JP2005035497A - 車両運転支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 道路路面上に照射した光ビームの表示の視認性を高くしつつ、かつ、安全な運転に必要な色情報を得ることが可能な車両運転支援システムを提供する。
【解決手段】 車両運転支援システム1は、道路路面上に所定のパターンで可視光ビームBを照射するビーム照射装置5と、道路路面から車両に対して反射してくる可視光ビームBの反射光を所定の透過率特性で透過させる光学フィルタ13と、を備えている。所定の透過率特性は、反射光の波長帯域に位置し透過率の極大ピークを含む高透過領域と、高透過領域を挟むように位置し透過率の極小ピークを含む低透過領域と、低透過領域に隣接し極大ピークと極小ピークとの間の透過率を有する中透過領域と、を有している。
【選択図】 図1


Description

本発明は車両運転支援システムに関する。
従来、道路路面上に視認可能な光ビームを照射する車両運転支援システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この車両運転支援システムによれば、光ビームによって道路路面上に映し出された表示を車両の運転者が見ることによって車幅や車両走行位置を確実に把握でき、より安全で確実な車両の運転走行を実現することができる。
特開平5−238307号公報
上記車両運転支援システムにおいては、昼間など周囲が明るい場合等にはビーム光で道路路面上に映し出された表示(以下「ビーム表示」という)が周囲の反射光に紛れ、視認が困難な場合がある。ところが、ビーム光が人の眼に入射した場合の安全性を考慮する必要があるため、使用できるビーム光の強さには限界があり、ビーム光を強くしてビーム表示の視認性を向上することには限界がある。このような場合に、ビーム表示の視認性を向上するため、運転者が光学フィルタを通してビーム表示を見ることができるように構成することが考えられる。一般的にこのような光学フィルタの透過率特性は、ビーム光の路面からの反射光の波長帯域に透過率のピークがあり、それ以外の波長帯域はほとんど透過しないように設計される。
しかしながら、運転者が上記の光学フィルタを通してビーム表示と前方の景色を見ることとすれば、前方の景色の色が変化して見え、運転者は景色の色に基づく情報(色情報)が正しく得られなくなってしまう。例えば、運転者の見る前方の景色が単色光に近づき、色情報が減少してしまう。このように、運転者が正しい色情報を得られなくなれば、例えば信号機の色(赤、黄、青、緑等)による指示を正しく認識できなくなる等、安全な車両の運転の妨げとなる。
そこで、本発明は上記問題点を解決し、道路路面上に照射した光ビームの表示の視認性を高くしつつ、かつ、安全な運転に必要な色情報を得ることが可能な車両運転支援システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の車両運転支援システムは、道路路面上に所定のパターンで可視光ビームを照射するビーム照射手段と、道路路面から車両に対して反射してくる可視光ビームの反射光を所定の透過率特性で透過させる光学フィルタと、を備え、所定の透過率特性は、反射光の波長帯域に位置し透過率の極大ピークを含む高透過領域と、高透過領域の短波長側及び長波長側にそれぞれ隣接し高透過領域を挟むように位置し透過率の極小ピークを含む低透過領域と、低透過領域の短波長側及び長波長側にそれぞれ隣接し高透過領域及び低透過領域を挟むように位置し極大ピークと極小ピークとの間の透過率を有する中透過領域と、を有することを特徴とする。
上記車両運転支援システムは、光学フィルタが可視光ビームの道路路面からの反射光の波長帯領域に透過率の極大ピークを含む高透過領域を有し、その両隣には透過率の極小ピークを含む低透過領域を有しているので、可視光ビームの道路路面上からの反射光をその他の光から際立たせて透過することができる。従って、例えば運転者はビーム表示をより明瞭に視認することができる。一方、それぞれの低透過領域の外側にある中透過領域は中程度の透過率を有するので、当該領域の光は完全にカットされることがなく、ある程度光学フィルタを透過する。よって、運転者が光学フィルタを通して見る光の波長は極端に偏ることがなく、景色の色情報が極端に失われることを抑制できる。
また、本発明の車両運転支援システムは、光学フィルタが、人が装着可能なサングラスに備えられたことを特徴としてもよい。
上記車両運転支援システムでは、光学フィルタはサングラスに備えられており、例えば車両の運転者、車両の周囲を通行する通行者(例えば歩行者等)がサングラスを装着し、光学フィルタを通してビーム表示を見ることが可能である。
車両の運転者はこのサングラスを自由に着脱することが可能である。よって、上記車両運転支援システムによれば、運転者がビーム表示を明瞭に視認することが必要なときはサングラスを装着し、運転者がより高い色情報を必要とするときはサングラスを装着しないというように、場合に応じて光学フィルタの使用・不使用を選択することができる。
また、道路を通行する通行者(例えば歩行者等)が光学フィルタを備えたサングラスを装着することも可能であり、この場合通行者はビーム表示をより明瞭に視認することができる。通行者は、ビーム表示を明瞭に視認することにより、車両が近くに存在することを早期に知ることができ、通行の安全を図ることができる。また、サングラスを装着していても、通行者が見る景色の色情報が極端に失われることを抑制でき、景色から正しい情報を得ることができる。このように、上記車両支援システムによれば、通行者の道路通行上の安全性を高めることができる。
また、本発明の車両運転支援システムは、光学フィルタのフィルタ機能のオン及びオフを切り替える切り替え手段を更に備えたことを特徴としてもよい。
上記車両運転支援システムでは、光学フィルタのフィルタ機能をオフにすることもできる。フィルタ機能がオフの状態においては、運転者は景色からより正確な色情報が得られる。よって、運転者がビーム表示の情報を必要とするときはオンの状態へ、運転者がより高い色情報を必要とするときはオフの状態へと切り替えることができる。1つの光学フィルタでこのような切り替えが可能であるので、場合に応じて光学フィルタを取り替えたり取り外したりする必要がない。
また、本発明の車両運転支援システムは、光学フィルタに電圧を印加する電圧印加手段を更に備え、電圧印加手段は、光学フィルタへ電圧印加を印加するか否かによって光学フィルタのフィルタ機能のオン及びオフを切り替えることを特徴としてもよい。
上記車両運転支援システムでは、光学フィルタのフィルタ機能のオン及びオフの切り替えのために機械的に動作する部材がほとんどない。よって上記車両運転支援システムによれば、簡単で素早いフィルタ機能の切り替えをすることができる。また、オン及びオフ切り替えの際に光学フィルタ自体を動かすことも不要であるので、光学フィルタを例えば車両のウインドシールド等に内蔵させて設けることも可能となる。
本発明によれば、道路路面上に照射した光ビームの表示の視認性を高くしつつ、かつ、安全な運転に必要な色情報を得ることが可能な車両運転支援システムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一要素には同一符号を用い、重複する説明は省略する。
図1は、実施形態に係る車両運転支援システム(以下「支援システム」という)1の構成を示すブロック図、図2は支援システム1を構成する部品の、車両100における搭載位置を説明する図である。
支援システム1は、ビーム照射装置(ビーム照射手段)5を備えている。ビーム照射装置5は図2に示すように車体前部の側部にそれぞれ1つずつ設けられている。ビーム照射装置5はそれぞれ車両前方の道路路面上に向けて光ビームを照射する。各光ビーム照射装置5は、ビーム発生器7、スキャンアクチュエータ9を備えている。ビーム発生器7は半導体レーザ装置からなり、可視光領域である例えば波長0.55μmの光ビームを発生し、整形レンズ等で整形したビーム光Bを出力する(以下このビーム光を「可視光ビーム」という)。
スキャンアクチュエータ9は例えば、超音波変光器又はガルバノミラーにより構成される。スキャンアクチュエータ9はビーム発生器7で出力された可視光ビームBを走査する機能を有している。ビーム発生器7及びスキャンアクチュエータ9には電子制御ユニット(ECU)11が接続されている。ECU11はビーム発生器7に指令信号を送信し、可視光ビームを出力させる。ECU11は指令信号によりスキャンアクチュエータ9を駆動する。スキャンアクチュエータ9は指令信号に従って可視光ビームBを走査し、道路路面上に例えば線形上、格子状等のパターンを表示する(以下、この道路路面上に表示されたパターンを「ビーム表示」という)。ビーム表示Pは、2W/m2程度の照射密度で描写される。運転者は前方の道路路面上に表示されたビーム表示Pを見ることによって車幅や車両走行位置を把握する。
支援システム1は、光学フィルタ13を備えている。光学フィルタ13は、道路路面から車両に対して反射してくる可視光ビームの反射光を所定の透過率特性で透過させる。光学フィルタ13はウインドシールド12に内蔵して設けられており、運転者の前方に位置している。光学フィルタ13は後述する透過率特性で車両前方外部からの光を透過し、車両内部へ取り込む。すなわち、車両内部において運転者は光学フィルタ13を通して前方の景色やビーム表示Pを見ることとなる。
光学フィルタ13は、運転者の切替スイッチ14の操作に従って、フィルタ機能のオン及びオフを切り替えることができるようになっている。「フィルタ機能がオン」の状態とは光学フィルタ13が後述する透過率特性を有する状態をいい、「フィルタ機能がオフ」の状態とは光学フィルタ13が後述する透過率特性を有しない状態をいう。
光学フィルタ13はフィルタ機能がオンの状態となったときには図3に示すような透過率特性を示す。図3は光学フィルタ13の透過率特性を示すグラフであり、横軸に光の波長、縦軸に光の透過率を示している。ここで透過率特性とは、透過する光の波長と透過率との関係を波長ごとに表したものをいう。透過率特性C1は、透過率がy1よりも高い高透過領域103を有している。高透過領域103は透過率の極大ピークを示す極大ピーク波長111を含んでいる。極大ピーク波長111は、可視光ビームの道路路面からの反射光の波長と一致している。極大ピーク波長111の光の透過率は約0.9となっている。透過率特性C1は、高透過領域103を挟むように、短波長側に第1の低透過領域102、長波長側に第2の低透過領域104を有している。低透過領域102、104では透過率がy1よりも低く、低透過領域102、104は透過率の極小ピークを示す極小ピーク波長を含んでいる。
透過率特性C1は、高透過領域103及び低透過領域102,104を挟むように、低透過領域102の短波長側に第1の中透過領域101、低透過領域104の長波長側に第2の中透過領域105を有している。中透過領域101、105の光の透過率はおよそy1となっている。
例えば光学フィルタ13の透過率特性C1は、第1の中透過領域101が0.45〜0.49μm、第1の低透過領域102が0.49〜0.53μm、高透過領域103が0.53〜0.56μm、第2の低透過領域104が0.56〜0.59μm、第2の中透過領域105が0.59〜0.65μmになるように設計される。また、例えば極大ピークとなる光の波長は0.54μmになるように設計される。また、例えば高透過領域103に対応する透過率は90%程度、低透過領域102、104に対応する透過率は5%程度、中透過領域101、105に対応する透過率y1は10%程度になるように設計される。また、高透過領域103に含まれる透過率の極大ピークは半値幅0.005〜0.01μmに設計されるのが好ましい。低透過領域102、104に含まれる透過率の極小ピークは半値幅0.01〜0.02μmに設計されるのが好ましい。
一方、光学フィルタ13のフィルタ機能がオフとなった場合は、光学フィルタ13は入射した光の全波長の光を同程度の透過率で透過させる。
光学フィルタ13のフィルタ機能をオン及びオフを切り替える切り替え手段について説明する。図4及び図5は光学フィルタ13の構成を示す斜視図であり、光学フィルタ13の厚み方向が図の上下方向に対応するように図示したものである。図4は、透明電極23a、23bとの間に電圧が印加されていない状態を示し、図5は、透明電極23a、23bとの間に電圧が印加された状態を示している。図のように光学フィルタ13の厚み方向にz方向を設定し、z方向に垂直な方向にx方向及びy方向を設定し以下の説明に用いる。
図4及び図5に示すように、光学フィルタ13は偏光フィルタ層21、液晶層23、干渉フィルタ層25がz方向に積層されて構成されている。偏光フィルタ層21は、y方向に偏光した光を選択的に透過させるようになっている。
液晶層23は透明電極23a、23b及び透明電極23a、23bの間に挟まれた液晶部23dを有している。電極23a、23bの間には印加手段(電圧印加手段)27が接続されており、透明電極23a、23bとの間に電圧を印加することができるようになっている。液晶部23dは、印加手段(電圧印加手段)27が透明電極23a、23bとの間に電圧を印加するか否かによって、液晶分子23eの配列が変わるようになっている。
まず、透明電極23a、23bとの間に電圧が印加されていない状態を図4に示す。このとき、液晶部23d中の液晶分子23eは、透明電極23a直近ではy方向に沿って分子の長さ方向を向けるように並んでおり、透明電極23b直近ではx方向に沿って分子の長さ方向を向けるように並んでいる。液晶分子23eの並びの方向は、透明電極23aから透明電極23bに向かうに従って除序に回転し、透明電極23aと透明電極23bとの間で約90度回転した方向となっている。このため、透明電極23aを通して液晶部23dにz方向に入力された光は振動方向(偏光方向)が90度回転して透明電極23bから出力される。
一方、透明電極23a、23bとの間に電圧が印加された状態を図5に示す。このとき、液晶分子23eは電圧により、z方向に沿って分子の長さ方向を向けるように並ぶ。このため、このため、透明電極23aを通して液晶部23dにz方向に入力された光は振動方向(偏光方向)を変えることなく出力される。
干渉フィルタ層25は、2枚の偏光板25a、25bが、所定の間隔αを設けz方向に重ねて構成されている。偏光板25a、25bは共に、x方向に偏光した光を選択的に透過させるようになっている。干渉フィルタ25に入力された光のうちy方向に偏光した光は、波長が間隔αの2倍と一致する光のみが干渉作用により増幅され、反射板25bへ出力される。すなわち、y方向に偏光した光のうち、所定波長(2α)の光が選択的に増幅され出力されることとなる。
図4を参照し、光学フィルタ13の、透明電極23a、23bの間に電圧を印加しない状態における可視光の透過について説明する。まず、光L1が光学フィルタ13に入力されると偏光フィルタ層21によってy方向に偏光した光が選択的に透過され、y方向に偏光した光L2となる。液晶層23に入力された光L2は偏光方向が90度回転され、x方向に偏光した光L3として出力される。干渉フィルタ層25に入力された光L3は、x方向に偏光しているので、偏光板25a及び偏光板25bをそのまま透過し、出力光L5となる。以上まとめると、光学フィルタ13からの出力光L5はx方向に偏光した光であり、光の波長の分布は入力光L1とほとんど差がない。このように、光学フィルタ13に入力された光は、波長によって選別されることなくすべての波長の光が同程度の透過率で透過する。すなわち、この状態が光学フィルタ13のフィルタ機能がオフになった状態に相当する。
図5を参照し、光学フィルタ13の、透明電極23a、23bの間に電圧を印加した状態における可視光の透過について説明する。まず、光L11が光学フィルタ13に入力されると偏光フィルタ層21によってy方向に偏光した光が選択的に透過され、y方向に偏光した光L12となる。液晶層23に入力された光L12は液晶層23をほぼそのまま透過し、y方向に偏光した光L13として出力される。干渉フィルタ層25に入力された光L13は、y方向に偏光しているので、光L13のうちわずかの光のみが光L14として偏光板25aを透過する。光L14のうち、波長が2αの光が干渉により偏光板25aと25bとの間で増幅され、増幅された光のうちy方向に偏光した光のみが光L15として出力される。以上まとめると、光学フィルタ13からの出力光L15はy方向に偏光した光であり、光の波長の分布は2αに偏っている。すなわち、光学フィルタ13は波長2αに高い透過率を有することとなる。すなわち、この状態が光学フィルタ13のフィルタ機能がオンになった状態に相当する。なお、他の波長を選択的に透過させる別の干渉フィルタ層(図示しない)を適当な組み合わせで重ねて設けることによって、光学フィルタ13を透過させる光の波長をさらに選択し、低透過領域及び中透過領域を形成することができる。
上記のように、光学フィルタ13は、印加手段27によって透明電極23a、23bの間に電圧を印加しない場合にはフィルタ機能がオフの状態となり、電圧を印加しない場合にはフィルタ機能がオンの状態となる。印加手段27及び液晶層23を含む光学フィルタ13は上記のように動作することによってフィルタ機能のオン及びオフを切り替える切り替え手段を構成する。
以下、支援システム1において、光学フィルタ13を用いた場合の作用について図6、図7を参照し説明する。図6、図7はCIE−XYZ表示系によるxy色度図を表したものである。図上にプロットした点のxy座標は光の色度を表しており、プロットした各点同士のxy座標(すなわち図上における距離)が近いほど色度(すなわち、見える色)が近似していることを表す。
図中、S点は太陽光の道路路面からの反射光(以下「太陽光反射光」という)の色度、P点は太陽光の下におけるビーム表示P(照射密度2W/m2)の色度をプロットしたものである。太陽光の下におけるビーム表示Pとは、太陽光反射光と可視光ビームの道路路面からの反射光が混合された光である。SF点は、太陽光反射光を、光学フィルタ13を通して見た場合の色度をプロットしたものである。PF点は、太陽光の下におけるビーム表示Pを、光学フィルタ13を通して見た場合の色度をプロットしたものである。点P2は、比較のため、ビーム照射装置5の照射密度を20W/m2と高め、太陽光の下において照射した場合のビーム表示P2の色度をプロットしたものである。
すなわち、太陽光反射光はS点で表される色度であり、太陽光反射光を当該光学フィルタ13を通して見た場合には、SF点で表される色度へ変化することを意味する。同様に、太陽光の下のビーム表示PはP点で表される色度であり、そのビーム表示Pを当該光学フィルタ13を通して見た場合には、PF点で表される色度へ変化することを意味する
図に示すとおり、太陽光反射光(S点)と太陽光の下のビーム表示P(P点)とは色度が近く、ほとんど同じ色として見えることがわかる。すなわち、太陽光反射光とビーム表示Pは見分けが付けにくく、太陽光の下ではビーム表示Pは視認が困難であることがわかる。しかし、両者を当該光学フィルタ13を通して見ることとすれば、それぞれ見える光の色度はSF点、PF点へと変化し、色度の差が拡がることがわかる。これは図3に示すように、光学フィルタ13の透過率特性が可視光ビームBの波長を含む領域に高透過領域を含み、ビーム表示Pからの光をその他の光よりも多く透過するからである。すなわち、光学フィルタ13を通して見れば、太陽光の下においてビーム表示Pを明瞭に視認できることがわかる。
ここで、図上のSF点とPF点との距離は、図上のS点とP2点との距離と同程度である。すなわち、光学フィルタ13を通してビーム表示Pを見ることとすれば、ビーム表示Pの照射密度を20W/m2まで高めて太陽光の下で表示し、光学フィルタ13を通さずに見た場合(P2点)と同様の視認性を得られることを意味する。
上記のように、支援システム1によれば、運転者は光学フィルタ13を通してビーム表示Pを見るので、ビーム表示Pの照射密度を2W/m2と低く抑えつつビーム表示Pの十分な視認性を確保することができる。
また、図7は光学フィルタ13を通して車両前方の景色を見た場合について説明するための色度図である。図中のR点、G点、B点、Y点、W点はそれぞれ赤色光、緑色光、青色光、黄色光、太陽光の色度をプロットしたものである。また、図中のRF点、GF点、BF点、YF点、WF点はそれぞれ赤色光、緑色光、青色光、黄色光、太陽光を光学フィルタ13を通して見た場合の色度をプロットしたものである。
図に示すとおり、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、太陽光は光学フィルタ13を通して見た場合も光学フィルタ13を通さない場合と比べてほとんど色度が変化していない。これは、図3に示すように、光学フィルタ13の透過率特性が中透過領域101、105を有し、赤色光、緑色光、青色光、黄色光、及びこれらの光が混合した太陽光適度に透過するからである。すなわち、運転者は示す光学フィルタ13を通して車両前方の景色を見ても、明度は減少するものの景色の色情報はほとんど変化しないことを意味する。特に、信号機に用いられる赤色光、緑色光、青色光、黄色光について運転者が正しい色情報を得ることができ、信号機による道路交通上の指示を正しく理解することができる。
よって、支援システム1によれば、光学フィルタ13を通して景色を見ても、安全な運転に必要な色情報を十分得ることができる。
上記のとおり、支援システム1によれば、ビーム表示Pの視認性を高くしつつ、なおかつ、安全な運転に必要な色情報を得ることが可能である。
また、支援システム1では、光学フィルタ13のフィルタ機能のオン及びオフを切り替えることができる。よって、運転者がビーム表示Pを明瞭に見たい場合にはフィルタ機能をオンの状態へ、ビーム表示Pを見る必要がない場合は多くの色情報を得られるオフの状態へと切り替えることができる。このように切り替えが可能であるので、必要に応じて光学フィルタを取り替えたり取り外したりする必要もない。
また、支援システム1では、液晶層23を有する光学フィルタ13を用いている。よって、光学フィルタ13のフィルタ機能のオン及びオフは、液晶層23に電圧を印加するか否かによって切り替えることができる。従って、オン及びオフの切り替えのために機械的に動作する部材もほとんどなく、簡単で素早い切り替えをすることができる。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、上記した実施形態では光学フィルタ13を通して運転者がビーム表示及び車両前方の景色を確認するシステムに本発明を適用したが、図8に示す支援システム51ように、光学フィルタ13を有する撮像手段53によって車両前方の景色を撮像し、ビーム表示Pを認識させるシステムに本発明を適用してもよい。この場合、撮像装置53は例えば、カメラ55のレンズの前に光学フィルタ13を設置して構成される。このような構成により外部からカメラ55に入射する光をフィルタリングすることができる。撮像装置53は、たとえば図2に示すように車両100の前方中心部に備えられる。支援システム51によれば、撮像装置53によるビーム表示Pの視認性を高くしつつ、なおかつ、撮像装置53は安全な運転に必要な色情報を得ることが可能である。また、支援システム51によれば、撮像装置53で取得される画像においても十分な色情報が得られるので、撮像装置53で取得した画像データを、色情報を利用した他のシステム(例えば前方監視システム)に共通して用いることも可能である。
また、上記した第1実施形態では、光学フィルタ13をウインドシールド12に内蔵しているが、本発明においては、光学フィルタ13を、運転席前方に設けられたサンバイザー状の部材としてもよい。そのようにすれば、光学フィルタを場合に応じて容易に着脱することが可能であるので、フィルタ機能のオン及びオフを切り替える切り替え手段を省略することができる。
また、光学フィルタ13を、人が装着可能なサングラスに備えることとしてもよい。このようにすれば、例えば車両の運転者、車両の周囲を通行する通行者(例えば歩行者等)がサングラスを装着し、光学フィルタを通してビーム表示を見ることが可能である。
車両の運転者はこのサングラスを自由に着脱することが可能である。よって、運転者がビーム表示を明瞭に視認することが必要なときはサングラスを装着し、運転者がより高い色情報を必要とするときはサングラスを装着しないというように、場合に応じて容易に光学フィルタの使用・不使用を選択することができる。このため、フィルタ機能のオン及びオフを切り替える切り替え手段を省略することができる。
また、道路を通行する通行者(例えば歩行者等)が光学フィルタを備えたサングラスを装着することも可能であり、この場合通行者はビーム表示をより明瞭に視認することができる。通行者は、ビーム表示を明瞭に視認することにより、車両が近くに存在することを早期に知ることができ、通行の安全を図ることができる。また、サングラスを装着していても、通行者が見る景色の色情報が極端に失われることを抑制でき、景色から正しい情報を得ることができる。このように、通行者の道路通行上の安全性を高めることも可能となる。
車両運転支援システムの構成を示すブロック図である。 車両運転支援システムを構成する部品の車両における搭載位置を説明する図である。 光学フィルタの透過率特性を示すグラフである。 光学フィルタの構成を示す斜視図である。 光学フィルタの構成を示す斜視図である。 光学フィルタを用いた場合の作用について説明するための色度図である。 光学フィルタを用いた場合の作用について説明するための色度図である。 車両運転支援システムの変形例の構成を示すブロック図である。
符号の説明
1…車両運転支援システム、5…ビーム照射装置、12…ウインドシールド、13…光学フィルタ、14…切替スイッチ、21…偏光フィルタ層、23…液晶層、51…支援システム、53…撮像装置、101…中透過領域、102…低透過領域、103…高透過領域、104…低透過領域、105…中透過領域、P…ビーム表示。

Claims (4)

  1. 道路路面上に所定のパターンで可視光ビームを照射するビーム照射手段と、
    前記道路路面から車両に対して反射してくる前記可視光ビームの反射光を所定の透過率特性で透過させる光学フィルタと、を備え、
    前記所定の透過率特性は、
    前記反射光の波長帯域に位置し透過率の極大ピークを含む高透過領域と、
    前記高透過領域の短波長側及び長波長側にそれぞれ隣接し前記高透過領域を挟むように位置し透過率の極小ピークを含む低透過領域と、
    前記低透過領域の短波長側及び長波長側にそれぞれ隣接し前記高透過領域及び前記低透過領域を挟むように位置し前記極大ピークと前記極小ピークとの間の透過率を有する中透過領域と、
    を有することを特徴とする車両運転支援システム。
  2. 前記光学フィルタは、人が装着可能なサングラスに備えられたことを特徴とする請求項1に記載の車両運転支援システム。
  3. 前記光学フィルタのフィルタ機能のオン及びオフを切り替える切り替え手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両運転支援システム。
  4. 前記光学フィルタに電圧を印加する電圧印加手段を更に備え、
    前記電圧印加手段は、
    前記光学フィルタへ電圧印加を印加するか否かによって前記光学フィルタのフィルタ機能のオン及びオフを切り替えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の車両運転支援システム。
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