JP2005037444A - 光学モジュール、光学モジュールの熱応力解放方法および光学モジュール用光学基板 - Google Patents
光学モジュール、光学モジュールの熱応力解放方法および光学モジュール用光学基板 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】Si基板11と、Si基板11に搭載される第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23等の光学部品とを備えており、Si基板11には、一方の面に光学部品を担持する台形型溝12等の凹部と、他方の面に光学部品と基板とに生じる応力を解放するV字型溝31a、31bや台形型溝32a、32b等の凹部とが形成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば光学部品が実装された光学モジュール等に関し、より詳しくは、光通信に用いられる光学モジュール等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信技術の進展に伴い、例えば光ファイバを用いたデータ通信では大量の情報を高速に送受信することが可能となっている。特に、光多重通信等の新たな技術も登場して、さらなる高速化と大容量化が推し進められている。このような状況の中で、光通信に用いられる種々の光学部品、例えば光ファイバ、レンズ、レーザダイオード等を適宜組み合わせた光学モジュールのニーズはますます増加傾向にあり、活発な研究開発が行われている。
【0003】
このような光学モジュールの従来技術として、例えば、Si基板上に溝を設け、その溝に球状のレンズを位置決めして固定し、また、Si基板上に所定の配線が形成される光素子モジュールが開示されている(例えば、特許文献1参照)。かかる光学モジュールには幾つかの形態が存在するが、その中でも、3次元加工技術であるマイクロマシニング(MEMS)によりSiウェハに対して溝を形成し、これに光ファイバやレンズ等の光学部品を埋め込み固定する方式が、実装精度および量産性に優れた方法として注目されている。このMEMSにより形成された光学モジュール用の基板は、シリコンオプティカルベンチ(SiOB)と呼ばれ、一つのキーデバイスとなって実用化されている。
【0004】
ここで、SiOBを用いた従来の光学モジュールの具体例として、WDM(Wavelength Division Multiplexing)用3端子フィルタモジュールの構成について述べる。図7はWDM用3端子フィルタモジュール(以下、フィルタモジュールという。)の構成を説明する平面図である。図7に示したように、フィルタモジュール50では、単結晶シリコン基板(Si基板)11の一方の面において、異方性エッチングを用いて、表面中央部に台形型溝12と、台形型溝12を挟んで一方の側には2本の平行なV字型溝13a、13bと、他方の側にはV字型溝13cとが形成されたシリコンオプティカルベンチ(SiOB)10を台座として用いている。そして、SiOB10の台形型溝12には、2本のV字型溝13a、13bが形成された側から順に第1コリメートレンズ21、薄膜フィルタ22、第2コリメートレンズ23が所定の間隔を持って搭載されている。また、V字型溝13aには入射光用光ファイバ24、V字型溝13bには反射光用光ファイバ25、さらにV字型溝13cには透過光用光ファイバ26が搭載されている。
【0005】
このようなフィルタモジュール50等の光学モジュールでは、SiOB10に形成された台形型溝12やV字型溝13a、13b、13cの位置および深さは異方性エッチングによりミクロン単位の高い精度を持って形成でき、またコリメートレンズ21、23や光ファイバ24、25、26等の光学部品はこの台形型溝12やV字型溝13a、13b、13cの中に搭載されて収まることにより自動的にアライメントされるため実装効率も高いという利点を有している。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−162542号公報(第3〜4頁、図7)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図7に示したような従来の光学モジュールでは、SiOB10に形成された台形型溝12に第1コリメートレンズ21、薄膜フィルタ22、第2コリメートレンズ23等の光学部品を搭載する際には、光学部品の光軸を調整・整合した後、この状態を高い精度で維持しつつその光学的性質を長期に亘って保持するため、樹脂接着剤やハンダ等の金属のように硬度が高く接着力の強い材料を用いて堅固に固定する必要がある。図8は図7に示したフィルタモジュール50のAA’断面図であるが、光学部品とSiOB10とを堅固に固定するために、図8に示したように、例えば第1コリメートレンズ21とSiOB10との接合は、第1コリメートレンズ21と台形型溝12とが当接する2ヶ所の接触部P、Qにおいて、樹脂接着剤やハンダ等で形成された接着剤層15により接着固定する方法を採用していた。
【0008】
しかしながら、光学部品とSiOB10とを2ヶ所以上で固定する従来の方法では、光学部品を構成する材料(例えば、光学ガラス)とSiOB10を構成するシリコン(Si)の熱膨張係数がそれぞれ異なるため、高温または低温環境下におかれると、光学部品とSiOB10との膨張量・収縮量に差が生じて、両者の接合部において応力が発生することとなる。そのため、光弾性効果により光学部品の屈折率や複屈折率に変化が生じる等、光学部品の光学的性質に影響が生じ、光学モジュールの性能を低下させるという問題が生じていた。
また、光学部品とSiOB10との接合部に生じる応力は、SiOB10にクラックを発生させて、光学モジュールの破損を引き起こすという問題もあった。
さらに、温度の上昇と下降とが繰り返されるいわゆるヒートサイクルによって光学モジュール内に応力が残留し、温度が室温に戻った状態においても光学モジュールの光学特性が元に戻らないといった不都合もあった。
【0009】
なお、従来より、上記した問題を回避するために、光学部品とSiOB10等の基板といった、接着させる部材同士の熱膨張係数が可能な限り近くなるようにそれぞれの材質を選択するなど、温度変化時に発生する応力を緩和する措置が講じられてきたが、特に光学部品はその光学的な性質から材料の物性を特定する必要があるため、その材質の選択には限度があり、光学部品と基板との間に生じる応力を緩和することは困難であった。
【0010】
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、使用環境の温度の変化による光学モジュールの性能低下を抑制して信頼性を維持するとともに、光学モジュールの破損を回避して耐久性の向上を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の光学モジュールでは、基板と、基板に搭載される光学部品とを備えており、基板には、一方の面に光学部品を担持する凹部と、他方の面に光学部品と基板とに生じる応力を解放する凹部とが形成されたことを特徴としている。これによって、基板と基板に搭載される光学部品との間に生じる熱応力を、凹部を設けることによって解放することができる。ここで、光学部品と基板とに生じる応力を解放する凹部は、光学部品を担持する凹部の側部に形成された構成とすることもできる。このように基板面から見て光学部品が担持される凹部の側部であって、光学部品が担持される凹部が形成された面とは反対の面に凹部を形成することによって、光学部品と基板とに生じる応力を開放する構成が実現できる。
【0012】
また、本発明の光学モジュールは、両面に凹部が形成された基板と、基板に形成された凹部に担持される光学部品とを備えており、光学部品が担持される第1の凹部は、異なる面に形成された第2の凹部との間に側壁を形成することを特徴としている。これによって、基板と基板に搭載される光学部品との間に生じる熱応力を、光学部品を担持する凹部を構成する側壁によって吸収することができる。ここで、基板は、側壁が、斜面壁であることを特徴とすることができる。また、基板は、光学部品を担持する凹部を構成する内部壁が略均一な厚みを有することを特徴とすれば、基板と基板に搭載される光学部品との間に生じる熱応力を、内部壁によって均一に吸収することができる。また、基板は、凹部が台形またはV字形の溝であることを特徴とすれば、略均一な厚みを有する内部壁が形成されて熱応力を均一に吸収することができる。さらに、基板は、側壁が互いに異なる面に形成された隣接する凹部によって形成されたことを特徴とすれば、側壁の厚みを略均一に形成できる。
【0013】
さらに、光学部品が担持される第1の凹部が、厚みd’の側壁と厚みdの底面壁とで形成され、側壁の厚みd’と底面壁の厚みdとは、
0.5×d≦d’≦2.5×d
なる関係を満たすことを特徴とすれば、応力解放の観点から優れた構成を実現できる。加えて、基板は、側壁が側壁と略同一の厚みの支持壁で支持されていることを特徴とすれば、応力解放の観点から特に優れた構成とすることができる。
【0014】
一方、本発明を光学モジュールの応力解放方法として捉えれば、両面に凹部が形成された基板の一方の面の凹部に光学部品を担持し、光学部品が担持される面とは反対の面に凹部を形成することで、光学部品および基板に生じる熱応力を解放することを特徴としている。ここで、光学部品を担持する凹部を形成する側壁は、光学部品が担持される面とは反対の面に形成された凹部によって略均一な厚みで構成されることを特徴とすれば、基板と光学部品との間に生じる熱応力を側壁によって均一に解放することができる。
【0015】
一方、本発明を光学モジュール用光学基板として捉えれば、当該光学基板は光学部品を載置する基板であって、一方の面に光学部品を担持する凹部と、他方の面に光学部品と基板とに生じる応力を解放する凹部とを含む。ここで、凹部は、台形またはV字形の溝であることを特徴とすれば、光学部品の実装効率を高めるとともに、光学部品と基板とに生じる応力を開放する構成が実現できる点で好ましい。また、光学部品を担持する凹部を形成する側壁は、応力を解放する凹部によって略均一な厚みで構成されることを特徴とすれば、基板と光学部品との間に生じる熱応力を側壁によって均一に解放することができる点から優れている。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1および図2は、本実施の形態が適用される光学モジュールとしてWDM(Wavelength Division Multiplexing)用3端子フィルタモジュール1の構成を示した図である。WDM用3端子フィルタモジュール(以下、フィルタモジュールという。)は波長多重伝送方式の光通信に用いられるモジュールの一つであり、ある特定の波長のみを選択的に取り出すモジュールである。図1はこのフィルタモジュール1の平面図であり、図2はこのフィルタモジュール1のXX’断面図である。
本実施の形態が適用されるフィルタモジュール1は、シリコンウェハである単結晶シリコン基板(Si基板)11の一方の面の表面中央部に台形型溝12と、台形型溝12を挟んで一方の側には2本の平行なV字型溝13a、13bと、他方の側にはV字型溝13cとが形成されたシリコンオプティカルベンチ(SiOB)10、SiOB10の台形型溝12に配設され、2本のV字型溝13a、13bが形成された側から順に所定の間隔を持って搭載された第1コリメートレンズ21、薄膜フィルタ22、および第2コリメートレンズ23、V字型溝13aに搭載された入射光用光ファイバ24、V字型溝13bに搭載された反射光用光ファイバ25、さらにV字型溝13cに搭載された透過光用光ファイバ26を備えている。
【0017】
そして、図1および図2に示したように、本実施の形態が適用されるフィルタモジュール1は、SiOB10において第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23や薄膜フィルタ22が搭載される台形型溝12等が形成された第1面とは反対の第2面に、2本の凹部が形成されている点に特徴がある。この凹部はV字型溝31a、31bとして形成され、台形型溝12の両側部裏側であって少なくとも第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23等の光学部品が搭載される位置を含む領域に、台形型溝12の配置方向(長手方向)に沿って形成されている。
【0018】
すなわち、SiOB10は、第1面には、第1コリメートレンズ21、薄膜フィルタ22、第2コリメートレンズ23が搭載される台形型溝12と、入射光用光ファイバ24が搭載されるV字型溝13aと、反射光用光ファイバ25が搭載されるV字型溝13bと、透過光用光ファイバ26とが搭載されるV字型溝13cとが形成され、第2面には、2本のV字型溝31a、31bが形成された構成を特徴としている。
【0019】
まず、SiOB10の製造方法について説明する。SiOB10においては、最初に結晶面が(100)面であるSi基板11の表面に酸化層を形成する。酸化層の厚みは台形型溝やV字型溝の深さの設計値により決定される。典型値としては2μmである。
次にSi基板11の上にフォトレジストを塗布する。ここで、フォトレジストとしては、例えば東京応化製OEPR−800であって粘度50cpのものを用い、Si基板11を回転速度1500rpmで回転させながら塗布する。塗布厚は典型値として6μmとする。
【0020】
Si基板11にフォトレジストを塗布した後に、110℃で2分間のプリベークを行い、フォトレジストを硬化させる。そしてクロム(Cr)製のフォトマスクを使って、Si基板11の第1面、続いて第2面を順に密着露光する。この露光工程では、露光光としては波長350〜400nmの紫外線を用いる。
次に、現像液により、露光済みのSi基板11を現像する。現像液としては、例えば東京応化製NMD−3のアルカリ溶液が用いられる。この現像工程では、上記のフォトレジストとしてポジレジストが用いられているため、露光部のフォトレジストが除去される。そしてさらに、120℃で5分間のポストべークを行う。
【0021】
その後、フッ素系のガスでドライエッチングを行い、フォトレジストで覆われていない領域のSi酸化膜を除去する。さらに、アセトンでフォトレジストを溶解し、除去する。
そして水酸化カリウム(KOH)水溶液(30〜35wt%、60〜70℃)により、エッチングを行なう。純粋なSiのエッチングレートはSi酸化膜のエッチングレートよりも約2桁速い。このため、エッチング領域では、Siの結晶面のうちの(111)面が表面に現われて、傾斜角が54.7°のV字型ないし台形型の溝が形成される。なお、エッチング液としてはTMAH(テトラメチル水酸化アンモニウム液)を用いてもよい。
このようにして、第1面には台形型溝12およびV字型溝13a、13b、13c、また第2面にはV字型溝31a、31bが同時に形成されたSiOB10が製造される。ここで、台形型溝12では、薄膜フィルタ22が配置される部分において薄膜フィルタ22を配設できるように幅広に形成されている。
なお、上記のようなプロセスは異方性エッチングと呼ばれ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)を実現する上で重要な技術となっている。
【0022】
かかるSiOB10を用いたフィルタモジュール1では、SiOB10のV字型溝13aに搭載される入射光用光ファイバ24は、複数の異なる波長が多重化された光を伝送し、第1コリメートレンズ21に出射する。
第1コリメートレンズ21は、レンズ面の曲率が中心部と周辺部とで異なる非球面相面レンズであり、光学ガラスBK−7を材料として金型でプレス成型されて製造されたものである。そして、入射光用光ファイバ24から入射された光を平行光に変換して、薄膜フィルタ22に出射する。
薄膜フィルタ22は、ガラス基板の上に誘電体の薄膜をスパッタ法や真空蒸着法等のプロセスで多層に積層した薄膜フィルタ素子であり、所定の波長λmの光のみを透過して、その波長λm以外の光を反射する機能を有する。そして、薄膜フィルタ22は、波長λmの光を透過して第2コリメートレンズ23に出射し、波長λm以外の光を反射して第1コリメートレンズ21に出射する。
【0023】
第2コリメートレンズ23は、第1コリメートレンズ21と同様に構成されている。そして、薄膜フィルタ22を透過した波長λmの光を透過光用光ファイバ26の端面に集光させて透過光用光ファイバ26に波長λmの光を導く。
一方、薄膜フィルタ22によって反射された波長λm以外の光は第1コリメートレンズ21によって反射光用光ファイバ25の端面に集光させて反射光用光ファイバ25に波長λm以外の光を導く。
【0024】
次に、本実施の形態のフィルタモジュール1の特徴である、SiOB10の第2面に形成された2本のV字型溝31a、31bについて説明する。
上記した異方性エッチングにより、SiOB10には第1面の台形型溝12およびV字型溝13a、13b、13cと同時に、第2面にはV字型溝31a、31bが形成されている。第2面のV字型溝31a、31bは、第1面の台形型溝12の両側部裏側であって少なくとも第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23等の光学部品が搭載される位置を含む領域に、台形型溝12の配置方向(長手方向)に沿って形成されている。
【0025】
異方性エッチングでは、上記したように、エッチング領域においてSiの結晶面のうちの(111)面が表面に現われて、V字型溝および台形型溝の傾斜角が全て54.7°に形成される。このため、第2面に形成されるV字型溝31a、31bの斜面と第1面に形成される台形型溝12の斜面とは、互いに隣接する側の斜面が平行となって形成される。したがって、V字型溝31a、31bの斜面と台形型溝12の斜面とで形成される台形型溝12の側壁12a、12bの厚みd’は均一に形成することができる。
そこで、この特性を利用して、異方性エッチングの露光工程において、フォトマスクに形成する露光パターンの形状と配置位置とを調整することにより、V字型溝31a、31bの開口幅を台形型溝12の開口幅の1/2以下としてV字型溝31a、31bの深さを制御し、さらに台形型溝12の側壁12a、12bの厚みd’を台形型溝12の底面壁16の厚みdと略同様となるようにV字型溝31a、31bを位置させることによって、上記した位置に配置された第2面のV字型溝31a、31bは、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23が略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとからなる内部壁で担持するような構成を形成している。
【0026】
ところで、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10とが当接する台形型溝12の接触部P、Qでは、光軸がずれる等してフィルタモジュール1の光学特性が低下するのを防ぐため、接着剤層14により両者を強固に固定している。この接着剤層14は、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の回転や並進により光軸調整等を行って設置位置を決定した後に、例えばマイクロディスペンサを用いて紫外線硬化型樹脂が塗布され、紫外線を集光照射して硬化させることで形成される。ここで、接着剤としての紫外線硬化型樹脂は、粘度が低いので塗布し易く、また硬化に際し熱を必要としないため作業性が良く、さらに強固に固定できるという利点を有している。
なお、紫外線硬化型樹脂としては、エポキシ変性アクリレート系、ポリウレタン系、ポリエステル系等を用いることができるが、紫外線硬化型樹脂のほか、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもできる。
【0027】
このように、接触部P、Qにおいて第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23を接着剤層14によりSiOB10に固定させた状態では、環境温度の変化により、両者に膨張・収縮が生じて、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23やSiOB10の内部に応力が発生し易い。
【0028】
すなわち、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23を構成する光学ガラスBK−7の熱膨張係数は7.1×10−6/degであり、SiOB10のSi基板11を構成するシリコン(Si)の熱膨張係数は2.5×10−6/degであって、両者は異なる熱膨張係数を有する。そのため、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10とが接触部P、Qの双方において接着剤層14により固定されると、温度の変動により第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23は大きく膨張・収縮し、Si基板11は第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23ほど膨張・収縮せず、両者の膨張量・収縮量とに差異が生じる。例えば、使用環境温度が常温(20℃)から70℃に変化すると、両者にはサブミクロン単位の膨張量差が生じることとなる。
【0029】
その結果、特にSiOB10の台形型溝12には、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の膨張・収縮により図2中矢印Tに示したように両斜面に対し略直交する方向の力が働くこととなる。台形型溝12の底面壁16は薄く形成され、しかも台形型溝12の両斜面に力を受けると底面壁16には応力が集中し易い構造となっていることから、底面壁16には歪みが生じ易く、その歪みが繰り返し発生するとクラックが生じて、フィルタモジュール1の破損の原因となる。
一方、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23には内部応力が発生し、光弾性効果により屈折率や複屈折率に変化が生じる等、光学的性質に影響が生じて、フィルタモジュール1の性能を低下させることとなる。
【0030】
これに対して、本実施の形態のフィルタモジュール1では、台形型溝12の両側部において、台形型溝12が形成された第1面とは反対の第2面にV字型溝31a、31bを形成することで、台形型溝12に搭載された第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23は略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとからなる内部壁で担持するように構成されている。これによって、使用環境の温度が変化した際に第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23がSiOB10に対して大きく膨張・収縮しても、側壁12a、12bおよび底面壁16の全体が変形することができる。そのため、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10との間の異なる膨張量・収縮量に対して、台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16が膨張・収縮を吸収して、両者への応力の蓄積を抑制することができる。つまり、接触部P、Qでは、図2に示したように、側壁12a、12bは受けた力の方向(矢印T)に変形することができるため、両者に体積変動差が生じても側壁12a、12bと底面壁16を加えた内部壁全体の変形により応力が解放され、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23やSiOB10に加わる力は極めて小さいものとなる。
その結果、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の光学的性質に影響を与えず、またSiOB10においてもクラックの発生が抑えられる。
【0031】
特に、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23を取り囲む側壁12aと底面壁16と側壁12bとは厚みが均一に構成されていることから、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23が膨張・収縮して側壁12a、12bに力が加わっても、1ヶ所に応力が集中することなく、側壁12aと底面壁16と側壁12bとが均等に変形して、全体に力を分散させることが可能となる。
ここで、側壁12a、12bの厚みd’と台形型溝12の底面壁16の厚みdとは、略同様の厚みとするのが応力解放の観点から優れているが、実験により、
0.5×d≦d’≦2.5×d
の関係を満たす範囲においては、フィルタモジュール1の使用環境温度の変化範囲が−40〜80℃の領域においても、SiOB10にクラックが生じることなく、フィルタモジュール1が破損しないという知見が得られている。
さらに、側壁12a、12bおよび底面壁16の変形は、使用環境温度が常温に戻った際には元の位置に戻ることができるので、フィルタモジュール1の光学特性に殆ど影響することもない。
【0032】
以上のとおり、本実施の形態のフィルタモジュール1によれば、台形型溝12が形成された第1面とは反対の第2面に凹部であるV字型溝31a、31bを形成して、台形型溝12に搭載された第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23が略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとからなる内部壁で担持されるように構成することにより、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の内部に熱応力が発生することを抑制できるので、光学的性質に影響を与えず、フィルタモジュール1の性能を維持できる。さらに、SiOB10では台形型溝12の両側からの力を受けると応力が集中し易い台形型溝12の底面壁16においてもクラックの発生が抑えられ、フィルタモジュール1の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0033】
なお、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23は、略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとで取り囲まれるようにしてSiOB10に担持されることで、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10との間の異なる膨張量・収縮量に対して、側壁12a、12bおよび底面壁16の全体が変形することができる。第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23のような種々の光学部材が搭載されるSiOB10において、光学部品を略均一な厚みの内部壁で担持する構成を実現するためには、V字型溝31a、31bのような凹部は台形型溝12が形成された第1面とは反対の第2面に形成されることが必要となる。ただし、厚みのある基板を用いる場合には、基板の側面に応力解放用の凹部を形成して、光学部品を略均一な厚みの内部壁で担持する構成を形成することも可能である。
【0034】
[実施の形態2]
実施の形態1では、SiOB10の第2面に凹部としてV字型溝31a、31bを形成したフィルタモジュール1を例に挙げて説明した。しかしながら、第2面に形成する凹部としては台形型溝で形成することも可能である。この実施の形態2では、SiOB10の第2面に凹部として台形型溝を形成する場合について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については、同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0035】
図3および図4は、本実施の形態が適用されるフィルタモジュール2の構成を説明する図であり、図3はこのフィルタモジュール2の平面図、図4はこのフィルタモジュール2のYY’断面図である。本実施の形態が適用されるフィルタモジュール2では、実施の形態1と同様に、Si基板11の一方の面の表面中央部に台形型溝12と、台形型溝12を挟んで一方の側には2本の平行なV字型溝13a、13bと、他方の側にはV字型溝13cとが形成されたシリコンオプティカルベンチ(SiOB)10、SiOB10の台形型溝12に配設され、2本のV字型溝13a、13bが形成された側から順に所定の間隔を持って搭載された第1コリメートレンズ21、薄膜フィルタ22、および第2コリメートレンズ23、V字型溝13aに搭載された入射光用光ファイバ24、V字型溝13bに搭載された反射光用光ファイバ25、さらにV字型溝13cに搭載された透過光用光ファイバ26を備えている。
【0036】
そして、後段で述べるハンダ層18を形成するため、SiOB10の表面であって第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23を搭載する領域に金属膜(メタライズ膜)17が形成され、また、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の側面21a、23aにも金属膜が形成されている。ここで、金属膜を形成する金属としては、金(Au)、銀(Ag)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)等を用いることができる。なお、金属膜の形成に際しては、SiOB10の表面に形成された台形型溝12の隅々まで均一にメッキできることから、無電解メッキを施すことが好ましい。
また、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23については、SiOB10と当接する側面のみを無電解メッキによって金属膜被覆を行っている。
【0037】
そして、図3および図4に示したように、本実施の形態が適用されるフィルタモジュール2では、SiOB10において第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23や薄膜フィルタ22が搭載される台形型溝12等が形成された第1面とは反対の第2面に、2本の凹部として台形型溝32a、32bが形成されている点に特徴がある。この台形型溝32a、32bは、台形型溝12の両側部裏側であって少なくとも第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23等の光学部品が搭載される位置を含む領域に、台形型溝12の配置方向(長手方向)に沿って形成されている。
【0038】
このように、第2面に形成された台形型溝32a、32bにより、実施の形態1の場合と同様に、台形型溝12に搭載された第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23は略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとからなる内部壁で担持されるように構成されるので、使用環境の温度が変化した際に第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23がSiOB10に対して大きく膨張・収縮しても、側壁12a、12bおよび底面壁16の全体が変形することができる。そのため、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10との間の異なる膨張量・収縮量に対しても、台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16が膨張・収縮を吸収して、両者への応力の蓄積を抑制することができる。
【0039】
さらに、本実施の形態のフィルタモジュール2では、第2面に形成される凹部として台形型溝32a、32bを形成したことにより、台形型溝32a、32bの底面壁19a、19bが台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16を支持する支持壁となる。この底面壁19a、19bによる弾性によって台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16が吸収する膨張・収縮による応力をさらに吸収することができる。したがって、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10とが当接する台形型溝12の接触部P、Qにおいて両者を強固に固定しても、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10といった異なる部材の間に生じる異なる膨張量・収縮量を、台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16と、これらに加えて台形型溝32a、32bの底面壁19a、19bとが柔軟に変形して吸収し、それぞれの部材の内部に生じる熱応力を解放することができる。そのため、接触部P、Qにおいて、接着部の強度を上げてもフィルタモジュール2の光学特性の低下や破損を招くことがないので、ハンダのような強固な材料で固定することも可能となる。
【0040】
ここで、第2面に形成される台形型溝32a、32bは、異方性エッチングにより上記したV字型溝31a、31bと同様に形成されるが、特に台形型溝32a、32bでは、異方性エッチングの露光工程において、フォトマスクに形成する露光パターンの形状と配置位置とを調整することにより、台形型溝32a、32bの開口幅を台形型溝12の開口幅と同じに形成して台形型溝32a、32bの深さを制御して、台形型溝32a、32bの底面壁19a、19bの厚みd’’を台形型溝12の底面壁16の厚みdと略同様となるように形成した。これによって、底面壁19a、19bは側壁12a、底面壁16、側壁12bと略同様の厚みで構成される。
【0041】
底面壁19a、19bと、側壁12a、底面壁16、側壁12bとが略同様の厚みで構成されることにより、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23が膨張・収縮して側壁12a、12bに力が加わっても、1ヶ所に応力が集中することなく、側壁12a、底面壁16、側壁12bに底面壁19a、19bを含めた内部壁全体が均等に変形するので、さらに大きな力に対しても力を分散して吸収することが可能となる。
【0042】
上記したように、接触部P、Qにおいて第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10との固定はハンダ層18によって行うことが可能となる。ハンダ層18の固定プロセスの例としては、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の回転や並進により光軸調整等を行って設置位置を決定した後に、図5に示したように、接触部P、Qの上部にハンダボール18a、18bを載置し、その状態でハンダボール18a、18bに炭酸ガスレーザをパルス的に集光照射して、ハンダボール18a、18bを瞬時に溶融し、冷却することで形成される。
このようなハンダ層18の形成方法を採用することにより、ハンダの凝固による収縮応力が発生し難いため、モジュールとしての光学的精度を高めることができる利点がある。
【0043】
次に、SiOB10において第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23や薄膜フィルタ22が搭載される台形型溝12等が形成された第1面とは反対の第2面に、2本の凹部としてV字型溝31a、31bや台形型溝32a、32bが形成された本発明のフィルタモジュール1、2と、第2面には凹部が形成されない従来のフィルタモジュール50(図7、8参照)とを比較する試験を行った。
この試験では、本発明のフィルタモジュール1、2と従来のフィルタモジュール50にヒートショック試験を施して耐久性を比較した。試験条件は、−40℃と80℃の環境下に、ぞれぞれ交互に放置するヒートショックサイクルを繰り返し行うものである。
【0044】
その結果を図6に示す。図6に示すように、従来のフィルタモジュール50では、20回のヒートショックサイクルでSiOB10にクラックが発生して破損が生じたのに対し、本発明のフィルタモジュール1、2では、いずれも100回のヒートショックサイクルにおいてもSiOB10にクラックは発生せず、使用環境温度の変化によってモジュール内に生じる応力がかなり緩和され、フィルタモジュール1、2の耐久性が向上していることが確認された。
また、フィルタモジュール1、2の光学特性も試験前と試験後とで殆ど変化しないことも確認できた。
【0045】
以上、詳述したように、本実施の形態のフィルタモジュール1、2のような光学モジュールによれば、台形型溝12が形成された第1面とは反対の第2面にV字型溝31a、31bや台形型溝32a、32b等の凹部が形成されることで、台形型溝12に搭載された第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23は略均一な厚みの側壁12aと底面壁16と側壁12bとからなる内部壁で担持される。これによって、使用環境の温度が変化した際に第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23がSiOB10に対して大きく膨張・収縮しても、側壁12a、12bおよび底面壁16、さらには底面壁19a、19bの全体が変形することができるので、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23とSiOB10との間の異なる膨張量・収縮量に対しても、台形型溝12の側壁12a、12bおよび底面壁16、さらには底面壁19a、19bが膨張・収縮を吸収して、両者への応力の蓄積を抑制することができる。そのため、第1コリメートレンズ21および第2コリメートレンズ23の内部に熱応力が発生することを抑制できるので、光学的性質に影響を与えず、フィルタモジュール1、2の性能を維持できる。さらに、SiOB10では台形型溝12の両側からの力を受けると応力が集中し易い台形型溝12の底面壁16においてもクラックの発生が抑えられて、フィルタモジュール1、2の耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0046】
なお、上記した実施の形態1、2では、基板としてシリコンで構成されるSiOB10を用いた場合を例に説明したが、本発明は光学部品が異なる材質の基板に接合された構成であれば如何なるものでも適用可能であり、基板としてはシリコンのほか、例えばセラミック、ガラス、プラスチック等の硬質材料を用いた構成でも、同様の効果を得ることができる。
また、SiOB10を用いたWDM用3端子フィルタモジュールを例に取り上げて説明したが、本発明は材質の異なる基板と部品とが接合されて構成される全てのモジュールに適合でき、特に使用環境の温度変化に対する信頼性を向上させることができる点において優れたものである。
【0047】
また、台形型溝12の両側にV字型溝31a、31bまたは台形型溝32a、32bを形成したが、台形型溝12の片側のみにV字型溝または台形型溝を形成した構成においても、一定の応力解放効果を得ることができる。ここで、光学部品を担持する凹部として台形型溝12を例に挙げたが、V字型溝やその他の形状の溝であってもよい。
さらに、光学部品の担持方法として樹脂接着剤やハンダを用いて接着固定する方法を例に説明したが、これに限定されず、例えば凹部と凸部とを嵌合させて固定する方法等を用いることもできる。
【0048】
【発明の効果】
このように、本発明によれば、使用環境の温度の変化による光学モジュールの性能低下を抑制して信頼性を維持するとともに、光学モジュールの破損を回避して耐久性の向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルタモジュールの構成を示した平面図である。
【図2】本発明のフィルタモジュールのXX’断面図である。
【図3】本発明のフィルタモジュールの構成を示した平面図である。
【図4】本発明のフィルタモジュールのYY’断面図である。
【図5】本発明のフィルタモジュールでのハンダ層の形成を説明する図である。
【図6】比較試験の結果を示した図である。
【図7】従来のフィルタモジュールの構成を示した平面図である。
【図8】従来のフィルタモジュールのAA’断面図である。
【符号の説明】
1,2,50…フィルタモジュール、10…シリコンオプティカルベンチ(SiOB)、11…Si基板、12…台形型溝、12a,12b…側壁、13a,13b,13c…V字型溝、14,15…接着剤層、16,19a,19b…底面壁、17…金属膜(メタライズ膜)、18…ハンダ層、21…第1コリメートレンズ、21a…第1コリメートレンズ側面、22…薄膜フィルタ、23…第2コリメートレンズ、23a…第2コリメートレンズ側面、24…入射光用光ファイバ、25…反射光用光ファイバ、26…透過光用光ファイバ、31a,31b…V字型溝(凹部)、32a,32b…台形型溝(凹部)
Claims (14)
- 基板と、
前記基板に搭載される光学部品とを備え、
前記基板は、一方の面に前記光学部品を担持する凹部と、他方の面に当該光学部品と当該基板とに生じる応力を解放する凹部とが形成されたことを特徴とする光学モジュール。 - 前記光学部品と前記基板とに生じる応力を解放する凹部は、前記光学部品を担持する凹部の側部に形成されたことを特徴とする請求項1記載の光学モジュール。
- 両面に凹部が形成された基板と、
前記基板に形成された凹部に担持される光学部品とを備え、
前記光学部品が担持される第1の凹部は、異なる面に形成された第2の凹部との間に側壁を形成することを特徴とする光学モジュール。 - 前記基板は、前記側壁が、斜面壁であることを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
- 前記基板は、前記光学部品を担持する凹部を構成する内部壁が略均一な厚みを有することを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
- 前記基板は、前記凹部が台形またはV字形の溝であることを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
- 前記基板は、前記側壁が互いに異なる面に形成された隣接する前記凹部によって形成されたことを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
- 前記基板は、前記光学部品が担持される第1の凹部が、厚みd’の側壁と厚みdの底面壁とで形成され、当該側壁の厚みd’と当該底面壁の厚みdとは、
0.5×d≦d’≦2.5×d
なる関係を満たすことを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。 - 前記基板は、前記側壁が当該側壁と略同一の厚みの支持壁で支持されていることを特徴とする請求項3記載の光学モジュール。
- 両面に凹部が形成された基板の一方の面の凹部に光学部品を担持し、当該光学部品が担持される面とは反対の面に凹部を形成することで、当該光学部品および当該基板に生じる熱応力を解放することを特徴とする光学モジュールの熱応力解放方法。
- 前記光学部品を担持する凹部を形成する側壁は、当該光学部品が担持される面とは反対の面に形成された前記凹部によって略均一な厚みで構成されることを特徴とする請求項10記載の光学モジュールの熱応力解放方法。
- 光学部品を載置する基板であって、
一方の面に前記光学部品を担持する凹部と、
他方の面に前記光学部品と前記基板とに生じる応力を解放する凹部と
を有することを特徴とする光学モジュール用光学基板。 - 前記凹部は、台形またはV字形の溝であることを特徴とする請求項12記載の光学モジュール用光学基板。
- 前記光学部品を担持する前記凹部を形成する側壁は、応力を解放する前記凹部によって略均一な厚みで構成されることを特徴とする請求項12記載の光学モジュール用光学基板。
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