部材でもよい。
被駆動部材の移動は、ノズル保持体に直接伝達されてもよく、運動伝達装置を介して間接的に伝達されてもよい。
被駆動部材の移動によりノズル保持体が移動させられ、吸着ノズルの位置が補正される。
(12)前記被駆動部材が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に設けられたレバーを含む(11)項に記載の電子回路部品装着機。
(13)前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に設けられ、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置を含む(11)項または(12)項に記載の電子回路部品装着機。
本項によれば、例えば、 (7)項に記載の作用,効果と同様の作用,効果が得られる。
(14)前記係合部が、前記ノズル保持体の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回転可能に設けられたローラを含む (9)項ないし(13)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
本項によれば、例えば、係合部と駆動部材とが上下方向において相対移動させられるとき、それらの間の摩擦が少なくて済み、ノズル保持体が滑らかに移動させられる。
【0015】
(15)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに設けられている (1)項または (2)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、例えば、吸着ノズルが電子回路部品を受け取る前の任意の時期にノズル保持体を移動させることができ、装着ヘッドが部品受取位置に到達する前に吸着ノズルの位置を補正することができる。
(16)前記ノズル保持体移動装置が電動モータを駆動源として構成されている(15)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機によれば、例えば、電動モータによってノズル保持体を直接駆動させ、ノズル保持体を正逆両方向に移動させるようにすることが可能である。
【0016】
(17)前記ノズル保持体のその回転軸線まわりの位置を位置決めする位置決め装置を含む (1)項ないし(16)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
位置決め装置が設けられれば、例えば、ノズル保持体が、電子回路部品の受取りに用いられる吸着ノズルが作動位置に位置する状態に正確に保たれ、吸着ノズルが電子回路部品を精度良く吸着することができる。
【0017】
(18)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含むとともに、前記被駆動部が、前記ノズル保持体の移動方向に平行な成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を含み、前記位置決め装置が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた位置決め部材と、前記ノズル保持体に、その回転軸線のまわりに間隔を隔てて設けられ、前記位置決め部材が選択的に係合させられる複数の被位置決め部とを含み、前記位置決め部材が前記被駆動部材を構成している(17)項に記載の電子回路部品装着機。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、位置決め部材が被位置決め部に係合させられた状態において被駆動部駆動装置によって移動させられ、それによりノズル保持体を位置決めした状態に保ちつつ移動させる。
ノズル保持体が位置決め装置により位置決めされるとともに、吸着ノズルの位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
被駆動部材を構成する位置決め部材にカム面あるいはカムフォロワを設け、カム面の作用により被駆動部材を移動させてもよく、位置決め部材に係合部を設け、駆動部材および駆動部材移動装置により移動させてもよい。
【0018】
(19)前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含むとともに、前記被駆動部が、前記ノズル保持体の移動方向に平行な成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部材を含み、前記位置決め装置が、前記ヘッド本体に、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた位置決め部材と、前記ノズル保持体に、その回転軸線のまわりに間隔を隔てて設けられ、前記位置決め部材が選択的に係合させられる複数の被位置決め部とを含み、前記被駆動部材と前記ノズル保持体との間に、被駆動部材の移動をノズル保持体に伝達する運動伝達装置が設けられ、前記位置決め部材が運動伝達装置を構成している(17)項に記載の電子回路部品装着機。
本項の発明によれば、ノズル保持体がそれの回転軸線まわりにおいて位置決めされるとともに、被駆動部の移動が運動伝達装置を介してノズル保持体に伝達され、移動させられる電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
被駆動部材は、カム面あるいはカムフォロワが設けられ、カム面の作用により移動させられるものでもよく、係合部が設けられ、駆動部材および駆動部材移動装置により移動させられるものでもよい。
【0019】
(20)前記ノズル保持体移動装置によって移動させられたノズル保持体を予め設定された原位置へ戻す戻し装置を含む (1)項ないし(19)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
ノズル保持体が電動モータを駆動源とするノズル保持体移動装置によって移動させられ、電動モータの作動によりノズル保持体が正逆両方向に移動させられるのであれば、ノズル保持体移動装置のノズル保持体を原位置へ移動させる部分が戻し装置を構成する。
(21)前記装着ヘッドが、前記回転体により、回転体の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能に保持され、前記ノズル保持体の回転軸線が装着ヘッドの回転軸線と直交させられるとともに、前記原位置が、前記作動位置に位置する吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線と一致する位置である(20)項に記載の電子回路部品装着機。
ノズル保持体は、吸着ノズルが電子回路部品を吸着した後に原位置に戻される。そのため、吸着ノズルが保持した電子回路部品が撮像装置により撮像される前に、あるいは回路基板に装着される前にノズル保持体が本項の原位置に戻されれば、前述のように、装着精度の向上等の効果が得られる。
また、吸着ノズルの偏心量や電子回路部品の大きさ等によっては、電子回路部品が撮像装置によって撮像されるとき、画像処理範囲からはみ出して画像データが得られない事態が発生するのであるが、そのような事態の発生が回避される。
さらに、作動位置に移動させられた吸着ノズルの軸線が装着ヘッドの回転軸線に対して偏心した状態となる特殊な装着ヘッドの作成が不要であり、また、そのような吸着ノズルをノズル保持体に保持させる際に、吸着ノズルが所定の方向において偏心した状態となるように作業者が注意を払う必要がなく、電子回路部品装着機のコストダウンや生産性の向上を図ることが可能である。
本項に記載の電子回路部品装着機においては、電子回路部品の部品供給装置からの受取り時には、吸着ノズルが装着ヘッドの回転軸線に対してずらされ、吸着面が偏心させられるが、それ以外の場合には、装着面の中心と装着ヘッドの回転軸線とを一致させることができ、偏心が部品受取り以外の作業に悪影響を及ぼすことが回避される。
【0020】
(22)前記戻し装置が、前記ノズル保持体を前記ノズル保持体移動装置により移動させられる方向とは逆方向に付勢する付勢装置を含む(20)項または(21)項に記載の電子回路部品装着機。
【0021】
(23)前記補正制御部が、前記ノズル保持体の移動量を取得する移動量取得部を含み、その移動量取得部により取得された移動量に基づいて前記ノズル保持体移動装置を制御する (1)項ないし(22)項のいずれかに記載の電子回路部品装着機。
(24)前記移動量取得部が撮像装置を含み、前記吸着ノズルに保持された電子回路部品の画像データに基づいて前記移動量を取得するものである(23)項に記載の電子回路部品装着機。
吸着ノズルに保持された電子回路部品が撮像装置により撮像されれば、電子回路部品の被吸着箇所、例えば、中心と吸着ノズルの吸着面の中心との位置ずれ量が得られる。この位置ずれ量は、部品受取位置における部品供給部と吸着ノズルとの位置ずれに対応しており、画像データに基づいて保持体の移動量を取得することができる。
(25)前記回転体の停止位置の一つに設けられ、前記部品受取位置において前記吸着ノズルが受け取った電子回路部品を撮像する撮像装置を含み、その撮像結果に基づいて保持位置誤差を取得する保持位置誤差取得装置の撮像装置が、前記移動量取得部の撮像装置を構成している(24)項に記載の電子回路部品装着機。
本項の発明によれば、電子回路部品の保持位置誤差が取得され、修正されるとともに、吸着ノズルのノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本電子回路部品装着機は、図1に示すように、主に、装着機本体10と、装着機本体10に配設され回路基板としてのプリント配線板12を固定する基板保持装置としての配線板固定装置14と、装着機本体10に配設され配線板固定装置14を、水平面内において互いに直交する2方向であるX軸方向およびY軸方向に移動させるXYテーブル装置16と、装着機本体10のXYテーブル装置16の奥(図1における上方)に配設された部品供給装置18と、装着機本体10の配線板固定装置14および部品供給装置18の上方に配設され部品を装着する部品装着装置20と、部品装着装置20の前方にプリント配線板12の表面(装着面)を撮像可能に配設されたCCDカメラを撮像デバイスとする配線板撮像装置22と、これらの装置を制御する制御装置24(図6参照)とから構成されている。なお、本装着機の基本的な構成は、特開2002−368494号公報,特開平6−342998号公報,特開2001−345599号公報,特公平8−21791号公報等に記載されているものと略同様に構成されており、ここでは簡単な説明にとどめる。
【0023】
配線板固定装置14は、装着作業において略予定された位置にプリント配線板12を保持固定するものであり、上流側および下流側のそれぞれの配線板搬送機(図示省略)につながるそれぞれの搬入コンベアおよび搬出コンベヤ(図示は省略)に接続可能である。XYテーブル装置16は、配線板固定装置14を支持して配線板固定装置14をY軸方向に移動させるYテーブル装置32と、Yテーブル装置32を支持してYテーブル装置32をX軸方向に移動させるXテーブル装置34とを備えている。Yテーブル装置32およびXテーブル装置34は、駆動源となるサーボモータ、ボールねじ機構等を有している。
【0024】
部品供給装置18は、主に、2つの部品供給テーブル38と、それら部品供給テーブル38を互いに独立してX軸方向に移動させる部品供給テーブル移動装置40と、部品供給テーブル38上に並設され、テープに保持された部品を送り装置により順次送り出し可能な部品供給具の一種である部品供給フィーダとしての複数のテープフィーダ42(一方の部品供給テーブル38に並設されるテープフィーダの図示は省略されている)とを備えている。部品供給テーブル38の移動により、テープフィーダ42の各部品供給部が選択的に所定の部品供給位置に移動させられ、装着順序にしたがって所定の部品を取り出し可能な状態とする。
【0025】
部品供給テーブル移動装置40は、2つの部品供給テーブル38のそれぞれについて設けられた駆動源としての部品供給テーブル駆動モータ44,ボールねじ46およびナット48を含んで構成されている。複数のテープフィーダ42においては、送り装置による部品保持テープの送りにより電子回路部品が順次、予め設定された部品供給部へ移動させられ、部品供給部から電子回路部品が1個ずつ取り出される。テープフィーダ42は、本実施形態においては、部品供給テーブル38上に、各部品供給部がX軸方向に平行な一直線上に位置する状態で設けられている。
【0026】
部品装着装置20は、図1に示すように、主に、回転体としてのインデックステーブル60と、そのインデックステーブル60に設けられた複数、例えば16組の装着ヘッド62とを備えている。インデックステーブル60は、装着機本体10により鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に支持されており、その回転軸線を中心とする一円周上に複数の装着ヘッド62が等角度間隔であって、インデックステーブル60の回転軸線に平行な方向に移動可能かつ自身の軸線のまわりに回転可能に設けられている。インデックステーブル60は、回転体回転装置としてのテーブル間欠回転装置64により一定角度ずつ間欠回転させられる。テーブル間欠回転装置64は、インデックステーブル駆動モータ66(図6参照)を駆動源とし、インデックステーブル60が間欠回転させられることにより、複数の装着ヘッド62が上記鉛直な回転軸線のまわりに旋回させられ、順次、図3に示す部品受取位置,部品姿勢変更位置,部品保持姿勢検出位置,部品姿勢修正位置,部品装着位置,装着ヘッド姿勢復帰位置,部品排出位置,ノズル検出位置,ノズル選択位置等の停止位置に順次移動させられ、停止させられる。装着ヘッド62については、後に詳細に説明する。
【0027】
部品受取位置と部品装着位置とにはそれぞれ、図2に示すように、装着ヘッド昇降装置70,72が設けられている。装着ヘッド昇降装置70は、昇降部材76と、昇降部材駆動装置78とを含み、インデックステーブル60の間欠回転により部品受取位置に移動させられた装着ヘッド62は昇降部材76により支持され、昇降部材76が昇降部材駆動装置78によって昇降させられることにより、装着ヘッド62が昇降させられる。部品装着位置に設けられた装着ヘッド昇降装置72も同様に構成されている。昇降部材駆動装置78は前記インデックステーブル駆動モータ66を駆動源とし、装着ヘッド昇降装置70,72は、インデックステーブル60の間欠回転と同期して作動する。
【0028】
部品姿勢変更位置,部品姿勢修正位置および装着ヘッド姿勢復帰位置にはそれぞれ、装着ヘッド回転装置84(図6参照)が設けられており、装着ヘッド62を、自身の軸線を中心としてその軸線のまわりに回転させるようにされている。部品保持姿勢検出位置には、後述する吸着ノズルの下方から、吸着保持された電子回路部品を撮像するための部品撮像装置90(図1参照。撮像デバイスはCCDカメラである)が配設されており、撮像によって得られた画像データは画像処理装置である部品画像処理ユニット92(図6参照。制御装置24に含まれる)によって処理され、部品の保持位置誤差情報が取得されるようになっている。保持位置誤差は、部品の予め定められた基準点、例えば中心点の装着ヘッド62に対するX軸,Y軸方向の位置誤差と、装着ヘッド62の回転軸線まわりの回転位置誤差とを含んでいる。
【0029】
前記配線板撮像装置22は、その位置が固定されており、前記XYテーブル装置16によるプリント配線板12の移動によって、プリント配線板12の表面の任意の位置の撮像が可能となっている。配線板撮像装置22によって得られた画像データは、画像処理装置である基板画像処理ユニット96(図6参照。制御装置24に含まれる)によって処理され、例えば、プリント配線板12の表面に設けられた複数の基準マーク98(図1参照)の撮像に基づいて、プリント配線板12の表面上に予め設定された複数の部品装着点の各々についてX軸、Y軸方向の各位置誤差が求められる。
【0030】
装着ヘッド62を詳細に説明する。
図2に示すように、インデックステーブル60には、複数、本実施形態においては16個の支持部材100(図2には代表的に2個図示されている)が等角度間隔に、かつ鉛直方向に昇降可能に設けられるとともに、支持部材100により回転部材102が鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に支持されており、装着ヘッド62は回転部材102に保持されている。本実施形態においては、インデックステーブル60の支持部材100を支持する部分がヘッド保持部を構成している。支持部材100は、部品受取位置および部品装着位置においてそれぞれ、装着ヘッド昇降装置70,72の昇降部材76により支持されて昇降させられ、装着ヘッド62が昇降させられる。
【0031】
回転部材102の下端部に設けられたヘッド本体106には、図4に示すように、ノズル保持体108が軸110およびヘッド本体106により、インデックステーブル60の回転軸線に直角で、装着ヘッド62の回転軸線と直交し、水平な回転軸線のまわりに回転可能に、かつそれの回転軸線に平行な方向に移動可能に支持されている。ノズル保持体108には、複数、例えば、6個のノズル保持部としてのノズル嵌合穴112が、ノズル保持体108の回転軸線を中心として等角度間隔にかつ放射状に設けられており、それぞれ吸着ノズル114が嵌合され、保持されている。
【0032】
吸着ノズル114は、電子回路部品(以後、部品と略称する)116を負圧により吸着して保持する部品保持具であり、本体部としてのノズル本体118と吸着部としての吸着管120とを有し、吸着管120の先端面により構成される吸着面122において部品116を吸着する。吸着ノズル114は、ノズル嵌合穴112に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されており、付勢手段の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング124により、ノズル嵌合穴112から突出する向きに付勢されている。このスプリング124の付勢による吸着ノズル114の移動限度は、ノズル本体118に嵌合されて係合部を構成するピン126がノズル保持体108に設けられた被係合部としての長穴128の端面に係合することにより規定される。
【0033】
ノズル保持体108に保持された6個の吸着ノズル114(図2には代表的に2個図示されている)は、ノズル保持体108がノズル選択装置(図示省略)によって回転させられることにより、作動位置に選択的に位置させられる。作動位置は、吸着ノズル114が、下向きでかつそれの軸線が鉛直となる位置であり、作動位置に位置させられた吸着ノズル114は、軸110,ノズル保持体108およびヘッド本体106等に設けられた通路130等によって図示を省略する負圧源に接続される。
【0034】
ノズル保持体108は、位置決め装置140により、その回転軸線まわりの位置を位置決めされる。位置決め装置140は、図4に示すように、ヘッド本体106に保持された位置決め部材ないし係合部材としての位置決めピン142と、ノズル保持体108に設けられた被位置決め部ないし被係合部としての複数、本実施形態では6個の位置決め穴144とを備えている。
【0035】
位置決めピン142は位置決め部150と軸部152とを有し、軸部152においてヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されている。ノズル保持体108には、図4に示すように、そのヘッド本体106により回転可能に保持された部分に、ノズル選択装置の駆動部材が係合する被係合部153が設けられており、位置決めピン142は、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向において、ヘッド本体106の被係合部153が位置する側と同じ側に設けられている。位置決め部150は横断面形状が円形を成すとともに、先端ほど直径が直線的に減少するテーパ状とされている。位置決め部150はヘッド本体106からノズル保持体108側へ突出させられているが、位置決めピン142は、ヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング154により、位置決め部150がノズル保持体108から離間する向きに付勢されている。このスプリング154の付勢による位置決めピン142の移動限度は、位置決め部150と軸部152との間の肩面156がヘッド本体106に当接することにより規定される。この位置が位置決めピン142の原位置であり、後退端位置である。
【0036】
前記位置決め穴144は、横断面形状が円形を成し、開口部は、開口から遠ざかるほど直径が直線的に減少させられ、位置決め部150のテーパと対応するテーパ状とされている。複数の位置決め穴144はノズル保持体108に、その回転軸線のまわりに等角度間隔に設けられている。ノズル保持体108は、ヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング160により、位置決めピン142に接近する向きに付勢されており、位置決めピン142が6つの位置決め穴144のうちの一つに嵌合させられることにより、ノズル保持体108がその回転軸線まわりにおいて位置決めされる。装着ヘッド62は、プリント配線板12への部品116の装着後、前記装着ヘッド回転装置84により回転させられ、回転軸線まわりにおいて原位置に戻される。この原位置は、ノズル保持体108の回転軸線がインデックステーブル60の回転軸線と直交し、かつ位置決めピン142が装着ヘッド62の外周側(インデックステーブル60の回転軸線とは反対側)に位置する状態となる位置である。
【0037】
前記ノズル選択装置は前記ノズル選択位置に設けられており、ノズル保持体108の前記被係合部153に係合し、ノズル保持体108を、スプリング160の付勢力に抗して回転軸線に平行な方向に後退させ、位置決めピン142を位置決め穴144から離脱させるとともに、ノズル保持体108をそれの回転軸線のまわりに回転させるように構成されており、ノズル保持体108の回転により、部品116の受取りに用いられる吸着ノズル114を保持したノズル嵌合穴112が作動位置に位置決めされ、その吸着ノズル114が作動位置に位置決めされる。その状態でノズル選択装置がノズル保持体108から離脱させられれば、スプリング160の付勢によりノズル保持体108が移動させられ、位置決め穴144に位置決めピン142が嵌合されて位置決めされる。位置決めピン142は、スプリング154の付勢により、その肩面156がヘッド本体106に当接させられており、位置決め穴144への位置決めピン142の嵌合により、スプリング160の付勢によるノズル保持体108の移動限度も規定され、ノズル保持体108はそれの回転軸線に平行な方向において予め設定された原位置、すなわち、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の軸線が回転部材102の軸線と一致する位置に位置させられる。本実施形態においては、位置決めピン142が原位置規定部材を構成し、ヘッド本体106の肩面156と当接する部分がストッパ部を構成し、これらがノズル保持体108の原位置を規定する原位置規定装置を構成している。
【0038】
このようにノズル保持体108は軸110およびヘッド本体106により、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されており、ノズル選択とは別にノズル保持体108を回転軸線に平行な方向に移動させることにより、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の位置を変更し、補正することができる。そのため、ヘッド本体106には、被駆動部材としてのレバー170が軸172により、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差し、水平な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。この回動軸線は、部品受取位置においては、装着ヘッド62のインデックステーブル60の回転軸線まわりにおける旋回軌跡に対する接線に平行であって、X軸方向に平行となる。
【0039】
レバー170の下部は位置決めピン142に対向させられ、作用部173を構成しており、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動させられ、作用部173の位置決めピン142側とは反対側の面であって外側の面にカム面174が設けられている。カム面174は、本実施形態においては、下方ほど位置決めピン142およびノズル保持体108へ接近する向きに直線的に傾斜させられた傾斜面により構成されている。レバー170は、その上部とヘッド本体106との間に配設された付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング176により付勢され、作用部173が位置決めピン142の軸部152に当接させられている。位置決めピン142が、肩面156がヘッド本体106に当接する位置に位置する状態では、レバー170は作用部173がヘッド本体106から最も離れた位置に位置する作動開始位置に位置させられている。なお、本実施形態では、スプリング176の付勢力はスプリング154の付勢力より小さくされており、ノズル選択時にノズル保持体108がスプリング160の付勢力に抗して移動させられるとき、位置決めピン142は移動せず、位置決め穴144から抜け出させられる。
【0040】
前記装着機本体10の部品受取位置に対応する部分には、図5に示すように、被駆動部駆動装置としてのレバー駆動装置190が設けられ、レバー170と共にノズル保持体移動装置を構成している。レバー駆動装置190は、X軸方向に平行な軸線まわりに回転可能に設けられたカムフォロワとしてのローラ192と、ローラ192をインデックステーブル60の半径方向であって、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動させるローラ移動装置194とを有する。ローラ192は、係合部材の一種である回転係合部材である。
【0041】
ローラ移動装置194は、前記装着機本体10を構成する支持部材(図示省略)に設けられており、図5に示すように、駆動源としてのローラ移動モータ196および運動変換装置198を含む。運動変換装置198は、ローラ移動モータ196により回転させられるが、軸方向には移動不能なナット200およびナット200に螺合され、軸方向には移動可能であるが、回転不能なボールねじ202を含み、ボールねじ202の先端部に設けられた保持部材204によりローラ192が回転可能に保持されている。したがって、ナット200が回転させられ、ボールねじ202が軸方向に移動させられることにより保持部材204が正逆両方向に移動させられ、ローラ192が、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向における位置であって、カム面174に係合する作用位置へ移動させられる。保持部材204の移動は、ガイドロッド206およびガイドブロック208を含む案内装置210により案内される。なお、本実施形態においては、説明を簡単にするために、レバー駆動装置190は精度良く設けられ、ローラ192は設定された作用位置へ精度良く移動させられることとする。
【0042】
ローラ192は、後述するように、カム面174に係合し、レバー170を回動させてノズル保持体108を移動させるのであるが、ノズル保持体108を移動させない状態では、インデックステーブル60の回転により部品受取位置へ移動する装着ヘッド62と干渉しない退避位置に退避させられている。ローラ移動装置194は、ローラ192が、上下方向であって、装着ヘッド62の軸線に平行な方向においては、図4に示すように、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62が上昇端位置に位置する状態において、ローラ192の最も装着ヘッド62側の部分が、レバー170の下端よりやや下方に位置する状態となるように設けられている。
【0043】
図6に本電子回路部品装着機を制御する制御装置24のブロック図を、本発明に関係の深い部分を中心に示す。制御装置24は、CPU250,ROM252,RAM254,入出力インタフェース256およびそれらを接続するバス258を有するコンピュータ260を主体とするものである。入出力インタフェース256には、制御装置24内にあるそれぞれの駆動回路262を介して、配線板固定装置14,XYテーブル装置16,部品供給装置18,テーブル間欠回転装置64のインデックステーブル駆動モータ66,装着ヘッド回転装置84,レバー駆動装置190のローラ移動モータ196等が接続されている。これらXYテーブル装置16等を構成する駆動源としてのモータは、本実施形態においては、電動モータの一種であり、回転角度の精度の良い制御が可能なサーボモータとされている。サーボモータに代えてステップモータを用いてもよい。本実施形態においてはサーボモータはエンコーダ付きとされている。エンコーダは、サーボモータを駆動源として駆動される部材の作動量ないし作動位置を検出する装置の一種であり、回転角度検出装置であり、エンコーダの検出値に基づいてモータが制御される。
【0044】
また、入出力インタフェース256には、部品撮像装置90が部品画像処理ユニット92を介して、配線板撮像装置22が基板画像処理ユニット96を介してそれぞれ接続されており、前述したように、部品116の保持姿勢情報およびプリント配線板12の部品装着点の位置誤差情報等が取得される。また、ROM252には、本電子回路部品装着機の基本動作プログラム等が記憶されており、さらに、RAM254には、作業対象となる回路基板に応じた部品装着作業のプログラムを始め、上記保持姿勢情報、位置誤差情報等が記憶される。
【0045】
装着作業における本電子回路部品装着機の動作は、前記特公平8−21791号公報に記載されているものと略同様であり、ここでは簡単に説明する。
プリント配線板12への部品の装着時には、インデックステーブル60が間欠回転させられ、複数の装着ヘッド62が順次、部品受取位置等へ移動させられる。装着ヘッド62は、部品受取位置において吸着ノズル114によりテープフィーダ42から部品116を受け取り、必要であれば部品姿勢変更位置において姿勢が変更された後、部品保持姿勢検出位置において部品116が部品撮像装置90により撮像され、保持位置誤差が取得される。この保持位置誤差のうち、回転位置誤差は、部品姿勢修正位置において装着ヘッド62が装着ヘッド回転装置84により回転させられて修正され、X軸,Y軸の各方向における位置誤差は、XYテーブル装置16によるプリント配線板12の移動位置の修正により修正される。この際、基準マーク98の撮像により取得された部品装着点の各位置誤差等も併せて修正され、部品装着位置へ移動させられた装着ヘッド62の吸着ノズル114により、部品116がプリント配線板12の適正な部品装着点に適正な姿勢で装着される。装着後、装着ヘッド62は装着ヘッド姿勢復帰位置において回転させられて原位置へ戻され、必要であればノズル選択位置においてノズル保持体108がノズル選択装置により回転させられて、部品116の装着に使用される吸着ノズル114が選択される。
【0046】
このように部品116がプリント配線板12に装着されるとき、部品供給装置18においては部品供給テーブル38が部品供給テーブル移動装置40により移動させられ、部品116を供給するテープフィーダ42の部品供給部が部品供給位置に移動させられるが、部品供給部と、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62の作動位置に位置決めされた吸着ノズル114とに位置ずれが生じることがある。
【0047】
この位置ずれは、例えば、装着ヘッド62の回転軸線の正規の位置に対する位置ずれ,吸着ノズル114の吸着面122の装着ヘッド62の回転軸線に対する位置ずれ,テープフィーダ42の部品供給部の位置ずれによって生じる。本実施形態では、説明を簡単にするために、装着ヘッド62の回転軸線の位置ずれおよび吸着面122の位置ずれはなく、装着ヘッド62の回転軸線は予定された正規の位置にあり、ノズル保持体108が原位置に位置する状態においては、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の吸着面122の中心と装着ヘッド62の回転軸線とは一致していることとする。
【0048】
テープフィーダ42の部品供給部の位置ずれは、例えば、部品供給テーブル38,テープフィーダ42の製造誤差,組付誤差,部品供給テーブル38の移動位置誤差等により生じる。この位置ずれのうち、X軸方向に平行な方向の位置ずれは、部品116を供給するテープフィーダ42の部品供給部を部品供給位置に移動させる際の部品供給テーブル38の移動位置を補正することにより補正され、減少させられ、水平面内においてX軸方向と直角なY軸方向の位置ずれは、装着ヘッド62のノズル保持体108を移動させ、吸着ノズル114を移動させることにより補正され、減少させられる。前述のように、装着ヘッド62は部品116の装着後、回転軸線まわりにおいて原位置に戻され、装着ヘッド62は、部品受取位置においてノズル保持体108の回転軸線が部品供給テーブル移動方向であるX軸方向と直角なY軸方向に平行となり、その姿勢で部品116を受け取る。そのため、ノズル保持体108を、それの回転軸線に平行な方向に移動させれば、作動位置に位置決めされた吸着ノズル114がY軸方向に移動させられ、Y軸方向の位置ずれを補正することができるのである。
【0049】
装着ヘッド62が部品受取位置へ移動させられるとき、レバー駆動装置190のローラ192は退避位置に退避させられており、装着ヘッド62の停止後、ローラ192がローラ移動装置194により装着ヘッド62に向かって移動させられ、装着ヘッド62が下降させられる際のレバー170のカム面174の移動経路内に位置する作用位置に位置させられる。それにより、図7に示すように、装着ヘッド62の下降に伴ってカム面174がローラ192に係合し、斜面の作用によりレバー170がスプリング154の付勢力に抗して回動させられ、位置決めピン142をノズル保持体108側へ移動させるとともに、ノズル保持体108をスプリング160の付勢力に抗して、それの回転軸線に平行な方向に移動させ、吸着ノズル114をY軸方向に移動させ、その位置を補正する。
【0050】
ノズル保持体108の移動量は、ローラ192が係合し始める際のカム面174の上下方向における箇所に応じて変わる。装着ヘッド62の下降開始後、カム面174がローラ192に係合する時期が早いほど、すなわちカム面174のローラ192に係合し始める係合開始箇所が下側であるほど、レバー170の回動角度が大きくなり、装着ヘッド62が下降端位置へ下降するまでの間に得られるノズル保持体108の移動量が多くなる。カム面174の係合開始箇所は、ローラ192の作用位置に応じて変わり、作用位置がレバー170に近いほど、カム面174に早く係合し、ノズル保持体108の移動量が多くなる。
【0051】
したがって、ローラ192の作用位置(退避位置からの移動距離)は、ノズル保持体108の移動量、すなわち吸着ノズル114のY軸方向の位置の補正量によって決められる。
但し、装着ヘッド62の下降に伴うレバー170の回動により、ノズル保持体108は原位置から一方向のみに移動させられる。したがって、吸着ノズル114と部品供給部との相対位置は、Y軸方向においては、吸着ノズル114の一方向の移動により、両者に生じるY軸方向の全部の位置ずれが補正され得るように予め設定されている。本実施形態においてノズル保持体108は、部品受取位置に位置する装着ヘッド62の外周側からインデックステーブル60の回転軸線側に向かって移動させられるため、部品供給テーブル38は、部品供給部が、図8に示すように、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62の作動位置に位置決めされた吸着ノズル114の軸線に対して、ノズル保持体108の移動方向側へずれた位置に位置するように設けられている。それにより、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における相対位置誤差が、予定の相対位置から正逆いずれの方向に生じても、ノズル保持体108の移動による吸着ノズル114の位置の補正により、相対位置誤差が減少させられる。
【0052】
なお、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における予定の相対位置は、両者の相対位置誤差がない場合でも、吸着ノズル114がテープフィーダ42から部品116を取り出す際、部品供給部と吸着ノズル114とのY軸方向において設計上意図されたオフセット量(正規オフセット量と称する)だけノズル保持体108が移動させられ、吸着面122の中心と部品供給部の中心とが一致した状態となるようにされる。吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向における相対位置誤差がない場合に、装着ヘッド62の下降時に正規オフセット量だけノズル保持体108を移動させるべく、レバー170の回動位置が設定され、ローラ192の作用位置が設定されるのであり、吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差の取得後は更に、その相対位置誤差を解消すべく、正規オフセット量と相対位置誤差との和(符号を考慮した和)に相当する距離だけノズル保持体108が移動させられるように、レバー170の回動位置が設定され、ローラ192の作動位置が設定される。
【0053】
吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差は、本実施形態においては、プリント配線板12への部品116の装着作業中に、吸着ノズル114によりテープフィーダ42から取り出された部品116の部品撮像装置90による撮像の結果に基づいて取得される。吸着ノズル114が部品116を吸着するとき、吸着ノズル114も部品116も部品供給部に対して予め設定された位置に位置させられ、吸着ノズル114は吸着面122の中心と部品116の被吸着箇所(多くの場合、部品116の中心)とが一致する状態で部品116を吸着することが予定されている。しかし、実際には相対位置誤差があり、吸着ノズル114が部品116を吸着したとき、吸着面122の中心と部品116の中心とに位置ずれが生じる。撮像結果に基づいて得られる部品116の中心の吸着面122の中心に対するX軸,Y軸方向の位置誤差は、部品受取位置における部品供給部と吸着ノズル114との相対位置誤差にほぼ対応しており、この相対位置誤差がなくなるようにノズル保持体108の移動量が求められる。なお、部品姿勢変更位置において部品116の姿勢が変更されたのであれば、その変更を考慮して補正量が求められる。
【0054】
部品116の撮像結果に基づいて得られた相対位置誤差と吸着ノズル114とテープフィーダ42の部品供給部との正規オフセット量との和であるノズル保持体108の移動量から、その移動量を実現するために必要なローラ192の作用位置が演算により取得され、吸着ノズル114と、部品116を供給したテープフィーダ42との組合わせ毎にコンピュータ260に記憶され、次に同じ組合わせで吸着ノズル114によるテープフィーダ42からの部品116の受取りが行われる際に読み出され、ローラ移動装置194が作動させられて、その作用位置へローラ192が移動させられる。ノズル保持体108は、複数の吸着ノズル114を保持していて、それら吸着ノズル114が選択的に部品116の装着に使用されるとともに、次に説明するように、吸着ノズル114が部品116を受け取る毎に原位置に戻され、吸着ノズル114毎に原位置からの移動によって相対位置誤差が補正されるようにされているからである。
【0055】
以上は、理解を容易にするために、1回の撮像の結果に基づいてローラ192の作用位置が決定されるものとして説明したが、実際には、複数回の撮像の結果に基づいて取得されたローラ192の作用位置のデータに平均値取得,移動平均値取得,フィルタ処理等の統計処理を施してローラ192の作用位置が決定されるのであり、また、一旦作用位置が決定された後も、電子回路部品装着機の温度変化に伴う吸着ノズル114とテープフィータ42の部品供給部との相対位置の変化等に起因する吸着ノズル114と部品供給部との相対位置誤差の変化に応じてローラ192の作用位置のデータが修正される。
【0056】
このように装着ヘッド62の下降に伴ってノズル保持体108が移動させられ、吸着ノズル114が移動させられてテープフィーダ42の部品供給部との相対位置誤差が補正され、それにより吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向の位置ずれ(ノズル保持体108が正規オフセット量、移動させられた状態で吸着ノズル114と部品供給部との間に生じるずれ)が減少させられ、部品供給部へ送られた部品116と吸着ノズル114の吸着面122とのずれが減少させられて、吸着ノズル114による部品116の吸着の信頼性が向上する。なお、装着ヘッド62の下降距離は、吸着ノズル114が部品116に接触した状態から更に小距離下降させられ、吸着ノズル114が確実に部品116を吸着し得るようにされている。この装着ヘッド62の余分な下降は、スプリング124が圧縮されることにより許容され、この下降の間もレバー170は回動させられる。そのため、吸着ノズル114が部品116を保持した状態で移動させられることとなるが、極く僅かであり、無視して差し支えない。
【0057】
装着ヘッド62が下降させられ、吸着ノズル114に負圧が供給されて部品116を吸着したならば、装着ヘッド62は上昇させられる。装着ヘッド62の上昇に伴ってカム面174のローラ192が係合する部分はノズル保持体108に近い部分となり、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により、原位置へ移動させられるとともに位置決めピン142がスプリング154の付勢により後退させられ、レバー170が位置決めピン142により押されてノズル保持体108を移動させる場合とは逆方向へ、すなわち作用部173がヘッド本体106から離れる向きに回動させられる。ノズル保持体108は位置決めピン142がヘッド本体106に当接するまで移動させられ、原位置に復帰させられる。装着ヘッド62の上昇の途中においてノズル保持体108は原位置へ復帰させられ、装着ヘッド62が上昇端位置へ上昇させられた状態では、カム面174はローラ192との係合から外れ、ローラ192はローラ移動装置194によって退避位置へ退避させられる。
【0058】
このようにノズル保持体108は吸着ノズル114による部品116の受取り後、装着ヘッド62が次の停止位置へ移動する前に原位置へ復帰させられる。それにより、部品を保持した吸着ノズル114は、その軸線が装着ヘッド62の回転軸線と一致する状態に戻され、その状態で部品撮像装置90による部品116の撮像が行われる。したがって、画像データの処理等が、吸着ノズル114の軸線と装着ヘッド62の回転軸線とに位置ずれがない状態で行われ、位置ずれによる問題を生じることなく、部品受取り以外の作業および処理が行われる。また、本実施形態においては、ノズル保持体108がヘッド本体106にそれの回転軸線に平行な方向に移動可能に保持され、ノズル保持体108の移動によって吸着ノズル114のY軸方向の位置が補正されるとともに、位置決め装置140によるノズル保持体108の回転軸線まわりの位置決めが解除され、あるいは位置決めが為され、また、位置決めピン142を利用してノズル保持体108が移動させられ、さらに、位置ずれ補正時にも位置決め時にも、ノズル保持体108がスプリング160によって原位置に復帰させられるようにされており、ノズル保持体108が回転軸線まわりにおいて位置決めされつつ、吸着ノズル114の位置が補正される電子回路部品装着機が簡易にかつ安価に得られる。
【0059】
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、ローラ移動装置194が、ローラ192のカム面174との接触部とカム面174とを、部品受取位置へ移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を構成している。また、位置決めピン142が運動伝達装置を構成し、スプリング160が戻し装置を構成し、部品撮像装置90および画像処理ユニット92が保持位置誤差取得装置を構成し、部品撮像装置90,画像処理ユニット92および制御装置24のノズル保持体108の移動量を求める部分が移動量取得部を構成し、制御装置24のローラ移動装置194を制御する部分と共に補正制御部を構成している。ノズル保持体108の移動により吸着ノズル114のY軸方向の位置が補正され、移動量取得部は、吸着ノズル114のY軸方向の位置の補正量を取得する補正量取得部でもある。制御装置24の取得された移動量に基づいてローラ192の作用位置を決める部分が作用位置取得部ないし上記相対移動装置の相対移動量取得部を構成し、補正制御部を構成している。また、ローラ192により構成されるカムフォロワは、被駆動部駆動装置の駆動部を構成し、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた駆動部材を構成している。
【0060】
本発明の別の実施形態を図9に基づいて説明する。なお、前記実施形態の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
本実施形態の電子回路部品装着機においては、部品受取位置に移動させられた装着ヘッド300のノズル保持体108は、装着ヘッド300が上昇端位置に位置する状態において移動させられ、吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれが補正される。そのため、前記レバー170と同様に、ヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差する水平な軸線まわりに回動可能に設けられた被駆動部材としてのレバー302にはカム面が設けられておらず、その位置決めピン142と対向する作用部304の外面は、ノズル保持体108が原位置に位置する状態において鉛直な平面とされるとともに、その面にローラ306が、ノズル保持体108の回転軸線と直角に立体交差する水平な軸線のまわりに回転可能に設けられ、係合部を構成している。
【0061】
装着機本体10の部品受取位置に対応する部分には、被駆動部材駆動装置としてのレバー駆動装置310が設けられている。レバー駆動装置310は、部品受取位置に移動させられた装着ヘッド62のノズル保持体108の回転軸線に平行な方向、すなわちY軸方向において移動可能に設けられた駆動部材としての押込部材312と、押込部材312をY軸方向に移動させる駆動部材移動装置としての押込部材移動装置314とを備えている。押込部材312は、例えば、前記ローラ移動装置194と同様に構成されており、押込部材312をY軸方向において任意の位置へ移動させる。
【0062】
押込部材312の装着ヘッド62側の部分には、装着ヘッド62の昇降に平行な作用面としての押込面316が設けられている。押込面316は、装着ヘッド62が昇降させられる間、ローラ306に係合し続ける大きさに形成されている。
【0063】
装着ヘッド300が部品受取位置へ移動させられるときには、押込部材312は退避位置へ退避させられており、装着ヘッド300と干渉しないようにされている。装着ヘッド300の停止後、押込部材312が前進させられて押込面316がローラ306に係合し、レバー302を、スプリング154,160の付勢力に抗して回動させ、位置決めピン142を移動させるとともにノズル保持体108を移動させる。押込部材312の移動位置である作用位置は、前記ローラ192の作用位置と同様に、ノズル保持体108を、吸着ノズル114の位置ずれが補正される位置に移動させる位置に設定され、ノズル保持体108の移動により吸着ノズル114が移動させられ、部品供給部とのY軸方向の相対位置誤差が補正され、吸着ノズル114と部品供給部とのY軸方向の位置ずれが減少させられる。
【0064】
押込部材312の移動後、装着ヘッド300が下降させられ、吸着ノズル114が部品116を吸着する。この間、ローラ306は押込面316に係合したままであり、ノズル保持体108は移動させられた状態に保たれ、吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれが補正された状態に保たれる。吸着ノズル114が部品を吸着した後、装着ヘッド300が上昇端位置へ上昇させられたならば、押込部材312が退避位置へ退避させられ、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により原位置に復帰させられる。
【0065】
上記各実施形態においては、ノズル保持体移動装置が装着ヘッドと装着機本体とにわたって設けられていたが、装着ヘッドに設けてもよい。その実施形態を図10に基づいて説明する。なお、前記実施形態の構成要素と同じ作用を成す構成要素には同一の符号を付して対応関係を示し、説明を省略する。
【0066】
本実施形態の電子回路部品装着機においては、装着ヘッド350のヘッド本体106に位置決め装置352の位置決めピン354が、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向に移動可能にかつ回転不能に保持されるとともに、位置決めピン移動装置356が設けられ、位置決めピン354を軸方向に移動させるようにされている。位置決めピン移動装置356は、位置決めピン354と一体的に設けられたボールねじ360,ヘッド本体106に、ノズル保持体108の回転軸線に平行な軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に設けられたナット362,駆動源としての位置決めピン移動モータ364および回転伝達装置(図示省略)を含む。回転伝達装置は、例えば、歯車対を含んで構成され、位置決めピン移動モータ364によりナット362が回転させられ、ボールねじ360が軸方向に移動させられて位置決めピン354が正逆両方向に移動させられる。位置決めピン移動モータ364は、本実施形態においてはサーボモータにより構成されており、位置決めピン354はY軸方向において任意の位置へ移動させられる。
【0067】
位置決めピン354は常には、位置決めピン354の位置決め部370の肩面372がヘッド本体106に当接する原位置に位置させられており、部品受取り時に位置決めピン移動装置356により前進させられ、ノズル保持体108をスプリング160の付勢力に抗して移動させ、吸着ノズル114の部品供給部に対するY軸方向の位置ずれを補正する。部品受取り後、位置決めピン354が位置決めピン移動装置356により原位置へ後退させられ、ノズル保持体108がスプリング160の付勢により原位置に復帰させられる。
本実施形態においては、ノズル保持体108の位置決めピン354が係合し、押される部分であって、位置決め穴144が設けられた部分が被駆動部を構成している。また、位置決めピン354が駆動部材を構成し、位置決めピン移動装置356が駆動部材駆動装置を構成し、これらがノズル保持体移動装置を構成している。
本実施形態の電子回路部品装着機においては、装着ヘッド350の昇降を利用することなく、ノズル保持体108を任意の時期に移動させて吸着ノズル114のY軸方向の位置ずれを補正するとともに、原位置に復帰させることができる。
【0068】
なお、被駆動部駆動装置を駆動部たる駆動部材としてカムフォロワを含むものとする場合、カムフォロワを偏心ローラにより構成してもよい。偏心ローラは、例えば、軸部とその軸部に対して偏心した偏心部とを有する偏心軸の、偏心部の外周面に回転自在に嵌合されたローラとすることができる。偏心軸をステップモータ等、回転角度の精密な制御が可能な電動モータを駆動源とする駆動部材移動装置により回転させれば、偏心部の軸線、すなわち回転ローラの回転軸線の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向における位置が変わるため、前記実施形態においてローラ192をローラ移動装置194によって移動させるのと同様な効果が得られる。そして、保持部材204を直線的に移動させることに比較して、偏心軸を回転させることの方が容易で、装置の構成が簡易化できるため、安価に目的を達し得る。
【0069】
また、上記各実施形態において、被駆動部駆動装置は精度良く設けられ、その位置誤差はないものとしたが、被駆動部駆動装置の0点を検出し、それに基づいて被駆動部を駆動させるようにしてもよい。例えば、図1ないし図8に示す実施形態において、装着ヘッド62が上昇端位置あるいは下降端位置に位置する状態においてローラ192を前進させ、カム面174に接触する際の、ノズル保持体108の回転軸線に平行な方向の位置を検出する。ローラ192のカム面174に対する接触は、例えば、接触により導通が生じる検出装置により検出し、この接触位置を0点としてローラ192を作用位置へ移動させるための移動量を演算する。図9に示す実施形態においても同様に、検出装置により押込部材312がレバー302に接触する位置を検出し、0点として押込部材312の移動量を演算する。
【0070】
さらに、部品供給部と吸着ノズルとの位置ずれは、装着ヘッドの回転軸線の正規の位置に対する位置ずれおよび吸着面のヘッド回転軸線に対する位置ずれを考慮して求めてもよい。例えば、非装着作業時にヘッド回転軸線の位置ずれ等を検出し、それを用いて、装着作業時に部品供給部と吸着ノズルの吸着面との位置ずれを求める。
【0071】
また、ノズル保持体108の移動量は、一連の装着作業の開始に先立って求めてもよい。例えば、装着作業の開始に先立って仮に電子回路部品をフィーダから受け取り、撮像して保持位置誤差を求め、移動量を取得するのである。さらに、それと併せて装着作業中に移動量を求めてもよい。
【0072】
さらに、位置決め装置140の位置決めピン142を被駆動部材とし、被駆動部材駆動装置により移動させ、ノズル保持体108を移動させてもよい。
【0073】
また、部品供給フィーダの部品供給部は、X軸方向に沿って設けるが、Y軸方向においては位置が互いに異ならされていてもよい。この場合、装着ヘッドが部品供給フィーダから部品を受け取る際には、ノズル保持体を移動させ、作動位置に位置決めされた吸着ノズルをY軸方向において、部品を受け取る部品供給フィーダの部品供給部と一致する位置に位置させる。
【0074】
さらに、プリント配線板に装着される全部の電子回路部品について吸着ノズルの位置を補正することは不可欠ではなく、例えば、電子回路部品が平面視の寸法が大きい場合には補正が行われないようにしてもよい。
【0075】
以上、本発明のいくつかの実施形態を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効果〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である電子回路部品装着機を概略的に示す平面図である。
【図2】上記電子回路部品装着機の装着装置を示す側面図(一部断面)である。
【図3】上記電子回路部品装着機においてインデックステーブルの回転により装着ヘッドが停止する位置を説明する図である。
【図4】上記装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【図5】部品受取位置に位置する装着ヘッドをレバー駆動装置と共に示す平面図である。
【図6】上記電子回路部品装着機を制御する制御装置を示すブロック図である。
【図7】上記装着ヘッドにおいてノズル保持体が移動させられた状態を示す側面図(一部断面)である。
【図8】上記電子回路部品装着機において部品受取位置におけるテープフィーダの部品供給部と吸着ノズルとのY軸方向における位置の設定を説明する図である。
【図9】本発明の別の実施形態である電子回路部品装着機の装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【図10】本発明の更に別の実施形態である電子回路部品装着機の装着ヘッドを示す側面図(一部断面)である。
【符号の説明】
10:装着機本体 24:制御装置 38:部品供給テーブル 40:部品供給テーブル移動装置 42:テープフィーダ 60:インデックステーブル 62:装着ヘッド 70:装着ヘッド昇降装置 90:部品撮像装置 92:部品画像処理ユニット 106:ヘッド本体 108:ノズル保持体 112:ノズル嵌合穴 114:吸着ノズル 140:位置決め装置 142:位置決めピン 160:圧縮コイルスプリング 170:レバー 174:カム面 190:レバー駆動装置 192:ローラ 194:ローラ移動装置 300:装着ヘッド 302:レバー 306:ローラ 310:レバー駆動装置 312:押込部材 314:押込部材移動装置 316:押込面 350:装着ヘッド 352:位置決め装置 354:位置決めピン 356:位置決めピン移動装置 364:位置決めピン移動モータ
Claims (4)
- 装着機本体と、
その装着機本体に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に保持された少なくとも1つの回転体と、
その少なくとも1つの回転体に設けられた複数のヘッド保持部の各々に保持された装着ヘッドであって、それぞれヘッド本体とそのヘッド本体に水平な回転軸線のまわりに回転可能かつその回転軸線に平行な方向に移動可能に保持されたノズル保持体とを備え、そのノズル保持体が前記水平な回転軸線のまわりに放射状に設けられた複数のノズル保持部を有し、ノズル保持体の回転により複数のノズル保持部のいずれかが、そのいずれかに保持された吸着ノズルが鉛直下向きとなる作動位置に選択的に位置決めされるものと、
前記回転体を回転させることにより、前記複数の装着ヘッドを前記鉛直な回転軸線のまわりに旋回させ、前記吸着ノズルにより部品供給装置から電子回路部品を受け取る部品受取位置と、その受け取った電子回路部品を回路基板に装着する部品装着位置とに移動させる回転体回転装置と、
前記ノズル保持体をそれの回転軸線に平行な方向に移動させるノズル保持体移動装置と、
そのノズル保持体移動装置を制御し、前記部品受取位置において前記吸着ノズルが前記電子回路部品に接触して吸着する前に前記ノズル保持体を設定量移動させて、前記作動位置に位置決めされた吸着ノズルの、ノズル保持体の回転軸線に平行な方向における位置を補正する補正制御部と
を含むことを特徴とする電子回路部品装着機。 - 前記ノズル保持体移動装置が、前記装着ヘッドに前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含み、前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部と前記被駆動部駆動装置との一方が、下方ほどノズル保持体側へ接近する向きに傾斜させられたカム面を含み、他方がカムフォロワを含むとともに、前記ノズル保持体移動装置が、前記カムフォロワの前記カム面との接触部とカム面とを、前記部品受取位置へ移動させられた装着ヘッドのノズル保持体の回転軸線に平行な方向に相対移動させる相対移動装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子回路部品装着機。
- 前記ノズル保持体移動装置が、前記装着ヘッドに前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向の成分を有する方向に移動可能に設けられた被駆動部と、前記装着機本体の前記部品受取位置に対応する部分に設けられ、前記被駆動部を駆動して前記ノズル保持体を移動させる被駆動部駆動装置とを含み、前記装着ヘッドが前記回転体に昇降可能に設けられ、当該電子回路部品装着機が前記装着ヘッドを昇降させる装着ヘッド昇降装置を含み、かつ、前記被駆動部駆動装置が、前記ノズル保持体の回転軸線に平行な方向に移動可能に設けられた駆動部材と、その駆動部材を移動させる駆動部材移動装置とを含み、前記被駆動部が前記駆動部材と係合して駆動される係合部を含み、前記ノズル保持体移動装置が、前記駆動部材が移動しない限り、前記装着ヘッドの昇降にかかわらず、前記ノズル保持体をノズル保持体移動装置によって移動させられた位置に保つ移動状態保持手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子回路部品装着機。
- 前記ノズル保持体移動装置が前記装着ヘッドに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電子回路部品装着機。
Priority Applications (1)
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JP2003199385A JP2005039018A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 電子回路部品装着機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003199385A JP2005039018A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 電子回路部品装着機 |
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JP2005039018A true JP2005039018A (ja) | 2005-02-10 |
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Family Applications (1)
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JP2003199385A Pending JP2005039018A (ja) | 2003-07-18 | 2003-07-18 | 電子回路部品装着機 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005039018A (ja) |
-
2003
- 2003-07-18 JP JP2003199385A patent/JP2005039018A/ja active Pending
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