JP2005035817A - Ge系結晶の成長方法、Ge系結晶、Ge系結晶基板及び太陽電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】キャスト成長用坩堝11の底部に、少なくともGeを含む結晶片を配置する。次いで、キャスト成長用坩堝11内において、結晶片の上方に少なくともGeを含む原料を配置する。次いで、キャスト成長用坩堝11を加熱して、結晶片の少なくとも一部が残存するように原料を溶解して、融液14を形成する。次いで、融液14を冷却及び凝固させることにより、結晶片の残部12AからGe系結晶を一方向成長させる。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、Ge系結晶の成長方法及びこの方法により得られたGe系結晶、並びに前記Ge系結晶を利用したGe系結晶基板及び太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
最も安全で環境にやさしい太陽電池を地球規模で本格的に普及させるためには、高効率の太陽電池を豊富に存在する資源を用い、低コストで安全に生産できる技術開発が必要である。現在、上記太陽電池としては、アモルファスSiや、多結晶Siなどを用いたSi系太陽電池に加えて、SiGe系太陽電池も提案されており、実用化に向けて研究開発が進められている。
【0003】
上述した太陽電池を作製するに際し、国内外では、所定の融液からキャスト法を用いて太陽電池にデバイス化する方法が実用技術として主流を占めている。しかしながら、キャスト法は、固液界面における温度勾配を増大させた、融液の凝固法をベースにしているため、結晶品質を十分に上げることが本質的に困難である。具体的には、キャスト法を用いて作製したSi多結晶やSiGe多結晶は柱状結晶の組織を有しており、その結晶方位は乱雑であり、ほとんど規則性を有していない。
【0004】
このため、バルク状の前記Si多結晶あるいはSiGe多結晶を切り出してSiウエハを作製し、このウエハを用いて太陽電池を作製した際に、又は前記ウエハ上に所定のSi薄膜やSiGe薄膜を形成して太陽電池を作製した際に、前記太陽電池内に太陽光の反射を防止して、前記太陽光を有効に吸収するための形状方位の揃った構造を形成することができない。したがって、前記太陽電池の変換効率が劣化して、例えば単結晶Siウエハからなる太陽電池と比較した場合において、約8割以下にまで劣化してしまっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、キャスト法を用いたGe系結晶の成長方法において、前記Ge系結晶の結晶方位を自在に制御することができ、前記Ge系結晶から切り出して得たウエハが所定のエッチング操作後において、形状方位の揃ったテクスチャー構造を有するように、前記Ge系結晶内に形状方位の揃った構造を簡易に形成することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、
キャスト成長用坩堝の底部に、少なくともGeを含む結晶片を配置する工程と、
前記キャスト成長用坩堝内において、前記結晶片の上方に少なくともGeを含む原料を配置する工程と、
前記キャスト成長用坩堝を加熱して、前記結晶片の少なくとも一部が残存するように前記原料を溶解して、融液を形成する工程と、
前記融液を冷却及び凝固させることにより、前記結晶片の残部からGe系結晶を一方向成長させる工程と、
を具えることを特徴とする、Ge系結晶の成長方法に関する。
【0007】
本発明によれば、キャスト成長用坩堝の底部に少なくともGeを含む結晶片を配置し、次いで、前記結晶片の上方に少なくともGeを含む原料を配置するようにしている。そして、前記原料を加熱溶解して融液を作製し、冷却凝固させて一方向成長させる際に、前記結晶片の少なくとも一部が溶解することなく残存するようにし、その残部が常に前記融液の底部と接触するようにしている。したがって、前記結晶片の前記残部から、前記結晶片によって核の数が制御及び制限された状態でGe系結晶の核成長が開始し、次いで、凝固が進行するにつれて前記成長核からランダムな結晶方位を有するGe系結晶が一方向成長するようになる。
【0008】
この後の成長過程において、優先方位に対する結晶方位の整列メカニズムが働き、この結果、得られた前記Ge系結晶中には形状方位が揃った組織構造が形成されるようになる。
【0009】
なお、上述のGe系結晶を切り出して得たウエハ面に所定のエッチング操作を行うことにより、形状方位の揃ったテクスチャー構造を形成することができる。
【0010】
また、前記結晶片を適宜選択し、例えば、所定の結晶方位に配向した主面を有する板状の結晶片を用いれば、前記Ge系結晶は前記結晶片の前記主面の配向方向に影響を受けて成長するようになる。また、前記結晶片を粒状のものから構成すれば、前記結晶片の配向性自体は前記Ge系結晶の成長に影響を与えず、種々の方位を有するものが混ざり合うようになる。この場合、前記Ge系結晶の成長方位は、前記Ge融液の組成や後の冷却凝固操作に依存するようになる。
【0011】
本発明の好ましい態様においては、前記融液を形成する工程において、前記結晶片の前記残部が前記融液の底部の全体を覆うようにする。これによって、前記キャスト成長用坩堝の底面における核形成サイト数を制御及び制限した状態から結晶成長を開始することができ、次いで一方向成長を行うことにより、前記Ge系結晶の、結晶粒の方位整列効果を促進することができ、大きな結晶粒を有する形状方位の揃った組織構造、具体的には柱状組織を成長させることができるようになる。したがって、前記Ge系結晶を切り出してウエハを形成した場合に、前記ウエハ表面には形状及び方位の揃ったテクスチャー構造が形成されるようになる。
【0012】
また、本発明の他の好ましい態様においては、前記融液を形成する工程において、前記キャスト成長用坩堝の下部を冷却することにより、前記結晶片の前記少なくとも一部を残存させるようにする。これによって、前記キャスト成長用坩堝の形状及び大きさや、加熱炉の形状及び特性、さらには前記結晶片の組成及び量などに依存することなく、所定量の結晶片を常に溶解することなく残存させることができる。
【0013】
さらに、本発明のその他の好ましい態様においては、前記Ge系結晶を一方向成長させる工程において、前記Ge系結晶の成長速度を制御する。結晶欠陥が導入されないようにするには、前記Ge系結晶の成長速度を低くし、結晶粒の方位整列を促進する場合には、前記Ge系結晶の成長速度を高くすることが要求される。したがって、これらのバランスを考慮した上で、前記Ge系結晶の成長速度を適宜すれば、その成長速度に応じて所定の結晶方向に配向した前記Ge系結晶を得ることができる。
【0014】
また、本発明の他の好ましい態様においては、前記Ge系結晶を一方向成長させる工程において、前記Ge系結晶の成長途中で、前記Ge系結晶の成長速度を増大させるようにする。これによって、前記Ge系結晶の方位整列効果を増大させることができる。
【0015】
さらに、本発明のその他の好ましい態様においては、前記融液中に所定の追加元素を添加し、前記Ge系結晶の成長方位を制御するようにすることが好ましい。
【0016】
本発明のその他の特徴及び利点については、以下の発明の実施の形態において説明する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明のGe系結晶の作製方法の一例を説明するための図である。最初に、図1に示すように、キャスト成長用坩堝11の底部に結晶片12を配置し、結晶片12の上方の原料13を配置する。坩堝11は図示しない加熱炉内に配置されている。また、坩堝11の底部は平坦又は円錐状であることが好ましい。
【0018】
原料13は少なくともGeを含むことが必要であるが、最終的に得るGe系結晶の用途などに応じてその他の元素を含ませることもでき、前記Ge系結晶の組成を任意に制御することができる。例えば、SiGe系太陽電池を作製するに際し、SiGeウエハの材料となるSiGe結晶を作製する場合は、原料13中にGeに加えてSiを加えることもできる。この場合、具体的には、Ge原料とSi原料とを準備し、これらを所定量で配合することによって目的とする原料13を得ることができる。Ge原料及びSi原料は均一に混合させることもできるし、Ge原料上にSi原料を充填するようにすることもできる。
【0019】
結晶片12は板状及び粒状などいずれの形態をも採ることができる。上述したように、板状の結晶片の場合、後に得るGe系結晶の成長方位は前記結晶片の主面の結晶方位に影響を受けるようになる。例えば、結晶片12の結晶面を[111]、[100]又は[110]方向に揃えて配置することにより、最終的に得るGe系結晶15の方位整列を促進させることができる。なお、結晶片12は単結晶及び多結晶のいずれであっても良い。
【0020】
また、結晶片12の大きさは1mm〜10mmであることが好ましい。これによって、後の得るべきGe系結晶の核生成数を制限し、大きな粒径を有する柱状組織の成長が促進され、一方向成長を行うことによって、結晶方位の整列した大粒径の柱状組織を有するGe系多結晶を得ることができる。そして、このGe系多結晶から切り出した結晶方位の揃ったウエハに対し、所定のエッチング操作を施すことによって、形状及び方位の揃ったテクスチャー構造を簡易に形成することができるようになる。
【0021】
結晶片12が板状の場合、前記大きさは板状の結晶片の一辺当りの大きさを意味する。結晶片12が粒状の場合、前記大きさは粒状の結晶片の直径を意味する。
【0022】
さらに、結晶片12は少なくともGeを含むことが要求されるが、目的とするGe系結晶の一方向成長に影響を与えない元素として、例えばSiなどを含むことができる。但し、後に得る融液の組成や冷却凝固操作を適宜に制御することにより、結晶片12をSiのみから構成しても、目的とするGe系結晶を得ることができる。
【0023】
次いで、図2に示すように、坩堝11を図示しない加熱炉によって加熱し、原料13を溶解させて、融液14を生成する。融液14の組成は、原料13の組成に応じて変化し、原料13がGeを必須元素として含むことから、融液14もGeを必須元素として含むことになる。また、原料13をGe原料及びSi原料から構成した場合は、融液14中にもGe及びSiが含まれるようになる。
【0024】
また、結晶片12もある程度の量が溶解して融液14中に入り込むようになる。しかしながら、本発明においては、例えば坩堝11の下方から坩堝11の底部に直接当るようにして冷却ガスを導入する、あるいは坩堝11の下部を加熱炉の加熱領域外に位置するようにし、前記底部を冷却して結晶片12の少なくとも一部が残存するようにする。
【0025】
また、結晶片12の残部12Aは融液14の底部全体を覆っている。したがって、したがって、目的とするGe系結晶の成長初期の核形成数を制御及び制限でき、一方向成長を行うことにより、大粒径の柱状組織化より促進することができ、所定の成長条件の制御により、結晶粒の方位が整列した前記Ge系結晶を得ることができる。この結果、前記Ge系結晶から切り出したウエハ表面には、所定のエッチング工程後において形状方位の揃ったテクスチャー構造を確実に形成できるようになる。
【0026】
次いで、図2に示すように、坩堝11を矢印Pで示される方向に引き下げることにより、融液14中に矢印Pと同方向に温度勾配を生ぜしめることができ、融液14の下方において冷却が進行し、結晶片12の残部12Aから核生成が生じて凝固が始まり、次いで凝固が進行することにより、生成した核から一方向成長が開始されて、図3に示すように、融液14の下方で結晶化が進行し、柱状組織のGe系結晶15が生成するようになる。その後、坩堝11をさらに下方に引き下げることにより凝固が進行して、融液14の全体が結晶化してGe系結晶15に転換する。
【0027】
Ge系結晶15は、結晶片12の残部12Aから成長した核を中心として、一方向成長することにより得られたものであるので、その内部には優先方位において粒径が制御されるとともに、結晶粒の方位が整列した結晶構造が形成されるようになる。なお、一般的には、柱状組織の多結晶となる。
【0028】
坩堝11の引き下げ速度は、Ge系結晶15の成長速度に直接影響を与えるものであるため、Ge系結晶15の成長速度を考慮して適宜に決定する。Ge系結晶15内に結晶欠陥が導入されないようにするには、坩堝11の引き下げ速度を低下させ、Ge系結晶15の成長速度を低くする。Ge系結晶15の結晶粒の方位整列を促進する場合には、坩堝11の引き下げ速度を増大させ、Ge系結晶15の成長速度を高くする。
【0029】
なお、結晶欠陥の導入と結晶粒の方位整列とをバランスさせた状態で、坩堝11の引き下げ速度を制御し、Ge系結晶15の成長速度を制御することによって、Ge系結晶15の成長方位を制御することができる。例えば、Ge系結晶15の成長速度を0.1mm/分〜10mm/分とすることにより、Ge系結晶の成長方位を[100]方向に制御できるようになる。
【0030】
また、Ge系結晶15の成長速度を増大させることにより、方位整列が促進されるので、Ge系結晶15の成長途中、例えば結晶片12の残部12Aからの核生成が終了した後において、坩堝11の引き下げ速度を増大させ、Ge系結晶15の成長速度を大きくすることにより、方位整列効果を促進することができる。
【0031】
このようにして結晶粒の方位が整列した柱状組織を有するGe系多結晶が得られるようになり、このようなGe系多結晶から切り出したウエハ表面に所定のエッチング操作を施すことにより、形状方位の揃ったテクスチャー構造を簡易に形成できるようになる。
【0032】
また、Ge融液14中に所定の追加元素を添加することによっても、Ge系結晶15の成長方位を制御することができる。前記追加元素としては、当然にGe系結晶15の一方向制御を妨げないものであることが要求され、具体的には、C、Ga、In、Al、P、As、Sb及びBからなる群より選ばれる少なくとも一つを選択することもできる。これらの元素を前記追加元素として使用する場合、その添加量は0.1原子%〜10原子%にする。
【0033】
なお、上述したように、原料13内にSi原料を含ませるようにすれば、Ge系結晶は[110]方向に配列成長するようになる。したがって、Siも必然的に配向性制御の追加元素として機能するようになる。
【0034】
以上のようにして得たGe系結晶15はバルク状であるため、これを切り出してウエハとすることにより、太陽電池などの基板として使用することのできるGe系結晶基板を提供することができる。この場合、前記基板上には動作層を積層する。前記動作層は、高品質なSi、SiGe及びGaAsなどのIII−V族化合物半導体から選ばれる少なくとも一種からなるエピタキシャル結晶薄膜ヘテロ構造などから構成する。前記薄膜は、液相エピタキシャル法、気相エピタキシャル法、又は分子線エピタキシャル法などを用いて作製することができる。
【0035】
また、前記ウエハを動作用結晶として用い、直接的に太陽電池として使用することができる。この場合、前記ウエハ内にpn接合を設けて動作層とし、さらにその表面に所定のエッチングを施してテクスチャー構造を形成する。
【0036】
上記いずれの場合においても、得られた太陽電池は太陽光の反射を抑制し、高い変換効率を実現できるようになる。
【0037】
【実施例】
(実施例1)
内径15mmの二重石英坩堝内に、直径2−5mmのGe結晶片を入れ、次いで、前記Ge結晶片の上方に純Ge結晶からなるGe原料を入れた。次いで、前記坩堝を所定の加熱炉内に入れて保持した後、炉内を980℃に加熱して、前記Ge原料を溶解し、Ge融液を作製した。なお、坩堝の下部を炉内の低温領域に保持して冷却し、前記Ge結晶片が完全に溶解しないようにした。また、前記加熱炉内には30℃/cmの温度勾配が生じるようにした。次いで、前記坩堝を5mm/分なる速度(成長速度)で引き下げ、長さ約90mmのGe結晶を得た。
【0038】
図4は、前記Ge結晶の断面のOIM(Orientation Image Microscope)写真である。図4(a)は前記Ge結晶底部における断面のOIM写真であり、図4(b)は前記Ge結晶中央部における断面のOIM写真である。図4(a)に示すように、前記Ge結晶の底部では、結晶粒が細かく方位もばらばらで規則性が見られないが、図4(b)に示すように、前記Ge結晶の中央部では、結晶粒が増大して[100]配向していることが判明した。
【0039】
(実施例2)
前記純Ge結晶原料上に、純Si結晶からなるSi原料を配置した以外は、実施例1同様にしてSiGe融液を作製し、長さ約30mmのSiGe結晶を得た。なお、SiGe結晶の成長中は、前記SiGe融液中に常時Si元素を補給し、前記SiGe融液の濃度が一定となるようにした。
【0040】
図5は、前記SiGe結晶の断面のOIM写真である。図5(a)〜(e)は、それぞれ前記SiGe結晶の下部から2mm、7mm、12mm、17mm及び22mmの位置における状態を示している。図5から明らかなように、前記SiGe結晶の底部においては結晶粒が小さく、結晶方位も不揃いであるのに対し、上部に向かうにつれて結晶粒が増大し、[110]方向への配向度合いが増大していることが判明した。
【0041】
以上、実施例1及び2から明らかなように、本発明によれば、所定の方位に配向した結晶粒を多く含む柱状組織のGe系多結晶が得られることが判明した。
【0042】
(実施例3)
実施例1及び2で得られたGe系結晶から20×18mm2、厚さ500μmのウエハを切り出し、これを基板として用いることにより、スライディングボード法によってSi薄膜及びSiGe薄膜のエピタキシャル成長を実施した。なお、前記Si薄膜及び前記SiGe薄膜に対するSi原料及びSiGe原料は、GaあるいはIn溶媒又はAuBi合金溶媒中に飽和させて用いた。
【0043】
Ga溶媒及びIn溶媒を用いた場合は、前記基板と前記飽和溶媒とを接触させた状態で、900℃から800℃の温度範囲で、前記飽和溶媒を0.5℃/分の冷却速度で100℃低下させ、前記基板上に前記Si薄膜又は前記SiGe薄膜を形成した。AuBi合金溶媒を用いた場合は、前記基板と前記飽和溶媒とを接触させた状態で、800℃から500℃の温度範囲で、前記飽和溶媒を0.5℃/分の冷却速度で100℃低下させ、前記基板上に前記Si薄膜又は前記SiGe薄膜を形成した。
【0044】
いずれの溶媒を用いた場合においても、前記Si薄膜及び前記SiGe薄膜内は、前記基板の結晶粒の配向方位を反映した所定の配向方位を有する結晶組織が形成されていることが判明した。
【0045】
以上、具体例を示しながら発明の実施の形態に則して本発明を説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲において、あらゆる変形や変更が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、キャスト法を用いたGe系結晶の成長方法において、前記Ge系結晶の結晶方位を自在に制御することができ、前記Ge系結晶から切り出して得たウエハが所定のエッチング操作後において、形状方位の揃ったテクスチャー構造を有するように、前記Ge系結晶内に形状方位の揃った構造を簡易に形成することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGe系結晶の作製方法の一例を説明するための図である。
【図2】同じく、本発明のGe系結晶の作製方法の一例を説明するための図である。
【図3】同じく、本発明のGe系結晶の作製方法の一例を説明するための図である。
【図4】本発明のGe系結晶のOIM写真である。
【図5】同じく、本発明のGe系結晶のOIM写真である。
【符号の説明】
11 キャスト成長用坩堝
12 結晶片
12A 結晶片の残部
13 原料
14 融液
15 Ge系結晶
Claims (19)
- キャスト成長用坩堝の底部に、少なくともGeを含む結晶片を配置する工程と、
前記キャスト成長用坩堝内において、前記結晶片の上方に少なくともGeを含む原料を配置する工程と、
前記キャスト成長用坩堝を加熱して、前記結晶片の少なくとも一部が残存するように前記原料を溶解して、融液を形成する工程と、
前記融液を冷却及び凝固させることにより、前記結晶片の残部からGe系結晶を一方向成長させる工程と、
を具えることを特徴とする、Ge系結晶の成長方法。 - 前記結晶片の大きさが1mm〜10mmであることを特徴とする、請求項1に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記結晶片は板状又は粒状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記板状の結晶片の結晶面を、[111]、[100]又は[110]方向に揃えて配置することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記融液を形成する工程において、前記結晶片の前記残部が前記融液の底部の全体を覆うようにすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記融液を形成する工程において、前記キャスト成長用坩堝の下部を冷却することにより、前記結晶片の前記少なくとも一部を残存させるようにすることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記キャスト成長用坩堝の底部は平坦又は円錐状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記原料はGeに加えてSiを含み、前記Ge系結晶はSiGe結晶であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記Ge系結晶を一方向成長させる工程において、前記Ge系結晶の成長速度を制御することにより、前記Ge系結晶の成長方位を制御することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記Ge系結晶を一方向成長させる工程において、前記Ge系結晶の成長途中で、前記Ge系結晶の成長速度を増大させ、前記Ge系結晶の方位整列効果を増大させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記Si融液中に所定の追加元素を添加し、前記Ge系結晶の成長方位を制御することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一に記載のGe系結晶の成長方法。
- 前記追加元素は、C、Ga、In、Al、P、As、Sb及びBからなる群より選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする、請求項11に記載のGe系結晶の成長方法。
- 請求項1〜12のいずれか一に記載の方法で形成されたことを特徴とする、Ge系結晶。
- Si1−XGeX(0<X≦1)なる組成を有することを特徴とする、請求項13に記載のGe系結晶。
- 柱状組織を有する多結晶であることを特徴とする、請求項13又は14に記載のGe系結晶。
- 請求項13〜15のいずれか一に記載のGe系結晶から作製したことを特徴とする、Ge系結晶基板。
- 請求項16に記載のGe系結晶基板を含むことを特徴とする太陽電池。
- 前記Ge系結晶基板上に、Si、SiGe及びIII−V族化合物半導体から選ばれる少なくとも一種をエピタキシャル成長させたヘテロ構造を具えることを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池。
- 請求項13〜15のいずれか一に記載のGe系結晶を含むことを特徴とする、太陽電池。
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