JP2005035891A - タンパク質精製デバイスおよびタンパク質の精製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】細胞破砕液などの、多種のタンパク質を含む試料溶液中から、リン酸化タンパク質のみを特異的に、簡便な方法で精製・回収するタンパク質精製デバイスを提供すること。
【解決手段】リン酸化タンパク質を精製・回収するためのデバイスであって、細胞破砕液などの複数種のタンパク質を含む試料溶液を、デバイス内に設けた流路中を通過させる構造を有しており、該流路の一部または全部にリン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉する捕捉部を設けてあるタンパク質精製デバイスであり、好ましくは捕捉部に抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、および抗リン酸化チロシン抗体が固定化してあるタンパク質精製デバイス。
【解決手段】リン酸化タンパク質を精製・回収するためのデバイスであって、細胞破砕液などの複数種のタンパク質を含む試料溶液を、デバイス内に設けた流路中を通過させる構造を有しており、該流路の一部または全部にリン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉する捕捉部を設けてあるタンパク質精製デバイスであり、好ましくは捕捉部に抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、および抗リン酸化チロシン抗体が固定化してあるタンパク質精製デバイス。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞内のシグナル伝達に深く関わる、リン酸化タンパク質の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タンパク質は、ゲノムから転写・翻訳された後、酵素活性等の機能に直接影響するリン酸化などの翻訳後修飾を受ける。タンパク質は、生命の発生や分化、疾病の進行、環境の変化等にともなって、質的、あるいは量的に変化するため、ゲノムによってコードされた蛋白質の1セット(プロテオーム)を解析できれば、このようなタンパク質を網羅的に把握し、生命情報の解析、疾病の診断、医薬品開発において重要な知見が得られると期待される。中でも遺伝子の翻訳後修飾のひとつである、タンパク質のリン酸化は、細胞の分化、増殖、細胞死などのさまざまな細胞活動に関与している。特に、セリン、トレオニン、チロシンに対するリン酸化は、これまで多くの研究が行われている(たとえば、非特許文献1〜4)。したがって、リン酸化されたタンパク質を精製・回収することは、タンパク質の研究をすすめる上で極めて有用である。
【0003】
リン酸化タンパク質を精製する手段としては、(1)金属(特に3価の鉄)に対する親和性を利用する方法、(2)リン酸化セリン、リン酸化トレオニン残基の化学修飾、およびこれに対する特異抗体を用いる免疫親和法、(3)抗リン酸化チロシン抗体を利用した免疫沈降、などがある(たとえば、非特許文献2)。
しかしながら、(1)の方法は親和性および特異性が低く、リン酸化されていないタンパク質までも補足してしまう欠点がある。
また、(2)の方法はチロシンリン酸化には適用できず、(3)の方法はセリン、トレオニンのリン酸化には適用できない、非リン酸化タンパク質の除去などに煩雑な操作を要するなど、それぞれに欠点を有している。このため、リン酸化タンパク質のみを特異的に、しかも簡便な方法で精製・回収する手段が求められていた。
【0004】
【非特許文献1】T.Hunter、 Cell、 100、 p.113(2000年)
【非特許文献2】「現代科学増刊42 プロテオミクス」、鈴木紘一 監修、東京化学同人、p.24〜30(2002年)
【非特許文献3】「別冊日経サイエンス 細胞のシグナル伝達」、黒木登志夫 編、日経サイエンス社(1999年)
【非特許文献4】「シグナル伝達がわかる」、秋山徹 編、羊土社(2002年)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、細胞破砕液などの、多種のタンパク質を含む試料溶液中から、リン酸化タンパク質のみを特異的に、しかも簡便な方法で精製・回収する手段を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)リン酸化タンパク質を精製・回収するためのデバイスであって、複数種のタンパク質を含む試料溶液を、デバイス内に設けた流路中を通過させる構造を有しており、該流路の一部または全部にリン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉する捕捉部を設けてあることを特徴とするタンパク質精製デバイス、
(2)捕捉部に抗リン酸化タンパク質抗体が固定化されている(1)記載のタンパク質精製デバイス、
(3)抗リン酸化タンパク質抗体が、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、及び抗リン酸化チロシン抗体から選ばれる少なくとも一つである(2)記載のタンパク質精製デバイス、
(4)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め固定化されたプロテインA、プロテインG、及びプロテインLから選ばれる少なくとも一つを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(5) 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め導入されたアルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドラジド機、カルボジイミド基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、無水環、及びマレイミド基から選ばれる少なくとも一つの官能基を介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(6)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がビオチンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたアビジンを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(7)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がアビジンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたビオチンを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(8)流路中に粒子が充填してあり、捕捉部が該粒子である(1)〜(7)いずれか記載のタンパク質精製デバイス、
(9)流路の一部が多孔体からなっており、捕捉部が該多孔体の一部または全部である(1)〜(7)いずれか記載のタンパク質精製デバイス、
(10)複数種のタンパク質を含む試料溶液を、(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスのリン酸化タンパク質捕捉部を通過させた後に、溶出液を流すことによって、捕捉されたリン酸化タンパク質を再溶出させて回収することを特徴とするタンパク質の精製方法、
(11)溶出液が、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、及びリン酸化チロシンから選ばれる少なくとも一つを含む(10)記載のタンパク質の精製方法、
(12)(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、電気泳動装置、プロテインチップ、質量分析計、及び液体クロマトグラフィーから選ばれる少なくとも一つのタンパク質検出手段と接続されているタンパク質精製デバイス、
(13)(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、マイクロ流体デバイスの流路の一部に組み込まれたタンパク質精製デバイス、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のタンパク質精製デバイスは、試料溶液が通過する流路の一部に、リン酸化タンパク質を補足するための捕捉部を設けてあることを特徴とする。捕捉部には、リン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉するための捕捉手段を設けてある。
捕捉手段としては、抗リン酸化タンパク質抗体の固定化、金属イオンの固定化など、リン酸化タンパク質との親和性を向上させるための処理が利用可能であるが、特異的な捕捉を実現するためには、抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が好ましい。
抗リン酸化タンパク質としては、たとえば、Anti−Phospho−CREB、Anti−Phospho−Histone などに代表されるような、ある特定のリン酸化タンパク質に対する抗体を用いることもできるが、さらに普遍的に、周辺のアミノ酸配列とは無関係にリン酸化アミノ酸のみを認識する抗体を用いることが好ましい。リン酸化アミノ酸のみを認識する抗体としては、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、抗リン酸化チロシン抗体などを好適に用いることができる。
捕捉部には、たとえば上記の抗体のうち1種類を固定化することもでき、2種類以上の抗体を同一の捕捉部に混在させて固定化することも可能である。
【0008】
抗体の捕捉部への固定化手段としては、(1)疎水性相互作用や静電相互作用にもとづく吸着による固定化、(2)予め捕捉部に導入した、抗体と反応性を有する官能基との化学結合による固定化、(3)予め捕捉部に導入した、抗体と特異的に結合する物質との相互作用による固定化、などを利用することができる。
【0009】
(2)に記述の官能基としては、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドラジド機、カルボジイミド基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、各種の無水環、マレイミドなどを好適に用いることができ、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基がより好ましい。
官能基の導入には、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射、火炎処理、薬剤処理、表面グラフト重合、カップリング剤処理、官能基を有する物質のコーティングなどの手段を用いることができる。
【0010】
(3)に記述の、抗体と特異的に結合する物質としては、プロテインA、プロテインG、プロテインL、固定化したい抗体に対する抗体(二次抗体)、アビジンおよびその誘導体、ビオチンおよびその誘導体、各種金属イオンなどを用いることができる。ただし、アビジン、ビオチンおよびそれらの誘導体を用いる場合には、抗体にそれぞれビオチンあるいはアビジンを導入しておく必要がある。プロテインA、プロテインG、プロテインLによる抗体の固定化は、抗原との結合能を阻害しにくいため、特に好ましく用いることができる。
【0011】
捕捉部の形状について記述する。捕捉部は試料溶液が通過する流路の一部に設けることができるが、試料溶液中に含まれるリン酸化タンパク質の捕捉効率を高めるため、試料溶液と接触する面積を可能な限り大きくすることが好ましい。この観点から、捕捉部の形状は、微小な粒子を充填した流路、または、微細な流路を有する多孔体などであることが好ましい。
粒子としてはガラス、各種プラスチック、ゲル状物質、金属、セラミック粉末などが利用可能であり、その好ましい粒径は、直径が0.001〜1000μm、より好ましくは0.01〜500μm、さらに好ましくは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmである。
多孔体としては多孔質ガラス、多孔質プラスチック、多孔質セラミック、金属の焼結体などが利用可能であり、その好ましい孔径は、0.001〜1000μm、より好ましくは0.01〜500μm、さらに好ましくは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmである。
【0012】
以下、本発明のタンパク質精製デバイスの使用方法について記述する。リン酸化タンパク質を回収するためには、捕捉部に結合したリン酸化タンパク質を捕捉部から遊離・溶出させる必要がある。
溶出の手段としては、pH変化、塩濃度の変化、各種有機溶剤による溶出などの一般的な方法を利用可能である。
また、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、リン酸化チロシンなどのリン酸化アミノ酸を含む溶液を捕捉部に流して接触させ、捕捉部に捕捉されているリン酸化タンパク質と、リン酸化アミノ酸を置換することで、リン酸化タンパク質を溶出することが可能である。
得られるリン酸化タンパク質溶液には、相当量のリン酸化アミノ酸が不純物として含まれることになるが、リン酸化アミノ酸は低分子量であるため、限外濾過やゲル濾過などの簡単な方法で除去することができる。
【0013】
本発明のタンパク質精製デバイスを用いて、細胞破砕液などの試料溶液の前処理を行うことによって、リン酸化タンパク質以外のタンパク質を除去することが可能であり、電気泳動、ウェスタンブロッティング、質量分析、プロテインチップなどの手法を用いたリン酸化タンパク質の分析精度の向上が図られる。
【0014】
本発明のタンパク質精製デバイスは単独で用いることもできるが、他のデバイス、例えば、電気泳動装置、プロテインチップ、質量分析計、液体クロマトグラフィーなどのタンパク質分析手段と接続して用いることもできる。
また、本発明のタンパク質精製デバイスは、マイクロ流体デバイスの一部に組み込むことも可能である。ここで、マイクロ流体デバイスとは、シリコン、ガラス、プラスチックなどの小片上に微細な流路、ポンプ、バルブ、物質分離手段、検出手段などのマイクロスケールの要素を設けてあるデバイスのことである。
【0015】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。
(実施例)
(1)タンパク質精製デバイスの作製
プロテインA固相化ビーズ(Polysciences社製 Protein A Carboxylated beads)の表面に、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、および、抗リン酸化チロシン抗体(いずれもSigma−Aldrich社製)を固定化した。固定化は、Protein A Carboxylated beadsに添付の推奨プロトコルに従い、所定濃度に調製した抗体溶液中にビーズを浸漬することで行った。抗体を固定化したビーズを、内径6mmのプラスチック製のチューブ内に充填した。
(2)細胞破砕液の調製
HeLa細胞株を、通常の方法で培養した。細胞を培養皿から剥ぎ取り、リン酸緩衝溶液で洗浄したのち、遠沈により細胞を回収した。上清を取り除いたのち、0.25Mのショ糖を含むHEPES緩衝液(20mM)に分散させた。グラインダーを用いて、溶液が乳白色になるまで、細胞を十分に破砕した。その後、5600×gの重力加速度で30分間、遠心分離し、上清のタンパク質溶液を回収した。
(3)タンパク質の精製
(2)で調製したタンパク質溶液を、注射筒に注入した。注射筒を、(1)で作製したタンパク質精製デバイスと接続した。注射筒のピストンを押し込むことで、デバイス内に細胞破砕液を通過させた。その後、デバイス内に過剰量のリン酸バッファーを注入することで、ビーズ表面を洗浄した。
次に、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、及びリン酸化チロシンをリン酸バッファーに溶解した溶液をデバイス内に注入し、通過した溶液を回収した。回収した溶液を、透析フィルターを用いて精製し、精製済みタンパク質溶液を回収した。
【0016】
(比較例)
実施例の(2)で調製したタンパク質溶液を、そのまま用いた。
【0017】
実施例および比較例で調整した溶液中のタンパク質を、SDS変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分離した。リン酸化タンパク質染色キット(GelCode Phosphoprotein Staining Kit、PIERCE社製)を用いてゲル内のリン酸化タンパク質を染色した。
実施例では、比較例よりも明瞭なバンドが観察された。すなわち、本発明のタンパク質精製デバイスにより、リン酸化タンパク質が特異的に捕捉され、濃縮されていることが示された。
【0018】
【発明の効果】
本発明により、細胞破砕液などの、多種のタンパク質を含む試料溶液中から、リン酸化タンパク質のみを特異的に、簡便な方法で精製・回収することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】SDS−PAGEによる回収タンパクの分析結果
【符号の説明】
(1)分子量マーカー
(2)実施例
(3)比較例
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞内のシグナル伝達に深く関わる、リン酸化タンパク質の回収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タンパク質は、ゲノムから転写・翻訳された後、酵素活性等の機能に直接影響するリン酸化などの翻訳後修飾を受ける。タンパク質は、生命の発生や分化、疾病の進行、環境の変化等にともなって、質的、あるいは量的に変化するため、ゲノムによってコードされた蛋白質の1セット(プロテオーム)を解析できれば、このようなタンパク質を網羅的に把握し、生命情報の解析、疾病の診断、医薬品開発において重要な知見が得られると期待される。中でも遺伝子の翻訳後修飾のひとつである、タンパク質のリン酸化は、細胞の分化、増殖、細胞死などのさまざまな細胞活動に関与している。特に、セリン、トレオニン、チロシンに対するリン酸化は、これまで多くの研究が行われている(たとえば、非特許文献1〜4)。したがって、リン酸化されたタンパク質を精製・回収することは、タンパク質の研究をすすめる上で極めて有用である。
【0003】
リン酸化タンパク質を精製する手段としては、(1)金属(特に3価の鉄)に対する親和性を利用する方法、(2)リン酸化セリン、リン酸化トレオニン残基の化学修飾、およびこれに対する特異抗体を用いる免疫親和法、(3)抗リン酸化チロシン抗体を利用した免疫沈降、などがある(たとえば、非特許文献2)。
しかしながら、(1)の方法は親和性および特異性が低く、リン酸化されていないタンパク質までも補足してしまう欠点がある。
また、(2)の方法はチロシンリン酸化には適用できず、(3)の方法はセリン、トレオニンのリン酸化には適用できない、非リン酸化タンパク質の除去などに煩雑な操作を要するなど、それぞれに欠点を有している。このため、リン酸化タンパク質のみを特異的に、しかも簡便な方法で精製・回収する手段が求められていた。
【0004】
【非特許文献1】T.Hunter、 Cell、 100、 p.113(2000年)
【非特許文献2】「現代科学増刊42 プロテオミクス」、鈴木紘一 監修、東京化学同人、p.24〜30(2002年)
【非特許文献3】「別冊日経サイエンス 細胞のシグナル伝達」、黒木登志夫 編、日経サイエンス社(1999年)
【非特許文献4】「シグナル伝達がわかる」、秋山徹 編、羊土社(2002年)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、細胞破砕液などの、多種のタンパク質を含む試料溶液中から、リン酸化タンパク質のみを特異的に、しかも簡便な方法で精製・回収する手段を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)リン酸化タンパク質を精製・回収するためのデバイスであって、複数種のタンパク質を含む試料溶液を、デバイス内に設けた流路中を通過させる構造を有しており、該流路の一部または全部にリン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉する捕捉部を設けてあることを特徴とするタンパク質精製デバイス、
(2)捕捉部に抗リン酸化タンパク質抗体が固定化されている(1)記載のタンパク質精製デバイス、
(3)抗リン酸化タンパク質抗体が、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、及び抗リン酸化チロシン抗体から選ばれる少なくとも一つである(2)記載のタンパク質精製デバイス、
(4)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め固定化されたプロテインA、プロテインG、及びプロテインLから選ばれる少なくとも一つを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(5) 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め導入されたアルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドラジド機、カルボジイミド基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、無水環、及びマレイミド基から選ばれる少なくとも一つの官能基を介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(6)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がビオチンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたアビジンを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(7)捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がアビジンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたビオチンを介してなる(2)または(3)記載のタンパク質精製デバイス、
(8)流路中に粒子が充填してあり、捕捉部が該粒子である(1)〜(7)いずれか記載のタンパク質精製デバイス、
(9)流路の一部が多孔体からなっており、捕捉部が該多孔体の一部または全部である(1)〜(7)いずれか記載のタンパク質精製デバイス、
(10)複数種のタンパク質を含む試料溶液を、(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスのリン酸化タンパク質捕捉部を通過させた後に、溶出液を流すことによって、捕捉されたリン酸化タンパク質を再溶出させて回収することを特徴とするタンパク質の精製方法、
(11)溶出液が、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、及びリン酸化チロシンから選ばれる少なくとも一つを含む(10)記載のタンパク質の精製方法、
(12)(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、電気泳動装置、プロテインチップ、質量分析計、及び液体クロマトグラフィーから選ばれる少なくとも一つのタンパク質検出手段と接続されているタンパク質精製デバイス、
(13)(1)〜(9)いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、マイクロ流体デバイスの流路の一部に組み込まれたタンパク質精製デバイス、
である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のタンパク質精製デバイスは、試料溶液が通過する流路の一部に、リン酸化タンパク質を補足するための捕捉部を設けてあることを特徴とする。捕捉部には、リン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉するための捕捉手段を設けてある。
捕捉手段としては、抗リン酸化タンパク質抗体の固定化、金属イオンの固定化など、リン酸化タンパク質との親和性を向上させるための処理が利用可能であるが、特異的な捕捉を実現するためには、抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が好ましい。
抗リン酸化タンパク質としては、たとえば、Anti−Phospho−CREB、Anti−Phospho−Histone などに代表されるような、ある特定のリン酸化タンパク質に対する抗体を用いることもできるが、さらに普遍的に、周辺のアミノ酸配列とは無関係にリン酸化アミノ酸のみを認識する抗体を用いることが好ましい。リン酸化アミノ酸のみを認識する抗体としては、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、抗リン酸化チロシン抗体などを好適に用いることができる。
捕捉部には、たとえば上記の抗体のうち1種類を固定化することもでき、2種類以上の抗体を同一の捕捉部に混在させて固定化することも可能である。
【0008】
抗体の捕捉部への固定化手段としては、(1)疎水性相互作用や静電相互作用にもとづく吸着による固定化、(2)予め捕捉部に導入した、抗体と反応性を有する官能基との化学結合による固定化、(3)予め捕捉部に導入した、抗体と特異的に結合する物質との相互作用による固定化、などを利用することができる。
【0009】
(2)に記述の官能基としては、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドラジド機、カルボジイミド基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、各種の無水環、マレイミドなどを好適に用いることができ、アルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基がより好ましい。
官能基の導入には、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射、火炎処理、薬剤処理、表面グラフト重合、カップリング剤処理、官能基を有する物質のコーティングなどの手段を用いることができる。
【0010】
(3)に記述の、抗体と特異的に結合する物質としては、プロテインA、プロテインG、プロテインL、固定化したい抗体に対する抗体(二次抗体)、アビジンおよびその誘導体、ビオチンおよびその誘導体、各種金属イオンなどを用いることができる。ただし、アビジン、ビオチンおよびそれらの誘導体を用いる場合には、抗体にそれぞれビオチンあるいはアビジンを導入しておく必要がある。プロテインA、プロテインG、プロテインLによる抗体の固定化は、抗原との結合能を阻害しにくいため、特に好ましく用いることができる。
【0011】
捕捉部の形状について記述する。捕捉部は試料溶液が通過する流路の一部に設けることができるが、試料溶液中に含まれるリン酸化タンパク質の捕捉効率を高めるため、試料溶液と接触する面積を可能な限り大きくすることが好ましい。この観点から、捕捉部の形状は、微小な粒子を充填した流路、または、微細な流路を有する多孔体などであることが好ましい。
粒子としてはガラス、各種プラスチック、ゲル状物質、金属、セラミック粉末などが利用可能であり、その好ましい粒径は、直径が0.001〜1000μm、より好ましくは0.01〜500μm、さらに好ましくは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmである。
多孔体としては多孔質ガラス、多孔質プラスチック、多孔質セラミック、金属の焼結体などが利用可能であり、その好ましい孔径は、0.001〜1000μm、より好ましくは0.01〜500μm、さらに好ましくは0.01〜100μmであり、特に好ましくは0.1〜100μmである。
【0012】
以下、本発明のタンパク質精製デバイスの使用方法について記述する。リン酸化タンパク質を回収するためには、捕捉部に結合したリン酸化タンパク質を捕捉部から遊離・溶出させる必要がある。
溶出の手段としては、pH変化、塩濃度の変化、各種有機溶剤による溶出などの一般的な方法を利用可能である。
また、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、リン酸化チロシンなどのリン酸化アミノ酸を含む溶液を捕捉部に流して接触させ、捕捉部に捕捉されているリン酸化タンパク質と、リン酸化アミノ酸を置換することで、リン酸化タンパク質を溶出することが可能である。
得られるリン酸化タンパク質溶液には、相当量のリン酸化アミノ酸が不純物として含まれることになるが、リン酸化アミノ酸は低分子量であるため、限外濾過やゲル濾過などの簡単な方法で除去することができる。
【0013】
本発明のタンパク質精製デバイスを用いて、細胞破砕液などの試料溶液の前処理を行うことによって、リン酸化タンパク質以外のタンパク質を除去することが可能であり、電気泳動、ウェスタンブロッティング、質量分析、プロテインチップなどの手法を用いたリン酸化タンパク質の分析精度の向上が図られる。
【0014】
本発明のタンパク質精製デバイスは単独で用いることもできるが、他のデバイス、例えば、電気泳動装置、プロテインチップ、質量分析計、液体クロマトグラフィーなどのタンパク質分析手段と接続して用いることもできる。
また、本発明のタンパク質精製デバイスは、マイクロ流体デバイスの一部に組み込むことも可能である。ここで、マイクロ流体デバイスとは、シリコン、ガラス、プラスチックなどの小片上に微細な流路、ポンプ、バルブ、物質分離手段、検出手段などのマイクロスケールの要素を設けてあるデバイスのことである。
【0015】
【実施例】
本発明を以下の実施例により具体的に説明する。
(実施例)
(1)タンパク質精製デバイスの作製
プロテインA固相化ビーズ(Polysciences社製 Protein A Carboxylated beads)の表面に、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、および、抗リン酸化チロシン抗体(いずれもSigma−Aldrich社製)を固定化した。固定化は、Protein A Carboxylated beadsに添付の推奨プロトコルに従い、所定濃度に調製した抗体溶液中にビーズを浸漬することで行った。抗体を固定化したビーズを、内径6mmのプラスチック製のチューブ内に充填した。
(2)細胞破砕液の調製
HeLa細胞株を、通常の方法で培養した。細胞を培養皿から剥ぎ取り、リン酸緩衝溶液で洗浄したのち、遠沈により細胞を回収した。上清を取り除いたのち、0.25Mのショ糖を含むHEPES緩衝液(20mM)に分散させた。グラインダーを用いて、溶液が乳白色になるまで、細胞を十分に破砕した。その後、5600×gの重力加速度で30分間、遠心分離し、上清のタンパク質溶液を回収した。
(3)タンパク質の精製
(2)で調製したタンパク質溶液を、注射筒に注入した。注射筒を、(1)で作製したタンパク質精製デバイスと接続した。注射筒のピストンを押し込むことで、デバイス内に細胞破砕液を通過させた。その後、デバイス内に過剰量のリン酸バッファーを注入することで、ビーズ表面を洗浄した。
次に、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、及びリン酸化チロシンをリン酸バッファーに溶解した溶液をデバイス内に注入し、通過した溶液を回収した。回収した溶液を、透析フィルターを用いて精製し、精製済みタンパク質溶液を回収した。
【0016】
(比較例)
実施例の(2)で調製したタンパク質溶液を、そのまま用いた。
【0017】
実施例および比較例で調整した溶液中のタンパク質を、SDS変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)により分離した。リン酸化タンパク質染色キット(GelCode Phosphoprotein Staining Kit、PIERCE社製)を用いてゲル内のリン酸化タンパク質を染色した。
実施例では、比較例よりも明瞭なバンドが観察された。すなわち、本発明のタンパク質精製デバイスにより、リン酸化タンパク質が特異的に捕捉され、濃縮されていることが示された。
【0018】
【発明の効果】
本発明により、細胞破砕液などの、多種のタンパク質を含む試料溶液中から、リン酸化タンパク質のみを特異的に、簡便な方法で精製・回収することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】SDS−PAGEによる回収タンパクの分析結果
【符号の説明】
(1)分子量マーカー
(2)実施例
(3)比較例
Claims (13)
- リン酸化タンパク質を精製・回収するためのデバイスであって、複数種のタンパク質を含む試料溶液を、デバイス内に設けた流路中を通過させる構造を有しており、該流路の一部または全部にリン酸化タンパク質のみを特異的に捕捉する捕捉部を設けてあることを特徴とするタンパク質精製デバイス。
- 捕捉部に抗リン酸化タンパク質抗体が固定化されている請求項1記載のタンパク質精製デバイス。
- 抗リン酸化タンパク質抗体が、抗リン酸化セリン抗体、抗リン酸化トレオニン抗体、及び抗リン酸化チロシン抗体から選ばれる少なくとも一つである請求項2記載のタンパク質精製デバイス。
- 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め固定化されたプロテインA、プロテインG、及びプロテインLから選ばれる少なくとも一つを介してなる請求項2または3記載のタンパク質精製デバイス。
- 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体の固定化が、捕捉部に予め導入されたアルデヒド基、アミノ基、カルボキシル基、ヒドラジド機、カルボジイミド基、エポキシ基、チオール基、ヒドロキシル基、無水環、及びマレイミド基から選ばれる少なくとも一つの官能基を介してなる請求項2または3記載のタンパク質精製デバイス。
- 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がビオチンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたアビジンを介してなる請求項2または3記載のタンパク質精製デバイス。
- 捕捉部の抗リン酸化タンパク質抗体がアビジンを導入した抗体であり、その捕捉部への固定化が、捕捉部に予め固定化されたビオチンを介してなる請求項2または3記載のタンパク質精製デバイス。
- 流路中に粒子が充填してあり、捕捉部が該粒子である請求項1〜7いずれか記載のタンパク質精製デバイス。
- 流路の一部が多孔体からなっており、捕捉部が該多孔体の一部または全部である請求項1〜7いずれか記載のタンパク質精製デバイス。
- 複数種のタンパク質を含む試料溶液を、請求項1〜9いずれか記載のタンパク質精製デバイスのリン酸化タンパク質捕捉部を通過させた後に、溶出液を流すことによって、捕捉されたリン酸化タンパク質を再溶出させて回収することを特徴とするタンパク質の精製方法。
- 溶出液が、リン酸化セリン、リン酸化トレオニン、及びリン酸化チロシンから選ばれる少なくとも一つを含む請求項10記載のタンパク質の精製方法。
- 請求項1〜9いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、電気泳動装置、プロテインチップ、質量分析計、及び液体クロマトグラフィーからから選ばれる少なくとも一つのタンパク質分析手段と接続されているタンパク質精製デバイス。
- 請求項1〜9いずれか記載のタンパク質精製デバイスが、マイクロ流体デバイスの流路の一部に組み込まれたタンパク質精製デバイス。
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---|---|---|---|
JP2003196898A JP2005035891A (ja) | 2003-07-15 | 2003-07-15 | タンパク質精製デバイスおよびタンパク質の精製方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006128362A1 (fr) * | 2005-05-30 | 2006-12-07 | Dongxu Sun | Procede et kit correspondant destines a la detection quantitative d’un analyte specifique avec un agent de capture unique |
JP2013524804A (ja) * | 2010-04-19 | 2013-06-20 | メディカル リサーチ カウンシル | Lrrk2阻害剤を特定するためのアッセイ |
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2003
- 2003-07-15 JP JP2003196898A patent/JP2005035891A/ja active Pending
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