JP2005037456A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現像バイアスの印加や解除によって発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1において、黒単色画像の形成に続いてカラー画像を形成する場合には、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分の時間を空けてTk3から黒画像の転写を行う際に、C、M、Y画像の転写開始時間は、Tk3より各ステーション間の移動時間分ずつ遡った時間Tc、Tm、Tyに一意に定まる。同様に露光についても黒画像の露光開始タイミングLk3が決まることで、C、M、Yに関しての露光開始時間Lc、Lm、Lyが一意に定まる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写体30上に転写され、感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcであり、この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるため不良トナー像の影響はない。
【選択図】 図6
【解決手段】画像形成装置1において、黒単色画像の形成に続いてカラー画像を形成する場合には、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分の時間を空けてTk3から黒画像の転写を行う際に、C、M、Y画像の転写開始時間は、Tk3より各ステーション間の移動時間分ずつ遡った時間Tc、Tm、Tyに一意に定まる。同様に露光についても黒画像の露光開始タイミングLk3が決まることで、C、M、Yに関しての露光開始時間Lc、Lm、Lyが一意に定まる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写体30上に転写され、感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcであり、この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるため不良トナー像の影響はない。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真を利用して画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真を利用した画像形成装置では、一般に、静電潜像上にトナーを保持する感光体(像担持体)を備えている。この像担持体は電荷発生層と電荷輸送層とから構成された感光層を有する金属ドラム或いは金属ベルトである。このような像担持体は、プリント開始を示す信号に基づいて、一定方向に駆動される。その後、帯電装置(コロナ帯電器、帯電ローラ、磁性粒子などを担持した像担持体)が像担持体にバイアスを印加して、像担持体表面を一定の電位まで帯電し、あるいは、像担持体表面に電荷注入を行う。
【0003】
続いて、コントローラからの信号に基づいてON/OFF制御されるレーザ光或いはLED光を像担持体表面に照射(露光)する。この光照射を受けた箇所は電位が低下し、これによって像担持体表面に静電潜像が形成される。像担持体表面に対向する位置には静電潜像を現像するための現像装置が配置されている。現像装置には、2成分現像剤が充填されている。この2成分現像剤は、磁性粉であるキャリアと非磁性もしくはキャリアの磁性より弱い磁性を有するトナーとが一定の割合で混合された2成分現像剤が充填されたものである。現像装置はこの現像剤を搬送するために、所定方向に回転する現像スリーブを備えている。現像装置に一定のバイアス(現像バイアス)を印加することによって所定の電荷がトナーに付与され、その後にトナーは回転する現像スリーブによって搬送され、像担持体上の静電潜像に静電吸着されて担持される。これにより、静電潜像がトナー像として可視化(現像)する。
【0004】
像担持体に隣接して、像担持体の回転速度と同速度で順方向に回転する転写ローラや転写ベルト等の転写体が配置されている。この転写体に像担持体上のトナーの極性とは逆極性のバイアスを印加するとともに、この転写体と像担持体との間に転写材を通過させることにより、像担持体上に担持されたトナーが転写材上に移動する。この後、新たな画像形成のために像担持体は除電装置によって像担持体表面を除電される。以上が画像形成動作の流れである。
【0005】
ここで、現像装置に現像バイアスを印加する場合には、現像スリーブを回転させる以前に印加を行っても、バイアス印加を開始した時点で像担持体と現像装置との間に電位差が発生するので、現像装置出口付近のトナーが像担持体表面に引き寄せられる。一方、印加している現像バイアスを解除する場合には、除電装置によって除電された像担持体の領域が現像装置の前を通過するタイミングで、現像装置に印加しているバイアスを解除する必要がある。しかしながら、現像バイアスがなだらかに降下する場合などでは、像担持体と現像装置との間の電位差を完全になくすことは困難である。この場合、像担持体の電位が低いときには現像装置内のトナーが像担持体に付着し、現像装置の電位が高いときには(2成分現像剤に含まれる)キャリアが像担持体に付着することになる。このキャリアの付着は像担持体や転写体を傷つける原因になるため、通常はキャリアよりもトナーが付着しやすいように設定して、現像装置の現像バイアスを解除させる。
【0006】
上述の理由により、現像装置への現像バイアスの印加時および解除時には、像担持体上に少量ではあるが、汚れ等の原因になって不良の画像を齎すトナー(不良トナー像)が残ってしまっていた。しかし、一般的には、現像バイアスを印加および解除するのは画像形成の開始前処理もしくは終了時の後処理のみであるので、像担持体上の不良トナー像が画像形成の妨げにはなることは無く、像担持体表面をクリーニング処理することによって像担持体上の不良トナー像を除去していた。
【0007】
ところが、一般に、カラー画像形成装置で使用する像担持体や現像剤は、黒単色の画像形成装置で使用するものに比べて寿命が短いので、寿命対策としてカラー画像形成装置においては画像形成に不要な電圧を像担持体に極力に印加しないことが望ましい。従って、例えば、全色(カラー)画像の形成を行っている状態から黒単色画像の形成を行う場合には、黒単色画像の形成に必要なバイアスは印加しつつ、その他のカラー画像を形成するためのバイアスは解除することが必要である。また、黒単色画像の形成を行っている状態から全色画像の形成を開始する場合には、黒単色画像の形成中に他のカラー画像の形成に必要なバイアスの印加を開始する必要がある。このように画像形成動作中に現像装置のバイアスを印加したり、解除したりする場合には、現像バイアスの印加や解除によって発生した不良トナー像が実行中の画像形成もしくは予定した画像形成に悪影響を及ぼすことがある。
【0008】
そこで、このような不具合を解決するための典型的な従来技術が、特開平6−258914号公報および特開平10−198121号公報等で示されている。これらの従来技術では、黒単色画像の形成時には、上記転写体を画像形成に関与しない像担持体から離間させることで、不必要な色のトナーの混入を防止するとともに、転写体と像担持体との接触に伴う両者の損耗が回避されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、転写体と像担持体を離間させるためには、そのための機構が必要となりコスト、サイズ的に不利になるという問題がある。また、黒単色画像の形成を行っている状態から全色画像の形成を開始する場合に、離間した転写体と像担持体とを再度接触させる必要があるが、この際の衝突ショックを避けるための機構もしくは制御も必要となる。
【0010】
一方で離間を行わない場合に、発生した不良トナー像を大きく避けて画像形成を行ったり、画像形成途中でクリーニングを行ったりしていたのでは、色切り替えが頻繁に発生するような場合には、画像形成の生産性が極端に低下するという問題点がある。
【0011】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、現像バイアスの印加や解除によって発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止する処理をサイズ、コストのアップなしに実現し、かつ色切り替え時の生産性を維持できる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記第2の像担持体は黒画像を形成するための黒画像像担持体であり、前記第1の像担持体は、前記黒画像以外のカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項2記載の画像形成装置において、前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、黒画像形成動作に続けてこれらのカラー画像形成動作を行う場合に、黒画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段に電圧印加を開始し、当該現像手段に電圧印加を開始する際には前記3つのカラー画像像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記カラー画像像担持体と組を成す前記現像手段に電圧を印加するタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記電圧制御手段は、前記第1の像担持体と組を成す現像手段に電圧の印加を開始してから、前記第1の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第1の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第2の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第1の像担持体と組を成す前記現像手段に対する電圧印加の開始のタイミングを制御することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、請求項5記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、 現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記第3の像担持体はカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であり、前記第3の像担持体以外の像担持体は黒画像を形成するための黒画像担持体であることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の画像形成装置は、請求項6記載の画像形成装置において、前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、カラー画像形成動作に続けて黒画像形成動作を行う場合に、カラー画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段の電圧印加を解除し、当該現像手段の電圧印加を解除する際には前記3つのカラー画像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記3つのカラー画像担持体のそれぞれと組を成す前記現像手段に印加している電圧のタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す現像手段に印加している電圧を解除してから、前記第3の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第3の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第3の像担持体以外の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、請求項9記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御し、現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る画像形成装置を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0023】
図1には画像形成装置の例として電子写真方式のカラー画像形成装置が図示されている。
【0024】
電子写真方式のカラー画像形成装置1(以下、画像形成装置1)は、大別して画像形成部、給紙部、中間転写部、搬送部、定着ユニット、操作部、及び制御部から構成される。
【0025】
これらのうち画像形成部を構成する装置や部品には10番台の符号を付す。さらに、画像形成部は4つの同様なステーションから成るので、同一ステーションに属するものには上記10番台の符号の後に、ステーションごとに共通する符号a、b、c、dのいずれかを付す。符号aを付したステーションがブラック(K)の画像を形成し、符号bを付したステーションがシアン(C)の画像を形成し、符号cを付したステーションがマゼンタ(M)の画像を形成し、符号dを付したステーションがイエロー(Y)の画像を形成する。
【0026】
画像形成部は、像担持体としての感光ドラム11a、11b、11c、11dを有しており、それぞれが中心軸で軸支されている。これら感光ドラム11a〜11dは駆動モータ(図示せず)によって矢印方向に回転駆動する。感光ドラム11a〜11dの周囲には感光ドラム11a〜11dの外周面に対向して感光ドラム11a〜11dの回転方向に沿って順にローラ帯電器12a、12b、12c、12d(帯電手段)とスキャナー13a、13b、13c、13dと現像装置14a、14b、14c、14d(現像手段)とが配置されている。
【0027】
ローラ帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に電荷を与えて均一に帯電させる。スキャナー13a〜13dは、例えばレーザービームなどの光線を感光ドラム11a〜11dの表面に照射して露光する露光装置であり、帯電した感光ドラム11a〜11dの表面に記録画像信号に応じて変調した光線を露光することによって静電潜像を形成する。
【0028】
現像装置14aはブラック(K)の現像剤(トナー)を収容しており、トナーを感光ドラム11aに供給することによって静電潜像をトナー像にして顕像化する。同様に現像装置14b〜14dはこの順にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の現像剤(トナー)を収容しており、これらは同一ステーションを構成する感光ドラム11b〜11d(カラー画像像担持体)にトナーを供給することによって静電潜像をトナー像にして顕像化する。このトナー像を画像形成部の下方に配設した中間転写ベルト30(被転写材)に順次に転写(1次転写)することにより、各色のトナーによる画像形成が順次に行われる。
【0029】
給紙部は記録材P(被転写材)を収納する収納部と、記録材Pを搬送するためのローラと、記録材Pの通過を検知するためのセンサと、記録材Pの有無を検知するためのセンサと、記録材Pを搬送路に沿って搬送させるためのガイド部材(不図示)等から構成される。これらには主として20番台及び60番台の符号を付して給紙部を構成するものであることを明示する。なお、記録材PはPPC用紙、OHP用紙等である。
【0030】
収納部としては、カセット21a、21b、21c、21dと手差しトレイ27とデッキ28とが設けられており、それぞれが記録材Pを収納できる。各カセット21a〜21dの先端部(記録部材Pの送出方向端部)の上方には、給紙カセット21a〜21dに収納された記録材Pを1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、22c、22dが配設されている。
【0031】
ピックアップローラ22a〜22dによって記録材Pを送り出す際に、複数枚の記録材Pが送り出されてしまうことがある。このため、記録材Pを1枚だけ確実に分離するためのBCローラ23a、23b、23c、23dがピックアップローラ22a〜22dよりも記録材Pの搬送方向下流の位置に配設されている。BCローラ23a〜23dは、それぞれ2つのローラを一対にしたものである。BCローラ23a〜23dによって1枚だけ分離された記録材Pは、BCローラ23a〜23dよりも搬送方向下流に順に配置された引き抜きローラ24a〜24d、レジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。
【0032】
手差しトレイ27に収納された記録材Pは、BCローラ29によって1枚ずつ分離されてから、レジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。また、デッキ28に収納された記録材Pは、ピックアップローラ60によって給紙ローラ61まで複数枚が搬送され、給紙ローラ61によって1枚だけが確実に分離されて引き抜きローラ62まで搬送される。さらに記録材Pはレジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。
【0033】
中間転写部は、感光ドラム11b〜11dに形成されたトナー像を1次転写するための中間転写ベルト30を備えている。この中間転写ベルト30の材料は、例えば、PET(polyethlene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)やPVdF(polyvinylidene fluoride:ポリフッ化ビニリデン)などである。中間転写ベルト30は駆動ローラ32、テンションローラ33、及び従動ローラ34に掛け渡されている。駆動ローラ32はステッピングモー夕(不図示)によって回転駆動され、これによって中間転写ベルト30が駆動する。この駆動ローラ32は、金属ローラの表面にウレタンまたはクロロプレンなどのゴムを数mm厚にコーティングしたものである。このゴムにより、中間転写ベルト30を駆動する際に駆動ローラ32がスリップすることを防止できる。
【0034】
テンションローラ33は、ばね(不図示)の付勢力によって中間転写ベルト30に適度な張力を与えている。中間転写ベルト30を挟んで、従動ローラ34に対向する位置には2次転写ローラ36(転写手段)が配置されている。この2次転写ローラ36は中間転写ベルト30とのニップによって2次転写領域を形成する。中間転写ベルト30に1次転写されたトナー像はこの2次転写領域で記録材Pに転写(2次転写)される。2次転写ローラ36は中間転写ベルト30に対して適度な押圧力で加圧されているとともに、2次転写の際には高電圧が印加される。
【0035】
また、中間転写ベルト30の回転に沿った位置であって2次転写領域よりも回転方向下流の位置には、中間転写ベルト30の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング装置50が配設されている。このクリーニング装置50は、中間転写ベルト30のうちトナー像が1次転写される面に付着して残留している不要なトナーを掻き落とすためのクリーナーブレード51および掻き落としたトナー(廃トナー)を収納するための廃トナーボックス52を備えている。なお、クリーナーブレード51にはポリウレタンゴムなどが用いられる。
【0036】
中間転写ベルト30を挟んで各感光ドラム11a〜11dと対向する位置には、トナー像を中間転写ベルト30に転写するための1次転写ローラ35a〜35d(転写手段)が配置されている。この1次転写ローラ35a〜35dには1次転写の際に高電圧が印加される。
【0037】
記録材Pの搬送方向で2次転写ローラ36よりも下流には、2次転写された記録材P上のトナー像を記録材Pに定着せるための定着ユニット40が配設されている。この定着ユニット40は搬送されてくる記録材Pの上方に配置された第1のユニットと下方に配置された第2のユニットとの2つのユニットから構成されている。第1のユニットは、ハロゲンヒーターなどの熱源を内蔵した定着ローラ41aと後述する内排紙センサ68とを備えている。第2のユニットは、上記の定着ローラ41aと対を成し、定着ローラ41aに向かって記録材Pを加圧する加圧ローラ41b、及びこの加圧ローラ41bと定着ローラ41aとのローラ対から排出されてきた記録材Pを搬送する内排紙ローラ44を備えている。なお、加圧ローラ41bは熱源を内蔵しても良い。定着ユニット40よりも搬送方向下流には、画像が定着した記録材Pの搬送先を切り替えるための切り替えフラッパー73が配設されている。
【0038】
上述のように、給紙部からレジストローラ25まで記録材Pが搬送されて来ると、レジストローラ25及び当該レジストローラ25よりも搬送方向上流に有るローラの回転駆動が止まって、記録材Pの搬送が一旦停止する。その後、画像形成部の画像形成タイミングに合わせてレジストローラ25及び上記搬送方向上流のローラが回転駆動を再開する。これにより、記録材Pは上述の2次転写領域へ送り出される。2次転写領域で記録材Pに2次転写された画像は、定着ユニット40によって記録材Pに定着させられる。その後、記録材Pは内排紙ローラ44を通過して、切り替えフラッパー73によって定められた搬送先に向けて搬送される。
【0039】
切り替えフラッパー73がフェイスアップ排紙側にある場合には、記録材Pは外排紙ローラ45によってフェイスアップ排紙トレイ2に排出される。一方、切り替えフラッパー73がフェイスダウン排紙側にある場合には、記録材Pは反転ローラ72a、72b、72cが配設された搬送路に搬送され、フェイスダウン排紙トレイ3に排出される。
【0040】
また、記録材Pの両面に画像を形成する場合には、先ず、フェイスダウン排紙トレイ3に向かう搬送路へ記録材Pを搬送して、記録材Pの後端が反転位置Rに到達したところで搬送を停止する。次に、定着ユニット40よりも下方にある、両面ローラ74a〜74dが配設された搬送路へ記録材Pを搬送するように反転ローラ72a、72b、72cの回転方向を逆転させる。これにより、記録材Pは両面ローラ74a〜74dを配設した搬送路を通った後に、カセット21a〜21dに収容された記録材Pを搬送する場合と同じ搬送路を通って画像形成部に搬送される。これによって、2次転写領域まで進んだ記録材Pは既に画像が形成された面の裏面にトナー像が2次転写される。
【0041】
なお、記録材Pの搬送路には、記録材Pの通過を検知するために複数のセンサが配置されている。これらは、給紙リトライセンサ64a、64b、64c、64d、デッキ給紙センサ65、デッキ引抜きセンサ66、レジストセンサ67、内排紙センサ68、フェイスダウン排紙センサ69、両面プレレジセンサ70、両面再給紙センサ71等である。また、記録材Pを収納するカセット21a〜21dには、カセット内の記録材Pの有無を検知するカセット紙有無センサ63a、63b、63c、63dが配置され、手差しトレイ27には手差しトレイ27上の記録材Pの有無を検知する手差しトレイ紙有無センサ76が配設され、デッキ28にはデッキ28内の記録材Pの有無を検知するデッキ紙有無センサ75が配設されている。
【0042】
操作部4は、画像形成装置1の上面部に配置されており、ユーザはこの操作部4を操作して、記録材Pの収納された給紙部(給紙カセット21a〜21d、手差しトレイ27、デッキ28)の選択、排紙トレイ(フェイスアップトレイ2、フェイスダウントレイ3)の選択、タブ紙束の指定等をすることができる。
【0043】
図2は、図1の画像形成装置1を制御する制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【0044】
制御ユニット100は、画像形成装置1の全体を制御するCPU110と、不図示の画像リーダ装置やCPU110との間で画像の受信タイミングを制御するための画像制御部120と、帯電器12、スキャナー(露光装置)13、現像装置14、及び転写ローラ35への電圧の印加や解除を制御するための電圧制御部130(電圧制御手段)と、画像形成装置1内の各モータを制御するための駆動制御部140とを備えている。
【0045】
次に装置の動作を説明する。
【0046】
一例として、カセット21aから記録材Pを搬送して画像を形成する場合を説明する。
【0047】
画像形成動作開始信号が発せられてから所定時間が経過すると、先ずピックアップローラ22aがカセット21aから記録材Pを1枚ずつ送り出す。次に、給紙口ーラ23aによって引き出された記録材Pは引き抜きローラ24a及びレジ前ローラ26を経由して、レジストローラ25まで搬送される。この時点ではレジストローラ25は停止している。レジストローラ25は搬送されてくる記録材Pを挟むように配置された一対のローラからなり、記録材Pの先端はこのレジストローラ25のニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像形成を開始するタイミングに合わせて、レジストローラ25が回転を始めて、記録材Pの搬送を再開する。この搬送再開の時期は、画像形成部で中間転写ベルト30上に1次転写されたトナー像と記録材Pとの相互位置関係が2次転写領域において最適となるようなタイミングに設定されている。
【0048】
一方、画像形成部では、画像形成動作開始信号が発せられると、上述したプロセスにより中間転写ベルト30の回転方向の最上流に配設された感光ドラム1ld上に形成された所定の色のトナー像が、高電圧を印加した転写ローラ35dによって1次転写領域において中間転写ベルト30に1次転写される。中間転写ベルト30に1次転写されたトナー像は、感光ドラム1ldの下流に配置された画像形成部の感光ドラム1lcの下方の1次転写領域まで搬送される。感光ドラム1lc上には感光ドラム1ld上に形成された画像の色とは異なる色の画像が形成されており、この異なる色の画像がさらに中間転写ベルト30上に1次転写される。このようにして上流の画像形成部で中間転写ベルト30に1次転写された前画像の上から新たな画像が中間転写ベルト30に1次転写される。このようにして、上流の画像形成部から下流の画像形成部までが中間転写ベルト30に画像の1次転写を行う。
【0049】
このようにして、4色のトナー像が中間転写ベルト30上に1次転写される。各画像形成部では、上流の画像形成部で1次転写されたトナー像が搬送されて来るまでの時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上に画像先端を合わせて次のトナー像が転写されることになる。
【0050】
その後、記録材Pが2次転写領域に進入して中間転写ベルト30に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて2次転写ローラ36に高電圧が印加される。記録材Pは押圧ローラ34と2次転写ローラ36とに挟まれており、これによって中間転写ベルト30上に形成された4色のトナー像が記録材Pの表面に転写される。
【0051】
その後、記録材Pは定着ローラ41aと加圧ローラ41bとのニップ部まで搬送される。そしてローラ対41a,41bの熱及びニップ圧力によってトナー像が記録材Pの表面に定着する。その後、記録材Pは、切り替えフラッパー73の切り替え方向に従って、フェイスアップ排紙トレイ2またはフェイスダウントレイ3に排出される。
【0052】
次に感光ドラム11a,11b,11c,11dの外周面に対向して配置された帯電器12a,12b,12c,12d、スキヤナー(露光装置)13a,13b,13c,13d、現像装置14a,14b,14c,14d、1次転写ローラ35a,35b,35c,35dへの電圧の印加およびその解除のタイミングについて説明する。なお、これらは各ステーションの何れもが同様に説明できるので、以下ではそれぞれを感光ドラム11、帯電器12、スキヤナー13、現像装置14、1次転写ローラ35と記す。
【0053】
図3は感光ドラムの周辺部の概略図である。
【0054】
図2に示した制御CPU110が駆動制御部140を介して、感光ドラム11を矢印A方向に所定の速度で回転制御するとともに、電圧制御部130を制御して帯電器12、スキャナー(露光装置)13、現像装置14、並びに転写ローラ35への電圧の印加及び解除を制御する。
【0055】
以下、図4および図5に示した動作タイムチャートを用いて、各装置への高圧印加のタイミング制御について説明する。
【0056】
図4は、図1における感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【0057】
図4においてLOWは、電圧が印加されていない状態(OFF)を示し、HIGHは、電圧が印加されている状態(ON)を示す。
【0058】
先ず、不図示の感光ドラム回転モータにより感光ドラム11が回転している状態において、タイミング(a)で帯電器12に電圧が印加されて、感光ドラム11の表面に均一な所定電位の帯電を開始する。
【0059】
次に感光ドラム11上の帯電した領域(帯電領域)が現像装置14の位置にかかるタイミング(b)において、現像装置14に電圧が印加される。このタイミング(b)で現像装置14に電圧が印加される。このタイミングで印加されない場合には、帯電領域と現像装置14との電位差に起因して感光ドラム11上に現像剤のキャリアが付着してしまうため、帯電領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(b)と現像装置14の電圧印加タイミングとは同期していなければならない。
【0060】
しかしながら、高電圧の立ち上がり勾配の関係上、帯電器12によって感光ドラム11上に帯電を開始した領域と現像装置14の電圧印加を開始するときの感光ドラム11上の領域とを完全に一致させることは困難であるため、キャリアよりもトナーが感光ドラム11に付着しやすいタイミングで現像装置14の電圧を印加する。このときに感光ドラム11上に付着した不要なトナーは、汚れ等の原因になって不良の画像を齎すトナー(不良トナー像)である。
【0061】
この不良トナー像は、現像装置14の位置から転写ローラ35の位置まで移動する時間が経過した後に、タイミング(c)で中間転写ベルト30に転写される。なお、不良トナー像の転写時には転写ローラ35への電圧は印加されていないため、通常の画像形成時のように感光ドラム11上のトナー像の全てが中間転写ベルト30に転写されるわけではない。感光ドラム11上の不良トナー像は、擦りつけられるようにして一部が中間転写ベルト30に転写され、残りは感光ドラム11上に残留する。この後、中間転写ベルト30上の不良トナー像は中間転写ベルト30とともに回転移動して、クリーニング装置50にて除去される。
【0062】
一方、感光ドラム11上に残留した不良トナー像は感光ドラム11のクリーニング部材(図示せず)により感光ドラム11から除去される。
【0063】
(d)は、帯電器12によって感光ドラム11に電圧印加が開始されてから感光ドラム11が1回転するのに要する時間が経過した時点である。この時点で感光ドラム11の表面は所定電位に均一に帯電されているので、画像形成が可能な状態となっている。
【0064】
その後、タイミング(e)で感光ドラム11の表面にはスキャナー13によるレーザ露光が開始される。この露光により形成された静電潜像は、現像装置14によってトナー像として可視化さる。
【0065】
このトナー像が転写ローラ35の位置を通過するタイミング(f)で、転写ローラ35に転写電圧を印加することによって感光ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト30に1次転写する。レーザ露光は画像の搬送方向の長さ分を露光した時点(g)で停止する。また、図示を省略したが、転写電圧は画像の搬送方向の長さ分の転写が終了した時点で解除する。
【0066】
図5は、感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【0067】
このタイミングチャートの左端は画像形成を行っている状態であり、タイミング(h)で露光装置13が感光ドラム11に対して画像の搬送方向の長さ分の露光を終了する。
【0068】
この露光ですべての画像形成が終了する場合には、タイミング(i)で感光ドラム11の全面に対する露光を開始する。本実施の形態においては、感光ドラム11の表面電位を除電するための除電装置を備えておらず、感光ドラム11の表面電位の除電は露光装置13を用いて感光ドラム11の全面を露光すること(後露光)により行う。
【0069】
次に感光ドラム11上の除電された領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(j)において、現像装置14の電圧印加が解除される。このタイミング(j)で現像装置14の電圧印加が解除されない場合には、後露光された感光ドラム11上の全面を現像装置14が現像してしまうので、感光ドラム11の全面にトナーが塗布されることになる。
【0070】
また、タイミング(j)よりも早く現像装置14の電圧印加を解除した場合には、感光ドラム11上の除電されていない領域と現像装置14との電位差により感光ドラム11上に現像剤のキャリアが付着してしまう。このため、感光ドラム11上の除電された領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(j)と現像電圧解除のタイミングとは同期していなければならない。
【0071】
しかしながら、上述のように高電圧の立ち下がり勾配の関係上、感光ドラム11上の後露光を行った領域と現像装置14の電圧印加を解除し始める領域とを完全に一致させることは困難であるため、キャリアよりもトナーが付着しやすいタイミングで現像電圧を解除する。このときに感光ドラム11上に付着した不良トナー像は、現像装置14の位置から転写ローラ35の位置まで移動する時間が経過した後、タイミング(l)の位置で中間転写ベルト30に転写される。
【0072】
なお、不良トナー像の転写時には転写ローラ35に電圧は印加されていないので、通常の画像形成時のように感光ドラム11上のトナー像のすべてが中間転写ベルト30に転写されるわけではない。感光ドラム11上の不良トナー像は、擦りつけられるようにして一部が中間転写ベルト30に移動し、残りは感光ドラム11上に残留する。この後、中間転写ベルト30上の不良トナー像は中間転写ベルト30とともに回転移動し、クリーニング装置50にて除去される。また、感光ドラム11上に残留した不良トナー像は、感光ドラム11のクリーニング部材(図示せず)により感光ドラム11から除去される。
【0073】
タイミング(h)で露光を終了した画像に対する転写電圧は、画像の搬送方向の長さ分を転写し終えたタイミング(k)で解除する。
【0074】
本実施の形態のように、除電装置を具備しない構成の場合には、転写電圧が印加されている感光ドラム11上の領域に対しては帯電電圧を印加しておく必要がある。このため感光ドラム11上の転写電圧がタイミング(k)で解除されたときの領域が、帯電器12の位置にかかるタイミング(m)で帯電電圧の印加が解除される。
【0075】
また、タイミング(i)にて開始した後露光は、感光ドラム11が1回転するのにかかる時間が経過したタイミング(n)で終了する。以上のようにして感光ドラム11の外周面に対向して配置される帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35への各電圧の印加が解除された後、感光ドラム回転モータが停止される。
【0076】
[例1]
図6は、黒単色画像形成からカラー画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0077】
図6において、LOWは、電圧が印加されていない状態(ON)を示し、HIGHは、電圧が印加されている状態(OFF)を示している。
【0078】
帯電K、帯電C、帯電M、及び帯電Yはそれぞれ帯電器12a、12b、12c、12dの電圧印加状態を示し、露光K、露光C、露光M、及び露光Yはそれぞれスキャナー13a、スキャナー13b、スキャナー13c、及びスキャナー13dの電圧印加状態を示し、現像K、現像C、現像M、及び現像Yはそれぞれ現像装置14a、現像装置14b、現像装置14c、及び現像装置14dの電圧印加状態を示し、転写K、転写C、転写M、及び転写Yはそれぞれ転写ローラ35a、転写ローラ35b、転写ローラ35c、及び転写ローラ35dの電圧印加状態を示す。
【0079】
タイミングチャートの左端では黒単色の画像形成が行われている。この場合には、帯電KはONであり、露光K、現像K、及び転写Kがそれぞれスキャナー13a、現像装置14a、及び転写ローラ35aの配置位置によって決まる時間だけ遅れて順にそれぞれのタイミング(Lk1、Dk1、Tk1)でONになる。その後、画像サイズ分の「露光」が終了した時点(Lk2)で露光KがOFFになり、画像サイズ分の「現像」が終了した時点(Dk2)で現像KがOFFになり、画像サイズ分の「転写」が終了した時点(Tk2)で転写KがOFFになる。
【0080】
この後、カラー画像形成を行う場合には、生産性を落とさずに画像形成を行うために感光ドラム11aは、直前に行われた黒単色画像形成が終了してから所定間隔(紙間)を空けるのみで次の画像形成を開始する必要がある。画像形成装置1は4連ドラム方式のカラー画像形成装置であり、カラー画像を形成する際には4色の画像を重ね合わせなければならない。従って、カラー画像形成における黒画像の書き出し時間が決まると、C、M、Y画像の書き出し時間も決定される。即ち、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分の時間を空けてTk3から黒画像の転写を行う場合に、C、M、Y画像の転写開始時間は、Tk3より各ステーション間の移動時間分ずつ遡った時間Tc、Tm、Tyに一意に定まる。同様に露光についても黒画像の露光開始タイミングLk3が決まることで、C、M、Yに関しての露光開始時間Lc、Lm、Lyが一意に定まる。
【0081】
ここで、図の現像Y、M、C、及びKのONタイミングであるDy2、Dm2、Dc2、及びDk3は、実際に現像動作が行われている時間、即ち現像剤(トナー)の供給状況を示しており、現像バイアスのONタイミングはDy1、Dm1、Dc1によって示す。図示したものは、現像バイアスをaの位置でONにした場合のタイミングチャートである。
【0082】
上述したように現像バイアスをONにした場合、感光ドラム11のうち現像装置14と対向する部分に不良トナー像が形成されることになる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写体30上に転写され、感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcである。この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるため不良トナー像の影響を受けることはない。この不良トナー像は、記録材Pに転写されることなくクリーニング装置50にて中間転写ベルト30上から除去される。
【0083】
このように、現像バイアスのONによって感光ドラム11d上に発生した不良トナー像を黒画像同士の紙間に収めるためには、図中のaからbの間で現像バイアスをONする必要がある。ここでaはTk2から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。同様にbはTk3から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。しかし、bの位置ではDy2の現像動作に間に合わないので、実際にはaからDy2の間でマージンをもって現像バイアスON時間Dy1を決定する。現像M、Cに関しても同様に、現像バイアスON時に発生する不良トナー像の転写が、黒画像の紙間に収まるようなタイミングで現像バイアスON時間Dm1、Dc1を決定する。
【0084】
さらに上述したように、帯電領域が現像装置14の位置にかかるタイミングと現像装置14の電圧印加タイミングとは同期させる必要があるので、帯電電圧のONタイミングEy、Em、Ecは現像バイアスのONタイミングDy1、Dm1、De1から、帯電器12と現像装置14との間の距離によって決まる時間だけ早いタイミングとして一意に決定される。
【0085】
以上のようにして帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35の電圧をONにするタイミングが決定される。黒単色画像形成に続いてカラー画像を作成する場合には、上記のタイミングで各電圧をONにすることにより、現像バイアスがONであるときに発生する不良トナー像の影響を避けつつ、且つ、色切り替えによる生産性の低下を招かずに画像形成が可能である。
【0086】
[例2]
図7は、カラー画像形成から黒単色画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0087】
例1と同様に、感光ドラム11aはブラック(K)の画像を形成するための感光ドラムであり、感光ドラム11bはシアン(C)の画像、感光ドラム11cはマゼンタ(M)の画像、感光ドラム11dはイエロー(Y)の画像をそれぞれ形成するための感光ドラムである。また、帯電K、C、M、Yや露光K、C、M、Yや現像K、C、M、Yや転写K、C、M、Yも例1と同様である。図においてLOWは電圧が印加されていない状態(OFF)を示し、HIGHは電圧が印加されている状態(ON)を示している。
【0088】
図6の例とは異なり、タイミングチャートの左端ではカラー画像形成が行われている。この場合には、帯電Y、M、C、KのいずれもがONであり、スキャナー13a、13b、13c、13dや現像装置14a、14b、14c、14dや転写ローラ35a、35b、35c、35dはそれぞれの配設位置によって決まる時間だけ遅れて順にONになる。すなわち、図示したように露光Y、現像Y、及び転写YはそれぞれLy1、Dy1、Ty1でONになり、露光M、現像M、及び転写MはそれぞれLm1、Dm1、Tm1でONになり、露光C、現像C、及び転写CはそれぞれLc1、Dc1、Tc1でONになり、露光K、現像K、及び転写KはそれぞれLk1、Dk1、Tk1でONになる。その後、感光ドラム11に対して画像サイズ分の露光が終了した時点で各スキャナー13が順にLy2、Lm2、Lc2、Lk2のタイミングでOFFになり、画像サイズ分の現像が終了した時点で各現像装置14が順にDy2、Dm2、Dc2、Dk2のタイミングでOFFになり、画像サイズ分の転写が終了した時点で各転写ローラ35電圧が順にTy2、Tm2、Tc2、Tk2のタイミングでOFFになる。
【0089】
この後、黒単色画像形成を行う場合に、生産性を落とさずに画像形成を行うためには感光ドラム11aについては、カラー画像形成における前の黒色画像の終了から所定間隔(紙間)分を空けるのみで次の画像形成を開始する必要がある。即ち、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分だけ空けてTk3から黒単色画像の転写を行うための黒単色画像の現像開始タイミングDk3及び露光開始タイミングLk3は一意に定まる。
【0090】
一方、感光ドラム11b、11c、11dについては、黒単色画像形成には不要なので、それらの感光ドラムの寿命を延ばす方策として各感光ドラムに印加する電圧をOFFにする。図7には現像バイアスをaの位置でOFFにした場合のタイミングチャートが示されている。
【0091】
上述したように現像バイアスをOFFにした場合には、感光ドラム11のうち現像装置14と対向する部分に不良トナー像が形成されることになる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写ベルト30上に転写されて感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcである。この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるので不良トナー像の影響を受けることはない(d)。不良トナー像は、記録材Pに2次転写されることなくクリーニング装置50にて中間転写ベルト30から除去される。このように、現像バイアスのOFFによって感光ドラム11d上に発生した不良トナー像を黒単色画像の紙間に収めるためには、図中のaからbの間で現像バイアスをOFFにする必要がある。ここでaはTk2から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。
【0092】
同様にbはTk3から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。従って現像Yに関しては、aからbの間でマージンをもって現像バイアスをOFFにするタイミングDy3を決定する。現像M、Cに関しても同様に、現像バイアスをOFFにすることに起因して発生する不良トナー像の転写が、黒単色画像の紙間に収まるようなタイミングで現像バイアスをOFFにするタイミングDm3、Dc3を決定する。
【0093】
さらに上述したように、後露光によって除電した感光ドラム11上の領域が現像装置14の位置にかかるタイミングと現像電圧解除のタイミングとは同期させる必要があるので、露光装置13のONタイミングLy3、Lm3、Lc8は現像バイアスのONタイミングDy3、Dm3、Dc3から、露光装置13と現像装置14との間の距離によって決まる時間だけ早いタイミングとして一意に決定される。
【0094】
以上のようにして帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35の電圧OFFタイミングが決定される。カラー画像形成に続いて黒単色画像を作成する場合には、上記のタイミングで各電圧をOFFにすることにより、現像バイアスOFF時に発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止できるとともに色切り替え時の生産性を維持できる。
【0095】
上述の例1、2においては、感光ドラム上に形成したトナー像を転写する対象を中間転写ベルトとして、中間転写ベルトにトナー像を転写する際に正常画像と不良トナー像とが重ならないようにタイミングを制御したが、中間転写ベルトを用いずに搬送ベルト上の記録材に感光ドラム上のトナー像を直接に転写するような構成の画像形成装置であっても同様の効果が得られる。即ち、正常画像は搬送ベルト上の記録材に転写されるようにし、不良トナー像は、搬送ベルトのうち記録材が載置されてない部分(紙間)に転写されるように現像バイアスのOFF/ONタイミングを制御すれば良い。
【0096】
例1、2においては、感光ドラムの表面電位を除電するために露光装置を用いており、除電装置を備えない構成であるとしたが、転写装置と帯電器との間に配設した除電装置によって感光ドラムの表面電位を除電する画像形成装置であっても本発明を実施することができる。この場合、カラー画像の現像バイアスの立ち上げに関しては上記の例と同様の処理で良い。また、カラー画像の現像バイアスの立ち下げについては、上記の例において現像バイアスのOFFと後露光のONとのタイミングを適宜に定める必要があったのに対し、現像バイアスのOFFと帯電器のOFFとのタイミングを適宜に定める必要がある。また、現像バイアスのOFFタイミングの制御に関しては上記の例の場合と同様である。
【0097】
例1及び2においては、連続して画像形成される黒単色画像の画像サイズとカラー画像の画像サイズとが同一サイズであるものとしてタイミングチャートを作成したが、画像サイズが同一サイズでない場合や画像形成の間隔(紙間)が一定でない場合についても、同様にして現像バイアスのOFF/ONタイミングを制御することにより、同様に処理することができる。
【0098】
上述したように、本発明にの実施の形態に係る画像形成装置によれば、現像バイアスの印加や解除によって発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止する処理をサイズ、コストのアップなしに実現し、かつ色切り替え時の生産性を維持できる。
【0099】
本発明は、図6及び図7に示したタイミングチャートを参照しながら説明した手順を実行するプログラムをコンピュータ又はCPUに供給し、そのコンピュータ又はCPUが該供給されたプログラムを読出して実行することによって、達成することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す現像手段に電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、第1の像担持体の表面と現像手段との電位差に起因して第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す転写手段によって被転写材に逐次に転写される転写像間の所定位置に転写されるように、電圧制御手段は現像手段と転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御するので、不要な現像剤による不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止できる。カラー画像及び黒単色画像の相互の画像形成の切り替えを行う場合において生産性を落とすことなく良好な画像形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】図1の画像形成装置1を制御する制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】感光ドラムの周辺部の概略図である。
【図4】図1における感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】黒単色画像形成からカラー画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】カラー画像形成から黒単色画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11a,11b,11c,11d 感光ドラム
12a,12b,12c,12d ローラ帯電器
13a,13b,13c,13d スキャナー
14a,14b,14c,14d 現像装置
30 中間転写ベルト
35a,35b,35c,35d 1次転写ローラ
36 2次転写ローラ
40 定着ユニット
130 電圧制御部
P 記録材
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真を利用して画像形成を行う複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真を利用した画像形成装置では、一般に、静電潜像上にトナーを保持する感光体(像担持体)を備えている。この像担持体は電荷発生層と電荷輸送層とから構成された感光層を有する金属ドラム或いは金属ベルトである。このような像担持体は、プリント開始を示す信号に基づいて、一定方向に駆動される。その後、帯電装置(コロナ帯電器、帯電ローラ、磁性粒子などを担持した像担持体)が像担持体にバイアスを印加して、像担持体表面を一定の電位まで帯電し、あるいは、像担持体表面に電荷注入を行う。
【0003】
続いて、コントローラからの信号に基づいてON/OFF制御されるレーザ光或いはLED光を像担持体表面に照射(露光)する。この光照射を受けた箇所は電位が低下し、これによって像担持体表面に静電潜像が形成される。像担持体表面に対向する位置には静電潜像を現像するための現像装置が配置されている。現像装置には、2成分現像剤が充填されている。この2成分現像剤は、磁性粉であるキャリアと非磁性もしくはキャリアの磁性より弱い磁性を有するトナーとが一定の割合で混合された2成分現像剤が充填されたものである。現像装置はこの現像剤を搬送するために、所定方向に回転する現像スリーブを備えている。現像装置に一定のバイアス(現像バイアス)を印加することによって所定の電荷がトナーに付与され、その後にトナーは回転する現像スリーブによって搬送され、像担持体上の静電潜像に静電吸着されて担持される。これにより、静電潜像がトナー像として可視化(現像)する。
【0004】
像担持体に隣接して、像担持体の回転速度と同速度で順方向に回転する転写ローラや転写ベルト等の転写体が配置されている。この転写体に像担持体上のトナーの極性とは逆極性のバイアスを印加するとともに、この転写体と像担持体との間に転写材を通過させることにより、像担持体上に担持されたトナーが転写材上に移動する。この後、新たな画像形成のために像担持体は除電装置によって像担持体表面を除電される。以上が画像形成動作の流れである。
【0005】
ここで、現像装置に現像バイアスを印加する場合には、現像スリーブを回転させる以前に印加を行っても、バイアス印加を開始した時点で像担持体と現像装置との間に電位差が発生するので、現像装置出口付近のトナーが像担持体表面に引き寄せられる。一方、印加している現像バイアスを解除する場合には、除電装置によって除電された像担持体の領域が現像装置の前を通過するタイミングで、現像装置に印加しているバイアスを解除する必要がある。しかしながら、現像バイアスがなだらかに降下する場合などでは、像担持体と現像装置との間の電位差を完全になくすことは困難である。この場合、像担持体の電位が低いときには現像装置内のトナーが像担持体に付着し、現像装置の電位が高いときには(2成分現像剤に含まれる)キャリアが像担持体に付着することになる。このキャリアの付着は像担持体や転写体を傷つける原因になるため、通常はキャリアよりもトナーが付着しやすいように設定して、現像装置の現像バイアスを解除させる。
【0006】
上述の理由により、現像装置への現像バイアスの印加時および解除時には、像担持体上に少量ではあるが、汚れ等の原因になって不良の画像を齎すトナー(不良トナー像)が残ってしまっていた。しかし、一般的には、現像バイアスを印加および解除するのは画像形成の開始前処理もしくは終了時の後処理のみであるので、像担持体上の不良トナー像が画像形成の妨げにはなることは無く、像担持体表面をクリーニング処理することによって像担持体上の不良トナー像を除去していた。
【0007】
ところが、一般に、カラー画像形成装置で使用する像担持体や現像剤は、黒単色の画像形成装置で使用するものに比べて寿命が短いので、寿命対策としてカラー画像形成装置においては画像形成に不要な電圧を像担持体に極力に印加しないことが望ましい。従って、例えば、全色(カラー)画像の形成を行っている状態から黒単色画像の形成を行う場合には、黒単色画像の形成に必要なバイアスは印加しつつ、その他のカラー画像を形成するためのバイアスは解除することが必要である。また、黒単色画像の形成を行っている状態から全色画像の形成を開始する場合には、黒単色画像の形成中に他のカラー画像の形成に必要なバイアスの印加を開始する必要がある。このように画像形成動作中に現像装置のバイアスを印加したり、解除したりする場合には、現像バイアスの印加や解除によって発生した不良トナー像が実行中の画像形成もしくは予定した画像形成に悪影響を及ぼすことがある。
【0008】
そこで、このような不具合を解決するための典型的な従来技術が、特開平6−258914号公報および特開平10−198121号公報等で示されている。これらの従来技術では、黒単色画像の形成時には、上記転写体を画像形成に関与しない像担持体から離間させることで、不必要な色のトナーの混入を防止するとともに、転写体と像担持体との接触に伴う両者の損耗が回避されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、転写体と像担持体を離間させるためには、そのための機構が必要となりコスト、サイズ的に不利になるという問題がある。また、黒単色画像の形成を行っている状態から全色画像の形成を開始する場合に、離間した転写体と像担持体とを再度接触させる必要があるが、この際の衝突ショックを避けるための機構もしくは制御も必要となる。
【0010】
一方で離間を行わない場合に、発生した不良トナー像を大きく避けて画像形成を行ったり、画像形成途中でクリーニングを行ったりしていたのでは、色切り替えが頻繁に発生するような場合には、画像形成の生産性が極端に低下するという問題点がある。
【0011】
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであって、現像バイアスの印加や解除によって発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止する処理をサイズ、コストのアップなしに実現し、かつ色切り替え時の生産性を維持できる画像形成装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記第2の像担持体は黒画像を形成するための黒画像像担持体であり、前記第1の像担持体は、前記黒画像以外のカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であることを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の画像形成装置は、請求項2記載の画像形成装置において、前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、黒画像形成動作に続けてこれらのカラー画像形成動作を行う場合に、黒画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段に電圧印加を開始し、当該現像手段に電圧印加を開始する際には前記3つのカラー画像像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記カラー画像像担持体と組を成す前記現像手段に電圧を印加するタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1記載の画像形成装置において、前記電圧制御手段は、前記第1の像担持体と組を成す現像手段に電圧の印加を開始してから、前記第1の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第1の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第2の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第1の像担持体と組を成す前記現像手段に対する電圧印加の開始のタイミングを制御することを特徴とする。
【0016】
上記目的を達成するため、請求項5記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、 現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記第3の像担持体はカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であり、前記第3の像担持体以外の像担持体は黒画像を形成するための黒画像担持体であることを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の画像形成装置は、請求項6記載の画像形成装置において、前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、カラー画像形成動作に続けて黒画像形成動作を行う場合に、カラー画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段の電圧印加を解除し、当該現像手段の電圧印加を解除する際には前記3つのカラー画像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記3つのカラー画像担持体のそれぞれと組を成す前記現像手段に印加している電圧のタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の画像形成装置は、請求項5記載の画像形成装置において、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す現像手段に印加している電圧を解除してから、前記第3の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第3の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第3の像担持体以外の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0020】
上記目的を達成するため、請求項9記載の画像形成装置は、複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御し、現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態に係る画像形成装置を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【0023】
図1には画像形成装置の例として電子写真方式のカラー画像形成装置が図示されている。
【0024】
電子写真方式のカラー画像形成装置1(以下、画像形成装置1)は、大別して画像形成部、給紙部、中間転写部、搬送部、定着ユニット、操作部、及び制御部から構成される。
【0025】
これらのうち画像形成部を構成する装置や部品には10番台の符号を付す。さらに、画像形成部は4つの同様なステーションから成るので、同一ステーションに属するものには上記10番台の符号の後に、ステーションごとに共通する符号a、b、c、dのいずれかを付す。符号aを付したステーションがブラック(K)の画像を形成し、符号bを付したステーションがシアン(C)の画像を形成し、符号cを付したステーションがマゼンタ(M)の画像を形成し、符号dを付したステーションがイエロー(Y)の画像を形成する。
【0026】
画像形成部は、像担持体としての感光ドラム11a、11b、11c、11dを有しており、それぞれが中心軸で軸支されている。これら感光ドラム11a〜11dは駆動モータ(図示せず)によって矢印方向に回転駆動する。感光ドラム11a〜11dの周囲には感光ドラム11a〜11dの外周面に対向して感光ドラム11a〜11dの回転方向に沿って順にローラ帯電器12a、12b、12c、12d(帯電手段)とスキャナー13a、13b、13c、13dと現像装置14a、14b、14c、14d(現像手段)とが配置されている。
【0027】
ローラ帯電器12a〜12dは、感光ドラム11a〜11dの表面に電荷を与えて均一に帯電させる。スキャナー13a〜13dは、例えばレーザービームなどの光線を感光ドラム11a〜11dの表面に照射して露光する露光装置であり、帯電した感光ドラム11a〜11dの表面に記録画像信号に応じて変調した光線を露光することによって静電潜像を形成する。
【0028】
現像装置14aはブラック(K)の現像剤(トナー)を収容しており、トナーを感光ドラム11aに供給することによって静電潜像をトナー像にして顕像化する。同様に現像装置14b〜14dはこの順にシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の現像剤(トナー)を収容しており、これらは同一ステーションを構成する感光ドラム11b〜11d(カラー画像像担持体)にトナーを供給することによって静電潜像をトナー像にして顕像化する。このトナー像を画像形成部の下方に配設した中間転写ベルト30(被転写材)に順次に転写(1次転写)することにより、各色のトナーによる画像形成が順次に行われる。
【0029】
給紙部は記録材P(被転写材)を収納する収納部と、記録材Pを搬送するためのローラと、記録材Pの通過を検知するためのセンサと、記録材Pの有無を検知するためのセンサと、記録材Pを搬送路に沿って搬送させるためのガイド部材(不図示)等から構成される。これらには主として20番台及び60番台の符号を付して給紙部を構成するものであることを明示する。なお、記録材PはPPC用紙、OHP用紙等である。
【0030】
収納部としては、カセット21a、21b、21c、21dと手差しトレイ27とデッキ28とが設けられており、それぞれが記録材Pを収納できる。各カセット21a〜21dの先端部(記録部材Pの送出方向端部)の上方には、給紙カセット21a〜21dに収納された記録材Pを1枚ずつ送り出すためのピックアップローラ22a、22b、22c、22dが配設されている。
【0031】
ピックアップローラ22a〜22dによって記録材Pを送り出す際に、複数枚の記録材Pが送り出されてしまうことがある。このため、記録材Pを1枚だけ確実に分離するためのBCローラ23a、23b、23c、23dがピックアップローラ22a〜22dよりも記録材Pの搬送方向下流の位置に配設されている。BCローラ23a〜23dは、それぞれ2つのローラを一対にしたものである。BCローラ23a〜23dによって1枚だけ分離された記録材Pは、BCローラ23a〜23dよりも搬送方向下流に順に配置された引き抜きローラ24a〜24d、レジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。
【0032】
手差しトレイ27に収納された記録材Pは、BCローラ29によって1枚ずつ分離されてから、レジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。また、デッキ28に収納された記録材Pは、ピックアップローラ60によって給紙ローラ61まで複数枚が搬送され、給紙ローラ61によって1枚だけが確実に分離されて引き抜きローラ62まで搬送される。さらに記録材Pはレジ前ローラ26によってレジストローラ25まで搬送される。
【0033】
中間転写部は、感光ドラム11b〜11dに形成されたトナー像を1次転写するための中間転写ベルト30を備えている。この中間転写ベルト30の材料は、例えば、PET(polyethlene terephthalate:ポリエチレンテレフタレート)やPVdF(polyvinylidene fluoride:ポリフッ化ビニリデン)などである。中間転写ベルト30は駆動ローラ32、テンションローラ33、及び従動ローラ34に掛け渡されている。駆動ローラ32はステッピングモー夕(不図示)によって回転駆動され、これによって中間転写ベルト30が駆動する。この駆動ローラ32は、金属ローラの表面にウレタンまたはクロロプレンなどのゴムを数mm厚にコーティングしたものである。このゴムにより、中間転写ベルト30を駆動する際に駆動ローラ32がスリップすることを防止できる。
【0034】
テンションローラ33は、ばね(不図示)の付勢力によって中間転写ベルト30に適度な張力を与えている。中間転写ベルト30を挟んで、従動ローラ34に対向する位置には2次転写ローラ36(転写手段)が配置されている。この2次転写ローラ36は中間転写ベルト30とのニップによって2次転写領域を形成する。中間転写ベルト30に1次転写されたトナー像はこの2次転写領域で記録材Pに転写(2次転写)される。2次転写ローラ36は中間転写ベルト30に対して適度な押圧力で加圧されているとともに、2次転写の際には高電圧が印加される。
【0035】
また、中間転写ベルト30の回転に沿った位置であって2次転写領域よりも回転方向下流の位置には、中間転写ベルト30の画像形成面をクリーニングするためのクリーニング装置50が配設されている。このクリーニング装置50は、中間転写ベルト30のうちトナー像が1次転写される面に付着して残留している不要なトナーを掻き落とすためのクリーナーブレード51および掻き落としたトナー(廃トナー)を収納するための廃トナーボックス52を備えている。なお、クリーナーブレード51にはポリウレタンゴムなどが用いられる。
【0036】
中間転写ベルト30を挟んで各感光ドラム11a〜11dと対向する位置には、トナー像を中間転写ベルト30に転写するための1次転写ローラ35a〜35d(転写手段)が配置されている。この1次転写ローラ35a〜35dには1次転写の際に高電圧が印加される。
【0037】
記録材Pの搬送方向で2次転写ローラ36よりも下流には、2次転写された記録材P上のトナー像を記録材Pに定着せるための定着ユニット40が配設されている。この定着ユニット40は搬送されてくる記録材Pの上方に配置された第1のユニットと下方に配置された第2のユニットとの2つのユニットから構成されている。第1のユニットは、ハロゲンヒーターなどの熱源を内蔵した定着ローラ41aと後述する内排紙センサ68とを備えている。第2のユニットは、上記の定着ローラ41aと対を成し、定着ローラ41aに向かって記録材Pを加圧する加圧ローラ41b、及びこの加圧ローラ41bと定着ローラ41aとのローラ対から排出されてきた記録材Pを搬送する内排紙ローラ44を備えている。なお、加圧ローラ41bは熱源を内蔵しても良い。定着ユニット40よりも搬送方向下流には、画像が定着した記録材Pの搬送先を切り替えるための切り替えフラッパー73が配設されている。
【0038】
上述のように、給紙部からレジストローラ25まで記録材Pが搬送されて来ると、レジストローラ25及び当該レジストローラ25よりも搬送方向上流に有るローラの回転駆動が止まって、記録材Pの搬送が一旦停止する。その後、画像形成部の画像形成タイミングに合わせてレジストローラ25及び上記搬送方向上流のローラが回転駆動を再開する。これにより、記録材Pは上述の2次転写領域へ送り出される。2次転写領域で記録材Pに2次転写された画像は、定着ユニット40によって記録材Pに定着させられる。その後、記録材Pは内排紙ローラ44を通過して、切り替えフラッパー73によって定められた搬送先に向けて搬送される。
【0039】
切り替えフラッパー73がフェイスアップ排紙側にある場合には、記録材Pは外排紙ローラ45によってフェイスアップ排紙トレイ2に排出される。一方、切り替えフラッパー73がフェイスダウン排紙側にある場合には、記録材Pは反転ローラ72a、72b、72cが配設された搬送路に搬送され、フェイスダウン排紙トレイ3に排出される。
【0040】
また、記録材Pの両面に画像を形成する場合には、先ず、フェイスダウン排紙トレイ3に向かう搬送路へ記録材Pを搬送して、記録材Pの後端が反転位置Rに到達したところで搬送を停止する。次に、定着ユニット40よりも下方にある、両面ローラ74a〜74dが配設された搬送路へ記録材Pを搬送するように反転ローラ72a、72b、72cの回転方向を逆転させる。これにより、記録材Pは両面ローラ74a〜74dを配設した搬送路を通った後に、カセット21a〜21dに収容された記録材Pを搬送する場合と同じ搬送路を通って画像形成部に搬送される。これによって、2次転写領域まで進んだ記録材Pは既に画像が形成された面の裏面にトナー像が2次転写される。
【0041】
なお、記録材Pの搬送路には、記録材Pの通過を検知するために複数のセンサが配置されている。これらは、給紙リトライセンサ64a、64b、64c、64d、デッキ給紙センサ65、デッキ引抜きセンサ66、レジストセンサ67、内排紙センサ68、フェイスダウン排紙センサ69、両面プレレジセンサ70、両面再給紙センサ71等である。また、記録材Pを収納するカセット21a〜21dには、カセット内の記録材Pの有無を検知するカセット紙有無センサ63a、63b、63c、63dが配置され、手差しトレイ27には手差しトレイ27上の記録材Pの有無を検知する手差しトレイ紙有無センサ76が配設され、デッキ28にはデッキ28内の記録材Pの有無を検知するデッキ紙有無センサ75が配設されている。
【0042】
操作部4は、画像形成装置1の上面部に配置されており、ユーザはこの操作部4を操作して、記録材Pの収納された給紙部(給紙カセット21a〜21d、手差しトレイ27、デッキ28)の選択、排紙トレイ(フェイスアップトレイ2、フェイスダウントレイ3)の選択、タブ紙束の指定等をすることができる。
【0043】
図2は、図1の画像形成装置1を制御する制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【0044】
制御ユニット100は、画像形成装置1の全体を制御するCPU110と、不図示の画像リーダ装置やCPU110との間で画像の受信タイミングを制御するための画像制御部120と、帯電器12、スキャナー(露光装置)13、現像装置14、及び転写ローラ35への電圧の印加や解除を制御するための電圧制御部130(電圧制御手段)と、画像形成装置1内の各モータを制御するための駆動制御部140とを備えている。
【0045】
次に装置の動作を説明する。
【0046】
一例として、カセット21aから記録材Pを搬送して画像を形成する場合を説明する。
【0047】
画像形成動作開始信号が発せられてから所定時間が経過すると、先ずピックアップローラ22aがカセット21aから記録材Pを1枚ずつ送り出す。次に、給紙口ーラ23aによって引き出された記録材Pは引き抜きローラ24a及びレジ前ローラ26を経由して、レジストローラ25まで搬送される。この時点ではレジストローラ25は停止している。レジストローラ25は搬送されてくる記録材Pを挟むように配置された一対のローラからなり、記録材Pの先端はこのレジストローラ25のニップ部に突き当たる。その後、画像形成部が画像形成を開始するタイミングに合わせて、レジストローラ25が回転を始めて、記録材Pの搬送を再開する。この搬送再開の時期は、画像形成部で中間転写ベルト30上に1次転写されたトナー像と記録材Pとの相互位置関係が2次転写領域において最適となるようなタイミングに設定されている。
【0048】
一方、画像形成部では、画像形成動作開始信号が発せられると、上述したプロセスにより中間転写ベルト30の回転方向の最上流に配設された感光ドラム1ld上に形成された所定の色のトナー像が、高電圧を印加した転写ローラ35dによって1次転写領域において中間転写ベルト30に1次転写される。中間転写ベルト30に1次転写されたトナー像は、感光ドラム1ldの下流に配置された画像形成部の感光ドラム1lcの下方の1次転写領域まで搬送される。感光ドラム1lc上には感光ドラム1ld上に形成された画像の色とは異なる色の画像が形成されており、この異なる色の画像がさらに中間転写ベルト30上に1次転写される。このようにして上流の画像形成部で中間転写ベルト30に1次転写された前画像の上から新たな画像が中間転写ベルト30に1次転写される。このようにして、上流の画像形成部から下流の画像形成部までが中間転写ベルト30に画像の1次転写を行う。
【0049】
このようにして、4色のトナー像が中間転写ベルト30上に1次転写される。各画像形成部では、上流の画像形成部で1次転写されたトナー像が搬送されて来るまでの時間だけ遅延して画像形成が行われており、前画像の上に画像先端を合わせて次のトナー像が転写されることになる。
【0050】
その後、記録材Pが2次転写領域に進入して中間転写ベルト30に接触すると、記録材Pの通過タイミングに合わせて2次転写ローラ36に高電圧が印加される。記録材Pは押圧ローラ34と2次転写ローラ36とに挟まれており、これによって中間転写ベルト30上に形成された4色のトナー像が記録材Pの表面に転写される。
【0051】
その後、記録材Pは定着ローラ41aと加圧ローラ41bとのニップ部まで搬送される。そしてローラ対41a,41bの熱及びニップ圧力によってトナー像が記録材Pの表面に定着する。その後、記録材Pは、切り替えフラッパー73の切り替え方向に従って、フェイスアップ排紙トレイ2またはフェイスダウントレイ3に排出される。
【0052】
次に感光ドラム11a,11b,11c,11dの外周面に対向して配置された帯電器12a,12b,12c,12d、スキヤナー(露光装置)13a,13b,13c,13d、現像装置14a,14b,14c,14d、1次転写ローラ35a,35b,35c,35dへの電圧の印加およびその解除のタイミングについて説明する。なお、これらは各ステーションの何れもが同様に説明できるので、以下ではそれぞれを感光ドラム11、帯電器12、スキヤナー13、現像装置14、1次転写ローラ35と記す。
【0053】
図3は感光ドラムの周辺部の概略図である。
【0054】
図2に示した制御CPU110が駆動制御部140を介して、感光ドラム11を矢印A方向に所定の速度で回転制御するとともに、電圧制御部130を制御して帯電器12、スキャナー(露光装置)13、現像装置14、並びに転写ローラ35への電圧の印加及び解除を制御する。
【0055】
以下、図4および図5に示した動作タイムチャートを用いて、各装置への高圧印加のタイミング制御について説明する。
【0056】
図4は、図1における感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【0057】
図4においてLOWは、電圧が印加されていない状態(OFF)を示し、HIGHは、電圧が印加されている状態(ON)を示す。
【0058】
先ず、不図示の感光ドラム回転モータにより感光ドラム11が回転している状態において、タイミング(a)で帯電器12に電圧が印加されて、感光ドラム11の表面に均一な所定電位の帯電を開始する。
【0059】
次に感光ドラム11上の帯電した領域(帯電領域)が現像装置14の位置にかかるタイミング(b)において、現像装置14に電圧が印加される。このタイミング(b)で現像装置14に電圧が印加される。このタイミングで印加されない場合には、帯電領域と現像装置14との電位差に起因して感光ドラム11上に現像剤のキャリアが付着してしまうため、帯電領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(b)と現像装置14の電圧印加タイミングとは同期していなければならない。
【0060】
しかしながら、高電圧の立ち上がり勾配の関係上、帯電器12によって感光ドラム11上に帯電を開始した領域と現像装置14の電圧印加を開始するときの感光ドラム11上の領域とを完全に一致させることは困難であるため、キャリアよりもトナーが感光ドラム11に付着しやすいタイミングで現像装置14の電圧を印加する。このときに感光ドラム11上に付着した不要なトナーは、汚れ等の原因になって不良の画像を齎すトナー(不良トナー像)である。
【0061】
この不良トナー像は、現像装置14の位置から転写ローラ35の位置まで移動する時間が経過した後に、タイミング(c)で中間転写ベルト30に転写される。なお、不良トナー像の転写時には転写ローラ35への電圧は印加されていないため、通常の画像形成時のように感光ドラム11上のトナー像の全てが中間転写ベルト30に転写されるわけではない。感光ドラム11上の不良トナー像は、擦りつけられるようにして一部が中間転写ベルト30に転写され、残りは感光ドラム11上に残留する。この後、中間転写ベルト30上の不良トナー像は中間転写ベルト30とともに回転移動して、クリーニング装置50にて除去される。
【0062】
一方、感光ドラム11上に残留した不良トナー像は感光ドラム11のクリーニング部材(図示せず)により感光ドラム11から除去される。
【0063】
(d)は、帯電器12によって感光ドラム11に電圧印加が開始されてから感光ドラム11が1回転するのに要する時間が経過した時点である。この時点で感光ドラム11の表面は所定電位に均一に帯電されているので、画像形成が可能な状態となっている。
【0064】
その後、タイミング(e)で感光ドラム11の表面にはスキャナー13によるレーザ露光が開始される。この露光により形成された静電潜像は、現像装置14によってトナー像として可視化さる。
【0065】
このトナー像が転写ローラ35の位置を通過するタイミング(f)で、転写ローラ35に転写電圧を印加することによって感光ドラム11上のトナー像を中間転写ベルト30に1次転写する。レーザ露光は画像の搬送方向の長さ分を露光した時点(g)で停止する。また、図示を省略したが、転写電圧は画像の搬送方向の長さ分の転写が終了した時点で解除する。
【0066】
図5は、感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【0067】
このタイミングチャートの左端は画像形成を行っている状態であり、タイミング(h)で露光装置13が感光ドラム11に対して画像の搬送方向の長さ分の露光を終了する。
【0068】
この露光ですべての画像形成が終了する場合には、タイミング(i)で感光ドラム11の全面に対する露光を開始する。本実施の形態においては、感光ドラム11の表面電位を除電するための除電装置を備えておらず、感光ドラム11の表面電位の除電は露光装置13を用いて感光ドラム11の全面を露光すること(後露光)により行う。
【0069】
次に感光ドラム11上の除電された領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(j)において、現像装置14の電圧印加が解除される。このタイミング(j)で現像装置14の電圧印加が解除されない場合には、後露光された感光ドラム11上の全面を現像装置14が現像してしまうので、感光ドラム11の全面にトナーが塗布されることになる。
【0070】
また、タイミング(j)よりも早く現像装置14の電圧印加を解除した場合には、感光ドラム11上の除電されていない領域と現像装置14との電位差により感光ドラム11上に現像剤のキャリアが付着してしまう。このため、感光ドラム11上の除電された領域が現像装置14の位置にかかるタイミング(j)と現像電圧解除のタイミングとは同期していなければならない。
【0071】
しかしながら、上述のように高電圧の立ち下がり勾配の関係上、感光ドラム11上の後露光を行った領域と現像装置14の電圧印加を解除し始める領域とを完全に一致させることは困難であるため、キャリアよりもトナーが付着しやすいタイミングで現像電圧を解除する。このときに感光ドラム11上に付着した不良トナー像は、現像装置14の位置から転写ローラ35の位置まで移動する時間が経過した後、タイミング(l)の位置で中間転写ベルト30に転写される。
【0072】
なお、不良トナー像の転写時には転写ローラ35に電圧は印加されていないので、通常の画像形成時のように感光ドラム11上のトナー像のすべてが中間転写ベルト30に転写されるわけではない。感光ドラム11上の不良トナー像は、擦りつけられるようにして一部が中間転写ベルト30に移動し、残りは感光ドラム11上に残留する。この後、中間転写ベルト30上の不良トナー像は中間転写ベルト30とともに回転移動し、クリーニング装置50にて除去される。また、感光ドラム11上に残留した不良トナー像は、感光ドラム11のクリーニング部材(図示せず)により感光ドラム11から除去される。
【0073】
タイミング(h)で露光を終了した画像に対する転写電圧は、画像の搬送方向の長さ分を転写し終えたタイミング(k)で解除する。
【0074】
本実施の形態のように、除電装置を具備しない構成の場合には、転写電圧が印加されている感光ドラム11上の領域に対しては帯電電圧を印加しておく必要がある。このため感光ドラム11上の転写電圧がタイミング(k)で解除されたときの領域が、帯電器12の位置にかかるタイミング(m)で帯電電圧の印加が解除される。
【0075】
また、タイミング(i)にて開始した後露光は、感光ドラム11が1回転するのにかかる時間が経過したタイミング(n)で終了する。以上のようにして感光ドラム11の外周面に対向して配置される帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35への各電圧の印加が解除された後、感光ドラム回転モータが停止される。
【0076】
[例1]
図6は、黒単色画像形成からカラー画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0077】
図6において、LOWは、電圧が印加されていない状態(ON)を示し、HIGHは、電圧が印加されている状態(OFF)を示している。
【0078】
帯電K、帯電C、帯電M、及び帯電Yはそれぞれ帯電器12a、12b、12c、12dの電圧印加状態を示し、露光K、露光C、露光M、及び露光Yはそれぞれスキャナー13a、スキャナー13b、スキャナー13c、及びスキャナー13dの電圧印加状態を示し、現像K、現像C、現像M、及び現像Yはそれぞれ現像装置14a、現像装置14b、現像装置14c、及び現像装置14dの電圧印加状態を示し、転写K、転写C、転写M、及び転写Yはそれぞれ転写ローラ35a、転写ローラ35b、転写ローラ35c、及び転写ローラ35dの電圧印加状態を示す。
【0079】
タイミングチャートの左端では黒単色の画像形成が行われている。この場合には、帯電KはONであり、露光K、現像K、及び転写Kがそれぞれスキャナー13a、現像装置14a、及び転写ローラ35aの配置位置によって決まる時間だけ遅れて順にそれぞれのタイミング(Lk1、Dk1、Tk1)でONになる。その後、画像サイズ分の「露光」が終了した時点(Lk2)で露光KがOFFになり、画像サイズ分の「現像」が終了した時点(Dk2)で現像KがOFFになり、画像サイズ分の「転写」が終了した時点(Tk2)で転写KがOFFになる。
【0080】
この後、カラー画像形成を行う場合には、生産性を落とさずに画像形成を行うために感光ドラム11aは、直前に行われた黒単色画像形成が終了してから所定間隔(紙間)を空けるのみで次の画像形成を開始する必要がある。画像形成装置1は4連ドラム方式のカラー画像形成装置であり、カラー画像を形成する際には4色の画像を重ね合わせなければならない。従って、カラー画像形成における黒画像の書き出し時間が決まると、C、M、Y画像の書き出し時間も決定される。即ち、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分の時間を空けてTk3から黒画像の転写を行う場合に、C、M、Y画像の転写開始時間は、Tk3より各ステーション間の移動時間分ずつ遡った時間Tc、Tm、Tyに一意に定まる。同様に露光についても黒画像の露光開始タイミングLk3が決まることで、C、M、Yに関しての露光開始時間Lc、Lm、Lyが一意に定まる。
【0081】
ここで、図の現像Y、M、C、及びKのONタイミングであるDy2、Dm2、Dc2、及びDk3は、実際に現像動作が行われている時間、即ち現像剤(トナー)の供給状況を示しており、現像バイアスのONタイミングはDy1、Dm1、Dc1によって示す。図示したものは、現像バイアスをaの位置でONにした場合のタイミングチャートである。
【0082】
上述したように現像バイアスをONにした場合、感光ドラム11のうち現像装置14と対向する部分に不良トナー像が形成されることになる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写体30上に転写され、感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcである。この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるため不良トナー像の影響を受けることはない。この不良トナー像は、記録材Pに転写されることなくクリーニング装置50にて中間転写ベルト30上から除去される。
【0083】
このように、現像バイアスのONによって感光ドラム11d上に発生した不良トナー像を黒画像同士の紙間に収めるためには、図中のaからbの間で現像バイアスをONする必要がある。ここでaはTk2から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。同様にbはTk3から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。しかし、bの位置ではDy2の現像動作に間に合わないので、実際にはaからDy2の間でマージンをもって現像バイアスON時間Dy1を決定する。現像M、Cに関しても同様に、現像バイアスON時に発生する不良トナー像の転写が、黒画像の紙間に収まるようなタイミングで現像バイアスON時間Dm1、Dc1を決定する。
【0084】
さらに上述したように、帯電領域が現像装置14の位置にかかるタイミングと現像装置14の電圧印加タイミングとは同期させる必要があるので、帯電電圧のONタイミングEy、Em、Ecは現像バイアスのONタイミングDy1、Dm1、De1から、帯電器12と現像装置14との間の距離によって決まる時間だけ早いタイミングとして一意に決定される。
【0085】
以上のようにして帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35の電圧をONにするタイミングが決定される。黒単色画像形成に続いてカラー画像を作成する場合には、上記のタイミングで各電圧をONにすることにより、現像バイアスがONであるときに発生する不良トナー像の影響を避けつつ、且つ、色切り替えによる生産性の低下を招かずに画像形成が可能である。
【0086】
[例2]
図7は、カラー画像形成から黒単色画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【0087】
例1と同様に、感光ドラム11aはブラック(K)の画像を形成するための感光ドラムであり、感光ドラム11bはシアン(C)の画像、感光ドラム11cはマゼンタ(M)の画像、感光ドラム11dはイエロー(Y)の画像をそれぞれ形成するための感光ドラムである。また、帯電K、C、M、Yや露光K、C、M、Yや現像K、C、M、Yや転写K、C、M、Yも例1と同様である。図においてLOWは電圧が印加されていない状態(OFF)を示し、HIGHは電圧が印加されている状態(ON)を示している。
【0088】
図6の例とは異なり、タイミングチャートの左端ではカラー画像形成が行われている。この場合には、帯電Y、M、C、KのいずれもがONであり、スキャナー13a、13b、13c、13dや現像装置14a、14b、14c、14dや転写ローラ35a、35b、35c、35dはそれぞれの配設位置によって決まる時間だけ遅れて順にONになる。すなわち、図示したように露光Y、現像Y、及び転写YはそれぞれLy1、Dy1、Ty1でONになり、露光M、現像M、及び転写MはそれぞれLm1、Dm1、Tm1でONになり、露光C、現像C、及び転写CはそれぞれLc1、Dc1、Tc1でONになり、露光K、現像K、及び転写KはそれぞれLk1、Dk1、Tk1でONになる。その後、感光ドラム11に対して画像サイズ分の露光が終了した時点で各スキャナー13が順にLy2、Lm2、Lc2、Lk2のタイミングでOFFになり、画像サイズ分の現像が終了した時点で各現像装置14が順にDy2、Dm2、Dc2、Dk2のタイミングでOFFになり、画像サイズ分の転写が終了した時点で各転写ローラ35電圧が順にTy2、Tm2、Tc2、Tk2のタイミングでOFFになる。
【0089】
この後、黒単色画像形成を行う場合に、生産性を落とさずに画像形成を行うためには感光ドラム11aについては、カラー画像形成における前の黒色画像の終了から所定間隔(紙間)分を空けるのみで次の画像形成を開始する必要がある。即ち、Tk2で黒画像の転写が終了した後、紙間分だけ空けてTk3から黒単色画像の転写を行うための黒単色画像の現像開始タイミングDk3及び露光開始タイミングLk3は一意に定まる。
【0090】
一方、感光ドラム11b、11c、11dについては、黒単色画像形成には不要なので、それらの感光ドラムの寿命を延ばす方策として各感光ドラムに印加する電圧をOFFにする。図7には現像バイアスをaの位置でOFFにした場合のタイミングチャートが示されている。
【0091】
上述したように現像バイアスをOFFにした場合には、感光ドラム11のうち現像装置14と対向する部分に不良トナー像が形成されることになる。感光ドラム11d上に発生した不良トナー像が中間転写ベルト30上に転写されて感光ドラム11aの転写位置に達する時間が図中のcである。この時に転写KはTk2とTk3との間の紙間状態であるので不良トナー像の影響を受けることはない(d)。不良トナー像は、記録材Pに2次転写されることなくクリーニング装置50にて中間転写ベルト30から除去される。このように、現像バイアスのOFFによって感光ドラム11d上に発生した不良トナー像を黒単色画像の紙間に収めるためには、図中のaからbの間で現像バイアスをOFFにする必要がある。ここでaはTk2から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。
【0092】
同様にbはTk3から、現像装置14と転写ローラ35との間の距離及びステーション3つ分の距離を移動するのにかかる時間を引く(遡る)ことにより決まる。従って現像Yに関しては、aからbの間でマージンをもって現像バイアスをOFFにするタイミングDy3を決定する。現像M、Cに関しても同様に、現像バイアスをOFFにすることに起因して発生する不良トナー像の転写が、黒単色画像の紙間に収まるようなタイミングで現像バイアスをOFFにするタイミングDm3、Dc3を決定する。
【0093】
さらに上述したように、後露光によって除電した感光ドラム11上の領域が現像装置14の位置にかかるタイミングと現像電圧解除のタイミングとは同期させる必要があるので、露光装置13のONタイミングLy3、Lm3、Lc8は現像バイアスのONタイミングDy3、Dm3、Dc3から、露光装置13と現像装置14との間の距離によって決まる時間だけ早いタイミングとして一意に決定される。
【0094】
以上のようにして帯電器12、スキャナー13、現像装置14、転写ローラ35の電圧OFFタイミングが決定される。カラー画像形成に続いて黒単色画像を作成する場合には、上記のタイミングで各電圧をOFFにすることにより、現像バイアスOFF時に発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止できるとともに色切り替え時の生産性を維持できる。
【0095】
上述の例1、2においては、感光ドラム上に形成したトナー像を転写する対象を中間転写ベルトとして、中間転写ベルトにトナー像を転写する際に正常画像と不良トナー像とが重ならないようにタイミングを制御したが、中間転写ベルトを用いずに搬送ベルト上の記録材に感光ドラム上のトナー像を直接に転写するような構成の画像形成装置であっても同様の効果が得られる。即ち、正常画像は搬送ベルト上の記録材に転写されるようにし、不良トナー像は、搬送ベルトのうち記録材が載置されてない部分(紙間)に転写されるように現像バイアスのOFF/ONタイミングを制御すれば良い。
【0096】
例1、2においては、感光ドラムの表面電位を除電するために露光装置を用いており、除電装置を備えない構成であるとしたが、転写装置と帯電器との間に配設した除電装置によって感光ドラムの表面電位を除電する画像形成装置であっても本発明を実施することができる。この場合、カラー画像の現像バイアスの立ち上げに関しては上記の例と同様の処理で良い。また、カラー画像の現像バイアスの立ち下げについては、上記の例において現像バイアスのOFFと後露光のONとのタイミングを適宜に定める必要があったのに対し、現像バイアスのOFFと帯電器のOFFとのタイミングを適宜に定める必要がある。また、現像バイアスのOFFタイミングの制御に関しては上記の例の場合と同様である。
【0097】
例1及び2においては、連続して画像形成される黒単色画像の画像サイズとカラー画像の画像サイズとが同一サイズであるものとしてタイミングチャートを作成したが、画像サイズが同一サイズでない場合や画像形成の間隔(紙間)が一定でない場合についても、同様にして現像バイアスのOFF/ONタイミングを制御することにより、同様に処理することができる。
【0098】
上述したように、本発明にの実施の形態に係る画像形成装置によれば、現像バイアスの印加や解除によって発生する不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止する処理をサイズ、コストのアップなしに実現し、かつ色切り替え時の生産性を維持できる。
【0099】
本発明は、図6及び図7に示したタイミングチャートを参照しながら説明した手順を実行するプログラムをコンピュータ又はCPUに供給し、そのコンピュータ又はCPUが該供給されたプログラムを読出して実行することによって、達成することができる。
【0100】
【発明の効果】
以上説明したように、複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す現像手段に電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、第1の像担持体の表面と現像手段との電位差に起因して第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す転写手段によって被転写材に逐次に転写される転写像間の所定位置に転写されるように、電圧制御手段は現像手段と転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御するので、不要な現像剤による不良トナー像が他の色の画像形成に及ぼす悪影響を防止できる。カラー画像及び黒単色画像の相互の画像形成の切り替えを行う場合において生産性を落とすことなく良好な画像形成が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の断面図である。
【図2】図1の画像形成装置1を制御する制御ユニットの構成を示すブロック図である。
【図3】感光ドラムの周辺部の概略図である。
【図4】図1における感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【図5】感光ドラム、帯電器、スキャナー、現像装置、及び転写ローラの電圧印加タイミングを示すタイミングチャートである。
【図6】黒単色画像形成からカラー画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【図7】カラー画像形成から黒単色画像形成に切り替わる際の帯電器12、スキャナー13、現像装置14、及び転写ローラ35に電圧を印加するタイミングを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 画像形成装置
11a,11b,11c,11d 感光ドラム
12a,12b,12c,12d ローラ帯電器
13a,13b,13c,13d スキャナー
14a,14b,14c,14d 現像装置
30 中間転写ベルト
35a,35b,35c,35d 1次転写ローラ
36 2次転写ローラ
40 定着ユニット
130 電圧制御部
P 記録材
Claims (9)
- 複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、
前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第2の像担持体は黒画像を形成するための黒画像像担持体であり、前記第1の像担持体は、前記黒画像以外のカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、黒画像形成動作に続けてこれらのカラー画像形成動作を行う場合に、黒画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段に電圧印加を開始し、当該現像手段に電圧印加を開始する際には前記3つのカラー画像像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記カラー画像像担持体と組を成す前記現像手段に電圧を印加するタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
- 前記電圧制御手段は、前記第1の像担持体と組を成す現像手段に電圧の印加を開始してから、前記第1の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第1の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第2の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第1の像担持体と組を成す前記現像手段に対する電圧印加の開始のタイミングを制御することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、
現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記第3の像担持体はカラー画像を形成するためのカラー画像像担持体であり、前記第3の像担持体以外の像担持体は黒画像を形成するための黒画像担持体であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記カラー画像像担持体は、イエロー、マゼンタ、及びシアンのカラー画像形成を行う3つの像担持体であり、カラー画像形成動作に続けて黒画像形成動作を行う場合に、カラー画像形成動作中に、前記カラー画像像担持体と組を成す前記帯電手段及び前記現像手段の電圧印加を解除し、当該現像手段の電圧印加を解除する際には前記3つのカラー画像担持体の表面に付着する3色の現像剤のいずれもが前記黒画像像担持体によって逐次に形成される黒画像間の前記所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記3つのカラー画像担持体のそれぞれと組を成す前記現像手段に印加している電圧のタイミングをそれぞれ独立に制御することを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
- 前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す現像手段に印加している電圧を解除してから、前記第3の像担持体が前記現像手段から前記転写手段までの距離を回転するのに要する時間の経過時に、前記第3の像担持体と組を成す前記転写手段が接触している前記被転写材上の位置が、前記第3の像担持体以外の像担持体からの転写像が占める領域外にあるように前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 複数の像担持体、及び当該各像担持体ごとに組を成す、当該像担持体の表面を所定電位に均一に帯電する帯電手段と、前記帯電した前記像担持体表面への光照射によって形成された静電潜像に現像剤を供給して現像像を形成する現像手段と、前記現像像を被転写材に転写する転写手段と、並びに前記帯電手段、前記現像手段及び前記転写手段に印加する電圧を制御する電圧制御手段とを有する画像形成装置において、
前記複数の像担持体のうち現像像の形成を行っていない第1の像担持体と組を成す前記現像手段に前記電圧制御手段によって電圧印加をして現像像の形成を開始する際に、前記第1の像担持体の表面と前記現像手段との電位差に起因して前記第1の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記複数の像担持体のうち既に現像像の形成を行っている第2の像担持体から当該第2の像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は前記現像手段と前記転写手段とに電圧を印加するタイミングを制御し、
現像像の形成を行っている前記複数の像担持体のうち、現像像の形成を停止する第3の像担持体について当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧を解除する際に、前記第3の像担持体の表面と当該第3の像担持体と組を成す前記現像手段との電位差に起因して前記第3の像担持体の表面に付着する不要な現像剤が、前記第3の像担持体以外の像担持体から当該像担持体と組を成す前記転写手段によって前記被転写材上に逐次に転写される転写像間の所定の領域に転写されるように、前記電圧制御手段は、前記第3の像担持体と組を成す前記現像手段に印加している電圧の解除タイミングを制御することを特徴とする画像形成装置。
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JP2003197442A JP2005037456A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 画像形成装置 |
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JP2003197442A JP2005037456A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | 画像形成装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7469118B2 (en) | 2005-08-26 | 2008-12-23 | Brother Kogyo Kabushiki Kaisha | Image forming apparatus with position changing developing devices |
JP2013195507A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Ricoh Co Ltd | 画像形成装置 |
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2003
- 2003-07-15 JP JP2003197442A patent/JP2005037456A/ja not_active Withdrawn
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