JP2005038943A - 発光素子駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】第1のピークホールド回路PH1は,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号のピーク電位をホールドし,第2のピークホールド回路PH2は,差動出力アンプA2が出力する逆相電圧信号のピーク電位をホールドする。加算回路ADDは,第1のピークホールド回路の出力信号と第2のピークホールド回路の出力信号を加算する。差動入力アンプA3は,基準電圧Vrと加算回路の加算結果電圧信号との差の電圧を増幅して出力する。電流出力回路IPCONTは,差動入力アンプA3の出力電圧に応じた直流電流Ioを出力する。電流スイッチ回路CUR−SWは,直流電流Ioをパルス電流Ipに変換し,レーザーダイオードLDに供給する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,発光素子駆動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年,通信回線を介した信号の伝送には,大容量化,高速化に有利な光信号が用いられている。例えば,コンピュータ,電話等の各種情報機器から出力された電気信号は,光通信装置において光信号に変換され,光通信回線へ送出される。
そして,この光通信装置が備える光電変換素子としては,周波数応答が極めて高く,小型化が容易なレーザーダイオード(LD)の採用が盛んである。
【0003】
安定した光通信を行うためには,レーザーダイオードの光出力を常時監視し,その駆動を制御する必要がある。一般的に,光通信用のレーザーダイオードには,駆動電流を自動的に調整するための光帰還回路が付加される。この光帰還回路は,例えば,レーザーダイオードの後方光(光出力)をモニタするフォトダイオード,このフォトダイオードの出力電流を電圧に変換する電流電圧変換回路,オペアンプ部,および基準電圧回路部等から構成される。このような回路は,レーザーダイオードの光出力を自動的に安定化させることから,APC(Automatic Power Control)回路と呼ばれている。
【0004】
下記の特許文献1,特許文献2,および特許文献3には,APC回路を備えた光通信装置が開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−232917号公報
【特許文献2】
特開2000−174827号公報
【特許文献3】
特開2001−36470号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,レーザーダイオードの駆動制御回路を構成するオペアンプのオフセット電圧が大きくなると,光振幅値もしくは光ピーク値を正確に検出できなくなるために,レーザーダイオードに流れる駆動電流の制御が不安定になる。このオフセット電圧は,例えば,オペアンプの製造ばらつきや,光通信装置の周囲温度変動に起因するものである。駆動バイアス電流が発光スレショルド値を大幅に超えてしまうと,レーザーダイオードが出力する光のオフ時にも発光状態が残るようになるためにオフ時光雑音が増加し,オン/オフ比(消光比)が劣化してしまう。逆に,駆動バイアス電流が低下すると,光オフからオンへの過渡応答時間が遅くなるために,レーザーダイオードの出力光に遅延が生じてしまう。
【0007】
この点,APC回路に属するオペアンプの出力端にキャパシタを直列に接続すれば,オペアンプが出力する電流から直流成分がカットされ,振幅成分のみが抽出されることになる。この結果,レーザーダイオードの駆動電流の制御に,オペアンプのオフセット電圧の影響が及ばなくなる。
【0008】
ただし,このような直列キャパシタを有する従来のAPC回路によれば,送信される各フレームデータ信号内の“1”と“0”の出現確率が一時的に大きく変動すると,直列キャパシタの後段の直流電位が変化してしまい,レーザーダイオードに流れる駆動電流の制御が不安定になる。したがって,かかるAPC回路を備えたレーザーダイオードは,送信される各フレームデータ信号内の“1”と“0”の出現確率が一定な平衡符号の送信にしか適用できず,“1”と“0”の出現確率が一定でない信号,例えばバースト信号を安定的に出力するものとして適当ではなかった。
【0009】
本発明は,上記のような問題点に鑑みてなされたものであり,その目的は,APC回路(制御回路)を構成するオペアンプがオフセット電圧を有する場合であっても,発光素子の駆動電流を適切に制御することが可能であり,かつ,バースト信号の安定的な伝送をも実現する新規かつ改良された発光素子駆動装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために,本発明によれば,発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置が提供される。そして,本発明の第1の観点によれば,この発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,電流電圧変換部から出力される電圧信号の交流成分を増幅して,交流増幅信号を出力する交流結合増幅部と,交流増幅信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,第1の直流電流を送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して発光素子に供給するパルス電流出力部と,バイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部とを備える。
【0011】
本発明の第2の観点によれば,上記の発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,電流電圧変換部から出力される電圧信号の交流成分を増幅して,交流増幅信号を出力する交流結合増幅部と,交流増幅信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部と,送信パルス信号に応じたパルス電流を発光素子に供給するパルス電流出力部とを備える。
【0012】
本発明の第3の観点によれば,上記の発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,電流電圧変換部から出力される電圧信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力増幅部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第2の基準電圧を発生する第2の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧または第2の検出回路の出力電圧と第2の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第2の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,第1の直流電流を送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して発光素子に供給するパルス電流出力部と,第2の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部とを備える。
【0013】
本発明の第4の観点によれば,上記の発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,電流電圧変換部から出力される電圧信号と,第3の基準電圧との電位差を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,第1の直流電流を送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して発光素子に供給するパルス電流出力部と,バイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部とを備える。
【0014】
本発明の第5の観点によれば,上記の発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,電流電圧変換部から出力される電圧信号と,第3の基準電圧との電位差を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部と,送信パルス信号に応じたパルス電流を発光素子に供給するパルス電流出力部とを備える。
【0015】
本発明の第6の観点によれば,上記の発光素子駆動装置は,発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,一方の入力端に電流電圧変換部から出力される電圧信号が入力され,他方の入力端に第3の基準電圧が入力され,正相出力端から正相電圧信号を出力し,逆相出力端から逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧と第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,第2の基準電圧を発生する第2の基準電圧回路と,第1の検出回路の出力電圧または第2の検出回路の出力電圧と第2の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第2の演算部と,第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,第1の直流電流を送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して発光素子に供給するパルス電流出力部と,第2の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を発光素子に供給するバイアス電流出力部とを備える。
【0016】
差動出力部にオフセット電圧が存在する場合,この差動出力部から出力される正相電圧信号および逆相電圧信号にオフセット電圧成分が含まれるおそれがある。しかし,本発明によれば,これら正相電圧信号および逆相電圧信号は,第1の演算部において演算処理され,オフセット電圧成分が取り除かれる。そして,ここでの演算結果に基づいて第1の直流電流のレベルが調整される。したがって,発光素子の駆動は,差動出力部のオフセット電圧に影響を受けることなく,安定的に制御されることになる。また,送信される各フレームデータ信号内の“1”と“0”の出現確率が一定でない信号,例えばバースト信号の安定的な転送も実現する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照しながら,本発明にかかる発光素子駆動装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,以下の説明および添付された図面において,略同一の機能および構成を有する要素については,同一符号を付することによって重複説明を省略する。
【0018】
まず,光通信に使用される発光素子としてのレーザーダイオードの駆動制御の仕組みについて,図1を参照しながら説明する。図1は,レーザーダイオードの駆動電流Ildと光出力Poとの関係を示している。
【0019】
レーザーダイオードに駆動電流Ildが流れると,光出力Ponが得られる。駆動電流Ildが発光スレショルド電流Ithより小さい場合,レーザー発振が生じないために,レーザーダイオードは発光しない。
【0020】
駆動電流Ildが大きくなり発光スレショルド電流Ithを超えると,レーザーダイオードはレーザー発振を開始し,レーザー光を出力する。レーザー発振後は,発光オン電流Ion(Ion=Ild−Ith)に比例(dpo/dIld(=dpo/dIon))した光出力Ponが得られる。
【0021】
レーザーダイオードに対して駆動電流Ildを間欠的に与えると,パルス状の光出力(パルス光出力)Ponが得られる。これによって,光パルス信号による通信が可能となる。上述のように,駆動電流Ildが発光スレショルド電流Ithを下回ると,光出力Ponはオフ状態となるが,このとき駆動電流Ildを小さくしすぎると,次に駆動電流Ildが発光スレショルド電流Ithを上回るまでに時間がかかり,光出力Ponのオンに遅れが生じてしまう。
【0022】
また,光オフ時の駆動電流Ildを発光スレショルド電流Ithより非常に小さく設定してしまうと,光オンからオフへの移行が早めに行われることになる。この現象と前述した光オンの遅延とが相まって,光出力Ponのパルス幅は,このレーザーダイオードを用いて送信しようとするデータの時間幅に比べて狭くなる。
【0023】
レーザー発光の遅延を防止し,かつ,光出力に所定の時間幅を確保するためには,一般的に,レーザーダイオードに対して,予め発光スレショルド電流Ithより僅かに小さい電流(直流バイアス電流Ib)を流しておき,駆動パルス電流Ipを加える方法が採られる。ここで,駆動パルス電流Ip(ピーク(最大)値)と直流バイアス電流Ibを加えたものが,駆動電流Ildに一致する。
【0024】
以上の駆動電流Ild,発光スレショルド電流Ith,発光オン電流Ion,直流バイアス電流Ib,および駆動パルス電流Ipの関係を示す。
【0025】
Ild=Ith+Ion=Ib+Ip
【0026】
ところで,レーザーダイオードの周辺温度が変動すると,発光スレショルド電流Ithの値や発光オン電流Ionの比例勾配(dPo/dIld)が変化し,光出力Ponが安定しなくなる可能性がある。このため,通常,レーザーダイオードには,上で説明したAPC回路が備えられる。レーザーダイオードは,光通信に用いる通信用レーザー光(光出力Pon)を前方向に出力するとともに,後方向へも通信用レーザー光に応じた光(モニタ用レーザー光)を出力することも可能である。この他,通信用レーザー光の一部を分岐させるなどの方法によって,モニタ用レーザー光を発生させるようにしてもよい。APC回路には,このモニタ用レーザー光を受光するフォトダイオードが備えられ,このフォトダイオードの出力に基づいて,直流バイアス電流Ibとパルス電流Ipが制御される。この結果,レーザーダイオードから,所定のパルス幅およびパワーに調整された通信用レーザー光が出力される。
【0027】
光出力Ponのパルス幅調整およびオン/オフタイミング調整に,より高い精度が要求される場合,常時,直流バイアス電流Ibの値がスレショルド電流Ithの値に一致するように(駆動パルス電流Ipと発光オン電流Ionが等しくなるように),直流バイアス電流Ibおよび駆動パルス電流Ipを並行して制御することが好ましい。しかし,直流バイアス電流Ibと駆動パルス電流Ipの両方を理想値になるよう制御することは困難である。したがって,光通信用のレーザーダイオードの駆動制御においては,多くの場合,直流バイアス電流Ibまたは駆動パルス電流Ipのいずれか一方を所定の値に固定し,他方の値を調整する。
【0028】
具体的には,予め発光スレショルド電流Ithの変動量を予測し,その下限値に直流バイアス電流Ibを固定した上で駆動パルス電流Ipを調整する制御方法,または,予め発光オン電流Ionの変動量を予測し,その最大値に駆動パルス電流Ipを固定した上で直流バイアス電流Ibを調整する制御方法のいずれかが採用される。かかる制御によってレーザーダイオードの動作が安定し,所望の光出力Ponが得られる。
【0029】
以上のような仕組みに基づいて,光通信用のレーザーダイオードは駆動制御される。ここから,本発明の実施の形態にかかる発光素子駆動装置について説明する。
【0030】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)101を図2に示す。
【0031】
このレーザーダイオード駆動回路101は,レーザーダイオードLD(発光素子),フォトダイオードPD(受光素子),プリアンプ部PA(電流電圧変換部),キャパシタC1,交流信号アンプA1,キャパシタC2,差動出力アンプA2(差動出力部),第1のピークホールド回路PH1(第1の検出回路),第2のピークホールド回路PH2(第2の検出回路),加算回路ADD,基準電圧回路V−REF1(第1の基準電圧回路),差動入力アンプA3,電流出力回路IPCONT(第1の直流電流出力部),電流スイッチ回路CUR−SW(パルス電流出力部),およびバイアス電流回路IB(バイアス電流出力部)から構成されている。キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2は,本発明における交流結合増幅部を構成する。また,加算回路ADDおよび差動入力アンプA3は,本発明における第1の演算部を構成する。
【0032】
レーザーダイオードLDのアノードは,電源電位+Vの供給ラインに接続されており,レーザーダイオードLDのカソードは,電流スイッチ回路CUR−SWの出力端およびバイアス電流回路IBの出力端に接続されている。そして,レーザーダイオードLDは,カソードに流れる駆動電流Ildによって駆動され,光通信に用いる通信用レーザー光LBf(光出力Pon)を前方向に出力するとともに,後方向へも通信用レーザー光に応じた光(モニタ用レーザー光LBm)を出力する。
【0033】
フォトダイオードPDは,レーザーダイオードLDから光帰還経路を経由して送られて来るモニタ用レーザー光LBmを受光し,これを光電変換して受光電流信号として出力する。図2に示したフォトダイオードPDは,カソードがプリアンプ部PAの入力端に接続され,アノードが電源電位−Vの供給ラインに接続されている。この他,フォトダイオードPDのアノードがプリアンプ部PAに接続され,カソードが電源電位+Vの供給ラインに接続されるように回路構成することも可能である。
【0034】
フォトダイオードPDの回路構成によって,フォトダイオードPDが出力する受光電流信号の極性(電流方向)が異なる。図2に示したように,フォトダイオードPDのカソードがプリアンプ部PAの入力端に接続されている場合,受光電流信号は,カソードに流れ込む方向の電流で実現される。逆に,フォトダイオードPDのアノードがプリアンプ部PAの入力端に接続されている場合,受光電流信号は,アノードから流れ出す方向の電流で実現される。
【0035】
交流信号アンプA1の入力端は,キャパシタC1を介してプリアンプ部PAの出力端に交流結合(カップリング)され,交流信号アンプA1の出力端は,キャパシタC2を介して差動出力アンプA2の入力端に交流結合されている。このプリアンプ部PAは,図3に示すように,入出力間が逆相となるアンプAp1および負帰還抵抗RFから構成される。負帰還抵抗RFは,アンプAp1の入力端と出力端に直接に接続されている。このプリアンプ部PAに代えて,図4に示すように,アンプAp2と入力抵抗RIによって構成されたプリアンプ部PA2を採用することも可能である。入力抵抗RIは,アンプAp2の入力端とグランドラインを接続する。
【0036】
差動出力アンプA2の正相出力端は,第1のピークホールド回路PH1の入力端に接続されており,差動出力アンプA2の逆相出力端は,第2のピークホールド回路PH2の入力端に接続されている。
【0037】
加算回路ADDの第1入力端は,第1のピークホールド回路PH1の出力端に接続されており,加算回路ADDの第2入力端は,第2のピークホールド回路PH2の出力端に接続されており,加算回路ADDの出力端は,差動入力アンプA3の逆相入力端に接続されている。この差動入力アンプA3の正相入力端には,基準電圧回路V−REF1の出力端が接続されている。
【0038】
差動入力アンプA3の出力端は,電流出力回路IPCONTの入力端に接続されており,この電流出力回路IPCONTの出力端は,電流スイッチ回路CUR−SWの入力端に接続されている。
【0039】
以上のように構成された本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101の動作を説明する。
【0040】
バイアス電流回路IBは,レーザーダイオードLDに,発光スレッショルド電流Ithより僅かに小さい値に調整された直流バイアス電流Ibを供給する。また,電流出力回路IPCONTは,電流スイッチ回路CUR−SWに直流電流Ioを供給する。この直流電流Ioの値は,電流出力回路IPCONTの前段の回路の動作に応じて変化する。
【0041】
電流スイッチ回路CUR−SWは,送信信号Dに応じて,電流出力回路IPCONTから受けた直流電流Ioを駆動パルス電流Ipに変換し,レーザーダイオードLDに供給する。
【0042】
レーザーダイオードLDは,直流バイアス電流Ibとパルス電流Ipとの和の電流(駆動電流Ild)で駆動され,通信先の端末(図示せず)に向けて通信用レーザー光LBfを送信する。また,レーザーダイオードLDは,モニタ用レーザー光LBmを光帰還経路に送り出す。
【0043】
電流スイッチ回路CUR−SWがパルス電流Ipを出力しているとき,駆動電流Ild(=直流バイアス電流Ib+パルス電流Ip)は,発光スレショルド電流Ithを上回る。この結果,レーザーダイオードLDは,通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射する。これに対して,電流スイッチ回路CUR−SWがパルス電流Ipを出力していないとき,駆動電流Ild(=直流バイアス電流Ib)は,発光スレショルド電流Ithよりも低く,レーザーダイオードLDは,通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射しない。
【0044】
光帰還経路を介してモニタ用レーザー光LBmを受光したフォトダイオードPDは,このモニタ用レーザー光LBmを受光電流信号に変換する。なお,モニタ用レーザー光LBmがパルス光の場合は,受光電流信号は,パルス信号となる。
【0045】
プリアンプ部PAは,フォトダイオードPDが出力する受光電流信号を電圧信号に変換する。
【0046】
プリアンプ部PAが出力する電圧信号は,このプリアンプ部PAと差動出力アンプA2との間に備えられた交流信号アンプA1によって増幅される。この交流信号アンプA1とキャパシタC1,キャパシタC2を省略して,プリアンプ部PAと差動出力アンプA2を直結することも可能である。ただし,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101のように,交流信号アンプA1を差動出力アンプA2の前段に設けることによって,差動出力アンプA2として利得の小さいアンプを採用できる。
【0047】
差動出力アンプA2は,交流信号アンプA1によって増幅された交流信号を,振幅が等しい正相電圧信号と逆相電圧信号から成る差動出力信号に変換する。
【0048】
第1のピークホールド回路PH1は,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号のピーク電位をホールドし,第2のピークホールド回路PH2は,差動出力アンプA2が出力する逆相電圧信号のピーク電位をホールドし,該ピーク値に応じた電圧を出力する。第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2をそれぞれ,正相電圧信号および逆相電圧信号のボトム値をホールドして,該ボトム値に応じた電圧を出力する第1のボトムホールド回路および第2のボトムホールド回路に置き換えることも可能である。
【0049】
加算回路ADDは,第1のピークホールド回路PH1の出力信号と第2のピークホールド回路PH2の出力信号を加算し,その結果を加算結果電圧信号として出力する。
【0050】
差動入力アンプA3は,基準電圧回路V−REF1が出力する基準電圧Vrと加算回路ADDが出力する加算結果電圧信号との差の電圧を増幅して出力する。なお,第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2をそれぞれ,上記の第1のボトムホールド回路および第2のボトムホールド回路に置き換えた場合は,差動入力アンプA3の差動入力接続は逆になる。
【0051】
電流出力回路IPCONTは,差動入力アンプA3の出力電圧に応じた直流電流Ioを出力する。例えば,差動入力アンプA3の出力電圧が上昇した場合,電流出力回路IPCONTは,直流電流Ioを減少させる。逆に,差動入力アンプA3の出力電圧が低下した場合,電流出力回路IPCONTは,直流電流Ioを増加させる。
【0052】
電流スイッチ回路CUR−SWは,送信信号Dに応じてオン/オフ制御され,オン状態のときに直流電流Ioを出力する。この電流スイッチ回路CUR−SWの動作によって,直流電流Ioはパルス電流Ipに変換され,レーザーダイオードLDに供給される。
【0053】
バイアス電流回路IBは,直流バイアス電流Ibを定常的にレーザーダイオードLDに供給する。
【0054】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101の各部が動作するため,レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅値は一定値に保たれる。
【0055】
次に,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101におけるレーザーダイオードLDの駆動制御の詳細を,図5を参照しながら説明する。
【0056】
本実施の形態の特徴がより明らかになるように,ここではまず,レーザーダイオード駆動回路101がキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えてない場合(プリアンプ部PAと差動出力アンプA2が直結されている場合)に即して,レーザーダイオード駆動回路101の動作を説明する。これらキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2が備えられた場合のレーザーダイオード駆動回路101の動作および効果については後に詳述する。
【0057】
図5(a)は,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がゼロの場合,すなわち差動出力アンプA2が理想オペアンプから構成されている場合の差動出力アンプA2の動作を示している。
【0058】
レーザーダイオードLDが通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射していないときは,フォトダイオードPDは,受光電流信号を出力せず,プリアンプ部PAは無入力となる。したがって,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号と逆相電圧信号の各電位は,バイアス電位Vobに一致する。
【0059】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射すると,フォトダイオードPDは,モニタ用レーザー光LBmを受光し,プリアンプ部PAに対してパルス状の受光電流信号を出力する。この受光電流信号に応じて,差動出力アンプA2は,ボトム(最小)電位VpLとピーク電位VpHを有するパルス状の正相電圧信号を正相出力端から出力し,ボトム電位VnLとピーク電位VnHを有するパルス状の逆相電圧信号を逆相出力端から出力する。なお,正相電圧信号のボトム電位VpLと,逆相電圧信号のピーク電位VnHはバイアス電圧Vobに一致する。
【0060】
各電位の関係は以下の通りである。
【0061】
VpH−VpL=VnH−VnL=ΔV ・・・(1)
VpL=VnH=Vob ・・・(2)
【0062】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmの光量が大きくなり(レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅が大きくなり),プリアンプ部PAの電圧信号の電位レベルが上昇すると,正相電圧信号のピーク電位VpHが上昇し,逆相電圧信号のボトム電位VnLが低下する。この結果,式(1)の両辺はともに増大する。ただし,式(1)の左辺と右辺のイコール関係は保たれる。これに対して,正相電圧信号のボトム電位VpLと逆相電圧信号のピーク電位VnHは,式(2)に示すように,バイアス電位Vobに固定されている。また,加算回路ADDの出力Vaddは,正相電圧信号のピーク電位VpHと逆相電圧信号のピーク電位VnHとの和に一致するため,図から明らかなように,次式が得られる。
【0063】
Vadd=VpH+VnH=ΔV+2×Vob ・・・(3)
【0064】
なお,プリアンプ部PAに対するフォトダイオードPDの接続極性が逆の場合,光出力Ponの振幅が大きくなるとプリアンプ部PAから出力される電圧信号は低下する。このときは,差動出力アンプA2の差動出力の正相と逆相の出力関係が入れ替わる。
【0065】
次に,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がプラスの場合の差動出力アンプA2の動作を,図5(b)を用いて説明する。差動出力アンプA2がプラスの出力オフセット電圧を有している場合,差動出力アンプA2が無入力,すなわち,レーザーダイオードLDが通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射していないとき,正相電圧信号の電位が逆相電圧信号の電位より高くなる。
【0066】
なお,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧は,差動出力アンプA2の製造ばらつきや周辺温度変動の他,フォトダイオードPDのリーク電流やプリアンプ部PAのオフセット電圧にも起因する。
【0067】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射すると,フォトダイオードPDは,モニタ用レーザー光LBmを受光し,プリアンプ部PAに対してパルス状の受光電流信号を出力する。この受光電流信号に応じて,差動出力アンプA2は,ボトム電位VpL1とピーク電位VpH1を有するパルス状の正相電圧信号を正相出力端から出力し,ボトム電位VnL1とピーク電位VnH1を有するパルス状の逆相電圧信号を逆相出力端から出力する。ここで,正相電圧信号のボトム電位VpL1は,差動出力アンプA2の入力電がゼロのときの正相出力端の電位であり,バイアス電位Vobよりも出力オフセット電圧分高いレベルである。正相電圧信号のピーク電位VpH1も,差動出力アンプA2が理想オペアンプから構成されている場合に比べて,出力オフセット電圧分高くなる。また,逆相電圧信号のピーク電位VnH1は,差動出力アンプA2の入力電圧がゼロのときの逆相出力端の電位であり,バイアス電位Vobよりも出力オフセット電圧分低いレベルである。逆相電圧信号のボトム電位VnL1も,差動出力アンプA2が理想オペアンプから構成されている場合に比べて,出力オフセット電圧分低くなる。
【0068】
各電位の関係は以下の通りである。
【0069】
VpH1−VpL1=VnH1−VnL1=ΔV ・・・(4)
VpL1≠VnH1 ・・・(5)
VpL1−Vob=−(VnH1−Vob)=ΔVoff ・・・(6)
【0070】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmの光量が大きくなり(レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅が大きくなり),プリアンプ部PAが出力する電圧信号の電位レベルが上昇すると,正相電圧信号のピーク電位VpH1が上昇し,逆相電圧信号のボトム電位VnL1が低下する。この結果,式(4)の両辺はともに増大する。ただし,式(4)の左辺と右辺のイコール関係は保たれる。これに対して,正相電圧信号のボトム電位VpL1と逆相電圧信号のピーク電位VnH1はともに変化せず,式(5)および式(6)の関係を保つ。また,加算回路ADDの出力Vadd1は,正相電圧信号のピーク電位VpH1と逆相電圧信号のピーク電位VnH1との和に一致するため,図から明らかなように,次式が得られる。
【0071】
VpH1=ΔV+Vob+ΔVoff ・・・(7)
VnH1=Vob−ΔVoff ・・・(8)
Vadd1=VpH1+VnH1=ΔV+2×Vob ・・・(9)
【0072】
次に,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がマイナスの場合の差動出力アンプA2の動作を,図5(c)を用いて説明する。差動出力アンプA2がマイナスの出力オフセット電圧を有している場合,差動出力アンプA2が無入力,すなわち,レーザーダイオードLDが通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射していないとき,正相電圧信号の電位が逆相電圧信号の電位より低くなる。
【0073】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmを出射すると,フォトダイオードPDは,モニタ用レーザー光LBmを受光し,プリアンプ部PAに対してパルス状の受光電流信号を出力する。この受光電流信号に応じて,差動出力アンプA2は,ボトム電位VpL2とピーク電位VpH2を有するパルス状の正相電圧信号を正相出力端から出力し,ボトム電位VnL2とピーク電位VnH2を有するパルス状の逆相電圧信号を逆相出力端から出力する。ここで,正相電圧信号のボトム電位VpL2は,差動出力アンプA2の入力電がゼロのときの正相出力端の電位であり,バイアス電位Vobよりも出力オフセット電圧分低いレベルである。正相電圧信号のピーク電位VpH2も,差動出力アンプA2が理想オペアンプから構成されている場合に比べて,出力オフセット電圧分低くなる。また,逆相電圧信号のピーク電位VnH2は,差動出力アンプA2の入力電圧がゼロのときの逆相出力端の電位であり,バイアス電位Vobよりも出力オフセット電圧分高いレベルである。逆相電圧信号のボトム電位VnL2も,差動出力アンプA2が理想オペアンプから構成されている場合に比べて,出力オフセット電圧分高くなる。
【0074】
各電位の関係は以下の通りである。
【0075】
VpH2−VpL2=VnH2−VnL2=ΔV ・・・(10)
VpL2≠VnH2 ・・・(11)
VpL2−Vob=−(VnH2−Vob)=ΔVoff ・・・(12)
【0076】
レーザーダイオードLDがパルス状の通信用レーザー光LBfおよびモニタ用レーザー光LBmの光量が大きくなり(レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅が大きくなり),プリアンプ部PAが出力する電圧信号の電位レベルが上昇すると,正相電圧信号のピーク電位VpH2が上昇し,逆相電圧信号のボトム電位VnL2が低下する。この結果,式(10)の両辺はともに増大する。ただし,式(10)の左辺と右辺のイコール関係は保たれる。これに対して,正相電圧信号のボトム電位VpL2と逆相電圧信号のピーク電位VnH2はともに変化せず,式(11)および式(12)の関係を保つ。また,加算回路ADDの出力Vadd2は,正相電圧信号のピーク電位VpH2と逆相電圧信号のピーク電位VnH2との和に一致するため,図から明らかなように,次式が得られる。
【0077】
VpH2=ΔV+Vob+ΔVoff ・・・(13)
VnH2=Vob−ΔVoff ・・・(14)
Vadd2=VpH2+VnH2=ΔV+2×Vob ・・・(15)
【0078】
本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101によれば,差動出力アンプA2から出力される正相電圧信号のピーク電位VpH(またはVpH1またはVpH2)は,第1のピークホールド回路PH1にホールドされ,差動出力アンプA2から出力される逆相電圧信号のピーク電位VnH(またはVnH1またはVnH2)は,第2のピークホールド回路PH2によってホールドされる。
【0079】
加算回路ADDは,第1のピークホールド回路PH1の出力信号と第2のピークホールド回路PH2の出力信号を加算するが,その加算結果は,式(3),式(9),および式(15)から明らかなように,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧には無関係である。つまり,加算回路ADDは,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の大きさに関わらず,レーザーダイオードLDの光出力Ponに応じた加算結果電圧信号を出力する。
【0080】
本実施の形態において,基準電圧回路V−REF1が出力する基準電圧Vrは,式(16)を満たすように設定される。なお,式(16)におけるΔVpは,レーザーダイオードLDから所望の光出力Ponが出力されているときに,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号(または逆相電圧信号)の振幅である。
【0081】
Vr=ΔVp+2×Vob ・・・(16)
【0082】
電流出力回路IPCONTは,この基準電圧Vrと加算回路ADDが出力する加算結果電圧信号が入力される差動入力アンプA3によって制御され,直流電流Ioを出力する。ここで出力された直流電流Ioは,電流スイッチ回路CUR−SWの動作によって,パルス電流Ipに変換され,レーザーダイオードLDに供給される。この結果,レーザーダイオードLDから出力される光出力Ponは所望の値に調整される。
【0083】
ところで,図6に示すように,バイアス電流回路IBから出力される直流バイアス電流Ibが,発光スレショルド電流Ithより大きくなると,レーザーダイオードLDは,送信データがない状態でも一定の光(バイアス光)を出射することになる。
【0084】
レーザーダイオードLDからバイアス光が出射されている場合,図5(d)に示すように,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号および逆相電圧信号に電位シフトが生じる。このシフト電位Vib3のレベルは,レーザーダイオードLDから出射されるバイアス光のパワーに対応している。
【0085】
本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101によれば,レーザーダイオードLDからバイアス光が出射されている場合であっても,加算回路ADDによる加算結果(VpH3+VnH3)は,上記式(3),式(9),および式(15)から明らかなように振幅値ΔVとバイアス値Vobのみによって決まるため,上記バイアス光によるオフセットを含めて,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧に影響を受けなくなる。したがって,レーザーダイオードLDから出力される光出力Ponは光出力振幅値(消光比)が一定となる値に調整される。なお,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号および逆相電圧信号の電位シフト量は,発光スレショルド電流Ithを上回った直流バイアス電流Ibの大きさに起因するシフト電位Vib3に,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧を加えた量となる。
【0086】
以上,レーザーダイオード駆動回路101がキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えてない場合の(プリアンプ部PAと差動出力アンプA2が直結されている場合の)レーザーダイオード駆動回路101の動作を説明した。次に,これらキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えたレーザーダイオード駆動回路101(図2)の動作および効果について説明する。
【0087】
なお,レーザーダイオード駆動回路101が,キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えた場合,差動出力アンプA2の出力である正相電圧信号および逆相電圧信号の各ピーク値は,キャパシタC1およびキャパシタC2に関わる時定数から得られる時間内における送信信号中の“1”の出現率の変動や温度変動に伴って緩やかに変動する。第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2の各ホールド時定数を,送信パルス幅に対して十分大きく,キャパシタC1およびキャパシタC2に関わる時定数に対して十分小さく設定すれば,第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2は,正相電圧信号および逆相電圧信号のピーク値変動に追従し,常にこの変動ピーク値に応じた電圧を出力する。
【0088】
第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2の出力であるピーク値は,一方が高くなるとその分他方が低くなり,両ピーク値の和は,振幅値に応じた値となる。この関係は,差動出力アンプA2の出力である正相電圧信号および逆相電圧信号の各ボトム値を用いる場合も同様であり,両ボトム値の和は,振幅値に応じた値となる。ただし,振幅値の増減に対する和の値の増減方向は,ピーク値を使用する場合とボトム値を使用する場合とでは反対となる。
【0089】
このように,レーザーダイオード駆動回路101は,キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えた場合も,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧に影響を受けることなく,レーザーダイオードLDの光出力Ponをその光出力振幅値が一定となるように調整する。
【0090】
以上の関係を図7(a)〜図7(c)に示す。レーザーダイオードLDの光出力Ponの発光時間と消光時間の比が1:1である場合の差動出力アンプA2の動作を図7(a)に示す。また,例えば,レーザーダイオードLDの光出力Ponにおいて,発光時間よりも消光時間の方が長い場合の差動出力アンプA2の動作を図7(b)に示し,逆に発光時間よりも消光時間の方が短い場合の差動出力アンプA2の動作を図7(c)に示す。なお,図7(a),(b),(c)には,出力オフセット電圧がゼロの差動出力アンプA2の動作を示す。図7(a),(b),(c)と図5(a),(b),(c)を比較すると明らかなように,レーザーダイオードLDの光出力Ponの発光時間と消光時間の比が変動したときの差動出力アンプA2の動作は,その出力オフセット電圧が,常にゆっくりと変動している場合に類似したものとなる。
【0091】
レーザーダイオード駆動回路101がキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えてない場合,図5(a),(b),(c)に示したように,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号の電位は,バイアス点(無入力時に相当)から必ず増大方向に動き,逆相電圧信号の電位は,バイアス点(無入力時に相当)から必ず減少方向に動く。
【0092】
これに対して,レーザーダイオード駆動回路101が,プリアンプ部PAと差動出力アンプA2との間に,キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えた場合,図7(a),(b),(c)に示したように,正相電圧信号の電位および逆相電圧信号の電位はともに,バイアス点を挟んで増大,減少両方向へ動く。したがって,差動出力アンプA2の出力動作範囲を有効に活用できる。一般にアンプの出力動作範囲を拡大させるためには,このアンプの電源電圧を高く設定する必要がある。この点,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101によれば,差動出力アンプA2の電源電圧を低く抑えつつ,より広い振幅の入力信号(光出力Pon)に対応することができる。
【0093】
また,レーザーダイオード駆動回路101がキャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えてない場合,直流バイアス電流Ibが発光スレショルド電流Ithより大きい状態にあると,上述のように,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号および逆相電圧信号に電位シフトが生じる。
【0094】
一方,レーザーダイオード駆動回路101が,プリアンプ部PAと差動出力アンプA2との間に,キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えた場合,プリアンプ部PAの電圧信号の直流成分がキャパシタC1およびキャパシタC2によってカットされる。このため,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号および逆相電圧信号に,直流バイアス電流Ibが発光スレショルド電流Ithを越えたことに起因する電位シフトが生じない。この結果,差動出力アンプA2の電源電圧を低く抑えつつ,より広い振幅の入力信号(光出力Pon)に対応することができる。
【0095】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101によれば,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の大きさに関わらず,レーザーダイオードLDから出力される光出力Ponの振幅を所望の値に調整することが可能となる。
【0096】
また,バイアス電流回路IBから出力される直流バイアス電流Ibが,発光スレショルド電流Ithを超えた場合であっても,レーザーダイオードLDから出力される光出力Ponの振幅を適正値に制御できる。
【0097】
また,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101は,レーザーダイオードLDが出射する通信用レーザー光LBf(モニタ用レーザー光LBm)によって伝送する信号が平衡符号からなる信号ではなく,例えばバースト信号であっても,かかるレーザーダイオードLDを制御することが可能である。
【0098】
また,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101は,キャパシタC1,交流信号アンプA1,およびキャパシタC2を備えているため,差動出力アンプA2の出力動作範囲の有効活用が実現する。
【0099】
さらに,直流バイアス電流Ibが発光スレッショルド電流Ithより大きい場合でも,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号および逆相電圧信号に電位シフトが生じない。したがって,レーザーダイオードLDから出力される光出力Ponの振幅を一定に保つことが可能となる。
【0100】
なお,図2に示したように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101は,電流スイッチ回路CUR−SWとバイアス電流回路IBにカソードが接続されたレーザーダイオードLDの駆動を制御するものであるが,アノードが電流スイッチ回路CUR−SWとバイアス電流回路IBに接続されたレーザーダイオードの制御も可能である。
【0101】
また,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101において,フォトダイオードPDは,カソードがプリアンプ部PAに接続されているが,アノードをプリアンプ部PAに接続するようにしてもよい。
【0102】
図8に示したレーザーダイオード駆動回路102は,図2に示した本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101の変形例である。このレーザーダイオード駆動回路102は,レーザーダイオード駆動回路101に対して,電流出力回路IPCONTが電流出力回路IPに置き換えられ,バイアス電流回路IBがバイアス電流回路IBCONT(バイアス電流出力部)に置き換えられた構成を有する。レーザーダイオード駆動回路102において,電流出力回路IPは,一定の直流電流Ioを出力する。また,バイアス電流回路IBCONTは,差動入力アンプA3の出力電圧に応じた直流バイアス電流Ibを出力する。このレーザーダイオード駆動回路102によれば,レーザーダイオード駆動回路101と同等の効果が得られる。
【0103】
また,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101が備える差動出力アンプA2において,ゲイン勾配が等しい正相出力および逆相出力を有するのであれば,多段アンプ構成を採用することも可能である。図9には,その一例として,2つのアンプA2aおよび差動出力アンプA2bから成る多段アンプを示した。同様に,交流信号アンプA1も多段アンプ構成とすることが可能である。
【0104】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)201を図10に示す。
【0105】
このレーザーダイオード駆動回路201は,図2に示した第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101に対して,バイアス電流回路IBがバイアス電流回路IBCONTに置き換えられ,さらに第2の差動入力アンプA5および第2の基準電圧回路V−REF2が付加された構成を有する。第2の差動入力アンプA5は,本発明における第2の演算部を構成する。
【0106】
第2の差動入力アンプA5は,第2の基準電圧回路V−REF2から出力される第2の基準電圧Vr2と,第1のピークホールド回路PH1の出力信号との差の電圧を増幅して出力する。
【0107】
バイアス電流回路IBCONTは,第2の差動入力アンプA5の出力電圧に応じた直流バイアス電流Ibを出力する。例えば,第2の差動入力アンプA5の出力電圧が上昇した場合,バイアス電流回路IBCONTは,直流バイアス電流Ibを増加させる。逆に,第2の差動入力アンプA5の出力電圧が低下した場合,バイアス電流回路IBCONTは,直流バイアス電流Ibを減少させる。
【0108】
次に,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201の動作について説明する。
【0109】
電流出力回路IPCONTから出力される直流電流Io(電流スイッチ回路CUR−SWから出力されるパルス電流Ip)の電流制御に関しては,このレーザーダイオード駆動回路201は,第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101と略同一の機能を有する。ここでは,主に,バイアス電流回路IBCONTから出力される直流バイアス電流Ibの電流制御について説明する。
【0110】
本実施の形態にかかるレーザーダイオード201に備えられた第1のピークホールド回路PH1は,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号のピーク電位VpH,VpH1,VpH2,VpH3(図5(a)〜(d))をホールドする。このピーク電位VpH,VpH1,VpH2,VpH3は,レーザーダイオードLDの光出力Ponのピーク値に対応している。
【0111】
第2の基準電圧回路V−REF2から出力される第2の基準電圧Vr2より,第1のピークホールド回路PH1の出力信号の電位(正相電圧信号のピーク電位VpH,VpH1,VpH2,VpH3)が高くなると,第2の差動入力アンプA5は,レーザーダイオードLDに供給される直流バイアス電流Ibが小さくなるように,バイアス電流回路IBCONTを制御する。
【0112】
このとき,第2の基準電圧回路V−REF2から出力される第2の基準電圧Vr2は,基準電圧回路V−REF1から出力される基準電圧Vrよりも高く設定される。第2の基準電圧Vr2と基準電圧Vrのは,想定される差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の最大値に合わせることが好ましい。この結果,常に,レーザーダイオードLDに対して,発光スレショルド電流Ithの値に極めて近い値の直流バイアス電流Ibを流すことが可能となり,レーザーダイオードLDの光出力Ponのピーク値が所定値に保たれる。
【0113】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201によれば,レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅を所定値に保つためのパルス電流Ip(直流電流Io)の電流制御と,光出力Ponのピーク値を所定値に保つための直流バイアス電流Ibの電流制御が並行して行われる。
【0114】
図11に示したレーザーダイオード駆動回路202は,図10に示した本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201の変形例である。このレーザーダイオード駆動回路202は,レーザーダイオード駆動回路201に対して,第2の差動入力アンプA5が第2の差動入力アンプA5−2に置き換えられ,第2の基準電圧回路V−REF2が第2の基準電圧回路V−REF2−2に置き換えられ,さらに,第2の差動入力アンプA5−2の入力極性を反転させた構成を有する。
【0115】
第2の差動入力アンプA5−2は,第2の基準電圧回路V−REF2−2から出力される第2の基準電圧Vr2−2と,第2のピークホールド回路PH2の出力信号との差の電圧を増幅して出力する。
【0116】
バイアス電流回路IBCONTは,第2の差動入力アンプA5−2の出力電圧に応じた直流バイアス電流Ibを出力する。例えば,第2の差動入力アンプA5−2の出力電圧が上昇した場合,バイアス電流回路IBCONTは,直流バイアス電流Ibを減少させる。逆に,第2の差動入力アンプA5−2の出力電圧が低下した場合,バイアス電流回路IBCONTは,直流バイアス電流Ibを増加させる。
【0117】
次に,レーザーダイオード駆動回路202の動作について説明する。
【0118】
電流出力回路IPCONTから出力される直流電流Io(電流スイッチ回路CUR−SWから出力されるパルス電流Ip)の電流制御に関しては,このレーザーダイオード駆動回路202は,第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101と略同一の機能を有する。ここでは,主に,バイアス電流回路IBCONTから出力される直流バイアス電流Ibの電流制御について説明する。
【0119】
レーザーダイオード202に備えられた第2のピークホールド回路PH2は,差動出力アンプA2が出力する逆相電圧信号のピーク電位VnH,VnH1,VnH2,VnH3(図5(a)〜(d))をホールドする。このピーク電位VnH,VnH1,VnH2,VnH3は,レーザーダイオードLDの光出力Ponのボトム値に対応している。
【0120】
第2の基準電圧回路V−REF2−2から出力される第2の基準電圧Vr2−2より,第2のピークホールド回路PH2の出力信号の電位(逆相電圧信号のピーク電位VnH,VnH1,VnH2,VnH3)が低くなると,第2の差動入力アンプA5−2は,レーザーダイオードLDに供給される直流バイアス電流Ibが小さくなるように,バイアス電流回路IBCONTを制御する。
【0121】
このとき,第2の基準電圧回路V−REF2−2から出力される第2の基準電圧Vr2−2は,差動出力アンプA2のバイアス電圧Vobよりも低く設定される。第2の基準電圧Vr2−2とバイアス電圧Vobの差は,想定される差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の最大値に合わせることが好ましい。この結果,常に,レーザーダイオードLDに対して,発光スレショルド電流Ithの値に極めて近い値の直流バイアス電流Ibを流すことが可能となり,レーザーダイオードLDの光出力Ponのボトム値が所定値に保たれる。
【0122】
以上のように,レーザーダイオード駆動回路202によれば,レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅を所定値に保つためのパルス電流Ip(直流電流Io)の電流制御と,光出力Ponのボトム値を所定値に保つための直流バイアス電流Ibの電流制御が並行して行われる。
【0123】
レーザーダイオード制御回路202によってレーザーダイオードLDの光出力Ponのボトム値制御が行われたときの,差動出力アンプA2の動作を図12(a)〜(d)に示す。図12(a)は,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がゼロの場合の入出力特性を示し,図12(b)は,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がマイナスの場合の入出力特性を示し,図12(c)および図12(d)は,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧がプラスの場合の入出力特性を示している。図12(c)の電位VRに第2の基準電圧Vr2−2を設定すれば,差動入力電圧ViLが確保されるように直流バイアス電流Ibが保たれる。
【0124】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201,202によれば,第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101,102と同等の効果が得られるとともに,次の効果も得られる。
【0125】
レーザーダイオードLDの発光スレショルド電流Ithは,電源変動,温度変動,あるいはレーザーダイオードLDの製造バラツキなどによって変化してしまう。この点,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201,202によれば,直流バイアス電流Ibが,発光スレショルド電流Ithの値に極めて近い値(発光スレショルド電流Ithの値よりも僅かに大きい値)に維持される。したがって,レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅とともに,ピーク値またはボトム値を所定値に保つことが可能となる。
【0126】
これによって,レーザーダイオードLDは,強い発光状態(送信信号“1”に相当)または弱い発光状態(送信信号“0”に相当)のいずれかの常に発光した状態に保たれる。したがって,送信信号“1”→“0”および送信信号“0”→“1”の各遷移を速く,また揃った値にすることができる。
【0127】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)301を図13に示す。
【0128】
このレーザーダイオード駆動回路301は,図10に示した第2の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201に対して,差動出力アンプA2が差動入出力アンプA2−2に置き換えられ,さらに第3の基準電圧回路V−REF3が付加された構成を有する。
【0129】
第3の基準電圧回路V−REF3から出力される第3の基準電圧Vr3は,温度変動や電源変動を含めて,無入力時のプリアンプ部PAが出力する電圧信号の電位に一致するように調整されている。例えば,プリアンプ部PAと同等の回路であって入力がオープンとされた回路を用いて,この第3の基準電圧回路V−REF3を構成することができる。
【0130】
差動入出力アンプA2−2の正相入力端は,プリアンプ部PAの出力端に接続されており,差動入出力アンプA2−2の逆相入力端は,第3の基準電圧回路V−REF3の出力端に接続されている。また,差動入出力アンプA2−2の正相出力端は,第1のピークホールド回路PH1の入力端に接続されており,差動入出力アンプA2−2の逆相出力端は,第2のピークホールド回路PH2の入力端に接続されている。そして,差動入出力アンプA2−2は,プリアンプ部PAが出力する電圧信号の電位と,第3の基準電圧回路V−REF3から出力される第2の基準電圧Vr2の差を,バイアス電圧を基準としてプラス方向とマイナス方向に増幅する。プラス方向への増幅結果は,正相電圧信号として正相出力端から出力され,マイナス方向への増幅結果は,逆相電圧信号として逆相出力端から出力される。
【0131】
第1のピークホールド回路PH1は,差動入出力アンプA2−2が出力する正相電圧信号のピーク電位をホールドし,第2のピークホールド回路PH2は,差動出力アンプA2が出力する逆相電圧信号のピーク電位をホールドする。
【0132】
電源変動や周囲温度変化が生じた場合,プリアンプ部PAの出力バイアス電圧が変動するおそれがある。第2の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201では,このプリアンプ部PAの出力バイアス電圧の変動は,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の変動に繋がる。差動出力アンプA2の出力オフセット電圧の変動量(ばらつき量)が大きい場合,レーザーダイオードLDの光出力Ponのピーク値(またはボトム値)を一定に保つための直流バイアス電流Ibの制御が不安定になる。このため,直流バイアス電流Ibの値がゼロまで低下し,あるいは逆に発光スレショルド電流Ithを大幅に越える可能性もある。
【0133】
この点,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路301に属する,差動入出力アンプA2−2は,プリアンプ部PAが出力する電圧信号の電位と,第3の基準電圧回路V−REF3から出力される第2の基準電圧Vr2との差を増幅するものである。したがって,プリアンプ部PAの出力バイアス電圧が変動した場合であっても,差動入出力アンプA2−2の出力オフセット電圧の変動量は小さく抑えられる。
【0134】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路301によれば,第2の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路201と同等の効果が得られるとともに,次の効果も得られる。
【0135】
差動入出力アンプA2−2の出力オフセット電圧の変動量が小さく抑えられる。この結果,直流バイアス電流Ibを安定的に制御することが可能となる。
【0136】
なお,図11に示したレーザーダイオード駆動回路202に対して,本実施の形態にかかるレーザーダイオード301に属する差動入出力アンプA2−2と第3の基準電圧回路V−REF3を導入することも可能である。すなわち,差動出力アンプA2を差動入出力アンプA2−2に置き換え,さらに第3の基準電圧回路V−REF3が付加するようにしてもよい。
【0137】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)401を図14に示す。
【0138】
このレーザーダイオード駆動回路401は,図2に示した第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101に対して,時定数回路TC(第1の時定数回路)が付加された構成を有する。
【0139】
時定数回路TCは,抵抗RtとキャパシタCtから構成されている。抵抗Rtは,加算回路ADDの出力端と差動入力アンプA3の逆相入力端との間に直列に接続されている。キャパシタCtは,グランドラインと差動入力アンプA3の逆相入力端との間に直列に接続されている。
【0140】
通常,各信号伝送経路毎に伝送遅延時間が異なる。また,アンプその他の回路の応答速度にも差がある。このため,制御系のループ応答が2次以上の高次形である場合,制御が不安定になり,発振の可能性もある。
【0141】
この点,レーザーダイオード駆動回路401は,制御系内に時定数経路TCを備えているため,発振することもなく,レーザーダイオードLDの光出力Ponを安定的に制御することができる。
【0142】
図14に示したレーザーダイオード駆動回路401では,加算回路ADDの出力端と差動入力アンプA3の逆相入力端との間に時定数回路TCが備えられているが,この時定数回路TCは電流出力回路IPCONTの制御経路中に挿入されていればよく,例えば,差動入力アンプA3の出力端に接続されていてもよい。
また,図13に示した第3の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路301のように,バイアス電流回路IBCONTを制御する回路構成を有する場合,このバイアス電流回路IBCONTの制御経路に時定数回路を備えることで,バイアス電流回路IBCONTの制御の安定化が図られる。図13のレーザーダイオード駆動回路301に対して,時定数回路TC1(第1の時定数回路)および時定数回路TC2(第2の時定数回路)が追加された構成を有するレーザーダイオード駆動回路402を図15に示す。
【0143】
時定数回路TC1は,抵抗Rt1とキャパシタCt1から構成されている。抵抗Rt1は,差動入力アンプA3の出力端と電流出力回路IPCONTの入力端との間に直列に接続されている。キャパシタCt1は,グランドラインと電流出力回路IPCONTの入力端との間に直列に接続されている。
【0144】
時定数回路TC2は,抵抗Rt2とキャパシタCt2から構成されている。抵抗Rt2は,第2の差動入力アンプA5の出力端とバイアス電流回路IBCONTの入力端との間に直列に接続されている。キャパシタCt2は,グランドラインとバイアス電流回路IBCONTの入力端との間に直列に接続されている。
【0145】
このレーザーダイオード駆動回路402によれば,電流出力回路IPCONTの制御の安定化と,バイアス電流回路IBCONTの制御の安定化が実現する。
【0146】
また,レーザーダイオード駆動回路402のように,電流出力回路IPCONTの制御経路とバイアス電流回路IBCONTの制御経路に個別の時定数回路を備えることによって,電流出力回路IPCONTとバイアス電流回路IBCONTいずれか一方を優先的に制御することが可能となる。例えば,レーザーダイオード駆動回路402において,時定数回路CT1の時定数に対して,時定数回路CT2の時定数を十分に大きく設定すれば,電流出力回路IPCONTの制御は,バイアス電流回路IBCONTの制御より優先される。
【0147】
以上のように,本実施の形態によれば,第1〜3の実施の形態と同等の効果が得られるとともに,レーザーダイオードLDの光出力Ponの制御に関して,より一層の安定化が実現する。また,電流出力回路IPCONTの制御とバイアス電流回路IBCONTの制御の優先順位を自由に設定できる。
【0148】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)501を図16に示す。
【0149】
このレーザーダイオード駆動回路501は,図8に示したレーザーダイオード駆動回路102に対して,第2のバイアス電流回路IB0(第2のバイアス電流出力部)が付加された構成を有する。
【0150】
第2の直流バイアス電流Iboを出力する第2のバイアス電流回路IB0の出力端は,レーザーダイオードLDのカソードに接続されている。この第2の直流バイアス電流Iboは定電流である必要はない。したがって,第2のバイアス電流回路IB0を,レーザーダイオードLDのカソードと電源との間を接続する抵抗によって構成することも可能である。
【0151】
例えば,図8に示したレーザーダイオード駆動回路102において,製造ばらつきや電源変動,温度変動等が生じると,電流出力回路IPから出力される直流電流Ioと,バイアス電流回路IBCONTから出力される直流バイアス電流Ibがそれぞれ変化してしまう可能性がある。直流電流Ioが増加し,直流バイアス電流Ibが減少し,場合によってはバイアス電流Ibがゼロとなるおそれもある。このときの,差動出力アンプA2の入出力特性を図12(d)に示す。
【0152】
バイアス電流Ibがゼロになると,レーザーダイオードLDの発光開始タイミングが遅延し,消光開始タイミングが早まり,レーザーダイオードLDが出射する通信用レーザー光LBfにおけるパルス波形が劣化してしまう。これは信号の伝送誤りに繋がる。
【0153】
この点,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路501は,第2のバイアス電流回路IB0を備えている。したがって,たとえバイアス電流回路IBCONTから出力される直流バイアス電流Ibがゼロまで低下しても,レーザーダイオードLDに,バイアス電流として,第2の直流バイアス電流Ib0が流れることになる。この結果,レーザーダイオードLDの発光パルス波形の劣化を最小限に抑えることが可能となる。
【0154】
また,当該レーザーダイオード駆動回路501を集積回路化した場合,バイアス電流回路IB0を集積回路の外部に配置することによって,集積回路部分の消費電力を軽減できる。
【0155】
なお,図13に示した第3の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路301に,第2のバイアス電流回路IB0を付加するようにしてもよい。かかる構成を有するレーザーダイオード駆動回路502を図17に示す。
【0156】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路501およびレーザーダイオード駆動回路502によれば,第1〜4の実施の形態と同等の効果が得られるとともに,レーザーダイオードLDの発光パルス波形の劣化を最小限に抑えることが可能となる。さらに,集積回路化した場合,集積回路部分の消費電力の低減も可能となる。
【0157】
<第6の実施の形態>
本発明の第6の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)601を図18に示す。
【0158】
このレーザーダイオード駆動回路601は,図2に示したレーザーダイオード駆動回路101に対して,差動出力アンプA2がゲイン制御端子付き差動出力アンプA2gに置き換えられた構成を有する。ゲイン制御端子付き差動出力アンプA2gのゲインは,ゲイン制御信号GCによって調整自在である。
【0159】
レーザーダイオードLDの光出力Ponが同じでも,フォトダイオードPDの受光効率や,レーザーダイオードLDとフォトダイオードPDとの間の光帰還経路の特性に応じて,プリアンプ部PAから出力される電圧信号のレベルがばらつくおそれがある。
【0160】
この点,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路601に備えられたゲイン制御端子付き差動出力アンプA2gは,ゲインが調整可能であるため,プリアンプ部PAから出力される電圧信号のレベルが変動した場合であっても,出力する正相電圧信号および逆相電圧信号の各レベルを一定に保つことができる。
【0161】
なお,第1のピークホールド回路PH1に入力される正相電圧信号および第2のピークホールド回路PH2に入力される逆相電圧信号をそれぞれ一定に保つという観点からは,プリアンプ部PAおよび交流信号アンプA1をそれぞれゲイン調整可能なタイプに置き換えることも有効である。
【0162】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路601によれば,第1〜5の実施の形態と同等の効果が得られるとともに,レーザーダイオードLDの光出力Ponが同じであれば,常に同じレベルの正相電圧信号および逆相電圧信号をそれぞれ,第1のピークホールド回路PH1と第2のピークホールド回路PH2に与えることが可能となる。
【0163】
<第7の実施の形態>
本発明の第7の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路(発光素子駆動装置)701を図19に示す。
【0164】
このレーザーダイオード駆動回路701は,図2に示したレーザーダイオード駆動回路101に対して,レーザーダイオードLDの劣化を検出するレーザーダイオード劣化検出部DD1(第1の検出部)が付加された構成を有する。
【0165】
レーザーダイオード劣化検出部DD1は,コンパレータCOMP1と第4の基準電圧回路V−REF4−1から構成されている。コンパレータCOMP1の第1の入力端は,加算回路ADDの出力端に接続されており,コンパレータCOMP1の第2の入力端は,第4の基準電圧回路V−REF4−1の出力端に接続されている。そして,コンパレータCOMP1は,加算回路ADDから出力される加算結果電圧信号の電位と,第4の基準電圧回路V−REF4−1から出力される第4の基準電圧Vr4−1を比較し,比較結果をアラーム信号ALM1として出力する。
【0166】
一般的に,レーザーダイオードは,光通信装置に組み込まれる素子の中では劣化しやすい部類に属し,その寿命は比較的短い。本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路701において,レーザーダイオードLDの劣化が進むと,レーザーダイオードLDから所定の光出力Ponを得るために必要なパルス電流Ip(直流電流Io)の値および直流バイアス電流Ibの値が次第に大きくなってくる。そして,電流出力回路IPCONTから出力される直流電流Ioが最大になっても,レーザーダイオードLDの光出力Ponが所定のレベルに達しなくなる。このとき,加算回路ADDから出力される加算結果電圧信号の電位も低下する。
【0167】
本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路701に属するレーザーダイオード劣化検出部DD1は,加算結果電圧信号の電位が,第4の基準電圧回路V−REF4−1から出力される第4の基準電圧Vr4−1を下回ると,これを検出し,アラーム信号ALM1を出力する。このアラーム信号ALM1は,レーザーダイオードLDの劣化を示している。
【0168】
本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路701では,加算回路ADDから出力される加算結果電圧信号が,第4の基準電圧回路V−REF4−1から出力される第4の基準電圧Vr4−1と比較される。上述のように,この加算結果電圧信号は,差動出力アンプA2から出力される正相電圧信号と逆相電圧信号の各ピーク値を加算することによって得られる信号であり,その電圧レベルは,差動出力アンプA2の出力オフセット電圧に依存しない。したがって,アラーム信号ALM1に対して,差動出力アンプA2が有する出力オフセット電圧の影響が及ぶことはなく,レーザーダイオードLDの劣化検出に高い信頼性が得られる。
【0169】
なお,第4の基準電圧回路V−REF4−1から出力される第4の基準電圧Vr4−1と比較する信号として,加算回路ADDから出力される加算結果電圧信号に代えて,差動入力アンプA3の出力電圧信号をレーザーダイオード劣化検出部DD1に入力するようにしてもよい。
【0170】
レーザーダイオード駆動回路701は,パルス電流Ip(直流電流Io)の値に対応して変化する加算結果電圧信号を用いて,レーザーダイオードLDの劣化を検出するものであるが,その他,直流バイアス電流Ibの値,または,パルス電流Ipと直流バイアス電流Ibの和の値に対応して変化する信号を用いてレーザーダイオードLDの劣化を検出することも可能である。
【0171】
図20に示したレーザーダイオード駆動回路702は,パルス電流Ipと直流バイアス電流Ibの和の値に対応して変化する信号を用いてレーザーダイオードLDの劣化を検出するものであり,図17に示したレーザーダイオード駆動回路502に対して,電流出力回路IPCONTが電流出力回路IPCONT2に置き換えられ,バイアス電流回路IBCONTがバイアス電流回路IBCONT2に置き換えられ,レーザーダイオードLDの劣化を検出するレーザーダイオード劣化検出部DD2(第2の検出部,第3の検出部)が付加された構成を有する。
【0172】
電流出力回路IPCONT2は,電流出力回路IPCONTと同様に,直流電流Ioを第1端子から出力するとともに,この直流電流Ioに比例する直流電流Iomを第2端子から出力する。
【0173】
また,バイアス電流回路IBCONT2は,バイアス電流回路IBCONTと同様に,直流バイアス電流Ibを第1端子から出力するとともに,この直流バイアス電流Ibに比例する直流バイアス電流Ibmを第2端子から出力する。
【0174】
レーザーダイオード劣化検出部DD2は,コンパレータCOMP2,第4の基準電圧回路V−REF4−2,および抵抗R2から構成されている。
【0175】
コンパレータCOMP2の第2の入力端は,抵抗R2の第1端,電流出力回路IPCONT2の第1出力端,およびバイアス電流回路IBCONT2の第1出力端に接続されている。また,コンパレータCOMP2の第1の入力端は,第4の基準電圧回路V−REF4−2の出力端に接続されている。抵抗R2の第2端は,電源電位+Vの供給ラインに接続されている。
【0176】
抵抗R2は,直流電流Iomと直流バイアス電流Ibmを加算し,この結果を電圧信号に変換してその第1端から出力するものである。コンパレータCOMP2は,抵抗R2の第1端から出力される電圧信号の電位と,第4の基準電圧回路V−REF4−2から出力される第4の基準電圧Vr4−2を比較し,比較結果をアラーム信号ALM2として出力する。
【0177】
レーザーダイオード駆動回路702に属するレーザーダイオード劣化検出部DD2は,抵抗R2の第1端から出力される電圧信号の電位が,第4の基準電圧回路V−REF4−2から出力される第4の基準電圧Vr4−2を下回ると,これを検出し,アラーム信号ALM2を出力する。抵抗R2の第1端から出力される電圧信号の電位下降は,電流出力回路IPCONT2から出力される直流電流Ioとバイアス電流回路IBCONT2から出力される直流バイアス電流Ibの合計電流の増加に対応している。上述のように,レーザーダイオードLDの劣化が進むと,レーザーダイオードLDから所定の光出力Ponを得るために必要なパルス電流Ip(直流電流Io)の値および直流バイアス電流Ibの値が次第に大きくなってくる。したがって,このアラーム信号ALM2によって,レーザーダイオードLDの劣化を判断することができる。
【0178】
ところで,レーザーダイオード駆動回路702において,レーザーダイオードLDに流れる電流成分のうち,レーザーダイオード劣化検出部DD2に入力される直流電流Iomと直流バイアス電流Ibmは,レーザーダイオードLDが劣化した場合,各電流制御系によって大きく変化する電流である。一方,第2のバイアス電流回路IB0から出力される直流バイアス電流Ib0は,レーザーダイオードLDが劣化してもその値に大きな変化がない。このため,第2の直流バイアス電流Ib0は,レーザーダイオードLDを劣化判断基準から除外されている。
すなわち,第2の直流バイアス電流Ib0またはこれに比例する電流は,レーザーダイオード劣化検出部DD2に入力されていない。この構成の結果,レーザーダイオード駆動回路702は,レーザーダイオードLDの劣化をより正確に検出できる。
【0179】
図21に示したレーザーダイオード駆動回路703は,パルス電流Ipに対応して変化する信号,および,直流バイアス電流Ibに対応して変化する信号を用いて,個別にレーザーダイオードLDの劣化を検出するものであり,図17に示したレーザーダイオード駆動回路502に対して,レーザーダイオードLDの劣化を検出するレーザーダイオード劣化検出部DD3(第4の検出部)およびレーザーダイオード劣化検出部DD4(第5の検出部)が付加された構成を有する。
【0180】
レーザーダイオード劣化検出部DD3は,コンパレータCOMP3と第4の基準電圧回路V−REF4−3から構成されている。コンパレータCOMP3の第1の入力端は,差動入力アンプA3の出力端に接続されており,コンパレータCOMP3の第2の入力端は,第4の基準電圧回路V−REF4−3の出力端に接続されている。そして,コンパレータCOMP3は,差動入力アンプA3の出力電圧信号の電位と,第4の基準電圧回路V−REF4−3から出力される第4の基準電圧Vr4−3を比較し,比較結果をアラーム信号ALM3として出力する。
【0181】
このように構成されたレーザーダイオード劣化検出部DD3は,差動入力アンプA3の出力電圧信号の電位が,第4の基準電圧回路V−REF4−3から出力される第4の基準電圧Vr4−3を上回ると,これを検出し,アラーム信号ALM3を出力する。このアラーム信号ALM3は,レーザーダイオードLDの劣化を示している。
【0182】
レーザーダイオード劣化検出部DD4は,コンパレータCOMP4と第4の基準電圧回路V−REF4−4から構成されている。コンパレータCOMP4の第1の入力端は,第2の差動入力アンプA5の出力端に接続されており,コンパレータCOMP4の第2の入力端は,第4の基準電圧回路V−REF4−4の出力端に接続されている。そして,コンパレータCOMP4は,第2の差動入力アンプA5の出力電圧信号の電位と,第4の基準電圧回路V−REF4−4から出力される第4の基準電圧Vr4−4を比較し,比較結果をアラーム信号ALM4として出力する。
【0183】
このように構成されたレーザーダイオード劣化検出部DD4は,第2の差動入力アンプA5の出力電圧信号の電位が,第4の基準電圧回路V−REF4−4から出力される第4の基準電圧Vr4−4を上回ると,これを検出し,アラーム信号ALM4を出力する。このアラーム信号ALM4は,レーザーダイオードLDの劣化を示している。
【0184】
レーザーダイオード駆動回路703は,パルス電流Ip(直流電流Io)の値に対応して変化する差動入力アンプA3の出力電圧信号を用いて,レーザーダイオードLDの劣化を検出し,さらに,直流バイアス電流Ibの値に対応して変化する第2の差動入力アンプA5の出力電圧信号を用いて,レーザーダイオードLDの劣化を検出する。したがって,より正確にレーザーダイオードLDの状態を把握することが可能となる。
【0185】
以上のように,本実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路701,702,703によれば,第1〜5の実施の形態と同等の効果が得られるとともに,レーザーダイオードLDの劣化を正確に検出することが可能となる。
【0186】
添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが,本発明はかかる実施の形態に限定されない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0187】
例えば,第1〜7の実施の形態において,電流スイッチ回路CUR−SWに入力される送信信号Dは,図22に示すように,DタイプフリップフロップD−FFを経由するようにしてもよい。これによって,送信信号Dの電流スイッチ回路CUR−SWへの入力タイミングは,クロック信号CLKに同期することになる。
【0188】
また,第1〜7実施の形態において,加算回路ADD,第1の基準電圧回路V−REF1,および差動入力アンプA3から成る回路部分(図23(a))を,図23(b)〜(d)に示した回路に置き換えることが可能である。
【0189】
図23(a)に示した回路において,加算回路ADDは,第1のピークホールド回路PH1の出力信号と第2のピークホールド回路PH2の出力信号を加算して差動入力アンプA3の逆相入力端に与える。この差動入力アンプA3の出力の変化は,正相入力端と逆相入力端の変化に比例する。すなわち,差動入力アンプA3は,正相入力端に入力される信号(基準電圧回路V−REF1から出力される基準電圧Vr)と,逆相入力端に入力される信号(加算回路ADDから出力される加算結果電圧信号)との減算結果を増幅して出力する機能を有するものである。
【0190】
図23(a)に示した差動入力アンプA3の差動入力に対する出力電圧の変化分ΔVaは,式(17)で表される。
【0191】
ΔVa=G(VR−(V1+V2)) ・・・(17)
【0192】
ここで,Gは差動入力アンプA3のゲインであり,VRは基準電圧回路V−REF1から出力される基準電圧Vrであり,V1は第1のピークホールド回路PH1の出力信号の電位であり,V2は第2のピークホールド回路PH2の出力信号の電位である。
【0193】
図23(b)に示した回路は次の動作を行う。まず,加算回路ADDbは,基準電圧回路V−REF1から出力される基準電圧Vr(電位VR)から第1のピークホールド回路PH1の出力信号の電位V1と第2のピークホールド回路PH2の出力信号の電位V2を減じ,この結果をアンプAbに与える。アンプAbは,差動入力アンプA3と同じゲインGを有するものであり,加算回路ADDbの演算結果を増幅して出力する。したがって,図23(b)に示したアンプAbの出力電圧の変化分ΔVbは,式(18)で表される。
【0194】
ΔVb=G(VR−V1−V2) ・・・(18)
【0195】
この式(18)と上記の式(17)から,変化分ΔVbと変化分ΔVaが一致することがわかる。
【0196】
図23(c)に示した回路は次の動作を行う。まず,加算回路ADDcは,第1のピークホールド回路PH1の出力信号の電位V1と第2のピークホールド回路PH2の出力信号の電位V2の和から基準電圧回路V−REF1から出力される基準電圧Vr(電位VR)を減じ,この結果をアンプAcに与える。アンプAcは,差動入力アンプA3と同じゲインGを有するものであり,加算回路ADDcの演算結果を増幅して反転出力する。したがって,図23(c)に示したアンプAcの出力電圧の変化分ΔVcは,式(19)で表される。
【0197】
ΔVc=−G(V1+V2−VR) ・・・(19)
【0198】
この式(19)と上記の式(17)から,変化分ΔVcと変化分ΔVaが一致することがわかる。
【0199】
図23(d)に示した回路は次の動作を行う。まず,加算回路ADDd1は,基準電圧回路V−REFdから出力される基準電圧信号の電位VR/2から第1のピークホールド回路PH1の出力信号の電位V1を減じ,この結果を加算回路ADDd3に与える。また,加算回路ADDd2は,基準電圧回路V−REFdから出力される基準電圧信号の電位VR/2から第2のピークホールド回路PH2の出力信号の電位V2を減じ,この結果を加算回路ADDd3に与える。加算回路ADDd3は,加算回路ADDd1の演算結果と加算回路ADDd2の演算結果をさらに加算して,この結果をアンプAdに与える。アンプAdは,差動入力アンプA3と同じゲインGを有するものであり,加算回路ADDd3の演算結果を増幅して出力する。したがって,図23(d)に示したアンプAdの出力電圧の変化分ΔVdは,式(20)で表される。
【0200】
ΔVd=G((VR/2−V1)+(VR/2−V2)) ・・・(20)
【0201】
図23(a)〜図23(d)に示した各回路が相互に置き換え可能であることは,以上の式(17)〜(20)から明らかである。
【0202】
図23(d)の基準電圧回路V−REFdを,さらに,異なる基準電圧VRaと基準電圧VRb(ただし,VR=VRa+VRb)を出力する2つの基準電圧回路に分離してもよい。この場合の具体回路例を図27に示す。第1のピークホールド回路PH1の出力信号と第2のピークホールド回路PH2の出力信号との減算動作を行う加算回路ADDd1および加算回路ADDd2はそれぞれ,差動電圧入力差動電流出力形式の回路で実現可能である。また,加算回路ADDd3として,加算回路ADDd1が出力する正相差動電流と加算回路ADDd2が出力する正相差動電流をワイヤードオアによって加算し,加算回路ADDd1が出力する逆相差動電流と加算回路ADDd2が出力する逆相差動電流をワイヤードオアによって加算する回路構成を採用することができる。さらに,加算回路ADDd3は,加算した電流をそれぞれ抵抗に流して電圧に変換する機能を有する。
この結果,加算回路ADDd1の演算結果と加算回路ADDd2の演算結果は,加算回路ADDd3において加算されることになる。以上のように,図23(d)に示した演算回路は,図27に示したような非常にシンプルな回路構成で実現される。
【0203】
第1〜7の実施の形態における第2の基準電圧回路V−REF2と差動入力アンプA5から成る回路部分も同様に他の回路への置き換えが可能である。また,第3の基準電圧回路V−REF3と差動入出力アンプA2−2から成る回路部分も同様に他の回路への置き換えが可能である。
【0204】
第1〜7実施の形態において,図24(a),(b)に示すように,第1のピークホールド回路PH1および第2のピークホールド回路PH2を,第1のボトムホールド回路BH1および第2のボトムホールド回路BH2に置き換えることができる。第1のボトムホールド回路BH1は,差動出力アンプA2が出力する正相電圧信号のボトム電位をホールドし,第2のボトムホールド回路BH2は,差動出力アンプA2が出力する逆相電圧信号のボトム電位をホールドする。
【0205】
また,図24(a),(c)に示すように,第1のピークホールド回路PH1,第2のピークホールド回路PH2,および加算回路ADDを,第1のピークホールド回路PH1,第1のボトムホールド回路BH1,および加算回路ADDpbに置き換えることができる。この場合,第1のピークホールド回路PH1と,第1のボトムホールド回路BH1のレベルシフト特性等を合わせておく必要がある。同様にして,第1のピークホールド回路PH1,第2のピークホールド回路PH2,および加算回路ADDを,第2のピークホールド回路PH2,第2のボトムホールド回路BH2,および加算回路ADDpbに置き換えることも可能である。
【0206】
第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路101やレーザーダイオード駆動回路102のように,電流出力回路IPCONTとバイアス電流回路IBCONTの一方のみを制御するレーザーダイオード駆動回路は,レーザーダイオードLDの光出力Ponの振幅情報を検出すればよい。したがって,差動出力アンプA2を図25のように構成することができる。
【0207】
すなわち,差動出力アンプA2は,差動入出力アンプA2c,キャパシタCc,直流バイアス電圧出力部DCB,およびピークホールド回路PHcから構成される。
【0208】
キャパシタCcは,前段回路から供給された信号の直流成分をカットして,パルス成分のみを差動入出力アンプA2cの第1入力端に与える。直流バイアス電圧出力部DCBは,差動入出力アンプA2cの第1入力端に適宜なインピーダンスを介して直流バイアス電圧を供給する。ピークホールド回路PHcは,差動入出力アンプA2cの第1入力端のピーク電圧値を検出して,この値を差動入出力アンプA2cの第2入力端に供給する。
【0209】
以上のように構成された差動出力アンプA2のノードNAcにおける直流電位は,ここを通過するパルス信号の1/0の比率に応じて変動する(図26)。ノードNAcの直流電位の変動にノードNBcの直流電位の変動が追従するように,ピークホールド回路PHcの放電時定数を通過パルス信号の幅より十分大きく,かつ,ノードNAcの変動時定数より十分小さく設定することが好ましい。
【0210】
また,先に,基準電圧回路V−REF3が出力する直流バイアス電圧の電源依存特性と温度依存特性を,プリアンプ部PAが出力する直流バイアス電圧の電源依存特性と温度依存特性に合わせることについて説明したが,この点,他の基準電圧回路の出力についても,直流バイアス電圧+変化分となる。したがって,同様に,全ての基準電圧回路(例えば,基準電圧回路V−REF1,基準電圧回路V−REF2)が出力する直流バイアス電圧の電源依存特性と温度依存特性を,比較対象となる回路(例えば,第1のピークホールド回路PH1,第2のピークホールド回路PH2,および加算回路ADDから成る回路)が出力する直流バイアス電圧の電源依存特性と温度依存特性に合わせることが好ましい。
【0211】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,回路を構成する増幅部のオフセット電圧に影響を受けることなく,発光素子の駆動電流を適切に制御することが可能となる。また,発光素子がバースト信号の伝送に用いられる場合であっても,当該発光素子の駆動を高い精度で制御することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーダイオードの駆動電流と光出力との関係を示す特性図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図3】図2のレーザーダイオード駆動回路に属するプリアンプ部の内部構成(その1)を示す回路図である。
【図4】図2のレーザーダイオード駆動回路に属するプリアンプ部の内部構成(その2)を示す回路図である。
【図5】図2のレーザーダイオード駆動回路に属する差動出力アンプの入力電圧と出力電圧との関係(その1)を示す特性図である。
【図6】直流バイアス電流が発光スレショルド電流より大きい場合のレーザーダイオードの駆動電流と光出力との関係を示す特性図である。
【図7】図2のレーザーダイオード駆動回路に属する差動出力アンプの入力電圧と出力電圧との関係(その2)を示す特性図である。
【図8】図2のレーザーダイオード駆動回路の変形例を示すブロック図である。
【図9】図2のレーザーダイオード駆動回路に属する差動出力アンプの内部構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第2の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図11】図10のレーザーダイオード駆動回路の変形例を示すブロック図である。
【図12】図11のレーザーダイオード駆動回路に属する差動出力アンプの入力電圧と出力電圧との関係を示す特性図であ
【図13】本発明の第3の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図15】図14のレーザーダイオード駆動回路の変形例を示すブロック図である。
【図16】本発明の第5の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図17】図16のレーザーダイオード駆動回路の変形例を示すブロック図である。
【図18】本発明の第6の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第7の実施の形態にかかるレーザーダイオード駆動回路の構成を示すブロック図である。
【図20】図19のレーザーダイオード駆動回路の変形例(その1)を示すブロック図である。
【図21】図19のレーザーダイオード駆動回路の変形例(その2)を示すブロック図である。
【図22】電流スイッチ回路の入力構成を示すブロック図である。
【図23】加算回路,第1の基準電圧回路,および差動入力アンプから成る回路部分と互換性を有する回路の構成図である。
【図24】第1のピークホールド回路および第2のピークホールド回路と互換性を有する回路の構成図である。
【図25】差動出力アンプの構成例を示すブロック図である。
【図26】図25の差動出力アンプの動作を示す波形図である。
【図27】図23(d)の回路の具体例を示す図である。
【符号の説明】
101:レーザーダイオード駆動回路
Pon:光出力
Ion:発光オン電流
Ith:発光スレショルド電流
Ib:直流バイアス電流
Ip:パルス電流
Ild:駆動電流
LBm:モニタ用レーザー光
LBf:通信用レーザー光
LD:レーザーダイオード
Io:直流電
PD:フォトダイオード
PA:プリアンプ部
A1:交流信号アンプ
A2:差動出力アンプ
PH1:第1のピークホールド回路
PH2:第2のピークホールド回路
ADD:加算回路
V−REF1:基準電圧回路
A3:差動入力アンプ
IPCONT:電流出力回路
IB:バイアス電流回路
IBCONT:バイアス電流回路
IP:電流出力回路
CUR−SW:電流スイッチ回路
Vr:基準電圧
TC:時定数回路
DD1:レーザーダイオード劣化検出部
COMP1:コンパレータ
Claims (17)
- 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
前記発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
前記電流電圧変換部から出力される電圧信号の交流成分を増幅して,交流増幅信号を出力する交流結合増幅部と,
前記交流増幅信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,
前記第1の直流電流を前記送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,
バイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
前記発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
前記電流電圧変換部から出力される電圧信号の交流成分を増幅して,交流増幅信号を出力する交流結合増幅部と,
前記交流増幅信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,
前記送信パルス信号に応じたパルス電流を前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
前記発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
前記電流電圧変換部から出力される電圧信号を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動出力増幅部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
第2の基準電圧を発生する第2の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧または前記第2の検出回路の出力電圧と前記第2の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第2の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,
前記第1の直流電流を前記送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,
前記第2の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
前記発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,
前記電流電圧変換部から出力される電圧信号と,前記第3の基準電圧との電位差を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,
前記第1の直流電流を前記送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,
バイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,
前記電流電圧変換部から出力される電圧信号と,前記第3の基準電圧との電位差を増幅し,正相電圧信号および逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,
前記送信パルス信号に応じたパルス電流を前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 発光素子に送信パルス信号に応じた光パルス信号を発生させる発光素子駆動装置であって,
前記発光素子から出射されたモニタ光を受けて,受光電流信号を出力する受光素子と,
前記受光電流信号を電圧信号に変換する電流電圧変換部と,
第3の基準電圧を発生する第3の基準電圧回路と,
一方の入力端に前記電流電圧変換部から出力される電圧信号が入力され,他方の入力端に前記第3の基準電圧が入力され,正相出力端から正相電圧信号を出力し,逆相出力端から逆相電圧信号を出力する差動入力差動出力増幅部と,
前記正相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第1の検出回路と,
前記逆相電圧信号のピーク値またはボトム値を検出して該ピーク値またはボトム値に応じた電圧を出力する第2の検出回路と,
第1の基準電圧を発生する第1の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧と前記第2の検出回路の出力電圧を加算し,当該加算結果と前記第1の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第1の演算部と,
第2の基準電圧を発生する第2の基準電圧回路と,
前記第1の検出回路の出力電圧または前記第2の検出回路の出力電圧と前記第2の基準電圧との差分に応じた電圧を出力する第2の演算部と,
前記第1の演算部の演算結果に応じた第1の直流電流を出力する第1の直流電流出力部と,
前記第1の直流電流を前記送信パルス信号に応じたパルス電流に変換して前記発光素子に供給するパルス電流出力部と,
前記第2の演算部の演算結果に応じたバイアス電流を前記発光素子に供給するバイアス電流出力部と,を備えたことを特徴とする,発光素子駆動装置。 - 前記第3の基準電圧は,前記発光素子が光を出射していないときの,前記電流電圧変換部から出力される電圧信号の電位に調整されることを特徴とする,請求項4,5,または6に記載の発光素子駆動装置。
- 前記第1の演算部は,第1の時定数回路を備えることを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,または7に記載の発光素子駆動装置。
- 前記第1の演算部は,第1の時定数回路を備え,前記第2の演算部は,第2の時定数回路を備えることを特徴とする,請求項3または6に記載の発光素子駆動装置。
- 第2のバイアス電流を前記発光素子に供給する第2のバイアス電流出力部を備えたことを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,または9に記載の発光素子駆動装置。
- 前記交流結合増幅部の増幅率は,外部から調整が可能であることを特徴とする,請求項1または2に記載の発光素子駆動装置。
- 前記差動出力増幅部または前記差動入力差動出力増幅部の増幅率は,外部から調整が可能であることを特徴とする,請求項3,4,5,6,7,または9に記載の発光素子駆動装置。
- 前記第1の演算部による演算結果が所定値を超えたことを検出する第1の検出部を備えたことを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,または12に記載の発光素子駆動装置。
- 第1の直流電流の値が所定値を超えたことを検出する第2の検出部を備えたことを特徴とする,請求項1,3,4,または6に記載の発光素子駆動装置。
- バイアス電流の値が所定値を超えたことを検出する,第3の検出部を備えたことを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,または12に記載の発光素子駆動装置。
- 第2の演算部による演算結果が所定値を超えたことを検出する,第4の検出部を備えたことを特徴とする,請求項3または6に記載の発光素子駆動装置。
- 前記パルス電流出力部と前記バイアス電流出力部とに流れる電流の和が所定値を超えたことを検出する,第5の検出部を備えたことを特徴とする,請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,または12に記載の発光素子駆動装置。
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