JP2005036003A - 9−アミノカンプトテシン誘導体 - Google Patents

9−アミノカンプトテシン誘導体 Download PDF

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Abstract

【課題】癌、特に白血病並びに結腸及び直腸の腫瘍の治療に有用な薬剤を提供する。
【解決手段】10−又は12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを出発材料として、式1の9−アミノカンプトテシン化合物を製造する新規の方法である。
Figure 2005036003

即ち、10位又は12位にあるヒドロキシ基をニトロ基に変換し、更に、パラジウム、酸化白金等の触媒の存在下で、ギ酸アンモニウム等の還元剤で還元を行なって、式1を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、公知の抗腫瘍剤である下記の式(I)
Figure 2005036003
で示される9−アミノ−20(S)−カンプトテシン(Waniら、J.Med.Chem.1987,30,1774−1779;Hsiangら,Cancer Res.49,4385−4389,1989年8月15日;Cancer Res.49,1465−1469,1989年3月15日)の新規の製造方法及びその誘導体に関する。
9−アミノカンプトテシンの全合成法は広く記述されている(US−A−4,894,456号及びUS−A−5,053,512号)。しかしながら該生成物の全合成は、大規模製造には適さないしまた望ましくもない。なぜなら、工程が多すぎて合成時間が過度に長くなり、特にコストも高くなりすぎるからである。
例えば1984年に公開されたJP−A−59−51288号及びJP−A−59−51289号には、公知の天然物であるカンプトテシン(Cancer Chemotherapy Reports,part I,vol.54,No.6,1970年12月;J.Med.Chem.,1980,23,554−560;Science,vol.246,1989年12月,1046−1048)を出発材料とする9−アミノカンプトテシンの半合成法が開示されている。天然の20(S)−カンプトテシンは下記の式(II)
Figure 2005036003
で示される。
前記半合成法は、天然のカンプトテシンをニトロ化し、次いで9−ニトロ誘導体を還元する操作を含む。しかしながら、前記ニトロ化では最初に、望ましくない12−ニトロカンプトテシン誘導体(70%)と所望の9−ニトロカンプトテシン誘導体(30%)との70/30混合物が生成される。従って、9−ニトロ誘導体は少量しか形成されない。
前記2種類のニトロ化生成物の分離後、それ自体は生物学的に不活性である12−ニトロ誘導体(例えばWani C.,Nicholas A.W.,Wall M.E.,J.Med.Chem.,1986,29,2358参照)を廃棄しなければならないため、廃棄物処理の問題が生じる。望ましくない12−ニトロ誘導体副産物の除去に関する大きな欠点は、大規模製造の場合には特に問題となる。なぜなら、大量の無用な12−ニトロ誘導体を回収し廃棄しなければならないからである。
また、この半合成法は、所望の抗腫瘍剤9−アミノカンプトテシンを少量製造するのに極めて高価な天然カンプトテシンを大量に必要とする。この方法は総生産性及び収率が低いため、所望の化合物を実質的な量で製造することが難しい。そのため、前述の半合成的9−アミノカンプトテシン製造方法より高い生産性及び収率が可能な方法が必要とされている。
本発明では、下記の反応式Iに示すステップに従い、式(III)の10−又は12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを出発材料として、式(I)の9−アミノカンプトテシンを製造する新規の方法を提供する:
Figure 2005036003
前記式中、XOは還元的に除去できる基を表す。還元的除去とは、XO基を均一系又は不均一系触媒での還元によって除去し得ることを意味する。XO基はこのようにして水素原子で置換される。
この方法では、9−アミノ−20(S)−カンプトテシンが高収率及び高生産性で合成される。この方法の特徴は、高収率と非汚染性反応生成物とをもたらす簡単で穏やかな反応条件にある。特に最終ステップでは、ベンジル性酸素(benzylic oxygen)及びラクトン部分(これらは生物学的活性にとって必須)が、OX基の還元的除去後も完全に残る。また、ニトロ化反応が、ヒドロキシ部分の存在のために、高い位置選択性(regioselectivity)をもって、通常のニトロ化反応条件よりはるかに安全でもある簡単で穏やかな条件下で生起する。この方法全体を通して、正確な20(S)立体配置(configuration)が保持される。
本発明は、下記の式(I)
Figure 2005036003
で示される9−アミノカンプトテシンの製造方法を提供する。該方法は、
(1) 下記の式(III)
Figure 2005036003
[式中、環A上のヒドロキシ基は10位又は12位にある]で示される化合物をニトロ化剤と反応させて、下記の式(IV)
Figure 2005036003
で示される対応する化合物を製造し、
(2) 式(IV)の化合物を、下記の式(V)
Figure 2005036003
[式中、XOは還元的に除去できる基である]で示される対応する化合物に変換し、
(3) 前記XO基を還元的に除去し且つ式(V)の化合物のニトロ基を還元して、式(I)の9−アミノカンプトテシンを得ることからなる。
この方法は以前に使用されたことはなく、特に脱酸素反応とニトロ基還元とを同時に行う二重還元ステップは公知ではない。J.Med.Chem.34,98,1991には、カンプトテシンの10−トリフレート−9−N,N−ジメチルアミノメチル誘導体をテトラキストリフェニルホスフィン Pd(O)の存在下で脱酸素反応にかける方法が記述されている。しかしながら、該反応は収率が極めて低い(20%)。また、このトリフレートの製造は選択性及び安定性に大きな問題を有し得、そのため該トリフレートの有用性が大幅に制限される(例えばSubramanian,L.R.ら,Synthesis 293,1973)。
テトラキストリフェニルホスフィン Pd(O)の存在下での還元的脱酸素反応は有機化学ではよく知られているが(例えばCacchi,S.ら、Tetrahedron Letters 27,5541,1986参照)、本出願人は、別のより適当なスルホネートがこれらの条件下で反応しないことを明らかにした(例えばCabri,W.ら,J.Org.Chem.55,350,1990参照)。種々のホスフィン又はスルホネートの使用はカンプトテシンに関しては報告されたことがなく、これらの物質の有用性を既存の文献に基づいて予知することは不可能であった。また、スルホネートエステルに対してo位又はp位にあるニトロ基の存在が、Heck型反応で収率を通常より低くし得ることは周知である(例えば、J.Org.Chem.57,1481,1992及びEchavarren,A.M.;Stille,J.K.;J.Am.Chem.Soc.109,5478,1987参照)。
驚くべきことに、本発明の方法の脱酸素的還元は、以前に開示されたことのない、反応性のより低いスルホネートを用いて、より穏やかな条件下で生起し得、ニトロ基の存在にも拘わらず所望の生成物を高収率で生成する。驚いたことに、ニトロ基自体が反応媒質中で還元作用を受け得る。所望の9−アミノ誘導体を、別の反応を必要とせずに、単一ステップで生成することができるのである。ニトロ基のこのような随伴性還元はこれまで知られておらず、既存の文献に基づいて予知することも不可能であった(例えばCacchi,S.ら,Tetrahedron Letters 27,5541,1986参照)。
本発明の方法の出発化合物は式(III)の化合物である。該化合物は、本発明の方法全体を通して保持される20(S)立体配置を有する。式(III)の化合物は通常、対応する20(R)異性体を含まない。しかしながら、本発明は、式(III)の化合物と対応する20(R)異性体とのラセミ混合物に適用し得る。その場合は、式(I)の9−アミノ−20(S)−カンプトテシンと9−アミノ−20(R)−カンプトテシンとのラセミ混合物が得られる。式(III)の化合物は、公知の方法で、20(S)−カンプトテシンから製造し得る(例えば、JP−A−59−51288号;JP−A−59−51299号;J.Med.Chem.34,98,1991;及びChem.Pharm.Bull.1991.39,3183,1991参照)。
12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンはまた、公知の12−ニトロ−20(S)−カンプトテシンから製造できる。まず、12−ニトロ−20(S)−カンプトテシンを12−アミノ−20(S)−カンプトテシンに還元する。この還元は、例えば適当な還元剤を用いて実施し得、又は適当な還元剤の存在下で適当な触媒での接触還元によって実施し得る。例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry,第3版,1103に記載のように実施し得る。
例えば、前記還元は、SnClのような還元剤、又は他の金属もしくは金属塩、例えばZnもしくはFe及びその塩を用いて、適当な溶媒、例えば希塩酸、希プロトン酸、水、エタノール、メタノール又はこれらの混合物中で、−20℃〜60℃の温度で、5分〜3日間のように数分〜数日、例えば4時間〜24時間にわたって実施し得る。
あるいは、前記還元は、ニトロ基還元を実施する金属、例えばパラジウム、酸化白金、白金、ロジウム又はルテニウムを触媒量用いて、分子状水素又は水素源、例えばギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸、水素化トリブチルスズ、シクロヘキサジエン等の存在下で、適当な溶媒、例えばジメチルホルムアミド(DMF)、MeOH、酢酸、CHCl、ジオキサン又はこれらの混合物の中で、約0℃〜100℃の温度で、1時間〜3日間にわたり、1atm〜100atmの圧力下で実施し得る。
12−アミノ−20(S)−カンプトテシンは、適当な試薬、例えば酸化銅(I)を用いて、反応混合物から分離する必要のないジアゾ誘導体の生成を介して、12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンに変換し得る。
ジアゾ化反応は、プロトン酸希釈水溶液、例えばHClもしくはHSOの希釈水溶液中、又は有機溶媒中で、適当なジアゾ化剤、例えばNaNO、有機亜硝酸塩を用いて、−20℃〜100℃の温度で、数分〜数時間、例えば5分〜24時間にわたり実施し得る。得られた溶液は次いで、任意に硝酸銅(I)水溶液の存在下で、0℃〜100℃の温度で、数分〜1日、例えば5分〜1日にわたり、化学量論的量から大幅に過剰な量、例えば10倍モル過剰量の酸化銅(I)と反応させ得る。
式(III)の化合物は、式(IV)の化合物を得るために、適当な一般的ニトロ化剤と反応させ得る。式(III)の化合物のニトロ化は、ニトロ化剤、例えば硝酸、硝酸と硫酸との混合物、又は他のニトロ化剤、例えば硝酸カリウムもしくは硝酸と三フッ化ホウ素(例えば三フッ化ホウ素一水和物)との混合物(例えばOlah,G.A.ら、Synthesis 1085,1992参照)、又は硝酸/無水トリフルオロメタンスルホン酸混合物(前出文献,1087,1992)を用いて、−20℃〜100℃の温度で、5分〜3日のように数分〜数日間、例えば4時間〜24時間にわたり実施し得る。
次いで、式(IV)の化合物を式(V)で示される対応する化合物に変換する。この操作は、式(IV)の化合物を、下記の式(VI)
X−R” (VI)
[式中、Xは基R−SO−であって、Rが(i)未置換の、あるいはC〜C直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C〜C直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ及びニトロの中から選択した1個以上の置換基、例えば1、2もしくは3個の置換基で置換したフェニルもしくはナフチル環を表すか、又は(ii)未置換の、あるいは1個以上、例えば1、2もしくは3個のハロゲン原子で置換した直鎖もしくは分枝鎖C〜Cアルキル基を表し、R”はハロゲン原子、イミダゾリル基、−OSOR又は−N(C)(RSO)基であって、Rが前述の意味を表すか、又はフェノールと反応してスルホネートを生成できる別の基を表す]
で示されるスルホニル化剤と反応させることにより実施し得る。
〜Cアルキル基は好ましくは、C〜Cアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル又はイソ−プロピルであり得る。C〜Cアルコキシ基はC〜Cアルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ又はイソ−プロポキシであってよい。
ハロゲン原子は、フルオロ、クロロ又はブロモであってよい。1個以上のハロゲン原子で置換したC〜Cアルキル基は、C〜Cペルクロロアルキル又はペルフルオロアルキル基のようなC〜Cペルハロアルキル基、例えばトリフルオロメチルであってよい。基Xが本発明の化合物中に存在する時に表し得る好ましい意味は、Rが(i)未置換の、あるいはC〜C直鎖もしくは分枝鎖アルキル、C〜C直鎖もしくは分枝鎖アルコキシ、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ及びニトロの中から選択した1個の置換基で置換したフェニルもしくはナフチル環を表すか、又は(ii)未置換の、あるいは1個以上、例えば1、2もしくは3個のハロゲン原子、好ましくはフッ素もしくは塩素で置換した直鎖C〜Cアルキル基を表す前記式R−SO−で示される任意に置換したスルホネートエステルの中から選択される。より好ましくは、基Xは、Rが(i)未置換の、あるいはC〜C直鎖アルキル、C〜C直鎖アルコキシ、フッ素もしくは塩素の中から選択した1個の置換基で置換したフェニルもしくはナフチル環を表すか、又は(ii)未置換の、あるいは1個、好ましくは1個以上、例えば2もしくは3個のフッ素原子で置換した直鎖C〜Cアルキル基を表すR−SO−である。
本発明の化合物中で基Xが表し得る特に好ましい意味は、p−メトキシベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、p−フルオロベンゼンスルホニル、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、ベンゼンスルホニル、p−ニトロベンゼンスルホニル及び1−もしくは2−ナフタレンスルホニルの中から選択される。
式(VI)の化合物の好ましい意味としては、p−メトキシベンゼンスルホニルクロリド、p−トルエンスルホニルクロリド、p−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、無水トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド又は1−もしくは2−ナフタレンスルホニルクロリドが挙げられる。
式(V)の化合物を得るための式(IV)の化合物と式(VI)の化合物との反応は、−50〜100℃、例えば0〜50℃の温度で実施し得る。反応は5分〜3日間、例えば4時間〜24時間にわたって生起させ得る。該反応は通常、無水有機溶媒、例えばCHCl、CHCl、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)等の中で生起する。任意に、有機塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン、又は立体障害をもつ塩基、例えばジイソプロピルアミン、2,6−ジメチルピリジン等を存在させてもよい。
XO官能基の還元的除去及びニトロ基の還元は、式(V)の化合物を式(I)の化合物に変換させる。これは、適当な触媒の存在下で適当な還元剤を用いて達成し得る。アミノ基を形成するためのXO基の除去及びニトロ基の還元は、単一ステップ又は二つのステップで実施し得る。後者の場合は、XO基の除去及びニトロ基の還元を任意の順序で実施し得る。
従って還元は、二つのステップで、まずXが基R−SO−でありRが前述の意味を表す式(V)の化合物中のニトロ官能基を適当な還元剤で還元することにより実施し得る。
その結果、下記の式(VII)
Figure 2005036003
[式中、Xは前述の意味を表す]
で示される化合物が得られる。次いで、例えば適当な還元剤での式(VII)の化合物の脱酸素的還元を別個に実施して、所望の9−アミノ誘導体(I)を製造し得る。
所望であれば、二つのステップでの還元を、まず式(V)の化合物を脱酸素反応にかけて下記の式(VIII)
Figure 2005036003
の化合物を生成することにより実施してもよい。
次いで式(VIII)の化合物を、例えば適当な還元剤で還元して、所望の式(I)化合物を生成し得る。
適当な還元剤としては、そのままの状態又は適当な媒体上に担持された状態、例えば炭素上、CaCO上、BaSO上、アルミナ上等に担持された状態の適当な触媒、例えばパラジウム、酸化白金、白金、ロジウム又はルテニウムの存在下の分子状水素、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸、水素化トリブチルスズ、シクロヘキサジエン、ポリメチルヒドロキシシラン等が挙げられる。あるいは、均一条件下で還元を実施してもよい。その場合は還元を、下記の一般式(IX)
MLL’ (IX)
で示される化合物の存在下で、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸、水素化トリブチルスズ、シクロヘキサジエン又はポリメチルヒドロキシシランのような還元剤によって実施する。前記式中、Mは遷移金属原子を表し、L及びL’は互いに同じか又は異なっていてよく、Cl−1もしくはCHCOOのような陰イオンか、又は溶媒分子、モノホスフィン、ジホスフィン、亜リン酸塩(phosphite)もしくはジアミンのような中性分子であり得、n及びmは0〜4であり得る。通常はm+nが1以上、例えば1、2、3又は4である。
Mが表し得る好ましい遷移金属原子は、パラジウム、ニッケル及び白金である。L及び/又はL’が表し得る好ましい基は、キレートジホスフィン、例えばビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2−及び1,3−ビス(ジフェニル−ホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又はトリフェニルホスフィンである。遷移金属原子:キレートジホスフィンのモル比は通常1:1〜1:4である。還元に使用する適当な溶媒は有機溶媒、例えばDMF、MeOH、酢酸、CHCl、ジオキサン、THF又はこれらの混合物であり、約0℃〜200℃の温度で、1時間〜3日間、例えば4時間〜24時間にわたり操作を行う。
還元を二つの別個のステップで実施する場合は、最初のステップを数分〜数時間の短時間、例えば5分〜12時間にわたって実施し得る。所望であれば中間誘導体を分離する。次いで第2の還元ステップを数分〜数時間、例えば5分〜12時間実施する。両方のステップの適当な溶媒は、ベンゼン、トルエン、CHCl、アセトニトリル、DMF、ジオキサン又はこれらの混合物である。適当な温度は室温〜溶媒還流温度である。
式(III)の化合物を式(IV)の化合物に変換するための好ましい試薬は、硝酸、硝酸と硫酸の混合物、又は硝酸カリウムもしくは硝酸と三フッ化ホウ素一水和物との混合物、又は硝酸/無水トリフルオロメタンスルホン酸混合物であり、−20℃〜60℃の温度で、数分〜数時間、例えば5分〜12時間にわたって操作を行う。
式(IV)の化合物を式(V)の化合物に変換するための好ましい試薬は、スルホニル化剤、例えばp−トルエンスルホニルクロリド、p−フルオロベンゼンスルホニルクロリド、メタンスルホニルクロリド、無水トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホニルクロリド、p−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、N−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミド又は1−もしくは2−ナフタレンスルホニルクロリドであり、無水有機溶媒、例えばCHCl、CHCl、THF、ジオキサン、DMF、DMA等の中で、−20〜80℃の温度で、数分、例えば5分から2日間にわたって操作を行う。任意に、ピリジン、トリエチルアミン、又は立体障害をもつ塩基、例えばジイソプロピルエチルアミンもしくは2,6−ジメチル−ピリジンのような有機塩基を存在させる。
最も好ましい試薬は、p−トルエンスルホニルクロリド、p−フルオロベンゼンスルホニルクロリド又はメタンスルホニルクロリドのようなスルホニル化剤であり、CHCl、CHCl、THF、ジオキサン、DMF又はDMAのような無水有機溶媒中で、−20〜60℃の温度で、数分例えば5分から1日にわたって操作を行う。任意的な有機塩基は、ピリジン、トリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミンのような立体障害をもつ塩基が最も好ましい。
式(V)の化合物を式(VII)、式(VIII)及び式(I)の化合物に変換するための好ましい還元剤は、
− 分子状水素、
− そのままの状態もしくは適当な媒体上に担持された状態、例えば炭素上、CaCO上、BaSO上、アルミナ上等に担持された状態の適当な触媒、例えばパラジウム、酸化白金もしくは白金の存在下の、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸、水素化トリブチルスズ、シクロヘキサジエン、ポリメチルヒドロキシシラン等、又は
− 前記一般式(IX)[式中M、L、L’、m及びnは前述の意味を表す]で示される触媒の存在下の、ギ酸アンモニウム、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸、ポリメチルヒドロキシシランもしくは水素化トリブチルスズである。リンリガンドL及び/又はL’の最も好ましい意味は、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン又はトリフェニルホスフィンである。
還元ステップの適当な溶媒は有機溶媒、例えばDMF、CHCl、ジオキサン、THF、DMSO、DMA又はこれらの混合物である。好ましい温度は約20℃〜120℃である。反応時間は1時間〜2日が好ましい。
最も好ましい還元剤は、分子状水素、ギ酸トリエチルアンモニウム、ギ酸及び水素化トリブチルスズである。還元ステップの最も好ましい溶媒は、DMF、ジオキサン、THF、DMSO、DMA又はこれらの混合物である。
式(I)の9−アミノカンプトテシンは有用なトポイソメラーゼI阻害物質である。該物質は、癌、特に白血病並びに結腸及び直腸の腫瘍の治療に有用である。従って該化合物は、前述のような癌にかかった患者の症状を改善するために使用し得る。該化合物はこの種の癌の症状を緩和するために使用できる。
従って、前述のような治療を必要とする患者、典型的にはヒトに、有効量の9−アミノカンプトテシンを投与し得る。該活性化合物は任意の適当な経路、例えば経口投与又は静脈内のような非経口投与によって投与し得る。ヒト患者には前述の経路によって、体重1kg当たり0.1〜60mgの活性化合物を投与し得る。好ましい用量範囲は1〜40mg/kg体重である。
式(I)の9−アミノカンプトテシンは、投与のために、医薬的に許容し得る担体又は希釈剤と共に医薬組成物に配合し得る。投与経路に応じて、任意の適当な担体又は希釈剤を使用し得る。適当な種類の処方物は、US−A−5106742号及びWO 91/05556号に記述されている。
本発明はその範囲内に、Xが前述の意味を表す前記式(V)及び(VII)の化合物及びその医薬的に許容し得る塩も包含する。
式(V)及び(VII)の化合物は抗腫瘍活性を有する。例えば、これらの化合物は白血病及び固形腫瘍、例えば結腸及び直腸の腫瘍に対して効果がある。
本発明の化合物の抗腫瘍活性は、例えば、漸増濃度の各分子で484回連続して処理した後L1210マウス白血病細胞についてin vitro検査を行った時に、これらの化合物が細胞毒性活性(細胞増殖を50%抑制する濃度、IC50として表す)を有することが判明したという事実によって証明される。IC50は各分子毎に、Coulter計数器で細胞総数を計数して用量応答曲線から算出した。
例えば、本発明の化合物9−アミノ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン(内部コードFCE28948)及び9−ニトロ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン(内部コードFCE28899)について得られたIC50値は、それぞれ10.6及び43.0ng/mlであった。
ヒト及び動物の身体は、医薬的に有効な量の式(V)もしくは(VII)の化合物又はその塩を投与することからなる方法によって治療し得る。その結果、ヒト又は動物の症状が改善され得る。
本発明の化合物は種々の投与形態で投与し得、例えば、錠剤、カプセル、薬用ドロップ、溶液又は懸濁液の形態で経口投与するか、座薬の形態で直腸投与するか、例えば筋内注射、静脈内注射、皮内注射もしくは皮下注射のように非経口的に投与し得る。
用量は患者の年齢、体重及び症状と、投与経路とに応じて決定する。例えば、ヒト成人に投与する場合の適当な用量は約0.1〜60mg/kg体重の範囲であり得、特に好ましい範囲は約1〜約40mg/kg体重であり得る。
本発明の医薬組成物は、活性物質としての式(V)又は(VII)の化合物を、1種類以上の医薬的に許容し得る賦形剤と組み合わせて含む。
本発明の医薬組成物は通常一般的な方法で調製され、医薬的に適当な形態で投与される。例えば、静脈注射又は点滴用の溶液は、担体として例えば無菌水を含み得、又は好ましくは無菌等張食塩水の形態を有し得る。筋内注射用の懸濁液又は溶液は、活性化合物と共に、医薬的に許容し得る担体、例えば無菌水、オリーブ油、オレイン酸エチル、グリコール、例えばプロピレングリコールを含み得、所望であれば適量の塩酸リドカインも含み得る。固体経口投与形態、例えば錠剤及びカプセルは、活性化合物と共に、希釈剤、例えばラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ及びジャガイモ澱粉;滑沢剤、例えばシリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはカルシウム、及び/又はポリエチレングリコール;結合剤、例えば澱粉、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン;分解剤(disaggregating agent)、例えば澱粉、アルギン酸、アルギネート、ナトリウム澱粉グリコレート;発泡性混合物;染料;甘味料;湿潤剤、例えばレシチン、ポリソルベート、ラウリルスルフェート、並びに、一般的には、医薬配合物で使用される非毒性且つ薬理学的不活性の物質を含み得る。前記医薬製剤は、公知の方法、例えば混合、造粒、錠剤形成、糖衣又はフィルムコーティングプロセスによって製造し得る。
以下の実施例は本発明の中間体及び化合物の製造を明らかにするものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
9−ニトロ−10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシン
(方法A)
50mlの35%Hを、酢酸中2.8gの20(S)−カンプトテシンの懸濁液中に滴下した。該溶液の温度を80℃に上げ、3.5時間維持した。冷却後、溶媒を残量約20mlまで蒸発させた。該混合物を200mlの水及び氷中に注いだ。沈殿物を濾過し、水及びエーテルで洗浄し、乾燥した。生成物を結晶化(CHCl/ヘキサン)して、1.9gの20(S)−カンプトテシン 1−オキシドを得た。
0.65gの20(S)−カンプトテシン 1−オキシドを600mlのジオキサンに溶解し、8.8mlの1M HSOを加え、該溶液を50分間照射した(パイレックスフィルター付き高圧Hg灯)。溶媒を蒸発させ、得られた10−ヒドロキシカンプトテシンをそれ以上精製せずに次のステップ(ニトロ化)に使用した。
10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを40mlのHNO(30%)に溶解した。1時間後、4mlのHNO(65%)を加えた。該反応混合物を室温で18時間放置し、次いでCHClで抽出した。有機相を中性になるまで水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させると、表題の生成物が0.250g得られた。
Figure 2005036003
方法B
酢酸−ジオキサンの1:1混合物(200ml)中の20(S)−カンプトテシン(1g)及び予還元されたPtO(0.2g)の懸濁液を、混合物が2当量のHを吸収するまで室温、圧力下で水素化した。該懸濁液を濾過し、得られた溶液を真空下で蒸発させて0.6gのテトラヒドロ誘導体混合物を得た。
トリフルオロ酢酸(15ml)中の未精製テトラヒドロ誘導体混合物(0.5g)に四酢酸鉛(2.1g)を加えた。該混合物を室温で15分間撹拌し、次いで真空下で蒸発させた。得られた粗生成物10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンをそれ以上精製せずに次のステップに使用した。
10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを40mlのHNO(30%)に溶解した。1時間後、4mlのHNO(65%)を加えた。該反応物を中性になるまで水で洗浄し、NaSOで乾燥し、蒸発させると、表題の生成物が0.250g得られた。該生成物は方法Aで得た化合物と同じものであった。
9−ニトロ−10−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
20mlのCHCl中0.3gの9−ニトロ−10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンの溶液に、0.17gのp−フルオロベンゼンスルホニルクロリドと0.12mlのEtNとを加えた。1時間後、該反応混合物を10%HClで処理し、次いで有機相を中性になるまで水で洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を蒸発させ、生成物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題の生成物が0.24g得られた。
Figure 2005036003
9−ニトロ−10−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシン
10mlのCHCl中0.2gの9−ニトロ−10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシン及び0.08mlのEtNの溶液をアルゴン雰囲気下で0℃に冷却した。1mlのCHClに溶解した0.1mlの無水トリフルオロメタンスルホン酸を前記溶液中に5分間で滴下した。0.5時間後、該反応混合物を実施例2と同様に処理した。カラムクロマトグラフィー後、0.18gの9−ニトロ−10−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンが得られた。
Figure 2005036003
9−ニトロ−10−(メタンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
1mlのCHClに溶解した0.07mlのメタンスルホニルクロリドを、アルゴン雰囲気下の0〜5℃に冷却した0.122mlのEtNを含む15mlのCHCl中0.3gの9−ニトロ−10−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンの溶液に5分間で滴下した。0.5時間後、該反応混合物を実施例2と同様に処理した。カラムクロマトグラフィー後、0.3gの9−ニトロ−10−(メタンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンが得られた。
Figure 2005036003
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
2mlのDMF中0.1gの9−ニトロ−10−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンの溶液に、0.1mlのトリエチルアミンと、0.028mlのギ酸と、0.005gの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンと、0.002gのPd(OAc)とを加えた。該混合物を4時間80℃に加熱した。溶媒を真空蒸発させ、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。表題の生成物が黄色固体物質として得られた(0.03g)。
Figure 2005036003
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
3mlのジオキサン中0.1gの9−ニトロ−10−メタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシンの溶液/懸濁液に、0.04mlのトリエチルアミンと、0.011mlのギ酸と、0.007gの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンと、0.003gのPd(OAc)とを加えた。該混合物を1時間90℃に加熱した。1時間後、更に0.35mlのギ酸トリエチルアンモニウム1.8M溶液を加えた。1時間後、溶媒を真空蒸発させ、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。表題の生成物が黄色固体物質として得られた(0.06g)。
Figure 2005036003
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
4mlのジオキサン中0.1gの9−ニトロ−10−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシンの溶液に、0.25mlのポリメチルヒドロキシシロキサンと、0.004gの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンと、0.002gのPd(OAc)とを加えた。該混合物を3時間40℃に加熱した。溶媒を真空蒸発させ、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。表題の生成物が黄色固体物質として得られた(0.036g)。
Figure 2005036003
9−ニトロ−12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシン
濃塩酸(200ml)中12−ニトロ−20(S)−カンプトテシン(20g)溶液/懸濁液を撹拌し、これに無水SnCl2(41.9g)を0〜5℃で加え、得られた混合物を室温で一晩継続的に撹拌した。固体を濾過し、少量の濃塩酸で洗浄した。次いで、黄色固体物質を水に懸濁し、固体重炭酸ナトリウムを少しずつ加えてpHを約2に調整した。固体を濾過によって回収し、中性になるまで水で洗浄し、次いでエタノール及びジエチルエーテルで洗浄した。乾燥後、10.5gの12−アミノ−20(S)−カンプトテシンが得られた。
35%HSO(100ml)中12−アミノ−20(S)−カンプトテシン(1g)溶液に、水30ml中の硝酸ナトリウム(2g)を撹拌下0〜5℃で加えた。10分後、尿素(1g)を加え、該反応混合物を更に10分間撹拌した。該混合物をCuNO(20g)水溶液が入っているフラスコ内に滴下し、次いで該溶液にCuO(3g)を加えた。該反応混合物を室温で30分間撹拌した。次いで該反応混合物を塩化メチレンで抽出した。溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製すると、12−ヒドロキシカンプトテシンが0.65g得られた。
前述の製造方法で得た生成物を実施例1の方法A及びBでニトロ化した。表題の生成物が0.5g得られた。
9−ニトロ−12−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
実施例2と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。
9−ニトロ−12−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシン
実施例3と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。
9−ニトロ−12−(メタンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
実施例4と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−ヒドロキシ−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
実施例5と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。該生成物は基準試料と同じものであった。
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
実施例6と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−メタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。該生成物は基準試料と同じものであった。
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
実施例7と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−12−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。該生成物は基準試料と同じものであった。
9−アミノ−10−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
10mlのジオキサンに溶解した0.25gの9−ニトロ−10−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンを、0.02gの10%Pd/Cの存在下で、室温、大気圧下で4時間水素化した。触媒を濾過によって除去し、溶媒を真空下で除去した。粗生成物をクロマトグラフィーで精製すると、表題の生成物が0.2g得られた。
Figure 2005036003
9−ニトロ−20(S)−カンプトテシン
2mlのジオキサン中0.1gの9−ニトロ−10−(p−フルオロベンゼンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンの溶液に、0.1mlのトリエチルアミンと、0.028mlのギ酸と、0.0055gの1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンと、0.002gのPd(OAc)とを加えた。該混合物を30分間80℃に加熱した。溶媒を真空蒸発させ、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製した。表題の生成物が黄色固体物質として得られた。
Figure 2005036003
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
7.5mlのDMF中0.6gの9−ニトロ−20(S)−カンプトテシンの溶液を、0.02gの10%Pd/Cの存在下で、室温、大気圧下で4時間水素化した。触媒を濾過によって除去し、温DMFで繰り返し洗浄した。溶媒を真空下で除去し、粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題の生成物が得られた。
9−ニトロ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
実施例2と同様に、但しp−トルエンスルホニルクロリド(0.16g)を用いて操作して、表題の化合物を得た(0.36g)。
Figure 2005036003
9−アミノ−20(S)−カンプトテシン
実施例5と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。該生成物は実施例5で得た試料と同じものであった。
9−ニトロ−20(S)−カンプトテシン
実施例16と同様に、但し出発材料として9−ニトロ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンを用いて反応を実施し、表題の生成物を得た。該生成物は実施例16で得た試料と同じものであった。
9−アミノ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシン
5mlのDMF中0.1gの9−ニトロ−10−(p−トルエンスルホニルオキシ)−20(S)−カンプトテシンの溶液を、0.025gの予還元したPtOの存在下で、室温、大気圧下で24時間水素化した。触媒を濾過によって除去し、溶媒を真空下で濃縮した。該粗反応混合物をカラムクロマトグラフィーで精製すると、表題の生成物が0.05g得られた。
Figure 2005036003

Claims (6)

  1. 下記式(V)
    Figure 2005036003
    [式中、XOは還元的に除去できる基である]の化合物又はその医薬的に許容し得る塩。
  2. 下記式(V)
    Figure 2005036003
    [式中、XOは還元的に除去できる基である]の化合物の製造方法であって、式(IV)
    Figure 2005036003
    の化合物を前記式(V)の化合物に変換することを含む方法。
  3. 式(III)
    Figure 2005036003
    [式中、環A上のヒドロキシ基は10位又は12位にある]の化合物をニトロ化剤と反応させることにより式(IV)の化合物を製造する請求項2に記載の方法。
  4. 請求項1で定義した式(V)の化合物又は該化合物の医薬的に許容し得る塩を有効成分として、医薬的に許容し得る担体及び/又は希釈剤と共に含む医薬組成物。
  5. ヒト又は動物の身体の治療で使用するための、請求項1で定義した式(V)の化合物又は該化合物の医薬的に許容し得る塩。
  6. 抗腫瘍剤として使用するための請求項5に記載の化合物。
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