JP2005037709A - 反射鏡およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 C/C複合材料を用いて形成される基材の表面粗度を改善して、温度変化の大きな環境においても熱による歪みの少ない反射鏡およびその製造方法を得る。
【解決手段】 C/C複合材料を用いて形成されたC/C複合材料基材2と、3ppm/K以下の熱膨張率を有し、C/C複合材料基材2の表面に密着するガラス膜1とを備えた反射鏡であり、C/C複合材料を用いてC/C複合材料基材2を作成し、3ppm/K以下の熱膨張率を有する粉末状のガラス材料をC/C複合材料基材2の表面に塗布し、ガラス材料を塗布したC/C複合材料基材2を加熱することによりガラス材料を溶融させてガラス膜を形成し、ガラス膜を研磨して反射鏡面を作成することによって製造する。
【選択図】 図1

Description

この発明は、宇宙空間または地上で使用される光学望遠鏡用の反射鏡およびその製造方法に関するものである。
宇宙空間または地上で使用される光学望遠鏡用の大型反射鏡の材料には、従来は特定のガラス材料、例えば低歪性のガラス材料が使用されていた。低歪性のガラス材料は熱膨張係数がゼロに近いため反射鏡の熱による歪みを小さくでき、また鏡面加工を行いやすいという長所がある。しかし、強度、剛性、弾性率、破壊靭性値などの機械的特性が他の材料に比べて劣り、また、製造プロセスが複雑で大型化、軽量化が困難であるという短所がある。
そこで、最近では従来のガラス材料と比較して軽量、高強度、かつ熱による歪みの少ない炭素繊維強化炭素(以下、C/Cと称する)複合材料が反射鏡の材料として使用されている。C/C複合材料は炭素繊維と炭素母材とを含む複合材料の一種である。炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系またはレーヨン系などが使用される。また、炭素母材とは炭素質ピッチ、フェノール樹脂、フラン樹脂などの炭化により得られるものである。C/C複合材料は、繊維配向、繊維含有量を調整することによって線膨張係数を面内において等方性、かつゼロに近い程度に小さくすることができる。したがって、C/C複合材料は、繊維配向、繊維含有量を調整することによって宇宙空間など温度変化の大きな環境下でも熱変形をほとんど生じないため、大型反射鏡の材料として適している。
光学望遠鏡用の反射鏡の表面粗度Raは、観測を行う光の波長に対して十分に小さい必要がある。しかし、C/C複合材料からなる反射鏡の表面には通常凹凸やボイド(空隙)が多く存在するため、従来のガラス材料に対する研磨加工方法では光の波長に応じて求められる表面粗度Raを得ることができない。またC/C複合材料は硬度が高いため、切削などの機械加工を行っても表面粗度Raは1μm程度しか得られない。したがって、波長400nm〜760nmの可視光や、波長760nm〜200μmの赤外光等を観測するためには、C/C複合材料から作成されるC/C複合材料基材をそのまま反射鏡として使用することは適切でない。
そこで、これらの欠点を解決するために、C/C複合材料からなる基材の表面に金属コーティングを施し、この金属コーティング層を精密に機械加工することによって高精度な鏡面を形成した。C/C複合材料からなる基材は表面粗度Raが大きいので、鏡面を形成するために金属コーティング層を厚く形成していた。
しかしながら、金属材料の熱膨張係数はC/C複合材料の熱膨張係数と比較して大きいため、上述のような層の厚い金属コーティングが施された反射鏡では、宇宙空間など温度変化の大きな環境においては熱による歪みが生じてしまうという課題があった。また、金属材料の比重に基づいて反射鏡の重量が増加してしまう、大型の鏡面を得るために大型の精密切削装置が必要となる、といった課題もあった。
また、この発明の分野に関わる先行技術として特許文献1がある。特許文献1は、C/C複合材料を用いて作成される基材(以下、C/C複合材料基材と称する)の耐酸化性を改善するためのコーティング技術に関するものである。この特許の技術概要は以下の通りである。すなわち、特定のC/C複合材料の開孔空隙部に気相分解によって炭素および/またはセラミックスを沈積充填し、続いてその充填層の表面に気相分解によりセラミックスまたはセラミックスと炭素の両者を沈積被覆する。これによって、セラミックス、すなわち酸化防止被膜との間の剥離を生じないC/C複合材料を製造する。
特許文献1では、酸化防止被膜の熱膨張係数とC/C複合材料基材の熱膨張係数の差により発生する応力を、CVI(Chemical Vapor Infiltration:気相分解沈積充填)法およびCVD(Chemical Vapor Deposition:気相分解沈積被覆)法によって被膜等の組成に傾斜をつけて緩和することにより、酸化防止被膜の剥離を防止することを目的としている。そして、この特許文献1は、C/C複合材料の空隙部にはCVIによる炭素および/またはセラミックスの均一な沈着が、表面にはCVDによるセラミックスまたはセラミックスと炭素の両者の沈着が認められ、その間の組織および組成は連続的に変化しており、界面剥離が見られなかったことを開示している。
特許第2722198号公報
上述のように、特許文献1の製造方法においては、酸化防止被膜とC/C複合材料基材との界面の剥離を防止する目的で2段階のコーティング処理が行われている。1段階目のCVI処理はC/C複合材料基材に存在する開孔空隙部に炭素および/またはセラミックスを充填するためのものであり、続いて行われる2段階目のCVD処理は耐酸化性を向上させるためのものである。したがって、特許文献1の製造方法では光学望遠鏡用の大型反射鏡として必要な表面粗度が得られない恐れがある。また、特許文献1の製造方法は気相分解法を用いているため、数mにおよぶ直径を有する大型反射鏡の製造には適さないという課題もある。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、C/C複合材料を用いて形成される基材の表面粗度を改善して、温度変化の大きな環境においても熱による歪みの少ない反射鏡およびその製造方法を得ることを目的とする。
この発明に係る反射鏡は、炭素繊維強化炭素複合材料を用いて形成された炭素繊維強化炭素基材と、3ppm/K以下の熱膨張率を有し、炭素繊維強化炭素基材の表面に密着するガラス膜とを備えたものである。
この発明に係る反射鏡製造方法は、炭素繊維強化炭素複合材料を用いて炭素繊維強化炭素基材を作成するステップと、3ppm/K以下の熱膨張率を有する粉末状のガラス材料を炭素繊維強化炭素基材の表面に塗布するステップと、ガラス材料を塗布した炭素繊維強化炭素基材を加熱することによりガラス材料を溶融させ、ガラス膜を形成するステップと、ガラス膜を研磨して反射鏡面を作成するステップとを備えたものである。
この発明によれば、反射鏡が、炭素繊維強化炭素複合材料を用いて形成された炭素繊維強化炭素基材と、3ppm/K以下の熱膨張率を有し、炭素繊維強化炭素基材の表面に密着するガラス膜とを備えるように構成したので、大型で熱による歪みが少なく、また高精度の反射鏡が得られる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明による反射鏡の断面図である。図に示すように、反射鏡はガラス膜1、C/C複合材料基材2、金属コーティング3を備える。この発明では、C/C複合材料基材上にガラス膜を形成し、このガラス膜を研磨することによって必要な表面粗度Raを有する反射鏡を製造する。ガラス膜は研磨加工が容易であるため、砥粒を用いる従来の研磨法を採用できる。すなわち、所望の曲率を有する皿状の研磨板を被研磨体に押し当て、砥粒を含む研磨液を流しかけながら回転させることによって研磨する方法である。また、金属コーティング3は反射鏡として使用するために最終的に蒸着されるアルミニウム等である。この発明では、ガラス膜1とC/C複合材料基材2とから形成される反射鏡について説明する。
図1に示すように、C/C複合材料基材2は鏡面状に形成されており、C/C複合材料基材2の内側表面に反射鏡面となるガラス膜1が配置される。一般に、望遠鏡用として許容されるのは、目的の形状からのずれがλ/10(λは反射鏡本来の用途(例えば観測)に使用する光の波長、以下同様)以内の形状精度を有する反射鏡である。
従来技術を利用してC/C複合材料基材上にガラス膜を形成することもでき、その方法として例えばCVD法や真空蒸着法等が考えられる。しかしながら、いずれの方法も成膜に時間がかかり、また膜に発生する応力のために厚膜を形成することが困難である等の問題がある。また、ガラスのブロックをC/C複合材料基材上に接着させこれを研磨する方法も考えられるが、吸湿変形する接着剤を使用しなければならず、また研磨に時間がかかる等の問題がある。そこで、これらの問題を解決するため本発明では以下の方法で反射鏡を製造している。
図2は図1の反射鏡の製造手順を示すフローチャートである。図2を参照して反射鏡の製造方法について説明する。
まず、所望の鏡面形状を有するC/C複合材料基材を以下の手順で作成する。すなわち、200g/mのPAN(ポリアクリロニトリル)系炭素繊維の織物を等方になるように16ply程度積層し、フェノール樹脂を40重量%程度含浸させる(ステップST100)。PAN系炭素繊維としては、例えば東レ株式会社製T300材料を使用し、フェノール樹脂としては、例えば大日本インキ社製フェノライトを使用する。続いて、フェノール樹脂を含浸させたPAN系炭素繊維を成形型を用いて球面状に160℃で2時間加熱成形し、球面状のCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic:炭素繊維強化プラスチック)基材を得る(ステップST101)。このCFRP基材を還元性雰囲気下において約700℃で1時間焼成し、母材樹脂を炭化させる(ステップST102)。
上記処理によって得られたCFRP基材は多孔質であるため、この基材にコールタールピッチを220℃、5気圧の条件下で含浸させる(ステップST103)。続いて、還元性雰囲気下において約2000℃で1時間焼成し、炭素材料を結晶化させる(ステップST104)。さらに、結晶化させた基材に切削、研磨などの機械加工を行い、所望の形状からのずれが5μm以内の形状精度となるように調整する(ステップST105)。この形状精度の測定には、例えばレーザーを用いた非接触3次元形状測定装置により測定する。以上の手順によりC/C複合材料基材が得られる。
続いて、得られたC/C複合材料基材の表面にガラス粉末を塗布する。ここではガラス粉末として約40μmの粒径のホウ珪酸ガラス粉末を使用する。ホウ珪酸ガラス粉末をビーカー等の容器に入れ、50重量%程度の濃度になるように純水を加え、充分攪拌した後C/C複合材料基材の内側表面に均一に塗布する(ステップST106)。塗布には、例えばスプレーを用いて行ってもよい。続いて、真空排気装置を備えた電気炉を用いて真空中において700℃で2時間加熱する(ステップST107)。加熱することによってガラス粉末が溶融して膜状となる。このガラス膜を砥粒を用いる従来の研磨法によって反射鏡面を作成する(ステップST108)。ガラス膜の厚さは50μm〜200μm程度になるように形成するのが適当である。
以上の手順によって、目的の形状からのずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約3nmの反射鏡を得ることができた。
ホウ珪酸ガラス粉末をC/C複合材料基材の表面に塗布した後、加熱して溶融させたので、基材の表面に存在する凹凸やボイドがガラスによって埋められることによるアンカー効果が生じ、C/C複合材料基材とガラス膜とが強固に接合し、良好な密着状態が得られる。
ここで、熱膨張係数について説明する。C/C複合材料基材の熱膨張係数は、繊維配向、繊維含有量を変化させることによって調整可能であるが、例えば0.2ppm/Kである。ホウ珪酸ガラス粉末の熱膨張係数は3ppm/Kである。また、従来技術においてC/C複合材料基材のコーティングに用いられた金属、例えばアルミニウムの熱膨張係数は23ppm/K、鉄の熱膨張係数は12ppm/K、ニッケルの熱膨張係数は13ppm/Kである。したがって、ホウ珪酸ガラス粉末の熱膨張係数の方が金属の熱膨張係数よりもC/C複合材料基材に近くかつゼロに近いため、基材とガラス膜との密着性が優れ、かつ反射鏡は熱による歪みを生じにくい。
また、例えばソーダ石灰ガラス(熱膨張係数:8ppm/K)のように、熱膨張係数が3ppm/K以上のガラス材料の場合は、金属よりも熱膨張係数が小さくても、破断歪みが金属よりも小さいために冷却時にクラックが生じるという問題がある。したがって、熱膨張係数が3ppm/K以下のガラス材料を使用することが望ましい。
以上のように、この実施の形態1によれば、C/C複合材料基材の表面にガラス膜を形成し、このガラス膜を研磨することによって反射鏡を製造したので、砥粒を用いる従来の研磨法によって必要な表面粗度Raの反射鏡面を作成することが可能であるとともに、熱による歪みが少なく、また大型の精密切削装置が必要ないために大型化が容易な反射鏡が製造できる効果が得られる。
実施の形態2.
この実施の形態2は、実施の形態1で説明した図2の反射鏡製造手順のステップST105とステップST106の処理の間に表面粗し処理を加えたものである。以下、この実施の形態2による反射鏡の製造方法を説明する。
まず、図2のフローチャートのステップST100からステップST105に示した手順でC/C複合材料基材を作成する。続いて、作成したC/C複合材料基材の表面を粗くする。例えば、粒度ナンバー400(JISR6001)程度の砥石を用い、自動研削装置による加工によって表面を粗くするようにしてもよい。粗くする程度は、表面粗度Raが約1μmとなる程度である。続いて、図2のステップST106のように、約40μmの粒径のホウ珪酸ガラス粉末をビーカー等の容器に入れて純水を加え、充分攪拌した後粗くしたC/C複合材料基材の表面に均一に塗布する。塗布には、例えばスプレーを用いて行ってもよい。続いて、ステップST107、ステップST108の処理を行う。
以上の手順によって、目的の形状からのずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約3nmの反射鏡を得ることができた。
以上のように、この実施の形態2によれば、C/C複合材料基材を作成した後表面を粗くし、粗くした表面にホウ珪酸ガラス粉末を塗布するようにしたので、C/C複合材料基材の表面に多数生成された細孔やボイドにガラス材が充填され、そのアンカー効果によってガラス膜とC/C複合材料基材の密着性を向上させることができるという効果が得られる。
実施の形態3.
この実施の形態3は、実施の形態2で説明した表面粗し処理とは異なる方法によって表面を粗くするものである。以下、この実施の形態3による反射鏡の製造方法を説明する。
まず、図2のフローチャートのステップST100からステップST105に示した手順でC/C複合材料基材を作成する。続いて、作成したC/C複合材料基材を電気炉に入れ、大気中、すなわち酸化雰囲気下において600℃で10分間加熱することによって表面を粗くする。加熱温度は600℃〜1000℃が望ましい。これは、600℃未満ではC/C複合材料基材の酸化が遅く実用的でないためであり、また1000℃を超える温度ではC/C複合材料基材の気化速度が大きすぎて制御が困難になるためである。
続いて、図2のステップST106のように、約40μmの粒径のホウ珪酸ガラス粉末をビーカー等の容器に入れて純水を加え、充分攪拌した後電気炉から取り出したC/C複合材料基材の表面に均一に塗布する。塗布には、例えばスプレーを用いて行ってもよい。続いて、ステップST107、ステップST108の処理を行う。
以上の手順によって、目的の形状からのずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約3nmの反射鏡を得ることができた。
以上のように、この実施の形態3によれば、C/C複合材料基材を作成した後加熱処理によってその表面を粗くし、粗くした表面にホウ珪酸ガラス粉末を塗布するようにしたので、粗くしたC/C複合材料基材の表面に多数生成された細孔やボイドにガラス材が充填され、そのアンカー効果によってガラス膜とC/C複合材料基材の密着性を向上させることができるという効果が得られる。
実施の形態4.
この実施の形態4は、実施の形態1で説明した図2の反射鏡製造手順のステップST105とステップST106の処理の間にガラス強化処理を加えたものである。以下、この実施の形態4による反射鏡の製造方法を説明する。
まず、図2のフローチャートのステップST100からステップST105に示した手順でC/C複合材料基材を作成する。続いて、作成したC/C複合材料基材の表面にガラス強化用繊維材料を配置する。ガラス強化用繊維材料の種類、使用量によって、強化されるガラス材料の熱膨張係数が変化するため、所望の反射鏡の熱膨張係数に応じて種類、使用量を選択する。ここでは、旭ファイバーグラス株式会社製のガラス繊維クロスを1ply〜2ply(0.2mm〜0.4mm)使用する。続いて、図2のステップST106のように、約40μmの粒径のホウ珪酸ガラス粉末をビーカー等の容器に入れて純水を加え、充分攪拌した後ガラス繊維クロスの表面に均一に塗布する。塗布には、例えばスプレーを用いて行ってもよい。続いて、ステップST107のように真空中において700℃で2時間加熱する。加熱することによってガラス粉末が溶融してガラス繊維クロスの中に含浸し、ガラス繊維によって強化された膜状のガラスが形成される。続いてステップST108の処理を行う。
以上の手順によって、目的の形状からずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約30nmの反射鏡を得ることができた。
以上のように、この実施の形態4によれば、C/C複合材料基材を作成した後ガラス強化用繊維材料を配置し、ガラス強化用繊維材料上にホウ珪酸ガラス粉末を塗布して加熱・溶融するようにしたので、ガラス強化用繊維材料の種類、使用量を適切に選択することによって反射鏡の熱膨張係数を制御することができる効果が得られる。
実施の形態5.
この実施の形態5では、上記の実施の形態1から実施の形態4で用いたガラス粉末の別の例として、ULE(Ultra Low Expansion:超低熱膨張)ガラス粉末を使用する。以下、この実施の形態5による反射鏡の製造方法を説明する。
まず、図2のフローチャートのステップST100からステップST105に示した手順でC/C複合材料基材を作成する。続いて、約40μmの粒径のULEガラス粉末をビーカー等の容器に入れて純水を加え、充分攪拌した後作成したC/C複合材料基材の表面に均一に塗布する。続いて、ステップST107、ステップST108の処理を行う。ただし、ステップST107における加熱温度は1500℃とする。
以上の手順によって、目的の形状からのずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約3nmの反射鏡を得ることができた。
この実施の形態5で用いたULEガラスの熱膨張係数は0.032ppm/Kである。また、実施の形態1で示したようにC/C複合材料基材の熱膨張係数は例えば0.2ppm/Kである。したがって、ガラス粉末としてULEガラス粉末を使用すると、C/C複合材料基材とガラス膜との熱膨張係数の差がより小さく、かつゼロに近いため、C/C複合材料基材とガラス膜との密着性が優れ、かつ熱による歪みの少ない反射鏡が得られる。
以上のように、この実施の形態5によれば、C/C複合材料基材上に配置するガラス粉末としてULEガラス粉末を使用したので、C/C複合材料基材とガラス膜との密着性がより優れ、かつ熱による歪みのより少ない反射鏡を製造できるという効果が得られる。
実施の形態6.
この実施の形態6では、上記の実施の形態1から実施の形態4で用いたガラス粉末の別の例として、繊維強化ガラス(FRG:Fiber Reinforced Glass)を使用する。以下、この実施の形態6の反射鏡の製造方法を説明する。
まず、図2のフローチャートのステップST100からステップST105に示した手順でC/C複合材料基材を作成する。続いて、約40μmの粒径の繊維強化ガラス粉末をビーカー等の容器に入れて純水を加え、充分攪拌した後C/C複合材料基材の表面に均一に塗布する。ここでは、例えばウィスカー繊維強化ガラス粉末を使用する。続いて、ステップST107、ステップST108の処理を行う。
以上の手順によって、目的の形状からのずれが約5μmの形状精度で、かつ表面粗度Raが約30nmの反射鏡を得ることができた。
繊維強化ガラスの熱膨張係数は、調整可能であるが1ppm/K程度である。したがって、実施の形態1で示したホウ珪酸ガラスの熱膨張係数よりも小さいため、C/C複合材料基材とガラス膜との熱膨張係数の差がより小さく、反射鏡の熱による歪みはより小さくなる。
以上のように、この実施の形態6によれば、C/C複合材料基材上に配置するガラス粉末として繊維強化ガラス粉末を使用したので、C/C複合材料基材とガラス膜との密着性がより優れ、かつ熱による歪みのより少ない反射鏡を製造できるという効果が得られる。
この発明による反射鏡の断面図である。 この発明の実施の形態1による反射鏡の製造方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ガラス膜、2 C/C複合材料基材、3 金属コーティング。

Claims (7)

  1. 炭素繊維強化炭素複合材料を用いて形成された炭素繊維強化炭素基材と、
    3ppm/K以下の熱膨張率を有し、前記炭素繊維強化炭素基材の表面に密着するガラス膜とを備えた反射鏡。
  2. ガラス膜の材料が、ホウ珪酸ガラス材料または繊維強化ガラス材料であることを特徴とする請求項1記載の反射鏡。
  3. 炭素繊維強化炭素複合材料を用いて炭素繊維強化炭素基材を作成するステップと、
    3ppm/K以下の熱膨張率を有する粉末状のガラス材料を前記炭素繊維強化炭素基材の表面に塗布するステップと、
    前記ガラス材料を塗布した炭素繊維強化炭素基材を加熱することにより前記ガラス材料を溶融させ、ガラス膜を形成するステップと、
    前記ガラス膜を研磨して反射鏡面を作成するステップとを備えた反射鏡製造方法。
  4. 炭素繊維強化炭素基材を作成した後、当該炭素繊維強化炭素基材の表面を粗くし、粗くした前記炭素繊維強化炭素基材の表面にガラス材料を塗布することを特徴とする請求項3記載の反射鏡製造方法。
  5. 炭素繊維強化炭素基材を酸化雰囲気下において600℃から1000℃で加熱することによって当該炭素繊維強化炭素基材の表面を粗くすることを特徴とする請求項3記載の反射鏡製造方法。
  6. 炭素繊維強化炭素基材を作成した後、当該炭素繊維強化炭素基材の表面にガラス強化用繊維材料を配置し、配置したガラス強化用繊維材料の上にガラス材料を塗布することを特徴とする請求項3記載の反射鏡製造方法。
  7. ガラス材料が、ホウ珪酸ガラス材料または繊維強化ガラス材料であることを特徴とする請求項3から請求項6のうちのいずれか1項記載の反射鏡製造方法。
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