JP3600642B2 - 反射体及びその製造方法 - Google Patents

反射体及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3600642B2
JP3600642B2 JP23410494A JP23410494A JP3600642B2 JP 3600642 B2 JP3600642 B2 JP 3600642B2 JP 23410494 A JP23410494 A JP 23410494A JP 23410494 A JP23410494 A JP 23410494A JP 3600642 B2 JP3600642 B2 JP 3600642B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon
substrate
coating
layer
carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23410494A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0821905A (ja
Inventor
パペンブルク ウルリヒ
ブレニンガー エルンスト
ゲートケ ペーター
デーラー ミヒャエル
Original Assignee
ペーター ゲトケ
エルンスト ブレンニガー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from DE19934329551 external-priority patent/DE4329551A1/de
Application filed by ペーター ゲトケ, エルンスト ブレンニガー filed Critical ペーター ゲトケ
Publication of JPH0821905A publication Critical patent/JPH0821905A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3600642B2 publication Critical patent/JP3600642B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5093Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials with elements other than metals or carbon
    • C04B41/5096Silicon
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/52Multiple coating or impregnating multiple coating or impregnating with the same composition or with compositions only differing in the concentration of the constituents, is classified as single coating or impregnation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/80After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone of only ceramics
    • C04B41/81Coating or impregnation
    • C04B41/85Coating or impregnation with inorganic materials
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/80After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone of only ceramics
    • C04B41/81Coating or impregnation
    • C04B41/89Coating or impregnation for obtaining at least two superposed coatings having different compositions
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
  • Aerials With Secondary Devices (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、反射体及びその製造方法、特に、電磁波を反射する反射体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの光学材料が屈折又は反射による光線の規則正しい透過のために用いられ、双方の性質を同時に利用することができる。屈折により機能する材料は、その屈折率及びその透過率の波長依存性により主として特徴付けられる。ミラー及び反射体の場合、重要な特徴は波長の関数としての反射率である。適当な厚さの金属層が反射しない光線を吸収する。誘電体ミラーでは、殆ど吸収のないように作ることができるが、重大な要素は、大気の影響に抵抗する能力と、保護コーティングによってどの程度それが増加し得るかということである。
【0003】
スペクトルの可視領域では、多数の透明度の高いガラスが利用できるものの、紫外線及び赤外線領域ではそうではない。この場合、ガラスには少数の結晶とそこから引き出された材料とが補充されるが、その最も重要な性質は高透過率である。これら材料のいくつか(例えば、BaF2 、CaF2 、LiF、Al2 O3、SiO2 )は紫外線領域から赤外線領域にかけて透明であるため、広帯域かつ多重スペクトルシステムに適している。これら材料のいくつかが有する欠点はその高い水溶性であり、そのため保護コーティングが施されなければならないし、さもなければミラーは完全に乾燥した空気中でしか使用できない。
【0004】
等方性又は異方性の単結晶は天然堆積物から得られるか、又は人工的に作られる(溶融集合体から引き出される)。多結晶材料(等方性)は圧力焼結により作られる。ほとんどの用途には等方性材料のみが適当である。異方性結晶は偏光光学機器に用いられる。
【0005】
等方性である半導体シリコンは、鋭いカットオフを備えるロングパスフィルタとして働き、その結果可視光線を近傍の赤外線領域から分離する。通常使用される2mm厚(反射を減少するように処理されていない)の多結晶シリコンは、約0.53の透過率τを有する。波長が増加するにつれ、透過率は約16μmの最小値を通り、300μmより上の領域において0.4〜0.5に達するまで再び増加する。この性質が、その有利な熱特性との組み合わせにより、シリコンを赤外線光学機器に主として用いられ得るようにし、その脆性にもかかわらずミラー基板として利用され得るようにしている(資料1:Naumann/Schroder Bauelemente der Optik,5th edition,p.64,Hanser Verlag )。
【0006】
表面ミラーは、色消作像と屈折材料の透過に付随する他の誤差の回避とにより、屈折システムに多くの利点を提供する。しかしながら、光線の偏角における変化が入射角における変化の2倍となるので、与えられた光学的要求に対して、ミラー表面は、形状と微小構造の精度に関して屈折界面よりも厳しい基準を満たさなければならない。ミラーの別の特性はその分光反射率カーブの形状である。塊状金属体の表面を、ミラーとして直接用いることができる程度に研磨するのは可能であるが、この方法は今日、例外的な場合にのみ用いられている。一般的に、ミラー層はミラー基板に施される。金属ミラー基板は予め研磨され、それがミラー表面の形態の精度を左右する。ミラー層は通常、高真空におけるスパッタリングにより、又は化学的方法により基板に形成される。そして、ミラー層は基板表面の形状に正確に合致して分光反射率関数を決定し、場合によっては保護層と共に、反射関数の暫定的な安定性を決定する。ミラー層として好ましい材料はアルミニウム、クロム、ニッケル、水銀、銀、金、プラチナ及びロジウムのような金属であるが、一酸化シリコン(SiO)及び二酸化シリコン(SiO2 )も用いられる(資料1)。
【0007】
ミラー基板及び反射体に用いられる材料は機械的及び熱的に高安定性を持たねばならない。大型ミラーは位置が変わる時にその自重によって変形する。λの変化が対抗力によって防止されるか補償されなければならない。温度変化及び不均一な温度分布が内部応力及び変形を誘起する。従って、精密ミラーの基板材料に対する重要な要求事項は、高い弾性係数Eと非常に低い熱膨張係数αである。さらに、材料は、散乱光の比率が極めて低く、最も望ましい滑らかな表面に達するまで研磨可能でなければならない。
【0008】
この点に関して、ほとんどの金属表面は好ましくない。なぜなら、それらの内部組織は、結晶粒界での不均一な性質が研磨後における表面の不均一性を生じさせる可能性があるからである。これにもかかわらず、純銅、アルミニウム及びモリブデン合金と圧力焼結ベリリウムを含む幾種類かの金属がミラーとして用いられている。しかし、化学的に形成された燐化ニッケルの層によりそれら金属の研磨可能性を改善する必要がある。金属ミラーは高い熱膨張性を有するが、その良好な熱伝導率の故に、例えば高性能レーザのような限定された用途を有する。現在のところ、ガラス及びガラス質セラミックが高い重要性を持つ。
【0009】
ある種の構造的成分は、特に航空宇宙用途において、相対的に軽い重量との組み合わせで機械的及び熱的に高安定性を備えることが要求される。さらに、小さな熱膨張係数によって、熱衝撃に対する良好な抵抗力を伴わなければならない。例えば、将来の人工衛星は使用中に回転するミラー構造を備えることになる。これらのミラーは例えば800×600mmと大きく、正面に光学的に反射する表面を備えなければならない。
【0010】
宇宙空間で用いられる装置は0から700Kにわたる繰り返しの温度変化にさらされる可能性があり、それにより装置のサイズに見合う剛性に加えて、これらの装置は熱的抵抗力及び熱衝撃抵抗力、単位容積当たりの軽い重量、さらには最低ではないが小さな熱膨張を備えることが保証されなければならない。これらの基準に合致する材料のグループは、同時に反射光学器械に要求される品質の表面特性を持たなければならない。
【0011】
現在のところ用いられる従来のミラー構成部品はガラス質セラミックからなる。その製造工程は、白金炉におけるLiO2 、Al2 O3 、MgO、ZnO及びP2 O5 のような種々の酸化物粉末の溶融を含む。溶融物が均質化された後、圧延、鋳造及び他のガラス形成工程により所要形状の目的物が生産される。次にガラス構成部品が急激に冷却されてから金型から取り外され、続いて約700℃の温度まで制御された方法で焼き戻される。この工程で結晶“種”が非晶質(等方質)ガラス内で形成する。特定温度が適当な時間にわたって保持されると、この種形成が結晶の成長につながり、ガラスの“セラミック化”を完成してガラス質セラミックを生じる。
【0012】
この結晶ガラス質セラミックは、熱膨張が273Kから323Kの温度範囲について僅かに0±0.15×10-6K-1と小さい利点を有する。ミラー用の材料としては、しかしながら、このガラス質セラミックは限定された用途しか持たない。その理由は、ガラス質セラミックが精巧な整形手順によってのみ生産され、さらに、2.53g/cm3 の比較的高い単位容積当たりの重量ならびに低い引張強度及び少なからぬ脆性破断特性を有するためである。これに加えて、このようなガラス質セラミックが200〜300K及び360〜480Kの温度範囲で引張ヒステリシスを受けるため、一定又は最高温度で423Kにおいてのみしか光学構成部品用に使用できない。700Kを超える温度においては、材料の内部構造が回復不能な形で破壊される(資料2:SIRA;ESTEC-Contract No.5976ー84NL/PR;October 1985)。
【0013】
経済的に有利なアルミニウムから軽量(相対重量2.71g/cm3 )のミラー構成部品を製造する試みも行われた。しかしながら、アルミニウムの低い剛性の故に、現在までのところ精密光学器を製造することは不可能である。腐食性の環境中での使用のため、アルミニウムミラーはニッケルの厚い(0.2〜0.5mm)コーティングを備えなければならない。アルミニウム(23×10-6K-1)とニッケル(13×10-6K-1)との熱膨張における大きな相違の故に、これらのミラーはいかなる温度変動にもさらされてはならない。温度変動は熱的に誘起される破断を生じ得る。
【0014】
真空中で使用可能であるような純粋なアルミニウムからなるミラーは、僅かに熱応力がかかっても局部的な変形を呈する。これは、光学ミラー表面が極めて高い熱膨張係数を有しているからである。これらのミラーが例えば距離測定用のレーザミラーとして用いられる時、このような変形が不明確な測定結果をもたらす可能性がある(前記資料2)。
【0015】
石英ガラスに基づく反射光学器械も最新技術である。0から273Kの範囲においてはゼロに近い極めて低い熱膨張係数の故に、石英ガラスシステムはいわゆる極低温用途に対して非常に適している。しかし、273Kと373K間の範囲においては、石英ガラスの熱膨張係数は5.1×10-7K-1に増加する。他の欠点は、2.2g/cm3 の比較的高い単位容積当たりの重量、低い剛性、50MPa以下の低い引張強度、高い生産経費、及び複雑な製造工程の故の約500mmまでの直径の制限である(資料3:W.Englisch,R.Takke,SPILE,Vol.1113,Reflective Optics II 1989,pages 190-194 ページ)。
【0016】
その機械的及び熱的特性並びに1.85g/cm3 という比較的軽い単位容積当たりの重量が、ベリリウムを軽量ミラー構造の製造について特に適切なものにしている。例えば、ベリリウムは剛性がアルミニウム又はガラス材料の5倍である。被覆されたベリリウム板は15オングストローム未満の表面粗さ(Ra)まで研磨することができ、それにより光学的反射面に極めて適したものとなる。
【0017】
原材料及び製造工程の高い経費に加えて、ベリリウム構造に特有の欠点は、その全体的な毒性にある。大気条件下でベリリウム構造を光学的構成要素として使用するには、まずニッケルで被覆しなければならない。ベリリウム(11.2×10-6K-1)とニッケル(15×10-6K-1)とは熱膨張係数が異なるので、これら構成要素は熱衝撃を必ず避けなければならない。従って、一定温度又は極めて狭い温度範囲でしかこれらを使用することができない。
【0018】
真空高温圧縮技法により、又は熱間静水圧焼結法により製造されたベリリウム構成要素は、結晶方向が異なると異なる性質を呈するような異方特性を有することも判明している。宇宙空間条件では、被覆されていないミラーを用いることができる。しかしながら、高い熱膨張係数の故に、通常ミラーが遭遇する0と700Kとの間の温度変動が光学表面の局部的変形を生じ、これがベリリウムを精密光学器械用に用いることを不可能にし(資料1)、人工衛星ミラーの場合には重大な通信障害をもたらす。
【0019】
この種類のミラー構造はいわゆるすべり鋳造技法により、炭素シリコンに基づくモノリシックセラミックからも現在製造されている。この鋳造工程では、炭素シリコン粉末の懸濁液が雌型形状の石膏型に入れられる。懸濁液がこの石膏型で費やす時間に従い、様々な肉厚のセラミック本体が生じる。これが未加工状態の雄型構成要素となる。ブランクが乾燥した後、焼結工程が真空又は保護大気の炉中で2200℃に達する温度において行われる。この製造技術は未加工成形体を生産するための精巧な型の構成を必要とするばかりでなく、特定形状及び小さなサイズのものしかできない欠点があり、工程全体が高い不良率に悩まされる。これらの成形された炭素シリコン本体が乾燥及び焼結の間に収縮するため、これらの寸法の所要精度はダイヤモンドバイトによる高価な機械加工によってのみ確保される。さらに、焼結成形体の不均一組織は、表面粗さ40オングストローム未満に下げるためには、それに化学蒸着法により炭素シリコンを被覆する必要がある。炭素シリコンはこれらの精巧な製造及び機械加工工程を必要とするばかりでなく、3.2g/cm3 の比較的高い単位容積当たりの重量を有しているし、極めて脆くもある。
【0020】
ドイツ特許明細書32 46 755 A1から、極めて安定した、軽量複合材料が細胞状又は蜂の巣状層と組み合わされた各種の積成層から構成できることが知られている。用いられる原材料の中には、人工樹脂に含浸された繊維状マット、紙のウェブ、プラスチック、フォイル又はガラス、炭素繊維マットあるいはポリイミドがある。細胞状又はハニカム状層は、成形された品物に対してより良好な安定性と曲げに対する増加した抵抗力を付与する意図を有する。
【0021】
炭素繊維又はガラス繊維により補強されたプラスチックに基づく結合材料は室温用途にのみ限定される。繊維又は積層構成要素の不均一構造が、光学ミラー面を表面加工で作ることを不可能にしている。ドイツ特許明細書3809 921 A1から、市販されているシリコンウェハを基板に固定することによってミラーを製造できることが知られている。より大きいミラーを製造するためには、そのようなウェハを何枚か次々に配置する。それらのウェハの間の継ぎ目において、ウェハはレーザ溶接または電子ビーム溶接によって相互に接合される。次にミラーの表面を研磨する。また、軽金属体または繊維で強化された複合プラスチック体を基質として用いる。ここで、上記諸欠点が再び現れる。それらの欠点は、とくに、基質および反射体層に異なる材料を使用することに起因する。
【0022】
ドイツ特許明細書36 26 780 A1から、ミラーが光を反射するばかりではなくて、アンテナとしても使用できることが知られている。そのドイツ特許明細書に開示されているミラーは、炭素繊維で強化した材料で製作された支持体を含んでいる。反射体層はガラスまたはガラス質セラミックで構成され、基質に直接融着されている。そのようなミラーの欠点については先に述べた。
【0023】
ドイツ特許明細書30 18 785 A1から、ミラーの基質構造として機能し、熱的に極めて安定している材料(すなわち、炭素から形成されるプレフォーム)を製造する第1の工程を含むミラーの製造方法が知られている。ミラーを製造するために、ガラスの前面プレートがこの基質構造の上に焼結または融着される。その結果として、基板と反射体層が非常に異なる温度特性を持つ構造が再び得られるために、そのようなミラーは熱衝撃に対する耐性が非常に小さい。また、そのようなミラーの単位体積当たりの重量は比較的大きい。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、機械的/熱的な特性が改善され、光学特性が向上し、かつ製造の容易な反射体を提供することにある。本発明が解決しようとする別の課題は、機械的/熱的な特性が改善されかつ光学特性が向上した反射体を簡単に製造する方法を提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る反射体は、電磁波を反射する反射体であって、基質要素と被覆と反射層と非多孔質金属好ましくは金とを備えている。前記基質要素は、少なくとも部分的にカーバイド化した多孔質炭素、および必要に応じて含浸されたシリコンで構成されている。前記被覆は、前記基質要素の一部の表面に強固に結合され、前記基質要素と結合された前記一部の表面とは反対側の表面がとくに研削によって滑らかにされ、かつシリコンまたはシリコンカーバイドもしくは両方の混合物からなっている。前記反射層は、シリコン、シリコンカーバイド、酸化シリコン、窒化シリコン、金、銀、ニッケル、銅、またはそれらの金属の合金からなっている。前記非多孔質金属、好ましくは金は、前記基質要素に前記被覆が覆われる前に前記被覆または基質表面あるいは両方を覆い300℃から600℃における熱処理が施されることで得られる、所定の温度範囲で塑性変形可能な溶融共融体を、前記被覆と共に構成し得る
【0026】
請求項2に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層が、600℃から2000℃までの温度範囲において、真空または保護雰囲気の下で、化学的蒸着(CVD)により形成されたものである。請求項3に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層が、20℃から900℃までの温度範囲において、物理的蒸着(PVD)により形成されたものである。
【0027】
請求項4に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層が、20℃と約200℃の間で、電気分解によって形成されたものである。請求項5に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層がサーマル・フレームスプレーによって形成されたものである。請求項6に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層がプラズマスプレーによって形成されたものである。
【0028】
請求項7に係る反射体は、請求項1に係る反射体であって、前記反射層の下に形成された炭素層をさらに備えている。請求項8に係る製造方法は、電磁波反射のための反射体の製造方法であって、a.炭素、または炭化または黒鉛化された炭素含有物質から多孔質基質要素を形成する工程と、b.粉末シリコンまたはシリコンプレフォームの形、とくにシリコンディスクの形で前記基質要素を被覆する工程と、c.酸化阻止雰囲気または真空中で1300℃と1600℃の間の温度において前記基質要素に液状シリコンを含浸させ、および前記基質要素と液状シリコンの間の境界部にシリコンカーバイド層を形成し、それから前記基質要素に高温処理による融解または焼結によってシリコン被覆を接合する工程と、d.前記シリコンが被覆されている前記基質要素を冷却し、かつ、必要に応じて被覆を滑らかにする工程と、e.シリコン、シリコンカーバイド、酸化シリコン、窒化シリコン、金、銀、ニッケル、銅、またはそれらの金属の合金の反射層を形成する工程と、f.前記基質要素に前記シリコンを被覆する前に、前記シリコンまたは前記基質表面あるいは両方に、所定の温度範囲で塑性変形可能な溶融共融体を前記シリコンと共に構成する非多孔質金属、好ましくは金を被覆し、300℃から600℃における熱処理により溶融共融体を製造する工程と、を含んでいる。
【0029】
請求項9に係る方法は、請求項8に記載の方法であって、前記反射層を形成する前に、炭素層を形成する工程をさらに含む。請求項10に係る方法は、請求項8に記載の方法であって、前記シリコンを導入する前に、前記多孔質基質要素に窪みを機械加工する工程をさらに含む。
【0030】
本発明の重要な点は、第1に、基質要素が、非常に容易に処理される材料、すなわち、シリコンが含浸されるまでは特殊な性質を発揮せず、シリコンを含浸された後では多大努力でのみ処理でき、ほぼ炭素で製造されることである。また、第2に、(シリコンを含浸させた)基質要素に付着されて、その基質要素に強固に接合されているシリコン層に実際の反射層が形成されることである。シリコン層を別々に形成する代わりに、基質要素の表面が開口部すなわち孔がないシリコン層でほぼ構成されるようなやり方で、基質要素に溶けているシリコンを含浸させることも可能である。それからそれを滑らかにし、実際の反射層を被覆することができる。
【0031】
以下の説明においては、プレフォームを構成するための基本的な材料として炭素または炭素繊維を用いることを第1の出発点としつつ、類似の微細構造特性を持つ材料の開発、またはそのような基質の使用が本発明の概念に含まれる事を説明する。本発明の重要な概念は、シリコン反射層を、中心を成す構造に強固に固定できるようにするために、それらが「含浸される」ことである。
【0032】
また、以下の説明は、外部層を構成するために、シリコンで形成されたプレフォームすなわちウェハを使用することについて全体として関連する。なお、顆粒状または粉末状の金属シリコンが使用可能である。この場合には、その後で機械的処理(研削、研磨)を必要とする。
【0033】
炭素繊維で強化した炭素マトリックスより成るCFC複合材が、樹脂含浸および炭化法によって工業的に製造されている。この方法によって得られた材料は、宇宙空間内および高温度において機械的安定性が高いというような特性と、単位体積当たりの重量が小さい(1.0〜1.7g/cm3 )ことと、もろくないという特性との極めて好ましい組合わせによって識別される。
【0034】
CFCの優れた材料特性と対照的な点は、酸化に対する抵抗性が低いことである。この点は、酸素を含雰囲気中でこの材料を採用する可能性を大きく制約する。現在では、この材料の抗酸化性が低いことが、CFCを真空および保護雰囲気中で使用すること制約している。その理由は、さもないと、400℃以上の温度でその材料は燃えてしまうからである。
【0035】
この材料の抗酸化性を向上させるために、いわゆるセラミックマトリックス複合体(CMC)が開発された。この材料は、耐火性コンポーネントおよびセラミックコンポーネントが多孔質CFCマトリックス中に含浸されている。短繊維プレフォームが製造されても良いが、その短繊維プレフォームにおいては、炭素をベースとする短繊維がフェノール樹脂懸濁液中に溶解され、温度が上昇した時に硬化する。酸素が存在しない状況において温度が更に上昇すると、2つの複合質の樹脂結合剤が炭化される。
【0036】
本発明のコンポーネントはそれの基本的な構造要素として繊維強化CFCまたはCMC、または炭素ハニカム複合体プラス表面金属シリコンを有する。ここでは、金属シリコンを、拡散法、焼結法または融着法によって、シリコンプレフォームとして、またはウェハとして、あるいはシリコン粉末としてCFCキャリヤ基質に付着された元素シリコンを意味するものと理解されたい。シリコンウェハは高純度シリコンより成る薄い金属片である。シリコンは等方性構造または多結晶構造を持つことができる。
【0037】
炭素繊維強化炭素体は、概ね、改善された機械的特性および物理的特性をいくつか有し、不活性雰囲気中で2200℃までの温度で採用できるという点で、既知の炭素材料とは異なる。製造プロセスを変更する多くの方法によって、すなわち、炭素繊維の種類および繊維前処理、繊維の向きまたは配置、繊維含有量、形成方法(プレス、貼合わせまたはローリング)、以後の緻密化サイクルの数、およびある場合には焼きなまし温度および黒鉛化温度を変更することによって、広い範囲にわたりそれらの特性を変更することが可能である。それらの手段によって、材料の構成、とくに構造、マトリックスおよび多孔率に特定の方法で、および意図する用途の要求に合致させて影響を及ぼすことができる。
【0038】
原則として、炭素繊維に代えてシリコンカーバイド繊維で強化したシリコンカーバイドを使用することも可能である。蒸気シリケーション法(vapor−silicationprocess)を使用することも本発明に従う。この場合には、多孔質基質要素を1600℃と2300℃の間の温度でシリコン含有雰囲気(シリコン蒸気)にさらすことによってその基質要素にシリコンを含浸させる。
【0039】
本発明によって、形状が複雑で、温度衝撃耐性が高く、比較的軽量(0.5〜2g/cm3 )であると同時に引っ張り強度が高く(>150MPa)、熱膨張率が小さく(TEC)が小さく、光の反射に適当な表面を持つコンポーネントを製造できる。本発明の別の利点は、経済的な価格で市販されて、シリコンで「処理」する前に任意の工作機械で機械加工できる材料を使用できことある。
【0040】
また、本構成要素の密度及び強度は、基板構造及び浸透工程の量又は質の適切な選択により、適宜調整可能である。本発明に従って用いられる材料グループの熱膨張整数は、相互に近似しているので、寸法が大きい場合であっても安定した形状の精密な構成要素が得られる。いかなるCFC原材料も、有効に使用できるが、特に、長い又は短い繊維に基づき、かつ方向性又は非方向性繊維構造を備えるものが有効である。さらに、本発明に従う本方法は、紙、セルローズ又は炭素繊維に基づく既知のハニカム状構造に適用できる。
【0041】
CFCブロックの密度は多くても1.4g/cm3 である即ち、高い多孔性を有する。細孔は別として、ブロック本体は空洞を持たないので、ブロックはその形状に関しては例えばプレート、煉瓦状又は中密円柱のような塊状の物体である。長繊維構造を有する多次元方向性CFCの品質に関しては、原則として、樹脂含浸炭素繊維ウェブ、いわゆるプレプレグ機から作業を始め、それを加熱可能な軸方向のプレスでCFCに押し込むことが可能である
【0042】
短繊維に基づくCFCブロックを生産するためには、当該技術で周知のように、炭素又は黒鉛繊維を、熱硬化性樹脂結合剤中で縣濁する。懸濁液が型に注がれ、次いで溶液が例えば加熱により除去され、樹脂結合剤が次にCFCブロックが硬化される。全CFC品質において、繊維補強材はセラミック化したCFC材料の脆化を防ぎ、準延性破面作用を維持する目的を有する。既知の成形方法により製造される例えば硬質紙又は炭素繊維によるハニカム状構造は、樹脂結合剤好ましくはフェノール樹脂の含浸により炭素収量を増加するため処理され、さらに後続の熱処理により硬化される。
【0043】
次の段階(真空又は保護雰囲気中での例えば900〜1300℃の温度における樹脂結合剤の炭化)は、すべてのCFC又はハニカム状構造に共通である。このようにして得られたCFCブロック又はハニカム構造体は、炭素マトリックス及び繊維の少なくとも部分的な黒鉛化を得るため、次に真空又は保護雰囲気中で2000℃以上の温度まで加熱されるのが好ましい。
【0044】
次いでCFCブロックは、例えば人工衛星その他の光学的反射システムの基本ミラー構造のような、製造される構成要素の寸法を有するCFC半加工品を生産するため機械加工される。この工程における材料の除去は、例えば、金属材料の機械加工に通常用いられるのと同じ機械により、施削、フライス削り又は研削により行うことができる。さらに重量を削減するため、CFC半加工品を機械加工する間任意の所要外形のポケットをミラー構造の背面にフライス削り、浸食又は穿孔によって都合の良い形で付けることができる。炭化処理後、樹脂結合剤により任意の種類の炭素繊維ウェブ又はウェブプリプレグの前面に炭素ハニカム構造を積層して複合体を形成する。さらに、ハニカム構造を高多孔性短繊維CFCの形へプレスすること、又は各々がCFCウェブに収納された数個のハニカム状構造を一緒にプレスすることによりサンドイッチシステムを構成することが可能である。このようにして、炭化処理後、高い剛性及び準延性破面挙動を備え、高い熱安定性を有する軽量構造材料が得られる。
【0045】
ブロックと同様に0.1〜1.3g/cm3 の低密度を有し、そのため体積の90%に至る高多孔性を有する、機械加工後に得られるCFC及びハニカム状半加工品は、樹脂結合剤を含浸させてそれを炭化することによりさらに安定化できる。CFC半加工品の必要な強化及びそれによる基本ミラー構造の剛性増加を得る別の方法として、密度が最大1.4g/cm3 に、好ましくは0.3〜1.0g/cm3 に達するまで、化学的蒸着により熱分解性炭素を溶浸させること方法がある。樹脂含浸においてはフェノール樹脂が好ましいが、炭素の化学的蒸着においては、メタン又はプロパンのような炭化水素と、アルゴン又は窒素のような不活性ガスの混合物とを700〜1100℃の温度及び1〜100mbの圧力で使用するのが好ましい。この混合ガスは、多孔性構造中で拡散・分解して炭素及び水素を形成し、この炭素により、表面上又は繊維の交差点において、好ましくは熱分解性炭素として蒸着されて構造強化される。いずれかの溶浸工程から得られたCFC半加工品は反射用の表面が研磨され、真空又は保護雰囲気炉の中に入れられる。研磨された側に1個又は数個の金属シリコンプレフォームが(半加工品の)置かれ、試料が1300〜1600℃、好ましくは1350〜1450℃の温度に加熱される。炭素及びシリコンの化学反応の結果、境界面においてシリコンカーバイドが形成されて合体又は接合生じ、それによりシリコンウエハがCFC基板に取り付けられる。化学反応のみでなく金属シリコンの融着及び拡散も、ウエハをCFC半加工品に接合させ、光学的に反射する構造を形成する。
【0046】
金属シリコンウエハは、例えばシリコンカーバイド及び珪素をマトリックスに含む、いわゆるセラミックマトリックス複合体(CMC)に、1300〜1600℃の温度で付着可能である。本発明による方法の特に有利な別の形は、反射するように作られる表面が1個又は複数のシリコンプレフォーム又はシリコンウエハに覆われ、さらにこのように準備された基板溶融ドープシリコンの溜まりにその下端が来るように位置決めされる。溶融シリコンは、基板構造中の毛細管引力により、CFC半加工品その上部表面上にある高純度シリコンのプレフォームに達するまで上昇する。最初に、CFC半加工品は、これによりCMCになり、その上に位置するシリコンプレフォーム又はウエハが相互に接合され、それらの背面が基板に固定される。これに加えて、機械的手段により組み立てられた数個の分離した要素からなる基板がシリコンの上昇により単一ユニットに合体する
【0047】
CFC半加工品に溶浸するため用いられる溶融金属シリコンの量は、CFC半加工品の密度が2.0g/cm3 、好ましくは1.5〜1.8g/cm3 未満でなければならない都合良くは、市販入手可能な金属シリコン単結晶ウエハが基板に対する付着後に光学的に反射する表面を直ちに形成するような方法で予め研削及び研磨され、それにより機械加工サイクルが最小限に減少されるか、又は全く省かれるようにするのがよい。付着されるシリコン要素の大量溶融、変形及び揮発を防ぐためには、1550℃の最大プロセス温度を超過してはならない。プロセス温度は、好ましくは1350〜1500℃である。本発明による方法の特に有利な別の形は、取り付けに先立ってシリコンプレフォームが接着剤又は樹脂結合剤によってCFC又はCMCあるいはハニカム状基板に接着され、これにより、後続の熱処理中に基板とシリコンプレフォームとの間の境界面における拡散、焼結又は溶融の工程容易になる
【0048】
接着剤又は樹脂結合剤としては、ポリシラン又は浸炭窒化珪素の前駆物質及び/又は珪素、炭化珪素又は炭素あるいはシリコーンの接着剤を使用することが有効である。接着剤は、反応固定プロセスの前に、100〜200℃の温度で乾燥又は硬化されなければならない。樹脂結合剤の熱分解は、真空又は保護雰囲気中において1000℃で起こる。
【0049】
ポリシラン(ポリメチルフェニルシラン)は、例えば、1200℃の不活性気体の下での熱分解後に、溶液に応じて重量比で30%から最大70%までのセラミック固定収量をもたらす。大きな温度変動のない、例えば250Kから300Kの範囲の温度におけるミラー及び反射体の用途については、基板構造に対するシリコン部分をシリコーンで接着することにより、基板とミラー層との間の充分に堅固な付着が得られる。
【0050】
ガラスフリットも、600℃以上の適切な焼き入れにより、シリコンプレフォームを溶融プロセスによってCFC又はCMC基板に固定するのに使用できる。本発明による方法は、さらにCFC、CMC又はハニカム基質構造に対していわゆるマルチレイヤーとして使用されるべき、ドーピング又は融点に関して相違する幾つかのシリコンプレフォーム又はSiウエハに用いることがでる。上記のシリコンプレフォームは、融点の最も低いものが基質上に直接置かれかつその上に設けられるシリコンプレフォームのすべては高い融点を持つような方法で施されるのが望ましい。例えば、ドーピングされていない高純なシリコンは1412℃の融点を持つ。シリコンの融点は、ドーピングする不純物の量に応じて、共融体の形成により低下し得る。
【0051】
炭素シリコンカーバイドシリコン酸化シリコン窒化シリコンニッケル、またはこれらの合金より成る反射層は、本発明に従って、セラミックマトリックス複合体(CMC)で製造された基質の処理されていない表面または研磨された表面に、物理蒸着(PVD)によって、真空または保護雰囲気中で、好ましくは20℃から900℃の温度範囲付着する。
【0052】
滴または粒子を基質表面に移動させることによって付着される熱スプレーにより得られる層とは対照的に、気相からの原子または分子の付着によって、数オングストロームから数ミリメートルの範囲にできる厚さの層を形成することによってそれらのPVD被覆は製造される。最も広く用いられるPVD層の態様は、真空金属化層、スパッタ層、およびイオンメッキ層を含む。この手段によって、材料、たとえば、金属、合金、ガラス、セラミックス、および非金属、ならびにプラスチッを表面に付着できる。
【0053】
真空金属化法においては、金属または化合物を、真空中で蒸発させ、その蒸気よりかなり低い温度のミラー基質表面に付着させる。原子または分子が基質表面に衝突するエネルギーは低く、層を良く付着させるためには不十分である。したがって、ミラーの被覆する側の表面をとくに準備する。この準備は、たとえば、蒸着装置において、グロー放電プラズマ中の不活性ガスのイオンを表面に照射すること、または不純物および関連する吸収した膜(水分)を揮発させるために部分を数100℃まで加熱すること、あるいは両方の処理を行うことによって行うことができる。被覆物質は、抵抗加熱、高周波加熱、電子ビーム加熱またはレーザビーム加熱による熱によって気化させる。真空法においては、原子/分子の自由行程は数メートルであるから、粒子は基質表面に直接、すなわ残留ガス雰囲気の分子に衝突することなし進むことができ、そこに凝縮して付着膜を形成する。
【0054】
本発明の反射体の反射層は、いわゆるスパッタ法によっても製造できる。この方法では、グロー放電プラズマ中で分子の雲が発生される。被覆物質で構成されている陰極と陽極の間の希ガス(たとえば、Ar)に約1〜10kVの電圧を印加することによって、希ガスイオン(Ar+)が発生される。そのイオンが陰極に照射される。それによって放出された陰極物質の原子が、陰極の近くに配置されているミラー基質の表面に付着る。コンポーネント(資料ホルダー)と原子を照射されるものが接地される。この方法を変更した方法においては、反応性ガス雰囲気中でスパッタリングを行うことができる。この方法では、陰極を出た金属原子がその反応性ガス雰囲気と反応してカーバイド、窒化物または酸化物のような化合物を生成する。それからそれらの化合物を付着させて被覆を形成する。
【0055】
イオンメッキにおいては、被覆物質を蒸発させてプラズマにし、そのプラズマを蒸発源と被覆すべきミラーコンポーネントの間に保持し、プラズマから基質に付着させる。プラズマから基質上に付着する。排気できる装置において熱蒸発器、誘導加熱、または電子銃によって被覆物質を蒸発させる。陰極として作用する基質と陽極(蒸発源)の間にプラズマが発生される。希ガスの衝撃イオン化によってプラズマ中で発生された陽イオンは、ミラー基質に照射される。その結果、外来物質の層が基質から除去されてその表面が清浄にされ、僅かにエッチングおよび活性化される。蒸発源からプラズマに入る被覆物質の粒子は、その1%が衝撃イオン化によってイオン化され、電界によってミラー基質へ向かって加速される。その基質が非導電性物質で構成されているならば、その基質を陰極として作用する導電性ワイヤメッシュで被覆する。加速されたイオン化された粒子は電荷交換によって持っている電荷を失うが、この状態においても、それらの粒子はそれがイオンであったときに獲得した速度を保持しているから、それらの粒子は基質表面に高いエネルギーで衝突する。表面からの物質のスパッタによる放出と被覆物質の付着とは同時に起きるから、層の最適な堆積のために求められる清浄な表面を常に得ることができる。加速された粒子による基質表面中への含浸によって、ある種の拡散層が生じる。この拡散層によってイオンメッキされた被覆は、非常に強固に付着されることになる。イオンメッキにおいては、別の反応性イオンメッキが再び存在する。プラズマ中に導入された物質は、ここで、または基質上で随伴物質と反応して新しい層を発生する物質を生じる。
【0056】
真空金属化およびイオンメッキにおいては、ミラーコンポーネントが800℃またはそれ以上の温度にさらされるために、基質物質(インターロッキング層または接合仲介層)に作用を及ぼすことができる点で有効である。スパッタリングによって層が付着される場合には、ミラー基質は約300〜500℃に加熱されるのみでよい。複雑な形の反射体コンポーネントの場合には、スパッタリング選択してもよい。その理由は、高度の散乱が達成されるからである。スパッタリングとイオンメッキによって層が基質表面に極めて強固に接合される。
【0057】
あるいは、本発明に従って、処理していない基質構造に、またはセラミックマトリックス複合体(CMC)に、炭素シリコンカーバイドシリコン二酸化シリコン窒化シリコンニッケル、またはそれの合金で構成される表面清浄化層と反射層の少なくとも1つを、真空中または保護雰囲気の下で、好ましくは600℃から2000℃の温度範囲で、化学蒸着(CVD)で付着する。
【0058】
化学蒸着という用語は、基本的に、各種の反応ガスおよび担体ガスを特定の化学量論的割合で熱分解し、これによって反応して付着された固体プラス気体状副製物を形成することを意味する。固体生成物として、被覆すべき物体を囲ガス雰囲気中で金属、金属と非金属の化合物、および有機物構造をその物体の表面に形成し付着しても良い。基質物質は、化学反応のために必要な高い温度で損傷を受けない任意の金属または非金属とすることができる。CVD法によって、たとえば、セラミック層、および独特の機械的特性、化学的特性、熱的特性、電気的特性および光学的特性の少なくとも1つを持つ極めて高純度の構造を製造できる。
【0059】
CVD法(表面付着)においては、流れているガスまたは混合ガス、被覆すべき気相、または高温コンポーネント、あるいは両方により熱分解される。この分解の不揮発性生成物、たとえば、炭素シリコン、またはシリコンカーバイドが、成長してミラーコンポーネントの上に層を生じる核を形成する。CVD反応器における最も重要な物理的パラメータとして、温度温度分布分圧ガスの量および組成ガス速度、及びコンポーネントにおける関連する流れ条件が挙げられる。装置およびコンポーネントに特有の面、たとえば、炉の設計および寸法、処理される物体の形状、その物体の炉内部の位ある役割も演じ、基質を製造する材料は最低の要因ではなく、プロセスの実施に決定的な影響を及ぼす。
【0060】
本発明の別の態様は、ニッケルまたはそれらの合金より成る光反射層が、研磨されている反射体表面に、またはCMC法で、好ましくは20℃から200℃の温度範囲で、電気分解によって製造された基質構造に付着される。フレームスプレーまたはプラズマスプレーのような熱スプレー被覆法を用いて、シリコンシリコンカーバイド酸化シリコン窒化シリコンニッケル、またはそれらの合金より成る層を付着することもできる。ミラー基質表面に付着すべき物質の滴すなわち粒子を移転させることによって反射体層を形成できる。
【0061】
シリコンプレフォームの基質構造への固定は、シリコンプレフォームが基質構造に固定される前にシリコンプレフォームに金をコーティングすることにより、かなり低いプロセス温度で可能になる。従って、ある用途の場合には、保護ガス又は真空なしの常圧下で作業することができることになる。350〜400℃の温度範囲においては、シリコンは金と共に塑性変形可能な溶融共融体を形成する。この結果、シリコンプレフォーム、例えばウエハを、基質構造に300〜600℃の温度で融着することができる。
【0062】
金は、熱膨張係数がシリコンと近似している為に、温度変動による熱損傷のおそれが少ない利点を持つ。金が持つ別の利点は、それが化学的に不活性であるがために、シリコンとしか反応しないことである。このため、限定された条件では、金がコートされたシリコンプレフォームは、約300〜450℃の低温域の常圧下で基質上に融着可能であり、これにより、保護ガス中又は真空下での融着を行う場合に比べてコストを大幅に引き下げることが可能となる。然し、シリコンプレフォームと基質構造との間の接触が極めて高い品質でなければならない場合は、真空中での焼結が好ましい。
【0063】
シリコンプレフォームは、例えば金箔を貼るか又はスパッタリングのような物理的な蒸着により金をコーティング可能である。コーティングされた金の厚みは、0.5〜50μmmである。原則的に、金の層は、シリコンプレフォームに対するよりも反射性が与えられるための基質の表面に対しての方が形成し易い。
原則的に、に代えて、シリコンと塑性変形可能な溶融共融体を形成し得る他の非鉄系金属又は材料を使用してもよい。例えば、500〜650℃の温度範囲に於いてシリコンと共に溶融共融体を形成するアルミニウムが用ることができる但し、アルミニウムは、酸化により焼結を阻止するAl2 O3 層を形成するおそれがあるため、真空下又は保護ガス中で利用されなければならない。また、アルミニウムは、シリコンよりも熱膨張係数が大きいので、著しい温度変動を伴う用途への適用が制限される。
【0064】
個々のケース毎のコーティング材料の選択は、用途、品質および材料又は製造プロセスのコストによって決まる。
【0065】
【実施例】
本発明の方法の幾つかの例を、次に図面を参照しながら説明する。
実施例1:直径が150mmでありかつ35重量%のフェノール樹脂コンポーネントを含むサテン織りの40カーボンファイバー織布プリプレグ(prepreg)を加熱可能なアキシルプレスの中で200℃で8分間圧縮加工し、直径150mmでありかつ壁厚が12mmのCFCプレフォームを作成する。成型プロセスにより作られた目的物(例えばこのディスク)は、次に酸素が遮断された反応器の中で、即ち真空中又は保護ガス中で、約1000℃で炭化される。カーボンファイバーの反応性を最小に抑える為に及び/又は弾性係数を変えるために、ブロックは、酸素のない状態(即ち真空中又は保護ガス中)で2000℃以上の温度で処理される。この結果、フェノール樹脂の炭化により形成された基質(matrix)カーボンは、少なくとも一部がグラファイト化される。このグラファイト化は、例えば30K/分の速度で加熱しかつ2100℃で2時間保持することにより達成される。このようにして得られたCFCブロックは、1.0g/cm3 の比重を有する
【0066】
ブロックは、次に切削、ミリング又は研削等の機械加工が施されることにより、図6に示すようにブランクが形成される。これが光学的な反射鏡構造の基質となる。このブランクには、再び500barの加圧オートクレーブの中でフェノール樹脂が含浸される。圧力含浸後、金属シリコン製のプレフォーム(直径123mm,壁厚0.8mm)がコンポーネントに接着される。接着剤としては、例えば、100℃の空気中で乾燥されても収縮しない、Kager社製のタイプRTS7700のシリコンカーバイド接着剤が用いられる。含浸されたコンポーネントは、1000℃及び10mbarに設定された反応器中で改めて炭化される。加熱速度は、2K/分でありかつ保持時間は12時間である。
【0067】
シリコンプレフォームが取り付けられかつ密度が1.18g/cm3 の前記ブランクは、次に真空炉の中で20K/分の速度で1390℃まで加熱されかつその温度で30分間保持される。室温まで冷却された後、シリコンディスクは、変形することなく確実にCFCにインターロックされる。カーボンコンポーネントの断面を検鏡したところ、シリコンプレフォームがCFC基質に確実にインターロックされ、割目やポアーを生じていないことが確認された。サブミクロンダイモンド懸濁液を用いた磨きテストの結果、シリコン表面は、困難なく磨くことができて、表面粗さ(Ra)を15オングストローム以下に設定できることがわかった。これは、光学的反射構造には極めて適合したものと言える。最後に、ミラー表面にPVDによって金を蒸着する。
実施例2:長さが10〜30mmの短いカーボンファイバーが、フェノール樹脂懸濁液中でスラリー化される。懸濁液のファイバー含有量は40重量%である。懸濁液は、直径150mm、高さ100mmの円筒モールドに注入される。フェノール樹脂中に含まれる溶剤は、60〜70℃の真空中で除去される。温度が180℃に上昇すると、フェノール樹脂が硬化する。モールドから取り出された円柱状のCFCブロックは、実施例1の場合と同様に、無酸素状態で炭化される。
【0068】
このようにして得られた内部的にほぼ等方性を示すCFCブロックは、密度が0.55g/cm3 であり、また、空げき率(porosity)は70vol.%である。カーボンファイバーの反応性を最少に抑えるため及び/又はフェノール樹脂から形成された基質カーボンを少なくとも部分的にグラファイト化させる為に、実施例1で説明したのと同様に、2000℃以上の温度でグラファイト処理が行われる。
【0069】
図8及び図9に示されたコンポーネントは、衛星用ミラー構造の基質として用いることができるとともに、円柱上のブロックから施盤、ミリングマシン及び/又は研磨機等での加工により作り出される。コンポーネントには、化学蒸着法により熱分解性のカーボンが浸透る。このプロセスは、プロパンとアルゴンとを1:5の割合で含む、分圧が2mbarで750℃の真空炉中で5時間に渡って行われる。このプロセスの完了時には、コンポーネントの密度は0.90g/cm3 であり、かつその開放空げき率は約30%に減っていた。
【0070】
次に、コンポーネントはグラファイト容器の中の高温真空室の中に入れられる。グラファイト容器の底部は、溶融金属シリコンにより被覆される。溶融シリコンは、毛細管現象によりブランクの中を上昇し、ポアーのほぼ全部を充填する。さらに温度が上昇して約1750〜1800℃になると、金属シリコンの一部は熱分解性カーボンと結合してシリコンカーバイドになる。
【0071】
室温にまで冷却されたコンポーネントは、密度が1.75g/cm3 であり、基質(matrix)の70%が反応していない遊離した金属シリコンである。上記によって得られたセラミック−マトリックス−コンポサイト(CMC)コンポーネント10は、凹部16及び穿孔17を有するとともに、次に、正面が鏡面になるように研磨機により磨かれる。直径が123mmで壁厚が1.0mmのシリコンプレフォーム11が、磨かれた表面に接着剤又は樹脂バインダを使用することなく置かれ、そのまま保護雰囲気炉の中に配置される。アルゴンガス中で、コンポーネントは、30K/分の速度で1405℃迄加熱される。20分間保持された後、全体が室温まで冷却される。
【0072】
反射層がさらに形成される。コンポーネントは、シリコン部分の固定又は結合状態を点検する為に、鋸断され、その断面が磨かれる。シリコンは、割目、ポアー又はは他のギャップを生じることなく焼結融着していることが、図1から図4に示された顕微鏡写真からわかる。CMC基質中のシリコンとシリコンプレフォームとの間の拡散と焼結により、インターロッキングが明らかに完成していた。
【0073】
プロセスの完了後、ミラー構造の耐熱衝撃性ついて調べた。構造体については、0〜700Kの温度変動を100回くり返た後に磨いて内部組織を調た。基質、シリコン又はこれらの界面には、割目が生じていなかった。50×4×4mmのサイズを持つロッドについて、ミラー構造の表層から鋸断採取さ膨張計による測定を行った。0〜700Kの温度範囲内では、ミラー材料の熱膨張係数は僅か2.0×10-6K-1であった。
実施例3:実施例1に従ってCFC円柱体ブロックが作成される。炭化、グラファイト化及び化学蒸着法による浸透行われた後に、CFC円柱体は図8及び図9に示された形状に機械加工される。壁厚が0.8mmのシリコンウエハが、極めて多孔質のCFCコンポーネントにWacker社製のポリシラン前駆体により接着される。180℃のアルゴン雰囲気下で樹脂が乾燥硬化した後、コンポーネントはさらに3K/分の速度で1200℃に加熱され、ポリシランプライマーは熱分解される。
【0074】
CFC構造体は、次に真空炉の中の、粉末化された金属シリコンが満たされたグラファイトのつぼに入れられる。そのシステムは、2.0K/分の速度で1400℃に加熱され、かつこの温度で30分保持された後に室温迄冷却される。シリコンは、ドーピングされている為に、約1350℃で溶融し、多孔性のCFCマトリクスの中を基質ウエハとの界面まで拡散する。これにより、シリコンウエハのコンポサイトへのいわゆる反応性固定が実現される。磨かれた断面の観察により、浸透したシリコンの一部が熱分解性カーボンと結合することから、シリコンカーバイドを形成していること、及びコンポーネント内の結合していないシリコンの含有量は21%であることが判った。シリコンウエハは、ポアー、割目又は他のギャップを持たず、またCMCコンポサイトと確実なインターロッキングにより結合している。この光学的反射体構造は、密度が1.7g/cm3 であり、ラッピングマシンにより簡単に磨くと必要なレベルの表面粗さに調整される。
【0075】
本発明によるこの方法では、CMCへの変換及びシリコンウエハのCFCブランクへの反応性固定又は結合がそのままの状態で行われ、従って極めて反射性の高いミラー構造を構成することができる。
実施例4:相対重量が0.2g/cm3 、セル(内接円)の直径が6mmのハードペーパー製の市販のハニカム材料に、フェノール樹脂バインダーを含浸し、70℃で乾燥する。
【0076】
得られたハニカム構造からなる直径が400mmで厚みが10mmのディスクの各面に、3層のカーボンファイバー織布プリプレグが200℃の加熱プレスにより加圧接着又はラミネートされる。得られたCFC構造は、無酸素状態において、2K/分の速度で1000℃に加熱されることにより炭化される。構造体は、6時間の保持の後に室温迄冷却される。これにより、カーボンをベースとするハニカム構造が得られるが、これは約17%線収縮している点を除き、のCFCコンポーネントと同じである。多孔性のハニカム構造は、実施例1及び3に記載された化学蒸着法による熱分解カーボンの浸透によりさらに強化される。相対重量が0.22g/cm3 の得られたコンポーネントは、150N/mm2 以上の4点曲げ強度を示す。
【0077】
カーボンファイバー織布がラミネートされた面の1つは、その表面を磨かれ、2つのシリコンウエハがその上に接着される。使用される樹脂バインダーは、フェノール樹脂とシリコン粉末とが重量比2:1で混合された混合物である。この操作は、実施例3に記載のシリコン浸透プロセスに従って行われるとともに、これによりウエハはハニカム構造に固定される。冷却後に得られかつ単位体積当りの重量が0.42g/cm3 の、ハニカムをベースとするミラー構造体を図10に示す。
【0078】
得られた極めて軽量な材料は、高い剛性と耐圧特性のみならず低い伝熱性を特徴とする。また、内部のフレキシブルなハニカム構造は、壁面の薄さにより熱衝撃による膨張を吸収する。このため、熱により生じる割目は最低限に抑えられる。図5から図7は、サブユニットの組合せにより大面積ミラーを得る方法を示している。この場合は、シリコンウエハ11と寸法をそれに合わせて作られた基質構造10からなる基本エレメントとを組み合わせることにより任意のサイズのミラーを作ることができる点で特に有効である。基質構造10は、ユニット14(CFC材料であることが望ましい)をブリッジングすることにより互いに結合状態で支持される。個々のエレメントの間にギャップの存在が許される場合には、ミラーは予め製作された単一の反射体を用いて得ることができる。“ブランク”を上記のものに組み合わせてすべての部分を固定することも勿論可能である。
【0079】
図7に示された実施例においては、基質構造10が目チガイ継ぎ15を作ることのできる構造を有するため、ブリッジングユニット14は不要である。図11から図14に示された本発明の実施例においては、基質構造10を形成するCMCコンポーネントは、ハニカム状の凹部が設けられている。さらに、このサンプル的な実施例では、3つの取り付け用の凹部117も設けられており、この中に接続ピン等を固定することにより完成したミラーを設置することができる。本発明の実施例の他の表示記号は、前述のあるいは同じ機能を持つ同じ部分に適用される。製造は上述の方法により実施することができる
【0080】
本発明の別の方法を図15から図19を参照して説明する。図15に示すように、この場合の第1の工程金属シリコン(ウエハ)のプレフォーム11の反射面12に向かい合う側とは反対側に非鉄金属、特に金をコートす。このコーティングは金箔を施すか又はスパッタリングにより達成できる。この方法でられたエレメントは、図15に示される。
【0081】
このエレメントは、次に熱処理されて金の層2がシリコン11と溶融共融体を形成する。この共融体は図16の記号3で示されている。このようにしてられた図16に示されたエレメントは、次に基質構造10に取り付けられ、次に全体が300〜600℃の温度範囲でさらに熱処理される。この結果、図17において上側に配置されたシリコンプレフォーム11は、溶融した共融体3の全域に渡り下側に配置された基質構造10に密着する。
【0082】
図15から図17に示すような、ウエハ11の1つの表面に溶融共融体を形成する処理工程に代えて、金の層2を介在させてウエハ11を基質構造10に直接施しても良い(図18)。この場合には、2つのエレメント10及び11は、図19に示すように、溶融共融体からなるゾーン3の形成により、1工程で互いに結合される。
【0083】
本発明のこの実施例の重要な特徴は、シリコンプレフォーム(ウェハ)と基質構造の間の結合を約300℃と600℃の間の温度で行うことができ、一方でこの実施例においてはプロセス温度が約900℃と1500℃の間であることである。また、非多孔質金属として金を使用する場合には、正常な大気、または常圧、或いは両方において実施することが可能である。
【0084】
上述の説明に於いて、方法の各種の工程は、容易に互いに組み合わせることができるものと理解される。
【0085】
【発明の効果】
請求項1に係る反射体によれば、機械的/熱的な特性が改善され、光学特性が向上し、かつ製造容易になる。請求項2に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。請求項3に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。
【0086】
請求項4に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。請求項5に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。請求項6に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。請求項7に係る反射体によれば、請求項1に係る効果がさらに改善される。請求項8に係る方法によれば、機械的/熱的な特性が改善されかつ光学特性が向上した反射体を簡単に製造できるようになる。
【0087】
請求項9に係る方法によれば、請求項8に係る効果がさらに改善される。請求項10に係る方法によれば、請求項8に係る効果がさらに改善される。請求項11に係る方法によれば、請求項8に係る効果がさらに改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】CMC基板に取り付けられた被研磨シリコンウエハの断面を20倍の倍率で示した図。
【図2】図1の断面を40倍の倍率で示した図。
【図3】図1の断面を100倍の倍率で示した図。
【図4】図1の断面を200倍の倍率で示した図。
【図5】小鏡面からなる大型ミラーの斜視図。
【図6】図5に示されたミラーの一部分を貫く断面を拡大した斜視図。
【図7】図6斜視図と同様であるが別のミラーの実施例の図。
【図8】基板プレフォームの好ましい実施例を貫く縦断面図。
【図9】図8におけるVI−VI断面図。
【図10】カーボンファイバーウェブに囲まれたハニカム構造に固定されたシリコンウエハを示す図。
【図11】赤外線望遠ミラーの好ましい実施例の異なった様態を示す図。
【図12】赤外線望遠ミラーの好ましい実施例の異なった様態を示す図。
【図13】赤外線望遠ミラーの好ましい実施例の異なった様態を示す図。
【図14】赤外線望遠ミラーの好ましい実施例の異なった様態を示す図。
【図15】他の好ましい実施例の製造工程を示す図。
【図16】他の好ましい実施例の製造工程を示す図。
【図17】他の好ましい実施例の製造工程を示す図。
【図18】図15から図17に示されたものと同様の、さらに別の実施例の製造工程を示す図。
【図19】図15から図17に示されたものと同様の、さらに別の実施例の製造工程を示す図。
【符号の説明】
2 金の層
3 共融体
10 基質構造
11 シリコンウエハ
12 反射面
14 ブリッジングユニット
15 目チガイ継ギ
16 凹部
17 穿孔
117 凹部

Claims (10)

  1. 電磁波を反射する反射体であって、
    少なくとも部分的にカーバイド化した多孔質炭素、および必要に応じて含浸されたシリコンで構成された基質要素と、
    前記基質要素の一部の表面に強固に結合され、前記基質要素と結合された前記一部の表面とは反対側の表面がとくに研削によって滑らかにされ、かつシリコンまたはシリコンカーバイドもしくは両方の混合物からなる被覆と、
    シリコン、シリコンカーバイド、酸化シリコン、窒化シリコン、金、銀、ニッケル、銅、またはそれらの金属の合金の反射層と、
    前記基質要素に前記被覆が覆われる前に前記被覆または基質表面あるいは両方を覆い300℃から600℃における熱処理が施されることで得られる、所定の温度範囲で塑性変形可能な溶融共融体を、前記被覆と共に構成し得る非多孔質金属、好ましくは金と、
    を備えた反射体。
  2. 前記反射層は、600℃から2000℃までの温度範囲において、真空または保護雰囲気の下で、化学的蒸着(CVD)により形成されたものである請求項1に記載の反射体。
  3. 前記反射層は、20℃から900℃までの温度範囲において、物理的蒸着(PVD)により形成されたものである請求項1に記載の反射体。
  4. 前記反射層は、20℃と約200℃の間で、電気分解によって形成されたものである請求項1に記載の反射体。
  5. 前記反射層がサーマル・フレームスプレーによって形成されたものである請求項1に記載の反射体。
  6. 前記反射層がプラズマスプレーによって形成されたものである請求項1に記載の反射体。
  7. 前記反射層の下に形成された炭素層をさらに備えた請求項1に記載の反射体。
  8. a.炭素、または炭化または黒鉛化された炭素含有物質から多孔質基質要素を形成する工程と、
    b.粉末シリコンまたはシリコンプレフォームの形、とくにシリコンディスクの形で前記基質要素を被覆する工程と、
    c.酸化阻止雰囲気または真空中で1300℃と1600℃の間の温度において前記基質要素に液状シリコンを含浸させ、および前記基質要素と液状シリコンの間の境界部にシリコンカーバイド層を形成し、それから前記基質要素に高温処理による融解または焼結によってシリコン被覆を接合する工程と、
    d.前記シリコンが被覆されている前記基質要素を冷却し、かつ、必要に応じて被覆を滑らかにする工程と、
    e.シリコン、シリコンカーバイド、酸化シリコン、窒化シリコン、金、銀、ニッケル、銅、またはそれらの金属の合金の反射層を形成する工程と、
    f.前記基質要素に前記シリコンを被覆する前に、前記シリコンまたは前記基質表面あるいは両方に、所定の温度範囲で塑性変形可能な溶融共融体を前記シリコンと共に構成する非多孔質金属、好ましくは金を被覆し、300℃から600℃における熱処理により溶融共融体を製造する工程と、
    を含む電磁波反射のための反射体の製造方法。
  9. 前記反射層を形成する前に、炭素層を形成する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
  10. 前記シリコンを導入する前に、前記多孔質基質要素に窪みを機械加工する工程をさらに含む請求項8に記載の方法。
JP23410494A 1993-09-02 1994-09-01 反射体及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3600642B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19934329551 DE4329551A1 (de) 1992-03-05 1993-09-02 Verfahren zur Herstellung von Leichtbaureflektoren mittels beschichteter Silicium-Formkörper
DE43295517 1993-09-02

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0821905A JPH0821905A (ja) 1996-01-23
JP3600642B2 true JP3600642B2 (ja) 2004-12-15

Family

ID=6496606

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23410494A Expired - Fee Related JP3600642B2 (ja) 1993-09-02 1994-09-01 反射体及びその製造方法

Country Status (5)

Country Link
EP (1) EP0642040B1 (ja)
JP (1) JP3600642B2 (ja)
AT (1) ATE190407T1 (ja)
DE (1) DE59409178D1 (ja)
ES (1) ES2145796T3 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220041511A1 (en) * 2018-09-27 2022-02-10 Deutsche Institute Für Textilund Faserforschung Denkendorf Method of producing a carbon-ceramic shaped body

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE29610498U1 (de) * 1996-06-14 1996-08-29 Zornik, Miklavz, Lesce Fahrzeugbrems- bzw. Fahrzeugkupplungsscheibe aus C-C/SiC-Werkstoff
JP5652845B2 (ja) 2009-06-01 2015-01-14 Nec東芝スペースシステム株式会社 宇宙機搭載用光学装置
CN113651618B (zh) * 2021-08-27 2022-07-05 西北工业大学 一种碳化硅陶瓷基复合材料反射镜及其制备方法和应用

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4465777A (en) * 1981-04-08 1984-08-14 Vought Corporation Composition and method for forming a protective coating on carbon-carbon substrates
US4444467A (en) * 1981-08-10 1984-04-24 United Technologies Corporation Coated laser mirror and method of coating
US4856887A (en) * 1987-04-01 1989-08-15 Hughes Aircraft Company Lightweight silicon carbide mirror
DE3819011A1 (de) * 1987-06-03 1988-12-22 Mitsubishi Electric Corp Spiegel
JPH02172882A (ja) * 1988-12-26 1990-07-04 Kawasaki Refract Co Ltd 炭素質耐火物
FR2655643B1 (fr) * 1989-12-13 1993-12-24 Onera Procede pour realiser un depot metallique adherant sur le carbone, et miroir obtenu par ce procede.
JPH05509132A (ja) * 1990-05-18 1993-12-16 ヒトコ カーボン コンポジッツ インコーポレイテッド 化学蒸着法のための素材
DE4220472C2 (de) * 1992-03-05 2002-08-22 Industrieanlagen Betriebsges Verfahren zur Herstellung von Leichtbaureflektoren mittels Silicium-Wafern

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20220041511A1 (en) * 2018-09-27 2022-02-10 Deutsche Institute Für Textilund Faserforschung Denkendorf Method of producing a carbon-ceramic shaped body

Also Published As

Publication number Publication date
EP0642040A1 (de) 1995-03-08
DE59409178D1 (de) 2000-04-13
ES2145796T3 (es) 2000-07-16
ATE190407T1 (de) 2000-03-15
EP0642040B1 (de) 2000-03-08
JPH0821905A (ja) 1996-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5565052A (en) Method for the production of a reflector
US5505805A (en) Method for the production of reflectors
US4451119A (en) Composite mirror and method of construction
US6206531B1 (en) Lightweight precision optical mirror substrate and method of making
CN100549818C (zh) 用于特殊微型光刻的基片
US20110221084A1 (en) Honeycomb composite silicon carbide mirrors and structures
EP0165703B1 (en) Fiber reinforced glas/glass-ceramic mirror blanks and method for its production
US20130057952A1 (en) Substrate made of an aluminum-silicon alloy or crystalline silicon, metal mirror, method for the production thereof, and use thereof
US4256378A (en) Graphite-glass composite laser mirror
US4444467A (en) Coated laser mirror and method of coating
US4623228A (en) Composite mirror substrate
JP3600642B2 (ja) 反射体及びその製造方法
US7244034B1 (en) Low CTE metal-ceramic composite articles, and methods for making same
US4451118A (en) Composite laser mirror
US5382309A (en) Method of making a fiber reinforced ceramic glass composites having tailored coefficient of thermal expansion
DE4207009A1 (de) Verfahren zur herstellung von leichtbau-reflektoren, insbesondere leichtbau-spiegeln, sowie reflektor und spiegel und deren verwendung
Jiang et al. Research Progress of Optical Fabrication and Surface‐Microstructure Modification of SiC
Zhou et al. Lightweight C/SiC mirrors for space application
US5407750A (en) High purity dense silicon carbide sintered body and process for making same
Foltz SiC fibers for advanced ceramic composites
US4913953A (en) Integral chopped fiber reinforced glass or glass-ceramic structures
US4386825A (en) Cooled, thermally stable composite mirrors
EP0481629A1 (en) Silicon based intermetallic coatings for reinforcements
DE4329551A1 (de) Verfahren zur Herstellung von Leichtbaureflektoren mittels beschichteter Silicium-Formkörper
Jana et al. Silicon carbide-based lightweight mirror blanks for space optics applications

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040917

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees