JP2005035813A - 光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光ファイバ母材の製造において、多孔質ガラス体を出発部材に形成する際、多孔質ガラス体の割れや脱落を防止する光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【解決手段】出発部材にガラス微粒子を堆積させる前に、定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下に出発部材1を予備加熱する。予備加熱源として、ガラス微粒子の堆積に使用するバーナ3、4、5を用いることが好ましい。この際に、各バーナにより予備加熱を行い、出発部材1全体において、ガラス微粒子の堆積直前まで予備加熱を持続することが好ましい。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、VAD法などによって光ファイバ母材を製造する方法に関するものである。特に、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱し、多孔質ガラス体の割れなどを防止するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
光ファイバ母材の製造方法として、ガラス原料ガスを火炎中で加水分解反応させてガラス微粒子(スート)を合成し、出発部材の外周部及び下端部にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を得て、これを電気炉中で焼結し、透明ガラス化し光ファイバ母材を得るVAD法(Vapor Phase Axial Deposition method)がある。
【0003】
図3は、このようなVAD法によって、光ファイバ母材を製造する際の多孔質ガラス体の形成工程を示すものである。
図3において、符号1は出発部材を示す。この出発部材1は、例えば石英ガラスなどからなる丸棒状のものであって、その基端部は把持装置2に把持され、回転しながら上方に移動するようになっている。
【0004】
この出発部材1の側方には、1又は複数のガラス微粒子の堆積用バーナが設けられている。図3には、一例として3本の多重管構造のバーナ3、4、5が設けられている。これらのバーナ3、4、5には、それぞれSiClなどのガラス原料ガスと水素、酸素、アルゴンなどが供給され、火炎中でSiOなどからなるガラス微粒子が形成され、このガラス微粒子が出発部材1の外周部及び下端部に堆積してゆき、多孔質ガラス体6が形成されるようになっている。
【0005】
このような多孔質ガラス体6の形成方法においては、その形成の途中において多孔質ガラス体6が割れたり、多孔質ガラス体6の成長に伴ってこれが出発部材1から脱落したりするなどの不都合があった(例えば特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−17037号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明における課題は、出発部材に多孔質ガラス体を形成する際に、多孔質ガラス体の割れ、脱落が生じないようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために、請求項1の発明は、出発部材の外周部にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する光ファイバ母材の製造方法において、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
請求項2の発明は、前記出発部材の温度を、予備加熱によって定常ガラス堆積温度よりも100℃以上高く、かつ1500℃以下とすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【0009】
請求項3の発明は、出発部材にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する光ファイバ母材の製造方法において、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱する際、予備加熱に用いる加熱源として、ガラス微粒子堆積に使われるバーナを利用することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
請求項4の発明は、ガラス微粒子の堆積を複数本のバーナを用いて行う際に、各バーナにおいて前記堆積を始める前に前記予備加熱を行うことを特徴とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【0010】
請求項5の発明は、複数本のバーナのうち、一本のバーナを用いて出発部材を予備加熱する際、このバーナの作動によって多孔質ガラス体が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下とすることを特徴とする光ファイバの製造方法を提供する。
請求項6の発明は、コア用バーナによって出発部材を予備加熱する際に、このコア用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、コア用バーナを作動させ、コアとなるガラス微粒子を堆積させ、次いで、第一クラッド用バーナによって出発部材を予備加熱する際に、この第一クラッド用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、第一クラッド用バーナを作動させ、クラッドの一部となるガラス微粒子を堆積させ、次いで、第二クラッド用バーナによって、出発部材を予備加熱する際に、この第二クラッド用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、第二クラッド用バーナを作動させ、クラッドの一部となるガラス微粒子を堆積させることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明者は、上記の多孔質ガラス体の割れ、脱落の原因を究明したところ、特に、多孔質ガラス体と出発部材が接しているところはひびが入り易く、多孔質ガラス体の割れの原因となることが多いということを発見した。また、出発部材に接しているガラス微粒子の嵩密度が低いと、多孔質ガラス体と出発部材の密着力が弱くなり多孔質ガラス体の脱落が生じる。さらに、前記ガラス微粒子の嵩密度が低いほど多孔質ガラス体の割れも起こりやすくなることがわかった。
【0012】
したがって、多孔質ガラス体の割れや脱落を防止する為には、多孔質ガラス体の嵩密度を上げることが好ましいことが知られている。しかしながら、多孔質ガラス体には適した嵩密度が存在する。このため、嵩密度を上げすぎることは多孔質ガラス体の特性悪化を招くことになり、多孔質ガラス体の嵩密度をむやみに高めて、多孔質ガラス体の割れ、脱落を防止することは適切ではない。したがって、多孔質ガラス体全体の嵩密度を高める以外の方策が必要となる。この方策として、出発部材を所定温度に予備加熱することを知見した。
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1及び図2は、本発明の光ファイバ母材の製造方法の一例を示す概略図である。
図1において、符号1は出発部材を示す。この出発部材1は、例えば石英ガラスなどからなる丸棒状のものであって、その基端部は把持装置2に把持され、回転しながら上方に移動するようになっている。
【0014】
この出発部材1の側方には、例えば、それぞれ多重管構造のコア用バーナ3、第一クラッド用バーナ4、及び第二クラッド用バーナ5が設けられている。
図1及び図2に示すように、コア用バーナ3は、出発部材1の下端部aを加熱し、第一クラッド用バーナ4はコア用バーナ3によって加熱される下端部aの上方の外周部bを加熱し、第二クラッド用バーナ5は外周部bの上方の外周部cを加熱するように、配置されている。
これらのバーナ3、4、5は、本来ガラス微粒子を堆積させるためにSiClなどのガラス原料ガスと水素や酸素などを供給し、火炎中でSiOなどからなるガラス微粒子を形成し、このガラス微粒子を出発部材1の外周部及び下端部に堆積してゆき、多孔質ガラス体を形成するものであるが、本発明においては、ガラス微粒子の堆積に先立って、これらバーナ3、4、5を利用して出発部材1を予備加熱する。このバーナ3、4、5を利用した予備加熱は次のようにして行われる。
【0015】
本発明において、定常ガラス堆積温度とは、一本以上のガラス微粒子の堆積用バーナがすべて作動し、ガラス微粒子の堆積が継続して安定して行われ、目的とする多孔質ガラス体が形成される時の多孔質ガラス体の表面温度を呼称するものである。この定常ガラス堆積温度は、通常400〜1000℃、好ましくは600〜900℃の範囲から選ばれ、±10℃程度の変動が存在する。また、この定常ガラス堆積温度は、多孔質ガラス体の製造前に、多孔質ガラス体の仕様等によって、上記範囲から適宜選択され、決定されるものである。さらに、この定常ガラス堆積温度は、個々の堆積用バーナによってそれぞれガラス微粒子が堆積される部位ごとに設定される。例えば、コア用バーナ3が作動しているときは、コアとなるガラス微粒子が継続して安定して堆積している部分の多孔質ガラス体の表面温度が、該部位における定常ガラス堆積温度となる。
【0016】
通常、バーナによってガラス微粒子を堆積し、多孔質ガラス体を形成する際の、定常ガラス堆積温度は400〜1000℃、好ましくは600〜900℃とされている。このため、出発部材の予備加熱時の出発部材の目標温度を、これより約100℃以上高く、かつ1500℃以下とする。例えば、下端部a、外周部b、及び外周部cにおける定常ガラス堆積温度を、それぞれ600℃、750℃、900℃とした場合の下端部a、外周部b、及び外周部cにおける予備加熱の際の目標温度は、それぞれ700〜1500℃、850〜1500℃、1000〜1500℃となる。
予備加熱の際の温度が定常ガラス堆積温度より100℃未満であると、予備加熱による多孔質ガラス体の割れ、脱落防止効果が十分に得られず、また、予備加熱を1500℃より高くすると、ガラス微粒子がガラス化してしまい、多孔質ガラス体の形成に適さないからである。
【0017】
まず、バーナ3、4、5にガラス原料ガスを含まない、酸素や水素などを供給して火炎7を生成し、この火炎を出発部材1の下端部a、外周部b及び外周部cに当ててこれを加熱する。下端部a、外周部b及び外周部cにおける出発部材1の温度は、図示しない赤外線温度計によって遠隔的に測定される。この測定温度が上記の目標温度に達したら、バーナ3、4、5にSiCl、GeClなどのガラス原料ガスを追加供給し、予備加熱から順次、多孔質ガラス体の生成に移行する。
【0018】
なお、上記予備加熱の際、バーナ3、4、5による出発部材の下端部a、外周部b及び外周部cの加熱を同時に開始する場合と、これらバーナ3、4、5による予備加熱に時間差を設ける場合がある。すなわち、各バーナによる予備加熱の開始時間及び各バーナへのガラス原料ガスの供給開始時間は、光ファイバの製造装置、製造速度などに応じて適宜調整することができる。こうして、出発部材1へのガラス微粒子の堆積の直前まで、これを加熱することで、出発部材1の表面温度が低下することなく、予備加熱本来の効果が得られる。
【0019】
予備加熱から多孔質ガラス体の生成に移行する際、例えば以下のように行う。
図1に示すように、まずコア用バーナ3に水素、酸素を供給して出発部材1を予備加熱する。この時、第一及び第二クラッド用バーナ4、5は未点火の状態でよい。次いで、下端部aの温度が上記目標温度に達したら、コア用バーナ3にガラス原料ガスを追加供給し、図2に示すように、出発部材1の下端部aにコアとなるガラス微粒子を堆積する。
【0020】
このコア用バーナ3へのガラス原料ガスの追加供給の時点と相前後して、第一クラッド用バーナ4に水素、酸素を供給して、出発部材1の外周部bを予備加熱する。この時、コア用バーナ3を定常通り作動させ、出発部材1の下端部aにコアとなるガラス微粒子の堆積を続ける。また、第二クラッド用バーナ5は未点火の状態でよい。
次に、図3に示すように、出発部材1の外周部bの温度が目標温度に達し、かつ、コア用バーナ3へのガラス原料ガスの追加供給から約0〜120分経過後に、第一クラッド用バーナ4にガラス原料ガスを追加供給して、第一クラッド用バーナ4からガラス微粒子を生成し、出発部材1の外周部bに堆積を開始し、クラッドとなる多孔質ガラス体6の一部を形成する。
【0021】
この第一クラッド用バーナ4へのガラス原料ガスの追加供給と相前後して、第二クラッド用バーナ5に水素、酸素を供給して、出発部材1の外周部cを予備加熱する。この時、コア用バーナ3及び第一クラッド用バーナ4を定常通り作動させ、出発部材1の下端部aにコアとなるガラス微粒子の、外周部bにクラッドの一部となるガラス微粒子の堆積を続ける。
次いで、図4に示すように、第二クラッド用バーナ5による予備加熱により、出発部材1の外周部cの温度が目標温度に達し、かつ、第一クラッド用バーナ4へのガラス原料ガスの供給開始後、約0〜100分経過したのち、第二クラッド用バーナ5へのガラス原料ガスの供給を開始し、クラッドとなる多孔質ガラス体6の残部を形成する。
【0022】
かくして、3本のバーナ3、4、5によりコア及びクラッドを形成するガラス微粒子が生成され、図5に示すように、ガラス微粒子を継続して安定的に堆積することで、多孔質ガラス体6が形成される。図5において、コア用バーナ3によってガラス微粒子が堆積する部位の定常ガラス堆積温度は、多孔質ガラス体6の先端部fであり、第一クラッド用バーナ4によってガラス微粒子が堆積する部位の定常ガラス堆積温度は、多孔質ガラス体6の外周部eであり、第二クラッド用バーナ5によってガラス微粒子が堆積する部位の定常ガラス堆積温度は、多孔質ガラス体6の外周部fである。
このようにして得られた多孔質ガラス体6を、次いで、塩素化合物含有雰囲気中で加熱をして脱水処理を行い、さらに加熱して透明ガラス化することにより、光ファイバ母材が得られる。
【0023】
このような光ファイバ母材の製造方法にあっては、出発部材を定常ガラス堆積温度よりも100℃以上高く、かつ1500℃以下に加熱しておき、予備加熱された状態の出発部材1上にガラス微粒子を堆積して、多孔質ガラス体6を生成するものであるので、こうして製造された多孔質ガラス体6は、出発部材1に接する部分の嵩密度が高く、したがって割れや出発部材1からの脱落を起こしにくく、かつ多孔質ガラス体全体の特性を悪化させることもない。
【0024】
また、出発部材1の予備加熱源のための熱源として、既設のガラス微粒子生成用のバーナ3、4、5を流用できるので、新たな熱源を必要とせず、設備コストが増加することもない。
さらに、バーナ3、4、5において各バーナの予備加熱は、各バーナによるガラス微粒子の出発部材1への堆積直前まで維持するようにしているので、出発部材1全体がガラス微粒子で覆われる寸前まで予備加熱されることになり、多孔質ガラス体の割れ、脱落が完全に防止される。
【0025】
以上、3本のガラス堆積用バーナを使用した場合を例示して説明したが、本発明は3本以外の前記バーナを使用した場合にも適用できるものである。
さらに、本発明においては、上記予備加熱に用いられる熱源に、ガラス微粒子生成用のバーナ以外に赤外線ヒータや予備加熱専用のバーナなどを新たに使用してもよい。装置のコストを抑えるためには、前記予備加熱源としてガラス微粒子を堆積させるためのバーナを使用することが望ましい。
【0026】
【実施例】
以下、具体的な実施例を示して本発明の効果を明らかにする。
【0027】
実施例1
図1ないし図5に示したような多孔質ガラス体の製造装置を用いて、前述したように、石英ガラスからなる出発部材の下端部及び外周部にガラス微粒子を3本の多重管構造のバーナ3、4、5を使用して出発部材1の下端部a、外周部b及び外周部cに堆積させ、多孔質ガラス体を生成した。この際、コア用バーナ3へのガラス原料ガスの追加供給から約60分経過後に、第一クラッド用バーナ4にガラス原料ガスを追加供給して、さらに、第一クラッド用バーナ4へのガラス原料ガスの供給開始後、約50分経過したのち、第二クラッド用バーナ5へのガラス原料ガスの供給を開始した。
【0028】
各バーナ3、4、5へのガラス原料ガスの供給開始以前に、出発部材1の先端部a、外周部b、外周部cがそれぞれ下記に示す温度になるように各部位を予備加熱した。
バーナ3:下端部a;100℃以下〜1560℃
バーナ4:外周部b;1020℃
バーナ5:外周部c;1040℃
【0029】
なお、下端部a、外周部b及び外周部cにおける定常ガラス堆積温度は、それぞれ720℃、770℃、790℃とした。したがって、外周部b及び外周部cにおいて、ガラス微粒子を堆積する直前の出発部材の温度と定常ガラス堆積温度との差はともに250℃であった。
このようにして生成された多孔質ガラス体が直径約180mm、長さ1400mmに達するまでに、下端部aにおいて起こった多孔質ガラス体の割れ、脱落について調べた結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
Figure 2005035813
【0031】
また、予備加熱によって下端部aの温度を1500℃より高い温度に加熱し、ガラス微粒子の堆積を行ったところ、ガラス微粒子が堆積する時にガラス化してしまい、多孔質ガラス体を形成できなかった。
以上の結果から、下端部aにおいて出発部材の温度を、ガラス微粒子を堆積させる直前の温度が、定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下になるように予備加熱すると多孔質ガラス体の割れや脱落が起こりにくいことが分かった。
【0032】
実施例2
実施例1と同様にして、多孔質ガラス体を形成した。この際、出発部材1にガラス微粒子を堆積させる以前に、下端部a、外周部b及び外周部cの温度が以下のようになるように各バーナによって出発部材を予備加熱した。
バーナ3:下端部a;860℃
バーナ4:外周部b;820〜1020℃
バーナ5:外周部c;1040℃
したがって、下端部a及び外周部cにおいて、ガラス微粒子を堆積する直前の出発部材の温度と定常ガラス堆積温度との差は、それぞれ140℃、250℃であった。
このようにして生成された多孔質ガラス体が直径約180mm、長さ1400mmに達するまでに、外周部bにおいて起こった多孔質ガラス体の割れ、脱落について調べた結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
Figure 2005035813
【0034】
表2に示すように、外周部bにおいても出発部材の温度を、ガラス微粒子を体積させる直前の温度が、定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下になるように予備加熱すると多孔質ガラス体の割れや脱落が起こりにくいことが分かった。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明による光ファイバ母材の製造方法は、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱するものであるので、多孔質ガラス体の割れや出発部材からの脱落を防止できる。請求項2の発明は、前記出発部材の温度を、定常ガラス堆積温度よりも100℃以上高く、かつ1500℃以下にするものであるので、多孔質ガラス体の割れや出発部材からの脱落を防止できる。請求項3の発明は、前記予備加熱をガラス微粒子の堆積用のバーナを使用して行うものであるので、装置のコストが抑えられる。請求項4の発明は、前記予備加熱を複数本のバーナを用いて個々に行うものであるので、多孔質ガラス体の割れや出発部材からの脱落を効果的に防止できる。請求項5の発明は、複数本のバーナのうち、一本のバーナを用いて出発部材を定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下に予備加熱するものであるので、多孔質ガラス体の割れや出発部材からの脱落を防止できる。請求項6の発明は、複数本のバーナを用いて予備加熱を行う際、それぞれのバーナの作動によってガラス微粒子が堆積される部位において、定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下に予備加熱するものであるので、多孔質ガラス体の割れや出発部材からの脱落を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ母材の製造方法による多孔質ガラス体の生成工程を示す概略図である。
【図2】本発明の光ファイバ母材の製造方法による多孔質ガラス体の生成工程を示す概略図である。
【図3】本発明の光ファイバ母材の製造方法による多孔質ガラス体の生成工程を示す概略図である。
【図4】本発明の光ファイバ母材の製造方法による多孔質ガラス体の生成工程を示す概略図である。
【図5】本発明の光ファイバ母材の製造方法による多孔質ガラス体の生成工程を示す概略図である。
【図6】従来の光ファイバ母材の製造方法を示す概略図である。
【符号の説明】
1・・・出発部材、3・・・コア用バーナ、4・・・クラッド用第一バーナ、5・・・クラッド用第二バーナ、6・・・多孔質ガラス体。

Claims (6)

  1. 出発部材にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する光ファイバ母材の製造方法において、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. 出発部材の温度を、予備加熱によって定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下とすることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ母材の製造方法。
  3. 出発部材にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する光ファイバ母材の製造方法において、ガラス微粒子を堆積させる前に出発部材を予備加熱する際に、予備加熱に用いる加熱源として、ガラス微粒子の堆積に使われるバーナを利用することを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  4. 複数本のバーナを用いて多孔質ガラス体を製造する際、各バーナによってガラス微粒子を堆積させる前に予備加熱を行うことを特徴とする請求項3記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 複数本のバーナのうち、一本のバーナを用いて出発部材を予備加熱する際、このバーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下とすることを特徴とする請求項4記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. コア用バーナによって出発部材を予備加熱する際に、このコア用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、コア用バーナを作動させ、コアとなるガラス微粒子を堆積させ、
    次いで、第一クラッド用バーナによって出発部材を予備加熱する際に、この第一クラッド用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、第一クラッド用バーナを作動させ、クラッドの一部となるガラス微粒子を堆積させ、
    次いで、第二クラッド用バーナによって、出発部材を予備加熱する際に、この第二クラッド用バーナの作動によってガラス微粒子が堆積する出発部材の部位の温度を、該部位の定常ガラス堆積温度より100℃以上高く、かつ1500℃以下としたのち、第二クラッド用バーナを作動させ、クラッドの一部となるガラス微粒子を堆積させることを特徴とする請求項4記載の光ファイバ母材の製造方法。
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