JP2005036041A - 高伸張加硫ゴム - Google Patents
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Abstract
【課題】エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを主成分とし、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域でも破断伸びが優れた高伸張加硫ゴムを提供する。
【解決手段】少なくとも下記の(A)〜(B)成分を含有するゴム組成物を加硫することにより得られ、JIS K6253で測定した硬度が65以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である高伸張加硫ゴム。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):軟化温度が90〜120℃であり、かつ、酸価が90〜120である松脂を含有する化合物
好ましい実施態様として、JIS K6253で測定した硬度が80以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記の高伸張加硫ゴムをあげることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】少なくとも下記の(A)〜(B)成分を含有するゴム組成物を加硫することにより得られ、JIS K6253で測定した硬度が65以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である高伸張加硫ゴム。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):軟化温度が90〜120℃であり、かつ、酸価が90〜120である松脂を含有する化合物
好ましい実施態様として、JIS K6253で測定した硬度が80以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記の高伸張加硫ゴムをあげることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高伸張加硫ゴムに関するものである。更に詳しくは、本発明は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを用い、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域においても破断伸びが優れた高伸張加硫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−プロピレンゴム(EPM)又はエチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)に代表されるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、主鎖に不飽和基を持たず、天然ゴムやブタジエンゴムなどの汎用のジエン系ゴムに比較し、耐熱性に優れている為、自動車用の水系ホース、ブレーキホース、ブレーキリザーバーホース、シール材、ウェザーストリップ、ドアシールスポンジ、ソリッドゴム−スポンジゴムとの積層押出しゴム製品、ソリッドゴム−スポンジゴム−金属との積層押出しゴム製品、グラスランチャンネル、その他各種ウェザーストリップ類、建築ガスケット、防水シート、電線などの押出し製品や自動車用のウェザーストリップのコーナーや端末部分、各種ブーツ、キャップ、カップ、防振ゴム、ロールなどの型物製品など幅広く使用されている。これら製品はいろいろなものと接着する観点から、粘着の付与が要求される場合がある。これら製品のJIS K6253で測定した硬度は、約30〜85と幅広いことが知られている。特に、硬度が65以上を超えるような高硬度領域においては、破断伸びが小さく、装着性の観点から高硬度領域においても破断伸びが大きい製品が求められていた。
【0003】
このJIS K6253で測定した硬度とは、デュロメータ硬さ試験(タイプAデュロメーター)により得られる値である。また、JIS K6251で測定した破断伸びとは、ダンベル状3号形の試験片を引張速度500mm/minにて得られる値である。
【0004】
【非特許文献1】
日本合成ゴム株式会社カタログ「JSR EP技術資料」1989年2月発行(第85頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを主成分とし、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域でも破断伸びが優れた高伸張加硫ゴムを提供する点に存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、少なくとも下記の(A)〜(B)成分を含有するゴム組成物を加硫することにより得られ、JIS K6253で測定した硬度が65以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である高伸張加硫ゴムに係るものである。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):軟化温度が90〜120℃であり、かつ酸価が90〜120である松脂を含有する化合物
また、本発明のうち第二の発明は、JIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記記載の高伸張加硫ゴムに係るものである。
そして、本発明のうち第三の発明は、JIS K6253で測定した硬度が80以上であり、かつ、JIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記記載の高伸張加硫ゴムに係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムやエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをあげることができる。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0008】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のエチレン/α−オレフィンの重量比は80/20〜40/60が好ましく、更に好ましくは65/35〜45/55である。エチレン比率が過大であると、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために、常温でのゴム性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されず、不適当なものとなる場合がある。一方、エチレン比率が過小であると引張強度が劣り、不適当なものとなる場合がある。
【0009】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のムーニー粘度(ML1+4 100℃)は50以上が好ましく、更に好ましくは100以上である。ムーニー粘度が50未満では引張強度が非常に劣り、不適当なものとなる場合がある。
【0010】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム中の非共役ジエンにおけるジエンとは、ジエンの他にトリエン以上のポリエンを含む用語であり、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンが好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0011】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムやエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。該共重合体ゴムを製造するための重合触媒として、チタン系触媒、バナジウム系触媒およびメタロセン系触媒を例示することができる。
【0012】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム中の非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で8〜36が好ましく、更に好ましくは10〜30である。ヨウ素価が過小であると、十分な架橋密度が得られないために耐久性が劣り、不適当なものとなる場合がある。逆に、ヨウ素価が過大であると引張強度が低くなり、不適当なものとなる場合がある。
【0013】
本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム成分としては、単独で、又は2種類以上をブレンドして上記のエチレン/α−オレフィン比、ムーニー粘度、非共役ジエン含有量になるものが用いられる。また、本発明のエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとして、伸展油を含有する油展ゴムを用いてもよい。
【0014】
本発明の(B)は、一般的にはゴム用配合剤として粘着付与剤に用いられる。(B)は軟化温度が90〜120℃であり、かつ、酸価が90〜120である松脂を含有する化合物である。松脂を含有する化合物には松脂を変性したものも含む。(B)を配合することにより粘着を付与し、かつ、ゴム加硫物の破断伸びを高水準に維持することができる。(B)の軟化温度と酸価は、それぞれJIS K5903により求まる値であり、特に、軟化温度は環球法により得られる。(B)の軟化温度と酸価が過少であると、ゴム加硫物の引張強度や破断伸びが劣り、不適当なものとなる。(B)の軟化温度と酸価が過大であると、ゴム組成物を得る際の混練工程において、(B)の溶け残りが発生し、不適当なものとなる。その使用量は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム100重量部あたり0.1〜15重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量部である。(B)が過少であると、ゴム加硫物の引張強度や破断伸びが劣り、不適当なものとなる場合がある。一方、(B)が過大であると、ゴム組成物の引張強度や破断伸びが飽和し、不経済となり不適当なものとなる場合がある。
【0015】
本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムのJIS K6253で測定した硬度は65以上であり、かつ、JIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である。好ましくは、本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの破断伸びは300%以上である。更に好ましくは、本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの硬度は80以上であり、かつ、破断伸びが300%以上である。
【0016】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて可塑剤、加硫促進剤、加硫剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。この可塑剤としては、通常ゴムに使用される可塑剤が使用されるが、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。中でも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。通常、これらの可塑剤は、成分(A)100重量部に対して0〜150重量部、好ましくは5〜100重量部用いられる。かかる範囲で可塑剤を用いることにより、目的とする柔らかさのゴム組成物を得ることができる。
【0017】
本発明で使用される加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。通常、これら加硫促進剤は、成分(A)100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜8重量部の割合で使用される。
【0018】
本発明に用いられる加硫剤としては、イオウや有機過酸化物をあげることができる。通常、イオウは、成分(A)100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の割合で使用される。有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドがあげられる。特に、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどをあげることができる。通常、これら有機過酸化物は、成分(A)100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。加硫剤に有機過酸化物を使用する場合、必要に応じて、助剤を使用することができる。助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−メチロールメタクリルアミド、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートがあげられる。通常、これら助剤は、成分(A)100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
【0019】
本発明で使用される加硫助剤としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常、これらの加硫助剤は成分(A)100重量部に対して1〜20重量部使用される。
【0020】
本発明で使用される充填剤としては、SRF(N770)、GPF(N660)、FEF(N550)、HAF(N330)、ISAF(N220)、SAF(N110)、FT(N880)およびMT(N990)のようなゴムの分野で用いられるカーボンブラック;ならびに、微紛ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーのような無機充填剤が好ましく使用される。これら充填剤は、成分(A)100重量部に対して20〜250重量部、好ましくは25〜200重量部である。
【0021】
また、ゴム加硫物のゴム成分として、本発明の成分(A)と共に他の種類のゴムを混合使用してもさしつかえない。
【0022】
本発明のゴム組成物を用いて加硫ゴム組成物を得るには、例えば、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、松脂を含有する化合物の他、必要に応じてカーボンブラック、酸化防止剤、加硫促進剤、加工助剤、ステアリン酸、充填剤、可塑剤、軟化剤などをロール、バンバリー、ニーダーなどの通常の混練機を用いて混合することにより、加硫可能なゴム組成物とし、通常、120℃以上、好ましくは140℃〜220℃の温度で約1〜60分間で加硫すればよい。なお、加硫は熱風加硫槽、蒸気加硫槽、熱プレス、射出成形機、圧縮成形機など、いずれも適用できる。
【0023】
本発明のゴム組成物により得られる加硫ゴム組成物は、通常の方法により自動車用の水系ホース、ブレーキホース、ブレーキリザーバーホース、シール材、ウェザーストリップ、ドアシールスポンジ、ソリッドゴム−スポンジゴムとの積層押出しゴム製品、ソリッドゴム−スポンジゴム−金属との積層押出しゴム製品、グラスランチャンネル、その他各種ウェザーストリップ類、建築ガスケット、防水シート、電線などの押出し製品や自動車用のウェザーストリップのコーナーや端末部分、各種ブーツ、キャップ、カップ、防振ゴム、ロールなどの型物製品などのゴム材料として加工することができ、これらの製品はすでに説明したとおりの特徴を有する、極めて優れたものである。
【0024】
【実施例】
次に、実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
比較例1及び実施例1
エチレン−α−オレフィン系共重合体成分(A)として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比60/40、ムーニー粘度ML1+4 121℃ 80、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価12)100重量部に対し、表1の「配合」欄に記載した物の他、酸化亜鉛2種5重量部、ステアリン酸1重量部、旭60G(旭カーボン社製 カーボンブラック)150重量部及びダイアナPS430(出光興産社製 パラフィン系オイル)70重量部、NS200(日東粉化社製 重質炭酸カルシウム)50重量部、ストラクトールWB212(S&Sジャパン社製 脂肪酸エステル系加工助剤)2重量部を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、レノグランZDBC−80(バイエル社製 加硫促進剤;ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛)2.5重量部、レノグランTMTD−80(バイエル社製 加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド)0.8重量部、レノグランDPTT−70(バイエル社製 加硫促進剤;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)0.8重量部、レノグランMBT−80(バイエル社製 加硫促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール)1.25重量部、イオウ1.0重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を160℃×20分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価はJIS K6251とJIS K6253に準拠し、硬度、破断伸びの評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0026】
実施例2
エチレン−α−オレフィン系共重合体成分(A)として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比67/33、ムーニー粘度ML1+4 100℃ 35、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価14)100重量部に対し、表1の「配合」欄に記載した物の他、メタZL40(井上石灰社製 酸化亜鉛含量40%)5重量部、ステアリン酸1重量部、旭60G(旭カーボン社製 カーボンブラック)160重量部及びダイアナPS430(出光興産社製 パラフィン系オイル)75重量部、PEG4000(ポリエチレングリコール 分子量4000)、ヒタノール1501(日立化成社製 ノボラック形アルキルフェノール樹脂)を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、ベスタ18(井上石灰社製 酸化カルシウム)8重量部、レノグランCBS−80(バイエル社製 加硫促進剤;N−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド)2.5重量部、レノグランTMTD−80(バイエル社製 加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド)0.625重量部、ノックマスターR−80E(大内新興化学社製 加硫剤;モルホリン・ジスルフィド)1.25重量部、イオウ0.8重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を180℃×7分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価はJIS K6251とJIS K6253に準拠し、硬度、破断伸びの評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
表の説明
・B:ハリマ化成社製松脂変性樹脂を含有する化合物「ハリタックAQ90A(軟化温度105℃、酸価105)」
【0029】
本発明の要件を満足する実施例1と実施例2は破断伸びが良好である。一方、松脂を含有する化合物を含まない比較例1においては、破断伸びが不満足である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを主成分とし、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域でも破断伸びが優れた高伸張加硫ゴムを提供することができた。
【発明の属する技術分野】
本発明は、高伸張加硫ゴムに関するものである。更に詳しくは、本発明は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを用い、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域においても破断伸びが優れた高伸張加硫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−プロピレンゴム(EPM)又はエチレン−プロピレン−非共役ジエンゴム(EPDM)に代表されるエチレン−α−オレフィン共重合体ゴム又はエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、主鎖に不飽和基を持たず、天然ゴムやブタジエンゴムなどの汎用のジエン系ゴムに比較し、耐熱性に優れている為、自動車用の水系ホース、ブレーキホース、ブレーキリザーバーホース、シール材、ウェザーストリップ、ドアシールスポンジ、ソリッドゴム−スポンジゴムとの積層押出しゴム製品、ソリッドゴム−スポンジゴム−金属との積層押出しゴム製品、グラスランチャンネル、その他各種ウェザーストリップ類、建築ガスケット、防水シート、電線などの押出し製品や自動車用のウェザーストリップのコーナーや端末部分、各種ブーツ、キャップ、カップ、防振ゴム、ロールなどの型物製品など幅広く使用されている。これら製品はいろいろなものと接着する観点から、粘着の付与が要求される場合がある。これら製品のJIS K6253で測定した硬度は、約30〜85と幅広いことが知られている。特に、硬度が65以上を超えるような高硬度領域においては、破断伸びが小さく、装着性の観点から高硬度領域においても破断伸びが大きい製品が求められていた。
【0003】
このJIS K6253で測定した硬度とは、デュロメータ硬さ試験(タイプAデュロメーター)により得られる値である。また、JIS K6251で測定した破断伸びとは、ダンベル状3号形の試験片を引張速度500mm/minにて得られる値である。
【0004】
【非特許文献1】
日本合成ゴム株式会社カタログ「JSR EP技術資料」1989年2月発行(第85頁)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
かかる現状に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを主成分とし、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域でも破断伸びが優れた高伸張加硫ゴムを提供する点に存する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意検討の結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明のうち第一の発明は、少なくとも下記の(A)〜(B)成分を含有するゴム組成物を加硫することにより得られ、JIS K6253で測定した硬度が65以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である高伸張加硫ゴムに係るものである。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):軟化温度が90〜120℃であり、かつ酸価が90〜120である松脂を含有する化合物
また、本発明のうち第二の発明は、JIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記記載の高伸張加硫ゴムに係るものである。
そして、本発明のうち第三の発明は、JIS K6253で測定した硬度が80以上であり、かつ、JIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である上記記載の高伸張加硫ゴムに係るものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとしては、エチレン−α−オレフィン共重合体ゴムやエチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムをあげることができる。エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどがあげられ、なかでもプロピレン及び1−ブテンが好ましい。
【0008】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のエチレン/α−オレフィンの重量比は80/20〜40/60が好ましく、更に好ましくは65/35〜45/55である。エチレン比率が過大であると、ゴム組成物の耐寒性が非常に悪化するために、常温でのゴム性能が冬季あるいは寒冷地において発揮されず、不適当なものとなる場合がある。一方、エチレン比率が過小であると引張強度が劣り、不適当なものとなる場合がある。
【0009】
エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム中のムーニー粘度(ML1+4 100℃)は50以上が好ましく、更に好ましくは100以上である。ムーニー粘度が50未満では引張強度が非常に劣り、不適当なものとなる場合がある。
【0010】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム中の非共役ジエンにおけるジエンとは、ジエンの他にトリエン以上のポリエンを含む用語であり、たとえば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエンのようなトリエンがあげられ、その一種を単独で使用してもよく、又は二種以上を併用してもよい。なお、5−エチリデン−2−ノルボルネン及び/又はジシクロペンタジエンが好ましい。更に、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、6,10−ジメチル−1,5,9−ウンデカトリエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、13−エチル−9−メチル−1,9,12−ペンタデカトリエン、5,9,13−トリメチル−1,4,8,12−テトラデカジエン、8,14,16−トリメチル−1,7,14−ヘキサデカトリエン、4−エチリデン−12−メチル−1,11−ペンタデカジエンを例示することができる。
【0011】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムやエチレン−α−オレフィン共重合体ゴムの製造方法は特に限定されず、公知の方法で製造することができる。該共重合体ゴムを製造するための重合触媒として、チタン系触媒、バナジウム系触媒およびメタロセン系触媒を例示することができる。
【0012】
エチレン−α−オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム中の非共役ジエンの含有量は、ヨウ素価で8〜36が好ましく、更に好ましくは10〜30である。ヨウ素価が過小であると、十分な架橋密度が得られないために耐久性が劣り、不適当なものとなる場合がある。逆に、ヨウ素価が過大であると引張強度が低くなり、不適当なものとなる場合がある。
【0013】
本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム成分としては、単独で、又は2種類以上をブレンドして上記のエチレン/α−オレフィン比、ムーニー粘度、非共役ジエン含有量になるものが用いられる。また、本発明のエチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムとして、伸展油を含有する油展ゴムを用いてもよい。
【0014】
本発明の(B)は、一般的にはゴム用配合剤として粘着付与剤に用いられる。(B)は軟化温度が90〜120℃であり、かつ、酸価が90〜120である松脂を含有する化合物である。松脂を含有する化合物には松脂を変性したものも含む。(B)を配合することにより粘着を付与し、かつ、ゴム加硫物の破断伸びを高水準に維持することができる。(B)の軟化温度と酸価は、それぞれJIS K5903により求まる値であり、特に、軟化温度は環球法により得られる。(B)の軟化温度と酸価が過少であると、ゴム加硫物の引張強度や破断伸びが劣り、不適当なものとなる。(B)の軟化温度と酸価が過大であると、ゴム組成物を得る際の混練工程において、(B)の溶け残りが発生し、不適当なものとなる。その使用量は、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム100重量部あたり0.1〜15重量部が好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量部である。(B)が過少であると、ゴム加硫物の引張強度や破断伸びが劣り、不適当なものとなる場合がある。一方、(B)が過大であると、ゴム組成物の引張強度や破断伸びが飽和し、不経済となり不適当なものとなる場合がある。
【0015】
本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムのJIS K6253で測定した硬度は65以上であり、かつ、JIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である。好ましくは、本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの破断伸びは300%以上である。更に好ましくは、本発明のゴム組成物を加硫して得られる加硫ゴムの硬度は80以上であり、かつ、破断伸びが300%以上である。
【0016】
本発明のゴム組成物には、必要に応じて可塑剤、加硫促進剤、加硫剤、加硫助剤、充填剤、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂等の各種配合剤が適宜添加配合される。この可塑剤としては、通常ゴムに使用される可塑剤が使用されるが、例えば、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン、コールタールピッチ、ヒマシ油、アマニ油、サブ、密ロウ、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などをあげることができる。中でも、特にプロセスオイルが好ましく用いられる。通常、これらの可塑剤は、成分(A)100重量部に対して0〜150重量部、好ましくは5〜100重量部用いられる。かかる範囲で可塑剤を用いることにより、目的とする柔らかさのゴム組成物を得ることができる。
【0017】
本発明で使用される加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムモノスルフィド、ジペンタメチレンチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、N,N’−ジメチル−N,N’−ジフェニルチウラムジスルフィド、N,N’−ジオクタデシル−N,N’−ジイソプロピルチウラムジスルフィド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾール−スルフエンアミド、N,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフエンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,4−ジニトロフエニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジル−ジスルフイド、ジフエニルグアニジン、トリフエニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン、オルソトリル−バイ−グアナイド、ジフエニルグアニジン−フタレート、アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニア、2−メルカプトイミダゾリン、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリア、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルチオカルバミン酸亜鉛、ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフエニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジエチルジチオカルバミン酸テルル、ジブチルキサントゲン酸亜鉛、エチレンチオウレアなどをあげることができる。通常、これら加硫促進剤は、成分(A)100重量部に対して0.05〜20重量部、好ましくは0.1〜8重量部の割合で使用される。
【0018】
本発明に用いられる加硫剤としては、イオウや有機過酸化物をあげることができる。通常、イオウは、成分(A)100重量部に対して0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の割合で使用される。有機過酸化物としては、ジクミルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(第三ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−(第三ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、第三ブチルヒドロペルオキシドがあげられる。特に、ジクミルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド、ジ第三ブチルペルオキシド−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどをあげることができる。通常、これら有機過酸化物は、成分(A)100重量部に対して0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜8重量部である。加硫剤に有機過酸化物を使用する場合、必要に応じて、助剤を使用することができる。助剤としては、トリアリルイソシアヌレート、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコールモノメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、メタアクリロキシエチルホスフェート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、N−メチロールメタクリルアミド、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、メタクリル酸アルミニウム、メタクリル亜鉛、メタクリル酸カルシウム、メタクリル酸マグネシウム、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレートがあげられる。通常、これら助剤は、成分(A)100重量部に対して0.05〜15重量部、好ましくは0.1〜8重量部である。
【0019】
本発明で使用される加硫助剤としては、酸化マグネシウム、酸化亜鉛などの金属酸化物をあげることができるが、酸化亜鉛の使用が好ましい。通常、これらの加硫助剤は成分(A)100重量部に対して1〜20重量部使用される。
【0020】
本発明で使用される充填剤としては、SRF(N770)、GPF(N660)、FEF(N550)、HAF(N330)、ISAF(N220)、SAF(N110)、FT(N880)およびMT(N990)のようなゴムの分野で用いられるカーボンブラック;ならびに、微紛ケイ酸、炭酸カルシウム、タルク、クレーのような無機充填剤が好ましく使用される。これら充填剤は、成分(A)100重量部に対して20〜250重量部、好ましくは25〜200重量部である。
【0021】
また、ゴム加硫物のゴム成分として、本発明の成分(A)と共に他の種類のゴムを混合使用してもさしつかえない。
【0022】
本発明のゴム組成物を用いて加硫ゴム組成物を得るには、例えば、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム、松脂を含有する化合物の他、必要に応じてカーボンブラック、酸化防止剤、加硫促進剤、加工助剤、ステアリン酸、充填剤、可塑剤、軟化剤などをロール、バンバリー、ニーダーなどの通常の混練機を用いて混合することにより、加硫可能なゴム組成物とし、通常、120℃以上、好ましくは140℃〜220℃の温度で約1〜60分間で加硫すればよい。なお、加硫は熱風加硫槽、蒸気加硫槽、熱プレス、射出成形機、圧縮成形機など、いずれも適用できる。
【0023】
本発明のゴム組成物により得られる加硫ゴム組成物は、通常の方法により自動車用の水系ホース、ブレーキホース、ブレーキリザーバーホース、シール材、ウェザーストリップ、ドアシールスポンジ、ソリッドゴム−スポンジゴムとの積層押出しゴム製品、ソリッドゴム−スポンジゴム−金属との積層押出しゴム製品、グラスランチャンネル、その他各種ウェザーストリップ類、建築ガスケット、防水シート、電線などの押出し製品や自動車用のウェザーストリップのコーナーや端末部分、各種ブーツ、キャップ、カップ、防振ゴム、ロールなどの型物製品などのゴム材料として加工することができ、これらの製品はすでに説明したとおりの特徴を有する、極めて優れたものである。
【0024】
【実施例】
次に、実施例をあげ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
比較例1及び実施例1
エチレン−α−オレフィン系共重合体成分(A)として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比60/40、ムーニー粘度ML1+4 121℃ 80、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価12)100重量部に対し、表1の「配合」欄に記載した物の他、酸化亜鉛2種5重量部、ステアリン酸1重量部、旭60G(旭カーボン社製 カーボンブラック)150重量部及びダイアナPS430(出光興産社製 パラフィン系オイル)70重量部、NS200(日東粉化社製 重質炭酸カルシウム)50重量部、ストラクトールWB212(S&Sジャパン社製 脂肪酸エステル系加工助剤)2重量部を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、レノグランZDBC−80(バイエル社製 加硫促進剤;ジ−n−ブチルジチオカルバミン酸亜鉛)2.5重量部、レノグランTMTD−80(バイエル社製 加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド)0.8重量部、レノグランDPTT−70(バイエル社製 加硫促進剤;ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド)0.8重量部、レノグランMBT−80(バイエル社製 加硫促進剤;2−メルカプトベンゾチアゾール)1.25重量部、イオウ1.0重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を160℃×20分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価はJIS K6251とJIS K6253に準拠し、硬度、破断伸びの評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0026】
実施例2
エチレン−α−オレフィン系共重合体成分(A)として、EPDM(エチレン−プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム、エチレン/プロピレンの重量比67/33、ムーニー粘度ML1+4 100℃ 35、5−エチリデン−2−ノルボルネン含量ヨウ素価14)100重量部に対し、表1の「配合」欄に記載した物の他、メタZL40(井上石灰社製 酸化亜鉛含量40%)5重量部、ステアリン酸1重量部、旭60G(旭カーボン社製 カーボンブラック)160重量部及びダイアナPS430(出光興産社製 パラフィン系オイル)75重量部、PEG4000(ポリエチレングリコール 分子量4000)、ヒタノール1501(日立化成社製 ノボラック形アルキルフェノール樹脂)を添加し、スタート温度80℃に調整した1700mlのバンバリーミキサーを用い、ローター回転数60rpmで5分間混練した。その後、8インチのオープンロールを用いて、ベスタ18(井上石灰社製 酸化カルシウム)8重量部、レノグランCBS−80(バイエル社製 加硫促進剤;N−シクロヘキシルベンゾチアゾールスルフェンアミド)2.5重量部、レノグランTMTD−80(バイエル社製 加硫促進剤;テトラメチルチウラムジスルフィド)0.625重量部、ノックマスターR−80E(大内新興化学社製 加硫剤;モルホリン・ジスルフィド)1.25重量部、イオウ0.8重量部を添加・混練し、ゴム組成物を得た。次に、該ゴム組成物を180℃×7分間でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。加硫ゴム組成物の評価はJIS K6251とJIS K6253に準拠し、硬度、破断伸びの評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0027】
【表1】
【0028】
表の説明
・B:ハリマ化成社製松脂変性樹脂を含有する化合物「ハリタックAQ90A(軟化温度105℃、酸価105)」
【0029】
本発明の要件を満足する実施例1と実施例2は破断伸びが良好である。一方、松脂を含有する化合物を含まない比較例1においては、破断伸びが不満足である。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明により、エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴムを主成分とし、特定の粘着付与剤を配合することにより粘着を付与した上、高硬度領域でも破断伸びが優れた高伸張加硫ゴムを提供することができた。
Claims (3)
- 少なくとも下記の(A)〜(B)成分を含有するゴム組成物を加硫することにより得られ、JIS K6253で測定した硬度が65以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが200%以上である高伸張加硫ゴム。
(A):エチレン−α−オレフィン系共重合体ゴム
(B):軟化温度が90〜120℃であり、かつ、酸価が90〜120である松脂を含有する化合物 - JIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である請求項1記載の高伸張加硫ゴム。
- JIS K6253で測定した硬度が80以上であり、かつJIS K6251で測定した破断伸びが300%以上である請求項1記載の高伸張加硫ゴム。
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EP2643401B1 (fr) | 2010-11-26 | 2020-10-14 | Compagnie Générale des Etablissements Michelin | Bande de roulement de pneumatique a adherence amelioree sur sol mouille |
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